説明

無線装置

【課題】無線伝搬路状態に応じて最適なフレームタイミングの検出動作を実行する。
【解決手段】無線装置2は,受信信号IQと受信信号IQの無線フレームに含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,平均化した相関値プロファイルを平均化し,相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミングを検出する検出回路50を有し,検出回路50は,ゲインに応じて,平均化する相関値プロファイルの数を増減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,フレーム同期機能を有する無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受信側の無線装置は,例えば,下記の処理を実行することによりフレーム同期をとる。まず,無線装置は,増幅器により所定の振幅に増幅された受信信号とこの受信信号の無線フレーム(以下,フレームと略記する)に含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミング(以下,フレームタイミングと略記する)を検出する。無線装置は,このフレームタイミングに基づきフレームの先頭位置を決定し,この先頭位置を基準にして,受信信号を復調することでフレーム同期をとる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−207983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線装置は,フレームに含まれる同期パターンとこの同期パターンのレプリカとの相関値(以下,同期パターン相関値と略記する)以外の例えばレプリカと高い相関があるノイズに起因する相関値(以下,ノイズ相関値と略記する)によるフレームタイミングの検出誤差を抑えるため,フレーム毎の相関値プロファイルを平均化する。そして,平均化した相関値プロファイルに基づきフレームタイミングを検出する。
【0005】
ノイズ相関値はランダムに発生するものであり,平均化する相関値プロファイルの数を多くすればするほど,フレームタイミングの検出精度が向上する。しかし,平均化する相関値プロファイルの数が多くなれば,フレームタイミングを検出するまでの時間が長くなり,フレーム同期が外れ易くなる。
【0006】
そこで,無線装置は,平均化する相関値プロファイルの数を最小に設定している。しかし,例えば,無線装置がビルなどの障害物の陰に入ること(シャドーイング(Shadowing)とも言う)が原因で,無線伝搬路状態が悪化すると,フレームタイミングの検出精度が低下する。その結果,フレーム同期がとれなくなることがある。
【0007】
また,無線伝搬路状態がさらに悪化してフレーム同期がとれなくなっても,無線装置は,フレームタイミングの検出動作を実行するので,無駄な電力を消費していた。すなわち,このような無線装置は,無線伝搬路状態に応じて最適なフレームタイミングの検出動作を実行することができない。
【0008】
本発明の目的は,無線伝搬路状態に応じて最適なフレームタイミングの検出動作を実行する無線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
無線装置の第1の側面は,アンテナを介して受信した信号を増幅する増幅器を有し,前記増幅後の受信信号を出力する受信部と,
前記受信信号の電力レベルに基づき前記増幅器のゲインを制御する制御部と,
前記受信信号と当該受信信号の無線フレームに含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,前記相関値プロファイルを平均化し,当該平均化した相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミングを検出する検出回路とを有し,
前記検出回路は,前記ゲインに応じて,前記平均化する相関値プロファイルの数を増減する。
【発明の効果】
【0010】
第1の側面によれば,無線伝搬路状態に応じて最適なフレームタイミングの検出動作を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態を説明するためのフレーム同期機能を有する無線装置の機能ブロック図である。
【図2】相関値の算出を説明する図である。
【図3】相関値プロファイルの一例を示す図である。
【図4】フレーム同期処理を説明する第1のフロー図である。
【図5】フレーム同期処理を説明する第2のフロー図である。
【図6】同期外れが生じる理由について説明する図である。
【図7】第1の実施の形態の無線装置を説明する機能ブロック図である。
【図8】平均化する相関値プロファイルの数の増減処理を説明する図である。
【図9】第1の実施の形態の無線装置の動作を説明する第1のフロー図である。
【図10】第1の実施の形態の無線装置の動作を説明する第2のフロー図である。
【図11】第2の実施の形態の無線装置を説明する機能ブロック図である。
【図12】第2の実施の形態の無線装置の動作を説明する第1のフロー図である。
【図13】第2の実施の形態の無線装置の動作を説明する第2のフロー図である。
【図14】第3の実施の形態の無線装置を説明する機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は,本実施の形態を説明するためのフレーム同期機能を有する無線装置の機能ブロック図である。無線装置1は,アンテナATを介して受信した信号を増幅し所定の振幅に調整する増幅器を有し増幅後の信号Rvを出力するRF部(受信部)10と,RF部10が出力した信号Rvから復調信号Dmを得るベースバンド部20とを有する。
【0013】
まず,RF部10の構成について説明する。第1の増幅器(RF増幅用アンプ)11は,アンテナATを介して受信した信号を増幅し周波数変換器12に出力する。周波数変換器12は,第1の増幅器11の出力信号の周波数を,局部発振回路13を利用してベースバンド帯域の周波数に変換(ダウンコンバート)する。フィルタ14は,周波数変換器12の出力信号をフィルタし,第2の増幅器(IF増幅用アンプ)15に出力する。
【0014】
第2の増幅器15は,フィルタ14の出力信号を増幅し,増幅後の信号Rvをベースバンド部20とレベル測定部16に出力する。レベル測定部16は,第2の増幅器15の出力信号Rvの電力レベルを測定し,ゲイン制御部17に出力する。ゲイン制御部17は,この電力レベルに基づき第1の増幅器11,第2の増幅器15のゲイン(利得とも言う)を決定し,各ゲインをそれぞれ第1の増幅器11,第2の増幅器15に出力する。第1の増幅器11,第2の増幅器15は,このゲインに基づき入力信号を増幅する。
【0015】
次に,ベースバンド部20の構成について説明する。ベースバンド部20は,RF部10から入力されたアナログの受信信号Rvをデジタルの受信信号IQに変換し,検出回路30,復調回路40に出力するADC(Analog to Digital Converter)21と,ADC21の出力信号IQに含まれるフレームの先頭タイミング(フレームタイミング)を検出する検出回路30と,ADC21の出力信号IQに対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理などを実行して復調信号Dmを得て,後段のアプリケーションに出力する復調回路40とを有する。
【0016】
まず,検出回路30の構成について説明する。乗算器31は,受信信号IQと,受信信号IQに含まれる,フレームタイミング検知用のフレーム同期用パターン(同期パターン)のレプリカとの相関値を算出し,相関値とこの相関値に対応するサンプリングタイミング(時間)を出力する。以下,相関値とこの相関値に対応するサンプリングタイミングを相関値プロファイルとする。すなわち,乗算器31は,相関値プロファイルを求める。なお,このレプリカは,無線装置1内に格納されている。
【0017】
図2は,相関値プロファイルCorrの算出を説明する図である。図2(A)は,受信信号IQに含まれるフレームを示し,フレームF21,フレームF22…フレームF2nが順次,乗算器31に入力されている様子を示している。図2(B)は,同期パターンのレプリカを示し,図2(C)は,乗算器31が算出した相関値を示している。図2(C)に示す相関値は,乗算器31が,雑音成分が含まれていない理想的な状態の受信信号IQに対して算出した相関値であるとする。
【0018】
乗算器31は,基準タイミングに対応する,所定期間において,サンプリングタイミング毎に受信信号IQと同期パターンのレプリカRpとを乗算し,相関値プロファイルCorrを算出する。この基準タイミングは,無線装置1が,対向する無線装置との接続を開始する際に受信信号IQと同期パターンのレプリカRpとの相関値を一定期間算出し,最大相関値に対応するサンプリングタイミングを検出することにより得たものである。この基準タイミングは,無線装置1が現時点で保持しているフレームタイミングであり,この基準タイミングに,フレームの先頭部分が到来し受信信号IQと同期パターンのレプリカRpとの相関値が最大になると予想される。従って,この基準タイミング前後の所定期間においてレプリカRpとの相関値をとることで,実際のフレームタイミングに追従することができる。
【0019】
相関値の算出において,図2(C)に示したように,フレームF21に含まれる同期パターンS21と同期パターンのレプリカRpとが一致する場合にのみ相関値が大きくなり,それ以外の場合には相関値は小さくなる。この一致する場合における大きな相関値は,同期パターン相関値であり,それ以外の大きな相関値はノイズ相関値である。また,再び,次の基準タイミングに至ると,乗算器31は,同様に相関値の算出を実行する。基準タイミングの間隔は,フレーム長に対応する時間であるとする。所定期間は,同期パターン長に対応する時間であるとする。このように,基準タイミング毎に,所定期間において相関値の算出処理を実行することで,常時相関値を算出する場合と比較して処理負荷を削減することができる。なお,所定期間は,同期パターン長に対応する時間よりも長くしてもよい。
【0020】
図3は,相関値プロファイルの一例を示す図である。ここでは,所定期間に対応する時間内において,乗算器31が出力した相関値プロファイルを示す。なお,図3の相関値は図2の相関値とは異なる値である。
【0021】
横軸は,サンプリングタイミング(時間)を示し,原点(0)が基準タイミングに対応する。縦軸は,あるサンプリングタイミングにおける相関値の強度を表す。受信信号IQと同期パターンのレプリカとの相関が強いほど相関値は大きくなる。従って,最大相関値に対応するサンプリングタイミングを実際のフレームタイミングと見なす。この例では,最大相関値(約8.5)に対応するサンプリングタイミング(+70)が実際のフレームタイミングである。
【0022】
原点に対してプラス側に最大相関値が現れた場合,無線装置1の基準タイミングが実際のフレームタイミングに対して遅れていることを示し,マイナス側に最大相関値が現れた場合,進んでいることを示す。このことから,図3の例では,無線装置1の基準タイミングが遅れていることがわかる。
【0023】
図1の説明に戻る。平均部32は,相関値プロファイルCorrを平均化し,平均化した相関値プロファイルCorravgをピーク検出部33に出力する。平均化する相関値プロファイルCorrの数は予め平均部32に設定されている値である。例えば,平均化する相関値プロファイルCorrの数がNに設定されている場合,N個のフレームの相関値プロファイルCorrを平均化する。Nが2の場合,図2の例では,フレームF21,フレームF22の相関値プロファイルを平均化する。このように平均化する理由を説明する。すなわち,ノイズ相関値は,受信信号のフレームにおいて,同期パターンのレプリカとたまたま一致する信号成分によるものである。また,ノイズ相関値は,無線伝搬路で発生する雑音(空電,都市雑音など)やRF部10で発生する熱雑音である雑音成分によるものである。このようなノイズ相関値はランダムに発生するものである。従って,複数の相関値プロファイルを平均化することより,ランダムに発生するノイズ相関値を抑圧することができる。
【0024】
ピーク検出部33は,平均化した相関値プロファイルCorravgの最大相関値(最大ピーク値)を検索し,この最大相関値に対応するサンプリングタイミングの時間PeakTをタイミング算出部34に出力する。仮に,フレームF21の相関値プロファイルとフレームF22の相関値プロファイルとを平均化した相関値プロファイルが図3に示した相関値プロファイルであるとすると,ピーク検出部33は,最大相関値「約8.5」を検索し,最大相関値「約8.5」に対応するサンプリングタイミングの時間+70(PeakT)をタイミング算出部34に出力する。
【0025】
タイミング算出部34は,時間PeakTに基づき,フレームタイミングtを算出(検出)し,遅延部35,比較器36,スイッチ37に出力する。このタイミング算出により,実際のフレームタイミングが決定される。
【0026】
遅延部35は,入力されたフレームタイミングを一定時間遅延させて比較器36に出力する。具体的には,タイミング算出部34からフレームタイミングtが入力されると,フレームタイミングtの1つ前に既に入力されたフレームタイミングt0を比較器36に出力する。
【0027】
比較器36は,フレームタイミングtとフレームタイミングt0との差分であるタイミングエラーerrを算出し,判定部38に出力する。
【0028】
判定部38は,タイミングエラーerrが閾値Tth以下であるか,さらに,復調回路40のSNR算出部42から入力された信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)が閾値SNRth以上か否かを判定することにより,フレームタイミングを更新するか否かを判定する。タイミングエラーerrが閾値Tth以下であり,かつ,信号対雑音比SNRが閾値SNRth以上の場合には,判定部38は,スイッチ37をオン状態にする制御信号jdgをスイッチ37に出力する。タイミングエラーerrが閾値Tthを超えている場合,または,信号対雑音比SNRが閾値SNRth未満の場合には,判定部38は,スイッチ37をオフ状態にする制御信号jdgをスイッチ37に出力する。
【0029】
スイッチ37がオン状態になると,タイミング算出部34が出力したフレームタイミングtが,復調回路40のFFT部41に入力される。FFT部41は,そのフレームタイミングtに基づきFFTウィンドウの位置を調整し,調整後のFFTウィンドウでFFT処理を実行する。すなわち,フレームタイミングが更新される。フレームタイミングが更新されることは,基準タイミングが更新されることと同義である。
【0030】
一方,スイッチ37がオフ状態になると,フレームタイミングtは復調回路40のFFT部41に入力されない。この場合,FFT部41は,FFTウィンドウの調整を行わず,直前のフレームタイミングに基づくFFTウィンドウでFFT処理を行う。すなわち,フレームタイミングは更新されない。このようにして,無線装置1は,フレーム同期をとる。
【0031】
判定部38の判定処理にタイミングエラーerr,信号対雑音比SNRを参照する理由について説明する。タイミングエラーerrは,例えば無線装置1が高速移動している場合に発生することがある。無線装置1が高速移動すると,ドップラー効果により伝搬電波(送信信号)の到来タイミングに変化が生じ,フレームの到来時間が変化することがある。その結果,無線装置1が保持している基準タイミングと実際のフレームタイミングとの間に時間的なずれが生じてしまいタイミングエラーerrが発生する。
【0032】
このとき,タイミングエラーerrが大きい場合には,フレームタイミングの信頼度が低いと見なし,基準タイミングの更新を行わない。
【0033】
また,一般的に,信号対雑音比SNRが小さくなるに従って,雑音成分の割合が大きくなり,同期パターン相関値が小さくなる。その結果,信号対雑音比SNRが小さくなると,相関値プロファイルの最大相関値が,同期パターンによる最大相関値であるか,あるいは雑音成分による最大相関値であるかを判別できなくなる。すなわち,信号対雑音比SNRが小さい場合,同期パターン相関値の精度が低くなり,算出したフレームタイミングtの精度も低くなる。そこで,信号対雑音比SNRを参照し,信号対雑音比SNRが小さい場合には,算出したフレームタイミングtの精度が低いと見なして,フレームタイミングの更新を行わない。
【0034】
このように,算出したフレームタイミングtの精度が低いと見なせる場合には,フレームタイミングtが復調回路40に入力されず,誤ったフレームタイミングに調整されるのを防止している。
【0035】
復調回路40のFFT部41にフレームタイミングtが入力されると,FFT部41はフレームタイミングtを参照して,FFTウィンドウの位置を調整し,時間域の受信信号IQを周波数域の信号に変換するFFT処理を実行し,SNR算出部41に出力する。SNR算出部41は,信号対雑音比SNRを算出し判定部38にフィードバック出力する。また,復調回路40は,FFT部41の出力信号に各種処理を実行して復調信号Dmを得て,後段のアプリケーション(図示しない)に出力する。なお,スイッチ37がオフ状態の場合,タイミング算出部34が出力したフレームタイミングtは復調回路40のFFT部41に入力されない。従って,FFT部41は既に入力されたフレームタイミングを参照し,時間域の受信信号IQを周波数域の信号に変換する。
【0036】
図4,図5は,フレーム同期処理を説明するフロー図である。乗算器31は,基準タイミング毎に相関値プロファイルCorrを算出し,平均部32に出力する(ステップS1)。平均部32は,入力された相関値プロファイルCorrの数をカウントする(ステップS2)。カウントした相関値プロファイルCorrの数が予め設定されている所定の相関値プロファイルCorrの数になると(ステップS3/YES),平均部32は,入力された相関値プロファイルCorrを平均化する(ステップS4)。カウントした相関値プロファイルCorrの数が所定のプロファイルの数にならない場合(ステップS3/NO),ステップS1に戻る。
【0037】
ステップS4の処理が終了すると,ピーク検出部33は,平均化した相関値プロファイルCorravgの最大相関値を検索し(ステップS5),タイミング算出部34は,ピーク時間PeakTに基づき,フレームタイミングtを算出する(ステップS6)。そして,比較器36は,フレームタイミングtと前回のフレームタイミングt0からタイミングエラーerrを算出し(ステップS7),判定部38は,タイミングエラーerr,信号対雑音比SNRに基づき,フレームタイミングを更新するか否かを判定する(ステップS8)。
【0038】
フレームタイミングを更新する場合(ステップS9/YES),算出したフレームタイミングが復調回路40に入力され(ステップS10),ステップS1に戻る。フレームタイミングを更新されない場合(ステップS9/NO),ステップS10の処理を実行せず,ステップS1に戻る。
【0039】
このようにして,フレームタイミングを適宜更新することにより,フレーム同期を維持し,フレーム同期が外れて対向する無線装置との通信が途絶えるのを防止している。
【0040】
しかし,このようにフレームタイミングを更新しても,例えば無線装置1が高速移動中において,シャドーイングにより無線伝搬路状態が悪化して受信信号の電力が低くなると,同期外れが生じることがある。
【0041】
図6は,同期外れが生じる理由について説明する図である。左側の縦軸は同期パターン相関値を示し,右側の縦軸はタイミングエラーerrの割合を示し,横軸はゲイン制御部17が出力するゲインの値を示す。このゲインは,無線伝搬路状態の指標となり,ゲインが大きいほど受信信号の電力が弱く無線伝搬路状態が悪いと見なし,ゲインが小さいほど受信信号の電力が強く無線伝搬路状態が良いと見なす。図中の丸印は,同期パターン相関値を示し,菱形印は平均化後の相関値プロファイルCorrに基づき算出されたタイミングエラーerrの割合を示し,ばつ印は平均化前の相関値プロファイルCorrに基づき算出されたタイミングエラーerrを示す。
【0042】
ゲインが大きくなると共に徐々に同期パターン相関値が低下し,ゲイン100[dB]付近から同期パターン相関値が急激に低下する(丸印参照)。このように同期パターン相関値が低下する理由を説明する。すなわち,無線伝搬路状態が悪くなる(ゲインが大きくなる)と受信信号に含まれる信号成分の割合が少なくなり雑音成分の割合が多くなる。その結果,受信信号の信号成分に含まれる同期パターンに雑音が混在するからである。なお,このゲイン100[dB]は実施形態に依存する値である。
【0043】
また,同期パターン相関値の低下に伴い,平均化前の相関値プロファイルCorrに基づき算出されたタイミングエラーerrが増大する(ばつ印)。この理由を説明する。すなわち,前述したように,同期パターン相関値が小さくなると,ノイズ相関値(同期パターン相関値以外の相関値)のピークが同期パターン相関値よりも相対的に大きくなる。そのため,ピーク検出部33が,ノイズ相関値のピークに対応するサンプリングタイミングをフレームタイミングとして誤検知するからである。
【0044】
その結果,閾値TThよりも大きいタイミングエラーerrが算出され,フレームタイミングの更新が行われなくなる(図5のステップS9においてNO)。このようにゲインが100[dB]を超える状態が継続している間に,フレームタイミング(基準タイミング)の更新が行われないと,基準タイミングと実際のフレームタイミングとの差が徐々に大きくなる。すると,復調回路40のFFT部41は,FFTウィンドウを適切な位置に設定することができなくなり,受信信号を正しく復調できなくなる。そして,同期外れが生じ,最終的には通信が途絶えてしまう。
【0045】
一方,複数の相関値プロファイルCorrを平均化すると,図6に示したように,タイミングエラーerrは増大しなくなる(菱形印参照)。何故なら,ノイズ相関値は,時間的にランダムに発生するので,複数の相関値プロファイルCorrを平均化すれば,ノイズ相関値のピークが低くなる。すると,同期パターン相関値がノイズ相関値のピークよりも相対的に大きくなり,正確なフレームタイミングを検知できるようになるからである。従って,平均化する相関値プロファイルCorrの数を増やせば,より正確なフレームタイミングを検知できることがわかる。
【0046】
平均化する相関値プロファイルの数を増やせば,その分フレームタイミングの検出が遅延し,その結果,同期が外れる。そこで,平均化する相関値プロファイルの数を,ノイズ相関値を除去できる程度の最小値に設定している。しかし,無線伝搬路状態が悪くなると,ノイズ相関値が大きくなり,この最小値では,ノイズ相関値を十分に抑圧することができず,同期が外れる。つまり,ノイズ相関値を十分に抑圧できる最適な平均数は,無線伝搬路状態(雑音レベル)による。
【0047】
よって,本実施の形態の無線装置は,無線伝搬路状態が悪化すると,平均化する相関値プロファイルの数を増やすことでフレーム同期を維持する。具体的には,本無線装置は,増幅器のゲインに基づきフレームタイミングの検出回路をフィードフォワード制御することで,平均化する相関値プロファイルの数を適切に調整する。
【0048】
(第1の実施の形態)
図7は,第1の実施の形態の無線装置を説明する機能ブロック図である。なお,図1の無線装置1と同様の機能を有する機能ブロックについては,同じ符号を振りその説明を省略する。ゲイン制御部18は,レベル測定部16から入力された受信信号Rvの電力レベルに基づき決定したゲインを第1の増幅器11,第2の増幅器15の他に検出回路50の平均数調整部51に出力する。なお,このゲインが,第1の増幅器11,第2の増幅器15毎に決定されたゲインの場合,2つのゲインの何れか1つのゲイン,または,2つのゲインに対して平均化などの計算処理を施した値を平均数調整部51に出力してもよい。
【0049】
平均数調整部51は,入力されたゲインに応じて,平均化する相関値プロファイルの数を増減(調整)する。そして,調整後の相関値プロファイルの数を平均部52に設定する。平均部52は,以後,設定後の相関値プロファイルの数に応じて,相関値プロファイルCorrを平均化する。具体的には,平均数調整部51は,ゲインが第1の閾値以上になると,平均化する相関値プロファイルの数を増加し,平均部52に設定する。ゲインが第1の閾値未満になると,増加した相関値プロファイルの数を増加前の数に戻し,平均部52に設定する。この第1の閾値は,図6で説明したゲイン100[dB]に相当するものである。
【0050】
他にも,平均数調整部51は,ゲインが大きくなるに従って平均化する相関値プロファイルの数を増やし,ゲインが小さくなるに従って平均化する相関値プロファイルの数を減らすようにしてもよい。このとき,ゲインが第1の閾値以上になると,ゲインが大きくなるに従って平均化する相関値プロファイルの数を増やすようにしてもよく,様々な増減方法を採用できる。
【0051】
平均部52は,設定された数の相関値プロファイルを平均化する。以後,平均化する相関値プロファイルを平均化相関値プロファイルと略記する。
【0052】
図8は,平均化相関値プロファイルの数を増減する処理を説明する図である。増加前の平均化相関値プロファイルの数をNとし,増加後の平均化相関値プロファイルの数をN’(N’>N)とする。図8に示したように,ゲインが第1の閾値以上になると,平均数調整部51は,平均化相関値プロファイルの数をNからN’に増加する。平均部52は,増加後の数N’のフレームの相関値プロファイルを平均化する。また,ゲインが第1の閾値未満になると,平均数調整部51は,平均化相関値プロファイルの数を増加前の数Nに戻す。
【0053】
図9,図10は,第1の実施の形態の無線装置2の動作を説明するフロー図である。ゲイン制御部18は,受信信号Rvの電力レベルに基づき増幅器11,15のゲインを決定する(ステップS11)。平均数調整部51は,ゲインが第1の閾値以上の場合(ステップS12/YES),平均化相関値プロファイルの数を増加し,平均部52に設定する(ステップS13)。ゲインが第1の閾値未満の場合(ステップS12/NO),平均化相関値プロファイルの数を増加前の数に戻し,平均部52に設定する(ステップS14)。この時,平均部52に設定した相関値プロファイルの数が図4のステップS3で説明した所定の相関値プロファイルの数となる。なお,平均数調整部51は,平均化相関値プロファイルの数を増加していない場合にはステップS14の処理を実行しない。以後,無線装置2は,ステップS15〜S24の処理を実行するが,この処理は,図4,図5のフロー図で説明したステップS1〜S10の処理と同様なので説明を省略する。
【0054】
このように,無線伝搬路状態の指標となるゲインを検出回路60のフィードフォワード制御に利用することで,無線伝搬路状態が悪化した場合でも,高精度にフレームタイミングを検出することができる。
【0055】
また,検出回路60の前段に設けられたRF部10の増幅器11,15のゲインをフィードフォワード制御に利用して平均化相関値プロファイルの数を調整するので,フレームタイミングの検出時間が短くなる。例えば,SNR算出部42が出力した信号対雑音比SNRを利用して平均化相関値プロファイルの数を調整した場合,信号対雑音比SNRを算出するのに必要な数のフレームを受信して算出処理を実行した後に,平均化相関値プロファイルの数を調整することになる。そのため,平均化相関値プロファイルの数の調整が完了するまでに要する時間が本実施の形態に比べて長くなる。また, N個の相関値プロファイルを平均化し,この平均化相関値プロファイルの最大相関値が閾値以下になった場合に,平均化相関値プロファイルの数を増加することもできる。しかし,この平均化相関値プロファイルを求めるまでに時間がかかり,前述したように,平均化相関値プロファイルの数の調整が完了するまでに要する時間が本実施の形態に比べて長くなる。しかし,本実施の形態では,RF部10の増幅器11,15のゲインをフィードフォワード制御に利用して平均化相関値プロファイルの数を調整するので,このように平均化相関値プロファイルの数の調整を完了するまでの時間を短くすることができ,その結果,フレームタイミングの検出時間が短くなる。
【0056】
(第2の実施の形態)
上記実施の形態で説明したようにフレームタイミングの更新処理を実行しても,無線伝搬路の状態がさらに悪化した場合,平均化する相関値プロファイルの数を増やしてもフレームタイミングを高精度に検出することが困難になることがある。このような場合に,フレームタイミングを検出し基準タイミングを更新すると,かえって実際のフレームタイミングに追随することができなくなる。また,このような場合におけるフレームタイミングの検出動作の実行は,無駄な電力の消費を招く。
【0057】
そこで,第2の実施の形態の無線装置は,ゲインが第2の閾値以上になると,フレームタイミングの検出処理を停止する。
【0058】
図11は,第2の実施の形態の無線装置を説明する機能ブロック図である。なお,図1の無線装置1と同様の機能を有する機能ブロックについては,同じ符号を振りその説明を省略する。ゲイン制御部19は,図7のゲイン制御部18と同じ機能を有し,レベル測定部16から入力された受信信号Rvの電力レベルに基づき決定したゲインを第1の増幅器11,第2の増幅器15の他に動作制御部80に出力する。動作制御部80は,検出回路60,復調回路70の動作を制御する。具体的には,ゲインが第2の閾値以上になると,フレームタイミングの検出処理を停止するように指示する停止信号を検出回路60に出力する。また,ゲインが第2の閾値未満になると,停止させた検出処理を再開するように指示する再開信号を検出回路60に出力する。検出回路60は,停止信号が入力されると,例えば乗算器31,および,その後段の平均部32などの動作を停止する。他にも,ピーク検出部33,タイミング算出部34,判定部38の動作を停止するようにしてもよい。また,検出回路60は,再開信号が入力されると,停止させた乗算器31などの動作を再開させる。
【0059】
また,ゲインが第2の閾値よりも大きい第3の閾値以上になると,復調処理を停止するように指示する停止信号を復調回路70に出力する。また,ゲインが第3の閾値未満になると,停止させた復調処理を再開するように指示する再開信号を復調回路70に出力する。復調回路70は,停止信号が入力されると,例えばFFT部41,SNR算出部42の動作を停止させる。また,復調回路70は,再開信号が入力されると,停止させたFFT部41の動作を再開させる。
【0060】
図12,図13は,第2の実施の形態の無線装置3の動作を説明するフロー図である。ゲイン制御部19は,受信信号Rvの電力レベルに基づき増幅器11,15のゲインを決定する(ステップS31)。動作制御部80は,ゲインが第2の閾値以上(ステップS32/YES),かつ,第3の閾値未満の場合(図13のステップS33/NO),停止信号を検出回路60に出力し,検出回路60は,フレームタイミングの検出処理を停止する(ステップS34)。そして,ステップS31に戻る。
【0061】
また,動作制御部80は,ゲインが第2の閾値以上(ステップS32/YES),かつ,第3の閾値以上の場合(図13のステップS33/YES),停止信号を復調回路70に出力し,復調回路70は,復調処理を停止する(ステップS35)。そして,ステップS31に戻る。
【0062】
ステップS32において,ゲインが第2の閾値未満の場合(ステップS32/NO),ステップS36〜ステップS45の処理を実行する。この処理は,図4,図5のステップS1〜S10の処理と同様なので説明を省略する。なお,この処理を実行する前に,検出回路60における検出処理が停止していた場合,動作制御部80は,その停止処理を再開させる再開信号を検出回路60に出力する。
【0063】
このようにすることで,無線伝搬路状態が極端に悪化してフレーム同期がとれなくなると見なせる場合では,フレームタイミングの検出処理,復調処理を停止させることで省電を図る。また,ゲインが第2の閾値以上,第3の閾値未満の場合には,復調処理を実行させることで,劣悪な無線伝搬路状態下でも,無線通信時間を少しでも伸ばすことができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態の無線装置2と第2の実施の形態の無線装置3を組み合わせてもよい。
【0065】
図14は,両者を組み合わせた,第3の実施の形態の無線装置4の機能ブロック図である。なお,図7の無線装置2,図11の無線装置3と同様の機能を有する機能ブロックについては,同じ符号を振りその説明を省略する。ゲイン制御部19’は,図11のゲイン制御部19と同じ機能を有し,レベル測定部16から入力された受信信号Rvの電力レベルに基づき決定したゲインを第1の増幅器11,第2の増幅器15の他に,平均数調整部51,動作制御部80に出力する。検出回路90は,図7の検出回路50と同様の機能を有すると共に,図11の検出回路60のように,ゲインが第2閾値以上になり動作制御部80から停止信号が入力されると,フレームタイミングの検出処理を停止する。また,ゲインが第2の閾値未満になり,動作制御部80から再開信号が入力されると停止していた検出処理を再開する。この第2の閾値は,第1の実施の形態で説明した第1の閾値よりも大きい値である。
【0066】
このようにすることで,無線伝搬路状態に応じて,最適なフレームタイミングの検出動作を実行することができる。具体的には,無線伝搬路状態が悪い場合では,平均化相関値プロファイルの数を増加して,フレーム同期を維持することができる。無線伝搬路状態がさらに悪化すると,フレームタイミングの検出動作を停止させて省電を実現できる。そして,無線伝搬路状態がより悪化すると復調処理をも停止するのでより省電を実現できる。
【0067】
以上の実施の形態をまとめると,次の付記のとおりである。
【0068】
(付記1)
アンテナを介して受信した信号を増幅する増幅器を有し,前記増幅後の受信信号を出力する受信部と,
前記受信信号の電力レベルに基づき前記増幅器のゲインを制御する制御部と,
前記受信信号と当該受信信号の無線フレームに含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,前記相関値プロファイルを平均化し,当該平均化した相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミングを検出する検出回路とを有し,
前記検出回路は,前記ゲインに応じて,前記平均化する相関値プロファイルの数を増減する無線装置。
【0069】
(付記2)
付記1において,
前記検出回路は,前記ゲインが第1の閾値以上になると,前記平均化する相関値プロファイルの数を増加し,前記ゲインが前記第1の閾値未満になると,前記増加した相関値プロファイルの数を増加前の数に戻す無線装置。
【0070】
(付記3)
付記2において,
前記検出回路は,前記ゲインが前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上になると,前記フレーム同期タイミングの検出処理を停止する無線装置。
【0071】
(付記4)
付記3において,
さらに,前記受信信号を復調する復調回路を有し,
前記復調回路は,前記ゲインが前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値以上になると,復調処理を停止する無線装置。
【0072】
(付記5)
アンテナを介して受信した信号を増幅する増幅器を有し,前記増幅後の受信信号を出力する受信部と,
前記受信信号の電力レベルに基づき前記増幅器のゲインを制御する制御部と,
前記受信信号と当該受信信号の無線フレームに含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,前記相関値プロファイルを平均化し,当該平均化した相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミングを検出する検出回路とを有し,
前記検出回路は,前記ゲインが第2の閾値以上になると,前記フレーム同期タイミングの検出処理を停止する無線装置。
【0073】
(付記6)
付記5において,
前記検出回路は,前記ゲインが前記第2の閾値未満になると,前記停止させた検出処理を再開する無線装置。
【0074】
(付記7)
付記5または6において,
さらに,前記受信信号を復調する復調回路を有し,
前記復調回路は,前記ゲインが前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値以上になると,復調処理を停止する無線装置。
【0075】
(付記8)
付記7において,
前記復調回路は,前記ゲインが前記第3の閾値未満になると,前記停止させた復調処理を再開する無線装置。
【符号の説明】
【0076】
1〜4…無線装置,11,15…増幅器,12…周波数変換器,13…局部発振回路,14…フィルタ,16…レベル測定部,17〜19’…ゲイン制御部,20…ベースバンド部,21…ADC,30,50,60,90…検出回路,31…乗算器,32,52…平均部,33…ピーク検出部,34…タイミング算出部,35…遅延部,36…比較器,37…スイッチ,38…判定部,40,70,…復調回路,41…FFT部,42…SNR算出部,51…平均数調整部,80…動作制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを介して受信した信号を増幅する増幅器を有し,前記増幅後の受信信号を出力する受信部と,
前記受信信号の電力レベルに基づき前記増幅器のゲインを制御する制御部と,
前記受信信号と当該受信信号の無線フレームに含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,前記相関値プロファイルを平均化し,当該平均化した相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミングを検出する検出回路とを有し,
前記検出回路は,前記ゲインに応じて,前記平均化する相関値プロファイルの数を増減する無線装置。
【請求項2】
請求項1において,
前記検出回路は,前記ゲインが第1の閾値以上になると,前記平均化する相関値プロファイルの数を増加し,前記ゲインが前記第1の閾値未満になると,前記増加した相関値プロファイルの数を増加前の数に戻す無線装置。
【請求項3】
請求項2において,
前記検出回路は,前記ゲインが前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上になると,前記フレーム同期タイミングの検出処理を停止する無線装置。
【請求項4】
請求項3において,
さらに,前記受信信号を復調する復調回路を有し,
前記復調回路は,前記ゲインが前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値以上になると,復調処理を停止する無線装置。
【請求項5】
アンテナを介して受信した信号を増幅する増幅器を有し,前記増幅後の受信信号を出力する受信部と,
前記受信信号の電力レベルに基づき前記増幅器のゲインを制御する制御部と,
前記受信信号と当該受信信号の無線フレームに含まれる同期パターンのレプリカとの相関値を示す相関値プロファイルを求め,前記相関値プロファイルを平均化し,当該平均化した相関値プロファイルに基づき,フレーム同期タイミングを検出する検出回路とを有し,
前記検出回路は,前記ゲインが第2の閾値以上になると,前記フレーム同期タイミングの検出処理を停止する無線装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−119888(P2012−119888A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267090(P2010−267090)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】