説明

無線通信システム、無線通信端末、端末状態管理サーバ、および無線通信システムの制御方法

【課題】 無線通信システムにおける無線通信端末の利便性を向上させる。また、前記無線通信端末の無駄な電力消費を抑える。
【解決手段】 無線基地局のサービスエリア内で前記無線通信端末の起動信号を報知し、前記無線通信端末に接続された起動信号検出器で前記起動信号を検出したときに、前記無線通信端末の電源を自動的に投入する電源自動投入手段を前記無線通信端末に設ける。また、前記無線通信端末がサービスエリアの外に出て通信が切断された場合、前記無線通信端末の電源を自動的に切る。また、前記電源が投入された後、自動的に無線基地局(通信ネットワーク)と接続し、端末に固有の端末識別子と現在の端末の状態を前記通信ネットワークに接続された端末状態管理サーバに一定の時間間隔で送信し続ける。そして、他の通信端末を呼び出す場合、前記端末状態管理サーバで呼出先の通信端末の現在の状態を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信端末、端末状態管理サーバ、および無線通信システムの制御方法に関し、特に、RFID送信機およびRFID受信機を用いて、無線通信端末の電源を自動的に投入させる無線通信システムに適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線LANシステムを利用した公衆無線LANサービスは、外出先での通信ネットワークヘの接続を可能としている(たとえば、非特許文献1を参照。)。
【0003】
しかしながら、前記無線LANシステムでは、無線通信に使用する電波が到達する距離、すなわち無線基地局との無線通信が可能な領域(サービスエリア)は限定的であるために、前記公衆無線LANサービスが利用可能なサービスエリアは、たとえば、駅構内や喫茶店といったように限られた場所となっている。
【0004】
前記公衆無線LANサービスの無線基地局に接続可能な端末である無線情報端末を携帯しているユーザが、たとえば、その公衆無線LANサービスを利用してネットワーク上の他の情報端末とIP電話等の通信をする場合、前記ユーザは、最初に前記サービスエリアに移動する。このとき、前記ユーザは、通常、前記無線情報端末を利用していないときは電池の節約のために電源を切っていることが多い。そのため、前記無線情報端末の電源を切っている場合、前記サービスエリアに移動してから電源を投入しなければならない。そしてその後、前記無線基地局との接続を行い、情報端末との通信するために、接続操作を行うことになる。また、サービスエリア外へ移動したときは、電池の消耗を防ぐために、再び電源を切ることになる。
【0005】
また、ネットワーク上の情報端末から前記無線情報端末へIP電話をかけるといった呼出しをする場合、ユーザがサービスエリアにいる場合でも、ユーザが無線情報端末の電源を投入し、無線基地局に接続しておかなければ、その呼出しを受けることができない。そのため、ユーザはサービスエリアに移動するたびに無線情報端末の電源投入および接続操作をする必要がある。
【0006】
このような操作をサービスエリアヘ移動するたびにユーザが行うのは煩わしく、サービスの有用性を制限する要因となっている。しかし、原状ではこのような煩わしさを解消できる環境とはなっていない。
【非特許文献1】松江 英明, 北條 博史, 阪田 徹, 「ユビキタスサービスに向けたワイヤレスアクセス技術の現状と課題」, NTT技術ジャーナル, 2003年3月, p.8-11
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする問題点は、前記背景技術で説明したように、ユーザは他の情報端末と通信するためには、意識的にサービスエリアで無線情報端末の電源投入、接続操作、さらにサービスエリア外へ移動したときには電源を切る操作をしなければならず、利便性が悪い点である。
【0008】
このような電源管理の煩わしさを解決するために、電源を常時入れておく方法が考えられるが、無線情報端末において小型軽量化が重要であることから、電源としての電池の持続時間を保つために容量を増大させることは端末自体の重量も増大させてしまうため困難である。
【0009】
また、前記無線LANサービスを利用してIP電話による通話を行うときなどは、前記無線情報端末の電源を投入し、前記無線基地局と接続した状態で、呼出要求信号の受信に備えていなければならない。そのため、他の情報端末からいつIP電話がかかってくるかわからないような状況の場合、かかってくるまでの間の無駄な電力消費が多くなり、たとえば、実際に電話がかかってきたときには電源(電池)が消耗していて短時間しか通話ができないといったようなことも問題点としてあげられる。
【0010】
本発明の目的は、公衆無線LANサービス等の無線通信システムにおいて、サービスエリアを感知することによって、前記無線通信端末のユーザが行う、電源投入操作、無線接続操作、電源を切る操作等の煩わしさを低減することが可能な技術を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、公衆無線LANサービス等の無線通信システムにおいて、他の通信端末からの呼出に備えて電源を投入し、無線基地局に接続した状態で待機することによる無駄な電力消費を抑えることが可能な技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明の概略を説明すれば、以下の通りである。
【0014】
(1) 無線基地局および端末状態管理サーバが接続された通信ネットワークと、前記無線基地局との間で無線接続を行うことで前記通信ネットワークに接続することが可能な無線通信端末と、前記無線通信端末と前記無線基地局との無線接続が可能な領域(以下、サービスエリアという)内に、前記無線通信端末を起動させる無線信号(以下、起動信号という)を報知する起動信号報知器と、前記起動信号報知器から報知される前記起動信号を検出する起動信号検出器とからなる無線通信システムであって、前記起動信号検出器は前記無線通信端末に接続されており、前記無線通信端末は、前記起動信号検出器が前記起動信号を検出したときに出力される検出信号に基づき、前記無線通信端末の電源を自動的に投入する電源自動投入手段と、前記無線通信端末が前記無線基地局と接続された後、前記無線基地局と接続されている間、自端末に割り当てられた固有の端末識別子および前記自端末の状態を含む端末状態メッセージを、一定の時間間隔で前記端末状態管理サーバに送信し続ける端末状態メッセージ送信手段とを備え、前記端末状態管理サーバは、前記通信ネットワークに接続可能な通信端末ごとに割り当てられた固有の端末識別子と前記通信端末の状態を関連付けた端末状態管理リストを保持する手段を備え、前記端末状態管理サーバは、前記無線通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末の状態と、前記端末状態管理リストの、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と同じ端末識別子と関連付けられた端末の状態とを比較し、前記各端末の状態が異なる場合は、前記端末状態管理リストの端末の状態を前記端末状態メッセージの端末の状態に書き換える無線通信システムである。
【0015】
(2) 前記(1)において、前記無線情報端末は、前記無線基地局との接続が切断されたときに、自無線情報端末の電源を切る手段を備える。
【0016】
(3) 前記(2)において、前記端末状態管理サーバは、前記無線通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と関連付けたタイマーをセットまたはリセットして作動させるタイマー管理手段を備え、前記作動中のタイマーのうち、タイムアウトしたタイマーが有った場合、前記端末状態管理リストの、前記タイムアウトしたタイマーと関連付けられている端末識別子の端末の状態を、前記通信ネットワークに非接続の状態に書き換える。
【0017】
(4) 前記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記端末状態管理サーバは、2つ以上の通信端末間で通信を行う際の呼出および呼出に対する応答の制御を行う呼出制御手段を備え、前記呼出制御手段は、前記通信ネットワークに接続された通信端末からの呼出要求信号を受信したときに、前記端末状態管理リストを参照し、呼出先の通信端末の状態が応答可能な状態である場合は前記呼出先の通信端末に前記呼出要求信号を送信し、呼出先の通信端末の状態が応答不可の状態である場合は前記呼出要求信号を送信した通信端末に応答不可の通知をする。
【0018】
(5) 前記端末状態管理サーバは、前記呼出先の通信端末が応答不可の状態である場合に、前記呼出要求信号を送信した通信端末の端末識別子および呼出要求日時を含む呼出要求履歴を保持する手段を備え、前記端末状態管理サーバは、前記応答不可の状態であった通信端末から送信された前記端末状態メッセージを受信した時に、前記呼出要求履歴を前記通信端末へ送信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の無線通信システムは、前記(1)の手段のように、前記無線通信端末に前記起動信号検出手段を接続し、前記起動信号検出手段で前記無線基地局のサービスエリア内に報知されている起動信号を受信(検出)したときに、前記無線通信端末の電源が自動的に投入され、前記無線基地局との接続処理が行われるようにすることで、前記ユーザが意識的に電源の投入操作、無線接続操作等を行わなくてもよくなる。また、前記(2)の手段のようにすれば、前記無線通信端末の電源を切る操作も意識的に行わなくてよくなる。そのため、前記無線通信端末のユーザの利便性を向上させることができる。
【0020】
また、前記無線通信端末の電源が自動的に投入されることで、常時電源を投入しておく必要がない。また、無線基地局との接続が切断された時点で自動的に電源が切れるので、前記無線基地局(通信ネットワーク)と非接続の状態での無駄な電力消費を抑えることができる。
【0021】
また、前記(3)の手段のように、タイマーで前記無線通信端末が前記通信ネットワークに接続されているか否かを判定することで、前記無線通信端末が前記サービスエリアの外に移動した場合でも、前記端末状態管理サーバは、瞬時に前記無線通信端末が前記通信ネットワークと非接続の状態になったことを把握できる。
【0022】
また、前記(4)の手段のように、前記端末状態管理リストを参照して呼出先の通信端末が前記通信端末と通話が可能な状態であるか否かを判定することで、前記通信ネットワークと接続中の通信端末を検索して、前記呼出先の通信端末が接続されているか否か、および前記呼出要求信号に応答できる状態であるか否かを確認することなしに、呼出の制御を行うことができる。
【0023】
またこのとき、(5)の手段のように呼出要求履歴を保存することで、前記無線通信端末の電源を投入し、無線基地局と接続した状態にしておかなくても、定期的に無線基地局(通信ネットワーク)に接続することで、非接続の状態だった間の呼出要求の有無を容易に確認することができる。
【0024】
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の無線通信システムでは、無線通信によりあるネットワークに接続可能な無線通信端末に、前記無線通信端末を起動させる無線信号(起動信号)を検出する起動信号検出手段を設ける。そして、前記ネットワークとの無線接続が可能な領域(サービスエリア)内で前記起動信号検出手段により前記起動信号を検出したときに、前記無線通信端末の電源を自動的に投入し、前記ネットワークへ接続する。また、たとえば、前記無線通信端末が前記サービスエリア外に出た等の理由により、前記無線通信端末と前記ネットワークとの接続が切断された場合、前記無線通信端末は、前記接続が切断されたことを契機に電源を自動的に切る。このようにすることで、前記無線通信端末のユーザが、意識的に前記サービスエリアで無線情報端末の電源投入操作、前記ネットワークへの接続操作、さらに前記サービスエリア外へ移動したときに電源を切る操作をしなくてもいいようにした。また、前記無線通信端末と前記ネットワークとの接続が切断された場合に、前記無線通信端末の電源を自動的に切ることにより、前記無線通信端末が前記サービスエリア外に出たとき等に、前記無線通信端末での前記ネットワークの無線基地局を検索する動作や、前記無線通信端末のユーザからの操作を受け付けるための待機状態で消費される無駄な電力消費を抑えるようにした。
【0026】
また、本発明の無線通信システムでは、前記無線通信端末が前記ネットワークに接続している間、前記無線通信端末から、自端末を特定する端末識別子および自端末の現在の状態を通知する端末状態メッセージを、一定の時間間隔で、前記ネットワーク内の端末状態管理サーバに送信し続け、前記端末状態管理サーバに、前記端末状態メッセージの受信状況により、前記ネットワークに接続可能な無線通信端末の現在の状態を把握させる。このようにすることで、前記ネットワークに接続している通信端末が、他の通信端末との接続を試みる場合、接続要求を前記端末状態管理サーバに送信し、前記他の通信端末が前記ネットワークに接続中であるか否か、前記ネットワークに接続中の前記他の通信端末が自端末と通信できる状態であるか否かを確認できるようにした。
【0027】
またさらに、前記通信端末が前記端末状態管理サーバに前記接続要求を送信したときに、前記他の通信端末が前記ネットワークに接続していない等の理由で、自端末と通信できる状態ではない場合、前記端末状態管理サーバに、前記通信端末からの接続要求を接続要求履歴として保存する。そして、前記他の通信端末が前記通信端末と通信できる状態になったときに、前記端末状態管理サーバから前記他の通信端末に前記接続要求履歴を転送する。このようにすることで、前記無線通信端末が前記ネットワークに接続したときに、前記無線通信端末のユーザが、前記ネットワークに接続していない間に接続を要求した通信端末や、要求した時間等を自動的に知ることができるようにした。
【実施例1】
【0028】
図1乃至図4は、本発明による実施例1の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、図1はシステム全体の構成例を示す図、図2は無線通信端末の構成例を示す図、図3は端末状態管理サーバの構成例を示す図、図4は端末状態管理サーバが保持する端末状態管理リストの例を示す図である。
図1において、1は無線基地局、1Aは無線基地局のサービスエリア、2は端末状態管理サーバ、3は通信ネットワーク、4は無線通信端末、501は起動信号報知器、501Aは起動信号報知器の報知エリア、502は起動信号検出器、6は通信端末である。また、図2において、401は電源スイッチ、402は入出力手段、403は記憶手段、404は無線通信手段、405は電源自動投入手段、406は端末状態メッセージ送信手段、407は処理制御手段である。また、図3において、201は通信手段、202は端末状態管理リスト保持手段、203はタイマー管理手段、204は処理制御手段である。
【0029】
本実施例1の無線通信システムは、たとえば、離散的に無線基地局が設置されている公衆無線LANサービスシステムのようなシステムであって、図1に示すように、無線基地局1および端末状態管理サーバ2が接続された通信ネットワーク3と、前記無線基地局1との間で無線接続を行うことで前記通信ネットワーク3に接続することが可能な無線通信端末4と、前記無線通信端末4と前記無線基地局1との無線接続が可能な領域(サービスエリア)1A内に、前記無線通信端末4を起動させる無線信号(起動信号)を報知する起動信号報知器501と、前記起動信号報知器501から報知される前記起動信号を検出する起動信号検出器502とにより構成される。なお、図1では、前記無線基地局1を1つしか示していないが、実際には、複数の無線基地局が設置されていてもよい。また、同様に、前記起動信号報知器501も、図1では、1つしか示していないが、これに限らず、1つの無線基地局1に対して1つ、あるいは1つの無線基地局1に対して複数個設けられていても良い。
【0030】
このとき、前記起動信号報知器501で起動信号を報知する領域(報知エリア)501Aは、たとえば、図1に示したように、前記サービスエリア1A内の特定のエリアのみでもよいし、前記サービスエリア1Aとほぼ同じエリアでもよい。またこのとき、前記起動信号検出器502は、たとえば、図1に示したように、前記無線通信端末4に接続しておき、前記起動信号報知器501から報知される前記起動信号を検出したときに、検出信号を前記無線通信端末に送信し、前記無線通信装置4に電源を自動的に投入させる。また、前記通信ネットワーク3は、前記無線通信端末4に限らず、たとえば、図1に示したように、LANケーブル等のケーブルで通信端末6やサーバ(図示しない)が接続することも可能なネットワークであるとする。
【0031】
またこのとき、前記無線通信端末4や通信端末6は、前記通信ネットワーク3を介してサーバにアクセスして所望の情報を取得したり、他の端末とIP電話やメッセンジャーソフトを使った通信をしたりすることができる。
【0032】
このとき、前記無線通信端末4は、たとえば、無線LANデバイス(機能)を内蔵あるいは外付け接続したPDAやノートブック型のPC、あるいはIP電話端末のような端末であり、図2に示すように、電源のOn/Offを行う電源スイッチ401と、入出力手段402と、記憶手段403と、前記無線基地局との通信を行う無線通信手段(無線LANデバイス)404と、前記起動信号検出器502からの検出信号により前記電源スイッチ401を自動的にOnにして電源を投入させる電源自動投入手段405と、前記通信ネットワーク3に接続している間、一定の時間間隔で、自端末に割り当てられた固有の端末情報(端末識別子)および現在の自端末の状態を通知する端末状態メッセージを作成して前記通信ネットワーク3に接続された端末状態管理サーバ2に送信する端末状態メッセージ送信手段406と、自端末内で行われる処理を制御する処理制御手段407とを備える。なお、前記入出力手段402は、たとえば、タッチパネルとスタイラスペンの組み合わせ、液晶ディスプレイとキーボードおよびマウス(ポインティングデバイス)の組み合わせからなる手段であるとする。また、前記記憶手段403は、たとえば、半導体メモリやハードディスク等の自端末内で行う処理の制御プログラムや、データが記録されている手段であるとする。また、前記無線通信手段404は、たとえば、前記無線通信端末4内に内蔵された無線通信ユニットであってもよいし、前記無線通信端末4の拡張スロットに挿入されたPCカード型あるいはメモリーカード型の無線通信ユニットであってもよい。
【0033】
また、前記端末状態管理サーバ2は、図3に示すように、前記通信ネットワーク3との通信を行う通信手段201と、前記通信ネットワーク3に接続可能な通信端末の現在の状態を管理する端末状態管理リストを保持する端末状態管理リスト保持手段202と、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3に接続中であるか否かを判定するためのタイマーを管理するタイマー管理手段203と、前記端末状態管理サーバ2内で行われる処理を制御する処理制御手段204とを備える。また、前記タイマー管理手段203は、たとえば、前記無線通信端末4から端末状態メッセージを受信したときに、前記無線通信端末4の端末識別子と関連付けてタイマーをセットして作動させ、前記タイマーの作動中に前記端末識別子を持つ端末状態メッセージを受信した場合、タイマーをリセットして作動させる。そして、タイムアウトしたタイマーがある場合、そのタイマーと関連付けられた端末識別子が割り当てられている無線通信端末4は前記通信ネットワーク3との接続が切断されたと判定する。
【0034】
また、前記端末状態管理リストは、たとえば、図4に示すように、前記通信ネットワーク3に接続可能な通信端末ごとに割り当てられた固有の端末情報(端末識別子)と、ネットワークに接続中であるか否か等の現在の通信端末の状態とが関連付けられている。このとき、前記端末識別子は、前記通信ネットワーク3へ接続される無線通信端末4や通信端末6を特定するものであり、IPアドレス、MACアドレス、電話番号、端末製造番号などが用いられる。また、端末の状態としては、たとえば、図4に示したように、通信ネットワークに接続中、通信ネットワークに非接続(切断中)、通話中等の状態等がある。
【0035】
また、前記起動信号報知器501は、たとえば、RFID送信機のように、前記無線通信端末4と前記無線基地局1の間で行う無線通信の信号周波数とは異なる周波数の信号で前記起動信号の報知を行う装置である(たとえば、文献:柴山 大樹,岩谷 純一,加々見 修,北條 博史、「RFIDを用いた情報取得システムの検討 −概要とハードウェア−」,電子情報通信学会 2004年総合大会,2004年3月,B-5-138,p.625 を参照)。このとき、前記起動信号検出器502は、たとえば、前記起動信号を受信するアンテナと、受信したRF信号のIDを照合する受信ID照合手段と、照合したIDが一致した場合に検出信号(起動信号)を出力する起動信号出力手段とを備える。なお、前記起動信号報知器501と前記起動信号検出器502の組み合わせは、前記RFID送信機とRFID受信機の組み合わせに限らず、種々の通信手段で実現することができる。
【0036】
図5は、本実施例1の無線通信システムにおける無線通信端末の動作を説明するためのフロー図である。また、図6は、本実施例1の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図である。
【0037】
本実施例1の無線通信システムでは、前記無線通信端末4のユーザは、前記無線通信端末4に、前記起動信号検出器502を接続した状態で携帯する。このとき、前記無線通信端末4は電池により駆動しており、常に電源を入れておくと電力消費が大きく、使用できる時間が短くなってしまう。そのため、使用しないときは電源を切った状態で携帯するのが一般的である。またこのとき、起動信号検出器502は、前記無線通信端末4の電源のOn/Offの状態に関係なく、微弱な電力で間欠的に起動信号の受信動作を行っている。
【0038】
このとき、前記無線通信端末4のユーザが、前記無線通信端末4を携帯した状態で前記無線基地局1のサービスエリア1Aに入り、さらに前記起動信号報知器501の報知エリア501Aに入ると、図5に示すように、前記無線通信端末4に接続された前記起動信号検出器502が前記起動信号を検出し、前記無線通信端末4の電源自動投入手段405に検出信号を出力する(ステップ701)。そして、前記電源受動投入手段405は、電源がOnになっているか否かを判定(ステップ702)し、電源がOffであれば、前記電源スイッチ401をOnにして電源を投入し、前記無線通信端末4を起動させる(ステップ703)。
【0039】
前記無線通信端末4では、起動処理が完了すると、前記処理制御手段407が、前記無線通信手段404を用いて前記無線基地局1との無線接続処理を行う(ステップ704)。無線接続時に認証が必要な場合に、前記ステップ704において認証処理も行う。そして、前記無線接続が確立し、前記通信ネットワーク3を介した通信が可能な状態になると、前記処理制御手段407は、前記端末状態メッセージ送信手段406により、自端末の端末識別子および端末の状態を含む端末状態メッセージの送信を開始させる(ステップ705)。その後、前記無線通信端末4では、たとえば、前記通信ネットワーク3に接続された情報提供サーバからの情報の取得や他の通信端末との通信といった、前記ユーザの操作に基づいた任意の処理が実行される(ステップ706)。このとき、前記無線通信端末4は、一定の周期で前記端末状態メッセージを前記端末状態管理サーバ2ヘ送り続ける。またこのとき、前記無線通信端末4の無線通信手段404および処理制御手段407では、前記無線基地局1との接続が切断されたか否かの確認(ステップ707)をしており、切断されていない場合は、前記ステップ806および端末状態メッセージの送信処理を続けさせる。
【0040】
そして、前記ユーザが前記サービスエリア1Aの外に出る等の理由で、前記無線通信端末4の前記無線通信手段404が前記無線基地局1と通信できなくなり、接続が切断されると、前記無線通信端末4の処理制御手段407は、図5に示すように、前記端末状態メッセージ送信手段406に端末状態メッセージの送信を終了させ、前記電源スイッチ401をOffにして電源を切る(ステップ708)。
【0041】
一方、前記端末状態管理サーバ2は、常時前記通信ネットワーク3に接続した状態になっており、前記無線通信端末4から送信された前記端末状態メッセージを受信できる状態で待機している。そして、図6に示すように、前記端末状態メッセージを受信(ステップ801)すると、前記端末状態管理サーバ2の処理制御手段204は、前記タイマー管理手段203を用い、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と関連付けたタイマーをセットまたはリセットして作動させる(ステップ802)。前記ステップ802では、前記タイマー管理手段203で、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と関連付けられたタイマーがすでに作動している場合は、作動中のタイマーをリセットして作動させる。また、前記タイマーの時間は、たとえば、前記通信ネットワーク3のトラフィックの状態によっては前記端末状態メッセージの伝送遅延が起こることを考慮し、前記無線通信端末4から前記端末状態メッセージを送信するときの時間間隔よりも長めにセットすることが好ましく、たとえば、前記無線通信端末4が前記端末状態メッセージを3秒間隔で送信しているとすれば、前記タイマーは、たとえば、5秒にセットする。
【0042】
また、前記端末状態管理サーバ2の処理制御手段204は、前記タイマーをセットまたはリセットして作動させるとともに、受信した端末情報メッセージの端末の状態と、前記端末状態管理リストにある、前記端末情報メッセージに含まれる端末識別子と関連付けられた端末の状態を照合(ステップ803)し、同じ状態であるか確認する(ステップ904)。そして、同じ状態でなければ、前記端末状態管理リストの端末の状態を、受信した端末情報メッセージの端末の状態に書き換える(ステップ805)。
【0043】
またこのとき、前記タイマー管理手段203では、前記ステップ802で作動させたタイマーのうち、タイムアウトしたタイマーが有るか否かを監視(ステップ806)している。そして、タイムアウトしたタイマーがある場合、たとえば、そのタイマーと関連付けられた端末識別子を前記処理制御手段204に通知する。このとき、前記処理制御手段204は、前記端末状態管理リストのうち、前記タイムアウトしたタイマーと関連付けられた端末識別子の端末の状態を、「通信ネットワークに非接続」に書き換える(ステップ807)。
【0044】
本実施例1の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末4および前記端末状態管理サーバ2は、それぞれ、図5および図6に示したような動作(処理)を行う。そこで、次に、前記無線通信システム上での前記無線通信端末4および前記端末状態管理サーバ2で行われる処理の流れの時間的な関係について説明する。
【0045】
図7および図8は、本実施例1の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、図7は全体的な動作の流れを示すシーケンス図、図8は端末情報管理リストの変化の様子を示す図である。なお、図7のシーケンスにおいて、時間軸は、紙面上方から紙面下方の方向にとっている。
【0046】
本実施例1の無線通信システムでは、前記端末状態管理サーバ2は、前述のように、常時前記通信ネットワーク3に接続されており、前記無線通信端末4からの端末状態メッセージを受信できる状態になっている。
【0047】
このとき、たとえば、電源スイッチ401をOffにして電源を切った状態の無線通信端末4を携帯したユーザが前記起動信号報知器501の報知エリア501A内に入ると、図7に示したように、前記起動信号報知器501から報知されている起動信号が前記無線通信端末4に接続された前記起動信号検出器502で検出され、前記無線通信端末4の電源自動投入手段405に検出信号が入力される(ステップ901,902)。
【0048】
前記電源自動投入手段405は、前記検出信号が入力されると、前記電源スイッチ401をOnにし、前記無線基地局1との無線接続を開始する(ステップ903,904)。そして、前記無線通信端末4と前記無線基地局1との無線接続が確立し、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3と接続可能な状態になると、前記無線通信端末4から前記端末状態管理サーバ2に、一定の時間間隔で前記端末状態メッセージが送信される(ステップ905)。このとき、前記端末状態管理サーバ2は、前記無線通信端末4から最初に送信された端末状態メッセージを受信したときに、前記タイマー管理手段203でタイマーをセットし作動させる(ステップ906a)。そして、セットしてタイマーの作動中に前記無線通信端末4から新たな端末状態メッセージを受信したときは、作動中のタイマーをリセット(ステップ906b)して作動させる。
【0049】
また、図7では省略しているが、前記無線通信端末4から前記端末状態メッセージを受信した前記端末状態管理サーバ2では、前記ステップ906aでタイマーをセットして作動させたときに、前記端末状態管理テーブルの前記無線通信端末4の端末の状態を書き換える。このとき、前記無線通信端末4の端末識別子を「端末A」とすれば、前記無線通信端末4から送信された端末状態メッセージは、端末識別子が「端末A」であり、端末の状態が「通信ネットワークに接続中」である。一方、前記端末状態管理テーブルは、図8上段に示すように、端末識別子が「端末A」となっている端末の状態は「通信ネットワークに非接続」である。そのため、前記端末状態管理テーブルは、図8中段に示すように、前記端末識別子が「端末A」となっている端末の状態が「通信ネットワークに非接続」から「通信ネットワークに接続中」に書き換えられる。
【0050】
また、前記端末の状態が「通信ネットワークに接続中」に書き換えられた後、すなわち、前記ステップ906bでタイマーをリセットして作動させるときに受信した端末状態メッセージは、端末識別子が「端末A」であり、端末の状態が「通信ネットワークに接続中」である。そして、前記端末状態管理テーブルも、前記端末識別子が「端末A」となっている端末の状態はすでに「通信ネットワークに接続中」になっている。そのため、前記ステップ906bが行われたときは、前記端末状態管理テーブルを書き換える必要はない。
【0051】
そして、前記無線通信端末4のユーザが、前記無線基地局1のサービスエリア1Aの外に出ると、前記無線通信端末4と前記無線基地局1の無線接続が切断され、前記無線通信端末4は電源スイッチがOffになり、電源が切れる(ステップ907,908)。このとき、前記無線通信端末4は前記端末状態メッセージの送信を終了している。そのため、前記端末状態管理サーバ2は、前記無線通信端末4から最後に受信した端末情報メッセージと連動してリセットしたタイマーがタイムアウトした時点(ステップ909)で、前記無線通信端末4と前記通信ネットワーク3の接続が切断されたと判定する。そして、前記端末状態管理サーバ2は、前記端末状態管理テーブルの前記無線通信端末4の状態を書き換える(ステップ910)。
【0052】
前記端末状態管理サーバ2の端末状態管理テーブルは、前記無線通信端末4から端末情報メッセージを受信してタイマーをリセット(ステップ906b)して作動させている間、図8中段に示したように、前記無線通信端末4(端末識別子が「端末A」)の端末の状態は「通信ネットワークに接続中」となっている。そして、前記ステップ906bでリセットして作動させていたタイマーがタイムアウトすると、前記無線通信端末4と前記通信ネットワーク3の接続が切断されたと判定するので、前記ステップ910では、前記端末状態管理テーブルの、無線通信端末4(端末識別子が「端末A」)の端末の状態を「通信ネットワークに接続中」から、図8下段に示すように、「通信ネットワークに非接続」と書き換える。
【0053】
以上説明したように、本実施例1の無線通信システムよれば、前記無線通信端末4を携帯したユーザが前記無線基地局1のサービスエリア1A(起動信号報知器501の報知エリア501A)内に入ったときに、前記無線通信端末4の電源を切っていても、自動的に電源を投入し、前記通信ネットワーク3と接続することができる。また、前記ユーザが前記無線基地局1のサービスエリア1Aの外に出た場合、前記無線通信端末4と前記無線基地局1の無線接続が切断された時点で電源を自動的に切ることができる。そのため、前記ユーザは、意識的にサービスエリア1Aで無線通信端末4の電源投入操作、通信ネットワーク3への接続操作、さらにサービスエリア1A外へ移動したときの電源を切る操作をしなくてもよくなる。
【0054】
また、前記ユーザが前記無線基地局1のサービスエリア1A(起動信号報知器501の報知エリア501A)内に入ったときに、前記無線通信端末4の電源を切っていても、自動的に電源を投入し、前記ユーザが前記無線基地局1のサービスエリア1Aの外に出たときに、前記無線通信端末4の電源を自動的に切ることができる。そのため、従来のように、常時電源を投入した状態で携帯することによる無駄な待機電力や、接続可能な無線基地局1を検索する動作で消費される電力等の無駄な電力消費を抑えることができる。
【0055】
また、前記端末状態管理サーバ2は、前記無線通信端末4から一定の時間間隔で送信される端末状態メッセージを受信するごとにタイマーをセットまたはリセットし、タイムアウトした時点で、前記無線通信端末4と前記通信ネットワーク3の接続が切断されたことを把握でき、前記通信ネットワーク3に接続可能な通信端末の接続状態を容易に管理することができる。
【実施例2】
【0056】
図9は、本発明による実施例2の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、本実施例2における端末状態管理サーバの構成例を示す図である。
【0057】
本実施例2では、前記実施例1で説明した無線通信システムにおいて、たとえば、2つ以上の通信端末間でIP電話による通話、メッセンジャーソフトを利用した通信を行う場合に、前記端末状態管理リストを利用して呼び出す通信端末が通信ネットワーク3に接続中であるか否かを確認できるようにした無線通信システムについて説明する。
【0058】
なお、本実施例2の無線通信システムの全体的な構成は、図1に示した構成と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、前記無線通信端末4の構成および動作は、図2に示した構成および図5に示した動作と同じでよいため、詳細な説明は省略する。ただし、本実施例2のように、IP電話をかけるような場合は、前記無線通信端末4に、たとえば、通話用のマイクおよびヘッドフォン等の通話手段を設けておく。
【0059】
また、本実施例2の無線通信システムにおいて、前記端末状態管理サーバは、たとえば、図9に示すように、前記通信手段201、端末状態管理リスト保持手段202、タイマー管理手段203、処理制御手段204に加え、IP電話等の電話呼を制御する呼出制御手段205を設ける。前記呼出制御手段205は、たとえば、SIP(Session Initiation Protocol)を利用した電話呼の制御を行う手段であるとする。
【0060】
図10は、本実施例2の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図である。
【0061】
本実施例2の無線通信システムでは、前記端末状態管理サーバ2は、前記実施例1で説明した前記通信ネットワーク3に接続可能な通信端末の接続状態の管理に加え、前記通信ネットワーク3に接続された通信端末間の電話呼の制御等を行う。このとき、前記端末状態管理サーバ2は、前記端末状態メッセージに加え、電話呼を制御する信号(電話呼制御信号)も受信する。そこで、前記端末状態管理サーバ2では、まず、図10に示すように、外部の通信端末から信号を受信(ステップ808)すると、受信した信号が前記端末状態メッセージであるか、前記電話呼制御信号であるか判定する(ステップ809)。このとき、受信した信号が前記端末状態メッセージであれば、図10に示したように、前記ステップ801からステップ807の処理を行う。前記ステップ801からステップ807の処理はそれぞれ、図6に示したステップ801からステップ807の処理を行えばよいので、詳細な説明は省略する。
【0062】
一方、受信した信号が電話呼制御信号であった場合、前記端末状態管理サーバ2の処理制御手段204は、前記呼出制御手段205に電話呼の制御を実行させる。このとき、前記呼出制御手段205では、図10に示したように、まず、前記電話呼制御信号が、呼出信号であるか、前記呼出信号に対する応答信号であるか判定する(ステップ810)。このとき、前記呼出信号であれば、前記呼出制御手段205は、前記呼出信号に含まれる呼出先端末の端末識別子に基づき前記接続状態管理リストを参照し、呼び出す通信端末の状態が「通信ネットワークに接続中」であるか否かを確認する(ステップ811)。そして、前記呼び出す通信端末の状態が「通信ネットワークに接続中」である場合は、前記呼出信号に、あらかじめ定められた処理を施し、呼出先の通信端末に送信する(ステップ812)。また、前記呼び出す通信端末の状態が「通信ネットワークに非接続」あるいは「通話中」等で、前記呼出信号を送信した通信端末と通話ができない状態である場合は、前記呼出信号を送信した通信端末に、通話ができない状態であることを通知する(ステップ813)。
【0063】
また、前記ステップ810において、前記電話呼制御信号が、呼出信号に対する応答信号であると判定した場合は、前記応答信号に、あらかじめ定められた処理を施し、前記呼出信号を送信した通信端末に前記応答信号を転送する(ステップ814)。
【0064】
本実施例2の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末4および前記端末状態管理サーバ2は、それぞれ、図5および図10に示したような動作(処理)を行う。そこで、次に、前記無線通信システム上での前記無線通信端末4および前記端末状態管理サーバ2で行われる処理の流れの時間的な関係について説明する。なお、以下の説明では、図1に示した無線通信システムにおいて、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかける場合を例に挙げて説明する。
【0065】
図11および図12は、本実施例2の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、図11は無線通信端末が接続中に前記無線通信端末にIP電話をかけたときのシーケンス図、図12は無線通信端末が非接続のときに前記無線通信端末にIP電話をかけたときのシーケンス図である。なお、図11および図12のシーケンスにおいて、時間軸は、紙面上方から紙面下方の方向にとっている。
【0066】
本実施例2の無線通信システムでは、前記端末状態管理サーバ2は、前述のように、常時前記通信ネットワーク3に接続されており、前記無線通信端末4や前記通信端末6からの端末状態メッセージや電話呼制御信号を受信できる状態になっている。
【0067】
ここで、前記無線通信端末4は、まず、図11に示すように、前記無線基地局1のサービスエリア1A内にあり、前記無線基地局1と無線接続中、すなわち前記通信ネットワーク3と接続中であるとする(ステップ911)。
【0068】
このとき、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかけるとすると、まず、図11に示すように、前記通信端末6から前記端末状態管理サーバ2に呼出要求信号が送信される(ステップ912)。そして、前記端末状態管理サーバ2は、前記呼出要求信号を受信すると、図10に示したステップ810からステップ813の処理が行われる。つまり、前記端末状態管理サーバ2は、図11に示したように、前記呼出要求信号に含まれる呼出先の端末識別子に基づいて前記端末状態管理テーブルを検索し、前記呼出先の無線通信端末4の状態が「通信ネットワークと接続中」であるか確認する(ステップ913)。このとき、前記呼出先の無線通信端末4の状態が「通信ネットワークと接続中」であれば、前記端末状態管理サーバ2は、前記呼出要求信号にあらかじめ定められた処理を施し、前記無線通信端末4に呼出信号を送信する(ステップ914)。
【0069】
そして、前記無線通信端末4は、前記呼出信号を受信すると、前記呼出信号に対する応答処理(ステップ915)を行い、前記端末状態管理サーバ2に応答信号を返信する(ステップ916)。このとき、前記端末状態管理サーバ2では、図10に示した前記ステップ814の処理が行われる。そして、通話接続設定(ステップ917)を行い、あらかじめ定められた処理を施した応答信号を、前記呼出信号を送信した通信端末6に転送する(ステップ918)。
【0070】
この結果、前記通信端末6と前記無線通信端末4の間の通話設定、たとえば、SIP通信におけるセッションが確立され、前記通信端末6と前記無線通信端末4の間での通話が可能となる(ステップ919)。なお、前記通信端末6と前記無線通信端末4の間での通話を行うときには、音声等の通話情報は前記端末状態管理サーバ2を経由する必要はなく、端末間で直接通信することができる。
【0071】
また、詳細な説明は省略するが、前記通信端末6と前記無線通信端末4の間での通話を終了するときには、たとえば、前記端末状態管理サーバ2を経由して通話終了の処理を実行すればよい。
【0072】
一方、たとえば、図12に示すように、前記無線通信端末4が前記無線基地局1と非接続状態、すなわち前記通信ネットワーク3と非接続状態であるとすると、前記通信端末6から前記端末状態管理サーバ2に呼出要求信号を送信(ステップ912)し、前記端末状態管理リストで前記無線通信端末4の状態を検索(ステップ913)したときに、前記無線通信端末4の状態は「通信ネットワークに非接続」となっている。そのため、前記端末状態管理サーバ2の呼出制御手段205は、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索し、前記無線通信端末4が接続されているか確認することなしに、前記通信端末6に、前記無線通信端末4は通信ネットワーク3に非接続であることを通知できる(ステップ920)。
【0073】
また、詳細な説明は省略するが、前記無線通信端末4は通信ネットワーク3に接続中であっても、他の通信端末と通話中等の理由により、前記通信端末6からの呼出に応答できない場合も、前記端末状態管理サーバ2の呼出制御手段205は、前記端末状態管理リストを検索することで、前記無線通信端末4の状態が「通話中」であり、応答できない状態であることを前記無線端末6に通知できる。そのため、前記端末状態管理サーバ2の呼出制御手段205は、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索し、前記無線通信端末4が接続されているか確認することなしに、前記通信端末6に、前記無線通信端末4は応答できない状態であることを通知できる。
【0074】
以上説明したように、本実施例2の無線通信システムによれば、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかけるときに、前記通信端末6から前記端末状態管理サーバ2に呼出要求信号を送信し、前記端末状態管理サーバが保持する端末状態管理リストを検索して、呼出先の通信端末(無線通信端末4)が前記通信端末6と通話が可能な状態であるか否かを判定する。そして、通話が可能な状態であれば前記呼出要求信号を前記無線通信端末4に送信し、通話が可能な状態でなければ前記通信端末6に応答できないことを通知する。このとき、前記端末状態管理リストには、前記実施例1で説明したような処理(動作)により、前記通信端末6が前記呼出要求信号を送信した時刻とほぼ同時刻の、前記通信ネットワーク3に接続可能な通信端末の状態が記述されている。そのため、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索して、前記呼出先の通信端末(無線通信端末4)が接続されているか否か、および前記呼出要求信号に応答できる状態であるか否かを確認することなしに、電話呼の制御を行うことができる。
【0075】
また、本実施例2では、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかける場合を例に挙げたが、これに限らず、前記無線通信端末4から前記通信端末6にIP電話をかける場合も、同様の手順で、たとえば、前記通信端末6が前記通信ネットワーク3に接続中であるか否か、および前記呼出要求信号に応答できる状態であるか否かを前記端末状態管理リストで確認でき、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索することなしに、電話呼の制御を行うことができる。
【0076】
またさらに、IP電話で通話を行う通信端末の組み合わせは、たとえば、前記通信端末6のように、前記通信ネットワーク3に有線で接続している通信端末同士であってもよいし、前記無線通信端末4のように、前記無線基地局1を介して前記通信ネットワーク3に接続している無線通信端末同士であってもよい。
【0077】
また、本実施例2では、前記通信端末6と前記無線通信端末4の間でIP電話による通話を行う場合を例に挙げたが、これに限らず、たとえばメッセンジャーソフトを利用した通信を行う場合など、ある通信端末から他の通信端末を呼び出す場合に、本実施例2で説明した方法で呼出の制御を行うことで、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索することなしに、呼出の制御を行うことができる。
【実施例3】
【0078】
図13および図14は、本発明による実施例3の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、図13は本実施例3における端末状態管理サーバの構成例を示す図、図14は呼出要求履歴の例を示す図である。
【0079】
前記実施例2では、前記端末状態管理サーバが保持する端末状態管理リストを参照することで、2つ以上の通信端末間でIP電話による通話や、メッセンジャーソフトを利用した通信を行う場合に、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索することなしに、呼出の制御を行うことができる無線通信システムの構成および呼出制御の方法を説明した。
【0080】
しかしながら、前記実施例2の制御方法では、たとえば、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3と接続していない間に、他の通信端末6から呼出要求があった場合に、前記無線通信端末4のユーザがそのことを知ることができない。そこで、本実施例3では、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3と接続していない間に、他の通信端末6から呼出要求があったことを、前記無線通信端末4のユーザが容易に知ることができる無線通信システムの構成および呼出制御の方法について説明する。
【0081】
なお、本実施例3の無線通信システムの全体的な構成は、図1に示した構成と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、前記無線通信端末4の構成および動作は、図2に示した構成および図5に示した動作と同じでよいため、詳細な説明は省略する。ただし、本実施例2のように、IP電話をかけるような場合は、前記無線通信端末4に、たとえば、通話用のマイクおよびヘッドフォン等の通話手段を設けておく。
【0082】
また、本実施例3の無線通信システムにおいて、前記端末状態管理サーバは、図13に示すように、前記通信手段201、端末状態管理リスト保持手段202、タイマー管理手段203、処理制御手段204、前記呼出制御手段205に加え、呼出先の通信端末が呼出要求に応答できなかった場合に呼出要求を保存する呼出要求履歴206を設ける。このとき、前記呼出制御手段205は、たとえば、SIP(Session Initiation Protocol)を利用した電話呼の制御を行う手段であるとする。
【0083】
また、前記呼出要求履歴は、呼出要求信号に含まれる呼出先の端末(端末識別子)ごとに保存され、たとえば、図14に示すように、呼出要求信号を受信した日時、前記呼出要求信号を送信した端末(発信元端末)の端末識別子、メッセージの有無といった情報を持つ。前記メッセージは、たとえば、前記発信元端末のユーザからのボイスメッセージの有無を示す情報である。なお、図14では前記呼出要求履歴にメッセージの有無を示す情報が含まれているが、この情報は、含まれていなくても構わない。
【0084】
図15および図16は、本実施例3の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図であり、図15は全体的な動作を説明するためのフロー図、図16は図15のステップ816の詳細な動作(処理)を説明するためのフロー図である。
【0085】
本実施例3の無線通信システムにおいて、前記端末状態管理サーバ2の基本的な動作は、前記実施例2の無線通信システムにおける端末状態管理サーバ2の動作と同じである。そのため、前記実施例2の無線通信システムにおける端末状態管理サーバ2の動作(処理)と同じ動作(処理)を行うステップについては、詳細な説明を省略する。
【0086】
本実施例3の無線通信システムにおける前記端末状態管理サーバ2では、図15に示すように、前記外部の通信端末から受信信号が呼出信号(呼出要求信号)であり、前記端末状態管理リストを参照して呼出先の端末の状態が、応答できない状態である場合、図10に示したステップ813の代わりに、前記呼出要求履歴に呼出日時、前記発信元端末の端末識別子、メッセージの有無等を保存し、前記発信元端末に応答できないことを通知する(ステップ815)。このとき、前記端末状態管理サーバ2が、たとえば、ボイスメッセージ等のメッセージを保存できるようになっていれば、たとえば、従来の留守番電話サービスのような方法で、前記発信元端末に応答できないことを通知するとともに、メッセージを残すことができることを通知し、前記発信元端末から前記メッセージが送信された場合、前記呼出要求履歴とともに前記メッセージを保存する。なお、図15におけるステップ808からステップ812、ステップ814は、図10におけるステップ808からステップ812、ステップ814と同じ処理でよい。
【0087】
また、本実施例3の無線通信システムにおける前記端末状態管理サーバ2では、前記外部の通信端末から受信した信号が端末状態メッセージである場合、前記実施例1で説明したステップ801からステップ807に相当する処理を行う(ステップ816)。
【0088】
ただし、本実施例3では、図16に示すように、前記ステップ804,805で必要に応じて前記端末状態管理リストの端末の状態を書き換えた後、前記端末状態管理リストの端末の状態を「通信システムに接続中」に書き換えたか否かを確認(ステップ817)し、「通信システムに接続中」に書き換えた場合、前記呼出要求履歴を、前記端末状態メッセージを送信した通信端末に送信する(ステップ818)。なお、図16におけるステップ808からステップ812、ステップ814は、図6におけるステップ808からステップ812、ステップ814と同じ処理でよい。
【0089】
本実施例3の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末4および前記端末状態管理サーバ2は、それぞれ、図5および図15,図16に示したような動作(処理)を行う。そこで、次に、前記無線通信システム上での前記無線通信端末4および前記端末状態管理サーバ2で行われる処理の流れの時間的な関係について説明する。なお、以下の説明では、図1に示した無線通信システムにおいて、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかける場合を例に挙げて説明する。
【0090】
図17は、本実施例3の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、無線通信端末が非接続のときに前記無線通信端末にIP電話をかけたときのシーケンス図である。なお、図17のシーケンスにおいて、時間軸は、紙面上方から紙面下方の方向にとっている。
【0091】
本実施例3の無線通信システムでは、前記端末状態管理サーバ2は、前述のように、常時前記通信ネットワーク3に接続されており、前記無線通信端末4や前記通信端末6からの端末状態メッセージや電話呼制御信号を受信できる状態になっている。
【0092】
ここで、前記無線通信端末4は、図17に示すように、最初、前記無線基地局1と非接続状態、すなわち前記通信ネットワーク3と非接続状態であるとする。このとき、前記通信端末6から前記端末状態管理サーバ2に呼出要求信号を送信(ステップ912)し、前記端末状態管理リストで前記無線通信端末4の状態を検索(ステップ913)すると、前記無線通信端末4の状態は「通信ネットワークに非接続」となっている。そのため、前記端末状態管理サーバ2の呼出制御手段205は、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索し、前記無線通信端末4が接続されているか確認することなしに、前記通信端末6に、前記無線通信端末4は通信ネットワーク3に非接続であることを通知できる。またこのとき、前記呼出制御手段205は、前記呼出要求履歴に、呼出日時、前記通信端末6の端末識別子、メッセージの有無を保存する(ステップ921)。このとき、前記端末状態管理サーバ2が、たとえば、ボイスメッセージ等のメッセージを保存できるようになっていれば、たとえば、従来の留守番電話サービスのような方法で、前記発信元端末に応答できないことを通知するとともに、メッセージを残すことができることを通知し、前記発信元端末から前記メッセージが送信された場合、前記呼出要求履歴とともに前記メッセージを保存する。
【0093】
また、詳細な説明は省略するが、前記無線通信端末4は通信ネットワーク3に接続中であっても、他の通信端末と通話中等の理由により、前記通信端末6からの呼出に応答できない場合も、前記端末状態管理サーバ2の呼出制御手段205は、前記端末状態管理リストを検索することで、前記無線通信端末4の状態が「通話中」であり、応答できない状態であることを前記無線端末6に通知できる。そのため、前記端末状態管理サーバ2の呼出制御手段205は、前記通信ネットワーク3と接続中の通信端末を検索し、前記無線通信端末4が接続されているか確認することなしに、前記通信端末6に、前記無線通信端末4は応答できない状態であることを通知できる。そして、前記呼出制御手段205は、前記呼出要求履歴に、呼出日時、前記通信端末6の端末識別子、メッセージの有無を保存する。
【0094】
そして、ある程度時間が経過した後、前記無線通信端末4を携帯したユーザが前記無線基地局1のサービスエリア1A(起動信号報知器501の報知エリア501A)にはいると、前記起動信号報知器501から報知されている起動信号を前記起動信号検出器502が検出し、前記無線通信端末4に検出信号が入力される(ステップ901,902)。このとき、前記無線通信端末4は、前記実施例1で説明したように、自動的に電源を投入し、前記無線基地局1と無線通信を行い、前記通信ネットワーク3に接続できる状態になる(ステップ903,904)。そして、前記端末状態管理サーバ2に端末状態メッセージの送信を開始する(ステップ905)。
【0095】
このとき、前記無線通信端末4から最初に送信された端末状態メッセージを受信した前記端末状態管理サーバ2では、図16に示したような処理が行われる。そしてこのとき、前記ステップ805で、前記無線通信端末4の端末識別子と関連付けられた前記端末状態管理リストの端末の状態が「通信ネットワークに非接続」から「通信ネットワークに接続中」に書き換えられる。そのため、前記端末状態管理サーバ2は、前記無線通信端末4の端末識別子と同じ端末識別子を持つ呼出要求履歴が前記呼出要求履歴保持手段206に保持されているか検索(ステップ922)し、保持されている場合はその呼出要求履歴を前記無線通信端末4に送信する(ステップ923)。このようにすることで、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3に非接続だった間に、他の通信端末6から呼出要求があったことを、前記無線通信端末4のユーザが容易に知ることができる。またこのとき、図14に示したようなメッセージの有無を示す情報を含む呼出要求履歴であれば、呼出要求信号を送信した通信端末の情報だけでなく、メッセージの有無、メッセージの確認といった処理も合わせて行うことができる。
【0096】
以上説明したように、本実施例3の無線通信システムによれば、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかけたときに、前記無線通信端末4が応答できない状態であると、前記呼出要求履歴を保存する。そして、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3に接続したときのように、前記端末状態メッセージに基づいて前記端末状態リストの端末の状態を「通信システムに接続中」に書き換えたときに、前記呼出要求履歴を前記無線通信端末4に送信する。このようにすることで、前記無線通信端末4が前記通信ネットワーク3に非接続だった間あるいは他の通信端末と通話中だった間に、他の通信端末6から呼出要求があったことを、前記無線通信端末4のユーザが容易に知ることができる。またこのとき、図14に示したようなメッセージの有無を示す情報を含む呼出要求履歴であれば、呼出要求信号を送信した通信端末の情報だけでなく、メッセージの有無、メッセージの確認といった処理も合わせて行うことができる。
【0097】
また、本実施例3では、前記通信端末6から前記無線通信端末4にIP電話をかける場合を例に挙げたが、これに限らず、前記無線通信端末4から前記通信端末6にIP電話をかける場合も、同様の手順で、前記通信端末6が応答できない状態であれば前記呼出要求履歴を保存し、前記通信端末6からの前記端末状態メッセージに基づいて前記端末状態リストの端末の状態を「通信システムに接続中」に書き換えたときに、前記呼出要求履歴を前記通信端末6に送信することで、前記通信端末6が応答できなかった間の呼出要求を容易に知ることができる。
【0098】
またさらに、IP電話で通話を行う通信端末の組み合わせは、たとえば、前記通信端末6のように、前記通信ネットワーク3に有線で接続している通信端末同士であってもよいし、前記無線通信端末4のように、前記無線基地局1を介して前記通信ネットワーク3に接続している無線通信端末同士であってもよい。
【0099】
また、本実施例3では、前記通信端末6と前記無線通信端末4の間でIP電話による通話を行う場合を例に挙げたが、これに限らず、たとえばメッセンジャーソフトを利用した通信を行う場合など、ある通信端末から他の通信端末を呼び出す場合に、本実施例3で説明した方法で呼出の制御を行うことで、前記無線通信端末4や前記通信端末6が応答できなかった間の呼出要求を容易に知ることができる。
【0100】
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
【0101】
たとえば、前記実施例1から実施例3では、前記端末状態管理テーブルで保持、管理する端末の情報を、たとえば、図4に示したように「通信ネットワークに接続中」、「通信ネットワークに非接続」、「通話中」というような表現で記述したが、これに限らず、「通信ネットワークに接続中」、「通信ネットワークに非接続」、「通話中」といった端末の状態が区別できる表現形式であれば、どのような形式であっても良い。また、前記端末の状態の種類も、前記「通信ネットワークに接続中」、「通信ネットワークに非接続」、「通話中」の3種類に限らず、その他の状態あるいはより詳細な状態を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明による実施例1の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、システム全体の構成例を示す図である。
【図2】本発明による実施例1の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、無線通信端末の構成例を示す図である。
【図3】本発明による実施例1の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、端末状態管理サーバの構成例を示す図である。
【図4】本発明による実施例1の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、端末状態管理サーバが保持する端末状態管理リストの例を示す図である。
【図5】本実施例1の無線通信システムにおける無線通信端末の動作を説明するためのフロー図である
【図6】本実施例1の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図である。
【図7】本実施例1の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、全体的な動作の流れを示すシーケンス図である。
【図8】本実施例1の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、端末情報管理リストの変化の様子を示す図である。
【図9】本発明による実施例2の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、本実施例2における端末状態管理サーバの構成例を示す図である。
【図10】本実施例2の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図である。
【図11】本実施例2の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、無線通信端末が接続中に前記無線通信端末にIP電話をかけたときのシーケンス図である。
【図12】本実施例2の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、無線通信端末が非接続のときに前記無線通信端末にIP電話をかけたときのシーケンス図である。
【図13】本発明による実施例3の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、本実施例3における端末状態管理サーバの構成例を示す図である。
【図14】本発明による実施例3の無線通信システムの概略構成を示す模式図であり、呼出要求履歴の例を示す図である。
【図15】本実施例3の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図であり、全体的な動作を説明するためのフロー図である。
【図16】本実施例3の無線通信システムにおける端末情報管理サーバの動作を説明するためのフロー図であり、図15のステップ816の詳細な動作(処理)を説明するためのフロー図である。
【図17】本実施例3の無線通信システムにおける全体的な動作を説明するための模式図であり、無線通信端末が非接続のときに前記無線通信端末にIP電話をかけたときのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0103】
1…無線基地局
1A…無線基地局のサービスエリア
2…端末状態管理サーバ
201…通信手段
202…端末状態管理リスト保持手段
203…タイマー管理手段
204…処理制御手段
205…呼出制御手段
206…呼出要求履歴保持手段
3…通信ネットワーク
4…無線通信端末
401…電源スイッチ
402…入出力手段
403…記憶手段
404…無線通信手段
405…電源自動投入手段
406…端末状態メッセージ送信手段
407…処理制御手段
501…起動信号報知器
501A…起動信号報知器の報知エリア
502…起動信号検出器
6…通信端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局および端末状態管理サーバが接続された通信ネットワークと、前記無線基地局との間で無線接続を行うことで前記通信ネットワークに接続することが可能な無線通信端末と、前記無線通信端末と前記無線基地局との無線接続が可能な領域(以下、サービスエリアという)内に、前記無線通信端末を起動させる無線信号(以下、起動信号という)を報知する起動信号報知器と、前記起動信号報知器から報知される前記起動信号を検出する起動信号検出器とからなる無線通信システムであって、
前記起動信号検出器は前記無線通信端末に接続されており、
前記無線通信端末は、前記起動信号検出器が前記起動信号の検出したときに出力される検出信号に基づき、前記無線通信端末の電源を自動的に投入する電源自動投入手段と、前記無線通信端末が前記無線基地局と接続された後、前記無線基地局と接続されている間、自端末に割り当てられた固有の端末識別子および前記自端末の状態を含む端末状態メッセージを、一定の時間間隔で前記端末状態管理サーバに送信し続ける端末状態メッセージ送信手段とを備え、
前記端末状態管理サーバは、前記通信ネットワークに接続可能な通信端末ごとに割り当てられた固有の端末識別子と前記通信端末の状態を関連付けた端末状態管理リストを保持する手段を備え、
前記端末状態管理サーバは、前記無線通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末の状態と、前記端末状態管理リストの、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と同じ端末識別子と関連付けられた端末の状態とを比較し、前記各端末の状態が異なる場合は、前記端末状態管理リストの端末の状態を前記端末状態メッセージの端末の状態に書き換えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記無線情報端末は、前記無線基地局との接続が切断されたときに、自無線情報端末の電源を切る手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記端末状態管理サーバは、前記無線通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と関連付けたタイマーをセットまたはリセットして作動させるタイマー管理手段を備え、
前記作動中のタイマーのうち、タイムアウトしたタイマーが有った場合、前記端末状態管理リストの、前記タイムアウトしたタイマーと関連付けられている端末識別子の端末の状態を、前記通信ネットワークに非接続の状態に書き換えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記端末状態管理サーバは、2つ以上の通信端末間で通信を行う際の呼出および呼出に対する応答の制御を行う呼出制御手段を備え、
前記呼出制御手段は、前記通信ネットワークに接続された通信端末からの呼出要求信号を受信したときに、前記端末状態管理リストを参照し、呼出先の通信端末の状態が応答可能な状態である場合は前記呼出先の通信端末に前記呼出要求信号を送信し、呼出先の通信端末の状態が応答不可の状態である場合は前記呼出要求信号を送信した通信端末に応答不可の通知をすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記端末状態管理サーバは、前記呼出先の通信端末が応答不可の状態である場合に、前記呼出要求信号を送信した通信端末の端末識別子および呼出要求日時を含む呼出要求履歴を保持する手段を備え、
前記端末状態管理サーバは、前記応答不可の状態であった通信端末から送信された前記端末状態メッセージを受信した時に、前記呼出要求履歴を前記通信端末へ送信することを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
無線基地局および端末状態管理サーバが接続された通信ネットワークと、前記無線基地局との間で無線接続を行うことで前記通信ネットワークに接続することが可能な無線通信端末であって、
前記無線通信端末は、前記無線通信端末と前記無線基地局との無線接続が可能な領域(以下、サービスエリアという)内に報知されている、前記無線通信端末を起動させる無線信号(以下、起動信号という)を検出する起動信号検出手段と接続されており、
前記起動信号検出手段が前記起動信号を検出したときに出力される検出信号に基づき、前記無線通信端末の電源を自動的に投入する電源自動投入手段と、前記無線通信端末が前記無線基地局と接続された後、前記無線基地局と接続されている間、自端末に割り当てられた固有の端末識別子および前記自端末の状態を含む端末状態メッセージを、一定の時間間隔で前記端末状態管理サーバに送信し続ける端末状態メッセージ送信手段とを備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項7】
前記各手段に加え、前記無線基地局との接続が切断されたときに、自無線情報端末の電源を切る手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の無線通信端末。
【請求項8】
無線基地局を備える通信ネットワークに接続可能な通信端末の接続状態を管理する端末状態管理サーバであって、
前記通信ネットワークに接続可能な通信端末ごとに割り当てられた固有の端末識別子と前記通信端末の状態を関連付けた端末状態管理リストを保持する手段を備え、
前記通信端末から、各端末の端末識別子および端末の状態を含む端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末の状態と、前記端末状態管理リストの、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と同じ端末識別子と関連付けられた端末の状態とを比較し、前記各端末の状態が異なる場合は、前記端末状態管理リストの端末の状態を前記端末状態メッセージの端末の状態に書き換えることを特徴とする端末状態管理サーバ。
【請求項9】
前記端末状態管理サーバは、前記通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と関連付けたタイマーをセットまたはリセットして作動させるタイマー管理手段を備え、
前記作動中のタイマーのうち、タイムアウトしたタイマーが有った場合、前記端末状態管理リストの、前記タイムアウトしたタイマーと関連付けられている端末識別子の端末の状態を、前記通信ネットワークに非接続の状態に書き換えることを特徴とする請求項8に記載の端末状態管理サーバ。
【請求項10】
前記各手段に加え、2つ以上の通信端末間で通信を行う際の呼出および呼出に対する応答の制御を行う呼出制御手段を備え、
前記呼出制御手段は、前記通信ネットワークに接続された通信端末からの呼出要求信号を受信したときに、前記端末状態管理リストを参照し、呼出先の通信端末の状態が応答可能な状態である場合は前記呼出先の通信端末に前記呼出要求信号を送信し、呼出先の通信端末の状態が応答不可の状態である場合は前記呼出要求信号を送信した通信端末に応答不可の通知をすることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の端末状態管理サーバ。
【請求項11】
前記各手段に加え、前記呼出先の通信端末が応答不可の状態である場合に、前記呼出要求信号を送信した通信端末の端末識別子および呼出要求日時を含む呼出要求履歴を保持する手段を備え、
前記応答不可の状態であった通信端末から送信された前記端末状態メッセージを受信した時に、前記呼出要求履歴を前記通信端末へ送信することを特徴とする請求項10に記載の端末状態管理サーバ。
【請求項12】
無線基地局および端末状態管理サーバが接続された通信ネットワークと、前記無線基地局との間で無線接続を行うことで前記通信ネットワークに接続することが可能な無線通信端末と、前記無線通信端末と前記無線基地局との無線接続が可能な領域(以下、サービスエリアという)内に、前記無線通信端末を起動させる無線信号(以下、起動信号という)を報知する起動信号報知器と、前記起動信号報知器から報知される前記起動信号を検出する起動信号検出器とからなる無線通信システムの制御方法であって、
前記起動信号検出器が前記起動信号を検出したときに出力される検出信号に基づき、前記無線通信端末の電源を自動的に投入するステップと、
前記無線通信端末が前記無線基地局と接続された後、前記無線基地局と接続されている間、前記無線通信端末から、自端末に割り当てられた固有の端末識別子および前記自端末の状態を含む端末状態メッセージを、一定の時間間隔で前記端末状態管理サーバに送信し続けるステップと、
前記端末状態管理サーバで、前記通信ネットワークに接続可能な通信端末ごとに割り当てられた固有の端末識別子と前記通信端末の状態を関連付けた端末状態管理リストを保持するステップと、
前記端末状態管理サーバが、前記無線通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末の状態と、前記端末状態管理リストの、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と同じ端末識別子と関連付けられた端末の状態とを比較し、前記各端末の状態が異なる場合は、前記端末状態管理リストの端末の状態を前記端末状態メッセージの端末の状態に書き換えるステップとを有することを特徴とする無線通信システムの制御方法。
【請求項13】
前記各ステップに加え、前記無線情報端末と前記無線基地局との接続が切断されたときに、前記無線情報端末が自動的に電源を切るステップを有することを特徴とする請求項12に記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項14】
前記各ステップに加え、前記端末状態管理サーバで前記無線通信端末からの前記端末状態メッセージを受信するごとに、前記端末状態メッセージに含まれる端末識別子と関連付けたタイマーをセットまたはリセットして作動させるステップと、
前記作動中のタイマーのうち、タイムアウトしたタイマーが有った場合、前記端末状態管理リストの、前記タイムアウトしたタイマーと関連付けられている端末識別子の端末の状態を、前記通信ネットワークに非接続の状態に書き換えるステップとを有することを特徴とする請求項13に記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項15】
前記各ステップに加え、前記端末状態管理サーバで2つ以上の通信端末間での通信を行う際の呼出および呼出に対する応答の制御を行うステップと、
前記通信ネットワークに接続された通信端末からの呼出要求信号を受信したときに、前記端末状態管理リストを参照し、呼出先の通信端末の状態が応答可能な状態である場合は前記呼出先の通信端末に前記呼出要求信号を送信し、呼出先の通信端末の状態が応答不可の状態である場合は前記呼出要求信号を送信した通信端末に応答不可の通知をするステップとを有することを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項16】
前記各ステップに加え、前記呼出先の通信端末が応答不可の状態である場合に、前記端末状態管理サーバに前記呼出要求信号を送信した通信端末の端末識別子および呼出要求日時を含む呼出要求履歴を保持するステップと、
前記端末状態管理サーバで、前記応答不可の状態であった通信端末から送信された前記端末状態メッセージを受信した時に、前記呼出要求履歴を前記通信端末へ送信するステップとを有することを特徴とする請求項15に記載の無線通信システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−115166(P2006−115166A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299997(P2004−299997)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】