説明

無線ICタグ(RFID)を用いてデジタル媒体のコピーを管理する装置

読取及び書込可能な無線ICタグ(RFID)をCD−ROM又はDVD等の物理媒体に取り付ける。媒体のコピーが作成される都度、書込可能なRFIDに保存された変数又はカウントを更新する。RFIDの読取/書込のための機構が、媒体のコピーを作成する機器と通信を行うと、作成されたコピーのコピー制限数は、0に設定され、又は、他の適切な制約が設定される。或いは、この機器が如何なるコピーを作成することも禁止される。これにより、元の製品のコピーの総数を制限できる。RFIDは、CD−ROM又はDVDプレーヤ内の機構によって読み取り又は書き込むことができ、読出/書込機構は、例えば、コンピュータ又は他の機器等の異なる機器内に設けられていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル情報の処理に関し、詳しくは、デジタル媒体から作成できるコピーの数を制限することを含む、デジタル媒体の権利管理のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ、ビデオ、コンピュータデータ等を含む多くの種類の情報がデジタルフォーマットで表現されることが多くなった。例えば、今日のコンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)媒体は、CD−ROMドライブで再生できる小型のディスクに、例えば、楽曲、ナレーション等のオーディオファイルを保存するために使用されている。また、CD−ROMは、ビデオコンテンツ及びデータファイルを書き込み及び読み取るためにも使用されている。この他に普及している媒体フォーマットとしては、デジタルバーサタイルディスク(DVD)があり、このフォーマットは、ディスク状の光学媒体を用いる点及びドライバがレーザを用いて情報を読み取る点が基本的にCD−ROMと同様である。DVDフォーマットは、高品質なオーディオ及びビデオ(例えば、映画全編)コンテンツを提供するために多く用いられている。
【0003】
この他に、例えば、フラッシュメモリ又は他の形式の持続性を有する半導体ランダムアクセスメモリ(RAM)を用いた「メモリスティック」等の物理媒体フォーマットも存在している。ミニディスクフォーマットは、「マイクロ」ハードディスクドライブの現在の形式と同様に、磁気媒体を用いる。磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記憶媒体等、この他の媒体フォーマットも存在する。
【0004】
デジタル媒体により、例えば、聴取者、視聴者又はコンピュータユーザ等のエンドユーザに高品質なコンテンツを安価に提供することができるが、デジタル媒体の配布には、その媒体のコピーが容易であるという問題がある。コピーは、コンテンツの所有者、配信者又はこの他の権利者に代価を支払うことなく作成されることが多い。
【0005】
そこで、望ましくないコピーを防止するための幾つかの手法が提案されている。例えば、デジタルウォータマーク法では、例えば、CD−ROM等の物理媒体に識別情報を付し、又は媒体に記録されたデジタル情報の一部(又は全体)に識別情報を埋め込むことができる。例えば、楽曲全体に関して、コンテンツの所有者を特定し、使用に関する制約を示すビットを設けてもよい。この手法の1つの問題は、ウォータマーキングに使用されるビットの量を、意図したコンテンツを保存するための媒体の容量から減算しなくてはならないという点である。また、ウォータマーキングは、コンテンツの品質を低下させることもある。
【0006】
他の手法として、媒体内の独立した、離散的な部分を用いて、コピー制御情報又は権利管理情報を保存する手法がある。コピー制御情報は、コンピュータ等のコピー装置又は媒体上の情報を書込/読取可能な他の機器のドライバ(すなわち、再生装置)によって、読取及び/又は書込できる。例えば、DVDには、コピー制限数を設定することができる。例えば、ユーザは、コピー制限数が3のオリジナルのDVDを購入できる。オリジナルのDVDの第1世代のコピーが作成されると、第1世代のコピー上のコピー制限数は、2に設定される。第2世代のコピーが作成されると、第2世代のコピーのコピー制限数は、1に設定される。第3世代のコピーが作成されると、コピー制限数は、0に設定され、これ以上のコピーが禁止される。
【0007】
このコピー回数制限法は、コピーの数が大規模に指数関数的に増加して出回ることを防止するという点で、ある程度成功しているが、オリジナルのDVDからは、コピーが大量に作成できるという問題点がある。例えば、オリジナルのDVDを購入すれば、それぞれのコピー制限数が2に設定された第1世代のコピーを幾つでも(例えば、100万個以上)作成することができる。この手法では、オリジナル、第1世代及び第2世代のコピーからのコピーの総数を制限することはできない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の好ましい実施の形態は、CD−ROM又はDVD等の物理媒体に埋め込まれた書込可能なRFID(無線ICタグ:radio frequency identification)タグを用いる。そして、媒体のコピーが作成される度、書込可能なRFIDに保存された変数又はカウント値を更新する。RFID読取/書込センサが、媒体のコピーを作成する機器と通信を行うと、作成されたコピーのコピー制限数は、0に設定され、又は、他の適切な制約が設定される。これにより、オリジナルの製品のコピーの総数を規制できる。
【0009】
RFIDは、CD−ROM又はDVDプレーヤの機構から読取又は書込可能である。また、読取/書込機構は、コンピュータ又は他の機器等の異なる機器であってもよい。好ましい実施の形態では、RFID読取/書込機構は、CD−ROMドライブ又はDVDドライブと連携して動作し、これにより、必要に応じてRFIDで情報を確認し、RFIDデータを更新しなければ、媒体のコピーを作成することができない。暗号化(例えば、ハッシュ又は他の署名法)を用いてコンテンツのコピーカウントを機密保護することができる。他の手法として、デジタルウォータマーク、認証、パスワード保護等を用いて、RFID内の情報の改竄及びコピー制御の無効化を防止することができる。
【0010】
必要に応じて媒体のコピーを規制するために、本発明に関連してコピー防止権利管理(Copy Prevention Rights Management:CPRM)規則を用いてもよい。本発明の他の実施の形態では、例えば、コピー制御情報(Copy Control Information:CCI)、拡張コピー制御情報(Extended Copy Control Information:ExCCI)、コピー世代制御システム(Copy Generation Management SystemCGMS)及び他の規格に基づく他の種類のコピー制御情報を用いてもよい。包括的に言えば、本発明の実施の形態では、コピー制御又はアクセス権に関連する如何なる情報を用いてもよい。
【0011】
一実施の形態においては、本発明に係る、媒体にアクセス権を設定するアクセス権設定方法は、読取/書込RFIDタグにアクセス権に関連する指示情報を書き込むステップと、媒体に読取/書込RFIDタグを恒久的に付すステップと、媒体のコピーが作成されようとしていることを検出するステップと、アクセス権に関連する指示情報を読み取るステップと、指示情報が所定の条件を満たしている場合、媒体へのアクセス権を制御するステップとを有する。
【0012】
他の実施の形態として、本発明に係る、媒体においてコピー保護を実施するためのコピー保護方法は、媒体に読取/書込RFIDタグを恒久的に付すステップと、媒体から作成できるコピーの数の制約を示す値をRFIDタグに書き込むステップと、媒体のコピーが作成されようとしていることを検出するステップと、媒体から作成できるコピーの数に関する指示情報を読み取るステップと、指示情報が所定の条件を満たしている場合、媒体のコピーの作成を防止するステップとを有する。
【0013】
本発明の他の実施の形態においては、本発明に係る、媒体においてコピー保護を実施するためのコピー保護装置は、媒体に恒久的に付された読取/書込RFIDタグと、RFIDタグに書き込まれ、媒体から作成できるコピーの数の制約を示すマシンにより読取可能な値とを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の好ましい実施の形態を図1に示す。
【0015】
図1において、DVD100等のマシンによって読取可能な記録媒体は、読取/書込RFIDタグ110を備える。図1では、RFIDタグ110(図面では強調のために寸法を拡大して示している。)は、DVD100のセンタホールの近傍に取り付けられているが、RFIDタグ110は、実用性に応じて、DVD100の如何なる部分に取り付け、装着し又は埋め込み、若しくは他の手法で取り付けてもよい。例えば、普及している読取/書込RFIDタグ(例えば、米国のテキサスインスツルメンツ社(Texas Instruments)、マクセル社(Maxell Corp)等が製造するRFIDタグ)では、RFIDチップ本体上にアンテナを設け、これにより一辺が2.5mm未満の正方形のRFIDタグサイズが実現されている。アンテナをより長くすることが望まれる場合、ディスクの動作を妨げない限り、ディスク上又はディスク内の如何なる位置にアンテナを配置してもよい。例えば、RFIDチップ及び/又はアンテナは、DVDの上面、端部等に配置することができる。
【0016】
媒体プレーヤ140は、例えば、DVDプレーヤであり、この場合、媒体読取/書込ユニット120は、DVDプレーヤ内のサブシステムである。また、DVDプレーヤは、RFID読取/書込(又はセンサ)ユニット130も備える。RFIDの設計及び位置、並びにRFID読取/書込ユニット130の設計及び感度に応じて、RFID読取/書込ユニット130は、DVDディスクに近付ける必要がある。このような場合には、RFID読取/書込ユニット130は、媒体読取/書込ユニット120に隣接して、媒体読取/書込ユニット120上に、又は媒体読取/書込ユニット120と連携するように配設する必要がある。特に、RFIDタグアンテナが非常に小さい場合、検出距離は、数ミリメートルの桁である必要がある。なお、例えば、DVD用の媒体読取/書込ハードウェアにおいては、レーザビーム及び検出器アセンブリをDVDディスクに近付ける必要がある。RFID読取/書込ユニット130は、レーザ出射器及び/又は検出器、レーザ読取ヘッドアーム、筐体、ドライブモータアセンブリ等と統合してもよい。
【0017】
ユーザは、DVD100等のDVDディスクをDVDプレーヤに挿入する。DVDディスクのコピーを作成する要求の前、後又は間に、RFID読取/書込ユニット130は、RFIDタグ110からコピー制御情報を読み取る。例えば、RFIDタグは、DVDディスクから作成できるコピーの数を表す数を含むことができる。好ましい実施の形態では、また、RFIDタグは、DVDディスク自体のための識別コードを含む。DVDのIDコードは、ディスク自体に光学的に保存された情報に関連し、これにより媒体読取/書込ユニット120は、相関情報を得ることができる。例えば、デジタルウォータマーク、識別値、ディスク上のオーディオ又はビデオデータのサンプル等を用いて、製造業者、配信者又は他のエンティティが権利を有する情報又はコンテンツを含むDVDを特定することができる。
【0018】
RFIDタグのIDコード及び媒体上の相関情報の照合は、制御システム(図示せず)が実行する。IDコード及び相関情報が一致した場合、DVDディスクが肯定的に識別されたと判定され、RFIDタグからのコピー制御情報が得られ、これに基づき、DVDの異なる種類の使用を許可するか又は禁止するかを判定する。例えば、「コピー回数(number of copies:NOC)」値を用いる場合、DVDのコピーを作成するためのユーザ要求(又は自動化された要求)が受信されると、ディスクの肯定的な識別の確認を行う。そして、ディスクが肯定的に識別されると、RFID読取/書込ユニット130は、NOC値が0より大きいことを確認する。
【0019】
NOC値が0より大きい場合、(例えば、RFID読取/書込ユニット130から制御システム又は媒体読取/書込ユニット120に)媒体プレーヤ140がDVDのコピーを作成することを許可する信号が生成される。コピーの作成が許可されると、又はコピーを作成する処理の間又は処理の後に、NOC値をデクリメントすることによってRFIDタグを更新する。
【0020】
本発明の一実施の形態では、例えば、公開鍵暗号化、デジタル署名、認証等の機密保護技術を用いて、RFIDタグから得られた情報が正しく、改竄されていないことを検証する。ここでは、如何なる種類の機密保護技術を用いてもよい。
【0021】
図2は、RFID読取/書込ユニット130が媒体プレーヤ140の外部に配設されている実施の形態を示している。例えば、RFID読取/書込ユニット130は、媒体プレーヤ140とは別に製造及び販売されるユニットであってもよく、無線、有線、光及びこの他の通信リンクを介して、媒体プレーヤ140及び媒体プレーヤ140の媒体読取/書込ユニット120と通信する。
【0022】
RFID検出及び伝送範囲が十分であれば、装置は、RFID読取/書込ユニットが媒体プレーヤの内部にある場合と同様に動作する。媒体プレーヤ140内に媒体があり、RFID読取/書込ユニット130がRFIDタグを読取/書込できない場合、ユーザは、RFID読取/書込ユニット130に媒体を近付けた後、異なる時刻に、媒体プレーヤ140の媒体読取/書込ユニット120に媒体を近付けることができる。
【0023】
例えば、ユーザは、RFID読取/書込ユニット130にDVDを近付け、これにより、RFID読取/書込ユニット130内のセンサがRFIDタグIDコードを読み取る。次に、ユーザは、DVDプレーヤにDVDを近付け、DVDプレーヤは、相関情報を得て、これにより、装置は、DVDディスクがコピー制御情報に対応していることを検証できる。次に、ユーザは、再びDVDディスクをRFID読取/書込ユニット130に近付け、空のDVDを媒体プレーヤ(又は他の記録装置)に挿入する。DVDのRFIDタグのNOC値を検出し、及びコピーを作成できると判定する処理の間(又はこの後)、装置は、新たなDVDディスクに書込を行い又はコピーを作成するための信号をDVD書込み機構に送信する。これに応じて、オリジナルのDVDのNOC値が更新される。なお、これらのステップの順序は変更してもよい。また、幾つかのステップを変更又は省略しても、所望の結果を得ることができる。例えば、RFID読取/書込ユニットにDVDを近付ける最後のステップを省略し、第1のステップにおいて、RFID情報を確認及び更新してもよいが、この手法は、安全性が低い。
【0024】
図3及び図4は、内部(図3)又は外部(図4)のRFID読取/書込ユニット130及び媒体読取/書込ユニット120が、外部の認証プロセッサ200と通信を行う装置の構成を示している。例えば、認証プロセッサ200は、遠隔位置にあってもよく、媒体読取/書込ユニット120、RFID読取/書込ユニット130及び認証プロセッサ200間の通信は、インターネット等のネットワークを介して行ってもよい。この手法により、更なる監視、制御及び機密保護の選択肢が提供される。例えば、DVD上の相関情報と、RFIDのIDコードとを照合するステップは、認証プロセッサ200において実行できる。遠隔位置に保存された規則又は情報を、認証の付与に用いてもよい。例えば、ユーザのインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider:ISP)等と協働して得られるインターネットを介したメッセージの送受信の経路に関する知識に基づいて、媒体プレーヤ140の位置を検出することができる。この手法で認証プロセッサ200は、媒体プレーヤ又は他のコピー機器の検出された(又は提供された)位置に基づいて、ある種類の媒体のコピーの許可を拒否できる。
【0025】
以上、本発明を特定の実施の形態を参照して説明したが、これらの実施の形態は、本発明の原理及び用途を例示的に示しているにすぎない。例えば、主にCD−ROM又はDVD等の光ディスクに関して本発明を説明したが、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記憶媒体を含む如何なる種類の記録媒体及び媒体読取/書込機器を用いてもよい。
【0026】
本発明のルーチンを実現するために、C、C++、Java(登録商標)、アセンブリ言語等を含む適切な如何なるプログラミング言語も用いてもよい。手続き指向又はオブジェクト指向等の異なるプログラミング技術を採用してもよい。このルーチンは、単一の処理装置又は複数のプロセッサ上で実行できる。ステップ、動作又は演算を特定の順序で説明したが、他の実施の形態では、この順序を変更してもよい。幾つかの実施の形態では、本明細書で説明した一連の複数のステップを同時に実行してもよい。本明細書に開示した動作のシーケンスは、オペレーティングシステム、カーネル等の他の処理によって、割り込まれ、中断され又は他の制御を受けてもよい。ルーチンは、オペレーティングシステム環境で動作してもよく、システム処理の全て又は実質的な部分を占有するスタンドアロンのルーチンとして動作してもよい。
【0027】
本明細書の説明では、本発明の実施の形態を明瞭にするために、コンポーネント及び/又は方法の具体例等、多数の具体的詳細事項を開示した。なお、これらの具体的詳細事項の1つ以上を省き、又は他の装置、システム、アセンブリ、方法、コンポーネント、材料、部品等を用いても発明の実施の形態を実施できることは、当業者にとって明らかである。また、本発明の実施の形態の側面を不鮮明にしないために、周知の構造、材料、動作は、特別に示さず、又は詳細に説明していない。
【0028】
本発明の実施の形態に示す「コンピュータにより読取可能な媒体」は、命令実行システム、装置、システム又は機器に関連して用いられるプログラムを含み、保存し、通信し、伝送し又は輸送する媒体であってもよい。コンピュータにより読取可能な媒体は、以下に制限されるわけではないが、電子媒体、磁気媒体、光媒体、光磁気媒体、赤外線、半導体素子、伝送媒体又はコンピュータメモリであってもよい。
【0029】
「プロセッサ」又は「プロセス」は、データ、信号又は他の情報を処理する人間、ハードウェア及び/又はソフトウェアのシステム、機構又は部品のいずれをも含む。プロセッサは、汎用の中央演算処理装置、複数の処理ユニット、機能を実現する専用回路又は他のシステムを有していてもよい。処理は、地理的な位置に制限される必要なく、時間的にも制限されない。例えば、プロセッサは、処理を「リアルタイム」で実行してもよく、「オフライン」で実行してもよく、「バッチモード」で実行してもよい。処理の一部は、異なる時刻に、別の場所で、異なる(又は同じ)処理システムで実行してもよい。
【0030】
本明細書において、「実施の形態」、「一実施の形態」又は「特定の実施の形態」とは、実施の形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれ、必ずしも全ての実施の形態に含まれる必要はないことを意味する。したがって、本明細書の各所で用いる「実施の形態」、「一実施の形態」、「特定の実施の形態」等の語句は、必ずしも同じ実施の形態について言及しているわけではない。更に、本発明の全ての特定の実施の形態の特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の他の実施の形態に組み合わせてもよい。なお、本明細書の開示に基づき、本明細書に開示した本発明の実施の形態を変更例及び変形することができ、これらの変更及び変形は、本発明の範囲及び精神に包含されるとみなされる。
【0031】
発明の実施の形態は、プログラミングされた汎用デジタルコンピュータを用いて実現してもよく、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジック装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、光、化学、生物、量子、ナノエンジニアリングシステム、コンポーネント及び機構を用いて実現してもよい。包括的に言えば、本発明の機能は、当分野で周知の如何なる技術を用いて実現してもよい。分散型又はネットワーク型のシステム、コンポーネント及び回路を用いてもよい。データの通信又は伝送は、有線、無線又は他の如何なる技術に基づいて行ってもよい。
【0032】
また、図面/図に示した要素の1つ以上は、分離して又は統合して実現してもよく、或いは、特定のアプリケーションにおいて適切であれば、省略してもよく、動作しないようにしてもよい。また、マシンによって読取可能な媒体に保存でき、上述したいずれかの処理をコンピュータが実行するためのプログラム又はコードも本発明の精神及び範囲に包含される。
【0033】
更に、図面/図に示す如何なる信号矢印線も、例示的なものであり、特に明確な指摘がない限り、限定的には解釈されない。更に、本明細書で用いる「又は」という用語は、特に指摘がない限り「及び/又は」を意味するものとする。また、コンポーネント又はステップの組合せは、分離又は結合できることを明言していない場合であっても、これらは任意に分離又は結合できると解釈される。
【0034】
本明細書及び特許請求の範囲に用いる名詞(原文では冠詞(「a」、「the」)に続く名詞)は、文脈から単数であることが明瞭でない限り、複数の意味も含む。また、本明細書及び特許請求の範囲に用いる「〜内(in)」という表現は、文脈から他の解釈が明瞭でない限り、「〜内(in)」、「〜上(on)」の両方の意味を含む。
【0035】
本発明の実施の形態の上述の説明及び要約書は、本発明を、本明細書又は要約書に開示した詳細な形式に制限することを意図するものではない。発明の特定の実施の形態及び具体例は、説明の目的のみのために例示的に示しているに過ぎず、本発明の精神及び範囲内で、等価の様々な変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。上述のように、本発明の実施の形態の上述の説明に基づき、様々な変形例が想到され、これらの変形例は、本発明の精神及び範囲内に含まれる。
【0036】
このように、本明細書では、特定の実施の形態に基づいて本発明を説明したが、上述の開示には、ある程度の修正、様々な変更及び代用が含まれ、本発明の実施の形態の幾つかの特徴は、特許請求の範囲に定義する発明の範囲及び精神から逸脱することなく、必ずしも他の特徴と対応して用いる必要はないことは明らかである。したがって、特定の状況又は材料を本発明の本質的な範囲及び精神に適応させるために、様々な変更を行うことができる。本発明は、添付の特許請求の範囲及び/又は本発明を実施するための最適な実施の形態として示した特定の実施の形態で用いた特定の用語に制限されず、本発明は、添付の特許請求の範囲に包含されるあらゆる実施の形態及びその等価物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】内部のRFID読取/書込ユニットを備える媒体プレーヤの構成を示す図である。
【図2】外部のRFID読取/書込ユニットを備える媒体プレーヤの構成を示す図である。
【図3】リモート認証プロセッサに接続された媒体プレーヤ及び内部のRFID読取/書込ユニットを示す図である。
【図4】リモート認証プロセッサに接続された媒体プレーヤ及び外部のRFID読取/書込ユニットを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体においてコピー保護を実施するためのコピー保護装置において、
上記媒体に恒久的に付された読取/書込RFIDタグと、
上記RFIDタグに書き込まれ、上記媒体から作成できるコピーの数の制約を示すマシンにより読取可能な値とを備えるコピー保護装置。
【請求項2】
上記媒体は、CD−ROMディスクを含むことを特徴とする請求項1記載のコピー保護装置。
【請求項3】
上記媒体は、DVDディスクを含むことを特徴とする請求項1記載のコピー保護装置。
【請求項4】
媒体においてコピー保護を実施するためのコピー保護方法において、
上記媒体に読取/書込RFIDタグを恒久的に付すステップと、
上記媒体から作成できるコピーの数の制約を示すマシンにより読取可能な値を上記RFIDタグに書き込むステップと、
上記媒体のコピーが作成されようとしていることを検出するステップと、
上記媒体から作成できるコピーの数に関する指示情報を読み取るステップと、
上記指示情報が所定の条件を満たしている場合、上記媒体のコピーの作成を防止するステップとを有するコピー保護方法。
【請求項5】
上記媒体のコピーを作成するステップと、
上記読取/書込RFID内の指示情報を更新するステップとを有する請求項4記載のコピー保護方法。
【請求項6】
上記媒体のコピーにコピー制約を設定するステップを更に有する請求項5記載のコピー保護方法。
【請求項7】
上記コピー制約は、上記媒体のコピーの作成を防止することを含むことを特徴とする請求項6記載のコピー保護方法。
【請求項8】
媒体にアクセス権を設定するアクセス権設定方法において、
上記媒体に読取/書込RFIDタグを恒久的に付すステップと、
上記読取/書込RFIDタグにアクセス権に関連する指示情報を書き込むステップと、
上記媒体のコピーが作成されようとしていることを検出するステップと、
上記アクセス権に関連する指示情報を読み取るステップと、
上記指示情報が所定の条件を満たしている場合、上記媒体へのアクセス権を制御するステップとを有するアクセス権設定方法。
【請求項9】
上記アクセス権は、コピー制御情報(CCI)規格に基づいていることを特徴とする請求項8記載のアクセス権設定方法。
【請求項10】
上記アクセス権は、拡張コピー制御情報(ExCCI)規格に基づいていることを特徴とする請求項8記載のアクセス権設定方法。
【請求項11】
上記アクセス権は、コピー世代制御システム(CGMS)に基づいていることを特徴とする請求項8記載のアクセス権設定方法。
【請求項12】
上記アクセス権は、上記媒体上のコンテンツについて作成できるコピーの数に関する制約を含むことを特徴とする請求項8記載のアクセス権設定方法。
【請求項13】
媒体のコピーを認証するためのコピー認証方法において、
第1のRFIDタグ値を検出するステップと、
上記媒体の相関情報を検出するステップと、
上記第1のRFIDタグ値と、検出された相関情報とを比較し、相関の有無を判定するステップと、
上記相関が認められた場合、第2のRFIDタグ値を検出するステップと、
上記検出された第2のRFIDタグ値が所定の条件を満たしている場合、
上記相関があれば上記媒体のコピーを認証するステップとを有するコピー認証方法。
【請求項14】
上記相関情報は、識別コードを含むことを特徴とする請求項13記載のコピー認証方法。
【請求項15】
上記相関情報は、デジタルウォータマークを含むことを特徴とする請求項13記載のコピー認証方法。
【請求項16】
上記検出された第2のRFIDタグ値は、暗号化されていることを特徴とする請求項13記載のコピー認証方法。
【請求項17】
RFIDタグを含む媒体のコピーを認証するためのコピー認証装置において、
上記RFIDタグを読み取り、及び該RFIDタグに書き込まれている値を更新するRFID読取/書込ユニットと、
媒体読取/書込ユニットと、
RFID読取/書込ユニットから信号を受信し、コピーの作成を許可する制御システムとを備えるコピー認証装置。
【請求項18】
上記媒体読取/書込ユニットを含む筐体を備え、上記RFID読取/書込ユニットは、該筐体の外部にあることを特徴とする請求項17記載のコピー認証装置。
【請求項19】
上記RFID読取/書込ユニットは、認証プロセッサと通信を行うことを特徴とする請求項17記載のコピー認証装置。
【請求項20】
上記認証プロセッサは、RFID読取/書込ユニットから遠隔に配設されていることを特徴とする請求項19記載のコピー認証装置。
【請求項21】
上記RFID読取/書込ユニットは、デジタルネットワークを介して、上記認証プロセッサと通信を行うことを特徴とする請求項20記載のコピー認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−528061(P2007−528061A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554152(P2006−554152)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/004574
【国際公開番号】WO2005/079359
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】