説明

照合データ認識処理システム及びその処理方法

【課題】 遊技ゲームにおいて、提供者側によるゲーム当たりになる情報の設定以外に、遊技者による入力情報と連携機能させ、営業者側の利益と遊技者の満足感との間でのジレンマを減少させることを図る。
【解決手段】 遊技者等によって選択され入力された数字や図形等の情報を予め記憶する手段と、インターフェイスを通じて送出されてきた数字や図形等の外部情報を検出する手段と、上記検出された数字等の情報と予め入力され記憶されている情報との照合判定手段と、両情報が合致した場合にはその的中結果を積算記憶する手段と、その積算結果の情報を送出して積算カウンター表示部にポイント数として表示する手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力手段により選択された任意のデータの記憶手段と、遊技機等から送出されるデータを検出する手段と、CPU(中央演算処理装置)により両データを比較照合する手段と、その照合結果を積算記憶等する照合データ認識処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】今日の一般的なパチンコ遊技機は、デジタルパチンコと言われるように確率突入率(全ての大当たりの組み合わせ中に占める確率変動〔特定の大当たりによってその後の大当たり・小当たり確率がアップすること〕大当たりの割合)や確率継続率(確率変動中に再び確率変動大当たりを引く割合)等の情報がプログラミングされており、その盤面上には、CRTやスクリーン面等が設けられ、遊技球がいわゆるチューリップに入ると自動的に可変表示部の数字や図柄等が変化し、予め決められた一定の順序で一定の数字等が揃った場合に大当たりするというような構成のものからなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら従来のパチンコ遊技機では、その大当たり確率は、機種によって異なるが、平均してデジタル表示回転300分の1程度のものが多いと言われているため、デジタル表示回転が500回、1000回続いても当たらないことが確率として当然にあり得るので、仮に1回のデジタル表示回転に5秒を要するとすると、数十分のはずれ時間と一瞬の当たり時間との組み合わせゲームということになる。そして、はずれ時間を短くすると営業者側の利益が減少し、逆にすると遊技者の満足感が減少するという二律背反の関係に常にある。
【0004】この営業者側と遊技者側のジレンマを解決する手段としては、従来から大当たりの確率を変動させたりすることにより調整し、あるいは、特開平11−24483(「発明の名称」遊技機)のように、可変表示部にゲーム画面を設けてゲーム結果が予め定められた特定の態様となった場合に所定の遊技価値を付与可能とするような構成によりゲームを楽しめるように付加価値を高める手段等が考えられている。
【0005】しかしながら、大当たりや小当たりの確率を変動させるだけでは、遊技者側の満足度と営業者側の利益確保のジレンマの解消策としては単純であり根本的な解決策にはなり得ないし、また、ゲーム画面を設ける手段では、遊技者としては気分転換はできるとしてもパチンコ遊技の目的からはそれてしまい、かえって欲求不満がつのる結果ともなりかねない、という問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、これら従来技術の持つ問題点を一気に解決したものであり、基本的には、遊技者等によって選択され入力された数字や図形等の情報を予め記憶する手段と、インターフェイスを通じて送出されてきた数字や図形等の外部情報を検出する手段と、上記検出された数字等の情報と予め入力され記憶されている情報との照合判定手段と、両情報が合致した場合にはその的中結果を積算記憶する手段と、その積算結果の情報を送出して積算カウンター表示部にポイント数として表示する手段とを備えたことを特徴とする照合データ認識処理システムとその処理方法、さらには、この基本システムに付加機能を設けたものの提供を目的とする。
【0007】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を、実施例を示して説明する。なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の文言にかかわらずその均等な範囲にも及ぶ。
【0008】図1は、本発明のシステム装置をパチンコ台の上部に載置した状態の概略を示す斜視図であり、図2R>2は、本発明のシステム装置の一実施例を示す斜視図であり、図3は、本発明のシステムとCR機(プリペイドカードを用いて遊技するパチンコ台)との連携状態を説明する回路ブロック図であり、図4は、本発明のシステム装置の一実施例を説明する回路ブロック図である。
【0009】図1に示すように、本発明にかかるシステム装置Aは、パチンコ台Bの上部に載置されている。もっとも、その載置される場所は特に限定されず、またパチンコ台Bと分離していてもよく、あるいはパチンコ台Bに一体型として組み込んでしまってもかまわない。さらにパチンコ台Bに替わり、いわゆるパチスロ等のコイン遊技機、数字が出力されるパソコンなどの情報送出手段でもよい。但し、以下はパチンコ台を例に説明する。
【0010】図2に示すように、システム装置Aのフロントパネルには、積算カウンター表示部1、積算リセットボタン2、番号表示部3、番号設定ボタン4、エントリーボタン5、リセットボタン6が備わっている。
【0011】このシステム装置Aに対し、パチンコ台Bとは無関係に一定の数字を入力する。まず、リセットボタン6を押すと番号表示部3は無表示となり番号入力可能状態となる。この表示部は図面上は3カ所の長方形枠で図示しているが、その表示部の数や形状は限定されず、また各表示部で表示される数字も2桁として図示しているがその桁数に限定はない。
【0012】次に、番号設定ボタン4を押して順次希望する数字を入力する。入力手段としては、ボタンを押すごとに表示される数字がアップしていく構成、押したままの状態を続けると数字が自動的にアップしていく構成、図示していないがテンキーやタッチキーの構成も考えられる。あるいは、切り換えスイッチを設けて表示される数字の上限を決めておいてもよい。さらには、ボタンを押すことにより自動的にランダムな数字が表示される構成も本発明の入力手段の構成に含まれる。
【0013】なお、図示していないが、数字だけではなく、数字と共に図柄が表示されるもの、スロットマシンのように図柄のみが表示されるものでもよい。そして、各表示部に数字が表示された状態でエントリーボタン(セットボタン)を押せば表示が確定し、選択された予想数字等が、図3、図4に示すようにデジタル入力インターフェイス7を介して表示用CPU8の記憶装置に記憶される。この予想数字情報等の設定は何度でもでき、その都度新しい出現目の信号から作動することとなる。なお、パチンコ台等の遊技機の盤面上での数字等の変化が、縦スクロールだけではなく横スクロールであることもあるので、システム装置Aを90度回転させることにより、縦列で数字表示させるような機能を設けておくこともできる。
【0014】システム装置Aには、パチンコ台の出現目の信号がインターフェイスを通じて外部情報として送出されてきたときにそれを検出する手段と、上記選択された予想数字として入力されている情報との照合判定手段と、両情報が合致した場合にはその的中結果を積算記憶する手段、その積算結果の情報を送出して積算カウンター表示部1にポイント数として表示する手段とを備えたCPUが設けられている。パチンコ台における出現目の出力情報のOUT端子としては、既存のパチンコ台機種で出力端子のあるものを利用することもできる。なお、パチンコ台では、例えば3つの数字のうち2つが揃えば(いわゆるリーチになれば)残りの1つがスローモーション状態になったりして期待感を高めたり、はずれる場合にはリーチ目に隣接する数字が出現するように意図的にプログラミングされたりしていることがある。そこでこのリーチ目の予想を禁止する機能を付加することも考えられる。また、パチンコ台等では、大当たりをセンターライン横直列やセンターラインと右斜め直列等とするものもあるので、照合判定の対象を1ラインのみ有効にしたり複数ラインを有効にするなど、出現目ライン切り替え機能を持たせることもできる。さらに、両情報が合致した場合に、その的中結果をパチンコ台に送出して、それを遊技者側が選択した大当たり情報として作動させることも可能である。
【0015】なお、的中結果の積算表示に際し、予想的中音や電飾を作動させる作動信号送出手段、台移動や遊技終了時にその積算結果を他の場所や他の機械に使用するためにマイナス操作ボタンを使用したりリモコン装置により手動で営業店のオリジナルカードやパチンコ店に共通なカード等の記憶媒体に的中ポイント数を読みとり移記してシステム装置本体に記憶されているポイント数を減少させる手段、的中ポイントを個人のカードに自動的に移記しシステム装置の情報記憶内容をリセットする手段、を付加してもよい。
【0016】本発明によるシステム装置を利用した場合、まず、入力手段によりシステム装置Aに適宜の数字等を入力させ、デジタル入力インターフェイス7を介してCPU内の記憶装置に当該情報を記憶させておくとともに、システム装置Aの表示用CPU8からドライバーを経て各番号表示部に数字情報が表示される。パチンコ遊技をしている際に大当たりや小当たり等からはずれた数字情報は、従来は無意味な情報として処理されていたが、本発明のシステム装置では、当該ネガティブ情報がパチンコ台BのCPUからインターフェイスを通じて送出され、その端子と接続された本装置のCPU内の情報検出手段によりその数字情報を検出し、照合判定手段により設定記憶されている予想数字情報との照合作業をし、両情報が合致した場合、その検出結果が積算記憶手段によりポイント数情報として積算記憶され、デジタル出力インターフェイスを通じて積算カウンター表示部1に表示される。そこで、この情報を積算利用すれば、はずれ情報も何らかの形で付加サービスの提供素材として再利用することができるのである。
【0017】さらに、このシステム装置のみで、端末を複数にしてナンバー当てゲームとしてイベント等に利用でき、あるいはパソコンに接続してインターネット上で、ホストコンピュータから送出された数字情報等と各人の外部端末から送られる数字情報等との照合作業により、グループ利用の数字当てゲームをすることも可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記のような構成であるため、従来の一方的な遊技ゲームとは異なり、遊技者側と営業者側とのインタラクティブ(双方向的)な機能によって大当たり確率に変化をもたらすことができ、特にはずれ目を利用した出現目予想により、ゲームの付加価値を著しく高めるプラスワン効果がある。また、遊技者としても、はずれ時間が短く感じられ、はずれ目がでた場合にでもサービスポイントが増えるのではないかとの期待感を持つことができ、サービスの提供内容によっては、営業者側とのコミュニケーション手段としての利用価値の増大、他店との差別化も図ることが可能となる。なお、パチンコ台等との連携をした場合に的中結果を積算表示する際に、予想的中音や電飾を作動させて楽しみを倍加することも可能である(請求項2)。また、特定の台から移動する場合や遊技を終了した場合に、的中結果をカード等に移記することにより、過去情報をさらに有効に利用することができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム装置をパチンコ台の上部に載置した状態の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明のシステム装置の一実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明のシステムとCR機(プリペイドカードを用いて遊技するパチンコ台)との連携状態を説明する回路ブロック図である。
【図4】本発明のシステム装置の一実施例を説明する回路ブロック図である。
【符号の説明】
A システム装置
B パチンコ台
1 積算カウンター表示部
2 積算リセットボタン
3 積算表示部
4 番号設定ボタン
5 エントリーボタン
6 リセットボタン
7 インターフェイス
8 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技者等によって選択され入力された数字や図形等の情報を予め記憶する手段と、インターフェイスを通じて送出されてきた数字や図形等の外部情報を検出する手段と、上記検出された数字等の情報と予め入力され記憶されている情報との照合判定手段と、両情報が合致した場合にはその的中結果を積算記憶する手段と、その積算結果の情報を送出して積算カウンター表示部にポイント数として表示する手段とを備えたことを特徴とする照合データ認識処理システム。
【請求項2】 的中結果の積算表示に際し、予想的中音や電飾を作動させる作動信号送出手段を付加したことを特徴とする請求項1記載の照合データ認識処理システム。
【請求項3】 遊技台移動や遊技終了時にその積算結果を他の場所や他の機械に使用するために、マイナス操作ボタンを使用したりリモコン装置により、手動で営業店のオリジナルカードやパチンコ店に共通なカード等の記憶媒体に的中ポイント数を読みとり移記してシステム装置本体に記憶されているポイント数を減少させる手段、及びあるいは、的中ポイントを個人のカードに自動的に移記しシステム装置の情報記憶内容をリセットする手段、を付加したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の照合データ認識処理システム。
【請求項4】 番号設定ボタンを押して希望する数字や図柄を入力し、表示部に数字が表示された状態でエントリーボタン(セットボタン)を押して表示を確定させるとともに当該選択された予想数字等をデジタル入力インターフェイスを介してCPUの記憶装置に記憶させ、次に、パチンコ遊技機・コイン遊技機その他の出現目情報送出手段の情報がインターフェイスを通じて外部情報として送出されてきたときにそれを検出し、上記選択された予想数字等として入力され記憶されている情報との照合判定を自動的に行い、これら処理の結果、両情報が合致した場合にはその的中結果を積算記憶すると共に、その積算結果の情報を送出して積算カウンター表示部にポイント数として表示することを特徴とする照合データ認識処理の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2002−336523(P2002−336523A)
【公開日】平成14年11月26日(2002.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−185634(P2001−185634)
【出願日】平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願人】(501245908)
【出願人】(501245919)
【Fターム(参考)】