照射装置
照射(400)装置が、硬化させるか偏光によって配列を作ることなどによって第1の材料(650)を改質する放射線を発生するための複数の固体放射線源(104)を含む。固体放射線源(104)は、アレイパターンで配置することができる。対応するアレイパターンで配列された光学集中装置(120)が、対応する固体放射線源(104)から放射線を受ける。集中された放射線は、また対応するアレイパターンで配列された複数の光導波路(130)によって受けられる。各光導波路は、放射線を受けるための第1の端部(132)と、放射線を出力するための第2の端部(133)とを含む。固体放射線源(104)と電気的に通信する制御装置(304)が、該固体放射線源にパルス放射線を発生させる。放射線改質装置は、連続基板、シート、ピースパーツ、スポット硬化、および/または3D放射線硬化プロセスのために使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質装置、システム、および方法に関する。より詳細には、本発明は、改質用途のために用いられる現在の高強度向け光源および技術に取って代わることができる固体光デバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
照明システムがさまざまな用途に使用される。家庭、医療、歯科、および産業用途は、しばしば、光が利用可能にされることを必要とする。同様に、航空機、船舶、および自動車用途は、しばしば、高強度照明ビームを必要とする。
【0003】
従来のライティング(lighting)システムは、電力供給されるフィラメントまたはアークランプを使用しており、これらは、時には、発生された照明をビームに向けるために集束レンズおよび/または反射表面を含む。白熱バルブまたは放電バルブなどの、電力供給されるフィラメントまたはアークランプに基づいた従来の光源は、熱および光の両方を360度に放射する。従来の光源は、また、マイクロ波駆動源を含む。したがって、従来の用途の場合、使用される光学系は、高強度(および高熱)放電バルブによって引起される絶え間ない加熱の影響に耐えるように設計しおよび/または特別に処理しなければならない。さらに、熱が照明の領域から除去されるべきである場合、高価で複雑な熱伝達システムを使用しなければならない。
【0004】
例えば、従来の硬化(cure)システムは、基板および/または配合物の歪みおよび/または破壊を最小にするために水冷ロールを使用する。他の従来のシステムは、基板のすぐ下にまたは基板と接触して配置された平坦な水冷プレートを使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬化(cure)などの改質用途の場合、積重ねられたLEDアレイが現在調査されている(例えば、機械横断方向(CMD:Cross−Machine−Direction)および機械方向(MD:Machine−Direction)態様で「積重ねる」ことができるアレイ)。しかし、これらの従来のシステムでは、LED発光波長がより短くなるにつれて、放射照度(irradiance)および寿命が急速に低下する。これは、典型的には450nm未満の放射線を吸収するように配合される光開始剤(photoinitiator)による放射線吸収および応答によって化学反応が開始するという問題をもたらすことがある。放射照度が低すぎる場合、重合反応が望ましい製品特性をもたらさない可能性がある。
【0006】
低放射照度に対抗するために、従来の技術は、総放射照度を増大させ、望ましい硬化を行うために、LEDを互いに接近して位置決めすることである。しかし、LEDをそのように配列することは、熱管理および電気的接続に関連するいくつかの問題をもたらす。LEDがより広げられる場合、アレイを横切る放射照度の均一性が理想的でなくなることがある。放射照度レベルを向上させるために、時には反射体がLEDの周りに装着されるが、この方法は、依然として、反射体開口部を横切る不均一性がある。適切な材料が反射体内で使用されない場合、放射照度は、また、照射表面までの距離の二乗(square)で低下する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の実施形態によれば、照射装置が、第1の材料を改質する放射線を発生するための複数の固体放射線源を含む。制御装置が、固体放射線源と電気的に通信し、固体放射線源にパルス放射線を発生させる。複数の光学集中装置が含まれ、各集中装置は、複数の固体放射線源の1つ以上からパルス放射線を受ける。複数の光導波路が含まれ、複数の光導波路の各々は、第1の端部および第2の端部を含み、各第1の端部は、複数の光学集中装置の1つ以上からパルス放射線を受ける。支持構造が、複数の光導波路の第2の端部の少なくとも第1の部分を安定化するために含まれる。
【0008】
本発明の第2の実施形態によれば、照射システムが、放射線改質可能化学配合物を改質することができる放射線を発生するための複数のLEDダイ(die)を含む固体放射線源を含む。制御装置が、複数のLEDダイに電気的に接続され、LEDダイにパルス放射線を発生させる。複数の光学集中装置が含まれ、各集中装置は、LEDダイの1つ以上からパルス放射線を受ける。複数の光ファイバが含まれ、複数の光ファイバの各々は、第1の端部および第2の端部を含み、各第1の端部は、複数の光学集中装置の1つ以上から、集中されたパルス放射線を受ける。基板が、放射線改質可能化学配合物を支持するために含まれる。
【0009】
本発明の上記概要は、本発明の各実施形態またはあらゆる実装を説明することを意図していない。次の図および詳細な説明は、これらの実施形態をより詳細に例示する。
【0010】
本発明は、さまざまな修正例および代替形態が可能であるが、その特定のものが、図面に例として示されており、詳細に説明される。しかし、本発明を、説明される特定の実施形態に限定しないことを意図していることが理解されるべきである。それどころか、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲内である修正例、均等物、および代替例をすべて網羅することが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1Aは、例示的な構成における固体光デバイス100(本明細書中では、照明デバイスまたは光子放出デバイスとも称す)を示す。光デバイス100は、図1Bに分解図で示されている。「光」とは、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分内の波長を有する電磁放射線を意味する。以下で説明される構造において、光デバイス100は、全体に従来の高強度放電(High Intensity Discharge)(HID)バルブのサイズと比較できるコンパクトなサイズを有することができ、したがって、道路照明、スポットライティング、バックライティング、画像投影、および放射線活性化硬化を含むさまざまな用途におけるランプデバイスの取替品を提供することができる。
【0012】
光デバイス100は、放射線を発生するための固体放射線源104のアレイを含む。放射線は、対応する光学集中装置のアレイ120によって集められ集中される。次に、集中された放射線は、支持構造150によって支持される、対応する導波路のアレイ130内に入射される。これらの特徴の各々をここでより詳細に説明する。
【0013】
例示的な実施形態において、固体放射線源104は、アレイパターンで配置された複数の個別のLEDダイまたはチップを含むが、レーザダイオードを含む他の固体放射線源も適用できる。個別のLEDダイ(die)104は、別々に装着され、動作制御のための独立した電気的接続を有する(すべてのLEDが、それらの共通半導体基板によって互いに接続されているLEDアレイではなく)。LEDダイは、対称な放射線パターンを生成することができ、電気エネルギーを光に変換するのに効率的である。多くのLEDダイが過度に感温性でないので、LEDダイは、多くのタイプのレーザダイオードに比べて、適度のヒートシンクだけで適切に動作することができる。例示的な実施形態において、各LEDダイは、その最も近い隣のものから、少なくともLEDダイ幅より大きい距離だけ離隔される。さらなる例示的な実施形態において、各LEDダイは、その最も近い隣のものから、少なくとも6LEDダイ幅より大きい距離だけ離隔される。これらの例示的な実施形態は、以下でさらに詳細に説明されるように、適切な熱管理を提供する。
【0014】
さらに、LEDダイ104は、−40℃から125℃の温度で動作させることができ、約10,000時間という大半のレーザダイオードの寿命、または約2,000時間というUVアークランプ寿命と比較して、100,000時間の範囲内の動作寿命を有することができる。例示的な実施形態において、LEDダイは、各々、出力強度が約50ルーメン以上であることができる。個別高パワーLEDダイは、クリー(Cree)(クリーのInGaNベースのXブライト(XBright)(登録商標)製品など)およびオスラム(Osram)などの会社から市販されているGaNベースのLEDダイであることができる。1つの例示的な実施形態において、各々の発光面積が約300μm×300μmであるLEDダイ(クリーによって製造された)のアレイを使用して、集中された(小面積、高パワー)光源を提供することができる。矩形または他の多角形形状などの他の発光表面形状も用いることができる。さらに、代替実施形態において、使用されるLEDダイの発光層を、頂点または底面上に配置することができる。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のわずかに青色のまたは紫外(UV)LEDダイを使用することができる。代替実施形態において、1つ以上のLEDダイを、好ましくは発光表面上で、青色LEDダイのためのYAG:Ce蛍光体、またはUV LEDダイで使用されるRGB(赤色、緑色、青色)蛍光体の混合物などの蛍光体層(図示せず)で、コーティングすることができる。したがって、蛍光体層を使用して、異なった機構下でLEDダイの出力を「白色」光に変換することができる。蛍光体層の配置および構造は、引用により援用する、「複数の光源を使用する照明システム(Illumination System Using a Plurality of Light Sources)」という名称の、共同所有された、同時に出願された出願(代理人事件番号58130US004)に詳細に記載されている。
【0016】
代替実施形態において、赤色、青色、および緑色LEDダイの集まりを、アレイ内に選択的に配置することができる。結果として生じる発光は、ファイバのアレイ130によって集められ、ファイバの出力端部から発された光は、一斉に一緒に混合されると、観察者によって、着色光または「白色」光として見られる。
【0017】
代替実施形態において、LEDダイアレイを、従来、「白色」光を含む可視領域内の出力を提供することができる面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)アレイと取替えることができる。
【0018】
図1Bに示されているように、LEDダイ104からの発光は、該LEDダイに対応するアレイパターンで配置された複数の光学集中装置120によって受光される。例示的な実施形態において、各光学集中装置は、LEDダイ104の対応する1つから放射線を受ける。例示的な実施形態において、光学集中装置120は、アレイ内に配置された非画像形成(non−imaging)光学集中装置(反射光カプラとも称す)を含む。光学集中装置120の反射表面の形状は、各パワー密度を維持するために、光源104の各々によって発出された放射線の実質的な部分を捕捉するように設計される。さらに、放射線の実質的な部分が導波路130によって使用可能に捕捉され、それらを通して案内されるように、集中された出力を、受光導波路の受容角度基準(acceptance angle criteria)と実質的に一致するように設計することができる。例示的な実施形態において、非画像形成集中装置のアレイ120における各非画像形成集中装置は、二次元(2−D)表面に適合する内部反射表面を有し、その内部反射表面の少なくとも第2の部分が三次元(3−D)表面に適合する。このおよび他の反射表面設計は、同時に出願され、その全体が引用によりここに援用される、「反射光カプラ(Reflective Light Coupler)」という名称の、同一所有者による同時係属中の特許出願(代理人事件番号59121US002)に詳細に記載されている。
【0019】
アレイ120内の各光学集中装置は、例えば、射出成形、トランスファ成形、微細複製、スタンピング、パンチング、または熱形成によって形成することができる。光学集中装置120を形成することができる(単独でまたは光学集中装置のアレイの一部として)基板またはシートは、金属、プラスチック、熱可塑性材料、または多層光学フィルム(MOF)(ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company, St. Paul, MN)から入手可能な増強鏡面反射体(Enhanced Specular Reflector)(ESR)フィルムなど)などのさまざまな材料を含むことができる。光学集中装置120を形成するために使用される基板材料は、その反射性を増加させるために、銀、アルミニウム、または無機薄膜の反射多層スタックなどの反射コーティング材でコーティングするか、単に研磨することができる。
【0020】
さらに、光学集中装置のアレイを、LEDダイの下方、周り、または上方に配向することができるように、光学集中装置基板を配置することができる。例示的な実施形態において、光学集中装置基板は、LEDアレイ上にまたはLEDアレイに近接して配置され、アレイ120の各集中装置を、各LEDダイ104の上で摺動可能に形成することができ、光学集中装置の下部開口部123(図4を参照のこと)は、LEDダイ104の周囲の周りの密な嵌合をもたらす。代替集中装置設計は、LEDダイが支持された基板上の反射コーティングの付加的な使用を含む。
【0021】
図1Bに示された実施形態の態様は、各放射線源と、対応する光学集中装置と、対応する導波路との間における1対1の対応である。各光学集中装置表面は、いくつかの用途において蛍光体コーティングLEDダイであることができる対応するLEDダイからの等方性発光を、対応する受光導波路の受容角度基準を満たすビームに変換するように設計される。上述したように、この集中装置表面設計は、LEDダイから発出された光のパワー密度を維持するのを助ける。
【0022】
図1Bを再び参照すると、集中された出力放射線は、光ファイバのアレイとして図1Bに示された複数の光導波路130によって受光され、各導波路は、入力端部132と、出力端部133とを有する。この例示的な実施形態は、大きいコア(たとえば、400μmから1000μm)のポリマークラッドシリカファイバ(ミネソタ州セントポールの3Mカンパニーから入手可能な、商品名TECS(登録商標)で販売されるものなど)のアレイ130を含む。さらなる例示的な実施形態において、光ファイバ130の各々は、コア直径が約600μmから650μmのポリマークラッドシリカファイバを含むことができる。例示的な実施形態において、ファイバの長手方向の長さは、長さが約1から5インチ(2.5cm〜12.5cm)であることができる。例示的なファイバが非常に可撓性であるので、この短い距離は、依然として、ファイバを、出力端部において密なパターン化された束で配置する能力を提供する。さらに、その短い長さは、従来のHIDランプのサイズと比較できるサイズを有する非常にコンパクトなデバイスを提供する。当然、ファイバ長さは、他の用途において出力で有害な影響を引起すことなく、増大させることができる。
【0023】
例えばLEDダイ光源の出力波長のようなパラメータによって、従来のまたは特殊化シリカファイバなどの他のタイプの光ファイバも、本発明の実施形態によって使用することができる。例えば、ポリマーファイバが、濃青色またはUV光源を伴う用途でソラリゼーション(solarization)および/またはブリーチング(bleaching)を起こしやすいことがある。この例示的な実施形態において、照射されるべき光開始剤(photo−initiator)または他の硬化性材料のタイプに基づいて、450nm以下の波長において低損失である光ファイバ/導波路を使用することができる。
【0024】
あるいは、本明細書を理解した当業者には明らかなように、平面導波路、ポリマー導波路、可撓性ポリマー導波路などの他の導波路タイプも、本発明に従って使用することができる。
【0025】
一旦、LEDダイによって発出された光が、集中装置によって集められ、受光ファイバ内に再び向けられると、このファイバは、全内部反射による低光学損失をもって、光を特定の位置に送ることができる。しかし、受光ファイバは、光を送るのに役立つだけでなく、密に詰められたファイバ束など、ファイバを、LEDダイアレイのより広い間隔から、出力開口における1つまたは複数のより密な間隔に変えることによって、(比較的)分散されたLEDアレイからの光を、非常に小さい領域に効果的に集中させることができる。また、例示的な受光ファイバコアおよびクラッディングの光学設計により、入力端部のみならず出力端部におけるファイバの開口数(Numerical Aperture)(NA)によって、束にされた端部群から発出する光ビームを成形することができる。ここで説明されるように、受光ファイバは、光集中およびビーム成形、ならびに光搬送を行う。
【0026】
光ファイバ132は、光ファイバの1つ以上の出力端部133上に、ファイバレンズをさらに含むことができる。同様に、光ファイバ130の受光端部132は、各々、ファイバレンズをさらに含むことができる。ファイバレンズ製造および実現例は、引用によりここに援用する、同一所有者による同時係属中の米国特許出願第10/317,734号明細書および米国特許出願第10/670,630号明細書に記載されている。あるいは、放射照度を集束させ、拡散させ、平行にし、または偏光させるために、レンズ、レンズレット(lenslet)、ミラー、または偏光子などの光学素子を、ファイバの第2の端部に隣接して配置することができる。その光学素子は、多数のファイバを横切って連続していても良いし、または別々であっても良い。
【0027】
アレイ130の各光ファイバの第1の端部を支持するために、ファイバアレイコネクタ134を使用することができる。例示的な実施形態において、ファイバアレイコネクタ134は、成形プラスチック材料などの剛性材料を含み、複数の開口が、光学集中装置120のパターンに対応するパターンを有する。各開口は、アレイ130の光ファイバの入力端部132を受容し、それとの直接の接合を行うことができる。
【0028】
例示的な実施形態において、LEDダイ104のための熱管理、およびLEDダイ104への電気的接続を行うために、剛性または可撓性の相互接続回路層を使用することができる。図1Bに示されているように、相互接続回路層は、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company, Saint Paul, MN)から入手可能な3M(登録商標)フレキシブル(Flexible)(またはフレックス(Flex))回路(Circuits)などの多層構造を含むことができる。たとえば、多層相互接続層は、たとえば銅または他の熱伝導性材料から製造された金属装着基板112と、電気絶縁誘電体層114と、パターン化導電層113とを含むことができ、LEDダイは導電層113の接合パッド(図示せず)に作動的に接続される。電気絶縁誘電体層114は、たとえば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスルホン、またはFR4エポキシコンポジットを含む、さまざまな適切な材料を含むことができる。導電性熱伝導性層113は、たとえば、銅、ニッケル、金、アルミニウム、スズ、鉛、およびそれらの組合せを含む、さまざまな適切な材料を含むことができる。
【0029】
例示的な実施形態において、および以下でより詳細に説明するように、ピクセル化放射線出力を得るために、LEDダイ104の1つ以上のグループが、LEDダイの他のグループから離れて、互いに相互接続される。図示しないビア(via)を使用して、誘電体層114を通して延ばすことができる。金属装着基板112は、ヒートシンクまたは熱消散アセンブリ140上に装着することができる。基板112は、電気絶縁性で熱伝導性材料の層116によって、ヒートシンク140から分離することができる。例示的な実施形態において、ヒートシンク140は、動作中、LEDダイアレイから熱をさらに引き出すために、一連の熱伝導体ピンをさらに含むことができる。
【0030】
1つの例示的な実施形態において、各LEDダイ104自体は、金属/回路層113上であって、誘電体表面114の窪んだ部分内に存在することができる。相互接続回路の実現例が、その全体が引用によりここに援用される、「フレキシブル回路LED熱パッケージ化(Flexible Circuit LED Thermal Packaging)」という名称の、現在係属中の、共同所有された出願(代理人事件番号59333US002)に記載されている。
【0031】
別の実施形態において、より剛性のあるFR4エポキシベースのプリント配線基板構造を、電気相互接続のために使用することができる。さらに別の実施形態においては、LEDダイアレイを接続するために、必要に応じて、適切な基板上に導電性エポキシまたは導電性インクをパターン化して、低コスト回路を提供することができる。
【0032】
固体光デバイス100は、支持構造をさらに含む。図1Bの例示的な実施形態において、支持構造は、入力開口152と、出力開口154とを有するハウジング150として構成される。ハウジング150は、導波路となるアレイ130の歪みを緩和し、外部光源による導波路130への損傷を防止することができる。さらに、ハウジング150は、以下でより詳細に説明するような、車両への用途に好ましい剛性支持体を提供することができる。その導波路130が光ファイバである場合、その支持構造は、導波路130の第2の端部の周囲部分と接して配置されたバンディング(banding)156をさらに含むことができる。バンディング156は、以下でさらに詳細に説明するように、導波路130の出力端部134を、選択された出力パターンで分配するのに役立つ。
【0033】
さらに、ファイバアレイコネクタ134は、ハウジング150の入力開口152に受容されるためのリッジまたは窪みを含むことができる。ハウジング150をファイバアレイコネクタ134に接合するか他の態様で取付けることができるが、例示的な実施形態において、ハウジング150はファイバアレイコネクタ134上でスナップ嵌合される。
【0034】
例示的な構成方法において、ファイバは、最初、ファイバアレイコネクタ内に装填され、コネクタに接合される。取付具(図示せず)を使用して、ファイバを、整ったグループとするように各列でグループ化することができる。取付具は、各ファイバを入力端部から出力端部まで繰返し可能に位置決めする多数のパーティションを含むことができる。さらに、取付具は、ファイバが、互いにクロスオーバしないように、かつ、出力端部に方向付け可能なように設計することができる。この出力端部を固定するために、剛性または可撓性バンディング、たとえばポリマー材料を使用して、ファイバの位置を所望の出力パターン内に固定する。次に、歪み緩和/支持ハウジングを、ファイバおよびバンディング上で摺動し、ファイバアレイコネクタに固定することができる。バンディングを、従来の接着剤または接合素子の使用によって、ハウジングの出力開口内に固定することができる。あるいは、支持構造は、ファイバ束全体にわたって該ファイバ束の周りに形成された封入材料を含むことができる。
【0035】
あるいは、支持構造150は、導波路130の一部に塗布可能なバインディングエポキシなどの接着剤材料を含むことができ、接着剤が硬化すると、導波路が所望のパターンで固定される。
【0036】
ファイバアレイコネクタ134、集中装置アレイ120、相互接続回路層110、およびヒートシンク140を一緒に整列させるために使用することができる1つ以上の整列ピン160によって、全体的な整列をもたらすことができる。整列ピン160を受容するために、デバイス100の上述の部品の各々に、図2に示された整列穴162などの一連の整列穴を形成することができる。相互接続回路層に対する光学集中装置アレイ120の整列を、基準(fiducials)(図示せず)の使用によって行うことができる。
【0037】
図2は、固体光デバイス100のフットプリントを示す。この例示的な構成において、60個のLEDダイ104のアレイを、実質的に矩形のアレイパターンで、ヒートシンク140上に装着された相互接続回路層110上に設けることができる。当然、本発明によれば、LEDダイのアレイは、実質的により大きいまたはより小さい数のLEDダイ104を含むことができる。しかし、各LEDダイの幅が約300マイクロメートルであり、各LEDダイ104を、その最も近い隣のものから、LEDダイ幅を超えて離隔することができるので、本発明の固体光源は、高い総パワー密度、コンパクトなフットプリント面積(約1in2から4in2、または6.5cm2から26cm2)と、適切な熱制御を提供することができる。さらに、例示的な実施形態において、ファイバの出力端部133(図1Bを参照のこと)のフットプリントは、さらにコンパクトな、例えば、約0.1in2から1in2(0.65cm2から6.5cm2)程度にすることができる。あるいは、出力端部のフットプリントは、以下で説明する実施形態のいずれかに示されているように、1つの方向における長さを別の方向の長さよりはるかに長くすることができる。
【0038】
固体光デバイス100の側面図が図3に示されている。この例示的な実施形態において、相互接続回路層110(その上にLEDダイが装着された)はヒートシンク140上に配置され、ヒートシンク140は、出力開口154と反対の方向に延びる熱消散ピン142をさらに含む。さらに、上述したように、ハウジング150は、ファイバアレイコネクタ134上へのスナップ嵌合を考慮して、突出部153を含むことができる。光学集中装置120のアレイは、ファイバアレイコネクタ134と相互接続層110との間に配置される。この実施形態において、ファイバ130は、ファイバアレイコネクタ134、およびハウジング150の出力開口154内に配置されたバンディング156によって支持される。
【0039】
図4により詳細に示されているように、固体光デバイスの例示的な構造が、ファイバアレイの個別の光ファイバ131と集中装置アレイの個別の光学集中装置121との間の整列不良を低減するファイバ−集中装置整列機構を含む。特に、ファイバアレイコネクタ134は、光学集中装置アレイ基板の窪み部分125に係合する突出部分135をさらに含むことができる。したがって、ファイバ131はファイバアレイコネクタ134の開口内で受けられる。次に、ファイバアレイコネクタは、突出部135が窪み125によって受容されるように、光学集中装置基板上に配置される。このように、光学集中装置121の出力開口126は、ファイバ131の入力端部と実質的に同一平面とすることができる。さらに、この例示的な設計では、ファイバの多数の入力端部を同時に研磨することができ、ファイバ端部は光学集中装置に対して位置決めされる。
【0040】
図4の構造例において、光学集中装置121の受け開口123を、対応するLEDダイ104の発光表面に近接するように、またはその周囲を囲むように配置することができる。示されていないが、光学集中装置基板と相互接続回路層との間に配置されたスペーサが、これらの2つの構成要素の間の適切な間隔を設定することができる。次に、光学集中装置基板を、スペーサに取付けるか、そうでなければ従来の技術を用いて相互接続回路層に接合することができる。
【0041】
図4は、LEDダイ104を相互接続層110に接合するために導電性エポキシ115を含む例示的な多層相互接続110の断面をさらに示す。第1および第2の導電層113、111(例えば、ニッケルおよび金、または他の導電性材料を含むことができる)が、アレイ内の各LEDダイへの電気トレースをもたらし、誘電体層114(例えば、ポリイミド)が、電気絶縁をもたらすために配置される。基板112(例えば、銅)が、導電層および絶縁層を支持し、かつヒートシンク140への熱伝導性をもたらして、熱を発光方向とは逆に伝導するために設けられる。
【0042】
ここで説明される原理によれば、固体光デバイスは、同時に1つ以上の方向に、高度に方向性のおよび/または成形された出力発光をもたらすことができる。図1Aおよび図1Bに示されているように、ファイバアレイ130の出力端部133を、矩形または正方形出力をもたらすようにパターン化することができる。図5A〜図5Fは、特定の用途に必要とされる照明によって使用することができる、ファイバアレイのための代替の再構成可能な出力端部パターンを示す。例えば、図5Aは六角形出力ファイバパターン133Aを示し、図5Bは円形出力ファイバパターン133Bを示し、図5Cはリング形出力ファイバパターン133Cを示し、図5Dは三角形出力ファイバパターン133Dを示し、図5Eは線形出力ファイバパターン133Eを示す。さらに、図5Fに示されているように、代替の例示的な実施形態において、セグメント化出力パターン133Fとすることができ、多数の個別のファイバ出力グループを、特定の目標照明のために使用することができる。いくつかの用途において、ファイバの出力端部を固定するバンディングを、鉛、スズ、および亜鉛ベースの材料ならびに合金などの、可撓性を有する材料から形成することができるので、ファイバ出力パターンは再構成可能である。
【0043】
図6A〜図6Cに示されているように、固体光デバイスの出力は方向付け自在にすることができ、1つ以上の異なった方向を同時にまたは交互に照明することができる。図6Aは、例えば、3つの異なったグルーピング233A、233B、および233Cで配列されたファイバ出力端部233を示す。例えば、固体光デバイスは、通常の動作下で出力端部233Aを通して前方に出力照明をすることができる。トリガ信号の場合、出力ファイバ233Bに対応するLEDダイを活性化することができ、付加的な照明を、出力ファイバ233Bを通してその側方にもたらすことができる。同様に、出力ファイバ233Cに対応するLEDダイを活性化して、付加的な照明を、さらに他の側方にもたらすことができる。
【0044】
図12に関して以下で説明するような硬化用途において、ファイバ出力の「方向付け」は、複雑な三次元部品および構造の放射線硬化を促進することができる。これらのタイプの構造は、従来の光源での「フラッド」タイプ硬化には十分に適しておらず、というのは、シャドーイング効果が不均一な硬化をもたらすからである。さらに、剛性回路基板上に配列された従来のパッケージ化LEDのアレイは、複雑な形状に対応するように容易に曲げられない。
【0045】
あるいは、方向付け自在な照明システムを、図5Eに示されているような、ファイバの横方向に延びた出力配列を使用して提供することができ、以下で説明するピクセル化制御回路(例えば、図9Aおよび図9Bを参照のこと)は、照明されたファイバのブロックを一方の側から他方の側まで活性化することができる。このように、用途によって、出力照明を特定の方に(またはそれから離れて)向けることができる。
【0046】
このように、非機械的方法を用いて、固体光デバイスから方向付け自在な出力照明を行うことができる。あるいは、本明細書を理解した当業者には明らかなように、より多いまたはより少ないファイバグループを使用することができる。さらに、グループは異なった相対配向とすることができる。
【0047】
図6Bにおいて、異なったファイバグループを安定に支持するために使用することができる構造が示されている。例えば、バンディング256が光ファイバの出力端部に設けられる。バンディング256は、第1の開口254、第2の開口254A、および第3の開口254Bを形成することができ、開口254Aおよび254B内に配置されたファイバは、開口254内に配置されたファイバと異なった方向に光を出力する。さらに、図6Cに示されているように、バンディング256は、固体光デバイスの支持構造の一部として、ハウジング250に接続するか、ハウジング250と一体とすることができる。
【0048】
あるいは、図7に示されているように、固体光デバイスは、ファイバ出力端部の1つの束から方向付け自在な光を発生することができる。例えば、ファイバ出力端部133を、図6Bからの出力開口254などと同じ位置に設けることができる。この例示的な実施形態において、ファイバ出力端部129として示された、これらの出力端部の一部は、ファイバ出力端部の残り133と異なった角度、またはさらには実質的に異なった角度で(例えば、ファイバ軸に対して10から50度だけ)、角度研磨される。結果として生じる発光は、ファイバ端部133の出力方向と異なった方向に向けられる。したがって、図6A〜図6Cに関して上述した用途と同様に、固体光デバイスは、前方(出力端部133を通して)および側方(出力ファイバ129を通して)の両方において出力照明を行うことができる。
【0049】
図13に示された方向付け自在な照明をもたらすための代替実施形態において、ファイバアレイコネクタ734から延びるファイバを、多数のオフセットファイバ束、すなわち、中心束730Aならびにサイド束730Bおよび730Cのように束にすることができる。ファイバ束の出力端部から発出された光は、非球面レンズなどの多焦点レンズ750によって受光され、出力を、オフセット束からさらに所望の異なった照明領域751A、751B、および751Cに向ける。
【0050】
本発明の例示的な実施形態においては、固体光デバイスを、放電タイプ照明光源のバルブ取替品として使用することができる。例えば、既存のレセプタクルへの取付けを、図8に示されたフランジ139の使用によって行うことができる。フランジ139は、例えばファイバアレイコネクタ134の周囲部分に配置することができる。フランジは、そのようなレセプタクルのロッキングスロットに係合するように設計することができる。あるいは、フランジは、ハウジングまたは光学集中装置基板などの、固体光デバイスの他の構成要素上に形成することができる。
【0051】
本発明の別の実施形態によれば、図9Aに示されているように、開口成形および/または動的ビーム移動のために用いることができるピクセル化光制御を考慮した照明システム300が提供される。システム300は、上述した固体光源100と同様に構成された固体光源301を含む。制御装置304が、配線302およびコネクタ310を介して固体光源301に結合され、コネクタ310は、相互接続回路層に接続することができる。電力/電流を固体光源301に与えるために、電源306が制御装置304に結合される。
【0052】
例示的な実施形態においては、制御装置304は、固体光源301内に収容された個別のLEDダイまたはLEDダイのグループを選択的に活性化するように構成される。さらに、受光導波路がLEDダイと1対1の対応で設けられるので、照明システム300はピクセル化出力をもたらすことができる。このタイプのピクセル化制御は、異なって着色された(例えば、RGB出力用の赤色、緑色、および青色)または同様に着色された(例えば、白色、青色、UV)LEDダイの制御を可能にする。
【0053】
図9Bは、固体光デバイス内に収容されたLEDダイのアレイにピクセル化をもたらすことができる制御回路305の例を示す。この例において、60個のLEDダイ(LD1〜LD60)がLEDダイアレイ内に設けられ、これらは、各々20個のLEDダイの3つの大きいグループ(314A〜314C)にグループ化され、これらは、各々、各々5個のLEDダイのより小さいサブグループまたはチャネル(たとえば、LD1〜LD5)にさらに分けられる。全体的に、この例示的な実施形態において、各々5個のLEDダイの12個のチャネルを別々に制御することができる。1つの実現例において、RGB出力用途において、LEDダイの第1のグループが赤色発光LEDダイを含むことができ、LEDダイの第2のグループが青色発光LEDダイを含むことができ、LEDダイの第3のグループが緑色発光LEDダイを含むことができる。あるいは、別の実現例において、LEDダイの第1、第2、および第3のグループは、「白色」発光LEDダイを含むことができる。
【0054】
さらに、相互接続回路層は、また、異なったLEDダイグループのための個別の相互接続をもたらすように設計される。異なったタイプのLEDダイグループ、およびより大きいまたはより小さい数のLEDダイも、ここで説明される原理に従って使用することができる。この構成では、個別のRGB LEDダイチャネルを駆動して、「白色」または他の着色出力をもたらすことができる。さらに、LEDダイの劣化によって、特定のダイオードチャネルが故障するか薄暗くなった(dimmed)場合、隣接したチャネルをより高い電流で駆動することができ、出力照明が変わらないままであるように見える。(比較的)広いLEDダイ間隔、および/または相互接続層の熱管理能力のため、LEDダイチャネルのいくつかへの、より大きい駆動電流が全体的な性能に悪影響を及ぼすことはない。
【0055】
より詳細には、電圧が電源306によって回路305に与えられる。電圧は、ブーストコンバータチップ312A〜312C、およびそれらに関連したエレクトロニクス(図示せず)によって、安定化出力電流/電圧に変換される。このように、電源306からの電圧ばらつきを軽減することができ、LEDダイに供給される電流/電圧は、安定化レベルに維持される。チップ312A〜312Cは、例えば、ナショナルセミコンダクター(National Semiconductor)から入手可能なLM2733チップを含むことができる。この例示的な実施形態において、駆動電圧/電流パラメータが80〜100mAにおいて約20ボルトであることができ、したがって、LEDダイアレイ全体について合計約1.0から1.2Aを与えることができる。次に、駆動電流/電圧は、アレイ内の異なったLEDダイチャネルに供給される。この例において、各LEDダイは公称約20mAのバイアス電流を必要とし、バイアスしきい値は、電流が増加するにつれて増加し、典型的なGaNベースのLEDダイについて約4.0Vに近い。当然、異なるLEDダイ効率または組成が、異なるバイアスレベルおよび駆動レベルを必要とするであろう。
【0056】
さらに、LEDダイチャネルごとに総最大電流を設定するために、回路305に抵抗器/サーミスタチェーン316を含めることができる。さらに、対応する数のLEDダイチャネル電子スイッチを含むスイッチセット318を設けることができ、各特定のLEDダイチャネルを活性化するために、各LEDダイチャネルは、接地に(または、スイッチセット318に対するLEDの向きによっては、電源に)結合される/切離される。スイッチセット318は、特定の用途に必要な照明パラメータに基づいて、マイクロコントローラ(図示せず)または遠隔スイッチによって自動制御することができる。当然、本明細書を理解した当業者であれば分かるように、この回路アーキテクチャは多くの実現例および修正を可能にする。たとえば、制御回路305を、同じ電流ですべてのLEDダイを駆動するように実現することができるか、あるいは、所与のLEDダイチャネルを自動的にまたはコマンドでオン/オフにすることができる。固定抵抗または可変抵抗をスイッチセットのスイッチ脚部に付加することによって、異なる電流を各チャネルに与えることができる。
【0057】
図10は、スポット硬化のために使用することができるランプ用途に使用される例示的な固体光デバイス401の概略図を示す。例えば、上述した実施形態によって構成することができる固体光デバイス401は、コンパートメント402内に配置される。光デバイス401は、レセプタクルのスロット438内で摺動しロックするように構成された、摺動可能に係合するフランジ439の使用によって、コンパートメント402内に固定することができる。したがって、熱を光出力の方向とは逆に引くヒートシンク440は、別個のコンパートメント404内に配置される。ビーム成形出力照明は、光学素子415によって、要求に応じた照明パターンに集め/集束させることができる。光学素子415は、適用できる標準に従う選択された出力パターンを与えるように設計することができる。光学素子例としては、非球面/アナモルフィック光学素子、および/または不連続および/または非分析的(スプライン)光学素子を挙げることができる。
【0058】
この方法では、コンパートメント402内に配置された複雑な反射光学系の使用を回避することができる。さらに、熱がコンパートメント402から逆方向に引かれるので、コンパートメント402内にある残りの光学素子も特別に熱処理する必要がなく、したがって、連続的な高強度熱に曝すことによって引起される潜在的な性能劣化を回避する。さらに、固体光デバイス401に、図6A〜図6Cにおいて上で示されているような出力ファイバおよび出力開口構造が設けられる場合、従来のHIDランプからの出力を操縦するときに現在使用しなければならない、移動ミラー、バルブ、および/またはレンズ機構を使用する必要なく、操縦可能な出力照明を行うことができる。
【0059】
ここで説明される固体光デバイスは、また、他の用途に使用することができる。例えば、図11は、固体光デバイス501(図1Aおよび図1B、および/またはここでの他の実施形態に示された構造と同様の構造を有する)が硬化装置500内に収容された、図解的な、極めて局所化された(たとえば、歯科用)硬化用途を示す。固体光デバイス501は、硬化装置500のハンドル部分510内に配置することができる。さらに、LEDダイまたは他の固体光発生源からの出力を受け案内するために使用される出力ファイバは、硬化性材料の上に直接配置することができる光送出アーム525を通して延ばすことができる。この用途において、照明を受ける材料の硬化態様によって、UVおよび/または青色放射線源を使用することができる。
【0060】
図12に示された例示的な実施形態において、ウェブ硬化ステーションなどの概略的な材料硬化装置が提供される。たとえば、接着剤、テープ、またはウェブベースの製造において、放射線硬化性剤は、しばしば、異なった材料または基板上で硬化させなければならない青色/UV硬化性材料である。従来の方法において、高強度放電、アークランプ、およびマイクロ波駆動ランプが、しばしば、硬化プロセスを行うために使用される。しかし、これらの従来のランプは、光および熱を360度で放射し、したがって、複雑な熱交換および/または冷却機構を必要とする。あるいは、いくつかの従来の方法において、基板材料およびUV硬化剤を、高強度の熱に耐えるようにしなければならない。
【0061】
従来の硬化システムに見出された加熱問題への解決策が、図12に概略的に示されており、硬化ステーション600が固体光デバイス604(図1Aおよび図1Bにおけるような、上述したそれらの実施形態と同様に構成された)を含み、固体光デバイスの熱消散またはヒートシンク構成要素を、熱交換ユニット602に結合するか熱交換ユニット602と取替えることができる。上述したように、固体光デバイスの放射線源によって発生された熱は、適切なLEDダイ間隔、熱伝導性相互接続回路、および/またはヒートシンクによって、光出力の方向と逆方向に引かれる。硬化ステーション600は、連続硬化動作のため、および/またはピースパーツ(piece parts)、スポット硬化、またはシートのために使用することができる。
【0062】
さらに、固体光デバイス604は、高度に集中された放射線を放射線硬化性材料に送出することができ、したがって、放射線硬化のための従来のLEDアレイを使用するときに明らかなことである、硬化の不十分な深さによって引起される有害な影響を低減することができる。たとえば、図1A、図1B、および図2に関して上述したように、LEDダイフットプリントを元のLEDダイアレイ領域のフラクションに集中させることができる。例えば、出力端部のフットプリントは、LEDダイアレイのフットプリントより2〜5倍だけ小さいことができ、対応する強度は、ファイバアレイの端部において単位面積当たりにおいて増加する(結合損失を含む)。例えば、各LEDダイはGaNベースのLEDダイであることができ、出力パワー密度は、公称365nmの放射線の、ダイ当たり100mW/cm2に近づく。結果として生じる放射照度値は、典型的には公称365nmの放射線の約2W/cm2を出力する従来の高パワー(600W/in)集束水銀紫外ランプの出力に近づくか、超えることさえできる。
【0063】
LEDダイまたは他の放射線発生源の集中された出力は、歪み緩和ハウジング630内に配置された導波路アレイによって集め案内し、放射線硬化性材料または配合物650に送出することができる。放射線硬化性材料としては、例えば、適切な光開始剤またはブレンドを伴う、アクリレートまたはエポキシモノマーおよび/またはオリゴマーを挙げることができる。放射線硬化性材料または配合物650は、基板652上に配置することができる。基板例としては、連続ポリマー、テキスタイル、金属箔などを挙げることができる。
【0064】
大量の材料のシートまたは連続硬化を提供するために、基板652を、移動プラットフォームまたはコンベヤベルトなどのプラットフォーム上に配置することができ、あるいは基板652を、移動ローラ(図示せず)の間に吊るすことができる。図5A〜図5Fに関して上述したように、例えば光ファイバなどの導波路の出力端部を、いくつかの異なった再構成可能なパターンで配列することができ、したがって、非常にさまざまな形状、および/または硬化深さ要件を有する材料を硬化するのに特に適した固体光デバイスを製造することができる。
【0065】
たとえば、上述したように、ファイバの出力端部を選択されたパターンで配列することができる。硬化用途において、選択されたパターンは、コーナ、裂け目、および従来の「フラッド」タイプ光源から均一な硬化放射線を受けない他の構造を有するピースパーツ基板の硬化を提供するように、選択することができる。このように、シャドー効果を、ファイバの出力端部を適切に配列することによって、低減することができる。
【0066】
さらに、装置600は、固体光源604に結合された制御装置670をさらに含むことができる。1つの制御装置ユニットとして、または1組の制御装置ユニットとして実現することができる制御装置670は、例示的な光開始剤の優先吸収バンドに対応する放射線を発出するために、および/または異なったタイプの配合物を硬化させるために、LEDダイアレイの異なったLEDダイを選択的に活性化するようにすることができる。例えば、制御装置670は、固体源604のLEDダイアレイ内の異なったLEDダイセクションまたは個別の(独立した)チャネルに対応する多数の異なった制御セクション(たとえば、制御セクション670a〜670d)を含むことができる。あるいは、多数の独立した制御装置ユニットを使用して、各LEDダイチャネルを個別に制御することができる。制御は、電気的または機械的切替えを用いて、例えば、トグルスイッチ(図示せず)を使用して行うことができる。
【0067】
各LEDダイセクションは、例えば、他の組のLEDダイと異なった波長で放射線を発出し、および/または放射線硬化性材料650の異なったセクションを照射する1組のLEDダイを含むことができる。上述した例示的なピクセル化回路を使用して、装置600は、したがって、同じ硬化デバイスを使用して異なったタイプの材料を硬化させる際により大きい柔軟性をもたらすことができる。例えば、LEDダイの1つ以上のグループを選択的に活性化して、例えばオンまたはオフに切替えて、硬化性材料中の1つ以上の光開始剤に対応することができる。
【0068】
本発明のこの例示的な実施形態において、複数の固体源から発出された放射線を、予め規定されたパターンに集中させることができ、照射表面は、もしそうでなければ互いにおよび前記照射表面に密に近接して配置された前記光源によって達成できたであろう強度よりもはるかに高い強度を受ける。上述した硬化装置は、連続基板、シート、ピースパーツ、スポット硬化、および/または3D放射線硬化プロセスのために使用することができる。
【0069】
ランプを使用する従来の硬化デバイスと比較して、図12の硬化装置600は、より長い寿命、より小さいパワー要件、より大きい効率、小さい形状因子(密な隙間硬化用途の場合)を提供することができ、基板および/または化学(chemistry)(感熱性製品構造には特に重要である)へ放射される赤外線がほとんどまたは全くない。
【0070】
本発明のこの例示的な実施形態によれば、出力を選択的にパターン化することができる光導波路と結合された光学集中素子の使用によって、短波長(<500nm)で、より低い強度のLEDダイから、高放射照度レベルを達成することができる。このように、従来の低放射照度問題なしに、より短い波長のLEDダイを使用することができる。さらに、広範囲の光開始剤および光開始剤ブレンドを硬化材料650中に使用することができる。光開始剤の例としては、ITXおよびカンファーキノン(Camphor Quinone)(ビドル−ソーヤー(Biddle−Sawyer)から入手可能)、TPO−L(BASFから入手可能)、ならびにイルガキュア(IRGACURE)およびダロキュア(DAROCUR)シリーズ開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から入手可能)を挙げることができる。
【0071】
また、上述した光ファイバ−集中装置構造を使用することによって、LEDダイ相互間を、直接の熱管理および電気的接続に適した距離(例えば、少なくとも6ダイ幅以上)で離隔することができる。結果として生じる効率的な熱消散は、効果的に、LEDダイの寿命を延ばし、より高い放射照度を維持することができる。さらに、より多いLEDダイを比較的小さいフットプリント内で使用することができるので、放射照度レベルに影響を及ぼすことなく、LEDダイ当たりの電流/電力駆動要件を低減することができる。したがって、本発明の例示的な実施形態によって、より長い総ダイ寿命を達成することができる。
【0072】
低放射照度と関連する問題は、放射照度が低すぎる場合、比較的厚い放射線硬化性配合物の底部の方への硬化の割合が低減されることである。したがって、硬化の深さおよび接着が、いくつかの従来のLEDベースの方法で問題になることがある。硬化の深さの問題は、配合物が、散乱中心または放射線吸収粒子、顔料、または染料を含有する場合強められる。さらに、放射線が、配合物に達する前にキャリヤフィルムまたはロールを通過しなければならない場合、さらなる問題が生じることがある。
【0073】
解決策として、装置600は、1つのレンズまたは複数のレンズをさらに含むことができ、また、(例えば、ファイバレンズ)と一体に形成するか、ファイバの端部から離れて配置して、硬化される材料または配合物に対して放射線をさらに集中させるか、平行にすることができる。そのようなレンズは、照射された配合物内の成分の配向のため、比較的厚いおよび/または高吸収および/または散乱配合物の硬化を促進することができる。例えば、レンズまたはレンズアレイ(この図に示されていない)を、ファイバ/導波路の出力端部から選択された距離に配置することができる。先に述べられたように、放射線源から発生された熱が発光の方向から離れて引かれるので、付加的な出力平行化(output collimating)/集束レンズは、連続的に熱に曝すために特別に処理する必要はない。
【0074】
さらに、本発明のこの例示的な実施形態によれば、装置600は、集中されたパターンを機械横断方向(CMD)および/または機械方向(MD)アレイ内に延ばすことによって、より均一な硬化ビームを提供することができる。従来のランプベースのシステムにおいて、ランプは、それらの長さ方向を横切って少なくとも15%のばらつきを有する。いくつかの場合、ランプの均一性ばらつきは、経時的に30〜40%に劣化することがある。従来のLEDベースの方法において、アレイ内のLEDは分離され、その分離は、アレイを横切る放射照度の不均一性をもたらす。この不均一性は、不均一な硬化によって、最終製品特性に対する潜在的に有害な影響を引起すことがある。
【0075】
本発明の硬化装置は、また、図9Aおよび図9Bにおいて上述したピクセル化回路によって制御可能な異なったタイプのLEDダイのアレイを使用することができる。例えば、ファイバの出力端部を密に結合することができるので、異なったタイプのLEDダイ(例えば、さまざまな強度および/または波長の)をLEDダイアレイに組入れることができ、それにより、機械方向および機械横断方向における均一性の損失を最小にして、波長および/または強度選択硬化装置を作ることができる。さらに、異なった波長のLEDダイをLEDダイアレイに組入れることによって、例えばITXおよびTPO−Lのブレンドなどの例示的な光開始剤の優先吸収バンドに一致する選択された波長で放射線を発出することができる。
【0076】
したがって、硬化装置600は、異なった波長および/または強度で硬化させるように設計することができ、同じ硬化装置を用いて、異なったタイプの配合物を硬化させることができ、装置600を、異なった放射線波長および強度を必要とする異なった配合物を処理する実験室、パイロット、および製造ラインに適するようにすることができる。さらに、ここで説明されるピクセル化制御回路で、装置600は、硬化される材料のタイプによって、特定のLEDダイまたはLEDダイグループを選択的に活性化するように制御することができる。対照的に、従来の方法では、LEDアレイが、通常、1つの特定のタイプのLEDのみで構成される。したがって、異なった波長または強度が従来のシステムで必要とされる場合、配合物吸収に対応するために新たなアレイが必要である。これは、より大きい設備コストおよびより多くの潜在的なメンテナンスを必要とする付加的なモジュールにつながる。
【0077】
装置600は、また、パターン、三次元構造、リソグラフィ、およびマスキングの高解像度硬化に適している。例えば、ファイバの出力端部を、図1Bのバンディング156などの再構成可能なバンディング内に固定することができるので、ファイバの出力端部をパターンに配列して、特定の三次元構造および/またはパーツを硬化させることができる。さらに、基板ベースのプロセスの場合、装置600は、機械横断方向および機械方向における高解像度放射照度プロファイル硬化をもたらすことができる。ファイバの出力端部を密に束にするか密にパターン化することができるので、LEDダイをさまざまな強度で駆動して、滑らかな強度プロファイルを作ることができる。その解像度はファイバ直径のオーダである。対照的に、(熱のため)さらに遠く離隔された従来のLEDアレイは、可変強度プロファイルをもたらす。
【0078】
ここで図14を参照すると、導波路802から発出された光が、放射線偏光可能材料に当たる前に偏光される改質装置の構成例が示されている。図14、および以下で説明される図15〜18に示されているように、導波路802は線状であるが、二次元アレイも適用できることが理解されるであろう。導波路802は、電磁エネルギー波がランダムに配列されるように、偏光されていない光808を出力する。しかし、ある改質用途の場合、放射線改質可能材料を偏光された光で処理することが好ましい。そのような改質用途の一例は、液晶材料の処理である。別の例は、ポリマー鎖の処理である。これらの場合、液晶またはポリマー鎖結合が特定の方法で整列されるようになることが望ましい。液晶またはポリマー結合は、対象材料に当たる放射線の電磁エネルギー波の配列に従って整列される。したがって、光を、対象材料に当たる前に偏光させることは、配列された波をもって液晶またはポリマー結合を整列させることになる。
【0079】
図14の例において、導波路802から発出された光808は、偏光子804に直接当たり、そこで、本質的に円形の領域810をカバーする。導波路802から直接発出された光808が比較的広い角度の発光を有するので、偏光子804は、導波路802から発出された光を無駄にすることを回避するために、広い受容円錐(acceptance cone)を有しなければならない。放射線の特定の波長に効率的な偏光子を用いた場合でさえ、偏光子804を通過して上に放射線改質可能材料が配置された基板806に当たる偏光された光は、比較的低い強度を有する。
【0080】
さまざまな偏光子設計が適用できる。赤外および可視光波長の場合、受入れられる偏光子としては、ブルースター(Brewster)スタック、コーティングされたプレート、多層光学フィルム、吸収偏光子、およびプリズムが挙げられるが、これらに限定されない。しかし、UV波長の場合、受入れられる偏光子は、典型的には、以下で説明されるように導波路からの光の広がり角度を狭くすることを必要とする狭い受容円錐を有する。UV用途に適した偏光子の例としては、ブルースタースタック、多層コーティング光学系、ワイヤグリッド、およびいくつかのプリズムが挙げられる。
【0081】
図15は、導波路902から発出された光が、最初、偏光される前に線に集束される改質装置の構成例を示す。この例において、導波路902から発出された光908は、放射線の経路上で導波路902と偏光子904との間に配置された円筒形レンズ914の軸に沿って線に集束される。偏光子904に達する光は、発出された光の完全な円錐より高い強度を有する線912を形成する。したがって、上に放射線改質可能材料が配置された基板906に達する偏光された光はより高い強度を有する。
【0082】
円筒形レンズは、導波路902のファイバ端部の各々からの光を線に集束させるが、円筒形レンズ914から発出する光910は、円筒形レンズ914の軸に沿って広い広がり角度を有し続ける。したがって、偏光子904も、導波路902から発出された光を無駄にすることを回避するために、少なくとも同じ軸に沿って、広い受容円錐を有しなければならない。上で示されたように、UV用途の場合、受入れられる偏光子は、以下で説明されるように光の広がり角度が低減されることを必要とする、より小さい受容円錐を有する。
【0083】
図16Aは、導波路1002から発出された光が、最初、偏光される前に平行にされる改質装置の構成例を示す。光を平行にすることの1つの利益は、UV偏光子を使用することができることである。この例において、導波路1002から発出された光1008は、レンズレットアレイ1014によって平行にされる。このアレイ1014は、導波路1002のファイバの数および広がり角度に整合した数のレンズレットを有する。偏光子1004の必要な受容円錐は、ファイバ特性だけで定められるのではなく、アレイ1014の各レンズレットの焦点距離および導波路1002の各ファイバのサイズの関数として定められる。したがって、レンズレットアレイ1014は光を平行にし、ここに偏光子1004が必要とする受容円錐は、UV光を受入れる偏光子を含む多くの偏光子によって受入れられる量にまで、減少される。
【0084】
次に、平行にされた光1010は偏光子に達し、各レンズレットからのその平行にされた光1010は、偏光子に当たり、各レンズレットによって規定された形状に従って成形された領域1012をカバーする。図18を参照して以下で示されるように、光をより大きい強度の線に集束させるために、円筒形レンズを偏光子1004と、上に放射線改質可能材料が配置された基板1006との間に含めることができる。
【0085】
図16Bは、レンズが導波路1003の各ファイバの端部に形成され、レンズレットアレイが不要である以外は図16Aの構成と同様の構成を示す。各ファイバのレンズは、ファイバからの光を平行にし、平行にされた光1009は、偏光子1005に当たるときに、減少された円錐を有して、各ファイバのレンズによって規定されるように成形された領域1011をカバーする。再び、偏光された光が、上に放射線改質可能材料が配置された基板1007に当たる前に、光をより大きい強度の線に集束させるために、円筒形レンズを偏光子1005のいずれの側にも配置することができる。
【0086】
図17は、導波路1102から発出された光が、偏光される前に、最初平行にされ、次に線に集束される改質装置の構成例を示す。この例において、光1108は、円筒形レンズ1116と組合されたレンチキュラアレイ1114によって平行にされる。レンチキュラアレイ114がファイバ毎にレンズを有し、ファイバのサイズおよびレンズの焦点距離が、偏光子1104に必要とされる受容円錐を定めることが理解されるであろう。再び、レンチキュラアレイ1114は光を平行にし、偏光子1104に必要な受容円錐は、UV光を受入れる偏光子を含む多くの偏光子に適用できる量にまで、減少される。
【0087】
平行にされた光1110は、偏光子1104に当たり、比較的集束された線状領域1112をカバーする。次に、偏光された光は、上に放射線改質可能材料が配置された基板1106に当たる。図18を参照して以下で示されるように、光をより大きい強度の線にさらに集束させるために、円筒形レンズを偏光子1104と基板1106との間に含めることができる。さらに、レンチキュラアレイ1114が可撓性材料から製造される実施形態においては、円筒形レンズ1116の集束機能を行わせるために、レンチキュラアレイ1114を弓形に曲げることができる。
【0088】
図18は、図16および図17の構成の代替構成を示す。この構成において、導波路1202は光1208を発出し、それは、図16のレンズレットアレイまたは図17のレンチキュラアレイなどの光学素子1218に達する。光学素子1218は、その光を平行にし、次に、平行にされた光1210は偏光子1204に達する。再び、光1210が平行にされているので、偏光子1204に必要な受容円錐は減少され、UV光を受入れられるこれらの偏光子を含む偏光子を選択可能にする。次に、偏光子1204から発出する偏光された光1212は、円筒形レンズなどの第2の光学素子1214に当たる。円筒形レンズの場合、偏光された光1216は線に集束され、次に、それは、上に放射線改質可能材料が配置された基板1206に当たる。
【0089】
これらの構成に関して、組合せとしてのレンズおよび偏光子のパラメータは、強度または偏光の均一性を最適化し、かつ光の損失を最小にするように選択することができる。レンズのために考慮するべきパラメータとしては、導波路の端部からのレンズの距離、およびレンズの直径が挙げられる。これらのパラメータは、導波路の各ファイバのファイバコア直径(Dfiber)、各ファイバの開口数(NAfiber)、および選択された偏光子の受容円錐を含む、これらの既知の値に関連して選択することができる。
【0090】
例として、選択された導波路について、ファイバコア直径Dfiberは600μmに等しく、開口数NAfiberは0.39に等しい。選択された偏光子は、所望の偏光状態とするために、5度の完全な受容円錐を有することができる。レンズを最適化するために、Dfiberすなわち600μmを、0.086以下であるところの、所望の広がり角度の2分の1(5度の2分の1以下)のタンジェントの2倍で割る。これは、レンズの最小許容焦点距離を与え、レンズは、導波路から1つの焦点距離に位置決めされたとき、円錐角度が偏光子の受容円錐の角度と一致する光を生じる。この例において、この最小距離は6.97mmである。次に、導波路を出る光の範囲を定める(subtend)ために必要なレンズの最小直径を、NAfiberの2倍すなわち0.78に、計算された距離すなわち6.97mmを乗じることによって近似する。この例の結果として生じる直径は5.44mmである。これらの最小パラメータに対していくらかの公差を与えるために、レンズまでの距離を7mmに選択することができ、レンズの直径は5.5mmに選択される。より長い焦点距離のレンズを選択することが、より小さい広がりをもたらすが、導波路からのすべての光の範囲を定めるために、レンズのF数は、NAfiberの2倍の逆数すなわちこの場合1.28より小さいままでなければならない。
【0091】
図19〜21は、レンズおよび/または偏光子を伴うまたは伴わないものを含む、上述したもののいずれかの装置のLEDダイのパルス駆動を考慮する制御装置の構成を示す。図9Bに関して上述したように、および以下でより詳細に説明するように、制御装置は、個別の各ダイを、他のものと別々にパルス駆動することができ、かつ他のものと異なる強度でパルス駆動するように、個別にダイを制御することができる。アレイのLEDダイの活性化および強度を個別に制御することを、図22〜25を参照して以下でより詳細に説明する。
【0092】
硬化装置のLEDのパルス駆動は、定常状態(steady−state)LEDからの放射線の付与と比較すると、多くの利点を有する。より高い瞬間放射照度を、LEDをパルス駆動することによって達成することができ、これは、空気中でのアクリレートの硬化を考慮し、より厚いコーティングの硬化をもたらす。さらに、LEDをパルス駆動することは、コーティング中に発生する総発熱を少なくしつつ、コーティング中の局所ピーク温度を増加させる。より高い放射照度を達成するために、電流はパルス期間中、増加される。LEDへの損傷を防止するために、電流は、パルス間にオフとされ冷却される。パルス駆動LED硬化による利点としては、増大された硬化深さ、増大された反応速度、加えられた酸素の消耗、および重合反応を開始するためのフリーラジカルの増大された拡散が挙げられる。また、暗硬化(dark cure)への利点があり、硬化される材料が、パルス間の間光に曝されず、ラジカル−ラジカル消滅が最小にされる。具体的には、LEDダイがUV放射線を発出する場合、LEDをパルス駆動することはこれらの利点をもたらし、これらは、より高い分子量の製品の製造をもたらす。
【0093】
図19の制御装置構成は、高周波、短いパルス期間のパルス駆動を行う構成であり、これは、空気中でアクリレートを硬化させること、および比較的厚いコーティングを硬化させることを含むさまざまな改質に有用である。この構成は、電力を固体スイッチ1304に与える可変電圧のDC電源1302を含む。LEDダイへの個別のパルス駆動の場合、固体スイッチ1304は、LEDアレイ1308のLEDダイ毎の個別の切替えを行うことができる。固体スイッチ1304は、パルス発生器1306によって駆動される。パルス発生器は、可変パルス周波数および可変パルス幅の双方を選択することができる。
【0094】
DC電源1302の出力電圧は、所望の値の駆動電流を固体スイッチ1304を介してLEDアレイ1308に与えるように調整可能である。固体スイッチ1304の例は、パルス発生器1306から入力を受けるドライバ回路を有する、例えば電界効果トランジスタ(パワーFET)などのパワートランジスタである。パルス発生器は、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)からのモデル81101Aなどの、さまざまな市販のデバイスの1つであることができる。この特定のパルス発生器は、1MHzから50MHzの周波数を有し、10nsの小さいパルス幅を有する。クリー・オプトエレクトロニクス(Cree Optoelectronics)によって提供されるようなUV LEDの光学立上り時間が、30ns程度であることが知られている。
【0095】
図20の制御装置構成は、低周波および長いパルス期間のパルス駆動を提供する。この構成は、パルス駆動させるように市販のLEDサイン(sign)制御装置1404をプログラムするために使用されるパーソナルコンピュータ1402を含む。次に、LEDサイン制御装置1404は、LEDマトリクス(格子)アレイ1406が、明滅するLEDサインであるかのように、LEDマトリクスアレイ1406のLEDの各々をパルス駆動する。LEDサイン制御装置1404が、可視サインを制御するように設計されるので、パルス周波数は、はるかに低く、25Hz程度である。
【0096】
図21は、中間周波および中間のパルス期間のパルス駆動を提供するさらに別の制御装置構成を示す。この構成は、電力を固体スイッチまたはスイッチアレイ1504に与える可変電圧のDC電源1502を含む。固体スイッチアレイ1504は、XおよびYアレイとして構成されたデジタル出力ボード1508によって駆動され、それはパーソナルコンピュータ1506によって制御される。パーソナルコンピュータ1506は、ナショナルインスツルメンツ(National Instruments)デジタル出力ボード1508を制御するために、ナショナルインスツルメンツ・ラブビュー・バーチャル・インスツルメント(National Instruments LabVIEW Virtual Instrument)プログラムなどの制御プログラムを実装することができる。このプログラムは、LEDが、ランダムに、または特定の周波数で、典型的にはキロヘルツ範囲で、パルス駆動可能とする。
【0097】
図22は、図12に関して上で先に説明したように、硬化または他の改質を高解像度で行うことができるように、個別のLEDダイがそれ自体のチャネルを形成する回路の例を示す。各LEDは、アレイの他のLEDダイに関連して選択的にかつ個別に活性化することができる。したがって、アレイのすべてのLEDを駆動するのではなく、パターンを作るのに必要なLEDのみを活性化することによって、該パターンを放射線改質可能材料内に作ることができる。図22は、電力を、図9Bを参照して上述したようなブースタ回路1604に与えるVcc電源1602を含む。次に、ブースタ回路1604は、電力を個別のチャネル1606A〜1606Fに与え、各チャネルは1つのLEDダイである。次に、スイッチアレイセット1608が、チャネルの1つ以上を選択的に活性化し、これは、1つ以上の個別のLEDダイを選択的に活性化する。したがって、スイッチアレイセット1608は、所望のパターンを作るのに必要なそれらのチャネルのみを活性化するように構成することができる。
【0098】
この回路は、上で示した技術のいずれかと関連して使用することができる。例えば、この回路は、レンズおよび/または偏光子と関連してまたはこれらを伴わずに使用することができる。さらに、この回路は、パルス駆動制御装置を伴ってまたは伴わずに使用することができる。パルス駆動制御装置が含まれる場合、スイッチセット1608は、与えられたパルス駆動信号に従って、選択されたLEDダイを電流が通過することを可能にする。
【0099】
図23は、硬化を高解像度で行うことができるように、個別のLEDダイ1706A〜1706Cがそれ自体のチャネルを形成し、強度を個別のLEDダイ毎に制御することができるように、各チャネルが、Vcc電源1702に接続された電力制御回路1704A〜1704Cを有する回路の例を示す。各個別のブースタ回路1704A〜1704Cを介して各LEDダイ1706A〜1706Cの強度を個別に制御することは、プロファイル硬化または他のプロファイル改質が行われることを可能にし、導波路を横切って与えられる放射照度は、均一でないターゲットと一致させるために均一でない。
【0100】
この回路も、上で示した技術のいずれかと関連して使用することができる。例えば、この回路は、レンズおよび/または偏光子と関連してまたはこれらを伴わずに、ならびにパルス駆動制御装置を伴ってまたは伴わずに使用することができる。
【0101】
図24は、均一でないターゲットの例を示す。この例において、ターゲットは、不均一な構造1810上に配置された硬化性材料1808である。具体的には、この例の構造1810はU字形であり、放射線硬化性材料はその中心において、端部におけるよりも、導波路から遠い。したがって、均一な放射照度が導波路1802を横切って与えられた場合、材料1808の表面は、均一な放射照度を受けない。代わりに、端部では、中心における放射照度より大きい強度の放射照度を受ける。
【0102】
U字形構造1810に対処するために、導波路1802は、均一でない放射照度を出力する。導波路の端部上の放射照度ビーム1804Aおよび1804Bの強度は、中心におけるビーム1806Aおよび1806Bの放射照度より、低い。したがって、材料1808に達する放射照度、すなわち結果として生じる硬化は、横全体により均一である。
【0103】
図25は、また均一でないターゲットの別の例を示す。しかし、この例において、ターゲットは、一端から他端まで、さまざまな透過性、具体的には厚さを有する硬化性材料1910である。したがって、導波路1902における放射照度が均一であった場合、材料の表面における放射照度は、薄い端部1914において厚い端部1912におけるよりも効果が小さく、コーティング全体にわたる硬化が比較的均一でないことがある。
【0104】
材料1910の透過性の変化に対処するために、導波路1902は、均一でない放射照度を出す。厚い端部1912の方に向けられた放射照度ビーム1904の強度は最も高い。材料の中央に向けられた放射照度ビーム1906の強度は、ビーム1904より低い強度を有するが、薄い端部1914に向けられたビーム1908の放射照度より高い強度を有する。したがって、材料1910の硬化は、横全体により均一である。
【0105】
図26は、導波路2002から放射線改質可能材料2006への放射線の付与を制御する代替態様を示す。導波路2002の個別のファイバからの放射線は、導波路2002から発出する放射線の経路上に配置された光弁構造2012によって制御することができる。光弁構造2012は、改質可能材料への光の通過を制御するように動作する。図示するように、所与のファイバからの放射線が遮断されるようにするか、所与のファイバからの実質的にすべての放射線が通過するようにするか、所与のファイバからの放射線強度を連続可変に低減させるために、光弁2012は、1組の偏光子2003、2004と関連して動作することができる。さらに、光弁は、静的状態またはマスク状態で構成することができ、あるいは光弁は、動的であるように制御可能とすることができる。
【0106】
示されているように、光弁構造2012は、光弁セル2016の一次元アレイであり、光弁セル2016の各々は個別に制御可能であり、それにより、受けた放射線の通過を動的に制御する。ここで使用されるように、光弁という用語は、一般に、複数の光弁セル2016を含む光弁構造2012、または個別の光弁セル2016を指す。完全な光弁構造2012、または個別の光弁セル2016のみを、放射線の経路上に配置することができることが理解されるであろう。
【0107】
使用することができる光弁のさまざまな形態がある。図26に示されているように、液晶ディスプレイ(「LCD」)アレイを設けることができる。LCDアレイは、LCDセルを個別の光弁セル2016として使用する。標準LCD制御装置(図示せず)は、個別のLCDセルを、通過する光の偏光の回転を制御するように選択的に制御する。光弁の他の例としては、格子光弁およびデジタルミラーデバイスが挙げられる。格子光弁は、回折格子を形成する多数の静電制御反射リボンを含む光弁セルを使用する。格子光弁の例では、LCD光弁について示されるような直線法ではなく、個別の光弁セルによってもたらされる反射を考慮するために、導波路2002および材料2006に対する光弁の配列を行う。光の強度を制御するために偏向に依存する格子光弁またはデジタルミラーデバイスを使用する構成の例を、図28を参照して以下でより詳細に説明する。
【0108】
図26のLCD光弁は、最初の偏光子2003および最終偏光子2004と関連して動作することによって、改質可能材料に達する光の強度を制御する。最初の偏光子2003は光に特定の偏光を与える。次に、LCD光弁2012は、偏光子を、0から180度までのいずれかで、所与の量だけ回転させる。次に、放射線は最終偏光子2004を通過することになる。しかし、適切な偏光状態を有する光のみが、通常の強度で最終偏光子2004を通過する。偏光状態が、最終偏光子2004の必要な偏光状態から90度である場合、放射線は通過しない。したがって、LCD光弁2012を使用して、必要に応じて偏光状態を回転させて、それにより、最終偏光子2004を通過する放射線の量を制御することができる。個別のLCDセル2016を独立して制御することができるので、いくつかのLCDセルを通過する放射線に、他のLCDセルを通過する放射線と異なった偏光回転を与えることができ、放射線のパターンが最終偏光子2004から発出する。
【0109】
光弁が、放射線改質可能材料に達する放射線の強度を制御するので、この光弁を使用することによって、材料内に所要のパターンを作るか、あるいは図24および図25に示されているようなきわめて不均一な材料の均一性または材料位置の硬化またはその他の改質の均一性を向上させることができる。光弁を通過する光の強度は、光弁を横切る強度プロファイルを所望のパターンにするかまたはそのプロファイルに変更をもたらすように、制御される。したがって、個別のファイバからの強度を、図22〜25に関して上述したように各々を活性化および/または強度制御することなく、実質的に均一にすることができる。
【0110】
説明されるように、図26のこの例は、光弁セル2016の一次元アレイを示す。他の次元のアレイも適用できることが理解されるであろう。しかし、この例に示されているように、一次元アレイ2012などのアレイを適用して、光学素子を使用することによって、導波路2002から発出する光をアレイ2012上に集束させる場合に望ましいであろう。光は集束され、導波路2002からの光の実質的にすべてが、材料2006に達する前に光弁構造2012を通過しなければならない。示された例において、円筒形レンズ2014が、導波路2002から発出する放射線2008の経路上に配置され、円筒形レンズ2014から発出する光2010が光弁2012上に集束されるようになる。
【0111】
さらに、第2の偏光子2004から発出する放射線の通過をさらに変更することも有益であろう。示された例において、第2の光学素子2020が偏光子2004と改質可能材料2006との間に挿入される。具体的には、この例の第2の光学素子は、偏光子から広がる光を取り、それを改質可能材料2006上の点2024の方に再び集束させる投影レンズである。点2024の集まりは、光弁2012によって決められるパターンまたは強度プロファイルに従う線を、形成する。
【0112】
多次元を有する光弁と関連して用いることができる別の向上としては、プリズム状フィルム(図示せず)などの角度制御要素の使用が挙げられる。プリズム状フィルムは、導波路2002を出る高角度光をより良好に使用するために、導波路2002と光弁2012との間に配置される。
【0113】
図27は、放射線改質可能材料に付与される強度プロファイルを滑らかにするための光学系を使用する放射線改質構成を示す。導波路2102が、放射線を、レンズレットアレイなどの光学素子2106の方に出力する。無限の導波路2102の効果をもたらすために、逸脱した放射線を光学素子2106の方に反射させて戻すためのミラー2104Aおよび2104Bを含めることができる。この例において、第1の光学素子2106から発出する光をさらに平行にするために、レンズレットアレイなどの任意の第2の光学素子2108も含まれる。ブラー(blur)フィルタ2110が、第2の光学素子2108と放射線改質可能材料2112との間に配置しても良い。
【0114】
平滑化効果を出すために、放射線経路のいくつかの角度と共に非放射線経路の角度が図27に示されている。非放射線経路2114が、放射線が発出しない、導波路2102のファイバ間の小さい領域から延びる。示されているように、この経路2114は、改質可能材料2112上の点2116まで延びる。しかし、この点2116が放射線に曝されないのではなく、もしそうでなければ曝されない点2116が放射線を受けるように、放射線経路2118がファイバの中心領域から点2116まで延びる。同様に、点2224は高角度経路2122を介して放射線を受けない。しかし、点2224は、経路2120を含む経路を介して放射線を受ける。したがって、光学素子2106および任意に2108は、非画像形成構成をとり、導波路2102から発出する光が、直接画像形成されるのではなく、材料2112においてぼかされる(blurred)。ブラーフィルタ2110は、強度プロファイルを滑らかにするために放射線をさらにぼかすために含めることができる。
【0115】
図28は、パターンを作り、および/または偏光子に対する放射線進入角度を低減するための偏向光弁、放射線改質構成を示す。導波路2202が、放射線を、レンズレットアレイなどの光学素子2206の方に出力する。図26の構成のように、無限の導波路2202の効果をもたらすために、逸脱した放射線を光学素子2206の方に反射して戻すためにミラー2204Aおよび2204Bを含めることができる。この例において、第1の光学素子2206から発出する光をさらに平行にするために、レンズレットアレイなどの第2の光学素子2208も含まれる。
【0116】
この構成は、また、第1の光学素子2206と第2の光学素子2208との間に配置された偏向光弁2210を含む。偏向光弁2210は、格子光弁またはデジタルミラーデバイスであることができる。偏向光弁2210は、必要に応じてパターンを作るように光を選択的に偏向するように、個別に制御可能なセルを有する。
【0117】
偏向を表すために、放射線経路のいくつかの角度と共に非放射線経路の角度が図28に示され、平滑化も示されている。非放射線経路2214が、放射線が発出しない、導波路2202のファイバ間の小さい領域から延びる。示されているように、この経路2214は、改質可能材料2212上の点2216まで延びる。しかし、この点2216が放射線に曝されないのではなく、もしそうでなければ曝されない点2216が放射線を受けるように放射線経路2218がファイバの中心領域から点2216まで延びる。しかし、この例において、偏向光弁2210は活性化されており、点2222は、偏向された経路2220を含む経路を介して放射線を受ける。偏向は、必要に応じて放射線を再び向け、これを使用して、放射線改質可能材料2212にパターンを作ることができる。さらに、偏向は、放射線の進入角度を減少させ、これは、偏光子(この図に示されていない)が光学素子2206と材料2212との間に配置される場合に有用である。
【0118】
本発明を例示的な好ましい実施形態に関して説明したが、本発明を、本発明の範囲から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。したがって、ここで説明され示された実施形態が、例示にすぎず、本発明の範囲を限定するとみなすべきでないことが理解されるべきである。他の変更および修正を、本発明の範囲に従って行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1A】本発明の例示的な実施形態による固体光デバイスを示す斜視図である。
【図1B】本発明の例示的な実施形態による固体光デバイスを示す分解図である。
【図2】本発明の実施形態による相互接続回路上に配置された例示的なLEDダイアレイを示す上面図である。
【図3】本発明の実施形態による固体光源を示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態による非画像形成光学集中装置によって光ファイバに結合された個別のLEDダイを示す詳細図である。
【図5A】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5B】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5C】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5D】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5E】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5F】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図6A】方向付け自在な出力のための代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図6B】本発明の代替実施形態による方向付け自在な出力のための例示的なバンディングおよび支持構造の実装を示す図である。
【図6C】本発明の代替実施形態による方向付け自在な出力のための例示的なバンディングおよび支持構造の実装を示す図である。
【図7】本発明の代替実施形態による、ファイバの出力端部の一部が、角度研磨された出力面を有する、方向付け自在な出力のための別の代替出力パターンを示す図である。
【図8】本発明の実施形態によるファイバアレイコネクタの代替構造を示す図である。
【図9A】本発明の別の実施形態によるピクシレーションのために適合された固体ライティングシステムを示す図である。
【図9B】本発明の別の実施形態によるピクシレーションのために適合された例示的な制御装置回路を示す図である。
【図10】固体光デバイスの例示的な実装を示す図である。
【図11】歯科用硬化装置の一部として使用される固体光デバイスの別の例示的な実装を示す図である。
【図12】本発明の別の例示的な実施形態による放射線硬化装置を示す図である。
【図13】方向付け自在な出力発光の代替実施形態を示す図である。
【図14】偏光子を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図15】円筒形レンズおよび偏光子の両方を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図16A】レンズレットアレイおよび偏光子の両方を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図16B】導波路の出力端部において各ファイバに形成されたレンズ、および偏光子の両方を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図17】円筒形レンズと組合されたレンチキュラアレイ、および偏光子を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図18】基板上に配置された放射線改質可能材料を処理することの代替態様として、別の光学素子が続く偏光子と関連して光学素子を含む放射線改質装置の例を示す図である。
【図19】LEDのアレイに、放射線硬化性材料を改質するためのパルス放射線を発生させるためのパルス発生器を含むパルス制御システムの第1の例の概略図を示す図である。
【図20】LEDのアレイに、放射線硬化性材料を改質するためのパルス放射線を発生させるためのLEDサイン制御装置を含むパルス制御システムの第2の例の概略図を示す図である。
【図21】LEDのアレイに、放射線硬化性材料を改質するためのパルス放射線を発生させるためのコンピュータ駆動出力を含むパルス制御システムの第3の例の概略図を示す図である。
【図22】図9のアダプタ回路に対する、LEDアレイの増大された解像度のための別のアダプタ回路を示す図である。
【図23】LEDアレイのための増大された強度制御のための別のアダプタ回路を示す図である。
【図24】図23のアダプタ回路に従う、不均一な構造上に配置された放射線改質可能材料の均一な放射線改質を示す図である。
【図25】基板上に配置されたさまざまな厚さを有する放射線改質可能材料の均一な放射線改質を示す図である。
【図26】高解像度改質をもたらすために光弁を使用する放射線改質装置を示す図である。
【図27】放射線改質可能材料に付与される強度プロファイルを滑らかにするために1つ以上の光学素子を使用する放射線改質装置を示す図である。
【図28】パターンを作るための放射線を偏向するために、および/または偏光子に達する高角度を低減するために光弁を使用する放射線改質装置を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質装置、システム、および方法に関する。より詳細には、本発明は、改質用途のために用いられる現在の高強度向け光源および技術に取って代わることができる固体光デバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
照明システムがさまざまな用途に使用される。家庭、医療、歯科、および産業用途は、しばしば、光が利用可能にされることを必要とする。同様に、航空機、船舶、および自動車用途は、しばしば、高強度照明ビームを必要とする。
【0003】
従来のライティング(lighting)システムは、電力供給されるフィラメントまたはアークランプを使用しており、これらは、時には、発生された照明をビームに向けるために集束レンズおよび/または反射表面を含む。白熱バルブまたは放電バルブなどの、電力供給されるフィラメントまたはアークランプに基づいた従来の光源は、熱および光の両方を360度に放射する。従来の光源は、また、マイクロ波駆動源を含む。したがって、従来の用途の場合、使用される光学系は、高強度(および高熱)放電バルブによって引起される絶え間ない加熱の影響に耐えるように設計しおよび/または特別に処理しなければならない。さらに、熱が照明の領域から除去されるべきである場合、高価で複雑な熱伝達システムを使用しなければならない。
【0004】
例えば、従来の硬化(cure)システムは、基板および/または配合物の歪みおよび/または破壊を最小にするために水冷ロールを使用する。他の従来のシステムは、基板のすぐ下にまたは基板と接触して配置された平坦な水冷プレートを使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬化(cure)などの改質用途の場合、積重ねられたLEDアレイが現在調査されている(例えば、機械横断方向(CMD:Cross−Machine−Direction)および機械方向(MD:Machine−Direction)態様で「積重ねる」ことができるアレイ)。しかし、これらの従来のシステムでは、LED発光波長がより短くなるにつれて、放射照度(irradiance)および寿命が急速に低下する。これは、典型的には450nm未満の放射線を吸収するように配合される光開始剤(photoinitiator)による放射線吸収および応答によって化学反応が開始するという問題をもたらすことがある。放射照度が低すぎる場合、重合反応が望ましい製品特性をもたらさない可能性がある。
【0006】
低放射照度に対抗するために、従来の技術は、総放射照度を増大させ、望ましい硬化を行うために、LEDを互いに接近して位置決めすることである。しかし、LEDをそのように配列することは、熱管理および電気的接続に関連するいくつかの問題をもたらす。LEDがより広げられる場合、アレイを横切る放射照度の均一性が理想的でなくなることがある。放射照度レベルを向上させるために、時には反射体がLEDの周りに装着されるが、この方法は、依然として、反射体開口部を横切る不均一性がある。適切な材料が反射体内で使用されない場合、放射照度は、また、照射表面までの距離の二乗(square)で低下する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の実施形態によれば、照射装置が、第1の材料を改質する放射線を発生するための複数の固体放射線源を含む。制御装置が、固体放射線源と電気的に通信し、固体放射線源にパルス放射線を発生させる。複数の光学集中装置が含まれ、各集中装置は、複数の固体放射線源の1つ以上からパルス放射線を受ける。複数の光導波路が含まれ、複数の光導波路の各々は、第1の端部および第2の端部を含み、各第1の端部は、複数の光学集中装置の1つ以上からパルス放射線を受ける。支持構造が、複数の光導波路の第2の端部の少なくとも第1の部分を安定化するために含まれる。
【0008】
本発明の第2の実施形態によれば、照射システムが、放射線改質可能化学配合物を改質することができる放射線を発生するための複数のLEDダイ(die)を含む固体放射線源を含む。制御装置が、複数のLEDダイに電気的に接続され、LEDダイにパルス放射線を発生させる。複数の光学集中装置が含まれ、各集中装置は、LEDダイの1つ以上からパルス放射線を受ける。複数の光ファイバが含まれ、複数の光ファイバの各々は、第1の端部および第2の端部を含み、各第1の端部は、複数の光学集中装置の1つ以上から、集中されたパルス放射線を受ける。基板が、放射線改質可能化学配合物を支持するために含まれる。
【0009】
本発明の上記概要は、本発明の各実施形態またはあらゆる実装を説明することを意図していない。次の図および詳細な説明は、これらの実施形態をより詳細に例示する。
【0010】
本発明は、さまざまな修正例および代替形態が可能であるが、その特定のものが、図面に例として示されており、詳細に説明される。しかし、本発明を、説明される特定の実施形態に限定しないことを意図していることが理解されるべきである。それどころか、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲内である修正例、均等物、および代替例をすべて網羅することが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1Aは、例示的な構成における固体光デバイス100(本明細書中では、照明デバイスまたは光子放出デバイスとも称す)を示す。光デバイス100は、図1Bに分解図で示されている。「光」とは、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分内の波長を有する電磁放射線を意味する。以下で説明される構造において、光デバイス100は、全体に従来の高強度放電(High Intensity Discharge)(HID)バルブのサイズと比較できるコンパクトなサイズを有することができ、したがって、道路照明、スポットライティング、バックライティング、画像投影、および放射線活性化硬化を含むさまざまな用途におけるランプデバイスの取替品を提供することができる。
【0012】
光デバイス100は、放射線を発生するための固体放射線源104のアレイを含む。放射線は、対応する光学集中装置のアレイ120によって集められ集中される。次に、集中された放射線は、支持構造150によって支持される、対応する導波路のアレイ130内に入射される。これらの特徴の各々をここでより詳細に説明する。
【0013】
例示的な実施形態において、固体放射線源104は、アレイパターンで配置された複数の個別のLEDダイまたはチップを含むが、レーザダイオードを含む他の固体放射線源も適用できる。個別のLEDダイ(die)104は、別々に装着され、動作制御のための独立した電気的接続を有する(すべてのLEDが、それらの共通半導体基板によって互いに接続されているLEDアレイではなく)。LEDダイは、対称な放射線パターンを生成することができ、電気エネルギーを光に変換するのに効率的である。多くのLEDダイが過度に感温性でないので、LEDダイは、多くのタイプのレーザダイオードに比べて、適度のヒートシンクだけで適切に動作することができる。例示的な実施形態において、各LEDダイは、その最も近い隣のものから、少なくともLEDダイ幅より大きい距離だけ離隔される。さらなる例示的な実施形態において、各LEDダイは、その最も近い隣のものから、少なくとも6LEDダイ幅より大きい距離だけ離隔される。これらの例示的な実施形態は、以下でさらに詳細に説明されるように、適切な熱管理を提供する。
【0014】
さらに、LEDダイ104は、−40℃から125℃の温度で動作させることができ、約10,000時間という大半のレーザダイオードの寿命、または約2,000時間というUVアークランプ寿命と比較して、100,000時間の範囲内の動作寿命を有することができる。例示的な実施形態において、LEDダイは、各々、出力強度が約50ルーメン以上であることができる。個別高パワーLEDダイは、クリー(Cree)(クリーのInGaNベースのXブライト(XBright)(登録商標)製品など)およびオスラム(Osram)などの会社から市販されているGaNベースのLEDダイであることができる。1つの例示的な実施形態において、各々の発光面積が約300μm×300μmであるLEDダイ(クリーによって製造された)のアレイを使用して、集中された(小面積、高パワー)光源を提供することができる。矩形または他の多角形形状などの他の発光表面形状も用いることができる。さらに、代替実施形態において、使用されるLEDダイの発光層を、頂点または底面上に配置することができる。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態において、複数のわずかに青色のまたは紫外(UV)LEDダイを使用することができる。代替実施形態において、1つ以上のLEDダイを、好ましくは発光表面上で、青色LEDダイのためのYAG:Ce蛍光体、またはUV LEDダイで使用されるRGB(赤色、緑色、青色)蛍光体の混合物などの蛍光体層(図示せず)で、コーティングすることができる。したがって、蛍光体層を使用して、異なった機構下でLEDダイの出力を「白色」光に変換することができる。蛍光体層の配置および構造は、引用により援用する、「複数の光源を使用する照明システム(Illumination System Using a Plurality of Light Sources)」という名称の、共同所有された、同時に出願された出願(代理人事件番号58130US004)に詳細に記載されている。
【0016】
代替実施形態において、赤色、青色、および緑色LEDダイの集まりを、アレイ内に選択的に配置することができる。結果として生じる発光は、ファイバのアレイ130によって集められ、ファイバの出力端部から発された光は、一斉に一緒に混合されると、観察者によって、着色光または「白色」光として見られる。
【0017】
代替実施形態において、LEDダイアレイを、従来、「白色」光を含む可視領域内の出力を提供することができる面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)アレイと取替えることができる。
【0018】
図1Bに示されているように、LEDダイ104からの発光は、該LEDダイに対応するアレイパターンで配置された複数の光学集中装置120によって受光される。例示的な実施形態において、各光学集中装置は、LEDダイ104の対応する1つから放射線を受ける。例示的な実施形態において、光学集中装置120は、アレイ内に配置された非画像形成(non−imaging)光学集中装置(反射光カプラとも称す)を含む。光学集中装置120の反射表面の形状は、各パワー密度を維持するために、光源104の各々によって発出された放射線の実質的な部分を捕捉するように設計される。さらに、放射線の実質的な部分が導波路130によって使用可能に捕捉され、それらを通して案内されるように、集中された出力を、受光導波路の受容角度基準(acceptance angle criteria)と実質的に一致するように設計することができる。例示的な実施形態において、非画像形成集中装置のアレイ120における各非画像形成集中装置は、二次元(2−D)表面に適合する内部反射表面を有し、その内部反射表面の少なくとも第2の部分が三次元(3−D)表面に適合する。このおよび他の反射表面設計は、同時に出願され、その全体が引用によりここに援用される、「反射光カプラ(Reflective Light Coupler)」という名称の、同一所有者による同時係属中の特許出願(代理人事件番号59121US002)に詳細に記載されている。
【0019】
アレイ120内の各光学集中装置は、例えば、射出成形、トランスファ成形、微細複製、スタンピング、パンチング、または熱形成によって形成することができる。光学集中装置120を形成することができる(単独でまたは光学集中装置のアレイの一部として)基板またはシートは、金属、プラスチック、熱可塑性材料、または多層光学フィルム(MOF)(ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company, St. Paul, MN)から入手可能な増強鏡面反射体(Enhanced Specular Reflector)(ESR)フィルムなど)などのさまざまな材料を含むことができる。光学集中装置120を形成するために使用される基板材料は、その反射性を増加させるために、銀、アルミニウム、または無機薄膜の反射多層スタックなどの反射コーティング材でコーティングするか、単に研磨することができる。
【0020】
さらに、光学集中装置のアレイを、LEDダイの下方、周り、または上方に配向することができるように、光学集中装置基板を配置することができる。例示的な実施形態において、光学集中装置基板は、LEDアレイ上にまたはLEDアレイに近接して配置され、アレイ120の各集中装置を、各LEDダイ104の上で摺動可能に形成することができ、光学集中装置の下部開口部123(図4を参照のこと)は、LEDダイ104の周囲の周りの密な嵌合をもたらす。代替集中装置設計は、LEDダイが支持された基板上の反射コーティングの付加的な使用を含む。
【0021】
図1Bに示された実施形態の態様は、各放射線源と、対応する光学集中装置と、対応する導波路との間における1対1の対応である。各光学集中装置表面は、いくつかの用途において蛍光体コーティングLEDダイであることができる対応するLEDダイからの等方性発光を、対応する受光導波路の受容角度基準を満たすビームに変換するように設計される。上述したように、この集中装置表面設計は、LEDダイから発出された光のパワー密度を維持するのを助ける。
【0022】
図1Bを再び参照すると、集中された出力放射線は、光ファイバのアレイとして図1Bに示された複数の光導波路130によって受光され、各導波路は、入力端部132と、出力端部133とを有する。この例示的な実施形態は、大きいコア(たとえば、400μmから1000μm)のポリマークラッドシリカファイバ(ミネソタ州セントポールの3Mカンパニーから入手可能な、商品名TECS(登録商標)で販売されるものなど)のアレイ130を含む。さらなる例示的な実施形態において、光ファイバ130の各々は、コア直径が約600μmから650μmのポリマークラッドシリカファイバを含むことができる。例示的な実施形態において、ファイバの長手方向の長さは、長さが約1から5インチ(2.5cm〜12.5cm)であることができる。例示的なファイバが非常に可撓性であるので、この短い距離は、依然として、ファイバを、出力端部において密なパターン化された束で配置する能力を提供する。さらに、その短い長さは、従来のHIDランプのサイズと比較できるサイズを有する非常にコンパクトなデバイスを提供する。当然、ファイバ長さは、他の用途において出力で有害な影響を引起すことなく、増大させることができる。
【0023】
例えばLEDダイ光源の出力波長のようなパラメータによって、従来のまたは特殊化シリカファイバなどの他のタイプの光ファイバも、本発明の実施形態によって使用することができる。例えば、ポリマーファイバが、濃青色またはUV光源を伴う用途でソラリゼーション(solarization)および/またはブリーチング(bleaching)を起こしやすいことがある。この例示的な実施形態において、照射されるべき光開始剤(photo−initiator)または他の硬化性材料のタイプに基づいて、450nm以下の波長において低損失である光ファイバ/導波路を使用することができる。
【0024】
あるいは、本明細書を理解した当業者には明らかなように、平面導波路、ポリマー導波路、可撓性ポリマー導波路などの他の導波路タイプも、本発明に従って使用することができる。
【0025】
一旦、LEDダイによって発出された光が、集中装置によって集められ、受光ファイバ内に再び向けられると、このファイバは、全内部反射による低光学損失をもって、光を特定の位置に送ることができる。しかし、受光ファイバは、光を送るのに役立つだけでなく、密に詰められたファイバ束など、ファイバを、LEDダイアレイのより広い間隔から、出力開口における1つまたは複数のより密な間隔に変えることによって、(比較的)分散されたLEDアレイからの光を、非常に小さい領域に効果的に集中させることができる。また、例示的な受光ファイバコアおよびクラッディングの光学設計により、入力端部のみならず出力端部におけるファイバの開口数(Numerical Aperture)(NA)によって、束にされた端部群から発出する光ビームを成形することができる。ここで説明されるように、受光ファイバは、光集中およびビーム成形、ならびに光搬送を行う。
【0026】
光ファイバ132は、光ファイバの1つ以上の出力端部133上に、ファイバレンズをさらに含むことができる。同様に、光ファイバ130の受光端部132は、各々、ファイバレンズをさらに含むことができる。ファイバレンズ製造および実現例は、引用によりここに援用する、同一所有者による同時係属中の米国特許出願第10/317,734号明細書および米国特許出願第10/670,630号明細書に記載されている。あるいは、放射照度を集束させ、拡散させ、平行にし、または偏光させるために、レンズ、レンズレット(lenslet)、ミラー、または偏光子などの光学素子を、ファイバの第2の端部に隣接して配置することができる。その光学素子は、多数のファイバを横切って連続していても良いし、または別々であっても良い。
【0027】
アレイ130の各光ファイバの第1の端部を支持するために、ファイバアレイコネクタ134を使用することができる。例示的な実施形態において、ファイバアレイコネクタ134は、成形プラスチック材料などの剛性材料を含み、複数の開口が、光学集中装置120のパターンに対応するパターンを有する。各開口は、アレイ130の光ファイバの入力端部132を受容し、それとの直接の接合を行うことができる。
【0028】
例示的な実施形態において、LEDダイ104のための熱管理、およびLEDダイ104への電気的接続を行うために、剛性または可撓性の相互接続回路層を使用することができる。図1Bに示されているように、相互接続回路層は、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company, Saint Paul, MN)から入手可能な3M(登録商標)フレキシブル(Flexible)(またはフレックス(Flex))回路(Circuits)などの多層構造を含むことができる。たとえば、多層相互接続層は、たとえば銅または他の熱伝導性材料から製造された金属装着基板112と、電気絶縁誘電体層114と、パターン化導電層113とを含むことができ、LEDダイは導電層113の接合パッド(図示せず)に作動的に接続される。電気絶縁誘電体層114は、たとえば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスルホン、またはFR4エポキシコンポジットを含む、さまざまな適切な材料を含むことができる。導電性熱伝導性層113は、たとえば、銅、ニッケル、金、アルミニウム、スズ、鉛、およびそれらの組合せを含む、さまざまな適切な材料を含むことができる。
【0029】
例示的な実施形態において、および以下でより詳細に説明するように、ピクセル化放射線出力を得るために、LEDダイ104の1つ以上のグループが、LEDダイの他のグループから離れて、互いに相互接続される。図示しないビア(via)を使用して、誘電体層114を通して延ばすことができる。金属装着基板112は、ヒートシンクまたは熱消散アセンブリ140上に装着することができる。基板112は、電気絶縁性で熱伝導性材料の層116によって、ヒートシンク140から分離することができる。例示的な実施形態において、ヒートシンク140は、動作中、LEDダイアレイから熱をさらに引き出すために、一連の熱伝導体ピンをさらに含むことができる。
【0030】
1つの例示的な実施形態において、各LEDダイ104自体は、金属/回路層113上であって、誘電体表面114の窪んだ部分内に存在することができる。相互接続回路の実現例が、その全体が引用によりここに援用される、「フレキシブル回路LED熱パッケージ化(Flexible Circuit LED Thermal Packaging)」という名称の、現在係属中の、共同所有された出願(代理人事件番号59333US002)に記載されている。
【0031】
別の実施形態において、より剛性のあるFR4エポキシベースのプリント配線基板構造を、電気相互接続のために使用することができる。さらに別の実施形態においては、LEDダイアレイを接続するために、必要に応じて、適切な基板上に導電性エポキシまたは導電性インクをパターン化して、低コスト回路を提供することができる。
【0032】
固体光デバイス100は、支持構造をさらに含む。図1Bの例示的な実施形態において、支持構造は、入力開口152と、出力開口154とを有するハウジング150として構成される。ハウジング150は、導波路となるアレイ130の歪みを緩和し、外部光源による導波路130への損傷を防止することができる。さらに、ハウジング150は、以下でより詳細に説明するような、車両への用途に好ましい剛性支持体を提供することができる。その導波路130が光ファイバである場合、その支持構造は、導波路130の第2の端部の周囲部分と接して配置されたバンディング(banding)156をさらに含むことができる。バンディング156は、以下でさらに詳細に説明するように、導波路130の出力端部134を、選択された出力パターンで分配するのに役立つ。
【0033】
さらに、ファイバアレイコネクタ134は、ハウジング150の入力開口152に受容されるためのリッジまたは窪みを含むことができる。ハウジング150をファイバアレイコネクタ134に接合するか他の態様で取付けることができるが、例示的な実施形態において、ハウジング150はファイバアレイコネクタ134上でスナップ嵌合される。
【0034】
例示的な構成方法において、ファイバは、最初、ファイバアレイコネクタ内に装填され、コネクタに接合される。取付具(図示せず)を使用して、ファイバを、整ったグループとするように各列でグループ化することができる。取付具は、各ファイバを入力端部から出力端部まで繰返し可能に位置決めする多数のパーティションを含むことができる。さらに、取付具は、ファイバが、互いにクロスオーバしないように、かつ、出力端部に方向付け可能なように設計することができる。この出力端部を固定するために、剛性または可撓性バンディング、たとえばポリマー材料を使用して、ファイバの位置を所望の出力パターン内に固定する。次に、歪み緩和/支持ハウジングを、ファイバおよびバンディング上で摺動し、ファイバアレイコネクタに固定することができる。バンディングを、従来の接着剤または接合素子の使用によって、ハウジングの出力開口内に固定することができる。あるいは、支持構造は、ファイバ束全体にわたって該ファイバ束の周りに形成された封入材料を含むことができる。
【0035】
あるいは、支持構造150は、導波路130の一部に塗布可能なバインディングエポキシなどの接着剤材料を含むことができ、接着剤が硬化すると、導波路が所望のパターンで固定される。
【0036】
ファイバアレイコネクタ134、集中装置アレイ120、相互接続回路層110、およびヒートシンク140を一緒に整列させるために使用することができる1つ以上の整列ピン160によって、全体的な整列をもたらすことができる。整列ピン160を受容するために、デバイス100の上述の部品の各々に、図2に示された整列穴162などの一連の整列穴を形成することができる。相互接続回路層に対する光学集中装置アレイ120の整列を、基準(fiducials)(図示せず)の使用によって行うことができる。
【0037】
図2は、固体光デバイス100のフットプリントを示す。この例示的な構成において、60個のLEDダイ104のアレイを、実質的に矩形のアレイパターンで、ヒートシンク140上に装着された相互接続回路層110上に設けることができる。当然、本発明によれば、LEDダイのアレイは、実質的により大きいまたはより小さい数のLEDダイ104を含むことができる。しかし、各LEDダイの幅が約300マイクロメートルであり、各LEDダイ104を、その最も近い隣のものから、LEDダイ幅を超えて離隔することができるので、本発明の固体光源は、高い総パワー密度、コンパクトなフットプリント面積(約1in2から4in2、または6.5cm2から26cm2)と、適切な熱制御を提供することができる。さらに、例示的な実施形態において、ファイバの出力端部133(図1Bを参照のこと)のフットプリントは、さらにコンパクトな、例えば、約0.1in2から1in2(0.65cm2から6.5cm2)程度にすることができる。あるいは、出力端部のフットプリントは、以下で説明する実施形態のいずれかに示されているように、1つの方向における長さを別の方向の長さよりはるかに長くすることができる。
【0038】
固体光デバイス100の側面図が図3に示されている。この例示的な実施形態において、相互接続回路層110(その上にLEDダイが装着された)はヒートシンク140上に配置され、ヒートシンク140は、出力開口154と反対の方向に延びる熱消散ピン142をさらに含む。さらに、上述したように、ハウジング150は、ファイバアレイコネクタ134上へのスナップ嵌合を考慮して、突出部153を含むことができる。光学集中装置120のアレイは、ファイバアレイコネクタ134と相互接続層110との間に配置される。この実施形態において、ファイバ130は、ファイバアレイコネクタ134、およびハウジング150の出力開口154内に配置されたバンディング156によって支持される。
【0039】
図4により詳細に示されているように、固体光デバイスの例示的な構造が、ファイバアレイの個別の光ファイバ131と集中装置アレイの個別の光学集中装置121との間の整列不良を低減するファイバ−集中装置整列機構を含む。特に、ファイバアレイコネクタ134は、光学集中装置アレイ基板の窪み部分125に係合する突出部分135をさらに含むことができる。したがって、ファイバ131はファイバアレイコネクタ134の開口内で受けられる。次に、ファイバアレイコネクタは、突出部135が窪み125によって受容されるように、光学集中装置基板上に配置される。このように、光学集中装置121の出力開口126は、ファイバ131の入力端部と実質的に同一平面とすることができる。さらに、この例示的な設計では、ファイバの多数の入力端部を同時に研磨することができ、ファイバ端部は光学集中装置に対して位置決めされる。
【0040】
図4の構造例において、光学集中装置121の受け開口123を、対応するLEDダイ104の発光表面に近接するように、またはその周囲を囲むように配置することができる。示されていないが、光学集中装置基板と相互接続回路層との間に配置されたスペーサが、これらの2つの構成要素の間の適切な間隔を設定することができる。次に、光学集中装置基板を、スペーサに取付けるか、そうでなければ従来の技術を用いて相互接続回路層に接合することができる。
【0041】
図4は、LEDダイ104を相互接続層110に接合するために導電性エポキシ115を含む例示的な多層相互接続110の断面をさらに示す。第1および第2の導電層113、111(例えば、ニッケルおよび金、または他の導電性材料を含むことができる)が、アレイ内の各LEDダイへの電気トレースをもたらし、誘電体層114(例えば、ポリイミド)が、電気絶縁をもたらすために配置される。基板112(例えば、銅)が、導電層および絶縁層を支持し、かつヒートシンク140への熱伝導性をもたらして、熱を発光方向とは逆に伝導するために設けられる。
【0042】
ここで説明される原理によれば、固体光デバイスは、同時に1つ以上の方向に、高度に方向性のおよび/または成形された出力発光をもたらすことができる。図1Aおよび図1Bに示されているように、ファイバアレイ130の出力端部133を、矩形または正方形出力をもたらすようにパターン化することができる。図5A〜図5Fは、特定の用途に必要とされる照明によって使用することができる、ファイバアレイのための代替の再構成可能な出力端部パターンを示す。例えば、図5Aは六角形出力ファイバパターン133Aを示し、図5Bは円形出力ファイバパターン133Bを示し、図5Cはリング形出力ファイバパターン133Cを示し、図5Dは三角形出力ファイバパターン133Dを示し、図5Eは線形出力ファイバパターン133Eを示す。さらに、図5Fに示されているように、代替の例示的な実施形態において、セグメント化出力パターン133Fとすることができ、多数の個別のファイバ出力グループを、特定の目標照明のために使用することができる。いくつかの用途において、ファイバの出力端部を固定するバンディングを、鉛、スズ、および亜鉛ベースの材料ならびに合金などの、可撓性を有する材料から形成することができるので、ファイバ出力パターンは再構成可能である。
【0043】
図6A〜図6Cに示されているように、固体光デバイスの出力は方向付け自在にすることができ、1つ以上の異なった方向を同時にまたは交互に照明することができる。図6Aは、例えば、3つの異なったグルーピング233A、233B、および233Cで配列されたファイバ出力端部233を示す。例えば、固体光デバイスは、通常の動作下で出力端部233Aを通して前方に出力照明をすることができる。トリガ信号の場合、出力ファイバ233Bに対応するLEDダイを活性化することができ、付加的な照明を、出力ファイバ233Bを通してその側方にもたらすことができる。同様に、出力ファイバ233Cに対応するLEDダイを活性化して、付加的な照明を、さらに他の側方にもたらすことができる。
【0044】
図12に関して以下で説明するような硬化用途において、ファイバ出力の「方向付け」は、複雑な三次元部品および構造の放射線硬化を促進することができる。これらのタイプの構造は、従来の光源での「フラッド」タイプ硬化には十分に適しておらず、というのは、シャドーイング効果が不均一な硬化をもたらすからである。さらに、剛性回路基板上に配列された従来のパッケージ化LEDのアレイは、複雑な形状に対応するように容易に曲げられない。
【0045】
あるいは、方向付け自在な照明システムを、図5Eに示されているような、ファイバの横方向に延びた出力配列を使用して提供することができ、以下で説明するピクセル化制御回路(例えば、図9Aおよび図9Bを参照のこと)は、照明されたファイバのブロックを一方の側から他方の側まで活性化することができる。このように、用途によって、出力照明を特定の方に(またはそれから離れて)向けることができる。
【0046】
このように、非機械的方法を用いて、固体光デバイスから方向付け自在な出力照明を行うことができる。あるいは、本明細書を理解した当業者には明らかなように、より多いまたはより少ないファイバグループを使用することができる。さらに、グループは異なった相対配向とすることができる。
【0047】
図6Bにおいて、異なったファイバグループを安定に支持するために使用することができる構造が示されている。例えば、バンディング256が光ファイバの出力端部に設けられる。バンディング256は、第1の開口254、第2の開口254A、および第3の開口254Bを形成することができ、開口254Aおよび254B内に配置されたファイバは、開口254内に配置されたファイバと異なった方向に光を出力する。さらに、図6Cに示されているように、バンディング256は、固体光デバイスの支持構造の一部として、ハウジング250に接続するか、ハウジング250と一体とすることができる。
【0048】
あるいは、図7に示されているように、固体光デバイスは、ファイバ出力端部の1つの束から方向付け自在な光を発生することができる。例えば、ファイバ出力端部133を、図6Bからの出力開口254などと同じ位置に設けることができる。この例示的な実施形態において、ファイバ出力端部129として示された、これらの出力端部の一部は、ファイバ出力端部の残り133と異なった角度、またはさらには実質的に異なった角度で(例えば、ファイバ軸に対して10から50度だけ)、角度研磨される。結果として生じる発光は、ファイバ端部133の出力方向と異なった方向に向けられる。したがって、図6A〜図6Cに関して上述した用途と同様に、固体光デバイスは、前方(出力端部133を通して)および側方(出力ファイバ129を通して)の両方において出力照明を行うことができる。
【0049】
図13に示された方向付け自在な照明をもたらすための代替実施形態において、ファイバアレイコネクタ734から延びるファイバを、多数のオフセットファイバ束、すなわち、中心束730Aならびにサイド束730Bおよび730Cのように束にすることができる。ファイバ束の出力端部から発出された光は、非球面レンズなどの多焦点レンズ750によって受光され、出力を、オフセット束からさらに所望の異なった照明領域751A、751B、および751Cに向ける。
【0050】
本発明の例示的な実施形態においては、固体光デバイスを、放電タイプ照明光源のバルブ取替品として使用することができる。例えば、既存のレセプタクルへの取付けを、図8に示されたフランジ139の使用によって行うことができる。フランジ139は、例えばファイバアレイコネクタ134の周囲部分に配置することができる。フランジは、そのようなレセプタクルのロッキングスロットに係合するように設計することができる。あるいは、フランジは、ハウジングまたは光学集中装置基板などの、固体光デバイスの他の構成要素上に形成することができる。
【0051】
本発明の別の実施形態によれば、図9Aに示されているように、開口成形および/または動的ビーム移動のために用いることができるピクセル化光制御を考慮した照明システム300が提供される。システム300は、上述した固体光源100と同様に構成された固体光源301を含む。制御装置304が、配線302およびコネクタ310を介して固体光源301に結合され、コネクタ310は、相互接続回路層に接続することができる。電力/電流を固体光源301に与えるために、電源306が制御装置304に結合される。
【0052】
例示的な実施形態においては、制御装置304は、固体光源301内に収容された個別のLEDダイまたはLEDダイのグループを選択的に活性化するように構成される。さらに、受光導波路がLEDダイと1対1の対応で設けられるので、照明システム300はピクセル化出力をもたらすことができる。このタイプのピクセル化制御は、異なって着色された(例えば、RGB出力用の赤色、緑色、および青色)または同様に着色された(例えば、白色、青色、UV)LEDダイの制御を可能にする。
【0053】
図9Bは、固体光デバイス内に収容されたLEDダイのアレイにピクセル化をもたらすことができる制御回路305の例を示す。この例において、60個のLEDダイ(LD1〜LD60)がLEDダイアレイ内に設けられ、これらは、各々20個のLEDダイの3つの大きいグループ(314A〜314C)にグループ化され、これらは、各々、各々5個のLEDダイのより小さいサブグループまたはチャネル(たとえば、LD1〜LD5)にさらに分けられる。全体的に、この例示的な実施形態において、各々5個のLEDダイの12個のチャネルを別々に制御することができる。1つの実現例において、RGB出力用途において、LEDダイの第1のグループが赤色発光LEDダイを含むことができ、LEDダイの第2のグループが青色発光LEDダイを含むことができ、LEDダイの第3のグループが緑色発光LEDダイを含むことができる。あるいは、別の実現例において、LEDダイの第1、第2、および第3のグループは、「白色」発光LEDダイを含むことができる。
【0054】
さらに、相互接続回路層は、また、異なったLEDダイグループのための個別の相互接続をもたらすように設計される。異なったタイプのLEDダイグループ、およびより大きいまたはより小さい数のLEDダイも、ここで説明される原理に従って使用することができる。この構成では、個別のRGB LEDダイチャネルを駆動して、「白色」または他の着色出力をもたらすことができる。さらに、LEDダイの劣化によって、特定のダイオードチャネルが故障するか薄暗くなった(dimmed)場合、隣接したチャネルをより高い電流で駆動することができ、出力照明が変わらないままであるように見える。(比較的)広いLEDダイ間隔、および/または相互接続層の熱管理能力のため、LEDダイチャネルのいくつかへの、より大きい駆動電流が全体的な性能に悪影響を及ぼすことはない。
【0055】
より詳細には、電圧が電源306によって回路305に与えられる。電圧は、ブーストコンバータチップ312A〜312C、およびそれらに関連したエレクトロニクス(図示せず)によって、安定化出力電流/電圧に変換される。このように、電源306からの電圧ばらつきを軽減することができ、LEDダイに供給される電流/電圧は、安定化レベルに維持される。チップ312A〜312Cは、例えば、ナショナルセミコンダクター(National Semiconductor)から入手可能なLM2733チップを含むことができる。この例示的な実施形態において、駆動電圧/電流パラメータが80〜100mAにおいて約20ボルトであることができ、したがって、LEDダイアレイ全体について合計約1.0から1.2Aを与えることができる。次に、駆動電流/電圧は、アレイ内の異なったLEDダイチャネルに供給される。この例において、各LEDダイは公称約20mAのバイアス電流を必要とし、バイアスしきい値は、電流が増加するにつれて増加し、典型的なGaNベースのLEDダイについて約4.0Vに近い。当然、異なるLEDダイ効率または組成が、異なるバイアスレベルおよび駆動レベルを必要とするであろう。
【0056】
さらに、LEDダイチャネルごとに総最大電流を設定するために、回路305に抵抗器/サーミスタチェーン316を含めることができる。さらに、対応する数のLEDダイチャネル電子スイッチを含むスイッチセット318を設けることができ、各特定のLEDダイチャネルを活性化するために、各LEDダイチャネルは、接地に(または、スイッチセット318に対するLEDの向きによっては、電源に)結合される/切離される。スイッチセット318は、特定の用途に必要な照明パラメータに基づいて、マイクロコントローラ(図示せず)または遠隔スイッチによって自動制御することができる。当然、本明細書を理解した当業者であれば分かるように、この回路アーキテクチャは多くの実現例および修正を可能にする。たとえば、制御回路305を、同じ電流ですべてのLEDダイを駆動するように実現することができるか、あるいは、所与のLEDダイチャネルを自動的にまたはコマンドでオン/オフにすることができる。固定抵抗または可変抵抗をスイッチセットのスイッチ脚部に付加することによって、異なる電流を各チャネルに与えることができる。
【0057】
図10は、スポット硬化のために使用することができるランプ用途に使用される例示的な固体光デバイス401の概略図を示す。例えば、上述した実施形態によって構成することができる固体光デバイス401は、コンパートメント402内に配置される。光デバイス401は、レセプタクルのスロット438内で摺動しロックするように構成された、摺動可能に係合するフランジ439の使用によって、コンパートメント402内に固定することができる。したがって、熱を光出力の方向とは逆に引くヒートシンク440は、別個のコンパートメント404内に配置される。ビーム成形出力照明は、光学素子415によって、要求に応じた照明パターンに集め/集束させることができる。光学素子415は、適用できる標準に従う選択された出力パターンを与えるように設計することができる。光学素子例としては、非球面/アナモルフィック光学素子、および/または不連続および/または非分析的(スプライン)光学素子を挙げることができる。
【0058】
この方法では、コンパートメント402内に配置された複雑な反射光学系の使用を回避することができる。さらに、熱がコンパートメント402から逆方向に引かれるので、コンパートメント402内にある残りの光学素子も特別に熱処理する必要がなく、したがって、連続的な高強度熱に曝すことによって引起される潜在的な性能劣化を回避する。さらに、固体光デバイス401に、図6A〜図6Cにおいて上で示されているような出力ファイバおよび出力開口構造が設けられる場合、従来のHIDランプからの出力を操縦するときに現在使用しなければならない、移動ミラー、バルブ、および/またはレンズ機構を使用する必要なく、操縦可能な出力照明を行うことができる。
【0059】
ここで説明される固体光デバイスは、また、他の用途に使用することができる。例えば、図11は、固体光デバイス501(図1Aおよび図1B、および/またはここでの他の実施形態に示された構造と同様の構造を有する)が硬化装置500内に収容された、図解的な、極めて局所化された(たとえば、歯科用)硬化用途を示す。固体光デバイス501は、硬化装置500のハンドル部分510内に配置することができる。さらに、LEDダイまたは他の固体光発生源からの出力を受け案内するために使用される出力ファイバは、硬化性材料の上に直接配置することができる光送出アーム525を通して延ばすことができる。この用途において、照明を受ける材料の硬化態様によって、UVおよび/または青色放射線源を使用することができる。
【0060】
図12に示された例示的な実施形態において、ウェブ硬化ステーションなどの概略的な材料硬化装置が提供される。たとえば、接着剤、テープ、またはウェブベースの製造において、放射線硬化性剤は、しばしば、異なった材料または基板上で硬化させなければならない青色/UV硬化性材料である。従来の方法において、高強度放電、アークランプ、およびマイクロ波駆動ランプが、しばしば、硬化プロセスを行うために使用される。しかし、これらの従来のランプは、光および熱を360度で放射し、したがって、複雑な熱交換および/または冷却機構を必要とする。あるいは、いくつかの従来の方法において、基板材料およびUV硬化剤を、高強度の熱に耐えるようにしなければならない。
【0061】
従来の硬化システムに見出された加熱問題への解決策が、図12に概略的に示されており、硬化ステーション600が固体光デバイス604(図1Aおよび図1Bにおけるような、上述したそれらの実施形態と同様に構成された)を含み、固体光デバイスの熱消散またはヒートシンク構成要素を、熱交換ユニット602に結合するか熱交換ユニット602と取替えることができる。上述したように、固体光デバイスの放射線源によって発生された熱は、適切なLEDダイ間隔、熱伝導性相互接続回路、および/またはヒートシンクによって、光出力の方向と逆方向に引かれる。硬化ステーション600は、連続硬化動作のため、および/またはピースパーツ(piece parts)、スポット硬化、またはシートのために使用することができる。
【0062】
さらに、固体光デバイス604は、高度に集中された放射線を放射線硬化性材料に送出することができ、したがって、放射線硬化のための従来のLEDアレイを使用するときに明らかなことである、硬化の不十分な深さによって引起される有害な影響を低減することができる。たとえば、図1A、図1B、および図2に関して上述したように、LEDダイフットプリントを元のLEDダイアレイ領域のフラクションに集中させることができる。例えば、出力端部のフットプリントは、LEDダイアレイのフットプリントより2〜5倍だけ小さいことができ、対応する強度は、ファイバアレイの端部において単位面積当たりにおいて増加する(結合損失を含む)。例えば、各LEDダイはGaNベースのLEDダイであることができ、出力パワー密度は、公称365nmの放射線の、ダイ当たり100mW/cm2に近づく。結果として生じる放射照度値は、典型的には公称365nmの放射線の約2W/cm2を出力する従来の高パワー(600W/in)集束水銀紫外ランプの出力に近づくか、超えることさえできる。
【0063】
LEDダイまたは他の放射線発生源の集中された出力は、歪み緩和ハウジング630内に配置された導波路アレイによって集め案内し、放射線硬化性材料または配合物650に送出することができる。放射線硬化性材料としては、例えば、適切な光開始剤またはブレンドを伴う、アクリレートまたはエポキシモノマーおよび/またはオリゴマーを挙げることができる。放射線硬化性材料または配合物650は、基板652上に配置することができる。基板例としては、連続ポリマー、テキスタイル、金属箔などを挙げることができる。
【0064】
大量の材料のシートまたは連続硬化を提供するために、基板652を、移動プラットフォームまたはコンベヤベルトなどのプラットフォーム上に配置することができ、あるいは基板652を、移動ローラ(図示せず)の間に吊るすことができる。図5A〜図5Fに関して上述したように、例えば光ファイバなどの導波路の出力端部を、いくつかの異なった再構成可能なパターンで配列することができ、したがって、非常にさまざまな形状、および/または硬化深さ要件を有する材料を硬化するのに特に適した固体光デバイスを製造することができる。
【0065】
たとえば、上述したように、ファイバの出力端部を選択されたパターンで配列することができる。硬化用途において、選択されたパターンは、コーナ、裂け目、および従来の「フラッド」タイプ光源から均一な硬化放射線を受けない他の構造を有するピースパーツ基板の硬化を提供するように、選択することができる。このように、シャドー効果を、ファイバの出力端部を適切に配列することによって、低減することができる。
【0066】
さらに、装置600は、固体光源604に結合された制御装置670をさらに含むことができる。1つの制御装置ユニットとして、または1組の制御装置ユニットとして実現することができる制御装置670は、例示的な光開始剤の優先吸収バンドに対応する放射線を発出するために、および/または異なったタイプの配合物を硬化させるために、LEDダイアレイの異なったLEDダイを選択的に活性化するようにすることができる。例えば、制御装置670は、固体源604のLEDダイアレイ内の異なったLEDダイセクションまたは個別の(独立した)チャネルに対応する多数の異なった制御セクション(たとえば、制御セクション670a〜670d)を含むことができる。あるいは、多数の独立した制御装置ユニットを使用して、各LEDダイチャネルを個別に制御することができる。制御は、電気的または機械的切替えを用いて、例えば、トグルスイッチ(図示せず)を使用して行うことができる。
【0067】
各LEDダイセクションは、例えば、他の組のLEDダイと異なった波長で放射線を発出し、および/または放射線硬化性材料650の異なったセクションを照射する1組のLEDダイを含むことができる。上述した例示的なピクセル化回路を使用して、装置600は、したがって、同じ硬化デバイスを使用して異なったタイプの材料を硬化させる際により大きい柔軟性をもたらすことができる。例えば、LEDダイの1つ以上のグループを選択的に活性化して、例えばオンまたはオフに切替えて、硬化性材料中の1つ以上の光開始剤に対応することができる。
【0068】
本発明のこの例示的な実施形態において、複数の固体源から発出された放射線を、予め規定されたパターンに集中させることができ、照射表面は、もしそうでなければ互いにおよび前記照射表面に密に近接して配置された前記光源によって達成できたであろう強度よりもはるかに高い強度を受ける。上述した硬化装置は、連続基板、シート、ピースパーツ、スポット硬化、および/または3D放射線硬化プロセスのために使用することができる。
【0069】
ランプを使用する従来の硬化デバイスと比較して、図12の硬化装置600は、より長い寿命、より小さいパワー要件、より大きい効率、小さい形状因子(密な隙間硬化用途の場合)を提供することができ、基板および/または化学(chemistry)(感熱性製品構造には特に重要である)へ放射される赤外線がほとんどまたは全くない。
【0070】
本発明のこの例示的な実施形態によれば、出力を選択的にパターン化することができる光導波路と結合された光学集中素子の使用によって、短波長(<500nm)で、より低い強度のLEDダイから、高放射照度レベルを達成することができる。このように、従来の低放射照度問題なしに、より短い波長のLEDダイを使用することができる。さらに、広範囲の光開始剤および光開始剤ブレンドを硬化材料650中に使用することができる。光開始剤の例としては、ITXおよびカンファーキノン(Camphor Quinone)(ビドル−ソーヤー(Biddle−Sawyer)から入手可能)、TPO−L(BASFから入手可能)、ならびにイルガキュア(IRGACURE)およびダロキュア(DAROCUR)シリーズ開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から入手可能)を挙げることができる。
【0071】
また、上述した光ファイバ−集中装置構造を使用することによって、LEDダイ相互間を、直接の熱管理および電気的接続に適した距離(例えば、少なくとも6ダイ幅以上)で離隔することができる。結果として生じる効率的な熱消散は、効果的に、LEDダイの寿命を延ばし、より高い放射照度を維持することができる。さらに、より多いLEDダイを比較的小さいフットプリント内で使用することができるので、放射照度レベルに影響を及ぼすことなく、LEDダイ当たりの電流/電力駆動要件を低減することができる。したがって、本発明の例示的な実施形態によって、より長い総ダイ寿命を達成することができる。
【0072】
低放射照度と関連する問題は、放射照度が低すぎる場合、比較的厚い放射線硬化性配合物の底部の方への硬化の割合が低減されることである。したがって、硬化の深さおよび接着が、いくつかの従来のLEDベースの方法で問題になることがある。硬化の深さの問題は、配合物が、散乱中心または放射線吸収粒子、顔料、または染料を含有する場合強められる。さらに、放射線が、配合物に達する前にキャリヤフィルムまたはロールを通過しなければならない場合、さらなる問題が生じることがある。
【0073】
解決策として、装置600は、1つのレンズまたは複数のレンズをさらに含むことができ、また、(例えば、ファイバレンズ)と一体に形成するか、ファイバの端部から離れて配置して、硬化される材料または配合物に対して放射線をさらに集中させるか、平行にすることができる。そのようなレンズは、照射された配合物内の成分の配向のため、比較的厚いおよび/または高吸収および/または散乱配合物の硬化を促進することができる。例えば、レンズまたはレンズアレイ(この図に示されていない)を、ファイバ/導波路の出力端部から選択された距離に配置することができる。先に述べられたように、放射線源から発生された熱が発光の方向から離れて引かれるので、付加的な出力平行化(output collimating)/集束レンズは、連続的に熱に曝すために特別に処理する必要はない。
【0074】
さらに、本発明のこの例示的な実施形態によれば、装置600は、集中されたパターンを機械横断方向(CMD)および/または機械方向(MD)アレイ内に延ばすことによって、より均一な硬化ビームを提供することができる。従来のランプベースのシステムにおいて、ランプは、それらの長さ方向を横切って少なくとも15%のばらつきを有する。いくつかの場合、ランプの均一性ばらつきは、経時的に30〜40%に劣化することがある。従来のLEDベースの方法において、アレイ内のLEDは分離され、その分離は、アレイを横切る放射照度の不均一性をもたらす。この不均一性は、不均一な硬化によって、最終製品特性に対する潜在的に有害な影響を引起すことがある。
【0075】
本発明の硬化装置は、また、図9Aおよび図9Bにおいて上述したピクセル化回路によって制御可能な異なったタイプのLEDダイのアレイを使用することができる。例えば、ファイバの出力端部を密に結合することができるので、異なったタイプのLEDダイ(例えば、さまざまな強度および/または波長の)をLEDダイアレイに組入れることができ、それにより、機械方向および機械横断方向における均一性の損失を最小にして、波長および/または強度選択硬化装置を作ることができる。さらに、異なった波長のLEDダイをLEDダイアレイに組入れることによって、例えばITXおよびTPO−Lのブレンドなどの例示的な光開始剤の優先吸収バンドに一致する選択された波長で放射線を発出することができる。
【0076】
したがって、硬化装置600は、異なった波長および/または強度で硬化させるように設計することができ、同じ硬化装置を用いて、異なったタイプの配合物を硬化させることができ、装置600を、異なった放射線波長および強度を必要とする異なった配合物を処理する実験室、パイロット、および製造ラインに適するようにすることができる。さらに、ここで説明されるピクセル化制御回路で、装置600は、硬化される材料のタイプによって、特定のLEDダイまたはLEDダイグループを選択的に活性化するように制御することができる。対照的に、従来の方法では、LEDアレイが、通常、1つの特定のタイプのLEDのみで構成される。したがって、異なった波長または強度が従来のシステムで必要とされる場合、配合物吸収に対応するために新たなアレイが必要である。これは、より大きい設備コストおよびより多くの潜在的なメンテナンスを必要とする付加的なモジュールにつながる。
【0077】
装置600は、また、パターン、三次元構造、リソグラフィ、およびマスキングの高解像度硬化に適している。例えば、ファイバの出力端部を、図1Bのバンディング156などの再構成可能なバンディング内に固定することができるので、ファイバの出力端部をパターンに配列して、特定の三次元構造および/またはパーツを硬化させることができる。さらに、基板ベースのプロセスの場合、装置600は、機械横断方向および機械方向における高解像度放射照度プロファイル硬化をもたらすことができる。ファイバの出力端部を密に束にするか密にパターン化することができるので、LEDダイをさまざまな強度で駆動して、滑らかな強度プロファイルを作ることができる。その解像度はファイバ直径のオーダである。対照的に、(熱のため)さらに遠く離隔された従来のLEDアレイは、可変強度プロファイルをもたらす。
【0078】
ここで図14を参照すると、導波路802から発出された光が、放射線偏光可能材料に当たる前に偏光される改質装置の構成例が示されている。図14、および以下で説明される図15〜18に示されているように、導波路802は線状であるが、二次元アレイも適用できることが理解されるであろう。導波路802は、電磁エネルギー波がランダムに配列されるように、偏光されていない光808を出力する。しかし、ある改質用途の場合、放射線改質可能材料を偏光された光で処理することが好ましい。そのような改質用途の一例は、液晶材料の処理である。別の例は、ポリマー鎖の処理である。これらの場合、液晶またはポリマー鎖結合が特定の方法で整列されるようになることが望ましい。液晶またはポリマー結合は、対象材料に当たる放射線の電磁エネルギー波の配列に従って整列される。したがって、光を、対象材料に当たる前に偏光させることは、配列された波をもって液晶またはポリマー結合を整列させることになる。
【0079】
図14の例において、導波路802から発出された光808は、偏光子804に直接当たり、そこで、本質的に円形の領域810をカバーする。導波路802から直接発出された光808が比較的広い角度の発光を有するので、偏光子804は、導波路802から発出された光を無駄にすることを回避するために、広い受容円錐(acceptance cone)を有しなければならない。放射線の特定の波長に効率的な偏光子を用いた場合でさえ、偏光子804を通過して上に放射線改質可能材料が配置された基板806に当たる偏光された光は、比較的低い強度を有する。
【0080】
さまざまな偏光子設計が適用できる。赤外および可視光波長の場合、受入れられる偏光子としては、ブルースター(Brewster)スタック、コーティングされたプレート、多層光学フィルム、吸収偏光子、およびプリズムが挙げられるが、これらに限定されない。しかし、UV波長の場合、受入れられる偏光子は、典型的には、以下で説明されるように導波路からの光の広がり角度を狭くすることを必要とする狭い受容円錐を有する。UV用途に適した偏光子の例としては、ブルースタースタック、多層コーティング光学系、ワイヤグリッド、およびいくつかのプリズムが挙げられる。
【0081】
図15は、導波路902から発出された光が、最初、偏光される前に線に集束される改質装置の構成例を示す。この例において、導波路902から発出された光908は、放射線の経路上で導波路902と偏光子904との間に配置された円筒形レンズ914の軸に沿って線に集束される。偏光子904に達する光は、発出された光の完全な円錐より高い強度を有する線912を形成する。したがって、上に放射線改質可能材料が配置された基板906に達する偏光された光はより高い強度を有する。
【0082】
円筒形レンズは、導波路902のファイバ端部の各々からの光を線に集束させるが、円筒形レンズ914から発出する光910は、円筒形レンズ914の軸に沿って広い広がり角度を有し続ける。したがって、偏光子904も、導波路902から発出された光を無駄にすることを回避するために、少なくとも同じ軸に沿って、広い受容円錐を有しなければならない。上で示されたように、UV用途の場合、受入れられる偏光子は、以下で説明されるように光の広がり角度が低減されることを必要とする、より小さい受容円錐を有する。
【0083】
図16Aは、導波路1002から発出された光が、最初、偏光される前に平行にされる改質装置の構成例を示す。光を平行にすることの1つの利益は、UV偏光子を使用することができることである。この例において、導波路1002から発出された光1008は、レンズレットアレイ1014によって平行にされる。このアレイ1014は、導波路1002のファイバの数および広がり角度に整合した数のレンズレットを有する。偏光子1004の必要な受容円錐は、ファイバ特性だけで定められるのではなく、アレイ1014の各レンズレットの焦点距離および導波路1002の各ファイバのサイズの関数として定められる。したがって、レンズレットアレイ1014は光を平行にし、ここに偏光子1004が必要とする受容円錐は、UV光を受入れる偏光子を含む多くの偏光子によって受入れられる量にまで、減少される。
【0084】
次に、平行にされた光1010は偏光子に達し、各レンズレットからのその平行にされた光1010は、偏光子に当たり、各レンズレットによって規定された形状に従って成形された領域1012をカバーする。図18を参照して以下で示されるように、光をより大きい強度の線に集束させるために、円筒形レンズを偏光子1004と、上に放射線改質可能材料が配置された基板1006との間に含めることができる。
【0085】
図16Bは、レンズが導波路1003の各ファイバの端部に形成され、レンズレットアレイが不要である以外は図16Aの構成と同様の構成を示す。各ファイバのレンズは、ファイバからの光を平行にし、平行にされた光1009は、偏光子1005に当たるときに、減少された円錐を有して、各ファイバのレンズによって規定されるように成形された領域1011をカバーする。再び、偏光された光が、上に放射線改質可能材料が配置された基板1007に当たる前に、光をより大きい強度の線に集束させるために、円筒形レンズを偏光子1005のいずれの側にも配置することができる。
【0086】
図17は、導波路1102から発出された光が、偏光される前に、最初平行にされ、次に線に集束される改質装置の構成例を示す。この例において、光1108は、円筒形レンズ1116と組合されたレンチキュラアレイ1114によって平行にされる。レンチキュラアレイ114がファイバ毎にレンズを有し、ファイバのサイズおよびレンズの焦点距離が、偏光子1104に必要とされる受容円錐を定めることが理解されるであろう。再び、レンチキュラアレイ1114は光を平行にし、偏光子1104に必要な受容円錐は、UV光を受入れる偏光子を含む多くの偏光子に適用できる量にまで、減少される。
【0087】
平行にされた光1110は、偏光子1104に当たり、比較的集束された線状領域1112をカバーする。次に、偏光された光は、上に放射線改質可能材料が配置された基板1106に当たる。図18を参照して以下で示されるように、光をより大きい強度の線にさらに集束させるために、円筒形レンズを偏光子1104と基板1106との間に含めることができる。さらに、レンチキュラアレイ1114が可撓性材料から製造される実施形態においては、円筒形レンズ1116の集束機能を行わせるために、レンチキュラアレイ1114を弓形に曲げることができる。
【0088】
図18は、図16および図17の構成の代替構成を示す。この構成において、導波路1202は光1208を発出し、それは、図16のレンズレットアレイまたは図17のレンチキュラアレイなどの光学素子1218に達する。光学素子1218は、その光を平行にし、次に、平行にされた光1210は偏光子1204に達する。再び、光1210が平行にされているので、偏光子1204に必要な受容円錐は減少され、UV光を受入れられるこれらの偏光子を含む偏光子を選択可能にする。次に、偏光子1204から発出する偏光された光1212は、円筒形レンズなどの第2の光学素子1214に当たる。円筒形レンズの場合、偏光された光1216は線に集束され、次に、それは、上に放射線改質可能材料が配置された基板1206に当たる。
【0089】
これらの構成に関して、組合せとしてのレンズおよび偏光子のパラメータは、強度または偏光の均一性を最適化し、かつ光の損失を最小にするように選択することができる。レンズのために考慮するべきパラメータとしては、導波路の端部からのレンズの距離、およびレンズの直径が挙げられる。これらのパラメータは、導波路の各ファイバのファイバコア直径(Dfiber)、各ファイバの開口数(NAfiber)、および選択された偏光子の受容円錐を含む、これらの既知の値に関連して選択することができる。
【0090】
例として、選択された導波路について、ファイバコア直径Dfiberは600μmに等しく、開口数NAfiberは0.39に等しい。選択された偏光子は、所望の偏光状態とするために、5度の完全な受容円錐を有することができる。レンズを最適化するために、Dfiberすなわち600μmを、0.086以下であるところの、所望の広がり角度の2分の1(5度の2分の1以下)のタンジェントの2倍で割る。これは、レンズの最小許容焦点距離を与え、レンズは、導波路から1つの焦点距離に位置決めされたとき、円錐角度が偏光子の受容円錐の角度と一致する光を生じる。この例において、この最小距離は6.97mmである。次に、導波路を出る光の範囲を定める(subtend)ために必要なレンズの最小直径を、NAfiberの2倍すなわち0.78に、計算された距離すなわち6.97mmを乗じることによって近似する。この例の結果として生じる直径は5.44mmである。これらの最小パラメータに対していくらかの公差を与えるために、レンズまでの距離を7mmに選択することができ、レンズの直径は5.5mmに選択される。より長い焦点距離のレンズを選択することが、より小さい広がりをもたらすが、導波路からのすべての光の範囲を定めるために、レンズのF数は、NAfiberの2倍の逆数すなわちこの場合1.28より小さいままでなければならない。
【0091】
図19〜21は、レンズおよび/または偏光子を伴うまたは伴わないものを含む、上述したもののいずれかの装置のLEDダイのパルス駆動を考慮する制御装置の構成を示す。図9Bに関して上述したように、および以下でより詳細に説明するように、制御装置は、個別の各ダイを、他のものと別々にパルス駆動することができ、かつ他のものと異なる強度でパルス駆動するように、個別にダイを制御することができる。アレイのLEDダイの活性化および強度を個別に制御することを、図22〜25を参照して以下でより詳細に説明する。
【0092】
硬化装置のLEDのパルス駆動は、定常状態(steady−state)LEDからの放射線の付与と比較すると、多くの利点を有する。より高い瞬間放射照度を、LEDをパルス駆動することによって達成することができ、これは、空気中でのアクリレートの硬化を考慮し、より厚いコーティングの硬化をもたらす。さらに、LEDをパルス駆動することは、コーティング中に発生する総発熱を少なくしつつ、コーティング中の局所ピーク温度を増加させる。より高い放射照度を達成するために、電流はパルス期間中、増加される。LEDへの損傷を防止するために、電流は、パルス間にオフとされ冷却される。パルス駆動LED硬化による利点としては、増大された硬化深さ、増大された反応速度、加えられた酸素の消耗、および重合反応を開始するためのフリーラジカルの増大された拡散が挙げられる。また、暗硬化(dark cure)への利点があり、硬化される材料が、パルス間の間光に曝されず、ラジカル−ラジカル消滅が最小にされる。具体的には、LEDダイがUV放射線を発出する場合、LEDをパルス駆動することはこれらの利点をもたらし、これらは、より高い分子量の製品の製造をもたらす。
【0093】
図19の制御装置構成は、高周波、短いパルス期間のパルス駆動を行う構成であり、これは、空気中でアクリレートを硬化させること、および比較的厚いコーティングを硬化させることを含むさまざまな改質に有用である。この構成は、電力を固体スイッチ1304に与える可変電圧のDC電源1302を含む。LEDダイへの個別のパルス駆動の場合、固体スイッチ1304は、LEDアレイ1308のLEDダイ毎の個別の切替えを行うことができる。固体スイッチ1304は、パルス発生器1306によって駆動される。パルス発生器は、可変パルス周波数および可変パルス幅の双方を選択することができる。
【0094】
DC電源1302の出力電圧は、所望の値の駆動電流を固体スイッチ1304を介してLEDアレイ1308に与えるように調整可能である。固体スイッチ1304の例は、パルス発生器1306から入力を受けるドライバ回路を有する、例えば電界効果トランジスタ(パワーFET)などのパワートランジスタである。パルス発生器は、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)からのモデル81101Aなどの、さまざまな市販のデバイスの1つであることができる。この特定のパルス発生器は、1MHzから50MHzの周波数を有し、10nsの小さいパルス幅を有する。クリー・オプトエレクトロニクス(Cree Optoelectronics)によって提供されるようなUV LEDの光学立上り時間が、30ns程度であることが知られている。
【0095】
図20の制御装置構成は、低周波および長いパルス期間のパルス駆動を提供する。この構成は、パルス駆動させるように市販のLEDサイン(sign)制御装置1404をプログラムするために使用されるパーソナルコンピュータ1402を含む。次に、LEDサイン制御装置1404は、LEDマトリクス(格子)アレイ1406が、明滅するLEDサインであるかのように、LEDマトリクスアレイ1406のLEDの各々をパルス駆動する。LEDサイン制御装置1404が、可視サインを制御するように設計されるので、パルス周波数は、はるかに低く、25Hz程度である。
【0096】
図21は、中間周波および中間のパルス期間のパルス駆動を提供するさらに別の制御装置構成を示す。この構成は、電力を固体スイッチまたはスイッチアレイ1504に与える可変電圧のDC電源1502を含む。固体スイッチアレイ1504は、XおよびYアレイとして構成されたデジタル出力ボード1508によって駆動され、それはパーソナルコンピュータ1506によって制御される。パーソナルコンピュータ1506は、ナショナルインスツルメンツ(National Instruments)デジタル出力ボード1508を制御するために、ナショナルインスツルメンツ・ラブビュー・バーチャル・インスツルメント(National Instruments LabVIEW Virtual Instrument)プログラムなどの制御プログラムを実装することができる。このプログラムは、LEDが、ランダムに、または特定の周波数で、典型的にはキロヘルツ範囲で、パルス駆動可能とする。
【0097】
図22は、図12に関して上で先に説明したように、硬化または他の改質を高解像度で行うことができるように、個別のLEDダイがそれ自体のチャネルを形成する回路の例を示す。各LEDは、アレイの他のLEDダイに関連して選択的にかつ個別に活性化することができる。したがって、アレイのすべてのLEDを駆動するのではなく、パターンを作るのに必要なLEDのみを活性化することによって、該パターンを放射線改質可能材料内に作ることができる。図22は、電力を、図9Bを参照して上述したようなブースタ回路1604に与えるVcc電源1602を含む。次に、ブースタ回路1604は、電力を個別のチャネル1606A〜1606Fに与え、各チャネルは1つのLEDダイである。次に、スイッチアレイセット1608が、チャネルの1つ以上を選択的に活性化し、これは、1つ以上の個別のLEDダイを選択的に活性化する。したがって、スイッチアレイセット1608は、所望のパターンを作るのに必要なそれらのチャネルのみを活性化するように構成することができる。
【0098】
この回路は、上で示した技術のいずれかと関連して使用することができる。例えば、この回路は、レンズおよび/または偏光子と関連してまたはこれらを伴わずに使用することができる。さらに、この回路は、パルス駆動制御装置を伴ってまたは伴わずに使用することができる。パルス駆動制御装置が含まれる場合、スイッチセット1608は、与えられたパルス駆動信号に従って、選択されたLEDダイを電流が通過することを可能にする。
【0099】
図23は、硬化を高解像度で行うことができるように、個別のLEDダイ1706A〜1706Cがそれ自体のチャネルを形成し、強度を個別のLEDダイ毎に制御することができるように、各チャネルが、Vcc電源1702に接続された電力制御回路1704A〜1704Cを有する回路の例を示す。各個別のブースタ回路1704A〜1704Cを介して各LEDダイ1706A〜1706Cの強度を個別に制御することは、プロファイル硬化または他のプロファイル改質が行われることを可能にし、導波路を横切って与えられる放射照度は、均一でないターゲットと一致させるために均一でない。
【0100】
この回路も、上で示した技術のいずれかと関連して使用することができる。例えば、この回路は、レンズおよび/または偏光子と関連してまたはこれらを伴わずに、ならびにパルス駆動制御装置を伴ってまたは伴わずに使用することができる。
【0101】
図24は、均一でないターゲットの例を示す。この例において、ターゲットは、不均一な構造1810上に配置された硬化性材料1808である。具体的には、この例の構造1810はU字形であり、放射線硬化性材料はその中心において、端部におけるよりも、導波路から遠い。したがって、均一な放射照度が導波路1802を横切って与えられた場合、材料1808の表面は、均一な放射照度を受けない。代わりに、端部では、中心における放射照度より大きい強度の放射照度を受ける。
【0102】
U字形構造1810に対処するために、導波路1802は、均一でない放射照度を出力する。導波路の端部上の放射照度ビーム1804Aおよび1804Bの強度は、中心におけるビーム1806Aおよび1806Bの放射照度より、低い。したがって、材料1808に達する放射照度、すなわち結果として生じる硬化は、横全体により均一である。
【0103】
図25は、また均一でないターゲットの別の例を示す。しかし、この例において、ターゲットは、一端から他端まで、さまざまな透過性、具体的には厚さを有する硬化性材料1910である。したがって、導波路1902における放射照度が均一であった場合、材料の表面における放射照度は、薄い端部1914において厚い端部1912におけるよりも効果が小さく、コーティング全体にわたる硬化が比較的均一でないことがある。
【0104】
材料1910の透過性の変化に対処するために、導波路1902は、均一でない放射照度を出す。厚い端部1912の方に向けられた放射照度ビーム1904の強度は最も高い。材料の中央に向けられた放射照度ビーム1906の強度は、ビーム1904より低い強度を有するが、薄い端部1914に向けられたビーム1908の放射照度より高い強度を有する。したがって、材料1910の硬化は、横全体により均一である。
【0105】
図26は、導波路2002から放射線改質可能材料2006への放射線の付与を制御する代替態様を示す。導波路2002の個別のファイバからの放射線は、導波路2002から発出する放射線の経路上に配置された光弁構造2012によって制御することができる。光弁構造2012は、改質可能材料への光の通過を制御するように動作する。図示するように、所与のファイバからの放射線が遮断されるようにするか、所与のファイバからの実質的にすべての放射線が通過するようにするか、所与のファイバからの放射線強度を連続可変に低減させるために、光弁2012は、1組の偏光子2003、2004と関連して動作することができる。さらに、光弁は、静的状態またはマスク状態で構成することができ、あるいは光弁は、動的であるように制御可能とすることができる。
【0106】
示されているように、光弁構造2012は、光弁セル2016の一次元アレイであり、光弁セル2016の各々は個別に制御可能であり、それにより、受けた放射線の通過を動的に制御する。ここで使用されるように、光弁という用語は、一般に、複数の光弁セル2016を含む光弁構造2012、または個別の光弁セル2016を指す。完全な光弁構造2012、または個別の光弁セル2016のみを、放射線の経路上に配置することができることが理解されるであろう。
【0107】
使用することができる光弁のさまざまな形態がある。図26に示されているように、液晶ディスプレイ(「LCD」)アレイを設けることができる。LCDアレイは、LCDセルを個別の光弁セル2016として使用する。標準LCD制御装置(図示せず)は、個別のLCDセルを、通過する光の偏光の回転を制御するように選択的に制御する。光弁の他の例としては、格子光弁およびデジタルミラーデバイスが挙げられる。格子光弁は、回折格子を形成する多数の静電制御反射リボンを含む光弁セルを使用する。格子光弁の例では、LCD光弁について示されるような直線法ではなく、個別の光弁セルによってもたらされる反射を考慮するために、導波路2002および材料2006に対する光弁の配列を行う。光の強度を制御するために偏向に依存する格子光弁またはデジタルミラーデバイスを使用する構成の例を、図28を参照して以下でより詳細に説明する。
【0108】
図26のLCD光弁は、最初の偏光子2003および最終偏光子2004と関連して動作することによって、改質可能材料に達する光の強度を制御する。最初の偏光子2003は光に特定の偏光を与える。次に、LCD光弁2012は、偏光子を、0から180度までのいずれかで、所与の量だけ回転させる。次に、放射線は最終偏光子2004を通過することになる。しかし、適切な偏光状態を有する光のみが、通常の強度で最終偏光子2004を通過する。偏光状態が、最終偏光子2004の必要な偏光状態から90度である場合、放射線は通過しない。したがって、LCD光弁2012を使用して、必要に応じて偏光状態を回転させて、それにより、最終偏光子2004を通過する放射線の量を制御することができる。個別のLCDセル2016を独立して制御することができるので、いくつかのLCDセルを通過する放射線に、他のLCDセルを通過する放射線と異なった偏光回転を与えることができ、放射線のパターンが最終偏光子2004から発出する。
【0109】
光弁が、放射線改質可能材料に達する放射線の強度を制御するので、この光弁を使用することによって、材料内に所要のパターンを作るか、あるいは図24および図25に示されているようなきわめて不均一な材料の均一性または材料位置の硬化またはその他の改質の均一性を向上させることができる。光弁を通過する光の強度は、光弁を横切る強度プロファイルを所望のパターンにするかまたはそのプロファイルに変更をもたらすように、制御される。したがって、個別のファイバからの強度を、図22〜25に関して上述したように各々を活性化および/または強度制御することなく、実質的に均一にすることができる。
【0110】
説明されるように、図26のこの例は、光弁セル2016の一次元アレイを示す。他の次元のアレイも適用できることが理解されるであろう。しかし、この例に示されているように、一次元アレイ2012などのアレイを適用して、光学素子を使用することによって、導波路2002から発出する光をアレイ2012上に集束させる場合に望ましいであろう。光は集束され、導波路2002からの光の実質的にすべてが、材料2006に達する前に光弁構造2012を通過しなければならない。示された例において、円筒形レンズ2014が、導波路2002から発出する放射線2008の経路上に配置され、円筒形レンズ2014から発出する光2010が光弁2012上に集束されるようになる。
【0111】
さらに、第2の偏光子2004から発出する放射線の通過をさらに変更することも有益であろう。示された例において、第2の光学素子2020が偏光子2004と改質可能材料2006との間に挿入される。具体的には、この例の第2の光学素子は、偏光子から広がる光を取り、それを改質可能材料2006上の点2024の方に再び集束させる投影レンズである。点2024の集まりは、光弁2012によって決められるパターンまたは強度プロファイルに従う線を、形成する。
【0112】
多次元を有する光弁と関連して用いることができる別の向上としては、プリズム状フィルム(図示せず)などの角度制御要素の使用が挙げられる。プリズム状フィルムは、導波路2002を出る高角度光をより良好に使用するために、導波路2002と光弁2012との間に配置される。
【0113】
図27は、放射線改質可能材料に付与される強度プロファイルを滑らかにするための光学系を使用する放射線改質構成を示す。導波路2102が、放射線を、レンズレットアレイなどの光学素子2106の方に出力する。無限の導波路2102の効果をもたらすために、逸脱した放射線を光学素子2106の方に反射させて戻すためのミラー2104Aおよび2104Bを含めることができる。この例において、第1の光学素子2106から発出する光をさらに平行にするために、レンズレットアレイなどの任意の第2の光学素子2108も含まれる。ブラー(blur)フィルタ2110が、第2の光学素子2108と放射線改質可能材料2112との間に配置しても良い。
【0114】
平滑化効果を出すために、放射線経路のいくつかの角度と共に非放射線経路の角度が図27に示されている。非放射線経路2114が、放射線が発出しない、導波路2102のファイバ間の小さい領域から延びる。示されているように、この経路2114は、改質可能材料2112上の点2116まで延びる。しかし、この点2116が放射線に曝されないのではなく、もしそうでなければ曝されない点2116が放射線を受けるように、放射線経路2118がファイバの中心領域から点2116まで延びる。同様に、点2224は高角度経路2122を介して放射線を受けない。しかし、点2224は、経路2120を含む経路を介して放射線を受ける。したがって、光学素子2106および任意に2108は、非画像形成構成をとり、導波路2102から発出する光が、直接画像形成されるのではなく、材料2112においてぼかされる(blurred)。ブラーフィルタ2110は、強度プロファイルを滑らかにするために放射線をさらにぼかすために含めることができる。
【0115】
図28は、パターンを作り、および/または偏光子に対する放射線進入角度を低減するための偏向光弁、放射線改質構成を示す。導波路2202が、放射線を、レンズレットアレイなどの光学素子2206の方に出力する。図26の構成のように、無限の導波路2202の効果をもたらすために、逸脱した放射線を光学素子2206の方に反射して戻すためにミラー2204Aおよび2204Bを含めることができる。この例において、第1の光学素子2206から発出する光をさらに平行にするために、レンズレットアレイなどの第2の光学素子2208も含まれる。
【0116】
この構成は、また、第1の光学素子2206と第2の光学素子2208との間に配置された偏向光弁2210を含む。偏向光弁2210は、格子光弁またはデジタルミラーデバイスであることができる。偏向光弁2210は、必要に応じてパターンを作るように光を選択的に偏向するように、個別に制御可能なセルを有する。
【0117】
偏向を表すために、放射線経路のいくつかの角度と共に非放射線経路の角度が図28に示され、平滑化も示されている。非放射線経路2214が、放射線が発出しない、導波路2202のファイバ間の小さい領域から延びる。示されているように、この経路2214は、改質可能材料2212上の点2216まで延びる。しかし、この点2216が放射線に曝されないのではなく、もしそうでなければ曝されない点2216が放射線を受けるように放射線経路2218がファイバの中心領域から点2216まで延びる。しかし、この例において、偏向光弁2210は活性化されており、点2222は、偏向された経路2220を含む経路を介して放射線を受ける。偏向は、必要に応じて放射線を再び向け、これを使用して、放射線改質可能材料2212にパターンを作ることができる。さらに、偏向は、放射線の進入角度を減少させ、これは、偏光子(この図に示されていない)が光学素子2206と材料2212との間に配置される場合に有用である。
【0118】
本発明を例示的な好ましい実施形態に関して説明したが、本発明を、本発明の範囲から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。したがって、ここで説明され示された実施形態が、例示にすぎず、本発明の範囲を限定するとみなすべきでないことが理解されるべきである。他の変更および修正を、本発明の範囲に従って行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1A】本発明の例示的な実施形態による固体光デバイスを示す斜視図である。
【図1B】本発明の例示的な実施形態による固体光デバイスを示す分解図である。
【図2】本発明の実施形態による相互接続回路上に配置された例示的なLEDダイアレイを示す上面図である。
【図3】本発明の実施形態による固体光源を示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態による非画像形成光学集中装置によって光ファイバに結合された個別のLEDダイを示す詳細図である。
【図5A】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5B】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5C】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5D】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5E】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図5F】本発明の代替実施形態による代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図6A】方向付け自在な出力のための代替ファイバ出力パターンを示す図である。
【図6B】本発明の代替実施形態による方向付け自在な出力のための例示的なバンディングおよび支持構造の実装を示す図である。
【図6C】本発明の代替実施形態による方向付け自在な出力のための例示的なバンディングおよび支持構造の実装を示す図である。
【図7】本発明の代替実施形態による、ファイバの出力端部の一部が、角度研磨された出力面を有する、方向付け自在な出力のための別の代替出力パターンを示す図である。
【図8】本発明の実施形態によるファイバアレイコネクタの代替構造を示す図である。
【図9A】本発明の別の実施形態によるピクシレーションのために適合された固体ライティングシステムを示す図である。
【図9B】本発明の別の実施形態によるピクシレーションのために適合された例示的な制御装置回路を示す図である。
【図10】固体光デバイスの例示的な実装を示す図である。
【図11】歯科用硬化装置の一部として使用される固体光デバイスの別の例示的な実装を示す図である。
【図12】本発明の別の例示的な実施形態による放射線硬化装置を示す図である。
【図13】方向付け自在な出力発光の代替実施形態を示す図である。
【図14】偏光子を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図15】円筒形レンズおよび偏光子の両方を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図16A】レンズレットアレイおよび偏光子の両方を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図16B】導波路の出力端部において各ファイバに形成されたレンズ、および偏光子の両方を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図17】円筒形レンズと組合されたレンチキュラアレイ、および偏光子を含み、かつ基板上に配置された放射線改質可能材料を処理する放射線改質装置を示す図である。
【図18】基板上に配置された放射線改質可能材料を処理することの代替態様として、別の光学素子が続く偏光子と関連して光学素子を含む放射線改質装置の例を示す図である。
【図19】LEDのアレイに、放射線硬化性材料を改質するためのパルス放射線を発生させるためのパルス発生器を含むパルス制御システムの第1の例の概略図を示す図である。
【図20】LEDのアレイに、放射線硬化性材料を改質するためのパルス放射線を発生させるためのLEDサイン制御装置を含むパルス制御システムの第2の例の概略図を示す図である。
【図21】LEDのアレイに、放射線硬化性材料を改質するためのパルス放射線を発生させるためのコンピュータ駆動出力を含むパルス制御システムの第3の例の概略図を示す図である。
【図22】図9のアダプタ回路に対する、LEDアレイの増大された解像度のための別のアダプタ回路を示す図である。
【図23】LEDアレイのための増大された強度制御のための別のアダプタ回路を示す図である。
【図24】図23のアダプタ回路に従う、不均一な構造上に配置された放射線改質可能材料の均一な放射線改質を示す図である。
【図25】基板上に配置されたさまざまな厚さを有する放射線改質可能材料の均一な放射線改質を示す図である。
【図26】高解像度改質をもたらすために光弁を使用する放射線改質装置を示す図である。
【図27】放射線改質可能材料に付与される強度プロファイルを滑らかにするために1つ以上の光学素子を使用する放射線改質装置を示す図である。
【図28】パターンを作るための放射線を偏向するために、および/または偏光子に達する高角度を低減するために光弁を使用する放射線改質装置を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料を改質する放射線を発生するための複数の固体放射線源と、
前記固体放射線源と電気的に通信して該固体放射線源にパルス放射線を発生させる制御装置と、
複数の光学集中装置であって、各該光学集中装置が、前記複数の固体放射線源の1つ以上からパルス放射線を受ける、複数の光学集中装置と、
複数の光導波路であって、各該光導波路が、第1の端部および第2の端部を含み、各該第1の端部が、前記複数の光学集中装置の1つ以上からパルス駆動放射線を受ける、複数の光導波路と、
前記複数の光導波路の第2の端部における少なくとも第1の部分を安定化するための支持構造と、を含む照射装置。
【請求項2】
前記制御装置が、1キロヘルツ未満の周波数におけるパルス駆動放射線を生じさせる請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記固体放射線源がLEDダイであり、前記制御装置がLEDサイン制御装置からなる請求項1に記載の照射装置。
【請求項4】
前記制御装置が、1キロヘルツから1メガヘルツの周波数におけるパルス駆動放射線を生じさせる請求項1に記載の照射装置。
【請求項5】
前記制御装置が、固体スイッチアレイと通信するコンピュータ制御デジタル信号発生器からなる請求項4に記載の照射装置。
【請求項6】
前記制御装置が、1メガヘルツを超える周波数におけるパルス駆動放射線を生じさせる請求項1に記載の照射装置。
【請求項7】
前記制御装置が、固体スイッチアレイと通信するパルス発生器からなる請求項6に記載の照射装置。
【請求項8】
前記パルス駆動放射線の経路上の光学素子をさらに含む請求項1に記載の照射装置。
【請求項9】
放射線改質可能化学配合物を改質することができる放射線を発生するための複数のLEDダイと、
前記複数のLEDダイに電気的に接続されて前記LEDダイにパルス駆動放射線を発生させる制御装置と、
複数の光学集中装置であって、各該光学集中装置が、前記LEDダイの1つ以上から前記パルス駆動放射線を受ける複数の光学集中装置と、
複数の光ファイバであって、各該光ファイバが、第1の端部および第2の端部を含み、各該第1の端部が、前記複数の光学集中装置の1つ以上から、集中されたパルス駆動放射線を受ける複数の光ファイバと、
前記放射線改質可能化学配合物を支持するための基板と、からなる固体放射線源を含む照射システム。
【請求項10】
前記制御装置が、1キロヘルツ未満の周波数を有するパルス駆動放射線を生じさせる請求項9に記載の照射装置。
【請求項11】
前記制御装置が、1キロヘルツから1メガヘルツの周波数を有するパルス駆動放射線を生じさせる請求項9に記載の照射装置。
【請求項12】
前記制御装置が、1メガヘルツを超える周波数を有するパルス放射線を生じさせる請求項9に記載の照射装置。
【請求項13】
前記放射線改質可能化学配合物が、前記パルス駆動放射線の印加によって硬化される請求項9に記載の照射装置。
【請求項14】
前記放射線改質可能化学配合物が、前記パルス駆動放射線によるフリーラジカルの生成によって硬化される、請求項13に記載の照射装置。
【請求項1】
第1の材料を改質する放射線を発生するための複数の固体放射線源と、
前記固体放射線源と電気的に通信して該固体放射線源にパルス放射線を発生させる制御装置と、
複数の光学集中装置であって、各該光学集中装置が、前記複数の固体放射線源の1つ以上からパルス放射線を受ける、複数の光学集中装置と、
複数の光導波路であって、各該光導波路が、第1の端部および第2の端部を含み、各該第1の端部が、前記複数の光学集中装置の1つ以上からパルス駆動放射線を受ける、複数の光導波路と、
前記複数の光導波路の第2の端部における少なくとも第1の部分を安定化するための支持構造と、を含む照射装置。
【請求項2】
前記制御装置が、1キロヘルツ未満の周波数におけるパルス駆動放射線を生じさせる請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記固体放射線源がLEDダイであり、前記制御装置がLEDサイン制御装置からなる請求項1に記載の照射装置。
【請求項4】
前記制御装置が、1キロヘルツから1メガヘルツの周波数におけるパルス駆動放射線を生じさせる請求項1に記載の照射装置。
【請求項5】
前記制御装置が、固体スイッチアレイと通信するコンピュータ制御デジタル信号発生器からなる請求項4に記載の照射装置。
【請求項6】
前記制御装置が、1メガヘルツを超える周波数におけるパルス駆動放射線を生じさせる請求項1に記載の照射装置。
【請求項7】
前記制御装置が、固体スイッチアレイと通信するパルス発生器からなる請求項6に記載の照射装置。
【請求項8】
前記パルス駆動放射線の経路上の光学素子をさらに含む請求項1に記載の照射装置。
【請求項9】
放射線改質可能化学配合物を改質することができる放射線を発生するための複数のLEDダイと、
前記複数のLEDダイに電気的に接続されて前記LEDダイにパルス駆動放射線を発生させる制御装置と、
複数の光学集中装置であって、各該光学集中装置が、前記LEDダイの1つ以上から前記パルス駆動放射線を受ける複数の光学集中装置と、
複数の光ファイバであって、各該光ファイバが、第1の端部および第2の端部を含み、各該第1の端部が、前記複数の光学集中装置の1つ以上から、集中されたパルス駆動放射線を受ける複数の光ファイバと、
前記放射線改質可能化学配合物を支持するための基板と、からなる固体放射線源を含む照射システム。
【請求項10】
前記制御装置が、1キロヘルツ未満の周波数を有するパルス駆動放射線を生じさせる請求項9に記載の照射装置。
【請求項11】
前記制御装置が、1キロヘルツから1メガヘルツの周波数を有するパルス駆動放射線を生じさせる請求項9に記載の照射装置。
【請求項12】
前記制御装置が、1メガヘルツを超える周波数を有するパルス放射線を生じさせる請求項9に記載の照射装置。
【請求項13】
前記放射線改質可能化学配合物が、前記パルス駆動放射線の印加によって硬化される請求項9に記載の照射装置。
【請求項14】
前記放射線改質可能化学配合物が、前記パルス駆動放射線によるフリーラジカルの生成によって硬化される、請求項13に記載の照射装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2007−515270(P2007−515270A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542703(P2006−542703)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040201
【国際公開番号】WO2005/057671
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040201
【国際公開番号】WO2005/057671
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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