照明装置および表示装置
【課題】散乱による混色は放射角の制御が困難で、吸収を伴って効率が低いため、放射角を制御して高効率に混色する照明装置および表示装置を実現する。
【解決手段】導光板底部の水平面上側に短冊状凸反射面を稜に対称に組み合わせて画素ピッチXで配置して凸反射面5A,5Bを形成し、導光板底部の水平面下側に短冊状凸反射面を画素ピッチXで配置して三角波状反射格子を形成する。
稜をなす短冊状凸反射面の頂部における接線の傾斜に等しい仰角で、水平面上側に2色の平行光光源を対称方向に設け、水平面下側に3色目の平行光光源を設ける。
2方向の光源を向いた凸反射面5A,5Bに双方の平行光を入射してサブ画素27A,27Bに光束を拡大して照射する。水平面下部の光源からの平行光を凸反射面5Cで反射して凸反射面5A,5Bのピッチ間を透過させ、3番目のサブ画素27Cに照射することにより3色を同一画素で混色する。
【解決手段】導光板底部の水平面上側に短冊状凸反射面を稜に対称に組み合わせて画素ピッチXで配置して凸反射面5A,5Bを形成し、導光板底部の水平面下側に短冊状凸反射面を画素ピッチXで配置して三角波状反射格子を形成する。
稜をなす短冊状凸反射面の頂部における接線の傾斜に等しい仰角で、水平面上側に2色の平行光光源を対称方向に設け、水平面下側に3色目の平行光光源を設ける。
2方向の光源を向いた凸反射面5A,5Bに双方の平行光を入射してサブ画素27A,27Bに光束を拡大して照射する。水平面下部の光源からの平行光を凸反射面5Cで反射して凸反射面5A,5Bのピッチ間を透過させ、3番目のサブ画素27Cに照射することにより3色を同一画素で混色する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の発光素子からの光を格子状に構成した反射素子または屈折素子で出射方向を制御して混色特性を改善した照明装置および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子は小型、高効率、長寿命、低電圧動作、高速応答などの優れた特徴のため各種表示装置・交通信号機などに広く使用されている。
赤、緑、青の3原色発光素子の加法混色による白色光は単体の発光スペクトル幅が狭いために不連続なスペクトル特性を持つが、液晶表示装置は赤、緑、青の3色の発光素子による不連続なスペクトルでも3色の制御信号によりその中間色を表示するため3色の発光素子を用いた3原色白色光を利用可能である。3色の発光素子を円錐内面に設けて後方散乱によって混色する距離を長くしている提案(図27、特許文献1)は多重反射に伴って吸収が増えて効率が低下する。3色の発光素子を同一パッケージに収め、発光素子に近い部分の反射鏡の傾斜を急にして各発光素子と反射鏡の距離と角度の差異を緩和する提案があるが(図28、特許文献2)、局部的条件でしか均等な混色が得られない。3色の発光素子を同一パッケージ内で十分に混色するのが難しく、素子の電源電圧が異なるなどの理由で下記の蛍光白色発光ダイオードが多く使用されている。
【0003】
青色発光ダイオードの青色光を黄色蛍光体に照射し、補色による蛍光白色発光ダイオードのスペクトルは先鋭な青色となだらかな黄色域の2つのピークから成っている(特許文献3)。赤色域が非常に少なく、緑にも大きなディップを持つ青みの強いスペクトル特性である。しかし、蛍光白色発光ダイオードは3原色の混色に比べて容易なため携帯電話などの液晶表示装置のバックライトなどとして利用されている。
【0004】
半導体発光素子の発光効率の向上に伴って蛍光ランプに比べて小型化が可能な発光ダイオードによる照明への応用が進められ、半導体発光素子が点光源に近い特長を生かして放射角の狭いプロジェクターなどに使用され始めている。発光ダイオードは許容温度上昇が他の光源に比べて小さいため、大きな光束を得るのは多数のチップが必要になり高価である。普及には低価格化する必要があり、効率を重視されて青みの強いスペクトルになっている。
最も比視感度の高い黄緑色付近の蛍光体を青色発光ダイオードで励起して補色による蛍光白色光を一般照明に使用した場合、赤色域やディップ波長域の被照射体は連続スペクトルの白色光に比べて暗くなる。赤色蛍光体などを混合する方法やイットリウムの一部をガドリニウムに置換して長波長側にシフトし、演色性を改善しつつ効率向上する提案がある(特許文献3)。
【0005】
白色光バックライト光源からカラーフィルタで3色に分解する際に2/3の光量がカラーフィルタで吸収されて効率が低下するため、カラーフィルタを使用せずに3原色発光素子を用いて加法混色する方法として、導光板に45°の溝を画素数設け、溝の界面で液晶パネル方向に全反射する導光板を3層重ねた提案がある(図29、特許文献4)。複数の棒状導光体の界面に遮光層を設け、複数色発光ダイオードの色別光を遮光して棒状導光体内を伝播し、カラーフィルタを用いずに3色光を液晶ストライプに供給する方法が提案されている(図30、特許文献5)。液晶パネルの3辺に3色の光源を設置し、導光板に四角錐をマトリックス状に設けて四角錐の傾斜面によって液晶パネルの所定の画素に照射する液晶表示装置が提案されている(図31、特許文献6)。棚田状に凸反射面を配置した導光板に3原色の平行光を伝播させて画素方向に光束を拡大して反射し、各色の反射光を反射・透過素子でストライプに分配する提案がある(図32、特許文献7)。
【0006】
撮像用光源として線光源に近い3波長冷陰極管が多く使用されているが各色の蛍光材料が線スペクトルのため波長特性の凹凸が大きく、正確な色再現が出来ない。発光ダイオードの光度がピークの約半値になる半値幅は20nm〜60nmのため6色〜9色を用いて可視光域をカバーする提案がある(特許文献7)。7種類の発光素子を基板中央付近に並べ、焦点面より浅い位置のレンズ内に封入し、焦点面の散乱材層で混色することにより各色の半値波長で繋げて白色光を形成し、線光源変換素子で変換してスキャナー光源としての応用が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−353506号公報
【特許文献2】特開2004−87935号公報
【特許文献3】特許3246386号公報
【特許文献4】特開平6−59252号公報
【特許文献5】特開平2−111922号公報
【特許文献6】特開2006−323221号公報
【特許文献7】特許4114173
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
3色の発光素子を同一パッケージに配置し、発光素子近傍の反射鏡の傾斜を急にするなどの構造によって混色する提案は各発光素子から反射鏡への距離と角度が異なるのでチップの並びに従った色斑を生じる。正反射による混色が難しいために散乱層を利用して円錐内面で後方散乱させて散乱距離を長く取るなどの混色のため、反射光が光源側に戻り多重反射の際に吸収されて効率が低下する。
【0009】
青色発光ダイオードの青色光を黄色蛍光体に照射した補色による白色発光ダイオードは尖鋭なスペクトルの青色光となだらかな黄色光のスペクトルを持ち、赤色域と青緑色域が不足している。蛍光体の配合比率を増大するに従って青色光のピークが低下して蛍光のピークが増大するが、蛍光が進行方向の蛍光体に当たらずに透過すると黄色光を呈し、別の黄色蛍光体に当たると蛍光体が有色不透明で蛍光波長に対しては蛍光変換率が低いために吸収される。吸収を補って蛍光体配合比率を上げると更に効率が低下するため、蛍光白色発光ダイオードは効率を優先されて青色光スペクトルが大きい青白い光になっている。
【0010】
演色性を改善するために広い波長帯域にわたって蛍光体を混合するとき、変換効率と比視感度に応じた蛍光体の配合比率で混合する必要がある。比視感度・変換効率の低い赤色などでは長波長蛍光体の量が増え、長波長蛍光体から発せられた光は短波長蛍光体では吸収だけで蛍光変換されないので更に蛍光体を増やす必要が生じる。黄色蛍光が黄色蛍光体に当たる確率と赤色蛍光が赤色蛍光体に当たる確率も増大して効率が低下する。このため、複数種の蛍光体を混合分散して連続スペクトルの白色光を実現するのは効率が低下する問題がある。
【0011】
カラーフィルタを使用せずに3原色発光素子を用いて加法混色する方法として、導光板に45°の溝を画素数設け、溝の界面で液晶パネル方向に全反射する導光板を3層重ねた提案は、45°の傾斜をサブ画素数設けるため画面幅の1/3の厚さが必要になり、画面幅300mmでは導光板1層あたり100mm厚が必要で、ストライプ数の溝を加工する工数により高価になる。
【0012】
複数の棒状導光体の界面に遮光層を設け、色別光を遮光して棒状導光体内を伝播し、カラーフィルタを用いずに3色光を液晶ストライプに供給する提案は、遮光処理されたサブ画素幅の糸状導光部材を束ねて製造するのが難しく、遮光層を設けた透光シートを積層するとシート厚の公差が積算して液晶の画素寸法に一致しなくなる。各遮光層で仕切られた透光材内を拡散光が伝播するので、金属遮光膜の場合は反射する毎に吸収されて遠方ほど暗くなる。
【0013】
導光板に四角錐による反射体を多数設け、3方向からの3原色光を画素に反射して混色する提案は、手前の四角錐に遮られて逆V型の反射光しか得られず、四角錐に斜めの平行光を照射すると側面にも当たるので散乱光になり他の画素に入射して不鮮明になる。
【0014】
棚田状に凸反射面を配置した導光板と反射・透過素子でストライプに分配する提案は構造が異なる2種類の導光素子を用いるため正確な位置合わせが必要である。
【0015】
交通信号機の発光ダイオードはレンズの指向性が広いため上空にも無駄に放射されるなど消費電流が多く、交差する道路側の信号が見えるため三差路など遮光板が必要な状況が多くある。太陽光を受けて非点灯の2灯も明るくなる擬似点灯現象があるため太陽光を遮蔽する遮光板が設けられている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
水平面上に短冊状反射面の長軸方向を光源からの平行光の進行方向に直交するように配置し、短冊状反射面の短軸方向を交互に±30°の傾斜を持たせて三角波状に並べると、三角波状反射格子4が形成される。三角波状反射格子と短冊状反射面の短軸方向で斜め上方30°の方向に平行光光源を対称位置に設けた構造を図1に示す。
夫々の平行光光源と三角波状格子の対をなす反射面が平行になっているので対をなす平行光光源側に配置された反射面には入射出来ず、水平面から30°上方の平行光光源双方からの平行光は三角波状反射鏡の光源方向反射面に沿って入射する。対向する光源の平行光に沿った反射面に入射すると、双方から入射した光はいずれも鉛直上方に反射する。
三角波状格子の傾斜および傾斜光の傾斜角度をα、傾斜面の法線と鉛直方向のなす角度をβとすると、数1のように傾斜αは30°である。
【数1】
図2の平面図のように、左右平行光光源からの反射光はいずれも光源側の反射面に従った櫛形になり、左右からの平行光が櫛形に交互に並んだ反射光である。格子ピッチを肉眼では認識出来ない寸法のストライプにして左右の平行光光源を別色の2色にすると併置加法混色される。
【0017】
散乱面あるいは拡散材を分散した拡散板などで混色すると無指向性の非常に広い放射角度で散乱するが、反射格子により櫛形に交互に並んだ反射光にして加法混色すると平行光として出射するのでその後の処理が容易になる。
放物面鏡6の焦点に発光素子1を設置すると平行光を得ることが出来るが、発光ダイオードのチップ寸法は各辺約250μmのため放物面鏡の焦点に設けた発光素子の寸法により中心部と周辺部から発光された光に光路差が生じて図3に示す平行光からの誤差を持っている。外周部から発光された平行光からの誤差角度θは、発光素子の中心から外周部までの長さr、放物面鏡の座標m(x,y)、焦点距離pにより数2で示され、誤差角度θを小さくするには焦点距離を大きくする必要がある。
【数2】
p=2.5mmの放物面鏡の反射位置y依存性を図4に示す。
【0018】
出射光を平行光でなく拡散光あるいは収束光にするにはレンズ、反射鏡などを併用して放射角を制御出来るが、レンズに拠らなくとも格子反射面を曲面にすることにより放射角を制御することが出来る。反射格子を凸反射面5で形成して光束を拡大する状態の側面図を図5に示す。対を成す曲面の放射角方向が等しくなければ見る方向によっては片方だけの成分になって色斑を生じる。図5では格子の谷部における左側光源光の反射光と格子の頂部における右側光源光の反射光が平行になり、格子の頂部における左側光源光の反射光と格子の谷部における右側光源光の反射光も平行になっている。拡散光であってもこの範囲内で左右の光が対をなして平行に出射することにより均等に混合される。鉛直方向からの放射角γを決定するための入射光の傾斜α、頂部傾斜α、谷部傾斜βの関係を数3と図6に示す。
【数3】
放射角γ=6°ではα=28°、β=34°、
放射角γ=30°ではα=20°、β=50°である。照明装置としてはこの放射角γの他に発光素子寸法による誤差角度θも加算する必要がある。
短冊状の反射面を長軸方向にも曲面を形成することにより長軸方向の放射角δを制御することが出来る。短冊状反射面の長軸方向の曲率半径Rは、短冊状反射面の長軸方向の長さをLとして数4で示される。
【数4】
【0019】
放物線に接する曲率円は光軸方向の焦点付近までの狭い範囲であれば放物線に近似するため、放物面鏡に限らず研磨が容易な放物線近似球面鏡で近似することも出来る。発光素子は湿気などからの保護のために樹脂モールドされるため、モールドの外面に鏡面を設けると反射鏡と焦点が一体化しているので焦点位置調整が不要になる。
楕円鏡、双曲線鏡の場合は格子の稜線が曲線になり、楕円鏡8と双曲線鏡9を組み合わせることにより曲線反射格子を形成することが出来る。楕円鏡と双曲線鏡を対にしたユニットを多数用いた円環状反射格子を図7に示す。顕微鏡照明、医療用照明、ダウンライトなど径の小さな環状照明装置に適している。円環の径が大きい場合は図1または図3の反射格子で近似させることも出来る。
【0020】
三角波状格子を用いて3色を混合するために、傾斜反射面の底部に透光性の開口部を設けた構造を図8に示す。傾斜光を開口部に当たらないようにするには反射面の傾斜θsを数5により35.3°にする必要がある。
【数5】
入射光の傾斜θrが19.5°あるので平行光に変換する光源部の厚さ方向の寸法が大きくなるが、前方の光源部の寸法が影響しないプロジェクターなどに適している。
【0021】
液晶表示装置のように画素数が多い場合は上記の構成では光源部が非常に厚くなる。格子反射面を凸反射面5で形成して光束を画素幅に拡大すると、凸反射面の曲面長さサブ画素幅を光束拡大率で割ったもので済む。平行光が凸反射面で光束を拡大して被照射面におけるサブ画素の透過部の幅Wに拡大する様子を図9に示す。被照射面までの距離tは導光板厚と液晶透明基板厚の和になり、サブ画素の透過部の幅をW、導光板凸面傾斜部の円周に沿った曲面長さをdとすると、凸反射面の曲率半径rは数6で示される。
【数6】
入射光の傾斜θi は段差sと画素幅Xより数7で求められる。
【数7】
段差を10μm、画素幅400μmのときθi は1.43°になり、上記の19.5°の1/13に緩くすることが出来るため光源部の薄型化が可能になる。薄型化により導光板が可能になり、凸反射面による全反射を利用することが出来るので鏡面形成が不要である。2方向の光源に対向する凸反射面を画素幅毎に設けた構造を図10に示す。要部を拡大しているのでθiは1.43°より大きく表示されている。図10は2枚の導光板で構成されているが、各導光板とも2方向の光源に対向する凸反射面で構成されている。凸反射面ピッチ間の水平面に別色光を透過させることで3色以上の混色が可能になり、図10は同一導光板をずらして配置することにより4色を混色する状態を示している。導光板出射面に凸屈折面を設けて平行光に戻す場合で表示している。
【0022】
図11は液晶表示装置のサブ画素に3色を供給して混色する状態を示したものである。図10と図11では2枚の導光板を使用しているが、これらの要素を統合すると図12のように1枚の導光板で3色ストライプを実現することが出来る。1枚構成の導光板のため画素の位置合わせが不要になり生産性が向上し、材料費を半減することが出来る。図12の要部を図13に拡大して説明する。
画素を3つのサブ画素で構成する1番目のサブ画素27Aに入射する細線の光は右端の凸反射面5の上端を越えて中央の凸反射面5Aに入射している。凸反射面で全反射し、光束を拡大してサブ画素幅に照射する。破線の光は左側の凸反射面に入射して光束を拡大して2番目のサブ画素に入射し、3色目の光は導光板の下部から入射している。導光板の下部に突き出した入射部は入射光線に垂直な面を構成し、突起部の後面を凸反射面5Cにして3番目の画素に光束を拡大して照射している。5C面に対称な反射面を形成すれば4色表示も可能である。
【0023】
3色の発光ダイオードを混色する提案はいずれも非対称性のために混色が不十分だが、傾斜が30°の三角錐反射面で3方向の平行光を鉛直方向に反射すると正三角形配置のデルタ配列で混合して出射することが出来る。傾斜30°の正三角形三角錐を凸型と凹型で構成し、凸型三角錐の頂部を○で、凹型三角錐の谷部を●で表すと、3方向を向いた傾斜面の形状は図14のように菱形を組み合わせたものである。三角錐反射面に照射する光源は図14のように3方向に配置し、水平面に30°下向きに照射する配置のため、各反射面は対向する光源以外からの入射はなく、手前の三角錐に遮られることのない構造である。三角波状格子と同一の傾斜面のため紙面の垂直方向に3色の混色光を平行光として出射するため3原色表示装置の光源などとして利用することが出来る。
【0024】
三角波状格子は反射面にして混色するのに限らず、屈折面で構成することも出来る。2つの方向から入射して三角波状に構成された面で屈折して平行光として出射する状態を図15に示す。
屈折格子構成物質の屈折率n2、周囲媒体の屈折率n1とし、右側光源からV字状の右側傾斜面に角度αで入射した光は数8により角度βで屈折する。V字溝の傾斜面角度は中心線に対してγとして対向する屈折面に平行に入射するので右側光源光は右側傾斜面にしか入射せず、傾斜面と入射光は対称なので左側光源光も同様である。V字溝の傾斜面角度γを数8のようにβとαの差で設定することにより双方の屈折光は中心線に平行に出射する。屈折格子の水平面に角度δで左右から対称に入射すると屈折面に角度αで入射するので混色して平行光として出射する。
【数8】
代表的な透光高分子であるポリメチルメタクリレートとポリカーボネートにおけるα、β、γ、δを示す。
【表1】
屈折による混色は屈折率の制約から図16のように進行方向に長い形状になるが、光源部が格子面の裏側になるので図23の実施例のように全面を均一に表示可能である。屈折格子は進行方向に積み重ねることが出来るので反射形と組み合わせることによって4方向あるいは6方向の混合が可能である。4方向の混合装置を図17、図18に示し、8方向の混合装置を図19、図20に示す。
【0025】
個別発光素子で連続スペクトルを得るには、発光ダイオードの光度がピークの約半値になる波長幅は20nm〜60nmのため、各色の半値波長で繋げて6色〜9色を用いると可視光域をカバーして連続スペクトルの白色光を実現可能である。
反射形と屈折形を併用して図19、図20のような構造により8色を混合することが出来、散乱による混色でないので放射角の狭い白色光を照射することが出来る。図10に示した導光板によっても多色混合可能だが、図20では4対の反射格子を載せる基板を放熱器に利用出来るので放熱が容易である。8色を混合すると図21のように連続スペクトルの白色光を合成することが出来る。
【0026】
複数の蛍光体を混合して蛍光白色発光ダイオードを広帯域化するとき、蛍光体を多量に混合することにより蛍光を他の蛍光体で吸収されて効率が更に低下する。単一発光素子で全帯域を蛍光変換すると変換効率が掛かる。このため、蛍光体を混合するのでなく、反射格子によって混色する方法を以下に示す。
第1の発光素子を青色発光ダイオードとし、黄色蛍光体による波高値が青色光波高値の約半分の2山特性となるように蛍光体を分散すると、青緑色にディップを持ち、赤色域の低下した特性である。
第2の発光素子は第1の発光素子のディップ波長で発光する青緑色発光ダイオードとし、橙色蛍光体による波高値が青緑色光波高値の約半分の2山特性となるように蛍光体を分散すると、緑色にディップを持つ特性である。
図1または図3に示す反射格子を用いて第1の発光ダイオード光と第2の発光ダイオード光を加法混色すると、第1発光ダイオードの青緑色ディップは第2発光ダイオードの青緑光で補完される。
第1の発光ダイオードの蛍光と第2発光ダイオードの蛍光スペクトルはブロードなため、加法混色によりそれらの中間波長である黄色は概略均等に加算されて波高値が高くなり、緑色光は第1発光ダイオード光を主体にして第2発光ダイオード光で補われる。赤色光は第2発光ダイオード光を主体にして第1発光ダイオード光で補われ、緑色から赤色域にかけて波高値が励起光に概略等しく、なだらかな連続スペクトルの蛍光を得ることが出来る。合成前と合成後のスペクトル特性を図22に示す。連続スペクトルの白色光を格子状混色素子と2種類の蛍光変換発光素子で実現することが出来る。蛍光体で広帯域特性を得る方法は効率が低下するが、2山特性の不足領域を発光波長とする発光ダイオードで補うと蛍光変換効率が掛からないため、高効率に連続波長を実現出来る。
【発明の効果】
【0027】
複数の発光素子と反射鏡の距離と角度の非対称性による色斑を生じていたが、別の光源光が混入することを防止する反射格子または屈折格子を用いて混合し、同一放射角で出射することにより色斑を防止することが出来る。
反射格子を凸反射面にすることにより入射光の傾斜を小さくして光源部を薄型化することが出来る。薄型化により導光板を使用した全反射を利用することが出来るため鏡面形成が不要になって生産性が向上する。
凸反射面格子を3方向に向けた構造により3色ストライプを1枚の導光板で実現することが出来るため、位置合わせが不要になり生産性が向上し、材料費を削減することが出来る。
蛍光白色発光ダイオードのスペクトルは先鋭な青色となだらかな黄色域の2つのピークから成っているが、色斑を生じない混色装置を用いることにより複数の励起光を利用することが出来、高効率に連続スペクトルを実現することが出来る。
反射格子あるいは屈折格子で混色することにより、蛍光体を多成分系で混合してスペクトルを広帯域化する方法よりも高効率に連続スペクトルの白色光を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
説明の都合上、要部を拡大して表示するため、必ずしも相似関係にはなっていない。
【図1】三角波状反射格子の側面図
【図2】三角波状反射格子の平面図
【図3】光源寸法による放射角誤差
【図4】放射角誤差の反射鏡y位置依存性
【図5】三角波状凸面反射格子の側面図
【図6】頂部傾斜・谷部傾斜と放射角
【図7】楕円鏡・双曲線鏡光源部を使用した円環状照明装置
【図8】反射格子と透過部を併用した3色ストライプ表示装置
【図9】凸反射面による光束拡大
【図10】凸反射面格子と透過部を併用した多色ストライプの導光板
【図11】凸反射面格子と透過部を併用した2層構造の3色ストライプの導光板
【図12】凸反射面格子を導光板底面側に配置した1枚構成の3色ストライプの導光板
【図13】1枚構成の3色ストライプ導光板の要部
【図14】三角錐ドット配列格子の凸部と凹部
【図15】三角波状屈折面格子による混色
【図16】三角波状屈折面格子による混色装置
【図17】反射屈折格子による4色混合装置の平面図
【図18】反射屈折格子による4色混合装置の側面図
【図19】反射屈折格子による8色混合装置の側面図
【図20】反射屈折格子による8色混合装置の斜視図
【図21】反射屈折格子による8色混合白色光源のスペクトル
【図22】2種類の蛍光白色発光素子の混色による合成スペクトル
【図23】屈折格子による交通信号機の表示面
【図24】反射格子による交通信号機の表示面
【図25】凸面格子ユニットの断面図
【図26】車両用前照灯の正面図
【図27】円錐型散乱面による従来の混色装置における前方散乱光のみを示した模式図
【図28】チップ近傍の反射鏡を急傾斜にして色斑を緩和して混色する従来のパッケージ
【図29】45°の溝の界面で液晶パネル方向に全反射する3層を重ねた導光板
【図30】ストライプ幅の積層導光体により3色光を液晶ストライプに供給する従来例
【図31】導光板に設けた四角錐の傾斜面によって3色光を所定の画素に照射する従来例
【図32】棚田状凸反射面導光板とストライプ分配素子による3色液晶表示装置
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施例1
反射面を格子状に配置した3色ストライプに混合する液晶表示装置の照明装置を図12に、要部を図13に示す。対角510mm(20.1型)、XGA(1024×768)のとき、画面寸法は横408mm、縦306mm、画素ピッチ399μm、サブ画素ピッチ133μmである。
3方向を向く3種類の凸反射面は1024段を画素ピッチで均等に配置した構造のものである。導光板の凸反射面段差が画素寸法より小さいために画素寸法に拡大するが、導光板厚が一定のため凸反射面の曲率半径は一定である。導光板厚tを10mm、凸反射面の段差sを10μmとすると曲率半径rは159μmである。光源からの平行光線をほぼ鉛直方向にある液晶のサブ画素に向けて反射するもので、全反射臨界角以上に傾斜することにより反射層を形成する必要がなく製造費用削減が可能である。
発光ダイオードを光源部の放物面鏡の焦点に放物面鏡の反射光を遮らない位置にオフセットして配置する。光度250mcdの発光ダイオード各色128個を配置することにより、光透過率40%のとき輝度307cd/m2が得られる。
透明材料としてポリメチルメタクリレート、脂環式アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート、光硬化アクリル樹脂などが可能で、射出圧縮成型などにより成型出来る。光硬化アクリル樹脂は低粘度のモノマー、オリゴマーを出発原料に重合するため精密な成型が可能である。
【0030】
実施例2
2色の平行光を格子反射面または格子屈折面に入射して混色する実施例として赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードを用いて黄色を合成する信号機について、屈折格子による例を実施例2、反射格子による例を実施例3で説明する。青信号と呼称されるが正しくは緑色である。色覚障害対策として青みを帯びた緑色で表示されている。黄色信号は橙色を帯びた橙黄色で表示されている。
赤色発光素子620nm±10nmと緑色発光素子515nm±10nmを図16の放物面鏡の焦点に設け、色度座標上の色度と輝度に2色の駆動電流を設定して屈折面格子に照射し、混色による黄色570nm±10nmを表示することが出来る。500nm以下の青緑色発光ダイオオードを用いて赤色発光ダイオードと混色すると色度座標上の直線が白色域に近づいて淡黄色になるので515nm±10nmの緑色発光ダイオードを用いている。これにより混色直線が馬蹄形をした色度座標の右側縁面に沿うために濃い黄色を混色することが出来る。
従来の信号機は指向性が広いため交差する道路側の信号が見えるばかりでなく、上空にも放射しているので消費電流が多くなっているが、必要な指向性範囲にすると消費電流を低減し、素子数の低減により製造コストも削減することが出来る。上空や交差する道路まで照射する指向性は消費電流が無駄になるが、上下方向の放射範囲を水平面以下、左右方向の放射角を±45°の範囲にすると消費電流を約1/4に削減することが出来る。このため、1つの表示面に赤と緑の素子を半々で設けても必要な光量得ることが出来る。近年発光効率の向上が著しいが、従来の表示面は発光素子のドットが目立つため素子数を削減すると更に荒い表示になるので素子数の削減は困難である。しかし、屈折格子は櫛型を認識出来ない幅で表示し、光源部が表示面の裏側にあるので全体が均一に表示される。このため、指向性の制御と発光効率に応じて発光素子数を削減することが出来る。
図16に示すユニットの直径25mmにすると図23に示す直径300mmの表示面に約120ユニット並べることが出来る。屈折格子を8対設けると片側面で1.5mm幅の櫛形になり、赤または緑表示のときは格子の片側面から櫛形に出射する。赤色光と緑色光が幅1.5mmの屈折格子から出射したとき、信号機表示面までの距離により格子を認識出来ず、放射方向の一致により色斑の発生も起こらない。必要な指向性範囲に拡散光を出射する手段は図16に示す凹レンズアレイである。凹レンズアレイは防塵・防水を兼ねたフードとしての機能も持っている。
従来の3灯信号機では太陽光を受けて非点灯の2灯も明るくなり輝度差が低下する擬似点灯現象があるが、屈折格子による混色では表示面が1灯なので擬似点灯現象は発生せず、黄色の発光素子を削減し、更に指向性の制御による素子数の低減で信号機をコスト削減することが出来る。
【0031】
実施例3
赤色発光ダイオードと青緑色発光ダイオードを反射格子により黄色を合成する信号機を実施例2との相違点について説明する。図5に示すユニットの反射格子面を19mm角にすると図24に示す直径300mmの表示面に約120ユニット並べることが出来る。反射格子を8対設けると片側面で1.5mm幅の凸反射面になり、赤または緑表示のときは格子の片側面から櫛形に出射する。赤色光と緑色光が幅1.5mmの反射格子から出射したとき、信号機表示面までの距離により格子を認識出来ず、放射方向の一致により色斑の発生も起こらない。
反射格子は湾曲反射面により指向性を拡げ、発光素子寸法に由来する放射角を加えた指向性を持つが、反射格子の設置面を湾曲して指向性を設定可能である。このため反射格子の湾曲設置面により道路状況に応じた指向性に設定出来る。指向性の制御は屈折型よりも自由度が広い特徴がある。反射格子形は光源部が並ぶ構造のため反射面の占積率は60%である。砲弾型発光ダイオードを使用した従来の信号機の表示面で発光素子のドットが目立つのはレンズ形状から先端付近だけが輝くためで、光輝部分が占める面積率は約50%である。このため、従来と同等以上の光輝部の占積率である。
【0032】
実施例4
凸反射面による反射格子を用い、放射角を格子の直交方向で差を持たせた実施例として車両用前照灯について説明する。光源は青色発光ダイオードに黄色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードと、青緑色発光ダイオードに橙色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードを混色して可視光域をカバーする白色光源である。放射角などを変更すればスポットライトなどにも応用することが出来る。
車両用前照灯の上下方向の放射角を10°として光源寸法による誤差角度約4°を差し引くと反射格子に直行方向の放射角γは6°である。数3より傾斜光と頂部の傾斜αは28°、谷部の傾斜βは34°である。反射格子に平行方向の放射角を20°とし、反射格子短冊の長さを14mmとすると、数4より曲率半径は40mmである。4対の凸反射面格子構成の断面図を図25、車両用前照灯の正面図を図26に示す。
左右の光源部の一方は青色発光ダイオードに黄色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオード、他方は青緑色発光ダイオードに橙色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードである。
楕円鏡の一方の焦点に発光素子、他方の焦点に蛍光体を設けている。励起光を受けた蛍光体から後方と前方の放物面鏡に蛍光を発し、後方の放物面鏡からの平行光は平面鏡で方向変換して平行光を反射格子方向に照射している。
発光素子に40mAの順電流を流すと2光源から成る1ユニットで0.28Wになり、このユニットを横に11列、縦に8列の計88ユニット使用して変換効率60lm/W で1480lmの光束を得られる。寸法は横160mm、縦170mmである。混色したスペクトルは図22に示したものである。
すれ違いビームのときは下5列を点灯すると920lmになり、図28のようにユニットの配置にカットオフラインを設けると対向車への防眩効果を増すことが出来る。カットオフラインの斜めの反射格子は楕円鏡と双曲線鏡を組み合わせて台形状の反射格子にしたものである。図28は左側走行車両の場合を正面視したもので、上3段を消灯してすれ違いビームの状態を示したものである。
反射格子はアルミニウムなどの金属鏡面を利用すると放熱板を兼用することが出来る。上記構成による走行ビームのときの全損失は24.6Wになる。反射格子アレイの周囲に30mm幅の取り付けスペースを設けたときの放熱板寸法は横220mm、縦230mmである。
この放熱板の後方にダクトを設け、風速u=10m/s(36km/h)以上の走行風または強制対流で冷却すると、数9により温度上昇は約25℃である。放熱板からダクトの壁面全体に熱伝導して放熱に利用出来るので温度上昇を約28℃よりも低下させることが出来る。数9は放熱板温度における空気の物性値を用いるので繰り返し計算が必要だが、収束条件付近の50℃における物性値
プラントル数Pr:0.71
熱伝導率λ:0.0241[W/m℃]
動粘性係数ν:1.86×10−5[m2/s]
を用いてレイノルズ数Re、ヌセルト数Nu、平均熱伝達率α、温度上昇Tは数9より求められる。放熱板の縦寸法L、横寸法Wとし、外気温度は20℃とする。
【数9】
【0033】
実施例5
楕円鏡と双曲線鏡の組み合わせを多数用いて図7に示す円環状反射格子を形成し、環状のダウンライトの実施例を説明する。
ダウンライトは放射角が約±30°のため反射格子は凸面鏡による構成である。直径120mmの外形に楕円鏡と双曲線鏡を32対用い、発光素子に40mAの順電流を流すと32対の光源で9Wになり、変換効率60lm/W で540lmの光束を得られる。発光素子からの直接光が円環状反射格子に入射すると混色特性を低下するので発光素子を軸外楕円鏡と軸外双曲線鏡の焦点に設ける構造である。
対を成す光源部の一方は青色発光ダイオードに黄色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオード、他方は青緑色発光ダイオードに橙色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードで、混色したスペクトルは図22に示したものである。
【0034】
実施例6
反射形と屈折形を併用して図17、図19、図20に示す構造により8色を混合した白色光源の実施例について説明する。
三角波状反射格子は幅10mm、長さ10mmの反射面に10対の格子を設けたものである。8色の発光素子を反射格子ユニット4個に使用し、ポリメチルメタクリレートによる頂角53.2°の屈折型格子を2回通して混色すると図25のように連続スペクトルの白色光を合成することが出来る。可視光域の抱絡線が5500Kの白色光に近似するので高い色再現性を求める用途に適し、赤外線を含まないので温度上昇を避け、紫外線による損傷を避けることが出来る。
【符号の説明】
【0035】
1:発光素子 2:発光素子周囲凹面鏡
3:蛍光反射凹面鏡 4:三角波状反射格子
5:凸面反射格子 6:放物面鏡
7:蛍光体膜 8:楕円鏡
9:双曲線鏡 10:凸屈折面
11:凹屈折面 12:蛍光粒子
15:屈折格子 16:励起光
17:蛍光 18:透光物質
19:平行光 20:拡散光
21:凹面鏡 22:凸面鏡
23:開口部 24:導光板
25:平面鏡 26:遮光体
27:サブ画素 28:液晶挟持基板
29:基板 30:回路基板
31:谷部 32:頂部
33:楕円 34:空気層
37:入射面 38:支持部材
39:散乱面 40:焦点
41:ストライプ分配素子 42:溝
43:四角錐 44:カットオフライン
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の発光素子からの光を格子状に構成した反射素子または屈折素子で出射方向を制御して混色特性を改善した照明装置および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子は小型、高効率、長寿命、低電圧動作、高速応答などの優れた特徴のため各種表示装置・交通信号機などに広く使用されている。
赤、緑、青の3原色発光素子の加法混色による白色光は単体の発光スペクトル幅が狭いために不連続なスペクトル特性を持つが、液晶表示装置は赤、緑、青の3色の発光素子による不連続なスペクトルでも3色の制御信号によりその中間色を表示するため3色の発光素子を用いた3原色白色光を利用可能である。3色の発光素子を円錐内面に設けて後方散乱によって混色する距離を長くしている提案(図27、特許文献1)は多重反射に伴って吸収が増えて効率が低下する。3色の発光素子を同一パッケージに収め、発光素子に近い部分の反射鏡の傾斜を急にして各発光素子と反射鏡の距離と角度の差異を緩和する提案があるが(図28、特許文献2)、局部的条件でしか均等な混色が得られない。3色の発光素子を同一パッケージ内で十分に混色するのが難しく、素子の電源電圧が異なるなどの理由で下記の蛍光白色発光ダイオードが多く使用されている。
【0003】
青色発光ダイオードの青色光を黄色蛍光体に照射し、補色による蛍光白色発光ダイオードのスペクトルは先鋭な青色となだらかな黄色域の2つのピークから成っている(特許文献3)。赤色域が非常に少なく、緑にも大きなディップを持つ青みの強いスペクトル特性である。しかし、蛍光白色発光ダイオードは3原色の混色に比べて容易なため携帯電話などの液晶表示装置のバックライトなどとして利用されている。
【0004】
半導体発光素子の発光効率の向上に伴って蛍光ランプに比べて小型化が可能な発光ダイオードによる照明への応用が進められ、半導体発光素子が点光源に近い特長を生かして放射角の狭いプロジェクターなどに使用され始めている。発光ダイオードは許容温度上昇が他の光源に比べて小さいため、大きな光束を得るのは多数のチップが必要になり高価である。普及には低価格化する必要があり、効率を重視されて青みの強いスペクトルになっている。
最も比視感度の高い黄緑色付近の蛍光体を青色発光ダイオードで励起して補色による蛍光白色光を一般照明に使用した場合、赤色域やディップ波長域の被照射体は連続スペクトルの白色光に比べて暗くなる。赤色蛍光体などを混合する方法やイットリウムの一部をガドリニウムに置換して長波長側にシフトし、演色性を改善しつつ効率向上する提案がある(特許文献3)。
【0005】
白色光バックライト光源からカラーフィルタで3色に分解する際に2/3の光量がカラーフィルタで吸収されて効率が低下するため、カラーフィルタを使用せずに3原色発光素子を用いて加法混色する方法として、導光板に45°の溝を画素数設け、溝の界面で液晶パネル方向に全反射する導光板を3層重ねた提案がある(図29、特許文献4)。複数の棒状導光体の界面に遮光層を設け、複数色発光ダイオードの色別光を遮光して棒状導光体内を伝播し、カラーフィルタを用いずに3色光を液晶ストライプに供給する方法が提案されている(図30、特許文献5)。液晶パネルの3辺に3色の光源を設置し、導光板に四角錐をマトリックス状に設けて四角錐の傾斜面によって液晶パネルの所定の画素に照射する液晶表示装置が提案されている(図31、特許文献6)。棚田状に凸反射面を配置した導光板に3原色の平行光を伝播させて画素方向に光束を拡大して反射し、各色の反射光を反射・透過素子でストライプに分配する提案がある(図32、特許文献7)。
【0006】
撮像用光源として線光源に近い3波長冷陰極管が多く使用されているが各色の蛍光材料が線スペクトルのため波長特性の凹凸が大きく、正確な色再現が出来ない。発光ダイオードの光度がピークの約半値になる半値幅は20nm〜60nmのため6色〜9色を用いて可視光域をカバーする提案がある(特許文献7)。7種類の発光素子を基板中央付近に並べ、焦点面より浅い位置のレンズ内に封入し、焦点面の散乱材層で混色することにより各色の半値波長で繋げて白色光を形成し、線光源変換素子で変換してスキャナー光源としての応用が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−353506号公報
【特許文献2】特開2004−87935号公報
【特許文献3】特許3246386号公報
【特許文献4】特開平6−59252号公報
【特許文献5】特開平2−111922号公報
【特許文献6】特開2006−323221号公報
【特許文献7】特許4114173
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
3色の発光素子を同一パッケージに配置し、発光素子近傍の反射鏡の傾斜を急にするなどの構造によって混色する提案は各発光素子から反射鏡への距離と角度が異なるのでチップの並びに従った色斑を生じる。正反射による混色が難しいために散乱層を利用して円錐内面で後方散乱させて散乱距離を長く取るなどの混色のため、反射光が光源側に戻り多重反射の際に吸収されて効率が低下する。
【0009】
青色発光ダイオードの青色光を黄色蛍光体に照射した補色による白色発光ダイオードは尖鋭なスペクトルの青色光となだらかな黄色光のスペクトルを持ち、赤色域と青緑色域が不足している。蛍光体の配合比率を増大するに従って青色光のピークが低下して蛍光のピークが増大するが、蛍光が進行方向の蛍光体に当たらずに透過すると黄色光を呈し、別の黄色蛍光体に当たると蛍光体が有色不透明で蛍光波長に対しては蛍光変換率が低いために吸収される。吸収を補って蛍光体配合比率を上げると更に効率が低下するため、蛍光白色発光ダイオードは効率を優先されて青色光スペクトルが大きい青白い光になっている。
【0010】
演色性を改善するために広い波長帯域にわたって蛍光体を混合するとき、変換効率と比視感度に応じた蛍光体の配合比率で混合する必要がある。比視感度・変換効率の低い赤色などでは長波長蛍光体の量が増え、長波長蛍光体から発せられた光は短波長蛍光体では吸収だけで蛍光変換されないので更に蛍光体を増やす必要が生じる。黄色蛍光が黄色蛍光体に当たる確率と赤色蛍光が赤色蛍光体に当たる確率も増大して効率が低下する。このため、複数種の蛍光体を混合分散して連続スペクトルの白色光を実現するのは効率が低下する問題がある。
【0011】
カラーフィルタを使用せずに3原色発光素子を用いて加法混色する方法として、導光板に45°の溝を画素数設け、溝の界面で液晶パネル方向に全反射する導光板を3層重ねた提案は、45°の傾斜をサブ画素数設けるため画面幅の1/3の厚さが必要になり、画面幅300mmでは導光板1層あたり100mm厚が必要で、ストライプ数の溝を加工する工数により高価になる。
【0012】
複数の棒状導光体の界面に遮光層を設け、色別光を遮光して棒状導光体内を伝播し、カラーフィルタを用いずに3色光を液晶ストライプに供給する提案は、遮光処理されたサブ画素幅の糸状導光部材を束ねて製造するのが難しく、遮光層を設けた透光シートを積層するとシート厚の公差が積算して液晶の画素寸法に一致しなくなる。各遮光層で仕切られた透光材内を拡散光が伝播するので、金属遮光膜の場合は反射する毎に吸収されて遠方ほど暗くなる。
【0013】
導光板に四角錐による反射体を多数設け、3方向からの3原色光を画素に反射して混色する提案は、手前の四角錐に遮られて逆V型の反射光しか得られず、四角錐に斜めの平行光を照射すると側面にも当たるので散乱光になり他の画素に入射して不鮮明になる。
【0014】
棚田状に凸反射面を配置した導光板と反射・透過素子でストライプに分配する提案は構造が異なる2種類の導光素子を用いるため正確な位置合わせが必要である。
【0015】
交通信号機の発光ダイオードはレンズの指向性が広いため上空にも無駄に放射されるなど消費電流が多く、交差する道路側の信号が見えるため三差路など遮光板が必要な状況が多くある。太陽光を受けて非点灯の2灯も明るくなる擬似点灯現象があるため太陽光を遮蔽する遮光板が設けられている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
水平面上に短冊状反射面の長軸方向を光源からの平行光の進行方向に直交するように配置し、短冊状反射面の短軸方向を交互に±30°の傾斜を持たせて三角波状に並べると、三角波状反射格子4が形成される。三角波状反射格子と短冊状反射面の短軸方向で斜め上方30°の方向に平行光光源を対称位置に設けた構造を図1に示す。
夫々の平行光光源と三角波状格子の対をなす反射面が平行になっているので対をなす平行光光源側に配置された反射面には入射出来ず、水平面から30°上方の平行光光源双方からの平行光は三角波状反射鏡の光源方向反射面に沿って入射する。対向する光源の平行光に沿った反射面に入射すると、双方から入射した光はいずれも鉛直上方に反射する。
三角波状格子の傾斜および傾斜光の傾斜角度をα、傾斜面の法線と鉛直方向のなす角度をβとすると、数1のように傾斜αは30°である。
【数1】
図2の平面図のように、左右平行光光源からの反射光はいずれも光源側の反射面に従った櫛形になり、左右からの平行光が櫛形に交互に並んだ反射光である。格子ピッチを肉眼では認識出来ない寸法のストライプにして左右の平行光光源を別色の2色にすると併置加法混色される。
【0017】
散乱面あるいは拡散材を分散した拡散板などで混色すると無指向性の非常に広い放射角度で散乱するが、反射格子により櫛形に交互に並んだ反射光にして加法混色すると平行光として出射するのでその後の処理が容易になる。
放物面鏡6の焦点に発光素子1を設置すると平行光を得ることが出来るが、発光ダイオードのチップ寸法は各辺約250μmのため放物面鏡の焦点に設けた発光素子の寸法により中心部と周辺部から発光された光に光路差が生じて図3に示す平行光からの誤差を持っている。外周部から発光された平行光からの誤差角度θは、発光素子の中心から外周部までの長さr、放物面鏡の座標m(x,y)、焦点距離pにより数2で示され、誤差角度θを小さくするには焦点距離を大きくする必要がある。
【数2】
p=2.5mmの放物面鏡の反射位置y依存性を図4に示す。
【0018】
出射光を平行光でなく拡散光あるいは収束光にするにはレンズ、反射鏡などを併用して放射角を制御出来るが、レンズに拠らなくとも格子反射面を曲面にすることにより放射角を制御することが出来る。反射格子を凸反射面5で形成して光束を拡大する状態の側面図を図5に示す。対を成す曲面の放射角方向が等しくなければ見る方向によっては片方だけの成分になって色斑を生じる。図5では格子の谷部における左側光源光の反射光と格子の頂部における右側光源光の反射光が平行になり、格子の頂部における左側光源光の反射光と格子の谷部における右側光源光の反射光も平行になっている。拡散光であってもこの範囲内で左右の光が対をなして平行に出射することにより均等に混合される。鉛直方向からの放射角γを決定するための入射光の傾斜α、頂部傾斜α、谷部傾斜βの関係を数3と図6に示す。
【数3】
放射角γ=6°ではα=28°、β=34°、
放射角γ=30°ではα=20°、β=50°である。照明装置としてはこの放射角γの他に発光素子寸法による誤差角度θも加算する必要がある。
短冊状の反射面を長軸方向にも曲面を形成することにより長軸方向の放射角δを制御することが出来る。短冊状反射面の長軸方向の曲率半径Rは、短冊状反射面の長軸方向の長さをLとして数4で示される。
【数4】
【0019】
放物線に接する曲率円は光軸方向の焦点付近までの狭い範囲であれば放物線に近似するため、放物面鏡に限らず研磨が容易な放物線近似球面鏡で近似することも出来る。発光素子は湿気などからの保護のために樹脂モールドされるため、モールドの外面に鏡面を設けると反射鏡と焦点が一体化しているので焦点位置調整が不要になる。
楕円鏡、双曲線鏡の場合は格子の稜線が曲線になり、楕円鏡8と双曲線鏡9を組み合わせることにより曲線反射格子を形成することが出来る。楕円鏡と双曲線鏡を対にしたユニットを多数用いた円環状反射格子を図7に示す。顕微鏡照明、医療用照明、ダウンライトなど径の小さな環状照明装置に適している。円環の径が大きい場合は図1または図3の反射格子で近似させることも出来る。
【0020】
三角波状格子を用いて3色を混合するために、傾斜反射面の底部に透光性の開口部を設けた構造を図8に示す。傾斜光を開口部に当たらないようにするには反射面の傾斜θsを数5により35.3°にする必要がある。
【数5】
入射光の傾斜θrが19.5°あるので平行光に変換する光源部の厚さ方向の寸法が大きくなるが、前方の光源部の寸法が影響しないプロジェクターなどに適している。
【0021】
液晶表示装置のように画素数が多い場合は上記の構成では光源部が非常に厚くなる。格子反射面を凸反射面5で形成して光束を画素幅に拡大すると、凸反射面の曲面長さサブ画素幅を光束拡大率で割ったもので済む。平行光が凸反射面で光束を拡大して被照射面におけるサブ画素の透過部の幅Wに拡大する様子を図9に示す。被照射面までの距離tは導光板厚と液晶透明基板厚の和になり、サブ画素の透過部の幅をW、導光板凸面傾斜部の円周に沿った曲面長さをdとすると、凸反射面の曲率半径rは数6で示される。
【数6】
入射光の傾斜θi は段差sと画素幅Xより数7で求められる。
【数7】
段差を10μm、画素幅400μmのときθi は1.43°になり、上記の19.5°の1/13に緩くすることが出来るため光源部の薄型化が可能になる。薄型化により導光板が可能になり、凸反射面による全反射を利用することが出来るので鏡面形成が不要である。2方向の光源に対向する凸反射面を画素幅毎に設けた構造を図10に示す。要部を拡大しているのでθiは1.43°より大きく表示されている。図10は2枚の導光板で構成されているが、各導光板とも2方向の光源に対向する凸反射面で構成されている。凸反射面ピッチ間の水平面に別色光を透過させることで3色以上の混色が可能になり、図10は同一導光板をずらして配置することにより4色を混色する状態を示している。導光板出射面に凸屈折面を設けて平行光に戻す場合で表示している。
【0022】
図11は液晶表示装置のサブ画素に3色を供給して混色する状態を示したものである。図10と図11では2枚の導光板を使用しているが、これらの要素を統合すると図12のように1枚の導光板で3色ストライプを実現することが出来る。1枚構成の導光板のため画素の位置合わせが不要になり生産性が向上し、材料費を半減することが出来る。図12の要部を図13に拡大して説明する。
画素を3つのサブ画素で構成する1番目のサブ画素27Aに入射する細線の光は右端の凸反射面5の上端を越えて中央の凸反射面5Aに入射している。凸反射面で全反射し、光束を拡大してサブ画素幅に照射する。破線の光は左側の凸反射面に入射して光束を拡大して2番目のサブ画素に入射し、3色目の光は導光板の下部から入射している。導光板の下部に突き出した入射部は入射光線に垂直な面を構成し、突起部の後面を凸反射面5Cにして3番目の画素に光束を拡大して照射している。5C面に対称な反射面を形成すれば4色表示も可能である。
【0023】
3色の発光ダイオードを混色する提案はいずれも非対称性のために混色が不十分だが、傾斜が30°の三角錐反射面で3方向の平行光を鉛直方向に反射すると正三角形配置のデルタ配列で混合して出射することが出来る。傾斜30°の正三角形三角錐を凸型と凹型で構成し、凸型三角錐の頂部を○で、凹型三角錐の谷部を●で表すと、3方向を向いた傾斜面の形状は図14のように菱形を組み合わせたものである。三角錐反射面に照射する光源は図14のように3方向に配置し、水平面に30°下向きに照射する配置のため、各反射面は対向する光源以外からの入射はなく、手前の三角錐に遮られることのない構造である。三角波状格子と同一の傾斜面のため紙面の垂直方向に3色の混色光を平行光として出射するため3原色表示装置の光源などとして利用することが出来る。
【0024】
三角波状格子は反射面にして混色するのに限らず、屈折面で構成することも出来る。2つの方向から入射して三角波状に構成された面で屈折して平行光として出射する状態を図15に示す。
屈折格子構成物質の屈折率n2、周囲媒体の屈折率n1とし、右側光源からV字状の右側傾斜面に角度αで入射した光は数8により角度βで屈折する。V字溝の傾斜面角度は中心線に対してγとして対向する屈折面に平行に入射するので右側光源光は右側傾斜面にしか入射せず、傾斜面と入射光は対称なので左側光源光も同様である。V字溝の傾斜面角度γを数8のようにβとαの差で設定することにより双方の屈折光は中心線に平行に出射する。屈折格子の水平面に角度δで左右から対称に入射すると屈折面に角度αで入射するので混色して平行光として出射する。
【数8】
代表的な透光高分子であるポリメチルメタクリレートとポリカーボネートにおけるα、β、γ、δを示す。
【表1】
屈折による混色は屈折率の制約から図16のように進行方向に長い形状になるが、光源部が格子面の裏側になるので図23の実施例のように全面を均一に表示可能である。屈折格子は進行方向に積み重ねることが出来るので反射形と組み合わせることによって4方向あるいは6方向の混合が可能である。4方向の混合装置を図17、図18に示し、8方向の混合装置を図19、図20に示す。
【0025】
個別発光素子で連続スペクトルを得るには、発光ダイオードの光度がピークの約半値になる波長幅は20nm〜60nmのため、各色の半値波長で繋げて6色〜9色を用いると可視光域をカバーして連続スペクトルの白色光を実現可能である。
反射形と屈折形を併用して図19、図20のような構造により8色を混合することが出来、散乱による混色でないので放射角の狭い白色光を照射することが出来る。図10に示した導光板によっても多色混合可能だが、図20では4対の反射格子を載せる基板を放熱器に利用出来るので放熱が容易である。8色を混合すると図21のように連続スペクトルの白色光を合成することが出来る。
【0026】
複数の蛍光体を混合して蛍光白色発光ダイオードを広帯域化するとき、蛍光体を多量に混合することにより蛍光を他の蛍光体で吸収されて効率が更に低下する。単一発光素子で全帯域を蛍光変換すると変換効率が掛かる。このため、蛍光体を混合するのでなく、反射格子によって混色する方法を以下に示す。
第1の発光素子を青色発光ダイオードとし、黄色蛍光体による波高値が青色光波高値の約半分の2山特性となるように蛍光体を分散すると、青緑色にディップを持ち、赤色域の低下した特性である。
第2の発光素子は第1の発光素子のディップ波長で発光する青緑色発光ダイオードとし、橙色蛍光体による波高値が青緑色光波高値の約半分の2山特性となるように蛍光体を分散すると、緑色にディップを持つ特性である。
図1または図3に示す反射格子を用いて第1の発光ダイオード光と第2の発光ダイオード光を加法混色すると、第1発光ダイオードの青緑色ディップは第2発光ダイオードの青緑光で補完される。
第1の発光ダイオードの蛍光と第2発光ダイオードの蛍光スペクトルはブロードなため、加法混色によりそれらの中間波長である黄色は概略均等に加算されて波高値が高くなり、緑色光は第1発光ダイオード光を主体にして第2発光ダイオード光で補われる。赤色光は第2発光ダイオード光を主体にして第1発光ダイオード光で補われ、緑色から赤色域にかけて波高値が励起光に概略等しく、なだらかな連続スペクトルの蛍光を得ることが出来る。合成前と合成後のスペクトル特性を図22に示す。連続スペクトルの白色光を格子状混色素子と2種類の蛍光変換発光素子で実現することが出来る。蛍光体で広帯域特性を得る方法は効率が低下するが、2山特性の不足領域を発光波長とする発光ダイオードで補うと蛍光変換効率が掛からないため、高効率に連続波長を実現出来る。
【発明の効果】
【0027】
複数の発光素子と反射鏡の距離と角度の非対称性による色斑を生じていたが、別の光源光が混入することを防止する反射格子または屈折格子を用いて混合し、同一放射角で出射することにより色斑を防止することが出来る。
反射格子を凸反射面にすることにより入射光の傾斜を小さくして光源部を薄型化することが出来る。薄型化により導光板を使用した全反射を利用することが出来るため鏡面形成が不要になって生産性が向上する。
凸反射面格子を3方向に向けた構造により3色ストライプを1枚の導光板で実現することが出来るため、位置合わせが不要になり生産性が向上し、材料費を削減することが出来る。
蛍光白色発光ダイオードのスペクトルは先鋭な青色となだらかな黄色域の2つのピークから成っているが、色斑を生じない混色装置を用いることにより複数の励起光を利用することが出来、高効率に連続スペクトルを実現することが出来る。
反射格子あるいは屈折格子で混色することにより、蛍光体を多成分系で混合してスペクトルを広帯域化する方法よりも高効率に連続スペクトルの白色光を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
説明の都合上、要部を拡大して表示するため、必ずしも相似関係にはなっていない。
【図1】三角波状反射格子の側面図
【図2】三角波状反射格子の平面図
【図3】光源寸法による放射角誤差
【図4】放射角誤差の反射鏡y位置依存性
【図5】三角波状凸面反射格子の側面図
【図6】頂部傾斜・谷部傾斜と放射角
【図7】楕円鏡・双曲線鏡光源部を使用した円環状照明装置
【図8】反射格子と透過部を併用した3色ストライプ表示装置
【図9】凸反射面による光束拡大
【図10】凸反射面格子と透過部を併用した多色ストライプの導光板
【図11】凸反射面格子と透過部を併用した2層構造の3色ストライプの導光板
【図12】凸反射面格子を導光板底面側に配置した1枚構成の3色ストライプの導光板
【図13】1枚構成の3色ストライプ導光板の要部
【図14】三角錐ドット配列格子の凸部と凹部
【図15】三角波状屈折面格子による混色
【図16】三角波状屈折面格子による混色装置
【図17】反射屈折格子による4色混合装置の平面図
【図18】反射屈折格子による4色混合装置の側面図
【図19】反射屈折格子による8色混合装置の側面図
【図20】反射屈折格子による8色混合装置の斜視図
【図21】反射屈折格子による8色混合白色光源のスペクトル
【図22】2種類の蛍光白色発光素子の混色による合成スペクトル
【図23】屈折格子による交通信号機の表示面
【図24】反射格子による交通信号機の表示面
【図25】凸面格子ユニットの断面図
【図26】車両用前照灯の正面図
【図27】円錐型散乱面による従来の混色装置における前方散乱光のみを示した模式図
【図28】チップ近傍の反射鏡を急傾斜にして色斑を緩和して混色する従来のパッケージ
【図29】45°の溝の界面で液晶パネル方向に全反射する3層を重ねた導光板
【図30】ストライプ幅の積層導光体により3色光を液晶ストライプに供給する従来例
【図31】導光板に設けた四角錐の傾斜面によって3色光を所定の画素に照射する従来例
【図32】棚田状凸反射面導光板とストライプ分配素子による3色液晶表示装置
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施例1
反射面を格子状に配置した3色ストライプに混合する液晶表示装置の照明装置を図12に、要部を図13に示す。対角510mm(20.1型)、XGA(1024×768)のとき、画面寸法は横408mm、縦306mm、画素ピッチ399μm、サブ画素ピッチ133μmである。
3方向を向く3種類の凸反射面は1024段を画素ピッチで均等に配置した構造のものである。導光板の凸反射面段差が画素寸法より小さいために画素寸法に拡大するが、導光板厚が一定のため凸反射面の曲率半径は一定である。導光板厚tを10mm、凸反射面の段差sを10μmとすると曲率半径rは159μmである。光源からの平行光線をほぼ鉛直方向にある液晶のサブ画素に向けて反射するもので、全反射臨界角以上に傾斜することにより反射層を形成する必要がなく製造費用削減が可能である。
発光ダイオードを光源部の放物面鏡の焦点に放物面鏡の反射光を遮らない位置にオフセットして配置する。光度250mcdの発光ダイオード各色128個を配置することにより、光透過率40%のとき輝度307cd/m2が得られる。
透明材料としてポリメチルメタクリレート、脂環式アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート、光硬化アクリル樹脂などが可能で、射出圧縮成型などにより成型出来る。光硬化アクリル樹脂は低粘度のモノマー、オリゴマーを出発原料に重合するため精密な成型が可能である。
【0030】
実施例2
2色の平行光を格子反射面または格子屈折面に入射して混色する実施例として赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードを用いて黄色を合成する信号機について、屈折格子による例を実施例2、反射格子による例を実施例3で説明する。青信号と呼称されるが正しくは緑色である。色覚障害対策として青みを帯びた緑色で表示されている。黄色信号は橙色を帯びた橙黄色で表示されている。
赤色発光素子620nm±10nmと緑色発光素子515nm±10nmを図16の放物面鏡の焦点に設け、色度座標上の色度と輝度に2色の駆動電流を設定して屈折面格子に照射し、混色による黄色570nm±10nmを表示することが出来る。500nm以下の青緑色発光ダイオオードを用いて赤色発光ダイオードと混色すると色度座標上の直線が白色域に近づいて淡黄色になるので515nm±10nmの緑色発光ダイオードを用いている。これにより混色直線が馬蹄形をした色度座標の右側縁面に沿うために濃い黄色を混色することが出来る。
従来の信号機は指向性が広いため交差する道路側の信号が見えるばかりでなく、上空にも放射しているので消費電流が多くなっているが、必要な指向性範囲にすると消費電流を低減し、素子数の低減により製造コストも削減することが出来る。上空や交差する道路まで照射する指向性は消費電流が無駄になるが、上下方向の放射範囲を水平面以下、左右方向の放射角を±45°の範囲にすると消費電流を約1/4に削減することが出来る。このため、1つの表示面に赤と緑の素子を半々で設けても必要な光量得ることが出来る。近年発光効率の向上が著しいが、従来の表示面は発光素子のドットが目立つため素子数を削減すると更に荒い表示になるので素子数の削減は困難である。しかし、屈折格子は櫛型を認識出来ない幅で表示し、光源部が表示面の裏側にあるので全体が均一に表示される。このため、指向性の制御と発光効率に応じて発光素子数を削減することが出来る。
図16に示すユニットの直径25mmにすると図23に示す直径300mmの表示面に約120ユニット並べることが出来る。屈折格子を8対設けると片側面で1.5mm幅の櫛形になり、赤または緑表示のときは格子の片側面から櫛形に出射する。赤色光と緑色光が幅1.5mmの屈折格子から出射したとき、信号機表示面までの距離により格子を認識出来ず、放射方向の一致により色斑の発生も起こらない。必要な指向性範囲に拡散光を出射する手段は図16に示す凹レンズアレイである。凹レンズアレイは防塵・防水を兼ねたフードとしての機能も持っている。
従来の3灯信号機では太陽光を受けて非点灯の2灯も明るくなり輝度差が低下する擬似点灯現象があるが、屈折格子による混色では表示面が1灯なので擬似点灯現象は発生せず、黄色の発光素子を削減し、更に指向性の制御による素子数の低減で信号機をコスト削減することが出来る。
【0031】
実施例3
赤色発光ダイオードと青緑色発光ダイオードを反射格子により黄色を合成する信号機を実施例2との相違点について説明する。図5に示すユニットの反射格子面を19mm角にすると図24に示す直径300mmの表示面に約120ユニット並べることが出来る。反射格子を8対設けると片側面で1.5mm幅の凸反射面になり、赤または緑表示のときは格子の片側面から櫛形に出射する。赤色光と緑色光が幅1.5mmの反射格子から出射したとき、信号機表示面までの距離により格子を認識出来ず、放射方向の一致により色斑の発生も起こらない。
反射格子は湾曲反射面により指向性を拡げ、発光素子寸法に由来する放射角を加えた指向性を持つが、反射格子の設置面を湾曲して指向性を設定可能である。このため反射格子の湾曲設置面により道路状況に応じた指向性に設定出来る。指向性の制御は屈折型よりも自由度が広い特徴がある。反射格子形は光源部が並ぶ構造のため反射面の占積率は60%である。砲弾型発光ダイオードを使用した従来の信号機の表示面で発光素子のドットが目立つのはレンズ形状から先端付近だけが輝くためで、光輝部分が占める面積率は約50%である。このため、従来と同等以上の光輝部の占積率である。
【0032】
実施例4
凸反射面による反射格子を用い、放射角を格子の直交方向で差を持たせた実施例として車両用前照灯について説明する。光源は青色発光ダイオードに黄色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードと、青緑色発光ダイオードに橙色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードを混色して可視光域をカバーする白色光源である。放射角などを変更すればスポットライトなどにも応用することが出来る。
車両用前照灯の上下方向の放射角を10°として光源寸法による誤差角度約4°を差し引くと反射格子に直行方向の放射角γは6°である。数3より傾斜光と頂部の傾斜αは28°、谷部の傾斜βは34°である。反射格子に平行方向の放射角を20°とし、反射格子短冊の長さを14mmとすると、数4より曲率半径は40mmである。4対の凸反射面格子構成の断面図を図25、車両用前照灯の正面図を図26に示す。
左右の光源部の一方は青色発光ダイオードに黄色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオード、他方は青緑色発光ダイオードに橙色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードである。
楕円鏡の一方の焦点に発光素子、他方の焦点に蛍光体を設けている。励起光を受けた蛍光体から後方と前方の放物面鏡に蛍光を発し、後方の放物面鏡からの平行光は平面鏡で方向変換して平行光を反射格子方向に照射している。
発光素子に40mAの順電流を流すと2光源から成る1ユニットで0.28Wになり、このユニットを横に11列、縦に8列の計88ユニット使用して変換効率60lm/W で1480lmの光束を得られる。寸法は横160mm、縦170mmである。混色したスペクトルは図22に示したものである。
すれ違いビームのときは下5列を点灯すると920lmになり、図28のようにユニットの配置にカットオフラインを設けると対向車への防眩効果を増すことが出来る。カットオフラインの斜めの反射格子は楕円鏡と双曲線鏡を組み合わせて台形状の反射格子にしたものである。図28は左側走行車両の場合を正面視したもので、上3段を消灯してすれ違いビームの状態を示したものである。
反射格子はアルミニウムなどの金属鏡面を利用すると放熱板を兼用することが出来る。上記構成による走行ビームのときの全損失は24.6Wになる。反射格子アレイの周囲に30mm幅の取り付けスペースを設けたときの放熱板寸法は横220mm、縦230mmである。
この放熱板の後方にダクトを設け、風速u=10m/s(36km/h)以上の走行風または強制対流で冷却すると、数9により温度上昇は約25℃である。放熱板からダクトの壁面全体に熱伝導して放熱に利用出来るので温度上昇を約28℃よりも低下させることが出来る。数9は放熱板温度における空気の物性値を用いるので繰り返し計算が必要だが、収束条件付近の50℃における物性値
プラントル数Pr:0.71
熱伝導率λ:0.0241[W/m℃]
動粘性係数ν:1.86×10−5[m2/s]
を用いてレイノルズ数Re、ヌセルト数Nu、平均熱伝達率α、温度上昇Tは数9より求められる。放熱板の縦寸法L、横寸法Wとし、外気温度は20℃とする。
【数9】
【0033】
実施例5
楕円鏡と双曲線鏡の組み合わせを多数用いて図7に示す円環状反射格子を形成し、環状のダウンライトの実施例を説明する。
ダウンライトは放射角が約±30°のため反射格子は凸面鏡による構成である。直径120mmの外形に楕円鏡と双曲線鏡を32対用い、発光素子に40mAの順電流を流すと32対の光源で9Wになり、変換効率60lm/W で540lmの光束を得られる。発光素子からの直接光が円環状反射格子に入射すると混色特性を低下するので発光素子を軸外楕円鏡と軸外双曲線鏡の焦点に設ける構造である。
対を成す光源部の一方は青色発光ダイオードに黄色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオード、他方は青緑色発光ダイオードに橙色蛍光体を用いた蛍光白色発光ダイオードで、混色したスペクトルは図22に示したものである。
【0034】
実施例6
反射形と屈折形を併用して図17、図19、図20に示す構造により8色を混合した白色光源の実施例について説明する。
三角波状反射格子は幅10mm、長さ10mmの反射面に10対の格子を設けたものである。8色の発光素子を反射格子ユニット4個に使用し、ポリメチルメタクリレートによる頂角53.2°の屈折型格子を2回通して混色すると図25のように連続スペクトルの白色光を合成することが出来る。可視光域の抱絡線が5500Kの白色光に近似するので高い色再現性を求める用途に適し、赤外線を含まないので温度上昇を避け、紫外線による損傷を避けることが出来る。
【符号の説明】
【0035】
1:発光素子 2:発光素子周囲凹面鏡
3:蛍光反射凹面鏡 4:三角波状反射格子
5:凸面反射格子 6:放物面鏡
7:蛍光体膜 8:楕円鏡
9:双曲線鏡 10:凸屈折面
11:凹屈折面 12:蛍光粒子
15:屈折格子 16:励起光
17:蛍光 18:透光物質
19:平行光 20:拡散光
21:凹面鏡 22:凸面鏡
23:開口部 24:導光板
25:平面鏡 26:遮光体
27:サブ画素 28:液晶挟持基板
29:基板 30:回路基板
31:谷部 32:頂部
33:楕円 34:空気層
37:入射面 38:支持部材
39:散乱面 40:焦点
41:ストライプ分配素子 42:溝
43:四角錐 44:カットオフライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射面あるいは屈折面を他の光源からの光が入射しない傾斜角を持たせた波状構造で並べて格子を形成し、複数光源からの光を反射面あるいは屈折面の形状により出射方向と放射角を一致させて混合することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
平面の反射面を30°の傾斜で三角波状に並べて格子反射面を構成し、
三角波状反射面の一方の光源側から入射した反射光と、三角波状反射面の他方の光源側から入射した反射光を同一方向に出射して混合することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
湾曲した反射面を三角波状に並べて格子反射面を構成し、
三角波状反射面の一方の光源側から入射した反射光と、三角波状反射面の他方の光源側から入射した反射光を同一方向に混合して拡散光あるいは収束光を放射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
湾曲した反射面の光束拡大機能により、反射面の段差をサブ画素幅よりも縮小することにより、入射光の傾斜を縮小して光源部を薄型化することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
導光板に複数の凸反射面を画素ピッチで格子状反射面を構成し、
上記凸反射面のピッチ間に別色光を透過させることにより3色光以上の混色を行なうことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
入射角と出射角差の傾斜を持たせて三角波状に並べて高屈折率側から低屈折率側に出射する格子屈折面を構成し、
三角波状屈折面に一方の光源側からの入射光と、他方の光源側からの入射光を同一方向に屈折して出射し、混合することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
交通信号機において、赤色発光素子620nm±10nmと緑色発光素子515nm±10nmを屈折面格子または反射面格子の対を成す光源部の焦点に設け、屈折面格子または反射面格子に照射して混色により570nm±10nmの黄色混色光を出射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
異なる励起波長を持つ複数の発光素子を用いて励起波長と蛍光波長の中間域を補完し、蛍光域の波高値を加算することにより励起光と蛍光の波高値を均等に混色することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
車両用前照灯において、楕円鏡と双曲線鏡を組み合わせて台形状の反射格子を形成し、矩形の反射格子と組み合わせて斜めのカットオフラインを構成することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項1】
反射面あるいは屈折面を他の光源からの光が入射しない傾斜角を持たせた波状構造で並べて格子を形成し、複数光源からの光を反射面あるいは屈折面の形状により出射方向と放射角を一致させて混合することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
平面の反射面を30°の傾斜で三角波状に並べて格子反射面を構成し、
三角波状反射面の一方の光源側から入射した反射光と、三角波状反射面の他方の光源側から入射した反射光を同一方向に出射して混合することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
湾曲した反射面を三角波状に並べて格子反射面を構成し、
三角波状反射面の一方の光源側から入射した反射光と、三角波状反射面の他方の光源側から入射した反射光を同一方向に混合して拡散光あるいは収束光を放射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
湾曲した反射面の光束拡大機能により、反射面の段差をサブ画素幅よりも縮小することにより、入射光の傾斜を縮小して光源部を薄型化することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
導光板に複数の凸反射面を画素ピッチで格子状反射面を構成し、
上記凸反射面のピッチ間に別色光を透過させることにより3色光以上の混色を行なうことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
入射角と出射角差の傾斜を持たせて三角波状に並べて高屈折率側から低屈折率側に出射する格子屈折面を構成し、
三角波状屈折面に一方の光源側からの入射光と、他方の光源側からの入射光を同一方向に屈折して出射し、混合することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
交通信号機において、赤色発光素子620nm±10nmと緑色発光素子515nm±10nmを屈折面格子または反射面格子の対を成す光源部の焦点に設け、屈折面格子または反射面格子に照射して混色により570nm±10nmの黄色混色光を出射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
異なる励起波長を持つ複数の発光素子を用いて励起波長と蛍光波長の中間域を補完し、蛍光域の波高値を加算することにより励起光と蛍光の波高値を均等に混色することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
車両用前照灯において、楕円鏡と双曲線鏡を組み合わせて台形状の反射格子を形成し、矩形の反射格子と組み合わせて斜めのカットオフラインを構成することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
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【図8】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2010−186653(P2010−186653A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30382(P2009−30382)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【特許番号】特許第4399678号(P4399678)
【特許公報発行日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(306030862)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【特許番号】特許第4399678号(P4399678)
【特許公報発行日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(306030862)
【Fターム(参考)】
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