説明

熱交換器

【解決手段】 EGRクーラー1は、内側管体2と外側管体4および冷却液通路3を備えており、内側管体2内を流通する排気ガスGの熱は冷却液通路3内を流通する冷却液Wへ伝熱される。
内側管体2は4個のユニットUから構成されており、各ユニットUは大径部12内にプレート14を収容している。このプレート14およびその上下位置の連結部13A、13Bは、中心側が外周部よりも低くなる円錐状に形成されており、上記プレート14の中心に水抜き孔14Aが穿設されている。
ユニットU内で排気ガスGによる凝縮水が生じると、該凝縮水はプレート14上に付着した後に水抜き孔14Aから下方へ排出される。
【効果】 ユニットU内のプレート14等が凝縮水によって腐食するのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器に関し、より詳しくは、内側管体とそれを収容した外側管体とを備えて、内側管体内を流通する内部流体と外側管体内を流通する外部流体との間で熱交換を行わせるようにした熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気体が流通する内側管体と、上記内側管体を収容するとともに該内側管体との間で液体を流通させる外側管体とを備え、上記内側管体内を流通する気体と上記外側管体を流通する液体との間で熱交換を行わせる熱交換器が知られている。
一方、自動車用エンジンから排出される排気ガスを再び吸気側に戻して再利用するEGR(Exhaust Gas Recirculation)という技術が知られている。そして、このEGRを効率的に行うため、上記熱交換器を排気ガスの温度を下げるためのいわゆるEGRクーラーとして採用することが提案されている(例えば特許文献1〜特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−079462号公報
【特許文献2】特開2001−241872号公報
【特許文献3】特開2002−350081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の熱交換器としてのEGRクーラーにおいては、次のような問題が指摘されている。すなわち、上記特許文献1のEGRクーラーにおいては、内側管体内を排気ガスが速やかに通過するため、排気ガスの圧力損失が少ないものの、冷却効率が低いという問題があった。一方、特許文献2、3のEGRクーラーにおいては、冷却効率が高いものの、内側管体の内部に形成された無数の突起によって排気ガスの圧力損失が高いという問題があった。
そこで、本願の出願人は、先に排気ガスの圧力損失を抑制し、かつ冷却効率が良好な熱交換器を提案したところである(特願2011―15203)。この先願となる熱交換器の構成を示したものが図4である。この図4に示すように、先願の熱交換器101は、内側管体102と外側管体103およびそれらの間の冷却液通路104とを備えており、さらに上記内側管体102は直列に接続された4つの管状のユニットUから構成されている。ユニットUは、軸方向の両端側となる一対の小径部111、111と、軸方向中央側の大径部112と、この大径部112と上記両小径部111とを接続する環状の連結部113、113とを備えるとともに、大径部112内に配置された円板状のプレート114を備えている。排気ガスGは、導入口116からユニットUに導入されて矢印で示すように流通するようになっており、その際に各プレート114とその上下両面に配置された複数のフィン115とによって流通方向を案内されるようになっている。他方、冷却液Wは導入口117から導入されて冷却液通路104内を流通してから排出口118から排出されるようになっている。そのため、金属製の内側管体102を介して排気ガスGと冷却液Wとの間で熱交換が行われて、排気ガスGの温度が低下するようになっている。
ところで、このような構成を備える先願の熱交換器101を、図4に示すように、軸心が鉛直方向となるように縦置き式として使用する場合には次のような問題が生じた。すなわち、内側管体102内を排気ガスGが流通する際に、該排気ガスGに含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水120が生じると、その凝縮水120が各ユニットUの連結部113上やプレート114上に付着して貯溜される。ここで、内側管体102は金属からなるので、このように各ユニットUの連結部113やプレート114等に凝縮水120が貯溜されると、凝縮水120の貯溜箇所や周辺が腐食し、さらには腐食穴が生じるという問題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、内部流体を流通させる内側管体と、この内側管体を収容する外側管体と、内側管体と外側管体との間に形成されて外部流体を流通させる冷却液通路とを備え、全体として円筒状に形成されるとともに軸心を立てた状態で配置されて、上記内側管体内に内部流体を流通させるとともに上記冷却液通路に外部流体を流通させることにより、上記内側管体を介して内部流体と外部流体との間で熱交換を行わせるようにした熱交換器において、
上記内側管体は管状のユニットを備えており、該ユニットは、同軸上に配置された一対の円筒状をした小径部と、これら小径部の間に位置する円筒状の大径部と、上記各小径部と大径部とを連結する環状の連結部と、上記大径部の内部に収容されたプレートと、このプレートの上下両面とそれらに対向する各連結部の内面との間に配置されるとともに内部流体の流通方向を案内する複数のフィンとを備え、
上記プレートおよび各連結部は、中心側が外周部よりも高さが低くなる円錐状に形成されるとともに、上記プレートの中心側に水抜き孔が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、上記内側管体のユニットは小径部、大径部、連結部を備えているので、外部流体はこれら小径部、大径部、連結部に接触しながら冷却液通路内を流通する。また、内部流体は、ユニットにおけるフィンやプレートとによって流通方向を案内されることで上記小径部、連結部および大径部と接触して流通する。そのため、内部流体と外部流体とを熱交換させるための伝熱面積を増大させることで効率的な熱交換を行うことができるとともに、内部流体がフィンによって整流されて該内部流体の圧力損失を抑制することができる。したがって、冷却効率が高く、かつ圧力損失の少ない熱交換器を提供することができる。
さらに、上述した構成によれば、上記プレートおよび連結部は円錐状となっており、プレートには水抜き孔が形成されている。そのため、ユニット内で凝縮水が生じると、該凝縮水はプレート上に付着してから中心側へ流れた後に水抜き孔から下方へ排出される。また、連結部上に凝縮水が付着した場合にも中心側へ流れたのちに内周部から下方へ排出される。そのため、プレート上や連結部上に凝縮水が残留することを防止できるので、ユニットの構成部材が凝縮水によって腐食したり損傷したりすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1のII―II線に沿う要部の断面図。
【図3】図1に示す構成部材の斜視図。
【図4】従来技術の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1において1は概略円筒状に形成された熱交換器としてのEGRクーラー1であり、このEGRクーラー1は自動車のボンネット内に軸心Cを立てた状態で配置されている。つまり、本実施例のEGRクーラー1は、その軸方向の一端1Aが上方となり、軸方向の他端1Bが下方となるように縦置き式として自動車に搭載されている。
このEGRクーラー1は、内部流体としての排気ガスGを下方から上方へ向けて流通させる内側管体2と、この内側管体2を内部に収容するとともに内側管体2との間に維持された冷却液通路3内に外部流体としての冷却液Wを流通させる外側管体4とを備えている。上記内側管体2はEGR回路の途中に接続されており、外側管体4は冷却液回路の途中に接続されている。また、内側管体2および外側管体4はともに金属によって構成されている。
このEGRクーラー1は、上記内側管体2内に排気ガスGを下方から上方へ向けて流通させると同時に、内側管体2と外側管体4との間の冷却液通路3内に冷却液Wを下方から上方へ向けて流通させるようになっている。それによって、金属製の内側管体2を介して排気ガスGと冷却液Wとの間で熱交換を行わせて、排気ガスGの温度を下げるように構成されている。
【0009】
内側管体2は、上下方向(軸方向)に直列に接続された4個の管状のユニットUから構成されており、排出口2Aとなる最上方のユニットUの開口部はフランジ5を介してEGR回路におけるエンジンの排気側に接続されている。他方、導入口2Bとなる最下部のユニットUの開口部は、L字形の接続パイプ6とフランジ7を介してEGR回路のエンジンの吸気側に接続されている。
各ユニットUは、同軸上に位置させた上下一対の円筒状の小径部11A、11Bと、それらの間に位置する円筒状の大径部12と、各小径部11A、11Bと大径部12の軸方向の両端部とを連結する環状の連結部13A、13と、上記大径部12内に収容された薄板状のプレート14と、このプレート14の上下両面とそれらに対向する上記連結部13A、13Bとにわたって配置された複数のフィン15とから構成されている。
【0010】
図1に矢印で示すように、本実施例においては、排気ガスGは導入口2Bから内側管体2の最下方のユニットU内に導入されて、順次上方位置のユニットU内を流通した後に排出口2Aから排出されるようになっている。上記複数のユニットUからなる内側管体2全体の外周面と外側管体4の内周面との間の空間部が冷却液通路3となっており、内側管体2に排気ガスGが流通する際には、冷却水Wが下方の第1ポート4Aから冷却液通路3内に導入された後に上方の第2ポート4Bから排出されるようになっている。
【0011】
次に、ユニットUが備えるプレート14、連結部13A,13Bおよびフィン15について説明する。
プレート14は、上記小径部11よりも大径で大径部12よりも小径の環状に形成されており、このプレート14は、大径部12内の上下方向(軸方向)の中央位置に配置されている。これにより上記筒状の大径部12の内周面と上記プレート14の外周面との間に環状の隙間Aが維持されるとともに、プレート14の上下両面とそれらに対向する両連結部13A,13Bとの間にも上下方向(軸方向)の隙間A1,A2が維持されており、これらの隙間A1,A2内に複数のフィン15が配置されている。そのため、各ユニットU内を下方から上方に向けて排気ガスGが流通する際には、排気ガスGは下方の小径部11Bから導入された後に上記隙間A1,A,A2の順序で大径部12内を流通した後に上方の小径部11Bから上方へ向けて排出されるようになっている。
【0012】
さらに、本実施例においては、図1に示すように、上記プレート14は中心部側が外周部よりも徐々に高さが低くなる円錐状に形成されており、また、このプレート14の中心部には水抜き孔14Aが穿設されている。
また、上記円錐状に形成されたプレート14の傾斜に合わせて、プレート14の上下両面と対向する各連結部13A、13Bは、中心側(内周部側)が外周部側よりも徐々に高さが低くなる円錐状に形成されている。
上記プレート14および両連結部13A、13Bは上述したように構成されているので、それらの箇所に凝縮水が残留するのを防止することができる。つまり、ユニットU内で排気ガスGによる凝縮水が生じた際に、それが両連結部13A、13Bの内面に付着すると、その凝縮水は連結部13A、13Bの傾斜に沿って内周部側へ流れて、その内周部から下方へ排出される。さらに、凝縮水がプレート14上に付着した場合にも、その傾斜に沿って中心に向けて凝縮水が流れてから水抜き孔14Aを介して下方へ排出される。
本実施例では、このようにしてユニットUの構成部材である、プレート14や両連結部13A、13Bおよび大径部12、小径部11A,11Bにも凝縮水が付着して残留しないようになっている。
【0013】
次に、プレート14に固定して設けられたフィン15について説明する。図2に示すように、円弧状に形成されたフィン15は、プレート14の円周方向等間隔位置に複数設けられるとともに、プレート14の中心側から外周部にわたって放射方向に対して少し傾斜させて配置されている。
本実施例においては、各フィン15は、軸方向の一端をプレート14の上面または下面に一体に固定されており、軸方向の他端15Aは自由端15Aとなっている。
この図2において、実線で示すフィン15はプレート14の上面側のフィン15を示しており、破線で示すフィン15は下面側のフィン15を示している。フィン15の軸方向寸法は、プレート14の上下両面とそれらに対向する連結部13A、13Bとが隔てた距離と実質同じ寸法に設定されている。そのため、各構成部材を組み付けてユニットUを組み立てた際には、上面のフィン15の自由端15A(上端)は、その対向位置となる上方の連結部13Bの内面に隙間なく接触し、下面のフィン15の自由端15A(下端)は、その対向位置となる下方の連結部13Aの内面に隙間なく接触する。これにより、ユニットU内の隙間A1,A2を排気ガスGが流通する際には上記プレート14とその上下両面の各フィン15によって流通方向を案内されるようになっている。
【0014】
より詳細には、下方から導入された排気ガスGはプレート14に吹き付けられてから空間A1内を下方位置のフィン15に沿って外周部方向へ案内された後、隙間Aを介して隣接上方位置の空間A2へ移動する。その後、排気ガスGは空間A2内ではプレート14の上面と上方のフィン15に沿って外周部側から中心側へと案内され、その後、上方の小径部11B内を介して上方へ流通して行くようになっている。つまり、先願である特願2011−15203の熱交換器と同様に、ユニットU内に配置されたプレート14とその上下両面のフィン15によって排気ガスGの流通方向が案内されるようになっている。
【0015】
さらに、本実施例においては、ユニットUの各構成部材を組み立てる際に、プレート14およびフィン15の大径部12内での固定と位置決めを容易にするために、以下のような構成を採用している。すなわち、図1ないし図3に示すように、フィン15の自由端15Aにおける中心側の端部は、そこよりも半径方向外方側の箇所に対して軸方向に伸長させた嵌合爪15Bとして形成されている。このように、プレート14の上下両面に固定された各フィン15は、プレート14の中心側に嵌合爪15Bを備えている。そして、図3に示すように、これら上面側または下面側における各組のフィン15の嵌合爪15Bを結ぶ仮想円Xの直径は、各小径部11A、11Bの内径よりも僅かに小さな寸法に設定されている。そのため、ユニットUの構成部材を組み立てる際には、プレート14における上下各組のフィン15の嵌合爪15Bは、それらの対向位置となる各小径部11A、11B内に隙間なく嵌合されるようになっている。
さらに、嵌合爪15Bよりも半径方向外方側となるフィン15の軸方向寸法は、ユニットUの各構成部材を組み立てた際に、プレート14の上下各組のフィン15の自由端15Aが、それらの対向位置となる連結部13A、13Bの内面と隙間なく接触する寸法に設定されている。
プレート14の上下両面に立設されたフィン15は以上のように構成されているので、ユニットUの各構成部材を組み立てる際には、上下各組のフィン15の嵌合爪15Bを、それらの対向位置となる小径部11A,11B内に嵌合させればよい。それにより、プレート14とその上下両面のフィン15と上下位置の両小径部11A,11Bが固定されるとともに、該小径部11A、11Bに連設されている大径部12および両連結部13A,13Bも固定されるようになっている。
また、大径部12内におけるプレート14およびフィン15の半径方向位置と軸方向の位置決めも行われる。それにより、大径部12内における半径方向の隙間A、および軸方向の隙間A1,A2を確実に維持することができる。また、上下各組のフィン15の自由端15Aが対向位置となる連結部13A,13Bと隙間なく接触するようになっている。
内側管体2のユニットUは以上のように構成されており、本実施例においては、このユニットUを上下方向(軸方向)に4個直列に接続することで内側管体2を構成している。
【0016】
他方、上記外側管体4は、上記内側管体2の大径部12よりも大径の円筒状に形成されており、その軸方向の両端は蓋体16,16によって閉鎖されている。そして、上方側の蓋体16には、上記内側管体2の最上方のユニットUにおける小径部11Bを貫通させてあり、下方の蓋体16には上記接続パイプ6を液密を保持して貫通させている。そして、外側管体4の下部には、上記冷却液回路から冷却液通路3内へ冷却液Wを導入する第1ポート4Aが設けられており、外側管体4の上部には冷却液Wを冷却液通路2から排出する第2ポート4Bが設けられている。
【0017】
以上のように構成された本実施例のEGRクーラー1においては、排気ガスGがエンジンからEGR回路へと排出されると、該排気ガスGは内側管体2へ下方の導入口2Bから導入され、その後、順次各ユニットU内を上方に向けて流通し、上方の排出口2AからEGR回路へ排出される。また、冷却液Wは第1ポート4Aから冷却液通路3に導入されて、該冷却液通路3内を流通してから上方の第2ポート4Bから排出される。これにより、金属製の内側管体2を介してその内部を流通する排気ガスGと冷却液Wとの間で熱交換が行われ、排気ガスGはEGRクーラー1を通過する間に冷却液Wによって冷却され、該冷却された排気ガスGが上記エンジンへと吸気される。
ここで、本実施例においては、内側管体2のユニットUにおける上下の連結部13A,13Bと上記フィン15の自由端15Aとが接触しているので、上記上下各組のフィン15およびプレート14も冷却液Wにより冷却されている。そのため、排気ガスGは上下各組のフィン15およびプレート14に接触することによっても効率的に冷却されるようになっている。
【0018】
そして、特に、本実施例においては、各ユニットUを上述した各構成部材によって構成しているので、内側管体2が冷却液Wと接触する面積、つまり伝熱面積を特許文献1〜3の従来技術よりも増大させることができる。したがって、本実施例のEGRクーラー1は、前述した特許文献1〜3にかかるEGRクーラーのいずれに対して良好な冷却効率が得ることが可能である。また、少なくとも本実施例のEGRクーラー1は、特許文献2、3にかかるEGRクーラーよりも排気ガスの圧力損失を抑制することができる。このような熱効率や圧力損失に関する本実施例のEGRクーラー1と従来技術との違いは、本実施例と類似した先願(特願2011−15203)のEGRクーラーと従来技術とを比較した実験データからも明らかである。
【0019】
さらに、上述した本実施例においては、プレート14および両連結部13A,13Bは円錐状となっており、プレート14には水抜き孔14Aが形成されている。そのため、EGRクーラー1を縦置き式として使用することが前提となる本実施例において、各ユニットU内で排気ガスGにより凝縮水が生じた場合には、該凝縮水はプレート14上に付着してから中心側へ流れてから水抜き孔14Aから下方へ排出される。つまり、本実施例においては、プレート14上や連結部13A,13B上に凝縮水が残留することを防止できるので、プレート14や両連結部13A,13Bその他のユニットUの構成部材が凝縮水によって腐食したり損傷したりすることを抑制することができる。
さらに、プレート14の上下両面に一体に設けられた上下各組のフィン15には、嵌合爪15Bが形成されているので、両小径部13A,13Bとプレート14およびフィン15とを容易に組み付けて固定することができるとともに、大径部12内におけるプレート14および上下各組のフィン15の位置決めも容易に行うことができる。
【0020】
なお、上記実施例においては第1ポート4Aから冷却液通路3内に冷却水Wを導入して第2ポート4Bから排出させるようにしているが、それとは逆に、第2ポート4Bから冷却液通路3内に冷却水Wを導入して第1ポート4Aから排出させるようにしても良い。
また、上記実施例は、排気ガスGを冷却するEGRクーラー1に本発明を適用した場合を示したが、本発明はその他の分野における熱交換器として適用することができる。
また、上記両連結部13A、13Bおよびプレート14は、図1に示す縦断面図で見たときに断面が直線となる円錐状となっているが、断面が曲線となる擂鉢状のものも本実施例でいう円錐状の概念に含まれるものである。
また、フィン15の設置枚数や形状については適宜変更することができ、特に上記ユニットUの数を増減することで様々な要求に対応することが可能である。さらに、上記実施例におけるフィン15は円弧状に湾曲したものとなっているが、この湾曲形状としてその途中に折れ部が形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0021】
1‥EGRクーラー 2‥内側管体
3‥冷却液通路 4‥外側管体
11‥小径部 12‥大径部
13A、13B‥連結部 14‥プレート
14A‥水抜き孔 15‥フィン
G‥排気ガス(内部流体) W‥冷却液(外部流体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部流体を流通させる内側管体と、この内側管体を収容する外側管体と、内側管体と外側管体との間に形成されて外部流体を流通させる冷却液通路とを備え、全体として円筒状に形成されるとともに軸心を立てた状態で配置されて、上記内側管体内に内部流体を流通させるとともに上記冷却液通路に外部流体を流通させることにより、上記内側管体を介して内部流体と外部流体との間で熱交換を行わせるようにした熱交換器において、
上記内側管体は管状のユニットを備えており、該ユニットは、同軸上に配置された一対の円筒状をした小径部と、これら小径部の間に位置する円筒状の大径部と、上記各小径部と大径部とを連結する環状の連結部と、上記大径部の内部に収容されたプレートと、このプレートの上下両面とそれらに対向する各連結部の内面との間に配置されるとともに内部流体の流通方向を案内する複数のフィンとを備え、
上記プレートおよび各連結部は、中心側が外周部よりも高さが低くなる円錐状に形成されるとともに、上記プレートの中心側に水抜き孔が形成されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
上記フィンは、上記プレートの上下両面に固定して設けられており、また、各フィンにおけるプレートの中心側の箇所には軸方向に伸びる嵌合爪が形成されており、プレートの上面側又は下面側の各組のフィンの嵌合爪を対向位置の小径部内に嵌合させることにより、上記プレートとフィンが大径部内で位置決めされ、かつ固定されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
上記内側管体は上記ユニットを複数直列に接続して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−96594(P2013−96594A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237282(P2011−237282)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000207791)大豊工業株式会社 (152)
【Fターム(参考)】