説明

燃料用水素ガス充填装置及び燃料用水素ガス充填方法

【課題】車両の車載用水素充填タンクへの水素ガス充填を短時間に行なえることのできる燃料用水素ガス充填装置及びその方法を提供する。
【解決手段】液化水素貯蔵容器1から導出した液化水素を昇圧し、この昇圧した液化水素を熱交換器3に導入して気化させ、この熱交換器3から導出された水素ガスを充填ノズル6から車載用水素充填タンクに充填する燃料用水素ガス充填方法である。少なくとも熱交換器3の一部と流量調整弁4とをバイパスする状態に形成した水素供給用のバイパスラインBを流れる低温ガスと、熱交換器3を通過して水素供給ライン7を流れる気化された常温ガスとを混合した混合ガスのガス温度が目標温度となるように各水素供給ライン7、8、15に配置した流量調整弁4、9、16を開閉制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料用水素ガスの充填方法に関し、特に、燃料電池自動車、水素エンジン自動車等の水素を燃料として走行する車両に搭載される車載用水素充填タンクに水素ガスを供給するための水素ステーション(水素スタンド)での燃料用水素ガスの充填装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題、エネルギー問題の要請から、ガソリン等の自動車用燃料の代替エネルギーとして、水素ガスを燃料として使用することが検討され、特に、水素ガスと酸素ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池をエネルギー源として搭載した燃料電池車輌の実証走行試験が進められている。
【0003】
水素ガスを燃料として使用する車両の場合、車両に搭載される車載用水素充填タンクへの燃料水素の充填は、水素ステーションで行なわれる。そして水素ステーションでは、充填時間短縮のために充填する水素ガスの温度を目標温度−40℃、あるいは目標温度−20℃程度に制御しながら充填することが求められている。このような水素ステーションとして、従来、液化水素及び/またはスラッシュ水素が充填されている水素貯蔵タンクと、水素貯蔵タンクから流出する液化水素を圧縮して昇圧する昇圧ポンプと、昇温ポンプから吐出された液化水素を気化昇温させる熱交換器と、車載用水素充填タンクに設けられているカプラに着脱できる充填ノズルとを配置した水素供給ラインとで構成したものが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−196590号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先の特許文献で提案されている水素ステーションでは、熱交換器から導出された低温水素ガスと、別途配置した蓄圧器(気蓄器)から導出された常温水素ガスとを混合して所定の温度に制御するようにしている。このため、同方式では常温水素ガスを貯留しておく蓄圧器が必要となり、蓄圧器の設置スペースを必要とするうえ、設置コスト、メンテナンスコストが増加するという課題を有している。
【0006】
次に、空温式熱交換器の特性を示す例として、液化ガスを昇圧ポンプで昇圧しながら空温式熱交換器を通して容器に充填を行った場合の、配管系各部のガス温度の変化(配管表面温度で代替している)を図5に示す。
図5より、ポンプ出口部では、ポンプ運転開始後、液化課すと同程度まで直線的に温度が低下しているのに対し、熱交換器の入口や熱交換器の途中では曲線(凸)的に温度が低下し、常温から定常状態になるまで数分以上を要することが分かる。
【0007】
つまり、この先に提案されている水素ステーションでは、燃料電池車両への水素充填が短いインターバルで連続的に行なわれる場合は、それほど問題ではないが、燃料電池車両が少なく、水素ステーションの使用頻度が少なくて充填インターバルが長い場合には、熱交換器の温度が常温(外気温度)の状態から充填が開始されるため、熱交換器を通して気化させた場合、そのガス温度が所望のガス温度に低下するまで、時間を要し、車載用水素充填タンクへの充填を迅速に行なうことが出来ないという問題がある。また、熱交換器の温度を十分に低下させてから充填を開始する場合には、所望温度に低下するまでに流通気化させたガスを充填に使用できないため、ガスを貯留するための設備を要するという問題も生じる。
【0008】
二重管式などの強制的な熱交換器の場合には、熱交換器が常温(外気温度)の状態にある場合には、冷媒を使用して熱交換器を冷却しておき、液化水素が熱交換器を流通することで熱交換器が冷えてきたら熱媒を使用して熱交換器を加熱して、所定温度の低温水素ガスを充填する、という方法が考えられるが、その場合、設備コストアップ、機器類の設置スペース増加につながる。また、目標とされている車両1台あたりへの充填時間(3〜5分)内で冷媒、熱媒の温度・供給量を制御して熱交換器出口でのガス温度を制御することは難しいという問題もある。
【0009】
本発明は、このような点に着目して、車両の車載用水素充填タンクへの水素ガス充填を短時間に行なえることのできる燃料用水素ガス充填装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、水素を燃料として走行する車両に搭載される車載用水素充填タンクに水素を供給する装置を、液化水素貯蔵容器から導出した水素供給ラインの先端に車載用水素充填タンクと連結接続可能な充填ノズルを装着し、この水素供給ラインに液化水素貯蔵容器側から昇圧ポンプと、熱交換器と、流量調整弁と、流量計とを順に装着し、少なくとも熱交換器の一部と流量調整弁とをバイパスする状態で水素供給用バイパスラインを形成し、この水素供給用バイパスラインに低温流体用の流量調整弁を装着したことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の本発明は請求項1に記載した構成に加えて、水素供給用バイパスラインを昇圧ポンプと熱交換器との間から分岐し、流量調整弁と流量計との間で合流させた分岐路で構成していることを特徴としており、請求項3に記載の本発明は請求項1または2に記載した構成に加えて、水素供給用バイパスラインを熱交換器の中途から分岐し、流量調整弁と流量計との間で合流させている分岐路で構成していることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、液化水素貯蔵容器から導出した液化水素を昇圧し、この昇圧した液化水素を熱交換器に導入して気化、昇温させ、この熱交換器から導出された水素ガスを水素供給ラインの先端に装着した充填ノズルから車載用水素充填タンクに充填する燃料用水素ガス充填方法において、少なくとも熱交換器の一部と流量調整弁とをバイパスする状態に形成した水素供給用バイパスラインを流れる低温ガスと、熱交換器を通過して水素供給ラインを流れる気化、昇温された常温ガスとを混合した混合ガスのガス温度が目標温度となるように各水素供給ラインに配置した流量調整弁を制御することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載した構成に加えて、熱交換器が常温である場合には、水素供給用バイパスラインを使って充填を開始し、水素供給用バイパスラインの配管温度が予め設定した温度より低下した段階で、熱交換器が配設されている水素供給ラインを開通させて、水素供給バイパス路を流通する低温ガスと水素供給ラインを流れる常温ガスとを混合させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、液化水素を気化、昇温する熱交換器の少なくとも一部と熱交換器から導出された常温ガスの流量を調節する流量調整弁とを水素供給用バイパスラインでバイパスし、この水素供給用バイパスラインを流通する低温ガスと熱交換器を通過した常温ガスとを、混合後のガス温度が目標温度となるように制御して混合するようにしていることから、水素ステーションの稼動が少なくて充填インターバルが長く、熱交換器の温度が常温になっていても、充填作動開始後、迅速に目標温度の低温ガスを車載用水素充填タンクに充填することが出来る。
【0015】
また、熱交換器を空温式にすることによって、熱媒設備や蓄圧器を省略することができ、熱媒設備や蓄圧器の設置スペースを用意しなくてもよく、設置コスト、メンテナンスコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示す水素ステーションの概略構成図である。
【図2】本発明の作動手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の別の実施形態を示す水素ステーションの概略構成図である。
【図4】本発明の異なる実施形態を示す水素ステーションの概略構成図である。
【図5】液化ガスの昇圧、気化時の配管系表面温度及び配管圧力と経過時間との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る燃料用水素ガス充填装置の一例である水素ステーションの実施形態を図に基づき説明する。
図1は、ひとつの実施形態を示す水素ステーションの概略構成図であり、図中符号(1)は水素ガス供給源としての液化水素貯蔵容器、(2)は液化水素貯蔵容器(1)から導出した液化水素を昇圧・圧送する昇圧ポンプ、(3)は空温式熱交換器、(4)は外気との熱交換により加熱気化された常温流体用の流量調整弁、(5)は流量計、(6)は図示を省略した車載用水素充填タンクに接続可能な充填ノズルであり、これら昇圧ポンプ(2)、熱交換器(3)、流量調整弁(4)、流量計(5)、充填ノズル(6)は液化水素貯蔵容器(1)から導出した水素供給ライン(7)に液化水素貯蔵容器(1)側から順に装着されている。なお、本発明では液化水素容器(1)に貯留されている液化水素には、スラッシュ状に形成された水素も含むものとする。
【0018】
昇圧ポンプ(2)と熱交換器(3)の間の水素供給ライン(7)から分岐路(8)が分岐導出され、この分岐路(8)の下流端は常温流体用流量調整弁(4)と流量計(5)との間で水素供給ライン(7)に合流させている。 そして、この分岐路(8)には、低温流体用の流量調整弁(9)が装着してあり、この分岐路(8)が空温式熱交換器(3)と流量調整弁(4)とをバイパスする水素供給用のバイパスライン(B)を構成している。
【0019】
水素供給ライン(7)での熱交換器(3)の出口側に温度検出器(10)が、また、分岐路(8)での低温流体用流量調整弁(9)の上流側に温度検出器(11)が、また、水素供給ライン(7)と分岐路(8)との合流部には温度検出器(12)及び圧力検出器(13)がそれぞれ配置してある。
【0020】
そして、これら各検出器(10)(11)(12)(13)での検出データを制御装置(14)に入力し、これら各検出データに基づき、昇圧ポンプ(2)の作動制御、流量調整弁(4)及び低温流体用流量調整弁(9)の開閉制御を行なうようにしてある。
【0021】
上述の構成からなる燃料用水素ガス充填装置では、 図2に示す手順で水素ガスを移送充填する。
充填開始にあたり、水素供給ライン(7)に介装されている(常温用)流量調整弁(4)と、バイパスライン(8)に介装されている低温流体用流量調整弁(9)の開度を確認する(ステップS1)。流量調整弁の前後に遮断弁が設置されている場合には遮断弁が閉止していることを確認する。ついで、充填装置の配管表面温度(T1)を温度検出器(11)から制御装置(14)に取り込む(ステップS2)。
【0022】
配管表面温度(T1)と目標充填温度(例えば−40℃)(TSV)とを比較する(ステップS3)。充填頻度が少ない場合には、充填装置の配管表面温度(T1)は外気温と同じ常温となっており、目標温度よりも高温(T1≧TSV)である。次に昇圧ポンプ(2)を始動させ(ステップS4)、昇圧ポンプ(2)の始動後、合流点でのガス圧力(P12)、ガス温度(T12)を制御装置(14)に取り込む(ステップS5)。
【0023】
合流点でのガス圧力(P12)と目標充填圧力(例えば35MPa)(PSV)とを比較し(ステップS6)、その時点でのガス圧力が目標充填圧力に達していない(P12<PSV)ときには、合流点でのガス温度(T12)と目標温度(TSV)とを比較する(ステップS7)。その時点での合流点でのガス温度が目標温度(TSV)よりも高温(T12≧TSV)であれば、分岐路(8)に介装されている低温流体用流量調整弁(9)の開度を調整して(ステップS8)、分岐路(8)を流れる液化水素ガス量を増加させ、ステップS5に戻り、上記手順(ステップS5〜ステップS8)を繰り返す。
【0024】
そして、ステップS6で合流点でのガス圧力(P12)と目標充填圧(PSV)とを比較した結果、合流点でのガス圧力(P12)が目標充填圧(PSV)に達した場合(P12≧PSV)には、車載用水素充填タンクへの水素ガス充填作業が完了したものとして、水素供給ライン(7)に介装されている(常温用)流量調整弁(4)と、バイパスライン(8)に介装されている低温流体用流量調整弁(9)を閉弁したのち(ステップS9)、昇圧ポンプ(2)を停止させ(ステップS10)、充填作業を終了する。
【0025】
また、ステップS3で配管温度(T1)と目標温度(TSV)とを比較した結果、前回の充填作業終了からの経過時間が短いなどの理由から、充填装置の配管表面温度(T1)が目標温度よりも低温となっている(T1<TSV)場合には、昇圧ポンプ(2)を始動させ(ステップS11)、昇圧ポンプ(2)の始動後、合流点でのガス圧力(P12)、ガス温度(T12)を制御装置(14)に取り込む(ステップS12)。
【0026】
合流点でのガス圧力(P12)と目標充填圧(例えば35MPa)(PSV)とを比較し(ステップS13)、その時点での圧力が目標充填圧(PSV)に達していない(P12<PSV)ときには、温度勾配を加味して合流部でのガス温度(T12)が目標温度(TSV)となるように分岐路(8)に介装されている低温流体用流量調整弁(9)の開度を調整するとともに(ステップS14)、水素供給ライン(7)に介装した常温用流量調整弁(4)の開度を調整し(ステップS15)、ステップS12に戻り、上記手順(ステップS12〜ステップS15)を繰り返す。
【0027】
そして、ステップS13で合流点での圧力(P12)と目標充填圧(PSV)とを比較した結果、合流点での圧力(P12)が目標充填圧(PSV)に達した場合(P12≧PSV)には、車載用水素充填タンクへの水素ガス充填作業が完了したものとして、水素供給ライン(7)に介装されている(常温用)流量調整弁(4)と、バイパスライン(8)に介装されている低温流体用流量調整弁(9)を閉弁したのち(ステップS9)、昇圧ポンプ(2)を停止させ(ステップS10)、充填作業を終了する。
【0028】
一方、前記ステップS7で、合流点でのガス温度(T12)と目標温度(TSV)とを比較した結果、合流点でのガス温度が目標温度(TSV)よりも低温(T12<TSV)であれば、ステップS12に進むようにしてある。
【0029】
なお、圧力35Mpaにおいて、温度が一定(外気温度)の常温ガスと、温度を変化させた低温ガスを混合し、一定流量(1Kg/min)、一定温度(−40℃)とする場合の混合比率とをエンタルピーによる計算で求めると、以下の表のようになる。
【0030】
【表1】

【0031】
図3は、本発明の別の実施形態を示し、これは、バイパスライン(B)を空温式熱交換器(3)の内部流体経路の途中から導出した分岐路(15)で構成し、この分岐路(15)を空温式熱交換器(3)の下流側での流量調整弁(4)と流量計(5)との間で水素供給ライン(7)に合流させたものであり、この分岐路(15)には、前述した実施形態と同様に低温流体用流量調整弁(16)と温度検出器(17)が装着してある。
【0032】
このように空温式熱交換器(3)の途中から分岐するバイパスライン(B)を設けた場合には、昇圧ポンプ(2)と空温式熱交換器(3)の間からバイパスライン(B)を分岐した場合に比して、温度低下が緩やかであり、温度制御が容易になる。
【0033】
図4は、本発明の異なる実施形態を示し、これは昇圧ポンプ(2)と空温式熱交換器(3)の間の水素供給ライン(7)から低温流体用流量調整弁(9)と温度検出器(11)を介装した分岐路(8)と、空温式熱交換器(3)の流体経路途中から低温流体用流量調整弁(16)と温度検出器(17)とを介装した分岐路(15)とでバイパスライン(B)を形成したものであり、この第2の分岐路(15)は分岐路(8)と合流して、空温式熱交換器(3)の下流端での流量調整弁(4)と流量計(5)との間で水素供給ライン(7)に合流させたものである。
【0034】
このように、昇圧ポンプ(2)と空温式熱交換器(3)の間から分岐路(8)を導出するとともに、空温式熱交換器(3)の途中から第2の分岐路(15)を分導出させ場合には、連続した充填により、空温式熱交換器(3)が十分に冷えている場合に、昇圧ポンプ(2)と空温式熱交換器(3)の間から分岐導出した分岐路(8)に変えて、空温式熱交換器(3)の途中から分岐導出し分岐路(15)を使用することで、より安定した温度制御が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、燃料電池自動車、水素エンジン自動車等の水素を燃料として走行する車両に搭載される車載用水素充填タンクに水素ガスを供給するための水素ステーションでの水素充填技術として利用することが出来る。
【符号の説明】
【0036】
1…液化水素貯蔵容器、2…昇圧ポンプ、3…熱交換器、4…流量調整弁、5…流量計、6…充填ノズル、7…水素供給ライン、9・16…低温流体用流量調整弁、8・15…分岐路、B…水素供給用バイパスライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を燃料として走行する車両に搭載される車載用水素充填タンクに水素を供給する装置であって、
液化水素貯蔵容器(1)から導出した水素供給ライン(7)の先端に車載用水素充填タンクと連結接続可能な充填ノズル(6)を装着し、この水素供給ライン(7)に液化水素貯蔵容器側から昇圧ポンプ(2)と、熱交換器(3)と、流量調整弁(4)と、流量計(5)とを順に装着し、少なくとも熱交換器(3)の一部と流量調整弁(4)とをバイパスする状態で水素供給用バイパスライン(B)を形成し、この水素供給用バイパスライン(B)に低温流体用の流量調整弁(9)(16)を装着したことを特徴とする燃料用水素ガス充填装置。
【請求項2】
水素供給用バイパスライン(B)を昇圧ポンプ(2)と熱交換器(3)との間から導出し、流量調整弁(4)と流量計(5)との間で合流させた分岐路(8)で構成している請求項1に記載した燃料用水素ガス充填装置。
【請求項3】
水素供給用バイパスライン(B)を熱交換器(3)の中途から導出し、流量調整弁(4)と流量計(5)との間で合流させている分岐路(15)で構成している請求項1または2に記載した燃料用水素ガス充填装置。
【請求項4】
熱交換器(3)が空温式熱交換器である請求項1〜3のいずれか1項に記載した燃料用水素ガス充填装置。
【請求項5】
液化水素貯蔵容器(1)から導出した液化水素を昇圧し、この昇圧した液化水素を熱交換器(3)に導入して気化させ、この熱交換器(3)から導出された水素ガスを水素供給ライン(7)の先端に装着した充填ノズル(6)から車載用水素充填タンクに充填する燃料用水素ガス充填方法において、
少なくとも熱交換器(3)の一部と流量調整弁(4)とをバイパスする状態に形成した水素供給用バイパスライン(B)を流れる低温ガスと、熱交換器(3)を通過して水素供給ライン(7)を流れる気化された常温ガスとを混合した混合ガスのガス温度が目標温度となるように各水素供給ライン(7)(B)に配置した流量調整弁(4)(9)(16)を制御することを特徴とする燃料用水素ガス充填方法。
【請求項6】
熱交換器(3)が常温である場合には、水素供給用バイパスライン(B)を使って充填を開始し、水素供給用バイパスライン(B)の配管温度が予め設定した温度より低下した段階で、熱交換器(3)が配設されている水素供給ライン(7)を開通させて、水素供給用バイパスライン(B)を流通する低温ガスと水素供給ライン(7)を流れる常温ガスとを混合させるようにした請求項5に記載した燃料用水素ガス充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−167767(P2012−167767A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30396(P2011−30396)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】