説明

燃料電池の電圧検出装置

【課題】セル内に燃料が供給されていない場合であっても、セル電圧を測定することが可能な燃料電池の電圧検出装置を提供する。
【解決手段】複数のセルを第1ブロック〜第5ブロックの5個のブロックに区分けし、更に、各ブロック毎に電圧検出用ICを設ける。そして、各電圧検出用ICは、接続されるブロック内のセル電圧から電力が供給されて作動し、更に、このうち一つの電圧検出用IC(21-1)は、DC/DCコンバータ42から電力が供給されて駆動する。従って、セル内に燃料が供給されない等の理由によりセル電圧が低下している場合であっても、この電圧検出用IC(21-1)によるセル電圧の検出が可能になる。そして、電圧検出用IC(21-1)で検出されるセル電圧が閾値電圧を上回った場合に、各電圧検出用ICによる電圧検出を開始する。その結果、高精度な電圧検出が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池のセル電圧を検出する電圧検出装置に係り、特にセル内に燃料が供給されていない場合であってもセル電圧を測定可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今において、水素及び酸素を燃料として電力を発生させ、この電力でモータを駆動して車両を走行させる燃料電池車両の開発が広く進められている。燃料電池は、環境面において優れているばかりでなく、高いエネルギー効率を実現できることから、今後の車両用エネルギーとして極めて有望である。
【0003】
車両に搭載される燃料電池は、通常複数のセルを有しており、各セルを直列に接続して例えば、200V等の高電圧を発生させ、この電圧をモータに供給して車両を走行させる。
【0004】
このような燃料電池車両においては、各セルに生じる電圧を測定するために電圧検出装置が設けられており、複数のセルを1つのブロックに区分し、各ブロック毎にセル電圧を測定し、適正な電圧が発生しているか否かを監視している(例えば、特許文献1参照)。例えば、全体で55個のセルを備える燃料電池では、11個のセルを1つのブロックとし、全体で5個のブロックを構成する。そして、各ブロック毎に設けられた電圧検出用ICにて各ブロック毎のセル電圧を測定し、セル電圧が正常な電圧に保持されているか否かを監視する。
【0005】
この際、例えば上述した例のように、全体で55個のセルが、11個、5ブロックに区分けされた場合には、1つのブロックより出力される電圧が40V程度となり、各ブロックに設けられる電圧検出用ICは、各セルより出力される40V程度の電圧を電源電圧として作動し、各ブロック毎の電圧を測定する構成とされている。即ち、電圧検出用ICは、測定対象とするセル電圧を電源電圧として作動する。
【0006】
ここで、燃料電池に設けられるセル内に燃料が供給されていない場合には、各ブロックのセルに電圧が発生しないので、電圧検出用ICに電源用の電圧が供給されなくなり、電圧検出用ICが作動しなくなるという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−49894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来における燃料電池の電圧検出装置では、セル内に燃料が供給されていない場合には、電圧検出用ICを作動させることができず、セル電圧の測定ができなくなるという欠点があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、セル内に燃料が供給されていない場合であっても、各セルの出力電圧を測定して操作者に知らせることが可能な燃料電池の電圧検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、複数のセルを直列に接続して所望の電圧を出力する燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出装置において、前記複数のセルを、少なくとも1個のセルからなるN個(N≧2)のブロックに区分けし、前記各ブロック毎にそれぞれ設けられ、該ブロック内のセル電圧を測定する電圧検出手段と、前記各電圧検出手段と通信回線を介して接続され、各電圧検出手段に電圧検出指令を出力すると共に、各電圧検出手段より送信される電圧検出信号を受信する制御手段と、直流電源より供給される電圧を、前記電圧検出手段の駆動電源の電圧に昇圧する(N−1)個以下のコンバータと、を有し、前記各コンバータは、前記N個の各ブロックのうち任意の(N−1)個のブロックに接続され、前記制御手段は、前記燃料電池の出力を開始する際には、前記各コンバータより、それぞれのコンバータに対応するブロックの電圧検出手段に電力を供給して該電圧検出手段を作動させると共に、前記各コンバータの供給電力にて作動する各電圧検出手段のうち、少なくとも一つの電圧検出手段にて検出される電圧が所定の閾値を上回った場合に、前記各ブロックに設けられる電圧検出手段のうちの少なくとも一つを、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させ、各ブロック内のセル電圧を取得することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記コンバータの個数は2個であり、前記複数のセルは、グランドレベルを基準としてそれぞれ直列に接続され、このうち、グランドレベルに接続されるセルを含む下端電圧ブロック、及び最大電圧レベルに接続される上端電圧ブロックにそれぞれ前記コンバータを接続し、前記制御手段は、前記下端電圧ブロック、及び前記上端電圧ブロックの双方で前記電圧検出手段の検出電圧が前記所定の閾値を上回った場合に、前記各ブロックに設けられる全ての電圧検出手段を、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記コンバータの個数は1個であり、前記制御手段は、前記コンバータが接続された電圧検出手段で検出される電圧が前記所定の閾値を上回った場合に、全ての電圧検出手段を、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記コンバータの個数は1個であり、前記制御手段は、前記コンバータが接続された電圧検出手段で検出される電圧が前記所定の閾値を上回った場合に、該コンバータが接続された電圧検出手段を除く、その他全ての電圧検出手段を、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、当該燃料電池は車両に搭載されるモータの駆動用電源として用いられ、前記直流電源は前記車両に搭載されるバッテリであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明では、N個のブロックの電圧検出手段(電圧検出用IC)のうち(N−1)個の電圧検出手段に対してコンバータを接続して電源用の電力を供給するので、燃料電池のセル内に燃料が供給されない等の理由によりセル電圧が低い場合であっても、(N−1)個の電圧検出手段では確実にセル電圧を測定することができる。更に、コンバータが接続された(N−1)個の電圧検出手段のうちの少なくとも1個で、セル電圧が所定の閾値を上回った場合に、N個全ての電圧検出手段による電圧検出が行われるので、全てのブロックのセル電圧を確実に測定することができる。
【0016】
また、コンバータが接続されていない電圧検出手段では、セル内に燃料が供給されたと判断された場合にセル電圧の検出が開始されるので、電源電圧が低い状態で測定が実行されることはなく、電源電圧が低いことによる誤動作、誤検出などのトラブルの発生を防止することができる。更に、全て(N個)の電圧検出手段のそれぞれに対してコンバータを接続する場合と対比して回路構成を簡素化することができる。
【0017】
請求項2の発明では、下端電圧ブロック、及び上端電圧ブロックにコンバータを接続し、下端電圧ブロック、及び上端電圧ブロックのセル電圧をコンバータより出力される電力で測定し、各ブロックのセル電圧の双方が閾値電圧を上回った場合に、下端電圧ブロック、及び上端電圧ブロックを含む全てのブロックの電圧検出手段による電圧の測定を実行する。この場合には、最もグランドレベルに近い下端電圧ブロック、及び最も最大電圧に近い上端電圧ブロックの双方で、セル電圧が閾値電圧を上回っているので、他のブロックについてもセル電圧が閾値電圧を上回っていると判断でき、高精度な電圧検出が可能となる。
【0018】
請求項3の発明では、複数の電圧検出手段のうち、一つの電圧検出手段にのみコンバータを接続してセル電圧を検出するので、コンバータの個数を最小限とすることができ、且つ、各ブロックのセル電圧を高精度に検出することができる。
【0019】
請求項4の発明では、複数の電圧検出手段のうち、一つの電圧検出手段にのみコンバータを接続してセル電圧を検出するので、コンバータの個数を最小限とすることができ、且つ、コンバータを接続した電圧検出手段は、継続してコンバータより出力される電力で作動するので、セル電圧を電源とした電圧検出が開始された後にセル電圧が低下するというトラブルが発生した場合でも、高精度な電圧検出が可能となる。
【0020】
請求項5の発明では、電圧検出装置を、車両に搭載される燃料電池のセル電圧の検出用として使用するので、車両に搭載される燃料電池の充電状態を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1,第2実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置の、第1電圧検出用IC(第2実施形態では第1,第2電圧検出用IC)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1,第2実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置の、第2〜第5電圧検出用IC(第2実施形態では第2〜第4電圧検出用IC)の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置の、処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置の、処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置10、及び複数のセルP1〜P55からなる燃料電池13を示すブロック図である。本実施形態に係る燃料電池13は、例えば車両に搭載して車両駆動用のモータを駆動するための電力を供給する用途に用いられる。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る電圧検出装置10は、絶縁インターフェース32を介して、高電圧側装置11と低電圧側装置12に分離されている。
【0024】
高電圧側装置11は、5個の電圧検出用IC(電圧検出手段)、即ち、第1電圧検出用IC(21-1)〜第5電圧検出用IC(21-5)を備えている。そして、第1電圧検出用IC(21-1)は、第1ブロック61-1(下端ブロック)として区切られた11個のセルP1〜P11の出力電圧を測定する。また、第2電圧検出用IC(21-2)は、第2ブロック61-2として区切られた11個のセルP12〜P22の出力電圧を測定し、同様に、第3電圧検出用IC(21-3)は、第3ブロック61-3として区切られた11個のセルP23〜P33の出力電圧を測定し、第4電圧検出用IC(21-4)は、第4ブロック61-4として区切られた11個のセルP34〜P44の出力電圧を測定し、第5電圧検出用IC(21-5)は、第5ブロック61-5(上端ブロック)として区切られた11個のセルP45〜P55の出力電圧を測定する。
【0025】
また、各電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)はそれぞれ、A/D変換器26(図2、図3参照、「ADC」と記載)を備えており、A/D変換用の基準電源71-1〜71-5(図1参照)より出力される基準電圧を用いて、各ブロック(第1ブロック61-1〜第5ブロック61-5)に設けられる各セル毎に測定された電圧信号をディジタルの電圧信号に変換する。
【0026】
更に、第2〜第5電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)は、通信線31を介して、第1電圧検出用IC(21-1)に接続され、この第1電圧検出用IC(21-1)は、絶縁インターフェース32を介して、低電圧側装置12側に設けられているメインマイコン(制御手段)33に接続されている。即ち、メインマイコン33と、各電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)は、絶縁インターフェース32を介し、デイジーチェーン通信で接続されている。
【0027】
また、低電圧側装置12には、5Vの直流電圧を出力するレギュレータ43が設けられ、該レギュレータ43は、車両に搭載されるバッテリ(直流電源)41より出力される電圧(例えば、12V)から、安定した5Vの直流電圧を生成してメインマイコン33に供給する。
【0028】
更に、バッテリ41はDC/DCコンバータ(コンバータ)42に接続されており、該DC/DCコンバータ42は、バッテリ41より出力される電圧(例えば、12V)を、昇圧して第1電圧検出用IC(21-1)に出力する。
【0029】
図2は、第1電圧検出用IC(21-1)の内部構成を示すブロック図であり、以下、図2を参照して第1電圧検出用IC(21-1)の詳細な構成について説明する。
【0030】
図2に示すように、第1電圧検出用IC(21-1)は、各セルP1〜P11より出力される電力、またはDC/DCコンバータ42より出力される電力のいずれか一方を入力して、所定の電圧を生成する電源回路23と、第1ブロック61-1に設けられる各セルP1〜P11と接続されてこれらの出力電圧検出するセル電圧入力部22と、セル電圧入力部22より出力される各セルの電圧信号を、1系統の時系列的な信号に変換するマルチプレクサ25と、マルチプレクサ25より出力される各単位セルの電圧信号をディジタル信号に変換するA/D変換器26と、を備えている。
【0031】
電源回路23には、選択スイッチSW1が接続されており、一方の接続端子は各セルP1〜P11側に接続され、他方の接続端子はDC/DCコンバータ42に接続されている。そして、選択スイッチSW1を切り替えることにより、各セルP1〜P11より出力される電力、またはDC/DCコンバータ42より出力される電力のいずれか一方が選択されて電源回路23に供給される。
【0032】
A/D変換器26は、基準電源71-1(図1参照)より出力される基準電圧を用いて、アナログ信号をディジタル信号に変換する。また、第1電圧検出用IC21-1は、コントロール部27と、2つの通信I/F35a,35bを備えている。
【0033】
コントロール部27は、CPU29及びデータ記憶用のメモリ28を備え、第1電圧検出用IC(21-1)を総括的に制御する。特に、図1に示したメインマイコン33より、セル電圧の電圧測定要求信号が送信された場合には、セル電圧入力部22で測定された各セルP1〜P11の合計の出力電圧信号を通信I/F35a,35bを経由して、メインマイコン33に送信する。また、メインマイコン33より選択スイッチSW1の切替指令信号が送信された場合には、選択スイッチSW1を切り替える制御を行う。また、メモリ28は、各セルP1〜P11の合計のセル電圧を記憶する。
【0034】
メインマイコン33は、第1電圧検出用IC(21-1)より送信される電圧信号(各セルP1〜P11の合計のセル電圧)が、予め設定した閾値電圧よりも大きいか否かを判断し、閾値電圧よりも大きいと判断した場合には、第1電圧検出用IC(21-1)に選択スイッチSW1の切替指令信号を送信する。ここで、閾値電圧は、各セルP1〜P11の合計のセル電圧が、電源回路23より所定の電圧を出力することが可能となる電圧としてメインマイコン33内に予め設定されている。そして、後述するように、各セルP1〜P11の合計のセル電圧がこの閾値電圧に達していない場合には、選択スイッチSW1をDC/DCコンバータ42側に接続し、閾値電圧に達した場合には、選択スイッチSW1をセル側に接続する。
【0035】
図3は、第2電圧検出用IC(21-2)の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、第2電圧検出用IC(21-2)は、図2に示した第1電圧検出用IC(21-1)と対比して、選択スイッチSW1を備えていない点で相違する。即ち、電源回路23は各セルP12〜P22より出力される電力が供給されて、第2電圧検出用IC(21-2)を作動させるための電源電圧を生成する。それ以外の構成は、図2と同様であるので、同一符号を付して構成説明を省略する。
【0036】
また、第3〜第5電圧検出用IC(21-3)〜(21-5)については、図3に示した第2電圧検出用IC(21-2)と同一構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0037】
次に、第1実施形態に係る電圧検出装置10の動作について説明する。図4はメインマイコン33による処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
始めに、メインマイコン33は、上位システムより車両のイグニッションがオンとされたか否かを判断する(ステップS11)。そして、イグニッションがオンであると判断された場合には(ステップS11でYES)、DC/DCコンバータ42を作動させて、この出力電圧を第1電圧検出用IC(21-1)に出力する(ステップS12)。その結果、バッテリ41の出力電圧(例えば、12V)が40V程度の高電圧に昇圧されて第1電圧検出用IC(21-1)に供給される。
【0039】
また、メインマイコン33は、DC/DCコンバータ42の出力電圧の選択指令信号を第1電圧検出用IC(21-1)に送信する。その結果、図2に示した選択スイッチSW1がDC/DCコンバータ42側に接続され、電源回路23はDC/DCコンバータ42より出力される電力を取得して第1電圧検出用IC(21-1)を作動させるための電源電圧を生成する。
【0040】
その後、第1電圧検出用IC(21-1)は、各セルP1〜P11の出力電圧の検出を開始する(ステップS13)。この処理では、各セルP1〜P11の出力電圧がセル電圧入力部22に供給され、更に、マルチプレクサ25を介してA/D変換器26に供給されるので、ディジタル化された電圧データがコントロール部27に入力される。そして、CPU29により各セルP1〜P11のセル電圧の合計の電圧が算出され、この電圧がメモリ28に記憶される。そして、メインマイコン33より電圧測定要求信号が送信された場合には、メモリ28内に記憶されている電圧データをメインマイコン33に送信する。
【0041】
メインマイコン33は、第1電圧検出用IC(21-1)より送信された電圧データを取得し、第1電圧検出用IC(21-1)で検出された合計のセル電圧が予め設定した閾値電圧以上であるか否かを判断する(ステップS14)。そして、閾値電圧以上であると判断した場合には(ステップS14でYES)、各セルP1〜P11より出力されるセル電圧により第1電圧検出用IC(21-1)を作動させるための電力を供給できるものと判断して、メインマイコン33は、第1電圧検出用IC(21-1)に電源切替要求信号を出力する(ステップS15)。
【0042】
電圧検出用IC(21-1)のコントロール部27はこの電源切替要求信号を受けて、選択スイッチSW1をセル側に切り替える制御を行う。その結果、第1電圧検出用IC(21-1)は、第1ブロック61-1の各セルP1〜P11より出力されるセル電圧を電源電圧として作動することになる。
【0043】
次いで、メインマイコン33は、他の電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)に対してセル電圧の検出開始信号を送信する(ステップS16)。各電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)はこの検出開始信号が受信されると、セル電圧の検出を開始する。即ち、各ブロック61-2〜61-5毎の合計のセル電圧を測定してメインマイコン33に送信する処理を行う。
【0044】
その後、メインマイコン33は、各電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)より送信されるセル電圧を監視して各ブロックのセル電圧が正常電圧であるか否かを監視する(ステップS17)。そして、イグニッションがオフとされた場合には(ステップS18でYES)、本処理を終了する。
【0045】
一方、ステップS14の処理でセル電圧が閾値電圧以上でないと判断された場合には(ステップS14でNO)、メインマイコン33は所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS19)、所定時間が経過していない場合には(ステップS19でNO)、DC/DCコンバータ42による電圧供給を継続し、且つ、第1電圧検出用IC(21-1)のセル電圧の検出を継続する。従って、各セルP1〜P55内に燃料が供給されていない等の理由により各セルP1〜P55より一定レベル以上の電圧が出力されない場合には、DC/DCコンバータ42から電源回路23に電力を供給して第1電圧検出用IC(21-1)によるセル電圧の検出を継続させる。
【0046】
そして、セル電圧が閾値電圧以上とならない状態が所定時間以上継続した場合には(ステップS19でYES)、燃料電池13に何らかの異常が発生しているものと判断して、メインマイコン33は警報信号を出力する(ステップS20)。この警報信号は電圧検出装置10の上位システムに送信され、車両の乗員に異常の発生を報知する。
【0047】
このようにして、本発明の第1実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置10では、複数個設けられた各セルP1〜P55を5個のブロック61-1〜61-5に分割し、且つ各ブロック61-1〜61-5毎にそれぞれ電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)を設けて各ブロック61-1〜61-5毎のセル電圧を検出する際に、検出開始時には、第1電圧検出用IC(21-1)の電源回路23に対して、DC/DCコンバータ42で昇圧した電圧を供給してセル電圧の検出を行い、検出したセル電圧が閾値電圧に達した場合に、電源回路23の電力の供給元をセル側に切り替えるようにしている。従って、初期的にセル内に燃料が供給されていない場合で、セル側から十分な電力が供給されない場合であっても、第1電圧検出用IC(21-1)は、DC/DCコンバータ42より供給される電力で作動するので、高精度にセル電圧を検出することができる。
【0048】
また、第1電圧検出用IC(21-1)にてセル電圧が閾値に達したと判断された場合には、その後、他の電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)によるセル電圧の測定が開始される。即ち、第1電圧検出用IC(21-1)にて第1ブロック61-1のセル電圧が閾値電圧に達していると判断された場合には、各セルP1〜P55内に燃料が供給されていると判断でき、第2〜第5電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)においても十分なセル電圧が供給されていると判断できるので、第2〜第5電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)によるセル電圧の測定を開始する。従って、各電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)においてもセル電圧の検出を高精度に行うことができる。
【0049】
更に、本実施形態では、1つのDC/DCコンバータ42を用い、このDC/DCコンバータ42を第1電圧検出用IC(21-1)に接続する構成としているので、多くのDC/DCコンバータを使用することなく、各電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)による電圧検出を確実に行うことができる。
【0050】
なお、上述の第1実施形態では、第1電圧検出用IC(21-1)で検出されるセル電圧が閾値電圧に達した場合に、選択スイッチSW1を切り替えて電力の供給元をDC/DCコンバータ42側からセル側に変更する例について説明したが、セル電圧が閾値電圧に達した後においても、第1電圧検出用IC(21-1)についてのみDC/DCコンバータ42より電力を供給して作動させるようにしても良い。この場合には、第1電圧検出用IC(21-1)のみがバッテリ41より供給される電力で作動するので、バッテリ41に多くの負担をかけることがなく、継続した電力供給が可能となる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態に係る電圧検出装置について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置10a、及び複数のセルP1〜P55からなる燃料電池13を示すブロック図である。第2実施形態に係る燃料電池13についても前述した第1実施形態と同様に、例えば車両に搭載して車両駆動用のモータを駆動するための電力を供給する用途に用いられる。
【0052】
第2実施形態では、前述した第1実施形態と対比して、2個目のDC/DCコンバータ44を設置し、このDC/DCコンバータ44の出力電圧を第5電圧検出用IC(21-5)に供給するようにしている点で相違している。それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。即ち、第2実施形態では、第5電圧検出用IC(21-5)が図2に示した第1電圧検出用IC(21-1)と同様の構成を備えており、第2〜第4電圧検出用IC(21-2)〜(21-4)が図3に示した構成を備えている。
【0053】
以下、第2実施形態に係る電圧検出装置10aの動作について説明する。図6は、第2実施形態に係るメインマイコン33による処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
始めに、メインマイコン33は、上位システムより車両のイグニッションがオンとされたか否かを判断する(ステップS31)。そして、イグニッションがオンであると判断された場合には(ステップS31でYES)、2つのDC/DCコンバータ42,44を作動させて、各DC/DCコンバータ42,44の出力電圧を第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)に出力する(ステップS32)。その結果、バッテリ41の出力電圧(例えば、12V)が40V程度の高電圧に昇圧されて第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)に供給される。
【0055】
また、メインマイコン33は、各DC/DCコンバータ42,44の出力電圧の選択指令信号を第1電圧検出用IC(21-1)及び第5電圧検出用IC(21-5)に送信する。その結果、第1電圧検出用IC(21-1)については図2に示した操作スイッチSW1がDC/DCコンバータ42側に接続され、電源回路23はDC/DCコンバータ42の出力電圧を取得して第1電圧検出用IC(21-1)を作動させるための電源電圧を生成する。第5電圧検出用IC(21-5)についても同様に、操作スイッチSW1がDC/DCコンバータ44側に接続され、電源回路23はDC/DCコンバータ44の出力電圧を取得して第5電圧検出用IC(21-5)を作動させるための電源電圧を生成する。
【0056】
その後、第1,第5電圧検出用IC(21-1),(21-5)は、各セルP1〜P11、P45〜P55の出力電圧の検出を開始する(ステップS33)。この処理では、各セルP1〜P11(P45〜P55)の出力電圧がセル電圧入力部22に供給され、更に、マルチプレクサ25を介してA/D変換器26に供給されるので、ディジタル化された電圧データがコントロール部27に入力される。そして、CPU29により各セルP1〜P11(P45〜P55)のセル電圧の合計の電圧が算出され、この電圧がメモリ28に記憶される。そして、メインマイコン33より電圧測定要求信号が送信された場合には、メモリ28内に記憶されている電圧データをメインマイコン33に送信する。
【0057】
メインマイコン33は、第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)より送信された電圧データを取得し、第1電圧検出用IC(21-1)で検出された合計のセル電圧、及び第5電圧検出用IC(21-5)で検出された合計のセル電圧の双方が予め設定した閾値電圧以上であるか否かを判断する(ステップS34)。そして、双方が閾値電圧以上であると判断した場合には(ステップS34でYES)、各セルP1〜P11より出力されるセル電圧により第1電圧検出用IC(21-1)を作動させるための電力を供給できるものと判断し、且つ、各セルP45〜P55より出力されるセル電圧により第5電圧検出用IC(21-5)を作動させるための電力を供給できるものと判断して、メインマイコン33は、第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)に電源切替要求信号を出力する(ステップS35)。
【0058】
第1電圧検出用IC(21-1)のコントロール部27はこの電源切替要求信号を受けて、選択スイッチSW1をセル側に切り替える制御を行う。その結果、第1電圧検出用IC(21-1)は、各セルP1〜P11より出力されるセル電圧を電源電圧として作動することになる。同様に、第5電圧検出用IC(21-5)のコントロール部27は、選択スイッチSW1をセル側に切り替える制御を行うので、第5電圧検出用IC(21-5)は、各セルP45〜P55より出力されるセル電圧を電源電圧として作動することになる。
【0059】
次いで、メインマイコン33は、他の電圧検出用ICである第2〜第4電圧検出用IC(21-2)〜(21-4)に対してセル電圧の検出開始信号を送信する(ステップS36)。第2〜第4電圧検出用IC(21-2)〜(21-5)はこの検出開始信号が受信されると、セル電圧の検出を開始する。即ち、各ブロック毎の合計のセル電圧を測定してメインマイコン33に送信する処理を行う。
【0060】
その後、メインマイコン33は、各電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)より送信されるセル電圧を監視して各ブロック61-1〜61-5のセル電圧が正常電圧であるか否かを監視する(ステップS37)。そして、イグニッションがオフとされた場合には(ステップS38でYES)、本処理を終了する。
【0061】
一方、ステップS34の処理でセル電圧が閾値電圧以上でないと判断された場合には(ステップS34でNO)、メインマイコン33は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS39)、所定時間が経過していない場合には(ステップS39でNO)、各DC/DCコンバータ42,44による電圧供給を継続し、且つ、第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)のセル電圧の検出を継続する。従って、各セルP1〜P55内に燃料が供給されていない等の理由により各セルP1〜P55より一定レベル以上の電圧が出力されない場合には、各DC/DCコンバータ42,44から電源回路23に電力を供給して第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)によるセル電圧の検出を継続させる。
【0062】
そして、双方のセル電圧が閾値電圧以上とならない状態が所定時間以上継続した場合には(ステップS39でYES)、燃料電池に何らかの異常が発生しているものと判断して、メインマイコン33は警報信号を出力する(ステップS40)。この警報信号は電圧検出装置10aの上位システムに送信され、車両の乗員に異常が発生していることを報知する。
【0063】
このようにして、本発明の第2実施形態に係る燃料電池の電圧検出装置10aでは、複数個設けられた各セルP1〜P55を5個のブロック61-1〜61-5に分割し、且つ各ブロック61-1〜61-5毎に電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)を設けて各ブロック61-1〜61-5毎のセル電圧を検出する際に、検出開始時には、第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)の電源回路23に対して、DC/DCコンバータ42,44で昇圧した電圧を供給してセル電圧の検出を行い、検出したセル電圧が閾値電圧に達した場合に、電源回路23の電力の供給元をセル側に切り替えるようにしている。従って、初期的にセル内に燃料が供給されいない場合等で、セル電圧が閾値よりも低い場合であっても、第1電圧検出用IC(21-1)、第5電圧検出用IC(21-5)にて高精度にセル電圧を検出することができる。
【0064】
また、第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)の双方にてセル電圧が閾値に達したと判断された場合には、その後、他の電圧検出用IC(21-2)〜(21-4)によるセル電圧の測定が開始される。即ち、最もグランドレベルに近い第1ブロック61-1のセル電圧を測定する第1電圧検出用IC(21-1)、及び最も高い電圧を出力する第5ブロック61-5のセル電圧を測定する第5電圧検出用IC(21-5)の双方にて、検出したセル電圧が閾値電圧に達していると判断された場合には、各セルP1〜P55内に燃料が供給されていると判断でき、第2〜第4電圧検出用IC(21-2)〜(21-4)においても十分なセル電圧が供給されていると判断できるので、電圧検出用IC(21-2)〜(21-4)によるセル電圧の測定を開始する。従って、各電圧検出用IC(21-2)〜(21-4)においてもセル電圧の検出を高精度に行うことができる。
【0065】
更に、本実施形態では、2つのDC/DCコンバータ42,44を用いており、各電圧検出用IC毎にそれぞれDC/DCコンバータを設けないので、多くのDC/DCコンバータを使用することなく、各電圧検出用IC(21-1)〜(21-5)による電圧検出を確実に行うことができる。
【0066】
なお、上述の第2実施形態では、第1,第2電圧検出用IC(21-1),(21-5)で検出されるセル電圧が閾値電圧に達した場合に、選択スイッチSW1を切り替えて電力の供給元をDC/DCコンバータ42,44側からセル側に変更する例について説明したが、セル電圧が閾値電圧に達した後においても、第1,第2電圧検出用IC(21-1),(21-5)については、DC/DCコンバータ42,44より電力を供給して作動させるようにしても良い。この場合には、第1電圧検出用IC(21-1)、及び第5電圧検出用IC(21-5)のみがバッテリ41より供給される電力で作動するので、バッテリ41に多くの負担をかけることがなく、継続した電力供給が可能となる。
【0067】
以上、本発明の燃料電池の電圧検出装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0068】
例えば、上述した第1実施形態では、DC/DCコンバータを1個設け、第2実施形態ではDC/DCコンバータを2個設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電圧検出用ICの個数を「N」とした場合に「N−1」のDC/DCコンバータを設けることにより、「N−1」個の電圧検出用ICによる電圧検出が可能になる。そして、全ての電圧検出用IC毎にDC/DCコンバータを設けないので、回路構成を簡素化し、且つセル電圧を高精度に検出することができる。
【0069】
また、上述した実施形態では、電圧を変換するコンバータとしてDC/DCコンバータを例に挙げて説明したが、本発明は、その他の電圧変換装置を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、燃料電池のセル内に燃料が供給されていない場合でも、確実にセル電圧を検出する場合に極めて有用である。
【符号の説明】
【0071】
10,10a 電圧検出装置
11 高電圧側装置
12 低電圧側装置
13 燃料電池
21-1〜21-5 第1〜第5電圧検出用IC(電圧検出手段)
22 セル電圧入力部
23 電源回路
25 マルチプレクサ
26 A/D変換器
27 コントロール部
28 メモリ
29 CPU
31 通信線
32 絶縁インターフェース
33 メインマイコン(制御手段)
41 バッテリ
42,44 DC/DCコンバータ
43 レギュレータ
61-1〜61-5 第1〜第5ブロック
71 基準電源
SW1 選択スイッチ
P1〜P55 セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを直列に接続して所望の電圧を出力する燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出装置において、
前記複数のセルを、少なくとも1個のセルからなるN個(N≧2)のブロックに区分けし、
前記各ブロック毎にそれぞれ設けられ、該ブロック内のセル電圧を測定する電圧検出手段と、
前記各電圧検出手段と通信回線を介して接続され、各電圧検出手段に電圧検出指令を出力すると共に、各電圧検出手段より送信される電圧検出信号を受信する制御手段と、
直流電源より供給される電圧を、前記電圧検出手段の駆動電源の電圧に昇圧する(N−1)個以下のコンバータと、を有し、
前記各コンバータは、前記N個の各ブロックのうち任意の(N−1)個のブロックに接続され、
前記制御手段は、前記燃料電池の出力を開始する際には、前記各コンバータより、それぞれのコンバータに対応するブロックの電圧検出手段に電力を供給して該電圧検出手段を作動させると共に、前記各コンバータの供給電力にて作動する各電圧検出手段のうち、少なくとも一つの電圧検出手段にて検出される電圧が所定の閾値を上回った場合に、前記各ブロックに設けられる電圧検出手段のうちの少なくとも一つを、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させ、各ブロック内のセル電圧を取得することを特徴とする燃料電池の電圧検出装置。
【請求項2】
前記コンバータの個数は2個であり、
前記複数のセルは、グランドレベルを基準としてそれぞれ直列に接続され、このうち、グランドレベルに接続されるセルを含む下端電圧ブロック、及び最大電圧レベルに接続される上端電圧ブロックにそれぞれ前記コンバータを接続し、
前記制御手段は、前記下端電圧ブロック、及び前記上端電圧ブロックの双方で前記電圧検出手段の検出電圧が前記所定の閾値を上回った場合に、前記各ブロックに設けられる全ての電圧検出手段を、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の電圧検出装置。
【請求項3】
前記コンバータの個数は1個であり、前記制御手段は、前記コンバータが接続された電圧検出手段で検出される電圧が前記所定の閾値を上回った場合に、全ての電圧検出手段を、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の電圧検出装置。
【請求項4】
前記コンバータの個数は1個であり、前記制御手段は、前記コンバータが接続された電圧検出手段で検出される電圧が前記所定の閾値を上回った場合に、該コンバータが接続された電圧検出手段を除く、その他全ての電圧検出手段を、各ブロックのセル電圧を駆動電源として作動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の電圧検出装置。
【請求項5】
当該燃料電池は車両に搭載されるモータの駆動用電源として用いられ、前記直流電源は前記車両に搭載されるバッテリであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池の電圧検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−233413(P2011−233413A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103799(P2010−103799)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】