物体をモニタする干渉計システム
【課題】投影レンズ内の1以上の光学素子の位置をモニタするシステムを提供すること
【解決手段】各々が入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を備える出力放射を供給するように構成された複数の干渉計110,120を含み、各々が第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を備え、干渉計の少なくとも1つの反射素子が、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、また、複数のファイバ111,121及び電子制御装置170を含む。各ファイバ111,121は、対応する干渉計110,120へのに送光、又は、対応する干渉計110,120からの受光に用いる。電子制御装置170は、干渉計110,120の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の絶対変位をモニタする。
【解決手段】各々が入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を備える出力放射を供給するように構成された複数の干渉計110,120を含み、各々が第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を備え、干渉計の少なくとも1つの反射素子が、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、また、複数のファイバ111,121及び電子制御装置170を含む。各ファイバ111,121は、対応する干渉計110,120へのに送光、又は、対応する干渉計110,120からの受光に用いる。電子制御装置170は、干渉計110,120の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の絶対変位をモニタする。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2006年1月23日出願の、「物体の位置及び方位をモニタするファイバセンサシステム」という名称の米国特許仮出願第60/761,314号と、2006年3月15日出願の、「物体の位置及び方位をモニタするファイバセンサシステム」という名称の米国特許仮出願第60/782,722号と、2006年8月31日出願の、「物体の位置及び方位をモニタするファイバセンサシステム」という名称の米国特許仮出願第60/841,442号の優先権を主張するものである。これら各出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
多くの精密エンジニアリングシステムについては、長い期間、例えば、日単位、月単位、又は、年単位さえにわたってnmレベルの公差まで物体の位置を測定することが必要とされている。物体の動きの範囲は、小さい、例えば、任意の方向においてmm未満である場合があるが、安定性が得られるように能動サーボループで、かつ、制御された微調整に備えるように制御するべきである。
【0003】
このような精密エンジニアリングシステムの一例は、最新のフォトリソグラフィツールの投影レンズ(PO)部品である。PO部品の各種の例は、J.R.Sheats、B.W.Smith共編「マイクロリソグラフィ:科学技術」、Marcel Decker社(ニューヨーク州ニューヨーク、1998年)で説明されている。PO部品としては、光屈折PO部品、反射屈折PO部品、反射PO部品がある。
【0004】
このようなPO部品においては、相対位置を測定する各種レンズ素子及びセルで構成されるPO部品を通して設置された各種センサと関連して動作する各種小型アクチュエータにより、互いとの関係及び/又はPO部品レンズセルとの関係で、各種レンズで構成された様々な副部品が保持される。これらのセンサは、例えば、「精密機械設計」、ニュージャージ州エングルウッドクリフ、Prentice Hall、162ページから173ページ(1992年)において、A.H.Slocumにより説明されているような符号器デバイスとすることができ、かつ、位置フィードバック制御に使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、取付けフレーム又は別の光学部品に関する光学部品の位置など、別の構成部品に対する1つの構成部品の位置をモニタするセンサ及びセンサシステムを特徴とする。本センサシステムは、複数の受動干渉計光センサにより、1つ又はそれ以上の構成部品の少なくとも1つの自由度を測定する。一般に、各センサは、1つの自由度に感応し、他の自由度には実質的に感応しない。各光センサは、光ファイバなど、少なくとも1つのファイバ導波路からの光により照射され、センサからの光信号は、少なくとも1つのファイバ導波路により遠隔共通光源/検出器サブシステムに伝達される。光源/検出器サブシステムは、全ての光センサにとって単一の光源となることができる。光は、波長同調可能な離散的波長又は多重化された一連の離散的波長又はその両方とすることができる。
【0006】
特定の実施形態においては、光源/検出器ユニットは、2つの動作モードを有することができる。1つのモードにおいては、光源/検出器ユニットは、随時必要とされると考えられる絶対位置を判断するためにセンサについて絶対原位置を確立する。もう1つのモードにおいては、光源/検出器ユニットは、位置制御サーボシステムに連続的なデータを供給するために、高速、例えば、1kHzにて、物体自由度の任意の変化を測定する。センサ断熱化手段も設置される。
【0007】
一部の実施形態においては、センサは、動作モードを切り替える必要がなく、連続的な、高速絶対距離測定結果を供給する。
幾つかのタイプのセンサ、光センサ/検出器ユニット、及び光ファイバアーキテクチャを使用することができる。
【0008】
一般に、第1の態様においては、本発明は、第2の物体に相対的に移動可能に取り付けられた第1の物体を含むシステムを特徴とする。本システムは、各々が、入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を含む出力放射を供給するように構成された複数の干渉計を含み、各々の干渉計は、第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を含み、干渉計の少なくとも1つの反射素子は、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、複数のファイバ導波路及び電子制御装置も含む。各ファイバ導波路は、入力放射を対応する干渉計に送出するか、又は、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される。電子制御装置は、干渉計の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタするように構成され、自由度は、第1及び第2の物体間の絶対変位である。
【0009】
本システムの種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、各ファイバ導波路は、入力放射を対応する干渉計に送出して、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される。各干渉計用入力放射は、約900nmから約1,600nm(例えば、約1,500nmから約1,600nm)の範囲の波長を有することができる。各干渉計用入力放射は、他の干渉計と異なる波長を有することができる。
【0010】
各干渉計は、入力放射の経路内に位置決めされた光インタフェースを含むことができ、光インタフェースは、入力放射の第1の部分を反射して第1又は第2の波面を形成するように構成される。光インタフェースは、ファイバ導波路の表面とすることができる。光インタフェースは、平面光インタフェースとすることができる。光インタフェースは、透明素子の表面とすることができる。表面は、入力放射の第2の部分を伝達して第2又は第1の波面を形成するように構成することができる。一部の実施形態においては、各干渉計は、入力放射を測定波面及び基準波面に分割するように構成されたビーム分割器を含む。各ビーム分割器は、偏光ビーム分割器又は非偏光ビーム分割器とすることができる。
【0011】
各干渉計は、第1の波面が物体から1回又は2回以上反射するように構成することができる。
各反射素子は、逆反射体又は鏡とすることができる。
【0012】
干渉計の少なくとも1つについては、第1の波面は、反射素子から反射することができ、反射素子は、第1の波面を受け取るように構成された表面を含むことができ、この表面は、反射素子から反射する前に第1の波面の横断面寸法より小さい寸法を有する。あるいは、または、更に、干渉計の少なくとも1つについては、第1の波面は、反射素子から反射することができ、反射素子は、第1の波面を受け取るように構成された表面を含むことができ、この表面は、反射素子から反射する前に第1の波面の横断面寸法より大きい寸法を有する。
【0013】
一部の実施形態においては、干渉計の少なくとも1つは、それぞれのファイバ導波路から出現する入力放射を成形するように構成された光学素子を更に含む。光学素子は、レンズとすることができる。レンズは、それぞれの光ファイバから出現する入力放射を視準するように構成することができる。レンズは、第1又は第2の波面を反射する表面を含むことができる。
【0014】
干渉計の少なくとも1つは、第1又は第2の波面は、第1の物体にて約0.2mm以下の直径を有することができる。レンズは、光ファイバから出現する光を集束するように構成することができる。反射素子は、集束光の腰部に又は集束光の腰部の近くに位置決めすることができる。
【0015】
本システムは、入力放射を生成するように構成された光源を含むことができ、本システムは、複数のファイバ導波路を介して干渉計に入力放射を送出するように構成される。光源は、広帯域光源を備えることができる。一部の実施形態においては、本システムは、異なる波長の入力放射を広帯域光源から干渉計に伝達するように構成された複数の光フィルタを含む。各光フィルタは、複数の干渉計の1つに対応することができる。広帯域光源は、発光ダイオード又は増幅自然発光源とすることができる。光源は、分散フィードバックレーザなど、レーザを含むことができる。本システムは、光源からの放射を増幅して増幅放射を干渉計に方向づけるように構成された増幅器を含むことができる。光源は、各々が異なる波長にて放射を生成するように構成される複数の光源素子を含むことができる。
【0016】
本システムは、更なるファイバ導波路を含むことができる。複数のファイバ導波路及び更なるファイバ導波路は、入力放射を干渉計に送出し、かつ、出力放射を干渉計から検出器に送出するように構成されたファイバネットワークを形成する。
【0017】
一部の実施形態においては、本システムは、干渉計に光学的に結合された遠隔光空洞共振器を含む。遠隔光空洞共振器は、第1の光路及び第2の光路を含むことができ、かつ、第1及び第2の光路の間で異なる光路を変えるように構成された素子を更に備える。
【0018】
第1の物体は、光学部品とすることができ、第2の物体は、光学部品が取り付けられるフレームである。第1の物体は、光学撮像システム内の光学部品とすることができる。光学撮像システムは、マイクロリソグラフィツールの投影レンズ部品又は望遠鏡とすることができる。
【0019】
本システムは、第1の物体に結合されたアクチュエータを含むことができ、アクチュエータは、電子制御装置と通信しており、かつ、電子制御装置により判断された情報に基づいて第1の物体の位置を調整するように構成される。
【0020】
一般に、別の態様においては、本発明は、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタする方法を特徴とする。本方法は、光源からの放射を複数の干渉計に方向づけるステップであって、各干渉計が、ファイバ導波路から放射を受光し、放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を備える出力放射を供給するように構成され、干渉計の少なくとも1つが、第1の物体上に位置決めされた素子から反射するように第1の波面を方向づけるように構成されるステップを含む。本方法は、出力放射を各干渉計からそれぞれの検出器に方向づけるステップと、干渉計の少なくとも1つからの出力放射からの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度に関する情報を判断するステップとを含み、情報は、第1及び第2の物体間の絶対変位を含む。
【0021】
本方法の種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、本方法は、2つ又はそれ以上の干渉計からの出力放射からの情報に基づいて、第1の物体の2つまたはそれ以上の自由度に関する情報を判断するステップを含むことができる。本方法は、干渉計の少なくとも1つからの出力放射からの情報に基づいて、第1又は第2の物体に対する第3の物体の自由度に関する情報を判断するステップを含むことができる。各干渉計に方向づけられた放射は、共通のファイバ導波路を介して方向づけることができる。情報は、第1の物体と第2の物体との間の変位の変動を含むことができる。
【0022】
本方法は、モニタされた自由度に基づいて、第1の物体の位置を調整するステップを含むことができる。本方法は、モニタされた自由度に基づいて、第1の物体の位置に関する情報を出力するステップを含むことができる。本方法は、約5kHz以上(例えば、約10kHz以上、約100kHz以上、約500kHz以上、約1MHz以上)の速度にて自由度に関する情報を更新するステップを含むことができる。出力放射は、対応するファイバ導波路を介してそれぞれの検出器に方向づけることができる。絶対変位に関する前記情報が、1nm以上(例えば、0.5nm以上、0.1nm以上)の精度まで判断することができる。
【0023】
一般に、更なる態様においては、本発明は、第2の物体に相対的に移動可能に取り付けられた第1の物体を含むシステムを特徴とする。本システムは、各々が、入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を含む出力放射を供給するように構成された複数の干渉計を含み、各干渉計は、第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を含み、干渉計の少なくとも1つの反射素子は、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、各々が、入力放射を対応する干渉計に送出するか、及び/又は、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される複数のファイバ導波路を含む。本システムは、干渉計の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタするように構成された電子制御装置を含み、第1の物体は、光学撮像システムの屈折素子又は反射素子である。光学撮像システムは、望遠鏡、又は、マイクロリソグラフィツールの投影レンズとすることができる。種々の実施形態は、他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0024】
一般に、別の態様においては、本発明は、第2の物体に相対的に移動可能に取り付けられた第1の物体を含むシステムを特徴とする。本システムは、入力放射を供給するように構成された低コヒーレンス光源、及び、各々が入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を含む出力放射を供給するように構成された複数の干渉計を含み、各干渉計は、第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を含み、干渉計の少なくとも1つの反射素子は、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、また、各々が入力放射を対応する干渉計に送出するか、及び/又は、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される複数のファイバ導波路を含む。本システムは、干渉計の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタするように構成された電子制御装置を含む。光源は、約1メートル以下(例えば、約1cm以下、1mm以下、0.5mm以下)のコヒーレンス長を有することができる。光源は、広帯域光源とすることができる。本システムの種々の実施形態は、他の態様の特徴を含むことができる。
【0025】
一般に、別の態様においては、本発明は、構成部品フレームを介して部品内に取り付けられた1つ又はそれ以上の構成部品の位置をモニタするシステムを特徴とする。本システムは、各々が構成部品の1つの自由度のみに感応する1つ又はそれ以上の受動干渉計センサを含み、各受動干渉計センサは、入力ビームから第1のビーム及び第2のビームを導出し、第1の物体から反射するように第1又は第2ビームを方向づけ、かつ、第1及び第2のビームを再合成して第1及び第2のビームの経路間の光路差に関する情報を備える出力ビームを形成するように構成され、入力ビームは、光ファイバケーブルを介して照射部品からセンサに送出され、出力ビームは、同じ又は異なる光ファイバケーブルを介して検出部品に送出され、各センサについては、第1の物体又は受動干渉計センサは、構成部品フレームに装着される。
【0026】
本システムの種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、部品は、投影レンズ部品である。
【0027】
照射部品は、入力ビームを受動干渉計センサに送出するように構成された光源を含むことができる。光源は、レーザ(例えば、分散フィードバックレーザ)を含むことができる。光源は、広帯域光源とすることができる。光源は、各々が異なる波長の光を生成するように構成された複数の光源素子を含むことができる。各光源素子は、レーザを含むことができる。一部の実施形態においては、本システムは、光源素子から光を受光し、かつ、光を受動干渉計センサに送出するように配設された導波路に光を結合するように構成された分波合波器を含む。
【0028】
この構成部品は、それぞれの受動干渉計センサから約10cm以下(例えば、約1cm以下)のところに位置することができる。
各受動干渉計センサは、入力ビームの経路内に位置決めされた光インタフェースを含むことができ、光インタフェースは、入力ビームの第1の部分を反射して第1又は第2のビームを形成するように構成される。光インタフェースは、光ファイバの表面とすることができる。光インタフェースは、平面光インタフェースとすることができる。光インタフェースは、透明素子の表面とすることができる。表面は、入力ビームの第2の部分を透過して第2又は第1のビームを形成するように構成することができる。
【0029】
各受動干渉計センサは、入力ビームを測定ビーム及び基準ビームに分割するように構成されたビーム分割器を含むことができる。各ビーム分割器は、偏光ビーム分割器とすることができる。
【0030】
各受動干渉計センサは、第1のビームが物体から1回反射するように構成することができる。あるいは、一部の実施形態においては、各受動干渉計センサは、第1のビームが物体から2回以上反射するように構成することができる。
【0031】
各第1の物体は、それぞれの逆反射体及び/又は鏡(例えば、平面鏡又は曲面鏡)を含むことができる。
本システムは、光ファイバから出現する光を成形するように構成された光学素子(例えば、1つ又は複数のレンズ)を含むことができる。光学素子は、光ファイバから出現する光を視準するように構成することができる。一部の実施形態においては、光学素子は、光ファイバから出現する光を集光するように構成される。
【0032】
検出部品は、1つ又はそれ以上の受動干渉計センサからの出力ビームを受光するように構成された検出器を含むことができる。検出器は、単一素子検出器とすることができる。検出器は、対応する第1の物体から約20cm以上離れたところに位置することができる。検出器は、対応する第1の物体から約100cm以上離れたところに位置することができる。検出器は、構成部品から遠いところに位置決めすることができる。本システムは、検出器に結合された電子プロセッサを含むこともでき、電子プロセッサは、受動干渉計センサの1つからの出力ビームに応答して検出器からの信号に基づいて、物体の位置に関する情報を判断するように構成される。本システムは、構成部品に結合されたアクチュエータを含むことができ、アクチュエータは、電子プロセッサを通信しており、かつ、電子プロセッサにより判断された情報に基づいて構成部品の位置を調整するように構成される。
【0033】
各受動干渉計センサについては、第1のビームは、偏光するか、又は、非偏光とすることができる。
構成部品は、屈折構成部品(例えば、レンズ)、反射構成部品(例えば、鏡)、又は、回折構成部品(例えば、回折格子)とすることができる。部品は、更なる構成部品を含むことができ、本システムは、他の構成部品の位置をモニタするように構成される。
【0034】
別の態様においては、本発明は、先のシステムを含むフォトリソグラフィツールを特徴とする。
一般に、別の態様においては、本発明は、フレーム内に取り付けられた複数の光学素子と、各々が光学素子の1つとフレームとの間で光を方向づけるように配設された複数のセンサと、光学素子とフレームとの間でセンサにより方向づけられた後に光を検出するように構成される、投影レンズ部品から遠い場所にて位置決めされた複数の検出器を含む投影レンズ部品を含むシステムを特徴とする。
【0035】
本システムの種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、本システムは、センサの少なくとも1つからの光を検出器の少なくとも1つに方向づけるように構成された光ファイバを含むことができる。
【0036】
一般に、別の態様においては、本発明は、光学部品を備える投影レンズ部品に装着された干渉計と、干渉計に光を方向づけるように構成された光源と、干渉計から光を受光するように構成された検出器とを含むシステムを特徴とする。動作中、干渉計は、光源からの入力光を受光して、出力光を検出器に方向づけ、出力光は、投影レンズ部品内の光学部品の位置に関する情報を備える。本システムの種々の実施形態は、他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0037】
一般に、別の態様においては、本発明は、投影レンズ部品においてフレームと、フレームにより支持される光学部品との間で第1のビームを方向づけするステップと、第1のビームを第2のビームと合成して出力ビームを形成するステップと、投影レンズ部品から遠い場所にて位置決めされた検出器に出力ビームを方向づけするステップと、出力ビームに応答して検出器からの信号に基づいて、光学部品の位置をモニタするステップとを含む方法を特徴とする。本方法は、他の態様のシステムを使用して実行することができ、かつ、他の態様の特徴を含むことができる。
【0038】
一般に、更なる態様においては、本発明は、構成部品フレームを介して投影レンズ部品内に取り付けられた構成部品の位置をモニタするシステムを特徴とする。本システムは、入力ビームから第1のビーム及び第2のビームを導出し、第1の物体から反射するように第1又は第2のビームを方向づけ、かつ、第1及び第2のビームを再合成して、第1及び第2のビームの経路間の光路差間の情報を備える出力ビームを形成するように構成された干渉計を含み、第1の物体又は干渉計は、構成部品フレームに装着される。
【0039】
本システムの種々の実施形態は、他の態様の特徴を含むことができる。一部の実施形態においては、本システムは、各々がそれぞれの入力ビームから第1のビーム及び第2のビームを導出し、それぞれの第1の物体から反射するように第1又は第2のそれぞれのビームを方向づけ、かつ、第1及び第2のそれぞれのビームを再合成して、第1及び第2のそれぞれのビームの経路間の光路差間の情報を備えるそれぞれの出力ビームを形成するように構成された更なる干渉計を含み、各干渉計については、それぞれの第1の物体又は干渉計は、構成部品フレームに装着される。
【0040】
他の利点の中で、種々の実施形態は、フレーム内に埋設されたセンサシステムの一部が相対的にコンパクトである、投影レンズ部品内の光学部品の位置をモニタするセンサシステムを含む(例えば、構成部品は、サイズは数平方センチ台である)。更に、種々の実施形態は、エンドユーザ用途により規定された容積内に納まるように適合させることができる。例えば、種々の実施形態は、より大きなシステムの予め設計されたフレーム内に納まるように適合させることができ、第三者メーカは、自社システムの設計し直しがほとんどないか又は全くなく、センサシステムを利用することができる。
【0041】
一部が3波長結合空洞共振器ヘテロダイン法に基づく本明細書で開示する測定システムは、絶対距離能力、完全に受動式のセンサアーキテクチャ、0.1nm分解能、高速(>5kHz)を実現することができ、かつ、20mm/秒を上回る目標速度を処理することができる。
【0042】
種々の実施形態は、電気通信業界用に開発された各種構成部品を含み、各種システムは、これらの構成部品の固有の信頼度から恩恵を受ける。センサ自体の種々の実施形態は、構成部品数が少なく、対象外の自由度に沿った目標の動きには相対的に感応せず、堅牢であると共に粗悪な目標品質に強く、数量的に低コストである。更に、特定の実施形態においては、使用センサ数よりも多いセンサチャンネルが利用可能であるので、余分なチャンネルを屈折計測定に使用することができる。
【0043】
一部の実施形態においては、センサシステムは、極めて安定している(例えば、センサは、月単位又は年単位の期間にわたって数ナノメートルの精度内まで物体位置を首尾一貫して測定する)。特定の実施形態においては、センサシステムは、極めて信頼度が高い(例えば、数年にわたるシステム故障の確率は、約1%以下など、非常に低い)。
【0044】
センサシステムは、低電源を使用してかつ光センサ自体にてワット損がほとんどなく、相対的に効率的とすることができる。光センサでのワット損が低いと、結果的に、センサが取り付けられるシステムの熱崩壊がほとんど発生しないシステムとなることができる。
【0045】
センサシステムは、絶対原位置に初期化することができるセンサを含むことができ、ユーザは、絶対距離をモニタすることができる。
センサは、PO部品(例えば)で使用された場合には、PO部品に設置しやすいものとすることができる。
【0046】
センサは、熱変動には相対的に感応しないとすることができる。センサは、POにおける熱変動に対する貢献度を最小のものとすることができる。
センサシステムの全ての能動的構成部品(例えば、電気回路を含む構成部品)は、PO部品から遠いところに位置することができ、その結果、電気回路加熱によるPO部品での熱変動が低減する。換言すると、本システムは、受動構成部品のみがPO部品内に埋設されるように構成することができる。
【0047】
特定の実行例においては、センサシステムは、結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法を用いる。結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、相対的に低コスト、短いセンサ隙間、小さな絶対隙間不確実性、高い分解能、平均的な測定速度を一般に挙げることができる。
【0048】
特定の実行例においては、センサシステムは、結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる。結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、平均したコスト、良好な構成部品可用性、短いセンサ隙間、小さい絶対隙間不確実性、高い分解能、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0049】
特定の実行例においては、センサシステムは、結合空洞共振器による多重波長干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる。結合空洞共振器による多重波長干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、低コストから平均的コスト、良好な構成部品可用性、短いセンサ隙間、小さな絶対隙間不確実性、高い分解能、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0050】
特定の実行例においては、センサシステムは、多重波長干渉分光法を用いる。多重波長干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、良好な構成部品可用性、小さいセンサ隙間、平均的な絶対隙間不確実性、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0051】
特定の実行例においては、センサシステムは、掃引波長干渉分光法を用いる。掃引波長干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、平均的な構成部品可用性、平均的な絶対隙間不確実性、平均的な分解能、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0052】
幾つかの文書が、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾点がある場合、本明細書が考慮される。1つ又はそれ以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明で記載する。他の特徴及び利点は、説明及び図面から、及び、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】投影レンズ部品内の構成部品の位置をモニタするセンサシステムの概略図である。
【図2】投影レンズ部品内で取り付けられたセンサの概略図である。
【図3】センサの実施形態の概略図である。
【図4A】センサの実施形態の概略図である。
【図4B】センサの実施形態の概略図である。
【図4C】センサの実施形態の概略図である。
【図4D】センサの実施形態の概略図である。
【図4E】センサの実施形態の概略図である。
【図5】センサの実施形態の概略図である。
【図6】センサの実施形態の概略図である。
【図7】センサの実施形態の概略図である。
【図8】センサの実施形態の概略図である。
【図9】センサの実施形態の概略図である。
【図10】センサの実施形態の概略図である。
【図11】センサの実施形態の概略図である。
【図12】センサの実施形態の概略図である。
【図13】センサの実施形態の平面図である。
【図14A】センサシステムの概略図である。
【図14B】センサシステムの概略図である。
【図14C】光ファイバ分散ネットワークの概略図である。
【図15】結合空洞共振器システムの概略図である。
【図16】センサシステムの概略図である。
【図17A】センサシステムの概略図である。
【図17B】ソースモジュールの概略図である。
【図18】センサシステムの概略図である。
【図19】ソースモジュールの概略図である。
【図20A】変調モジュールの概略図である。
【図20B】変調モジュールの概略図である。
【図21】センサシステムの概略図である。
【図22A】センサシステムの概略図である。
【図22B】電子構成部品を含む、図22Aに示すセンサシステムの概略図である。
【図22C】図22Bに示す電子構成部品の回路図である。
【図23】波長モニタの概略図である。
【図24】フォトリソグラフィツールの概略図である。
【図25A】集積回路を製造するステップを説明する流れ図である。
【図25B】集積回路を製造するステップを説明する流れ図である。
【図26】適応光学品及びセンサシステムを含む望遠鏡の概略図である。
【図27】センサシステムを含む装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
様々な図面中の同じ参照符号は、同じ要素を示す。
図1を参照すると、2つのセンサ110及び120を含むセンサシステムは、投影レンズ(PO)部品150内のレンズ140のフレーム素子130の位置をモニタするように配設されている。センサ110及び120は、PO部品150内に埋設され、それぞれ、フレーム素子112及び122に装着されている。センサシステムは、光源と、検出器と、信号処理電子品とを含む光源/検出器(SDユニット)ユニットSDユニット160も含む。SDユニット160は、それぞれ、光ファイバ111及び121を介してセンサ110及び120に、他の光ファイバを介して他のセンサに接続されている。動作中、SDユニット160は、ファイバ111及び121を介して、光源(例えば、レーザ又はLED)からの光をセンサ110及び120に方向づける。ファイバ111及び121は、また、それぞれ、センサ110及び120からの光をSDユニット160内の1つ又はそれ以上の検出器に送出する。
【0055】
SDユニット160は、また、サーボ制御装置170と通信しており、サーボ制御装置170は、信号をPO部品150内のアクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)に送り、アクチュエータは、SDユニット160からの信号に応答して、PO部品内のレンズ140及び他の構成部品の位置を調整するように構成されている。
【0056】
センサ
図2を参照すると、センサ110は、反射光学目標210及び出力結合器220を含む。光学目標210は、フレーム素子130に装着され、出力結合器220は、フレーム素子130に対する動きが可能であるフレーム素子112に装着されている。
【0057】
一般に、受動光センサは、センサに送出された光を測定波面及び基準波面に分割する干渉計である。試験波面は、光学目標210に方向づけられて干渉計に反射する。基準波面は、基準面から反射する。干渉計は、反射測定波面及び基準波面を再合成し、再合成された光は、その後、光ファイバに方向づけられる。合成波面同士が干渉して、2つの波面間の光路差(OPD)に関する情報を含む干渉図が生成される。センサシステムは、この情報を使用して、受動光センサに対する光学目標の位置を判断する。
【0058】
光学目標の位置に関する特定の情報は、変化する可能性がある。一部の実施形態においては、受動光センサと光学目標との間の位置の相対的変化を判断するだけで十分であり、その場合、この情報は、各センサから受光された干渉光内の強度変動に対応する干渉信号の位相の変化をモニタすることにより判断することができる。特定の実施形態においては、予め確立された基準フレーム内の光学目標の絶対位置が望まれる。様々な方法を用いてこの情報を判断することができる。このような方法は、例えば、L.L.Deck著フーリエ変換位相ずれ干渉分光法、Applied Optics(応用光学)、第42巻、第13号(2003年5月)、及び、C.E.Towersら共著多重波長干渉分光法における全視野縞位相分析用時間効率中国の剰余定理アルゴリズム Optics Express、第12巻、第6号(2004年3月)において開示されている。
【0059】
一般に、センサシステムは、可視波長又は赤外線波長など、様々な波長にて動作するように構成することができる。一部の実施形態においては、センサシステムは、電気通信業界で一般的に使用されている1つ又はそれ以上の波長にて(例えば、約900nmから約1,600nmの範囲で)動作する。
【0060】
センサは、相対的に低電力のセンサとすることができる。例えば、各センサでの放射電力(例えば、センサ端部にて各ファイバを出る放射電力)は、約10mW以下(例えば、約5mW以下、約4mW以下、約3mW以下、約2mW以下、約1mW以下、約0.5mW以下、約0.1mW以下)とすることができる。
【0061】
一般に、センサ110及び120の構成は、変化する場合がある。図3を参照すると、一部の実施形態においては、目標210は、逆反射体310を含み、受動光センサ220は、透過基準平面320(例えば、ガラス平面)及び視準レンズ330を含む。視準レンズ330は、ファイバ111からの発散光を視準して透過基準平面320を照射する。光の一部は、透過基準平面320により反射されて、レンズ330によりファイバ111端部上に集光される。ビーム331により示す光の一部は、透過基準平面330により透過されて逆反射体310を照射する。逆反射体310は、光を受動光センサ220に向かって光を反射する。この光は、少なくともある程度、透過基準平面320により透過され、レンズ330により、ファイバ111端部に集光される。逆反射体310から反射した波面は、透過基準平面320から反射した波面と干渉する。結果的に生じる干渉の位相は、SDユニット160にてモニタすることができ、受動光センサ220に対する逆反射体310の相対位置に関する情報が得られる。
【0062】
図4Aを参照すると、一部の実施形態においては、目標光学品のサイズは、受動光センサ220からの照射ビームの横断面寸法より小さいとすることができる。一例として、逆反射体410は、ビーム331より実質的に小さい。このタイプの構成は、照射の種々の特性が、目標光学品が原位置から移動するときに目標光学品に対して名目上一定であるという点で有利であると考えられる。これにより、特定の所望の雑音レベルを達成するために必要な逆反射体波面品質に関する諸要件を軽減することができる。更に、このタイプの構成は、それでも高次の干渉影響の誤差を相対的に小さく保ちながら干渉コントラストを向上させることを可能にすることができる。
【0063】
一般に、目標反射体のサイズに対するビーム横断面寸法は、変化する可能性がある。一部の実施形態においては、ビーム横断面寸法(例えば、直径)は、目標反射体のサイズと比較すると相対的に小さいとすることができる。例えば、ビーム横断面寸法(少なくとも1つの方向において)は、約0.2以下(例えば、約0.1以下、約0.05以下、約0.01以下)×目標反射体のサイズである。
【0064】
特定の実施形態においては、ビームは、ビームが目標と接触する場合、相対的に小さい横断面寸法を有することができる。例えば、少なくとも1つの方向におけるビーム横断面寸法(例えば、直径)は、約0.5mm以下(例えば、約0.3mm以下、約0.2mm以下、約0.1mm以下、約0.05mm以下、約0.04mm以下、約0.03mm以下、約0.02mm以下、約0.01mm以下)とすることができる。一部の実施形態においては、少なくとも1つの方向におけるビームの横断面寸法(例えば、直径)は、約100λ以下(例えば、約90λ以下、約80λ以下、約70λ以下、約60λ以下、約50λ以下、約40λ以下、約30λ以下、約20λ以下)とすることができる。ここで、λは、ビームの波長である。
【0065】
ビーム伝播方向に対して半径方向に対称形であるガウス強度プロファイルを有するビームについては、横断面寸法は、ビーム強度がピーク値の1/eを有するところで測定される。
【0066】
図4Bを参照すると、相対的に小さい横断面寸法を有するビームを利用するセンサ構成の例は、センサ2100であり、センサ2100は、ビームを平面鏡目標2130に方向づける。センサ2100は、透過基準平面2120(例えば、ガラス平面)及び集光レンズ2110を含む。集光レンズ2110は、ファイバ2101からの発散光を回収して、基準平面2120を介して光を目標2130に方向づける。光の一部は、基準平面2120の表面により反射されて、ファイバ2101端部上にレンズ2110により集光される。光の一部は、基準平面2120により透過されて基準平面2120を照射する。基準平面2120は、光を基準平面2120と、レンズ2110と、ファイバ2101とに向かって反射する。この光は、少なくともある程度、基準平面2120により透過され、レンズ2110により集光されて、ファイバ2101に結合される。目標2130から反射した波面は、透過基準平面2120の表面から反射した波面と干渉する。結果的に生じる干渉の位相は、上述した実施形態の場合と同様にモニタされ、基準平面2120に対する鏡2130の相対位置に関する情報が得られる。
【0067】
一部の実施形態においては、鏡目標2130は、光ビーム腰部に随意的に位置決めされる。このような構成により、鏡目標の転倒及び傾動に関連した位相誤差に対するセンサの感度を軽減することができる。特定の実施形態においては、光ビーム腰部に鏡目標2130を位置決めすることは、鏡目標が転倒及び/又は傾動したときに光ファイバ内に反射したビームの結合効率が低減される量を軽減することができる。更に、光ビームが狭い腰部(例えば、直径が約100μm以下の腰部、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下など)を有する場合、鏡の転倒/傾動による結合効率損失は、更に低減することができる。一部の実施形態においては、公称位置から0.2度以下(例えば、0.1度以下)の鏡の方位の変化(例えば、転倒又は傾動によって)があると、結果的に、公称位置での結合効率の50%に劣らないほど(例えば、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上)までの結合効率の低減が発生する可能性がある。ここでは、公称位置とは、光ファイバへの光ビームの結合効率が最大値である鏡の位置を指す。
【0068】
目標にて相対的に小さい横断面寸法を有するビームを利用する実施形態は、相対的にコンパクトとすることができる。例えば、ファイバ2101端部から鏡2130までの距離は、約10mm以下(例えば、約5mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下)とすることができる。
【0069】
図4Cは、目標において相対的に小さい横断面寸法を有するビームを利用するセンサの別の例を示す。具体的には、図4Cは、レンズ2110を介してファイバ2101からの放射を目標鏡2130に方向づけるように構成されたセンサ2200を示す。図4Bに示すセンサ2100とセンサ2200との相違点は、センサ2200は、レンズ2110から集光した光を目標2130に方向づける基準平面2120ではなくて、プリズム2220を有するという点である。ここでは、基準面は、プリズム2220の表面2211である。センサ2200は、センサが設置されるべき構造体がライン内ビーム路をセンサ2100においてのようには使用することはできない用途において使用することができる。特定の実施形態においては、更なる光学部品を使用して必要に応じてビーム路を更にねじることができる。
【0070】
一部の実施形態においては、集光レンズの機能性を実現するとともに基準面を実現する構成部品を使用することができる。例えば、図4Dを参照すると、センサ2300は、基準面の役目をする平面2311を有するレンズ2310を含むことができる。このようなレンズの例としては、平面凸レンズ及び勾配屈折率材料から形成されたレンズ(GRINレンズ)がある。一部の実施形態においては、電気通信用途での使用に設計されたGRINレンズを使用することができる。
【0071】
図4Eは、レンズ2310に加えてビーム分割器キューブ2370を含むセンサ2350の別の実施形態を示す。ビーム分割器キューブ2370の表面2360は、センサ2350用基準面となる。
【0072】
他の構成も可能である。例えば、図5を参照すると、一部の実施形態においては、センサは、光が目標に複光路を成すように構成することができる。この例においては、受動光センサは、鏡520を含み、逆反射体510は、第1のパスで、受動光センサからの照射が鏡520に向かって方向づけられるようにサイズ決定されている。鏡520は、光を逆反射体510に反射し、逆反射体510は、光を透過基準平面320及びレンズ330に方向づける。
【0073】
複光路は、逆反射体が単独に使用されて逆行運動(retro motion)に対する感度を増大させる場合に発生するビーム反転の影響を補正することができる。
目標逆反射体510を適当に取り付けると、逆反射体510を介して光路の熱依存を補正することができる。例えば、逆反射体510は、熱膨張率が、マウントの熱膨張が、例えば、センサ内の光学部品の屈折率の熱誘発変化及び/又はセンサの熱誘発物理的経路長変化からのセンサの熱誘発OPD変化を補償するようなものである材料から製造されたマウント512内に取り付けることができる。
【0074】
一部の実施形態においては、センサは、遠隔基準面を含むことができる。例えば、図6を参照すると、一部の実施形態においては、ファイバ結合器/分割器620は、センサ110に加えて遠隔基準鏡610に光を方向づける。遠隔基準を使用すると、名目上のスタンドオフを異なる長さに設定することができる。遠隔基準を使用することは、センサ光学品内での熱影響を補償することを可能にすることができる。例えば、一部の実施形態においては、ファイバピッグテールを使用してセンサOPD全体を改変するとともに、及び/又はピッグテールの熱OPD変動(例えば、センサ内の光学部品の屈折率の熱誘発変化及び/又はセンサ内の熱誘発物理的経路長変化による)を使用して、主要センサ空洞共振器内のガラス又は他の光学材料からの同様の影響を補償することができる。
【0075】
一般に、センサシステムは、偏光又は非偏光を利用することができる。図7を参照すると、偏光を使用するセンサの例が示されている。この例においては、受動光センサ220は、偏光ビーム分割器720と、基準鏡720と、逆反射体724と、1/4波板726及び728とを含む。目標光学品210は、平面鏡710を含む。この構成は、高安定平面鏡干渉分光法(HSPMI)に対応する。入力ビームは、第1の視準レンズ730を介してHSPMIに結合される。出力ビームは、第2のレンズ732を介して異なるファイバに結合される。
【0076】
図8を参照すると、一部の実施形態においては、ファイバ111の端面810は、センサ110の基準面となるように使用することができる。ここでは、センサ110は、平面鏡目標830、及び、ファイバ111から放出された光を目標830での又は目標830近傍の地点に集光し、また、目標830から反射した光をファイバ111端部に集光するレンズ820を含む。
【0077】
先の種々の実施形態においては、逆反射体又は平面鏡が目標光学品として使用されるが、他の光学部品をこの目的に使用することもできる。例えば、図9を参照すると、一部の実施形態においては、非平面反射体910を目標光学品として使用することができる。このような目標のほうが、受動光センサ220と目標との間の芯狂いに強いと考えられる。
【0078】
別の例として、また、図10を参照すると、一部の実施形態においては、猫の目タイプの逆反射体1001を目標光学品に使用することができる。猫の目逆反射体1001は、レンズ1010(例えば、球面レンズ)及び鏡1020(例えば、平面鏡又は曲面鏡)を含む。入射光は、レンズ1010により鏡1020上に集光されて、鏡1020によりレンズ1010に反射される。反射光は、レンズ1010を介して逆経路を辿って、受動光センサ220に戻る。猫の目逆反射体を使用する種々の構成は、他の構成に対して角変形誤差の許容範囲の増強を行なうことができる。
【0079】
図11を参照すると、光が目標光学品に複光路を成すセンサの別の例が示されている。この実施形態においては、受動光センサ220は、レンズ330及び透過光平面320に加えて逆反射体1110を含む。この場合の目標は、光ファイバ111から逆反射体1110に向かって光を反射する向きにある平面鏡1120である。
【0080】
図12及び図13を参照すると、センサの更なる例が示されている。この例においては、センサは、応力除去素子1330によりファイバ視準器1320に装着されている光ファイバ1311を介してSDユニット1310から光を受光するように配設されている。ファイバ視準器1320は、ファイバからの光を逆反射体1330に方向づけるように位置決めされている。ウィンドウ1335は、ファイバ視準器1320と逆反射体1335との間に位置決めされている。ファイバ視準器1320もウィンドウ1335も、取付け板1340に取り付けられている。このセンサにおける光学目標である逆反射体1330は、
取付け板1340から遠いところに取り付けられている。ウィンドウ1335の表面の半分は、非偏光ビーム分割器塗膜1334が被覆されており、他方の半分は、反射塗膜1332(例えば、可視光を対象とした銀又はアルミニウム)が被覆されている。ファイバ視準器1320から放出された光は、初めに、非偏光ビーム分割器塗膜1334が被覆されたウィンドウ表面の部分に当たる。この光の一部は、ウィンドウにより逆反射体1330に向かって透過され、一方、一部は、ファイバ視準器1220に向かって反射されて、試験波面が実現される。透過部分は、逆反射体1330により反射されて反射塗膜1332に当たる。被膜から反射して同じ経路に沿ってファイバ視準器1320に戻って、測定波面が実現される。
【0081】
一般に、先に論じたように、センサシステムにおける光源/検出器ユニット(SDユニット)は、実際のセンサ自体より遠いところにある。特定の実施形態においては、SDユニットとセンサとの間の情報導管のみが、光ファイバである。センサが受動式(例えば、センサが電気回路を含まない)である実施形態においては、SDユニットをセンサに接続するために必要である電線はない。
【0082】
センサシステムアーキテクチャ及び測定法
一般に、様々な異なるセンサシステムアーキテクチャが可能である。システムアーキテクチャは、通常、光学部品位置をモニタするために採用される測定技術など、様々な要因、ならびに、コストなどの他の要因に基づいて選択される。一部の実施形態においては、多重化構成を使用することができる。一般に、多重化構成とは、複数のセンサからの信号が共通の伝送路(例えば、光ファイバ)で搬送される構成を指す。例えば、図14Aを参照すると、SDユニット1410は、4つのセンサ1420の1つに直に、他の3つのセンサに間接的に接続されている。換言すると、センサは、SDユニット1410に直列に接続されている。光は、SDユニット1410からセンサ1420まで共通の光ファイバにより行き来する。センサ1420は、PO部品1410部品内に埋設されており、一方、SDユニット1410は、PO部品から遠いところにある。センサシステムは、波長計1430を含むこともでき、波長計1430は、SDユニット1410に接続されている。
【0083】
多重化は、様々な異なる方法で達成することができる。例えば、一部の実施形態においては、周波数符号化を用いることができる。各センサは、異なるセンサのOPDが名目上異なるように構成することができる。したがって、各センサの信号は、波長同調が採用された場合には他のセンサの信号と異なる周波数を有することになる。信号に周波数分析を行うと、異なるセンサからの信号を区別することができる。
【0084】
あるいは、又は、更に、波長分割を多重化に用いることができる。例えば、様々な異なる波長での光をセンサに送出することができる。各センサは、他のフィルタと異なる波長又は波長帯域を渡す波長フィルタを含む。このようにして、各センサの信号は、戻り信号内の適当な波長符号を見ることにより区別することができる。
【0085】
一部の実施形態においては、光は、分散ネットワークを使用してセンサに分配されるか、及び/又はセンサから回収される。図14Cを参照すると、分散ネットワークの例は、3つのポート(例えば、1つの入力ポート及び2つの出力ポート又は2つの入力ポート及び1つの出力ポート、それぞれ、結合器が分割器の役目を務めるか、又は、結合器の役目を務めるかによる)を有する幾つかの光ファイバ結合器1452を含む。ネットワークの最終段階にて、出力結合器1453は、循環器、又は、1つのポートが未使用のままである標準的な2×2結合器である。また、図14Cのネットワークにおいて、検出器1450も示されており、検出器1450は、センサから光信号を受信する。原則的に、ネットワークは、特定の実行例によっては、任意の数のセンサから信号を送出及び/又は回収するために使用することができる。一部の実施形態においては、システムは、10個以上のセンサ(例えば、12個以上のセンサ、15個以上のセンサ、18個以上のセンサ、20個以上のセンサ、21個以上のセンサ、25個以上のセンサ、30個以上のセンサ、32個以上のセンサ、35個以上のセンサ)を含むように構成することができる。
【0086】
一部の実施形態においては、ネットワーク内の最終ステージ分割器は、循環器と置き換えることができる。このような構成により、所望であれば、4倍の光学的効率上昇を得ることができる。
【0087】
特定の実施形態においては、コヒーレンス符号化を多重化に用いることができる。コヒーレンス符号化では、一般的に、広帯域光源を使用して各センサに独自の重なり合いなしのOPDを供給する。各センサは、その後、測定OPDにより特定することができる。例えば、各センサは、異なる名目上のOPDを有することができ、照射パルスを使用してOPDを測定することができる。特定の光学距離により分離された2面空洞共振器を含むセンサに方向づけられる2つの時間分離パルスを検討されたい。パルス時間分離が、パルスが空洞共振器を横行する往復時間に等しい場合、2つの別個のパルスは、干渉することがある可能性がある。それで、パルスの周波数を変えることにより、干渉を生成する周波数を捜すことにより空洞共振器長を推論することができる。このようにして、SDユニットは、異なるセンサからの信号を特定することができる。
【0088】
コヒーレンス符号化は、結合空洞共振器干渉分光法を用いて実現することもできる。結合空洞共振器干渉分光法においては、走査することができる別の空洞共振器からの広帯域光で空洞共振器を照射することにより空洞共振器に問い合わせが行われる。これは、センサ空洞共振器のOPDが固定のままである間に走査を可能にすることができる。
【0089】
一部の実施形態においては、各センサは、独自のファイバによりSDユニットに接続されており、光を各センサに送出するために共通の光源が使用される(例えば、図14Bを参照されたい)。例えば、図14Bを参照すると、センサ1420は、SDユニット1410に並列に接続されている。換言すると、各センサは、それぞれの光ファイバを介してSDユニット1410に直に接続されている。
【0090】
一部の実施形態においては、走査白色光干渉分光法を用いることができる。例えば、各センサにおいては、基準面(例えば、結合空洞共振器内の遠隔基準面)を干渉が観察されるまで移動させることができる。
【0091】
特定の実施形態においては、光周波数が異なり、かつ、対向する偏光を有する2つのビームに干渉計の試験又は基準脚部を別個に横行させる偏光符号化を用いることができる。戻り時に、ビームは、干渉させ(例えば、偏光器を介して)、干渉の周波数(2つの光周波数間の差に等しい)を測定する。脚部の一方が他方に対して移動中である場合、その光は、ドプラ偏移されて、干渉周波数が変化する。
【0092】
一部の実施形態においては、多重波長干渉分光法が用いられる。例えば、センサ空洞共振器は、幾つかのよく知られている、離散的な波長で照射する(順次、又は同時に)ことができ、信号位相偏移を波長の関数として判断する。位相偏移は、幾つかの方法で、例えば、離散波長の各々を位相偏移することにより求めることができる。あるいは、又は、更に、各波長にて干渉強度を測定して、その後、本システムの物理モデルで、強度と波長の最良の適合を介して空洞共振器長を判断することができる。
【0093】
特定の実施形態においては、周波数同調を用いることができる。周波数同調は、上記したL.L.Deck著フーリエ変換位相偏移干渉分光法、Applied Optics、第42巻、第13号(2003年5月)で説明されている。長い十分な範囲にわたって波長を連続的に位相同調することができる場合、干渉のフーリエ分析又は物理モデルに適合する最小2乗法により空洞共振器長を求めることができる。
【0094】
システムは、掃引波長干渉分光法、結合空洞共振器干渉分光法、コヒーレンス走査干渉分光法、ヘテロダイン干渉分光法、及び/又は多重波長干渉分光法などの1つ又はそれ以上の基本的な干渉分光技術に基づくことができる。例示的なシステムを以下で説明する。
【0095】
(A)結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法
コヒーレンス走査干渉分光法では、相対的に短いコヒーレンス長を有する光源(例えば、帯域幅光源)を利用する。したがって、干渉縞は、ゼロにて又はゼロ近傍にてOPDについてのみ検出される。従来のレーザ干渉分光法における周期的な曖昧さを排除するために干渉位置推定を利用して、絶対OPD測定にコヒーレンス走査干渉分光法を用いることができる。センサが受動式であることから、OPDは、結合空洞共振器構成部を介して間接的に走査される。
【0096】
結合空洞共振器外形形状を用いることは、他の方法に対して、複雑性増大及び縞コントラスト低減を犠牲にしながらも遠隔走査を可能にすることができ、光源コヒーレンス特性が試験空洞共振器OPD範囲に結び付けられる。図15を参照すると、一般に、結合空洞共振器構成部は、走査空洞共振器1510及びセンサ空洞共振器1520を含む。走査空洞共振器1510は、2つの経路Ll及びL2を含み、少なくともその一方は、可変である。センサ空洞共振器1520は、2つの経路L3及びL4を含む。したがって、各空洞共振器から2つの脚部の組み合わせに対応する信号1521を入力信号1511が出る可能な経路が4つある(L1+L3、L1+L4、L2+L3、L2+L4)。
【0097】
確実に、不要な経路組み合わせからの干渉が、当該の空洞共振器からの干渉に影響を与えないようにするために、経路間のOPDは、光のコヒーレンス長より大きいものであるべきである。換言すると、センサ空洞共振器のOPDは、光源コヒーレンス長より大きいものであるべきであり、これにより、センサ隙間が大きくなる傾向がある。
【0098】
図16を参照すると、結合空洞共振器を有するコヒーレンス走査干渉分光法システム1600が示されている。システム1600は、光ファイバを介してセンサ1620と接続されたSDユニット1610を特徴とする。SDユニット1610は、光ファイバ結合器1615と、検出器1618と、基準空洞共振器1640とを含む。更に、SDユニット1610は、結合空洞共振器内の可変OPDを実現するOPD偏移器1630、及び、広帯域超発光ダイオード(SLED)など、低コヒーレンス光源1612を含む。適切な電力及び広帯域幅を有するSLEDは、例えば、EM4社(マサチューセッツ州ベッドフォード)、Covega(メリーランド州ジェサップ)、DenseLight Semiconductors(シンガポール)から販売されている。一部の実施形態においては、光源は、1550nmに中心がある60nmガウススペクトル幅(半値全幅、FWHM)を実現する。このような光源は、20μm幅(FWHM)でコヒーレンス関数を生成する。
【0099】
周波数領域分析を用いて、データを分析することができる。周波数領域分析法は、例えば、P.de Groot及びL.Deck著「空間周波数領域における白色光干渉分光法分析による表面形状測定」、最新光学品学会誌(Journal of Modern
Optics)42:389ページから401ページ(1995年)で開示されており、この内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態においては、単一4096点高速フーリエ変換(FFT)の計算を介してデータの線形走査を分析することができ、この演算は、高速デジタル信号プロセッサ及び/又はプログラマブル論理回路で、約0.25msで完了することができる。したがって、結果は、その後の測定の前に出力することができるが、データ経年変化は、分析時間及び空洞共振器OPDに左右されることになる。走査が非線形(ただし公知)である場合、より複雑な分析を行なうことができる。
【0100】
(B)結合空洞共振器及びヘテロダイン干渉分光法によるコヒーレンス走査干渉分光法
結合空洞共振器及びヘテロダイン干渉分光法を用いたコヒーレンス走査干渉分光法では、測定は、2つのモードに分割される。相対的に遅いコヒーレンス走査を用いて、全てのセンサについて同時に空洞共振器絶対OPDを見つけ(「絶対モード」という)、迅速なヘテロダイン法を用いて、その時点からOPDの変動を追跡する(「相対モード」という)。図17Aを参照すると、システム1700は、SDユニット1710及びセンサ1720を含む。SDユニット1710は、光ファイバ結合器1715と、検出器1718と、基準空洞共振器1740とを含む。更に、SDユニット1710は、低コヒーレンス光源1712と、準狭帯域光源1714と、OPD偏移器1718と、周波数変調器1716とを含む。OPD偏移器1718は、光源1712とセンサ1720に接続するネットワークとの間に位置決めされた結合空洞共振器の1つの脚部内に設置されている。周波数変調器は、光源1714と、センサ1720と接続するネットワークとの間に位置決めされた第2の結合空洞共振器の1つの脚部内に設置されている。
【0101】
動作中、低コヒーレンス光源1712は、絶対モードに使用される。このモードは、各センサの絶対OPDを同時に取得するために起動時に1回行なう(又は、必要に応じて)ことができる。その測定の速度は、相対的に遅いもの(例えば、数秒)とすることができるので、センサOPDはこの時間中には変化しないと想定することができる。走査速度を除き、手順及び分析は、小区分Aに関して上述したものと類似のものである。絶対モードと相対モードとの間で大きく縞次数が変化しないようにセンサが十分に安定したものである限り、2つの測定結果を結合して、サブnmの精度まで絶対センサOPDを判断することができる。
【0102】
相対モードにおいては、準狭帯域光源1714が使用される。この光源のコヒーレンス長は、センサOPDの全範囲にわたって堅牢な干渉を観察するほどの十分な長さであるが、結合空洞共振器システムに付随する余分な空洞共振器干渉を排除するほどに十分に短いものであるべきである。適切なコヒーレンス形状を有する光源は、所望であれば、所要の強度を回復する増幅器と共に、SLED及びフィルタを使用して構成することができる。図17Bを参照すると、例示的な準狭帯域光源は、広帯域光源1750(例えば、SLED)と、インライン光ファイバ帯域通過フィルタ1755(例えば、1nmの帯域通過幅を有する)と、帯域通過フィルタを出る信号を増幅する半導体光増幅器(SOA)1760とを含む。
【0103】
ヘテロダインモードについては、狭帯域光をセンサに供給する結合空洞共振器は、周波数変調器1716を含む。周波数変調器1716は、ヘテロダイン周波数を生成するために、空洞共振器脚部の少なくとも1つの中を進む光の光周波数を変える。その後、位相測定結果を、例えば、米国特許第5,249,030号明細書で説明されている種々の方法と類似の方法で判断することができ、この特許の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0104】
(C)多重波長干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法
この技法では、2つ又はそれ以上の離散波長を使用し、3つ以上の波長が使用される場合、等価波長の概念又は厳密な有理数の方法(method of exact fractions)を用いて絶対空洞共振器OPDを計算する。図18を参照すると、この技法を実行するように構成されたシステム1800は、SDユニット1810及びセンサ1820を含む。SDユニット1810は、光源モジュール1801及び変調器モジュール1802を含み、変調器モジュール1802は、光源モジュールからの光を受光してセンサ1820及び検出器1818に接続する光ファイバ分配ネットワーク上に光を(ヘテロダイン信号を生成する変調の後で)方向づける。SDユニット1810は、基準空洞共振器1840も含む。
【0105】
図18に示すように、光源モジュール1801は、低コヒーレンス光源1812(例えば、SLED)と、光ファイバスイッチ1816と、フィルタ1814を含む。更に、光源モジュール1801は、光源1812からの1つ又はそれ以上の波長にて信号を増幅する光増幅器1817(例えば、SOA又はエルビウムドープ処理ファイバ増幅器(EDFA))を含む。一部の実施形態においては、光増幅器1817は、調節可能な増幅を行う。変調器モジュール1802は、センサOPDと名目上等しい特定のOPDを有する結合空洞共振器を画定する2つの結合器1815を含む。周波数モジュール1819は、結合空洞共振器の脚部の1つに位置決めされている。
【0106】
先に説明した実行例と同様に、測定シーケンスは、2つのモード、即ち、絶対モードと相対モードに分離される。絶対モードにおいては、センサOPDの絶対測定値は、2つ又はそれ以上の周知の波長との間の位相差を測定することにより判断され、位相は、ヘテロダイン干渉分光法を用いて取得され、これらの差を等価波長に関係づける。相対測定値では、小区分Bで開示している種々の技法と類似の方法で1つの波長だけを使用する。相対測定値の更なる詳細も、以下で提示する。
【0107】
一般的に、厳密な有理数の方法では、おおよそ知られているOPD及び異なる波長の次数(例えば、干渉位相)の測定小数部から空洞共振器内の干渉の次数を求める。一例として、2つの異なる波長について、絶対(往復)OPDを以下の方程式を用いて求めることができる。
【0108】
【数1】
ここで、Λ=λ1λ2/Δλは等価波長であり、Mは等価波長縞数、λ1及びλ2はヘテロダイン波長であり、Δλはヘテロダイン波長間の差である。実際には、位相誤差が、一般的に非常に大きなΛにより縮小拡大されるために、位相測定精度は、多くの波長が位相誤差に対する感度を最小限に抑える分離と共に使用されない限り全く良好なものであるはずである。一定の位相誤差については、使用波長数が大きくなるときは、大きな空洞共振器の測定値の方が正確な可能性がある。
【0109】
2つの波長だけを検討し、かつ、方程式(1)から始まって、以下であることを示すことができる。
【0110】
【数2】
ここで、δmは単一の波長縞数における不確実性であり、δλは波長における不確実性である。ヘテロダイン法では、δm=2π/8000、約1,500nmから約1,600nmの範囲における波長に関する位相不確実性が得られるはずである。方程式(2)の波長の項から同様の端数の不確実性を達成するために、波長における不確実性は、各波長について約δλ=0.25pm(約30MHz)であるべきである。その後、方程式(2)により、1標準偏差OPD不確実性は、Δλ=2nm(Λ=1.2mm)について1009nmであると想定される。これは、1009/1550=65%のわずかな誤差である。一部の実施形態においては、これは、不適切な性能を表すことができる。わずかな誤差を低減するためには、更なる波長(例えば、3つ以上の波長、4つ以上の波長、5つ以上の波長)が好ましいと考えられる。
【0111】
N>2の波長の場合、適当な等価波長を判断するための使用すべき公式及び許容波長及び縞数の不確実性は、既に先に導出しており、本質的に、方程式(2)の適用の繰り返し数である。例えば、P.de Groot著「3色レーザダイオード干渉計」、Applied Optics(応用光学)30:3612ページから3616ページ(1991年)を参照されたく、この内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。使用すべき最適な波長は、以下の公式から求めることができる。
【0112】
【数3】
ここで、Rは隣接等価波長間の比率である。N=3の場合、例えば、方程式(3)では、3mmの最大OPD範囲について1530nm、1530.75nm、1565nmの波長を使用することが示唆されている。実測位相及び上記の波長不確実性と結合されたこれらの3つの波長により、12nmの1標準偏差OPDの不確実性(0.77%のわずかな誤差)が生成され、この不確実性は、様々な用途に適当なものであると考えられる。反射時の位相変化によるものなど、空洞共振器内で発生する先験的な任意の更なる位相偏移を知り、かつ、分析においてこれらを説明することが必要であろう。
【0113】
図19を参照すると、一部の実施形態においては、光源モジュール1801は、SLED又は増幅自然放出(ASE)光源など、広帯域光源1910と、1対の微小電気機械システム(MEMS)スイッチ1912と、一連のフィルタ1916(例えば、2.6nmFWHMガウスフィルタ)と、増幅器1914(例えば、SOA又はEDFA)とを含む。これらの構成部品は、単一モード光ファイバで結合される。動作中、光源1910からの光は、光ファイバを介してMEMSスイッチ1912の1つに案内され、MEMSスイッチ1912は、所望の波長によりフィルタの1つに信号を方向づける。フィルタ処理済み信号は、第2のMEMSスイッチ1912を介して別の光ファイバに結合されて、光増幅器1914に送出される。フィルタ処理済み信号は、光増幅器1914により増幅されて、その後に、変調モジュールに送出される。
【0114】
光源1910は、光増幅後に全ての関連の波長について十分な光を供給するために十分に広範囲にわたる発光スペクトルを有するべきである。例えば、30nmから35nmの幅を有するSLEDを使用することができる(例えば、約6mWの出力光を生成するOptiphase社(カリフォルニア州バンナイス)製の広帯域光源)。更に大きな電力を有する他のSLEDも使用することができる。
【0115】
フィルタ1916は、変調モジュール1802に出力される信号内で適当な波長を実現するためにMEMSスイッチ1912(例えば、2つのMEMS1:4スイッチ)に結合されているスペクトルフィルタである。適切なMEMSスイッチは、例えば、DiCon
Fiber Optics社(カリフォルニア州リッチモンド)から取得することができる。特定の実施形態においては、商用電気通信フィルタを使用することができる。様々な商用電気通信フィルタの中心波長の温度依存は、約3pm/℃であり、フィルタがエポキシなしで製造されている場合には約1pm/℃に低減することができる。温度は、温度誘発波長変動により2π位相変化が波長モニタ内で生成されないように制御することができる。電気通信波長については、これは、約1.2nm、又は、3pm/℃当たりで約400℃の波長変動に相当する。したがって、特定の実施形態においては、フィルタ部は、温度制御しなくてもよいとすることができる。
【0116】
光源のコヒーレンス長は、位相測定に及ぼす結合空洞共振器システム内での他の空洞共振器の影響を最小限に抑えるのに十分に小さいものであるべきである。電気通信構成部品を利用する特定の実施形態においては、約2mmを上回るOPDについては、隣接空洞共振器からの汚れによる位相誤差を0.3nm未満に保つには、1.15nmより大きい(2.6nmFWHMより大きい)シグマパラメータ(例えば、変動の平方根)を有するガウスフィルタ形状で十分であると考えられる。名目上の空洞共振器位置からの±300ミクロンでのコントラストは、それでも25%を上回るであろう。
【0117】
種々の実施形態においては、光増幅器1914は、SOA又はEDFAとすることができる。光増幅器1914は、光源モジュール1801の出力信号強度を増大させるために使用される。スペクトルの一部の領域は、より高い利得を有する可能性があり、また、増幅器は、これらの領域においては、例えば、増幅自然放出光(ASE)と知られている現象により雑音を増大させる可能性がある。このような例においては、ASE領域は、上記の波長での放出光による位相誤差があまり破壊的なものでないように、振幅が十分に低いものであるように注意すべきである。
【0118】
図20Aを参照すると、一部の実施形態においては、変調モジュール1802は、音響光学変調を用いる光源モジュールからの信号を変調する。ここでは、変調モジュール1802は、3方結合器2011と、端子2015Aから2015Dと、AOM2013及び2014とを含む。AOM2013及び2014は、平行な経路内に位置決めされて、結合空洞共振器を画定する。AOM2013及び2014は、無線周波数(RF)信号により駆動されて、ヘテロダイン周波数に対応する量2f分、周波数がオフセットされる。端子2015Aは、矢印により示すように、移動可能であり、AOM2014が位置決めされる脚部の光路長の調整に備えるものである。
【0119】
動作中、光源モジュールからの信号は、コネクタ2011(例えば、50/50分割器)により分割され、一部は、結合空洞共振器の各脚部を介して方向づけられる。各部分は、別のコネクタ2011により再合成される前にAOM2013又はAOM2014により変調される。再合成信号は、その後、分散ネットワークを介して各種センサに送出される。
【0120】
ザイゴ コーポレーション(Zygo Corporation:コネチカット州ミドルフィールド)から市販されているZMI計器などの位相計を使用したヘテロダイン位相検出を、高速相対測定に使用することができる。ヘテロダイン信号は、AOM2013及び2014により生成され、差異が所望のヘテロダイン周波数に等しい無線周波数(RF)信号により駆動される。特定の実施形態においては、選択されたヘテロダイン周波数(例えば、150kHz)は、最大ドプラ偏移(例えば、20mm/秒にて〜26kHz)よりはるかに大きなものであるべきであり、サンプリング速度(例えば、1MHz)は、最大ドプラ偏移周波数の4倍を上回るものであるべきである(176kHz*4=704kHz)。用いられる各種ヘテロダイン分析法は、例えば、ZMI4004(Zygo Corporation(コネチカット州ミドルフィールド)から販売)で使用される技法と類似のものとすることができる。このような構成については、位相測定不確実性は0.1nmを下回ると考えられる。
【0121】
AOM RF信号の周波数は、ファイバ内への挿入損失を最小限に抑えるために選択されたフィルタのタイプにより選択することができる。ヘテロダイン周波数は、ほぼ一定のままであるはずである。AOM2013及び2014の別の特性は、波長への屈折角の依存である。この特性及びファイバ結合器は、合成光をスペクトルフィルタリングする役目をする。1550nmにて動作するAOMについては、屈折角の色依存は、ほぼ0.0133mrad/nmである。ファイバ結合器焦点距離は、フィルタのスペクトル範囲にわたって発生するファイバ心線にわたる位置偏移が軽微なものであるように十分に小さいものであるべきである。例えば、10mmの結合器焦点距離では、2nm幅スペクトルにわたって生成される側方偏移は300nm未満であり、したがって、重大な問題は発生しない。
【0122】
図20Bを参照すると、変調モジュール1802の別の例では、電気光学式変調を用いる光源モジュールからの信号を変調する。ここでは、変調モジュールは、位相変調器2023と、調節可能位相遅延2022と、3方結合器2021(例えば、50/50分割器/結合器)とを含む。結合器のうち、第1の結合器は、2つの脚部に沿って光源モジュールからの信号を分割する。位相変調器2023は、1つの脚部に沿って方向づけられた信号を変調し、一方、他方の脚部に沿って方向づけられた信号は、調節可能位相遅延2022により改変される。位相変調器2023により行われた変調は、RF信号で制御される。改変された信号は、第2の結合器で再結合されて、分散ネットワークを介して種々のセンサに方向づけられる。
【0123】
各波長での光の偏光度は、この技法の精度にも影響を与える可能性がある。例えば、特定の広帯域光源は、発光スペクトル全体にわたって統合された発光に対して実質的に非偏光とすることができるが、単一の波長での又は狭い波長帯域にわたる発光は、種々の影響が管理されていない場合、システム精度を容認できないレベルにまで低減するように、十分な偏光を示す可能性がある。
【0124】
したがって、光源偏光が問題である場合、偏光の種々の影響を管理するために、光源モジュール及び/又は変調モジュールに対する改変を行なうことができる。例えば、偏光維持ファイバを光源モジュール1801内で使用することができる。あるいは、又は、更に、変調モジュールは、偏光の種々の影響を管理するように適合させることができる。例えば、非偏光維持単一モード又は多重モードファイバではなく、偏光維持ファイバを変調モジュール1802内で使用することができる。更に、一部の実施形態においては、結合器は、結合空洞共振器の2つの脚部間の潜在的な偏光依存損失差分に対応するように改変することができる。例えば、先に示した種々の構成で使用される結合器は50/50結合器であるが、光源モジュールから受光された信号を分割するために使用される結合器は、2つの脚部に沿って差分損失を補償するために、50/50と異なるもの(例えば、60/40、70/30、80/20、90/10)とすることができる。
【0125】
偏光管理の種々の技法及び装置はシステム1800の状況において説明しているが、論じている原理は、偏光管理が所望される他のシステムに適用することができる。
(D)多重波長干渉分光法
多重波長干渉分光法では、システムの物理モデルに干渉強度測定結果を適合させることにより絶対空洞共振器OPDを計算するために多数の離散波長を使用する。図21を参照すると、この技法を実行する例示的なシステム2100は、SDユニット2110及びセンサ2120を含む。SDユニット2110は、分散フィードバックレーザなど、N>2個の実質的に単色の光源2112を含む。各光源は、異なる波長λiにて光を供給するように構成されており、ここで、i=1...Nである。SDユニット2110は、また、WDM用途において使用される合波器など、合分波器2114も含む。動作中、合分波器2114は、光源2112からの信号の迅速な波長選択を行う。SDユニット2110は、また、WDM2110からセンサ2120と、検出器2118と、基準空洞共振器2140とに信号を送出する光ファイバ及び結合器2115を含む分配ネットワークを含む。
【0126】
波長及び個々の波長の強度λiが公知である実施形態においては、絶対位相を自由パラメータとする強度データに最小2乗適合(LSF)を適用することができる。強度に対する位相依存は、非線形とすることができ、その結果、一般的な最小化方法(レーベンバーグ・マルカートなど)が使用される。あるいは、又は、更に、本システムを線形化して反復することができる。
【0127】
波長及び強度の両方において妥当な不確実性に対応するために、本方法では、多数の波長を使用することができる。しかしながら、コスト及び測定時間に種々の限界値を課すために、波長数を限定することができ、例えば、波長数は、8に限定することができる。しかしながら、一部の実施形態においては、当該のOPD範囲について正しい解決策に明瞭に到達するのに十分な差別的電力でメリット関数を生成するには、8つの波長では不十分であろう。波長における極端に小さな不確実性(例えば、約1MHz)及び強度における極端に小さな不確実性(例えば、約0.01%)があっても、真の縞次数と隣接縞との間のメリット関数差は、確実に区別するには小さすぎる(例えば、一般的に、0.01%未満)可能性がある。この方法を実際的にするためにはるかに多くの波長を使用することができる(例えば、Nは、10以上、15以上、20以上、30以上とすることができる)。更に、一部の実施形態においては、センサ空洞共振器内で発生する特定の更なる位相偏移を分析において説明するために、反射時の位相変化によるものなど、これらの位相偏移を先験的に知ることができる。
【0128】
(E)掃引波長干渉分光法
一部の実施形態においては、絶対OPDの計算、センサ内のOPD変動の迅速な追跡の両方に広く同調可能な光源放射を使用することができる。このようなシステムの例を図22Aに示す。システム2200は、SDユニット2210及びセンサ2220を含む。SDユニット2210は、同調可能なDFBレーザなど、同調可能な光源2212と、結合器2215と、検出器2218と、基準空洞共振器2240とを含む。幾つかの光ファイバと共に、結合器2215は、光源2212からセンサ2220と、検出器2218と、基準空洞共振器2240とに信号を送出する分配ネットワークを形成する。
【0129】
本システムは、2つのモードで動作することができる。一方のモードにおいては、波長は、縞次数を解析するのに十分に大きな範囲にわたって同調され、他方のモードにおいては、空洞共振器位相を計算するのに十分に大きな範囲にわたって迅速に同調される。両方のモードにおいては、同調範囲は、センサ空洞共振器OPDに左右される。
【0130】
第1の(絶対)モードにおいては、OPDは、波長同調中に生成された基本的な干渉周波数の測定により判断され、基本波は、干渉パターンのスペクトル分析を介して測定される。最終的に、OPDの判断は、縞次数を解析するのに十分に良好なものであるべきであり、それで、良好な方法により、OPD不確実性は、縞の半分の20%未満(例えば、約1550nmにて動作するシステムについては約80nm)とするべきであると指定されている。基本波の判断における不確実性は、コントラスト、波長及び強度不確実性、分析方法、幾つかのサンプルなどを含む多数のパラメータに敏感に左右される可能性がある。一部の実施形態においては、光源は、約3THz以上の同調範囲を有する。3THzの同調範囲を有するシステムは、外部空洞共振器レーザ光源を含み、かつ、例えば、New Focus(カリフォルニア州サンホセ)及びSantec(日本)から販売されている。一般的なDFBシステムの同調範囲は、例えば、約500GHzである。
【0131】
高速相対測定においては、光源2212は、より小さな波長範囲を介して迅速に同調され、一方、強度は、サンプリングされて、その後、特別の位相偏移干渉分光法(PSI)アルゴリズムが強度時間履歴に適用される。
【0132】
一部の実施形態においては、光源は、十分に迅速に行なうことができる正弦波電流変調を用いて同調される。約30GHzの最大波長変化については、最小空洞共振器隙間は、少なくとも1サイクルの位相変動を達成するためには約5mmとすべきである。特定の実施形態においては、最小値センサ空洞共振器隙間は、より多い位相偏移範囲に備えるために、かつ、レーザ間の同調可変性を説明するために、約10mm以上である。正弦波電流変調を用いる実施形態においては、光源の出力強度は、電流の関数として変化する可能性があり、及び/又は、相伴する位相偏移は、非線形である可能性がある。これらの問題に対応するために、強度変動は、本測定システムにより測定かつ補償することができる。
【0133】
非線形位相偏移は、例えば、同調が準線形であるゼロ交差地点近傍での強度データに関するPSIアルゴリズムの使用、及び/又は非線形位相偏移を説明する正弦波位相変調について特別に構成されたアルゴリズムの使用により、補償することができる。正弦波位相変調については、非線形性は、基本周波数の奇数調波である。PSIアルゴリズムは、データから位相情報を判断するために使用することができる。例えば、13フレームPSIアルゴリズムを採用することができ、13フレームPSIアルゴリズムでは、正弦振幅の約70%を使用する。空洞共振器OPDが変化するにつれて、位相偏移増分が変化し、これは、1次位相偏移器誤較正として知られている現象である。13フレームアルゴリズムは、1次位相偏移器誤較正に感応しない。しかしながら、直接的な位相誤差は、ゼロ交差測定が例えば、DCバイアスからドリフトした場合に発生する可能性がある。この誤差発生源には、電子品における入念な温度補償が必要である場合がある。
【0134】
図22Bを参照すると、図22Aに示す構成部品に加えて、システム2200は、センサにより生成された光信号を処理して、モニタされるPO部品を操作するために使用される光源及びサーボシステムに制御信号を供給する様々な電子構成部品を含む。システム2200内の電子品モジュールは、検出器2218を収納する前端部2250を含む。コネクタ2251は、センサ2220及び波長モニタ2240から信号を搬送する光ファイバを検出器2218に結合する。前端部2250は、光信号に応答して検出器2218により生成された干渉信号から位相情報を抽出する位相計2260に結合されている。位相計は、デジタルフィルタ2270に結合されており、デジタルフィルタ2270は、データ出力モジュール2280に方向づける前に位相情報をフィルタ処理する。
【0135】
電子品モジュールは、また、光アイソレータ2292に接続されていると示されている光源2212に結合されている幾つかの構成部品を含む。特に、電子品モジュールは、熱制御装置2294と、変調発生器2296と、駆動装置2298とを含む。熱制御装置2294は、光源の温度を安定させて、熱変動に関連した任意の波長ドリフトを低減する。変調発生器2296は、センサを操作するために使用される方法に従って要望通りに光源の出力波長を変調する。駆動装置2298は、電力を光源に供給する。
【0136】
図22Cを参照すると、特定の実施形態においては、電子品モジュールは、各入力チャンネルから干渉信号を受信する(例えば、各センサ検出器及び波長モニタ検出器から)デジタル信号プロセッサ(DSP)2257を含む。各チャンネルは、ダイオード2252と、動作増幅器2253と、低パスフィルタ2254と、アナログ/デジタル変換器(ADC)2255とを含み、アナログ/デジタル変換器は、干渉信号内の雑音を低減してDSP2257による処理に向けてフォーマットする。DSP2257は、また、プログラムメモリ2256、サポート回路2261と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)出力駆動装置2258と、主演算装置2259と通信している。
【0137】
FPGA出力駆動装置2258は、また、主演算装置2259から信号を受信して、駆動信号をサーボ制御装置に供給する。
主演算装置2259は、非揮発性メモリ2262、及び、上述した変調発生器2296に接続されている。主演算装置2259は、やはり上述した熱制御装置2294及び光源2212に制御信号を供給する。主演算装置2259から熱制御装置2294及び光源2212までの出力チャンネルは、デジタル/アナログ(DAC)変換器2265を含む。
【0138】
主演算装置2259は、また、USBインタフェース又はRS232インタフェースなど、インタフェース2299に至るチャンネルを含む。
上記した電子品モジュールは、センサシステム2200を参照して論じているが、一般に、電子品モジュールは、他のシステムでの使用に向けても適合させることができる。
【0139】
更なる構成部品
先に論じた幾つかの実施形態は、更なる光学部品を含む。例えば、特定の実施形態は、基準空洞共振器又は波長モニタを含む。一般に、センサシステムは、例えば、システム環境及び/又は光源の安定性に関する更なる情報を供給するために様々な更なる構成部品を含むことができる。例えば、特定の実施形態においては、センサシステムは、センサの精度に影響を与える可能性がある雰囲気の屈折率の変化に関する情報を供給する屈折計を含むことができる。あるいは、又は、更に、センサシステムは、例えば、光源の強度の変化に関する情報を供給するために強度モニタを含むことができる。
【0140】
上記したように、特定の実施形態においては、センサシステムは、基準空洞共振器を含むことができる。例えば、基準空洞共振器は、ヘテロダイン信号を供給するために使用される結合空洞共振器内に発生する可能性があるOPD変化の変動を補償するために使用することができる。動作中、ヘテロダイン空洞共振器OPD変動を排除するために同時基準空洞共振器位相測定値を試験空洞共振器位相測定値から差し引くことができる。
【0141】
波長モニタに関しては、一般に、波長モニタの自由スペクトル範囲は、本システム動作中に予想される最大波長変動を包含するべきである。波長変動は、例えば、フィルタ温度依存によって発生することがある。波長モニタは、方程式(2)への貢献が位相不確実性に匹敵するものであるような不確実性で平均波長を判断することができるべきである。これは、センサ自体と類似であるが固定OPDを有する干渉計に基づいて波長モニタを使用して達成することができる。OPDがセンサの名目上のOPDと同じであるとした場合、較正用基準空洞共振器として2役を演じることができる。
【0142】
図23を参照すると、波長モニタ2300の実施形態は、干渉計の所望の隙間に対応する深さを有する中空胴部2316を有する、適当な熱特性を有する材料のブロック2320(例えば、Zerodur製ブロック)を含む。ブロックの片側は、ブロックに光学的に接触される基準光学品2314用の合い面を画定するために研磨されている。別の同心の小さいほうの胴部2323は、小型逆反射体2322を受け入れて、かつ、封止されている。両方の中心胴部が栓詰めされた状態で、空洞共振器は、第3の垂直方向の胴部2313を介して排気されて栓2312で封止されている。空洞共振器は、このように排気されて、気密で、熱的に安定しており、かつ、光ファイバ2301から放射を送出するファイバ視準器2310に相対的に位置合わせしやすい。特定の実施形態においては、波長モニタの温度は、能動的に制御される。例えば、一部の実施形態においては、波長モニタの温度は、1℃以内に安定化されている。
【0143】
波長モニタ2300は、基準空洞共振器及び/又は屈折計として2役を演じることができる。波長モニタ2300内の物理的隙間は長期的に安定したものであるために、このデザインは、局所的大気が空洞共振器に入ることを可能にすることにより、かつ、OPDの変化は大気条件だけによるものであると想定することにより、屈折計として使用することもできる。これにより、製造量を増大させるとともに、モニタの最終コストを低減することができる。
【0144】
各種用途
一般に、論じたように、上述したセンサシステムは、投影レンズ部品における様々な異なる光学部品の位置をモニタするために使用される。光学部品としては、屈折光学部品、反射光学部品、及び/又は回折光学部品がある。例えば、反射光学PO部品においては、センサシステムは、部品における、屈折構成部品の例であるレンズの位置をモニタするために使用することができる。光屈折PO部品において、センサシステムは、PO部品における、反射構成部品の例である鏡の位置をモニタするために使用することができる。更に、センサシステムは、偏光器、回折格子など、他の構成部品の位置をモニタするために使用することができる。更に、センサシステムは、PO部品に加えて、光学システムにおける光学部品の位置をモニタするために使用することができる。例えば、フォトリソグラフィツールにおいては、センサシステムは、照射システム内の1つ又はそれ以上の構成部品の、あるいは、又は、更に、PO部品内の構成部品の位置をモニタするために使用することができる。
【0145】
フォトリソグラフィ用途においては、投影レンズ部品は、リソグラフィツール内のウェーハ上でのレジスト層上にレチクルパターンを撮像するために使用される。リソグラフィツールは、コンピュータチップ、LCDパネルなどの大規模集積回路を製造する際に使用されるリソグラフィ用途において特に有用である。リソグラフィは、半導体製造業界の重要な技術原動力である。
【0146】
リソグラフィツールの機能は、空間的にパターン化された放射をフォトレジスト被覆ウェーハ上に方向づけることである。工程は、ウェーハのどの場所が放射を受光するべきか(位置合わせ)を判断して、投影レンズを介してその場所にてフォトレジストに放射を適用する(露光)ことを伴う。投影レンズの安定性は、ウェーハレジスト上へのレチクルパターンの繰り返し可能な撮像に重要である。
【0147】
ウェーハを適切に位置決めするために、ウェーハは、専用センサにより測定することができるウェーハ上の位置合わせマークを含む。位置合わせマークの実測位置により、ツール内の、かつ、投影レンズに対するウェーハの場所が画定される。この情報により、ウェーハ表面の所望のパターン化の仕様と共に、空間的にパターン化された放射に対するウェーハの位置合わせが案内される。このような情報に基づいて、フォトレジスト被覆ウェーハを支える並進可能なステージは、放射がウェーハの正しい場所を露光するようにウェーハを移動させる。
【0148】
露光中、放射源は、パターン化されたレチクルを照射し、これにより、空間的にパターン化された放射を生成するために放射が散乱される。レチクルは、マスクともいい、これらの用語は、同義的に以下で使用される。還元リソグラフィの場合、投影レンズは、散乱放射を回収して、レチクルパターンの縮小画像を形成する。放射は、放射パターンをレジスト内の潜像に変換する各種光化学プロセスをレジスト内で開始する。
【0149】
一般に、露光システムともいうリソグラフィシステムは、一般的に、照射システム及びウェーハ位置決めシステムを含む。照射システムは、紫外線、可視光、X線、電子、イオン放射などの放射を供給する放射源、及び、パターンを放射に与えることにより、空間的にパターン化された放射を生成するレチクル又はマスクを含む。更に、照射システムは、空間的にパターン化された放射をウェーハ上に撮像する投影レンズを含む。撮像放射は、ウェーハ上に被覆されたレジストを露光する。照射システムは、また、マスクを支持するマスクステージ、及び、マスクを介して方向づけられた放射に対するマスクステージの位置を調整する位置決めシステムを含む。ウェーハ位置決めシステムは、ウェーハを支持するウェーハステージ、及び、撮像放射に対するウェーハステージの位置を調整する位置決めシステムを含む。集積回路の製造は、複数の露光ステップを含むことができる。リソグラフィに関する一般的な参考文献として、例えば、J.R.Sheats、B.W.Smith共著、マイクロリソグラフィ:科学技術、(Marcel Dekker社、ニューヨーク、1998年)を参照されたく、この内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0150】
先に論じたように、センサシステムは、投影レンズの構成部品の位置をモニタするために使用される。センサは各種構成部品と共に投影レンズ内に取り付けられているが、SDユニットは、ツール内又はツールから遠いところにあるどこかの場所に位置することができる。
【0151】
リソグラフィツール1100の別の例を図24に示す。干渉分光システム1126は、露光システム内でのウェーハの位置(図示せず)を正確に測定するために使用される。ここで、ステージ1122は、露光ステーションに対してウェーハを位置決めかつ支持するために使用される。スキャナ1100は、他の支持構造体及びそれらの構造体上に担持された様々な構成部品を担持するフレーム1102を含む。露光基部1104は、投影レンズハウジング1106がその上に取り付けられており、その上に、レチクル又はマスクステージ1116が取り付けられており、レチクル又はマスクステージ1116は、レチクル又はマスクを支持するために使用される。SDユニット1109は、1つ又はそれ以上の光ファイバを介してハウジング1106内に取り付けられたセンサに接続されている。露光ステーションに対してマスクを位置決めする位置決めシステムは、素子1117により概略的に示されている。位置決めシステム1117は、例えば、圧電変換器素子及び対応する制御電子品を含むことができる。説明するこの実施形態においては含まれていないが、上述した干渉分光システムの1つ又はそれ以上は、マスクステージ、ならびに、他の移動可能な素子の位置を正確に測定するために使用することもでき、それらの位置は、リソグラフィ構造体を製造する工程において正確にモニタされなければならない(先のSheats、Smith共著、マイクロリソグラフィ:科学技術を参照されたい)。
【0152】
露光基部1104の下には、ウェーハステージ1122を担持する支持基部1113が懸架されている。ステージ1122は、干渉分光システム1126によりステージに方向づけられた測定ビーム1134を反射する平面鏡1128を含む。干渉分光システム1126に対してステージ1122を位置決めする位置決めシステムは、素子1119により概略的に示されている。位置決めシステム1119は、例えば、圧電変換器素子及び対応する制御電子品を含むことができる。測定ビームは、露光基部1104上に取り付けられている干渉分光システムに反射する。干渉分光システムは、先述した実施形態のいずれかとすることができる。
【0153】
動作中、放射ビーム1110、例えば、UVレーザ(図示せず)からの紫外線(UV)ビームは、ビーム成形光学品部品1112を通過して、鏡1114から反射した後に下方に進む。その後、放射ビームは、マスクステージ1116により担持されたマスク(図示せず)を通過する。マスク(図示せず)は、レンズハウジング1106内に担持されたレンズ部品1108を介してウェーハステージ1122上のウェーハ(図示せず)上に撮像される。基部1104及び基部により支持された様々な構成部品は、ばね1120により示される減衰システムにより環境的変動から隔離されている。
【0154】
当技術分野で周知であるように、リソグラフィは、半導体デバイスを製造する製造法の極めて重要な部分である。例えば、米国特許第5,483,343号明細書では、このような製造方法の種々のステップを概説している。これらのステップを、図25A及び図25Bを参照して以下で説明する。図25Aは、半導体チップ(例えば、IC又はLSI)、液晶パネル又はCCDなどの半導体デバイスを製造するシーケンスの流れ図である。ステップ1151は、半導体デバイスの回路を設計する設計工程である。ステップ1152は、回路パターンデザインに基づいてマスクを製造する工程である。ステップ1153は、シリコンなどの材料を使用してウェーハを製造する工程である。
【0155】
ステップ1154は、そのように作製されたマスク及びウェーハを使用してリソグラフィを介してウェーハ上に回路が形成される、前工程というウェーハ工程である。十分な空間分解能でマスク上のパターンに対応する回路をウェーハ上に形成するために、ウェーハに対するリソグラフィツールの干渉分光法による位置決めが必要である。本明細書で説明する各種干渉分光法及びシステムは、ウェーハ工程において使用されるリソグラフィの効果を向上させるために特に有用なものとすることができる。
【0156】
ステップ1155は、組み付けステップであり、このステップは、後工程といい、ステップ1154により処理されたウェーハが半導体チップに形成される。このステップは、組み付け(ダイシング及びボンディング)及びパッケージング(チップ封止)を含む。ステップ1156は、ステップ1155により製造された半導体デバイスの動作性チェック、耐久性チェックなどが行われる検査ステップである。これらの工程で、半導体デバイスは、仕上げられて出荷される(ステップ1157)。
【0157】
図25Bは、ウェーハ工程の詳細を示す流れ図である。ステップ1161は、ウェーハ表面を酸化させる酸化工程である。ステップ1162は、ウェーハ表面上で絶縁膜を形成するCVD工程である。ステップ1163は、蒸着によりウェーハ上に電極を形成する電極形成工程である。ステップ1164は、イオンをウェーハに移植するイオン移植工程である。ステップ1165は、レジスト(感光材料)をウェーハに塗布するレジスト工程である。ステップ1166は、上述した露光装置を介して、露光(即ち、リソグラフィ)により、ウェーハ上にマスクの回路パターンを焼き付ける露光工程である。改めて言えば、上述したように、本明細書で説明する各種干渉分光システム及び方法により、このようなリソグラフィステップの精度及び分解能が向上する。
【0158】
ステップ1167は、露光ウェーハを現像する現像工程である。ステップ1168は、現像済みレジスト画像以外の部分を除去するエッチング工程である。ステップ1169は、エッチング工程を受けた後でウェーハ上に残っているレジスト材料を分離するレジスト分離工程である。これらの工程を繰り返すことにより、回路パターンが形成されてウェーハ上に重畳される。
【0159】
光学撮像システムにおいてセンサシステムを使用する別の例は、発生する可能性がある欠陥を撮像することを補償するために適合光学品を利用するシステムにおけるものである。例えば、図26を参照すると、一部の実施形態においては、センサシステム2601は、望遠鏡2600内の幾つかの鏡2612の位置をモニタするために使用される。鏡2612は、放射2650を第2の集光光学品2614に集光する大きな集光素子を実現するように基部2610上に取り付けられ、かつ、配設されている。第2の集光光学品2614は、放射を検出器/制御装置システム2620上に集光し、検出器/制御装置システム2620は、撮像された放射に関する情報を記録する。望遠鏡2600は、また、SDユニット2601と、ファイバネットワーク2602と、基部2610及び鏡2612上に取り付けられているセンサとを有するセンサシステムを含む。動作中、センサは、SDユニット2601が検出器/制御装置システム2620に伝達する鏡の1つ又はそれ以上の自由度をモニタする。SDユニットからの情報に基づいて、検出器/制御装置システムは、例えば、放射2650の経路内で発生する可能性がある大気変動のために、システム内の撮像収差を低減するために埋設アクチュエータを使用して、鏡の1つ又はそれ以上を位置決めし直す。
【0160】
更に一般的には、センサシステムは、PO部品内の構成部品をモニタすること以外の用途に使用することができる。一般に、本明細書で論じているセンサシステムは、様々なシステムにおいて、特に、多数の測定チャンネルが所望される場合に、別の物体に対する1つの物体の位置をモニタするために使用することができる。
【0161】
図27を参照すると、センサシステムは、システム2700において第2の物体2710に対する第1の物体2720の複数の自由度をモニタする。センサシステムは、SDユニット2701と、センサ2705と、SDユニット2701をセンサ2705に接続するファイバネットワークとを含む。
【0162】
図27の概略図は、別の物体に対する単一の物体の自由度をモニタするように構成されたセンサシステムを示すが、種々の実施形態は、2つ以上の物体の自由度をモニタするように構成することができる。
【0163】
システム2700は、上述した種々の実施形態などの光学システム、又は、システムの構成部品が互いに対して移動可能であるとともに、構成部品間の相対的動きがシステムの性能に影響を与える他のタイプのシステムとすることができる。システムの例としては、製造システムにおいて他の部品に対するか、又は、1つ又はそれ以上のツールに対する部品の正確な位置を要求する製造システムがある。
【0164】
本発明の幾つかの実施形態を説明した。それでも、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な改変を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0165】
111,121:光ファイバ、110,120:センサ、140:光学素子、150:投影レンズ、160:検出器、170:電子制御装置。
【背景技術】
【0001】
本出願は、2006年1月23日出願の、「物体の位置及び方位をモニタするファイバセンサシステム」という名称の米国特許仮出願第60/761,314号と、2006年3月15日出願の、「物体の位置及び方位をモニタするファイバセンサシステム」という名称の米国特許仮出願第60/782,722号と、2006年8月31日出願の、「物体の位置及び方位をモニタするファイバセンサシステム」という名称の米国特許仮出願第60/841,442号の優先権を主張するものである。これら各出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
多くの精密エンジニアリングシステムについては、長い期間、例えば、日単位、月単位、又は、年単位さえにわたってnmレベルの公差まで物体の位置を測定することが必要とされている。物体の動きの範囲は、小さい、例えば、任意の方向においてmm未満である場合があるが、安定性が得られるように能動サーボループで、かつ、制御された微調整に備えるように制御するべきである。
【0003】
このような精密エンジニアリングシステムの一例は、最新のフォトリソグラフィツールの投影レンズ(PO)部品である。PO部品の各種の例は、J.R.Sheats、B.W.Smith共編「マイクロリソグラフィ:科学技術」、Marcel Decker社(ニューヨーク州ニューヨーク、1998年)で説明されている。PO部品としては、光屈折PO部品、反射屈折PO部品、反射PO部品がある。
【0004】
このようなPO部品においては、相対位置を測定する各種レンズ素子及びセルで構成されるPO部品を通して設置された各種センサと関連して動作する各種小型アクチュエータにより、互いとの関係及び/又はPO部品レンズセルとの関係で、各種レンズで構成された様々な副部品が保持される。これらのセンサは、例えば、「精密機械設計」、ニュージャージ州エングルウッドクリフ、Prentice Hall、162ページから173ページ(1992年)において、A.H.Slocumにより説明されているような符号器デバイスとすることができ、かつ、位置フィードバック制御に使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、取付けフレーム又は別の光学部品に関する光学部品の位置など、別の構成部品に対する1つの構成部品の位置をモニタするセンサ及びセンサシステムを特徴とする。本センサシステムは、複数の受動干渉計光センサにより、1つ又はそれ以上の構成部品の少なくとも1つの自由度を測定する。一般に、各センサは、1つの自由度に感応し、他の自由度には実質的に感応しない。各光センサは、光ファイバなど、少なくとも1つのファイバ導波路からの光により照射され、センサからの光信号は、少なくとも1つのファイバ導波路により遠隔共通光源/検出器サブシステムに伝達される。光源/検出器サブシステムは、全ての光センサにとって単一の光源となることができる。光は、波長同調可能な離散的波長又は多重化された一連の離散的波長又はその両方とすることができる。
【0006】
特定の実施形態においては、光源/検出器ユニットは、2つの動作モードを有することができる。1つのモードにおいては、光源/検出器ユニットは、随時必要とされると考えられる絶対位置を判断するためにセンサについて絶対原位置を確立する。もう1つのモードにおいては、光源/検出器ユニットは、位置制御サーボシステムに連続的なデータを供給するために、高速、例えば、1kHzにて、物体自由度の任意の変化を測定する。センサ断熱化手段も設置される。
【0007】
一部の実施形態においては、センサは、動作モードを切り替える必要がなく、連続的な、高速絶対距離測定結果を供給する。
幾つかのタイプのセンサ、光センサ/検出器ユニット、及び光ファイバアーキテクチャを使用することができる。
【0008】
一般に、第1の態様においては、本発明は、第2の物体に相対的に移動可能に取り付けられた第1の物体を含むシステムを特徴とする。本システムは、各々が、入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を含む出力放射を供給するように構成された複数の干渉計を含み、各々の干渉計は、第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を含み、干渉計の少なくとも1つの反射素子は、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、複数のファイバ導波路及び電子制御装置も含む。各ファイバ導波路は、入力放射を対応する干渉計に送出するか、又は、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される。電子制御装置は、干渉計の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタするように構成され、自由度は、第1及び第2の物体間の絶対変位である。
【0009】
本システムの種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、各ファイバ導波路は、入力放射を対応する干渉計に送出して、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される。各干渉計用入力放射は、約900nmから約1,600nm(例えば、約1,500nmから約1,600nm)の範囲の波長を有することができる。各干渉計用入力放射は、他の干渉計と異なる波長を有することができる。
【0010】
各干渉計は、入力放射の経路内に位置決めされた光インタフェースを含むことができ、光インタフェースは、入力放射の第1の部分を反射して第1又は第2の波面を形成するように構成される。光インタフェースは、ファイバ導波路の表面とすることができる。光インタフェースは、平面光インタフェースとすることができる。光インタフェースは、透明素子の表面とすることができる。表面は、入力放射の第2の部分を伝達して第2又は第1の波面を形成するように構成することができる。一部の実施形態においては、各干渉計は、入力放射を測定波面及び基準波面に分割するように構成されたビーム分割器を含む。各ビーム分割器は、偏光ビーム分割器又は非偏光ビーム分割器とすることができる。
【0011】
各干渉計は、第1の波面が物体から1回又は2回以上反射するように構成することができる。
各反射素子は、逆反射体又は鏡とすることができる。
【0012】
干渉計の少なくとも1つについては、第1の波面は、反射素子から反射することができ、反射素子は、第1の波面を受け取るように構成された表面を含むことができ、この表面は、反射素子から反射する前に第1の波面の横断面寸法より小さい寸法を有する。あるいは、または、更に、干渉計の少なくとも1つについては、第1の波面は、反射素子から反射することができ、反射素子は、第1の波面を受け取るように構成された表面を含むことができ、この表面は、反射素子から反射する前に第1の波面の横断面寸法より大きい寸法を有する。
【0013】
一部の実施形態においては、干渉計の少なくとも1つは、それぞれのファイバ導波路から出現する入力放射を成形するように構成された光学素子を更に含む。光学素子は、レンズとすることができる。レンズは、それぞれの光ファイバから出現する入力放射を視準するように構成することができる。レンズは、第1又は第2の波面を反射する表面を含むことができる。
【0014】
干渉計の少なくとも1つは、第1又は第2の波面は、第1の物体にて約0.2mm以下の直径を有することができる。レンズは、光ファイバから出現する光を集束するように構成することができる。反射素子は、集束光の腰部に又は集束光の腰部の近くに位置決めすることができる。
【0015】
本システムは、入力放射を生成するように構成された光源を含むことができ、本システムは、複数のファイバ導波路を介して干渉計に入力放射を送出するように構成される。光源は、広帯域光源を備えることができる。一部の実施形態においては、本システムは、異なる波長の入力放射を広帯域光源から干渉計に伝達するように構成された複数の光フィルタを含む。各光フィルタは、複数の干渉計の1つに対応することができる。広帯域光源は、発光ダイオード又は増幅自然発光源とすることができる。光源は、分散フィードバックレーザなど、レーザを含むことができる。本システムは、光源からの放射を増幅して増幅放射を干渉計に方向づけるように構成された増幅器を含むことができる。光源は、各々が異なる波長にて放射を生成するように構成される複数の光源素子を含むことができる。
【0016】
本システムは、更なるファイバ導波路を含むことができる。複数のファイバ導波路及び更なるファイバ導波路は、入力放射を干渉計に送出し、かつ、出力放射を干渉計から検出器に送出するように構成されたファイバネットワークを形成する。
【0017】
一部の実施形態においては、本システムは、干渉計に光学的に結合された遠隔光空洞共振器を含む。遠隔光空洞共振器は、第1の光路及び第2の光路を含むことができ、かつ、第1及び第2の光路の間で異なる光路を変えるように構成された素子を更に備える。
【0018】
第1の物体は、光学部品とすることができ、第2の物体は、光学部品が取り付けられるフレームである。第1の物体は、光学撮像システム内の光学部品とすることができる。光学撮像システムは、マイクロリソグラフィツールの投影レンズ部品又は望遠鏡とすることができる。
【0019】
本システムは、第1の物体に結合されたアクチュエータを含むことができ、アクチュエータは、電子制御装置と通信しており、かつ、電子制御装置により判断された情報に基づいて第1の物体の位置を調整するように構成される。
【0020】
一般に、別の態様においては、本発明は、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタする方法を特徴とする。本方法は、光源からの放射を複数の干渉計に方向づけるステップであって、各干渉計が、ファイバ導波路から放射を受光し、放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を備える出力放射を供給するように構成され、干渉計の少なくとも1つが、第1の物体上に位置決めされた素子から反射するように第1の波面を方向づけるように構成されるステップを含む。本方法は、出力放射を各干渉計からそれぞれの検出器に方向づけるステップと、干渉計の少なくとも1つからの出力放射からの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度に関する情報を判断するステップとを含み、情報は、第1及び第2の物体間の絶対変位を含む。
【0021】
本方法の種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、本方法は、2つ又はそれ以上の干渉計からの出力放射からの情報に基づいて、第1の物体の2つまたはそれ以上の自由度に関する情報を判断するステップを含むことができる。本方法は、干渉計の少なくとも1つからの出力放射からの情報に基づいて、第1又は第2の物体に対する第3の物体の自由度に関する情報を判断するステップを含むことができる。各干渉計に方向づけられた放射は、共通のファイバ導波路を介して方向づけることができる。情報は、第1の物体と第2の物体との間の変位の変動を含むことができる。
【0022】
本方法は、モニタされた自由度に基づいて、第1の物体の位置を調整するステップを含むことができる。本方法は、モニタされた自由度に基づいて、第1の物体の位置に関する情報を出力するステップを含むことができる。本方法は、約5kHz以上(例えば、約10kHz以上、約100kHz以上、約500kHz以上、約1MHz以上)の速度にて自由度に関する情報を更新するステップを含むことができる。出力放射は、対応するファイバ導波路を介してそれぞれの検出器に方向づけることができる。絶対変位に関する前記情報が、1nm以上(例えば、0.5nm以上、0.1nm以上)の精度まで判断することができる。
【0023】
一般に、更なる態様においては、本発明は、第2の物体に相対的に移動可能に取り付けられた第1の物体を含むシステムを特徴とする。本システムは、各々が、入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を含む出力放射を供給するように構成された複数の干渉計を含み、各干渉計は、第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を含み、干渉計の少なくとも1つの反射素子は、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、各々が、入力放射を対応する干渉計に送出するか、及び/又は、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される複数のファイバ導波路を含む。本システムは、干渉計の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタするように構成された電子制御装置を含み、第1の物体は、光学撮像システムの屈折素子又は反射素子である。光学撮像システムは、望遠鏡、又は、マイクロリソグラフィツールの投影レンズとすることができる。種々の実施形態は、他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0024】
一般に、別の態様においては、本発明は、第2の物体に相対的に移動可能に取り付けられた第1の物体を含むシステムを特徴とする。本システムは、入力放射を供給するように構成された低コヒーレンス光源、及び、各々が入力放射から第1の波面及び第2の波面を導出し、かつ、第1及び第2の波面を合成して第1及び第2の波面の経路間の光路長の差に関する情報を含む出力放射を供給するように構成された複数の干渉計を含み、各干渉計は、第1の波面の経路内に位置決めされた反射素子を含み、干渉計の少なくとも1つの反射素子は、第1の物体上に取り付けられる。本システムは、また、各々が入力放射を対応する干渉計に送出するか、及び/又は、出力放射を対応する干渉計から対応する検出器に送出するように構成される複数のファイバ導波路を含む。本システムは、干渉計の少なくとも1つからの情報に基づいて、第2の物体に関する第1の物体の自由度をモニタするように構成された電子制御装置を含む。光源は、約1メートル以下(例えば、約1cm以下、1mm以下、0.5mm以下)のコヒーレンス長を有することができる。光源は、広帯域光源とすることができる。本システムの種々の実施形態は、他の態様の特徴を含むことができる。
【0025】
一般に、別の態様においては、本発明は、構成部品フレームを介して部品内に取り付けられた1つ又はそれ以上の構成部品の位置をモニタするシステムを特徴とする。本システムは、各々が構成部品の1つの自由度のみに感応する1つ又はそれ以上の受動干渉計センサを含み、各受動干渉計センサは、入力ビームから第1のビーム及び第2のビームを導出し、第1の物体から反射するように第1又は第2ビームを方向づけ、かつ、第1及び第2のビームを再合成して第1及び第2のビームの経路間の光路差に関する情報を備える出力ビームを形成するように構成され、入力ビームは、光ファイバケーブルを介して照射部品からセンサに送出され、出力ビームは、同じ又は異なる光ファイバケーブルを介して検出部品に送出され、各センサについては、第1の物体又は受動干渉計センサは、構成部品フレームに装着される。
【0026】
本システムの種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、部品は、投影レンズ部品である。
【0027】
照射部品は、入力ビームを受動干渉計センサに送出するように構成された光源を含むことができる。光源は、レーザ(例えば、分散フィードバックレーザ)を含むことができる。光源は、広帯域光源とすることができる。光源は、各々が異なる波長の光を生成するように構成された複数の光源素子を含むことができる。各光源素子は、レーザを含むことができる。一部の実施形態においては、本システムは、光源素子から光を受光し、かつ、光を受動干渉計センサに送出するように配設された導波路に光を結合するように構成された分波合波器を含む。
【0028】
この構成部品は、それぞれの受動干渉計センサから約10cm以下(例えば、約1cm以下)のところに位置することができる。
各受動干渉計センサは、入力ビームの経路内に位置決めされた光インタフェースを含むことができ、光インタフェースは、入力ビームの第1の部分を反射して第1又は第2のビームを形成するように構成される。光インタフェースは、光ファイバの表面とすることができる。光インタフェースは、平面光インタフェースとすることができる。光インタフェースは、透明素子の表面とすることができる。表面は、入力ビームの第2の部分を透過して第2又は第1のビームを形成するように構成することができる。
【0029】
各受動干渉計センサは、入力ビームを測定ビーム及び基準ビームに分割するように構成されたビーム分割器を含むことができる。各ビーム分割器は、偏光ビーム分割器とすることができる。
【0030】
各受動干渉計センサは、第1のビームが物体から1回反射するように構成することができる。あるいは、一部の実施形態においては、各受動干渉計センサは、第1のビームが物体から2回以上反射するように構成することができる。
【0031】
各第1の物体は、それぞれの逆反射体及び/又は鏡(例えば、平面鏡又は曲面鏡)を含むことができる。
本システムは、光ファイバから出現する光を成形するように構成された光学素子(例えば、1つ又は複数のレンズ)を含むことができる。光学素子は、光ファイバから出現する光を視準するように構成することができる。一部の実施形態においては、光学素子は、光ファイバから出現する光を集光するように構成される。
【0032】
検出部品は、1つ又はそれ以上の受動干渉計センサからの出力ビームを受光するように構成された検出器を含むことができる。検出器は、単一素子検出器とすることができる。検出器は、対応する第1の物体から約20cm以上離れたところに位置することができる。検出器は、対応する第1の物体から約100cm以上離れたところに位置することができる。検出器は、構成部品から遠いところに位置決めすることができる。本システムは、検出器に結合された電子プロセッサを含むこともでき、電子プロセッサは、受動干渉計センサの1つからの出力ビームに応答して検出器からの信号に基づいて、物体の位置に関する情報を判断するように構成される。本システムは、構成部品に結合されたアクチュエータを含むことができ、アクチュエータは、電子プロセッサを通信しており、かつ、電子プロセッサにより判断された情報に基づいて構成部品の位置を調整するように構成される。
【0033】
各受動干渉計センサについては、第1のビームは、偏光するか、又は、非偏光とすることができる。
構成部品は、屈折構成部品(例えば、レンズ)、反射構成部品(例えば、鏡)、又は、回折構成部品(例えば、回折格子)とすることができる。部品は、更なる構成部品を含むことができ、本システムは、他の構成部品の位置をモニタするように構成される。
【0034】
別の態様においては、本発明は、先のシステムを含むフォトリソグラフィツールを特徴とする。
一般に、別の態様においては、本発明は、フレーム内に取り付けられた複数の光学素子と、各々が光学素子の1つとフレームとの間で光を方向づけるように配設された複数のセンサと、光学素子とフレームとの間でセンサにより方向づけられた後に光を検出するように構成される、投影レンズ部品から遠い場所にて位置決めされた複数の検出器を含む投影レンズ部品を含むシステムを特徴とする。
【0035】
本システムの種々の実施形態は、以下の特徴及び/又は他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。例えば、本システムは、センサの少なくとも1つからの光を検出器の少なくとも1つに方向づけるように構成された光ファイバを含むことができる。
【0036】
一般に、別の態様においては、本発明は、光学部品を備える投影レンズ部品に装着された干渉計と、干渉計に光を方向づけるように構成された光源と、干渉計から光を受光するように構成された検出器とを含むシステムを特徴とする。動作中、干渉計は、光源からの入力光を受光して、出力光を検出器に方向づけ、出力光は、投影レンズ部品内の光学部品の位置に関する情報を備える。本システムの種々の実施形態は、他の態様の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0037】
一般に、別の態様においては、本発明は、投影レンズ部品においてフレームと、フレームにより支持される光学部品との間で第1のビームを方向づけするステップと、第1のビームを第2のビームと合成して出力ビームを形成するステップと、投影レンズ部品から遠い場所にて位置決めされた検出器に出力ビームを方向づけするステップと、出力ビームに応答して検出器からの信号に基づいて、光学部品の位置をモニタするステップとを含む方法を特徴とする。本方法は、他の態様のシステムを使用して実行することができ、かつ、他の態様の特徴を含むことができる。
【0038】
一般に、更なる態様においては、本発明は、構成部品フレームを介して投影レンズ部品内に取り付けられた構成部品の位置をモニタするシステムを特徴とする。本システムは、入力ビームから第1のビーム及び第2のビームを導出し、第1の物体から反射するように第1又は第2のビームを方向づけ、かつ、第1及び第2のビームを再合成して、第1及び第2のビームの経路間の光路差間の情報を備える出力ビームを形成するように構成された干渉計を含み、第1の物体又は干渉計は、構成部品フレームに装着される。
【0039】
本システムの種々の実施形態は、他の態様の特徴を含むことができる。一部の実施形態においては、本システムは、各々がそれぞれの入力ビームから第1のビーム及び第2のビームを導出し、それぞれの第1の物体から反射するように第1又は第2のそれぞれのビームを方向づけ、かつ、第1及び第2のそれぞれのビームを再合成して、第1及び第2のそれぞれのビームの経路間の光路差間の情報を備えるそれぞれの出力ビームを形成するように構成された更なる干渉計を含み、各干渉計については、それぞれの第1の物体又は干渉計は、構成部品フレームに装着される。
【0040】
他の利点の中で、種々の実施形態は、フレーム内に埋設されたセンサシステムの一部が相対的にコンパクトである、投影レンズ部品内の光学部品の位置をモニタするセンサシステムを含む(例えば、構成部品は、サイズは数平方センチ台である)。更に、種々の実施形態は、エンドユーザ用途により規定された容積内に納まるように適合させることができる。例えば、種々の実施形態は、より大きなシステムの予め設計されたフレーム内に納まるように適合させることができ、第三者メーカは、自社システムの設計し直しがほとんどないか又は全くなく、センサシステムを利用することができる。
【0041】
一部が3波長結合空洞共振器ヘテロダイン法に基づく本明細書で開示する測定システムは、絶対距離能力、完全に受動式のセンサアーキテクチャ、0.1nm分解能、高速(>5kHz)を実現することができ、かつ、20mm/秒を上回る目標速度を処理することができる。
【0042】
種々の実施形態は、電気通信業界用に開発された各種構成部品を含み、各種システムは、これらの構成部品の固有の信頼度から恩恵を受ける。センサ自体の種々の実施形態は、構成部品数が少なく、対象外の自由度に沿った目標の動きには相対的に感応せず、堅牢であると共に粗悪な目標品質に強く、数量的に低コストである。更に、特定の実施形態においては、使用センサ数よりも多いセンサチャンネルが利用可能であるので、余分なチャンネルを屈折計測定に使用することができる。
【0043】
一部の実施形態においては、センサシステムは、極めて安定している(例えば、センサは、月単位又は年単位の期間にわたって数ナノメートルの精度内まで物体位置を首尾一貫して測定する)。特定の実施形態においては、センサシステムは、極めて信頼度が高い(例えば、数年にわたるシステム故障の確率は、約1%以下など、非常に低い)。
【0044】
センサシステムは、低電源を使用してかつ光センサ自体にてワット損がほとんどなく、相対的に効率的とすることができる。光センサでのワット損が低いと、結果的に、センサが取り付けられるシステムの熱崩壊がほとんど発生しないシステムとなることができる。
【0045】
センサシステムは、絶対原位置に初期化することができるセンサを含むことができ、ユーザは、絶対距離をモニタすることができる。
センサは、PO部品(例えば)で使用された場合には、PO部品に設置しやすいものとすることができる。
【0046】
センサは、熱変動には相対的に感応しないとすることができる。センサは、POにおける熱変動に対する貢献度を最小のものとすることができる。
センサシステムの全ての能動的構成部品(例えば、電気回路を含む構成部品)は、PO部品から遠いところに位置することができ、その結果、電気回路加熱によるPO部品での熱変動が低減する。換言すると、本システムは、受動構成部品のみがPO部品内に埋設されるように構成することができる。
【0047】
特定の実行例においては、センサシステムは、結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法を用いる。結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、相対的に低コスト、短いセンサ隙間、小さな絶対隙間不確実性、高い分解能、平均的な測定速度を一般に挙げることができる。
【0048】
特定の実行例においては、センサシステムは、結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる。結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、平均したコスト、良好な構成部品可用性、短いセンサ隙間、小さい絶対隙間不確実性、高い分解能、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0049】
特定の実行例においては、センサシステムは、結合空洞共振器による多重波長干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる。結合空洞共振器による多重波長干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、低コストから平均的コスト、良好な構成部品可用性、短いセンサ隙間、小さな絶対隙間不確実性、高い分解能、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0050】
特定の実行例においては、センサシステムは、多重波長干渉分光法を用いる。多重波長干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、良好な構成部品可用性、小さいセンサ隙間、平均的な絶対隙間不確実性、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0051】
特定の実行例においては、センサシステムは、掃引波長干渉分光法を用いる。掃引波長干渉分光法を用いる各種技法の利点としては、平均的な構成部品可用性、平均的な絶対隙間不確実性、平均的な分解能、速い測定速度、良好なデータ経年評価を挙げることができる。
【0052】
幾つかの文書が、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾点がある場合、本明細書が考慮される。1つ又はそれ以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明で記載する。他の特徴及び利点は、説明及び図面から、及び、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】投影レンズ部品内の構成部品の位置をモニタするセンサシステムの概略図である。
【図2】投影レンズ部品内で取り付けられたセンサの概略図である。
【図3】センサの実施形態の概略図である。
【図4A】センサの実施形態の概略図である。
【図4B】センサの実施形態の概略図である。
【図4C】センサの実施形態の概略図である。
【図4D】センサの実施形態の概略図である。
【図4E】センサの実施形態の概略図である。
【図5】センサの実施形態の概略図である。
【図6】センサの実施形態の概略図である。
【図7】センサの実施形態の概略図である。
【図8】センサの実施形態の概略図である。
【図9】センサの実施形態の概略図である。
【図10】センサの実施形態の概略図である。
【図11】センサの実施形態の概略図である。
【図12】センサの実施形態の概略図である。
【図13】センサの実施形態の平面図である。
【図14A】センサシステムの概略図である。
【図14B】センサシステムの概略図である。
【図14C】光ファイバ分散ネットワークの概略図である。
【図15】結合空洞共振器システムの概略図である。
【図16】センサシステムの概略図である。
【図17A】センサシステムの概略図である。
【図17B】ソースモジュールの概略図である。
【図18】センサシステムの概略図である。
【図19】ソースモジュールの概略図である。
【図20A】変調モジュールの概略図である。
【図20B】変調モジュールの概略図である。
【図21】センサシステムの概略図である。
【図22A】センサシステムの概略図である。
【図22B】電子構成部品を含む、図22Aに示すセンサシステムの概略図である。
【図22C】図22Bに示す電子構成部品の回路図である。
【図23】波長モニタの概略図である。
【図24】フォトリソグラフィツールの概略図である。
【図25A】集積回路を製造するステップを説明する流れ図である。
【図25B】集積回路を製造するステップを説明する流れ図である。
【図26】適応光学品及びセンサシステムを含む望遠鏡の概略図である。
【図27】センサシステムを含む装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
様々な図面中の同じ参照符号は、同じ要素を示す。
図1を参照すると、2つのセンサ110及び120を含むセンサシステムは、投影レンズ(PO)部品150内のレンズ140のフレーム素子130の位置をモニタするように配設されている。センサ110及び120は、PO部品150内に埋設され、それぞれ、フレーム素子112及び122に装着されている。センサシステムは、光源と、検出器と、信号処理電子品とを含む光源/検出器(SDユニット)ユニットSDユニット160も含む。SDユニット160は、それぞれ、光ファイバ111及び121を介してセンサ110及び120に、他の光ファイバを介して他のセンサに接続されている。動作中、SDユニット160は、ファイバ111及び121を介して、光源(例えば、レーザ又はLED)からの光をセンサ110及び120に方向づける。ファイバ111及び121は、また、それぞれ、センサ110及び120からの光をSDユニット160内の1つ又はそれ以上の検出器に送出する。
【0055】
SDユニット160は、また、サーボ制御装置170と通信しており、サーボ制御装置170は、信号をPO部品150内のアクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)に送り、アクチュエータは、SDユニット160からの信号に応答して、PO部品内のレンズ140及び他の構成部品の位置を調整するように構成されている。
【0056】
センサ
図2を参照すると、センサ110は、反射光学目標210及び出力結合器220を含む。光学目標210は、フレーム素子130に装着され、出力結合器220は、フレーム素子130に対する動きが可能であるフレーム素子112に装着されている。
【0057】
一般に、受動光センサは、センサに送出された光を測定波面及び基準波面に分割する干渉計である。試験波面は、光学目標210に方向づけられて干渉計に反射する。基準波面は、基準面から反射する。干渉計は、反射測定波面及び基準波面を再合成し、再合成された光は、その後、光ファイバに方向づけられる。合成波面同士が干渉して、2つの波面間の光路差(OPD)に関する情報を含む干渉図が生成される。センサシステムは、この情報を使用して、受動光センサに対する光学目標の位置を判断する。
【0058】
光学目標の位置に関する特定の情報は、変化する可能性がある。一部の実施形態においては、受動光センサと光学目標との間の位置の相対的変化を判断するだけで十分であり、その場合、この情報は、各センサから受光された干渉光内の強度変動に対応する干渉信号の位相の変化をモニタすることにより判断することができる。特定の実施形態においては、予め確立された基準フレーム内の光学目標の絶対位置が望まれる。様々な方法を用いてこの情報を判断することができる。このような方法は、例えば、L.L.Deck著フーリエ変換位相ずれ干渉分光法、Applied Optics(応用光学)、第42巻、第13号(2003年5月)、及び、C.E.Towersら共著多重波長干渉分光法における全視野縞位相分析用時間効率中国の剰余定理アルゴリズム Optics Express、第12巻、第6号(2004年3月)において開示されている。
【0059】
一般に、センサシステムは、可視波長又は赤外線波長など、様々な波長にて動作するように構成することができる。一部の実施形態においては、センサシステムは、電気通信業界で一般的に使用されている1つ又はそれ以上の波長にて(例えば、約900nmから約1,600nmの範囲で)動作する。
【0060】
センサは、相対的に低電力のセンサとすることができる。例えば、各センサでの放射電力(例えば、センサ端部にて各ファイバを出る放射電力)は、約10mW以下(例えば、約5mW以下、約4mW以下、約3mW以下、約2mW以下、約1mW以下、約0.5mW以下、約0.1mW以下)とすることができる。
【0061】
一般に、センサ110及び120の構成は、変化する場合がある。図3を参照すると、一部の実施形態においては、目標210は、逆反射体310を含み、受動光センサ220は、透過基準平面320(例えば、ガラス平面)及び視準レンズ330を含む。視準レンズ330は、ファイバ111からの発散光を視準して透過基準平面320を照射する。光の一部は、透過基準平面320により反射されて、レンズ330によりファイバ111端部上に集光される。ビーム331により示す光の一部は、透過基準平面330により透過されて逆反射体310を照射する。逆反射体310は、光を受動光センサ220に向かって光を反射する。この光は、少なくともある程度、透過基準平面320により透過され、レンズ330により、ファイバ111端部に集光される。逆反射体310から反射した波面は、透過基準平面320から反射した波面と干渉する。結果的に生じる干渉の位相は、SDユニット160にてモニタすることができ、受動光センサ220に対する逆反射体310の相対位置に関する情報が得られる。
【0062】
図4Aを参照すると、一部の実施形態においては、目標光学品のサイズは、受動光センサ220からの照射ビームの横断面寸法より小さいとすることができる。一例として、逆反射体410は、ビーム331より実質的に小さい。このタイプの構成は、照射の種々の特性が、目標光学品が原位置から移動するときに目標光学品に対して名目上一定であるという点で有利であると考えられる。これにより、特定の所望の雑音レベルを達成するために必要な逆反射体波面品質に関する諸要件を軽減することができる。更に、このタイプの構成は、それでも高次の干渉影響の誤差を相対的に小さく保ちながら干渉コントラストを向上させることを可能にすることができる。
【0063】
一般に、目標反射体のサイズに対するビーム横断面寸法は、変化する可能性がある。一部の実施形態においては、ビーム横断面寸法(例えば、直径)は、目標反射体のサイズと比較すると相対的に小さいとすることができる。例えば、ビーム横断面寸法(少なくとも1つの方向において)は、約0.2以下(例えば、約0.1以下、約0.05以下、約0.01以下)×目標反射体のサイズである。
【0064】
特定の実施形態においては、ビームは、ビームが目標と接触する場合、相対的に小さい横断面寸法を有することができる。例えば、少なくとも1つの方向におけるビーム横断面寸法(例えば、直径)は、約0.5mm以下(例えば、約0.3mm以下、約0.2mm以下、約0.1mm以下、約0.05mm以下、約0.04mm以下、約0.03mm以下、約0.02mm以下、約0.01mm以下)とすることができる。一部の実施形態においては、少なくとも1つの方向におけるビームの横断面寸法(例えば、直径)は、約100λ以下(例えば、約90λ以下、約80λ以下、約70λ以下、約60λ以下、約50λ以下、約40λ以下、約30λ以下、約20λ以下)とすることができる。ここで、λは、ビームの波長である。
【0065】
ビーム伝播方向に対して半径方向に対称形であるガウス強度プロファイルを有するビームについては、横断面寸法は、ビーム強度がピーク値の1/eを有するところで測定される。
【0066】
図4Bを参照すると、相対的に小さい横断面寸法を有するビームを利用するセンサ構成の例は、センサ2100であり、センサ2100は、ビームを平面鏡目標2130に方向づける。センサ2100は、透過基準平面2120(例えば、ガラス平面)及び集光レンズ2110を含む。集光レンズ2110は、ファイバ2101からの発散光を回収して、基準平面2120を介して光を目標2130に方向づける。光の一部は、基準平面2120の表面により反射されて、ファイバ2101端部上にレンズ2110により集光される。光の一部は、基準平面2120により透過されて基準平面2120を照射する。基準平面2120は、光を基準平面2120と、レンズ2110と、ファイバ2101とに向かって反射する。この光は、少なくともある程度、基準平面2120により透過され、レンズ2110により集光されて、ファイバ2101に結合される。目標2130から反射した波面は、透過基準平面2120の表面から反射した波面と干渉する。結果的に生じる干渉の位相は、上述した実施形態の場合と同様にモニタされ、基準平面2120に対する鏡2130の相対位置に関する情報が得られる。
【0067】
一部の実施形態においては、鏡目標2130は、光ビーム腰部に随意的に位置決めされる。このような構成により、鏡目標の転倒及び傾動に関連した位相誤差に対するセンサの感度を軽減することができる。特定の実施形態においては、光ビーム腰部に鏡目標2130を位置決めすることは、鏡目標が転倒及び/又は傾動したときに光ファイバ内に反射したビームの結合効率が低減される量を軽減することができる。更に、光ビームが狭い腰部(例えば、直径が約100μm以下の腰部、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下など)を有する場合、鏡の転倒/傾動による結合効率損失は、更に低減することができる。一部の実施形態においては、公称位置から0.2度以下(例えば、0.1度以下)の鏡の方位の変化(例えば、転倒又は傾動によって)があると、結果的に、公称位置での結合効率の50%に劣らないほど(例えば、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上)までの結合効率の低減が発生する可能性がある。ここでは、公称位置とは、光ファイバへの光ビームの結合効率が最大値である鏡の位置を指す。
【0068】
目標にて相対的に小さい横断面寸法を有するビームを利用する実施形態は、相対的にコンパクトとすることができる。例えば、ファイバ2101端部から鏡2130までの距離は、約10mm以下(例えば、約5mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下)とすることができる。
【0069】
図4Cは、目標において相対的に小さい横断面寸法を有するビームを利用するセンサの別の例を示す。具体的には、図4Cは、レンズ2110を介してファイバ2101からの放射を目標鏡2130に方向づけるように構成されたセンサ2200を示す。図4Bに示すセンサ2100とセンサ2200との相違点は、センサ2200は、レンズ2110から集光した光を目標2130に方向づける基準平面2120ではなくて、プリズム2220を有するという点である。ここでは、基準面は、プリズム2220の表面2211である。センサ2200は、センサが設置されるべき構造体がライン内ビーム路をセンサ2100においてのようには使用することはできない用途において使用することができる。特定の実施形態においては、更なる光学部品を使用して必要に応じてビーム路を更にねじることができる。
【0070】
一部の実施形態においては、集光レンズの機能性を実現するとともに基準面を実現する構成部品を使用することができる。例えば、図4Dを参照すると、センサ2300は、基準面の役目をする平面2311を有するレンズ2310を含むことができる。このようなレンズの例としては、平面凸レンズ及び勾配屈折率材料から形成されたレンズ(GRINレンズ)がある。一部の実施形態においては、電気通信用途での使用に設計されたGRINレンズを使用することができる。
【0071】
図4Eは、レンズ2310に加えてビーム分割器キューブ2370を含むセンサ2350の別の実施形態を示す。ビーム分割器キューブ2370の表面2360は、センサ2350用基準面となる。
【0072】
他の構成も可能である。例えば、図5を参照すると、一部の実施形態においては、センサは、光が目標に複光路を成すように構成することができる。この例においては、受動光センサは、鏡520を含み、逆反射体510は、第1のパスで、受動光センサからの照射が鏡520に向かって方向づけられるようにサイズ決定されている。鏡520は、光を逆反射体510に反射し、逆反射体510は、光を透過基準平面320及びレンズ330に方向づける。
【0073】
複光路は、逆反射体が単独に使用されて逆行運動(retro motion)に対する感度を増大させる場合に発生するビーム反転の影響を補正することができる。
目標逆反射体510を適当に取り付けると、逆反射体510を介して光路の熱依存を補正することができる。例えば、逆反射体510は、熱膨張率が、マウントの熱膨張が、例えば、センサ内の光学部品の屈折率の熱誘発変化及び/又はセンサの熱誘発物理的経路長変化からのセンサの熱誘発OPD変化を補償するようなものである材料から製造されたマウント512内に取り付けることができる。
【0074】
一部の実施形態においては、センサは、遠隔基準面を含むことができる。例えば、図6を参照すると、一部の実施形態においては、ファイバ結合器/分割器620は、センサ110に加えて遠隔基準鏡610に光を方向づける。遠隔基準を使用すると、名目上のスタンドオフを異なる長さに設定することができる。遠隔基準を使用することは、センサ光学品内での熱影響を補償することを可能にすることができる。例えば、一部の実施形態においては、ファイバピッグテールを使用してセンサOPD全体を改変するとともに、及び/又はピッグテールの熱OPD変動(例えば、センサ内の光学部品の屈折率の熱誘発変化及び/又はセンサ内の熱誘発物理的経路長変化による)を使用して、主要センサ空洞共振器内のガラス又は他の光学材料からの同様の影響を補償することができる。
【0075】
一般に、センサシステムは、偏光又は非偏光を利用することができる。図7を参照すると、偏光を使用するセンサの例が示されている。この例においては、受動光センサ220は、偏光ビーム分割器720と、基準鏡720と、逆反射体724と、1/4波板726及び728とを含む。目標光学品210は、平面鏡710を含む。この構成は、高安定平面鏡干渉分光法(HSPMI)に対応する。入力ビームは、第1の視準レンズ730を介してHSPMIに結合される。出力ビームは、第2のレンズ732を介して異なるファイバに結合される。
【0076】
図8を参照すると、一部の実施形態においては、ファイバ111の端面810は、センサ110の基準面となるように使用することができる。ここでは、センサ110は、平面鏡目標830、及び、ファイバ111から放出された光を目標830での又は目標830近傍の地点に集光し、また、目標830から反射した光をファイバ111端部に集光するレンズ820を含む。
【0077】
先の種々の実施形態においては、逆反射体又は平面鏡が目標光学品として使用されるが、他の光学部品をこの目的に使用することもできる。例えば、図9を参照すると、一部の実施形態においては、非平面反射体910を目標光学品として使用することができる。このような目標のほうが、受動光センサ220と目標との間の芯狂いに強いと考えられる。
【0078】
別の例として、また、図10を参照すると、一部の実施形態においては、猫の目タイプの逆反射体1001を目標光学品に使用することができる。猫の目逆反射体1001は、レンズ1010(例えば、球面レンズ)及び鏡1020(例えば、平面鏡又は曲面鏡)を含む。入射光は、レンズ1010により鏡1020上に集光されて、鏡1020によりレンズ1010に反射される。反射光は、レンズ1010を介して逆経路を辿って、受動光センサ220に戻る。猫の目逆反射体を使用する種々の構成は、他の構成に対して角変形誤差の許容範囲の増強を行なうことができる。
【0079】
図11を参照すると、光が目標光学品に複光路を成すセンサの別の例が示されている。この実施形態においては、受動光センサ220は、レンズ330及び透過光平面320に加えて逆反射体1110を含む。この場合の目標は、光ファイバ111から逆反射体1110に向かって光を反射する向きにある平面鏡1120である。
【0080】
図12及び図13を参照すると、センサの更なる例が示されている。この例においては、センサは、応力除去素子1330によりファイバ視準器1320に装着されている光ファイバ1311を介してSDユニット1310から光を受光するように配設されている。ファイバ視準器1320は、ファイバからの光を逆反射体1330に方向づけるように位置決めされている。ウィンドウ1335は、ファイバ視準器1320と逆反射体1335との間に位置決めされている。ファイバ視準器1320もウィンドウ1335も、取付け板1340に取り付けられている。このセンサにおける光学目標である逆反射体1330は、
取付け板1340から遠いところに取り付けられている。ウィンドウ1335の表面の半分は、非偏光ビーム分割器塗膜1334が被覆されており、他方の半分は、反射塗膜1332(例えば、可視光を対象とした銀又はアルミニウム)が被覆されている。ファイバ視準器1320から放出された光は、初めに、非偏光ビーム分割器塗膜1334が被覆されたウィンドウ表面の部分に当たる。この光の一部は、ウィンドウにより逆反射体1330に向かって透過され、一方、一部は、ファイバ視準器1220に向かって反射されて、試験波面が実現される。透過部分は、逆反射体1330により反射されて反射塗膜1332に当たる。被膜から反射して同じ経路に沿ってファイバ視準器1320に戻って、測定波面が実現される。
【0081】
一般に、先に論じたように、センサシステムにおける光源/検出器ユニット(SDユニット)は、実際のセンサ自体より遠いところにある。特定の実施形態においては、SDユニットとセンサとの間の情報導管のみが、光ファイバである。センサが受動式(例えば、センサが電気回路を含まない)である実施形態においては、SDユニットをセンサに接続するために必要である電線はない。
【0082】
センサシステムアーキテクチャ及び測定法
一般に、様々な異なるセンサシステムアーキテクチャが可能である。システムアーキテクチャは、通常、光学部品位置をモニタするために採用される測定技術など、様々な要因、ならびに、コストなどの他の要因に基づいて選択される。一部の実施形態においては、多重化構成を使用することができる。一般に、多重化構成とは、複数のセンサからの信号が共通の伝送路(例えば、光ファイバ)で搬送される構成を指す。例えば、図14Aを参照すると、SDユニット1410は、4つのセンサ1420の1つに直に、他の3つのセンサに間接的に接続されている。換言すると、センサは、SDユニット1410に直列に接続されている。光は、SDユニット1410からセンサ1420まで共通の光ファイバにより行き来する。センサ1420は、PO部品1410部品内に埋設されており、一方、SDユニット1410は、PO部品から遠いところにある。センサシステムは、波長計1430を含むこともでき、波長計1430は、SDユニット1410に接続されている。
【0083】
多重化は、様々な異なる方法で達成することができる。例えば、一部の実施形態においては、周波数符号化を用いることができる。各センサは、異なるセンサのOPDが名目上異なるように構成することができる。したがって、各センサの信号は、波長同調が採用された場合には他のセンサの信号と異なる周波数を有することになる。信号に周波数分析を行うと、異なるセンサからの信号を区別することができる。
【0084】
あるいは、又は、更に、波長分割を多重化に用いることができる。例えば、様々な異なる波長での光をセンサに送出することができる。各センサは、他のフィルタと異なる波長又は波長帯域を渡す波長フィルタを含む。このようにして、各センサの信号は、戻り信号内の適当な波長符号を見ることにより区別することができる。
【0085】
一部の実施形態においては、光は、分散ネットワークを使用してセンサに分配されるか、及び/又はセンサから回収される。図14Cを参照すると、分散ネットワークの例は、3つのポート(例えば、1つの入力ポート及び2つの出力ポート又は2つの入力ポート及び1つの出力ポート、それぞれ、結合器が分割器の役目を務めるか、又は、結合器の役目を務めるかによる)を有する幾つかの光ファイバ結合器1452を含む。ネットワークの最終段階にて、出力結合器1453は、循環器、又は、1つのポートが未使用のままである標準的な2×2結合器である。また、図14Cのネットワークにおいて、検出器1450も示されており、検出器1450は、センサから光信号を受信する。原則的に、ネットワークは、特定の実行例によっては、任意の数のセンサから信号を送出及び/又は回収するために使用することができる。一部の実施形態においては、システムは、10個以上のセンサ(例えば、12個以上のセンサ、15個以上のセンサ、18個以上のセンサ、20個以上のセンサ、21個以上のセンサ、25個以上のセンサ、30個以上のセンサ、32個以上のセンサ、35個以上のセンサ)を含むように構成することができる。
【0086】
一部の実施形態においては、ネットワーク内の最終ステージ分割器は、循環器と置き換えることができる。このような構成により、所望であれば、4倍の光学的効率上昇を得ることができる。
【0087】
特定の実施形態においては、コヒーレンス符号化を多重化に用いることができる。コヒーレンス符号化では、一般的に、広帯域光源を使用して各センサに独自の重なり合いなしのOPDを供給する。各センサは、その後、測定OPDにより特定することができる。例えば、各センサは、異なる名目上のOPDを有することができ、照射パルスを使用してOPDを測定することができる。特定の光学距離により分離された2面空洞共振器を含むセンサに方向づけられる2つの時間分離パルスを検討されたい。パルス時間分離が、パルスが空洞共振器を横行する往復時間に等しい場合、2つの別個のパルスは、干渉することがある可能性がある。それで、パルスの周波数を変えることにより、干渉を生成する周波数を捜すことにより空洞共振器長を推論することができる。このようにして、SDユニットは、異なるセンサからの信号を特定することができる。
【0088】
コヒーレンス符号化は、結合空洞共振器干渉分光法を用いて実現することもできる。結合空洞共振器干渉分光法においては、走査することができる別の空洞共振器からの広帯域光で空洞共振器を照射することにより空洞共振器に問い合わせが行われる。これは、センサ空洞共振器のOPDが固定のままである間に走査を可能にすることができる。
【0089】
一部の実施形態においては、各センサは、独自のファイバによりSDユニットに接続されており、光を各センサに送出するために共通の光源が使用される(例えば、図14Bを参照されたい)。例えば、図14Bを参照すると、センサ1420は、SDユニット1410に並列に接続されている。換言すると、各センサは、それぞれの光ファイバを介してSDユニット1410に直に接続されている。
【0090】
一部の実施形態においては、走査白色光干渉分光法を用いることができる。例えば、各センサにおいては、基準面(例えば、結合空洞共振器内の遠隔基準面)を干渉が観察されるまで移動させることができる。
【0091】
特定の実施形態においては、光周波数が異なり、かつ、対向する偏光を有する2つのビームに干渉計の試験又は基準脚部を別個に横行させる偏光符号化を用いることができる。戻り時に、ビームは、干渉させ(例えば、偏光器を介して)、干渉の周波数(2つの光周波数間の差に等しい)を測定する。脚部の一方が他方に対して移動中である場合、その光は、ドプラ偏移されて、干渉周波数が変化する。
【0092】
一部の実施形態においては、多重波長干渉分光法が用いられる。例えば、センサ空洞共振器は、幾つかのよく知られている、離散的な波長で照射する(順次、又は同時に)ことができ、信号位相偏移を波長の関数として判断する。位相偏移は、幾つかの方法で、例えば、離散波長の各々を位相偏移することにより求めることができる。あるいは、又は、更に、各波長にて干渉強度を測定して、その後、本システムの物理モデルで、強度と波長の最良の適合を介して空洞共振器長を判断することができる。
【0093】
特定の実施形態においては、周波数同調を用いることができる。周波数同調は、上記したL.L.Deck著フーリエ変換位相偏移干渉分光法、Applied Optics、第42巻、第13号(2003年5月)で説明されている。長い十分な範囲にわたって波長を連続的に位相同調することができる場合、干渉のフーリエ分析又は物理モデルに適合する最小2乗法により空洞共振器長を求めることができる。
【0094】
システムは、掃引波長干渉分光法、結合空洞共振器干渉分光法、コヒーレンス走査干渉分光法、ヘテロダイン干渉分光法、及び/又は多重波長干渉分光法などの1つ又はそれ以上の基本的な干渉分光技術に基づくことができる。例示的なシステムを以下で説明する。
【0095】
(A)結合空洞共振器によるコヒーレンス走査干渉分光法
コヒーレンス走査干渉分光法では、相対的に短いコヒーレンス長を有する光源(例えば、帯域幅光源)を利用する。したがって、干渉縞は、ゼロにて又はゼロ近傍にてOPDについてのみ検出される。従来のレーザ干渉分光法における周期的な曖昧さを排除するために干渉位置推定を利用して、絶対OPD測定にコヒーレンス走査干渉分光法を用いることができる。センサが受動式であることから、OPDは、結合空洞共振器構成部を介して間接的に走査される。
【0096】
結合空洞共振器外形形状を用いることは、他の方法に対して、複雑性増大及び縞コントラスト低減を犠牲にしながらも遠隔走査を可能にすることができ、光源コヒーレンス特性が試験空洞共振器OPD範囲に結び付けられる。図15を参照すると、一般に、結合空洞共振器構成部は、走査空洞共振器1510及びセンサ空洞共振器1520を含む。走査空洞共振器1510は、2つの経路Ll及びL2を含み、少なくともその一方は、可変である。センサ空洞共振器1520は、2つの経路L3及びL4を含む。したがって、各空洞共振器から2つの脚部の組み合わせに対応する信号1521を入力信号1511が出る可能な経路が4つある(L1+L3、L1+L4、L2+L3、L2+L4)。
【0097】
確実に、不要な経路組み合わせからの干渉が、当該の空洞共振器からの干渉に影響を与えないようにするために、経路間のOPDは、光のコヒーレンス長より大きいものであるべきである。換言すると、センサ空洞共振器のOPDは、光源コヒーレンス長より大きいものであるべきであり、これにより、センサ隙間が大きくなる傾向がある。
【0098】
図16を参照すると、結合空洞共振器を有するコヒーレンス走査干渉分光法システム1600が示されている。システム1600は、光ファイバを介してセンサ1620と接続されたSDユニット1610を特徴とする。SDユニット1610は、光ファイバ結合器1615と、検出器1618と、基準空洞共振器1640とを含む。更に、SDユニット1610は、結合空洞共振器内の可変OPDを実現するOPD偏移器1630、及び、広帯域超発光ダイオード(SLED)など、低コヒーレンス光源1612を含む。適切な電力及び広帯域幅を有するSLEDは、例えば、EM4社(マサチューセッツ州ベッドフォード)、Covega(メリーランド州ジェサップ)、DenseLight Semiconductors(シンガポール)から販売されている。一部の実施形態においては、光源は、1550nmに中心がある60nmガウススペクトル幅(半値全幅、FWHM)を実現する。このような光源は、20μm幅(FWHM)でコヒーレンス関数を生成する。
【0099】
周波数領域分析を用いて、データを分析することができる。周波数領域分析法は、例えば、P.de Groot及びL.Deck著「空間周波数領域における白色光干渉分光法分析による表面形状測定」、最新光学品学会誌(Journal of Modern
Optics)42:389ページから401ページ(1995年)で開示されており、この内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態においては、単一4096点高速フーリエ変換(FFT)の計算を介してデータの線形走査を分析することができ、この演算は、高速デジタル信号プロセッサ及び/又はプログラマブル論理回路で、約0.25msで完了することができる。したがって、結果は、その後の測定の前に出力することができるが、データ経年変化は、分析時間及び空洞共振器OPDに左右されることになる。走査が非線形(ただし公知)である場合、より複雑な分析を行なうことができる。
【0100】
(B)結合空洞共振器及びヘテロダイン干渉分光法によるコヒーレンス走査干渉分光法
結合空洞共振器及びヘテロダイン干渉分光法を用いたコヒーレンス走査干渉分光法では、測定は、2つのモードに分割される。相対的に遅いコヒーレンス走査を用いて、全てのセンサについて同時に空洞共振器絶対OPDを見つけ(「絶対モード」という)、迅速なヘテロダイン法を用いて、その時点からOPDの変動を追跡する(「相対モード」という)。図17Aを参照すると、システム1700は、SDユニット1710及びセンサ1720を含む。SDユニット1710は、光ファイバ結合器1715と、検出器1718と、基準空洞共振器1740とを含む。更に、SDユニット1710は、低コヒーレンス光源1712と、準狭帯域光源1714と、OPD偏移器1718と、周波数変調器1716とを含む。OPD偏移器1718は、光源1712とセンサ1720に接続するネットワークとの間に位置決めされた結合空洞共振器の1つの脚部内に設置されている。周波数変調器は、光源1714と、センサ1720と接続するネットワークとの間に位置決めされた第2の結合空洞共振器の1つの脚部内に設置されている。
【0101】
動作中、低コヒーレンス光源1712は、絶対モードに使用される。このモードは、各センサの絶対OPDを同時に取得するために起動時に1回行なう(又は、必要に応じて)ことができる。その測定の速度は、相対的に遅いもの(例えば、数秒)とすることができるので、センサOPDはこの時間中には変化しないと想定することができる。走査速度を除き、手順及び分析は、小区分Aに関して上述したものと類似のものである。絶対モードと相対モードとの間で大きく縞次数が変化しないようにセンサが十分に安定したものである限り、2つの測定結果を結合して、サブnmの精度まで絶対センサOPDを判断することができる。
【0102】
相対モードにおいては、準狭帯域光源1714が使用される。この光源のコヒーレンス長は、センサOPDの全範囲にわたって堅牢な干渉を観察するほどの十分な長さであるが、結合空洞共振器システムに付随する余分な空洞共振器干渉を排除するほどに十分に短いものであるべきである。適切なコヒーレンス形状を有する光源は、所望であれば、所要の強度を回復する増幅器と共に、SLED及びフィルタを使用して構成することができる。図17Bを参照すると、例示的な準狭帯域光源は、広帯域光源1750(例えば、SLED)と、インライン光ファイバ帯域通過フィルタ1755(例えば、1nmの帯域通過幅を有する)と、帯域通過フィルタを出る信号を増幅する半導体光増幅器(SOA)1760とを含む。
【0103】
ヘテロダインモードについては、狭帯域光をセンサに供給する結合空洞共振器は、周波数変調器1716を含む。周波数変調器1716は、ヘテロダイン周波数を生成するために、空洞共振器脚部の少なくとも1つの中を進む光の光周波数を変える。その後、位相測定結果を、例えば、米国特許第5,249,030号明細書で説明されている種々の方法と類似の方法で判断することができ、この特許の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0104】
(C)多重波長干渉分光法及びヘテロダイン干渉分光法
この技法では、2つ又はそれ以上の離散波長を使用し、3つ以上の波長が使用される場合、等価波長の概念又は厳密な有理数の方法(method of exact fractions)を用いて絶対空洞共振器OPDを計算する。図18を参照すると、この技法を実行するように構成されたシステム1800は、SDユニット1810及びセンサ1820を含む。SDユニット1810は、光源モジュール1801及び変調器モジュール1802を含み、変調器モジュール1802は、光源モジュールからの光を受光してセンサ1820及び検出器1818に接続する光ファイバ分配ネットワーク上に光を(ヘテロダイン信号を生成する変調の後で)方向づける。SDユニット1810は、基準空洞共振器1840も含む。
【0105】
図18に示すように、光源モジュール1801は、低コヒーレンス光源1812(例えば、SLED)と、光ファイバスイッチ1816と、フィルタ1814を含む。更に、光源モジュール1801は、光源1812からの1つ又はそれ以上の波長にて信号を増幅する光増幅器1817(例えば、SOA又はエルビウムドープ処理ファイバ増幅器(EDFA))を含む。一部の実施形態においては、光増幅器1817は、調節可能な増幅を行う。変調器モジュール1802は、センサOPDと名目上等しい特定のOPDを有する結合空洞共振器を画定する2つの結合器1815を含む。周波数モジュール1819は、結合空洞共振器の脚部の1つに位置決めされている。
【0106】
先に説明した実行例と同様に、測定シーケンスは、2つのモード、即ち、絶対モードと相対モードに分離される。絶対モードにおいては、センサOPDの絶対測定値は、2つ又はそれ以上の周知の波長との間の位相差を測定することにより判断され、位相は、ヘテロダイン干渉分光法を用いて取得され、これらの差を等価波長に関係づける。相対測定値では、小区分Bで開示している種々の技法と類似の方法で1つの波長だけを使用する。相対測定値の更なる詳細も、以下で提示する。
【0107】
一般的に、厳密な有理数の方法では、おおよそ知られているOPD及び異なる波長の次数(例えば、干渉位相)の測定小数部から空洞共振器内の干渉の次数を求める。一例として、2つの異なる波長について、絶対(往復)OPDを以下の方程式を用いて求めることができる。
【0108】
【数1】
ここで、Λ=λ1λ2/Δλは等価波長であり、Mは等価波長縞数、λ1及びλ2はヘテロダイン波長であり、Δλはヘテロダイン波長間の差である。実際には、位相誤差が、一般的に非常に大きなΛにより縮小拡大されるために、位相測定精度は、多くの波長が位相誤差に対する感度を最小限に抑える分離と共に使用されない限り全く良好なものであるはずである。一定の位相誤差については、使用波長数が大きくなるときは、大きな空洞共振器の測定値の方が正確な可能性がある。
【0109】
2つの波長だけを検討し、かつ、方程式(1)から始まって、以下であることを示すことができる。
【0110】
【数2】
ここで、δmは単一の波長縞数における不確実性であり、δλは波長における不確実性である。ヘテロダイン法では、δm=2π/8000、約1,500nmから約1,600nmの範囲における波長に関する位相不確実性が得られるはずである。方程式(2)の波長の項から同様の端数の不確実性を達成するために、波長における不確実性は、各波長について約δλ=0.25pm(約30MHz)であるべきである。その後、方程式(2)により、1標準偏差OPD不確実性は、Δλ=2nm(Λ=1.2mm)について1009nmであると想定される。これは、1009/1550=65%のわずかな誤差である。一部の実施形態においては、これは、不適切な性能を表すことができる。わずかな誤差を低減するためには、更なる波長(例えば、3つ以上の波長、4つ以上の波長、5つ以上の波長)が好ましいと考えられる。
【0111】
N>2の波長の場合、適当な等価波長を判断するための使用すべき公式及び許容波長及び縞数の不確実性は、既に先に導出しており、本質的に、方程式(2)の適用の繰り返し数である。例えば、P.de Groot著「3色レーザダイオード干渉計」、Applied Optics(応用光学)30:3612ページから3616ページ(1991年)を参照されたく、この内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。使用すべき最適な波長は、以下の公式から求めることができる。
【0112】
【数3】
ここで、Rは隣接等価波長間の比率である。N=3の場合、例えば、方程式(3)では、3mmの最大OPD範囲について1530nm、1530.75nm、1565nmの波長を使用することが示唆されている。実測位相及び上記の波長不確実性と結合されたこれらの3つの波長により、12nmの1標準偏差OPDの不確実性(0.77%のわずかな誤差)が生成され、この不確実性は、様々な用途に適当なものであると考えられる。反射時の位相変化によるものなど、空洞共振器内で発生する先験的な任意の更なる位相偏移を知り、かつ、分析においてこれらを説明することが必要であろう。
【0113】
図19を参照すると、一部の実施形態においては、光源モジュール1801は、SLED又は増幅自然放出(ASE)光源など、広帯域光源1910と、1対の微小電気機械システム(MEMS)スイッチ1912と、一連のフィルタ1916(例えば、2.6nmFWHMガウスフィルタ)と、増幅器1914(例えば、SOA又はEDFA)とを含む。これらの構成部品は、単一モード光ファイバで結合される。動作中、光源1910からの光は、光ファイバを介してMEMSスイッチ1912の1つに案内され、MEMSスイッチ1912は、所望の波長によりフィルタの1つに信号を方向づける。フィルタ処理済み信号は、第2のMEMSスイッチ1912を介して別の光ファイバに結合されて、光増幅器1914に送出される。フィルタ処理済み信号は、光増幅器1914により増幅されて、その後に、変調モジュールに送出される。
【0114】
光源1910は、光増幅後に全ての関連の波長について十分な光を供給するために十分に広範囲にわたる発光スペクトルを有するべきである。例えば、30nmから35nmの幅を有するSLEDを使用することができる(例えば、約6mWの出力光を生成するOptiphase社(カリフォルニア州バンナイス)製の広帯域光源)。更に大きな電力を有する他のSLEDも使用することができる。
【0115】
フィルタ1916は、変調モジュール1802に出力される信号内で適当な波長を実現するためにMEMSスイッチ1912(例えば、2つのMEMS1:4スイッチ)に結合されているスペクトルフィルタである。適切なMEMSスイッチは、例えば、DiCon
Fiber Optics社(カリフォルニア州リッチモンド)から取得することができる。特定の実施形態においては、商用電気通信フィルタを使用することができる。様々な商用電気通信フィルタの中心波長の温度依存は、約3pm/℃であり、フィルタがエポキシなしで製造されている場合には約1pm/℃に低減することができる。温度は、温度誘発波長変動により2π位相変化が波長モニタ内で生成されないように制御することができる。電気通信波長については、これは、約1.2nm、又は、3pm/℃当たりで約400℃の波長変動に相当する。したがって、特定の実施形態においては、フィルタ部は、温度制御しなくてもよいとすることができる。
【0116】
光源のコヒーレンス長は、位相測定に及ぼす結合空洞共振器システム内での他の空洞共振器の影響を最小限に抑えるのに十分に小さいものであるべきである。電気通信構成部品を利用する特定の実施形態においては、約2mmを上回るOPDについては、隣接空洞共振器からの汚れによる位相誤差を0.3nm未満に保つには、1.15nmより大きい(2.6nmFWHMより大きい)シグマパラメータ(例えば、変動の平方根)を有するガウスフィルタ形状で十分であると考えられる。名目上の空洞共振器位置からの±300ミクロンでのコントラストは、それでも25%を上回るであろう。
【0117】
種々の実施形態においては、光増幅器1914は、SOA又はEDFAとすることができる。光増幅器1914は、光源モジュール1801の出力信号強度を増大させるために使用される。スペクトルの一部の領域は、より高い利得を有する可能性があり、また、増幅器は、これらの領域においては、例えば、増幅自然放出光(ASE)と知られている現象により雑音を増大させる可能性がある。このような例においては、ASE領域は、上記の波長での放出光による位相誤差があまり破壊的なものでないように、振幅が十分に低いものであるように注意すべきである。
【0118】
図20Aを参照すると、一部の実施形態においては、変調モジュール1802は、音響光学変調を用いる光源モジュールからの信号を変調する。ここでは、変調モジュール1802は、3方結合器2011と、端子2015Aから2015Dと、AOM2013及び2014とを含む。AOM2013及び2014は、平行な経路内に位置決めされて、結合空洞共振器を画定する。AOM2013及び2014は、無線周波数(RF)信号により駆動されて、ヘテロダイン周波数に対応する量2f分、周波数がオフセットされる。端子2015Aは、矢印により示すように、移動可能であり、AOM2014が位置決めされる脚部の光路長の調整に備えるものである。
【0119】
動作中、光源モジュールからの信号は、コネクタ2011(例えば、50/50分割器)により分割され、一部は、結合空洞共振器の各脚部を介して方向づけられる。各部分は、別のコネクタ2011により再合成される前にAOM2013又はAOM2014により変調される。再合成信号は、その後、分散ネットワークを介して各種センサに送出される。
【0120】
ザイゴ コーポレーション(Zygo Corporation:コネチカット州ミドルフィールド)から市販されているZMI計器などの位相計を使用したヘテロダイン位相検出を、高速相対測定に使用することができる。ヘテロダイン信号は、AOM2013及び2014により生成され、差異が所望のヘテロダイン周波数に等しい無線周波数(RF)信号により駆動される。特定の実施形態においては、選択されたヘテロダイン周波数(例えば、150kHz)は、最大ドプラ偏移(例えば、20mm/秒にて〜26kHz)よりはるかに大きなものであるべきであり、サンプリング速度(例えば、1MHz)は、最大ドプラ偏移周波数の4倍を上回るものであるべきである(176kHz*4=704kHz)。用いられる各種ヘテロダイン分析法は、例えば、ZMI4004(Zygo Corporation(コネチカット州ミドルフィールド)から販売)で使用される技法と類似のものとすることができる。このような構成については、位相測定不確実性は0.1nmを下回ると考えられる。
【0121】
AOM RF信号の周波数は、ファイバ内への挿入損失を最小限に抑えるために選択されたフィルタのタイプにより選択することができる。ヘテロダイン周波数は、ほぼ一定のままであるはずである。AOM2013及び2014の別の特性は、波長への屈折角の依存である。この特性及びファイバ結合器は、合成光をスペクトルフィルタリングする役目をする。1550nmにて動作するAOMについては、屈折角の色依存は、ほぼ0.0133mrad/nmである。ファイバ結合器焦点距離は、フィルタのスペクトル範囲にわたって発生するファイバ心線にわたる位置偏移が軽微なものであるように十分に小さいものであるべきである。例えば、10mmの結合器焦点距離では、2nm幅スペクトルにわたって生成される側方偏移は300nm未満であり、したがって、重大な問題は発生しない。
【0122】
図20Bを参照すると、変調モジュール1802の別の例では、電気光学式変調を用いる光源モジュールからの信号を変調する。ここでは、変調モジュールは、位相変調器2023と、調節可能位相遅延2022と、3方結合器2021(例えば、50/50分割器/結合器)とを含む。結合器のうち、第1の結合器は、2つの脚部に沿って光源モジュールからの信号を分割する。位相変調器2023は、1つの脚部に沿って方向づけられた信号を変調し、一方、他方の脚部に沿って方向づけられた信号は、調節可能位相遅延2022により改変される。位相変調器2023により行われた変調は、RF信号で制御される。改変された信号は、第2の結合器で再結合されて、分散ネットワークを介して種々のセンサに方向づけられる。
【0123】
各波長での光の偏光度は、この技法の精度にも影響を与える可能性がある。例えば、特定の広帯域光源は、発光スペクトル全体にわたって統合された発光に対して実質的に非偏光とすることができるが、単一の波長での又は狭い波長帯域にわたる発光は、種々の影響が管理されていない場合、システム精度を容認できないレベルにまで低減するように、十分な偏光を示す可能性がある。
【0124】
したがって、光源偏光が問題である場合、偏光の種々の影響を管理するために、光源モジュール及び/又は変調モジュールに対する改変を行なうことができる。例えば、偏光維持ファイバを光源モジュール1801内で使用することができる。あるいは、又は、更に、変調モジュールは、偏光の種々の影響を管理するように適合させることができる。例えば、非偏光維持単一モード又は多重モードファイバではなく、偏光維持ファイバを変調モジュール1802内で使用することができる。更に、一部の実施形態においては、結合器は、結合空洞共振器の2つの脚部間の潜在的な偏光依存損失差分に対応するように改変することができる。例えば、先に示した種々の構成で使用される結合器は50/50結合器であるが、光源モジュールから受光された信号を分割するために使用される結合器は、2つの脚部に沿って差分損失を補償するために、50/50と異なるもの(例えば、60/40、70/30、80/20、90/10)とすることができる。
【0125】
偏光管理の種々の技法及び装置はシステム1800の状況において説明しているが、論じている原理は、偏光管理が所望される他のシステムに適用することができる。
(D)多重波長干渉分光法
多重波長干渉分光法では、システムの物理モデルに干渉強度測定結果を適合させることにより絶対空洞共振器OPDを計算するために多数の離散波長を使用する。図21を参照すると、この技法を実行する例示的なシステム2100は、SDユニット2110及びセンサ2120を含む。SDユニット2110は、分散フィードバックレーザなど、N>2個の実質的に単色の光源2112を含む。各光源は、異なる波長λiにて光を供給するように構成されており、ここで、i=1...Nである。SDユニット2110は、また、WDM用途において使用される合波器など、合分波器2114も含む。動作中、合分波器2114は、光源2112からの信号の迅速な波長選択を行う。SDユニット2110は、また、WDM2110からセンサ2120と、検出器2118と、基準空洞共振器2140とに信号を送出する光ファイバ及び結合器2115を含む分配ネットワークを含む。
【0126】
波長及び個々の波長の強度λiが公知である実施形態においては、絶対位相を自由パラメータとする強度データに最小2乗適合(LSF)を適用することができる。強度に対する位相依存は、非線形とすることができ、その結果、一般的な最小化方法(レーベンバーグ・マルカートなど)が使用される。あるいは、又は、更に、本システムを線形化して反復することができる。
【0127】
波長及び強度の両方において妥当な不確実性に対応するために、本方法では、多数の波長を使用することができる。しかしながら、コスト及び測定時間に種々の限界値を課すために、波長数を限定することができ、例えば、波長数は、8に限定することができる。しかしながら、一部の実施形態においては、当該のOPD範囲について正しい解決策に明瞭に到達するのに十分な差別的電力でメリット関数を生成するには、8つの波長では不十分であろう。波長における極端に小さな不確実性(例えば、約1MHz)及び強度における極端に小さな不確実性(例えば、約0.01%)があっても、真の縞次数と隣接縞との間のメリット関数差は、確実に区別するには小さすぎる(例えば、一般的に、0.01%未満)可能性がある。この方法を実際的にするためにはるかに多くの波長を使用することができる(例えば、Nは、10以上、15以上、20以上、30以上とすることができる)。更に、一部の実施形態においては、センサ空洞共振器内で発生する特定の更なる位相偏移を分析において説明するために、反射時の位相変化によるものなど、これらの位相偏移を先験的に知ることができる。
【0128】
(E)掃引波長干渉分光法
一部の実施形態においては、絶対OPDの計算、センサ内のOPD変動の迅速な追跡の両方に広く同調可能な光源放射を使用することができる。このようなシステムの例を図22Aに示す。システム2200は、SDユニット2210及びセンサ2220を含む。SDユニット2210は、同調可能なDFBレーザなど、同調可能な光源2212と、結合器2215と、検出器2218と、基準空洞共振器2240とを含む。幾つかの光ファイバと共に、結合器2215は、光源2212からセンサ2220と、検出器2218と、基準空洞共振器2240とに信号を送出する分配ネットワークを形成する。
【0129】
本システムは、2つのモードで動作することができる。一方のモードにおいては、波長は、縞次数を解析するのに十分に大きな範囲にわたって同調され、他方のモードにおいては、空洞共振器位相を計算するのに十分に大きな範囲にわたって迅速に同調される。両方のモードにおいては、同調範囲は、センサ空洞共振器OPDに左右される。
【0130】
第1の(絶対)モードにおいては、OPDは、波長同調中に生成された基本的な干渉周波数の測定により判断され、基本波は、干渉パターンのスペクトル分析を介して測定される。最終的に、OPDの判断は、縞次数を解析するのに十分に良好なものであるべきであり、それで、良好な方法により、OPD不確実性は、縞の半分の20%未満(例えば、約1550nmにて動作するシステムについては約80nm)とするべきであると指定されている。基本波の判断における不確実性は、コントラスト、波長及び強度不確実性、分析方法、幾つかのサンプルなどを含む多数のパラメータに敏感に左右される可能性がある。一部の実施形態においては、光源は、約3THz以上の同調範囲を有する。3THzの同調範囲を有するシステムは、外部空洞共振器レーザ光源を含み、かつ、例えば、New Focus(カリフォルニア州サンホセ)及びSantec(日本)から販売されている。一般的なDFBシステムの同調範囲は、例えば、約500GHzである。
【0131】
高速相対測定においては、光源2212は、より小さな波長範囲を介して迅速に同調され、一方、強度は、サンプリングされて、その後、特別の位相偏移干渉分光法(PSI)アルゴリズムが強度時間履歴に適用される。
【0132】
一部の実施形態においては、光源は、十分に迅速に行なうことができる正弦波電流変調を用いて同調される。約30GHzの最大波長変化については、最小空洞共振器隙間は、少なくとも1サイクルの位相変動を達成するためには約5mmとすべきである。特定の実施形態においては、最小値センサ空洞共振器隙間は、より多い位相偏移範囲に備えるために、かつ、レーザ間の同調可変性を説明するために、約10mm以上である。正弦波電流変調を用いる実施形態においては、光源の出力強度は、電流の関数として変化する可能性があり、及び/又は、相伴する位相偏移は、非線形である可能性がある。これらの問題に対応するために、強度変動は、本測定システムにより測定かつ補償することができる。
【0133】
非線形位相偏移は、例えば、同調が準線形であるゼロ交差地点近傍での強度データに関するPSIアルゴリズムの使用、及び/又は非線形位相偏移を説明する正弦波位相変調について特別に構成されたアルゴリズムの使用により、補償することができる。正弦波位相変調については、非線形性は、基本周波数の奇数調波である。PSIアルゴリズムは、データから位相情報を判断するために使用することができる。例えば、13フレームPSIアルゴリズムを採用することができ、13フレームPSIアルゴリズムでは、正弦振幅の約70%を使用する。空洞共振器OPDが変化するにつれて、位相偏移増分が変化し、これは、1次位相偏移器誤較正として知られている現象である。13フレームアルゴリズムは、1次位相偏移器誤較正に感応しない。しかしながら、直接的な位相誤差は、ゼロ交差測定が例えば、DCバイアスからドリフトした場合に発生する可能性がある。この誤差発生源には、電子品における入念な温度補償が必要である場合がある。
【0134】
図22Bを参照すると、図22Aに示す構成部品に加えて、システム2200は、センサにより生成された光信号を処理して、モニタされるPO部品を操作するために使用される光源及びサーボシステムに制御信号を供給する様々な電子構成部品を含む。システム2200内の電子品モジュールは、検出器2218を収納する前端部2250を含む。コネクタ2251は、センサ2220及び波長モニタ2240から信号を搬送する光ファイバを検出器2218に結合する。前端部2250は、光信号に応答して検出器2218により生成された干渉信号から位相情報を抽出する位相計2260に結合されている。位相計は、デジタルフィルタ2270に結合されており、デジタルフィルタ2270は、データ出力モジュール2280に方向づける前に位相情報をフィルタ処理する。
【0135】
電子品モジュールは、また、光アイソレータ2292に接続されていると示されている光源2212に結合されている幾つかの構成部品を含む。特に、電子品モジュールは、熱制御装置2294と、変調発生器2296と、駆動装置2298とを含む。熱制御装置2294は、光源の温度を安定させて、熱変動に関連した任意の波長ドリフトを低減する。変調発生器2296は、センサを操作するために使用される方法に従って要望通りに光源の出力波長を変調する。駆動装置2298は、電力を光源に供給する。
【0136】
図22Cを参照すると、特定の実施形態においては、電子品モジュールは、各入力チャンネルから干渉信号を受信する(例えば、各センサ検出器及び波長モニタ検出器から)デジタル信号プロセッサ(DSP)2257を含む。各チャンネルは、ダイオード2252と、動作増幅器2253と、低パスフィルタ2254と、アナログ/デジタル変換器(ADC)2255とを含み、アナログ/デジタル変換器は、干渉信号内の雑音を低減してDSP2257による処理に向けてフォーマットする。DSP2257は、また、プログラムメモリ2256、サポート回路2261と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)出力駆動装置2258と、主演算装置2259と通信している。
【0137】
FPGA出力駆動装置2258は、また、主演算装置2259から信号を受信して、駆動信号をサーボ制御装置に供給する。
主演算装置2259は、非揮発性メモリ2262、及び、上述した変調発生器2296に接続されている。主演算装置2259は、やはり上述した熱制御装置2294及び光源2212に制御信号を供給する。主演算装置2259から熱制御装置2294及び光源2212までの出力チャンネルは、デジタル/アナログ(DAC)変換器2265を含む。
【0138】
主演算装置2259は、また、USBインタフェース又はRS232インタフェースなど、インタフェース2299に至るチャンネルを含む。
上記した電子品モジュールは、センサシステム2200を参照して論じているが、一般に、電子品モジュールは、他のシステムでの使用に向けても適合させることができる。
【0139】
更なる構成部品
先に論じた幾つかの実施形態は、更なる光学部品を含む。例えば、特定の実施形態は、基準空洞共振器又は波長モニタを含む。一般に、センサシステムは、例えば、システム環境及び/又は光源の安定性に関する更なる情報を供給するために様々な更なる構成部品を含むことができる。例えば、特定の実施形態においては、センサシステムは、センサの精度に影響を与える可能性がある雰囲気の屈折率の変化に関する情報を供給する屈折計を含むことができる。あるいは、又は、更に、センサシステムは、例えば、光源の強度の変化に関する情報を供給するために強度モニタを含むことができる。
【0140】
上記したように、特定の実施形態においては、センサシステムは、基準空洞共振器を含むことができる。例えば、基準空洞共振器は、ヘテロダイン信号を供給するために使用される結合空洞共振器内に発生する可能性があるOPD変化の変動を補償するために使用することができる。動作中、ヘテロダイン空洞共振器OPD変動を排除するために同時基準空洞共振器位相測定値を試験空洞共振器位相測定値から差し引くことができる。
【0141】
波長モニタに関しては、一般に、波長モニタの自由スペクトル範囲は、本システム動作中に予想される最大波長変動を包含するべきである。波長変動は、例えば、フィルタ温度依存によって発生することがある。波長モニタは、方程式(2)への貢献が位相不確実性に匹敵するものであるような不確実性で平均波長を判断することができるべきである。これは、センサ自体と類似であるが固定OPDを有する干渉計に基づいて波長モニタを使用して達成することができる。OPDがセンサの名目上のOPDと同じであるとした場合、較正用基準空洞共振器として2役を演じることができる。
【0142】
図23を参照すると、波長モニタ2300の実施形態は、干渉計の所望の隙間に対応する深さを有する中空胴部2316を有する、適当な熱特性を有する材料のブロック2320(例えば、Zerodur製ブロック)を含む。ブロックの片側は、ブロックに光学的に接触される基準光学品2314用の合い面を画定するために研磨されている。別の同心の小さいほうの胴部2323は、小型逆反射体2322を受け入れて、かつ、封止されている。両方の中心胴部が栓詰めされた状態で、空洞共振器は、第3の垂直方向の胴部2313を介して排気されて栓2312で封止されている。空洞共振器は、このように排気されて、気密で、熱的に安定しており、かつ、光ファイバ2301から放射を送出するファイバ視準器2310に相対的に位置合わせしやすい。特定の実施形態においては、波長モニタの温度は、能動的に制御される。例えば、一部の実施形態においては、波長モニタの温度は、1℃以内に安定化されている。
【0143】
波長モニタ2300は、基準空洞共振器及び/又は屈折計として2役を演じることができる。波長モニタ2300内の物理的隙間は長期的に安定したものであるために、このデザインは、局所的大気が空洞共振器に入ることを可能にすることにより、かつ、OPDの変化は大気条件だけによるものであると想定することにより、屈折計として使用することもできる。これにより、製造量を増大させるとともに、モニタの最終コストを低減することができる。
【0144】
各種用途
一般に、論じたように、上述したセンサシステムは、投影レンズ部品における様々な異なる光学部品の位置をモニタするために使用される。光学部品としては、屈折光学部品、反射光学部品、及び/又は回折光学部品がある。例えば、反射光学PO部品においては、センサシステムは、部品における、屈折構成部品の例であるレンズの位置をモニタするために使用することができる。光屈折PO部品において、センサシステムは、PO部品における、反射構成部品の例である鏡の位置をモニタするために使用することができる。更に、センサシステムは、偏光器、回折格子など、他の構成部品の位置をモニタするために使用することができる。更に、センサシステムは、PO部品に加えて、光学システムにおける光学部品の位置をモニタするために使用することができる。例えば、フォトリソグラフィツールにおいては、センサシステムは、照射システム内の1つ又はそれ以上の構成部品の、あるいは、又は、更に、PO部品内の構成部品の位置をモニタするために使用することができる。
【0145】
フォトリソグラフィ用途においては、投影レンズ部品は、リソグラフィツール内のウェーハ上でのレジスト層上にレチクルパターンを撮像するために使用される。リソグラフィツールは、コンピュータチップ、LCDパネルなどの大規模集積回路を製造する際に使用されるリソグラフィ用途において特に有用である。リソグラフィは、半導体製造業界の重要な技術原動力である。
【0146】
リソグラフィツールの機能は、空間的にパターン化された放射をフォトレジスト被覆ウェーハ上に方向づけることである。工程は、ウェーハのどの場所が放射を受光するべきか(位置合わせ)を判断して、投影レンズを介してその場所にてフォトレジストに放射を適用する(露光)ことを伴う。投影レンズの安定性は、ウェーハレジスト上へのレチクルパターンの繰り返し可能な撮像に重要である。
【0147】
ウェーハを適切に位置決めするために、ウェーハは、専用センサにより測定することができるウェーハ上の位置合わせマークを含む。位置合わせマークの実測位置により、ツール内の、かつ、投影レンズに対するウェーハの場所が画定される。この情報により、ウェーハ表面の所望のパターン化の仕様と共に、空間的にパターン化された放射に対するウェーハの位置合わせが案内される。このような情報に基づいて、フォトレジスト被覆ウェーハを支える並進可能なステージは、放射がウェーハの正しい場所を露光するようにウェーハを移動させる。
【0148】
露光中、放射源は、パターン化されたレチクルを照射し、これにより、空間的にパターン化された放射を生成するために放射が散乱される。レチクルは、マスクともいい、これらの用語は、同義的に以下で使用される。還元リソグラフィの場合、投影レンズは、散乱放射を回収して、レチクルパターンの縮小画像を形成する。放射は、放射パターンをレジスト内の潜像に変換する各種光化学プロセスをレジスト内で開始する。
【0149】
一般に、露光システムともいうリソグラフィシステムは、一般的に、照射システム及びウェーハ位置決めシステムを含む。照射システムは、紫外線、可視光、X線、電子、イオン放射などの放射を供給する放射源、及び、パターンを放射に与えることにより、空間的にパターン化された放射を生成するレチクル又はマスクを含む。更に、照射システムは、空間的にパターン化された放射をウェーハ上に撮像する投影レンズを含む。撮像放射は、ウェーハ上に被覆されたレジストを露光する。照射システムは、また、マスクを支持するマスクステージ、及び、マスクを介して方向づけられた放射に対するマスクステージの位置を調整する位置決めシステムを含む。ウェーハ位置決めシステムは、ウェーハを支持するウェーハステージ、及び、撮像放射に対するウェーハステージの位置を調整する位置決めシステムを含む。集積回路の製造は、複数の露光ステップを含むことができる。リソグラフィに関する一般的な参考文献として、例えば、J.R.Sheats、B.W.Smith共著、マイクロリソグラフィ:科学技術、(Marcel Dekker社、ニューヨーク、1998年)を参照されたく、この内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0150】
先に論じたように、センサシステムは、投影レンズの構成部品の位置をモニタするために使用される。センサは各種構成部品と共に投影レンズ内に取り付けられているが、SDユニットは、ツール内又はツールから遠いところにあるどこかの場所に位置することができる。
【0151】
リソグラフィツール1100の別の例を図24に示す。干渉分光システム1126は、露光システム内でのウェーハの位置(図示せず)を正確に測定するために使用される。ここで、ステージ1122は、露光ステーションに対してウェーハを位置決めかつ支持するために使用される。スキャナ1100は、他の支持構造体及びそれらの構造体上に担持された様々な構成部品を担持するフレーム1102を含む。露光基部1104は、投影レンズハウジング1106がその上に取り付けられており、その上に、レチクル又はマスクステージ1116が取り付けられており、レチクル又はマスクステージ1116は、レチクル又はマスクを支持するために使用される。SDユニット1109は、1つ又はそれ以上の光ファイバを介してハウジング1106内に取り付けられたセンサに接続されている。露光ステーションに対してマスクを位置決めする位置決めシステムは、素子1117により概略的に示されている。位置決めシステム1117は、例えば、圧電変換器素子及び対応する制御電子品を含むことができる。説明するこの実施形態においては含まれていないが、上述した干渉分光システムの1つ又はそれ以上は、マスクステージ、ならびに、他の移動可能な素子の位置を正確に測定するために使用することもでき、それらの位置は、リソグラフィ構造体を製造する工程において正確にモニタされなければならない(先のSheats、Smith共著、マイクロリソグラフィ:科学技術を参照されたい)。
【0152】
露光基部1104の下には、ウェーハステージ1122を担持する支持基部1113が懸架されている。ステージ1122は、干渉分光システム1126によりステージに方向づけられた測定ビーム1134を反射する平面鏡1128を含む。干渉分光システム1126に対してステージ1122を位置決めする位置決めシステムは、素子1119により概略的に示されている。位置決めシステム1119は、例えば、圧電変換器素子及び対応する制御電子品を含むことができる。測定ビームは、露光基部1104上に取り付けられている干渉分光システムに反射する。干渉分光システムは、先述した実施形態のいずれかとすることができる。
【0153】
動作中、放射ビーム1110、例えば、UVレーザ(図示せず)からの紫外線(UV)ビームは、ビーム成形光学品部品1112を通過して、鏡1114から反射した後に下方に進む。その後、放射ビームは、マスクステージ1116により担持されたマスク(図示せず)を通過する。マスク(図示せず)は、レンズハウジング1106内に担持されたレンズ部品1108を介してウェーハステージ1122上のウェーハ(図示せず)上に撮像される。基部1104及び基部により支持された様々な構成部品は、ばね1120により示される減衰システムにより環境的変動から隔離されている。
【0154】
当技術分野で周知であるように、リソグラフィは、半導体デバイスを製造する製造法の極めて重要な部分である。例えば、米国特許第5,483,343号明細書では、このような製造方法の種々のステップを概説している。これらのステップを、図25A及び図25Bを参照して以下で説明する。図25Aは、半導体チップ(例えば、IC又はLSI)、液晶パネル又はCCDなどの半導体デバイスを製造するシーケンスの流れ図である。ステップ1151は、半導体デバイスの回路を設計する設計工程である。ステップ1152は、回路パターンデザインに基づいてマスクを製造する工程である。ステップ1153は、シリコンなどの材料を使用してウェーハを製造する工程である。
【0155】
ステップ1154は、そのように作製されたマスク及びウェーハを使用してリソグラフィを介してウェーハ上に回路が形成される、前工程というウェーハ工程である。十分な空間分解能でマスク上のパターンに対応する回路をウェーハ上に形成するために、ウェーハに対するリソグラフィツールの干渉分光法による位置決めが必要である。本明細書で説明する各種干渉分光法及びシステムは、ウェーハ工程において使用されるリソグラフィの効果を向上させるために特に有用なものとすることができる。
【0156】
ステップ1155は、組み付けステップであり、このステップは、後工程といい、ステップ1154により処理されたウェーハが半導体チップに形成される。このステップは、組み付け(ダイシング及びボンディング)及びパッケージング(チップ封止)を含む。ステップ1156は、ステップ1155により製造された半導体デバイスの動作性チェック、耐久性チェックなどが行われる検査ステップである。これらの工程で、半導体デバイスは、仕上げられて出荷される(ステップ1157)。
【0157】
図25Bは、ウェーハ工程の詳細を示す流れ図である。ステップ1161は、ウェーハ表面を酸化させる酸化工程である。ステップ1162は、ウェーハ表面上で絶縁膜を形成するCVD工程である。ステップ1163は、蒸着によりウェーハ上に電極を形成する電極形成工程である。ステップ1164は、イオンをウェーハに移植するイオン移植工程である。ステップ1165は、レジスト(感光材料)をウェーハに塗布するレジスト工程である。ステップ1166は、上述した露光装置を介して、露光(即ち、リソグラフィ)により、ウェーハ上にマスクの回路パターンを焼き付ける露光工程である。改めて言えば、上述したように、本明細書で説明する各種干渉分光システム及び方法により、このようなリソグラフィステップの精度及び分解能が向上する。
【0158】
ステップ1167は、露光ウェーハを現像する現像工程である。ステップ1168は、現像済みレジスト画像以外の部分を除去するエッチング工程である。ステップ1169は、エッチング工程を受けた後でウェーハ上に残っているレジスト材料を分離するレジスト分離工程である。これらの工程を繰り返すことにより、回路パターンが形成されてウェーハ上に重畳される。
【0159】
光学撮像システムにおいてセンサシステムを使用する別の例は、発生する可能性がある欠陥を撮像することを補償するために適合光学品を利用するシステムにおけるものである。例えば、図26を参照すると、一部の実施形態においては、センサシステム2601は、望遠鏡2600内の幾つかの鏡2612の位置をモニタするために使用される。鏡2612は、放射2650を第2の集光光学品2614に集光する大きな集光素子を実現するように基部2610上に取り付けられ、かつ、配設されている。第2の集光光学品2614は、放射を検出器/制御装置システム2620上に集光し、検出器/制御装置システム2620は、撮像された放射に関する情報を記録する。望遠鏡2600は、また、SDユニット2601と、ファイバネットワーク2602と、基部2610及び鏡2612上に取り付けられているセンサとを有するセンサシステムを含む。動作中、センサは、SDユニット2601が検出器/制御装置システム2620に伝達する鏡の1つ又はそれ以上の自由度をモニタする。SDユニットからの情報に基づいて、検出器/制御装置システムは、例えば、放射2650の経路内で発生する可能性がある大気変動のために、システム内の撮像収差を低減するために埋設アクチュエータを使用して、鏡の1つ又はそれ以上を位置決めし直す。
【0160】
更に一般的には、センサシステムは、PO部品内の構成部品をモニタすること以外の用途に使用することができる。一般に、本明細書で論じているセンサシステムは、様々なシステムにおいて、特に、多数の測定チャンネルが所望される場合に、別の物体に対する1つの物体の位置をモニタするために使用することができる。
【0161】
図27を参照すると、センサシステムは、システム2700において第2の物体2710に対する第1の物体2720の複数の自由度をモニタする。センサシステムは、SDユニット2701と、センサ2705と、SDユニット2701をセンサ2705に接続するファイバネットワークとを含む。
【0162】
図27の概略図は、別の物体に対する単一の物体の自由度をモニタするように構成されたセンサシステムを示すが、種々の実施形態は、2つ以上の物体の自由度をモニタするように構成することができる。
【0163】
システム2700は、上述した種々の実施形態などの光学システム、又は、システムの構成部品が互いに対して移動可能であるとともに、構成部品間の相対的動きがシステムの性能に影響を与える他のタイプのシステムとすることができる。システムの例としては、製造システムにおいて他の部品に対するか、又は、1つ又はそれ以上のツールに対する部品の正確な位置を要求する製造システムがある。
【0164】
本発明の幾つかの実施形態を説明した。それでも、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な改変を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0165】
111,121:光ファイバ、110,120:センサ、140:光学素子、150:投影レンズ、160:検出器、170:電子制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影レンズ(PO)内の1以上の光学素子の位置をモニタするシステムであって、
入力光を受光して出力光を生成するようにそれぞれ構成される複数のセンサであって、各センサは、第1のセンサ光学部品と第2のセンサ光学部品とを備え、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサの前記第1のセンサ光学部品は、第1のPO光学素子に取り付けられ、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサの前記第2のセンサ光学部品は、前記PO内に前記第1のPO光学素子を位置決めする支持要素に取り付けられ、前記第1および第2のセンサ光学部品は、前記入力光の2つの要素間の第1の光路長の差(OPD)を導出して出力光を生成するように構成され、前記第1のOPDは、前記支持要素に応じた第1のPO光学素子の位置に対応する、前記複数のセンサと、
前記複数のセンサからの前記出力光を検出するように構成される複数の検出器と、
前記入力光を前記複数のセンサにそれぞれ案内し、且つ前記出力光を前記複数のセンサから前記複数の検出器にそれぞれ案内するように構成される複数の光ファイバと、
前記複数の検出器と通信する電子制御装置であって、前記少なくとも1つのセンサからの前記検出された出力光に基づいて前記支持要素に対する前記第1のPO光学要素の位置に関する情報を判定するように構成される前記電子制御装置とを備える、システム。
【請求項2】
前記複数のセンサに光を供給するように構成される光源モジュールを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源モジュールは、広帯域光源を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源モジュールと前記複数のモジュールとの間の光路内に変調器を備え、
前記変調器は、前記光源モジュールから光を受け取り、受け取った光の第1の部分と第2の部分との間の第2のOPDを導出し、前記第1および第2の部分間の位相を変調し、第1および第2の部分を組み合わせて、前記入力光を供給するように構成され、前記第2のOPDは、前記光源モジュールのコヒーレンス長よりも大きい、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のOPDと前記第2のOPDとの間の差は前記光源モジュールのコヒーレンス長よりも短い、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記光源モジュールと前記複数のモジュールとの間の光路内に変調器を備え、
前記変調器は、前記光源モジュールから光を受け取り、受け取った光の第1の部分および第2の部分を第1の経路および第2の経路にそれぞれ案内し、前記第1および第2の部分間の位相を変調し、第1および第2の部分を組み合わせて、前記入力光を供給するように構成され、前記第1の経路は、前記第2の経路と異なる、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項7】
前記入力光の前記2つの要素は、前記第1の経路に沿って案内される光と、前記第2の経路に沿って案内される光とを備え、出力光において、前記変調器によって前記第1の経路に沿って案内される入力光の前記2つの要素の第1の部分が、前記第2の経路に沿って案内される入力光の前記2つの要素の第2の部分と干渉するように前記変調器が構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源モジュールからの基準入力光を受け取り、対応する検出器に基準出力光を案内するように構成される基準空洞共振器を備える、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子制御装置は、前記基準出力光に基づいて前記基準空洞共振器における雰囲気の屈折率に関する情報を判定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電子制御装置は、前記基準出力光に基づいて前記入力光の波長に関する情報を判定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記光源モジュールおよび前記複数の検出器は、前記POから遠隔配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記入力光の前記2つの要素のうちの第1の要素は、前記第2のセンサ光学部品ではなく、前記第1のセンサ光学部品から反射される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサ光学部品は、鏡又は逆反射体である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
各センサは、前記複数の光ファイバのうちの対応する1つの光ファイバから入力光を受け取るように構成されるレンズを備え、
前記レンズは、出力光を前記対応する光ファイバに案内するように構成される、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記レンズは、勾配屈折率材料(GRIN)のレンズである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のセンサの各々は、前記入力光を前記センサに送出し、且つ前記センサから前記出力光を回収するように構成される対応する光ファイバに結合される、請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記POアセンブリは、前記第1のPO光学要素に結合された1以上のアクチュエータを備え、前記1以上のアクチュエータは、前記電子制御装置と通信し、前記電子制御装置は、動作中に、前記情報に基づいて前記第1のPO光学要素の位置を前記1以上のアクチュエータに調整させる、請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記情報は、前記第1のPO光学要素と前記支持要素との間の絶対距離を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記情報は、前記PO光学要素と前記支持要素との間の距離の変位を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記PO光学要素は、前記PO光学要素に強固に取り付けられたフレームを用いて前記支持要素に取り付けられ、前記第1のセンサ光学部品は、前記フレームに取り付けられている、請求項1〜19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数のセンサのうちの幾つかのセンサは、前記同じPO光学要素の対応する自由度に関する情報を含む出力光を供給する、請求項1〜20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のセンサは、1以上のPO光学要素の位置に関する情報を含む出力光を供給する、請求項1〜21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1のOPDは、非ゼロOPDである、請求項1〜22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
投影レンズ(PO)内の1以上の光学素子の位置をモニタする方法であって、
複数の光ファイバを介して入力光を複数のセンサに案内することであって、各センサは、前記入力光の2つの要素間の第1の光路長(OPD)を導出して出力光を生成し、前記2つの要素のうちの少なくとも1つが第1のセンサ光学部品と接触し、前記2つの要素のうちの少なくとも1つが第2のセンサ光学部品と接触し、前記第1のセンサ光学部品が第1のPO光学要素に取り付けられ、前記第2のセンサ光学部品が前記PO内に前記第1のPO光学要素を位置決めする支持要素に取り付けられ、前記第1のOPDは、前記支持要素に応じて前記第1のPOの位置に関連する、前記案内すること、
前記複数のセンサからの前記出力光を検出すること、
前記複数の検出器のうちの少なくとも1つの検出器からの検出された出力光に基づいて前記支持要素に関連する第1のPO光学要素の位置に関する情報を判定することを備える、方法。
【請求項25】
リソグラフィツールの投影レンズ(PO)アセンブリであって、
動作中に基板上でのレジスト層上にパターンを撮像する前記POアセンブリ内に配置された複数のPO光学要素と、
検出器サブシステムであって、
入力光を受光し、該入力光から出力光を生成するようにそれぞれ構成される複数のセンサであって、前記各検出器からの前記出力光は、前記POアセンブリ内の対応するPO光学要素の位置に関連する干渉情報を含む、前記複数のセンサと、
対応するセンサからの前記出力光を検出するように構成される複数の検出器と、
前記入力光を前記複数のセンサに案内し、前記出力光を前記複数のセンサから前記複数の検出器に案内するように構成される複数の光ファイバと、
前記複数の検出器と通信する電子制御装置であって、前記複数の検出器からの前記検出された出力光に基づいて前記対応する光学要素の位置に関する情報を判定するように構成される前記電子制御装置とを含む、前記検出器サブシステムとを備える、システム。
【請求項1】
投影レンズ(PO)内の1以上の光学素子の位置をモニタするシステムであって、
入力光を受光して出力光を生成するようにそれぞれ構成される複数のセンサであって、各センサは、第1のセンサ光学部品と第2のセンサ光学部品とを備え、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサの前記第1のセンサ光学部品は、第1のPO光学素子に取り付けられ、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサの前記第2のセンサ光学部品は、前記PO内に前記第1のPO光学素子を位置決めする支持要素に取り付けられ、前記第1および第2のセンサ光学部品は、前記入力光の2つの要素間の第1の光路長の差(OPD)を導出して出力光を生成するように構成され、前記第1のOPDは、前記支持要素に応じた第1のPO光学素子の位置に対応する、前記複数のセンサと、
前記複数のセンサからの前記出力光を検出するように構成される複数の検出器と、
前記入力光を前記複数のセンサにそれぞれ案内し、且つ前記出力光を前記複数のセンサから前記複数の検出器にそれぞれ案内するように構成される複数の光ファイバと、
前記複数の検出器と通信する電子制御装置であって、前記少なくとも1つのセンサからの前記検出された出力光に基づいて前記支持要素に対する前記第1のPO光学要素の位置に関する情報を判定するように構成される前記電子制御装置とを備える、システム。
【請求項2】
前記複数のセンサに光を供給するように構成される光源モジュールを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源モジュールは、広帯域光源を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源モジュールと前記複数のモジュールとの間の光路内に変調器を備え、
前記変調器は、前記光源モジュールから光を受け取り、受け取った光の第1の部分と第2の部分との間の第2のOPDを導出し、前記第1および第2の部分間の位相を変調し、第1および第2の部分を組み合わせて、前記入力光を供給するように構成され、前記第2のOPDは、前記光源モジュールのコヒーレンス長よりも大きい、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のOPDと前記第2のOPDとの間の差は前記光源モジュールのコヒーレンス長よりも短い、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記光源モジュールと前記複数のモジュールとの間の光路内に変調器を備え、
前記変調器は、前記光源モジュールから光を受け取り、受け取った光の第1の部分および第2の部分を第1の経路および第2の経路にそれぞれ案内し、前記第1および第2の部分間の位相を変調し、第1および第2の部分を組み合わせて、前記入力光を供給するように構成され、前記第1の経路は、前記第2の経路と異なる、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項7】
前記入力光の前記2つの要素は、前記第1の経路に沿って案内される光と、前記第2の経路に沿って案内される光とを備え、出力光において、前記変調器によって前記第1の経路に沿って案内される入力光の前記2つの要素の第1の部分が、前記第2の経路に沿って案内される入力光の前記2つの要素の第2の部分と干渉するように前記変調器が構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源モジュールからの基準入力光を受け取り、対応する検出器に基準出力光を案内するように構成される基準空洞共振器を備える、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子制御装置は、前記基準出力光に基づいて前記基準空洞共振器における雰囲気の屈折率に関する情報を判定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電子制御装置は、前記基準出力光に基づいて前記入力光の波長に関する情報を判定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記光源モジュールおよび前記複数の検出器は、前記POから遠隔配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記入力光の前記2つの要素のうちの第1の要素は、前記第2のセンサ光学部品ではなく、前記第1のセンサ光学部品から反射される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサ光学部品は、鏡又は逆反射体である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
各センサは、前記複数の光ファイバのうちの対応する1つの光ファイバから入力光を受け取るように構成されるレンズを備え、
前記レンズは、出力光を前記対応する光ファイバに案内するように構成される、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記レンズは、勾配屈折率材料(GRIN)のレンズである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のセンサの各々は、前記入力光を前記センサに送出し、且つ前記センサから前記出力光を回収するように構成される対応する光ファイバに結合される、請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記POアセンブリは、前記第1のPO光学要素に結合された1以上のアクチュエータを備え、前記1以上のアクチュエータは、前記電子制御装置と通信し、前記電子制御装置は、動作中に、前記情報に基づいて前記第1のPO光学要素の位置を前記1以上のアクチュエータに調整させる、請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記情報は、前記第1のPO光学要素と前記支持要素との間の絶対距離を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記情報は、前記PO光学要素と前記支持要素との間の距離の変位を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記PO光学要素は、前記PO光学要素に強固に取り付けられたフレームを用いて前記支持要素に取り付けられ、前記第1のセンサ光学部品は、前記フレームに取り付けられている、請求項1〜19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数のセンサのうちの幾つかのセンサは、前記同じPO光学要素の対応する自由度に関する情報を含む出力光を供給する、請求項1〜20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のセンサは、1以上のPO光学要素の位置に関する情報を含む出力光を供給する、請求項1〜21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1のOPDは、非ゼロOPDである、請求項1〜22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
投影レンズ(PO)内の1以上の光学素子の位置をモニタする方法であって、
複数の光ファイバを介して入力光を複数のセンサに案内することであって、各センサは、前記入力光の2つの要素間の第1の光路長(OPD)を導出して出力光を生成し、前記2つの要素のうちの少なくとも1つが第1のセンサ光学部品と接触し、前記2つの要素のうちの少なくとも1つが第2のセンサ光学部品と接触し、前記第1のセンサ光学部品が第1のPO光学要素に取り付けられ、前記第2のセンサ光学部品が前記PO内に前記第1のPO光学要素を位置決めする支持要素に取り付けられ、前記第1のOPDは、前記支持要素に応じて前記第1のPOの位置に関連する、前記案内すること、
前記複数のセンサからの前記出力光を検出すること、
前記複数の検出器のうちの少なくとも1つの検出器からの検出された出力光に基づいて前記支持要素に関連する第1のPO光学要素の位置に関する情報を判定することを備える、方法。
【請求項25】
リソグラフィツールの投影レンズ(PO)アセンブリであって、
動作中に基板上でのレジスト層上にパターンを撮像する前記POアセンブリ内に配置された複数のPO光学要素と、
検出器サブシステムであって、
入力光を受光し、該入力光から出力光を生成するようにそれぞれ構成される複数のセンサであって、前記各検出器からの前記出力光は、前記POアセンブリ内の対応するPO光学要素の位置に関連する干渉情報を含む、前記複数のセンサと、
対応するセンサからの前記出力光を検出するように構成される複数の検出器と、
前記入力光を前記複数のセンサに案内し、前記出力光を前記複数のセンサから前記複数の検出器に案内するように構成される複数の光ファイバと、
前記複数の検出器と通信する電子制御装置であって、前記複数の検出器からの前記検出された出力光に基づいて前記対応する光学要素の位置に関する情報を判定するように構成される前記電子制御装置とを含む、前記検出器サブシステムとを備える、システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2012−198230(P2012−198230A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122500(P2012−122500)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2008−551478(P2008−551478)の分割
【原出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(598176743)ザイゴ コーポレーション (39)
【氏名又は名称原語表記】ZYGO CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2008−551478(P2008−551478)の分割
【原出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(598176743)ザイゴ コーポレーション (39)
【氏名又は名称原語表記】ZYGO CORPORATION
【Fターム(参考)】
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