物品供給システム
【課題】 情報記録媒体に書き込む情報量を最小限にしつつ、必要とする物品を所定場所に供給することができる物品供給システムを提供する。
【解決手段】 物品供給システム1は、部品取出用仕掛票9に情報(インタNo)を書き込む仕掛票発行機4と、必要な部品を物品棚8から取り出すための制御を行う取り出し装置5と、物品棚8から取り出された部品を製造エリアBに運搬する無人搬送車7とを備えている。取り出し装置5は、部品取出用仕掛票9に書き込まれたインタNo情報を読み取り、そのインタNo情報をデータベースに登録された各種部品情報(部品の種類及び格納位置等)と照合し、インタNo情報に対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯させるように制御する。
【解決手段】 物品供給システム1は、部品取出用仕掛票9に情報(インタNo)を書き込む仕掛票発行機4と、必要な部品を物品棚8から取り出すための制御を行う取り出し装置5と、物品棚8から取り出された部品を製造エリアBに運搬する無人搬送車7とを備えている。取り出し装置5は、部品取出用仕掛票9に書き込まれたインタNo情報を読み取り、そのインタNo情報をデータベースに登録された各種部品情報(部品の種類及び格納位置等)と照合し、インタNo情報に対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯させるように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば製品の生産現場等において物品を所定場所に供給する物品供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品の供給を行う物品供給システムとしては、例えば特許文献1に記載されている作業指示管理システムを利用したものが考えられる。この文献に記載の作業指示管理システムにおいては、まず生産管理CPUから工程別作業指示情報を配信し、この工程別作業指示情報をIDタグ書込装置で受信してIDタグに書き込む。そして、工程別作業指示情報が書き込まれたIDタグを作業対象物品に取り付け、その作業対象物品を工程別の作業エリアに搬送する。
【特許文献1】特開2005−190120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術を利用して部品の供給を行う場合には、製品の種類や部品の種類、数量等といった膨大な作業指示情報をIDタグに書き込む必要がある。このため、例えばIDタグの記憶容量に制限があるような場合には、作業指示情報以外の情報(例えば管理情報等)を書き込むことができないため、当該IDタグを用いた他の処理を行うことができない等といった不具合が発生する。
【0004】
本発明の目的は、情報記録媒体に書き込む情報量を最小限にしつつ、必要とする物品を所定場所に供給することができる物品供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、製品を作るための部品を供給エリアの物品格納部から取り出して製造ラインに供給する物品供給システムであって、製品のキー情報と部品の種類及び格納位置の情報を含む部品情報とを予め登録しておく記憶手段と、製品のキー情報を第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を記憶手段に登録されたキー情報及び部品情報と照合し、キー情報に対応する部品を物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置とを備えることを特徴とするものである。なお、ここでいう「製品を作るための部品」とは、製品に組み付けられる部品に限られず、製品に組み付けられない治具等も含んでいる。
【0006】
このような本発明の物品供給システムにおいて、製品を作るための部品を製造ラインに供給する作業を行う場合、まず第1仕掛票発行機により第1仕掛票に製品のキー情報を書き込む。次いで、取り出し装置によって、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、このキー情報と記憶手段に登録されたキー情報及び部品情報とを照合し、キー情報に対応する部品を物品格納部から取り出すための制御を行う。そして、キー情報に対応する部品を物品格納部から取り出した後、当該部品を製造ラインに搬送する。このように本発明では、部品の供給に必要な多くの情報を作業指示情報として第1仕掛票に書き込む必要は無く、製品のキー情報だけを第1仕掛票に書き込めば良い。つまり、第1仕掛票(情報記録媒体)に書き込む情報量を最小限に抑えつつも、製造に必要な部品を製造ラインに供給することができる。
【0007】
好ましくは、製品のキー情報及び製造ライン情報を第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、物品格納部から取り出された部品を製造ラインまで運搬する運搬車と、第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、製造ライン情報に対応する製造ラインに運搬車を移動させる運搬車制御手段とを更に備える。
【0008】
このような物品供給システムにおいて、部品の供給作業を行う場合には、上述した作業に加え、第2仕掛票発行機により第2仕掛票に製品のキー情報及び製造エリア情報を書き込み、運搬車制御手段により当該キー情報及び製造エリア情報を読み取る。そして、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、物品格納部から取り出した部品を運搬車に載せる。その後、運搬車制御手段によって製造エリア情報に対応する製造エリアに運搬車を移動させる。この場合には、部品取り出しの制御だけでなく、製品のキー情報及び製造エリア情報だけが書き込まれた第2仕掛票を使用して、運搬車による部品運搬の制御も行うことができる。また、部品の取り出し工程と部品の運搬工程とを、システムとしては第1仕掛票及び第2仕掛票を用いて一まとめに行うことができるので、システムのコンパクト化を図ることが可能となる。
【0009】
このとき、好ましくは、供給エリアは複数有し、第1仕掛票発行機及び取り出し装置は、各供給エリアにそれぞれ設置されており、運搬車制御手段は、第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、製造ライン情報に対応する部品が格納された物品格納部を有する供給エリアに運搬車を移動させる手段と、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、製造ライン情報に対応する製造ラインに運搬車を移動させる手段とを有する。
【0010】
製品の機種が多数存在する場合には、これに伴って部品の種類も多くなるため、供給エリアが複数必要となることがある。この場合、部品の供給作業を行う際には、運搬車は、製造すべき機種に応じた部品が格納された物品格納部を有する供給エリアに予め存在していなければならない。このため、まず第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、製造ライン情報に対応する部品が格納された物品格納部を有する供給エリアに運搬車を移動させるようにする。これにより、複数の供給エリアがある場合でも、製品の製造に必要な部品を物品格納部から製造ラインに供給することができる。
【0011】
また、好ましくは、運搬車は、走行路に沿って自動走行する無人搬送車であり、運搬車制御手段は、起動指示手段により無人搬送車の走行が指示されると、無人搬送車を移動させる。このように運搬車を無人搬送車とすることにより、作業者が運搬車に乗る必要が無いため、部品の供給作業に係わる人員を少なくすることができる。
【0012】
さらに、好ましくは、第1仕掛票に書き込まれるキー情報と、第2仕掛票に書き込まれるキー情報及び製造エリア情報とは、いずれも書き換え可能である。これにより、第1仕掛票及び第2仕掛票の再利用が可能となるので、資源の無駄を省くことができる。
【0013】
また、本発明は、物品を供給エリアの物品格納部から取り出して搬送先に供給する物品供給システムであって、物品のキー情報と物品の種類及び格納位置の情報を含む物品情報とを予め登録しておく記憶手段と、物品のキー情報を書き換え可能な第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、物品のキー情報及び搬送先情報を書き換え可能な第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を記憶手段に登録されたキー情報及び物品情報と照合し、キー情報に対応する物品を物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置と、物品格納部から取り出された物品を搬送先まで運搬する運搬車と、第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び搬送先情報を読み取り、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、搬送先情報に対応する搬送先に運搬車を移動させる運搬車制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
このような本発明の物品供給システムにおいて、物品を搬送先に供給する作業を行う場合、まず第1仕掛票発行機により第1仕掛票に物品のキー情報を書き込む。次いで、取り出し装置によって、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、このキー情報と記憶手段に登録されたキー情報及び物品情報とを照合し、キー情報に対応する物品を物品格納部から取り出すための制御を行う。また、第2仕掛票発行機により第2仕掛票に製品のキー情報及び搬送先情報を書き込み、運搬車制御手段により当該キー情報及び搬送先情報を読み取る。そして、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、物品格納部から取り出した物品(キー情報に対応する物品)を運搬車に載せる。その後、運搬車制御手段によって搬送先情報に対応する搬送先に運搬車を移動させる。このように本発明では、物品の供給に必要な多くの情報を作業指示情報として第1仕掛票及び第2仕掛票に書き込む必要は無く、物品のキー情報だけを第1仕掛票に書き込み、物品のキー情報及び搬送先情報だけを第2仕掛票に書き込めば良い。つまり、第1仕掛票及び第2仕掛票(情報記録媒体)に書き込む情報量を最小限に抑えつつも、必要な物品を搬送先に供給することができる。
【0015】
また、物品の取り出し工程と物品の運搬工程とを、システムとしては第1仕掛票及び第2仕掛票を用いて一まとめに行うことができるので、システムのコンパクト化を図ることが可能となる。さらに、第1仕掛票及び第2仕掛票に書き込まれる情報は書き換え可能であるため、第1仕掛票及び第2仕掛票の再利用が可能となり、資源の無駄を省くことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報記録媒体に書き込む情報量を最小限にしつつ、必要とする物品を所定場所に供給することができる。これにより、例えば情報量を記録する手段をICチップとする場合に、記憶容量の小さな安価なICチップを使用したり、或いは物品の供給に係わる情報以外の情報をも書き込むようにすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る物品供給システムの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る物品供給システムの一実施形態を示す概略図である。同図において、本実施形態の物品供給システム1は、工場内において例えば多機種の車両を製造する際に、車両を作るための部品を供給エリアAから製造ラインBに供給する仕掛システムである。
【0019】
物品供給システム1は、生産管理システムのホストコンピュータ2とインターフェース3aを介して接続されたシステムサーバ3と、このシステムサーバ3と接続された複数の仕掛票発行機4及び複数の取り出し装置5と、システムサーバ3と接続された仕掛票発行機6と、複数台の無人搬送車7とを備えている。
【0020】
ホストコンピュータ2は、生産計画に基づく作業指示情報等をシステムサーバ3に送信する。システムサーバ3は、ホストコンピュータ2から送られた作業指示情報等に基づいて、製品(車両)に関する様々な情報を仕掛票発行機4,6及び取り出し装置5に送信する。なお、作業指示情報には、取り出し個数、取り出し位置、収納先、機種、品番、型式、作業状況、工程状況などが含まれる。
【0021】
ここで、車両に関する情報としては、図2(a)、(b)に示すようなインタNo、車種、車種に応じた部品、車種に応じた製造ライン、部品が格納されている部品棚位置等の情報がある。インタNoは、車両のキー情報となる代表番号のことであり、例えば001〜999を順番に使い、999の次は001に戻る。そして、インタNoの順番は、車両の製造順番となる。
【0022】
仕掛票発行機4及び取り出し装置5は、供給エリアAに設置されている。供給エリアAには、車両を作るための各種の部品を格納しておく物品棚8が設置されている。供給エリアAは、車種に応じて複数有しており、物品棚8、仕掛票発行機4及び取り出し装置5は、各供給エリアAに1つずつ設置されている。また、仕掛票発行機6は、作業に関与していない無人搬送車7を待機させておく待機エリアCの仕掛票発行位置に設置されている。
【0023】
仕掛票発行機4は、部品取出用仕掛票9に情報を書き込む装置である。部品取出用仕掛票9に書き込まれる情報は、図2(c)に示すように、インタNo情報のみである。取り出し装置5は、部品取出用仕掛票9に書き込まれたインタNo情報に対応する車種の部品を物品棚8から取り出すための制御を行う装置である。仕掛票発行機6は、運搬用仕掛票10に情報を書き込む装置である。運搬用仕掛票10に書き込まれる情報は、図2(c)に示すように、インタNo情報及び製造ライン情報である。なお、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10に書き込まれる情報(認識情報)としては、他に供給エリア、書き込み回数、カードID等の情報がある。
【0024】
部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10は、上記の情報をデジタルデータとして記録する情報記録媒体である。このような仕掛票9,10への情報の記録方法としては、図3(a)に示すようなICチップ11や、図3(b)に示すようなバーコード12が好適に用いられる。ICチップ11は、容易にデータの書き換えが可能である。また、バーコード12は、ロイコ式印刷によってデータの書き換えが可能となる。従って、仕掛票9,10の再利用が可能となるため、これらの仕掛票9,10を数多く作る必要が無くなり、資源の有効的活用を図ることができる。また、表示のための電力が不要となるため、省エネ効果を得ることができる。なお、仕掛票9,10への情報の記録方法としては、ICチップ11やバーコード12以外に、IDタグ、磁気テープ、磁気カード、QRコード、記録ディスク(CD、HD、FD等)が考えられる。
【0025】
無人搬送車7は、決められた走行路13に沿って自動走行する部品運搬車であり、供給エリアAの物品棚8から取り出された部品を、運搬用仕掛票10に書き込まれた製造エリアBまで運搬する。走行路13は、無人搬送車7が待機エリアCから複数の供給エリアAを通って複数の製造ラインBまで移動し、更に無人搬送車7が各製造ラインBから待機エリアCに戻るように形成されている。作業に使用していない無人搬送車7を待機エリアCに待機させておくことで、無人搬送車7の運行の渋滞を避けることができる。なお、走行路13は、例えば工場の床面上に貼り付けられた磁気テープ等によって形成されている。
【0026】
図4は、仕掛票発行機4の構成図である。同図において、仕掛票発行機4は、部品取出用仕掛票9が仕掛票発行機4の投入口に投入されたかどうかを検出する仕掛票検出部(例えば接触スイッチ)14と、部品取出用仕掛票9に情報を書き込むライタ部15と、コントローラ16とを有している。コントローラ16は、仕掛票検出部14により部品取出用仕掛票9が仕掛票発行機4の投入口に投入されたことが検出されると、システムサーバ3から送られてくる情報(インタNo)を部品取出用仕掛票9に書き込むようにライタ部15を制御する。
【0027】
また、仕掛票発行機6は、特に図示はしないが、仕掛票発行機4と同様に、仕掛票検出部14、ライタ部15及びコントローラ16を有している。そして、仕掛票発行機6の投入口に運搬用仕掛票10が投入されると、システムサーバ3から送られてくる情報(インタNo及び製造ライン)が運搬用仕掛票10に書き込まれる。
【0028】
なお、システムサーバ3から仕掛票発行機4,6への情報の送信は、例えばインタNo毎に同時に行われる。また、ここでは、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10に対して情報を書き換えて良いかどうかは、特に判断していない。
【0029】
図5は、取り出し装置5の構成図である。同図において、取り出し装置5は、装置本体17と、物品棚8の各棚にそれぞれ設けられたランプ(例えばLED等)18及び取出完了ボタン19とを有している。ランプ18は、例えば取り出すべき部品の個数が分かるように物品棚8の各棚に複数ずつ設けられている。取り出し完了ボタン19は、物品棚8の一つの棚からの部品の取り出しが完了したときに、作業者が操作するボタンであり、物品棚8の各棚に1つずつ設けられている。
【0030】
装置本体17は、仕掛票検出部20と、仕掛票リーダ21と、コントローラ22と、データベース23,24と、ランプ駆動部25と、表示部26と、作業完了ボタン27とを有している。
【0031】
仕掛票検出部20は、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたかどうかを検出するセンサ(例えば接触スイッチ)である。仕掛票リーダ21は、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたときに、部品取出用仕掛票9に書き込まれた情報を読み取るものである。
【0032】
コントローラ22は、仕掛票リーダ21により読み取った情報(インタNo)を入力し、所定の処理を行い、ランプ駆動部25を制御すると共に、処理結果を表示部26に表示させる。このコントローラ22により実施される具体的な処理については、後で詳述する。
【0033】
データベース23には、システムサーバ3から送られてきた情報(インタNo、部品リスト、製造ライン)が登録されている。データベース23に登録される情報は、仕掛票9,10に書き込まれる情報がシステムサーバ3から仕掛票発行機4,6にそれぞれ送られる前に、データベース23に送信され更新登録される。例えば製品の生産を開始する前に、その日に生産する分の情報をまとめてデータベース23に更新登録しておく。
【0034】
データベース24には、システムサーバ3から送られてきた情報(部品、部品棚位置)が登録されている。データベース24に登録される情報は、物品棚8の部品格納のレイアウトが変わらない限り更新が無い。
【0035】
ランプ駆動部25は、物品棚8の各棚に設けられたランプ18を点灯または点滅させるものである。表示部26は、物品棚8からの部品の取り出し忘れの確認結果や、物品棚8の各棚から取り出すべき部品の数量等を画面表示する。作業完了ボタン27は、全ての部品の取り出しが完了したときに、作業者が操作するボタンである。
【0036】
図6は、コントローラ22による処理手順の詳細を示すフローチャートである。同図において、まず仕掛票検出部20の出力信号から、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたかどうかを判断する(手順101)。そして、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたときは、部品取出用仕掛票9に書き込まれたインタNo情報を読み取るように仕掛票リーダ21を制御し、仕掛票リーダ21により読み取ったインタNo情報を入力する(手順102)。
【0037】
続いて、読み取ったインタNo情報をデータベース23に登録された情報(インタNo、部品リスト)と照合し、当該インタNoに対応する部品をリストアップする(手順103)。そして、その部品リストをデータベース24に登録された情報(部品、部品棚位置)と照合し、インタNoに対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯または点滅させるようにランプ駆動部25を制御する(手順104)。なお、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10から読み取った情報(認識情報)に対して照合される情報(照合情報)としては、認識情報に対応して、他に供給エリア、書き込み回数、カードID等の情報がある。
【0038】
その後、作業完了ボタン27が操作されたかどうかを判断し(手順105)、作業完了ボタン27が操作されたときは、リストアップした部品の情報及び取出完了ボタン19の出力等に基づいて、物品棚8から取り出し忘れた部品が無いかどうかを判断する(手順106)。そして、物品棚8から取り出し忘れた部品が無いときは、部品の取り出しがOKである旨を表示部26に画面表示させる(手順107)。一方、物品棚8から取り出し忘れた部品があるときは、部品の取り出しがNGである旨を表示部26に画面表示させ(手順108)、その後手順105に戻る。
【0039】
以上のような取り出し装置5において、データベース23,24は、製品のキー情報と部品の種類及び格納位置の情報を含む部品情報とを予め登録しておく記憶手段を構成している。
【0040】
仕掛票検出部20、仕掛票リーダ21、コントローラ22による上記手順101〜104及びランプ駆動部25は、部品取出用仕掛票9に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を記憶手段23,24に登録されたキー情報及び部品情報と照合し、キー情報に対応する部品を物品格納部8から取り出すための制御を行う手段を構成している。
【0041】
図7は、無人搬送車7の構成図である。同図において、無人搬送車7は、走行体28と、主に走行体28が自動走行するための電力供給源であるバッテリー29と、走行体28を走行させる走行モータを含む走行駆動部30と、走行路13を形成する磁気テープ等を検出する路面センサ31と、走行体28の走行開始を指示するための起動ボタン32と、走行体28の走行を強制的に停止させる指示を行うための停止ボタン33と、仕掛票検出部34と、仕掛票リーダ35と、コントローラ36とを有している。
【0042】
仕掛票検出部34は、運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたかどうかを検出するセンサ(例えば接触スイッチ)である。仕掛票リーダ35は、運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたときに、運搬用仕掛票10に書き込まれた情報を読み取るものである。
【0043】
コントローラ36は、仕掛票リーダ35により読み取った情報(インタNo及び製造ライン)等を入力し、所定の処理を行い、走行駆動部30を制御する。コントローラ36による処理手順の詳細を図8に示す。
【0044】
同図において、まず運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたかどうかを判断する(手順111)。そして、運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたときは、運搬用仕掛票10に書き込まれたインタNo及び製造ラインの情報を読み取るように仕掛票リーダ35を制御し、仕掛票リーダ35により読み取ったインタNo及び製造ラインの情報を入力する(手順112)。
【0045】
その後、無人搬送車7の起動ボタン32が操作されたかどうかを判断し(手順113)、起動ボタン32が操作されたときは、走行体28が待機エリアCの仕掛票発行位置から製造ライン情報に対応する供給エリアAに移動するように走行駆動部30を制御する(手順114)。
【0046】
その後、起動ボタン32が操作されたかどうかを判断し(手順115)、起動ボタン32が操作されたときは、走行体28が供給エリアAから製造ライン情報に対応する製造ラインBに移動するように走行駆動部30を制御する(手順116)。
【0047】
その後、起動ボタン32が操作されたかどうかを判断し(手順117)、起動ボタン32が操作されたときは、走行体28が製造ラインBから待機エリアCに移動するように走行駆動部30を制御する(手順118)。
【0048】
以上のような無人搬送車7において、走行駆動部30、仕掛票検出部34、仕掛票リーダ35、コントローラ36による上記手順111〜116は、運搬用仕掛票10に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、部品取出用仕掛票9に書き込まれたキー情報と運搬用仕掛票10に書き込まれたキー情報とが一致したときに、製造ライン情報に対応する製造ラインBに運搬車7を移動させる運搬車制御手段を構成している。
【0049】
次に、上述した物品供給システム1を用いて、製品(車両)の製造に必要な部品を製造ラインBに供給する作業について、図9及び図10を参照して具体的に説明する。図9は、部品を供給する作業の流れを示すフローチャートであり、図10は、部品を供給する作業の流れを示す概念図である。
【0050】
各図において、待機エリアCで作業を行う作業者(以下、待機作業者)は、待機している無人搬送車7を仕掛票発行位置まで移動させた後、仕掛票保管場所にストックされている運搬用仕掛票10を仕掛票発行機6に入れる。すると、その運搬用仕掛票10に新たな情報(インタNo及び製造ライン)が書き込まれる(図9の工程121)。
【0051】
次いで、待機作業者は、その新たな情報が書き込まれた運搬用仕掛票10を仕掛票発行機6から取り出した(同工程122)後、その運搬用仕掛票10を無人搬送車7にセットする(同工程123)。すると、図8に示す手順111,112の処理によって、運搬用仕掛票10の情報が読み込まれ、製造ライン情報に対応する供給エリアAが決定される。そして、待機作業者が無人搬送車7の起動ボタン32を押すと、図8に示す手順113,114の処理によって、無人搬送車7が仕掛票発行位置から製造ライン情報に対応する供給エリアAの部品受け渡し口まで自動的に移動する(同工程124)。
【0052】
また、上記のような待機作業者による作業と併行して、供給エリアAで作業を行う作業者(以下、部品供給作業者)は、仕掛票保管場所にストックされている部品取出用仕掛票9を仕掛票発行機4に入れる。すると、その部品取出用仕掛票9に新たな情報(インタNo)が書き込まれる(同工程125)。
【0053】
次いで、部品供給作業者は、新たな情報が書き込まれた部品取出用仕掛票9を仕掛票発行機4から取り出した(同工程126)後、その部品取出用仕掛票9を取り出し装置5の装置本体17にセットする。すると、図6に示す手順101〜104の処理によって、部品取出用仕掛票9の情報が読み込まれ、インタNo情報に対応する部品の種類及び個数が決定され、その部品が格納されている棚のランプ18が部品の数量分だけ点灯または点滅する(同工程127)。
【0054】
次いで、部品供給作業者は、物品棚8におけるランプ18が点灯または点滅している棚位置から必要数の部品を取り出して、部品受け渡し口に置き(同工程128)、当該棚位置の取出完了ボタン19を押す(同工程129)。そして、部品供給作業者は、部品の種類毎に上記の工程128,129を繰り返し実施し、製造に必要となる全ての部品を物品棚8から取り出したら、装置本体17の作業完了ボタン27を押す(同工程130)。すると、図8に示す手順105〜108の処理によって、取り出し装置5において部品の取り出し忘れがあるかどうかが判断され、その結果が装置本体17の表示部26に表示される。部品供給作業者は、その表示部26を見て、部品の取り出し忘れがあったかどうかを確認し(同工程131)、部品の取り出し忘れがあったときは、上記の工程128〜130を再度実施し、製造に必要な全ての部品を確実に取り出すようにする。
【0055】
この段階では、取り出した部品を運搬する無人搬送車7が該当する供給エリアAに来ている。よって、部品の取り出し忘れが無い場合には、装置本体17にセットされている部品取出用仕掛票9のインタNoと無人搬送車7にセットされている運搬用仕掛票10のインタNoとの照合を行う(同工程132)。このとき、部品取出用仕掛票9のインタNoと運搬用仕掛票10のインタNoとが一致していないときは、無人搬送車7の順番ズレが発生している事となるため、異常処置を実施する(同工程133)。この異常処置としては、例えば部品取出用仕掛票9と同じインタNoを書き込んだ運搬用仕掛票10がセットされている無人搬送車7を探し出し、その無人搬送車7を該当する供給エリアAまで移動させるようにする。
【0056】
部品取出用仕掛票9のインタNoと運搬用仕掛票10のインタNoとが一致しているときには、部品供給作業者は、物品棚8から取り出した全ての部品を無人搬送車7に載せる(同工程134)。また、部品供給作業者は、装置本体17から部品取出用仕掛票9を取り出し、この部品取出用仕掛票9を仕掛票保管場所に返却する(同工程135)。
【0057】
そして、部品供給作業者が無人搬送車7の起動ボタン32を押すと、図8に示す手順115,116の処理によって、製造に必要な部品を搭載した無人搬送車7が供給エリアAから製造ライン情報に対応する製造ラインBまで自動的に移動する(同工程136)。その後、製造ラインBで作業を行う作業者(以下、製造作業者)は、無人搬送車7から部品を降ろして、所定の供給先まで部品を運ぶ(同工程137)。
【0058】
次いで、製造作業者は、無人搬送車7から運搬用仕掛票10を取り出し、この運搬用仕掛票10を仕掛票保管場所に返却する(同工程138)。また、製造作業者が起動ボタン32を押すと、部品を載置していない無人搬送車7が製造ラインBから待機エリアCまで自動的に移動する(同工程139)。
【0059】
以上のように本実施形態にあっては、仕掛票発行機4によって製品のキー情報となるインタNo情報のみを部品取出用仕掛票9に書き込み、取り出し装置5によって部品取出用仕掛票9のインタNo情報を読み取り、このインタNo情報とデータベース23,24に登録されているデータとを照合し、インタNoに対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯または点滅させる。これにより、インタNo、車種、部品、製造ライン及び部品棚位置等といった多くの情報を部品取出用仕掛票9に書き込まなくても、製造に必要な部品の種類及び個数をランプ18の表示によって知ることができる。従って、作業者は、必要とする部品を確実に物品棚8から取り出すことができる。
【0060】
また、仕掛票発行機6によってインタNo及び製造ラインの情報を運搬用仕掛票10に書き込み、無人搬送車7によって運搬用仕掛票10のインタNo情報及び製造ライン情報を読み取り、これらの情報に対応する供給エリアA及び製造ラインBに無人搬送車7を順次移動させるようにする。これにより、多くの情報を運搬用仕掛票10に書き込まなくても、無人搬送車7の運行を制御することができる。
【0061】
このように部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10に書き込む情報量を必要最小限としたので、例えば仕掛票9,10への情報の記録手段をICチップ11(図3(a)参照)とした場合には、記憶容量の小さいICチップ11を使用でき、コスト的に有利となる。また、記憶容量の比較的大きいICチップ11を使用する際には、上記の部品の供給に関する情報だけでなく、他の情報も書き込むことが可能となるため、同じ仕掛票を使用して、例えば実績管理処理や工程内在庫管理処理等を実施することもできる。
【0062】
また、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10を使用して、部品の取り出し処理と部品の運搬処理とをリンクさせて一まとめに行うので、両者を別々のシステムとした場合と異なり、両処理の同期をとらずに済み、システム的にコンパクトになる。また、部品供給の工程全体を管理するシステムが不要となる。さらに、本システムとは別の専用の通信手段が無くても、本システムは運用可能である。また、本システムを統括する上位システムの変更があっても、本システムは変更しなくて済む。
【0063】
さらに、最小限の情報が書き込まれた部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10を使用することにより、製品の機種変更があったときでも、設備側の対応が容易となる。また、例えば無人搬送車7が故障した場合でも、別の無人搬送車7を持ってきて、その無人搬送車7に運搬用仕掛票10の情報を読み込ませることで、容易に復帰させることができる。このとき、どの工程までが完了したかどうかの確認は不要である。また、供給エリアAや製造ラインB等のレイアウト変更があっても、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10を変える必要がない。
【0064】
その他、インタNoを管理することにより、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10の流通量とライン上を運行している無人搬送車7の台数とが等しくなるため、仕掛票9,10の流通量の制御が簡単に行えるようになる。また、複数の仕様の製品が混流しても、投入順序を監視する必要が無い等といった効果も得られる。
【0065】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態は、物品棚8から取り出した部品を無人搬送車7で製造ラインBまで運搬するシステムであるが、部品運搬車としては、作業者が乗る必要のある有人搬送車であっても良い。また、部品を供給エリアAから製造ラインBまで運搬する工程は、特にシステム化されていなくても良い。
【0066】
また、上記実施形態では、物品棚8において必要な部品が格納されている棚のランプ18を点灯させる取り出し装置5を設けたが、そのような取り出し装置5に代えて、物品棚8に対し、必要な部品の取り出し指示として何らかの表示を行ったり音を発生させる装置を採用しても良く、或いは物品棚8から必要な部品を自動的に取り出す装置を設置しても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、無人搬送車7のコントローラ36は、走行駆動部30の走行モータを制御して、無人搬送車7の発進・停止の制御や無人搬送車7の走行方向及び速度の制御を行っているが、例えば無人搬送車7に積荷用のリフトが搭載されている場合には、リフトの昇降制御や積荷取込・払出制御等を行っても良い。
【0068】
さらに、上記実施形態では、複数の供給エリアAが設けられているが、例えば生産規模の小さなシステムの場合には、供給エリアAは1つだけであっても良い。この場合には、待機エリアCを供給エリアAと兼用させても良い。
【0069】
また、本物品供給システム1を1ユニットと捉えて、複数のユニットから構成されるシステムとしても良い。例えば図11に示すように、2つの物品供給システム1を並列に構成し、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10の情報を両者間で伝達する情報伝達部Pを設けるようにすれば、2つの物品供給システム1を独立に動作させることができる。
【0070】
さらに、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10にインタNo等の認識情報を書き込むときに、仕掛票9,10の情報を書き換えても良いかどうか判断するようにしても良い。このような情報書き込み処理の手順の一例を図12に示す。
【0071】
図12において、まず部品取出用仕掛票9が仕掛票発行機4にセットされたかどうかを判断し(手順151)、部品取出用仕掛票9がセットされたときは、部品取出用仕掛票9に書き込まれている認識情報を読み取る(手順152)。続いて、その認識情報を書き換えても良いかどうかを判断し(手順153)、当該認識情報を書き換えても良いときは、ライタ部15により部品取出用仕掛票9に新たな認識情報を書き込む(手順154)。一方、そうでないときは、仕掛票発行機4の表示部(図示せず)に対してエラー表示を行う(手順155)。なお、手順155は、省略しても構わない。上記実施形態では、手順152,153,155は実施していないことになる。また、運搬用仕掛票10に対する情報書き込み処理についても、同様の手順により実行する。
【0072】
また、上記実施形態では、部品取出用仕掛票9に書き込まれた認識情報をデータベース23,24に登録した照合情報と照合し、その照合結果に応じて物品棚8のランプ18を点灯または点滅させるように制御したが、照合結果に応じた制御内容(作業内容)を指示情報としてデータベース23,24に登録しておき、当該指示情報を用いて部品取り出し制御を行っても良い。このような部品取り出し制御処理の手順の一例を図13に示す。
【0073】
図13において、まず部品取出用仕掛票9が取り出し装置5の装置本体17にセットされたかどうかを判断し(手順161)、部品取出用仕掛票9がセットされたときは、部品取出用仕掛票9に書き込まれている認識情報を読み取る(手順162)。続いて、データベース23,24に登録されている照合情報を読み取る(手順163)。そして、認識情報と照合情報とが一致しているかどうかの照合を行い(手順164)、認識情報と照合情報とが一致しているときは、データベース23,24に登録されている指示情報を読み取り(手順165)、当該指示情報の内容を実行するように制御する(手順166)。このとき、例えば当該指示情報の内容が物品棚8のランプ18の点灯または点滅であれば、認識情報に対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯または点滅させるようにランプ駆動部25を制御する。一方、そうでないときは、装置本体17の表示部26に対してエラー表示を行う(手順167)。なお、手順162,163を実行する順番は、逆でも良い。また、手順165は、手順164の前に実行しても良い。また、手順167は、省略しても構わない。
【0074】
また、上記実施形態の物品供給システム1は、工場内において製造を作るための部品を供給エリアAから製造ラインBに供給するシステムであるが、本発明は、そのような製品製造のための部品の供給の他に、例えばショッピングセンターや市場(マーケット)等における売り場への商品の供給や、流通倉庫内での製品の供給にも適用可能である。
【0075】
この場合には、物品棚8には商品や製品が格納される。そして、物品棚8から取り出された商品や製品は、運搬車によって供給エリアから所定の搬送先まで搬送される。また、仕掛票9,10に書き込まれる情報としては、例えばインタNo、供給エリア、搬送先(売り場等)、書き込み回数、カードID等の情報が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る物品供給システムの一実施形態を示す概略図である。
【図2】図1に示す物品供給システムを採用して製造される製品に関する情報を示す表である。
【図3】図1に示す部品取出用仕掛票及び運搬用仕掛票を示す概略図である。
【図4】図1に示す仕掛票発行機の構成図である。
【図5】図1に示す部品取り出し装置の構成図である。
【図6】図5に示すコントローラによる処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す無人搬送車の構成図である。
【図8】図7に示すコントローラによる処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図9】図1に示す物品供給システムを採用して部品を供給する作業の流れを示すフローチャートである。
【図10】図1に示す物品供給システムを採用して部品を供給する作業の流れを示す概念図である。
【図11】図1に示す物品供給システムを複数並列に構成してなるシステムの概略図である。
【図12】図1に示す部品取出用仕掛票及び運搬用仕掛票に対する情報書き込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図1に示す部品取り出し装置による部品取り出し制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1…物品供給システム、4…仕掛票発行機(第1仕掛票発行機)、5…取り出し装置、6…仕掛票発行機(第2仕掛票発行機)、7…無人搬送車(運搬車)、8…物品棚(物品格納部)、9…部品取出用仕掛票(第1仕掛票)、10…運搬用仕掛票(第2仕掛票)、13…走行路、18…ランプ、20…仕掛票検出部、21…仕掛票リーダ、22…コントローラ、23,24…データベース(記憶手段)、25…ランプ駆動部、30…走行駆動部(運搬車制御手段)、32…起動ボタン(起動指示手段)、34…仕掛票検出部(運搬車制御手段)、35…仕掛票リーダ(運搬車制御手段)、36…コントローラ(運搬車制御手段)、A…供給エリア、B…製造ライン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば製品の生産現場等において物品を所定場所に供給する物品供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品の供給を行う物品供給システムとしては、例えば特許文献1に記載されている作業指示管理システムを利用したものが考えられる。この文献に記載の作業指示管理システムにおいては、まず生産管理CPUから工程別作業指示情報を配信し、この工程別作業指示情報をIDタグ書込装置で受信してIDタグに書き込む。そして、工程別作業指示情報が書き込まれたIDタグを作業対象物品に取り付け、その作業対象物品を工程別の作業エリアに搬送する。
【特許文献1】特開2005−190120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術を利用して部品の供給を行う場合には、製品の種類や部品の種類、数量等といった膨大な作業指示情報をIDタグに書き込む必要がある。このため、例えばIDタグの記憶容量に制限があるような場合には、作業指示情報以外の情報(例えば管理情報等)を書き込むことができないため、当該IDタグを用いた他の処理を行うことができない等といった不具合が発生する。
【0004】
本発明の目的は、情報記録媒体に書き込む情報量を最小限にしつつ、必要とする物品を所定場所に供給することができる物品供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、製品を作るための部品を供給エリアの物品格納部から取り出して製造ラインに供給する物品供給システムであって、製品のキー情報と部品の種類及び格納位置の情報を含む部品情報とを予め登録しておく記憶手段と、製品のキー情報を第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を記憶手段に登録されたキー情報及び部品情報と照合し、キー情報に対応する部品を物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置とを備えることを特徴とするものである。なお、ここでいう「製品を作るための部品」とは、製品に組み付けられる部品に限られず、製品に組み付けられない治具等も含んでいる。
【0006】
このような本発明の物品供給システムにおいて、製品を作るための部品を製造ラインに供給する作業を行う場合、まず第1仕掛票発行機により第1仕掛票に製品のキー情報を書き込む。次いで、取り出し装置によって、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、このキー情報と記憶手段に登録されたキー情報及び部品情報とを照合し、キー情報に対応する部品を物品格納部から取り出すための制御を行う。そして、キー情報に対応する部品を物品格納部から取り出した後、当該部品を製造ラインに搬送する。このように本発明では、部品の供給に必要な多くの情報を作業指示情報として第1仕掛票に書き込む必要は無く、製品のキー情報だけを第1仕掛票に書き込めば良い。つまり、第1仕掛票(情報記録媒体)に書き込む情報量を最小限に抑えつつも、製造に必要な部品を製造ラインに供給することができる。
【0007】
好ましくは、製品のキー情報及び製造ライン情報を第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、物品格納部から取り出された部品を製造ラインまで運搬する運搬車と、第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、製造ライン情報に対応する製造ラインに運搬車を移動させる運搬車制御手段とを更に備える。
【0008】
このような物品供給システムにおいて、部品の供給作業を行う場合には、上述した作業に加え、第2仕掛票発行機により第2仕掛票に製品のキー情報及び製造エリア情報を書き込み、運搬車制御手段により当該キー情報及び製造エリア情報を読み取る。そして、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、物品格納部から取り出した部品を運搬車に載せる。その後、運搬車制御手段によって製造エリア情報に対応する製造エリアに運搬車を移動させる。この場合には、部品取り出しの制御だけでなく、製品のキー情報及び製造エリア情報だけが書き込まれた第2仕掛票を使用して、運搬車による部品運搬の制御も行うことができる。また、部品の取り出し工程と部品の運搬工程とを、システムとしては第1仕掛票及び第2仕掛票を用いて一まとめに行うことができるので、システムのコンパクト化を図ることが可能となる。
【0009】
このとき、好ましくは、供給エリアは複数有し、第1仕掛票発行機及び取り出し装置は、各供給エリアにそれぞれ設置されており、運搬車制御手段は、第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、製造ライン情報に対応する部品が格納された物品格納部を有する供給エリアに運搬車を移動させる手段と、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、製造ライン情報に対応する製造ラインに運搬車を移動させる手段とを有する。
【0010】
製品の機種が多数存在する場合には、これに伴って部品の種類も多くなるため、供給エリアが複数必要となることがある。この場合、部品の供給作業を行う際には、運搬車は、製造すべき機種に応じた部品が格納された物品格納部を有する供給エリアに予め存在していなければならない。このため、まず第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、製造ライン情報に対応する部品が格納された物品格納部を有する供給エリアに運搬車を移動させるようにする。これにより、複数の供給エリアがある場合でも、製品の製造に必要な部品を物品格納部から製造ラインに供給することができる。
【0011】
また、好ましくは、運搬車は、走行路に沿って自動走行する無人搬送車であり、運搬車制御手段は、起動指示手段により無人搬送車の走行が指示されると、無人搬送車を移動させる。このように運搬車を無人搬送車とすることにより、作業者が運搬車に乗る必要が無いため、部品の供給作業に係わる人員を少なくすることができる。
【0012】
さらに、好ましくは、第1仕掛票に書き込まれるキー情報と、第2仕掛票に書き込まれるキー情報及び製造エリア情報とは、いずれも書き換え可能である。これにより、第1仕掛票及び第2仕掛票の再利用が可能となるので、資源の無駄を省くことができる。
【0013】
また、本発明は、物品を供給エリアの物品格納部から取り出して搬送先に供給する物品供給システムであって、物品のキー情報と物品の種類及び格納位置の情報を含む物品情報とを予め登録しておく記憶手段と、物品のキー情報を書き換え可能な第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、物品のキー情報及び搬送先情報を書き換え可能な第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を記憶手段に登録されたキー情報及び物品情報と照合し、キー情報に対応する物品を物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置と、物品格納部から取り出された物品を搬送先まで運搬する運搬車と、第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び搬送先情報を読み取り、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、搬送先情報に対応する搬送先に運搬車を移動させる運搬車制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
このような本発明の物品供給システムにおいて、物品を搬送先に供給する作業を行う場合、まず第1仕掛票発行機により第1仕掛票に物品のキー情報を書き込む。次いで、取り出し装置によって、第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、このキー情報と記憶手段に登録されたキー情報及び物品情報とを照合し、キー情報に対応する物品を物品格納部から取り出すための制御を行う。また、第2仕掛票発行機により第2仕掛票に製品のキー情報及び搬送先情報を書き込み、運搬車制御手段により当該キー情報及び搬送先情報を読み取る。そして、第1仕掛票に書き込まれたキー情報と第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、物品格納部から取り出した物品(キー情報に対応する物品)を運搬車に載せる。その後、運搬車制御手段によって搬送先情報に対応する搬送先に運搬車を移動させる。このように本発明では、物品の供給に必要な多くの情報を作業指示情報として第1仕掛票及び第2仕掛票に書き込む必要は無く、物品のキー情報だけを第1仕掛票に書き込み、物品のキー情報及び搬送先情報だけを第2仕掛票に書き込めば良い。つまり、第1仕掛票及び第2仕掛票(情報記録媒体)に書き込む情報量を最小限に抑えつつも、必要な物品を搬送先に供給することができる。
【0015】
また、物品の取り出し工程と物品の運搬工程とを、システムとしては第1仕掛票及び第2仕掛票を用いて一まとめに行うことができるので、システムのコンパクト化を図ることが可能となる。さらに、第1仕掛票及び第2仕掛票に書き込まれる情報は書き換え可能であるため、第1仕掛票及び第2仕掛票の再利用が可能となり、資源の無駄を省くことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報記録媒体に書き込む情報量を最小限にしつつ、必要とする物品を所定場所に供給することができる。これにより、例えば情報量を記録する手段をICチップとする場合に、記憶容量の小さな安価なICチップを使用したり、或いは物品の供給に係わる情報以外の情報をも書き込むようにすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る物品供給システムの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る物品供給システムの一実施形態を示す概略図である。同図において、本実施形態の物品供給システム1は、工場内において例えば多機種の車両を製造する際に、車両を作るための部品を供給エリアAから製造ラインBに供給する仕掛システムである。
【0019】
物品供給システム1は、生産管理システムのホストコンピュータ2とインターフェース3aを介して接続されたシステムサーバ3と、このシステムサーバ3と接続された複数の仕掛票発行機4及び複数の取り出し装置5と、システムサーバ3と接続された仕掛票発行機6と、複数台の無人搬送車7とを備えている。
【0020】
ホストコンピュータ2は、生産計画に基づく作業指示情報等をシステムサーバ3に送信する。システムサーバ3は、ホストコンピュータ2から送られた作業指示情報等に基づいて、製品(車両)に関する様々な情報を仕掛票発行機4,6及び取り出し装置5に送信する。なお、作業指示情報には、取り出し個数、取り出し位置、収納先、機種、品番、型式、作業状況、工程状況などが含まれる。
【0021】
ここで、車両に関する情報としては、図2(a)、(b)に示すようなインタNo、車種、車種に応じた部品、車種に応じた製造ライン、部品が格納されている部品棚位置等の情報がある。インタNoは、車両のキー情報となる代表番号のことであり、例えば001〜999を順番に使い、999の次は001に戻る。そして、インタNoの順番は、車両の製造順番となる。
【0022】
仕掛票発行機4及び取り出し装置5は、供給エリアAに設置されている。供給エリアAには、車両を作るための各種の部品を格納しておく物品棚8が設置されている。供給エリアAは、車種に応じて複数有しており、物品棚8、仕掛票発行機4及び取り出し装置5は、各供給エリアAに1つずつ設置されている。また、仕掛票発行機6は、作業に関与していない無人搬送車7を待機させておく待機エリアCの仕掛票発行位置に設置されている。
【0023】
仕掛票発行機4は、部品取出用仕掛票9に情報を書き込む装置である。部品取出用仕掛票9に書き込まれる情報は、図2(c)に示すように、インタNo情報のみである。取り出し装置5は、部品取出用仕掛票9に書き込まれたインタNo情報に対応する車種の部品を物品棚8から取り出すための制御を行う装置である。仕掛票発行機6は、運搬用仕掛票10に情報を書き込む装置である。運搬用仕掛票10に書き込まれる情報は、図2(c)に示すように、インタNo情報及び製造ライン情報である。なお、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10に書き込まれる情報(認識情報)としては、他に供給エリア、書き込み回数、カードID等の情報がある。
【0024】
部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10は、上記の情報をデジタルデータとして記録する情報記録媒体である。このような仕掛票9,10への情報の記録方法としては、図3(a)に示すようなICチップ11や、図3(b)に示すようなバーコード12が好適に用いられる。ICチップ11は、容易にデータの書き換えが可能である。また、バーコード12は、ロイコ式印刷によってデータの書き換えが可能となる。従って、仕掛票9,10の再利用が可能となるため、これらの仕掛票9,10を数多く作る必要が無くなり、資源の有効的活用を図ることができる。また、表示のための電力が不要となるため、省エネ効果を得ることができる。なお、仕掛票9,10への情報の記録方法としては、ICチップ11やバーコード12以外に、IDタグ、磁気テープ、磁気カード、QRコード、記録ディスク(CD、HD、FD等)が考えられる。
【0025】
無人搬送車7は、決められた走行路13に沿って自動走行する部品運搬車であり、供給エリアAの物品棚8から取り出された部品を、運搬用仕掛票10に書き込まれた製造エリアBまで運搬する。走行路13は、無人搬送車7が待機エリアCから複数の供給エリアAを通って複数の製造ラインBまで移動し、更に無人搬送車7が各製造ラインBから待機エリアCに戻るように形成されている。作業に使用していない無人搬送車7を待機エリアCに待機させておくことで、無人搬送車7の運行の渋滞を避けることができる。なお、走行路13は、例えば工場の床面上に貼り付けられた磁気テープ等によって形成されている。
【0026】
図4は、仕掛票発行機4の構成図である。同図において、仕掛票発行機4は、部品取出用仕掛票9が仕掛票発行機4の投入口に投入されたかどうかを検出する仕掛票検出部(例えば接触スイッチ)14と、部品取出用仕掛票9に情報を書き込むライタ部15と、コントローラ16とを有している。コントローラ16は、仕掛票検出部14により部品取出用仕掛票9が仕掛票発行機4の投入口に投入されたことが検出されると、システムサーバ3から送られてくる情報(インタNo)を部品取出用仕掛票9に書き込むようにライタ部15を制御する。
【0027】
また、仕掛票発行機6は、特に図示はしないが、仕掛票発行機4と同様に、仕掛票検出部14、ライタ部15及びコントローラ16を有している。そして、仕掛票発行機6の投入口に運搬用仕掛票10が投入されると、システムサーバ3から送られてくる情報(インタNo及び製造ライン)が運搬用仕掛票10に書き込まれる。
【0028】
なお、システムサーバ3から仕掛票発行機4,6への情報の送信は、例えばインタNo毎に同時に行われる。また、ここでは、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10に対して情報を書き換えて良いかどうかは、特に判断していない。
【0029】
図5は、取り出し装置5の構成図である。同図において、取り出し装置5は、装置本体17と、物品棚8の各棚にそれぞれ設けられたランプ(例えばLED等)18及び取出完了ボタン19とを有している。ランプ18は、例えば取り出すべき部品の個数が分かるように物品棚8の各棚に複数ずつ設けられている。取り出し完了ボタン19は、物品棚8の一つの棚からの部品の取り出しが完了したときに、作業者が操作するボタンであり、物品棚8の各棚に1つずつ設けられている。
【0030】
装置本体17は、仕掛票検出部20と、仕掛票リーダ21と、コントローラ22と、データベース23,24と、ランプ駆動部25と、表示部26と、作業完了ボタン27とを有している。
【0031】
仕掛票検出部20は、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたかどうかを検出するセンサ(例えば接触スイッチ)である。仕掛票リーダ21は、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたときに、部品取出用仕掛票9に書き込まれた情報を読み取るものである。
【0032】
コントローラ22は、仕掛票リーダ21により読み取った情報(インタNo)を入力し、所定の処理を行い、ランプ駆動部25を制御すると共に、処理結果を表示部26に表示させる。このコントローラ22により実施される具体的な処理については、後で詳述する。
【0033】
データベース23には、システムサーバ3から送られてきた情報(インタNo、部品リスト、製造ライン)が登録されている。データベース23に登録される情報は、仕掛票9,10に書き込まれる情報がシステムサーバ3から仕掛票発行機4,6にそれぞれ送られる前に、データベース23に送信され更新登録される。例えば製品の生産を開始する前に、その日に生産する分の情報をまとめてデータベース23に更新登録しておく。
【0034】
データベース24には、システムサーバ3から送られてきた情報(部品、部品棚位置)が登録されている。データベース24に登録される情報は、物品棚8の部品格納のレイアウトが変わらない限り更新が無い。
【0035】
ランプ駆動部25は、物品棚8の各棚に設けられたランプ18を点灯または点滅させるものである。表示部26は、物品棚8からの部品の取り出し忘れの確認結果や、物品棚8の各棚から取り出すべき部品の数量等を画面表示する。作業完了ボタン27は、全ての部品の取り出しが完了したときに、作業者が操作するボタンである。
【0036】
図6は、コントローラ22による処理手順の詳細を示すフローチャートである。同図において、まず仕掛票検出部20の出力信号から、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたかどうかを判断する(手順101)。そして、部品取出用仕掛票9が装置本体17にセットされたときは、部品取出用仕掛票9に書き込まれたインタNo情報を読み取るように仕掛票リーダ21を制御し、仕掛票リーダ21により読み取ったインタNo情報を入力する(手順102)。
【0037】
続いて、読み取ったインタNo情報をデータベース23に登録された情報(インタNo、部品リスト)と照合し、当該インタNoに対応する部品をリストアップする(手順103)。そして、その部品リストをデータベース24に登録された情報(部品、部品棚位置)と照合し、インタNoに対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯または点滅させるようにランプ駆動部25を制御する(手順104)。なお、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10から読み取った情報(認識情報)に対して照合される情報(照合情報)としては、認識情報に対応して、他に供給エリア、書き込み回数、カードID等の情報がある。
【0038】
その後、作業完了ボタン27が操作されたかどうかを判断し(手順105)、作業完了ボタン27が操作されたときは、リストアップした部品の情報及び取出完了ボタン19の出力等に基づいて、物品棚8から取り出し忘れた部品が無いかどうかを判断する(手順106)。そして、物品棚8から取り出し忘れた部品が無いときは、部品の取り出しがOKである旨を表示部26に画面表示させる(手順107)。一方、物品棚8から取り出し忘れた部品があるときは、部品の取り出しがNGである旨を表示部26に画面表示させ(手順108)、その後手順105に戻る。
【0039】
以上のような取り出し装置5において、データベース23,24は、製品のキー情報と部品の種類及び格納位置の情報を含む部品情報とを予め登録しておく記憶手段を構成している。
【0040】
仕掛票検出部20、仕掛票リーダ21、コントローラ22による上記手順101〜104及びランプ駆動部25は、部品取出用仕掛票9に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を記憶手段23,24に登録されたキー情報及び部品情報と照合し、キー情報に対応する部品を物品格納部8から取り出すための制御を行う手段を構成している。
【0041】
図7は、無人搬送車7の構成図である。同図において、無人搬送車7は、走行体28と、主に走行体28が自動走行するための電力供給源であるバッテリー29と、走行体28を走行させる走行モータを含む走行駆動部30と、走行路13を形成する磁気テープ等を検出する路面センサ31と、走行体28の走行開始を指示するための起動ボタン32と、走行体28の走行を強制的に停止させる指示を行うための停止ボタン33と、仕掛票検出部34と、仕掛票リーダ35と、コントローラ36とを有している。
【0042】
仕掛票検出部34は、運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたかどうかを検出するセンサ(例えば接触スイッチ)である。仕掛票リーダ35は、運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたときに、運搬用仕掛票10に書き込まれた情報を読み取るものである。
【0043】
コントローラ36は、仕掛票リーダ35により読み取った情報(インタNo及び製造ライン)等を入力し、所定の処理を行い、走行駆動部30を制御する。コントローラ36による処理手順の詳細を図8に示す。
【0044】
同図において、まず運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたかどうかを判断する(手順111)。そして、運搬用仕掛票10が無人搬送車7にセットされたときは、運搬用仕掛票10に書き込まれたインタNo及び製造ラインの情報を読み取るように仕掛票リーダ35を制御し、仕掛票リーダ35により読み取ったインタNo及び製造ラインの情報を入力する(手順112)。
【0045】
その後、無人搬送車7の起動ボタン32が操作されたかどうかを判断し(手順113)、起動ボタン32が操作されたときは、走行体28が待機エリアCの仕掛票発行位置から製造ライン情報に対応する供給エリアAに移動するように走行駆動部30を制御する(手順114)。
【0046】
その後、起動ボタン32が操作されたかどうかを判断し(手順115)、起動ボタン32が操作されたときは、走行体28が供給エリアAから製造ライン情報に対応する製造ラインBに移動するように走行駆動部30を制御する(手順116)。
【0047】
その後、起動ボタン32が操作されたかどうかを判断し(手順117)、起動ボタン32が操作されたときは、走行体28が製造ラインBから待機エリアCに移動するように走行駆動部30を制御する(手順118)。
【0048】
以上のような無人搬送車7において、走行駆動部30、仕掛票検出部34、仕掛票リーダ35、コントローラ36による上記手順111〜116は、運搬用仕掛票10に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、部品取出用仕掛票9に書き込まれたキー情報と運搬用仕掛票10に書き込まれたキー情報とが一致したときに、製造ライン情報に対応する製造ラインBに運搬車7を移動させる運搬車制御手段を構成している。
【0049】
次に、上述した物品供給システム1を用いて、製品(車両)の製造に必要な部品を製造ラインBに供給する作業について、図9及び図10を参照して具体的に説明する。図9は、部品を供給する作業の流れを示すフローチャートであり、図10は、部品を供給する作業の流れを示す概念図である。
【0050】
各図において、待機エリアCで作業を行う作業者(以下、待機作業者)は、待機している無人搬送車7を仕掛票発行位置まで移動させた後、仕掛票保管場所にストックされている運搬用仕掛票10を仕掛票発行機6に入れる。すると、その運搬用仕掛票10に新たな情報(インタNo及び製造ライン)が書き込まれる(図9の工程121)。
【0051】
次いで、待機作業者は、その新たな情報が書き込まれた運搬用仕掛票10を仕掛票発行機6から取り出した(同工程122)後、その運搬用仕掛票10を無人搬送車7にセットする(同工程123)。すると、図8に示す手順111,112の処理によって、運搬用仕掛票10の情報が読み込まれ、製造ライン情報に対応する供給エリアAが決定される。そして、待機作業者が無人搬送車7の起動ボタン32を押すと、図8に示す手順113,114の処理によって、無人搬送車7が仕掛票発行位置から製造ライン情報に対応する供給エリアAの部品受け渡し口まで自動的に移動する(同工程124)。
【0052】
また、上記のような待機作業者による作業と併行して、供給エリアAで作業を行う作業者(以下、部品供給作業者)は、仕掛票保管場所にストックされている部品取出用仕掛票9を仕掛票発行機4に入れる。すると、その部品取出用仕掛票9に新たな情報(インタNo)が書き込まれる(同工程125)。
【0053】
次いで、部品供給作業者は、新たな情報が書き込まれた部品取出用仕掛票9を仕掛票発行機4から取り出した(同工程126)後、その部品取出用仕掛票9を取り出し装置5の装置本体17にセットする。すると、図6に示す手順101〜104の処理によって、部品取出用仕掛票9の情報が読み込まれ、インタNo情報に対応する部品の種類及び個数が決定され、その部品が格納されている棚のランプ18が部品の数量分だけ点灯または点滅する(同工程127)。
【0054】
次いで、部品供給作業者は、物品棚8におけるランプ18が点灯または点滅している棚位置から必要数の部品を取り出して、部品受け渡し口に置き(同工程128)、当該棚位置の取出完了ボタン19を押す(同工程129)。そして、部品供給作業者は、部品の種類毎に上記の工程128,129を繰り返し実施し、製造に必要となる全ての部品を物品棚8から取り出したら、装置本体17の作業完了ボタン27を押す(同工程130)。すると、図8に示す手順105〜108の処理によって、取り出し装置5において部品の取り出し忘れがあるかどうかが判断され、その結果が装置本体17の表示部26に表示される。部品供給作業者は、その表示部26を見て、部品の取り出し忘れがあったかどうかを確認し(同工程131)、部品の取り出し忘れがあったときは、上記の工程128〜130を再度実施し、製造に必要な全ての部品を確実に取り出すようにする。
【0055】
この段階では、取り出した部品を運搬する無人搬送車7が該当する供給エリアAに来ている。よって、部品の取り出し忘れが無い場合には、装置本体17にセットされている部品取出用仕掛票9のインタNoと無人搬送車7にセットされている運搬用仕掛票10のインタNoとの照合を行う(同工程132)。このとき、部品取出用仕掛票9のインタNoと運搬用仕掛票10のインタNoとが一致していないときは、無人搬送車7の順番ズレが発生している事となるため、異常処置を実施する(同工程133)。この異常処置としては、例えば部品取出用仕掛票9と同じインタNoを書き込んだ運搬用仕掛票10がセットされている無人搬送車7を探し出し、その無人搬送車7を該当する供給エリアAまで移動させるようにする。
【0056】
部品取出用仕掛票9のインタNoと運搬用仕掛票10のインタNoとが一致しているときには、部品供給作業者は、物品棚8から取り出した全ての部品を無人搬送車7に載せる(同工程134)。また、部品供給作業者は、装置本体17から部品取出用仕掛票9を取り出し、この部品取出用仕掛票9を仕掛票保管場所に返却する(同工程135)。
【0057】
そして、部品供給作業者が無人搬送車7の起動ボタン32を押すと、図8に示す手順115,116の処理によって、製造に必要な部品を搭載した無人搬送車7が供給エリアAから製造ライン情報に対応する製造ラインBまで自動的に移動する(同工程136)。その後、製造ラインBで作業を行う作業者(以下、製造作業者)は、無人搬送車7から部品を降ろして、所定の供給先まで部品を運ぶ(同工程137)。
【0058】
次いで、製造作業者は、無人搬送車7から運搬用仕掛票10を取り出し、この運搬用仕掛票10を仕掛票保管場所に返却する(同工程138)。また、製造作業者が起動ボタン32を押すと、部品を載置していない無人搬送車7が製造ラインBから待機エリアCまで自動的に移動する(同工程139)。
【0059】
以上のように本実施形態にあっては、仕掛票発行機4によって製品のキー情報となるインタNo情報のみを部品取出用仕掛票9に書き込み、取り出し装置5によって部品取出用仕掛票9のインタNo情報を読み取り、このインタNo情報とデータベース23,24に登録されているデータとを照合し、インタNoに対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯または点滅させる。これにより、インタNo、車種、部品、製造ライン及び部品棚位置等といった多くの情報を部品取出用仕掛票9に書き込まなくても、製造に必要な部品の種類及び個数をランプ18の表示によって知ることができる。従って、作業者は、必要とする部品を確実に物品棚8から取り出すことができる。
【0060】
また、仕掛票発行機6によってインタNo及び製造ラインの情報を運搬用仕掛票10に書き込み、無人搬送車7によって運搬用仕掛票10のインタNo情報及び製造ライン情報を読み取り、これらの情報に対応する供給エリアA及び製造ラインBに無人搬送車7を順次移動させるようにする。これにより、多くの情報を運搬用仕掛票10に書き込まなくても、無人搬送車7の運行を制御することができる。
【0061】
このように部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10に書き込む情報量を必要最小限としたので、例えば仕掛票9,10への情報の記録手段をICチップ11(図3(a)参照)とした場合には、記憶容量の小さいICチップ11を使用でき、コスト的に有利となる。また、記憶容量の比較的大きいICチップ11を使用する際には、上記の部品の供給に関する情報だけでなく、他の情報も書き込むことが可能となるため、同じ仕掛票を使用して、例えば実績管理処理や工程内在庫管理処理等を実施することもできる。
【0062】
また、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10を使用して、部品の取り出し処理と部品の運搬処理とをリンクさせて一まとめに行うので、両者を別々のシステムとした場合と異なり、両処理の同期をとらずに済み、システム的にコンパクトになる。また、部品供給の工程全体を管理するシステムが不要となる。さらに、本システムとは別の専用の通信手段が無くても、本システムは運用可能である。また、本システムを統括する上位システムの変更があっても、本システムは変更しなくて済む。
【0063】
さらに、最小限の情報が書き込まれた部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10を使用することにより、製品の機種変更があったときでも、設備側の対応が容易となる。また、例えば無人搬送車7が故障した場合でも、別の無人搬送車7を持ってきて、その無人搬送車7に運搬用仕掛票10の情報を読み込ませることで、容易に復帰させることができる。このとき、どの工程までが完了したかどうかの確認は不要である。また、供給エリアAや製造ラインB等のレイアウト変更があっても、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10を変える必要がない。
【0064】
その他、インタNoを管理することにより、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10の流通量とライン上を運行している無人搬送車7の台数とが等しくなるため、仕掛票9,10の流通量の制御が簡単に行えるようになる。また、複数の仕様の製品が混流しても、投入順序を監視する必要が無い等といった効果も得られる。
【0065】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態は、物品棚8から取り出した部品を無人搬送車7で製造ラインBまで運搬するシステムであるが、部品運搬車としては、作業者が乗る必要のある有人搬送車であっても良い。また、部品を供給エリアAから製造ラインBまで運搬する工程は、特にシステム化されていなくても良い。
【0066】
また、上記実施形態では、物品棚8において必要な部品が格納されている棚のランプ18を点灯させる取り出し装置5を設けたが、そのような取り出し装置5に代えて、物品棚8に対し、必要な部品の取り出し指示として何らかの表示を行ったり音を発生させる装置を採用しても良く、或いは物品棚8から必要な部品を自動的に取り出す装置を設置しても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、無人搬送車7のコントローラ36は、走行駆動部30の走行モータを制御して、無人搬送車7の発進・停止の制御や無人搬送車7の走行方向及び速度の制御を行っているが、例えば無人搬送車7に積荷用のリフトが搭載されている場合には、リフトの昇降制御や積荷取込・払出制御等を行っても良い。
【0068】
さらに、上記実施形態では、複数の供給エリアAが設けられているが、例えば生産規模の小さなシステムの場合には、供給エリアAは1つだけであっても良い。この場合には、待機エリアCを供給エリアAと兼用させても良い。
【0069】
また、本物品供給システム1を1ユニットと捉えて、複数のユニットから構成されるシステムとしても良い。例えば図11に示すように、2つの物品供給システム1を並列に構成し、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10の情報を両者間で伝達する情報伝達部Pを設けるようにすれば、2つの物品供給システム1を独立に動作させることができる。
【0070】
さらに、部品取出用仕掛票9及び運搬用仕掛票10にインタNo等の認識情報を書き込むときに、仕掛票9,10の情報を書き換えても良いかどうか判断するようにしても良い。このような情報書き込み処理の手順の一例を図12に示す。
【0071】
図12において、まず部品取出用仕掛票9が仕掛票発行機4にセットされたかどうかを判断し(手順151)、部品取出用仕掛票9がセットされたときは、部品取出用仕掛票9に書き込まれている認識情報を読み取る(手順152)。続いて、その認識情報を書き換えても良いかどうかを判断し(手順153)、当該認識情報を書き換えても良いときは、ライタ部15により部品取出用仕掛票9に新たな認識情報を書き込む(手順154)。一方、そうでないときは、仕掛票発行機4の表示部(図示せず)に対してエラー表示を行う(手順155)。なお、手順155は、省略しても構わない。上記実施形態では、手順152,153,155は実施していないことになる。また、運搬用仕掛票10に対する情報書き込み処理についても、同様の手順により実行する。
【0072】
また、上記実施形態では、部品取出用仕掛票9に書き込まれた認識情報をデータベース23,24に登録した照合情報と照合し、その照合結果に応じて物品棚8のランプ18を点灯または点滅させるように制御したが、照合結果に応じた制御内容(作業内容)を指示情報としてデータベース23,24に登録しておき、当該指示情報を用いて部品取り出し制御を行っても良い。このような部品取り出し制御処理の手順の一例を図13に示す。
【0073】
図13において、まず部品取出用仕掛票9が取り出し装置5の装置本体17にセットされたかどうかを判断し(手順161)、部品取出用仕掛票9がセットされたときは、部品取出用仕掛票9に書き込まれている認識情報を読み取る(手順162)。続いて、データベース23,24に登録されている照合情報を読み取る(手順163)。そして、認識情報と照合情報とが一致しているかどうかの照合を行い(手順164)、認識情報と照合情報とが一致しているときは、データベース23,24に登録されている指示情報を読み取り(手順165)、当該指示情報の内容を実行するように制御する(手順166)。このとき、例えば当該指示情報の内容が物品棚8のランプ18の点灯または点滅であれば、認識情報に対応する部品が格納されている棚のランプ18を点灯または点滅させるようにランプ駆動部25を制御する。一方、そうでないときは、装置本体17の表示部26に対してエラー表示を行う(手順167)。なお、手順162,163を実行する順番は、逆でも良い。また、手順165は、手順164の前に実行しても良い。また、手順167は、省略しても構わない。
【0074】
また、上記実施形態の物品供給システム1は、工場内において製造を作るための部品を供給エリアAから製造ラインBに供給するシステムであるが、本発明は、そのような製品製造のための部品の供給の他に、例えばショッピングセンターや市場(マーケット)等における売り場への商品の供給や、流通倉庫内での製品の供給にも適用可能である。
【0075】
この場合には、物品棚8には商品や製品が格納される。そして、物品棚8から取り出された商品や製品は、運搬車によって供給エリアから所定の搬送先まで搬送される。また、仕掛票9,10に書き込まれる情報としては、例えばインタNo、供給エリア、搬送先(売り場等)、書き込み回数、カードID等の情報が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る物品供給システムの一実施形態を示す概略図である。
【図2】図1に示す物品供給システムを採用して製造される製品に関する情報を示す表である。
【図3】図1に示す部品取出用仕掛票及び運搬用仕掛票を示す概略図である。
【図4】図1に示す仕掛票発行機の構成図である。
【図5】図1に示す部品取り出し装置の構成図である。
【図6】図5に示すコントローラによる処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す無人搬送車の構成図である。
【図8】図7に示すコントローラによる処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図9】図1に示す物品供給システムを採用して部品を供給する作業の流れを示すフローチャートである。
【図10】図1に示す物品供給システムを採用して部品を供給する作業の流れを示す概念図である。
【図11】図1に示す物品供給システムを複数並列に構成してなるシステムの概略図である。
【図12】図1に示す部品取出用仕掛票及び運搬用仕掛票に対する情報書き込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図1に示す部品取り出し装置による部品取り出し制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1…物品供給システム、4…仕掛票発行機(第1仕掛票発行機)、5…取り出し装置、6…仕掛票発行機(第2仕掛票発行機)、7…無人搬送車(運搬車)、8…物品棚(物品格納部)、9…部品取出用仕掛票(第1仕掛票)、10…運搬用仕掛票(第2仕掛票)、13…走行路、18…ランプ、20…仕掛票検出部、21…仕掛票リーダ、22…コントローラ、23,24…データベース(記憶手段)、25…ランプ駆動部、30…走行駆動部(運搬車制御手段)、32…起動ボタン(起動指示手段)、34…仕掛票検出部(運搬車制御手段)、35…仕掛票リーダ(運搬車制御手段)、36…コントローラ(運搬車制御手段)、A…供給エリア、B…製造ライン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を作るための部品を供給エリアの物品格納部から取り出して製造ラインに供給する物品供給システムであって、
前記製品のキー情報と前記部品の種類及び格納位置の情報を含む部品情報とを予め登録しておく記憶手段と、
前記製品のキー情報を第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、
前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を前記記憶手段に登録されたキー情報及び部品情報と照合し、前記キー情報に対応する部品を前記物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置とを備えることを特徴とする物品供給システム。
【請求項2】
前記製品のキー情報及び製造ライン情報を第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、
前記物品格納部から取り出された部品を前記製造ラインまで運搬する運搬車と、
前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報と前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、前記製造ライン情報に対応する製造ラインに前記運搬車を移動させる運搬車制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の物品供給システム。
【請求項3】
前記供給エリアは複数有し、
前記第1仕掛票発行機及び前記取り出し装置は、前記各供給エリアにそれぞれ設置されており、
前記運搬車制御手段は、前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、前記製造ライン情報に対応する部品が格納された前記物品格納部を有する前記供給エリアに前記運搬車を移動させる手段と、前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報と前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、前記製造ライン情報に対応する製造ラインに前記運搬車を移動させる手段とを有することを特徴とする請求項2記載の物品供給システム。
【請求項4】
前記運搬車は、走行路に沿って自動走行する無人搬送車であり、
前記運搬車制御手段は、起動指示手段により前記無人搬送車の走行が指示されると、前記無人搬送車を移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の物品供給システム。
【請求項5】
前記第1仕掛票に書き込まれるキー情報と、前記第2仕掛票に書き込まれるキー情報及び製造エリア情報とは、いずれも書き換え可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の物品供給システム。
【請求項6】
物品を供給エリアの物品格納部から取り出して搬送先に供給する物品供給システムであって、
前記物品のキー情報と前記物品の種類及び格納位置の情報を含む物品情報とを予め登録しておく記憶手段と、
前記物品のキー情報を書き換え可能な第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、
前記物品のキー情報及び搬送先情報を書き換え可能な第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、
前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を前記記憶手段に登録されたキー情報及び物品情報と照合し、前記キー情報に対応する物品を前記物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置と、
前記物品格納部から取り出された物品を前記搬送先まで運搬する運搬車と、
前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び搬送先情報を読み取り、前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報と前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、前記搬送先情報に対応する搬送先に前記運搬車を移動させる運搬車制御手段とを備えることを特徴とする物品供給システム。
【請求項1】
製品を作るための部品を供給エリアの物品格納部から取り出して製造ラインに供給する物品供給システムであって、
前記製品のキー情報と前記部品の種類及び格納位置の情報を含む部品情報とを予め登録しておく記憶手段と、
前記製品のキー情報を第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、
前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を前記記憶手段に登録されたキー情報及び部品情報と照合し、前記キー情報に対応する部品を前記物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置とを備えることを特徴とする物品供給システム。
【請求項2】
前記製品のキー情報及び製造ライン情報を第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、
前記物品格納部から取り出された部品を前記製造ラインまで運搬する運搬車と、
前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報と前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、前記製造ライン情報に対応する製造ラインに前記運搬車を移動させる運搬車制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の物品供給システム。
【請求項3】
前記供給エリアは複数有し、
前記第1仕掛票発行機及び前記取り出し装置は、前記各供給エリアにそれぞれ設置されており、
前記運搬車制御手段は、前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び製造ライン情報を読み取り、前記製造ライン情報に対応する部品が格納された前記物品格納部を有する前記供給エリアに前記運搬車を移動させる手段と、前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報と前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、前記製造ライン情報に対応する製造ラインに前記運搬車を移動させる手段とを有することを特徴とする請求項2記載の物品供給システム。
【請求項4】
前記運搬車は、走行路に沿って自動走行する無人搬送車であり、
前記運搬車制御手段は、起動指示手段により前記無人搬送車の走行が指示されると、前記無人搬送車を移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の物品供給システム。
【請求項5】
前記第1仕掛票に書き込まれるキー情報と、前記第2仕掛票に書き込まれるキー情報及び製造エリア情報とは、いずれも書き換え可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の物品供給システム。
【請求項6】
物品を供給エリアの物品格納部から取り出して搬送先に供給する物品供給システムであって、
前記物品のキー情報と前記物品の種類及び格納位置の情報を含む物品情報とを予め登録しておく記憶手段と、
前記物品のキー情報を書き換え可能な第1仕掛票に書き込む第1仕掛票発行機と、
前記物品のキー情報及び搬送先情報を書き換え可能な第2仕掛票に書き込む第2仕掛票発行機と、
前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報を読み取り、当該キー情報を前記記憶手段に登録されたキー情報及び物品情報と照合し、前記キー情報に対応する物品を前記物品格納部から取り出すための制御を行う手段を有する取り出し装置と、
前記物品格納部から取り出された物品を前記搬送先まで運搬する運搬車と、
前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報及び搬送先情報を読み取り、前記第1仕掛票に書き込まれたキー情報と前記第2仕掛票に書き込まれたキー情報とが一致したときに、前記搬送先情報に対応する搬送先に前記運搬車を移動させる運搬車制御手段とを備えることを特徴とする物品供給システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−272302(P2007−272302A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93971(P2006−93971)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
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