説明

物品計測方法およびその装置

【課題】本発明は、少ないセンサの数で物品の長さLと物品の幅Wに加えて物品の高さを検知できる物品計測方法およびその装置を提供することを目的とする。
【解決手段】物品13の移動方向と直角な方向に水平に光軸を配置した第1光センサ22と、前記移動方向と直角な方向とは第1所定角度α傾けて水平に光軸を配置した第2光センサ23と、前記移動方向に沿って、垂直な方向から斜めに第2所定角度β傾けて光軸を配置した第3光センサ24とを備え、第1光センサの光軸22aが、移動している物品13により遮光されている間の移動量と、第2光センサの光軸23aが、移動している物品13により遮光されている間の移動量と、第3光センサの光軸24aが、移動している物品13により遮光されている間の移動量を計測し、前記計測した移動量により物品長Lと物品幅Wと物品高さHを演算式により求める検出装置25を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の外観寸法等を計測する物品計測方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の物品の検知器(物品計測装置)を備えた仕分け設備の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている仕分け設備は、導入コンベヤによって所要の間隔で物品を仕分コンベヤに導入し、物品を仕分コンベヤによって搬送しつつ所定の分岐シュート上に仕分ける設備であり、仕分コンベヤは、コンベヤフレームに沿って多数設けられたスラットの移動によって、スラット上の物品を搬送するとともに、スラットにそれぞれ設けられた移動シューのスラット長手方向への移動によって、物品を押圧してスラット上から所定の分岐シュート上に仕分ける。
【0003】
物品の検知器は、導入コンベヤに配置されており、それぞれ発光部及び受光部を有する透過型光電管で構成された第1〜第3のセンサPH1,PH2,PH3によって、導入コンベヤにて搬送されている物品の幅W及び長さLを検知する。
【0004】
第1のセンサPH1においては、発光部及び受光部が、物品の移動方向と直交する方向に沿って対向して配置されており、移動方向と直交する検知方向を有する。すなわち発光部から発せられた光は、ベルトコンベヤの上方を移動方向と直交する方向に横切って、対向する受光部に入射する。
【0005】
また第2のセンサPH2においては、発光部及び受光部が、第1のセンサPH1の光路K1と所定の角度α1を以て交差する方向に沿って対向して配置されており、光路K1と所定の角度α1を以て交差する検知方向を有する。すなわち発光部から発せられた光は、ベルトコンベヤの上方を光路K1と所定の角度α1を以て交差する方向に横切って、対向する受光部に入射する。
【0006】
また第3のセンサPH3においては、発光部及び受光部が、光路K1と所定の角度α1を以て交差し、かつ、第2のセンサPH2の光路K2と所定の角度α2を以て交差する方向に沿って対向して配置されており、光路K1と所定の角度α1を以て交差し、かつ、光路K2と所定の角度α2を以て交差する検知方向を有する。すなわち発光部から発せられた光は、ベルトコンベヤの上方を光路K1と所定の角度α1を以て交差し、かつ、光路K2と所定の角度α2を以て交差する方向に横切って、対向する受光部に入射する。
【0007】
このように配置された各センサPH1,PH2,PH3が導入コンベヤにより搬送されている物品により遮光される時間と、ベルトコンベヤによる物品の搬送速度により、演算式により、物品の長さLと物品の幅Wを求める(演算式は省略する)。
【0008】
以上のように検知された物品の長さLと物品の幅Wに基づいて、導入コンベヤを作動又は停止させ、仕分コンベヤに導入される物品の間隔を、各物品の縦横比W/Lに応じて各物品毎の所要の間隔に調整している。すなわち、縦横比W/Lの値が1.0より小さく、分岐シュートへ分岐されるときに物品が傾くことにより後方へ突出する、物品の移動方向の長さ(物品旋回オーバハング量)の小さい物品は後続の物品との間隔が狭まるように各物品の間隔を調整し、また縦横比W/Lの値が1.0に近く、物品旋回オーバハング量の大きい物品ほど後続の物品との間隔が拡がるように各物品の間隔を調整している。
【特許文献1】特開平8−198440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記仕分けコンベヤにおいて、移動シューの移動によって、物品を押圧してスラット上から所定の分岐シュート上に仕分ける際に、物品が倒れてしまうと、物品を物品の移動に割付られた移動シューだけでは仕分けができない恐れや、物品が仕分けコンベヤのコンベヤフレーム上に倒れ、引っ掛かり、分岐シュートへ分岐できなくなる恐れがあった。
【0010】
物品が移動シューに押圧されて倒れてしまうかどうかは、物品の移動方向と直角な物品の幅Wと物品の高さHの比率で判断できる。しかし、従来の物品の検知器では、物品の高さHを検知できなかった。
【0011】
また従来の物品の検知器では、物品の長さLと物品の幅Wの検知に3台の透過型光電管で構成された第1〜第3のセンサPH1,PH2,PH3を必要としておりコストがかかることから、センサの削減が望まれていた。
【0012】
そこで、本発明は、少ないセンサの数で物品の長さLと物品の幅Wに加えて物品の高さを検知できる物品計測方法およびその装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、一定の搬送経路に沿って移動している物品の物品計測方法であって、
前記物品の移動方向と直角な方向に水平に設けた一線を、前記物品が通過している間の物品の移動量を計測して物品の移動方向の長さである物品長Lを求め、前記移動方向と直角な方向とは第1所定角度α傾けて水平に設けた一線を、前記物品が通過している間の物品の移動量Mを計測し、前記移動方向に沿って、垂直な方向から斜めに第2所定角度β傾けた一線を、前記物品が通過している間の物品の移動量Qを計測し、前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、物品の移動方向とは直角方向の長さである物品幅Wを、演算式
W=(M−L)÷tanα
により求め、前記計測した物品の移動量Qと、求めた物品長Lにより、物品の垂直方向の長さである物品高さHを、演算式
H=(Q−L)÷tanβ
により求めることを特徴とするものである。
【0014】
上記方法によれば、3つの一線を物品が通過する間の物品の移動量を計測することにより、物品長Lおよび物品幅Wに加えて物品高さHが求められる。したがって、少ないセンサの数で、物品長L、物品幅W、および物品高さHを計測することが可能になる。
【0015】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、物品幅Wに対する物品高さHの比率が、1.3未満のとき、物品は前記移動方向と直角な方向に押圧されても倒れる可能性はないと判断することを特徴とするものである。
【0016】
上記方法によれば、物品高さHが物品幅Wの1.3倍未満のときには、物品は横に押圧されても倒れる可能性はないと判断される。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記第1所定角度αを、物品が搬送経路より側方に設けた分岐経路に分岐される際に傾く角度θに設定し、前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、前記物品が傾くことにより後方へ突出する、物品の移動方向の長さである物品旋回オーバハング量Zを、演算式、
Z=M×cosθ−L
により求めることを特徴とするものである。
【0017】
上記方法によれば、物品長Lと物品の移動量Mを計測することにより、物品幅Wを演算して求めることなく、物品旋回オーバハング量Zが求められる。
また請求項4に記載の発明は、一定の搬送経路に沿って移動している物品の物品計測装置であって、
前記物品の移動方向と直角な方向に水平に光軸を配置した第1光センサと、前記移動方向と直角な方向とは第1所定角度α傾けて水平に光軸を配置した第2光センサと、前記移動方向に沿って、垂直な方向から斜めに第2所定角度β傾けて光軸を配置した第3光センサとを備え、前記第1光センサの光軸が、移動している物品により遮光されている間の物品の移動量を計測して物品の移動方向の長さである物品長Lを求め、前記第2光センサの光軸が、移動している物品により遮光されている間の物品の移動量Mを計測し、前記第3光センサの光軸が、移動している物品により遮光されている間の物品の移動量Qを計測し、前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、物品の移動方向とは直角方向の長さである物品幅Wを、演算式
W=(M−L)÷tanα
により求め、前記計測した物品の移動量Qと、求めた物品長Lにより、物品の垂直方向の長さである物品高さHを、演算式
H=(Q−L)÷tanβ
により求める検出装置を備えることを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、光センサの3つの光軸をそれぞれ物品が通過する間の物品の移動量を計測することにより、物品長Lおよび物品幅Wに加えて物品高さHが求められる。したがって、3つ光センサで、物品長L、物品幅W、および物品高さHを計測することができ、コストを低減できる。
【0019】
また請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明であって、前記検出装置は、物品幅Wに対する物品高さHの比率が、1.3未満のとき、物品は前記移動方向と直角な方向に押圧されても倒れる可能性はないと判断することを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、物品高さHが物品幅Wの1.3倍未満のときには、物品は横に押圧されても倒れる可能性はないと判断される。
また請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の発明であって、前記第2光センサの第1所定角度αを、物品が搬送経路より側方に設けた分岐経路に分岐される際に傾く角度θに設定し、前記検出装置は、前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、前記物品が傾くことにより後方へ突出する、物品の移動方向の長さである物品旋回オーバハング量Zを、演算式、
Z=M×cosθ−L
により求めることを特徴とするものである。
【0021】
上記構成によれば、物品長Lと物品の移動量Mを計測することにより、物品幅Wを演算して求めることなく、物品旋回オーバハング量Zが求められる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の物品の物品計測方法および装置は、搬送経路に3つの一線、または3つの光軸を配置し、これら一線または光軸をそれぞれ物品が通過する間の物品の移動量を計測することにより、物品長Lおよび物品幅Wに加えて、物品高さHを計測することができ、コストを低減できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における物品計測方法を実現する物品計測装置の構成図であり、ベルトコンベヤ装置11により形成される一定の搬送経路12に沿って移動している物品13の外観の寸法等(詳細は後述する)を計測している。
【0024】
前記ベルトコンベヤ装置11は、後述する第2光センサ23の光軸23aを搬送面14を通過させるために上流側ベルトコンベヤ装置11Aと下流側ベルトコンベヤ装置11Bに分離されており、各ベルトコンベヤ装置11A,11Bはともに、従動プーリ15と駆動プーリ16間に無端ベルト17を張設して形成され、各駆動プーリ16の回転軸には駆動モータ18が連結され、各駆動モータ18の駆動力により各ベルトコンベヤ装置11A,11Bは同速度(同物品13の搬送速度に相当する)で運転されている。また、上流側ベルトコンベヤ装置11Aの駆動モータ18にはパルスエンコーダ19が連結されている。
【0025】
本発明の物品計測装置21は、上流側ベルトコンベヤ装置11Aの下流端部に配設される3台の光センサ22,23,24と、これら光センサ22,23,24の検出信号およびパルスエンコーダ19のパルス出力信号により物品13の物品長(物品13の移動方向20の長さ)L、物品幅(物品13の移動方向20とは直角な方向の長さ)W、物品高さ(物品13の垂直方向の長さ)H、および物品旋回オーバハング量Zを演算により求めるコンピュータからなる検出装置25から構成されている。
【0026】
第1光センサ22は、透過型の光電スイッチであり、物品13の移動方向20と直角な方向に水平に光軸(物品長Lを求める一線の一例)22aが配置されている。
また第2光センサ23は、透過型の光電スイッチであり、移動方向20と直角な方向とは第1所定角度α傾けて水平に光軸(移動量Mを求める一線の一例)23aが配置されている。
【0027】
また第3光センサ24は、透過型の光電スイッチであり、移動方向20に沿って、垂直な方向から斜めに第2所定角度β傾けて光軸(移動量Qを求める一線の一例)24aが配置され、この光軸24aが、上流側ベルトコンベヤ装置11Aと下流側ベルトコンベヤ装置11Bとの間の隙間を通過するように配置されている。
【0028】
また検出装置25は、物品13の物品長L、物品幅W、および物品高さHを、下記のよう求めている。
第1光センサ22の光軸22aが、移動している物品13により遮光されている間に入力したパルスエンコーダ19のパルス数をカウントしてパルスカウント値C1を求め、また第2光センサ23の光軸23aが、移動している物品13により遮光されている間に入力したパルスエンコーダ19のパルス数をカウントしてパルスカウント値C2を求め、また第3光センサ24の光軸24aが、移動している物品により遮光されている間に入力したパルスエンコーダ19のパルス数をカウントしてパルスカウント値C3を求める。
【0029】
物品長Lは、図2に示すように、第1光センサ22の光軸22aが、移動している物品13により遮光されている時間に検出されたパルスカウント値C1に、1パルス当たりの無端ベルト17の移動量Sを乗算して得られることから、すなわち物品13が通過している間の物品13の移動量から得られることから、物品長Lは、式(1)により求められる。
【0030】
L=C1×S …(1)
また第2光センサ23の光軸23aが、移動している物品13により遮光されている時間に検出されたパルスカウント値C2に、1パルス当たりの無端ベルト17の移動量Sを乗算して得られる長さMは、すなわち物品13が通過している間の物品13の移動量Mは、
M=C2×S
で求められる。この移動量Mは、図3に示すように、
M=L+W×tanα
で表されるから、
W=(M−L)÷tanα
と表される。よって物品幅Wは、式(2)により求められる。
【0031】
W=(C2×S−L)÷tanα …(2)
また第3光センサ24の光軸24aが、移動している物品13により遮光されている時間に検出されたパルスカウント値C3に、1パルス当たりの無端ベルト17の移動量Sを乗算して得られる長さQは、すなわち物品13が通過している間の物品13の移動量Qは、
Q=C3×S
で求められる。この移動量Qは、図4に示すように、
Q=L+H×tanβ
で表されるから、
H=(Q−L)÷tanβ
と表され、よって物品高さHは、式(3)により求められる。
【0032】
H=(C3×S−L)÷tanβ …(3)
このように、検出装置25において、物品13の物品長L、物品幅W、および物品高さHが求められる。
【0033】
また求められた物品13の物品長L、物品幅W、および物品高さHの情報は、例えば、図5に示す物品13の仕分け設備において活用される。
図5に示すように、物品13の仕分け設備は、ベルトコンベヤ装置11から物品13を、コンベヤフレーム31に沿って多数設けられたスラット32に投入し、スラット32の移動によってスラット32上の物品13を搬送するとともに、スラット32にそれぞれ設けられた移動シュー33のスラット長手方向への移動によって、物品13を横から押圧してスラット32上から所定の分岐シュート(分岐経路の一例)34上に仕分ける。図5において、35は、移動シュー33を分岐シュート34へ向けて案内する分岐案内レールを示している。
【0034】
このような仕分け設備において、分岐シュート34に分岐される際に物品13が傾くことにより後方へ突出する、物品13の移動方向の長さである物品旋回オーバハング量Z{図6(b)}が問題となる。
【0035】
例えば、図5に示すように、移動シュー33のナンバー“8”〜“13”のスラット32に物品D1が載置され、移動シュー33のナンバー“14”のスラット32を空けて移動シュー33のナンバー“15”〜“19”のスラット32に物品D2が載置され、上流の物品D2が先に分岐され、物品D1が下流で分岐されると仮定する。この仮定において、移動シュー33のナンバー“15”〜“19”が正確に分岐案内レール35へ案内されて移動し物品D2が分岐されると問題は発生しないが、移動シュー33のナンバー“14”が分岐のために移動してしまっていた場合、次に移動シュー33のナンバー“8”〜“13”により物品D1を分岐するとき、物品D1の後部が後方へ突出するため、移動シュー33のナンバー“14”に接触して、物品D1の姿勢が変わり、分岐シュート34の側面に接触するなどの不具合が発生する恐れがある。したがって、単にスラット32を1つ空けるのではなく、物品旋回オーバハング量Zを考慮して物品13をスラット32へ投入する必要がある。
【0036】
物品旋回オーバハング量Zは、図6(b)に示すように、物品13が搬送経路より側方に設けた分岐シュート34に分岐される際に、移動シュー33が分岐案内レール35へ案内され、物品13が傾いて搬送されるときの移動方向の長さYから物品長Lを減算して求められる。
【0037】
Z=Y−L
第2光センサ23の第1所定角度αを、図6(a)に示すように、物品13が仕分けられる際に傾く角度θ(分岐案内レール35の設定角度)に設定すると、
M=L+W×tanθ
=(L×cosθ+W×sinθ)÷cosθ
と表され、
L×cosθ+W×sinθ=M×cosθ …(4)
と表される。また分岐の際の移動方向の長さYは、図6(b)に示すように、
Y=L×cosθ+W×sinθ
と表される。したがって、式(4)により、
Y=M×cosθ …(5)
と表される。物品旋回オーバハング量Zは、上述したように、
Z=Y−L
と表されるので、式(5)により
Z=M×cosθ−L
と表される。また
M=C2×S
で求められるので、
Z=C2×S×cosθ−L
と表される。よって、物品長Lとパルスカウント値C2が求められると、物品幅Wを求めることなく、物品旋回オーバハング量Zが求められる。
【0038】
したがって、物品旋回オーバハング量Zに基づいて物品13の前後間隔を考慮してベルトコンベヤ装置11から物品13の投入が実行される。
また物品13の物品長L、物品幅W、および物品高さHが求められると、仕分け設備において、移動シュー33のスラット長手方向への移動によって、物品13を押圧しているときに、物品13が倒れる可能性はあるかないかをチェックしている。物品幅Wに対する物品高さHの比率が、1.3未満か、すなわち、
H/W<1.3
が成立するかどうかをチェックし、満足するとき、仕分け設備における物品13の仕分けが可能と判断している。数値「1.3」は目安であるが、物品13の平均重量と移動シュー33の押圧力とスラット32における物品13の平均的な滑り度合いに基づいて、倒れにくいかどうかにより設定される。なお、物品幅Wに対する物品高さHの比率が、1.3以上、すなわち
H/W≧1.3
のとき、物品13は仕分けの際に倒れると判断して、警報を発して、たとえば信号灯を点灯して作業者に報知し、作業者によりこの物品13をベルトコンベヤ装置11から排除して仕分け設備に投入しないようにしている。物品13が倒れると、コンベヤフレーム31に接触したり、他の物品13に接触したりして、仕分けができなくなる恐れがある。なお、物品13を予め倒して姿勢を変更することができれば、ベルトコンベヤ装置11で倒す作業を実行してもよい。
【0039】
以上のように本実施の形態によれば、3つの光軸22a,23a,24aを物品13が通過する間のパルスエンコーダ19のパルス数を計測することにより、物品長Lおよび物品幅Wに加えて物品高さHを求めることができ、したがって、少ない3台の光センサ22,23,24で、物品長L、物品幅W、および物品高さHを計測することができ、コストを低減することができる。
【0040】
また本実施の形態によれば、物品高さHが物品幅Wの1.3倍未満のときには、物品13は横に押圧されても倒れる可能性はないと判断されることにより、仕分け設備において、物品13の倒れにより、物品13が仕分けできなくなる恐れを解消できる。
【0041】
また本実施の形態によれば、第2光センサ23の第1所定角度αを物品13が仕分けられる際に傾く角度θに設定することにより、物品幅Wを演算して求めることなく、簡易に物品旋回オーバハング量Zを求めることができ、この物品旋回オーバハング量Zを考慮して物品13の前後間隔を空けることにより、物品13が分岐中に移動シュー33に挟まれる恐れを回避できる。
【0042】
なお、本実施の形態では、パルスエンコーダ19のパルス数をカウントして物品13の移動量を計測しているが、光軸が物品13により遮断されている時間を測定し、この測定時間に、単位時間当たりに無端ベルト17が移動する量を乗算して物品13の移動量を求め、物品13の上記L,M,Q,Zを求めるようにしてもよい。
【0043】
また本実施の形態では、搬送経路をベルトコンベヤ装置11により形成しているが、物品13を姿勢が変わることなく搬送できる手段であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態における物品計測装置の構成図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は制御構成図である。
【図2】同物品計測装置における物品長の測定原理図である。
【図3】同物品計測装置における物品幅の測定原理図である。
【図4】同物品計測装置における物品高さの測定原理図である。
【図5】同物品計測装置において測定された物品旋回オーバハング量が使用される仕分け設備の構成図である。
【図6】同物品計測装置における物品旋回オーバハング量の測定原理図である。
【符号の説明】
【0045】
L 物品長
W 物品幅
H 物品高さ
S 1パルス当たりのベルトの移動量
Z 物品旋回オーバハング量
α 第2光センサの光軸の第1所定角度
β 第3光センサの光軸の第2所定角度
11 ベルトコンベヤ装置
12 搬送経路
13 物品
19 パルスエンコーダ
20 物品の移動方向
21 物品計測装置
22 第1光センサ
22a 光軸
23 第2光センサ
23a 光軸
24 第3光センサ
24a 光軸
25 検出装置
31 コンベヤフレーム
32 スラット
33 移動シュー
34 分岐シュート
35 分岐案内レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の搬送経路に沿って移動している物品の物品計測方法であって、
前記物品の移動方向と直角な方向に水平に設けた一線を、前記物品が通過している間の物品の移動量を計測して物品の移動方向の長さである物品長Lを求め、
前記移動方向と直角な方向とは第1所定角度α傾けて水平に設けた一線を、前記物品が通過している間の物品の移動量Mを計測し、
前記移動方向に沿って、垂直な方向から斜めに第2所定角度β傾けた一線を、前記物品が通過している間の物品の移動量Qを計測し、
前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、物品の移動方向とは直角方向の長さである物品幅Wを、演算式
W=(M−L)÷tanα
により求め、
前記計測した物品の移動量Qと、求めた物品長Lにより、物品の垂直方向の長さである物品高さHを、演算式
H=(Q−L)÷tanβ
により求めること
を特徴とする物品計測方法。
【請求項2】
物品幅Wに対する物品高さHの比率が、1.3未満のとき、物品は前記移動方向と直角な方向に押圧されても倒れる可能性はないと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の物品計測方法。
【請求項3】
前記第1所定角度αを、物品が搬送経路より側方に設けた分岐経路に分岐される際に傾く角度θに設定し、
前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、前記物品が傾くことにより後方へ突出する、物品の移動方向の長さである物品旋回オーバハング量Zを、演算式、
Z=M×cosθ−L
により求めること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品計測方法。
【請求項4】
一定の搬送経路に沿って移動している物品の物品計測装置であって、
前記物品の移動方向と直角な方向に水平に光軸を配置した第1光センサと、
前記移動方向と直角な方向とは第1所定角度α傾けて水平に光軸を配置した第2光センサと、
前記移動方向に沿って、垂直な方向から斜めに第2所定角度β傾けて光軸を配置した第3光センサと
を備え、
前記第1光センサの光軸が、移動している物品により遮光されている間の物品の移動量を計測して物品の移動方向の長さである物品長Lを求め、前記第2光センサの光軸が、移動している物品により遮光されている間の物品の移動量Mを計測し、前記第3光センサの光軸が、移動している物品により遮光されている間の物品の移動量Qを計測し、
前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、物品の移動方向とは直角方向の長さである物品幅Wを、演算式
W=(M−L)÷tanα
により求め、
前記計測した物品の移動量Qと、求めた物品長Lにより、物品の垂直方向の長さである物品高さHを、演算式
H=(Q−L)÷tanβ
により求める検出装置を備えること
を特徴とする物品計測装置。
【請求項5】
前記検出装置は、物品幅Wに対する物品高さHの比率が、1.3未満のとき、物品は前記移動方向と直角な方向に押圧されても倒れる可能性はないと判断すること
を特徴とする請求項4に記載の物品計測装置。
【請求項6】
前記第2光センサの第1所定角度αを、物品が搬送経路より側方に設けた分岐経路に分岐される際に傾く角度θに設定し、
前記検出装置は、前記計測した物品の移動量Mと、求めた物品長Lにより、前記物品が傾くことにより後方へ突出する、物品の移動方向の長さである物品旋回オーバハング量Zを、演算式、
Z=M×cosθ−L
により求めること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載の物品計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−250812(P2009−250812A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99852(P2008−99852)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】