物理的圧力によって微粒子を基材上に配置させる方法
本発明は、1つまたは2つ以上の微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻または、第1の陽刻が表面に形成された第1の基材を準備する第1の段階;及び前記第1の基材上に、複数の微粒子を置いた後、物理的圧力によって微粒子の一部または全部を第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させる第2の段階を含み;微粒子を基材上に配置させる方法を提供する。また、本発明は、少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材を準備する第1の段階;及び平坦な面(flat facet)なしに連続的な曲面のみに形状がなされた2つ以上の複数の微粒子などを前記第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に置いた後、物理的圧力によって第1の基材上に整列させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的圧力によって、好ましくは、溶媒なしに、微粒子を基材上に配置させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コロイド粒子のような微粒子などを基材上に1次元(1D)及び2次元(2D)整列(array)で組織化させる技術は、現代の科学及び技術で非常に重要な領域である([1] S. Wong, V. Kitaev, G. A. Ozin, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 15589; A. N. Shipway, E. Katz, I. Willner, Chem. Phys. Chem. 2000, 1, 18; M. P. Pileni, J. Phys. Chem. B 2001, 105, 3358; Y. Xia, B. Gates, Y. Yin, Y. Lu, Adv. Mater. 2000, 12, 693; C. L, Adv. Mater. 2003, 15, 1679; D. J. Norris, Y. A. Vlasov, Adv. Mater. 2001, 13, 371; Z. L. Wang, Adv. Mater. 1998, 10, 13; O. D. Velev, A. M. Lenhoff, Curr. Opin. Colloid Interface Sci. 2000, 5, 56)。高精密物質及び装置に有用な微粒子などの整列を得るために、微粒子などは対面的に(>mm)、欠点なしに単一層に整列されなければならないし、微粒子内の結晶配向及び格子対称に対する完璧な調節がなければならない。また、商業的な観点から、前記の整列化は、簡単、且つ速かになるべきであり、再現性がなければならない。しかし、多くの努力にもかかわらず、このような課題は解決されなかった。
【0003】
数ナノメーターから数百マイクロメーターサイズの様々な性質の均一な微粒子などを基材上に1次元、2次元及び3次元的に整列化させる技術は、1)記憶素子、2)線形及び非線形光学素子、3)光電気素子、4)1〜3次元光結晶、5)3次元的光結晶を形成するための鋳型基板、6)光導波路、7)グレーティング(grating)、8)フォトマスク及び蒸着マスク、9)センサー(抗原-抗体、DNA−DNA、蛋白質-蛋白質反応を用いた化学的、生化学的、医学的分子検出用センサー、pHセンサー、溶媒検出センサー)、10)光発光及び電界発光を用いた照明装置、11)染料感応太陽電池、薄膜太陽電池など、12)1次元、2次元、3次元光結晶レーザー、13)装飾用及び化粧品用色板、14)ラップ・オン・チップ(lap-on-a-chip)のための基板、15)極疎水性表面及び極親水性表面、16)多孔性膜、17)メゾ多孔物質の鋳型、18)太陽光を用いて二酸化炭素と水とをメタノールなどの液体燃料を生成するのに使用するメンブランなどで様々に応用される。従って、様々な性質、サイズ、形を有する微粒子などの1次元、2次元、3次元整列技術などが開発されてきた。
【0004】
基板上に微粒子などを整列化させる従来技術としては、スピンコーティング法(spincoating)、単純蒸発法(simple evaporation)、単純浸し後上昇コーティング法(dip-and-lift coating)、加熱浸し後上昇コーティング法(dip-and-lift coating with heating)、スリット浸し後上昇コーティング法(through-slit dip-and-lift coating)、反復的浸し後上昇コーティング法(repeated dip-and-lift coating)、移動蒸発コーティング法(mobile evaporation coating)、スリット充填法(slit packing)、LB法(Langmuir-Blodgett method)、反復的LB法(repeated Langmuir-Blodgett method)、電気泳動法(electrophoresis)、沈殿法(sedimentation)などがあるが、これらの全ては、自己組立(self assembly)及び溶媒を必要とする。しかし、このような方法は考慮する要素が非常に多く、このような要素などは整列過程に非常に敏感に影響を及ぼす。従って、溶液において自己−整列方式でコロイド粒子を大きい無欠点単一結晶に整列することは不可能である。
【0005】
また、これらの方法などは、下記のような問題点を有している。
(a)基板上に粒子が全然付かない領域が多い。すなわち、表面塗布率(coverage)が75%以下である。
(b)粒子が付着した領域の場合、自己組立(self assembly)を介して面心立方構造(face centered cubic,fcc)の面111のような六角密集構造を形成する領域と、ランダムに存在する領域とが共に存在するが、一般的に六角密集構造を成す領域があまり広くない。
(c)面心立方構造(face centered cubic,fcc)の面100のような四角密集配列を形成することができない。
(d)密集されない(non-close packed)四角及び六角構造の単層膜を形成することができない。
(e)多層膜の場合、基板上に付着した微粒子の総厚さが均一ではない。すなわち、基板の真中から縁に出るほど厚さが増加する。
(f)多層膜の場合、粒子などが2次元的には六角密集構造を形成して多少2次元的規則性(ordering)を見せてくれるが、ABABAB積層形態とABCABC積層形が混じっているから、3次元的に完璧な微粒子整列化を得ることができない。
(g)規則的な非密集構造(non-close packed)の多層膜を形成することができない。
(h)広い面積に適用し難い。
(i)自己組立によって形成された微粒子整列化に溶媒が蒸発した後、微粒子の収縮でよって亀裂が生ずる。
(j)精密な温度及び湿度調節が必要である。
(k)単層膜において粒子などが六角密集構造を形成する領域などが会う箇所で境界欠陷(grain boundary)などが多く現われる。
(l)サイズが大きく異なる粒子などを順次に積層させる場合、層間境界面で下層の配列状態が次の層につながらなくて微粒子などの3次元整列化が形成されることができない。
(m)単層膜の上に粒子などが更に置かれている場合が多くて正確な単層膜を形成し難い(LB法、 反複的LB法)。
(n)コロイド粒子に(+)または(−)電荷を帯びるように処理しなければならない(電気泳動法)。
【0006】
このような従来技術の問題点により、自己整列と溶媒に依存しない新しい方法が求められている。このような側面から、ナノロボット法(nanorobot method)があり、これは、走査電子顕微鏡内に装着されたナノロボットのアームを用いて粒子などを1つずつ取ってあげてパターンされた数百ナノメータ直径の井戸の中に置きながら極めて制限された領域内で非常に遅い速度で2次元及び3次元的に微粒子を整列化させる技術である(F. Garc, H. T. Miyazaki, A. Urqu, M. Ibisate, M. Belmonte, N. Shinya, F. Meseguer, C. L, Adv. Mater. 2002, 14, 1144)。しかし、(a)ナノロボットのアームが装着された走査電子顕微鏡のような高価の特殊装置を必要とし、(b)制限的な極めて小さい領域に対して3次元整列化を形成することができ、(c)非常に遅く(1つの粒子を置くのに最小2分以上必要とされる)、(d)実用性がない。
【0007】
さらに、基板上に微粒子などを整列化するとき、パターン化された基材を使用する従来技術としては、一定の間隔と対称で数百ナノメータまたは数マイクロメータサイズの円形井戸を規則的に配列させた基板に単純蒸発法または浸し後上昇コーティング法を使用して基板上に刻まれた円形井戸のパターンに基づいて、微粒子などを2次元及び3次元的に結晶のように整列化させる方法、パターンされた基板上自己組立積層法(pattern-induced colloidal crystallization by self assembly method);及び数百ナノメータまたは数マイクロメータサイズの井戸、チャンネルなどの様々な形とサイズのパターンが刻まれた基板上にコロイド粒子などを流して粒子などがパターンされた構造の中に1つまたは複数個が入って粒子などをパターンされた構造の中で結晶のように整列化させる方法(パターン内のコロイド結晶製造法;colloidal crystallization within patterned structures)がある。
【0008】
パターンされた基板上自己組立積層法(pattern-induced colloidal crystallization by self assembly method)の場合、
(a)基板のパターンに基づいて、1次元、2次元、3次元整列化速度が非常に遅く、
(b)1次元整列化の場合、1次元の溝またはチャンネルに沿って粒子などを満たして入れるので、チャンネル方向に応じては粒子が密集されて規則的に配列できるが、隣接したチャンネル中の粒子などの間には、横的(lateral)秩序度(ordering)を有するようにすることができず、
(c)2次元整列化の場合、基板に対して粒子塗布率(coverage)が100%未満であり、
(d)すなわち、塗布率が100%である完璧な四角密集及び六角密集構造の2次元整列化形成が不可能であり、
(e)正四角形ナノ井戸の場合、粒子の直径dとナノ井戸一辺の長さaが(0.7a<d≦a)の条件を満足する場合に限って基板のパターンに応じて3次元積層が可能であり、
(f)上記(e)項の場合、基板に刻まれたパターンの40%未満が3次元整列化に伝達され、
(g)従って、粒子の直径が、正四角形ナノ井戸一辺の長さaの70%以下である場合(d≦0.7a)と、一辺の長さより大きい場合(d>a)、基板に刻まれたパターンに応じて2次元及び3次元整列化が生じず、
(h)円形井戸を使用する場合、四角または六角密集構造の2次元整列化が形成されず、
(i)円形井戸の場合、粒子の直径が井戸の入口の直径よりも少し小さかったり極めて小さい場合に限って自発的に粒子が井戸の中に入るから、粒子の直径が円形井戸入口のサイズよりも大きい場合には、基板に刻まれたパターンに応じて1次元、2次元、3次元密集されたまたは密集されない(非密集)整列化を形成することができず、
(j)自己組立によって形成された微粒子整列化に溶媒が蒸発した後、微粒子の収縮によって亀裂が生ずる。
【0009】
一方、コロイド粒子よりもかなり大きいパターンされた構造物内コロイド結晶製法は、
(a)パターンされた井戸と溝内では、自己組立によってのみ微粒子が整列され、(b)欠陷が多くて、(c)速度が遅くて、(d)多くの溶媒を必要とし、(e)広い面積に適用し難く、(f)自己組立によって形成された微粒子整列化に溶媒が蒸発した後、微粒子の収縮によって亀裂が生じ、(g)精密な温度調節及び精密な湿度調節が必要である。
【0010】
本明細書の全体にかけて複数の論文及び特許文献が参照され、その引用が表示される。引用された論文及び特許文献の開示内容は、その全体が本明細書に参照として挿入され、本発明が属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
大韓民国特許第789661号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らは、既にラビング方式を用いて基質−分子体複合体を製造する方法を提示した(参照:大韓民国特許第789661号)。前記特許文献において、実施例は基質としてナノパターンされていない平面基材(例えば、ガラス板)を、分子体として平らな面(flat facets)を有したゼオライトを使用した。
【0013】
前記実施例と異なり、本発明者らは、実験を介して、平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた微粒子など(例えば、シリカビーズ(silica beads))を少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材(例えば、ポリエチレンイミンがコーティングされた偏平なガラス基材)上に置いた後にラビングのような物理的圧力をかけると、微粒子と基材との間の接触面が減少されて結合力が減少されるにもかかわらず、第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に微粒子などを六方密集(hexagonally packed)単一層(monolayer)で整列させ得るということを発見した(図6〜図8)。
【0014】
また、本発明者らは、実験を介して、1つまたは2つ以上の微粒子(例えば、球状コロイド粒子、球形以外の形状を有するゼオライト)の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻(例えば、ナノウェル(nanowell))または第1の陽刻(例えば、ピラー(pillar))が表面に形成された第1の基材上に複数の微粒子を置いた後にラビングのような物理的圧力によって微粒子の一部または全部を、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させることができ、これにより、前記第1の陰刻及び/または第1の陽刻を所定の形態にパターン化すると、前記のパターンに対応する配列(arrangement)方式で、微粒子のサイズ及び/または形状に無関係に、大面積(>cm)の1次元及び/または2次元の完全な微粒子整列を早い時間内に具現することができるということを発見した(図9〜図31)。
【0015】
本発明は、前記のような発見に基づいたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、1つまたは2つ以上の微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻または第1の陽刻が表面に形成された第1の基材を準備する第1の段階;及び前記第1の基材上に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子の一部または全部を第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる第1の方法を提供する(図1参照)。
【0017】
また、本発明は、少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材を準備する第1の段階;及び平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた2つ以上の複数の微粒子などを前記第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に置いた後に物理的圧力によって第1の基材上に整列させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる第2の方法を提供する(図2の(a)参照)。
【0018】
さらに、本発明は、前記記載された第1、第2の方法のそれぞれに応じて微粒子が第1の基材上に配置された組立体(assembly)を提供する。
【0019】
ひいては、本発明は、前記第1の方法を応用して粒子のサイズ及び/または粒子の形状が2種以上の微粒子混合物を使用して、孔隙のサイズ及び/または孔隙の形状に対応される微粒子と、そうではない微粒子とを分離させることを特徴とする方法を提供する。
【0020】
さらにひいては、本発明は、前記第1の方法に付加して、孔隙に挿入された微粒子のうち、孔隙の外に露出した部位を更に改質させることを特徴とする方法を提供する。
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、溶媒の使用及び自己組立が必須構成要素である従来の微粒子整列方法と異なり、溶媒内で微粒子などが自己組立されないようにラビングのような物理的圧力をかけて微粒子を基材上に配置させることが特徴である。
【0022】
従って、溶媒内微粒子などの自己組立のために必要である精密な温度と湿度の調節が必要ない。また、所望の方向へ基材表面上に粒子を早く移動させるから、基材上で粒子などの移動が表面特性(例えば、疎水性、電荷及びラフネス(roughness))によって影響を受けることを防いでくれる。
【0023】
また、溶媒に分散された微粒子を使用する従来の技術は、溶媒の毛細管現象によって微細孔隙内に微粒子がよく挿入されなくて微粒子挿入の可否が不規則であるが、これを解決するために、本発明は微粒子に物理的圧力をかけて微細孔隙内の微粒子を直接挿入させるので、すべての孔隙に微粒子を挿入させ得る。
【0024】
ひいては、本発明の方法は、パターンされた基材上に粒子を整列する過程において、微粒子のサイズ及び形に対して自己組立による整列より許容範囲(tolerance)がもっと大きい(図19のd、e、f)。
【0025】
本発明において、物理的圧力は基材をラビング(rubbing)またはプレッシングすることによってかかることができる。好ましくは、微粒子が置かれた第1の基材の表面と平行をなすように第1の部材300を配置し、第1の部材の往復運動を1回以上行って前記微粒子に物理的な圧力をかけるのが良い。
【0026】
前記第1の部材300の非制限的な例としては、徒手(bare hand)、ゴム手袋挟まった手、様々な幾何学的な形態を有した天然及び人工ゴム板、プラスチック板、PDMS(polydimethysiloxane)板などの弾性がある物質、ガラス板、シリコーンウエハーなどがある。
【0027】
一方、第2の段階に応じて第1の基材上に微粒子などを整列させた後、ランダムに固定されなかった残りの微粒子(図5)を粘着性を有する第2の部材で除去する段階を更に含むことができる(図1、図2の(a))。
【0028】
<第1の基材100>
本発明の最大の特徴の1つは、様々な基材に適用され得るということである。好ましくは、本発明に用いられる基材は、平面基材(flat substrate)、屈曲がある基材、または粘着剤が表面に特定パターンまたは形状でコーティングされるとか(図2の(b))、第1の陰刻または第1の陽刻が表面に形成され、表面がパターニングされた基材であり得る。また、第1の基材は、基板、ローラー、担持体であり得る。
【0029】
本発明に使用される第1の基材は、固体状基材であって、当業界で知られたどのような基材も用いることができる。第1の基材の非制限的な例としては、次の通りである:
1.シリコーン、アルミニウム、チタン、スズ及びインジウムなどの各種金属及び非金属元素などが単独または2種以上含まれている酸化物として表面にヒドロキシル基を有するすべての物質。例えば、石英、雲母、ガラス、ITOガラス(インジウムスズ酸化物が蒸着されたガラス)、スズ酸化物(SnO2)などの各種伝導性ガラス、溶融シリカ(fused silica)、非晶質シリカ、多孔性シリカ、アルミナ、多孔性アルミナ、水晶、サファイア、二酸化チタン、多孔性二酸化チタン及びシリコーンウエハーなど;
2.金、銀、銅、白金のようにチオール基(−SH)やアミン基(−NH2)と結合する金属、ニッケル及びステンレススチールなどのような金属;
3.表面に様々な官能基を有する重合体。例えば、表面に官能基があるポリ塩化ビニル(PVC)、メリフィールドペプチド樹脂(Merrifield peptide resin)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、(+)型または(−)型フォトレジスト(PR:photoresist)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:poly(methyl methacrylate))及びアクリル;
4.セレン化亜鉛(ZnSe)、砒素化ガリウム(GaAs)及びリン化インジウム(InP)などの半導体;
5.天然または合成ゼオライト及びその類似多孔性分子体;及び
6.セルロース、澱粉(アミロース及びアミロペクチン)及びリグニンなど表面にヒドロキシル基を有する天然高分子、合成高分子または伝導性高分子。
【0030】
好ましい第1の基材としては、シリコーンウエハー、または溶融シリカ(fused silica)ウエハーであり、さらに好ましくは、パターンされたフォトレジスト(PR)でコーティングされた溶融シリカ(fused silica)、またはシリコーンウエハーである。
【0031】
本発明において使用される第1の基材の面積は、特に制限されず、本発明は広い面積の基材にもよく適用されて微粒子などが全体面積にわたって全部完璧に整列され得る。
【0032】
<微粒子200>
一方、前記微粒子のサイズは、好ましくは1nm〜100マイクロメーター(μm)であることができ、より好ましくは10nm〜10マイクロメーター(μm)であり得る。
【0033】
前記第1の方法または第2の方法のうち、第2の段階で第1の基材上に置く微粒子は、溶媒に分散させない粉末形態であるとか、微粒子の体積に対して0〜10倍体積比、好ましくは、0〜3倍体積比の溶媒でコーティングまたは含浸または溶媒に分散したものであり得る。好ましくは、溶媒に分散させなかった乾燥された粉末状態の微粒子を使用するとか、微粒子に物理的圧力がかかる際に溶媒が潤滑油作用ができるほどに溶媒がコーティングまたは含浸された微粒子を使用するのが良い。
【0034】
パターンされたフォトレジスト(PR)でコーティングされた第1の基材を使用する場合、溶媒を使用して微粒子によるパターンされたPRのスクラッチを防止することができる。
【0035】
溶媒の非制限的な例としては、水、C1−6低級アルコールなどがある。
【0036】
微粒子の非制限的な例としては、有機高分子、無機高分子、無機物、金属粒子、磁性体、半導体または生体物質などがある。
【0037】
高分子微粒子の非制限的な例としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などがある。
【0038】
無機微粒子の非制限的な例としては、チタン酸化物、亜鉛酸化物、セリウム酸化物、スズ酸化物、タリウム酸化物、バリウム酸化物、アルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、ジルコニウム酸化物、銅酸化物、ニッケル酸化物、シリカなどがある。
【0039】
金属微粒子の非制限的な例としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、プラチナ、亜鉛、セリウム、タリウム、バリウム、イットリウム、ジルコニウム、スズ、チタン、カドミウム、鉄、またはそれらの合金などがある。
【0040】
半導体微粒子の非制限的な例としては、単一元素半導体(例えば、Si及びGe)、及び化合物半導体(例えば、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs及びInSb)などがある。
【0041】
また他の微粒子の非制限的な例としては、SiO2、TiO2、ITO(indium tin oxide)及びAl2O3などのような2成分系以上の主族金属及び転移金属元素の結晶性及び非結晶性カルコゼン化物;前記物質などのうち、2つの物質以上がコア/シェル(core/shell)またはコア/第1のシェル/第2のシェルの形態または様々な形態をなしているもの;蛍光を帯びるコア物質とこれを取り囲んだ様々な物質のシェル;2つの以上の物質がたまねぎのように層構造になる物質;有機及び無機微粒子の中に有機、無機または有無機蛍光分子などが規則的及び不規則的に分布された蛍光物質;磁気、半磁気、上磁気、強誘電体(ferroelectric)、フェリ誘電性(ferrielectric)、超伝導、伝導性、半導体または不導体性質を有した微粒子などがある。
【0042】
生体物質微粒子の非制限的な例としては、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、多糖類、オリゴ糖、脂質、細胞、それらの複合体がある。
【0043】
微粒子は、対称形状、非対称形状または無定形であることができ、その非制限的な形状としては、球形、半球形、キューブ形、四面体、五面体、六面体、直方体形、八面体、Y形、柱形、錐形などがある。
【0044】
微粒子は、多孔性または非多孔性であり得る。
【0045】
微粒子は、無機物であることが好ましく、特に、ゼオライトのような多孔性分子体でない非多孔性(non-porous)無機粒子であることが好ましい。
【0046】
また、微粒子は、平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた粒子であることができ、好ましくは球形の形状を有する。
【0047】
一方、第1の基材と微粒子とは、付加する物理的圧力によって水素結合、イオン結合、共有結合、配位結合またはファンデルワールス結合を形成することができる。好ましくは水素結合またはイオン結合であり、より好ましくは水素結合である。
【0048】
ひいては、第1の基材表面に形成された第1の陰刻101または第2の陽刻は、基材自体に石版術、レーザービーム、エッチングなどを介して直接刻印されるとか、ポジティブまたはネガティブフォトレジストによって形成されるとか、犠牲層をコーティングした後、レーザーアブレーションによって形成されるとか、インクジェット印刷法によって形成され得る。
【0049】
前記第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される個別的な孔隙のサイズは、1〜100,000nm、好ましくは5〜5,000nm、より好ましくは5〜1,000nmのサイズであり得る。
【0050】
第1の陰刻によって形成される孔隙形状または第1の陽刻の形状の非制限的な例としては、ナノ井戸(nanowell)、ナノ点(nanodot)、ナノ柱(nanopillar)、ナノ溝(nanotrench)またはナノ円錐(nanocone)などがある(図9のa、b、c)。
【0051】
本明細書において、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される個別的な孔隙のサイズは、例えば、ナノ井戸またはナノ柱の場合には直径、ナノ円錐の場合には下部の直径を意味する。また、個別的な孔隙の深さ/高さは、1nm〜10000μmであることができ、個別的な孔隙の底は、平たいとか緩やかな傾斜または曲面があり得る。
【0052】
また、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される孔隙の形状は、前記微粒子の配向を調節するために孔隙内に挿入される微粒子の所定部分の形状と対応されるように形成され得る(図3、図4の(b)、図25〜図30)。
【0053】
また、本発明は、孔隙のサイズ及び微粒子のサイズを調節して1つの孔隙に1つの微粒子または2つ以上の微粒子を挿入させることができ、また、各孔隙内の同一個数の微粒子が挿入されるようにすることもできる(図19)。
【0054】
2つ以上の微粒子を挿入する場合は、所望の個数の複数微粒子が、好ましくは所望の配向へ挿入するために、複数個の微粒子が形成する最外郭形状に対応されるように孔隙形状を形成させ得る(図4の(a)、(b)、図21)。
【0055】
また、第1の基材の表面に形成された第1の陰刻または第2の陽刻が第1の基材に直接形成された場合は、第1の基材の材料、基材上別途のコーティング層によって形成された場合は、コーティング層の材料が堅固(rigid)せずどの位弾力性があれば、第1の陰刻または第2の陽刻によって形成された孔隙の最大直径が1つの微粒子または同時に挿入される複数個の微粒子の最大直径よりも小さいとしても、本発明は、物理的圧力によって微粒子などを前記孔隙内に挿入させ得る。この場合、微粒子及び/または孔隙の形状の挿入前後に変形され得る(図19のd、e、f)。
【0056】
第1の陰刻によって形成される孔隙形状または第1の陽刻形状の断面形状は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、台形、菱形及び平行四辺形などのような多角形、楕円形、半月形、三日月形、花形及び星形などのような複合図形、直線形及び曲線形溝(trench)形態などの様々な幾何学的形態を有し得る(図9のa、b、c、図25)。本発明の特徴中の1つは、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される孔隙の形状に無関係に微粒子をほとんどすべての孔隙に挿入させて完璧に整列できるということである(図9〜図22、図27〜図30)。
【0057】
前記微粒子が挿入され、第1の基材上に形成される第1の陰刻及び/または第1の陽刻によって形成される孔隙のサイズ及び/または形状は、1種または2種以上であり得る(図19のa、b)。これは溶媒内微粒子の自己組立を利用せず、本発明に応じて複数の微粒子を物理的圧力によって孔隙に挿入させるから、第1の基材上に孔隙のサイズ及び/または形状が2種以上でも微粒子をほとんどすべての孔隙に挿入させ得るのである。
【0058】
また、本発明において、前記第1の基材は前記1つの第1の陰刻101の中に更に個別的な微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る2つ以上の第2の陰刻102を形成させ得る(図4の(a)、(b))。このとき、前記微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る前記第2の陰刻のサイズ及び/または形状は、1種または2種以上であり得る。
【0059】
ひいては、本発明は第1の基材の孔隙間の距離を調節することによって、孔隙に挿入される微粒子などは、隣接した微粒子と接触または離隔されるようにすることができる。これにより、密集(close packed)または非密集(non-close packed)構造の微粒子整列を形成することができる(図16、図19のc)。
【0060】
例えば、孔隙断面の向き合う2つの点間の最短距離が2〜1000nmであり得る。
【0061】
また、本発明は、第1の基材の各孔隙の位置を調節することによって、微粒子などを四方密集配列または六方密集配列などで任意的に整列することができる(図9のa、b、c、d、e、f)。
【0062】
一方、本発明によれば、第1の基材上の孔隙に挿入された微粒子が集まって1D、2D、3Dの特定パターンまたは形状を形成することができる。非制限的な例としては、1Dワイヤー(wires)、1Dストライプ(stripes)のような1次元パターン、2Dスクエアネットアレイ(square net array)のような2次元パターン、及びクリスタル(crystal)格子構造と類似する3次元パターンを形成することができる(図17、図18)。このとき、第1の基材上に形成された微粒子などの前記パターンまたは形状は、1つまたは2つ以上であり得る(図17のd、e、図18)。
【0063】
本発明では、微粒子によって形成されるパターンのサイズは、制限されないが、(長さ/幅/高さの上)1mm〜15cm、好ましくは5mm〜5cm、より好ましくは8mm〜2cmであり得る。
【0064】
本発明によれば、微粒子などは基材上にfcc100整列、fcc111整列またはこれらの混合整列で配置され得る(図17、図18)。すなわち、本発明は1つの基材上に同一の整列または対称性の異なる2つ以上の整列でも同時に微粒子などを配置させ得る(図17のd、e)。
【0065】
また、本発明は、微粒子単層(monolayer)製造だけでなく、多層も非常に簡便な方式で製造できるようにする。本発明は、前記第1の方法及び第2の方法によって微粒子などを単層(monolayer)で整列させ得るだけでなく、第2の段階の以後に形成された第1の単層の微粒子などのうち、3つ以上の微粒子によって形成される第2次孔隙に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子を挿入する第3の段階を追加して第2の単層を形成することができ、前記第3の段階を1回以上行うと、2層以上の多層で微粒子などを整列させ得る(図17、図19のa、b)。
【0066】
このとき、第1の単層(monolayer)を形成する微粒子と前記第2次孔隙に挿入される微粒子とが同一または相違することができる(図17のf、図19のa、b)。すなわち、微粒子が2つ層以上の多層で整列する際に、隣接した2つ層の各層を構成する微粒子は互いに同一である又は相違することができる。
【0067】
また、微粒子が2つ層以上の多層で整列する際に、隣接した2つ層の各パターンが同一である又は相違することができる。
【0068】
また、ラビングのような物理的圧力をかける過程の間にPEIのような接着剤を更に塗布することも好ましい。
【0069】
一方、微粒子表面及び/または第1の基材表面を接着性物質でコーティングされたものを使用することができる(図1、図2)。このとき、第2の段階の以後、微粒子表面及び/または第1の基材表面にコーティングされた接着性物質を除去する段階を更に含むことができる。
【0070】
前記接着性物質の非制限的な例としては、(i)−NH2基を有する化合物、(ii)−SH基を有する化合物、(iii)−OH基を有する化合物、(iv)高分子電解質、(v)ポリスチレン、(vi)フォトレジストを含む天然または合成化合物などがある。
【0071】
第1の基材表面を接着性物質でコーティングする場合は、簡単な方式及び短い時間に、第1の基材上に接着性物質に所望の整列及びパターン方式で第1の陰刻または第2の陰刻を付与し(図16のa、b)、物理的圧力を用いて微粒子を前記整列及びパターン方式で配置した後(図16のc、d)、前記接着性物質を除去することによって、偏平な基材上にフリースタンディング(free-standing)微粒子整列及びパターンを形成することができる(図16のe、f)。
【0072】
前記フォトレジストは、ポジティブ及びネガティブフォトレジストをいずれも含み、例えば、PMMA(Polymethylmethacrylate)、PMGI(PolyMethylGlutarimide)、DNQ/Novolac及びSU−8を含み、米国特許第5,492,793号、第5,747,622号、第5,468,589号、第4,491,628号、第5,679,495号、第6,379,861号、第6,329,125号、第5,206,317号、第6,146,793号、第6,165,682号、第6,340,734号、第6,028,154号、第6,042,989号、第5,882,844号、第5,691,396号、第5,731,126号、第5,985,524号、第6,531,260号及び第6,590,010号に開示されている。
【0073】
基材上にフォトレジスト(PR)を除去(peeling)する過程は、当業界に知られた様々な方法を用いて実施することができる。例えば、PRがコーティングされた基板をピーリング溶液に含浸(immersing)させるとか、またはピーリング溶液を基板上にシャワー−注射(shower-injecting)してPRを除去することができる。ピーリング溶液の非制限的な例としては、強アルカリ水溶液、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びメタノールなどがある。
【0074】
一方、前記本発明の方法によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体(assembly)は、整列された複数の微粒子の間に形成された孔隙の間及び表面に透明または不透明保護物質が更にコーティングまたは充填され得る。
【0075】
前記保護物質の非制限的な例としては、PDMS、熱可塑性高分子、伝導性高分子、プラスチック、ナフィオン(nafion)、セルロース、溶融させやすい金属、シリカ前駆体(precursor)、二酸化チタン前駆体(precursor)、金属酸化物前駆体または金属硫化物前駆体などがある。
【0076】
また、本発明によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体は、シリコーン含有化合物、チタン含有化合物、ナフィオン(Nafion)、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリアルコールなどの天然または人工高分子を更にコーティングして安定化させ得る。
【0077】
前記本発明の方法によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体(assembly)は、微粒子がn個層以上の多層で整列されたものであって(ここで、n=2以上の自然数)、隣接した第k層及び第k+1層(ここで、0<k<nであり、k=任意の自然数)において、第k+1層の微粒子は、第k層の微粒子上に直立して整列され得る(図24)。
【0078】
第k層の微粒子単層を形成した後、追って除去可能な高分子微粒子を前記第k層に形成された第2次孔隙に挿入した後、再び前記高分子微粒子によって形成された単層の孔隙に第k+1層の微粒子単層を形成し、続いて前記高分子を除去して製造され得る(図23、図24)。
【0079】
すなわち、中間体に隣接した第k層と第k+1層との間で第k層の微粒子などと第k+1層の微粒子などによって形成された孔隙に追って除去可能な高分子微粒子が挿入され得る(図23の(c))。
【0080】
ひいては、本発明に応じて微粒子を基材上に配置する方法を応用すれば、粒子のサイズ及び/または粒子の形状が2種以上である微粒子混合物を使用して、孔隙のサイズ及び/または孔隙の形状に対応される微粒子とそうではない微粒子を分離させ得る。
【0081】
また、孔隙に挿入された微粒子のうち、孔隙の外に露出した部位を更に物理的処理または化学的処理、化合物結合で改質させ得る(図3)。このとき、孔隙の形状を調節すれば、所望の配向へ微粒子を位置させ得るから、微粒子の所望の部位のみに表面改質ができる。
【発明の効果】
【0082】
本発明による方法は、短い時間で大量生産が可能であり;広い面積の基板上に単層及び多層の微粒子整列を実現することができ;同一の品質で様々な形態に微粒子が整列された組立体を提供することができる(品質再現性が高い)。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明による第1の方法の一具体例に関する工程図である。
【図2】(a)は、本発明による第2の方法の一具体例に関する工程図である。(b)は、粘着性物質Aを用いてパターンまたは形状で粘着性を帯びる表面を形成させた第1の基材100を示した模式図である。
【図3】パターンされた第1の基材100上の第1の陰刻101に微粒子200を一定配向に挿入して整列させたものを示した模式図である。ここで、矢印は、化学的処理などのような改質を示したものである。
【図4】(a)は、第1の基材上に第1の陰刻101と第2の陰刻102とがパターンされたものを示した模式図であり、(b)は、第1の陰刻101と第2の陰刻102とがパターンされた第1の基材100上に微粒子200が整列されたものを示した模式図である。
【図5】PEI−コーティングされたガラス板に1D及び2Dで整列化されたシリカビーズなどの上にランダムに付着した除去の前のシリカビーズのSEMイメージである。パネルa)1K倍率の2D整列化された単層上の1μmビーズ;パネルb)20K倍率の2D整列化された単層上の20nmシリカビーズ;パネルc)8K倍率のfcc100面上の300nmシリカビーズ;パネルd)8K倍率のfcc100面上の700nmシリカビーズ;パネルe)6K倍率の1Dワイヤのパラレルアレイ上の700nmシリカビーズ;及びパネルf)6K倍率の1Dストライプのパラレルアレイ上の700nmシリカビーズ。
【図6】ラビングによって平たいガラス板上にシリカビーズを整列化させて形成された単一層のSEMイメージである。0.8K(パネルa)及び7K(パネルb)倍率の1μmサイズのビーズ;5K(パネルc)及び35K(パネルd)倍率の200nmサイズのシリカビーズ;10K(パネルe)及び40K(パネルf)倍率の20nmサイズのシリカビーズ。
【図7】大面積(15×15cm2)上で本発明の方法の効率性を見せてくれるイメージである。パネルa)ベアガラス板のデジタルカメライメージ;パネルb)1μmシリカビーズがガラス板全面に2D整列化されてコーティングされたガラス板のデジタルカメライメージ;パネルc)2.5K倍率のパネルbに対するSEMイメージ;及びパネルd)15K倍率のパネルb)に対するSEMイメージ。
【図8】平たいガラス板上に2Dで整列化されたシリカビーズ単層のSEMイメージである。パネルa)2.5Kの700nmビーズ;パネルb)10Kの700nmビーズ;パネルc)2Kの500nmビーズ;パネルd)7Kの500nmビーズ;パネルe)10Kの20nmビーズ;及びパネルf)30Kの20nmビーズ。700nm及び500nmビーズの整列のために、0.125%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングし、20nmシリカビーズの整列のために、0.0625%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図9】ナノ構造2DアレイでパターンされたシリコーンウエハーのSEMイメージである。パネルa)直径500nm、深さ250nm及びピッチ700nmの四方体井戸アレイ;パネルb)長さ250nm、上部直径200nmの六方体井戸アレイ;パネルc)下部直径250nmの切断形円錐柱の2Dアレイ。前記アレイなどは、700nmシリカビーズをfcc100(パネルd)、fcc111(パネルe)及びfcc100(パネルf)面へ2Dで整列するための鋳型として用いられた。fcc100(パネルg)及びfcc111(パネルh)整列方式の700nmシリカビーズの2D整列化[パネル(a)〜(f);倍率=20K、パネル(g)〜(j);倍率=8K]。
【図10】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc100整列方式で2D整列された700nmシリカビーズ単層のSEMイメージである。パネルa)1K倍率;パネルb)3K倍率;パネルc)5K倍率;及びパネルd)10K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図11】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc111整列方式で2D整列された700nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)1K倍率;パネルb)5K倍率;パネルc)10K倍率;パネルd)15K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図12】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc100整列方式で2D整列された500nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)1K倍率;パネルb)5K倍率;パネルc)10K倍率;パネルd)15K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図13】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc111整列方式で2D整列された500nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)0.6K倍率;パネルb)2K倍率;パネルc)倍率4K;パネルd)9K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。図11〜図13のうち、パネル(a)及び(b)において、黒い点など(円(○)で表示したもの)はその位置でより小さいシリカビーズが存在するから表れるものである。
【図14】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc100整列方式で2D整列された300−nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)6K倍率;パネルb)10K倍率;パネルc)15K倍率。
【図15】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc111整列方式で2D整列された300−nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)6K倍率;パネルb)10K倍率;パネルc)15K倍率。
【図16】四方体アレイ(パネルa)及び六方体アレイ(パネルb)からなっており、500nm直径及び700nmピッチの井戸でパターンされた350nm厚さのフォトレジスト(PR)フィルムでコーティングされたシリコーンウエハーのSEMイメージである。基材a(パネルc)及び基材b(パネルd)上に整列された700nmシリカビーズの2D結晶などのSEMイメージである。メタノールでフォトレジスト(PR)を除去した後、平たいシリコーン基質上にfcc100(パネルe)及びfcc111(パネルf)整列方式で2D整列された700nmサイズのシリカビーズのフリースタンディング単層のSEMイメージである。
【図17】パターンされたシリコーンウエハー上に700nmシリカビーズが密集され、様々なパターンで1D、2D、3Dで整列されたSEMイメージである。1Dワイヤ(パネルa);fcc1001Dストライプ(パネルb);fcc1111Dストライプ(パネルc);混合した1Dストライプ(パネルd);2Dで互いに異なる対称であるfcc100及びfcc111が混合した整列パターン(パネルe);基材面に平行なfcc100面を有しながら、層−バイ−層方式(5つ層)で3Dパターンされた整列パターン(パネルf)。
【図18】シリコーンウエハー上にシリカビーズが様々なパターンで整列されたSEMイメージである。
【図19】700nmと300nmとのシリカビーズ(パネルa)、700nmと420nmとのシリカビーズ(パネルb)から構成されたバイナリー2D整列化されたパターンのSEMイメージ;420nmサイズのシリカビーズの非密集2D整列化されたパターンのSEMイメージ(パネルc);300nmシリカビーズ2つ(パネルd)、250nmシリカビーズ3つ(パネルe)及び230nmシリカビーズ4つ(パネルf)が密集された状態で非密集2Dアレイパターンを示すSEMイメージである。このとき、直径500nm、深さ250nm及びピッチ700nmを有するナノ井戸の四方体アレイでパターンされたシリコーンウエハーを使用した。
【図20】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上に整列された非密集2D500nmシリカビーズのSEMイメージである(倍率3K)。
【図21】4つのシリカビーズが形成する最外郭形状に対応される孔隙形状を有する第1の陰刻に複数個のシリカビーズなどが挿入されたものを示したSEMイメージである。
【図22】7つのシリカビーズが形成する最外郭形状に対応される孔隙形状を有する第1の陰刻に複数個のシリカビーズなどが挿入されたものを示したSEMイメージである。
【図23】(a)、(b)、(c)は、シリカビーズを雪だるま形状で整列するために、シリカビーズからなった第1の単層及び第2の単層の間で第1層のシリカビーズなどと第2層のシリカビーズなどによって形成された孔隙に追って除去可能な大きいナノ球形状のPMMA高分子微粒子が挿入されているものの製造工程図を示した模式図である。
【図24】図23でPMMA高分子微粒子を除去した後に残った雪だるま形状で整列されたシリカビーズなどを示した模式図である。
【図25】a軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子を各軸方向へ挿入するために、PRで微細パターン陰刻が形成されたシリコーンウエハーのSEMイメージである。
【図26】異方性(anisotropic)、コフィン形シリカライト−1結晶及び異方性リーフ形シリカライト−1結晶のSEMイメージ及びそれらの結晶軸を示したものである。
【図27】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図28】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図29】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図30】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図31】シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子を各軸方向へ挿入させて整列させ、か燒(calcine)によってPRを除去した後に残ったシリカ微粒子の配向が調節された整列を示すSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、実施例を介して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、ただ、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨に応じて本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないということは当業界における通常の知識を有する者において自明だろう。
【0085】
実施例
実験方法
本明細書の全体において、特定物質の濃度を表するために使用される“%”は、別の言及がない限り重量/重量%である。
<シリカビーズ製造>
NH4OH(35%、75ml)の存在下でエタノール(350ml)内のテトラエチルオルトシリケート(TEOS、20ml、Aldrich)を室温で加水分解する方式でストーバー方法(Stober,W.et al.,Journal Interface Science 26:62-69(1968))に応じて20〜1000nmサイズのシリカビーズを製造した。シリカ粒子のサイズは、TEOS及びNH4OHの濃度を変化させて調節した。例えば、500nmシリカビーズの場合、20mlのTEOSを350mlのエタノール及び75mlの35%NH4OHから構成された溶液に添加して室温で3時間攪拌して製造した。シリカビーズのサイズを500nmから700nmに増加させるために、16mlのTEOS及び8mlのNH4OHを同時に500nmシリカビーズを含む溶液に滴加した。より小さいサイズのシリカビーズは、TEOS及びNH4OHの量を減少させて得た。
生成されたシリカビーズをエタノールで3回洗浄した後、続いて水で3回洗浄した。
洗浄された粒子を凍結乾燥させた。粒子などのサイズの標準偏差は、2%であった。
【0086】
<粘着剤が表面コーティングされた第1の基材の準備>
ガラス板(2.5cm×2.5cm、Marienfield)をピラニア(piranha)溶液(H2SO4とH2O2の混合比7:3)の中に30分間入れた後に取り出して脱イオン蒸溜水で洗浄した。洗浄されたガラス板をエタノールに保管した。保管されたガラス板をエタノールから取り出して高純度窒素気流下で乾燥させた。このように乾燥したガラス板をスピンコーティング方式でポリエチレンイミン(PEI、Mw=25000、Aldrich)でコーティングした。初期スピン速度は、600rpmであり、1分間1000rpmまで漸進的に増加させた。
シリカビーズの単層アセンブリーをするためのPEIの濃度は、20nmシリカビーズの場合には、0.0625%であり、200〜300nmシリカビーズの場合には、0.125%であり、700〜1000nmビーズの場合には、0.5%であった。
【0087】
<直接パターン化された第1の基材の準備>
石版術(lithography)を用いてシリコーン基板上に四角または六角配列でナノ井戸またはナノ円錐を刻んだ[NNFC(National NanoFab Center、大韓民国)]。使用されたシリコーン基板のサイズは、1cm×1cmであった。ナノ井戸の直径は、700nmのシリカ粒子を整列させる場合は500nm、500nmのシリカ粒子を整列させる場合は300nm、300nmのシリカ粒子を整列させる場合は200nmになるようにした。ナノ井戸の深さは、250nmであった。ナノ井戸の中心間の距離(pitch)は、整列させようとするシリカ粒子のサイズと同様にした。例えば、700nmのシリカ粒子を整列させようとする場合、ナノ井戸の中心間の距離は、700nmになる。ナノ円錐の場合、底面の直径は250nm、上面の直径は200nmであり、高さは200nmであった。ナノ円錐の間隔も700nmのシリカ粒子を整列させる場合、700nmになるようにした。
【0088】
<PRを用いてパターン化された第1の基材の準備>
ナノ井戸が四方体(tetragonal)または六方体(hexagonal)アレイでパターンされたフォトレジスト(PR)がコーティングされたシリコーンウエハー(p−タイプ)は、NNFC(National NanoFab Center、大韓民国)で製作された。それぞれのウエハーのサイズは、1cm×1cmであった。PRに直接的に刻んだナノ井戸の直径は、700nm、500nm及び300nmのビーズに対して、それぞれ500nm、300nm及び200nmであった。ナノ井戸の深さは、直径に無関係に250nmであった。
【0089】
<ラビングによる微粒子の整列>
パターン化されたシリコーンウエハーまたはガラス板を基板として用いる場合、少量(2mg)のシリカビーズ粉末をPEIがコーティングされた基板(ガラス板またはパターンされたSiウエハー)に乗せた後にシリカビーズ粉末をPDMS[poly(dimethysiloxane)]板(4.0×4.0×0.5cm3)を用いて一定の方向へ反複的にスムーズにラビングし、ラビングは基板の表面が光の反射によって弱く虹色を表するまで約1分間実施した。
【0090】
<ラビングによるナノ井戸内微粒子の挿入>
パターンされたPRがコーティングされたシリコーンウエハーを基板として用いる場合、シリカビーズ粉末をパターンされたPRがコーティングされた基板に置いた後にシリカビーズ溶液をPDMS板を用いて単一方向へスムーズにラビングをした。このとき、水は潤滑剤の役割を果たしてパターンされたPR層の損傷を予防することができる。
【0091】
<単一層の製造>
ラビングが済んだ後、きれいなPDMS板でシリカビーズをコーティングしたガラス板またはシリコーンウエハーを軽く押さえるとか、柔らかいブラッシュで掃いてくれてランダムで物理的に吸着されたシリカ粒子などを、より強くて規則的に結合された1番目の層(単一層)から除去した。
【0092】
<多層の製造1>
1層ずつ多層積みをするために、一番目の層を550℃で1時間か燒させた。か燒された一番目のシリカビーズ層の上にPEI(0.5%)が溶解されているエタノール溶液1滴をスピンコーティングしてPEIをコーティングさせた後、やはりラビング方式で二番目のシリカビーズ層を積層した。このような過程を繰り返して所望の層数の厚さを有する3次元のシリカビーズ整列を形成した。
【0093】
<多層の製造2>
一番目の層を550℃で1時間か燒させた。か燒された一番目のシリカビーズ(200nm)層の上にPEI(0.5%)が溶解されているエタノール溶液1滴をスピンコーティングしてPEIをコーティングさせた後、やはりラビング方式で二番目のPMMA高分子球(700nm)層を積層した。続いて、PEIをコーティングさせた後、やはりラビング方式で三番目のシリカビーズ層を積層した(図23)。以後、焼成によってPMMA高分子球を焼けば、雪だるま形態のシリカビーズ層が形成された(図24)。このような過程を繰り返して所望の層数の厚さを有する3次元のシリカビーズ整列を形成することができる。
【0094】
実験結果
直径20nm〜1μmのシリカビーズを製造した。2.5×2.5及び15×15cm2面積のガラス板及び1.0×1.0cm2サイズのパターン化されたシリコーンウエハーを第1の基材として用いた。直径とピッチがそれぞれ200nmと300nm、350nmと500nm及び500nmと700nmである250nm深さのシリコーン井戸の4方体及び6方体アレイでパターン化されたシリコーンウエハーを製造した。同一の直径及びピッチの井戸の4方体及び6方体アレイを有する350nm厚さのPR(photoresist)フィルムでコーティングされたシリコーンウエハーを準備した。また、直径200nm(上部)及び250nm(下部)、そして、700nmピッチを有する250nm長さ切断形円錐シリコーンピラー(pillar)の4方体アレイでパターンされたシリコーンウエハー、そして、300nm及び700nmピッチの円筒形PRピラー(長さ=350nm、直径=200nm)の4方体アレイでパターンされたシリコーンウエハーを準備した。基材は“対称−構造−(井戸のサイズまたは下部の直径/ピッチ)−物質”で表され、対称形はT(4方体)またはH(六方体)、構造はWel(井戸)、Cyl(円筒)、またはCon(円錐)、そして、物質はSiまたはPR/Siで表されている。井戸の個数は、それぞれT−Wel−(500/700)−Si;14,286×14,286(2.0×108)、H−Wel−(500/700)−Si;14,286×16,496(2.4×108)、T−Wel−(350/500)−Si;20,000×20,000(4.0×108)、H−Wel−(350/500)−Si;20,000×23,094(4.6×108)、T−Wel−(200/300)−Si;33,333×33,333(11.1×108)、H−Wel−(200/200)−Si;33,333×38,490(12.8×108)である。
【0095】
乾燥した1μmサイズのビーズ少量(2mg)をPEI−コーティングされたガラス板に置いた後、PDMS[poly(dimethysiloxane)]プレート(4.0×4.0×0.3cm3)を用いて単一方向へ約30秒間スムーズに繰り返してラビングし(<1min)、基質の表面は、光の照射によって少し虹色を帯びた。SEMイメージで確認できるように、2Dで整列化された単層上部にランダムに凝集されて1μmサイズのシリカビーズが観察された(図5)。ランダムに凝集されたシリカビーズなどは、PDMSプレートでスムーズに押すことによって整列化された単層から容易に除去され、これにより、2.5×2.5cm2面積の全体ガラス板上に1μmサイズのシリカビーズになった2D高質整列化された単層が残るようになる(図6のパネルa、パネルb)。溶液における自己整列によって形成された単層と異なりに、単層を乾燥する必要がなかった。よって、乾燥過程の間に粒子の収縮によるクラック形成が生じなかった。
【0096】
さらに、本発明の方法は、15×15cm2のような非常に大きい基質においても同様に適用されたし(図7)、より小さなシリカビーズ、すなわち、700nm(図8)、500nm(図8)、200nm(図6のパネルc、パネルd)、60nm(図8)及び甚だしくは20nm(図6のパネルe及びパネルf)のシリカビーズにもよく適用されたし、このような結果は、本発明の方法がすべてのサイズの微粒子の整列に非常に効果的であることを明確に示す。
【0097】
同一の方法を、700nmサイズのシリカビーズ及びパターンされたシリコーン基材を用いて、すなわち、T−Wel−(500/700)−Si、H−Wel−(500/700)−Si、及びT−Con−(250/700)−Si(図9のパネルa〜c)上に単層整列するのに適用し、その結果、それぞれのシリカビーズは正確にそれぞれの井戸を占めることができ(図9のパネルd及びe)、また、4個の円錐によって取り囲まれているそれぞれの空間を占めたものであり(図9のパネルf)、これは、それぞれ面−中心立方体結晶[fcc100及びfcc111]の100及び111面の形態でビーズの完璧な整列を引き起こした。SEM分析によれば、シリカビーズは全体基材上に完璧な2D整列された単層を形成する(図9のパネルg及びh;図10〜図15)。
【0098】
同様に、本発明の方法は、基材としてT−Wel−(300/500)−Si、H−Wel−(300/500)−Si、T−Wel−(200/300)−Si、H−Wel−(200/300)−Siを用いた場合、全体1.0×1.0cm2の基質上にfcc100及びfcc111整列方式からなった500nm(図12、図13)及び300nm(図9のパネルi及びj、図14〜図15)シリカビーズの完璧な2D整列された単層を得ることができた。この結果は、センチメータサイズ(10インチサイズで増加させることができる)で調節された対称性及び配向性を有するシリカビーズの2D整列された単層を1分内に得ることができることを明確に示す。また、このように整列された単層は、結晶のような整列を有し、これらの正確な結晶軸は光学特性及び応用に有用に利用され得る。
【0099】
パターンされたPR、すなわち、T−Wel−(500/700)−PR/Si(図16のパネルa)及びH−Wel−(500/700)−PR/Si(図16のパネルb)にコーティングされたシリコーン基材を用いる場合にも同様の高質の巨大2D整列単層を得ることができる(図16のパネルc、d)。この場合、ラビングは、さらにスムーズにしなければならないが、その理由は、PRの機械的強度がシリコーンより弱いからである。
【0100】
PR−コーティングされた基材を使用する場合、PR層がメタノールによって容易に除去されるので、平たい基材上に支持されたフリースタンディング2D整列シリカ単層を得ることができるメリットがある(図16のパネルe、f)。このような方法は、様々な基材上に巨大2D整列微粒子単層を製造するのに利用され得る。
【0101】
事実、fcc100でコロイド粒子のパターン−誘導された整列は、大きな注目を浴びている(A. van Blaaderen, R. Ruel, P. Wiltzius, Nature 1997, 385, 321; J. P. Hoogenboom, C. Re´tif, E. de Bres, M. van de Boer, A. K. van Langen-Suurling, J. Romijn, A. van Blaaderen, Nano Lett. 2004, 4, 205; Y. Yin, Y. Lu, B. Gates, Y. Xia, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8718)。しかし、ピラー(井戸ではない)の4方体アレイにパターンされた基材だけが効果的であった(A.van Blaaderen,R.Ruel,P.Wiltzius,Nature 1997,385,321)。この場合、面積は本発明の面積の0.1%より小さな面積にもかかわらず、シリカビーズは、500×500位置(2.5×105位置)を完全に満たすことができなかった。さらに、fcc111整列方式で巨大(1cm2)単層整列化はパターンされた基材を使用しても達成され得なかった。
【0102】
また、本発明の方法は、1D整列、すなわち、ワイヤ整列(図17のパネルa)、fcc100ストライプ整列(図17のパネルb)、fcc111ストライプ整列(図17のパネルc)、及びそれらの混合整列(図17のパネルd)も実現することができる。
【0103】
また、2Dでfcc100及びfcc111の2つの部位にパターンされた整列も同時に実現可能である(図17のパネルe)。
【0104】
1つの基材で互いに異なる2種類の対称整列で微粒子などを位置させることは、以前には達成され得なかったことである。溶液内で粒子などの自己整列方式で1Dワイヤ及びストライプを製造することは知られているが(A. van Blaaderen, R. Ruel, P. Wiltzius, Nature 1997, 385, 321; J. P. Hoogenboom, C. Re´tif, E. de Bres, M. van de Boer, A. K. van Langen-Suurling, J. Romijn, A. van Blaaderen, Nano Lett. 2004, 4, 205; Y. Yin, Y. Lu, B. Gates, Y. Xia, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8718)、1D構造のアレイなどでシリカビーズの側整列(lateral ordering)は、従来に発表されたことがない。
【0105】
fcc100整列の同一サイズのビーズを用いて本発明の方法を繰り返しに実施すれば、1cm2サイズ上に100方向へ成長する完璧な3Dfcc微粒子整列を容易に得ることができ、これは、図17のパネルeにおいて700nmサイズのシリカビーズで立証した。
【0106】
T−Wel−(500/700)−Si上に整列された700nmシリカビーズの密集された第1層をか燒して他のサイズのシリカビーズの‘PEIコーティング’及び‘ラビング’のサイクルを実施して、4方体対称の互いに異なるサイズのシリカビーズから構成されたバイナリー2Dコロイド結晶を容易に製造した。例えば、T−Wel−(500/700)−Si上に形成された700nmシリカビーズの2D整列単層をか燒し、300nm及び420nmシリカビーズをラビングすれば、4方体対称の700nm/300nm(図19のパネルa)及び700nm/420nm(図19のパネルb)シリカビーズの2Dバイナリー整列を形成させ得る。
【0107】
700nm以下のシリカビーズなどがT−Wel−(500/700)−Si上に2D非密集整列化が容易に達成された。これは、500nm(図20)及び420nm(図19のパネルc)シリカビーズを用いて立証した。
【0108】
パターンされた井戸内に井戸直径と同一の或いは小さいシリカビーズを挿入させることは、fcc100、fcc111整列でシリカビーズを整列することより容易且つ迅速に達成され得る。興味深いことに、420nmシリカビーズの場合、シリカビーズを単一方向へラビングしてシリカビーズなどの全てをそれぞれの井戸の側面に付着させることができた。ビーズのサイズを300nm、250nm及び230nmで徐々に減少させた場合、2つ(図19のパネルd)、3つ(図19のパネルe)及び4つ(図19のパネルf)のビーズをそれぞれの500nm井戸内で入れた。従って、本発明の方法は、Xiaら(Y.Yin,Y.Lu,B.Gates,Y.Xia,J.Am.Chem.Soc.2001,123,8718)が溶液において自己整列方式で開発したコロイド粒子整列化をより容易かつ迅速にすることができる。
【0109】
本発明を適用する間に粒子に強い力をかけることは、シリコーン井戸とシリカビーズとの変形を招くということも興味深い事実である。例えば、2つの300nmビーズをそれぞれの井戸に収容できるように、500nm円形井戸は、卵形状の井戸に変形され、シリカビーズも変形されて卵形になった。図19のパネルfの場合、壁の厚さが徐々に薄くなってそれぞれの500nm井戸に4つの230nmのシリカビーズが収容された。このような結果は、井戸より約10%程度大きいシリカビーズがビーズと井戸との自然的な変形によって井戸内に挿入され得ることを明確に示し、本発明の方法は、コロイド粒子のサイズ及び形状の側面から溶液内の自己整列方法より柔軟性があることを示すものである。
【0110】
上述した実験結果などは、簡単性、迅速性、精密性、高い整列度及び大きい面積の整列生成のような、本発明の優れたメリットなどを立証している。
【0111】
以上、本発明の特定部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者において、このような具体的な技術はただ好ましい具現例だけであり、これにより、本発明の範囲が制限されるのではないことは明白である。従って、本発明の実質的な範囲は、添付された請求項とその等価物によって定義されるべきである。
【符号の説明】
【0112】
100: 第1の基材
101: 第1の陰刻
102: 第2の陰刻
200: 微粒子
A: 粘着性物質
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的圧力によって、好ましくは、溶媒なしに、微粒子を基材上に配置させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コロイド粒子のような微粒子などを基材上に1次元(1D)及び2次元(2D)整列(array)で組織化させる技術は、現代の科学及び技術で非常に重要な領域である([1] S. Wong, V. Kitaev, G. A. Ozin, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 15589; A. N. Shipway, E. Katz, I. Willner, Chem. Phys. Chem. 2000, 1, 18; M. P. Pileni, J. Phys. Chem. B 2001, 105, 3358; Y. Xia, B. Gates, Y. Yin, Y. Lu, Adv. Mater. 2000, 12, 693; C. L, Adv. Mater. 2003, 15, 1679; D. J. Norris, Y. A. Vlasov, Adv. Mater. 2001, 13, 371; Z. L. Wang, Adv. Mater. 1998, 10, 13; O. D. Velev, A. M. Lenhoff, Curr. Opin. Colloid Interface Sci. 2000, 5, 56)。高精密物質及び装置に有用な微粒子などの整列を得るために、微粒子などは対面的に(>mm)、欠点なしに単一層に整列されなければならないし、微粒子内の結晶配向及び格子対称に対する完璧な調節がなければならない。また、商業的な観点から、前記の整列化は、簡単、且つ速かになるべきであり、再現性がなければならない。しかし、多くの努力にもかかわらず、このような課題は解決されなかった。
【0003】
数ナノメーターから数百マイクロメーターサイズの様々な性質の均一な微粒子などを基材上に1次元、2次元及び3次元的に整列化させる技術は、1)記憶素子、2)線形及び非線形光学素子、3)光電気素子、4)1〜3次元光結晶、5)3次元的光結晶を形成するための鋳型基板、6)光導波路、7)グレーティング(grating)、8)フォトマスク及び蒸着マスク、9)センサー(抗原-抗体、DNA−DNA、蛋白質-蛋白質反応を用いた化学的、生化学的、医学的分子検出用センサー、pHセンサー、溶媒検出センサー)、10)光発光及び電界発光を用いた照明装置、11)染料感応太陽電池、薄膜太陽電池など、12)1次元、2次元、3次元光結晶レーザー、13)装飾用及び化粧品用色板、14)ラップ・オン・チップ(lap-on-a-chip)のための基板、15)極疎水性表面及び極親水性表面、16)多孔性膜、17)メゾ多孔物質の鋳型、18)太陽光を用いて二酸化炭素と水とをメタノールなどの液体燃料を生成するのに使用するメンブランなどで様々に応用される。従って、様々な性質、サイズ、形を有する微粒子などの1次元、2次元、3次元整列技術などが開発されてきた。
【0004】
基板上に微粒子などを整列化させる従来技術としては、スピンコーティング法(spincoating)、単純蒸発法(simple evaporation)、単純浸し後上昇コーティング法(dip-and-lift coating)、加熱浸し後上昇コーティング法(dip-and-lift coating with heating)、スリット浸し後上昇コーティング法(through-slit dip-and-lift coating)、反復的浸し後上昇コーティング法(repeated dip-and-lift coating)、移動蒸発コーティング法(mobile evaporation coating)、スリット充填法(slit packing)、LB法(Langmuir-Blodgett method)、反復的LB法(repeated Langmuir-Blodgett method)、電気泳動法(electrophoresis)、沈殿法(sedimentation)などがあるが、これらの全ては、自己組立(self assembly)及び溶媒を必要とする。しかし、このような方法は考慮する要素が非常に多く、このような要素などは整列過程に非常に敏感に影響を及ぼす。従って、溶液において自己−整列方式でコロイド粒子を大きい無欠点単一結晶に整列することは不可能である。
【0005】
また、これらの方法などは、下記のような問題点を有している。
(a)基板上に粒子が全然付かない領域が多い。すなわち、表面塗布率(coverage)が75%以下である。
(b)粒子が付着した領域の場合、自己組立(self assembly)を介して面心立方構造(face centered cubic,fcc)の面111のような六角密集構造を形成する領域と、ランダムに存在する領域とが共に存在するが、一般的に六角密集構造を成す領域があまり広くない。
(c)面心立方構造(face centered cubic,fcc)の面100のような四角密集配列を形成することができない。
(d)密集されない(non-close packed)四角及び六角構造の単層膜を形成することができない。
(e)多層膜の場合、基板上に付着した微粒子の総厚さが均一ではない。すなわち、基板の真中から縁に出るほど厚さが増加する。
(f)多層膜の場合、粒子などが2次元的には六角密集構造を形成して多少2次元的規則性(ordering)を見せてくれるが、ABABAB積層形態とABCABC積層形が混じっているから、3次元的に完璧な微粒子整列化を得ることができない。
(g)規則的な非密集構造(non-close packed)の多層膜を形成することができない。
(h)広い面積に適用し難い。
(i)自己組立によって形成された微粒子整列化に溶媒が蒸発した後、微粒子の収縮でよって亀裂が生ずる。
(j)精密な温度及び湿度調節が必要である。
(k)単層膜において粒子などが六角密集構造を形成する領域などが会う箇所で境界欠陷(grain boundary)などが多く現われる。
(l)サイズが大きく異なる粒子などを順次に積層させる場合、層間境界面で下層の配列状態が次の層につながらなくて微粒子などの3次元整列化が形成されることができない。
(m)単層膜の上に粒子などが更に置かれている場合が多くて正確な単層膜を形成し難い(LB法、 反複的LB法)。
(n)コロイド粒子に(+)または(−)電荷を帯びるように処理しなければならない(電気泳動法)。
【0006】
このような従来技術の問題点により、自己整列と溶媒に依存しない新しい方法が求められている。このような側面から、ナノロボット法(nanorobot method)があり、これは、走査電子顕微鏡内に装着されたナノロボットのアームを用いて粒子などを1つずつ取ってあげてパターンされた数百ナノメータ直径の井戸の中に置きながら極めて制限された領域内で非常に遅い速度で2次元及び3次元的に微粒子を整列化させる技術である(F. Garc, H. T. Miyazaki, A. Urqu, M. Ibisate, M. Belmonte, N. Shinya, F. Meseguer, C. L, Adv. Mater. 2002, 14, 1144)。しかし、(a)ナノロボットのアームが装着された走査電子顕微鏡のような高価の特殊装置を必要とし、(b)制限的な極めて小さい領域に対して3次元整列化を形成することができ、(c)非常に遅く(1つの粒子を置くのに最小2分以上必要とされる)、(d)実用性がない。
【0007】
さらに、基板上に微粒子などを整列化するとき、パターン化された基材を使用する従来技術としては、一定の間隔と対称で数百ナノメータまたは数マイクロメータサイズの円形井戸を規則的に配列させた基板に単純蒸発法または浸し後上昇コーティング法を使用して基板上に刻まれた円形井戸のパターンに基づいて、微粒子などを2次元及び3次元的に結晶のように整列化させる方法、パターンされた基板上自己組立積層法(pattern-induced colloidal crystallization by self assembly method);及び数百ナノメータまたは数マイクロメータサイズの井戸、チャンネルなどの様々な形とサイズのパターンが刻まれた基板上にコロイド粒子などを流して粒子などがパターンされた構造の中に1つまたは複数個が入って粒子などをパターンされた構造の中で結晶のように整列化させる方法(パターン内のコロイド結晶製造法;colloidal crystallization within patterned structures)がある。
【0008】
パターンされた基板上自己組立積層法(pattern-induced colloidal crystallization by self assembly method)の場合、
(a)基板のパターンに基づいて、1次元、2次元、3次元整列化速度が非常に遅く、
(b)1次元整列化の場合、1次元の溝またはチャンネルに沿って粒子などを満たして入れるので、チャンネル方向に応じては粒子が密集されて規則的に配列できるが、隣接したチャンネル中の粒子などの間には、横的(lateral)秩序度(ordering)を有するようにすることができず、
(c)2次元整列化の場合、基板に対して粒子塗布率(coverage)が100%未満であり、
(d)すなわち、塗布率が100%である完璧な四角密集及び六角密集構造の2次元整列化形成が不可能であり、
(e)正四角形ナノ井戸の場合、粒子の直径dとナノ井戸一辺の長さaが(0.7a<d≦a)の条件を満足する場合に限って基板のパターンに応じて3次元積層が可能であり、
(f)上記(e)項の場合、基板に刻まれたパターンの40%未満が3次元整列化に伝達され、
(g)従って、粒子の直径が、正四角形ナノ井戸一辺の長さaの70%以下である場合(d≦0.7a)と、一辺の長さより大きい場合(d>a)、基板に刻まれたパターンに応じて2次元及び3次元整列化が生じず、
(h)円形井戸を使用する場合、四角または六角密集構造の2次元整列化が形成されず、
(i)円形井戸の場合、粒子の直径が井戸の入口の直径よりも少し小さかったり極めて小さい場合に限って自発的に粒子が井戸の中に入るから、粒子の直径が円形井戸入口のサイズよりも大きい場合には、基板に刻まれたパターンに応じて1次元、2次元、3次元密集されたまたは密集されない(非密集)整列化を形成することができず、
(j)自己組立によって形成された微粒子整列化に溶媒が蒸発した後、微粒子の収縮によって亀裂が生ずる。
【0009】
一方、コロイド粒子よりもかなり大きいパターンされた構造物内コロイド結晶製法は、
(a)パターンされた井戸と溝内では、自己組立によってのみ微粒子が整列され、(b)欠陷が多くて、(c)速度が遅くて、(d)多くの溶媒を必要とし、(e)広い面積に適用し難く、(f)自己組立によって形成された微粒子整列化に溶媒が蒸発した後、微粒子の収縮によって亀裂が生じ、(g)精密な温度調節及び精密な湿度調節が必要である。
【0010】
本明細書の全体にかけて複数の論文及び特許文献が参照され、その引用が表示される。引用された論文及び特許文献の開示内容は、その全体が本明細書に参照として挿入され、本発明が属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
大韓民国特許第789661号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らは、既にラビング方式を用いて基質−分子体複合体を製造する方法を提示した(参照:大韓民国特許第789661号)。前記特許文献において、実施例は基質としてナノパターンされていない平面基材(例えば、ガラス板)を、分子体として平らな面(flat facets)を有したゼオライトを使用した。
【0013】
前記実施例と異なり、本発明者らは、実験を介して、平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた微粒子など(例えば、シリカビーズ(silica beads))を少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材(例えば、ポリエチレンイミンがコーティングされた偏平なガラス基材)上に置いた後にラビングのような物理的圧力をかけると、微粒子と基材との間の接触面が減少されて結合力が減少されるにもかかわらず、第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に微粒子などを六方密集(hexagonally packed)単一層(monolayer)で整列させ得るということを発見した(図6〜図8)。
【0014】
また、本発明者らは、実験を介して、1つまたは2つ以上の微粒子(例えば、球状コロイド粒子、球形以外の形状を有するゼオライト)の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻(例えば、ナノウェル(nanowell))または第1の陽刻(例えば、ピラー(pillar))が表面に形成された第1の基材上に複数の微粒子を置いた後にラビングのような物理的圧力によって微粒子の一部または全部を、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させることができ、これにより、前記第1の陰刻及び/または第1の陽刻を所定の形態にパターン化すると、前記のパターンに対応する配列(arrangement)方式で、微粒子のサイズ及び/または形状に無関係に、大面積(>cm)の1次元及び/または2次元の完全な微粒子整列を早い時間内に具現することができるということを発見した(図9〜図31)。
【0015】
本発明は、前記のような発見に基づいたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、1つまたは2つ以上の微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻または第1の陽刻が表面に形成された第1の基材を準備する第1の段階;及び前記第1の基材上に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子の一部または全部を第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる第1の方法を提供する(図1参照)。
【0017】
また、本発明は、少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材を準備する第1の段階;及び平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた2つ以上の複数の微粒子などを前記第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に置いた後に物理的圧力によって第1の基材上に整列させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる第2の方法を提供する(図2の(a)参照)。
【0018】
さらに、本発明は、前記記載された第1、第2の方法のそれぞれに応じて微粒子が第1の基材上に配置された組立体(assembly)を提供する。
【0019】
ひいては、本発明は、前記第1の方法を応用して粒子のサイズ及び/または粒子の形状が2種以上の微粒子混合物を使用して、孔隙のサイズ及び/または孔隙の形状に対応される微粒子と、そうではない微粒子とを分離させることを特徴とする方法を提供する。
【0020】
さらにひいては、本発明は、前記第1の方法に付加して、孔隙に挿入された微粒子のうち、孔隙の外に露出した部位を更に改質させることを特徴とする方法を提供する。
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、溶媒の使用及び自己組立が必須構成要素である従来の微粒子整列方法と異なり、溶媒内で微粒子などが自己組立されないようにラビングのような物理的圧力をかけて微粒子を基材上に配置させることが特徴である。
【0022】
従って、溶媒内微粒子などの自己組立のために必要である精密な温度と湿度の調節が必要ない。また、所望の方向へ基材表面上に粒子を早く移動させるから、基材上で粒子などの移動が表面特性(例えば、疎水性、電荷及びラフネス(roughness))によって影響を受けることを防いでくれる。
【0023】
また、溶媒に分散された微粒子を使用する従来の技術は、溶媒の毛細管現象によって微細孔隙内に微粒子がよく挿入されなくて微粒子挿入の可否が不規則であるが、これを解決するために、本発明は微粒子に物理的圧力をかけて微細孔隙内の微粒子を直接挿入させるので、すべての孔隙に微粒子を挿入させ得る。
【0024】
ひいては、本発明の方法は、パターンされた基材上に粒子を整列する過程において、微粒子のサイズ及び形に対して自己組立による整列より許容範囲(tolerance)がもっと大きい(図19のd、e、f)。
【0025】
本発明において、物理的圧力は基材をラビング(rubbing)またはプレッシングすることによってかかることができる。好ましくは、微粒子が置かれた第1の基材の表面と平行をなすように第1の部材300を配置し、第1の部材の往復運動を1回以上行って前記微粒子に物理的な圧力をかけるのが良い。
【0026】
前記第1の部材300の非制限的な例としては、徒手(bare hand)、ゴム手袋挟まった手、様々な幾何学的な形態を有した天然及び人工ゴム板、プラスチック板、PDMS(polydimethysiloxane)板などの弾性がある物質、ガラス板、シリコーンウエハーなどがある。
【0027】
一方、第2の段階に応じて第1の基材上に微粒子などを整列させた後、ランダムに固定されなかった残りの微粒子(図5)を粘着性を有する第2の部材で除去する段階を更に含むことができる(図1、図2の(a))。
【0028】
<第1の基材100>
本発明の最大の特徴の1つは、様々な基材に適用され得るということである。好ましくは、本発明に用いられる基材は、平面基材(flat substrate)、屈曲がある基材、または粘着剤が表面に特定パターンまたは形状でコーティングされるとか(図2の(b))、第1の陰刻または第1の陽刻が表面に形成され、表面がパターニングされた基材であり得る。また、第1の基材は、基板、ローラー、担持体であり得る。
【0029】
本発明に使用される第1の基材は、固体状基材であって、当業界で知られたどのような基材も用いることができる。第1の基材の非制限的な例としては、次の通りである:
1.シリコーン、アルミニウム、チタン、スズ及びインジウムなどの各種金属及び非金属元素などが単独または2種以上含まれている酸化物として表面にヒドロキシル基を有するすべての物質。例えば、石英、雲母、ガラス、ITOガラス(インジウムスズ酸化物が蒸着されたガラス)、スズ酸化物(SnO2)などの各種伝導性ガラス、溶融シリカ(fused silica)、非晶質シリカ、多孔性シリカ、アルミナ、多孔性アルミナ、水晶、サファイア、二酸化チタン、多孔性二酸化チタン及びシリコーンウエハーなど;
2.金、銀、銅、白金のようにチオール基(−SH)やアミン基(−NH2)と結合する金属、ニッケル及びステンレススチールなどのような金属;
3.表面に様々な官能基を有する重合体。例えば、表面に官能基があるポリ塩化ビニル(PVC)、メリフィールドペプチド樹脂(Merrifield peptide resin)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、(+)型または(−)型フォトレジスト(PR:photoresist)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:poly(methyl methacrylate))及びアクリル;
4.セレン化亜鉛(ZnSe)、砒素化ガリウム(GaAs)及びリン化インジウム(InP)などの半導体;
5.天然または合成ゼオライト及びその類似多孔性分子体;及び
6.セルロース、澱粉(アミロース及びアミロペクチン)及びリグニンなど表面にヒドロキシル基を有する天然高分子、合成高分子または伝導性高分子。
【0030】
好ましい第1の基材としては、シリコーンウエハー、または溶融シリカ(fused silica)ウエハーであり、さらに好ましくは、パターンされたフォトレジスト(PR)でコーティングされた溶融シリカ(fused silica)、またはシリコーンウエハーである。
【0031】
本発明において使用される第1の基材の面積は、特に制限されず、本発明は広い面積の基材にもよく適用されて微粒子などが全体面積にわたって全部完璧に整列され得る。
【0032】
<微粒子200>
一方、前記微粒子のサイズは、好ましくは1nm〜100マイクロメーター(μm)であることができ、より好ましくは10nm〜10マイクロメーター(μm)であり得る。
【0033】
前記第1の方法または第2の方法のうち、第2の段階で第1の基材上に置く微粒子は、溶媒に分散させない粉末形態であるとか、微粒子の体積に対して0〜10倍体積比、好ましくは、0〜3倍体積比の溶媒でコーティングまたは含浸または溶媒に分散したものであり得る。好ましくは、溶媒に分散させなかった乾燥された粉末状態の微粒子を使用するとか、微粒子に物理的圧力がかかる際に溶媒が潤滑油作用ができるほどに溶媒がコーティングまたは含浸された微粒子を使用するのが良い。
【0034】
パターンされたフォトレジスト(PR)でコーティングされた第1の基材を使用する場合、溶媒を使用して微粒子によるパターンされたPRのスクラッチを防止することができる。
【0035】
溶媒の非制限的な例としては、水、C1−6低級アルコールなどがある。
【0036】
微粒子の非制限的な例としては、有機高分子、無機高分子、無機物、金属粒子、磁性体、半導体または生体物質などがある。
【0037】
高分子微粒子の非制限的な例としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などがある。
【0038】
無機微粒子の非制限的な例としては、チタン酸化物、亜鉛酸化物、セリウム酸化物、スズ酸化物、タリウム酸化物、バリウム酸化物、アルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、ジルコニウム酸化物、銅酸化物、ニッケル酸化物、シリカなどがある。
【0039】
金属微粒子の非制限的な例としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、プラチナ、亜鉛、セリウム、タリウム、バリウム、イットリウム、ジルコニウム、スズ、チタン、カドミウム、鉄、またはそれらの合金などがある。
【0040】
半導体微粒子の非制限的な例としては、単一元素半導体(例えば、Si及びGe)、及び化合物半導体(例えば、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs及びInSb)などがある。
【0041】
また他の微粒子の非制限的な例としては、SiO2、TiO2、ITO(indium tin oxide)及びAl2O3などのような2成分系以上の主族金属及び転移金属元素の結晶性及び非結晶性カルコゼン化物;前記物質などのうち、2つの物質以上がコア/シェル(core/shell)またはコア/第1のシェル/第2のシェルの形態または様々な形態をなしているもの;蛍光を帯びるコア物質とこれを取り囲んだ様々な物質のシェル;2つの以上の物質がたまねぎのように層構造になる物質;有機及び無機微粒子の中に有機、無機または有無機蛍光分子などが規則的及び不規則的に分布された蛍光物質;磁気、半磁気、上磁気、強誘電体(ferroelectric)、フェリ誘電性(ferrielectric)、超伝導、伝導性、半導体または不導体性質を有した微粒子などがある。
【0042】
生体物質微粒子の非制限的な例としては、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、多糖類、オリゴ糖、脂質、細胞、それらの複合体がある。
【0043】
微粒子は、対称形状、非対称形状または無定形であることができ、その非制限的な形状としては、球形、半球形、キューブ形、四面体、五面体、六面体、直方体形、八面体、Y形、柱形、錐形などがある。
【0044】
微粒子は、多孔性または非多孔性であり得る。
【0045】
微粒子は、無機物であることが好ましく、特に、ゼオライトのような多孔性分子体でない非多孔性(non-porous)無機粒子であることが好ましい。
【0046】
また、微粒子は、平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた粒子であることができ、好ましくは球形の形状を有する。
【0047】
一方、第1の基材と微粒子とは、付加する物理的圧力によって水素結合、イオン結合、共有結合、配位結合またはファンデルワールス結合を形成することができる。好ましくは水素結合またはイオン結合であり、より好ましくは水素結合である。
【0048】
ひいては、第1の基材表面に形成された第1の陰刻101または第2の陽刻は、基材自体に石版術、レーザービーム、エッチングなどを介して直接刻印されるとか、ポジティブまたはネガティブフォトレジストによって形成されるとか、犠牲層をコーティングした後、レーザーアブレーションによって形成されるとか、インクジェット印刷法によって形成され得る。
【0049】
前記第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される個別的な孔隙のサイズは、1〜100,000nm、好ましくは5〜5,000nm、より好ましくは5〜1,000nmのサイズであり得る。
【0050】
第1の陰刻によって形成される孔隙形状または第1の陽刻の形状の非制限的な例としては、ナノ井戸(nanowell)、ナノ点(nanodot)、ナノ柱(nanopillar)、ナノ溝(nanotrench)またはナノ円錐(nanocone)などがある(図9のa、b、c)。
【0051】
本明細書において、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される個別的な孔隙のサイズは、例えば、ナノ井戸またはナノ柱の場合には直径、ナノ円錐の場合には下部の直径を意味する。また、個別的な孔隙の深さ/高さは、1nm〜10000μmであることができ、個別的な孔隙の底は、平たいとか緩やかな傾斜または曲面があり得る。
【0052】
また、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される孔隙の形状は、前記微粒子の配向を調節するために孔隙内に挿入される微粒子の所定部分の形状と対応されるように形成され得る(図3、図4の(b)、図25〜図30)。
【0053】
また、本発明は、孔隙のサイズ及び微粒子のサイズを調節して1つの孔隙に1つの微粒子または2つ以上の微粒子を挿入させることができ、また、各孔隙内の同一個数の微粒子が挿入されるようにすることもできる(図19)。
【0054】
2つ以上の微粒子を挿入する場合は、所望の個数の複数微粒子が、好ましくは所望の配向へ挿入するために、複数個の微粒子が形成する最外郭形状に対応されるように孔隙形状を形成させ得る(図4の(a)、(b)、図21)。
【0055】
また、第1の基材の表面に形成された第1の陰刻または第2の陽刻が第1の基材に直接形成された場合は、第1の基材の材料、基材上別途のコーティング層によって形成された場合は、コーティング層の材料が堅固(rigid)せずどの位弾力性があれば、第1の陰刻または第2の陽刻によって形成された孔隙の最大直径が1つの微粒子または同時に挿入される複数個の微粒子の最大直径よりも小さいとしても、本発明は、物理的圧力によって微粒子などを前記孔隙内に挿入させ得る。この場合、微粒子及び/または孔隙の形状の挿入前後に変形され得る(図19のd、e、f)。
【0056】
第1の陰刻によって形成される孔隙形状または第1の陽刻形状の断面形状は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、台形、菱形及び平行四辺形などのような多角形、楕円形、半月形、三日月形、花形及び星形などのような複合図形、直線形及び曲線形溝(trench)形態などの様々な幾何学的形態を有し得る(図9のa、b、c、図25)。本発明の特徴中の1つは、第1の陰刻または第1の陽刻によって形成される孔隙の形状に無関係に微粒子をほとんどすべての孔隙に挿入させて完璧に整列できるということである(図9〜図22、図27〜図30)。
【0057】
前記微粒子が挿入され、第1の基材上に形成される第1の陰刻及び/または第1の陽刻によって形成される孔隙のサイズ及び/または形状は、1種または2種以上であり得る(図19のa、b)。これは溶媒内微粒子の自己組立を利用せず、本発明に応じて複数の微粒子を物理的圧力によって孔隙に挿入させるから、第1の基材上に孔隙のサイズ及び/または形状が2種以上でも微粒子をほとんどすべての孔隙に挿入させ得るのである。
【0058】
また、本発明において、前記第1の基材は前記1つの第1の陰刻101の中に更に個別的な微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る2つ以上の第2の陰刻102を形成させ得る(図4の(a)、(b))。このとき、前記微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る前記第2の陰刻のサイズ及び/または形状は、1種または2種以上であり得る。
【0059】
ひいては、本発明は第1の基材の孔隙間の距離を調節することによって、孔隙に挿入される微粒子などは、隣接した微粒子と接触または離隔されるようにすることができる。これにより、密集(close packed)または非密集(non-close packed)構造の微粒子整列を形成することができる(図16、図19のc)。
【0060】
例えば、孔隙断面の向き合う2つの点間の最短距離が2〜1000nmであり得る。
【0061】
また、本発明は、第1の基材の各孔隙の位置を調節することによって、微粒子などを四方密集配列または六方密集配列などで任意的に整列することができる(図9のa、b、c、d、e、f)。
【0062】
一方、本発明によれば、第1の基材上の孔隙に挿入された微粒子が集まって1D、2D、3Dの特定パターンまたは形状を形成することができる。非制限的な例としては、1Dワイヤー(wires)、1Dストライプ(stripes)のような1次元パターン、2Dスクエアネットアレイ(square net array)のような2次元パターン、及びクリスタル(crystal)格子構造と類似する3次元パターンを形成することができる(図17、図18)。このとき、第1の基材上に形成された微粒子などの前記パターンまたは形状は、1つまたは2つ以上であり得る(図17のd、e、図18)。
【0063】
本発明では、微粒子によって形成されるパターンのサイズは、制限されないが、(長さ/幅/高さの上)1mm〜15cm、好ましくは5mm〜5cm、より好ましくは8mm〜2cmであり得る。
【0064】
本発明によれば、微粒子などは基材上にfcc100整列、fcc111整列またはこれらの混合整列で配置され得る(図17、図18)。すなわち、本発明は1つの基材上に同一の整列または対称性の異なる2つ以上の整列でも同時に微粒子などを配置させ得る(図17のd、e)。
【0065】
また、本発明は、微粒子単層(monolayer)製造だけでなく、多層も非常に簡便な方式で製造できるようにする。本発明は、前記第1の方法及び第2の方法によって微粒子などを単層(monolayer)で整列させ得るだけでなく、第2の段階の以後に形成された第1の単層の微粒子などのうち、3つ以上の微粒子によって形成される第2次孔隙に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子を挿入する第3の段階を追加して第2の単層を形成することができ、前記第3の段階を1回以上行うと、2層以上の多層で微粒子などを整列させ得る(図17、図19のa、b)。
【0066】
このとき、第1の単層(monolayer)を形成する微粒子と前記第2次孔隙に挿入される微粒子とが同一または相違することができる(図17のf、図19のa、b)。すなわち、微粒子が2つ層以上の多層で整列する際に、隣接した2つ層の各層を構成する微粒子は互いに同一である又は相違することができる。
【0067】
また、微粒子が2つ層以上の多層で整列する際に、隣接した2つ層の各パターンが同一である又は相違することができる。
【0068】
また、ラビングのような物理的圧力をかける過程の間にPEIのような接着剤を更に塗布することも好ましい。
【0069】
一方、微粒子表面及び/または第1の基材表面を接着性物質でコーティングされたものを使用することができる(図1、図2)。このとき、第2の段階の以後、微粒子表面及び/または第1の基材表面にコーティングされた接着性物質を除去する段階を更に含むことができる。
【0070】
前記接着性物質の非制限的な例としては、(i)−NH2基を有する化合物、(ii)−SH基を有する化合物、(iii)−OH基を有する化合物、(iv)高分子電解質、(v)ポリスチレン、(vi)フォトレジストを含む天然または合成化合物などがある。
【0071】
第1の基材表面を接着性物質でコーティングする場合は、簡単な方式及び短い時間に、第1の基材上に接着性物質に所望の整列及びパターン方式で第1の陰刻または第2の陰刻を付与し(図16のa、b)、物理的圧力を用いて微粒子を前記整列及びパターン方式で配置した後(図16のc、d)、前記接着性物質を除去することによって、偏平な基材上にフリースタンディング(free-standing)微粒子整列及びパターンを形成することができる(図16のe、f)。
【0072】
前記フォトレジストは、ポジティブ及びネガティブフォトレジストをいずれも含み、例えば、PMMA(Polymethylmethacrylate)、PMGI(PolyMethylGlutarimide)、DNQ/Novolac及びSU−8を含み、米国特許第5,492,793号、第5,747,622号、第5,468,589号、第4,491,628号、第5,679,495号、第6,379,861号、第6,329,125号、第5,206,317号、第6,146,793号、第6,165,682号、第6,340,734号、第6,028,154号、第6,042,989号、第5,882,844号、第5,691,396号、第5,731,126号、第5,985,524号、第6,531,260号及び第6,590,010号に開示されている。
【0073】
基材上にフォトレジスト(PR)を除去(peeling)する過程は、当業界に知られた様々な方法を用いて実施することができる。例えば、PRがコーティングされた基板をピーリング溶液に含浸(immersing)させるとか、またはピーリング溶液を基板上にシャワー−注射(shower-injecting)してPRを除去することができる。ピーリング溶液の非制限的な例としては、強アルカリ水溶液、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びメタノールなどがある。
【0074】
一方、前記本発明の方法によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体(assembly)は、整列された複数の微粒子の間に形成された孔隙の間及び表面に透明または不透明保護物質が更にコーティングまたは充填され得る。
【0075】
前記保護物質の非制限的な例としては、PDMS、熱可塑性高分子、伝導性高分子、プラスチック、ナフィオン(nafion)、セルロース、溶融させやすい金属、シリカ前駆体(precursor)、二酸化チタン前駆体(precursor)、金属酸化物前駆体または金属硫化物前駆体などがある。
【0076】
また、本発明によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体は、シリコーン含有化合物、チタン含有化合物、ナフィオン(Nafion)、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリアルコールなどの天然または人工高分子を更にコーティングして安定化させ得る。
【0077】
前記本発明の方法によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体(assembly)は、微粒子がn個層以上の多層で整列されたものであって(ここで、n=2以上の自然数)、隣接した第k層及び第k+1層(ここで、0<k<nであり、k=任意の自然数)において、第k+1層の微粒子は、第k層の微粒子上に直立して整列され得る(図24)。
【0078】
第k層の微粒子単層を形成した後、追って除去可能な高分子微粒子を前記第k層に形成された第2次孔隙に挿入した後、再び前記高分子微粒子によって形成された単層の孔隙に第k+1層の微粒子単層を形成し、続いて前記高分子を除去して製造され得る(図23、図24)。
【0079】
すなわち、中間体に隣接した第k層と第k+1層との間で第k層の微粒子などと第k+1層の微粒子などによって形成された孔隙に追って除去可能な高分子微粒子が挿入され得る(図23の(c))。
【0080】
ひいては、本発明に応じて微粒子を基材上に配置する方法を応用すれば、粒子のサイズ及び/または粒子の形状が2種以上である微粒子混合物を使用して、孔隙のサイズ及び/または孔隙の形状に対応される微粒子とそうではない微粒子を分離させ得る。
【0081】
また、孔隙に挿入された微粒子のうち、孔隙の外に露出した部位を更に物理的処理または化学的処理、化合物結合で改質させ得る(図3)。このとき、孔隙の形状を調節すれば、所望の配向へ微粒子を位置させ得るから、微粒子の所望の部位のみに表面改質ができる。
【発明の効果】
【0082】
本発明による方法は、短い時間で大量生産が可能であり;広い面積の基板上に単層及び多層の微粒子整列を実現することができ;同一の品質で様々な形態に微粒子が整列された組立体を提供することができる(品質再現性が高い)。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明による第1の方法の一具体例に関する工程図である。
【図2】(a)は、本発明による第2の方法の一具体例に関する工程図である。(b)は、粘着性物質Aを用いてパターンまたは形状で粘着性を帯びる表面を形成させた第1の基材100を示した模式図である。
【図3】パターンされた第1の基材100上の第1の陰刻101に微粒子200を一定配向に挿入して整列させたものを示した模式図である。ここで、矢印は、化学的処理などのような改質を示したものである。
【図4】(a)は、第1の基材上に第1の陰刻101と第2の陰刻102とがパターンされたものを示した模式図であり、(b)は、第1の陰刻101と第2の陰刻102とがパターンされた第1の基材100上に微粒子200が整列されたものを示した模式図である。
【図5】PEI−コーティングされたガラス板に1D及び2Dで整列化されたシリカビーズなどの上にランダムに付着した除去の前のシリカビーズのSEMイメージである。パネルa)1K倍率の2D整列化された単層上の1μmビーズ;パネルb)20K倍率の2D整列化された単層上の20nmシリカビーズ;パネルc)8K倍率のfcc100面上の300nmシリカビーズ;パネルd)8K倍率のfcc100面上の700nmシリカビーズ;パネルe)6K倍率の1Dワイヤのパラレルアレイ上の700nmシリカビーズ;及びパネルf)6K倍率の1Dストライプのパラレルアレイ上の700nmシリカビーズ。
【図6】ラビングによって平たいガラス板上にシリカビーズを整列化させて形成された単一層のSEMイメージである。0.8K(パネルa)及び7K(パネルb)倍率の1μmサイズのビーズ;5K(パネルc)及び35K(パネルd)倍率の200nmサイズのシリカビーズ;10K(パネルe)及び40K(パネルf)倍率の20nmサイズのシリカビーズ。
【図7】大面積(15×15cm2)上で本発明の方法の効率性を見せてくれるイメージである。パネルa)ベアガラス板のデジタルカメライメージ;パネルb)1μmシリカビーズがガラス板全面に2D整列化されてコーティングされたガラス板のデジタルカメライメージ;パネルc)2.5K倍率のパネルbに対するSEMイメージ;及びパネルd)15K倍率のパネルb)に対するSEMイメージ。
【図8】平たいガラス板上に2Dで整列化されたシリカビーズ単層のSEMイメージである。パネルa)2.5Kの700nmビーズ;パネルb)10Kの700nmビーズ;パネルc)2Kの500nmビーズ;パネルd)7Kの500nmビーズ;パネルe)10Kの20nmビーズ;及びパネルf)30Kの20nmビーズ。700nm及び500nmビーズの整列のために、0.125%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングし、20nmシリカビーズの整列のために、0.0625%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図9】ナノ構造2DアレイでパターンされたシリコーンウエハーのSEMイメージである。パネルa)直径500nm、深さ250nm及びピッチ700nmの四方体井戸アレイ;パネルb)長さ250nm、上部直径200nmの六方体井戸アレイ;パネルc)下部直径250nmの切断形円錐柱の2Dアレイ。前記アレイなどは、700nmシリカビーズをfcc100(パネルd)、fcc111(パネルe)及びfcc100(パネルf)面へ2Dで整列するための鋳型として用いられた。fcc100(パネルg)及びfcc111(パネルh)整列方式の700nmシリカビーズの2D整列化[パネル(a)〜(f);倍率=20K、パネル(g)〜(j);倍率=8K]。
【図10】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc100整列方式で2D整列された700nmシリカビーズ単層のSEMイメージである。パネルa)1K倍率;パネルb)3K倍率;パネルc)5K倍率;及びパネルd)10K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図11】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc111整列方式で2D整列された700nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)1K倍率;パネルb)5K倍率;パネルc)10K倍率;パネルd)15K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図12】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc100整列方式で2D整列された500nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)1K倍率;パネルb)5K倍率;パネルc)10K倍率;パネルd)15K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。
【図13】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc111整列方式で2D整列された500nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)0.6K倍率;パネルb)2K倍率;パネルc)倍率4K;パネルd)9K倍率。0.25%のPEI溶液をガラス板上にスピン−コーティングした。図11〜図13のうち、パネル(a)及び(b)において、黒い点など(円(○)で表示したもの)はその位置でより小さいシリカビーズが存在するから表れるものである。
【図14】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc100整列方式で2D整列された300−nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)6K倍率;パネルb)10K倍率;パネルc)15K倍率。
【図15】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上にfcc111整列方式で2D整列された300−nmシリカビーズ結晶のSEMイメージである。パネルa)6K倍率;パネルb)10K倍率;パネルc)15K倍率。
【図16】四方体アレイ(パネルa)及び六方体アレイ(パネルb)からなっており、500nm直径及び700nmピッチの井戸でパターンされた350nm厚さのフォトレジスト(PR)フィルムでコーティングされたシリコーンウエハーのSEMイメージである。基材a(パネルc)及び基材b(パネルd)上に整列された700nmシリカビーズの2D結晶などのSEMイメージである。メタノールでフォトレジスト(PR)を除去した後、平たいシリコーン基質上にfcc100(パネルe)及びfcc111(パネルf)整列方式で2D整列された700nmサイズのシリカビーズのフリースタンディング単層のSEMイメージである。
【図17】パターンされたシリコーンウエハー上に700nmシリカビーズが密集され、様々なパターンで1D、2D、3Dで整列されたSEMイメージである。1Dワイヤ(パネルa);fcc1001Dストライプ(パネルb);fcc1111Dストライプ(パネルc);混合した1Dストライプ(パネルd);2Dで互いに異なる対称であるfcc100及びfcc111が混合した整列パターン(パネルe);基材面に平行なfcc100面を有しながら、層−バイ−層方式(5つ層)で3Dパターンされた整列パターン(パネルf)。
【図18】シリコーンウエハー上にシリカビーズが様々なパターンで整列されたSEMイメージである。
【図19】700nmと300nmとのシリカビーズ(パネルa)、700nmと420nmとのシリカビーズ(パネルb)から構成されたバイナリー2D整列化されたパターンのSEMイメージ;420nmサイズのシリカビーズの非密集2D整列化されたパターンのSEMイメージ(パネルc);300nmシリカビーズ2つ(パネルd)、250nmシリカビーズ3つ(パネルe)及び230nmシリカビーズ4つ(パネルf)が密集された状態で非密集2Dアレイパターンを示すSEMイメージである。このとき、直径500nm、深さ250nm及びピッチ700nmを有するナノ井戸の四方体アレイでパターンされたシリコーンウエハーを使用した。
【図20】パターンされたSi基質(1cm×1cm)上に整列された非密集2D500nmシリカビーズのSEMイメージである(倍率3K)。
【図21】4つのシリカビーズが形成する最外郭形状に対応される孔隙形状を有する第1の陰刻に複数個のシリカビーズなどが挿入されたものを示したSEMイメージである。
【図22】7つのシリカビーズが形成する最外郭形状に対応される孔隙形状を有する第1の陰刻に複数個のシリカビーズなどが挿入されたものを示したSEMイメージである。
【図23】(a)、(b)、(c)は、シリカビーズを雪だるま形状で整列するために、シリカビーズからなった第1の単層及び第2の単層の間で第1層のシリカビーズなどと第2層のシリカビーズなどによって形成された孔隙に追って除去可能な大きいナノ球形状のPMMA高分子微粒子が挿入されているものの製造工程図を示した模式図である。
【図24】図23でPMMA高分子微粒子を除去した後に残った雪だるま形状で整列されたシリカビーズなどを示した模式図である。
【図25】a軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子を各軸方向へ挿入するために、PRで微細パターン陰刻が形成されたシリコーンウエハーのSEMイメージである。
【図26】異方性(anisotropic)、コフィン形シリカライト−1結晶及び異方性リーフ形シリカライト−1結晶のSEMイメージ及びそれらの結晶軸を示したものである。
【図27】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図28】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図29】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図30】図25に示されたように、シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子が各軸方向へ挿入されて整列されたものを示すSEMである。
【図31】シリコーンウエハー上にPRで形成された微細パターンの陰刻にa軸、b軸、c軸があるシリカ結晶微粒子を各軸方向へ挿入させて整列させ、か燒(calcine)によってPRを除去した後に残ったシリカ微粒子の配向が調節された整列を示すSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、実施例を介して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、ただ、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨に応じて本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないということは当業界における通常の知識を有する者において自明だろう。
【0085】
実施例
実験方法
本明細書の全体において、特定物質の濃度を表するために使用される“%”は、別の言及がない限り重量/重量%である。
<シリカビーズ製造>
NH4OH(35%、75ml)の存在下でエタノール(350ml)内のテトラエチルオルトシリケート(TEOS、20ml、Aldrich)を室温で加水分解する方式でストーバー方法(Stober,W.et al.,Journal Interface Science 26:62-69(1968))に応じて20〜1000nmサイズのシリカビーズを製造した。シリカ粒子のサイズは、TEOS及びNH4OHの濃度を変化させて調節した。例えば、500nmシリカビーズの場合、20mlのTEOSを350mlのエタノール及び75mlの35%NH4OHから構成された溶液に添加して室温で3時間攪拌して製造した。シリカビーズのサイズを500nmから700nmに増加させるために、16mlのTEOS及び8mlのNH4OHを同時に500nmシリカビーズを含む溶液に滴加した。より小さいサイズのシリカビーズは、TEOS及びNH4OHの量を減少させて得た。
生成されたシリカビーズをエタノールで3回洗浄した後、続いて水で3回洗浄した。
洗浄された粒子を凍結乾燥させた。粒子などのサイズの標準偏差は、2%であった。
【0086】
<粘着剤が表面コーティングされた第1の基材の準備>
ガラス板(2.5cm×2.5cm、Marienfield)をピラニア(piranha)溶液(H2SO4とH2O2の混合比7:3)の中に30分間入れた後に取り出して脱イオン蒸溜水で洗浄した。洗浄されたガラス板をエタノールに保管した。保管されたガラス板をエタノールから取り出して高純度窒素気流下で乾燥させた。このように乾燥したガラス板をスピンコーティング方式でポリエチレンイミン(PEI、Mw=25000、Aldrich)でコーティングした。初期スピン速度は、600rpmであり、1分間1000rpmまで漸進的に増加させた。
シリカビーズの単層アセンブリーをするためのPEIの濃度は、20nmシリカビーズの場合には、0.0625%であり、200〜300nmシリカビーズの場合には、0.125%であり、700〜1000nmビーズの場合には、0.5%であった。
【0087】
<直接パターン化された第1の基材の準備>
石版術(lithography)を用いてシリコーン基板上に四角または六角配列でナノ井戸またはナノ円錐を刻んだ[NNFC(National NanoFab Center、大韓民国)]。使用されたシリコーン基板のサイズは、1cm×1cmであった。ナノ井戸の直径は、700nmのシリカ粒子を整列させる場合は500nm、500nmのシリカ粒子を整列させる場合は300nm、300nmのシリカ粒子を整列させる場合は200nmになるようにした。ナノ井戸の深さは、250nmであった。ナノ井戸の中心間の距離(pitch)は、整列させようとするシリカ粒子のサイズと同様にした。例えば、700nmのシリカ粒子を整列させようとする場合、ナノ井戸の中心間の距離は、700nmになる。ナノ円錐の場合、底面の直径は250nm、上面の直径は200nmであり、高さは200nmであった。ナノ円錐の間隔も700nmのシリカ粒子を整列させる場合、700nmになるようにした。
【0088】
<PRを用いてパターン化された第1の基材の準備>
ナノ井戸が四方体(tetragonal)または六方体(hexagonal)アレイでパターンされたフォトレジスト(PR)がコーティングされたシリコーンウエハー(p−タイプ)は、NNFC(National NanoFab Center、大韓民国)で製作された。それぞれのウエハーのサイズは、1cm×1cmであった。PRに直接的に刻んだナノ井戸の直径は、700nm、500nm及び300nmのビーズに対して、それぞれ500nm、300nm及び200nmであった。ナノ井戸の深さは、直径に無関係に250nmであった。
【0089】
<ラビングによる微粒子の整列>
パターン化されたシリコーンウエハーまたはガラス板を基板として用いる場合、少量(2mg)のシリカビーズ粉末をPEIがコーティングされた基板(ガラス板またはパターンされたSiウエハー)に乗せた後にシリカビーズ粉末をPDMS[poly(dimethysiloxane)]板(4.0×4.0×0.5cm3)を用いて一定の方向へ反複的にスムーズにラビングし、ラビングは基板の表面が光の反射によって弱く虹色を表するまで約1分間実施した。
【0090】
<ラビングによるナノ井戸内微粒子の挿入>
パターンされたPRがコーティングされたシリコーンウエハーを基板として用いる場合、シリカビーズ粉末をパターンされたPRがコーティングされた基板に置いた後にシリカビーズ溶液をPDMS板を用いて単一方向へスムーズにラビングをした。このとき、水は潤滑剤の役割を果たしてパターンされたPR層の損傷を予防することができる。
【0091】
<単一層の製造>
ラビングが済んだ後、きれいなPDMS板でシリカビーズをコーティングしたガラス板またはシリコーンウエハーを軽く押さえるとか、柔らかいブラッシュで掃いてくれてランダムで物理的に吸着されたシリカ粒子などを、より強くて規則的に結合された1番目の層(単一層)から除去した。
【0092】
<多層の製造1>
1層ずつ多層積みをするために、一番目の層を550℃で1時間か燒させた。か燒された一番目のシリカビーズ層の上にPEI(0.5%)が溶解されているエタノール溶液1滴をスピンコーティングしてPEIをコーティングさせた後、やはりラビング方式で二番目のシリカビーズ層を積層した。このような過程を繰り返して所望の層数の厚さを有する3次元のシリカビーズ整列を形成した。
【0093】
<多層の製造2>
一番目の層を550℃で1時間か燒させた。か燒された一番目のシリカビーズ(200nm)層の上にPEI(0.5%)が溶解されているエタノール溶液1滴をスピンコーティングしてPEIをコーティングさせた後、やはりラビング方式で二番目のPMMA高分子球(700nm)層を積層した。続いて、PEIをコーティングさせた後、やはりラビング方式で三番目のシリカビーズ層を積層した(図23)。以後、焼成によってPMMA高分子球を焼けば、雪だるま形態のシリカビーズ層が形成された(図24)。このような過程を繰り返して所望の層数の厚さを有する3次元のシリカビーズ整列を形成することができる。
【0094】
実験結果
直径20nm〜1μmのシリカビーズを製造した。2.5×2.5及び15×15cm2面積のガラス板及び1.0×1.0cm2サイズのパターン化されたシリコーンウエハーを第1の基材として用いた。直径とピッチがそれぞれ200nmと300nm、350nmと500nm及び500nmと700nmである250nm深さのシリコーン井戸の4方体及び6方体アレイでパターン化されたシリコーンウエハーを製造した。同一の直径及びピッチの井戸の4方体及び6方体アレイを有する350nm厚さのPR(photoresist)フィルムでコーティングされたシリコーンウエハーを準備した。また、直径200nm(上部)及び250nm(下部)、そして、700nmピッチを有する250nm長さ切断形円錐シリコーンピラー(pillar)の4方体アレイでパターンされたシリコーンウエハー、そして、300nm及び700nmピッチの円筒形PRピラー(長さ=350nm、直径=200nm)の4方体アレイでパターンされたシリコーンウエハーを準備した。基材は“対称−構造−(井戸のサイズまたは下部の直径/ピッチ)−物質”で表され、対称形はT(4方体)またはH(六方体)、構造はWel(井戸)、Cyl(円筒)、またはCon(円錐)、そして、物質はSiまたはPR/Siで表されている。井戸の個数は、それぞれT−Wel−(500/700)−Si;14,286×14,286(2.0×108)、H−Wel−(500/700)−Si;14,286×16,496(2.4×108)、T−Wel−(350/500)−Si;20,000×20,000(4.0×108)、H−Wel−(350/500)−Si;20,000×23,094(4.6×108)、T−Wel−(200/300)−Si;33,333×33,333(11.1×108)、H−Wel−(200/200)−Si;33,333×38,490(12.8×108)である。
【0095】
乾燥した1μmサイズのビーズ少量(2mg)をPEI−コーティングされたガラス板に置いた後、PDMS[poly(dimethysiloxane)]プレート(4.0×4.0×0.3cm3)を用いて単一方向へ約30秒間スムーズに繰り返してラビングし(<1min)、基質の表面は、光の照射によって少し虹色を帯びた。SEMイメージで確認できるように、2Dで整列化された単層上部にランダムに凝集されて1μmサイズのシリカビーズが観察された(図5)。ランダムに凝集されたシリカビーズなどは、PDMSプレートでスムーズに押すことによって整列化された単層から容易に除去され、これにより、2.5×2.5cm2面積の全体ガラス板上に1μmサイズのシリカビーズになった2D高質整列化された単層が残るようになる(図6のパネルa、パネルb)。溶液における自己整列によって形成された単層と異なりに、単層を乾燥する必要がなかった。よって、乾燥過程の間に粒子の収縮によるクラック形成が生じなかった。
【0096】
さらに、本発明の方法は、15×15cm2のような非常に大きい基質においても同様に適用されたし(図7)、より小さなシリカビーズ、すなわち、700nm(図8)、500nm(図8)、200nm(図6のパネルc、パネルd)、60nm(図8)及び甚だしくは20nm(図6のパネルe及びパネルf)のシリカビーズにもよく適用されたし、このような結果は、本発明の方法がすべてのサイズの微粒子の整列に非常に効果的であることを明確に示す。
【0097】
同一の方法を、700nmサイズのシリカビーズ及びパターンされたシリコーン基材を用いて、すなわち、T−Wel−(500/700)−Si、H−Wel−(500/700)−Si、及びT−Con−(250/700)−Si(図9のパネルa〜c)上に単層整列するのに適用し、その結果、それぞれのシリカビーズは正確にそれぞれの井戸を占めることができ(図9のパネルd及びe)、また、4個の円錐によって取り囲まれているそれぞれの空間を占めたものであり(図9のパネルf)、これは、それぞれ面−中心立方体結晶[fcc100及びfcc111]の100及び111面の形態でビーズの完璧な整列を引き起こした。SEM分析によれば、シリカビーズは全体基材上に完璧な2D整列された単層を形成する(図9のパネルg及びh;図10〜図15)。
【0098】
同様に、本発明の方法は、基材としてT−Wel−(300/500)−Si、H−Wel−(300/500)−Si、T−Wel−(200/300)−Si、H−Wel−(200/300)−Siを用いた場合、全体1.0×1.0cm2の基質上にfcc100及びfcc111整列方式からなった500nm(図12、図13)及び300nm(図9のパネルi及びj、図14〜図15)シリカビーズの完璧な2D整列された単層を得ることができた。この結果は、センチメータサイズ(10インチサイズで増加させることができる)で調節された対称性及び配向性を有するシリカビーズの2D整列された単層を1分内に得ることができることを明確に示す。また、このように整列された単層は、結晶のような整列を有し、これらの正確な結晶軸は光学特性及び応用に有用に利用され得る。
【0099】
パターンされたPR、すなわち、T−Wel−(500/700)−PR/Si(図16のパネルa)及びH−Wel−(500/700)−PR/Si(図16のパネルb)にコーティングされたシリコーン基材を用いる場合にも同様の高質の巨大2D整列単層を得ることができる(図16のパネルc、d)。この場合、ラビングは、さらにスムーズにしなければならないが、その理由は、PRの機械的強度がシリコーンより弱いからである。
【0100】
PR−コーティングされた基材を使用する場合、PR層がメタノールによって容易に除去されるので、平たい基材上に支持されたフリースタンディング2D整列シリカ単層を得ることができるメリットがある(図16のパネルe、f)。このような方法は、様々な基材上に巨大2D整列微粒子単層を製造するのに利用され得る。
【0101】
事実、fcc100でコロイド粒子のパターン−誘導された整列は、大きな注目を浴びている(A. van Blaaderen, R. Ruel, P. Wiltzius, Nature 1997, 385, 321; J. P. Hoogenboom, C. Re´tif, E. de Bres, M. van de Boer, A. K. van Langen-Suurling, J. Romijn, A. van Blaaderen, Nano Lett. 2004, 4, 205; Y. Yin, Y. Lu, B. Gates, Y. Xia, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8718)。しかし、ピラー(井戸ではない)の4方体アレイにパターンされた基材だけが効果的であった(A.van Blaaderen,R.Ruel,P.Wiltzius,Nature 1997,385,321)。この場合、面積は本発明の面積の0.1%より小さな面積にもかかわらず、シリカビーズは、500×500位置(2.5×105位置)を完全に満たすことができなかった。さらに、fcc111整列方式で巨大(1cm2)単層整列化はパターンされた基材を使用しても達成され得なかった。
【0102】
また、本発明の方法は、1D整列、すなわち、ワイヤ整列(図17のパネルa)、fcc100ストライプ整列(図17のパネルb)、fcc111ストライプ整列(図17のパネルc)、及びそれらの混合整列(図17のパネルd)も実現することができる。
【0103】
また、2Dでfcc100及びfcc111の2つの部位にパターンされた整列も同時に実現可能である(図17のパネルe)。
【0104】
1つの基材で互いに異なる2種類の対称整列で微粒子などを位置させることは、以前には達成され得なかったことである。溶液内で粒子などの自己整列方式で1Dワイヤ及びストライプを製造することは知られているが(A. van Blaaderen, R. Ruel, P. Wiltzius, Nature 1997, 385, 321; J. P. Hoogenboom, C. Re´tif, E. de Bres, M. van de Boer, A. K. van Langen-Suurling, J. Romijn, A. van Blaaderen, Nano Lett. 2004, 4, 205; Y. Yin, Y. Lu, B. Gates, Y. Xia, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8718)、1D構造のアレイなどでシリカビーズの側整列(lateral ordering)は、従来に発表されたことがない。
【0105】
fcc100整列の同一サイズのビーズを用いて本発明の方法を繰り返しに実施すれば、1cm2サイズ上に100方向へ成長する完璧な3Dfcc微粒子整列を容易に得ることができ、これは、図17のパネルeにおいて700nmサイズのシリカビーズで立証した。
【0106】
T−Wel−(500/700)−Si上に整列された700nmシリカビーズの密集された第1層をか燒して他のサイズのシリカビーズの‘PEIコーティング’及び‘ラビング’のサイクルを実施して、4方体対称の互いに異なるサイズのシリカビーズから構成されたバイナリー2Dコロイド結晶を容易に製造した。例えば、T−Wel−(500/700)−Si上に形成された700nmシリカビーズの2D整列単層をか燒し、300nm及び420nmシリカビーズをラビングすれば、4方体対称の700nm/300nm(図19のパネルa)及び700nm/420nm(図19のパネルb)シリカビーズの2Dバイナリー整列を形成させ得る。
【0107】
700nm以下のシリカビーズなどがT−Wel−(500/700)−Si上に2D非密集整列化が容易に達成された。これは、500nm(図20)及び420nm(図19のパネルc)シリカビーズを用いて立証した。
【0108】
パターンされた井戸内に井戸直径と同一の或いは小さいシリカビーズを挿入させることは、fcc100、fcc111整列でシリカビーズを整列することより容易且つ迅速に達成され得る。興味深いことに、420nmシリカビーズの場合、シリカビーズを単一方向へラビングしてシリカビーズなどの全てをそれぞれの井戸の側面に付着させることができた。ビーズのサイズを300nm、250nm及び230nmで徐々に減少させた場合、2つ(図19のパネルd)、3つ(図19のパネルe)及び4つ(図19のパネルf)のビーズをそれぞれの500nm井戸内で入れた。従って、本発明の方法は、Xiaら(Y.Yin,Y.Lu,B.Gates,Y.Xia,J.Am.Chem.Soc.2001,123,8718)が溶液において自己整列方式で開発したコロイド粒子整列化をより容易かつ迅速にすることができる。
【0109】
本発明を適用する間に粒子に強い力をかけることは、シリコーン井戸とシリカビーズとの変形を招くということも興味深い事実である。例えば、2つの300nmビーズをそれぞれの井戸に収容できるように、500nm円形井戸は、卵形状の井戸に変形され、シリカビーズも変形されて卵形になった。図19のパネルfの場合、壁の厚さが徐々に薄くなってそれぞれの500nm井戸に4つの230nmのシリカビーズが収容された。このような結果は、井戸より約10%程度大きいシリカビーズがビーズと井戸との自然的な変形によって井戸内に挿入され得ることを明確に示し、本発明の方法は、コロイド粒子のサイズ及び形状の側面から溶液内の自己整列方法より柔軟性があることを示すものである。
【0110】
上述した実験結果などは、簡単性、迅速性、精密性、高い整列度及び大きい面積の整列生成のような、本発明の優れたメリットなどを立証している。
【0111】
以上、本発明の特定部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者において、このような具体的な技術はただ好ましい具現例だけであり、これにより、本発明の範囲が制限されるのではないことは明白である。従って、本発明の実質的な範囲は、添付された請求項とその等価物によって定義されるべきである。
【符号の説明】
【0112】
100: 第1の基材
101: 第1の陰刻
102: 第2の陰刻
200: 微粒子
A: 粘着性物質
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは2つ以上の微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻または第1の陽刻が表面に形成された第1の基材を準備する第1の段階;及び
前記第1の基材上に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子の一部または全部を第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる方法。
【請求項2】
少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材を準備する第1の段階;及び、
平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた2つ以上の複数の微粒子などを前記第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に置いた後に物理的圧力によって第1の基材上に整列させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる方法。
【請求項3】
前記物理的圧力は、基材をラビング(rubbing)またはプレッシングすることによってかかることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の基材と微粒子とは、付加する物理的圧力によって水素結合、イオン結合、共有結合、配位結合またはバンデルバルス結合を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
第1の基材の表面に形成された第1の陰刻または第2の陽刻は、基材自体に直接刻印されるとか、フォトレジストによって形成されるとか、犠牲層をコーティングした後にレーザーオブルレイションによって形成されるとか、インクジェット印刷法によって形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記微粒子のサイズは、1nm〜100μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
第2の段階で第1の基材上に置く微粒子は、溶媒に分散させない粉末形態であるとか、微粒子の体積に対して0〜10倍体積比の溶媒でコーティングまたは含浸または溶媒に分散したことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒は、水及びC1−6低級アルコールから構成された群から選択されたことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記孔隙の形状は、前記微粒子の配向を調節するために孔隙内に挿入される微粒子の所定部分の形状と対応されるように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の陰刻によって形成される孔隙形状または第1の陽刻の形状は、ナノ井戸(nanowell)、ナノ点(nanodot)、ナノ柱(nanopillar)、ナノ溝(nanotrench)またはナノ円錐(nanocone)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記微粒子が挿入される孔隙のサイズ及び/または形状が2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の基材は、前記1つの第1の陰刻内に更に個別的な微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る2つ以上の第2の陰刻が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1の基材上の孔隙に挿入された微粒子が集まって特定パターンまたは形状を形成するとか、第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面自体が特定パターンまたは形状を形成して第1の基材の粘着性を帯びる表面に固定された微粒子などがこれに対応する特定パターンまたは形状を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
第1の基材上に形成された微粒子などの前記パターンまたは形状は、2つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1の基材の孔隙間の距離を調節することによって、孔隙に挿入される微粒子などは、隣接した微粒子と接触または離隔されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記方法によって微粒子などを単層(monolayer)で整列させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
第2の段階の以後、第2の段階で形成された微粒子単一層のうち、隣接した3つ以上の微粒子によって形成される第2次孔隙に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子を挿入する第3の段階が追加されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の段階を1回以上行って2層以上の多層で微粒子などを整列させることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
微粒子が2つ層以上の多層で整列するとき、隣接した2つ層の各層を構成する微粒子は、互いに同一または異なることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
微粒子が2層以上の多層で整列するとき、隣接した2層の各パターンが同一または異なることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
微粒子表面及び/または第1の基材の表面は、接着性物質でコーティングされたことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項22】
第2の段階以後、微粒子表面及び/または第1の基材表面にコーティングされた接着性物質を除去する段階を更に含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記接着性物質は、(i)−NH2基を有する化合物、(ii)−SH基を有する化合物、(iii)−OH基を有する化合物、(iv)高分子電解質、(v)ポリスチレン、(vi)フォトレジストから構成された群から選択された化合物であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
第1の基材は、基板、ローラー、担持体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項25】
微粒子は、有機高分子、無機高分子、無機物、金属、磁性体、半導体または生体物質であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項26】
微粒子は、金、銀、アルミニウム、プラチナ、亜鉛、セリウム、タリウム、バリウム、イットリウム、ジルコニウム、スズ、チタン、カドミウム及び鉄から構成された群から選択される単一金属または2つの以上の金属を混合して製造された合金;Si、Ge、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs及びInSbから構成された群から選択される半導体物質;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体から構成された群から選択される高分子物質;2成分系以上の主族金属及び転移金属元素の結晶性及び非結晶性カルコゼン化物;前記物質などのうち、2つの物質以上がコア/シェル(core/shell)形態または様々な形態をなしているもの;蛍光を帯びるコア物質とこれを取り囲んだ物質のシェル;前記物質などのうち、2つの以上の物質が層構造になった物質;有機及び無機コロイド微粒子の中に有機、無機または有無機蛍光分子などが規則的及び不規則的に分布された蛍光物質;磁気、半磁気、上磁気、強誘電体(ferroelectric)、フェリ誘電性(ferrielectric)、超伝導、伝導性、半導体または不導体性質を有した微粒子;タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、多糖類、オリゴ糖、脂質、細胞、またはそれらの複合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項27】
前記微粒子は、球形、半球形、キューブ形、四面体、五面体、六面体、直方体形、八面体、Y形、柱形、錐形、対称形、非対称形または無定形であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項28】
前記微粒子が置かれた前記第1の基材の表面と平行をなすように第1の部材を配置し、第1の部材の往復運動を1回以上行って前記微粒子に物理的な圧力をかけることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜28のうち、いずれか一項に記載された方法によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体。
【請求項30】
微粒子が第1の基材上に配置された組立体に透明または不透明保護物質が更にコーティングまたは充填されたことを特徴とする、請求項29に記載の組立体。
【請求項31】
微粒子がn個層以上の多層で整列されたものであって(ここで、n=2以上の自然数)、隣接した第k層及び第k+1層(ここで、0<k<nであり、k=任意の自然数)において、第k+1層の微粒子は、第k層の微粒子上に直立して整列されたことを特徴とする、請求項29に記載の組立体。
【請求項32】
隣接した第k層と第k+1層との間で第k層の微粒子などと第k+1層の微粒子などによって形成された孔隙に追って除去可能な高分子微粒子が挿入されていることを特徴とする、請求項31に記載の組立体。
【請求項33】
粒子のサイズ及び/または粒子の形状が2種以上である微粒子混合物を使用して、孔隙のサイズ及び/または孔隙の形状に対応される微粒子とそうではない微粒子を分離させることを特徴とする、請求項1〜28のうち、いずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
孔隙に挿入された微粒子のうち、孔隙の外に露出した部位を更に改質させることを特徴とする、請求項1〜28のうち、いずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記改質方法は、物理的処理、化学的処理、または化合物結合させることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項1】
1つまたは2つ以上の微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る第1の陰刻または第1の陽刻が表面に形成された第1の基材を準備する第1の段階;及び
前記第1の基材上に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子の一部または全部を第1の陰刻または第1の陽刻によって形成された孔隙に挿入させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる方法。
【請求項2】
少なくとも表面の一部が粘着性を帯びる第1の基材を準備する第1の段階;及び、
平らな面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなされた2つ以上の複数の微粒子などを前記第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面上に置いた後に物理的圧力によって第1の基材上に整列させる第2の段階を含み、微粒子を基材上に配置させる方法。
【請求項3】
前記物理的圧力は、基材をラビング(rubbing)またはプレッシングすることによってかかることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の基材と微粒子とは、付加する物理的圧力によって水素結合、イオン結合、共有結合、配位結合またはバンデルバルス結合を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
第1の基材の表面に形成された第1の陰刻または第2の陽刻は、基材自体に直接刻印されるとか、フォトレジストによって形成されるとか、犠牲層をコーティングした後にレーザーオブルレイションによって形成されるとか、インクジェット印刷法によって形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記微粒子のサイズは、1nm〜100μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
第2の段階で第1の基材上に置く微粒子は、溶媒に分散させない粉末形態であるとか、微粒子の体積に対して0〜10倍体積比の溶媒でコーティングまたは含浸または溶媒に分散したことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒は、水及びC1−6低級アルコールから構成された群から選択されたことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記孔隙の形状は、前記微粒子の配向を調節するために孔隙内に挿入される微粒子の所定部分の形状と対応されるように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の陰刻によって形成される孔隙形状または第1の陽刻の形状は、ナノ井戸(nanowell)、ナノ点(nanodot)、ナノ柱(nanopillar)、ナノ溝(nanotrench)またはナノ円錐(nanocone)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記微粒子が挿入される孔隙のサイズ及び/または形状が2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の基材は、前記1つの第1の陰刻内に更に個別的な微粒子の位置及び/または配向を固定させ得る2つ以上の第2の陰刻が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1の基材上の孔隙に挿入された微粒子が集まって特定パターンまたは形状を形成するとか、第1の基材のうち、粘着性を帯びる表面自体が特定パターンまたは形状を形成して第1の基材の粘着性を帯びる表面に固定された微粒子などがこれに対応する特定パターンまたは形状を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
第1の基材上に形成された微粒子などの前記パターンまたは形状は、2つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1の基材の孔隙間の距離を調節することによって、孔隙に挿入される微粒子などは、隣接した微粒子と接触または離隔されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記方法によって微粒子などを単層(monolayer)で整列させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
第2の段階の以後、第2の段階で形成された微粒子単一層のうち、隣接した3つ以上の微粒子によって形成される第2次孔隙に、複数の微粒子を置いた後に物理的圧力によって微粒子を挿入する第3の段階が追加されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の段階を1回以上行って2層以上の多層で微粒子などを整列させることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
微粒子が2つ層以上の多層で整列するとき、隣接した2つ層の各層を構成する微粒子は、互いに同一または異なることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
微粒子が2層以上の多層で整列するとき、隣接した2層の各パターンが同一または異なることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
微粒子表面及び/または第1の基材の表面は、接着性物質でコーティングされたことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項22】
第2の段階以後、微粒子表面及び/または第1の基材表面にコーティングされた接着性物質を除去する段階を更に含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記接着性物質は、(i)−NH2基を有する化合物、(ii)−SH基を有する化合物、(iii)−OH基を有する化合物、(iv)高分子電解質、(v)ポリスチレン、(vi)フォトレジストから構成された群から選択された化合物であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
第1の基材は、基板、ローラー、担持体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項25】
微粒子は、有機高分子、無機高分子、無機物、金属、磁性体、半導体または生体物質であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項26】
微粒子は、金、銀、アルミニウム、プラチナ、亜鉛、セリウム、タリウム、バリウム、イットリウム、ジルコニウム、スズ、チタン、カドミウム及び鉄から構成された群から選択される単一金属または2つの以上の金属を混合して製造された合金;Si、Ge、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs及びInSbから構成された群から選択される半導体物質;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体から構成された群から選択される高分子物質;2成分系以上の主族金属及び転移金属元素の結晶性及び非結晶性カルコゼン化物;前記物質などのうち、2つの物質以上がコア/シェル(core/shell)形態または様々な形態をなしているもの;蛍光を帯びるコア物質とこれを取り囲んだ物質のシェル;前記物質などのうち、2つの以上の物質が層構造になった物質;有機及び無機コロイド微粒子の中に有機、無機または有無機蛍光分子などが規則的及び不規則的に分布された蛍光物質;磁気、半磁気、上磁気、強誘電体(ferroelectric)、フェリ誘電性(ferrielectric)、超伝導、伝導性、半導体または不導体性質を有した微粒子;タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、多糖類、オリゴ糖、脂質、細胞、またはそれらの複合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項27】
前記微粒子は、球形、半球形、キューブ形、四面体、五面体、六面体、直方体形、八面体、Y形、柱形、錐形、対称形、非対称形または無定形であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項28】
前記微粒子が置かれた前記第1の基材の表面と平行をなすように第1の部材を配置し、第1の部材の往復運動を1回以上行って前記微粒子に物理的な圧力をかけることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜28のうち、いずれか一項に記載された方法によって微粒子が第1の基材上に配置された組立体。
【請求項30】
微粒子が第1の基材上に配置された組立体に透明または不透明保護物質が更にコーティングまたは充填されたことを特徴とする、請求項29に記載の組立体。
【請求項31】
微粒子がn個層以上の多層で整列されたものであって(ここで、n=2以上の自然数)、隣接した第k層及び第k+1層(ここで、0<k<nであり、k=任意の自然数)において、第k+1層の微粒子は、第k層の微粒子上に直立して整列されたことを特徴とする、請求項29に記載の組立体。
【請求項32】
隣接した第k層と第k+1層との間で第k層の微粒子などと第k+1層の微粒子などによって形成された孔隙に追って除去可能な高分子微粒子が挿入されていることを特徴とする、請求項31に記載の組立体。
【請求項33】
粒子のサイズ及び/または粒子の形状が2種以上である微粒子混合物を使用して、孔隙のサイズ及び/または孔隙の形状に対応される微粒子とそうではない微粒子を分離させることを特徴とする、請求項1〜28のうち、いずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
孔隙に挿入された微粒子のうち、孔隙の外に露出した部位を更に改質させることを特徴とする、請求項1〜28のうち、いずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記改質方法は、物理的処理、化学的処理、または化合物結合させることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【図23】
【図24】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
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【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公表番号】特表2012−523311(P2012−523311A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504622(P2012−504622)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002181
【国際公開番号】WO2010/117229
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(505463456)インダストリー−ユニバーシティ コオペレーション ファウンデーション ソギャン ユニバーシティ (9)
【氏名又は名称原語表記】Industry−University Cooperation Foundation Sogang University
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002181
【国際公開番号】WO2010/117229
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(505463456)インダストリー−ユニバーシティ コオペレーション ファウンデーション ソギャン ユニバーシティ (9)
【氏名又は名称原語表記】Industry−University Cooperation Foundation Sogang University
【Fターム(参考)】
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