説明

物理量検出器及び物理量検出器の製造方法

【課題】適度なダンピング効果が得られるようにして、圧力を所定の範囲に長期に亘って安定化させることができ、安価に製造可能な物理量検出器、及びその物理量検出器の製造方法を提供する。
【解決手段】物理量検出器は、静電容量センサ100と、演算器200とから構成される。静電容量センサ100は、ヒンジ部11aにより変位可能に支持された可動部(可動電極)12と、その可動部12と対向する位置に配置された第1及び第2固定電極22,23とを有する。さらに、静電容量センサ100が、活性ガスを吸着する吸着部(ゲッタ)14と、可動電極12、第1及び第2固定電極22,32、吸着部14を所定圧力のCxHy或いは希ガスと共に封止した封止部4を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量の測定に用いられる物理量検出器、及びその物理量検出器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、静電容量型の物理量検出器には様々なものが提供されている。このような物理量検出器は、Siなどを用いて小さな可動機構部品を形成し、そのサイズがμmオーダにおよぶ。そのため、空気抵抗の影響を受けることによる、特性低下の問題が生じる。
【0003】
そこで、例えば、物理量検出器として特許文献1に記載された加速度センサが知られている。この特許文献1に記載の加速度センサは、主として、弾性部により変位自在に支持された可動電極を有するシリコン基板、このシリコン基板に対向する両面に設けられた固定電極を有する2枚の硝子基板(透光材)とから構成されている。シリコン基板には、弾性変形可能な部位、スペース及びその他部位が設けられている。そして、上記のようなシリコン基板に設けられた各部位及び硝子基板の固定電極は、シリコン基板と2枚の硝子基板により封止され、真空下におかれている。
【0004】
すなわち、特許文献1に開示の加速度センサ(物理量検出器)は、パッケージとして可動電極及び固定電極を中空の構造体で囲み、そこを減圧して空気の影響を低減している。
【特許文献1】特開2004−12326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、減圧した状態で封止したとしても、長期的にみると中空構造体の内壁からの放出ガスなどにより、圧力の変化が発生し、物理量検出器の特性が変化してしまう虞がある。
【0006】
また、減圧させすぎると、空気によるダンピング効果が小さくなるため、制御の安定性に悪影響を及ぼし、その特性が低下してしまう虞がある。
【0007】
また、減圧状態である圧力範囲に保った状態で封止するには、真空チャンバーを用いるため、その製造コスト高、及び商品のスループットの低下等の問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、適度なダンピング効果が得られるようにして、圧力を所定の範囲に長期に亘って安定化させ、かつ安価に製造可能な物理量検出器、及びその物理量検出器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る物理量検出器は、弾性部により変位可能に支持された可動電極と、当該可動電極と対向する位置に配置された固定電極とを有し、前記可動電極と前記固定電極とにより形成されるキャパシタの静電容量に基づいて被測定体の変位、速度、加速度の何れかの物理量を検出する物理量検出器であって、活性ガスを吸着する吸着部と、前記可動電極、前記固定電極、及び前記吸着部を、所定圧力のCxHy或いは希ガスと共に封止した封止部とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記のような構成を有することにより、本発明に係る物理量検出器は、吸着部を備えているので、空気に含まれる活性ガスを吸着する。そして、前記可動電極、前記固定電極、及び前記吸着部を所定圧力であるCxHy或いは希ガスの雰囲気中に封止する封止部を備えている。したがって、所定圧力のCxHy或いは希ガスを封止しているため、CxHy或いは希ガスの特性により、適度なダンピングを発生させることができる。そして、所定量のCxHy或いは希ガスのみを封止部に残存させることにより、封止部内を長期に亘って安定した圧力を維持することが可能である。また、物理量検出器を製作する際、予め所定量のCxHy或いは希ガスを封止部内に入れておき、その他の活性ガスをゲッタ(吸着部)により減圧すればよいので、高価な真空チャンパを用いる必要なく、容易に所望の圧力に減圧させることができる。すなわち、安価な物理量検出器を提供することができる。
【0011】
また、前記所定圧力は、気圧1Pa以上であり、気圧1000Pa未満であることが望ましい。
【0012】
また、前記希ガスは、Ar,Xe,Krの少なくともいずれか1つであることが望ましい。
【0013】
また、前記封止部は、CANパッケージとしてもよく。CANパッケージとすることにより、その機械強度を高くすることが可能となる。
【0014】
また、前記封止部は、セラミックパッケージとしてもよい。セラミックパッケージとすることにより、封止部の小型化、及び表面実装が可能となる。
【0015】
本発明に係る物理量検出器の製造方法は、弾性部により変位可能に支持された可動電極と、当該可動電極と対向する位置に配置された固定電極とを有し、前記可動電極と前記固定電極とにより形成されるキャパシタの静電容量に基づいて被測定体の変位、速度、加速度の何れかの物理量を検出する物理量検出器の製造方法であって、第1の所定圧力中において前記可動電極、前記固定電極、活性ガスを吸着する吸着部を活性ガス及びCxHyと共に封止部に封止する工程と、前記吸着部を作動させ、前記封止部内の前記活性ガスを当該吸着部に吸着させ、第2の所定圧力とする吸着工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記第1の所定圧力は、気圧1000Pa以上であり、気圧100000Pa未満であることが望ましい。また、前記第2の所定圧力は、気圧1Pa以上であり、気圧1000Pa未満であることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、適度なダンピング効果が得られ、圧力を所定の範囲に長期に亘って安定化させることができ、かつ安価に製造可能な物理量検出器、及びその物理量検出器の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態係る物理量測定器、及びその物理量測定器の製造方法について説明する。
【0019】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る物理量測定器の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量測定器の概略図である。図1に示すように、第1実施形態に係る物理量測定器は、静電容量センサ100と、リードLを介して静電容量センサ100からの信号に基づき静電容量を演算する演算器200とから構成されている。
【0020】
静電容量センサ100は、主として、シリコン基板1と、シリコン基板1の上面に接続された第1の硝子基板2と、シリコン基板1の下面に接続された第2の硝子基板3とから構成されている。
【0021】
シリコン基板1は、その外周をシリコン製の枠部11により構成されており、枠部11にヒンジ部11aを介して、シリコン基板1の厚さ方向に変位自在に支持された可動部(可動電極)12が設けられている。なお、可動部12の厚みは、枠部11の厚みよりも薄く形成されている。これら枠部11、ヒンジ部11a、可動部12は、一体形成されている。また、シリコン基板1の長手方向の両側には、収容部13a、13b、13cが設けられている。
【0022】
収容部13a、13bには、電極取出用のシリコン製の島13aa,13baが設けられている。それら島13aa,13baは、互いに、そして枠部11に接触しないように隔離され配置されている。すなわち、他の島、及び枠部11とは電気的に絶縁されている。
【0023】
収容部13cには、活性ガス(例えば、酸素、窒素、水素など)を吸着するゲッタ(吸着部)14が設けられている。
【0024】
第1の硝子基板2は、主に第1の硝子基板本体21と、シリコン基板1の可動部12と対向する第1の固定電極22と、第1の固定電極22から第1の硝子基板2の長手方向に延びる第1検出用電極23とから構成されている。また、この第1の硝子基板2は、その厚み方向に形成された導電性を有する第1及び第2リード取付部24,25を有している。第1及び第2リード取付部24,25には、リードLを介して演算器200が接続されている。また、第1リード取付部24は、第1検出用電極23と接する位置に設けられており、第2リード取付部25は、島13aaと接する位置に設けられている。
【0025】
第2の硝子基板3は、主に第2の硝子基板本体31と、シリコン基板1の可動部12と対向する第2の固定電極32と、第2の固定電極32から第1の硝子基板2の長手方向、島13aaの底面に至るまで延びて形成された第2検出用電極33とから構成されている。なお、図示を省略するが、リードL以外にもシリコン基板1にリードが接続されている。
【0026】
すなわち、第1リード取付部24のリードLと図示しないシリコン基板1に接続されたリードからは、第1の固定電極22の静電容量が検出され、第2リード取付部25のリードLからは、島13aaを介して第2の固定電極32とシリコン基板1に接続されたリードの間の静電容量が検出される。
【0027】
これら静電容量センサ100を構成するシリコン基板1、第1の硝子基板2、及び第2の硝子基板3は、陽極接合されている。すなわち、可動部12、第1の固定電極22、及び第2の固定電極32により封止された封止部4が構成されている。この封止部4は、気圧1Pa〜気圧1000Pa(気圧1Pa以上であり、気圧1000Pa未満であることを示す)に保たれている。また、封止部4は、希ガス或いはCxHyにより満たされている。希ガスとは、例えば、Ar、Xe、Kr等である。
【0028】
次に、以下に示す表1及び図2を参照して希ガス及びCxHyの特性を説明する。表1は、空気と希ガス(Ar、Xe、Kr)における、大気圧の平均自由行程(λ)と、粘性係数(μ)と、それらの比を比較したものである。図2は、大気及び希ガス中における可動部12の質量に対する減衰比(気体特有の減衰係数/可動部12のバネ定数)を示す図である。なお、平均自由行程とは、その気体分子が、運動を妨げられてから次に運動を妨げられるまでに進む距離の平均値を示すものである。すなわち、μ/λは減衰特性を示すパラメータとなっている。
【0029】
【表1】

【0030】
表1に示すように、大気圧の平均自由工程λは、空気で6.8×10−8m、Arで7.1×10−8m、Krで5.4×10−8m、Xeで4.0×10−8mであり、希ガスにおいては、空気と同程度か小さい。また、粘性係数は、空気で1.8×10−5Pa・s、Arで2.3×10−5Pa・s、Krで2.5×10−5Pa・s、Xeで2.3×10−5Pa・sであり、希ガスにおいては、空気よりも大きい。そして、μ/λは、空気で0.26×10、Arで0.32×10、Krで0.46×10、Xeで0.58×10となる。
【0031】
また、図2に示すように、可動部12の質量に対する減衰比は、希ガス(Ne,Ar)が、常に空気よりも高い値となっている。
【0032】
なお、図示は省略するが、CxHyは、上記表1及び図2に示した希ガスと同様の空気に対する特性を有している。
【0033】
すなわち、希ガス及びCxHyは、可動部12の特性改善には適当である。なお、CxHy及び希ガスは、化学反応性が低いので、封止部4内に付着することはなく、気体の状態であり続けるので、長期に亘って圧力を維持することが可能である。
【0034】
次に、上記の静電容量センサ100の製造方法の一例について説明する。まず、希ガス(或いはCxHy)が1%含まれる大気圧(約100000Pa)において、シリコン基板1、第1の硝子基板2、及び第2の硝子基板3を陽極接合する。次に、透光材である第1の硝子基板2或いは第2の硝子基板3を介してゲッタ14にYAGレーザ(図示略)を照射する。この照射により、ゲッタ14が加熱、活性化されて、そのゲッタ14は、封止部4内の活性ガス(例えば、酸素、水素、窒素など)を吸着する。つまり、大気に含まれる99%の活性ガスが吸着されることにより、1%の希ガス(或いはCxHy)が残存することになり、その封止部4内は、1000Paの減圧状態となる。なお、上述した一例以外であってもよく、例えば、封止時の気圧を1000Pa〜100000Paとし、ゲッタ14により活性ガスを吸着して最終的に封止部4内を1Pa〜1000Paとしてもよい。封止部4を真空(約1000Pa)において封止することにより、大気圧において封止する場合よりも高い真空度を得ることができる。
【0035】
上記のように第1実施形態に係る物理量検出器及びその物理量検出器の製造方法によれば、高価な真空封止装置を用いることなく安価に製造可能であり、封止部4で封止された適度な減衰比を有する希ガス(或いはCxHy)により、適度なダンピング効果を発生させることができる。また、封止部4内に希ガス(或いはCxHy)のみが封止されているので、長期に亘って安定した圧力を保つことができる。
【0036】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る物理量測定器の構成を説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る物理量測定器の概略図である。なお、第2実施形態の物理量測定器において、第1実施形態と同一の構成には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図3に示すように、第2実施形態に係る物理量測定器は、静電容量センサ100’と、演算器200とから構成されている。
【0038】
静電容量センサ100’は、第1の硝子基板2’の形状、及び封止パッケージ5を備える点において第1実施形態の構成と異なる。
【0039】
第1の硝子基板2’は、さらにその厚み方向に貫通した開口26を有している。
【0040】
封止パッケージ5は、CANパッケージと呼ばれる金属パッケージである。封止パッケージ5は、第2の硝子基板3を載置する載置台51と、載置台51にその縁を接合した蓋52と、蓋52内側から載置台51の下方に突出した2本の脚部53とを有する。載置台51の上方に突出した脚部53には、リードLを介して第1及び第2リード取付部24,25が接続されており、載置台53の下方に突出した脚部53には、リードLを介して演算器200が接続されている。
【0041】
また、第2実施形態における静電容量センサ100’において、載置台51、及び蓋52により、可動部12、第1及び第2固定電極22,32を封止する封止部4’が構成されており、その内部は、気圧1〜1000Paの希ガス或いはCxHyを充填されている。なお、その封止方法は、はんだ、抵抗加熱圧着、及び圧入等である。
【0042】
上記第2実施形態の構成とすることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第2実施形態の構成とすることにより、確実に真空封止することが可能となり、さらに、その機械的強度を高めることができる。
【0043】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る物理量測定器の構成を説明する。図4は、本発明の第3実施形態に係る物理量測定器の概略図である。なお、第3実施形態の物理量測定器において、第1及び第2実施形態と同一の構成には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
図4に示すように、第3実施形態に係る物理量測定器は、静電容量センサ100’’と、演算器200とから構成されている。
【0045】
静電容量センサ100’’は、封止パッケージ5’の構成が、第2実施形態と異なる。
【0046】
封止パッケージ5’は、セラミックパッケージである。封止パッケージ5’は、主に上方に開口を有して第2の硝子基板3を載置する筐体54、及び筐体54の開口を封止する蓋55から構成されている。
【0047】
筐体54には、その側面両側に内側から外側へと貫通して形成された2つの電極54aが設けられている。また、筐体54には、その底面下方に電極54aと電気的に接続されている電極54bが設けられている。筐体54内側の各々の電極54aには、リードLを介して、第1及び第2リード取付部24,25が接続されており、筐体54外側の各々の電極54aには、リードLを介して演算器200が接続されている。
【0048】
また、第3実施形態における静電容量センサ100’’において、筐体54、及び蓋55により、可動部12、第1及び第2の固定電極22,32を封止する封止部4’’が構成されており、その内部は、気圧1〜1000Paの希ガス或いはCxHyを充填されている。
【0049】
上記第3実施形態の構成とすることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第3実施形態の構成とすることにより、確実に真空封止することが可能となり、第2実施形態と比較して、小型化可能、表面実装可能であり、さらに安価に製造することができる。
【0050】
上述したように本発明に係る物理量測定器の一実施形態を説明したが、上述した構成に限られるものではない。つまり、可動部12及び固定電極32が設けられた空間を封止し、その封止した空間の内部にゲッタ14が設けられており、その空間が1〜1000Paの希ガス或いはCxHyで満たされていれば良い。ここで、封止した空間とは、例えば封止部4,4’,4’’等であり、ゲッタを載置する箇所は、第2の硝子基板31上でなく、載置台51上或いは筐体54の内壁であってもよい。また、上記においてゲッタ14は、YAGレーザなどで加熱する構成としたが、例えば、ヒータ等により加熱する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物理量検出器の構成概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る物理量検出器の可動部12の質量に対する大気或いは希ガス中における減衰比を説明する図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る物理量検出器の構成概略図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る物理量検出器の構成概略図である。
【符号の説明】
【0052】
100,100’,100’’…静電容量センサ、200…演算器、1…シリコン基板、2,2’…第1の硝子基板2、3…第2の硝子基板、11…枠部、11a…ヒンジ部、12…可動部(可動電極)、13a、13b、13c…収容部、14…ゲッタ(吸着部)、21…第1の硝子基板本体、22…第1の固定電極22、23…第1検出用電極、24,25…第1及び第2リード取付部、26…開口、31…第2の硝子基板本体、32…第2の固定電極、33…第2検出用電極33、4,4’,4’’…封止部、5,5’…封止パッケージ、51…載置台、52…蓋、53…脚部、54…筐体、54a…電極、54b…電極、L…リード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部により変位可能に支持された可動電極と、当該可動電極と対向する位置に配置された固定電極とを有し、前記可動電極と前記固定電極とにより形成されるキャパシタの静電容量に基づいて被測定体の変位、速度、加速度の何れかの物理量を検出する物理量検出器であって、
活性ガスを吸着する吸着部と、
前記可動電極、前記固定電極、及び前記吸着部を、所定圧力のCxHy或いは希ガスと共に封止した封止部と
を備えることを特徴とする物理量検出器。
【請求項2】
前記所定圧力は、気圧1Pa以上であり、気圧1000Pa未満であることを特徴とする請求項1記載の物理量検出器。
【請求項3】
前記希ガスは、Ar,Xe,Krの少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1又は2記載の物理量検出器。
【請求項4】
前記封止部は、CANパッケージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の物理量検出器。
【請求項5】
前記封止部は、セラミックパッケージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の物理量検出器。
【請求項6】
弾性部により変位可能に支持された可動電極と、当該可動電極と対向する位置に配置された固定電極とを有し、前記可動電極と前記固定電極とにより形成されるキャパシタの静電容量に基づいて被測定体の変位、速度、加速度の何れかの物理量を検出する物理量検出器の製造方法であって、
第1の所定圧力中において前記可動電極、前記固定電極、活性ガスを吸着する吸着部を活性ガス及びCxHy或いは希ガスと共に封止部中に封止する工程と、
前記吸着部を作動させ、前記封止部内の前記活性ガスを当該吸着部に吸着させ、第2の所定圧力とする吸着工程と
を含むことを特徴とする物理量検出器の製造方法。
【請求項7】
前記第1の所定圧力は、気圧1000Pa以上であり、気圧100000Pa未満であることを特徴とする請求項6記載の物理量検出器の製造方法。
【請求項8】
前記第2の所定圧力は、気圧1Pa以上であり、気圧1000Pa未満であることを特徴とする請求項6又は7記載の物理量検出器の製造方法。
【請求項9】
前記希ガスは、Ar,Xe,Krの少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の物理量検出器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−116423(P2008−116423A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302513(P2006−302513)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】