説明

特にマイクロリトグラフィー用マスクなどの対象物の検査装置

【課題】マイクロリトグラフィー用マスクなどの対象物の検査装置。
【解決手段】対象物から放出される照明光をより長波長の光線へ変換するためのコンバータ、および画像記録のためのセンサが装備されていて、そのセンサが真空チェンバの外側にあって、真空チェンバからコンバータのセンサに到るまでの光学インタフェースとして配置されている、または結像対物レンズOの少なくとも一部が窓として真空チェンバ内に配置されている、真空チェンバ内に存在する、特にマイクロリトグラフィー用マスクなど対象物OFの検査装置。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
真空チェンバ内に存在する対象物の観察または結像には、観察光学系およびセンサ(カメラ)の真空チェンバ内への設置、または真空窓を通じての観察が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】DE 10130212 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは、極紫外線(EUV)による結像において、当光線をシンチレータにより別な波長の光線に変換し、次に別な光学系によってセンサに結像させる場合(US 5498923)には特に必要である。
【0004】
センサがチェンバ内部にあると、センサから、例えばシロキサン系または炭化水素系ガスが発生する原因になる。これが、チェンバ内にある装置の汚染リスクを高める結果になる。その場合、エネルギーの大きな光線、特にEUV線に曝される光学素子は危険度がとりわけ高い。
【0005】
センサがチェンバの外側にあると、結像に必要な光線は真空窓を通じてセンサにまで導かねばならない。この場合窓自体が原因となって、光学結像の品質および結像光学系の開口利用幅が制限される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明による解決法:
この問題は、シンチレータ自体で窓を形成するか、またはセンサの前に配置される結像光学系の構造を、それ自体が、またはその一部が真空窓を形成するような形態にすることによって解消される。
【0007】
その場合、その時々の設定課題に依存して様々な構成が可能である。
【0008】
a)結像対物レンズは気密なものとし、本来の意味での窓を形成する。
b)シンチレータで真空窓を形成する。
シンチレータは、好ましくも、脆化が始まったときには取換できるように構成されている。
c)対物レンズの一部で真空窓を形成する。
この場合、光源から第1番目の結象光学系レンズを真空窓として形成するのが特に有利である。そうすれば対物レンズのその他部分が真空に曝されないからである。さらに、その場合第1番目のレンズを真空チェンバに接合固定して、残りの対物レンズについては、例えば全体像撮影の場合では、結像条件を変えるために他のレンズ群と取換できるようにすることも可能である。
【発明の効果】
【0009】
上記いずれの変法によっても、ガスの発生および汚染に関し高いリスクを孕んでいる本来の意味でのセンサを真空チェンバの外に配置しながら、それでも高い光学結像品質を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】システム全体の実施例。
【図2】対物レンズの光学的構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を図1に基づきより詳しく説明する。
EUV光源LQにより照明光学系EUVBOを通じて照明された対象物OF領域は、EUV光学系EUVOによりシンチレータS上に結像する。シンチレータがEUV波長領域の画像をより長波長領域の画像に変換するが、その後当画像は結像対物レンズO(例えば、マイクロ対物レンズ)によってセンサ上に結像する。
その場合、結像対物レンズ/シンチレータが本発明に基づき上記構成の1つに利用される。
対物レンズOは模式的に描かれているが、それは第1光学構成部である窓を形成することができ、真空チェンバの外側に配置された、図には描かれていないその他のレンズ構成部がそれに続いている。
図2は対物レンズOの光学的構造を示した実施例である。
それは、DE 10130212 A1に詳細に記述されているような、好ましくも接合剤不用のハイブリッド対物レンズである。これは、材料費を低減化させ、光学的品質を改良させるという長所を持っている。
回折素子DOEの使用により屈折の増強および色消しが行える。
【0012】
この場合第1光学構成部F1/F2を真空チェンバの窓にすることができるが、しかし、例えばDOE F9/F10でも可能である。

ハイブリッド対物レンズのデータ(mm)
【表1】

以降鏡筒レンズ(図示されていない)に到るまで
【符号の説明】
【0013】
LQ EUV光源
EUVBO 照明光学系
OF 対象物
EUVO EUV光学系
S シンチレータ
O 結像対物レンズ
DOE 回折素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物から放出される照明光を、より長波長の光線へ変換するためのコンバータ、および画像記録のためのセンサが装備されていて、そのセンサが真空チェンバの外側にあって、真空チェンバからコンバータのセンサに到るまでの光学インタフェースとして配置されている、または結像対物レンズの少なくとも一部が窓として真空チェンバ内に配置されている、真空チェンバ内に存在する、特にマイクロリトグラフィー用マスクなどの対象物の検査装置。
【請求項2】
結像対物レンズが、少なくとも1つの回折素子DOEを持つ接合剤不用のハイブリッド対物レンズである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
正の屈折力を持つ第1光学素子群および第1光学素子群の1つに後続する負の屈折力を持つ第2光学素子群が配備されていて、第1光学素子群がDOEを含んでいる請求項2に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−199302(P2011−199302A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114920(P2011−114920)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【分割の表示】特願2006−505197(P2006−505197)の分割
【原出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【出願人】(504311556)カール ツァイス エスエムエス ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】