現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置
【課題】 可撓性の現像剤収納部材34では、封止部材19の開封をする場合に、開封が困難であった。
【解決手段】 排出部35の露出が進行する開封方向で、排出部35の連結部35bの領域の範囲に現像剤収納部材34の固定部34gを配置する。
【解決手段】 排出部35の露出が進行する開封方向で、排出部35の連結部35bの領域の範囲に現像剤収納部材34の固定部34gを配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置、および電子写真画像形成装置に用いられる現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
ここで電子写真画像形成装置とは、例えば電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば電子写真複写機、電子写真プリンター(例えば、LEDプリンター、レーザービームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置等が含まれる(以後、画像形成装置と呼ぶ)。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、現像装置を一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものや、現像装置と少なくとも感光体を有する感光体ユニットを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものを言う。
【0004】
また、現像剤収納容器および現像剤収納ユニットは、前記画像形成装置または前記プロセスカートリッジに収納されるものである。現像剤収納容器及び現像剤収納ユニットは、少なくとも現像剤を収納するための可撓性容器を備えている。
【背景技術】
【0005】
従来の電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0006】
このようなプロセスカートリッジでは、図15で示す様に現像剤(トナー、キャリア等)を収納する現像剤収納枠体31に設けた開口部を封止部材で封止している。そして、使用時に封止部材であるトナーシール32の接合部33を引き剥がすことで開口部が開封され現像剤の供給が可能となる方式が広く採用されている(特許文献1、図14参照)。
【0007】
またプロセスカートリッジ製造時に現像剤の充填工程でプロセスカートリッジの機内に現像剤が飛散する問題に対して変形可能な内部容器を用いたものが考案されている。そして、変形可能な内部容器の内側に弾性部材を設け、開封部材での開封後に開口が大きく開くように構成している。(特許文献1、図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−66980
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし特許文献1のように、内部容器の内側に弾性部材を設けることは製造上困難であり、またコストがかかってしまうと場合がある。
【0010】
そこで本発明の目的は、従来とは異なる構成において、可撓性容器を用いた現像剤収納ユニットであって、開封性の優れた現像剤収納ユニットを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明の構成の一つは以下のようなものである。
【0012】
画像形成に用いられる現像剤を収納する現像剤収納ユニットであって、収納した現像剤を排出するための開口部を備えた可撓性容器と、前記開口部を接合部により封止するとともに移動されることによって前記開口部を露出する封止部材と、を有する現像剤収納容器と、前記封止部材に取り付けられ、前記封止部材を移動させる開封部材と前記現像剤収納容器と前記開封部材とを収納し、前記可撓性容器を固定する固定部を有する枠体とを備え、複数の前記開口部の、開口部と開口部の間の部分を連結部として、前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする現像剤収納ユニットである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来とは異なる構成において、可撓性容器を用いた現像剤収納ユニットであって、開封性の優れた現像剤収納ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態における現像剤収納容器の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるプロセスカートリッジの主断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における画像形成装置の主断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における現像剤収納ユニットの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における現像剤収納ユニットの断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における現像剤収納ユニットの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態における現像剤収納容器の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態における排出部周辺の詳細図である。
【図9】本発明の実施の形態における排出部周辺の他の位置関係を示す構成の詳細図である。
【図10】本発明の実施の形態における他の構成の詳細図である。
【図11】本発明の実施の形態ではない他の構成の詳細図である。
【図12】本発明の実施の形態ではない現像剤収納ユニットの断面図である。
【図13】本発明の実施の形態における連排出部周辺の詳細図である。
【図14】本発明の実施の形態における他の接合部構成の詳細図である。
【図15】従来の変形可能な容器の斜視図である。
【図16】本発明の効果を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
現像剤収納容器は、少なくとも、可撓性容器と可撓性容器に設けられた現像剤を排出するための開口部を封止する封止部材を備えるものを指す。
【0016】
現像剤収納ユニットは、少なくとも現像剤収納容器と現像剤収納容器を収納する枠体を備えるものである。
【実施例1】
【0017】
図2に本発明を適用できるプロセスカートリッジの主断面図、図3に本発明を適用できる画像形成装置の主断面図を図示する。
【0018】
<プロセスカートリッジの構成概要>
プロセスカートリッジは、感光体ドラムと、感光体ドラムに作用するプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば感光体ドラムの表面を帯電させる帯電手段、感光体ドラムに像を形成する現像装置、感光体ドラム表面に残留した現像剤(トナー、キャリア等を含む)を除去するためのクリーニング手段がある。
【0019】
本実施形態のプロセスカートリッジAは、図2に示すように感光体ドラム11の周囲に帯電手段である帯電ローラ12、そしてクリーニング手段として弾性を有するクリーニングブレード14を有するクリーナーユニット24を備えている。また、プロセスカートリッジAは、第一の枠体17と、第二の枠体18を有する現像装置38を備えている。プロセスカートリッジAは、クリーナーユニット24と現像装置38とを一体とし、図3に示すように画像形成装置本体Bに対して、着脱自在に構成されている。現像手段である現像装置38は、現像ローラ13と現像ブレード15、現像剤供給ローラ23、現像剤を収納する可撓性の容器である現像剤収納部材34と封止部材19とを有する現像剤収納容器26を備える。以後、現像剤収納容器26と呼ぶ。現像ローラ13と、現像ブレード15は、第一の枠体17に支持されている。
【0020】
<画像形成装置の構成概要>
このプロセスカートリッジAは図3に示すような画像形成装置本体Bに装着されて画像形成に用いられる。画像形成は画像形成装置下部に装着されたシートカセット6から搬送ローラ7によってシートSを搬送し、このシート搬送と同期して、感光体ドラム11に露光装置8から選択的な露光をして潜像を形成する。現像剤は、スポンジ状の現像剤供給ローラ23によって現像ローラ13(現像剤担持体)に供給され、現像ブレード15により現像ローラ13表面に薄層担持される。現像ローラ13に現像バイアスを印加する事によって、潜像に応じて現像剤を供給し現像剤像に現像する。この像を転写ローラ9へのバイアス電圧印加によって搬送されるシートSに転写する。シートSは定着装置10へ搬送され画像定着し、排紙ローラ1によって画像形成装置上部の排紙部3に排出される。
【0021】
<現像剤収納ユニットの構成概要>
次に現像剤収納ユニット25の構成について図4、図7を用いて説明する。ここで図4は現像剤収納ユニット25の開封前の断面図、図7は現像剤収納容器26の切断斜視図である。
【0022】
(現像剤収納ユニット)
現像剤収納ユニット25は図4に示すように現像剤収納容器26、現像ローラ13、現像ブレード15と、これらを支持する第一の枠体17と、第二の枠体18とから構成される。第一の枠体17と第二の枠体18を合わせたものが現像剤収納容器26を収納する枠体である。
【0023】
なお本実施例では現像剤収納ユニット25は現像装置38と同じである。これは現像剤収納ユニット25が現像ローラ13、現像ブレード15を有しているからである。しかし現像剤収納ユニット25と別枠体で現像ローラ13と現像ブレード15を支持し、現像剤収納ユニット25と分離してもよい。この場合現像装置38は現像剤収納ユニット25と現像ローラ13、現像ブレード15で構成されたものとなる。(不図示)
(現像剤収納容器)
現像剤収納容器の構成について、図4、図7を用いて説明する。
【0024】
図7に示すように、現像剤収納容器26は、現像剤収納部材34、封止部材19を備えている。現像剤収納部材34は、内部に粉体の現像剤を収納可能とした可撓性容器である。現像剤収納部材34は、シート状の素材を真空成形、圧空成形、プレス成形により形成した成形部34aと、シート状で通気性を有する通気部34bから構成される。ここで、成形部34aと通気部34bの接合の方法としては、熱溶着、レーザー溶着、接着剤、接着テープ等がある。現像剤収納部材34の外周部34cには、一部に現像剤収納部材34の固定部34g(被固定部)が設けられている。また、現像剤収納部材34には現像剤を排出するための開口である排出部35が設けられている。使用前のプロセスカートリッジAから、現像剤収納部材34から現像剤を封止するため、封止部材19は排出部35を覆い隠すように現像剤収納部材34に接合される。封止部材19は可撓性を有するシート状の部材で、現像剤収納部材34から引きはがされることで排出部35を露出させ、現像剤収納容器26から現像剤を排出可能とすることができる。また、封止部材19は開封部材20と被係合部19bで接続されており、開封部材20は第二の枠体18に回転可能に支持されている。開封部材20は、画像形成装置本体Bに設けられた不図示の駆動手段により、駆動力が伝達されて矢印C方向に回転することで、封止部材19を巻取り、排出部35を露出させることが可能である。
【0025】
そして図4に示すように、現像剤収納容器26は固定部34gにより、第一の枠体17と第二の枠体18で形成される内部空間に固定される。ここで、排出部35は画像形成時の姿勢で収納する現像剤を排出しやすいようになっているのが好ましい。そのため、画像形成時の姿勢において、排出部35が鉛直下方に向くように配置される。
【0026】
(排出部の詳細構成)
次に、排出部35の詳細について図8を用いて説明する。ここで、図8は、現像剤収納部材34に設けられた排出部35周辺の詳細図である。現像剤収納部材34の上に、封止部材19が接合された状態を示している。封止部材19は、開口部35aを封止するとともに移動することによって開口部35aを露出する。封止部材19の移動方向(開封部材20に引っ張られる方向)は方向Dである。封止部材19の移動により開口部35aは開封方向Eの方向に露出が進む。図8に示す様に排出部35は、内部の現像剤を排出するための複数の開口部35a、および複数の開口部35aを定義する連結部35bから構成されている。開口部35aおよび連結部35bは、開封方向Eに対して垂直な方向Fに配置されている。ここで、実施例1の複数の開口部35aはそれぞれ丸形状である。さらに、排出部35は、封止部材19により、排出部35の周囲を接合部22で連続して取り囲み開封可能に接合し現像剤収納部材34に収納する現像剤を封止している。
【0027】
ここで、図8に示すように、接合部22は長い方向(方向F)に2本、短い方向(方向E)に2本を連続的に囲んだ「ロの字」形状にすることで排出部35の封止を可能としている。ここで長い方向(方向F)に溶着された2本の接合部22のうち先に開封されるものを第一の接合部22a、後に開封されるものを第二の接合部22bとする。また、開口部35aを挟んで第一の接合部22aに対向する接合部22が第二の接合部22bである。また短い方向の接合部22を短手接合部22cとする。本実施例において開封方向は方向Eである。開封方向は次のように定義する。封止部材19を移動させて開封を行う場合に、開口部35aを挟んだ第一の接合部22aと第二の接合部22bとでは、第一の接合部22aが先に開封(剥離)される。
【0028】
(現像剤収納部材と第二の枠体の固定)
次に、現像剤収納部材34と第二の枠体18との固定について図4、図7を用いて説明する。図4に示す様に現像剤収納部材34は固定部34gにより第二の枠体18の内部に固定される。図7に示すように、固定部34gは、複数の開口部35aが配置されている方向Fと平行に複数個設けられ、封止部材19を現像剤収納部材34から開封する時に力を受けている。なお固定部34gはこのように複数個設けられる以外に方向Fと平行に長いひとつのものでも良い。
【0029】
また現像剤収納部材34の固定部34gは第二の枠体18の固定部18aに固定されている。固定の手段としては超音波カシメの他に超音波以外のものも使用可能である。例えば、熱を用いた熱カシメや、現像剤収納部材34と第二の枠体18に直接溶着する熱溶着や超音波溶着、また溶剤や接着剤を用いた接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、穴と凸部(ボス等)による引っ掛け等でも良い。接着の場合は、現像剤収納部材34と第二の枠体18が接着されている領域が固定部となる。挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、ボス等についても、それぞれ、挟み込まれている領域、熱カシメ(超音波カシメ)されている領域、ネジ、ボス等の存在している領域が固定部となる。
【0030】
なお、図4に示すように、現像剤収納部材34の第二の接合部22bを確実に剥がすためには、現像剤収納部材34の第二の接合部22bと第二の枠体18の固定部18aの間には次のような配置の関係が好ましい。即ち、開封部材20による封止部材19の移動方向Dにおいて、第二の枠体18の固定部18aと開封部材20とが、排出部35を挟むように設けられているのが好ましい。封止部材19は、開封時に第二の枠体18の固定部18aに対して矢印Dの方向に開封部材20によって引っ張られる。ここで、現像剤収納部材34の固定部34gは、第二の枠体18の固定部18aによって固定されている。そのため、封止部材19は、第二の枠体18の固定部18aと開封部材20の間で矢印Hと矢印Dの方向に引っ張られる。その結果、現像剤収納部材34の第一の接合部22aに力が加わり、封止部材19は、矢印Eの方向に剥離される。よって、排出部35は、封止部材19の移動方向Dにおいて開封部材20と第二の枠体18の固定部18aとによって領域Mの範囲に挟むように設けられているのが好ましい。
【0031】
以下に、本発明かかかる排出部35の連結部35bと現像剤収納部材34の固定部34gとの配置関係について、図1、図5、図6を用いて詳細に説明する。
【0032】
(連結部の役割と、現像剤収納部材の固定部との配置関係)
ここで現像剤収納部材34の開封動作において、現像剤収納部材34の開口部35aと連結部35bと、現像剤収納部材34の固定部34gの関係について説明する。
【0033】
図1は、最初に開封する第一の接合部22aの部分の剥離を終えて、開口部35aが露出した時の排出部35周辺の詳細図であり、現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離を終えていない状態である。また、図5は、第一の接合部22aが剥離された後で現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離を終えていない状態の現像剤収納ユニット25の断面図である。さらに、図6は、第二の接合部22bが剥離された後の現像剤収納ユニット25の断面図である。図1に示すように、排出部35は開口部35aの露出が進行する開封方向Eに対して垂直方向Fに複数の開口部35aを有している。そのため複数の連結部35bもF方向に複数配置されることになる。
【0034】
連結部35bと前述した現像剤収納部材34の固定部34gとの関係は以下の通りになっている。図1に示すように、排出部35のF方向の中央付近に位置する連結部35bのうち、1つの連結部35b1と現像剤収納部材34の固定部34g1は、開封方向Eで、連結部35b1の領域Lの範囲において、少なくとも一部が重複するように配置されている。即ち、開封方向Eにおいて、固定部34g1と連結部35b1とはオーバーラップするように配置されている。
【0035】
開封方向Eからみて、少なくとも1つの固定部34g1の一部が1つの連結部35d1の領域Lの範囲に位置することで、連結部35b1は、現像剤収納部材34の固定部34g1と現像剤収納部材34の第二の接合部22bとを繋ぐ役割をしていることになる。そのため、連結部35bを介して現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封する力を現像剤収納部材34の固定部34g1で受けることが可能となる。その結果、連結部35b1は、封止部材19を現像剤収納部材34から剥す力を現像剤収納部材34の固定部34g1に伝えることができる。よって、封止部材19は第二の接合部22bにおいても剥離可能となる。
【0036】
次に、現像剤収納部材34の固定部34g1と連結部35b1の位置関係について、別の構成を図9に示す。図9は、第二接合部22bが剥離される直前の排出部周辺の詳細図である。図9において、現像剤収納部材34の固定部34g1は、開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心部34g1Cが連結部35b1の領域Lの範囲の中央部に位置するような関係L1=L/2に配置されている。即ち、封止部材の開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心と連結部35b1とがオーバーラップするように配置されている。さらに言えば、封止部材の開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心と連結部35b1の中央部とがオーバーラップするように配置されている。
【0037】
ここで、第二の接合部22bを開封する時の力は、連結部35bを介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることになるが、実際に力を受けているのは、現像剤収納部材34の固定部34gに力がかかっている幅Q1の範囲である。第二の接合部22bを開封する際、開口部35aおよび開口部35a周辺の連結部35bは少なからず変形する。ここでは、力を受ける幅Q1の範囲の中央部である固定部34g1の中心部34g1Cを、連結部35b1の領域Lの中央部に位置するように配置している。このような構成にすることによって、開口部35aおよび開口部35a周辺の連結部35bの変形が発生しても、開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心と連結部35b1とがオーバーラップすることが可能である。
図1(b)の固定部34g1のように固定部の一部と開口部35aがオーバーラップする構成であると、開口部35a近傍の変形によりオーバーラップがなくなってしまうおそれがある。
【0038】
このような構成にすることで、現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封する力を、連結部35bを介して現像剤収納部材34の固定部34g1で受けることが可能となり、封止部材19を剥離することが出来る。このような構成は、特に連結部35b1の領域Lに対して、現像剤収納部材34の固定部34gの幅Q1が狭い場合に有効になる。
【0039】
さらに、複数の開口部35aと連結部35bと現像剤収納部材34の固定部34gの別の構成を図10に示す。図10は、第二接合部22bが剥離される直前の排出部周辺の詳細図である。
【0040】
まず、図10(a)、図10(b)に示すように、図1の現像剤収納部材34の固定部34g1に加え、排出部35のF方向の両端の開口部35aと短手接合部22cを挟む領域に現像剤収納部材34の固定部34g2、34g3を配置している。
排出部35のF方向の両端の開口部35aと短手接合部22cとを挟む領域L2の範囲に現像剤収納部材34の固定部34g2が配置され、同様にL3の範囲に現像剤収納部材34の固定部34g3が配置されている。これにより、排出部35のF方向の両端付近においても、現像剤収納部材34の固定部34g2、34g3と現像剤収納部材34の第二の接合部22bは、現像剤収納部材34を介して繋がっている。
【0041】
封止部材19の開封方向Eに対し垂直な方向Fにおいて、複数の開口部35のうち最端部の開口部35aと短手接合部22cとで挟まれた領域を端部連結部L2(L3)とする。そして、開封方向Eにおいて、固定部34g2(34g3)と端部連結部L2(L3)がオーバーラップするように配置されている。
【0042】
封止部材19をより確実に開封するためには、現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封されるきっかけとなる部分と最後に剥離される部分の剥離時の力を、現像剤収納部材34の固定部34gで受けていることが重要である。
【0043】
ここで、現像剤収納部材34の第二の接合部22bを開封する時の力が開封部材20に加わると、開封部材20は封止部材19によって図10(a)に示す方向Dの逆方向に引っ張られる。そのため、第二の枠体18に両端支持されている開封部材20は少なからず方向Dの逆方向に撓みが生じる。このとき、開封部材20の撓み量は、図10(a)に示すF方向において、開封部材20が支持されているところに近い両端付近が一番小さく、開封部材20が支持されているところに遠い中央付近が一番大きい。そして、開封部材20の撓みが大きいほど、開封部材20による封止部材19の開封のタイミングが遅くなる。開封部材20が撓むことにより、開封部材20と第一接合部22aとの距離が近くなる。そのため、開封部材20と第一接合部との間の封止部材19がたるんで余裕を持つこととなり、開封部材が巻き取りを開始した最初の方では、封止部材19のたるみを巻き取るだけになるためである。よって、現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離は開封部材20の撓みが小さい両端付近が先に巻き取られ剥離のきっかけとなり、開封部材20の撓みが大きい中央付近が最後に剥離される。ここで、剥離のきっかけとなる端部付近において、現像剤収納部材34が大きく変形してしまうと、現像剤収納部材34が開封部材20に巻き付いてしまい、そもそも開封が始まらないおそれがある。また、剥離が始まる最初の段階においては開封のための力が大きくなるため、現像剤収納部材34が変形することにより後述するせん断剥離の状態になると、より大きな力が必要となってしまう。ゆえに、現像剤収納部材34の固定部34g2、34g3は、開封方向Eで排出部35のF方向の両端の開口部35aと短手接合部22cとを挟む領域L2,L3の範囲に設置している。また、剥離が進んでいきF方向の中央付近まで開封が進んでいくと、現像剤収納部材34の変形が大きくなる。これは中央部以外の領域の接合がすべて剥がれてしまうため、現像剤収納部材34に係る剥離力が中心部に集中してしまうためである。現像剤収納部材34が大きく変形してしまうと、開封部材20への巻き付き等の問題が同様に起こる。そこで、排出部35のF方向の中央付近に現像剤収納部材34の固定部34g1を開封方向Eで連結部35b1の方向Fの領域Lの範囲に配置している。このような構成にすることで、封止部材19は確実に剥離することが出来る。本実施例では、開封方向Eと垂直な方向Fにおける第二の接合部22bの中央部において、連結部35b1と固定部34g1がオーバーラップするように配置している。
【0044】
次に、図10(c)、図10(d)に複数の開口部35aと連結部35bと現像剤収納部材34の固定部34gの別の構成を示す。図10(c)、図10(d)は、現像剤収納部材34の複数の固定部34gの全てを開口部35aの露出が進行する開封方向Eで連結部35bの方向Fの領域Lの範囲に配置した構成である。現像剤収納部材34の全ての固定部34gを連結部35bの方向Fの領域Lの範囲に配置することで、現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封する力を現像剤収納部材34の固定部34gによって受けることができる。そのため、封止部材19はより確実に剥離することが出来る。
【0045】
さらに、図14(a)は、開口部35aを封止部材19によって封止する接合部22の接合パターンを示す排出部35周辺の説明図である。また、図14(b)は、開口部35aの配置構成を示す排出部35周辺の説明図である。先に説明した接合部22を開口部35aの周囲を矩形形状で連続して囲む構成以外にも次のような構成でもよい。図14(a)のように各々の開口部35aの周囲を接合部22によって封止部材19と現像剤収納部材34と結合させる構成や、図14(b)のように、接合部22の領域内で開口部35aは開封方向Eに対して垂直な方向に完全に並んでいない構成においても適用される。この場合でも、開封方向Eからみて、現像剤収納部材34の固定部34gが連結部35dの領域Lの範囲に位置することで、現像剤収納部材34の接合部22が開封される力は連結部35を介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることが可能となる。その結果、連結部35bは、封止部材19を現像剤収納部材34から剥す力を現像剤収納部材34の固定部34gに伝えることができる。その結果、封止部材19は接合部22においても剥離可能となる。
【0046】
即ち、複数の開口部35aが開封方向Eに垂直な方向Fに一定の間隔をあけて配置されていれば、連結部35bは存在し、現像剤収納部材34の固定部34gは開口部35aの露出が進行する開封方向Eで連結部35bの領域Lの範囲に配置することが可能である。
【0047】
さらには、連結部35bは、別部材で構成してもよい。図13は、連結部35bを別部材である連結部材16fで排出部35を構成した説明図である。図13(a)は、連結部35bを別部材である連結部材16fで排出部35を構成した排出部35周辺の説明図であり、図13(b)はその拡大図である。図13(b)に示すように、開封方向Eに垂直な方向Fに長い一つの開口部35aを設け、長い一つの開口部35aに開封方向Eに沿って現像剤収納部材34の固定部34gと現像剤収納部材34の第二の接合部22bを繋ぐ別部材の連結部材16fを設けている。この時、長い一つの開口部35aの第一の接合部22a側と第二の接合部22b側にそれぞれ連結部材16fを接着、溶着等で接合されている。このような構成においても、連結部35bと同様に、現像剤収納部材34の接合部22が開封される力は連結部材16fを介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることが可能となるため、封止部材19の剥離は確実に行うことが可能となる。その結果、開封特性を向上することができる。
【0048】
(本発明を適用しない場合の課題)
次に、本発明を適用せず現像剤収納部材34が開封困難な例について図11、図12を用いて述べる。図11(a)、図11(b)は連結部35bを有さない場合の構成図である。また、図11(c)、図11(d)は現像剤収納部材34の固定部34gが開口部35aの露出が進行する開封方向Eで連結部35bの領域の範囲に配置しない場合の構成図である。なお、図11(a)、図11(c)は現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離前の状態で、図11(b)、図11(d)は、現像剤収納部材34の第二の接合部22bを剥離している状態の図である。
【0049】
この場合、図11(a)、図11(c)に示すように現像剤収納部材34の第二の接合部22bまで開封が進んだ状態から更に開封部材20の回転により封止部材19が矢印Dの方向に引っ張られ移動する。すると、現像剤収納部材34の第二の接合部22bは第二の枠体18の固定部18aからの拘束力がなくなり開口部35aが矢印Dの方向に大きく開いていく。更に現像剤収納部材34の第二の接合部22bが封止部材19に引っ張られて図11(b)、図11(d)に示す様に開口部35aが変形する。この場合、現像剤収納部材34の第二の接合部22bに働く力の向きが、せん断剥離の方向に近くなる。そのため剥離するために大きな力が必要となる。しかも、現像剤収納部材34の固定部34gが支持する力を現像剤収納部材34の第二の接合部22bに伝達できないため現像剤収納部材34の第二の接合部22bは剥離できないまま開封部材20に引っ張られていく。そのため、現像剤収納部材34の固定部34gからの力を、現像剤収納部材34の第二の接合部22b側に伝達することができない。さらに、図12に示すように、現像剤収納部材34の第二の接合部22bの長手中央付近の開口部35aが更に大きく開いてしまい、開封部材20に巻きついてしまう。
【0050】
図16を用いて詳細に説明する。図16(a)は、図10(d)の、A1−A2断面の図である。図16(a)は、本願発明の構成である開封方向において固定部と連結部がオーバーラップする部分の断面図である。図16(b)は、図10(d)のB1−B2断面である。図16(b)は、本願発明の構成ではない開封方向において固定部と連結部がオーバーラップしない部分の断面図である。図16(a)、図16(b)では、説明のために、枠体18を図示している。図16(a)では、封止部材19が開封部材に巻き取られていく際に、現像剤収納部材34はほとんど変形しない。そのため、封止部材19の接合部22bのある面と、封止部材19が開封部材20に力を受ける面とのなす角度αにある程度の角度ができた状態で、封止部材は剥離される(傾斜剥離)。一方、図16(b)では、封止部材19が開封部材に巻き取られていく際に、現像剤収納部材34の開口部35の近傍の部分が変形してしまい、角度αは略0°の状態で封止部材が剥離されることとなる(せん断剥離)。せん断剥離の場合は、傾斜剥離に比較して、開封するための力が大きくなってしまい、開封できなくなるおそれがある。また可撓性容器の変形が大きい場合は、可撓性容器が軸20に巻き付いてしまうおそれがある。
【0051】
なお現像剤を収納するものが構造体のように硬いものであればこのような変形は無く従来例のように開封可能である。しかし、現像剤を変形可能な柔らかい袋状のものに収納し、開口部35aが開封時変形するようなものを開封する構成の場合は、連結部35bが存在し、現像剤収納部材34の固定部34gは連結部35bの領域の範囲に配置しなくては開封が困難になる。
【0052】
以上述べてきたように、現像剤収納部材34の固定部34gは連結部35bの領域の範囲に配置することで、封止部材19と現像剤収納部材34の接合部22が剥離される力は、連結部35bを介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることが可能となる。よって現像剤収納部材34の封止部材19の開封を確実に安定的に行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
16f 連結部材
18a 固定部
20 開封部材
22 接合部
25 現像剤収納ユニット
26 現像剤収納容器
35a 開口部
35b 連結部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置、および電子写真画像形成装置に用いられる現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
ここで電子写真画像形成装置とは、例えば電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば電子写真複写機、電子写真プリンター(例えば、LEDプリンター、レーザービームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置等が含まれる(以後、画像形成装置と呼ぶ)。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、現像装置を一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものや、現像装置と少なくとも感光体を有する感光体ユニットを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものを言う。
【0004】
また、現像剤収納容器および現像剤収納ユニットは、前記画像形成装置または前記プロセスカートリッジに収納されるものである。現像剤収納容器及び現像剤収納ユニットは、少なくとも現像剤を収納するための可撓性容器を備えている。
【背景技術】
【0005】
従来の電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0006】
このようなプロセスカートリッジでは、図15で示す様に現像剤(トナー、キャリア等)を収納する現像剤収納枠体31に設けた開口部を封止部材で封止している。そして、使用時に封止部材であるトナーシール32の接合部33を引き剥がすことで開口部が開封され現像剤の供給が可能となる方式が広く採用されている(特許文献1、図14参照)。
【0007】
またプロセスカートリッジ製造時に現像剤の充填工程でプロセスカートリッジの機内に現像剤が飛散する問題に対して変形可能な内部容器を用いたものが考案されている。そして、変形可能な内部容器の内側に弾性部材を設け、開封部材での開封後に開口が大きく開くように構成している。(特許文献1、図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−66980
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし特許文献1のように、内部容器の内側に弾性部材を設けることは製造上困難であり、またコストがかかってしまうと場合がある。
【0010】
そこで本発明の目的は、従来とは異なる構成において、可撓性容器を用いた現像剤収納ユニットであって、開封性の優れた現像剤収納ユニットを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明の構成の一つは以下のようなものである。
【0012】
画像形成に用いられる現像剤を収納する現像剤収納ユニットであって、収納した現像剤を排出するための開口部を備えた可撓性容器と、前記開口部を接合部により封止するとともに移動されることによって前記開口部を露出する封止部材と、を有する現像剤収納容器と、前記封止部材に取り付けられ、前記封止部材を移動させる開封部材と前記現像剤収納容器と前記開封部材とを収納し、前記可撓性容器を固定する固定部を有する枠体とを備え、複数の前記開口部の、開口部と開口部の間の部分を連結部として、前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする現像剤収納ユニットである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来とは異なる構成において、可撓性容器を用いた現像剤収納ユニットであって、開封性の優れた現像剤収納ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態における現像剤収納容器の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるプロセスカートリッジの主断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における画像形成装置の主断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における現像剤収納ユニットの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における現像剤収納ユニットの断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における現像剤収納ユニットの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態における現像剤収納容器の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態における排出部周辺の詳細図である。
【図9】本発明の実施の形態における排出部周辺の他の位置関係を示す構成の詳細図である。
【図10】本発明の実施の形態における他の構成の詳細図である。
【図11】本発明の実施の形態ではない他の構成の詳細図である。
【図12】本発明の実施の形態ではない現像剤収納ユニットの断面図である。
【図13】本発明の実施の形態における連排出部周辺の詳細図である。
【図14】本発明の実施の形態における他の接合部構成の詳細図である。
【図15】従来の変形可能な容器の斜視図である。
【図16】本発明の効果を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
現像剤収納容器は、少なくとも、可撓性容器と可撓性容器に設けられた現像剤を排出するための開口部を封止する封止部材を備えるものを指す。
【0016】
現像剤収納ユニットは、少なくとも現像剤収納容器と現像剤収納容器を収納する枠体を備えるものである。
【実施例1】
【0017】
図2に本発明を適用できるプロセスカートリッジの主断面図、図3に本発明を適用できる画像形成装置の主断面図を図示する。
【0018】
<プロセスカートリッジの構成概要>
プロセスカートリッジは、感光体ドラムと、感光体ドラムに作用するプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば感光体ドラムの表面を帯電させる帯電手段、感光体ドラムに像を形成する現像装置、感光体ドラム表面に残留した現像剤(トナー、キャリア等を含む)を除去するためのクリーニング手段がある。
【0019】
本実施形態のプロセスカートリッジAは、図2に示すように感光体ドラム11の周囲に帯電手段である帯電ローラ12、そしてクリーニング手段として弾性を有するクリーニングブレード14を有するクリーナーユニット24を備えている。また、プロセスカートリッジAは、第一の枠体17と、第二の枠体18を有する現像装置38を備えている。プロセスカートリッジAは、クリーナーユニット24と現像装置38とを一体とし、図3に示すように画像形成装置本体Bに対して、着脱自在に構成されている。現像手段である現像装置38は、現像ローラ13と現像ブレード15、現像剤供給ローラ23、現像剤を収納する可撓性の容器である現像剤収納部材34と封止部材19とを有する現像剤収納容器26を備える。以後、現像剤収納容器26と呼ぶ。現像ローラ13と、現像ブレード15は、第一の枠体17に支持されている。
【0020】
<画像形成装置の構成概要>
このプロセスカートリッジAは図3に示すような画像形成装置本体Bに装着されて画像形成に用いられる。画像形成は画像形成装置下部に装着されたシートカセット6から搬送ローラ7によってシートSを搬送し、このシート搬送と同期して、感光体ドラム11に露光装置8から選択的な露光をして潜像を形成する。現像剤は、スポンジ状の現像剤供給ローラ23によって現像ローラ13(現像剤担持体)に供給され、現像ブレード15により現像ローラ13表面に薄層担持される。現像ローラ13に現像バイアスを印加する事によって、潜像に応じて現像剤を供給し現像剤像に現像する。この像を転写ローラ9へのバイアス電圧印加によって搬送されるシートSに転写する。シートSは定着装置10へ搬送され画像定着し、排紙ローラ1によって画像形成装置上部の排紙部3に排出される。
【0021】
<現像剤収納ユニットの構成概要>
次に現像剤収納ユニット25の構成について図4、図7を用いて説明する。ここで図4は現像剤収納ユニット25の開封前の断面図、図7は現像剤収納容器26の切断斜視図である。
【0022】
(現像剤収納ユニット)
現像剤収納ユニット25は図4に示すように現像剤収納容器26、現像ローラ13、現像ブレード15と、これらを支持する第一の枠体17と、第二の枠体18とから構成される。第一の枠体17と第二の枠体18を合わせたものが現像剤収納容器26を収納する枠体である。
【0023】
なお本実施例では現像剤収納ユニット25は現像装置38と同じである。これは現像剤収納ユニット25が現像ローラ13、現像ブレード15を有しているからである。しかし現像剤収納ユニット25と別枠体で現像ローラ13と現像ブレード15を支持し、現像剤収納ユニット25と分離してもよい。この場合現像装置38は現像剤収納ユニット25と現像ローラ13、現像ブレード15で構成されたものとなる。(不図示)
(現像剤収納容器)
現像剤収納容器の構成について、図4、図7を用いて説明する。
【0024】
図7に示すように、現像剤収納容器26は、現像剤収納部材34、封止部材19を備えている。現像剤収納部材34は、内部に粉体の現像剤を収納可能とした可撓性容器である。現像剤収納部材34は、シート状の素材を真空成形、圧空成形、プレス成形により形成した成形部34aと、シート状で通気性を有する通気部34bから構成される。ここで、成形部34aと通気部34bの接合の方法としては、熱溶着、レーザー溶着、接着剤、接着テープ等がある。現像剤収納部材34の外周部34cには、一部に現像剤収納部材34の固定部34g(被固定部)が設けられている。また、現像剤収納部材34には現像剤を排出するための開口である排出部35が設けられている。使用前のプロセスカートリッジAから、現像剤収納部材34から現像剤を封止するため、封止部材19は排出部35を覆い隠すように現像剤収納部材34に接合される。封止部材19は可撓性を有するシート状の部材で、現像剤収納部材34から引きはがされることで排出部35を露出させ、現像剤収納容器26から現像剤を排出可能とすることができる。また、封止部材19は開封部材20と被係合部19bで接続されており、開封部材20は第二の枠体18に回転可能に支持されている。開封部材20は、画像形成装置本体Bに設けられた不図示の駆動手段により、駆動力が伝達されて矢印C方向に回転することで、封止部材19を巻取り、排出部35を露出させることが可能である。
【0025】
そして図4に示すように、現像剤収納容器26は固定部34gにより、第一の枠体17と第二の枠体18で形成される内部空間に固定される。ここで、排出部35は画像形成時の姿勢で収納する現像剤を排出しやすいようになっているのが好ましい。そのため、画像形成時の姿勢において、排出部35が鉛直下方に向くように配置される。
【0026】
(排出部の詳細構成)
次に、排出部35の詳細について図8を用いて説明する。ここで、図8は、現像剤収納部材34に設けられた排出部35周辺の詳細図である。現像剤収納部材34の上に、封止部材19が接合された状態を示している。封止部材19は、開口部35aを封止するとともに移動することによって開口部35aを露出する。封止部材19の移動方向(開封部材20に引っ張られる方向)は方向Dである。封止部材19の移動により開口部35aは開封方向Eの方向に露出が進む。図8に示す様に排出部35は、内部の現像剤を排出するための複数の開口部35a、および複数の開口部35aを定義する連結部35bから構成されている。開口部35aおよび連結部35bは、開封方向Eに対して垂直な方向Fに配置されている。ここで、実施例1の複数の開口部35aはそれぞれ丸形状である。さらに、排出部35は、封止部材19により、排出部35の周囲を接合部22で連続して取り囲み開封可能に接合し現像剤収納部材34に収納する現像剤を封止している。
【0027】
ここで、図8に示すように、接合部22は長い方向(方向F)に2本、短い方向(方向E)に2本を連続的に囲んだ「ロの字」形状にすることで排出部35の封止を可能としている。ここで長い方向(方向F)に溶着された2本の接合部22のうち先に開封されるものを第一の接合部22a、後に開封されるものを第二の接合部22bとする。また、開口部35aを挟んで第一の接合部22aに対向する接合部22が第二の接合部22bである。また短い方向の接合部22を短手接合部22cとする。本実施例において開封方向は方向Eである。開封方向は次のように定義する。封止部材19を移動させて開封を行う場合に、開口部35aを挟んだ第一の接合部22aと第二の接合部22bとでは、第一の接合部22aが先に開封(剥離)される。
【0028】
(現像剤収納部材と第二の枠体の固定)
次に、現像剤収納部材34と第二の枠体18との固定について図4、図7を用いて説明する。図4に示す様に現像剤収納部材34は固定部34gにより第二の枠体18の内部に固定される。図7に示すように、固定部34gは、複数の開口部35aが配置されている方向Fと平行に複数個設けられ、封止部材19を現像剤収納部材34から開封する時に力を受けている。なお固定部34gはこのように複数個設けられる以外に方向Fと平行に長いひとつのものでも良い。
【0029】
また現像剤収納部材34の固定部34gは第二の枠体18の固定部18aに固定されている。固定の手段としては超音波カシメの他に超音波以外のものも使用可能である。例えば、熱を用いた熱カシメや、現像剤収納部材34と第二の枠体18に直接溶着する熱溶着や超音波溶着、また溶剤や接着剤を用いた接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、穴と凸部(ボス等)による引っ掛け等でも良い。接着の場合は、現像剤収納部材34と第二の枠体18が接着されている領域が固定部となる。挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、ボス等についても、それぞれ、挟み込まれている領域、熱カシメ(超音波カシメ)されている領域、ネジ、ボス等の存在している領域が固定部となる。
【0030】
なお、図4に示すように、現像剤収納部材34の第二の接合部22bを確実に剥がすためには、現像剤収納部材34の第二の接合部22bと第二の枠体18の固定部18aの間には次のような配置の関係が好ましい。即ち、開封部材20による封止部材19の移動方向Dにおいて、第二の枠体18の固定部18aと開封部材20とが、排出部35を挟むように設けられているのが好ましい。封止部材19は、開封時に第二の枠体18の固定部18aに対して矢印Dの方向に開封部材20によって引っ張られる。ここで、現像剤収納部材34の固定部34gは、第二の枠体18の固定部18aによって固定されている。そのため、封止部材19は、第二の枠体18の固定部18aと開封部材20の間で矢印Hと矢印Dの方向に引っ張られる。その結果、現像剤収納部材34の第一の接合部22aに力が加わり、封止部材19は、矢印Eの方向に剥離される。よって、排出部35は、封止部材19の移動方向Dにおいて開封部材20と第二の枠体18の固定部18aとによって領域Mの範囲に挟むように設けられているのが好ましい。
【0031】
以下に、本発明かかかる排出部35の連結部35bと現像剤収納部材34の固定部34gとの配置関係について、図1、図5、図6を用いて詳細に説明する。
【0032】
(連結部の役割と、現像剤収納部材の固定部との配置関係)
ここで現像剤収納部材34の開封動作において、現像剤収納部材34の開口部35aと連結部35bと、現像剤収納部材34の固定部34gの関係について説明する。
【0033】
図1は、最初に開封する第一の接合部22aの部分の剥離を終えて、開口部35aが露出した時の排出部35周辺の詳細図であり、現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離を終えていない状態である。また、図5は、第一の接合部22aが剥離された後で現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離を終えていない状態の現像剤収納ユニット25の断面図である。さらに、図6は、第二の接合部22bが剥離された後の現像剤収納ユニット25の断面図である。図1に示すように、排出部35は開口部35aの露出が進行する開封方向Eに対して垂直方向Fに複数の開口部35aを有している。そのため複数の連結部35bもF方向に複数配置されることになる。
【0034】
連結部35bと前述した現像剤収納部材34の固定部34gとの関係は以下の通りになっている。図1に示すように、排出部35のF方向の中央付近に位置する連結部35bのうち、1つの連結部35b1と現像剤収納部材34の固定部34g1は、開封方向Eで、連結部35b1の領域Lの範囲において、少なくとも一部が重複するように配置されている。即ち、開封方向Eにおいて、固定部34g1と連結部35b1とはオーバーラップするように配置されている。
【0035】
開封方向Eからみて、少なくとも1つの固定部34g1の一部が1つの連結部35d1の領域Lの範囲に位置することで、連結部35b1は、現像剤収納部材34の固定部34g1と現像剤収納部材34の第二の接合部22bとを繋ぐ役割をしていることになる。そのため、連結部35bを介して現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封する力を現像剤収納部材34の固定部34g1で受けることが可能となる。その結果、連結部35b1は、封止部材19を現像剤収納部材34から剥す力を現像剤収納部材34の固定部34g1に伝えることができる。よって、封止部材19は第二の接合部22bにおいても剥離可能となる。
【0036】
次に、現像剤収納部材34の固定部34g1と連結部35b1の位置関係について、別の構成を図9に示す。図9は、第二接合部22bが剥離される直前の排出部周辺の詳細図である。図9において、現像剤収納部材34の固定部34g1は、開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心部34g1Cが連結部35b1の領域Lの範囲の中央部に位置するような関係L1=L/2に配置されている。即ち、封止部材の開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心と連結部35b1とがオーバーラップするように配置されている。さらに言えば、封止部材の開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心と連結部35b1の中央部とがオーバーラップするように配置されている。
【0037】
ここで、第二の接合部22bを開封する時の力は、連結部35bを介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることになるが、実際に力を受けているのは、現像剤収納部材34の固定部34gに力がかかっている幅Q1の範囲である。第二の接合部22bを開封する際、開口部35aおよび開口部35a周辺の連結部35bは少なからず変形する。ここでは、力を受ける幅Q1の範囲の中央部である固定部34g1の中心部34g1Cを、連結部35b1の領域Lの中央部に位置するように配置している。このような構成にすることによって、開口部35aおよび開口部35a周辺の連結部35bの変形が発生しても、開封方向Eにおいて、固定部34g1の中心と連結部35b1とがオーバーラップすることが可能である。
図1(b)の固定部34g1のように固定部の一部と開口部35aがオーバーラップする構成であると、開口部35a近傍の変形によりオーバーラップがなくなってしまうおそれがある。
【0038】
このような構成にすることで、現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封する力を、連結部35bを介して現像剤収納部材34の固定部34g1で受けることが可能となり、封止部材19を剥離することが出来る。このような構成は、特に連結部35b1の領域Lに対して、現像剤収納部材34の固定部34gの幅Q1が狭い場合に有効になる。
【0039】
さらに、複数の開口部35aと連結部35bと現像剤収納部材34の固定部34gの別の構成を図10に示す。図10は、第二接合部22bが剥離される直前の排出部周辺の詳細図である。
【0040】
まず、図10(a)、図10(b)に示すように、図1の現像剤収納部材34の固定部34g1に加え、排出部35のF方向の両端の開口部35aと短手接合部22cを挟む領域に現像剤収納部材34の固定部34g2、34g3を配置している。
排出部35のF方向の両端の開口部35aと短手接合部22cとを挟む領域L2の範囲に現像剤収納部材34の固定部34g2が配置され、同様にL3の範囲に現像剤収納部材34の固定部34g3が配置されている。これにより、排出部35のF方向の両端付近においても、現像剤収納部材34の固定部34g2、34g3と現像剤収納部材34の第二の接合部22bは、現像剤収納部材34を介して繋がっている。
【0041】
封止部材19の開封方向Eに対し垂直な方向Fにおいて、複数の開口部35のうち最端部の開口部35aと短手接合部22cとで挟まれた領域を端部連結部L2(L3)とする。そして、開封方向Eにおいて、固定部34g2(34g3)と端部連結部L2(L3)がオーバーラップするように配置されている。
【0042】
封止部材19をより確実に開封するためには、現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封されるきっかけとなる部分と最後に剥離される部分の剥離時の力を、現像剤収納部材34の固定部34gで受けていることが重要である。
【0043】
ここで、現像剤収納部材34の第二の接合部22bを開封する時の力が開封部材20に加わると、開封部材20は封止部材19によって図10(a)に示す方向Dの逆方向に引っ張られる。そのため、第二の枠体18に両端支持されている開封部材20は少なからず方向Dの逆方向に撓みが生じる。このとき、開封部材20の撓み量は、図10(a)に示すF方向において、開封部材20が支持されているところに近い両端付近が一番小さく、開封部材20が支持されているところに遠い中央付近が一番大きい。そして、開封部材20の撓みが大きいほど、開封部材20による封止部材19の開封のタイミングが遅くなる。開封部材20が撓むことにより、開封部材20と第一接合部22aとの距離が近くなる。そのため、開封部材20と第一接合部との間の封止部材19がたるんで余裕を持つこととなり、開封部材が巻き取りを開始した最初の方では、封止部材19のたるみを巻き取るだけになるためである。よって、現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離は開封部材20の撓みが小さい両端付近が先に巻き取られ剥離のきっかけとなり、開封部材20の撓みが大きい中央付近が最後に剥離される。ここで、剥離のきっかけとなる端部付近において、現像剤収納部材34が大きく変形してしまうと、現像剤収納部材34が開封部材20に巻き付いてしまい、そもそも開封が始まらないおそれがある。また、剥離が始まる最初の段階においては開封のための力が大きくなるため、現像剤収納部材34が変形することにより後述するせん断剥離の状態になると、より大きな力が必要となってしまう。ゆえに、現像剤収納部材34の固定部34g2、34g3は、開封方向Eで排出部35のF方向の両端の開口部35aと短手接合部22cとを挟む領域L2,L3の範囲に設置している。また、剥離が進んでいきF方向の中央付近まで開封が進んでいくと、現像剤収納部材34の変形が大きくなる。これは中央部以外の領域の接合がすべて剥がれてしまうため、現像剤収納部材34に係る剥離力が中心部に集中してしまうためである。現像剤収納部材34が大きく変形してしまうと、開封部材20への巻き付き等の問題が同様に起こる。そこで、排出部35のF方向の中央付近に現像剤収納部材34の固定部34g1を開封方向Eで連結部35b1の方向Fの領域Lの範囲に配置している。このような構成にすることで、封止部材19は確実に剥離することが出来る。本実施例では、開封方向Eと垂直な方向Fにおける第二の接合部22bの中央部において、連結部35b1と固定部34g1がオーバーラップするように配置している。
【0044】
次に、図10(c)、図10(d)に複数の開口部35aと連結部35bと現像剤収納部材34の固定部34gの別の構成を示す。図10(c)、図10(d)は、現像剤収納部材34の複数の固定部34gの全てを開口部35aの露出が進行する開封方向Eで連結部35bの方向Fの領域Lの範囲に配置した構成である。現像剤収納部材34の全ての固定部34gを連結部35bの方向Fの領域Lの範囲に配置することで、現像剤収納部材34の第二の接合部22bが開封する力を現像剤収納部材34の固定部34gによって受けることができる。そのため、封止部材19はより確実に剥離することが出来る。
【0045】
さらに、図14(a)は、開口部35aを封止部材19によって封止する接合部22の接合パターンを示す排出部35周辺の説明図である。また、図14(b)は、開口部35aの配置構成を示す排出部35周辺の説明図である。先に説明した接合部22を開口部35aの周囲を矩形形状で連続して囲む構成以外にも次のような構成でもよい。図14(a)のように各々の開口部35aの周囲を接合部22によって封止部材19と現像剤収納部材34と結合させる構成や、図14(b)のように、接合部22の領域内で開口部35aは開封方向Eに対して垂直な方向に完全に並んでいない構成においても適用される。この場合でも、開封方向Eからみて、現像剤収納部材34の固定部34gが連結部35dの領域Lの範囲に位置することで、現像剤収納部材34の接合部22が開封される力は連結部35を介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることが可能となる。その結果、連結部35bは、封止部材19を現像剤収納部材34から剥す力を現像剤収納部材34の固定部34gに伝えることができる。その結果、封止部材19は接合部22においても剥離可能となる。
【0046】
即ち、複数の開口部35aが開封方向Eに垂直な方向Fに一定の間隔をあけて配置されていれば、連結部35bは存在し、現像剤収納部材34の固定部34gは開口部35aの露出が進行する開封方向Eで連結部35bの領域Lの範囲に配置することが可能である。
【0047】
さらには、連結部35bは、別部材で構成してもよい。図13は、連結部35bを別部材である連結部材16fで排出部35を構成した説明図である。図13(a)は、連結部35bを別部材である連結部材16fで排出部35を構成した排出部35周辺の説明図であり、図13(b)はその拡大図である。図13(b)に示すように、開封方向Eに垂直な方向Fに長い一つの開口部35aを設け、長い一つの開口部35aに開封方向Eに沿って現像剤収納部材34の固定部34gと現像剤収納部材34の第二の接合部22bを繋ぐ別部材の連結部材16fを設けている。この時、長い一つの開口部35aの第一の接合部22a側と第二の接合部22b側にそれぞれ連結部材16fを接着、溶着等で接合されている。このような構成においても、連結部35bと同様に、現像剤収納部材34の接合部22が開封される力は連結部材16fを介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることが可能となるため、封止部材19の剥離は確実に行うことが可能となる。その結果、開封特性を向上することができる。
【0048】
(本発明を適用しない場合の課題)
次に、本発明を適用せず現像剤収納部材34が開封困難な例について図11、図12を用いて述べる。図11(a)、図11(b)は連結部35bを有さない場合の構成図である。また、図11(c)、図11(d)は現像剤収納部材34の固定部34gが開口部35aの露出が進行する開封方向Eで連結部35bの領域の範囲に配置しない場合の構成図である。なお、図11(a)、図11(c)は現像剤収納部材34の第二の接合部22bの剥離前の状態で、図11(b)、図11(d)は、現像剤収納部材34の第二の接合部22bを剥離している状態の図である。
【0049】
この場合、図11(a)、図11(c)に示すように現像剤収納部材34の第二の接合部22bまで開封が進んだ状態から更に開封部材20の回転により封止部材19が矢印Dの方向に引っ張られ移動する。すると、現像剤収納部材34の第二の接合部22bは第二の枠体18の固定部18aからの拘束力がなくなり開口部35aが矢印Dの方向に大きく開いていく。更に現像剤収納部材34の第二の接合部22bが封止部材19に引っ張られて図11(b)、図11(d)に示す様に開口部35aが変形する。この場合、現像剤収納部材34の第二の接合部22bに働く力の向きが、せん断剥離の方向に近くなる。そのため剥離するために大きな力が必要となる。しかも、現像剤収納部材34の固定部34gが支持する力を現像剤収納部材34の第二の接合部22bに伝達できないため現像剤収納部材34の第二の接合部22bは剥離できないまま開封部材20に引っ張られていく。そのため、現像剤収納部材34の固定部34gからの力を、現像剤収納部材34の第二の接合部22b側に伝達することができない。さらに、図12に示すように、現像剤収納部材34の第二の接合部22bの長手中央付近の開口部35aが更に大きく開いてしまい、開封部材20に巻きついてしまう。
【0050】
図16を用いて詳細に説明する。図16(a)は、図10(d)の、A1−A2断面の図である。図16(a)は、本願発明の構成である開封方向において固定部と連結部がオーバーラップする部分の断面図である。図16(b)は、図10(d)のB1−B2断面である。図16(b)は、本願発明の構成ではない開封方向において固定部と連結部がオーバーラップしない部分の断面図である。図16(a)、図16(b)では、説明のために、枠体18を図示している。図16(a)では、封止部材19が開封部材に巻き取られていく際に、現像剤収納部材34はほとんど変形しない。そのため、封止部材19の接合部22bのある面と、封止部材19が開封部材20に力を受ける面とのなす角度αにある程度の角度ができた状態で、封止部材は剥離される(傾斜剥離)。一方、図16(b)では、封止部材19が開封部材に巻き取られていく際に、現像剤収納部材34の開口部35の近傍の部分が変形してしまい、角度αは略0°の状態で封止部材が剥離されることとなる(せん断剥離)。せん断剥離の場合は、傾斜剥離に比較して、開封するための力が大きくなってしまい、開封できなくなるおそれがある。また可撓性容器の変形が大きい場合は、可撓性容器が軸20に巻き付いてしまうおそれがある。
【0051】
なお現像剤を収納するものが構造体のように硬いものであればこのような変形は無く従来例のように開封可能である。しかし、現像剤を変形可能な柔らかい袋状のものに収納し、開口部35aが開封時変形するようなものを開封する構成の場合は、連結部35bが存在し、現像剤収納部材34の固定部34gは連結部35bの領域の範囲に配置しなくては開封が困難になる。
【0052】
以上述べてきたように、現像剤収納部材34の固定部34gは連結部35bの領域の範囲に配置することで、封止部材19と現像剤収納部材34の接合部22が剥離される力は、連結部35bを介して現像剤収納部材34の固定部34gで受けることが可能となる。よって現像剤収納部材34の封止部材19の開封を確実に安定的に行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
16f 連結部材
18a 固定部
20 開封部材
22 接合部
25 現像剤収納ユニット
26 現像剤収納容器
35a 開口部
35b 連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に用いられる現像剤を収納する現像剤収納ユニットであって、
収納した現像剤を排出するための開口部を備えた可撓性容器と、前記開口部を接合部により封止するとともに移動されることによって前記開口部を露出する封止部材と、を有する現像剤収納容器と、
前記封止部材に取り付けられ、前記封止部材を移動させる開封部材と
前記現像剤収納容器と前記開封部材とを収納し、前記可撓性容器を固定する固定部を有する枠体とを備え、
複数の前記開口部の、開口部と開口部の間の部分を連結部として、
前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする現像剤収納ユニット。
【請求項2】
前記封止部材の開封方向において、前記固定部の中心と前記連結部とがオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項3】
前記封止部材の開封方向において、前記固定部の中心と前記連結部の中央部とがオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項4】
前記開封方向に対し垂直な方向における接合部の中央部において、前記連結部と前記固定部は、前記封止部材の開封方向においてオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤収納ユニット。
【請求項5】
前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において最端部の前記開口部と、前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において前記接合部とで挟まれた領域を端部連結部として、
前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記端部連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに現像剤収納ユニット。
【請求項6】
画像形成に用いられる現像剤を収納する現像剤収納ユニットであって、
収納した現像剤を排出するための開口部を備えた可撓性容器と、前記開口部を接合部により封止するとともに移動されることによって前記開口部を露出する封止部材と、を有する現像剤収納容器と、
前記封止部材に取り付けられ、前記封止部材を移動させる開封部材と
前記現像剤収納容器と前記開封部材とを収納し、前記可撓性容器を固定する固定部を有する枠体とを備え、
前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において最端部の前記開口部と、前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において前記接合部とで挟まれた領域を端部連結部として、
前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記端部連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする現像剤収納ユニット。
【請求項7】
画像形成装置本体に着脱可能としたプロセスカートリッジであって、
請求項1乃至6のいずれかに記載の現像剤収納ユニットと電子写真感光体とを一体としたプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項1】
画像形成に用いられる現像剤を収納する現像剤収納ユニットであって、
収納した現像剤を排出するための開口部を備えた可撓性容器と、前記開口部を接合部により封止するとともに移動されることによって前記開口部を露出する封止部材と、を有する現像剤収納容器と、
前記封止部材に取り付けられ、前記封止部材を移動させる開封部材と
前記現像剤収納容器と前記開封部材とを収納し、前記可撓性容器を固定する固定部を有する枠体とを備え、
複数の前記開口部の、開口部と開口部の間の部分を連結部として、
前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする現像剤収納ユニット。
【請求項2】
前記封止部材の開封方向において、前記固定部の中心と前記連結部とがオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項3】
前記封止部材の開封方向において、前記固定部の中心と前記連結部の中央部とがオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項4】
前記開封方向に対し垂直な方向における接合部の中央部において、前記連結部と前記固定部は、前記封止部材の開封方向においてオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤収納ユニット。
【請求項5】
前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において最端部の前記開口部と、前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において前記接合部とで挟まれた領域を端部連結部として、
前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記端部連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに現像剤収納ユニット。
【請求項6】
画像形成に用いられる現像剤を収納する現像剤収納ユニットであって、
収納した現像剤を排出するための開口部を備えた可撓性容器と、前記開口部を接合部により封止するとともに移動されることによって前記開口部を露出する封止部材と、を有する現像剤収納容器と、
前記封止部材に取り付けられ、前記封止部材を移動させる開封部材と
前記現像剤収納容器と前記開封部材とを収納し、前記可撓性容器を固定する固定部を有する枠体とを備え、
前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において最端部の前記開口部と、前記封止部材の開封方向に対し垂直な方向において前記接合部とで挟まれた領域を端部連結部として、
前記封止部材の開封方向において、前記固定部と前記端部連結部とはオーバーラップするように配置されていることを特徴とする現像剤収納ユニット。
【請求項7】
画像形成装置本体に着脱可能としたプロセスカートリッジであって、
請求項1乃至6のいずれかに記載の現像剤収納ユニットと電子写真感光体とを一体としたプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−37341(P2013−37341A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−123490(P2012−123490)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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