説明

現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】現像領域で現像剤を十分に擾乱して、常に、トナーを十分に有する現像剤を静電潜像担持体近傍に供給することで、ベタ、ハーフトーン部に発生する白抜け画像を抑制すると共に、現像領域への現像剤供給量を安定化させて、画像濃度安定性を確保し、高品位の画像形成を行うことが可能な現像剤担持体を提供することである。
【解決手段】磁性キャリアとトナーからなる現像剤39を汲み上げ、保持、搬送、離脱させるための磁界分布を形成する、少なくとも一つ以上の磁極32を内部に有し、かつ、前記磁極32が作る磁界を時間変化させることが可能な現像剤担持体31で、前記磁極32の磁界を時間変化させる際に、現像剤担持体31の表面近傍の特定部位の磁界の時間変化を抑制するための磁性部材33を内包する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置あるいは、それらの複合機の現像プロセスに用いる現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、静電潜像担持体上に書き込まれた静電潜像上に、トナーを現像することで潜像を可視化する。高品質画像を得るためには、トナーを潜像に忠実に現像する必要がある。
現像方式としては、画質特性、維持性に優れた、接触型二成分現像方式が一般的に用いられる。この接触型二成分現像方式では、トナー(非磁性)は、磁性キャリア(以下キャリア)と混合された現像剤の形で、現像装置に供給される。磁界形成用の磁極を内包し、回転可能に保持された現像剤担持体は、磁力により現像剤を保持したまま回転し、この現像剤担持体と静電潜像担持体が対向近接して形成される現像領域内に、現像剤を供給する。
現像剤担持体と静電潜像担持体間には、帯電したトナーが静電潜像上にのみ移動するような電位差が与えられている。供給された現像剤中のトナーは、静電潜像担持体上に形成された静電潜像上に、まず、前記電位差による現像電界により現像され、更に、潜像上にトナーを擦りつける効果が加わることで、完全な現像が行われる。
【0003】
接触型二成分現像方式は、画質特性、維持性に優れるが、現像過程において、既に静電潜像担持体上に形成されたトナー画像を、現像剤担持体上に保持された現像剤が掻き取ってしまう、いわゆる、スキャベンジ現象が起こり、画質劣化の一因となっている。
以下、このスキャベンジ現象について、図を用いて解説する。
図10は、一般的な二成分現像装置の構成を示す概略図である。
現像剤39はトナーとキャリアからなり、現像剤攪拌・供給部材34でトナーとキャリアとが均一になるように攪拌される。現像剤担持体31は、中心軸に対して固定された複数の磁極321〜324と、これら磁極321〜324を覆い、中心軸に対して回転可能に設置されたスリーブ31aとからなり、現像剤39は、磁極321〜324が作る磁界により、スリーブ31a上に汲み上げられて、汲み上げ量規制部材35によって、剤量を調整された後、静電潜像担持体11と現像剤担持体31が対向して作る現像領域に供給される。ここで、静電潜像担持体11はa方向に、現像剤担持体31の表面(即ち、スリーブ31aの表面)はb方向に回転している。
図11は、現像領域における現像剤の状態を説明する模式図である。
現像剤39中のトナー39aが、静電潜像担持体11上の画像部へ、電気的な力及び、機械的な摺擦力により移動して画像形成が行われるが、この現像過程に参加出来る現像剤39は、図11に示すように、静電潜像担持体11面に触れているものに凡そ限られる。
このように、現像領域に供給される現像剤の全てが現像に寄与出来ないため、静電潜像の現像を十分に行うためには、現像剤の現像領域への供給量を増やす必要がある。
このため、従来は、現像剤担持体31の線速vdを静電潜像担持体11の線速vlよりも速くしている。また、この速度差は、静電潜像担持体11に現像剤39中のトナー39aを擦りつける効果を生み、現像に寄与している。
ところが、上述した現像工程では、画像部後端の白抜け(以下、後端白抜け)やハーフトーンとベタが連続した場合にベタ部先端に接するハーフトーン部が抜けてしまう画像不良(以下、先端白抜け)が起こることが知られている。
【0004】
まず、図12は、後端白抜けのメカニズムを説明するための図である。
図12に示すように、静電潜像担持体11上の画像部電位がVL、非画像部電位がVDとなるように電荷が与えられている。
スリーブ31aに印加された現像バイアスVBと先のVL、VDの間には、VL>VB、VB>VDの電位関係が設定され、画像部では、トナー39aが静電潜像担持体11方向への力を受け、非画像部では、スリーブ31a方向への力を受けるようになっている。
現像領域内のトナー39aは電気的な力及び摺擦力により、画像部に現像される(図12上)が、この時、キャリア39bのうち、トナー39aを失ったものには、トナー39aと逆極性の電荷が現れる。しかし、この状況では、VL>VBの効果(トナー39aを静電潜像担持体11側に押し付ける力)とトナー39a−キャリア39b間の電気的引力の間は、バランスが取れており、一旦、現像されたトナー39aがキャリア39b側へ戻ることは少ない。
ところで、図12上に示すように、画像部に隣接する非画像部にあるキャリア39b上のトナー39aは、スリーブ31a側へ力を受けてスリーブ31a側へ移動するため、静電潜像担持体11に最も近い層にあるキャリア39b上には、正の電荷が現れる。このキャリア39bは、スリーブ線速vdが静電潜像担持体線速vlよりも大きいために、現像済みのトナー39aと相互作用することになる。
この時、キャリア39b表面に現れる電荷量が十分大きいと、これらキャリア39b群は画像部後端から順次トナー39aを剥ぎ取っていく(図12下)。このようにして、キャリア39b上の電荷(カウンターチャージ)とスリーブ、静電潜像担持体間の線速差(以下、単に「線速差」と記す。)により、後端白抜けが発生するものと推定される。
【0005】
次に、図13は、先端白抜けのメカニズムを説明するための図である。
現像領域内で、ハーフトーン部(表面電位VL1)とベタ部(表面電位VL2)が連続する場合、図13に示すように、既に現像済みのハーフトーン部上を、ベタ部で現像を終えたキャリア39bが線速差によって通過することで、ハーフトーン部のトナー39aを剥ぎ取ってしまい、先端白抜けが発生するものと推定される。
結局、トナー39aを失ったキャリア39bが、線速差により、既に現像済みのトナー39aを摺擦することが白抜けの主要因の一つと考えられる。よって、この効果を抑制することで、白抜け画像低減が期待される。
【0006】
白抜け画像を抑制するために、これまで、以下のような発明が開示されている。
特許文献1では、磁極配置を適当に設定することで、現像領域入り口に現像剤を滞留させるのと同時に、磁場による現像剤の移動方向をスリーブ移動方向とは逆向きにすることで、スリーブと静電潜像担持体の速度差を緩和し、スキャベンジを低減させることを提案している。しかし、この方法では、前記線速差の緩和に伴い、トナーを静電潜像担持体画像部に摺擦する効果が失われ、十分なベタ濃度や、ハーフトーン部の現像が不十分となり、高品位画像を得ることが出来ない。
また、例えば、特許文献2では、一つの静電潜像担持体に対して、複数の現像剤担持体を有する、多段階現像方式が白抜け画像防止に効果があることも知られている。この場合、複数の現像担持体を用いるため、現像能力が上がり、線速差を小さくすることが可能と考えられるが、十分な現像量を確保するためには、線速差が必要となる。また、特にハーフトーン部の現像には、前述したようにトナーを静電潜像担持体潜像上に擦り付ける必要があるため、極端に線速差を小さくすることは、画像濃度を損ねる可能性がある。結局、多段階現像でも、線速差を無くすことは出来ず、白抜け画像を抑制することは難しい。
【0007】
前述した通り、現像に関わるトナーは、静電潜像担持体に接するものがほとんどで、現像剤担持体側のトナーが現像に使われることは稀である。現像領域中にある、現像剤を攪拌することで、トナーを効率良く使う(摺擦効果の付与も含めて)ことが出来れば、線速差を小さくすることが出来、結果として、白抜けを抑制出来る。
この点に基づき、特許文献3では、現像領域中の現像剤を、補助的な磁極や交互電界の印加により擾乱し、現像効率を上げることを提案している。しかし、補助磁極の形成する磁界は常に一定であり、擾乱効果には限界がある。また、交互電界を用いる方法では、放電によるトナー帯電量の変化を抑えるために、擾乱に十分な電界を掛けることは困難である。
また、特許文献4では、現像領域へ供給されるトナー量を安定化させること、また、現像剤担持体上の現像剤を更新させるために、現像剤担持体内磁極が作る磁界を、トナー消費量に応じて変化させる現像剤担持体を提案しているが、この方式だと、トナー量を一定にするために、現像領域の現像剤の量が変化し、静電潜像担持体へのトナー摺擦効果が変化するため、安定した白抜け画像防止が困難となる。また、現像剤担持体内磁極が作る磁界の変化は、現像剤担持体上の広い範囲に及ぶため、スリーブ上磁界は広い範囲に渡って不安定となり、仮に、スリーブ上の特定場所の磁界を一定にしようとした場合には、複雑な制御が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、現像領域で現像剤を十分に擾乱して、常に、トナーを十分に有する現像剤を静電潜像担持体近傍に供給することで、ベタ、ハーフトーン部に発生する白抜け画像を抑制すると共に、現像領域への現像剤供給量を安定化させて、画像濃度安定性を確保し、高品位の画像形成を行うことが可能な現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の現像剤担持体は、磁性キャリアとトナーからなる現像剤を汲み上げ、保持、搬送、離脱させるための磁界分布を形成する、少なくとも一つ以上の磁極を内部に有し、かつ、前記磁極が作る磁界を時間変化させることが可能な現像剤担持体で、前記磁極の磁界を時間変化させる際に、現像剤担持体表面近傍の特定部位の磁界の時間変化を抑制するための磁性部材を内包することを特徴とする。
また、本発明の現像剤担持体は、さらに、前記磁極が作る磁界の時間変化が周期的であることを特徴とする。
また、本発明の現像剤担持体は、さらに、前記時間変化する磁界を生成する磁極が電磁石であることを特徴とする。
【0010】
本発明の現像装置は、現像剤を攪拌して現像剤を帯電させて、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤撹拌・供給手段と、現像剤を担持し、現像領域まで搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する汲み上げ量規制部材と、を少なくとも有する現像装置において、上述のいずれかに記載の現像剤担持体を用いることを特徴とする。
また、本発明の現像装置は、さらに、前記現像剤担持体表面と、それに近接対向する静電潜像担持体面とで作られる現像領域内での磁極による磁界変化の周期が、前記現像剤担持体上の固定点が前記現像領域を通過するのに必要な時間よりも短いことを特徴とする。
また、本発明の現像装置は、さらに、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体の各々の表面が前記現像領域内で同方向に、凡そ等速度で移動することを特徴とする。
【0011】
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも静電潜像担持体と現像装置とを一体に支持していて、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、上述のいずれかに記載の現像装置を備えていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体に接触又は近接して配設されて、前記像担持体表面を帯電する帯電装置と、前記静電潜像担持体表面を露光し、静電潜像を書き込む露光装置と、前記静電潜像担持体表面に形成された潜像にトナーで可視像化する現像装置と、前記静電潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、前記転写装置の下流に配設されて、前記静電潜像担持体表面のトナーをクリーニングするクリーニング装置と、前記記録部材上のトナーを溶融し固着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、上述のいずれかに記載の現像装置を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記課題を解決する手段である本発明の現像剤担持体によって、現像領域内の現像剤を擾乱と汲み上げ量規制部材近傍での磁界の安定化を両立させることができる。さらに、時間変化する磁界を生成する磁極が電磁石であることを特徴とする現像剤担持体であるため、簡易的な構造の磁極により、現像剤の擾乱が可能となり、容易に制御することができる。
また、ベタ画像、ハーフトーン境界部及び、ベタ画像後端部に発生する白抜け画像を抑制し、且つ、画像濃度が安定した高品質画像を得る現像装置を得ることができる。
また、ベタ、ハーフトーン画像部間及び、ベタ後端部の白抜け画像抑制、画像濃度の安定性と共に、現像剤の劣化をも抑制された、長期に渡って高画像品質を保つ画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の現像剤担持体の断面図、上面からの透過図及び、静電潜像担持体と現像剤担持体の間に形成される現像領域の位置を示す概略図である。
【図2】現像領域中の磁界変化に伴う、現像剤の動きを模式的に示す図である。
【図3】本発明による現像剤担持体を組み込んだ画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図4】本発明による現像剤担持体を組み込んだ画像形成装置の他の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の現像剤担持体を用いる現像装置の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の現像剤担持体の構成を示す概略図である。
【図7】現像剤担持体における磁界分布を示す図であり、(a)は本発明の現像剤担持体であり、(b)は従来の現像剤担持体である。
【図8】画質評価のためのサンプル画像を示す図である。
【図9】反射濃度の経時変化を示す図である。
【図10】一般的な二成分現像装置の構成を示す概略図である。
【図11】現像領域における現像剤の状態を説明する模式図である。
【図12】後端白抜けのメカニズムを説明するための図である。
【図13】先端白抜けのメカニズムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明は、ベタ、ハーフトーン部の画像端部に発生する白抜け画像を抑制するための現像剤担持体、及び、画像形成装置として、磁性キャリアとトナーからなる現像剤を汲み上げ、保持、搬送、離脱させるための磁界分布を形成する、少なくとも一つ以上の磁極を内部に有し、更に前記磁極の少なくとも一つが作る磁界を時間変化させることが可能な現像剤担持体で、前記少なくとも一つの磁極が作る磁界を時間変化させる際に、現像剤担持体表面近傍の特定部位の磁界の時間変化を抑制するための磁性部材を内包する現像剤担持体、及び、この現像剤担持体を用いた現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置である。
以下、図面を参照しながら、本発明の原理について説明する。
【0015】
図1は、本発明の現像剤担持体の断面図、上面からの透過図及び、静電潜像担持体と現像剤担持体の間に形成される現像領域の位置を示す概略図である。
現像剤担持体31内部には、磁界形成に用いられる磁極32:321〜324が、現像剤担持体31の軸方向に一様に配置されており、スリーブ31aがb方向に、回転することで、現像剤39を移動させている。
本発明は、磁極321〜324の作る磁界のうち、少なくとも一つ(例えば、磁極321)を時間的に変化させることで、現像領域内の磁界を変化させるが、この際に、スリーブ31aの表面上近傍の特定部位の磁界変化を抑制するための磁界抑制部材として磁性部材33を現像剤担持体31内に有する。
例えば、図1の点P位置の磁界が磁極321の作る磁界を変化の影響を受けて、変わってしまうのを防ぎたい場合、磁性体33を図5に示す位置に配置する。この時、磁極321の作る磁界は、磁性体33に引き付けられるため、点Pでは、磁極321の磁界変化の影響を余り受けないことになる。このことは、点P近傍の磁界が、現像剤39の現像領域への供給量を司っている場合など、磁界変化が好ましくない場所の磁界安定策として必須となる。
【0016】
次に、現像領域内の磁界変化がもたらす効果について説明する。
図2は、現像領域中の磁界変化に伴う、現像剤の動きを模式的に示す図である。
現像領域中の磁界が強い時は、図2(a)のように、現像剤39は磁力線に沿って磁気穂を形成する。
図2(b)に示すように、現像領域中の磁界が小さくなると、磁気穂を形成する力が小さくなる。
また、図2(d)に示すように、ここで、静電潜像担持体11、現像剤担持体31はそれぞれ、図のa、b方向に移動(回転)していると、現像剤39のうち、静電潜像担持体11に接するもの、現像剤担持体31に接するものは、各々の部材移動方向へ、摩擦力により比較的強く引きずられ、磁気穂形状は壊れる。
前述の通り、現像過程に参加する現像剤39は、静電潜像担持体11近傍のもの(図2でハッチングした現像剤39)に限られるが、これら現像剤39は、トナーを静電潜像担持体11上に現像した後には、トナーとは逆極性に帯電した状態になっている。
現像領域中画像部では、図2(e)に示すように、トナーと逆極性の電荷を有するものは、現像剤担持体31方向へ力を受けるように電界が印加されている。このため、磁界による拘束が弱くなった、これら現像剤39は現像剤担持体31側に引き寄せられて、代わりにトナーを消費していない現像剤39が静電潜像担持体11側に現れる。
この状態で、現像領域中の磁界が強くなると、磁力線に沿って磁気穂が形成される。図2(c)に示すように、この時、磁気穂先端の現像剤39は、強く静電潜像担持体11に擦りつけられる。このように、現像領域内での磁界を時間的に変化させることにより、現像剤39の効率的な利用及び、現像剤39の静電潜像担持体11への摺擦効果を得ることが出来きる。静電潜像担持体11近傍に常にトナーを豊富に有する現像剤39を供給することができることから、カウンターチャージを有するキャリアが、現像済みのトナーを剥ぎ取る効果を低減でき、本発明構成によって、白抜け画像を抑制することが可能になると考えられる。
本発明の現像装置30は、上記のように現像領域内の現像剤39中のトナーを効率良く利用出来ること、また、磁気穂形成の際に、現像剤39が静電潜像担持体11面に擦り付けられる効果があるため、現像効率を高めることが出来る。このため、現像剤担持体31の線速を下げて、静電潜像担持体11との線速差を低減させることが可能となる。よって、本発明の構成では、現像剤担持体31の線速が低下することにより、現像剤39と汲み上げ量規制部材35間で発生する摩擦に伴う、現像剤39の劣化を抑制する効果が期待されることも併せて記しておく。
【0017】
以下、図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
但し、以下の実施例に用いられている、画像形成速度などのプロセス条件や構成部品の配置、種類等は本発明の範囲を限定しない。
例えば、実施例1で使用する電磁石磁極の代わりに、回転する棒状磁石を磁極として用いても良い。
(実施例1)
図3は、本発明による現像剤担持体を組み込んだ画像形成装置の構成を示す概略図である。図4は、本発明による現像剤担持体を組み込んだ画像形成装置の他の構成を示す概略図である。
図3に示す画像形成装置1は、画像形成ユニット10となるプロセスカートリッジを並列し、中間転写ベルト61に一旦画像を重ね合わせて、それを記録部材6に一括転写する方式である。また、図4に示す画像形成装置1は、画像形成ユニット10となるプロセスカートリッジを並列しているが、搬送ベルト66上を記録部材6が搬送されながら、その上に順次トナー画像が転写される方式である。
【0018】
画像形成装置1は、図3に示すように、上の方から、置かれた原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)5と、原稿を読み取るスキャナ(読取装置)4、トナー画像を形成する画像形成部3、そして、その下に記録紙等の記録部材6を備え、供給する給紙部2が配置されている。
画像形成装置1は、その中央部に画像形成部3が配置されている。画像形成部3では、その内部の略中央に、プロセスカートリッジとしての画像形成ユニット10をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つを水平な横方向に並列に並べたタンデム型に配列している。
4つの画像形成ユニット10Y、10C、10M、10Kの上方には、帯電した各静電潜像担持体11の表面に各色の画像データに基づいて露光をし、潜像を形成する露光装置12が備えられている。また、4つの画像形成ユニット10Y、10C、10M、10Kの下方には、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトをローラ651、652、653に掛け回して支持し、回転駆動する中間転写ベルト61を備える転写装置60を配置している。
いずれの画像形成ユニット10でも同様の構成であるので、この図においては、色の区別に関係ない場合はY、C、M、Kの表示を省略する。各画像形成ユニット10Y、10C、10M、10Kは、静電潜像担持体11Y、11C、11M、11Kを有し、各静電潜像担持体11の周りには、静電潜像担持体11表面に電荷を与える帯電装置20、静電潜像担持体11表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置30、静電潜像担持体11表面に、図示しない潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置、トナー像転写後の静電潜像担持体11表面のクリーニングをするクリーニングブレードを備えるクリーニング装置40がそれぞれ配置されている。これで、一つの画像形成ユニット10を形成している。
【0019】
静電潜像担持体11は、アモロファスシリコーン、セレン等の金属、または、有機系であり、ここでは、有機感光体で説明する。有機系静電潜像担持体11としては、導電性支持体上に、フィラー分散した樹脂層、電荷発生層及び電荷輸送層を有する感光層、その表面にフィラーを分散させた保護層を有する。
感光層は電荷発生物質と電荷輸送物質を含む単層構成の感光層でも構わないが、電荷発生層と電荷輸送層で構成される積層型が感度、耐久性において優れている。
電荷発生層は、電荷発生能を有する顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。結着樹脂としてはポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100質量部に対し0〜500質量部、好ましくは10〜300質量部が適当である。
また、電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、保護層が感光層の上に設けられることもある。保護層を設け、耐久性を向上させることによって、本発明の高感度で異常欠陥のない静電潜像担持体11を有用に用いることができる。
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また静電潜像担持体11を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層9の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で5質量%以上、好ましくは10質量%以上、50質量%以下、好ましくは30質量%以下程度が良好である。
【0020】
帯電装置20は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラ21を備える。帯電ローラは、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が印加される。このイオンを放電する帯電ローラ21は、材質としては弾性樹脂ローラを用いている。また、帯電ローラ21は電気抵抗の調整のために、カーボンブラック等の無機導電材、イオン導電材を含有することがある。
また、帯電ローラ21は、静電潜像担持体11に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラ21の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を静電潜像担持体11表面に当接させることで、設定することができる。また、帯電ローラ21は、静電潜像担持体11に近接させずに、接触させても良い。ローラ形状であり、静電潜像担持体11に近接している部分で、放電して、静電潜像担持体11を帯電させることができる。また、近接させて非接触にすることで、帯電ローラ21の転写残トナーによる汚れの発生を抑えることができる。また、帯電ローラ21には、帯電ローラ21表面に接触してクリーニングする図示しない帯電クリーナローラが設けられている。
現像装置30は、磁性キャリアとトナーとを有する二成分現像剤を用いている。そして、潜像を有する静電潜像担持体11を現像するために、対向する位置に設けられている。
また、現像装置30は、図示しないが内部に磁界発生手段を備える現像剤担持体31が配置されている。現像剤担持体の下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像剤担持体31へ汲み上げる機構を併せて有する攪拌・搬送スクリュー34が備えられている。現像剤担持体31によって搬送されるトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤は、汲み上げ量規制部材35によって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像剤担持体31に担持される。現像剤担持体31は、静電潜像担持体11との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを静電潜像担持体11に供給する。また、未使用のトナーが収納された各色のトナーカートリッジが、着脱可能に静電潜像担持体11上部の空間に収納される。図示しないモーノポンプやエアーポンプなどのトナー搬送手段により、各現像装置30の必要に応じトナーを供給するようになっている。消耗の多いブラックトナー用のトナーカートリッジを、特に大容量としておくことも可能である。
更に詳細には、後述する。
【0021】
クリーニング装置40は、クリーニングブレード及びそのブレードを保持するホルダー等で構成され、静電潜像担持体11に対してそのブレード部材を圧接させることにより、静電潜像担持体11から残留トナーを除去する。また、クリーニングブレードが静電潜像担持体11と当接・離間する機構を備え、画像形成装置1の制御部にて、任意に当接・離間させることができる。クリーニングブレードをカウンタ方式で、静電潜像担持体11に当接し、これによって、静電潜像担持体11上に残留するトナー、汚れとして付着している記録部材のタルク、カオリン、炭酸カルシウム等の添剤を静電潜像担持体11から除去してクリーニングする。除去したトナー等は、図示しない廃トナー回収コイルで、図示しない廃トナー容器に搬送し、貯留する。
クリーニング装置40によりクリーニングされて静電潜像担持体11から取り除かれたトナーは、トナー搬送部材によって、サービスマンなどにより回収されるか、あるいはリサイクルトナーとして現像装置などに運ばれ現像に使用される。
【0022】
転写装置60は、トナー像が積層される中間転写ベルト61、静電潜像担持体11上のトナー像を中間転写ベルト61に転写・積層させる一次転写ローラ62、積層されたトナー像を記録部材6に転写する二次転写ローラ63等を備えている。さらに、転写装置60は、二次転写ローラ63に対向する部分で、中間転写ベルト61の内側には、対向部材となる支持ローラ653が対向するように設けている。
中間転写ベルト61を挟んで、各静電潜像担持体11と対向する位置には、静電潜像担持体11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に一次転写する一次転写ローラ62がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ62は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が印加される。印加する電圧の極性としては、トナーの電荷の極性とは逆の極性で、静電潜像担持体11から中間転写ベルト61側に引き寄せ移行させることで、一次転写する。また、この一次転写ローラ62は電気抵抗の調整のために、カーボンブラック等の無機導電材、イオン導電材を含有させ、半導電性にすることが好ましい。一次転写ローラ62の抵抗値が異なっていても転写効率はほとんど変わらないが、画像面積比が異なると転写効率は大きく異なってくるため、安定して転写効率を維持できない。これは、転写ニップ部においてトナーが介在しない部分に電流が優先的に流れてしまう結果、画像面積比が小さい場合には転写電圧値が低くなって転写に必要な電界が十分得られなくなるためである。特に、一次転写ローラ62の抵抗値が低い場合には転写部に介在するトナーの抵抗値の影響が大きくなるため、一次転写ローラ62の抵抗値が低い場合ほど顕著になる。このように定電流制御を採用する場合には一次転写ローラ62として抵抗値の高いものを使用することが望まれるが、その抵抗値が5×108Ωを越えると電流のリークによってトナー像を乱すおそれが強まる。したがって、一次転写ローラの抵抗値は、1×10Ω以上5×10Ω以下の範囲内のものを用いるのが好ましい。トナーが介在しない部分に電流が優先的に流れてしまう現象は、上述のトナー抵抗によるだけでなく、一次転写ローラ62の中心に設けられている芯金に印加される一次転写電圧と静電潜像担持体11との電位差が、トナーが現像されていない個所の方が、トナーが現像された個所よりも大きいために、より大きな電位差の方に転写電流が流れ易いことにもよる。これは、トナー像が静電潜像担持体11の帯電極性と同じで、静電潜像担持体11の像露光を受けて感光体電位が除電された個所にトナーが現像されることで静電潜像担持体11上にトナー像を形成する画像形成装置1の場合に発生する。トナー像の形成されていない個所の感光体電位が高く、トナー像の形成された個所の感光体電位は低いが、転写電位は感光体電位と逆極性なので、一次転写電圧と感光体電位との差が、トナーが現像されていない個所の方が、トナーが現像された個所よりも大きくなる。この場合一次転写ローラ62の抵抗値は、望ましくは、5×10Ω以上5×10Ω以下の範囲内のものが好ましい。
【0023】
また、中間転写ベルト61に積層されたトナー像は、二次転写ローラ63で記録部材に二次転写される。二次転写ローラ63には、一次転写ローラ62と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が印加される。印加する電圧の極性としては、トナーの電荷の極性とは逆の極性で、中間転写ベルト61から、搬送されてきた記録部材側に引き寄せ移行させることで、二次転写する。
二次転写ローラ63は、金属よりなる円筒状の芯金と、この芯金の外周面に形成された弾性層と、この弾性層の外周面に形成された樹脂材料からなる表面層とから構成されている。
芯金を構成する金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス、アルミニウムなどの金属材料が用いられる。芯金の上に形成される弾性層には一般的にゴム材料が使用されゴム層65bとなっている。これは、二次転写ローラ63を変形させて二次転写ニップ部を確保のために二次転写ローラ63には弾性機能が要求されることに起因するものであり、JIS−A硬度で70[°]以下が望ましい。
また、二次転写ローラ63のクリーニング手段としてクリーニングブレード22を使用しているため、弾性層が柔らかすぎると、クリーニングブレード22の当接状態が不安定となり適正なクリーニング角度が得られなくなる。よって、弾性層の硬度としてはJIS−A40[°]以上が望ましい。
また、二次転写ローラ63が絶縁体ではトナー画像を記録体に転写するという機能が果たしえないため、導電機能を付与された発泡樹脂剤で、厚さは2mm〜10mmであることが好ましい。導電機能を付与する材料としては、カーボンブラックが分散されたEPDMやSiゴム、またイオン導電機能を有するNBR、ウレタンゴム等を使用してもよい。
弾性層に用いられる発泡樹脂剤の多くがトナーに対し化学的親和性が高く、摩擦係数が大きいため、クリーニングブレード22が接触している表面層に必要な機能としては、低摩擦係数、トナー離型性が必要となることから、二次転写ローラ63の表面層は、フッ素樹脂系樹脂に抵抗制御材を加えて抵抗調整し用いられる。
さらに、二次転写ローラ63は、中間転写ベルト61と接触して回転していることから、中間転写ベルト61と二次転写ローラ63との間に微小な線速差が発生すると中間転写ベルト61の駆動に影響を与えてしまう。よって、中間転写ベルト61とのすべり性が二次転写ローラ63の表面層には要求されるため、表面層の最表面の摩擦係数0.4以下になるように設定することが望ましい。
また、中間転写ベルト61には、二次転写後の中間転写ベルト61の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置64が設けられている。
また、支持ローラ653が中間転写ベルト61と当接・離間する機構を備え、画像形成装置1本体の制御部にて、任意に当接・離間させることができる。
【0024】
さらに、この画像形成装置1には、中間転写ベルト61に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置45が設けられている。潤滑剤塗布装置45は、固定されたケースに収容された固形潤滑剤と、固形潤滑剤に接触して潤滑剤を削り取り、中間転写ベルト61に塗布するブラシローラとブラシローラで塗布された潤滑剤を均す潤滑剤塗布ブレードを備える。固形潤滑剤は、直方体状に形成されており、加圧バネによってブラシローラ側に付勢されている。固形潤滑剤はブラシローラによって削り取られ消耗し、経時的にその厚みが減少するが、加圧バネで加圧されているために常時ブラシローラに当接している。ブラシローラは、回転しながら削り取った潤滑剤を中間転写ベルト61表面に塗布する。
なお、同様の機能を有する潤滑剤塗布装置を静電潜像担持体11に対して配設してもよい。
本実施形態においては、上記ブラシローラによる潤滑剤塗布位置に対して移動方向の下流側の中間転写ベルト61表面に潤滑剤均し手段としての不図示の潤滑剤塗布ブレードを当接させている。潤滑剤塗布ブレードは弾性体であるゴムから構成されているものであり、クリーニング手段としての機能も持たせ、中間転写ベルト61の移動方向に対してカウンタ方向に当接してある。上記固形潤滑剤としては、乾燥した固体疎水性潤滑剤を用いることが可能であり、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸等の脂肪酸基を有する金属化合物なども使用できる。さらに、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリンなどのワックス等も使用できる。
【0025】
中間転写ベルト61はPVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を10〜1012Ωcm、かつ表面抵抗率を10〜1013Ωcmの範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ該中間転写ベルト61の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、
PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。
中間転写ベルト61の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。
中間転写ベルト61の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト61の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が前記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における中間転写ベルト61の体積抵抗率および表面抵抗率は前記範囲内でなければならない。
なお、体積抵抗率及び表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト61の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0026】
図3では、転写装置60の左方には、記録部材6上のトナー像を記録部材6に半永久的に定着させる定着装置70が備えられている。定着装置70は、図示しないが、主に、内部にハロゲンヒータを有する定着ローラ71と、これに対向し、圧接して配置される加圧ローラ72とから構成されている。定着装置70は、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより定着条件を制御したり、記録部材6の種類に応じて最適な定着条件となるよう、不図示の制御手段により制御される。
【0027】
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を定着した記録部材6を切換爪851により記録部材反転装置89側に搬送し、この反転路87の内に、所定の配置した複数の搬送ローラや図示しないガイド部材によって、あらかじめ所定に形成した反転搬送経路87上を往復移動させて、記録部材面9の上下向きを反転させてから、再度、切換爪852で切り替えて、画像形成のための搬送経路に復帰させ、この搬送経路上を搬送されて再びレジストローラ84まで搬送される。ここで、再度、記録部材6の位置、方向を揃えてレジストローラ84に送られる。したがって、記録部材6の裏面に画像が形成される場合であっても、記録部材6の表裏面の画像を揃えることができる。
さらに、転写装置60へ導かれ、今度は記録部材6の裏面に画像を転写し定着した後に、排紙ローラ85によって排紙トレイ86上に最終的に排出される。
このときに、記録部材6が1枚の時には、記録部材6面の上下向きを反転させてから、記録部材反転搬送装置89の再搬送経路87を通過して、再度レジストローラ84で、画像形成ユニット10によって画像が形成されるのを待って、転写ローラ63で記録部材6上に画像が形成される。今度は、記録部材6の裏面に画像を転写し定着した後に、排紙ローラ48によって排紙トレイ86上に最終的に排出される。
記録部材6が複数枚ある時には、記録部材反転搬送装置89内の記録部材反転収納装置88に設定枚数の片面にトナー像が形成された記録部材6を一端収納されて、次ぎに、そこから、給紙ローラ82で給紙され、分離ローラ81で1枚づつに分離されて、再度レジストローラ84で、画像形成ユニット10によって画像が形成されるのを待って、記録部材6上に画像が形成される。今度は記録部材6の裏面に画像を転写し定着した後に、排紙ローラ85によって排紙トレイ86上に最終的に排出される。
【0028】
画像形成ユニットであるプロセスカートリッジ10には、静電潜像担持体11を中心に、帯電装置20、現像装置30、クリーニング装置40及び潤滑剤塗布装置45と備えている。
本発明の現像装置を備えるプロセスカートリッジは、少なくとも静電潜像担持体11と現像装置30とを一体に支持して、画像形成装置1に着脱可能になっている。
【0029】
また、画像形成装置1は、図4に示すように、現像装置30a〜30dにはそれぞれ、異なる色のトナーが、それぞれ負帯電状態でキャリアと保持されている。トナー色の設置順番に制限はないが、一色目はイエローが望ましい。本実施例では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順にトナーを配している。
電気的に接地された芯金上に有機感光体層を形成した静電潜像担持体11a〜11dは矢印a1〜a4方向にそれぞれ回転可能に保持されており、コロナ放電を用いる帯電装置20a〜20dで表面を均一に負帯電された後、レーザーダイオードからなる露光装置12a〜12dにより、画像対応部分に光照射が行われ、静電潜像が形成される。静電潜像担持体11a〜11d上に形成された静電潜像上への現像は、現像装置0a〜30dと静電潜像担持体11a〜11dによって形成される現像領域内で行われる。
この後、静電潜像担持体11a〜11d上に形成されたトナー像は正電圧及び圧力を印加された転写ローラ62a〜62dと静電潜像担持体11a〜11dの接触領域に作られる転写ニップ内及びその近傍で、記録部材搬送ベルト66により搬送されて来た、記録部材6上へ順次転写される。
【0030】
本実施例1では、記録部材6上に形成された各色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)ベタ画像の反射濃度が概ね1.5(反射濃度計:X-Rite StatusA)になるように、正電圧、圧力条件を設定した。四色目のトナー像を記録部材6上に形成後、記録部材6上のトナー像は、定着装置70より記録部材6上に固着される。
静電潜像担持体11a〜11d上に残ったトナーはクリーニング装置40a〜40dにて回収、再利用される。潤滑油供給装置45a〜45dからは潤滑油としてステアリン酸亜鉛が静電潜像担持体11a〜11d上に一定量供給され、静電潜像担持体11a〜11d表面の摩擦係数を一定に保っている。本実施例では、静電潜像担持体11a〜11dの線速と記録部材搬送ベルト66の速度を等しく、250mm/sec.とした。
【0031】
図5は、本発明の現像剤担持体を用いる現像装置の構成を示す概略図である。
図6は、本発明の現像剤担持体の構成を示す概略図である。
次に、図5、図6を用いて、本実施例1で使用される現像剤担持体31及び、この現像剤担持体31を含んだ現像装置30について、詳細な説明を行う。
現像装置30内には、トナー39aとキャリア39bの混合剤である現像剤39が保持されており、スクリュー34により、攪拌、搬送される。現像剤担持体31は、固定された磁極321〜324と回転可能に設置されたスリーブ31a、及び磁界変化を抑制する磁性部材(以下、磁界変化抑制部材)33から構成されている。
スリーブ31aはアルミ円筒で、内部には、フェライト磁石321〜324が固定されている。
静電潜像担持体11に対向する位置に固定されている磁極321は、電磁石となっており、図6に示すように、交流電源36により交流電圧が印加されている。
電磁石は鉄製の芯剤に銅線を巻きつけた物を用いた。磁界変化抑制部材33は、現像剤39を汲み上げ、スリーブ31a上へ移動させるために磁極321がスリーブ31a上に形成する磁界が、電磁石磁極321が形成する磁界変動による影響を受けることを防ぐために、磁極321と磁極322との間に配置される。
磁界変化抑制部材33としては、一般の磁性体を用いることが出来るが、本実施例では、鉄材を用いた。本実施例では、スリーブ31aの線速を、静電潜像担持体11の線速の1.4倍の350mm/sec.としている。
攪拌された現像剤39は、磁極322の作る磁界により、スリーブ31a上に保持され、汲み上げ量規制部材35で、現像剤量の規制を行った後、現像剤担持体31と静電潜像担持体11とで形成される、現像領域にて、静電潜像担持体11上に予め形成されている静電潜像上に、現像が行われる。
電磁石磁極321には、周波数2000Hzの交流電圧が印加されている。現像剤39が現像領域を通過するのに約10msec.を要するため、このため、電磁石磁極321による磁界によって、現像剤39が現像領域を通過する間に、20回程度反転するものと見られる。
【0032】
図7は、現像剤担持体における磁界分布を示す図であり、(a)は本発明の現像剤担持体であり、(b)は従来の現像剤担持体である。
(a)は、電磁石磁極321の強さを時間変化させた場合のスリーブ31a上磁界の強さ(現像剤担持体31表面の法線方向成分)の計算値を示している。時刻1は、電磁石磁極321をN極として最大強度にした時、時刻2は、電磁石磁極321の磁界を0とした時、時刻3は、電磁石磁極321をS極として最大強度にした場合の時刻に各々対応する。
図7から明らかなように、静電潜像担持体11と現像剤担持体31の対向面での磁界変化が著しく、現像剤攪拌効果が期待出来る結果となっている。一方で、現像領域に供給する現像剤量を安定させるためには、汲み上げ量規制部材35の近傍の磁界には大きな変化が無いことが好ましいが、図7より明らかな通り、電磁石磁極321の状態に関わらず、この場所での磁界は安定している。
(b)には、後述する比較例2(磁界変化抑制部材がないもの)のスリーブ上磁界分布変動も示されているが、こちらは、汲み上げ量規制部材35の近傍での磁界安定していないことが分かる。現像終了後、トナーを失った現像剤は磁極323、324が作る磁界により搬送され、現像装置30内に戻される。また、現像剤39中のトナー濃度が基準値よりも小さくなった場合には、適量のトナーが補給され、現像装置30内のトナー濃度は、ほぼ一定となるよう調整されている。
【0033】
本発明の効果を検証するために、サンプル画像を出力して、画質評価を行った。
図8は、画質評価のためのサンプル画像を示す図である。
サンプル画像はA4サイズ上に、図8に示すような、ハーフトーンパターン(反射濃度約0.8/X-Rite StatusA)とベタパターンを配置したもの採用した。
画質評価は、ベタ部とハーフトーン部の境界面及び、ベタ画像後端での白抜け発生状況を、限度見本をもとに目視でランク付けすることで行った。ランクは白抜け発生がなく良好な画像をランク5、白抜け発生が酷いものをランク1とし、中間的な画質にランク2〜4を割り当てることとした。
また、ハーフトーン部の画像濃度安定性に関しても、限度見本を用いた目視評価を行った。この場合は、ハーフトーン部の濃度の安定性が高く、画像として優れているものをランク5、濃度安定性が低く、画像品質の低いものを1とし、中間的な画質にランク2〜4を割り振った。記録部材6として、リコーマイリサイクルペーパーGP(商品名)を使用した。
【0034】
本発明の効果を明確にするために、本実施例で、静電潜像担持体11に対向する電磁石の強さを固定(N極に固定)した場合を比較例1、本実施例から、磁界変化抑制部材33を取り除いた場合を比較例2として、画像品質の比較を行った。
但し、比較例1での現像剤担持体31aの線速は、実施例と同様の、静電潜像担持体11上のトナー付着量を確保するために、静電潜像担持体11の線速の2倍である500mm/sec.とした。
前述したサンプル画像を100枚連続出力し、各サンプルについて、評価を行った結果(100枚の平均ランク)を表1に示す。
【表1】

本実施例1では、ハーフトーン、ベタ境界部及び、ベタ後端部の白抜けが目立たない高品質な画像が得られ、ハーフトーン画像濃度も安定していたのに対し、比較例1では、白抜けが目立ち、比較例2では、汲み上げ量規制部材35近傍での磁界変化のため、ハーフトーン画像濃度が安定しない結果となり、本発明の効果が確認された。
【0035】
(実施例2)
実施例1の構成で、現像剤担持体31の線速を静電潜像担持体11と等速(250mm/sec.)とし、静電潜像担持体11上のトナー付着量がベタ画像で各色0.5mg/cmとなるように、交流電源36の周波数と、現像剤汲み上げ量規制部材35の位置を調整した画像形成装置1を新たな実施例2とする。
但し、ここでの等速とは、厳密な意味ではなく、現像剤担持体31や静電潜像担持体11の回転軸の偏心等による速度バラツキ程度の誤差を許した“凡そ等速度”を意味している。
比較例3として、本実施例2の構成で電磁石321を固定磁極とし、現像剤汲み上げ量規制部材35の位置を調整し、現像剤担持体31と静電潜像担持体11の線速差を出来るだけ小さくした状態で、実施例2と同等のトナー付着量を確保したものを採用する。
尚、本実施例2での交流電源36の周波数は3500Hz、比較例の現像剤担持体線速は、静電潜像担持体線速(250mm/sec.)の1.7倍に相当する、425mm/sec.となった。
画像評価用のサンプル画像は、実施例1のものを用いた。このサンプル画像を1万枚連続で出力し、1枚目以降、100枚毎に画像評価を実施例1と同じ方法で行うと共に、ブラックベタ部の反射濃度測定を反射濃度計X-Riteで行い、反射濃度の経時変化を調査した。画質の評価結果を表2に示す。
【表2】

また、図9は、反射濃度の経時変化を示す図である。
表2、図9から分かるように、本実施例2の構成は、比較例3に比べて、白抜け画像抑制効果が高く、画質が高い。
また、図9に示すように、ベタ濃度は本実施例2では経時で安定しているのに対し、比較例3では、濃度低下が見られた。現像剤を解析したところ、比較例3のキャリア上には、トナー成分が付着しており、また、トナーでは、外添剤の埋没が起こっていた。この結果、トナーとキャリア間等の付着力が増して、現像、転写効率が経時で悪化し、ベタ濃度が低下したものと考えられる。実施例2の現像剤では、キャリア、トナー表面の大きな変化は見られなかった。
【符号の説明】
【0036】
1 画像形成装置
2 給紙部
3 画像形成部
4 スキャナ部
401 コンタクトガラス
5 原稿自動搬送装置(ADF)
6 記録部材
10 画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)
11 感光体
12 露光装置
13 除電装置
20 帯電装置
21 帯電ローラ
30 現像装置
31 現像剤担持体
31a 現像スリーブ
32 磁極
321〜324 磁極
33 磁界変化抑制部材
34 攪拌・搬送スクリュー
35 汲み上げ量規制部材
36 電源
39 現像剤
39a トナー
39b キャリア
40 クリーニング装置
45 潤滑剤塗布装置
60 転写装置
61 中間転写ベルト
62 一次転写ローラ
63 二次転写ローラ
64 ベルトクリーニング装置
641 クリーニングバックアップローラ
642 回転部材
65 ローラ
651 従動ローラ
652 駆動ローラ
653 支持/テンションローラ
66 搬送ベルト
70 定着装置
80 給紙装置
81 給紙カセット
811 分離ローラ
812 給紙ローラ
82 搬送経路
83a、83b、83c、83d 搬送ローラ
84 レジストローラ
85 排紙ローラ
851、852 切換爪
86 排紙トレイ
87、871、872 反転搬送経路
88 記録部材収納装置
89 記録部材反転搬送装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】特許3142153号
【特許文献2】特開2002−268386
【特許文献2】特開2003−84573
【特許文献2】特開2002−108100

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性キャリアとトナーからなる現像剤を汲み上げ、保持、搬送、離脱させるための磁界分布を形成する少なくとも一つ以上の磁極を内部に有し、
かつ、前記磁極が作る磁界を時間変化させることが可能な現像剤担持体で、
前記磁極の磁界を時間変化させる際に、現像剤担持体表面近傍の特定部位の磁界の時間変化を抑制するための磁性部材を内包する
ことを特徴とする現像剤担持体。
【請求項2】
請求項1に記載の現像剤担持体において、
前記磁極が作る磁界の時間変化が周期的である
ことを特徴とする現像剤担持体。
【請求項3】
請求項2に記載の現像剤担持体において、
前記時間変化する磁界を生成する磁極が電磁石である
ことを特徴とする現像剤担持体。
【請求項4】
現像剤を攪拌して現像剤を帯電させて、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤撹拌・供給手段と、
現像剤を担持し、現像領域まで搬送する現像剤担持体と、
現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する汲み上げ量規制部材と、を少なくとも有する現像装置において、
前記現像装置は、請求項3に記載の現像剤担持体を用いる
ことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現像装置において、
前記現像剤担持体表面と、それに近接対向する静電潜像担持体面とで作られる現像領域内での磁極による磁界変化の周期が、
前記現像剤担持体上の固定点が前記現像領域を通過するのに必要な時間よりも短い
ことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の現像装置において、
前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体の各々の表面が前記現像領域内で同方向に、凡そ等速度で移動する
ことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
少なくとも静電潜像担持体と現像装置とを一体に支持していて、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジは、請求項4ないし6のいずれかに記載の現像装置を備えている
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
少なくとも、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体に接触又は近接して配設されて、前記像担持体表面を帯電する帯電装置と、
前記静電潜像担持体表面を露光し、静電潜像を書き込む露光装置と、
前記静電潜像担持体表面に形成された潜像にトナーで可視像化する現像装置と、
前記静電潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、
前記記録部材上のトナーを固着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項4ないし6のいずれかに記載の現像装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−53369(P2012−53369A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197304(P2010−197304)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】