現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
【課題】像担持体に対する現像剤担持体の位置や現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置が異なる場合であっても、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と現像剤担持体51との位置関係と、現像剤担持体51と現像剤規制部材52との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設ける。
【解決手段】像担持体1と現像剤担持体51との位置関係と、現像剤担持体51と現像剤規制部材52との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジとに関し、特に、2成分現像剤を用いた現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナーと磁性キャリアとからなる2成分現像剤(外添剤等を添加する場合も含むものとする。)を収容して現像工程をおこなう現像装置が多く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このような2成分現像方式の現像装置では、現像ローラ(現像剤担持体、現像スリーブ)が撓んでしまい、出力画像上に画像濃度ムラが生じてしまう問題が知られている。
【0003】
特許文献1等には、現像スリーブ内の磁石を一部切り欠いて、その部分に撓み抑制部材を埋め込み、撓み抑制部材を現像スリーブに当接させることで現像スリーブの撓みを抑制する技術が開示されている。
特許文献2等には、クラウン形状の弾性ローラを現像スリーブに当接させることで、現像スリーブの撓みを抑制する技術が開示されている。
特許文献3等には、現像スリーブの剛性を高めることで現像スリーブの撓みを防止する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1〜3等の現像装置は、像担持体に対する現像剤担持体の位置や現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置が異なる様々な形態の現像装置に対して、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じてしまう不具合を確実に解決することができなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、像担持体に対する現像剤担持体の位置や現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置が異なる場合であっても、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
長手方向両端部を支持された現像剤担持体は、現像剤規制部材の位置で現像剤による大きな力を受けて長手方向中央部が弓状に撓んでしまう。したがって、像担持体に対する現像剤担持体の位置と、現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置と、により、像担持体に対する現像剤担持体のギャップ(現像ギャップ)の長手方向両端部と長手方向中央部との大小関係が変動して、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異が生じてしまう。そのため、出力画像上において記録媒体の搬送方向に直交する方向に画像濃度ムラが生じてしまう。
特に、近年の画像形成装置は、高画質化に対するユーザーの要望が高く、ドット再現性を高めるために現像ギャップを高精度に狭く設定してエッジ効果の影響を少なくしているために、上述した問題が無視できなくなっている。
【0007】
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる現像装置は、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、前記像担持体に対向するとともに、キャリアとトナーとからなる現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向するとともに、前記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、を備え、前記像担持体と前記現像剤担持体との位置関係と、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたものである。
【0008】
また、請求項2記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したものである。
【0009】
また、請求項3記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したものである。
【0010】
また、請求項4記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したものである。
【0012】
また、請求項6記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記現像剤担持体は、前記像担持体との対向位置で当該像担持体に現像剤を摺接させるための磁極を具備し、長手方向両端部の前記磁極の磁力と長手方向中央部の前記磁極の磁力とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたものである。
【0013】
また、請求項7記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたものである。
【0014】
また、請求項8記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項7に記載の発明において、前記現像剤担持体は、前記現像剤規制部材との対向位置に第2磁極を具備し、長手方向両端部の前記第2磁極の磁力と長手方向中央部の前記第2磁極の磁力とに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたものである。
【0015】
また、請求項9記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記現像剤担持体に対する前記現像剤規制部材の長手方向両端部のギャップと長手方向中央部のギャップとに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたものである。
【0016】
また、請求項10記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記トナーは、体積平均粒径をDv(μm)とし、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたものである。
【0017】
また、請求項11記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発明において、前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲になり、形状係数SF−2が100〜180の範囲になるように形成されたものである。
【0018】
また、この発明の請求項12記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたものである。
【0019】
また、この発明の請求項13記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたものである。
【0020】
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置(現像部)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたユニットと定義する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、像担持体に対する現像剤担持体の位置と、現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、種々の形態の装置に対して、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】画像形成装置におけるプロセスカートリッジの近傍を示す断面図である。
【図3】図2のプロセスカートリッジの一部を上方からみた断面図である。
【図4】現像装置の一部を示す拡大図である。
【図5】現像ローラが撓んだ状態を示す図である。
【図6】現像ギャップとトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図7】出力画像上の位置による画像濃度の変化を示すグラフである。
【図8】現像ローラの主磁極の磁力を可変したときの、現像ギャップとトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図9】現像剤のトナー濃度を可変したときの、現像剤の汲上げ量と記録媒体上の画像濃度との関係を示すグラフである。
【図10】現像ローラの第2磁極の磁力と、現像剤の汲上げ量と、の関係を示すグラフである。
【図11】現像ローラ及びドクターブレードを長手方向にみた図である。
【図12】この発明の実施の形態2における現像装置の一部を示す拡大図である。
【図13】この発明の実施の形態3における現像装置の一部を示す拡大図である。
【図14】この発明の実施の形態4における現像装置の一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0024】
実施の形態1.
図1〜図11にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタを示す構成図である。図2は、そこに設置されるプロセスカートリッジの近傍を示す断面図である。図3は、図2のプロセスカートリッジの現像装置及び感光体ドラムを上方からみた長手方向(図2の紙面垂直方向である。)の断面図である。また、図4は、現像ローラの周囲を示す拡大図である。
【0025】
図1に示すように、中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2及び図3において、プロセスカートリッジ6と感光体ドラム1と1次転写バイアスローラ9とにおける符号のアルファベット(Y、M、C、K)を省略して図示する。
【0026】
図2を参照して、プロセスカートリッジ6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電部4、現像装置5(現像部)、クリーニング部2と、が一体化されたものであって、装置本体100に対して着脱自在に構成されている。このように作像部の構成部を一体化することで、作像部のメンテナンス性が向上する。そして、感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成されることになる。
【0027】
なお、本実施の形態1では、感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2を、一体化してプロセスカートリッジ6を構成したが、各構成部を単独のユニットとして、装置本体100に着脱自在に設置することもできる。具体的に、現像装置5を、単独のユニットとして、装置本体100に対して着脱自在に構成することもできる。さらに、感光体ドラム1、帯電部4、クリーニング部2のうち少なくとも1つと、現像装置5と、を一体化したユニットとして、装置本体100に対して着脱自在に構成することもできる。
【0028】
図2を参照して、感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4の位置で、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1の表面は、露光部7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0029】
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程である。)。
詳しくは、現像装置5内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像装置5内の現像剤Gは、磁気センサ57によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5内のトナー消費に応じて、トナー搬送パイプ43(トナー搬送部)からトナー補給口44を介して第2現像剤収容部54内に、トナーが補給される。
【0030】
トナー搬送パイプ43は、図1を参照して、装置本体100の上方のボトル収容器31に設置されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kのうち対応するトナーボトルに連通している。図示は省略するが、トナー搬送部は、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを回転駆動する駆動部や、トナー搬送パイプ43や、トナー搬送パイプ43に接続されたエアーポンプ等で構成される。このように構成されたトナー搬送部によって、各色のトナーが収容されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kから、トナー搬送パイプ43を介して、各現像装置5にそれぞれ各色のトナーが搬送される。
なお、トナー搬送部は、上述した構成のものに限定されることなく、種々の構成のものを用いることができる。例えば、トナー搬送パイプを用いずに、トナーボトルから中継ホッパを介して現像装置5にトナーを供給する構成にすることもできる。
【0031】
その後、第2現像剤収容部54内に補給されたトナーは、第2搬送スクリュ56及び第1搬送スクリュ55によって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切部59aで隔絶された第1現像剤収容部53、第2現像剤収容部54を循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
【0032】
詳しくは、図3を参照して、第1現像剤収容部53内の現像剤Gは、第1搬送スクリュ55によって、紙面の右側から左側に搬送される。こうして、現像ローラ51の長手方向に沿って現像剤を搬送する第1搬送経路が形成される。これに対して、第2現像剤収容部54内の現像剤Gは、第2搬送スクリュ56によって、紙面の左側から右側に搬送される。こうして、第1搬送経路とは逆方向に現像剤を搬送する第2搬送経路が形成される。
【0033】
また、第1搬送経路が形成される第1現像剤収容部53と、第2搬送経路が形成される第2現像剤収容部54と、は長手方向両端部を除く領域に配設された仕切部材59aによって隔絶されるとともに、仕切部材59aの介在しない長手方向両端部で連通する。すなわち、第1搬送スクリュ55によって搬送された現像剤は、連通部63で第2現像剤収容部54側に流動して、その後に第2搬送スクリュ56によって搬送される。第2搬送スクリュ56によって搬送された現像剤は、連通部64で第1現像剤収容部53側に流動して、その後に第1搬送スクリュ55によって搬送される。こうして、2つの現像剤収容部53、54の間に現像剤の循環経路が形成される。
【0034】
このように循環経路中を循環する現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された複数の磁極によってキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
ここで、図3を参照して、現像ローラ51は、内部に固設されてローラ周面に複数の磁極を形成するマグネット51bと、マグネット23a1の周囲を回転するスリーブ51aと、で構成される。そして、複数の磁極が形成されたマグネット51bの周囲をスリーブ51aが回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像ローラ51上(スリーブ51a上である。)を移動することになる。
【0035】
現像剤担持体としての現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、現像ローラ51の矢印方向の回転にともなって搬送されて、現像剤担持体としてのドクターブレード52の位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0036】
さらに詳しくは、マグネット51bによって現像ローラ51の周囲に形成される複数の磁極は、感光体ドラム1との対向位置に形成された磁極(主磁極)、ドクターブレード52との対向位置に形成された第2磁極(ドクタ極磁極)、第1搬送スクリュ55との対向位置に形成された第3磁極(汲上げ磁極)、第1現像剤収容部53の上方に形成された第4磁極(剤離れ磁極)、主磁極と第4磁極との間に形成された第5磁極(搬送磁極)、等で構成される。
まず、第3磁極が磁性体としてのキャリアに作用して、現像剤収容部53に収容された現像剤Gが現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード52の位置で掻き取られて、現像剤収容部53に戻される。一方、第2磁極による磁力が作用するドクターブレード52の位置で、ドクターブレードと現像ローラ51とのドクターギャップM(図4をも参照できる。)を通過して現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、主磁極の位置で穂立ちして現像領域において感光体ドラム1に摺接する。こうして、現像ローラ51に担持された現像剤G中のトナーが感光体ドラム1上の潜像に付着する。その後、主磁極の位置を通過した現像剤Gは、第5磁極によって第4磁極の位置まで搬送される。そして、第4磁極の位置で、反発磁界がキャリアに作用して、現像ローラ51上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ51から脱離される。脱離後の現像剤Gは、再び現像剤収容部53に戻されて、現像剤収容部53、54内を循環する。このような一連の現像剤Gの流れが繰り返される。
【0037】
なお、本実施の形態1では、現像ローラ51の外径が18mmに設定されている。また、出力画像のドット再現性を高めるために、現像ギャップNは0.3mm程度に設定されている。
また、本実施の形態1において、ドクターブレード52は、厚さが1.5〜2mm程度の非磁性金属材料で形成されている。また、ドクターブレード52の先端部(現像ローラ51との対向部である。)の真直度は0.05mm程度に設定されている。なお、上述したドクターブレード52に対して、厚さが0.2mm程度の磁性金属材料からなる補助板を重ねて設置することもできる。
【0038】
上述した現像工程の後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0039】
その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0040】
なお、上述した作像プロセスは、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kで、それぞれおこなわれる。すなわち、図1を参照して、プロセスカートリッジの下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0041】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、対向ローラ13、テンションローラ14、クリーニング部10等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ部材12〜14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0042】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0043】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0044】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写ベルト8用のクリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0045】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0046】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0047】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0048】
以下、本実施の形態1において特徴的な、現像装置5の構成・動作について詳しく説明する。
本実施の形態1における現像装置5は、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異が設けられている。
具体的に、図4を参照して、本実施の形態1における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ上方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置(ドクターギャップMが形成された位置である。)よりも上方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向(図4の紙面垂直方向である。)の両端部の現像能力が、長手方向の中央部の現像能力よりも低くなるように設定されている。ここで、「現像能力」とは、現像領域において感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する能力(現像のしやすさ)である。
【0049】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が低下してしまうためである。
詳しくは、図4を参照して、現像ローラ51とドクターブレード52との対向位置の上流側は、ドクターギャップMを通過できずに現像ローラ51上に担持された現像剤Gがせき止られた状態になっている。このせき止められた現像剤Gがドクターブレード52を押圧する力F1のうち、ドクターブレード52の鉛直方向に作用する分力F2によって、現像ローラ51(長手方向両端部の軸部が軸受を介して支持されている。)が弓状に撓んでしまう。すなわち、現像ローラ51は、図5中の破線に示すように変形してしまう(最大変形量は0.03mm程度である。)。なお、ドクターブレード52ではなくて、現像ローラ51に撓みが生じてしまうのは、現像ローラ51のスリーブ51aは薄肉円筒体であって機械的強度が弱いことや、現像ローラ51がその両端部で回転自在に支持されているのに対してドクターブレード52が両端部以外でも固定支持されていること等による。
【0050】
そして、このように現像ローラ51の長手方向中央部に撓みが生じてしまうと、図4の破線に示すように現像ローラ51の長手方向中央部が変位して、長手方向中央部における現像ギャップN1が長手方向中央部における現像ギャップN0よりも大きくなってしまう。その結果、現像領域において、長手方向中央部の現像電界は長手方向両端部の現像電界よりも低くなってしまい、長手方向中央部の現像能力が長手方向両端部の現像能力よりも低くなってしまう。
【0051】
図6は、長手方向中央部の現像能力と長手方向両端部の現像能力とを同等とした現像装置5(従来のものである。)における、現像ギャップNとトナー付着量との関係を示すグラフである。
図6において、縦軸の「トナー付着量」は所定条件で感光体ドラム1上に付着するトナー像のトナー付着量であって、上述した「現像能力」に比例する値である。また、図6において、「●」は長手方向中央部のデータを示し、「■」及び「◆」は長手方向両端部のデータを示す。
図6に示すように、従来の現像装置は、長手方向中央部における現像ギャップが長手方向中央部における現像ギャップよりも大きくなるのにともない、長手方向中央部のトナー付着量(現像能力)が長手方向両端部のトナー付着量(現像能力)よりも10%程低くなってしまうのがわかる。
【0052】
また、図7は、長手方向中央部の現像能力と長手方向両端部の現像能力とを同等とした現像装置5(従来のものである。)における、出力画像上の位置による画像濃度の変化を示すグラフである。
図7において、横軸の「ID測定位置」は画像がプリントされた出力画像(記録媒体)における画像濃度(ID)の測定位置を示し、「左」、「中」、「右」が長手方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)の位置であり、「上」、「下」が記録媒体の搬送方向の位置である。また、図7におけるグラフの線種の違いは、測定対象とした記録媒体(複数枚プリントされた記録媒体のいずれかである。)の違いである。
図7に示すように、長手方向中央部におけるトナー付着量が長手方向中央部におけるトナー付着量よりも小さくなるのにともない、長手方向中央部の画像濃度が長手方向両端部の画像濃度よりも低くなってしまうのがわかる。すなわち、出力画像上において記録媒体Pの搬送方向に直交する方向に画像濃度ムラが生じてしまうのがわかる。
【0053】
ここで、本実施の形態1では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を高くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも大きく設定している。
図8は、現像ローラ51の主磁極の磁力を可変したときの、現像ギャップNとトナー付着量との関係を示すグラフである。図8において、実線グラフは現像ローラ51の主磁極の磁力が高いときのものであって、破線グラフは現像ローラ51の主磁極の磁力が低いときのものである。図8に示すように、現像ローラ51の主磁力の磁力を高く設定したときは、現像領域にて感光体ドラム1に摺接する現像剤量も増加するために現像能力が高くなる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態1では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を高く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。すなわち、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。なお、上述した現像ローラ51における主磁極の磁力に差異を設ける方法は、現像装置の大型化を招くことなく、コストの変動もほとんどない。
【0055】
なお、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を高くする手段は、上述したものに限定されることなく、ドクターブレード52の位置を通過した後に現像ローラ51上に担持される長手方向両端部の現像剤の量(以下、適宜に「汲上げ量」という。)と長手方向中央部の現像剤の量(汲上げ量)とに差異を設けることでも達成できる。
詳しくは、ドクターブレード52との対向位置に形成される現像ローラ51の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力を、長手方向中央部と長手方向両端部とで差異を設ける。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力を、長手方向両端部の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力よりも大きく設定する。
図9は、現像剤のトナー濃度を可変したときの、現像剤の汲上げ量と記録媒体上の画像濃度(ID)との関係を示すグラフである。図9において、実線グラフはトナー濃度が10重量%のときのものであり、破線グラフはトナー濃度が7重量%のときのものであり、一点鎖線グラフはトナー濃度が4重量%のときのものである。図9に示すように、現像剤の汲上げ量が増加すると、現像能力が高まって、出力画像上の画像濃度が上昇する。
図10は、現像ローラ51の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力と、現像剤の汲上げ量と、の関係を示すグラフである。図10に示すように、現像ローラ51の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力が大きくなると、現像剤の汲上げ量が比例的に増加する。
このように、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまっても、長手方向両端部の第2磁極に比べて長手方向中央部の第2磁極を高く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。なお、このように現像ローラ51における第2磁極の磁力に差異を設ける方法も、現像装置の大型化を招くことなく、コストの変動もほとんどない。
【0056】
さらに、長手方向両端部の汲上げ量に比べて長手方向中央部の汲上げ量を高くする手段は、ドクターギャップM(現像ローラ51とドクターブレード52とのギャップである。)に差異を設けることでも達成できる。
具体的に、図11に示すように、長手方向両端部のドクターギャップM2に比べて長手方向中央部のドクターギャップM1が大きくなるように、ドクターブレード52の対向部を凹状に形成する。これにより、長手方向両端部の汲上げ量に比べて長手方向中央部の汲上げ量が多くなって、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。なお、このようにドクターブレード52の形状を凹状に形成する方法も、現像装置の大型化を招くことなく、コストの変動もほとんどない。
【0057】
ここで、本実施の形態1における現像装置5で用いられるトナーは、体積平均粒径をDv(μm)とし、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたものである。なお、Dv/Dnの値が1に近いほど、粒径分布がシャープになる。
このように、小粒径であって粒径分布が狭いトナーを用いることで、トナーの帯電量分布が均一になり、600dpi以上の微小ドットを再現でき、地肌かぶりが少なく、転写効率の高い、高品位な画像を形成することができる。
なお、トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定して、解析ソフト「Beckman Coulter Mutlisizer3 Version3.51」にて解析をおこなったものである。
具体的には、ガラス製100mlのビーカーに10wt%界面活性剤「アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A」(第一工業製薬社製)を0.5ml添加して、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器「W-113MK-II」(本多電子社製)で10分間分散処理した。さらに、その分散液を上述のマルチサイザーIIIを用い、測定用溶液として「アイソトンIII」(ベックマンコールター社製)を用いて測定をおこなった。
【0058】
また、本実施の形態1における現像装置5で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲になり、形状係数SF−2が100〜180の範囲になるように形成されたものである。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して100π/4を乗じた値である。すなわち、次式で表すことができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)
SF−1の値が100の場合はトナーの形状が真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して100/4πを乗じた値である。 なわち、次式で表すことができる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)
SF−2の値が100の場合はトナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
このような略球形のトナーを用いることで、トナー同士の吸着力が弱まってトナーの流動性が高くなるとともに、トナーと感光体ドラム1との吸着力が弱まって転写性が向上する。
なお、形状係数の測定は、具体的に、走査型電子顕微鏡「S−800」(日立製作所社製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置「LUSEX3」(ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態1では、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0060】
実施の形態2.
図12にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図12は、実施の形態2における現像装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図4に相当する図である。本実施の形態2の現像装置5は、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係が、前記実施の形態1のものとは相違する。
【0061】
図12に示すように、本実施の形態2における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ上方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置(ドクターギャップMが形成された位置である。)よりも下方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向両端部の現像能力が、長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように設定されている。
【0062】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が高くなってしまうためである。
詳しくは、現像ローラ51とドクターブレード52との対向位置の上流側でせき止められた現像剤Gがドクターブレード52を押圧する力F1の分力F2によって、現像ローラ51が弓状に撓んでしまう。すなわち、現像ローラ51の長手方向中央部は、図12中の破線に示す位置に変形してしまい、感光体ドラム1に近づいてしまう。長手方向中央部における現像ギャップN1が長手方向両端部における現像ギャップN0よりも小さくなってしまう。その結果、現像領域において、長手方向中央部の現像電界は長手方向両端部の現像電界よりも高くなってしまい、そのままでは長手方向中央部の現像能力が長手方向両端部の現像能力よりも高くなってしまう。
【0063】
ここで、本実施の形態2では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を低くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも小さく設定している。
なお、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を低くする手段として、現像ローラ51における長手方向中央部の第2磁極の磁力を長手方向両端部の第2磁極の磁力よりも小さく設定することもできるし、長手方向両端部のドクターギャップM2に比べて長手方向中央部のドクターギャップM1が小さくなるようにドクターブレード52の対向部を凸状に形成することもできる。
【0064】
このように、本実施の形態2では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を低く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0066】
実施の形態3.
図13にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図13は、実施の形態3における現像装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態2における図12に相当する図である。本実施の形態3の現像装置5は、現像ローラとドクターブレードとの位置関係が、前記実施の形態2のものとは相違する。
【0067】
図13に示すように、本実施の形態3における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ下方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置よりも下方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向両端部の現像能力が、長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように設定されている。
【0068】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、現像ローラ51の長手方向中央部が図13の破線の位置に変形することで、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が低くなってしまうためである。
【0069】
ここで、本実施の形態3では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を高くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも大きく設定している。
【0070】
このように、本実施の形態3では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を高く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態3でも、前記各実施の形態と同様に、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0072】
実施の形態4.
図14にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図14は、実施の形態4における現像装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態3における図13に相当する図である。本実施の形態4の現像装置5は、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係が、前記実施の形態3のものとは相違する。
【0073】
図14に示すように、本実施の形態4における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ下方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置よりも上方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向両端部の現像能力が、長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように設定されている。
【0074】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、現像ローラ51の長手方向中央部が図14の破線の位置に変形することで、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が高くなってしまうためである。
【0075】
ここで、本実施の形態4では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を低くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも小さく設定している。
【0076】
このように、本実施の形態4では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を低く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態4でも、前記各実施の形態と同様に、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0078】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1、1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(像担持体)、
5 現像装置(現像部)、
6、6Y、6M、6C、6K プロセスカートリッジ(作像部)、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
52 ドクターブレード(現像剤規制部材)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
G 現像剤、
M ドクターギャップ、
N、N0、N1 現像ギャップ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2006−251289号公報
【特許文献2】特開平11−316496号公報
【特許文献3】特開平9−54501号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジとに関し、特に、2成分現像剤を用いた現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナーと磁性キャリアとからなる2成分現像剤(外添剤等を添加する場合も含むものとする。)を収容して現像工程をおこなう現像装置が多く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このような2成分現像方式の現像装置では、現像ローラ(現像剤担持体、現像スリーブ)が撓んでしまい、出力画像上に画像濃度ムラが生じてしまう問題が知られている。
【0003】
特許文献1等には、現像スリーブ内の磁石を一部切り欠いて、その部分に撓み抑制部材を埋め込み、撓み抑制部材を現像スリーブに当接させることで現像スリーブの撓みを抑制する技術が開示されている。
特許文献2等には、クラウン形状の弾性ローラを現像スリーブに当接させることで、現像スリーブの撓みを抑制する技術が開示されている。
特許文献3等には、現像スリーブの剛性を高めることで現像スリーブの撓みを防止する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1〜3等の現像装置は、像担持体に対する現像剤担持体の位置や現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置が異なる様々な形態の現像装置に対して、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じてしまう不具合を確実に解決することができなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、像担持体に対する現像剤担持体の位置や現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置が異なる場合であっても、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
長手方向両端部を支持された現像剤担持体は、現像剤規制部材の位置で現像剤による大きな力を受けて長手方向中央部が弓状に撓んでしまう。したがって、像担持体に対する現像剤担持体の位置と、現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置と、により、像担持体に対する現像剤担持体のギャップ(現像ギャップ)の長手方向両端部と長手方向中央部との大小関係が変動して、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異が生じてしまう。そのため、出力画像上において記録媒体の搬送方向に直交する方向に画像濃度ムラが生じてしまう。
特に、近年の画像形成装置は、高画質化に対するユーザーの要望が高く、ドット再現性を高めるために現像ギャップを高精度に狭く設定してエッジ効果の影響を少なくしているために、上述した問題が無視できなくなっている。
【0007】
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる現像装置は、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、前記像担持体に対向するとともに、キャリアとトナーとからなる現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向するとともに、前記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、を備え、前記像担持体と前記現像剤担持体との位置関係と、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたものである。
【0008】
また、請求項2記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したものである。
【0009】
また、請求項3記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したものである。
【0010】
また、請求項4記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したものである。
【0012】
また、請求項6記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記現像剤担持体は、前記像担持体との対向位置で当該像担持体に現像剤を摺接させるための磁極を具備し、長手方向両端部の前記磁極の磁力と長手方向中央部の前記磁極の磁力とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたものである。
【0013】
また、請求項7記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたものである。
【0014】
また、請求項8記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項7に記載の発明において、前記現像剤担持体は、前記現像剤規制部材との対向位置に第2磁極を具備し、長手方向両端部の前記第2磁極の磁力と長手方向中央部の前記第2磁極の磁力とに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたものである。
【0015】
また、請求項9記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記現像剤担持体に対する前記現像剤規制部材の長手方向両端部のギャップと長手方向中央部のギャップとに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたものである。
【0016】
また、請求項10記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記トナーは、体積平均粒径をDv(μm)とし、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたものである。
【0017】
また、請求項11記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発明において、前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲になり、形状係数SF−2が100〜180の範囲になるように形成されたものである。
【0018】
また、この発明の請求項12記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたものである。
【0019】
また、この発明の請求項13記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたものである。
【0020】
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置(現像部)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたユニットと定義する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、像担持体に対する現像剤担持体の位置と、現像剤担持体に対する現像剤規制部材の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、種々の形態の装置に対して、装置を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】画像形成装置におけるプロセスカートリッジの近傍を示す断面図である。
【図3】図2のプロセスカートリッジの一部を上方からみた断面図である。
【図4】現像装置の一部を示す拡大図である。
【図5】現像ローラが撓んだ状態を示す図である。
【図6】現像ギャップとトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図7】出力画像上の位置による画像濃度の変化を示すグラフである。
【図8】現像ローラの主磁極の磁力を可変したときの、現像ギャップとトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図9】現像剤のトナー濃度を可変したときの、現像剤の汲上げ量と記録媒体上の画像濃度との関係を示すグラフである。
【図10】現像ローラの第2磁極の磁力と、現像剤の汲上げ量と、の関係を示すグラフである。
【図11】現像ローラ及びドクターブレードを長手方向にみた図である。
【図12】この発明の実施の形態2における現像装置の一部を示す拡大図である。
【図13】この発明の実施の形態3における現像装置の一部を示す拡大図である。
【図14】この発明の実施の形態4における現像装置の一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0024】
実施の形態1.
図1〜図11にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタを示す構成図である。図2は、そこに設置されるプロセスカートリッジの近傍を示す断面図である。図3は、図2のプロセスカートリッジの現像装置及び感光体ドラムを上方からみた長手方向(図2の紙面垂直方向である。)の断面図である。また、図4は、現像ローラの周囲を示す拡大図である。
【0025】
図1に示すように、中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2及び図3において、プロセスカートリッジ6と感光体ドラム1と1次転写バイアスローラ9とにおける符号のアルファベット(Y、M、C、K)を省略して図示する。
【0026】
図2を参照して、プロセスカートリッジ6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電部4、現像装置5(現像部)、クリーニング部2と、が一体化されたものであって、装置本体100に対して着脱自在に構成されている。このように作像部の構成部を一体化することで、作像部のメンテナンス性が向上する。そして、感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成されることになる。
【0027】
なお、本実施の形態1では、感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2を、一体化してプロセスカートリッジ6を構成したが、各構成部を単独のユニットとして、装置本体100に着脱自在に設置することもできる。具体的に、現像装置5を、単独のユニットとして、装置本体100に対して着脱自在に構成することもできる。さらに、感光体ドラム1、帯電部4、クリーニング部2のうち少なくとも1つと、現像装置5と、を一体化したユニットとして、装置本体100に対して着脱自在に構成することもできる。
【0028】
図2を参照して、感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4の位置で、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1の表面は、露光部7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0029】
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程である。)。
詳しくは、現像装置5内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像装置5内の現像剤Gは、磁気センサ57によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5内のトナー消費に応じて、トナー搬送パイプ43(トナー搬送部)からトナー補給口44を介して第2現像剤収容部54内に、トナーが補給される。
【0030】
トナー搬送パイプ43は、図1を参照して、装置本体100の上方のボトル収容器31に設置されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kのうち対応するトナーボトルに連通している。図示は省略するが、トナー搬送部は、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを回転駆動する駆動部や、トナー搬送パイプ43や、トナー搬送パイプ43に接続されたエアーポンプ等で構成される。このように構成されたトナー搬送部によって、各色のトナーが収容されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kから、トナー搬送パイプ43を介して、各現像装置5にそれぞれ各色のトナーが搬送される。
なお、トナー搬送部は、上述した構成のものに限定されることなく、種々の構成のものを用いることができる。例えば、トナー搬送パイプを用いずに、トナーボトルから中継ホッパを介して現像装置5にトナーを供給する構成にすることもできる。
【0031】
その後、第2現像剤収容部54内に補給されたトナーは、第2搬送スクリュ56及び第1搬送スクリュ55によって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切部59aで隔絶された第1現像剤収容部53、第2現像剤収容部54を循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
【0032】
詳しくは、図3を参照して、第1現像剤収容部53内の現像剤Gは、第1搬送スクリュ55によって、紙面の右側から左側に搬送される。こうして、現像ローラ51の長手方向に沿って現像剤を搬送する第1搬送経路が形成される。これに対して、第2現像剤収容部54内の現像剤Gは、第2搬送スクリュ56によって、紙面の左側から右側に搬送される。こうして、第1搬送経路とは逆方向に現像剤を搬送する第2搬送経路が形成される。
【0033】
また、第1搬送経路が形成される第1現像剤収容部53と、第2搬送経路が形成される第2現像剤収容部54と、は長手方向両端部を除く領域に配設された仕切部材59aによって隔絶されるとともに、仕切部材59aの介在しない長手方向両端部で連通する。すなわち、第1搬送スクリュ55によって搬送された現像剤は、連通部63で第2現像剤収容部54側に流動して、その後に第2搬送スクリュ56によって搬送される。第2搬送スクリュ56によって搬送された現像剤は、連通部64で第1現像剤収容部53側に流動して、その後に第1搬送スクリュ55によって搬送される。こうして、2つの現像剤収容部53、54の間に現像剤の循環経路が形成される。
【0034】
このように循環経路中を循環する現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された複数の磁極によってキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
ここで、図3を参照して、現像ローラ51は、内部に固設されてローラ周面に複数の磁極を形成するマグネット51bと、マグネット23a1の周囲を回転するスリーブ51aと、で構成される。そして、複数の磁極が形成されたマグネット51bの周囲をスリーブ51aが回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像ローラ51上(スリーブ51a上である。)を移動することになる。
【0035】
現像剤担持体としての現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、現像ローラ51の矢印方向の回転にともなって搬送されて、現像剤担持体としてのドクターブレード52の位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0036】
さらに詳しくは、マグネット51bによって現像ローラ51の周囲に形成される複数の磁極は、感光体ドラム1との対向位置に形成された磁極(主磁極)、ドクターブレード52との対向位置に形成された第2磁極(ドクタ極磁極)、第1搬送スクリュ55との対向位置に形成された第3磁極(汲上げ磁極)、第1現像剤収容部53の上方に形成された第4磁極(剤離れ磁極)、主磁極と第4磁極との間に形成された第5磁極(搬送磁極)、等で構成される。
まず、第3磁極が磁性体としてのキャリアに作用して、現像剤収容部53に収容された現像剤Gが現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード52の位置で掻き取られて、現像剤収容部53に戻される。一方、第2磁極による磁力が作用するドクターブレード52の位置で、ドクターブレードと現像ローラ51とのドクターギャップM(図4をも参照できる。)を通過して現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、主磁極の位置で穂立ちして現像領域において感光体ドラム1に摺接する。こうして、現像ローラ51に担持された現像剤G中のトナーが感光体ドラム1上の潜像に付着する。その後、主磁極の位置を通過した現像剤Gは、第5磁極によって第4磁極の位置まで搬送される。そして、第4磁極の位置で、反発磁界がキャリアに作用して、現像ローラ51上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ51から脱離される。脱離後の現像剤Gは、再び現像剤収容部53に戻されて、現像剤収容部53、54内を循環する。このような一連の現像剤Gの流れが繰り返される。
【0037】
なお、本実施の形態1では、現像ローラ51の外径が18mmに設定されている。また、出力画像のドット再現性を高めるために、現像ギャップNは0.3mm程度に設定されている。
また、本実施の形態1において、ドクターブレード52は、厚さが1.5〜2mm程度の非磁性金属材料で形成されている。また、ドクターブレード52の先端部(現像ローラ51との対向部である。)の真直度は0.05mm程度に設定されている。なお、上述したドクターブレード52に対して、厚さが0.2mm程度の磁性金属材料からなる補助板を重ねて設置することもできる。
【0038】
上述した現像工程の後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0039】
その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0040】
なお、上述した作像プロセスは、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kで、それぞれおこなわれる。すなわち、図1を参照して、プロセスカートリッジの下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0041】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、対向ローラ13、テンションローラ14、クリーニング部10等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ部材12〜14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0042】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0043】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0044】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写ベルト8用のクリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0045】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0046】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0047】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0048】
以下、本実施の形態1において特徴的な、現像装置5の構成・動作について詳しく説明する。
本実施の形態1における現像装置5は、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異が設けられている。
具体的に、図4を参照して、本実施の形態1における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ上方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置(ドクターギャップMが形成された位置である。)よりも上方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向(図4の紙面垂直方向である。)の両端部の現像能力が、長手方向の中央部の現像能力よりも低くなるように設定されている。ここで、「現像能力」とは、現像領域において感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する能力(現像のしやすさ)である。
【0049】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が低下してしまうためである。
詳しくは、図4を参照して、現像ローラ51とドクターブレード52との対向位置の上流側は、ドクターギャップMを通過できずに現像ローラ51上に担持された現像剤Gがせき止られた状態になっている。このせき止められた現像剤Gがドクターブレード52を押圧する力F1のうち、ドクターブレード52の鉛直方向に作用する分力F2によって、現像ローラ51(長手方向両端部の軸部が軸受を介して支持されている。)が弓状に撓んでしまう。すなわち、現像ローラ51は、図5中の破線に示すように変形してしまう(最大変形量は0.03mm程度である。)。なお、ドクターブレード52ではなくて、現像ローラ51に撓みが生じてしまうのは、現像ローラ51のスリーブ51aは薄肉円筒体であって機械的強度が弱いことや、現像ローラ51がその両端部で回転自在に支持されているのに対してドクターブレード52が両端部以外でも固定支持されていること等による。
【0050】
そして、このように現像ローラ51の長手方向中央部に撓みが生じてしまうと、図4の破線に示すように現像ローラ51の長手方向中央部が変位して、長手方向中央部における現像ギャップN1が長手方向中央部における現像ギャップN0よりも大きくなってしまう。その結果、現像領域において、長手方向中央部の現像電界は長手方向両端部の現像電界よりも低くなってしまい、長手方向中央部の現像能力が長手方向両端部の現像能力よりも低くなってしまう。
【0051】
図6は、長手方向中央部の現像能力と長手方向両端部の現像能力とを同等とした現像装置5(従来のものである。)における、現像ギャップNとトナー付着量との関係を示すグラフである。
図6において、縦軸の「トナー付着量」は所定条件で感光体ドラム1上に付着するトナー像のトナー付着量であって、上述した「現像能力」に比例する値である。また、図6において、「●」は長手方向中央部のデータを示し、「■」及び「◆」は長手方向両端部のデータを示す。
図6に示すように、従来の現像装置は、長手方向中央部における現像ギャップが長手方向中央部における現像ギャップよりも大きくなるのにともない、長手方向中央部のトナー付着量(現像能力)が長手方向両端部のトナー付着量(現像能力)よりも10%程低くなってしまうのがわかる。
【0052】
また、図7は、長手方向中央部の現像能力と長手方向両端部の現像能力とを同等とした現像装置5(従来のものである。)における、出力画像上の位置による画像濃度の変化を示すグラフである。
図7において、横軸の「ID測定位置」は画像がプリントされた出力画像(記録媒体)における画像濃度(ID)の測定位置を示し、「左」、「中」、「右」が長手方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)の位置であり、「上」、「下」が記録媒体の搬送方向の位置である。また、図7におけるグラフの線種の違いは、測定対象とした記録媒体(複数枚プリントされた記録媒体のいずれかである。)の違いである。
図7に示すように、長手方向中央部におけるトナー付着量が長手方向中央部におけるトナー付着量よりも小さくなるのにともない、長手方向中央部の画像濃度が長手方向両端部の画像濃度よりも低くなってしまうのがわかる。すなわち、出力画像上において記録媒体Pの搬送方向に直交する方向に画像濃度ムラが生じてしまうのがわかる。
【0053】
ここで、本実施の形態1では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を高くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも大きく設定している。
図8は、現像ローラ51の主磁極の磁力を可変したときの、現像ギャップNとトナー付着量との関係を示すグラフである。図8において、実線グラフは現像ローラ51の主磁極の磁力が高いときのものであって、破線グラフは現像ローラ51の主磁極の磁力が低いときのものである。図8に示すように、現像ローラ51の主磁力の磁力を高く設定したときは、現像領域にて感光体ドラム1に摺接する現像剤量も増加するために現像能力が高くなる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態1では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を高く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。すなわち、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。なお、上述した現像ローラ51における主磁極の磁力に差異を設ける方法は、現像装置の大型化を招くことなく、コストの変動もほとんどない。
【0055】
なお、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を高くする手段は、上述したものに限定されることなく、ドクターブレード52の位置を通過した後に現像ローラ51上に担持される長手方向両端部の現像剤の量(以下、適宜に「汲上げ量」という。)と長手方向中央部の現像剤の量(汲上げ量)とに差異を設けることでも達成できる。
詳しくは、ドクターブレード52との対向位置に形成される現像ローラ51の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力を、長手方向中央部と長手方向両端部とで差異を設ける。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力を、長手方向両端部の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力よりも大きく設定する。
図9は、現像剤のトナー濃度を可変したときの、現像剤の汲上げ量と記録媒体上の画像濃度(ID)との関係を示すグラフである。図9において、実線グラフはトナー濃度が10重量%のときのものであり、破線グラフはトナー濃度が7重量%のときのものであり、一点鎖線グラフはトナー濃度が4重量%のときのものである。図9に示すように、現像剤の汲上げ量が増加すると、現像能力が高まって、出力画像上の画像濃度が上昇する。
図10は、現像ローラ51の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力と、現像剤の汲上げ量と、の関係を示すグラフである。図10に示すように、現像ローラ51の第2磁極(ドクタ極磁極)の磁力が大きくなると、現像剤の汲上げ量が比例的に増加する。
このように、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまっても、長手方向両端部の第2磁極に比べて長手方向中央部の第2磁極を高く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。なお、このように現像ローラ51における第2磁極の磁力に差異を設ける方法も、現像装置の大型化を招くことなく、コストの変動もほとんどない。
【0056】
さらに、長手方向両端部の汲上げ量に比べて長手方向中央部の汲上げ量を高くする手段は、ドクターギャップM(現像ローラ51とドクターブレード52とのギャップである。)に差異を設けることでも達成できる。
具体的に、図11に示すように、長手方向両端部のドクターギャップM2に比べて長手方向中央部のドクターギャップM1が大きくなるように、ドクターブレード52の対向部を凹状に形成する。これにより、長手方向両端部の汲上げ量に比べて長手方向中央部の汲上げ量が多くなって、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。なお、このようにドクターブレード52の形状を凹状に形成する方法も、現像装置の大型化を招くことなく、コストの変動もほとんどない。
【0057】
ここで、本実施の形態1における現像装置5で用いられるトナーは、体積平均粒径をDv(μm)とし、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたものである。なお、Dv/Dnの値が1に近いほど、粒径分布がシャープになる。
このように、小粒径であって粒径分布が狭いトナーを用いることで、トナーの帯電量分布が均一になり、600dpi以上の微小ドットを再現でき、地肌かぶりが少なく、転写効率の高い、高品位な画像を形成することができる。
なお、トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定して、解析ソフト「Beckman Coulter Mutlisizer3 Version3.51」にて解析をおこなったものである。
具体的には、ガラス製100mlのビーカーに10wt%界面活性剤「アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A」(第一工業製薬社製)を0.5ml添加して、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器「W-113MK-II」(本多電子社製)で10分間分散処理した。さらに、その分散液を上述のマルチサイザーIIIを用い、測定用溶液として「アイソトンIII」(ベックマンコールター社製)を用いて測定をおこなった。
【0058】
また、本実施の形態1における現像装置5で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲になり、形状係数SF−2が100〜180の範囲になるように形成されたものである。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して100π/4を乗じた値である。すなわち、次式で表すことができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)
SF−1の値が100の場合はトナーの形状が真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して100/4πを乗じた値である。 なわち、次式で表すことができる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)
SF−2の値が100の場合はトナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
このような略球形のトナーを用いることで、トナー同士の吸着力が弱まってトナーの流動性が高くなるとともに、トナーと感光体ドラム1との吸着力が弱まって転写性が向上する。
なお、形状係数の測定は、具体的に、走査型電子顕微鏡「S−800」(日立製作所社製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置「LUSEX3」(ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態1では、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0060】
実施の形態2.
図12にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図12は、実施の形態2における現像装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図4に相当する図である。本実施の形態2の現像装置5は、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係が、前記実施の形態1のものとは相違する。
【0061】
図12に示すように、本実施の形態2における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ上方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置(ドクターギャップMが形成された位置である。)よりも下方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向両端部の現像能力が、長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように設定されている。
【0062】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が高くなってしまうためである。
詳しくは、現像ローラ51とドクターブレード52との対向位置の上流側でせき止められた現像剤Gがドクターブレード52を押圧する力F1の分力F2によって、現像ローラ51が弓状に撓んでしまう。すなわち、現像ローラ51の長手方向中央部は、図12中の破線に示す位置に変形してしまい、感光体ドラム1に近づいてしまう。長手方向中央部における現像ギャップN1が長手方向両端部における現像ギャップN0よりも小さくなってしまう。その結果、現像領域において、長手方向中央部の現像電界は長手方向両端部の現像電界よりも高くなってしまい、そのままでは長手方向中央部の現像能力が長手方向両端部の現像能力よりも高くなってしまう。
【0063】
ここで、本実施の形態2では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を低くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも小さく設定している。
なお、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を低くする手段として、現像ローラ51における長手方向中央部の第2磁極の磁力を長手方向両端部の第2磁極の磁力よりも小さく設定することもできるし、長手方向両端部のドクターギャップM2に比べて長手方向中央部のドクターギャップM1が小さくなるようにドクターブレード52の対向部を凸状に形成することもできる。
【0064】
このように、本実施の形態2では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を低く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0066】
実施の形態3.
図13にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図13は、実施の形態3における現像装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態2における図12に相当する図である。本実施の形態3の現像装置5は、現像ローラとドクターブレードとの位置関係が、前記実施の形態2のものとは相違する。
【0067】
図13に示すように、本実施の形態3における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ下方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置よりも下方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向両端部の現像能力が、長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように設定されている。
【0068】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、現像ローラ51の長手方向中央部が図13の破線の位置に変形することで、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が低くなってしまうためである。
【0069】
ここで、本実施の形態3では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を高くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも大きく設定している。
【0070】
このように、本実施の形態3では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が大きくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を高く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態3でも、前記各実施の形態と同様に、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0072】
実施の形態4.
図14にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図14は、実施の形態4における現像装置の一部を示す拡大図であって、前記実施の形態3における図13に相当する図である。本実施の形態4の現像装置5は、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係が、前記実施の形態3のものとは相違する。
【0073】
図14に示すように、本実施の形態4における現像装置5は、現像ローラ51の回転中心位置が、感光体ドラム1の回転中心位置よりも距離Hだけ下方に配設されている。また、現像ローラ51の回転中心位置が、ドクターブレード51との対向位置よりも上方に配設されている。そして、現像装置5は、長手方向両端部の現像能力が、長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように設定されている。
【0074】
これは、感光体ドラム1と現像ローラ51との位置関係と、現像ローラ51とドクターブレード52との位置関係と、が上述したような位置関係になっている場合に、現像ローラ51の長手方向中央部が図14の破線の位置に変形することで、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまい、そのままでは長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力が高くなってしまうためである。
【0075】
ここで、本実施の形態4では、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向の中央部の現像能力を低くする手段として、現像ローラ51における長手方向両端部の主磁極の磁力と長手方向中央部の主磁極の磁力とに差異を設けている。具体的に、現像ローラ51における長手方向中央部の主磁極の磁力を、長手方向両端部の主磁極の磁力よりも小さく設定している。
【0076】
このように、本実施の形態4では、長手方向両端部の現像ギャップN0に比べて長手方向中央部の現像ギャップN1が小さくなってしまっても、長手方向両端部の現像能力に比べて長手方向中央部の現像能力を低く設定しているので、長手方向全域にわたって感光体ドラム1上の画像濃度が均一化される。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態4でも、前記各実施の形態と同様に、感光体ドラム1(像担持体)に対する現像ローラ51(現像剤担持体)の位置と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対するドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けているために、現像装置5を大型化、高コスト化することなく、出力画像上に画像濃度ムラが生じるのを抑止することができる。
【0078】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1、1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(像担持体)、
5 現像装置(現像部)、
6、6Y、6M、6C、6K プロセスカートリッジ(作像部)、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
52 ドクターブレード(現像剤規制部材)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
G 現像剤、
M ドクターギャップ、
N、N0、N1 現像ギャップ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2006−251289号公報
【特許文献2】特開平11−316496号公報
【特許文献3】特開平9−54501号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
前記像担持体に対向するとともに、キャリアとトナーとからなる現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するとともに、前記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、
を備え、
前記像担持体と前記現像剤担持体との位置関係と、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体は、前記像担持体との対向位置で当該像担持体に現像剤を摺接させるための磁極を具備し、
長手方向両端部の前記磁極の磁力と長手方向中央部の前記磁極の磁力とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤担持体は、前記現像剤規制部材との対向位置に第2磁極を具備し、
長手方向両端部の前記第2磁極の磁力と長手方向中央部の前記第2磁極の磁力とに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたことを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像剤担持体に対する前記現像剤規制部材の長手方向両端部のギャップと長手方向中央部のギャップとに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
前記トナーは、体積平均粒径をDv(μm)とし、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置。
【請求項11】
前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲になり、形状係数SF−2が100〜180の範囲になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像装置。
【請求項12】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
前記像担持体に対向するとともに、キャリアとトナーとからなる現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するとともに、前記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、
を備え、
前記像担持体と前記現像剤担持体との位置関係と、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との位置関係と、に応じて、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも上方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも下方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも低くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤担持体は、その回転中心位置が前記像担持体の回転中心位置よりも下方に配設されるとともに、その回転中心位置が前記現像剤規制部材との対向位置よりも上方に配設され、
長手方向両端部の現像能力が長手方向中央部の現像能力よりも高くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体は、前記像担持体との対向位置で当該像担持体に現像剤を摺接させるための磁極を具備し、
長手方向両端部の前記磁極の磁力と長手方向中央部の前記磁極の磁力とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けることで、長手方向両端部の現像能力と長手方向中央部の現像能力とに差異を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤担持体は、前記現像剤規制部材との対向位置に第2磁極を具備し、
長手方向両端部の前記第2磁極の磁力と長手方向中央部の前記第2磁極の磁力とに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたことを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像剤担持体に対する前記現像剤規制部材の長手方向両端部のギャップと長手方向中央部のギャップとに差異を設けることで、前記現像剤規制部材の位置を通過した後に前記現像剤担持体上に担持される長手方向両端部の現像剤の量と長手方向中央部の現像剤の量とに差異を設けたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
前記トナーは、体積平均粒径をDv(μm)とし、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置。
【請求項11】
前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲になり、形状係数SF−2が100〜180の範囲になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像装置。
【請求項12】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1〜請求項11のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−198578(P2012−198578A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164630(P2012−164630)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【分割の表示】特願2008−38111(P2008−38111)の分割
【原出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【分割の表示】特願2008−38111(P2008−38111)の分割
【原出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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