説明

現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システム

【課題】現像されるトナー像に濃度ムラが発生することを抑えることが可能な現像装置、前記現像装置等を実現する。
【解決手段】多孔性の発泡材にて形成されるトナー粒子供給ローラの孔の開口間の、トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離を、トナー粒子担持ローラが有する凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トナー粒子を用いて現像する現像装置としては、トナー粒子収容体に収容されたトナー粒子を担持して潜像を現像するためのトナー粒子担持ローラを備えた現像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。トナー粒子担持ローラの表面には、トナー粒子を適切に担持するために凹凸が形成されている。
【0003】
このような現像装置は、トナー粒子収容体に収容されたトナー粒子をトナー粒子担持ローラに供給するためのトナー粒子供給ローラを有している。トナー粒子供給ローラは、弾性を有する例えば発泡ウレタンにて形成され、弾性変形された状態でトナー粒子担持ローラに押圧されている。そして、トナー粒子供給ローラは、トナー粒子収容体に収容されたトナー粒子をトナー粒子担持ローラに供給する機能を有するとともに、現像後にトナー粒子担持ローラに残存しているトナー粒子を、トナー粒子担持ローラから剥ぎ取る機能も有している。すなわち、トナー粒子供給ローラは、主に空隙にトナー粒子を担持してトナー粒子担持ローラにトナー粒子を供給し、空隙間の壁部にてトナー粒子担持ローラに残存しているトナー粒子を剥ぎ取っている。
【特許文献1】特開2003−263018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような現像装置は、トナー粒子担持ローラの表面に凹凸が形成されており、トナー粒子供給ローラは発泡ウレタン等なので表面に多数の空隙が設けられている。このため、トナー粒子を供給する際に、トナー粒子担持ローラの凸部とトナー粒子供給ローラの空隙間の壁部とが接触した場合と、トナー粒子担持ローラの凹部とトナー粒子供給ローラの空隙に担持されたトナー粒子とが接触した場合とでは、トナー粒子担持ローラの部位によって、担持されるトナー粒子の量が相違し、現像されるトナー像に濃度のムラが生じる畏れがあるという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現像されるトナー像に濃度ムラが発生することを抑えることが可能な現像装置、前記現像装置を有する画像形成装置、及び、画像形成システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主たる本発明は、潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、を有することを特徴とする現像装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、を有することを特徴とする現像装置である。
【0010】
トナー粒子供給ローラは、トナー粒子収容体に収容されたトナー粒子をトナー粒子担持ローラに供給する機能を有するとともに、現像後にトナー粒子担持ローラに残存しているトナー粒子を、トナー粒子担持ローラから剥ぎ取る機能も有している。このため、トナー粒子担持ローラの凸部の表面全体が、多孔性の発泡材のトナー粒子供給ローラの孔以外の部位にて覆われてしまうと、覆われた凸部の頂面は残存トナー粒子が掻き取られるだけで新たにトナー粒子が供給されにくくなる。凸部の頂面にトナー粒子が供給されないと現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまう畏れがある。
【0011】
上記のように、孔の開口間の、トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が、凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラを有する現像装置によれば、凸部の頂面にトナー粒子供給ローラの孔の開口間の部位が接したとしても、トナー粒子担持ローラの軸方向において凸部の頂面が孔の開口間の部位に完全に覆われてしまうことが回避され得る。このため、各凸部には適切にトナー粒子が供給されるため、現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまうことを防止することが可能である。
【0012】
また、潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有する回転可能なトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給する回転可能なトナー粒子供給ローラであって、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの周方向における平均距離を、前記トナー粒子供給ローラが回転する際の該トナー粒子供給ローラの表面の移動速さの、前記トナー粒子担持ローラが回転する際の該トナー粒子担持ローラの表面の移動速さに対する比、で割った値、が前記凸部の頂面の周方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、を有することを特徴とする現像装置である。
【0013】
トナー粒子供給ローラは、トナー粒子収容体に収容されたトナー粒子をトナー粒子担持ローラに供給する機能を有するとともに、現像後にトナー粒子担持ローラに残存しているトナー粒子を、トナー粒子担持ローラから剥ぎ取る機能も有している。このため、トナー粒子担持ローラの凸部の表面全体が、多孔性の発泡材のトナー粒子供給ローラの孔以外の部位にて覆われてしまうと、覆われた凸部の頂面は残存トナー粒子が掻き取られるだけで新たにトナー粒子が供給されにくくなる。凸部の頂面にトナー粒子が供給されないと現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまう畏れがある。
【0014】
上記のように、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの周方向における平均距離を、前記トナー粒子供給ローラが回転する際の該トナー粒子供給ローラの表面の移動速さの、前記トナー粒子担持ローラが回転する際の該トナー粒子担持ローラの表面の移動速さに対する比、で割った値、が前記凸部の頂面の周方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラを有する現像装置によれば、凸部の頂面にトナー粒子供給ローラの孔の開口間の部位が接したとしても、トナー粒子担持ローラの周方向において、凸部の頂面が孔の開口間の部位に完全に覆われてしまうことが回避され得る。このため、各凸部には適切にトナー粒子が供給されるため、現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまうことを防止することが可能である。
【0015】
また、潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給するために、前記トナー粒子担持ローラに当接される際に、少なくとも前記凸部の頂面の一部が、複数の前記孔によって囲まれた壁領域からはみ出す大きさを有するトナー粒子供給ローラと、を有することを特徴とする現像装置である。
【0016】
トナー粒子供給ローラは、トナー粒子収容体に収容されたトナー粒子をトナー粒子担持ローラに供給する機能を有するとともに、現像後にトナー粒子担持ローラに残存しているトナー粒子を、トナー粒子担持ローラから剥ぎ取る機能も有している。このため、トナー粒子担持ローラの凸部の表面全体が、多孔性の発泡材のトナー粒子供給ローラの孔以外の部位にて覆われてしまうと、覆われた凸部の頂面は残存トナー粒子が掻き取られるだけで新たにトナー粒子が供給されにくくなる。凸部の頂面にトナー粒子が供給されないと現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまう畏れがある。
【0017】
上記のように、トナー粒子担持ローラに当接される際に、少なくとも凸部の頂面の一部が、複数の前記孔によって囲まれた壁領域からはみ出す大きさを有するトナー粒子供給ローラを有する現像装置によれば、凸部の頂面にトナー粒子供給ローラの複数の孔によって囲まれた壁領域が接したとしても、トナー粒子担持ローラの凸部の頂面の全域が壁領域によって完全に覆われてしまうことが回避され得る。このため、各凸部には適切にトナー粒子が供給されるため、現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまうことを防止することが可能である。
【0018】
かかる現像装置において、前記トナー粒子担持ローラに当接され、前記トナー粒子担持ローラに供給されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材を有することが望ましい。
このような現像装置によれば、トナー粒子担持ローラに供給されたトナー粒子の層厚が層厚規制部材により規制される。このため、凸部の頂面の一部にのみトナー粒子が供給された凸部であっても層厚規制部材により、一部に供給されたトナー粒子が凸部の頂面に均されて広げられることにより、現像されたトナー粒子像に抜けが発生したり、濃度が低い部位が生じてしまうことを防止することが可能である。
【0019】
かかる現像装置において、前記表面に担持された前記トナー粒子は、前記層厚規制部材が有する平面により押圧されて、層厚が規制されることが望ましい。
このような現像装置によれば、トナー粒子担持ローラの表面に担持されたトナー粒子は、層厚規制部材が有する平面により、その層厚が規制されるので、トナー粒子担持ローラの表面に担持されたトナー粒子が層厚規制部材によって完全に掻き取られることはなく、凸部の頂面の一部にのみ供給されたトナー粒子を層厚規制部材により凸部の頂面に均して広げることが可能である。すなわち、トナー粒子担持ローラの溝部にも、溝部以外の周面にもトナー粒子を担持させた状態にてトナー粒子の層厚を規制することが可能である。また、表面に担持されたトナー粒子は、層厚規制部材が有する平面により押圧されているので、トナー粒子担持ローラの表面、層厚規制部材、及び、トナー粒子同士のいずれかとトナー粒子とを互いに摩擦させることにより良好に帯電させることが可能である。
【0020】
かかる現像装置において、トナー粒子担持ローラの表面には、軸方向及び周方向に対し傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部が形成されることにより前記複数の凸部が形成されていることが望ましい。
このような現像装置によれば、トナー粒子担持ローラには、傾斜角度が異なる2種類の溝部が形成されているので、トナー粒子は、溝部に沿って2種類の方向に移動されることになる。このため、トナー粒子が所定の一方向のみに移動して偏ることを防止することが可能である。
【0021】
かかる現像装置において、前記2種類の前記溝部は、互いに交差して格子状をなしていることが望ましい。
このような現像装置によれば、2種類の溝部が交差しているので、一旦は一方の溝部に沿って転動し始めたトナー粒子が、途中から他方の溝部に沿って転動することが可能である。このため、トナー粒子の移動方向が偏ることを、より効果的に抑えることが可能である。
【0022】
かかる現像装置において、前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が菱形であることが望ましい。
このような現像装置によれば、頂面が菱形であるため2種類の溝部にて転動しているトナー粒子は、各々ほぼ同じ距離だけ転動すると他方の溝部と交差する位置に到達する。このため、いずれの溝部に沿って転動したトナー粒子をほぼ同様に転動させほぼ同様に帯電させることが可能である。
【0023】
かかる現像装置において、各々の前記菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように、前記2種類の前記溝部が形成されていることが望ましい。
このような現像装置によれば、各々の菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように溝部が形成されているので、周方向に沿わされた対角線の一方の頂角からは、2種類の溝部が軸方向における相反する方向に向かい同角度の傾斜をもって形成されていることになる。このため、2種類の溝部に沿って移動されるトナー粒子は、軸方向の両端側にほぼ同様に移動される。よって、トナー粒子をムラなく移動させることが可能である。
【0024】
かかる現像装置において、前記凸部は、前記2本の対角線のうち長い方の対角線が周方向に沿わされていることが望ましい。
このような現像装置によれば、頂面が菱形の凸部は周方向に沿って位置する2つの頂角が鋭角になり、軸方向に沿って位置する2つの頂角が鈍角となる。このため、トナー粒子が周方向に向かってより移動し易い構成とすることが可能である。
【0025】
かかる現像装置において、前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が正方形であることが望ましい。
このような現像装置によれば、2種類の溝部に囲まれた凸部の頂面が正方形なので、凸部は周方向に沿って位置する2つの頂角、及び、軸方向に沿って位置する2つの頂角がいずれも直角となり、2種類の溝部は周方向に対して同角度の傾斜を有することになる。このため、トナー粒子が周方向及び軸方向に向かって同様に移動し易い構成とすることが可能である。このため、トナー粒子をより均一に転動させて均一に帯電させることが可能である。
【0026】
かかる現像装置において、前記凸部は、前記トナー粒子を担持するための表面を有することが望ましい。
このような現像装置によれば、凸部はトナー粒子を担持するための表面を有するので、トナー粒子担持ローラは、溝部と凸部とのいずれにおいてもトナー粒子を担持する。このため、トナー粒子担持ローラの表面を像担持体と対向させることにより、像担持体のトナー粒子担持ローラの表面と対向する部分全体にて、濃度ムラを抑えて潜像を現像することが可能である。
【0027】
かかる現像装置において、前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることが望ましい。
このような現像装置によれば、溝部の深さは、トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下なので、溝部に入り込んだトナー粒子が溝部内において、深さ方向に2つ以上重なることが適切に回避され得る。このため、溝部内のトナー粒子をムラなく転動させて良好に帯電させることが可能である。
【0028】
また、潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給するために、前記トナー粒子担持ローラに当接される際に、少なくとも前記凸部の頂面の一部が、複数の前記孔によって囲まれた壁領域からはみ出す大きさを有するトナー粒子供給ローラと、前記トナー粒子担持ローラに当接され、前記トナー粒子担持ローラに供給されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材と、を有し、前記表面に担持された前記トナー粒子は、前記層厚規制部材が有する平面により押圧されて、層厚が規制され、トナー粒子担持ローラの表面には、軸方向及び周方向に対し傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部が形成されることにより前記複数の凸部が形成されており、前記2種類の前記溝部は、互いに交差して格子状をなし、前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が菱形であり、各々の前記菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように、前記2種類の前記溝部が形成され、前記凸部は、前記2本の対角線のうち長い方の対角線が周方向に沿わされ、前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が正方形であり、前記凸部は、前記トナー粒子を担持するための表面を有し、前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることを特徴とする現像装置である。
このような現像装置によれば、既述の殆どの効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
【0029】
また、潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、を有する現像装置を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成装置も実現可能である。
【0030】
また、コンピュータ、及び、潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、を有する現像装置を用いて画像を形成する画像形成装置、を有することを特徴とする画像形成システムも実現可能である。
【0031】
===画像形成装置の概要===
図1、図2を用いて、本実施の形態に係る現像装置としての現像器を用いて画像を形成する画像形成装置としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その構成例及び動作例について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図であり、図2は、プリンタ10に備えられた制御ユニットの構成を説明するための図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0032】
<プリンタ10の構成>
プリンタ10は、図1に示すように、潜像を担持する像担持体の一例としての感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像器保持ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0033】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0034】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、光としてのレーザビームを射出するための半導体レーザ、多角形のポリゴンミラーを回転させるポリゴンミラーユニット、F−θレンズ等の複数種類のレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザビームを帯電された感光体20上に照射する。
【0035】
現像器保持ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置の一例としての現像器51、52、53、54に収容されたトナー粒子(以下、トナーともいう)T、すなわち、ブラック現像器51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像器52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像器53に収容されたシアン(C)トナー及びイエロー現像器54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0036】
この現像器保持ユニット50は、本実施の形態においては、回転することにより、前記4つの現像器51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、この現像器保持ユニット50は、前記4つの現像器51、52、53、54を4つの着脱部50a、50b、50c、50dにより保持しており、前記4つの現像器51、52、53、54は、中心軸50eを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、感光体20が1回転する毎に、4つの現像器51、52、53、54のうちの1つを選択的に感光体20と対向させ、対向された現像器51、52、53、54に収容されているトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、各現像器の詳細については、後述する。
【0037】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。この中間転写体70は、エンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の記録媒体に転写するための装置である。
【0038】
定着ユニット90は、記録媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を紙等の記録媒体に融着させて永久像とするための装置である。クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
【0039】
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号が入力され、この画像信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
【0040】
メインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113及びプリンタ10全体の制御を司るCPU111等を備えている。
【0041】
ユニットコントローラ102は、CPU120と、RAM、ROM等のメモリ116と、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)及び現像器保持ユニット50を駆動制御するための各駆動制御回路等を有し、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0042】
<プリンタ10の動作>
次に、プリンタ10の動作について、他の構成要素にも言及しつつ説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、現像器51、52、53、54に設けられた現像ローラ510、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により帯電される。
【0043】
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が露光ユニット40により形成される。このとき、現像器保持ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像器54を、感光体20と対向する現像位置に位置させる。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像器54によってイエロートナーにて現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0044】
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なって転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体としての記録紙に転写される。なお、記録紙は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
記録紙に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて記録紙に融着される。一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングブレード76によって、その表面に残存しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、廃トナー収容部に回収される。
【0045】
===現像器の概要===
次に、図3〜図5を用いて、現像器の構成例について説明する。図3は、イエロー現像器の斜視図である。図4は、イエロー現像器の主要構成要素を示した断面図である。図5は、現像ローラが取り外された現像器を示す斜視図である。図6は、トナー供給ローラ550のローラ部550aの断面を拡大した図であり、当該ローラ部550aに設けられた孔550c及び壁領域550dを示す模式図である。なお、図4に示す断面図は、図3に示す長手方向に垂直な面でイエロー現像器を切った断面を表した図である。また、図4においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ローラ510の中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図4では、イエロー現像器54が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態にて示されている。
【0046】
現像器保持ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像器51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像器52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像器53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像器54が設けられているが、各現像器の構成は同様であるので、以下、イエロー現像器54について説明する。
【0047】
<イエロー現像器54の構成>
イエロー現像器54は、トナーTを収容するハウジング540、トナーを担持するためのトナー粒子担持ローラの一例としての現像ローラ510、現像ローラ510にトナーを供給するためのトナー粒子供給ローラの一例としてのトナー供給ローラ550、現像ローラ510に担持されたトナーの層厚を規制するための層厚規制部材の一例としての規制ブレード560、ハウジング540と現像ローラ510との上方側の間隙をシールするための上シール520、ハウジング540と現像ローラ510との端部側の間隙をシールするための端部シール527等を有している。
【0048】
ハウジング540は、一体成型された樹脂製の上ハウジング部542と下ハウジング部544とを溶着して製造されたものであり、その内部に、トナーTを収容するためのトナー粒子収容体としてのトナー収容部530が形成されている。トナー収容部530は、内壁から内方へ(図4の上下方向)突出させたトナーTを仕切るための仕切り壁545により、二つのトナー収容部、すなわち、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bと、に分けられている。
【0049】
そして、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとは、上部が連通されているが、図4に示す状態では、仕切り壁545によりトナーTの移動が規制されている。しかしながら、現像器保持ユニット50が回転する際には、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに収容されていたトナーが、現像位置における上部側の連通している部位側に一旦集められ、図4に示す状態に戻るときには、それらのトナーが混合されて第一トナー収容部530a及び第二トナー収容部530bに戻されることになる。すなわち、現像器保持ユニット50が回転することにより現像器内のトナーTは撹拌されることになる。このため、本実施の形態では、トナー収容部530に攪拌部材を設けていないが、トナー収容部530に収容されたトナーTを攪拌するための攪拌部材を設けてもよい。図4に示すように、ハウジング540は下部に開口572を有しており、後述する現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
【0050】
トナー供給ローラ550は、弾性を有する多孔性の発泡材、例えば発泡ウレタンにて形成されたローラ部550aと、ローラ部550aの回転中心となる軸体550bとで構成されている。そして、トナー供給ローラ550は、軸体550bの両端側にてハウジング540に支持されることにより、軸体550bまわりに回転自在に支持されている。前記ローラ部550aは、ハウジング540の前述した第一トナー収容部530a(ハウジング540内)に収容されており、第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを、孔550c(図6において、斜線が施されていない部分)に収容し、主にこの孔550cに収容されたトナーを現像ローラ510に供給する。トナー供給ローラ550は、第一トナー収容部530aの鉛直下方に設けられている。第一トナー収容部530aに収容されたトナーTは、該第一トナー収容部530aの下部にてトナー供給ローラ550によって現像ローラ510に供給される。また、トナー供給ローラ550は、現像後に現像ローラ510に残存している余剰なトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る。このとき、トナー供給ローラ550に形成された複数の孔550cに囲まれた壁領域550d(図6において、斜線が施されている部分)が、現像ローラ510と接触することにより、現像ローラ510に残存しているトナーが剥ぎ取られる。すなわち、現像ローラ510に残存したトナーはトナー供給ローラ550の壁領域550dにより主に剥ぎ取られる。
【0051】
トナー供給ローラ550と、現像ローラ510とは、互いに押圧された状態にてハウジング540に組み付けられている。このため、トナー供給ローラ550のローラ部550aは、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。また、軸体550bは、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。そして、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図4において反時計方向)と逆の方向(図4において時計方向)に回転する。なお、本実施の形態においては、トナー供給ローラ550と現像ローラ510との間に周速差が設けられており、トナー供給ローラ550が回転する際のトナー供給ローラ550の表面の移動速さは、現像ローラ510が回転する際の現像ローラ510の表面の移動速さの約1.5倍となっている。
【0052】
現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する。この現像ローラ510は、金属製であり、5056アルミ合金や6063アルミ合金等のアルミ合金、STKM等の鉄合金等により製造されており、必要に応じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されていてもよい。現像ローラ510の表面には、現像ローラ510の軸方向における中央部に螺旋状の溝部が設けられている。現像ローラ510の表面形状については後で詳述する。
【0053】
また、現像ローラ510は、図3に示すとおり、その長手方向両端部で支持されており、中心軸を中心として回転可能である。図4に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図4において時計方向)と逆の方向(図4において反時計方向)に回転する。その中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。
【0054】
また、図4に示すように、イエロー現像器54が感光体20と対向している状態では、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像器54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される。
【0055】
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する。この規制ブレード560は、ゴム部560aと、ゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、ゴム支持部560bは、リン青銅、ステンレス等のバネ性を有する薄板である。ゴム部560aは、ゴム支持部560bの長手方向に沿わされてゴム支持部560bの短手方向の一旦側に支持されており、ゴム支持部560bは、その他端側がブレード支持板金562に支持された状態で当該ブレード支持板金562を介してハウジング540に取り付けられている。また、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるブレード裏部材570が設けられている。
【0056】
ここで、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、ゴム部560aが現像ローラ510の中央部から両端部に亘って押しつけられている。また、ブレード裏部材570は、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止して、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力を安定させるとともに、ゴム部560aの真裏からゴム部560aを現像ローラ510の方向へ付勢することによって、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。したがって、ブレード裏部材570は、ゴム部560aの現像ローラ510への均一当接性を向上させている。
【0057】
規制ブレード560の、ブレード支持板金562に支持されている側とは逆側の端、すなわち、先端は、現像ローラ510に接触しておらず、該先端から所定距離だけ離れた部分が、現像ローラ510に幅を持って接触している。換言すると、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、ゴム部560aが有する平面にて腹当たりにて当接している。また、規制ブレード560は、その先端が現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。なお、規制ブレード560が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも下方であり、かつ、トナー供給ローラ550の中心軸よりも下方である。
【0058】
また、ゴム支持部560bは、ゴム部560aより現像ローラ510の軸方向に長く設けられており、ゴム部560aの両端より外側にそれぞれ延出されている。ゴム支持部560bの延出された部位には、ゴム部560aより厚い厚みを有する例えば不織布製の端部シール527が、ゴム部と560aと同一面に貼着されている。このとき、ゴム部560aの軸方向の端面は端部シール527の側面に当接されている。
【0059】
端部シール527は、現像ローラ510を取り付けた際に、現像ローラ510の表面における溝部511が設けられていない両端部510bに当接するように設けられ、現像ローラ510の端部より外側に至る幅を有している。また、端部シール527は、規制ブレード560のゴム部560aの先端より十分に長く延出されている。規制ブレード560がハウジング540に取り付けられると、端部シール527は、現像ローラ510外周面と対向するように形成されたハウジング540の部位に沿わされ、ハウジング540と現像ローラ510との間隙を閉塞する。
【0060】
上シール520は、イエロー現像器54内のトナーTが器外に漏れることを防止するとともに、現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTを、掻き落とすことなく現像器内に回収する。この上シール520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール520は、シール支持板金522によって支持されており、シール支持板金522を介してハウジング540に取り付けられている。また、上シール520の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるシール付勢部材524が設けられており、上シール520は、シール付勢部材524の弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。なお、上シール520が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも上方である。
【0061】
<イエロー現像器54の動作>
このように構成されたイエロー現像器54において、トナー供給ローラ550がトナー収容部530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、電荷が付与されるとともに、層厚が規制される。
【0062】
帯電された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール520を通過して、上シール520によって掻き落とされることなく現像器内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
【0063】
===現像ローラの表面形状===
図7は、現像ローラの表面形状を説明するための概念図である。図8は、現像ローラを、軸を通る平面で切断した際の断面を説明するための断面図である。図7では現像ローラ510の表面の溝部511が便宜上直線にて示されているが、溝部511は螺旋状に形成されているため、正確には曲線に見えるように形成されている。
【0064】
現像ローラ510は、軸方向における中央部510aに溝部を設けることにより、トナー粒子を担持するための凹凸部が形成され、両端部510bには前記端部シール527が密着するように滑らかな周面を備えている。
【0065】
図7に示すように、本実施の形態における現像ローラ510の中央部510aには、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部511が形成されている。本実施の形態では、溝部511は、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対する傾斜の角度を異ならせて2種類形成されている。前記2種類の溝部511は、互いに交差して格子状をなし、前記2種類の前記溝部511に囲まれた凸部512の頂面512aがほぼ正方形となるように形成されている。また、2種類の前記溝部511は、凸部512の頂面512aの正方形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように形成されている。
【0066】
すなわち、2種類の溝部511のうち一方は、現像ローラ510の軸と時計回り方向に45°の角度をなすように螺旋状に形成されており、他方は、現像ローラ510の軸と反時計回り方向に45°の角度をなすように螺旋状に形成されている。このため一方の溝部511aと他方の溝部511bとの交差する角度は90°となる。また、一方の溝部511a及び他方の溝部511bの、現像ローラ510の軸方向におけるピッチは、等しく形成されているため、2種類の溝部に囲まれた凸部512の頂面512aの形状はほぼ正方形となる。
【0067】
2種類の溝部511は、図8に示すように、各々現像ローラ510の軸方向に80μmの間隔にて形成されており、凸部512の頂面512aから溝部511の底面511cに至る傾斜部分511dの角度は、溝部511を形成する2つの斜面を軸心C方向に延長した仮想面の交差角度αが90°になるように形成されている。
【0068】
また、溝部511の深さ、すなわち、凸部512の頂面512aから溝部511の底面511cまでの距離は、約7μmで一定になるように形成されている。ここで、トナーの体積平均粒径は、およそ5〜10μmであり、溝部511の深さは、トナーの体積平均粒径の2倍以下となるように設定されている。このため、溝部511に入り込んだトナー粒子が、溝部511内において、深さ方向に2つ以上重なることが適切に回避され、溝部511内のトナー粒子をムラなく転動させて良好に帯電させることが可能である
図9は、トナー粒子を担持した現像ローラに規制ブレードが当接された状態を説明するための図である。
【0069】
特に本実施の形態の現像ローラ510の溝部511は深さが7μmであり、トナー粒子Tの体積平均粒径と比較すると、ほぼ1倍である。このため、規制ブレード560がゴム製であり現像ローラ510の表面510dの凹凸に沿わされるので、トナー粒子Tを重ねることなく、現像ローラ510表面の全域にトナー1粒に相当する厚みのトナー層を形成することが可能である。このように現像ローラ510の表面510dに1粒厚のトナー層を形成することにより、各々のトナー粒子Tを中央部510aの凸部512と溝部511とを含む全域にて確実に帯電させることが可能であり、現像ローラ510に確実に担持させて、現像時における転写性を向上させ、さらには現像器外へのトナーの漏れも防止することが可能である。
【0070】
すなわち、現像ローラ510の表面510dに大きさ、深さ、形状等が不均一な凹凸が形成されていると担持されたトナー粒子のうち深い凹部に入り込んだトナー粒子は転動されにくく帯電されにくい。また、軸方向に所定の間隔を隔てて周方向に沿った溝部が形成されている場合には、感光体20が回転しても溝部と対向する感光体20の軸方向における位置が変化しないため、現像されたトナー像は溝部と対向していた部位のみが濃度が高くなる畏れがある。一方、軸方向に沿って溝部が形成されている場合には、トナー粒子担持ローラの回転方向と溝部との向きがほぼ直交するので、担持されたトナー粒子は転動されにくく帯電されにくい。
【0071】
本実施の形態の現像ローラ510には、傾斜角度が異なる2種類の溝部511a、511bが形成されているので、トナー粒子は、溝部511a、511bに沿って2種類の方向に移動されることになる。このため、トナー粒子が所定の一方向のみに移動して偏ることを防止することが可能である。更に、2種類の溝部511a、511bが交差しているので、一旦は一方の溝部511a(511b)に沿って転動し始めたトナー粒子が、途中から他方の溝部511b(511a)に沿って転動することが可能である。このため、トナー粒子の移動方向が偏ることを、より効果的に抑えることが可能である。
【0072】
また、2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が正方形状なので、凸部は周方向に沿って位置する2つの頂角、及び、軸方向に沿って位置する2つの頂角がいずれも直角となり、2種類の溝部511a,511bは周方向に対して同角度の傾斜を有することになる。このため、トナー粒子が周方向及び軸方向に向かって同様に移動し易い構成とすることが可能である。よって、トナー粒子をより均一に転動させて均一に帯電させることが可能である。更に、各々の正方形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように溝部511が形成されているので、周方向に沿わされた対角線の一方の頂角からは、2種類の溝部511a,511bが軸方向における相反する方向に向かい同角度の傾斜をもって形成されていることになる。このため、2種類の溝部511a,511bに沿って移動されるトナー粒子は、軸方向の両端側にほぼ同様に移動される。よって、トナー粒子をムラなく移動させることが可能である。
【0073】
このような現像ローラ510は、転造により形成される。図10は、現像ローラ510が転造により形成される様子を説明するための図である。図11は、現像ローラが形成される手順を示す図である。
現像ローラ510は、円筒状の中空の素材から形成される。
【0074】
円筒状の素材は、まず、現像ローラ510としてトナーを担持するための中央部510aと端部シール527が当接される端部510bとを形成可能な長さに切断されて円筒部材515が切り出される(S001)。円筒部材515には、両端部の内周部に現像ローラ510の軸を有するフランジ513を嵌入するための段部510c(図7)が切削加工により形成される(S002)。ここで、フランジ513は、形成された段部510cに圧入される直径を有する円盤状のフランジ本体513aと、その中心から円盤面に垂直となるように凸設された軸部513bとを有している。
【0075】
次に、両端部の内側に段部510cが形成された円筒部材515に軸部513bを有するフランジ513が、その軸部513bが円筒部材の外方に突出するようにそれぞれ嵌入される(S003)。
【0076】
その後、フランジ513が嵌入された円筒部材515は両端の軸部513bが支持されて軸を中心として回転され、円筒部材515の外周面が全周に亘って僅かに切削されることにより、表面の全領域が軸と同心、すなわちから一定の距離となるように円筒部材515の表面が研磨されて未転造加工現像ローラ509が形成される(S004)。
【0077】
表面が研磨された円筒部材515は、図10に示すような2種類の加工工具としてのダイス900を備えた装置により転造にて、表面に2種類の溝部511a,511bが形成される(S005)。転造装置は、対向する位置に配置された2種類のダイス900が同方向に回転している間にワーク(ここでは、未転造加工現像ローラ509)を配置し、2種類のダイス900を未転造加工現像ローラ509に押圧させ、未転造加工現像ローラ509をダイス900と反対方向に回転させつつ軸方向に搬送する。
【0078】
ダイス900には、上述した溝部511a,511bを形成するための刃900aが、各々設けられており、互いの刃900aは、未転造加工現像ローラ509の表面に互いの刃にて形成された溝部511a、511bが直行するように傾斜が設けられている。ここで、ダイス900が未転造加工現像ローラ509の表面に当接される部位を刃900aとしているが、転造加工はワークを積極的に切削するものではなく、押圧力によりワークを押し潰して窪みを形成するように作用する。
【0079】
また、この転造の際には、未転造加工現像ローラ509には、その両端部510bにてダイス900が当接されないようにして、両端部510bには凹凸のない滑らかな面を残しておく。すなわち、現像ローラ510の中央部510aにてダイス900が接触しなかった凸部512の頂面512aと、転造による加工対象とされない両端部510bとは、軸心Cからの距離L(図8)が一定になるように切削されたままなので、軸心Cから等距離に位置している。そして、現像ローラ510の表面510dは、ダイス900が接触して凹設された溝部511a,511bの底面511cと、ダイス900が接触しなかった非加工面とで、ほぼ覆われている。
【0080】
転造にて形成した現像ローラ510には必要に応じて、例えば無電解Ni−Pめっき、電気めっき、硬質クロームめっき等を施してもよい。
【0081】
===現像ローラの凸部とトナー供給ローラの壁領域との関係===
上述したように、現像ローラ510は、トナー供給ローラ550からトナーを供給され、感光体20上の潜像を現像した後に残存しているトナーは、トナー供給ローラ550により剥ぎ取られる。このとき、トナー供給ローラ550が有する孔550cに収容されたトナーが、主に現像ローラ510の表面に供給され、複数の孔550cに囲まれた壁領域550dと接した現像ローラ510の表面に残存しているトナーが剥ぎ取られることになる。ところで、現像ローラ510の表面には、上述したほぼ正方形状の凸部512が多数形成されている。感光体20上の潜像は、現像ローラ510における対向する部位に担持されたトナーにより現像されるため、現像ローラ510の溝部511及び凸部512のいずれもトナーを担持している必要がある。
【0082】
しかしながら、本実施の形態の現像ローラ510は、各凸部512の表面の位置、すなわち現像ローラ510の軸心から表面までの距離がほぼ等しく形成されている。このため、現像ローラ510とトナー供給ローラ550とが当接したときに、現像ローラ510の凸部512の表面の全域を、トナー供給ローラ550の壁領域550dが覆ってしまうと、表面の全域が覆われた凸部512は、その表面のトナーが剥ぎ取られてしまう。このため、現像ローラ510の凸部512の表面の全域を、トナー供給ローラ550の壁領域550dが覆うような構成とすると、現像ローラ510の表面にトナーが担持されない部位が発生し、潜像を現像した際に、トナー像に現像されない部位が発生したり、濃度が低い部位が発生して濃度ムラが生じてしまう畏れがある。
【0083】
そこで、本実施の形態に係る現像装置においては、トナー供給ローラ550の孔550cの開口間の、当該トナー供給ローラ550の軸方向における平均距離が、現像ローラ510の凸部512の頂面512aにおける軸方向の最大幅より小さくなっている。当該事項について、図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態に係る現像装置の有効性を説明するための模式図である。
【0084】
図12の左図には、図6と同様、トナー供給ローラ550のローラ部550aの断面を拡大した模式図が示されている。ここで、トナー供給ローラ550の孔550cの開口間の、当該トナー供給ローラ550の軸方向における距離とは、例えば、図12中、記号Dx1、Dx2、Dx3、Dx4で示されている距離であり、また、当該距離の平均距離Dxaveとは、複数個(例えば、20個)の当該距離Dx1、Dx2、・・・、Dx20の平均値である(なお、図12においては、距離Dx1、Dx2、・・・、Dx20が、同一直線上の距離となっているが、距離Dx1、Dx2、・・・、Dx20は、必ずしも、同一直線上の距離となっている必要はない)。そして、本実施の形態に係るトナー供給ローラ550においては、当該平均距離Dxaveが約40〜50μmとなっている。
【0085】
一方、図12の右図には、図7に複数表された凸部512の頂面512aのうちの一が示されている。本実施の形態に係る現像ローラ510においては、凸部512の頂面512aにおける軸方向の最大幅(当該最大幅を、図12中、記号Wxで示す)は、約80μmである。
【0086】
このように、本実施の形態に係る現像装置においては、前記平均距離Dxaveが、前記最大幅Wxより小さくなっているから、以下の優位点が生ずる。すなわち、当該現像装置においては、凸部512の頂面512aにトナー供給ローラ550の孔550cの開口間の壁領域550dが接したとしても、トナー供給ローラ550の軸方向において前記頂面512aが前記壁領域550dに完全に覆われてしまうことが回避され得る(図12の右図に、壁領域550dに覆われない頂面512a上の部分、の例を、斜線で表す)。このため、現像ローラ510にトナー供給ローラ550が当接された部位が、トナー供給ローラ550から離れ、担持されたトナーが規制ブレード560にて帯電及び層厚が規制される際には、凸部512の頂面512a上にトナーが適切に担持されていることになる。
【0087】
そして、たとえトナーが凸部512の頂面512aにおける一部に担持されていたとしても、規制ブレード560により層厚が規制されるため、凸部512の頂面512aに盛り上がって担持されたトナーが頂面512aに均されることになる。換言すれば、頂面512aに盛り上がって担持されていたトナーは、頂面512aの広い範囲に広げられることとなる。よって、潜像を現像した際に、トナー像に現像されない部位が発生したり、濃度が低い部位が発生して濃度ムラが生じてしまうことが適切に回避される。
【0088】
次に、現像ローラ510及びトナー供給ローラ550の周方向における前記凸部512の頂面512aと前記壁領域550dとの関係について、図13を用いて考察する。図13は、本実施の形態に係る現像装置の有効性を説明するための模式図である。
【0089】
図13の左図には、図12と同様、トナー供給ローラ550のローラ部550aの断面を拡大した模式図が示されている。ここで、トナー供給ローラ550の孔550cの開口間の、当該トナー供給ローラ550の周方向における距離は、例えば、図13中、記号Dy1、Dy2、Dy3で示されている距離であり、また、当該距離の平均距離Dyaveは、複数個(例えば、20個)の当該距離Dy1、Dy2、・・・、Dy20の平均値である。そして、本実施の形態に係るトナー供給ローラ550において、当該平均距離Dyaveは、前述した平均距離Dxaveと同様、約40〜50μmとなっている。
【0090】
一方、図13の右図には、図12と同様、図7に複数表された凸部512の頂面512aのうちの一が示されている。本実施の形態に係る現像ローラ510においては、凸部512の頂面512aにおける周方向の最大幅(当該最大幅を、図13中、記号Wyで示す)は、前述した最大幅Wxと同様、約80μmである。
【0091】
そして、周方向についても、前記平均距離Dyaveと前記最大幅Wyとが、凸部512の頂面512aにトナー供給ローラ550の孔550cの開口間の壁領域550dが接したとしてもトナー供給ローラ550の周方向において前記頂面512aが前記壁領域550dに完全に覆われてしまうことが回避され得る関係を満たしていれば、前述した効果、すなわち、潜像を現像した際に、トナー像に現像されない部位が発生したり、濃度が低い部位が発生して濃度ムラが生じてしまうことが適切に回避される効果が奏される。
【0092】
ここで、当該関係について考察すると、周方向については、前述した軸方向とは若干異なっている。すなわち、本実施の形態においては、前述したとおり、トナー供給ローラ550と現像ローラ510との間には周速差が設けられており、トナー供給ローラ550が回転する際のトナー供給ローラ550の表面の移動速さは、現像ローラ510が回転する際の現像ローラ510の表面の移動速さの約1.5倍となっている。かかる際には、トナー供給ローラ550の表面が、例えば、前記平均距離Dyaveだけ進む間に、現像ローラ510の表面は、当該平均距離Dyaveを、トナー供給ローラ550の表面の移動速さの、現像ローラ510の表面の移動速さに対する比R(すなわち、1.5)、で割った距離しか進まないことになる。したがって、周方向については、平均距離Dyaveを、トナー供給ローラ550の表面の移動速さの、現像ローラ510の表面の移動速さに対する比R(すなわち、1.5)、で割った値が、現像ローラ510の凸部512の頂面512aにおける周方向の最大幅Wyより小さい場合に、前述した効果が奏されることとなる。
【0093】
本実施の形態においては、平均距離Dyaveを、トナー供給ローラ550の表面の移動速さの、現像ローラ510の表面の移動速さに対する比R(すなわち、1.5)、で割った値が、約26〜33μmとなり、当該値は、前記最大幅Wy(約80μm)より小さくなっている。そのため、凸部512の頂面512aにトナー供給ローラ550の孔550cの開口間の壁領域550dが接したとしても、トナー供給ローラ550の周方向において前記頂面512aが前記壁領域550dに完全に覆われてしまうことが回避され得る(図13の右図に、壁領域550dに覆われない頂面512a上の部分、の例を、斜線で表す)。したがって、潜像を現像した際に、トナー像に現像されない部位が発生したり、濃度が低い部位が発生して濃度ムラが生じてしまうことが適切に回避される。
【0094】
また、本実施の形態に係る現像装置は、図14に示すように、現像ローラ510の凸部512とトナー供給ローラ550の壁領域550dとが当接された際に、少なくとも凸部512の頂面512aの一部が複数の孔550cに囲まれた壁領域550dからはみ出すように形成されている(図14において、頂面512aの、壁領域550dからはみ出した部分、を斜線で示す)。
【0095】
したがって、当該現像装置においては、凸部512の頂面512aにトナー供給ローラ550の孔550cの開口間の壁領域550dが接したとしても、前記頂面512aが前記壁領域550dに完全に覆われてしまうことがより適切に回避され得る。したがって、潜像を現像した際に、トナー像に現像されない部位が発生したり、濃度が低い部位が発生して濃度ムラが生じてしまうことがより適切に回避されることとなる。
【0096】
なお、図14は、本実施の形態に係る現像装置の有効性を説明するための模式図であり、現像ローラ510の凸部512とトナー供給ローラ550の壁領域550dとが当接された様子を示した図である。
【0097】
また、上述したように、現像ローラ510の表面に担持されたトナー粒子の層厚は、規制ブレード560が有する平面により規制される。したがって、現像ローラ510の表面に担持されたトナー粒子が規制ブレード560によって完全に掻き取られることはなく、凸部512の頂面の一部にのみ供給されたトナー粒子を規制ブレード560により凸部512の頂面に均して広げることが可能である。
【0098】
===その他の実施形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る現像装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0099】
なお、上記実施の形態において、プリンタが着脱部を複数備えた例を示したが、1つだけ設けられた着脱部に、装着されるべき現像器が挿入されることにより閉止可能な蓋ユニットを備えた構成であっても構わない。また、上記実施形態においては、ロータリー方式の現像装置を備えた画像形成装置を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、タンデム方式の現像装置を備えた画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
【0100】
なお、上記実施の形態において、像担持体である感光体は、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けた構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
【0101】
また、上記実施の形態においては、2種類の溝部511a,511bに囲まれた凸部512の頂面512aが正方形の例について説明したが、これに限るものではない。図15は、現像ローラの変形例を示す図である。
【0102】
変形例の現像ローラ510では、2種類の溝部511に囲まれた凸部512の頂面512aを菱形とし、各々の前記菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように溝部が形成されている。
【0103】
このような現像ローラ510によれば、各々の前記菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように溝部511が形成されているので、周方向に沿わされた対角線の一方の頂角からは、2種類の溝部511が軸方向の両端側に同角度の傾斜をもって形成されていることになる。このため、2種類の溝部511に沿って移動されるトナー粒子Tが、軸方向の両端側にほぼ同様に移動され、トナー粒子をムラなく移動させることが可能であることは凸部512の頂面512aが正方形である場合と同じである。更に加えて、頂面512aが菱形をなす凸部512の2本の対角線のうち長い方の対角線が周方向に沿わされている場合には、頂面512aが菱形の凸部512は周方向に沿って位置する2つの頂角が鋭角になり、軸方向に沿って位置する2つの頂角が鈍角となる。このため、トナー粒子が周方向に向かってより移動し易い構成とすることが可能である。
【0104】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0105】
図16は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ10と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。
コンピュータ702は、本実施の形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ10は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施の形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施の形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0106】
図17は、図16に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0107】
なお、以上の説明においては、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ10から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0108】
また、例えば、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0109】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】プリンタを構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】プリンタに備えられた制御ユニットの構成を説明するための図である。
【図3】イエロー現像器の斜視図である。
【図4】イエロー現像器の主要構成要素を示した断面図である。
【図5】現像ローラが取り外された現像器を示す斜視図である。
【図6】トナー供給ローラ550のローラ部550aの断面を拡大した模式図である。
【図7】現像ローラの表面形状を説明するための概念図である。
【図8】現像ローラを、軸を通る平面で切断した際の断面を説明するための断面図である。
【図9】トナー粒子を担持した現像ローラに規制ブレードが当接された状態を説明するための図である。
【図10】現像ローラが転造により形成される様子を説明するための図である。
【図11】現像ローラが形成される手順を示す図である。
【図12】本実施の形態に係る現像装置の有効性を説明するための模式図である。
【図13】本実施の形態に係る現像装置の有効性を説明するための模式図である。
【図14】本実施の形態に係る現像装置の有効性を説明するための模式図である。
【図15】現像ローラの第1変形例を示す図である。
【図16】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図17】図16に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0111】
10 プリンタ、20 感光体、30 帯電ユニット、40 露光ユニット、
50 現像器保持ユニット、50a、50b、50c、50d 着脱部、
50e 中心軸、51 ブラック現像器、52 マゼンタ現像器、
53 シアン現像器、54 イエロー現像器、60 一次転写ユニット、
70 中間転写体、75 クリーニングユニット、76 クリーニングブレード、
80 二次転写ユニット、90 定着ユニット、92 給紙トレイ、
94 給紙ローラ、95 表示ユニット、96 レジローラ、
100 制御ユニット、101 メインコントローラ、
102 ユニットコントローラ、111 CPU、112 インターフェイス、
113 画像メモリ、116 メモリ、120 CPU、
509 未転造加工現像ローラ、510 現像ローラ、510a 中央部、
510b 端部(両端部)、510c 段部、510d 表面、
511 溝部、511a 一方の溝部、511b 他方の溝部、
511c 底面、511d 傾斜部分、512 凸部、512a 頂面、
513 フランジ、513a フランジ本体、513b 軸部、
515 円筒部材、520 上シール、522 シール支持板金、
524 シール付勢部材、527 端部シール、530 トナー収容部、
530a 第一トナー収容部、530b 第二トナー収容部、
540 ハウジング、542 上ハウジング部、544 下ハウジング部、
545 仕切り壁、550 トナー供給ローラ、550a ローラ部、
550b 軸体、550c 孔、550d 壁領域、560 規制ブレード、
560a ゴム部、560b ゴム支持部、
562 ブレード支持板金、570 ブレード裏部材、572 開口、
700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、
708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、710 読取装置、
710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、
802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、
900 ダイス、900a 刃、C 軸心、T トナー(トナー粒子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、
多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有する回転可能なトナー粒子担持ローラと、
多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給する回転可能なトナー粒子供給ローラであって、
孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの周方向における平均距離を、
前記トナー粒子供給ローラが回転する際の該トナー粒子供給ローラの表面の移動速さの、前記トナー粒子担持ローラが回転する際の該トナー粒子担持ローラの表面の移動速さに対する比、
で割った値、が前記凸部の頂面の周方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項3】
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、
多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給するために、前記トナー粒子担持ローラに当接される際に、少なくとも前記凸部の頂面の一部が、複数の前記孔によって囲まれた壁領域からはみ出す大きさを有するトナー粒子供給ローラと、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の現像装置において、
前記トナー粒子担持ローラに当接され、前記トナー粒子担持ローラに供給されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材を有することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の現像装置において、
前記表面に担持された前記トナー粒子は、前記層厚規制部材が有する平面により押圧されて、層厚が規制されることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の現像装置において、
トナー粒子担持ローラの表面には、軸方向及び周方向に対し傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部が形成されることにより前記複数の凸部が形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の現像装置において、
前記2種類の前記溝部は、互いに交差して格子状をなしていることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の現像装置において、
前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が菱形であることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の現像装置において、
各々の前記菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように、前記2種類の前記溝部が形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項9に記載の現像装置において、
前記凸部は、前記2本の対角線のうち長い方の対角線が周方向に沿わされていることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項6または請求項7に記載の現像装置において、
前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が正方形であることを特徴とする現像装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の現像装置において、
前記凸部は、前記トナー粒子を担持するための表面を有することを特徴とする現像装置。
【請求項13】
請求項6乃至請求項12のいずれかに記載の現像装置において、
前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることを特徴とする現像装置。
【請求項14】
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、
多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給するために、前記トナー粒子担持ローラに当接される際に、少なくとも前記凸部の頂面の一部が、複数の前記孔によって囲まれた壁領域からはみ出す大きさを有するトナー粒子供給ローラと、
前記トナー粒子担持ローラに当接され、前記トナー粒子担持ローラに供給されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材と、
を有し、
前記表面に担持された前記トナー粒子は、前記層厚規制部材が有する平面により押圧されて、層厚が規制され、
トナー粒子担持ローラの表面には、軸方向及び周方向に対し傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部が形成されることにより前記複数の凸部が形成されており、
前記2種類の前記溝部は、互いに交差して格子状をなし、
前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が菱形であり、
各々の前記菱形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように、前記2種類の前記溝部が形成され、
前記凸部は、前記2本の対角線のうち長い方の対角線が周方向に沿わされ、
前記2種類の前記溝部に囲まれた凸部の頂面が正方形であり、
前記凸部は、前記トナー粒子を担持するための表面を有し、
前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることを特徴とする現像装置。
【請求項15】
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、
多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、
を有する現像装置を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
コンピュータ、及び、
潜像を現像するためのトナー粒子を担持するための表面に複数の凸部を有するトナー粒子担持ローラと、
多孔性の発泡材にて前記トナー粒子を前記トナー粒子担持ローラに供給し、孔の開口間の、前記トナー粒子担持ローラの軸方向における平均距離が前記凸部の頂面の軸方向における最大幅より小さいトナー粒子供給ローラと、
を有する現像装置を用いて画像を形成する画像形成装置、
を有することを特徴とする画像形成システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−183413(P2007−183413A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1479(P2006−1479)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】