現像装置及びこれを用いた画像形成装置
【課題】一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制可能とする。
【解決手段】像保持体15に対向して上下に配置され、内部に複数の磁極が着磁された磁気ロールを有する複数の現像剤保持体105、106と、前記複数の現像剤保持体に保持される現像剤を搬送する搬送部材126と、前記複数の現像剤保持体のうち、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体から剥離される現像剤を前記搬送部材へと案内する少なくとも現像剤と接触する面が非磁性体からなる案内部材130と、前記案内部材の現像剤と接触する面と反対側に配置され、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体と隣接する現像剤保持体との間に前記案内部材を通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材140とを備えるように構成した。
【解決手段】像保持体15に対向して上下に配置され、内部に複数の磁極が着磁された磁気ロールを有する複数の現像剤保持体105、106と、前記複数の現像剤保持体に保持される現像剤を搬送する搬送部材126と、前記複数の現像剤保持体のうち、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体から剥離される現像剤を前記搬送部材へと案内する少なくとも現像剤と接触する面が非磁性体からなる案内部材130と、前記案内部材の現像剤と接触する面と反対側に配置され、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体と隣接する現像剤保持体との間に前記案内部材を通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材140とを備えるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置においては、像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置として複数の現像ロールを有するものが種々提案されている。複数の現像ロールを有する現像装置に関連する技術としては、例えば、特開2003−270956号公報に開示されたものがある。
【0003】
上記特開2003−270956号公報に係る電子写真装置は、感光体と、スリーブと磁石ロールから成る複数の現像ロールを有する現像機を備えた電子写真装置において、回転する磁石ロールを有する少なくとも一つの現像ロールと、回転する磁石ロールを有する現像ロールに隣接する他の現像ロールと、回転する磁石ロールを有する現像ロールと他の現像ロールの間に磁気遮蔽板を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−270956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制可能とした現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載された発明は、像保持体に対向して上下に配置され、内部に複数の磁極が着磁された磁気ロールを有する複数の現像剤保持体と、
前記複数の現像剤保持体に保持される現像剤を搬送する搬送部材と、
前記複数の現像剤保持体のうち、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体から剥離される現像剤を前記搬送部材へと案内する少なくとも現像剤と接触する面が非磁性体からなる案内部材と、
前記案内部材の現像剤と接触する面と反対側に配置され、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体と隣接する現像剤保持体との間に前記案内部材を通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材とを備えたことを特徴とする現像装置である。
【0007】
また、請求項2に記載された発明は、前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体の磁気ロールと前記隣接する現像剤保持体の磁気ロールは、互いに対向する位置に反対極性の磁極が着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置である。
【0008】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記磁気回路抑制部材は、0.1〜0.3mmの厚さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置である。
【0009】
又、請求項4に記載された発明は、前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と逆方向に移動するように回転するとともに、前記相対的に下方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と同方向に移動するように回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置である。
【0010】
更に、請求項5に記載された発明は、静電潜像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記像保持体上に現像されたトナー像を直接又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写手段とを備え、
前記現像手段として請求項1乃至4のいずれかに記載された現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制することができる。
【0012】
また、請求項2に記載された発明によれば、現像剤に負荷を掛けることなく互いに隣接する複数の現像剤保持体の間で現像剤を分離することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、磁気回路抑制部材が着磁することにより生じる二次的な障害を抑制できる。
【0014】
又、請求項4に記載された発明によれば、現像効率を向上させることができる。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明によれば、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制することができ、画質が低下するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1に係る現像装置を示す断面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る現像装置の現像ロールの磁極配置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る現像装置の第1のマグネットロールの磁束分布を示すグラフである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る現像装置の第2のマグネットロールの磁束分布を示すグラフである。
【図6】第1及び第2の現像ロール間の磁束分布を示す模式図である。
【図7】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る現像装置の要部を示す断面構成図である。
【図9】第1及び第2の現像ロール間の磁束分布を示す模式図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る現像装置を示すモデル構成図である。
【図11】第1及び第2の現像ロール間の磁束分布を示す模式図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る現像装置の磁束密度の実測値と磁場解析による数値とをそれぞれ示すグラフである。
【図13】案内シュート上の磁力を示すグラフである。
【図14】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図15】案内シュート上の磁力を示すグラフである。
【図16】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図17】案内シュート上の磁力を示すグラフである。
【図18】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る現像装置を示す構成図である。
【図20】パドルを示す構成図である。
【図21】この発明の実施の形態3に係る現像装置を適用した画像形成装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラー画像形成装置を示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラー画像形成装置は、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。また、このフルカラー画像形成装置は、単位時間あたりに画像形成可能な記録用紙の枚数である生産性が高く設定されており、例えば、A4サイズのLEF(Long Edge Feed)の記録用紙に毎分当たり100〜140枚(PPM)程度の画像を形成することが可能となっている。ただし、本発明は、高速のタンデム方式の画像形成装置に限定されるものではないことは勿論であり、感光体ドラムを1つのみ備えた単色の画像形成装置であっても適用可能である。
【0019】
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押圧された状態でプラテンガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
【0020】
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(例えば、各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置等を備えた制御装置12に送られ、この制御装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、上記の如く制御装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく制御装置12によってシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色の画像データに変換される。なお、制御装置12によって変換される画像データの色数は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色の画像データに限らず、後述するように、高彩度シアン(HC)や高彩度マゼンタ(HM)を含む6色等に変換しても良く、その色数は任意である。また、上記制御装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
【0021】
ところで、この実施の形態では、互いに色の異なるトナーを用いて画像を形成する複数の画像形成手段を備えるように構成されている。
【0022】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色に対応した6つの画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。なお、高彩度シアン(HC)は、シアン色系の色相を有し、シアン(C)色よりも色調が明るく彩度が相対的に高い高彩度のシアン色である。また、高彩度マゼンタ(HM)は、マゼンタ色系の色相を有し、マゼンタ(M)色よりも色調が明るく彩度が相対的に高い高彩度のマゼンタ色である。
【0023】
また、上記シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)色の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの配列順序は、図示のものに限定されるものではなく、異なる順序で配列しても良い。また、上記シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)色の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kは、それぞれが個別に一体的にユニット化されており、各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kが単独で画像形成装置本体1に対して交換可能に装着されている。
【0024】
これらの6つの画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの種類(色)を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する本実施の形態に係る現像手段としての現像装置17と、感光体ドラム15上に残留した転写残トナー等を除去するクリーニング装置18とから構成されている。
【0025】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。なお、上記画像露光装置14としては、レーザ光LBを偏向走査させて画像露光を行う装置に限らず、例えば、LED発光素子を感光体ドラム15の軸方向に沿って多数配列したLEDアイレを用いた装置を使用しても良い。LEDアイレを用いた画像露光装置14の場合には、レーザ光LBを偏向走査させて画像露光を行う画像露光装置14と比較して、画像露光装置14の大幅な小型化が可能となり、画像形成装置全体を小型化することができ望ましい。
【0026】
上記制御装置12からは、シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色の画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの画像露光装置14C、14M、14HC、14HM、14Y、14Kに各色の画像データが順次出力される。そして、これらの画像露光装置14C、14M、14HC、14HM、14Y、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBは、対応する感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15Kの表面に主走査方向(感光体ドラム15の軸方向)に沿って走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17C、17M、17HC、17HM、17Y、17Kによって、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0027】
上記各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15K上に、順次形成されたシアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26C、26M、26HC、26HM、26Y、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
【0028】
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、従動ロール28と、張力付与ロール29と、従動ロール30と、二次転写部の背面支持ロール31と、従動ロール32からなる複数のロール間に予め定められた張力で掛け渡されている。そして、中間転写ベルト25は、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15Kの回転速度(周速)と略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムの抵抗値を調整して無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0029】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたシアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33に印加される二次転写バイアスによって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着手段としての定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、シート搬送装置40を介して冷却ユニット41へ搬送されて冷却され、カール矯正ユニット42によってカールが矯正された状態で、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ43上に排出される。
【0030】
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ44、45のうちの何れかから予め定められたサイズや材質のものが、給紙ロール46及び用紙搬送用のロール対47からなる用紙搬送経路48を介して1枚ずつ分離された状態で、レジストロール49まで一旦搬送される。上記給紙トレイ44、45のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール49によって中間転写ベルト25上のトナー像と同期して二次転写位置50へと送り出される。
【0031】
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、切り替えゲート51によって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送経路52を介して給紙ローラ54によって中間トレイ53に一旦収容される。そして、この中間トレイ53に収容された記録用紙34は、給紙ローラ54によってその搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送経路55及び通常の用紙搬送経路48を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置50まで搬送され、裏面に画像が転写された後、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、シート搬送装置40を介して冷却ユニット41へ搬送されて冷却され、カール矯正ユニット42によってカールが矯正された状態で、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ43上に排出される。
【0032】
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム15は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面が駆動ロール27の近傍に配置されたベルトクリーニング装置56によって清掃される。
【0033】
図2中、符合57は、ユーザが画像形成条件等を入力するユーザインターフェイスを示している。
【0034】
図1は上記の如く構成される画像形成装置に適用される現像装置17C〜17Kを示す断面図である。
【0035】
この現像装置17は、図1に示すように、その内部下方にキャリアとトナーからなる二成分の現像剤101を収容する現像剤収容部102と、一方の側面(図示例では、左側面)に開口部103とを有する現像装置本体104を備えている。現像装置本体104の開口部103の内部には、複数の現像剤保持体として第1及び第2の2つの現像ロール105、106が、感光体ドラム15の表面に対して予め定められた間隙(約0.2〜1.0mm)を介して近接した状態で対向するように、しかも鉛直方向に沿って上下に互いに短い間隙を介して隣接して配置されている。これら第1及び第2の現像ロール105、106は、基本的に同様に構成されており、内部に固定した状態で配置された磁気ロールとしてのマグネットロール107、108と、当該マグネットロール107、108の外周に矢印方向に沿って回転可能に配置された現像スリーブ109、110とから構成されている。
【0036】
上記マグネットロール107、108は、強磁性体等からなる磁性材料によって円柱形状に形成されており、現像装置本体104に固定した状態で取り付けられている。上記マグネットロール107、108のうち、感光体ドラム15の回転方向に沿った上流側に位置する第1の現像ロール105の第1のマグネットロール107は、図3に示すように、感光体ドラム15と近接して対向する現像領域111に現像極として第3のN3極112を有しており、当該第3のN3極112に対して現像スリーブ109の回転方向に沿った下流側には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第1のS1極113が着磁されている。この第1のS1極113の現像スリーブ107の回転方向に沿った下流側には、やはり現像剤101を搬送する搬送磁極としての第1のN1極114が着磁されているとともに、当該第1のN2極114の現像スリーブ107の回転方向に沿った下流側には、第1のN2極114と共に現像スリーブ107の表面から現像剤101を剥離する剥離磁極を構成する第2のN2極115が着磁されている。さらに、上記第2のN2極115の現像スリーブ107の回転方向に沿った下流側であって、他方の現像ロール104と近接して対向する位置には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第2のS2極116が着磁されており、当該第2のS2極116は、現像極として第3のN3極112との間で搬送磁極を構成している。
【0037】
なお、上記第3のN3極112、第1のS1極113、第1のN1極114、第2のN2極115、第2のS2極116は、図4に示すように、現像極としての第3のN3極112よりも現像スリーブ107の回転方向に沿った若干上流側の位置を基準(0°)として、マグネットロール107の周方向に沿ってそれぞれ予め定められた角度で且つ予め定められた磁束密度となるように着磁されている。
【0038】
一方、上記マグネットロール107、108のうち、感光体ドラム15の回転方向に沿った下流側に位置する現像ロール106のマグネットロール108は、図3及び図5に示すように、感光体ドラム15と近接して対向する現像領域に現像極として第1のS1極117を有しており、当該第1のS1極117に対して現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第1のN1極118が着磁されている。この第1のN1極118の現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側には、第1のN1極118と共に現像スリーブ110の表面から現像剤101を剥離する剥離磁極を構成する第3のN3極119が着磁されている。また、上記第3のN3極119の現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第2のS2極120が着磁されている。さらに、上記第2のS2極120の現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側であって、他方の現像ロール105と近接して対向する位置には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第2のN2極121が着磁されており、当該第2のN2極121は、現像極として第1のS1極117との間で搬送磁極を構成している。
【0039】
上記第1のS1極117、第1のN1極118、第3のN3極119、第2のS2極120、第2のN2極121は、図5に示すように、現像極としての第1のS1極117よりも現像スリーブ110の回転方向に沿った若干上流側の位置を基準(0°)として、マグネットロール108の周方向に沿ってそれぞれ予め定められた角度で且つ予め定められた磁束密度となるように着磁されている。
【0040】
なお、上記実施の形態では、マグネットロール107、108の周方向に沿ってそれぞれ5つの磁極を配置した場合について説明したが、マグネットロール107、108の周方向に沿って配置される磁極の数は、5つに限定されるものではなく、例えば、7極等であっても良い。
【0041】
また、上記現像スリーブ109、110は、図1に示すように、アルミニウムやステンレス等の非磁性材料によって円筒形状に形成されているとともに、現像装置本体104に対して回転自在に取り付けられており、一方の現像スリーブ109は、感光体ドラム15の回転方向と同方向(図1中の矢印方向)に沿って予め定められた速度で回転駆動される。また、他方の現像スリーブ110は、感光体ドラム15の回転方向と逆方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。その結果、一方の現像スリーブ109は、その表面が感光体ドラム15と対向する位置において、感光体ドラム15表面の移動方向と逆方向に移動し、他方の現像スリーブ110は、その表面が感光体ドラム15と対向する位置において、感光体ドラム15表面の移動方向と同方向に移動するように構成されている。さらに、上記第1の現像スリーブ109及び第2の現像スリーブは、第1の現像スリーブ109の回転速度(周速)が第2の現像スリーブ110よりも速く設定されており、第1及び第2の現像スリーブ109、110の速度比は、例えば、1.2〜1.8倍程度に設定される。
【0042】
その結果、上記第1及び第2の現像ロール105、106は、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与する割合が、感光体ドラム15の回転方向に沿った上流側に位置する第1の現像ロール105が約7割、感光体ドラム15の回転方向に沿った下流側に位置する第2の現像ロール106が約3割となるように設定されており、第1の現像ロール105は、主として現像性能を向上させて細線の再現性を向上させ、第2の現像ロール106は、主として階調の再現性を向上させる上で寄与している。
【0043】
さらに、上記第2の現像スリーブ110の表面には、当該現像スリーブ110の表面に供給された現像剤101の量を規制する層厚規制部材としての非磁性の金属平板等からなるトリマー部材123が、第2のマグネットロール108の第2のS2極120と対向する位置の近傍に、現像スリーブ110の表面と予め定められた間隙を介して対向するように配置されている。上記トリマー部材123は、第1の現像ロール105に供給される現像剤101をも含めて、第1及び第2の現像ロール105、106の表面に供給される現像剤101を同時に規制するように構成されている。
【0044】
また、上記第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが互いに近接して対向する対向部124には、第2の現像ロール106の表面に供給された現像剤101を、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とに分離する分離部材125が配置されている。この分離部材125は、第1の現像ロール105及び第2の現像ロール106の表面と予め定められた間隙を介して対向するように配置されている。
【0045】
さらに、上記現像装置本体104の内部には、図1に示すように、当該現像装置本体104の内部に収容されたキャリアとトナーからなる二成分の現像剤101を攪拌しつつ搬送し、第2の現像ロール106に供給する現像剤供給手段としての現像剤供給オーガ126が、第2の現像ロール106の背面側に矢印方向に沿って回転可能に配置されている。また、現像剤供給オーガ126の背面側には、仕切り壁127を介して、当該現像剤供給オーガ126との間で現像剤101を循環しつつ攪拌搬送することにより、現像剤101中のトナーを摩擦帯電させる現像剤攪拌搬送オーガ128が矢印方向に沿って回転可能に配置されている。上記仕切り壁127の長手方向に沿った両端部には、現像剤供給オーガ126と現像剤攪拌搬送オーガ128との間で現像剤101を循環しつつ搬送するための図示しない通路が設けられている。さらに、上記現像剤攪拌搬送オーガ128の現像剤搬送方向に沿った上流側の端部には、現像装置本体104の内部に少なくともトナーを含む新しい現像剤101が供給されるように構成されている。この実施の形態では、キャリアとトナーからなる二成分の新たな現像剤101が、現像剤攪拌搬送オーガ128の現像剤搬送方向に沿った上流側の端部に図示しない現像剤供給手段によって予め定められたタイミングで供給されるようになっている。
【0046】
さらに、上記現像装置本体104の内部には、図1に示すように、第1の現像ロール105の表面から剥離された現像剤101を現像剤供給オーガ126へと案内する案内部材としての案内シュート130が配置されている。上記案内シュート130は、アルミニウムやステンレス等の非磁性材料である金属板、合成樹脂材料、或いは非磁性の金属板と合成樹脂材料との複合材などによって、少なくとも現像剤101と接触する表面が非磁性の平板状に形成されている。この実施の形態では、現像剤101と接触する表面を含め全体が、例えば、厚さ1.5mm程度の非磁性の平板状に形成されている。案内シュート130は、その先端部131が第1の現像ロール105の剥離磁極に対応した表面に近接して配置されており、先端部131に連続して平板状に形成された中間部132が水平方向に対して予め定められた角度(例えば、45°〜50°程度)だけ傾斜した状態で配置されている。また、案内シュート130は、その後端部133が現像剤供給オーガ125の上方において当該現像剤供給オーガ126に向けて略鉛直方向に位置するように相対的に短く折り曲げられている。なお、案内シュート130の後端部133は、現像剤供給オーガ125に向けて折り曲げずに、単に、現像剤供給オーガ125の上方に配置しても良い。
【0047】
また、上記現像装置本体104には、図1に示すように、現像剤攪拌搬送オーガ127が配置された現像剤攪拌搬送用通路130の側壁に、当該現像装置本体104の内部に収容された現像剤101のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ134が配置されている。
【0048】
そして、上記現像装置17では、図1に示すように、現像装置本体104の内部に収容された現像剤101が、現像剤供給オーガ126と現像剤攪拌搬送オーガ128との間で攪拌しつつ搬送する間に、現像剤101中のトナーを摩擦帯電によって負極性に帯電されるとともに、現像剤供給オーガ126によって第2の現像ロール106の表面に供給される。
【0049】
上記第2の現像ロール106の表面に供給された現像剤101は、第2の現像スリーブ110の回転に伴って第3のN3極119と第2のS2極120とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送され、トリマー部材123によって現像剤101の層厚が規制された後、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106が近接して対向する対向部124へと搬送される。上記第2の現像スリーブ110の回転に伴って第1の現像ロール105と第2の現像ロール106が近接して対向する対向部124へと搬送された現像剤101は、対向部124又はその近傍に配置された分離部材125によって第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とに分離される。第1の現像ロール105側に分離された現像剤101は、現像スリーブ109の回転に伴って第2のS2極116と第3のN3極112とで構成される搬送磁極によって時計回り方向に搬送されて、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域111へ到達し、現像極としての第3のN3極112によって現像剤101の磁気ブラシとなって感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像が現像される。その後、第1の現像ロール105の表面に保持された現像剤101は、第1の現像スリーブ109の回転に伴って第3のN3極112と第1のS1極113とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送されて、第1のN1極114と第2のN2極115とで反発磁界を形成する剥離磁極によって現像スリーブ109の表面から剥離され、当該現像ロール105の表面には、第2の現像ロール106によって新しい現像剤101が供給される。
【0050】
一方、第2の現像ロール106側に分離された現像剤101は、第2の現像スリーブ110の回転に伴って第2のN2極121と第1のS1極117とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送されて、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域135へ到達し、現像極としての第1のS1極117によって現像剤101の磁気ブラシとなって感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像が現像される。その後、第2の現像ロール106の表面に保持された現像剤101は、第2の現像スリーブ110の回転に伴って第1のS1極117と第1のN1極118とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送されて、第1のN1極118と第3のN3極119とで反発磁界を形成する剥離磁極によって現像スリーブ110の表面から剥離され、当該現像スリーブ110の表面には、現像剤供給オーガ126によって新しい現像剤101が供給される。
【0051】
また、上記第1の現像ロール105の表面から剥離された現像剤101は、図1に示すように、案内シュート130によって案内されて現像剤供給オーガ126の上部に落下供給され、現像剤供給オーガ126によって現像装置本体104内の現像剤101と攪拌されつつ搬送され、第2の現像ロール106の表面へと供給される。なお、現像剤供給オーガ126の回転方向は、第2の現像ロール106の回転方向と同方向(図示例では、時計回り方向)に設定されているため、第2の現像ロール106の表面から剥離された現像剤101は、直ちに第2の現像ロール106の表面へと供給されることはなく、現像剤供給オーガ126によって第2の現像ロール106と反対側へ搬送され、現像装置本体104内の現像剤101と攪拌された後に第2の現像ロール106の表面へと供給される。
【0052】
ところで、上記の如く構成される現像装置17は、図1に示すように、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが近接して配置されており、しかも第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが近接して対向する対向位置に互いに逆極性の磁極N1極114、N2極115とS2極120が配置されている。そのため、上記第1の現像ロール105において、対向磁極の現像スリーブ109回転方向の上流側には、第1の現像スリーブ109の表面から現像剤を剥離する対向磁極S2極116と逆極性の剥離磁極であるN1極114、N2極115が配置されることになる。一方、上記第2の現像ロール106において、対向磁極であるN2極121の現像スリーブ回転方向の上流側には、第2の現像スリーブ109の表面に沿って現像剤101を搬送する対向磁極N2極121と逆極性の搬送磁極S2極120が配置されることになる。
【0053】
そのため、本発明者らの研究によれば、図6に示すように、第1の現像ロール105の剥離磁極と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS極との間で磁束が案内シュート130を通る磁気回路150が構成されてしまい、図7に示すように、この磁気回路150を構成する磁束によって案内シュート130の表面に沿って案内される現像剤151が拘束されて滞留することが判った。このように、案内シュート131の表面に現像剤151が滞留した場合には、本来、案内シュート130を介して現像剤供給オーガ126の上方に落下供給されるべき現像剤101が、第1の現像ロール105と案内シュート131との間隙を介して部分的に落下して、そのまま第1及び第2の現像ロール105、106に供給されてしまい、感光体ドラム15上に現像されるトナー像に部分的な濃度低下などの画質低下が発生する虞れがあることが明らかとなった。
【0054】
そこで、この実施の形態に係る現像装置17では、図1に示すように、第1の現像ロール105の剥離磁極と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS極との間で、図9に示すように、案内シュート130を通る磁束によって磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材140を設けるように構成されている。
【0055】
上記磁気回路抑制部材140は、例えば、SUS430やSUS631等の磁性ステンレスや鉄、あるいはニッケルなどの磁性材料からなる相対的に厚さの薄い平板状に形成された部材が用いられる。磁気回路抑制部材140の厚さは、その透磁率にもよるが、磁気回路抑制部材140の比透磁率を100とした場合、例えば、0.1〜0.5mm程度に設定される。ただし、磁気回路抑制部材140の厚さがあまり厚いと、当該磁気回路抑制部材140の端部自体が着磁してしまう虞れがあるため、磁気回路抑制部材140の厚さとしては、0.1〜0.3mm程度が望ましい。
【0056】
磁気回路抑制部材140は、図1に示すように、案内シュート131の裏面側にその略全面にわたって接着等の手段により設けられる。更に説明すると、上記磁気回路抑制部材140は、図8に示すように、案内シュート130の先端を予め定められた長さdだけ除いて、案内シュート130の先端部131から傾斜した中間部の略全長にわたって設けられている。この磁気回路抑制部材140としては、例えば、厚さが0.2mmの磁性ステンレス(SUS430)からなる板材が用いられる。磁気回路抑制部材140は、特に、その先端が第1の現像ロール105の剥離磁極に比較的近接して配置されるため、当該磁気回路抑制部材140の厚さが厚過ぎる場合には、上述したように、第1の現像ロール105の剥離磁極と対向する磁気回路抑制部材140の先端が着磁してしまい、却って現像剤101を吸着させる虞れがあるため、あまり厚くない方が望ましい。本発明者らの研究によれば、磁気回路抑制部材140としては、その透磁率を100とした場合、厚さが0.2mm程度の磁性ステンレスからなる板材を用いれば十分効果が得られることが判った。
【0057】
また、この実施の形態では、図1及び図8に示すように、トリマー部材123の裏面側にも磁気回路抑制部材141が配置されている。このトリマー部材123の裏面側に配置される磁気回路抑制部材141としては、例えば、厚さが0.5mm程度の磁性ステンレスからなる板材が用いられる。
【0058】
以上の構成において、この実施の形態に係る現像装置を適用した画像形成装置では、次のようにして、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制することができる。
【0059】
すなわち、この実施の形態に係る現像装置を適用した画像形成装置では、図2に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kにおいて、感光体ドラム15の表面がスコロトロン16によって帯電された後、画像露光装置14によって画像データに応じて画像露光が施され、感光体ドラム15の表面には、画像データに応じた静電潜像が形成される。そして、上記感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像は、図1に示すように、現像装置17によって対応する色のトナーによって現像され、感光体ドラム15の表面にトナー像が形成される。
【0060】
シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの感光体ドラム15上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト25上に多重に一次転写された後、二次転写位置50において中間転写ベルト25上から記録用紙34上に一括して二次転写される。
【0061】
上記シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の一部又はすべての色のトナー像が一括して二次転写された記録用紙34は、図2に示すように、定着装置37によって加熱・加圧されて、未定着トナー像が定着された後、シート搬送装置40によって冷却ユニット41へと搬送され冷却され、カール矯正ユニット42によってカールが矯正された状態で、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ43上に排出される。
【0062】
その際、上記現像装置17では、図1に示すように、現像装置本体104の内部に収容された現像剤101が、現像剤供給オーガ126及び現像剤攪拌搬送オーガ128によって攪拌されつつ搬送される間に、現像剤10中のトナーがキャリア等との摩擦帯電によって負極性に帯電され、現像剤供給オーガ126によって第2の現像ロール106へと供給される。第2の現像ロール106へと供給された現像剤101は、当該第2の現像ロール106の現像スリーブ110の回転に伴って反時計回り方向に沿って搬送され、トリマー部材123によって現像剤101の層厚が規制された状態で、第2の現像ロール106と第1の現像ロール105とが近接して対向する対向部124へと搬送される。そして、現像剤101は、分離部材125によって第1の現像ロール106と第2の現像ロール105とに分離される。第1の現像ロール106側に分離された現像剤101は、第1の現像ロール105の現像スリーブ109の回転に伴って時計回り方向に沿って搬送され、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域111へと移動して、感光体ドラム15表面の静電潜像の現像に供された後、現像スリーブ109の回転に伴って時計回り方向に沿って搬送されて、剥離磁極によって現像スリーブ109の表面から剥離されるとともに、第2の現像ロール106との対向部124において新しい現像剤101が供給される。
【0063】
一方、第2の現像ロール106側に分離された現像剤101は、第2の現像ロール105の現像スリーブ110の回転に伴って反時計回り方向に沿って搬送され、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域135へと移動して、感光体ドラム15表面の静電潜像の現像に供された後、現像スリーブ109の回転に伴って反時計回り方向に沿って搬送されて、剥離磁極によって現像スリーブ109の表面から剥離されるとともに、現像剤供給オーガ126によって新しい現像剤101が供給される。
【0064】
このとき、上記現像装置17では、図1に示すように、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが近接して対向する対向部124の第1及び第2の現像ロール105、106の回転方向に沿った上流側に、第1の現像ロール105に剥離磁極としてのN1極114、N2極115と、第2の現像ロール106の搬送磁極としての第2のS2極120とが着磁されている。そのため、現像装置17では、第1の現像ロール105の剥離磁極N1極114、N2極115と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS2極120との間で形成される磁束が、図6に示すように、案内シュート130の表面を通る磁気回路150が構成される虞れがある。
【0065】
ところが、この実施の形態に係る現像装置17では、図1に示すように、案内シュート130の裏面側に第1の現像ロール105の剥離磁極と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS極との間に案内シュートを通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材140が配置されている。そのため、現像装置17では、図1に示すように、第1の現像ロール105の剥離磁極N1極114、N2極115と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS2極120との間に、図9に示すように、案内シュート130の裏面側に配置された磁気回路抑制部材140を通る磁束が形成され、案内シュート130の表面を通る磁気回路150がまったく形成されないか、又は磁気回路150が形成されるのを抑制することができる。
【0066】
そのため、第1の現像ロール105の表面から剥離磁極N1極114、N2極115によって剥離された現像剤101は、図 に示すように、案内シュート130の表面に拘束されることなく、案内シュート130の表面を重力によって滑った状態で現像剤供給オーガ126の上部へと落下供給され、現像剤供給オーガ126によって現像装置本体104内の現像剤と攪拌されつつ搬送された状態で、第2の現像ロール106の表面に供給される。
【0067】
したがって、現像装置17によれば、案内シュート131を介して現像剤供給オーガ126の上方に落下供給されるべき現像剤101が、第1の現像ロール105と案内シュート130との間隙を介して部分的に落下して、そのまま第1及び第2の現像ロール105、106に供給されてしまい、感光体ドラム15上に現像されるトナー像に部分的な濃度低下などの画質低下や、現像履歴がトナー像に現れる現像ゴーストなどが発生するのを効果的に防止乃至抑制することができる。
【0068】
実験例
本発明者らは、図1に示すような現像装置17を試作するとともに、当該現像装置17の各部材の配置と同じ条件で2次元ベクトルポテンシャル法を用いた磁場解析手法によって、第1及び第2の現像ロール105、106と案内シュート130とトリマー部材123の周囲に形成される磁束による磁場を求め、第1の現像ロール105と案内シュート130と第2の現像ロール106との間に形成される磁束の分布と、試作した現像装置17の案内シュート131の表面における現像剤101の拘束等が発生する状況を比較検討する実験を行なった。
【0069】
磁場解析手法としては、図10に示すように、試作した現像装置17の第1及び第2の現像ロール105、106と案内シュート130とトリマー部材123の形状を、二次元的なパラメータとして入力するとともに、磁気回路抑制部材140を案内シュート130の裏面に配置し、磁気回路抑制部材141をトリマー部材123の裏面に配置した構成を採用した。
【0070】
図11は、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を50として計算したものである。なお、図6は、磁気回路抑制部材を設けない場合と、図9は、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を100として計算した場合の磁場解析結果をそれぞれ示している。
【0071】
また、図12は、磁気回路抑制部材を設けない場合(図6)と、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を50として計算した場合(図11)と、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を100として計算した場合(図9)とにおける、案内シュート130の表面に垂直な方向(Y方向)と、案内シュート130の表面に沿った先端側に向けた水平な方向(Z方向)との磁束密度の分布を、試作した現像装置17において実際に測定した値と、磁場解析により求めた値とをそれぞれグラフにしたものである。
【0072】
この図12から明らかなように、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を100として計算した場合(図9)には、同図(c)に示すように、実際に測定した値と、磁場解析により求めた値とが略一致していることが判る。
【0073】
また、図13〜図18は、案内シュート130の表面に垂直な方向(Y方向)と、案内シュート130の表面に沿った先端側に向けた水平な方向(Z方向)との磁束密度の分布を、磁気回路抑制部材140の厚さを変化させて実際に測定した結果と、案内シュート130の表面に滞留する現像剤とを実際に観察して写真で撮影した状態とをそれぞれ示すものである。
【0074】
この図13〜図18から明らかなように、磁気回路抑制部材140の厚さが0.1mm、0.2mmであれば、案内シュート130の表面に滞留する現像剤の量を大幅に減少させることができ、望ましいことが判る。また、磁気回路抑制部材140の厚さが0.3mmの場合には、案内シュート130の表面に滞留する現像剤の量が殆ど無い状態に減少させることができるが、逆に案内シュート130の先端に僅かであるが新たに滞留する現像剤が現れていることが判る。
【0075】
なお、本発明者らは、現像剤中のトナー濃度を4%と12%に変化させて案内シュート130の表面に滞留する現像剤の量を観察する実験を行なったが、略同様の結果が得られた。
【0076】
実施の形態2
図19はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、第1の現像ロールから剥離された現像剤の攪拌性を更に向上させるため、案内シュート130の表面に沿った現像剤の案内方向の端部に、現像剤の攪拌を補助する補助攪拌部材を配置するように構成したものである。
【0077】
すなわち、この実施の形態2では、図19に示すように、現像装置本体104の内部において、案内シュート130の背面側に現像剤の攪拌を補助する補助攪拌部材としてのパドル160が回転可能に配置されている。パドル160は、図20に示すように、4本の攪拌部材を備えており、図中反時計回り方向に沿って回転駆動することにより、案内シュート130の表面に沿って案内された現像剤101を、4本の攪拌部材によって攪拌しつつ強制的に現像剤供給オーガ126へと搬送するように構成されている。
【0078】
このように、図19に示すように、補助攪拌部材としてのパドル160を設けることにより、案内シュート130の表面に沿って案内された現像剤101を強制的に現像剤供給オーガ126へと搬送することができ、案内シュート130の表面に現像剤が滞留するのをより一層抑制することができる。
【0079】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0080】
実施の形態3
図21はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、本実施の形態に係る現像装置をタンデム方式のフルカラー画像形成装置ではなく、像保持体を1つのみ備えた単色の画像形成装置に適用したものである。
【0081】
すなわち、この実施の形態3では、図21に示すように、画像形成装置本体1の内部に像保持体としての感光体ドラム15が1つのみ矢印方向に沿って回転可能に配置されており、感光体ドラム15の周囲には、一次帯電手段としての帯電ロール16と、画像露光装置13と、本発明の実施の形態に係る現像装置17とが配置されている。
【0082】
感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像は、現像装置17の第1及び第2の現像ロール105、106によって例えば黒(K)色のトナーにより現像された後、給紙トレイ44から給紙ロール46a及びリタードロール46b、フィードロール46cによって1枚ずつ分離された状態で供給される記録媒体としての記録用紙34上に転写ロール26によって転写される。なお、記録用紙34は、画像形成装置本体1の側面に配置された手差しトレイ44aからも給紙可能となっている。
【0083】
感光体ドラム15上からトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ロール38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着された後、排出ロール54aによって画像形成装置本体1の上部に設けられた排紙トレイ43上に排出される。
【0084】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0085】
15:感光体ドラム、105:第1の現像ロール、106:第2の現像ロール、126:現像剤搬送オーガ、130:案内シュート、140:磁気回路抑制部材。
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置においては、像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置として複数の現像ロールを有するものが種々提案されている。複数の現像ロールを有する現像装置に関連する技術としては、例えば、特開2003−270956号公報に開示されたものがある。
【0003】
上記特開2003−270956号公報に係る電子写真装置は、感光体と、スリーブと磁石ロールから成る複数の現像ロールを有する現像機を備えた電子写真装置において、回転する磁石ロールを有する少なくとも一つの現像ロールと、回転する磁石ロールを有する現像ロールに隣接する他の現像ロールと、回転する磁石ロールを有する現像ロールと他の現像ロールの間に磁気遮蔽板を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−270956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制可能とした現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載された発明は、像保持体に対向して上下に配置され、内部に複数の磁極が着磁された磁気ロールを有する複数の現像剤保持体と、
前記複数の現像剤保持体に保持される現像剤を搬送する搬送部材と、
前記複数の現像剤保持体のうち、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体から剥離される現像剤を前記搬送部材へと案内する少なくとも現像剤と接触する面が非磁性体からなる案内部材と、
前記案内部材の現像剤と接触する面と反対側に配置され、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体と隣接する現像剤保持体との間に前記案内部材を通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材とを備えたことを特徴とする現像装置である。
【0007】
また、請求項2に記載された発明は、前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体の磁気ロールと前記隣接する現像剤保持体の磁気ロールは、互いに対向する位置に反対極性の磁極が着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置である。
【0008】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記磁気回路抑制部材は、0.1〜0.3mmの厚さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置である。
【0009】
又、請求項4に記載された発明は、前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と逆方向に移動するように回転するとともに、前記相対的に下方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と同方向に移動するように回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置である。
【0010】
更に、請求項5に記載された発明は、静電潜像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記像保持体上に現像されたトナー像を直接又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写手段とを備え、
前記現像手段として請求項1乃至4のいずれかに記載された現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制することができる。
【0012】
また、請求項2に記載された発明によれば、現像剤に負荷を掛けることなく互いに隣接する複数の現像剤保持体の間で現像剤を分離することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、磁気回路抑制部材が着磁することにより生じる二次的な障害を抑制できる。
【0014】
又、請求項4に記載された発明によれば、現像効率を向上させることができる。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明によれば、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制することができ、画質が低下するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1に係る現像装置を示す断面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る現像装置の現像ロールの磁極配置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る現像装置の第1のマグネットロールの磁束分布を示すグラフである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る現像装置の第2のマグネットロールの磁束分布を示すグラフである。
【図6】第1及び第2の現像ロール間の磁束分布を示す模式図である。
【図7】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る現像装置の要部を示す断面構成図である。
【図9】第1及び第2の現像ロール間の磁束分布を示す模式図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る現像装置を示すモデル構成図である。
【図11】第1及び第2の現像ロール間の磁束分布を示す模式図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る現像装置の磁束密度の実測値と磁場解析による数値とをそれぞれ示すグラフである。
【図13】案内シュート上の磁力を示すグラフである。
【図14】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図15】案内シュート上の磁力を示すグラフである。
【図16】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図17】案内シュート上の磁力を示すグラフである。
【図18】案内シュート上に滞留する現像剤を示す模式図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る現像装置を示す構成図である。
【図20】パドルを示す構成図である。
【図21】この発明の実施の形態3に係る現像装置を適用した画像形成装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラー画像形成装置を示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラー画像形成装置は、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。また、このフルカラー画像形成装置は、単位時間あたりに画像形成可能な記録用紙の枚数である生産性が高く設定されており、例えば、A4サイズのLEF(Long Edge Feed)の記録用紙に毎分当たり100〜140枚(PPM)程度の画像を形成することが可能となっている。ただし、本発明は、高速のタンデム方式の画像形成装置に限定されるものではないことは勿論であり、感光体ドラムを1つのみ備えた単色の画像形成装置であっても適用可能である。
【0019】
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押圧された状態でプラテンガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
【0020】
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(例えば、各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置等を備えた制御装置12に送られ、この制御装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、上記の如く制御装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく制御装置12によってシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色の画像データに変換される。なお、制御装置12によって変換される画像データの色数は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色の画像データに限らず、後述するように、高彩度シアン(HC)や高彩度マゼンタ(HM)を含む6色等に変換しても良く、その色数は任意である。また、上記制御装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
【0021】
ところで、この実施の形態では、互いに色の異なるトナーを用いて画像を形成する複数の画像形成手段を備えるように構成されている。
【0022】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色に対応した6つの画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。なお、高彩度シアン(HC)は、シアン色系の色相を有し、シアン(C)色よりも色調が明るく彩度が相対的に高い高彩度のシアン色である。また、高彩度マゼンタ(HM)は、マゼンタ色系の色相を有し、マゼンタ(M)色よりも色調が明るく彩度が相対的に高い高彩度のマゼンタ色である。
【0023】
また、上記シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)色の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの配列順序は、図示のものに限定されるものではなく、異なる順序で配列しても良い。また、上記シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)色の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kは、それぞれが個別に一体的にユニット化されており、各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kが単独で画像形成装置本体1に対して交換可能に装着されている。
【0024】
これらの6つの画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの種類(色)を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する本実施の形態に係る現像手段としての現像装置17と、感光体ドラム15上に残留した転写残トナー等を除去するクリーニング装置18とから構成されている。
【0025】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。なお、上記画像露光装置14としては、レーザ光LBを偏向走査させて画像露光を行う装置に限らず、例えば、LED発光素子を感光体ドラム15の軸方向に沿って多数配列したLEDアイレを用いた装置を使用しても良い。LEDアイレを用いた画像露光装置14の場合には、レーザ光LBを偏向走査させて画像露光を行う画像露光装置14と比較して、画像露光装置14の大幅な小型化が可能となり、画像形成装置全体を小型化することができ望ましい。
【0026】
上記制御装置12からは、シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色の画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの画像露光装置14C、14M、14HC、14HM、14Y、14Kに各色の画像データが順次出力される。そして、これらの画像露光装置14C、14M、14HC、14HM、14Y、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBは、対応する感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15Kの表面に主走査方向(感光体ドラム15の軸方向)に沿って走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17C、17M、17HC、17HM、17Y、17Kによって、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0027】
上記各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15K上に、順次形成されたシアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26C、26M、26HC、26HM、26Y、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
【0028】
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、従動ロール28と、張力付与ロール29と、従動ロール30と、二次転写部の背面支持ロール31と、従動ロール32からなる複数のロール間に予め定められた張力で掛け渡されている。そして、中間転写ベルト25は、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15C、15M、15HC、15HM、15Y、15Kの回転速度(周速)と略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムの抵抗値を調整して無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0029】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたシアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33に印加される二次転写バイアスによって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着手段としての定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、シート搬送装置40を介して冷却ユニット41へ搬送されて冷却され、カール矯正ユニット42によってカールが矯正された状態で、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ43上に排出される。
【0030】
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ44、45のうちの何れかから予め定められたサイズや材質のものが、給紙ロール46及び用紙搬送用のロール対47からなる用紙搬送経路48を介して1枚ずつ分離された状態で、レジストロール49まで一旦搬送される。上記給紙トレイ44、45のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール49によって中間転写ベルト25上のトナー像と同期して二次転写位置50へと送り出される。
【0031】
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、切り替えゲート51によって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送経路52を介して給紙ローラ54によって中間トレイ53に一旦収容される。そして、この中間トレイ53に収容された記録用紙34は、給紙ローラ54によってその搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送経路55及び通常の用紙搬送経路48を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置50まで搬送され、裏面に画像が転写された後、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、シート搬送装置40を介して冷却ユニット41へ搬送されて冷却され、カール矯正ユニット42によってカールが矯正された状態で、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ43上に排出される。
【0032】
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム15は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面が駆動ロール27の近傍に配置されたベルトクリーニング装置56によって清掃される。
【0033】
図2中、符合57は、ユーザが画像形成条件等を入力するユーザインターフェイスを示している。
【0034】
図1は上記の如く構成される画像形成装置に適用される現像装置17C〜17Kを示す断面図である。
【0035】
この現像装置17は、図1に示すように、その内部下方にキャリアとトナーからなる二成分の現像剤101を収容する現像剤収容部102と、一方の側面(図示例では、左側面)に開口部103とを有する現像装置本体104を備えている。現像装置本体104の開口部103の内部には、複数の現像剤保持体として第1及び第2の2つの現像ロール105、106が、感光体ドラム15の表面に対して予め定められた間隙(約0.2〜1.0mm)を介して近接した状態で対向するように、しかも鉛直方向に沿って上下に互いに短い間隙を介して隣接して配置されている。これら第1及び第2の現像ロール105、106は、基本的に同様に構成されており、内部に固定した状態で配置された磁気ロールとしてのマグネットロール107、108と、当該マグネットロール107、108の外周に矢印方向に沿って回転可能に配置された現像スリーブ109、110とから構成されている。
【0036】
上記マグネットロール107、108は、強磁性体等からなる磁性材料によって円柱形状に形成されており、現像装置本体104に固定した状態で取り付けられている。上記マグネットロール107、108のうち、感光体ドラム15の回転方向に沿った上流側に位置する第1の現像ロール105の第1のマグネットロール107は、図3に示すように、感光体ドラム15と近接して対向する現像領域111に現像極として第3のN3極112を有しており、当該第3のN3極112に対して現像スリーブ109の回転方向に沿った下流側には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第1のS1極113が着磁されている。この第1のS1極113の現像スリーブ107の回転方向に沿った下流側には、やはり現像剤101を搬送する搬送磁極としての第1のN1極114が着磁されているとともに、当該第1のN2極114の現像スリーブ107の回転方向に沿った下流側には、第1のN2極114と共に現像スリーブ107の表面から現像剤101を剥離する剥離磁極を構成する第2のN2極115が着磁されている。さらに、上記第2のN2極115の現像スリーブ107の回転方向に沿った下流側であって、他方の現像ロール104と近接して対向する位置には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第2のS2極116が着磁されており、当該第2のS2極116は、現像極として第3のN3極112との間で搬送磁極を構成している。
【0037】
なお、上記第3のN3極112、第1のS1極113、第1のN1極114、第2のN2極115、第2のS2極116は、図4に示すように、現像極としての第3のN3極112よりも現像スリーブ107の回転方向に沿った若干上流側の位置を基準(0°)として、マグネットロール107の周方向に沿ってそれぞれ予め定められた角度で且つ予め定められた磁束密度となるように着磁されている。
【0038】
一方、上記マグネットロール107、108のうち、感光体ドラム15の回転方向に沿った下流側に位置する現像ロール106のマグネットロール108は、図3及び図5に示すように、感光体ドラム15と近接して対向する現像領域に現像極として第1のS1極117を有しており、当該第1のS1極117に対して現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第1のN1極118が着磁されている。この第1のN1極118の現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側には、第1のN1極118と共に現像スリーブ110の表面から現像剤101を剥離する剥離磁極を構成する第3のN3極119が着磁されている。また、上記第3のN3極119の現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第2のS2極120が着磁されている。さらに、上記第2のS2極120の現像スリーブ110の回転方向に沿った下流側であって、他方の現像ロール105と近接して対向する位置には、現像剤101を搬送する搬送磁極としての第2のN2極121が着磁されており、当該第2のN2極121は、現像極として第1のS1極117との間で搬送磁極を構成している。
【0039】
上記第1のS1極117、第1のN1極118、第3のN3極119、第2のS2極120、第2のN2極121は、図5に示すように、現像極としての第1のS1極117よりも現像スリーブ110の回転方向に沿った若干上流側の位置を基準(0°)として、マグネットロール108の周方向に沿ってそれぞれ予め定められた角度で且つ予め定められた磁束密度となるように着磁されている。
【0040】
なお、上記実施の形態では、マグネットロール107、108の周方向に沿ってそれぞれ5つの磁極を配置した場合について説明したが、マグネットロール107、108の周方向に沿って配置される磁極の数は、5つに限定されるものではなく、例えば、7極等であっても良い。
【0041】
また、上記現像スリーブ109、110は、図1に示すように、アルミニウムやステンレス等の非磁性材料によって円筒形状に形成されているとともに、現像装置本体104に対して回転自在に取り付けられており、一方の現像スリーブ109は、感光体ドラム15の回転方向と同方向(図1中の矢印方向)に沿って予め定められた速度で回転駆動される。また、他方の現像スリーブ110は、感光体ドラム15の回転方向と逆方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。その結果、一方の現像スリーブ109は、その表面が感光体ドラム15と対向する位置において、感光体ドラム15表面の移動方向と逆方向に移動し、他方の現像スリーブ110は、その表面が感光体ドラム15と対向する位置において、感光体ドラム15表面の移動方向と同方向に移動するように構成されている。さらに、上記第1の現像スリーブ109及び第2の現像スリーブは、第1の現像スリーブ109の回転速度(周速)が第2の現像スリーブ110よりも速く設定されており、第1及び第2の現像スリーブ109、110の速度比は、例えば、1.2〜1.8倍程度に設定される。
【0042】
その結果、上記第1及び第2の現像ロール105、106は、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与する割合が、感光体ドラム15の回転方向に沿った上流側に位置する第1の現像ロール105が約7割、感光体ドラム15の回転方向に沿った下流側に位置する第2の現像ロール106が約3割となるように設定されており、第1の現像ロール105は、主として現像性能を向上させて細線の再現性を向上させ、第2の現像ロール106は、主として階調の再現性を向上させる上で寄与している。
【0043】
さらに、上記第2の現像スリーブ110の表面には、当該現像スリーブ110の表面に供給された現像剤101の量を規制する層厚規制部材としての非磁性の金属平板等からなるトリマー部材123が、第2のマグネットロール108の第2のS2極120と対向する位置の近傍に、現像スリーブ110の表面と予め定められた間隙を介して対向するように配置されている。上記トリマー部材123は、第1の現像ロール105に供給される現像剤101をも含めて、第1及び第2の現像ロール105、106の表面に供給される現像剤101を同時に規制するように構成されている。
【0044】
また、上記第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが互いに近接して対向する対向部124には、第2の現像ロール106の表面に供給された現像剤101を、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とに分離する分離部材125が配置されている。この分離部材125は、第1の現像ロール105及び第2の現像ロール106の表面と予め定められた間隙を介して対向するように配置されている。
【0045】
さらに、上記現像装置本体104の内部には、図1に示すように、当該現像装置本体104の内部に収容されたキャリアとトナーからなる二成分の現像剤101を攪拌しつつ搬送し、第2の現像ロール106に供給する現像剤供給手段としての現像剤供給オーガ126が、第2の現像ロール106の背面側に矢印方向に沿って回転可能に配置されている。また、現像剤供給オーガ126の背面側には、仕切り壁127を介して、当該現像剤供給オーガ126との間で現像剤101を循環しつつ攪拌搬送することにより、現像剤101中のトナーを摩擦帯電させる現像剤攪拌搬送オーガ128が矢印方向に沿って回転可能に配置されている。上記仕切り壁127の長手方向に沿った両端部には、現像剤供給オーガ126と現像剤攪拌搬送オーガ128との間で現像剤101を循環しつつ搬送するための図示しない通路が設けられている。さらに、上記現像剤攪拌搬送オーガ128の現像剤搬送方向に沿った上流側の端部には、現像装置本体104の内部に少なくともトナーを含む新しい現像剤101が供給されるように構成されている。この実施の形態では、キャリアとトナーからなる二成分の新たな現像剤101が、現像剤攪拌搬送オーガ128の現像剤搬送方向に沿った上流側の端部に図示しない現像剤供給手段によって予め定められたタイミングで供給されるようになっている。
【0046】
さらに、上記現像装置本体104の内部には、図1に示すように、第1の現像ロール105の表面から剥離された現像剤101を現像剤供給オーガ126へと案内する案内部材としての案内シュート130が配置されている。上記案内シュート130は、アルミニウムやステンレス等の非磁性材料である金属板、合成樹脂材料、或いは非磁性の金属板と合成樹脂材料との複合材などによって、少なくとも現像剤101と接触する表面が非磁性の平板状に形成されている。この実施の形態では、現像剤101と接触する表面を含め全体が、例えば、厚さ1.5mm程度の非磁性の平板状に形成されている。案内シュート130は、その先端部131が第1の現像ロール105の剥離磁極に対応した表面に近接して配置されており、先端部131に連続して平板状に形成された中間部132が水平方向に対して予め定められた角度(例えば、45°〜50°程度)だけ傾斜した状態で配置されている。また、案内シュート130は、その後端部133が現像剤供給オーガ125の上方において当該現像剤供給オーガ126に向けて略鉛直方向に位置するように相対的に短く折り曲げられている。なお、案内シュート130の後端部133は、現像剤供給オーガ125に向けて折り曲げずに、単に、現像剤供給オーガ125の上方に配置しても良い。
【0047】
また、上記現像装置本体104には、図1に示すように、現像剤攪拌搬送オーガ127が配置された現像剤攪拌搬送用通路130の側壁に、当該現像装置本体104の内部に収容された現像剤101のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ134が配置されている。
【0048】
そして、上記現像装置17では、図1に示すように、現像装置本体104の内部に収容された現像剤101が、現像剤供給オーガ126と現像剤攪拌搬送オーガ128との間で攪拌しつつ搬送する間に、現像剤101中のトナーを摩擦帯電によって負極性に帯電されるとともに、現像剤供給オーガ126によって第2の現像ロール106の表面に供給される。
【0049】
上記第2の現像ロール106の表面に供給された現像剤101は、第2の現像スリーブ110の回転に伴って第3のN3極119と第2のS2極120とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送され、トリマー部材123によって現像剤101の層厚が規制された後、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106が近接して対向する対向部124へと搬送される。上記第2の現像スリーブ110の回転に伴って第1の現像ロール105と第2の現像ロール106が近接して対向する対向部124へと搬送された現像剤101は、対向部124又はその近傍に配置された分離部材125によって第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とに分離される。第1の現像ロール105側に分離された現像剤101は、現像スリーブ109の回転に伴って第2のS2極116と第3のN3極112とで構成される搬送磁極によって時計回り方向に搬送されて、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域111へ到達し、現像極としての第3のN3極112によって現像剤101の磁気ブラシとなって感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像が現像される。その後、第1の現像ロール105の表面に保持された現像剤101は、第1の現像スリーブ109の回転に伴って第3のN3極112と第1のS1極113とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送されて、第1のN1極114と第2のN2極115とで反発磁界を形成する剥離磁極によって現像スリーブ109の表面から剥離され、当該現像ロール105の表面には、第2の現像ロール106によって新しい現像剤101が供給される。
【0050】
一方、第2の現像ロール106側に分離された現像剤101は、第2の現像スリーブ110の回転に伴って第2のN2極121と第1のS1極117とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送されて、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域135へ到達し、現像極としての第1のS1極117によって現像剤101の磁気ブラシとなって感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像が現像される。その後、第2の現像ロール106の表面に保持された現像剤101は、第2の現像スリーブ110の回転に伴って第1のS1極117と第1のN1極118とで構成される搬送磁極によって反時計回り方向に搬送されて、第1のN1極118と第3のN3極119とで反発磁界を形成する剥離磁極によって現像スリーブ110の表面から剥離され、当該現像スリーブ110の表面には、現像剤供給オーガ126によって新しい現像剤101が供給される。
【0051】
また、上記第1の現像ロール105の表面から剥離された現像剤101は、図1に示すように、案内シュート130によって案内されて現像剤供給オーガ126の上部に落下供給され、現像剤供給オーガ126によって現像装置本体104内の現像剤101と攪拌されつつ搬送され、第2の現像ロール106の表面へと供給される。なお、現像剤供給オーガ126の回転方向は、第2の現像ロール106の回転方向と同方向(図示例では、時計回り方向)に設定されているため、第2の現像ロール106の表面から剥離された現像剤101は、直ちに第2の現像ロール106の表面へと供給されることはなく、現像剤供給オーガ126によって第2の現像ロール106と反対側へ搬送され、現像装置本体104内の現像剤101と攪拌された後に第2の現像ロール106の表面へと供給される。
【0052】
ところで、上記の如く構成される現像装置17は、図1に示すように、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが近接して配置されており、しかも第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが近接して対向する対向位置に互いに逆極性の磁極N1極114、N2極115とS2極120が配置されている。そのため、上記第1の現像ロール105において、対向磁極の現像スリーブ109回転方向の上流側には、第1の現像スリーブ109の表面から現像剤を剥離する対向磁極S2極116と逆極性の剥離磁極であるN1極114、N2極115が配置されることになる。一方、上記第2の現像ロール106において、対向磁極であるN2極121の現像スリーブ回転方向の上流側には、第2の現像スリーブ109の表面に沿って現像剤101を搬送する対向磁極N2極121と逆極性の搬送磁極S2極120が配置されることになる。
【0053】
そのため、本発明者らの研究によれば、図6に示すように、第1の現像ロール105の剥離磁極と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS極との間で磁束が案内シュート130を通る磁気回路150が構成されてしまい、図7に示すように、この磁気回路150を構成する磁束によって案内シュート130の表面に沿って案内される現像剤151が拘束されて滞留することが判った。このように、案内シュート131の表面に現像剤151が滞留した場合には、本来、案内シュート130を介して現像剤供給オーガ126の上方に落下供給されるべき現像剤101が、第1の現像ロール105と案内シュート131との間隙を介して部分的に落下して、そのまま第1及び第2の現像ロール105、106に供給されてしまい、感光体ドラム15上に現像されるトナー像に部分的な濃度低下などの画質低下が発生する虞れがあることが明らかとなった。
【0054】
そこで、この実施の形態に係る現像装置17では、図1に示すように、第1の現像ロール105の剥離磁極と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS極との間で、図9に示すように、案内シュート130を通る磁束によって磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材140を設けるように構成されている。
【0055】
上記磁気回路抑制部材140は、例えば、SUS430やSUS631等の磁性ステンレスや鉄、あるいはニッケルなどの磁性材料からなる相対的に厚さの薄い平板状に形成された部材が用いられる。磁気回路抑制部材140の厚さは、その透磁率にもよるが、磁気回路抑制部材140の比透磁率を100とした場合、例えば、0.1〜0.5mm程度に設定される。ただし、磁気回路抑制部材140の厚さがあまり厚いと、当該磁気回路抑制部材140の端部自体が着磁してしまう虞れがあるため、磁気回路抑制部材140の厚さとしては、0.1〜0.3mm程度が望ましい。
【0056】
磁気回路抑制部材140は、図1に示すように、案内シュート131の裏面側にその略全面にわたって接着等の手段により設けられる。更に説明すると、上記磁気回路抑制部材140は、図8に示すように、案内シュート130の先端を予め定められた長さdだけ除いて、案内シュート130の先端部131から傾斜した中間部の略全長にわたって設けられている。この磁気回路抑制部材140としては、例えば、厚さが0.2mmの磁性ステンレス(SUS430)からなる板材が用いられる。磁気回路抑制部材140は、特に、その先端が第1の現像ロール105の剥離磁極に比較的近接して配置されるため、当該磁気回路抑制部材140の厚さが厚過ぎる場合には、上述したように、第1の現像ロール105の剥離磁極と対向する磁気回路抑制部材140の先端が着磁してしまい、却って現像剤101を吸着させる虞れがあるため、あまり厚くない方が望ましい。本発明者らの研究によれば、磁気回路抑制部材140としては、その透磁率を100とした場合、厚さが0.2mm程度の磁性ステンレスからなる板材を用いれば十分効果が得られることが判った。
【0057】
また、この実施の形態では、図1及び図8に示すように、トリマー部材123の裏面側にも磁気回路抑制部材141が配置されている。このトリマー部材123の裏面側に配置される磁気回路抑制部材141としては、例えば、厚さが0.5mm程度の磁性ステンレスからなる板材が用いられる。
【0058】
以上の構成において、この実施の形態に係る現像装置を適用した画像形成装置では、次のようにして、複数の現像剤保持体のうち、一の現像剤保持体から剥離された現像剤を搬送部へと案内する案内部材を介して他の現像剤保持体との間に磁気回路が形成されるのを抑制することができる。
【0059】
すなわち、この実施の形態に係る現像装置を適用した画像形成装置では、図2に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kにおいて、感光体ドラム15の表面がスコロトロン16によって帯電された後、画像露光装置14によって画像データに応じて画像露光が施され、感光体ドラム15の表面には、画像データに応じた静電潜像が形成される。そして、上記感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像は、図1に示すように、現像装置17によって対応する色のトナーによって現像され、感光体ドラム15の表面にトナー像が形成される。
【0060】
シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の各画像形成部13C、13M、13HC、13HM、13Y、13Kの感光体ドラム15上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト25上に多重に一次転写された後、二次転写位置50において中間転写ベルト25上から記録用紙34上に一括して二次転写される。
【0061】
上記シアン(C)、マゼンタ(M)、高彩度シアン(HC)、高彩度マゼンタ(HM)、イエロー(Y)、黒(K)の一部又はすべての色のトナー像が一括して二次転写された記録用紙34は、図2に示すように、定着装置37によって加熱・加圧されて、未定着トナー像が定着された後、シート搬送装置40によって冷却ユニット41へと搬送され冷却され、カール矯正ユニット42によってカールが矯正された状態で、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ43上に排出される。
【0062】
その際、上記現像装置17では、図1に示すように、現像装置本体104の内部に収容された現像剤101が、現像剤供給オーガ126及び現像剤攪拌搬送オーガ128によって攪拌されつつ搬送される間に、現像剤10中のトナーがキャリア等との摩擦帯電によって負極性に帯電され、現像剤供給オーガ126によって第2の現像ロール106へと供給される。第2の現像ロール106へと供給された現像剤101は、当該第2の現像ロール106の現像スリーブ110の回転に伴って反時計回り方向に沿って搬送され、トリマー部材123によって現像剤101の層厚が規制された状態で、第2の現像ロール106と第1の現像ロール105とが近接して対向する対向部124へと搬送される。そして、現像剤101は、分離部材125によって第1の現像ロール106と第2の現像ロール105とに分離される。第1の現像ロール106側に分離された現像剤101は、第1の現像ロール105の現像スリーブ109の回転に伴って時計回り方向に沿って搬送され、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域111へと移動して、感光体ドラム15表面の静電潜像の現像に供された後、現像スリーブ109の回転に伴って時計回り方向に沿って搬送されて、剥離磁極によって現像スリーブ109の表面から剥離されるとともに、第2の現像ロール106との対向部124において新しい現像剤101が供給される。
【0063】
一方、第2の現像ロール106側に分離された現像剤101は、第2の現像ロール105の現像スリーブ110の回転に伴って反時計回り方向に沿って搬送され、感光体ドラム15の表面と対向する現像領域135へと移動して、感光体ドラム15表面の静電潜像の現像に供された後、現像スリーブ109の回転に伴って反時計回り方向に沿って搬送されて、剥離磁極によって現像スリーブ109の表面から剥離されるとともに、現像剤供給オーガ126によって新しい現像剤101が供給される。
【0064】
このとき、上記現像装置17では、図1に示すように、第1の現像ロール105と第2の現像ロール106とが近接して対向する対向部124の第1及び第2の現像ロール105、106の回転方向に沿った上流側に、第1の現像ロール105に剥離磁極としてのN1極114、N2極115と、第2の現像ロール106の搬送磁極としての第2のS2極120とが着磁されている。そのため、現像装置17では、第1の現像ロール105の剥離磁極N1極114、N2極115と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS2極120との間で形成される磁束が、図6に示すように、案内シュート130の表面を通る磁気回路150が構成される虞れがある。
【0065】
ところが、この実施の形態に係る現像装置17では、図1に示すように、案内シュート130の裏面側に第1の現像ロール105の剥離磁極と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS極との間に案内シュートを通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材140が配置されている。そのため、現像装置17では、図1に示すように、第1の現像ロール105の剥離磁極N1極114、N2極115と第2の現像ロール106の搬送磁極であるS2極120との間に、図9に示すように、案内シュート130の裏面側に配置された磁気回路抑制部材140を通る磁束が形成され、案内シュート130の表面を通る磁気回路150がまったく形成されないか、又は磁気回路150が形成されるのを抑制することができる。
【0066】
そのため、第1の現像ロール105の表面から剥離磁極N1極114、N2極115によって剥離された現像剤101は、図 に示すように、案内シュート130の表面に拘束されることなく、案内シュート130の表面を重力によって滑った状態で現像剤供給オーガ126の上部へと落下供給され、現像剤供給オーガ126によって現像装置本体104内の現像剤と攪拌されつつ搬送された状態で、第2の現像ロール106の表面に供給される。
【0067】
したがって、現像装置17によれば、案内シュート131を介して現像剤供給オーガ126の上方に落下供給されるべき現像剤101が、第1の現像ロール105と案内シュート130との間隙を介して部分的に落下して、そのまま第1及び第2の現像ロール105、106に供給されてしまい、感光体ドラム15上に現像されるトナー像に部分的な濃度低下などの画質低下や、現像履歴がトナー像に現れる現像ゴーストなどが発生するのを効果的に防止乃至抑制することができる。
【0068】
実験例
本発明者らは、図1に示すような現像装置17を試作するとともに、当該現像装置17の各部材の配置と同じ条件で2次元ベクトルポテンシャル法を用いた磁場解析手法によって、第1及び第2の現像ロール105、106と案内シュート130とトリマー部材123の周囲に形成される磁束による磁場を求め、第1の現像ロール105と案内シュート130と第2の現像ロール106との間に形成される磁束の分布と、試作した現像装置17の案内シュート131の表面における現像剤101の拘束等が発生する状況を比較検討する実験を行なった。
【0069】
磁場解析手法としては、図10に示すように、試作した現像装置17の第1及び第2の現像ロール105、106と案内シュート130とトリマー部材123の形状を、二次元的なパラメータとして入力するとともに、磁気回路抑制部材140を案内シュート130の裏面に配置し、磁気回路抑制部材141をトリマー部材123の裏面に配置した構成を採用した。
【0070】
図11は、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を50として計算したものである。なお、図6は、磁気回路抑制部材を設けない場合と、図9は、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を100として計算した場合の磁場解析結果をそれぞれ示している。
【0071】
また、図12は、磁気回路抑制部材を設けない場合(図6)と、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を50として計算した場合(図11)と、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を100として計算した場合(図9)とにおける、案内シュート130の表面に垂直な方向(Y方向)と、案内シュート130の表面に沿った先端側に向けた水平な方向(Z方向)との磁束密度の分布を、試作した現像装置17において実際に測定した値と、磁場解析により求めた値とをそれぞれグラフにしたものである。
【0072】
この図12から明らかなように、磁気回路抑制部材140と磁気回路抑制部材141の比透磁率を100として計算した場合(図9)には、同図(c)に示すように、実際に測定した値と、磁場解析により求めた値とが略一致していることが判る。
【0073】
また、図13〜図18は、案内シュート130の表面に垂直な方向(Y方向)と、案内シュート130の表面に沿った先端側に向けた水平な方向(Z方向)との磁束密度の分布を、磁気回路抑制部材140の厚さを変化させて実際に測定した結果と、案内シュート130の表面に滞留する現像剤とを実際に観察して写真で撮影した状態とをそれぞれ示すものである。
【0074】
この図13〜図18から明らかなように、磁気回路抑制部材140の厚さが0.1mm、0.2mmであれば、案内シュート130の表面に滞留する現像剤の量を大幅に減少させることができ、望ましいことが判る。また、磁気回路抑制部材140の厚さが0.3mmの場合には、案内シュート130の表面に滞留する現像剤の量が殆ど無い状態に減少させることができるが、逆に案内シュート130の先端に僅かであるが新たに滞留する現像剤が現れていることが判る。
【0075】
なお、本発明者らは、現像剤中のトナー濃度を4%と12%に変化させて案内シュート130の表面に滞留する現像剤の量を観察する実験を行なったが、略同様の結果が得られた。
【0076】
実施の形態2
図19はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、第1の現像ロールから剥離された現像剤の攪拌性を更に向上させるため、案内シュート130の表面に沿った現像剤の案内方向の端部に、現像剤の攪拌を補助する補助攪拌部材を配置するように構成したものである。
【0077】
すなわち、この実施の形態2では、図19に示すように、現像装置本体104の内部において、案内シュート130の背面側に現像剤の攪拌を補助する補助攪拌部材としてのパドル160が回転可能に配置されている。パドル160は、図20に示すように、4本の攪拌部材を備えており、図中反時計回り方向に沿って回転駆動することにより、案内シュート130の表面に沿って案内された現像剤101を、4本の攪拌部材によって攪拌しつつ強制的に現像剤供給オーガ126へと搬送するように構成されている。
【0078】
このように、図19に示すように、補助攪拌部材としてのパドル160を設けることにより、案内シュート130の表面に沿って案内された現像剤101を強制的に現像剤供給オーガ126へと搬送することができ、案内シュート130の表面に現像剤が滞留するのをより一層抑制することができる。
【0079】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0080】
実施の形態3
図21はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、本実施の形態に係る現像装置をタンデム方式のフルカラー画像形成装置ではなく、像保持体を1つのみ備えた単色の画像形成装置に適用したものである。
【0081】
すなわち、この実施の形態3では、図21に示すように、画像形成装置本体1の内部に像保持体としての感光体ドラム15が1つのみ矢印方向に沿って回転可能に配置されており、感光体ドラム15の周囲には、一次帯電手段としての帯電ロール16と、画像露光装置13と、本発明の実施の形態に係る現像装置17とが配置されている。
【0082】
感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像は、現像装置17の第1及び第2の現像ロール105、106によって例えば黒(K)色のトナーにより現像された後、給紙トレイ44から給紙ロール46a及びリタードロール46b、フィードロール46cによって1枚ずつ分離された状態で供給される記録媒体としての記録用紙34上に転写ロール26によって転写される。なお、記録用紙34は、画像形成装置本体1の側面に配置された手差しトレイ44aからも給紙可能となっている。
【0083】
感光体ドラム15上からトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ロール38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着された後、排出ロール54aによって画像形成装置本体1の上部に設けられた排紙トレイ43上に排出される。
【0084】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0085】
15:感光体ドラム、105:第1の現像ロール、106:第2の現像ロール、126:現像剤搬送オーガ、130:案内シュート、140:磁気回路抑制部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体に対向して上下に配置され、内部に複数の磁極が着磁された磁気ロールを有する複数の現像剤保持体と、
前記複数の現像剤保持体に保持される現像剤を搬送する搬送部材と、
前記複数の現像剤保持体のうち、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体から剥離される現像剤を前記搬送部材へと案内する少なくとも現像剤と接触する面が非磁性体からなる案内部材と、
前記案内部材の現像剤と接触する面と反対側に配置され、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体と隣接する現像剤保持体との間に前記案内部材を通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材とを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体の磁気ロールと前記隣接する現像剤保持体の磁気ロールは、互いに対向する位置に反対極性の磁極が着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記磁気回路抑制部材は、0.1〜0.3mmの厚さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と逆方向に移動するように回転するとともに、前記相対的に下方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と同方向に移動するように回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
静電潜像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記像保持体上に現像されたトナー像を直接又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写手段とを備え、
前記現像手段として請求項1乃至4のいずれかに記載された現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像保持体に対向して上下に配置され、内部に複数の磁極が着磁された磁気ロールを有する複数の現像剤保持体と、
前記複数の現像剤保持体に保持される現像剤を搬送する搬送部材と、
前記複数の現像剤保持体のうち、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体から剥離される現像剤を前記搬送部材へと案内する少なくとも現像剤と接触する面が非磁性体からなる案内部材と、
前記案内部材の現像剤と接触する面と反対側に配置され、相対的に上方に配置される前記現像剤保持体と隣接する現像剤保持体との間に前記案内部材を通る磁気回路が形成されるのを抑制する磁性体からなる磁気回路抑制部材とを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体の磁気ロールと前記隣接する現像剤保持体の磁気ロールは、互いに対向する位置に反対極性の磁極が着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記磁気回路抑制部材は、0.1〜0.3mmの厚さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記相対的に上方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と逆方向に移動するように回転するとともに、前記相対的に下方に配置される前記現像剤保持体は、前記像保持体と対向する面が当該像保持体の移動方向と同方向に移動するように回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
静電潜像を保持する像保持体と、
前記像保持体に保持された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
前記像保持体上に現像されたトナー像を直接又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写手段とを備え、
前記現像手段として請求項1乃至4のいずれかに記載された現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図14】
【図16】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図15】
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【図19】
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【図21】
【図14】
【図16】
【図18】
【公開番号】特開2013−72881(P2013−72881A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209393(P2011−209393)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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