説明

現金払出システム

【課題】申請者以外の者が現金の払い出しを受けることができるようにする現金払出システムを提供すること。
【解決手段】サーバ14は、仮出請求担当者端末11から受信した支払情報を識別する識別情報(伝票NO.)及び当該支払情報に固有の認証情報(パスワード)を発行し、仮出請求担当者端末11は、サーバ14から発行された識別情報及び認証情報を受信して表示し、現金払出装置13は、仮出請求担当者端末11に表示された識別情報及び認証情報の入力を受け付け、受け付けた識別情報に対応する支払情報及び認証情報をサーバから受信する。更に、現金払出装置13は、受け付けられた入力認証情報とサーバから受信した認証情報とが一致する場合に、現金の払い出しを許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金払出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
会社等で業務上の取引等で必要な印紙や切手等有価証券を使用する場合、有価証券を使用しようとする従業者は、まず有価証券の使用を然るべき権限を有する上長の承認を得る。その上で、その従業者は、有価証券を管理している総務部や経理部等の所定の部署に出向いて、使用の承認を受けた分についての有価証券の払い出しを受ける。
【0003】
ところで、有価証券は、企業内において、現金と同様に厳格な管理が求められるため、有価証券用金庫の管理担当者の指定、金庫の開閉の管理、有価証券の払い出し、有価証券の補充、帳簿への記帳等、有価証券を管理するための手間が多大なものとなってしまう。また、有価証券を使用しようとする従業者が有価証券の払い出しを受けに払出部署へ出向いた際に、担当者が席を外していれば、出直さなければならない等、有価証券を使用しようとする従業者等にも不便をかけることとなる。
【0004】
そこで、有価証券の安全な保管を確保しつつ有価証券の払い出し及び管理を人手を介さずに行えるようにした自動払出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−226564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された自動払出装置では、申請者自身のユーザIDで認証を行うため、有価証券や現金の払い出しを受けることができるのは申請者に限られてしまう。よって、申請者が多忙等の理由で自動払出装置の設置場所に行くことができない場合、他の者では払い出しを受けることができないという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、申請者が多忙等の理由で自動払出装置(現金払出装置)の設置場所に行くことができない場合であっても、申請者以外の者が現金の払い出しを受けることができる現金払出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 第1端末装置(例えば、仮出請求担当者端末11)と、該第1端末装置に通信可能に接続されたサーバと、該サーバに通信可能に接続され現金の保管及び払い出しが可能な現金払出装置と、を備える現金払出システムであって、前記第1端末装置は、金額情報を含む支払情報の入力を受け付ける端末側入力受付部(例えば、入力装置24)と、前記端末側入力受付部により受け付けられた支払情報を前記サーバに送信する端末側送信部(例えば、通信装置26)と、前記サーバから所定の情報を受信する端末側受信部(例えば、通信装置26)と、前記端末側受信部により受信された情報を表示する表示部(例えば、表示装置27)と、を有し、前記サーバは、前記第1端末装置及び前記現金払出装置から所定の情報を受信するサーバ側受信部(例えば、通信装置56)と、前記サーバ側受信部により受信された前記支払情報を識別する識別情報(例えば、伝票NO.)を発行する識別情報発行部(例えば、CPU51)と、前記支払情報に固有の認証情報(例えば、パスワード)を発行する認証情報発行部と、前記支払情報と前記識別情報と前記認証情報とを関連付けて記憶する記憶部(例えば、HDD58)と、前記記憶部に記憶された前記識別情報及び前記認証情報を前記第1端末装置に送信すると共に、前記支払情報及び前記認証情報を前記現金払出装置に送信するサーバ側送信部(例えば、通信装置56)と、を有し、前記現金払出装置は、所定の情報の入力を受け付ける払出装置側入力受付部(例えば、入力装置44)と、前記識別情報の入力を要求する識別情報入力要求部(例えば、CPU41、表示装置47)と、前記認証情報の入力を要求する認証情報入力要求部(例えば、CPU41、表示装置47)と、前記サーバに、前記払出装置側入力受付部により受け付けられた識別情報に対応する支払情報、及び該支払情報に固有の認証情報の送信を要求する要求情報を送信する払出装置側送信部(例えば、通信装置46)と、前記サーバから送信された前記支払情報及び前記認証情報を受信する払出装置側受信部(例えば、通信装置46)と、前記払出装置側入力受付部により受け付けられた入力認証情報と前記認証情報とが一致するかを判定する認証情報判定部(例えば、CPU41)と、前記認証情報判定部により前記入力認証情報と前記認証情報とが一致すると判定された場合に前記払出装置側受信部により受信された支払情報に基づいて現金の払い出しを許可する払出許可部(例えば、CPU41)と、を備える現金払出システム。
【0009】
(1)の構成によれば、サーバは、第1端末装置から受信した支払情報を識別する識別情報(例えば、伝票NO.)及び当該支払情報に固有の認証情報(例えば、パスワード)を発行し、第1端末装置は、サーバから発行された識別情報及び認証情報を受信して表示し、現金払出装置は、第1端末装置に表示された識別情報及び認証情報の入力を受け付け、受け付けた識別情報に対応する支払情報及び認証情報をサーバから受信する。更に、現金払出装置は、受け付けられた入力認証情報とサーバから受信した認証情報とが一致する場合に、現金の払い出しを許可する。
したがって、認証情報には支払情報を入力した申請者を識別する社員ID等の情報は含まれていないので、申請者と現金の払い出しを受ける者とが異なる場合であっても現金の払い出しを受けることができる。
【0010】
(2) 前記現金払出装置は、該現金払出装置に保管されている現金の残高情報を記憶する残高情報記憶部(例えば、RAM42)と、前記残高情報と前記払出許可部により許可された現金の払い出し金額とに基づいて該残高情報を更新する残高情報更新部(例えば、CPU41)と、を更に備えることを特徴とする(1)に記載の現金払出システム。
【0011】
(2)の構成によれば、残高情報更新部は、残高情報記憶部に記憶された残高情報を、当該残高情報と現金の払い出し金額とに基づいて更新する。よって、基金管理担当者が現金の払い出しの管理を行う必要がなくなり、利便性を向上させることができる。
【0012】
(3) 前記現金払出装置に通信可能に接続された第2端末装置(例えば、基金管理担当者端末12)を更に備え、前記現金払出装置は、前記残高情報更新部により残高情報が更新されたことに応じて、前記払出許可部により許可された現金の払い出し金額の情報を第2端末装置に送信する払出金額情報送信部(例えば、通信装置46)、を更に備えることを特徴とする(2)に記載の現金払出システム。
【0013】
(3)の構成によれば、払出金額情報送信部は、残高情報が更新されたことに応じて、払出許可部により許可された現金の払い出し金額の情報を第2端末装置(例えば、基金管理担当者端末12)に送信するので、基金管理担当者は、現金の払い出しが行われたことを速やかに知ることができる。
【0014】
(4) 前記現金払出装置は、前記残高情報更新部により更新された残高情報の値が所定値以下になった場合に、その旨の情報を第2端末装置(例えば、基金管理担当者端末12)に送信する残高情報送信部、を更に備えることを特徴とする(3)に記載の現金払出システム。
【0015】
(4)の構成によれば、現金払出装置は、更新された残高情報の値が所定値以下になった場合に、その旨の情報を基金管理担当者端末に通知するので、基金管理担当者は、現金払出装置において現金の残高が少なくなった場合に、速やかに現金を補充することができる。
【0016】
(5) 前記現金払出装置は、前記払出許可部により払い出しを許可される者を識別する社員識別情報(例えば、社員ID)の受信を要求する社員識別情報受信要求部(例えば、CPU41、表示装置47)と、前記社員識別情報を受信する社員識別情報受信部(例えば、通信装置46)と、を更に備え、前記払出許可部は、前記入力認証情報と前記認証情報とが一致すると判定され、かつ、前記社員識別情報受信部が社員識別情報を受信した場合に前記払い出しを許可し、前記払出金額情報送信部は、前記許可された現金の払い出し金額の情報及び前記受信した社員識別情報を第2端末装置に送信することを特徴とする(3)又は(4)に記載の現金払出システム。
【0017】
(5)の構成によれば、払出金額情報送信部は、許可された現金の払い出し金額の情報及び受信した社員識別情報を第2端末装置(例えば、基金管理担当者端末12)に送信するので、基金管理担当者は、現金の払い出しを受けた者を特定できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、申請者が多忙等の理由で現金払出装置の設置場所に行くことができない場合であっても、申請者以外の者が現金の払い出しを受けることができる現金払出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態による現金払出システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示す仮出請求担当者端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す基金管理担当者端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す現金払出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図1に示すサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】現金払出システムを構成する端末等で行われる処理のフローチャートである。
【図7】図6に続くフローチャートである。
【図8】データレコードの一例を示す図である。
【図9】サーバがHDDに記憶しているデータレコード群を示す図である。
【図10】データレコードの一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態による現金払出システム1について説明する。図1は現金払出システムの一例を示す図である。現金払出システム1は、第1端末装置としての仮出請求担当者端末11、第2端末装置としての基金管理担当者端末12、及び現金払出装置13がネットワーク(例えば、インターネット)15を介してサーバ14に接続されて構成される。
【0021】
ここで、現金払出システム1の概略について説明する。
申請者は、仕事で使用するために必要な物を購入するために基金の仮出請求を行う場合に、仮出請求担当者端末11にて、支払情報として、金額、支払目的、及び基金支払日を入力する。申請者が、支払情報を入力すると、支払情報がサーバ14に送信され、サーバ14にて支払情報に関連付けられる伝票NO.及びパスワードが発行される。サーバ14は、当該発行した伝票NO.及びパスワードを仮出請求担当者端末11に送信し、仮出請求担当者端末11は、受信した伝票NO.及びパスワードを表示する。
【0022】
申請者以外の者が、仮出請求担当者端末11に表示された伝票NO.及びパスワードを現金払出装置13にて入力すると、入力された伝票NO.に関連付けられた支払情報及びパスワードがサーバ14から現金払出装置13に送信される。現金払出装置13は、入力されたパスワードと受信したパスワードとを照合して一致したら、サーバ14から受信した支払情報に基づいて現金を払い出す。
なお、現金払出システムの詳細の処理については図6及び図7を参照して後述する。
【0023】
図2は、仮出請求担当者端末11の主なハードウェア構成を示す概略図である。なお、仮出請求担当者端末11は、例えば、デスクトップコンピュータであり、バス25を有している。バス25には、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23、端末側入力受付装置としての入力装置24、端末側受信部及び端末側送信部としての通信装置26、及び表示部としての表示装置27が接続されている。
【0024】
CPU21は、ROM23に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、各ハードウェアと協働し、各種機能を実現している。RAM22は、プログラムの実行に使用するローカルメモリである。入力装置24は、ユーザによる入力の受付を行うものであり、キーボード、ポインティング・デバイス等を含んでよい。また、入力装置24は、支払情報の入力を受け付ける。通信装置26は、支払情報をサーバ14へ送信等する。表示装置27は、ユーザにデータの入力を受け付ける画面を表示し、更に、当該コンピュータによる演算処理結果の画面を表示するものであって、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。また、表示装置27は、通信装置26が受信した情報(伝票NO.、パスワード)を表示する。
【0025】
図3は、基金管理担当者端末12の主なハードウェア構成を示す概略図である。基金管理担当者端末12は、バス35を有しており、バス35には、CPU31、RAM32、ROM33、入力装置34、通信装置36、及び表示装置37が接続されている。CPU31は、ROM33に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、各種機能を実現している。
【0026】
図4は、現金払出装置13の主なハードウェア構成を示す概略図である。現金払出装置13は、バス45を有しており、バス45には、識別情報入力要求部、認証情報入力要求部、社員識別情報受信要求部、認証情報判定部、払出許可部及び残高情報更新部としてのCPU41、残高情報記憶部としてのRAM42、ROM43、払出装置側入力受付部としての入力装置44、払出装置側送信部、払出装置側受信部、払出金額情報送信部及び社員識別情報受信部としての通信装置46、識別情報入力要求部、認証情報入力要求部及び社員識別情報受信要求部としての表示装置47、及び払出部48が接続されている。
【0027】
CPU41は、ROM43に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、各種機能を実現している。RAM42は、現金払出装置13に保管されている現金の残高情報を記憶している。入力装置44は、伝票NO.、パスワードの入力を受け付ける。通信装置46は、後述する要求情報をサーバ14へ送信等する。表示装置47は、伝票NO.及びパスワードの入力要求、社員IDの受信要求を示すメッセージを表示する。払出部48は、通信装置46が受信した支払情報に基づいて現金の払い出しを許可する信号をCPU41から受信したことに応じて、現金を払い出す。
【0028】
図5は、サーバ14の主なハードウェア構成を示す概略図である。サーバ14は、バス55を有しており、バス55には、識別情報発行部としてのCPU51、RAM52、ROM53、入力装置54、サーバ側受信部及びサーバ側送信部としての通信装置56、表示装置57、及び記憶部としてのHDD(Hard Disk Drive)58が接続されている。
【0029】
CPU51は、ROM53及び/又はHDD58に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、各種機能を実現している。通信装置56は、伝票NO.及びパスワードを仮出請求担当者端末11へ送信等する。HDD58は、伝票NO.とパスワードと支払情報とを関連付けて記憶する。
【0030】
なお、HDD58は、外部記憶装置の一例であり、外部記憶装置としては、HDD58のほかに、大容量のバルクメモリ、及び当該バルクメモリの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリや、光ディスク等が含まれる。
【0031】
図6及び図7は、現金払出システム1を構成する端末等で行われる処理のフローチャートである。
【0032】
まず、仮出請求担当者端末11の処理を説明する。
【0033】
ステップS1において、支払情報の入力を受け付ける。具体的には、入力装置24は、申請者から支払情報(金額、支払目的、及び基金支払日)の入力を受け付ける。ステップS1の処理が終了すると、ステップS2の処理に移る。
【0034】
ステップS2において、支払情報をサーバ14へ送信する。具体的には、CPU21は、図8に示す支払情報(金額、支払目的、及び基金支払日)の項目を含むデータレコードを通信装置26に送信させる。ステップS2の処理が終了すると、ステップS3の処理に移り、更に、サーバ14におけるステップS11の処理が開始される。
【0035】
ステップS3において、伝票NO.及びパスワードをサーバ14から受信する。具体的には、通信装置26は、図10に示す伝票NO.、支払情報、及びパスワードを含むデータレコードを受信する。ステップS3の処理が終了すると、ステップS4の処理に移る。なお、このステップS3の処理は、サーバ14におけるステップS14の処理が終了したことをトリガーとして行われる。
【0036】
ステップS4において、伝票NO.及びパスワードを表示する。具体的には、CPU21は、ステップS3で受信した伝票NO.、支払情報、及びパスワードを表示装置27に表示させる。ステップS4の処理が終了すると、仮出請求担当者端末11の処理を終了する。
【0037】
このステップS4の処理により、申請者以外の者であっても表示装置27を見ることで、入力された支払情報に対応する伝票NO.及びパスワードを知ることができる。
【0038】
次に、サーバ14の処理を説明する。
【0039】
ステップS11において、支払情報を仮出請求担当者端末11から受信する。具体的には、通信装置56は、図8に示す支払情報(金額、支払目的、及び基金支払日)の項目を含むデータレコードを受信する。ステップS11の処理が終了すると、ステップS12の処理に移る。なお、このステップS12の処理は、仮出請求担当者端末11におけるステップS2の処理が終了したことをトリガーとして行われる。
【0040】
ステップS12において、伝票NO.及びパスワードを発行し、ステップS13において、発行した伝票NO.及びパスワードと支払情報とを関連付けて記憶する。具体的には、CPU51は、ステップS11において受信した図8に示す支払情報(金額、支払目的、及び基金支払日)の項目を含むデータレコードに、発行した伝票NO.及びパスワードを追加してデータレコードを更新し、更新したデータレコードを既にHDD58に記憶されているデータレコード群に付け加える。
【0041】
更に詳細に説明する。発行した伝票NO.が「001012」、パスワードが「bf7x2s」とすると、これらを図8に示すデータレコードの所定の項目に追加して図10に示すデータレコードに更新し、更新したデータレコードを既にRAM52に記憶されているデータレコード群に追加する。追加した後のデータレコード群を図9に示す。
【0042】
図9は、サーバ14がHDD58に記憶しているデータレコード群を示す図である。図9によると、伝票NO.、パスワード、及び支払情報を含むデータレコードが伝票NO.順にソートされている。
【0043】
ステップS14において、伝票NO.及びパスワードを仮出請求担当者端末11へ送信する。具体的には、CPU51は、ステップS13で更新した図10に示す伝票NO.、支払情報、及びパスワードを含むデータレコードを通信装置56に送信させる。ステップS14の処理が終了すると、ステップS15の処理に移り、更に、仮出請求担当者端末11におけるステップS3の処理が開始される。
【0044】
ステップS15において、入力伝票NO.に対応する支払情報及びパスワード、を要求する要求情報を現金払出装置13から受信する。具体的には、通信装置56は、現金払出装置13にて入力された伝票NO.(入力伝票NO.)を含む要求情報を受信する。なお、このステップS15の処理は、現金払出装置13におけるステップS23の処理が終了したことをトリガーとして行われる。
【0045】
更に、要求情報を受信すると、CPU51は、当該要求情報に含まれる入力伝票NO.を検索キーとして、HDD58に記憶された図9に示すデータレコード群を検索し、該当するデータレコードを抽出する。例えば、後述するステップS22で現金払出装置13が入力を受け付けた伝票NO.(入力伝票NO.)が「001012」である場合、抽出されるデータレコードは、図10に示す伝票NO.が「001012」のデータレコードとなる。
【0046】
ステップS16において、支払情報及びパスワードを現金払出装置13へ送信する。具体的には、CPU51は、抽出されたデータレコード(図10に示すデータレコード)を通信装置56に送信させる。ステップS16の処理が終了すると、サーバ14の処理を終了する。
【0047】
次に、現金払出装置13の処理について説明する。
【0048】
ステップS21において、伝票NO.及びパスワードの入力要求、社員IDの受信要求を行う。具体的には、CPU41は、「伝票NO.及びパスワードを入力して下さい」なる文字、及び「社員証をタッチして下さい」なる文字列を表示装置47に表示させる。なお、本実施例の社員証には、社員IDが記録されたICチップが埋め込まれている。
【0049】
ステップS22において、伝票NO.及びパスワードの入力受け付け、社員IDの受信を行う。具体的には、入力装置44は、伝票NO.及びパスワードの入力受け付け、通信装置46は、社員IDの受信を行う。
【0050】
ステップS23において、入力伝票NO.に対応する支払情報及びパスワード、を要求する要求情報をサーバ14に送信する。具体的には、CPU41は、ステップS22で入力を受け付けた伝票NO.(入力伝票NO.)を含む要求情報を通信装置46に送信させる。ステップS23の処理が終了すると、ステップS24の処理に移り、更に、サーバ14におけるステップS15の処理が開始される。
【0051】
ステップS24において、支払情報及びパスワードをサーバ14から受信する。具体的には、通信装置46は、抽出されたデータレコード(図10に示すデータレコード)を受信する。ステップS24の処理が終了すると、ステップS25の処理を行う。なお、このステップS24の処理は、サーバ14のステップS16の処理が終了したことをトリガーとして行われる。
【0052】
ステップS25では、入力パスワードと受信パスワードとが一致するか否かを判断する。この判断がYESの場合、ステップS27の処理を行い、NOの場合、ステップS26の処理を行う。具体的には、CPU41は、ステップS22で入力を受け付けたパスワード(入力パスワード)と、ステップS24でサーバ14から受信したパスワード(受信パスワード)と、が一致するか否かを判断する。
【0053】
受信パスワードは、図10に示すように「bf7x2s」であるので、入力パスワードが「bf7x2s」である場合には、YESと判断され、「bf7x2s」でない場合には、NOと判断される。
【0054】
なお、ステップS25では、上述した処理の他に、処理が行われている日付が基金支払日に到達したか否かの判断、及び、ステップS22で社員IDを受信したか否かの判断も行われる。処理が行われている日付が基金支払日に到達した場合には、ステップS27の処理が行われ、到達していない場合には、ステップS26の処理が行われる。また、社員IDを受信した場合には、ステップS27の処理が行われ、受信していない場合には、ステップS26の処理が行われる。
【0055】
ステップS26では、エラー表示を行う。具体的には、入力パスワードと受信パスワードとが一致しなかった場合、CPU41は、「入力したパスワードに誤りがあります」なる文字列を表示装置47に表示させる。また、処理が行われている日付が基金支払日に到達しなかった場合、「基金支払日には未だ到達しておりません」なる文字列を表示装置47に表示させる。社員IDを受信していない場合「社員証を翳して下さい」なる文字列を表示装置47に表示させる。
【0056】
ステップS27では、払い出しを行う。具体的には、CPU41は、ステップS24で受信したデータレコード(図10に示すデータレコード)の金額の項目に記録された値に相当する現金の払い出しを許可する信号を払出部48に送信する。払出部48は、当該信号を受信したことに応じて、現金を払い出す。
【0057】
ステップS28では、残高更新を行う。具体的には、CPU41は、RAM42に記憶されている残高情報の値からステップS27で払い出した現金の金額の値を減算することで、残高情報の更新を行う。
【0058】
ステップS29では、払い出した旨のメールを基金管理担当者端末12に送信する。具体的には、CPU41は、ステップS24で受信したデータレコード(図10に示すデータレコード)の伝票NO.、基金支払日、金額、及び支払目的の項目データを含めたメールのデータを通信装置46に送信させる。
【0059】
なお、基金管理担当者端末12は、伝票NO.、基金支払日、金額、及び支払目的の項目データを含めたメールのデータを通信装置36を介して受信し、受信した項目データを表示装置37に表示する。
【0060】
ステップS30では、残高が所定額以下か否かを判断する。この判断がYESの場合、処理をステップS31に移し、NOの場合、現金払出装置13の処理を終了する。具体的には、CPU41は、RAM42に記憶された残高情報の値から所定の値を減算して、減算結果が0以下であるか否かを判断する。
【0061】
ステップS31では、残高が所定額以下である旨のメールを基金管理担当者端末12へ送信する。具体的には、CPU41は、例えば「残高が30万円以下になりました」なる文字列を含めたメールのデータを通信装置46に送信させる。ステップS31の処理が終了すると、現金払出装置13の処理を終了する。
【0062】
なお、基金管理担当者端末12は、「残高が30万円以下になりました」なる文字列を含めたメールのデータを通信装置36を介して受信し、表示装置37に表示する。
【0063】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)サーバ14は、仮出請求担当者端末11から受信した支払情報を識別する識別情報(伝票NO.)及び当該支払情報に固有の認証情報(パスワード)を発行し、仮出請求担当者端末11は、サーバ14から発行された識別情報及び認証情報を受信して表示し、現金払出装置13は、仮出請求担当者端末11に表示された識別情報及び認証情報の入力を受け付け、受け付けた識別情報に対応する支払情報及び認証情報をサーバから受信する。更に、現金払出装置13は、受け付けられた入力認証情報とサーバから受信した認証情報とが一致する場合に、現金の払い出しを許可する。
したがって、認証情報には支払情報を入力した申請者を識別する社員ID等の情報は含まれていないので、申請者と現金の払い出しを受ける者とが異なる場合であっても現金の払い出しを受けることができる。
【0064】
(2)残高情報更新部(CPU41)は、残高情報記憶部(RAM42)に記憶された残高情報を、当該残高情報と現金の払い出し金額とに基づいて更新する。よって、基金管理担当者が現金の払い出しの管理を行う必要がなくなり、利便性を向上させることができる。
【0065】
(3)払出金額情報送信部(通信装置46)は、残高情報が更新されたことに応じて、払出許可部(CPU41)により許可された現金の払い出し金額の情報を第2端末装置(例えば、基金管理担当者端末12)に送信するので、基金管理担当者は、現金の払い出しが行われたことを速やかに知ることができる。
【0066】
(4)現金払出装置13は、更新された残高情報の値が所定値以下になった場合に、その旨の情報を基金管理担当者端末12に通知するので、基金管理担当者は、現金払出装置13において現金の残高が少なくなった場合に、速やかに現金を補充することができる。
【0067】
(5)払出金額情報送信部(通信装置46)は、許可された現金の払い出し金額の情報及び受信した社員識別情報(社員ID)を基金管理担当者端末12に送信するので、基金管理担当者は、現金の払い出しを受けた者を特定できる。
【0068】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 現金払出システム
11 仮出請求担当者端末
12 基金管理担当者端末
13 現金払出装置
14 サーバ
15 ネットワーク
21,31,41,51 CPU
22,32,42,52 RAM
23,33,43,53 ROM
24,34,44,54 入力装置
25,35,45,55 バス
26,36,46,56 通信装置
27,37,47,57 表示装置
48 払出部
58 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末装置と、該第1端末装置に通信可能に接続されたサーバと、該サーバに通信可能に接続され現金の保管及び払い出しが可能な現金払出装置と、を備える現金払出システムであって、
前記第1端末装置は、
金額情報を含む支払情報の入力を受け付ける端末側入力受付部と、
前記端末側入力受付部により受け付けられた支払情報を前記サーバに送信する端末側送信部と、
前記サーバから所定の情報を受信する端末側受信部と、
前記端末側受信部により受信された情報を表示する表示部と、を有し、
前記サーバは、
前記第1端末装置及び前記現金払出装置から所定の情報を受信するサーバ側受信部と、
前記サーバ側受信部により受信された前記支払情報を識別する識別情報を発行する識別情報発行部と、
前記支払情報に固有の認証情報を発行する認証情報発行部と、
前記支払情報と前記識別情報と前記認証情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記識別情報及び前記認証情報を前記第1端末装置に送信すると共に、前記支払情報及び前記認証情報を前記現金払出装置に送信するサーバ側送信部と、を有し、
前記現金払出装置は、
所定の情報の入力を受け付ける払出装置側入力受付部と、
前記識別情報の入力を要求する識別情報入力要求部と、
前記認証情報の入力を要求する認証情報入力要求部と、
前記サーバに、前記払出装置側入力受付部により受け付けられた識別情報に対応する支払情報、及び該支払情報に固有の認証情報の送信を要求する要求情報を送信する払出装置側送信部と、
前記サーバから送信された前記支払情報及び前記認証情報を受信する払出装置側受信部と、
前記払出装置側入力受付部により受け付けられた入力認証情報と前記認証情報とが一致するかを判定する認証情報判定部と、
前記認証情報判定部により前記入力認証情報と前記認証情報とが一致すると判定された場合に前記払出装置側受信部により受信された支払情報に基づいて現金の払い出しを許可する払出許可部と、を備える現金払出システム。
【請求項2】
前記現金払出装置は、
該現金払出装置に保管されている現金の残高情報を記憶する残高情報記憶部と、
前記残高情報と前記払出許可部により許可された現金の払い出し金額とに基づいて該残高情報を更新する残高情報更新部と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の現金払出システム。
【請求項3】
前記現金払出装置に通信可能に接続された第2端末装置を更に備え、
前記現金払出装置は、
前記残高情報更新部により残高情報が更新されたことに応じて、前記払出許可部により許可された現金の払い出し金額の情報を第2端末装置に送信する払出金額情報送信部、を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の現金払出システム。
【請求項4】
前記現金払出装置は、
前記残高情報更新部により更新された残高情報の値が所定値以下になった場合に、その旨の情報を第2端末装置に送信する残高情報送信部、を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の現金払出システム。
【請求項5】
前記現金払出装置は、
前記払出許可部により払い出しを許可される者を識別する社員識別情報の受信を要求する社員識別情報受信要求部と、
前記社員識別情報を受信する社員識別情報受信部と、を更に備え、
前記払出許可部は、
前記入力認証情報と前記認証情報とが一致すると判定され、かつ、前記社員識別情報受信部が社員識別情報を受信した場合に前記払い出しを許可し、
前記払出金額情報送信部は、前記許可された現金の払い出し金額の情報及び前記受信した社員識別情報を第2端末装置に送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の現金払出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−218024(P2010−218024A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61496(P2009−61496)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】