説明

生体分子、ポリマー及び基材表面の変性に使用される反応性環状カーボネート及び尿素

R 及び X が明細書中に記載された意味を有する、式(I)又は(II)の反応性環状カーボネート及び尿素を開示する。前記のカーボネート及び尿素は、特に、穏やかな条件で、官能基を生体分子、ポリマー及び基材表面に導入し得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体分子、ポリマー及び基材表面のような基材の反応性環状カーボネート及び尿素による変性方法、その環状カーボネート及び尿素、並びに変性されたポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
材料表面の永続的官能化は、材料及び用途の多様性のために重要である。例えば、材料表面は、ヘパリンでのコーティングによって生物学的適合性を与えられる。別の用途は、防汚処理、静菌性処理、並びに接着剤及び仕上材料の接着性向上である。
【0003】
基材表面の変性は、反応的に共有結合を形成することによって、或いは化学吸着又は吸着によってもたらされ得る。反応的変性の例は、イソシアネート又はシランでの変性、及びラジカルグラフト反応による変性である。基材表面への官能基導入のため頻繁に用いられる方法は、官能性シラン、特にアミノシランでのコーティングである。アミノシランでの処理は、技術的に複雑であり、水溶液から行うことができない。
【0004】
化学吸着は、基材の負の表面電荷とカチオン化合物、例えばアンモニウム化合物とのイオン相互作用に基づく。負に帯電した基は、事実上全ての材料の表面に見出される。ポリオレフィンのような疎水性ポリマーの場合、負の表面電荷は、空気中での酸化によって生じ、プラズマ処理又は UV 酸化によって人為的に拡大され得る。ポリアンモニウム化合物のようなポリカチオン性ポリマーは、このような表面に、高分子電解質複合体を形成することによって吸着する。多重イオン対形成の連携により、イオン強度が高く pH 値が極端な場合でさえ安定な、非常に強い結合を生じる。
【0005】
生体分子の特定の変性も、多くの場合に望ましい。例えば、種々の活性物質の生物学的半減期は、例えば、ポリオキシアルキレン基の導入によって向上され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特定の方法によって生体分子及び基材表面にある種の化学的官能基を導入できる、反応体及びその方法に対する要求が存在する。関与する反応は、穏やかな条件下で、生体分子が含まれる場合はその変性(変質)無く行われるべきである。
【0007】
US 5,650,234 は、アミノグリカン、タンパク質又はアミノ基含有基材表面のアミノ基と円滑に反応する混合ポリエチレングリコールカーボネートを記載している。該ポリエチレングリコールカーボネートは、生体分子の基材表面との共有結合を可能にする。
【0008】
更に、水溶液から塗布することができ、なおかつある種の官能基を含むか、又は後の更なる変性が可能である、表面処理のための入手しやすいポリカチオン性化合物に対する要求が存在する。
【0009】
Jansen、I.F.G.A. ら、Macromolecules 2003、36 巻、3861〜3873 頁は、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメタクリレートのような種々のアクリレートの反応性を調べている。
【0010】
WO 02/42383 は、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメトキシカルボニルアミノエチルアクリレートを含んでもよい放射線硬化性組成物を記載している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第 1 の要旨として、本発明は、ヒドロキシル基、1 級アミノ基及び 2 級アミノ基から選ばれる官能基を有する基材の変性方法であって、少なくとも 1 種の基材を、官能基が反応するような条件下で、式 I 又は II:
【化1】

[式中、R は C1〜C12 アルキレンであり、
k が 1 の場合、X は CO-CH=CH2、CO-C(CH3)=CH2、CO-O-アリール、C2〜C6-アルキレン-SO2-CH=CH2 又は CO-NH-R1 であり、R1 は、C1〜C30-アルキル、C1〜C30-ハロアルキル、C1〜C30-ヒドロキシアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C30-アルキル、C1〜C6-アルキルカルボニルオキシ-C1〜C30-アルキル、アミノ-C1〜C30-アルキル、モノ-又はジ(C1〜C6-アルキル)アミノ-C1〜C30-アルキル、アンモニオ-C1〜C30-アルキル、ポリオキシアルキレン-C1〜C30-アルキル、ポリシロキサニル-C1〜C30-アルキル、(メタ)アクリロイルオキシ-C1〜C30-アルキル、スルホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホナト-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホナト-C1〜C30-アルキル又は糖類基であり、
k が 1 より大の整数の場合、X は、(i)式中の括弧内部分と (CO)NH 基によって結合されているポリアミン基、或いは(ii)式中の括弧内部分と、(CO)、NH-C2〜C6-アルキレン-O-(CO) 又は (CO)-O-C2〜C6-アルキレン-O(CO) 基によって結合されている重合体骨格である。]
の化合物と接触させて、1,3-ジオキソラン環又は 1,3-ジアザヘプタン環を開環させ、式 I 又は II の化合物との共有結合を形成させる変性方法に関する。
【0012】
式 I において、k は 1、又は 1 より大の整数、例えば、2 又は 3、或いは 2〜10,000、例えば 10〜1,000 である。
基材は、好ましくは、生体分子、ポリマー又は基材表面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の方法の 1 態様では、式 I 又は II の化合物の第 1 末端と第 1 基材との間に共有結合が形成されるような条件下で、式 I 又は II の化合物を第 1 基材と接触させ、その反応生成物を、式 I 又は II の化合物の第 2 末端と第 2 基材との間に共有結合が形成されるような条件下で、第 2 基材と接触させる。
この態様では、基 X は、一般に、第 1 基材と反応できる官能基、好ましくは、(メタ)アクリロイル、アリールオキシ、ビニルスルホニル又はハロアルキル基を含む。
第 1 及び第 2 基材は、例えば、対になった、基材表面と生体分子、生体分子と変性剤、又は基材表面と変性剤である。変性剤は、一定の親水性又は疎水性、溶解性、安定性などを与える低分子量又は重合体化合物、或いは配向分子であり得る。
【0014】
第 2 の要旨では、本発明は、一般式 I 又は II:
【化2】

[式中、R は C1〜C12-アルキレン、好ましくは C1〜C4 アルキレン、特にメチレンであり、
k が 1 の場合、X は C2〜C6-アルキレン-SO2-CH=CH2 又は CO-NH-R1 であり、R1 は C1〜C30-アルキル、C1〜C30-ハロアルキル、C1〜C30-ヒドロキシアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C30-アルキル、C1〜C6-アルキルカルボニルオキシ-C1〜C30-アルキル、アミノ-C1〜C30-アルキル、モノ-又はジ(C1〜C6-アルキル)アミノ-C1〜C30-アルキル、アンモニオ-C1〜C30-アルキル、ポリオキシアルキレン-C1〜C30-アルキル、ポリシロキサニル-C1〜C30-アルキル、スルホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホナト-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホナト-C1〜C30-アルキル又は糖類基であり、
R が C2〜C12-アルキレン、特に C4-アルキレンの場合、X は、CO-アリール、CO-CH=CH2、CO-C(CH3)=CH2 又は (メタ)アクリロイルオキシ-C1〜C30-アルキル-NH-CO であってもよく、
或いは、k が 1 より大の整数の場合、X は、式中の括弧内部分と (CO)NH 基によって結合されているポリアミン基である。]
の化合物に関する。
ポリアミンの例は、アルキレンジアミン、ジアルキレントリアミン、アミノアルキル基(末端基又は側基)含有ポリジメチルシロキサン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、キトサン、ポリアミド/エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミノスチレン、ペプチド又はタンパク質である。
【0015】
用語「アルキル」は、1〜30 個、好ましくは 1〜18 個、特に 1〜12 個の炭素原子を有する、直鎖、分枝又は環状アルキル基を含むと解釈される。
【0016】
用語「アリール」は、1〜3 個の C1〜C4 アルキル基又は C1〜C4 アルコキシ基で任意に置換されていてよい、フェニル又はナフチルを意味する。
【0017】
用語「ハロアルキル」は、1 個以上又は全ての水素原子がハロゲン、特にフッ素によって置換されているアルキル基を意味する。用語「ヒドロキシアルキル」は、1 個以上の水素原子がヒドロキシル基によって置換されているアルキル基を意味する。同様に、用語「アルコキシアルキル」、「アルキルカルボニルオキシアルキル」、「アミノアルキル」、「アンモニオアルキル」、「ポリオキシアルキレンアルキル」、「ポリシロキサニルアルキル」、「(メタ)アクリロイルオキシアルキル」、「スルホノアルキル」、「ホスホノアルキル」及び「ホスホナトアルキル」は、1 個以上の水素原子が、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、アンモニオ基(NR33+;各々の R3 は、独立して、例えば C1〜C18-アルキル又はベンジルである。)、ポリオキシアルケニル基、ポリシロキサニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基(SO3H)、ホスホン酸基(PO3H2)又はリン酸エステル基(OPO3H2)によって置換されているアルキル基を意味する。R1 がアンモニオアルキルの場合、化合物は、1 当量のアニオン、好ましくは生理的に許容されるアニオン、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン又は臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、メト硫酸イオン、硝酸イオンなどを伴う。
【0018】
ポリオキシアルキレン基は、好ましくは、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドから、特にエチレンオキシドから誘導される。末端が、例えばヒドロキシル基、アルコキシ基又はアルカリールオキシ基であってもよい。ポリシロキサニル基は、好ましくはポリジメチルシロキサンから誘導される。
糖類基は、例えば、グルコシル基である。
【0019】
用語「生体分子」は、生物系から分離され、及び/又は生物系又はその一部と相互に作用し得る分子全てを含む。これらは、特に、ペプチド、タンパク質、プロテオグリカン、酵素、マーカー物質、抗体、受容体分子、抗原及び活性物質を含む。特定の例は、ヘパリン、組織プラスミノゲンアクチベータ、ストレプトキナーゼ、プロスタグランジンなどである。
【0020】
好ましい態様では、R1 は、-(CH2)n-CH3、-(CH2)n-(CF2)m-CF3、-(CH2)n-[Si(CH3)2-O]p-H、-(CH2)n-Si(OSi(CH3)3)3、-(CH2)n-(O-CH2-CHR4)p-OR3、-R2-OH、-R2-NH2、-R2-NR33+Y-、-R2-SO3H、-R2-PO3H2、-R2-OPO3H2 又は糖類基であり、R2 は、C1〜C18-アルキレンであり、R3 は、C1〜C18-アルキル又はベンジルであり、R4 は水素又はメチルであり、Y は上記のような 1 当量のアニオンであり、n 及び m は、相互に独立に 0〜12 の整数であり、p は 1〜100、好ましくは 2〜50 の整数である。
【0021】
化合物は、有機合成の標準的な方法を用いて様々な方法で調製され得る。好ましい調製法は、実施例で説明する。
【0022】
X が(メタ)アクリロイルである式 I の化合物は、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルアルカノールと(メタ)アクリロイルクロリドとの反応によって得られる。X が -CH2-CH2-SO2-CH=CH2 である式 I の化合物は、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルアルカノールとジビニルスルホンとの反応によって得られる。
【0023】
X が重合体骨格である式 I の化合物は、X が(メタ)アクリロイル基を含む化合物のラジカル重合又は制御ラジカル重合、例えば ATRP(アトムトランスファー型ラジカル重合)によって得ることができる。コモノマー、例えば、C1〜C12-アルキル(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレート、及び/又は芳香族ビニル化合物、例えばスチレンが、好ましくは付随的に使用される。好ましい態様では、求核試薬に対して反応性である側基を有し、その反応度が 2-オキソ-1,3-ジオキソラニル基の反応度とは異なるコモノマーも、付随的に使用される。好ましい反応性コモノマーは、2-フェノキシカルボニルオキシエチル(メタ)アクリレートである。X が重合体骨格である式 I の好ましい化合物は、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシカルボニルオキシ-エチル(メタ)アクリレート及びメチル(メタ)アクリレートのコポリマーである。
【0024】
上記化合物は、穏やかな条件下で、下記反応スキーム(ここで、D は求核試薬であり、R' は生体分子、ポリマー又は基材表面の基であり、種々の求核試薬 D は下記実施例における表 2 で説明される。)で説明されるように、求核試薬、例えば、生体分子又はポリマーの或いは基材表面上のヒドロキシル基又はアミノ基と反応して、開環し、共有結合を形成する。
【化3】

式 I の化合物は、好ましくは、1 級又は 2 級アミノ基と反応する。式 II の化合物は、好ましくは、1 級又は 2 級アミノ基及びヒドロキシル基と反応する。
【0025】
このように、本発明の化合物は、広範な異なる基 X を生体分子又はポリマーに導入し、前記基を基材表面に結合することを可能にする。
【0026】
本発明の方法によって処理され得る基材表面は、例えば、固有のアミノ基及び/又はヒドロキシル基を有する材料表面、或いはそれ自体既知の方法によってアミノシランで処理された基材表面である。
【0027】
更に本発明は、変性ポリマー、即ち、本発明の化合物と、ヒドロキシル基、1 級アミノ基及び 2 級アミノ基から選ばれる官能基を有するポリマーとの反応生成物に関する。本発明の化合物とポリアミン又はポリオールとの反応により、官能基 X のポリマー構造への導入が可能になる。ポリアミンの例は、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、キトサン、商品名 Hercosett(登録商標)で市販されているようなポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミノスチレン、ペプチド又はタンパク質、例えばゼラチンである。好ましいタンパク質は、逆タンパク質分解(プラステイン反応)によってリジン(2,6-ジアミノヘキサン酸)で強化された変性ケラチンポリペプチドである。
【0028】
ポリマーと本発明の化合物との反応は、ポリマー-類似体反応である。反応生成物中の官能基 X の濃度は、ポリマー内のアミノ基又はヒドロキシル基の、反応体 I 又は II に対する化学量論比の選択によって確立され得る。
【0029】
好ましい反応生成物では、基 R1 の少なくとも一部がアンモニオアルキルであり、即ち、反応生成物がカチオン性高分子電解質である。得られたカチオン性高分子電解質は、高分子電解質相互作用によって、アニオン性材料表面に永続的に付着できる。
【0030】
反応は、好ましくは、ポリマーのヒドロキシル基及び/又はアミノ基の全てが、本発明の化合物との反応に関係しないように行われるので、反応生成物は、反応性のヒドロキシル基及び/又は 1 級又は 2 級アミン官能基をなお含む。このような方法で、異なる塗膜の迅速かつ有効な結合を可能にする、反応性の NH2、NH 又は OH 基は、基材表面に導入され得る。例は、エポキシド、イソシアネート、無水物、カルボン酸及びアクリレート(マイケル付加)であるが、いかなるタイプの活性物質も、この方法で基材表面に固定され得る。
【0031】
更に好ましい反応生成物では、基 R1 の一部がアンモニオアルキルであり、基 R1 の一部がアンモニオアルキルとは異なる 1 種以上の基である。材料表面への結合/付着に役立つカチオン基に加えて、反応生成物は更なる官能基を有する。これらは、基材表面に種々の官能基を固定するために使用され得る。これらは、活性物質、例えば殺菌剤、殺虫剤又は薬剤のような生体分子であり得、適切な場合には、加水分解又は酵素分解の後にのみ、遊離によって活性になる。
【0032】
更なる要旨では、本発明は基材表面の変性方法に関する。該方法では、基材表面を、上記反応生成物、特に基 R1 の少なくとも一部がアンモニオアルキル基である上記反応生成物と接触させる。該方法で処理できる基材表面は、所望の材料、例えば、ガラス、セラミック材、金属、プラスチック、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレンの表面であり得る。繊維又はフィラメントの表面も処理することができる。本発明の特定の利点は、反応生成物のコーティング又は塗布を水溶液から行うことができ、例えばアミノシランでの表面処理のような複雑な調製及び処理が不要なことである。
【0033】
このように調製されたポリマーは、繊維のサイズ剤及び仕上材料としての直接表面コーティングに加えて、分散剤及び(反応性)乳化剤として使用される。重合体添加剤の分野における更なる用途では、接着促進剤、接着剤、触圧接着剤、及び活性物質の固定に関する。
【0034】
本発明を、添付の図面及び下記実施例によって、より詳細に説明する。
【0035】
図 1 は、本発明に従って変性したポリカチオン性材料表面の製造を模式的に示す。(A)は、本発明に従って使用される、アンモニウム置換基を有する式 I の化合物(ここで、R は、例えば -CH2-OCONH-(CH2)3- であり、Hlg- はハロゲン化物イオンである。)を示す。ポリアミン(B)との反応により、反応生成物(C)が生ずる。(D)は、カチオン Mt+ とゆるく結合した負の表面電荷 Z- を有する材料表面を示す。反応生成物(C)による材料表面(D)の処理時、塩 Mt+Hlg- が脱離し、多重イオン対相互作用のため、ポリマーと基材表面の強い接着が生じる。アミノ基(-NH2)は、ポリマー上において、更なる変性に利用可能である。
【実施例1】
【0036】
化合物 A.1
【化4】

この化合物は、J.F.G.A. Jansen、A. A. Dias、M. Dorschu、B. Coussens、Macromolecules 2003、36 巻、3861〜3873 頁に記載の方法によって得ることができる。
【0037】
化合物 A.2
【化5】

マグネットスターラー、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた3ッ口フラスコで、27 g(202 mmol)の 1,2,6-ヘキサントリオールを、65 ml の 1,4-ジオキサンに溶解する。0 ℃で、126.5 g、101.7 ml(808 mmol、4.0 当量)のフェニルクロロホルメートを約 1 時間かけて滴加し、次いで、トリエチルアミン 44 ml(313 mmol)のトルエン 200 ml 溶液を、3 時間かけてゆっくり滴加する。添加終了後、反応を完了させるため、室温で 16 時間撹拌する。続いて、この濁った溶液に、68 ml の 1 M HCl 溶液を滴加し、この反応溶液を、約 300 ml の酢酸エチルで処理する。有機相を、1 M の HCl 及び H2O で順次洗浄し、Na2SO4 で乾燥し、乾燥剤を濾去し、溶媒を留去する。フェノール臭を有する黄色がかった油状物が後に残る。フェノールを、高真空下、70 ℃で凝縮することによって除去する。副生物として生じたジフェニルカーボネートを、ソックスレー抽出によって黄褐色の油状物から抽出する。この目的のため、油状物を 3 倍量のシリカゲルで処理し、ソックスレー管に導入し、ペンタンで 16 時間抽出する。酢酸エチルでシリカゲルを処理することによって生成物を溶解し、淡黄色で高粘性の油状物を、高真空下、撹拌しながら 16 時間乾燥する。収量:32 g(114 mmol、理論値の 56 %)。
1H-NMR(300 Mhz, DMSO-d6):
δH = 1.46(m, 2H, CH2-5);1.71(m, 4H, CH2-4, CH2-6);4.14(d/d, 1H, CH2-2a, 3J = 8.3 Hz, 3J = 7.9 Hz);4.22(t, 2H, CH2-7, 3J = 6.4 Hz);4.58(t, 1H, CH2-2b, 3J = 8.3 Hz);4.79(qu, 1H, CH-3, 3J = 7.2 Hz);7.25(d, 2H, CH-10, 3J = 7.2 Hz);7.29(d, 1H, CH-12, 3J = 7.5 Hz);7.44(d/d, 2H, CH-11, 3J = 7.9 Hz, 3J = 7.5 Hz)ppm。
13C-NMR スペクトル(75 MHz, DMSO-d6):
δC = 20.39(C-5, 1C);27.55(C-6, 1C);32.33(C-4, 1C);68.16(C-7, 1C);69.12(C-2, 1C);76.85(C-3, 1C);121.12(C-10, 2C);126.06(C-12, 1C);129.55(C-11, 2C);150.74(C-9, 1C);153.06(C-8, 1C);154.87(C-1, 1C)ppm。
【0038】
化合物 B(フェニル 2-オキソ-[1,3]ジアゼパン-1-カーボネート)
化合物を、以下のように調製した:まず、1.5 当量のトリエタノールアミンを、次いで、0〜50 ℃でゆっくりとフェニルクロロホルメート(1.5 当量)を、トリメチレン尿素(1 当量)のジクロロメタン溶液に添加した。添加終了後、更に 30 分から 2 時間撹拌した。続いて、冷却し、沈澱物(塩酸アミン)を濾去し、少量の溶媒で洗浄した。生成物をカラムクロマトグラフィー(移動相:ジエチルエーテル/酢酸エチル = 1/1)によって精製し、減圧(10-2 mbar)下、室温で乾燥した。収率:理論値の 90 %。
【0039】
例えば、以下の反応スキームに従って、更なる化合物の調製を行う。
【化6】

【0040】
表 1 に示した成分 C の 1 つを記載の量(当量)で、記載の温度で撹拌しながら、還流冷却器及び制御可能なスターラーを備えた適当なサイズのフラスコ内の、成分 A.1 又は A.2(式 I の更なる化合物の調製のため)或いは成分 B(式 II の更なる化合物の調製のため)の適当な溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、ジエチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド)の溶液である初期導入溶液に添加する。次いで、表 1 に記載の時間、溶液を撹拌する。生成物を、一般的な方法(揮発性成分の留去、沈澱及び/又はクロマトグラフィー)によって分離する。
【0041】
【表1】

【0042】
化合物 I.1(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)3-N(CH3)2
【化7】

10 g(42 mmol)の化合物 A.1 を、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2口フラスコで 100 ml の THF に溶解する。0 ℃で、3,3-ジメチルアミノプロピルアミン 4 g(40 mmol)の THF 50 ml 溶液を、温度が 5 ℃を超えないようにゆっくり添加する。反応を完了させるため、反応溶液を更に 16 時間撹拌する。温度は室温までゆっくり上昇させる。反応バッチを、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。フェノールを除去するため、残留物を、200 ml の THF/Et2O(1:1)混合物で取り出し、これを毎回 50 ml の H2O で 5 回抽出する。合わせた水相を、毎回 70 ml の CHCl3 で 5 回抽出する。有機相を Na2SO4 で乾燥し、乾燥剤を濾去し、溶媒をロータリーエバポレーターによって留去する。無色で高粘性の油状物を、一晩、高真空下で撹拌しながら乾燥する。収量:5.1 g(21 mmol、50 %)。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):
δH = 1.67(qu, 2H, CH2-7, 3J = 6.8 Hz);2.22(s, 6H, CH3-9);2.35(t, 2H, CH2-8, 3J = 6.8 Hz);3.24(q, 2H, CH2-6, 3J = 6.0 Hz), 4.30(m, 2H, CH2-4);4, 36(d/d, 1H, CH2-2a, 3J = 8.7 Hz, 3J = 6.0 Hz);4.55(t, 1H, CH2b-2, 3J = 8.3 Hz); 4.92 (qu, 1H, CH-3, 3J = 7.2 Hz);6.2(s, br., 1H, NH)ppm。
13C-NMR-スペクトル(75 MHz, CDCl3):
δC = 26.69(C-7, 1C);40.52(C-6, 1C);45.34(C-9, 2C);57.90(C-8, 1C);63.24(C-4, 1C);66.04(C-2, 1C);74.55(C-3, 1C);154.78(C-1, 1C);155.68(C-5, 1C)ppm。
【0043】
化合物 I.2(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)2-N(CH3)2
20.1 mmol の化合物 A.1 及び 23 mmol のジメチルアミノエチルアミンから出発して、63 %の収率で生成物を得た。
【0044】
化合物 I.3(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)3-CH3
20.1 mmol の化合物 A.1 及び 23 mmol のブチルアミンから出発して、80 %の収率で生成物を得た。
【0045】
化合物 I.4(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)11-CH3
ジカーボネート A.1(2.00 g、8.40 mmol)を、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2口フラスコで、乾燥 THF 20 ml に溶解した。0 ℃まで冷却後、ドデシルアミン(1.56 g、8.40 mmol)の乾燥 THF 10 ml 懸濁液をゆっくり添加して、温度を 5 ℃以下に維持し、そして、一晩かけて室温まで上昇させた。溶媒を減圧(約 20 mbar、40 ℃)下で除去した。C12-アルキル鎖を有する官能化環状カーボネートを、15 ml の CHCl3 に溶解し、30 ml の Et2O の添加によって結晶化した。(収率:93 %)。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3, TMS):
δH = 0.88(t, 3H, CH3-17), 1.19-1.36(s, 18H, CH2-(8-16)), 1.41-1.56(m, 2H, CH2-7), 3.16(dxt, 2H, CH2-6), 4.22-4.38(m, 3H, CHaHb-2, CH2-4), 4.55(dxd, 1H, CHaHb-2), 4.86-4.95(m, 1H, CH-3), 5.08-5.18(b, 1H, NH)ppm。
13C-NMR(75 MHz, CDCl3, TMS):
δC = 14.1(C-17), 22.7(C-16), 26.7(C-8), 29.3-29.8(7C, C-(9-15)), 31.9(C7), 41.3(C-6), 63.3(C-4), 66.0(C-2), 74.5(C-3), 154.8(C-1), 155.6(C-5)ppm。
【0046】
化合物 I.5(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)17-CH3
ジカーボネート A.1(5.00 g、21.0 mmol)を、20 ml の乾燥 THF に溶解し、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2口フラスコで 0 ℃まで冷却した。ステアリルアミン(5.65 g、21.0 mmol)の乾燥 THF 20 ml 懸濁液をゆっくり添加し、温度を 5 ℃以下に保った。反応物を 0 ℃で 2 時間、そして室温で 1.5 日間撹拌した。溶媒を減圧(約 20 mbar、40 ℃)下で除去した。C18-アルキル鎖を有する官能化環状カーボネートを、CHCl3 から再結晶化した。(収率:85 %)。
【0047】
化合物 I.6(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)3-N(CH3)3I)
【化8】

CH3I 0.70 g(5 mmol)の THF 5 ml 溶液を、0.50 g(2 mmol)の化合物 I.1 の THF 5 ml 溶液に素早く滴加する。1 時間の撹拌中に、無色の沈澱物が析出する。THF 相をデカントし、沈澱物を数回 THF で洗浄する。得られた生成物を、高真空下で一晩乾燥する。収量:0.77 g(1.98 mmol;理論値の 99 %)。
1H-NMR(300 Mhz, DMSO-d6):
δH = 1.85(m, 2H, CH2-7);3.08(s, 9H, CH3-9);3.33(m, 4H, CH2-8, CH2-6);4.17-4.31(m, 3H, CH2-4, CH2-2a);4.57(t, 1H, CH2-2b, 3J = 8.7 Hz);5.04(m, 1H, CH-3);7.48(t, 1H, NH)ppm。
13C-NMR スペクトル(75 MHz, DMSO-d6):
δC = 22.97(C-7, 1C);37.42(C-6, 1C);(C-9, 1C);52.26(C-8, 1C);63.29(C-4, 1C);65.95(C-2, 1C);74.75(C-3, 1C);154.72(C-1, 1C);155.68(C-5, 1C)ppm。
【0048】
化合物 I.7(R = (CH2)4、X = CO-NH-(CH2)3-N(CH3)2
出発物質として、化合物 A.1 の代わりに化合物 A.2 を使用した以外は、化合物 I.1 と同様に調製した。
【0049】
化合物 I.8(R = (CH2)4、X = CO-NH-(CH2)5-CH3
出発物質として、化合物 A.1 の代わりに化合物 A.2 を、ブチルアミンの代わりにヘキシルアミンを使用した以外は、化合物 I.3 と同様に調製した。
【0050】
化合物 I.9(R = (CH2)4、X = CO-NH-(CH2)11-CH3
出発物質として、化合物 A.1 の代わりに化合物 A.2 を使用した以外は、化合物 I.4 と同様に調製した。
【0051】
化合物 I.10(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)2-N(CH3)31/2(SO4))
14.7 mmol の化合物 I.2 と 29 mmol の硫酸ジメチルとの反応によって、収率 90 %で化合物を得た。
【0052】
化合物 I.11(R = (CH2)4、X = CO-NH-(CH2)3-N(CH3)3I)
出発物質として、化合物 I.1 の代わりに化合物 I.7 を使用した以外は、化合物 I.6 と同様に調製した。
【0053】
化合物 I.12(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)3-(Si(CH3)2O)8-Si-(CH2)3-NH-CO)
【化9】

ノナジメチルシロキサンジプロピルアミン 4.6 g(4 mmol)の THF 50 ml 溶液を、0 ℃で、3 g(13 mmol)の化合物 A.1 の THF 30 ml 溶液にゆっくり滴加する。反応を完了させるため、溶液を更に 48 時間撹拌する。温度を室温までゆっくり上昇させる。反応バッチを、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。生成物に加えて、過剰な出発物質及びフェノールが後に残る。不純物をペンタンに溶解することによって除去する。ノナジメチルシロキサンジプロピルアミンの転化は、定量的である。
1H-NMR(300 Mhz, CDCl3):
δH = 0.03(S, 6H, CH3-10);0.07(S, 48H, CH3-9);0.53(t, 4H, CH2-8, 3J = 8.1 Hz);1.54(m, 4H, CH2-7);3.16(m, 4H, CH2-6);4.30(m, 3H, CH2-4, CH2-2a);4.54(t, 1H, CH2-2b, 3J = 8.7 Hz);4.90(m, 2H, CH-3)。
【0054】
化合物 I.13(R = (CH2)4、X = CO-NH-(CH2)3-(Si(CH3)2-O)8-Si-(CH2)3-NH-CO)
出発物質として、化合物 A.1 の代わりに化合物 A.2 を使用した以外は、化合物 I.12 と同様に調製した。
【0055】
化合物 I.14(R = CH2、X = CO-NH-(CH2)3-Si(OSiMe3)3
トリス(トリメチルシリルオキシ)シランプロピルアミン 4.41 g(12.5 mmol)の THF 50 ml 溶液を、0 ℃で、3 g(12.6 mmol)の化合物 A.1 の THF 30 ml 溶液にゆっくり滴加する。反応を完了させるために、反応溶液を更に 16 時間撹拌する。温度を室温までゆっくり上昇させる。反応バッチを、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。収率:定量的。
【0056】
化合物 I.15(R = CH2、X = CO-NH-[CH(CH3)CH2O]n(CH2CH2O)mCH3
2.27 g(2.1 mmol)の Jeffamine M-1000 の THF 25 ml 溶液を、0 ℃で、0.5 g(2.1 mmol)の化合物 A.1 の THF 5 ml 溶液にゆっくり滴加する。反応を完了させるために、反応溶液を更に 72 時間撹拌する。温度を室温までゆっくり上昇させる。反応バッチを、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。収率:定量的。
【0057】
化合物 I.16(R = CH2、X = CH2CH2SO2CH=CH)
【化10】

ジアザビシクロウンデカン(25 μl)及びジビニルスルホン(0.99 g、8.40 mml)を、4-(ヒドロキシメチル)-[1,3]ジオキソラン-2-オン(0.2 g、1.63 mmol)のテトラヒドロフラン(5 ml)溶液に添加し、窒素雰囲気中、室温で 24 時間撹拌した。精製のため、テトラヒドロフランを留去し、残留物をペンタンに溶解し、生成物を 0 ℃まで冷却することによって、粘稠な油状物として分離する。収率は 75 %である。
【実施例2】
【0058】
実施例 2:タイプ I 及びタイプ II の化合物の使用例
成分 C の 1 つに対応するか或いは窒素含有ポリマー又はポリオールである、表 2 に示した成分 D の 1 つを記載の量(ポリマーの官能基数に基づく当量)で、記載の温度で撹拌しながら、還流冷却器及び制御可能なスターラーを備えた適当なサイズのフラスコ内の、式 I 又は II の化合物の適当な溶媒(例えば、水、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド)の溶液に添加する。次いで、表 2 に記載の時間、溶液を撹拌する。生成物を、一般的な方法、例えば、洗浄、揮発性成分の留去、沈澱、クロマトグラフィーによって分離する。
【0059】
【表2】

【0060】
実施例 2.1:化合物 I.12 とジメチルアミノプロピルアミンとの反応
ジメチルアミノプロピルアミン 0.78 g(7.7 mmol)の THF 10 ml 溶液を、66 ℃で、6.27 g の化合物 I.12 の THF 50 ml 溶液に滴加する。反応を完了させるために、反応溶液を更に 72 時間還流する。溶媒の除去後、暗黄色の粘稠な油状物を得る。
【0061】
第 4 アンモニウム化合物の調製
上記生成物 7.51 g(6 mmol)を THF 25 ml に溶解し、MeI 1.7 g(12 mmol)の THF 5 ml 溶液を室温で滴加する。反応を完了させるために、溶液を室温で更に 3 時間撹拌する。溶媒をロータリーエバポレーターで留去し、残留物を Et2O 250 ml で洗浄し、高真空下で一晩乾燥する。生成物は、茶色の吸湿性固体である。収率:定量的。
【化11】

【0062】
実施例 2.2:化合物 I.13 とジメチルアミノプロピルアミンとの反応
反応及び四級化を、実施例 2.1 と同様に行った。
【0063】
実施例 2.3:化合物 I.1 とノナジメチルシロキサンジプロピルアミンとの反応
ノナジメチルシロキサンジプロピルアミン 1.62 g(2 mmol)の THF 10 ml 溶液を、1.04 g(4 mmol)の化合物 I.1 の THF 10 ml 溶液に滴加し、溶液を 66 ℃で 96 時間還流する。溶媒の除去後、高粘度の黄色油状物が後に残る。収量:2.5 g(2 mmol;理論値の 100 %)。
1H-NMR(300 Mhz, CDCl3):
δH = 0.03(S, 6H, CH3-17);0.07(S, br., 48H, CH3-16);0.53(t, 4H, CH2-15);1.52(m, 4H, CH2-14);1.66(qu, 4H, CH2-3);2.20(s, 12H, CH3-1);2.34(t, 4H, CH2-2);3.18(d, 8H, CH2-4, CH2-13);3.70(m, 2H, CH2-8);4.13(m, 8H, CH2-7, CH2-10);5.93(s, br., 2H, NH)ppm。
13C-NMR スペクトル(75 MHz, CDCl3):
δC = 1.05(C-16, C-17, 2C);15.23(C-15, 2C);23.82(C-14, 2C);26.96(C-3, 2C);30.32;40.30(C-2, 2C);44.06(C-13, 2C);45.36(C-1, 4C);57.83(C-4, 2C);65.83;156.88(C-6, C-11, 4C)ppm。
【0064】
第 4 アンモニウム化合物の調製
上記で得た化合物 3.3 g(2.6 mmol)を THF 30 ml に溶解し、0.93 g(6.6 mmol)の THF 10 ml 溶液を室温で滴加する。バッチを室温で更に 3 時間撹拌する。溶液は濁り、しばらく後に無色の油相が分離する。THF 相をデカントし、油状物を THF で数回洗浄する。
精製のため、残留物を CH2Cl2 に溶解し、Et2O で沈澱させる。生成物を濾取し、高真空下で一晩乾燥する。黄色がかった吸湿性生成物が得られ、それを窒素雰囲気中で保管する。収率:定量的。
1H-NMR(300 Mhz, DMSO-d6):
δH = 0.03(s, 6H, CH3-17);0.07(s, br., 48H, CH3-16);0.48(t, 4H, CH2-15);1.40(m, 4H, CH2-14);1.84(m, 4H, CH2-3);2.93(m, 8H, CH2-4, CH2-13);3.27(m, 4H, CH2-2);3.92(t, 8H, C2-7, CH2-10, 3J =);4.74(s, br., 1H, OH);5.13(s, br., 1H, OH);7.17(s, br., 2H, NH-12);7.31(s, br., 2H, NH-5)ppm。
13C-NMR-スペクトル(75 MHz, DMSO-d6):
δC = -0.65-0.33(C-16, C-17, 18C);13.80(C-15, 2C);22.09(C-14, 2C);22.31(C-3, 2C);36.40(C-4, 2C);42.3(C-13, 2C);51.29(C-1, 6C);62.38(C-2, 2C);63.97(C-10, 2C);64.22(C-7, 2C);65.98(C-8, 2C);155.09(C-11, 2C);155.26(C-6; 2C)。
【0065】
実施例 2.4:化合物 I.7 とノナジメチルシロキサンジプロピルアミンとの反応
反応及び四級化を、実施例 2.1 と同様に行った。
【0066】
実施例 2.5:化合物 I.9 とジメチルアミノプロピルアミンとの反応
C12-アルキル鎖を有する官能化環状カーボネート(5.02 g、15.2 mmol)を、室温で CHCl3 に溶解し、3-ジメチルアミノプロピルアミン(2.22 g、21.7 mmol)を添加し、還流しながら 2 日間撹拌した。溶媒及び過剰の 3-ジメチルアミノプロピルアミンを、減圧して除去した。アミノ基の四級化のために、更なる精製なしで、官能性ジウレタンを使用した。(収率:定量的)。
【0067】
実施例 2.6:化合物 I.5 とジメチルアミノプロピルアミンとの反応
C18-アルキル鎖を有する官能化環状カーボネート(2.50 g、6.04 mmol)及び 3-ジメチルアミノプロピルアミン(0.74 g、7.25 mmol)を、CHCl3 25 ml に溶解し、還流下で 20 時間撹拌した。溶媒を減圧して除去し、アミノ基の四級化のために、更なる精製なしで、官能性ジウレタンを使用した。(収率:定量的)。
【0068】
MeI での四級化
MeI(15 mmol)のアセトン、トルエン又はアセトニトリル(5 ml)溶液を、3 級アミン(5 mmol)の同じ溶媒(5 ml)の溶液に滴加した。反応物を室温で 2 時間撹拌した。生成物を沈澱させた(場合により、沈澱剤としてヘキサンを添加)。生成物を濾取して乾燥した。(収率:85〜93 %)
【0069】
n-ヘキシルブロミド、C12H25Br、n-C18H37Br での四級化
所望のアルキルブロミド(n-ヘキシル、n-ドデシル又はステアリルブロミド、7 mmol)を、3 級アミン(5 mmol)のアセトニトリル(10 ml)溶液に添加した。反応物を、還流しながら 22 時間撹拌した。溶媒を減圧して除去した。対イオンの交換(臭化物イオンの塩化物イオンによる交換)によって、生成物を精製した(アミンの定量的転化)。
【0070】
n-ヘキシル-OTs、C12H25-OTs、n-C18H37-OTs での四級化
所望のアルキルトシレート(n-ヘキシル、n-ドデシル又はステアリルトシレート、7 mmol)を、3 級アミン(5 mmol)のアセトニトリル(10 ml)溶液に添加した。反応物を、還流しながら 20 時間撹拌した。溶媒を減圧して除去した。対イオンの交換(トシル酸イオンの塩化物イオンによる交換)によって、生成物を精製した(アミンの定量的転化)。
【実施例3】
【0071】
ポリアミンの変性
実施例 3.1:ポリ(アリルアミン)の変性
ポリアリルアミン(Mw = 17,000 g/mol 以下)の 20 重量%濃度水溶液(1.00 g、3.5 mmol)、及び化合物 I.9(288 mg、0.875 mmol)の THF 4 ml 溶液を混合し、80 ℃で 18 時間撹拌した。冷却後、溶液は透明であった。減圧下で THF を除去後、生成物を沈澱させた。NMR 分光分析は、生成物中の構成単位全ての存在を示した。
【0072】
実施例 3.2:ポリ(エチレンイミン)の変性
ポリエチレンイミン(Mw = 10,000 g/mol、Aldrich 製)(15.2 mmol の NH2 基)、化合物 I.3(7.6 mmol)及び化合物 I.10(7.6 mmol)を、メタノール中、70 ℃で(又は、代わりにジメチルホルムアミド中、80 ℃で)8 時間撹拌した。生成物をトルエンでの沈澱によって分離した。NMR スペクトル分析は、生成物中の構成単位全ての存在を示した。
【0073】
実施例 3.3:ジメチルシロキサン-メチルアミノプロピルシロキサン共重合体の変性
ジメチルシロキサン-メチルプロピルアミンシロキサン共重合体 9.45 g(2.1 mmol)の THF 80 ml 溶液を、0 ℃で、0.5 g(2.1 mmol)の化合物 A.1 の THF 5 ml 溶液にゆっくり滴加する。反応を完了させるため、反応溶液を更に 72 時間撹拌する。温度を室温までゆっくり上昇させる。反応バッチを、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。収率:定量的。
【実施例4】
【0074】
2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルメタクリレートの共重合
実施例 4.1:2-オキソ-1,3-ジオキソラン-イルメチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合
メチルエチルケトン中、メチルメタクリレート 50 mmol、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルメタクリレート 2.63 mmol 及びアゾイソブチロニトリル 1.08 mmol を、加熱したフラスコに窒素雰囲気下でまず導入した。75 ℃に予備加熱した油浴に浸漬することによって、共重合を開始した。2.5 時間後、氷浴に浸漬することによって反応を停止させた。ジクロロメタンを反応混合物に添加し、1 時間撹拌し、形成されたプレポリマーを n-ペンタンで沈澱させた。ポリマーを、50 ℃で、真空乾燥オーブン中 24 時間乾燥した。収率:理論値の 90 %。Mn(GPC):13,600。Mw/Mn = 7.8。
このように調製したポリマーを、ドデシルアミン、3-ジメチルアミノ-1-プロピルアミン、及び 2 種のアミンの混合物と反応させた。
【0075】
ドデシルアミンでのポリマー-類似体反応:
テトラヒドロフラン中、300 mg のコポリマー(これは、2.876 mmol の繰り返し単位に相当し、従って、0.144 mmol の繰り返し単位を、ポリマー-類似体反応させることができる)、及び 0.719 mmol のドデシルアミンを、加熱シュレンク管に窒素雰囲気下でまず導入した。室温で撹拌を行った。24 時間後、ペンタンで沈澱を行った。残留物を、メチレンクロリドで処理し、1 mol の水酸化ナトリウム溶液で 3 回抽出した。有機相をペンタンで再び沈澱させて、50 ℃で、真空乾燥オーブン中 24 時間乾燥した。反応は定量的に生じた。
【0076】
3-ジメチルアミノ-1-プロピルアミンでのポリマー-類似体反応:
テトラヒドロフラン中、300 mg のコポリマー(これは、2.876 mmol の繰り返し単位に相当し、従って、0.144 mmol の繰り返し単位を、ポリマー-類似体反応させることができる)、及び 0.719 mmol の 3-ジメチルアミノ-1-プロピルアミンを、加熱シュレンク管に窒素雰囲気下でまず導入した。室温で撹拌を行った。24 時間後、ペンタンで沈澱を行った。残留物を、メチレンクロリドで処理し、1 mol の水酸化ナトリウム溶液で 3 回抽出した。有機相をペンタンで再び沈澱させて、50 ℃で、真空乾燥オーブン中 24 時間乾燥した。反応は定量的に生じた。
【0077】
3-ジメチルアミノ-1-プロピルアミン及びドデシルアミン(1:1)でのポリマー-類似体反応:
テトラヒドロフラン中、300 mg のコポリマー(これは、2.876 mmol の繰り返し単位に相当し、従って、0.144 mmol の繰り返し単位を、ポリマー-類似体反応させることができる)、0.072 mmol の 3-ジメチルアミノ-1-プロピルアミン、及び 0.072 mmol のドデシルアミンを、加熱シュレンク管に窒素雰囲気下でまず導入した。室温で撹拌を行った。24 時間後、ペンタンで沈澱を行った。残留物を、メチレンクロリドで処理し、1 mol の水酸化ナトリウム溶液で 3 回抽出した。有機相をペンタンで再び沈澱させて、50 ℃で、真空乾燥オーブン中 24 時間乾燥した。反応は定量的に生じた。
【0078】
実施例 4.2:2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルメタクリレート、2-フェノキシカルボニルオキシエチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートの共重合
【化12】

メチルエチルケトン中、12 mmol のメチルメタクリレート、1.5 mmol の 2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルメタクリレート、1.5 mmol の 2-フェノキシカルボニルオキシエチルメタクリレート(V.P. Joshi、S.K. Karode、M.G. Kulkarni、R.A. Mashelkar、Chem. Eng. Sci. 1998 年、53 巻、2271 頁に従って、ヒドロキシエチルメタクリレートとフェニルクロロホルメートとの反応によって調製)、及び 0.371 mmol のアゾイソブチロニトリルを、加熱したフラスコに窒素雰囲気下でまず導入した。75 ℃に予備加熱した油浴に浸漬することによって、共重合を開始した。3 時間後、氷浴に浸漬することによって反応を停止させた。ジクロロメタンを反応混合物に添加し、1 時間撹拌し、形成されたポリマーを n-ペンタンで沈澱させた。ポリマーを、50 ℃で、真空乾燥オーブン中 24 時間乾燥した。収率:理論値の 85 %。Mn(GPC):9,000。Mw/Mn = 2.9。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に従って変性したポリカチオン性材料表面の製造模式図である。
【符号の説明】
【0080】
(A) 本発明に従って使用される、アンモニウム置換基を有する式 I の化合物(ここで、R は、例えば -CH2-OCONH-(CH2)3- であり、Hlg- はハロゲン化物イオンである。)。
(B) ポリアミン。
(C) ポリアミン(B)との反応により生じた反応生成物(C)。
(D) カチオン Mt+ とゆるく結合した負の表面電荷 Z- を有する材料表面。
(E) 材料表面(D)と反応生成物(C)との反応生成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシル基、1 級アミノ基及び 2 級アミノ基から選ばれる官能基を有する基材の変性方法であって、少なくとも 1 種の基材を、官能基が反応するような条件下で、式 I 又は II:
【化1】

[式中、R は C1〜C12 アルキレンであり、
k が 1 の場合、X は CO-CH=CH2、CO-C(CH3)=CH2、CO-O-アリール、C2〜C6-アルキレン-SO2-CH=CH2 又は CO-NH-R1 であり、R1 は、C1〜C30-アルキル、C1〜C30-ハロアルキル、C1〜C30-ヒドロキシアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C30-アルキル、C1〜C6-アルキルカルボニルオキシ-C1〜C30-アルキル、アミノ-C1〜C30-アルキル、モノ-又はジ(C1〜C6-アルキル)アミノ-C1〜C30-アルキル、アンモニオ-C1〜C30-アルキル、ポリオキシアルキレン-C1〜C30-アルキル、ポリシロキサニル-C1〜C30-アルキル、(メタ)アクリロイルオキシ-C1〜C30-アルキル、スルホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホナト-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホナト-C1〜C30-アルキル又は糖類基であり、
k が 1 より大の整数の場合、X は、(i)式中の括弧内部分と (CO)NH 基によって結合されているポリアミン基、或いは(ii)式中の括弧内部分と、(CO)、NH-C2〜C6-アルキレン-O-(CO) 又は (CO)-O-C2〜C6-アルキレン-O(CO) 基によって結合されている重合体骨格である。]
の化合物と接触させて、1,3-ジオキソラン環又は 1,3-ジアザヘプタン環を開環させ、式 I 又は II の化合物との共有結合を形成させる変性方法。
【請求項2】
基材が、生体分子、ポリマー又は基材表面から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基材がポリマーである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式 I 又は II の化合物において、X が CO-NH-R1 であり、基 R1 の少なくとも一部がアンモニオアルキルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
基 R1 の一部がアンモニオアルキルとは異なる基である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
式 I 又は II の化合物の第 1 末端と第 1 基材との間に共有結合が形成されるような条件下で、式 I 又は II の化合物を第 1 基材と接触させ、その反応生成物を、式 I 又は II の化合物の第 2 末端と第 2 基材との間に共有結合が形成されるような条件下で、第 2 基材と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第 1 及び/又は第 2 基材が、生体分子、ポリマー又は基材表面から選ばれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ポリマーが、ポリアルキレンアミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、キトサン、ポリアミド/エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミノスチレン、ペプチド又はタンパク質から選ばれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式 I の化合物が、4-フェニルオキシカルボニルオキシメチル-2-オキソ-1,3-ジオキソラン、4-(4-フェニルオキシカルボニルオキシ)ブチル-2-オキソ-1,3-ジオキソラン、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルアクリレート、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルメタクリレート、4-(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)ブチルアクリレート、4-(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)ブチルメタクリレート、4-(ビニルスルホニルエトキシ)ブチル-2-オキソ-1,3-ジオキソランから選ばれる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
式 I 又は II:
【化2】

[式中、R は C1〜C12-アルキレンであり、
k が 1 の場合、X は C2〜C6-アルキレン-SO2-CH=CH2 又は CO-NH-R1 であり、R1 は C1〜C30-アルキル、C1〜C30-ハロアルキル、C1〜C30-ヒドロキシアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C30-アルキル、C1〜C6-アルキルカルボニルオキシ-C1〜C30-アルキル、アミノ-C1〜C30-アルキル、モノ-又はジ(C1〜C6-アルキル)アミノ-C1〜C30-アルキル、アンモニオ-C1〜C30-アルキル、ポリオキシアルキレン-C1〜C30-アルキル、ポリシロキサニル-C1〜C30-アルキル、スルホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホノ-C1〜C30-アルキル、ホスホナト-C1〜C30-アルキル、ジ(C1〜C6-アルキル)ホスホナト-C1〜C30-アルキル又は糖類基であり、
R が C2〜C12-アルキレンの場合、X は、CO-アリール、CO-CH=CH2、CO-C(CH3)=CH2 又は (メタ)アクリロイルオキシ-C1〜C30-アルキル-NH-CO であってもよく、
或いは、k が 1 より大の整数の場合、X は、式中の括弧内部分と (CO)NH 基によって結合されているポリアミン基である。]
の化合物。
【請求項11】
R1 が、-(CH2)n-CH3、-(CH2)n-(CF2)m-CF3、-(CH2)n-[Si(CH3)2-O]p-H、-(CH2)n-Si(OSi(CH3)3)3、-(CH2)n-(O-CH2-CHR4)p-OR3、-R2-OH、-R2-NH2、-R2-NR33+Y-、-R2-SO3H、-R2-PO3H2、-R2-OPO3H2 又は糖類基であり、R2 が、C1〜C18-アルキレンであり、R3 が、C1〜C18-アルキル又はベンジルであり、R4 が水素又はメチルであり、Y が 1 当量のアニオンであり、n 及び m が、相互に独立に 0〜12 の整数であり、p が 1〜100 の整数である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
4-(4-フェニルオキシカルボニルオキシ)ブチル-2-オキソ-1,3-ジオキソラン、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルアクリレート、2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルメタクリレート、4-(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)ブチルアクリレート、4-(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)ブチルメタクリレート、4-(ビニルスルホニルエトキシ)ブチル-2-オキソ-1,3-ジオキソランから選ばれる、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
請求項3〜5のいずれかに記載の方法によって得られる変性ポリマー。
【請求項14】
基材表面の変性又は活性物質の固定のための、仕上材料、分散剤、乳化剤、接着促進剤、接着剤又は触圧接着剤としての請求項13に記載の変性ポリマーの使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−523057(P2007−523057A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543482(P2006−543482)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014047
【国際公開番号】WO2005/058863
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】