説明

甲状腺ホルモン類似体、アンタゴニストおよびそれらの製剤のためのナノ粒子およびポリマー製剤

被験体における血管新生を促進または阻害するために有効な量のポリマーナノ粒子系の甲状腺ホルモンアゴニスト、その部分アゴニストまたはアンタゴニストを投与することを含む、血管新生に関連した状態を有する被験体の治療方法を開示する。ポリマー形の甲状腺ホルモンまたは甲状腺ホルモン類似体の組成物も開示する。本発明の方法によって治療可能な状態の例は、本明細書中で提供しており、閉塞性血管疾患、冠疾患、勃起機能不全、心筋梗塞、虚血、卒中、末梢動脈血管疾患、脳血管性、四肢虚血および創傷を挙げることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
10nmと1000nmの間の粒径を有する、多数の甲状腺ホルモン類似体にコンジュゲートしているナノ粒子を含み、該甲状腺ホルモン類似体が、該ナノ粒子に、該甲状腺ホルモン類似体のアルコール部分を架橋するエーテル(−O−)または硫黄(−S−)結合およびナノ粒子コンジュゲーションによって結合している、ナノ粒子コンジュゲート。
【請求項2】
前記甲状腺ホルモンまたは類似体が、ポリビニルアルコール、アクリル酸エチレンコポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリラクチド、アガロース、PEO、m−PEG、PVA、PLLA、PGA、ポリL−リシン、ヒト血清アルブミン、セルロース誘導体、カルボメトキシ/エチル/ヒドロキシプロピル、ヒアルロン酸、葉酸架橋シクロデキストリン/デキストラン、サルコシン/アミノ酸が一定の間隔に配置されたポリマー、アルギネート/カラゲナン、ペクチン/キトサン、デキストラン、コラーゲン、ポリアミン、ポリアニリン、ポリアラニン、ポリトリプトファンおよびポリチロシンから成る群より選択されるメンバーにコンジュゲートしている、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項3】
前記甲状腺ホルモン類似体が、テトラヨードサイロ酢酸(TETRAC)、トリヨードサイロ酢酸(TRIAC)、レボチロキシン(T4)、トリヨードチロニン(T3)、3,5−ジメチル−4−(4’−ヒドロキシ−3’−イソプロピルベンジル)−フェノキシ酢酸(GC−1)、3,5−ジヨードサイロプロピオン酸(DITPA)、またはNH2部分に保護基を有するT4もしくはT3、あるいはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項4】
N−メチル、N−エチル、N−トリフェニル、N−プロピル、N−イソプロピル、N−t−ブチル、および他の官能基から成る群より選択される、請求項3に記載の保護基。
【請求項5】
ナノ粒子1個につき1個と100個の間の甲状腺ホルモン分子を有する、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項6】
ナノ粒子1個につき15個と30個の間の甲状腺ホルモン分子を有する、請求項5に記載のナノ粒子。
【請求項7】
ナノ粒子1個につき20個と25個の間の甲状腺ホルモン分子を有する、請求項6に記載のナノ粒子。
【請求項8】
ポリマーにコンジュゲートしている甲状腺ホルモンまたはその類似体を含む、血管新生促進性または抗血管新生性ポリマーコンジュゲートであって、血管新生性薬剤または抗血管新生性薬剤が、インテグリンαVβ3上の甲状腺ホルモンの細胞表面受容体に結合している、血管新生促進性または抗血管新生性ポリマーコンジュゲート。
【請求項9】
前記ポリマーが、ポリビニルアルコール、アクリル酸エチレンコポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリラクチド、アガロース、PEO、m−PEG、PVA、PLLA、PGA、ポリL−リシン、ヒト血清アルブミン、セルロース誘導体、カルボメトキシ/エチル/ヒドロキシプロピル、ヒアルロン酸、葉酸架橋シクロデキストリン/デキストラン、サルコシン/アミノ酸が一定の間隔に配置されたポリマー、アルギネート/カラゲナン、ペクチン/キトサン、デキストラン、コラーゲン、ポリアミン、ポリアニリン、ポリアラニン、ポリトリプトファンおよびポリチロシンから成る群より選択されるメンバーである、請求項8に記載の血管新生促進性薬剤または抗血管新生性薬剤。
【請求項10】
前記甲状腺ホルモン類似体が、レボチロキシン(T4)、トリヨードチロニン(T3)、3,5−ジメチル−4−(4’−ヒドロキシ−3’−イソプロピルベンジル)−フェノキシ酢酸(GC−1)、および3,5−ジヨードサイロプロピオン酸(DITPA)から成る群より選択される、請求項9に記載の血管新生促進性薬剤。
【請求項11】
前記甲状腺ホルモン類似体が、テトラヨードサイロ酢酸(TETRAC)、トリヨードサイロ酢酸(TRIAC)、および他の甲状腺アンタゴニストまたは部分アゴニスト類似体から成る群より選択される、請求項9に記載の抗血管新生性薬剤。
【請求項12】
前記ナノ粒子の内部に前記甲状腺ホルモンを封入する工程、または該ナノ粒子の細胞表面に該甲状腺ホルモン類似体を化学的連結によって固定化する工程を含む、請求項1に記載のナノ粒子を作製するためのプロセス。
【請求項13】
医薬的に許容される担体中の請求項1に記載のナノ粒子コンジュゲートを含む医薬製剤。
【請求項14】
1つ以上の医薬的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項15】
投与の非経口様式、経口様式、直腸様式もしくは局所様式、またはこれらの組み合わせを有する、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記甲状腺ホルモンまたは類似体が、ポリビニルアルコール、アクリル酸エチレンコポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリラクチド、アガロース、PEO、m−PEG、PVA、PLLA、PGA、ポリL−リシン、ヒト血清アルブミン、セルロース誘導体、カルボメトキシ/エチル/ヒドロキシプロピル、ヒアルロン酸、葉酸架橋シクロデキストリン/デキストラン、サルコシン/アミノ酸が一定の間隔に配置されたポリマー、アルギネート/カラゲナン、ペクチン/キトサン、デキストラン、コラーゲン、ポリアミン、ポリアニリン、ポリアラニン、ポリトリプトファンおよびポリチロシンから成る群より選択されるメンバーにコンジュゲートしている、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記甲状腺ホルモン類似体が、テトラヨードサイロ酢酸(TETRAC)、トリヨードサイロ酢酸(TRIAC)、甲状腺ホルモン部分アゴニストまたはアンタゴニスト、レボチロキシン(T4)、トリヨードチロニン(T3)、T4またはT3 N−メチル、T4またはT3 N−エチル、T4またはT3 N−トリフェニル、T4またはT3 N−プロピル、T4またはT3 N−イソプロピル、T4またはT3 N−t−ブチル、3,5−ジメチル−4−(4’−ヒドロキシ−3’−イソプロピルベンジル)−フェノキシ酢酸(GC−1)、および3,5−ジヨードサイロプロピオン酸(DITPA)から成る群より選択される、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記ナノ粒子が、ナノ粒子1個につき1個と100個の間の甲状腺ホルモン類似体を含有し、該甲状腺ホルモンが、封入されているか、化学結合によって該ナノ粒子表面に固定化されている、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記ナノ粒子が、化学療法薬、または他の公知の血管新生促進剤もしくは抗血管新生剤と一緒に前記甲状腺ホルモンを共封入する、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記ナノ粒子が、内部に前記化学療法薬、血管新生促進剤または抗血管新生剤を含み、および前記甲状腺ホルモンが、安定な化学結合によって該ナノ粒子の表面に固定化されている、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記ナノ粒子の表面が、安定な化学結合によって該表面に結合されたアルファvベータ3リガンドなどの部位指向部分を含有する、請求項18または19に記載の医薬製剤。
【請求項22】
治療の必要がある被験体に、該被験体における血管新生を促進するために有効な量の請求項1に記載の甲状腺ホルモンナノ粒子または請求項7に記載のポリマーコンジュゲートまたは請求項13に記載の医薬製剤を投与することを含む、血管新生を促進することによって治療可能な状態を治療する方法。
【請求項23】
前記血管新生を促進することによって治療可能な状態が、閉塞性血管疾患、冠疾患、脳血管性、勃起機能不全、心筋梗塞、虚血、卒中、末梢動脈血管疾患、四肢虚血、および創傷治癒から成る群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
患者に医療器具を挿入する前に、該器具に甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン類似体、それらのポリマー形またはナノ粒子形をコーティングすることを含む、該医療器具に沿ってまたは該医療器具の周囲で血管新生を促進する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記医療器具が、ステント、カテーテル、カニューレまたは電極である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1に記載のナノ粒子、または請求項7に記載のポリマーコンジュゲート、または請求項13に記載の医薬製剤において使用される前記甲状腺ホルモン類似体が、レボチロキシン(T4)、トリヨードチロニン(T3)、3,5−ジメチル−4−(4’−ヒドロキシ−3’−イソプロピルベンジル)−フェノキシ酢酸(GC−1)および3,5−ジヨードサイロプロピオン酸(DITPA)ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
治療の必要がある被験体に、該被験体における血管新生を阻害するために有効な量の請求項1に記載の甲状腺ホルモンナノ粒子または請求項7に記載のポリマーコンジュゲートまたは請求項13に記載の医薬製剤を投与することを含む、血管新生を阻害することによって治療可能な状態を治療するための方法。
【請求項28】
前記血管新生を阻害することによって治療可能な状態が、原発性または転移性腫瘍、神経膠腫、乳癌、甲状腺癌、他の癌タイプ、炎症性疾患、糖尿病性網膜症、非癌性皮膚疾患、および黄斑変性から成る群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記治療可能な状態が、甲状腺癌であり、TETRACとTETRACナノ粒子コンジュゲートの組み合わせが投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項1に記載のナノ粒子、または請求項7に記載のポリマーコンジュゲート、または請求項13に記載の医薬製剤において使用される前記甲状腺ホルモン類似体が、テトラヨードサイロ酢酸(TETRAC)、トリヨードサイロ酢酸(TRIAC)、甲状腺ホルモンアンタゴニストおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
疎水性化合物(X)単独または親水性化合物(Y)をそれぞれZ、Z、Z、Zおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1つのコポリマーとともに含有するシングルまたはダブルエマルジョンを含む、持続放出性で長期残留性の眼科用製剤。
【請求項32】
XおよびYが、疎水特性または親水特性を有する甲状腺ホルモン類似体である、請求項31に記載の製剤。
【請求項33】
が、前記コポリマーの安定なナノ粒子特性をもたらし、該コポリマーが、PLGAである、請求項31に記載の製剤。
【請求項34】
が、前記コポリマーの熱感受特性をもたらし、該コポリマーが、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAM)である、請求項31に記載の製剤。
【請求項35】
が、前記コポリマーに粘膜接着特性およびpH感受特性をもたらすモノマーであり、該コポリマーが、前記ナノ粒子の中に捕捉されたアクリレート系モノマーと少なくとも1つの疎水性薬物である、請求項31に記載の製剤。
【請求項36】
が、粘膜接着剤であり、該粘膜接着剤が、キトサン、アクリル酸由来のアクリレート、メチルメタクリレートおよび他の粘膜接着剤から成る群より選択される、請求項31に記載の製剤。
【請求項37】
前記疎水性薬物が、溶液または粉末形態である、請求項31に記載の製剤。
【請求項38】
前記疎水性薬物を含有するシングルエマルジョンが、直径10nm<1000nmの範囲のサイズを有する重合シングルエマルジョンまたはミセルである、請求項31に記載の製剤。
【請求項39】
前記コポリマーが、両親媒性モノマーから作られたブロックコポリマーであり、生体適合性および非抗原性材料である、請求項31に記載の製剤。
【請求項40】
疎水性化合物(X)単独または親水性化合物(Y)をそれぞれZ、Z、Z、Zおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1つのコポリマーとともに含有するシングルまたはダブルエマルジョンを含む持続放出性で長期残留性の眼科用製剤を製造する方法。
【請求項41】
前記疎水性薬物が、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、エタノールおよび他の透析可能な溶媒から成る群より選択される溶媒に溶解される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記エマルジョンが、ヒドロゲル製剤と目に対する刺激を減少させるそのコポリマーの熱感受特性とを有するモノマーを含み、該モノマーが、ビニル化合物である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記ビニル化合物が、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、塩化ビニルおよび酢酸ビニルから成る群より選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記コポリマーが、生体適合性で非抗原性の材料であるブロックコポリマーである、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
Zが、そのコポリマーに粘膜接着特性およびpH感受特性をもたらすモノマーであり、該モノマーが、アクリレート系モノマーである、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記エマルジョンを攪拌、加熱、超音波処理し、溶媒を蒸発させ、および/または透析を行って、ブロックコポリマーミセルの疎水性コアに前記疎水性薬物を物理的に組み込み、混合物を形成し、ならびに該混合物を精製して、持続放出性で長期残留性の眼科用製剤を回収する、請求項30に記載の方法。
【請求項47】
前記透析が、水性相における未反応モノマーおよび遊離薬物をもしあれば除去するために、2〜24時間行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記製剤が重合される、請求項40に記載のプロセス。
【請求項49】
前記重合が行われる温度が、20℃から80℃の間の範囲である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項31に記載の眼科用製剤を含む点眼剤または眼軟膏を患者に投与することを含む、疎水性薬物の眼科的に送達するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2009−533453(P2009−533453A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505476(P2009−505476)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/009026
【国際公開番号】WO2008/051291
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(506087026)オードウェイ リサーチ インスティテュート (4)
【出願人】(508305476)チャリタブル リーダーシップ ファウンデーション (1)
【出願人】(507083847)アルバニー カレッジ オブ ファーマシー (3)
【Fターム(参考)】