説明

画像伝送装置及び画像伝送システム

画像伝送装置において、ビデオカメラにより撮像されたデジタルフレーム画像及び同期信号が入力される複数の入力端子と、複数の第1フレームバッファと、デジタルフレーム画像を同期信号に基づいて対応する第1フレームバッファに書き込みをする書き込み制御部と、読み出しクロックを生成する読み出しクロック生成部と、読み出しクロック生成部が生成した読み出しクロックに基づいて、複数の第1フレームバッファを順次イネーブルにして、複数のデジタルフレーム画像を所定時間内に読み出し、1フレームに多重化して、多重化データ及び当該多重化データに収容される各デジタルフレーム画像の収容位置を示す多重情報を出力する読み出し制御部と、多重情報が示す多重化データに収容されたデジタルフレーム画像の符号化をする画像圧縮部と、画像圧縮部が符号化したデジタルフレーム画像を伝送する画像伝送部とを具備して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
アナログ映像信号からデジタル処理をする画像伝送装置において、デジタル画像データを共通的なバス構成とすることで複数のアプリケーションに効率良く、リアルタイムに供給可能な画像伝送装置及び画像伝送システムに関する。
【背景技術】
近年、IP(Internet Protocol)に代表されるデジタルネットワークの急速な普及、高速化により、映像コンテンツ配信、監視システムなど映像伝送の需要が高まりつつある。同時に映像の利用範囲も単なる伝送することに加え、高度なプロセッサを用いた画像処理を行い、侵入者検知など応用システムが増えてきている。これらを実現する装置も従来の高価な専用装置から小型の卓上装置、PC実装タイプのアドインボードなど用途により広がりを見せている。今後は、複数の画像入力に対する、画像認識、画像圧縮、画像蓄積などのデータ処理を行うアプリケーションが融合して高付加価値なシステムが出現するものと予想される。
図9は従来の画像伝送方式を示す図である。図9に示すように、カメラ2は撮像画像を、例えば、NTSC信号により出力する。ビデオデコーダ4は、NTSC信号から、所定の規格に従って、デジタルフレーム画像、例えば、REC601にアナログ/デジタル変換をする。画像圧縮・伝送部6は、REC601のデジタルフレーム画像を入力すると、所定の方式、例えば、MPEG方式により符号化する。画像圧縮・伝送部6は、符号化されたフレーム画像データをIPパケット化して、ネットワークを通して監視センタなどに伝送する。監視センタは、IPパケットを受信すると、復号化して、画面などに画像を表示する。このように、通常、デジタル映像データは、ビデオデコーダ4の出力と画像圧縮・伝送部6などのデータ処理部間で1対1接続される場合が殆どである。
しかしながら、従来の画像伝送方式は、ビデオデコーダ4とデータ処理部6間で1対1接続されるため、複数のカメラで撮像した複数の映像入力が発生した場合には、1装置にビデオデコーダ及びデータ処理部を複数個実装しなければならない。そのため、回路規模が大きくなり、装置として無駄が多く高コストとなる。
また、単一の映像データに対して、複数の画像処理をするには、画像処理部を1つのデバイスでは構成できないことから、複数の画像処理部を設け、それぞれに映像データを入力する必要がある。そのため、回路規模が大きくなり、装置として無駄が多く高コストとなる。
また、複数のカメラで撮像した複数の映像に対して、複数のデータ処理部間で連携してデータ処理を行うとき、例えば、侵入者検知などの画像認識を画像毎に設けられた複数の画像認識部により行う必要があること、画像認識の結果、例えば、画像に侵入者が検知された場合には、複数の画像から侵入者検出画像の選択及び侵入者検知を示す文字メッセージの付加などを行う画像合成部が必要となる。そのため、装置構成が複雑になるという問題点があった。
更に、複数のカメラで撮像した複数の映像を1画像に合成して伝送する場合には、通常のカメラでは、映像画像フレームは非同期で転送されることから同期を取る必要がある。そのため、外部に設けたタイムベースコレクタにより非同期で転送された複数の画像フレームの同期を取ること、ゲンロックカメラにより出力画像フレーム自体の同期を取る必要があり、コストがかかるという問題点があった。
先行技術文献としては、以下のものがあった。
特許文献1は、アナログ映像信号を時分割多重して送出する手段を備えた複数のビデオカメラとマスタ制御装置とを一本のバスラインで接続して、マスタ制御装置で時分割多重信号を復調して映像表示することを開示している。
特許文献2は、ボード上にローカルバスを設け、インタフェース手段を介してローカルバスとPCとを接続することにより、表示用メモリや、圧縮伸長手段などを容易に拡張できるマルチメディアシステムを提供することを開示している。
特許文献3は、アナログの動画を入力する1台の画像入力装置、ビデオデコーダ、デジタル化された動画像を圧縮動画像に変換する動画圧縮部、圧縮動画像を主記憶に転送する動画入力インタフェース部などを開示している。
【特許文献1】 特開平6−6798号公報
【特許文献2】 特開平5−2442232号公報
【特許文献3】 国際公開WO97/23093号公報
しかしながら、特許文献1では、アナログ映像を時分割多重する手段をカメラに備えていることからゲンロックカメラと同様にカメラが高価になること、カメラに備えられた時分割多重する手段は、特許文献1の図4に示すように、多重化されるデジタル映像データの個数及びその収容順が固定されていることから、デジタル映像データの数、即ち、カメラの台数を可変にしてディスプレイに表示することができない。また、マスタ制御装置には1台のモニタが接続されているのみであり、アナログ映像信号を複数台のモニタに表示する、例えば、単一のアナログ映像信号を複数台のモニタに表示することはできない。更に、複数の画像処理部に関する構成を開示していないために、例えば、画像認識部の認識結果に基づいて他の画像処理部、例えば、画像圧縮部が画像処理をすることができない。
特許文献2では、複数台のカメラで撮像した映像信号を多重化することに関する技術を開示していないことから、複数台のカメラで撮像した映像信号を同時にディスプレイに表示することはできない。また、単一のアナログ映像信号を複数台のモニタに表示することはできない。更に、複数の画像処理部に関する構成を開示していないために、例えば、画像認識部の認識結果に基づいて他の画像処理部、例えば、画像圧縮部が画像処理をすることができない。
特許文献3は、従来技術で最初に説明したものと同等のものであるため、上述した課題を解決することはできない。
【発明の開示】
本発明の目的は、複数のフレーム画像を1個のデータ処理部により処理することができ、低コスト化・軽量化を図ることのできる画像伝送装置を提供することである。
本発明の側面によれば、画像伝送装置であって、ビデオカメラにより撮像された所定時間内に1フレームのデジタルフレーム画像及び当該デジタルフレーム画像に同期した同期信号が入力される複数の入力端子と、前記複数の入力端子に対応して設けられた複数の第1フレームバッファと、所定時間内に前記複数の入力端子のそれぞれ入力された前記デジタルフレーム画像を該デジタルフレーム画像に同期した同期信号に基づいて対応する前記第1フレームバッファに書き込みをする書き込み制御部と、読み出しクロックを生成する読み出しクロック生成部と、前記読み出しクロック生成部が生成した読み出しクロックに基づいて、前記複数の第1フレームバッファを順次イネーブルにして、前記複数の第1フレームバッファに書き込まれた前記複数のデジタルフレーム画像を前記所定時間内に読み出し、1フレームに多重化して、多重化データ及び当該多重化データに収容される各デジタルフレーム画像の収容位置を示す多重情報を出力する読み出し制御部と、前記多重情報が示す前記多重化データに収容されたデジタルフレーム画像を符号化する画像圧縮部と、前記画像圧縮部が符号化したデジタルフレーム画像を伝送する画像伝送部とを具備したことを特徴とする画像伝送装置が提供される。
好ましくは、第2フレームバッファと、前記多重化データに収容される各デジタルフレーム画像を前記多重情報に基づいて前記第2フレームバッファに書き込み、前記多重化データに収容される前記デジタルフレーム画像の個数に基づき、当該第2フレームバッファに書き込まれた前記各デジタルフレーム画像を横及び縦方向に間引きして、複数のデジタルフレーム画像を1フレームの合成フレーム画像に合成する画像合成部とを更に具備し、前記画像圧縮部は前記画像合成部により作成された前記合成画像データを符号化する。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の原理図;
図2は本発明の実施形態による画像伝送システムの構成図;
図3は図2中のフレームバッファの構成図;
図4は図2中のバス制御部の構成図;
図5は図2中のデータ処理部の構成図;
図6は画像フレームの書き込みのタイムチャート;
図7は画像フレームの読み出しのタイムチャート;
図8は図2の動作説明図;
図9は従来の画像伝送装置の構成図である;
発明を実施するための最良の態様
本発明の実施形態の説明をする前に本発明の原理の説明をする。図1は本発明の原理図である。図1に示すように、画像伝送装置は、複数の第1フレームバッファ50#i(i=1,…,n)、書き込み制御部52、読み出しクロック生成部54、読み出し制御部56、第2フレームバッファ58、画像合成部60、画像圧縮部62及び画像伝送部64を有する。各入力端子48#i(i=1,…,n)には、ビデオカメラにより撮像された、所定時間内に1フレームのデジタルフレーム画像が入力される。書き込み制御部52は、各入力端子48#i(i=1,…,n)に入力されるデジタルフレーム画像を第1フレームバッファ50#i(i=1,…,n)に書き込む。
読み出しクロック生成部54は、読み出しクロックを生成する。読み出し制御部56は、読み出しクロック生成部54が生成した読み出しクロックに基づいて、複数の第1フレームバッファ50#i(i=1,…,n)を順次イネーブルにして、各第1フレームバッファ50#i(i=1,…,n)に書き込まれた入力デジタルフレーム画像を所定時間内に読み出してデジタルフレーム画像を1フレームに多重化して、多重化データ及び当該多重化データに収容されるフレーム画像の収容位置を示す多重情報を出力する。
画像合成部60は、多重化データに収容される各デジタルフレーム画像を多重情報に基づいて前記第2フレームバッファ58に書き込み、多重化データに収容されるデジタルフレーム画像の数に基づいて、当該第2フレームバッファ58に書き込まれた各デジタルフレーム画像を横及び縦方向に間引きして、所定時間内に含まれるデジタル画像データ数をビデオカメラにより撮像した1フレーム画像データ数に合わせて、合成画像データを作成する。画像圧縮部62は、画像合成部60により合成された合成画像データを符号化する。画像伝送部64は、符号化部が符号化した画像データを伝送する。このように複数のフレーム画像を多重化して、画像合成部60などのデータ処理部に渡すので、フレーム画像毎にデータ処理部を設ける必要がなくなる。
図2は本発明の実施形態による画像伝送システムの構成図である。図2に示すように、画像伝送システムは、複数台のカメラ100#i(i=1,2,3)、複数台のビデオデコーダ102#i(i=1,2,3)、画像バス104及びデータ処理部106を具備する。複数台、例えば、3台のカメラ100#i(i=1,2,3)は、ビル内などに配置されて、一定時間間隔、例えば、1/30秒毎に撮像した所定形式のアナログ画像信号、例えば、NTSC信号を出力する。複数のビデオコーダ102#i(i=1,2,3)は、カメラ100#i(i=1,2,3)毎に設けられ、NTSC信号を所定規格のデジタルフレーム画像、例えば、REC601にアナログ信号をデジタル信号に変換する。ここで、カメラ100#iからは非同期にNTSC信号が出力されるため、ビデオデコーダ102#iはREC601を非同期に出力する。REC601には、フレーム画像信号に加えて、各ラインの最後を示す水平同期信号、フレーム画像の最後を示す垂直同期信号及びフレーム画像信号の各ビットを示すクロックが含まれる。
画像バス104は、複数の入力端子148#i,149#i(i=1,2,3)、複数のフレームバッファ150#i(i=1,2,3)及びバス制御部154を有する。入力端子148#i,149#i(i=1,2,3)はビデオデコーダ102#i(i=1,2,3)の出力に接続される。フレームバッファ150#i(i=1,2,3)は、入力端子148#i(i=1,2,3)に入力データ線により接続される。バス制御部154は、入力端子149#i(i=1,2,3)に入力制御線により接続される。フレームバッファ150#i(i=1,2,3)は、バス制御部154に書き込み制御線及び読み出し制御線により接続される。フレームバッファ150#i(i=1,2,3)及び文字ジェネレータ152の出力は、1本の出力データ線に接続されている。出力データ線は、データ処理部106に接続されている。文字ジェネレータ152は、バス制御部154に書き込み制御線により接続されている。バス制御部154の出力制御線は、データ処理部106に接続されている。
図3は図2中のフレームバッファ150#iの構成図である。図3に示すように、フレームバッファ150#iは、フレーム画像を少なくとも2枚含むことのできるサイズのメモリ領域を有するデュアルポートメモリである。画像フレームデータの読み出しと書き込みが同時に行うことができるためである。フレームバッファ150#iは、書き込み制御線より、書き込みアドレスWaddi及び書き込みクロックWCLKi、並びに入力データ線より書き込み画像データVi_Dataが入力されると、書き込みクロックWCLKiに同期して、書き込みアドレスWaddiの領域に書き込み画像データVi_Dataが書き込まれる。また、読み出し制御線より、読み出しアドレスRadd、読み出しイネーブル信号EN_Bi及び読み出しクロックRCLKが入力されると、読み出しイネーブル信号EN_Biが有効になると、読み出しクロックRCLKに同期して、読み出しアドレスRaddの領域より読み出し画像データV_Dataが出力される。
文字ジェネレータ152は、読み出し制御線より入力された読み出しイネーブル信号EN_CGが有効になると、読み出しクロックRCLKに同期して、読み出しアドレスRaddに該当する文字画像データを出力することにより、画像フレーム上の所定の位置に特定の文字、例えば、「侵入者検出」の文字を含む文字画像フレームデータV_Dataを出力する。尚、文字ジェネレータ152の代わりに、文字画像データを予めフレームバッファに格納しておき、それを読み出すようにしても良い。この場合、フレームバッファは読み出し専用であることから1フレームバッファで良い。
図4はバス制御部152の構成図である。図4に示すように、バス制御部154は、書き込みアドレス生成部200、可変クロック生成部202及び読み出し制御部204を有する。書き込みアドレス生成部200は、入力端子149#i(i=1,2,3)に接続される入力制御線より、クロックWCLKi、水平同期信号Vi_HS及び垂直同期信号Vi_VSを入力して、水平同期信号Vi_HSが示すパルスまでを1ライン、垂直同期信号Vi_VSが示すパルスを1フレームのフレーム画像の最後として、クロックWCLKiに従ってカウントアップし、書き込みアドレスWaddiを出力する。フレームバッファ150#iの最後まで書き込みが行われると、先頭から書き込まれるよう書き込みアドレスWaddiを生成する。
可変クロック生成部202は、次の機能を有する。(1)入力されるフレーム画像の個数を、例えば、活きているクロックWCLKiの個数、即ち、レベル変化をしているクロックWCLKiの個数を検出する。画像バス104は、ビデオデコーダ102#i(i=1,2,3)と接続するための入力端子148#i,149#i(i=1,2,3)を、例えば、最大3個持っているが、運用によってはその全てが使用されるとは限らないことから、ビデオデコーダ102#i(i=1,2,3)が接続されている入力端子より入力されたフレーム画像のみ多重化することにより、例えば、読み出しクロックRCLKの周波数を最小限にして消費電力の低減化を図るためである。(2)検出されたフレーム画像の個数nより活きているクロックの1つ、例えば、クロックWCLK1のクロック周波数の(n+1)倍の周波数の読み出しクロックRCLKを生成する。
読み出し制御部204は、読み出しアドレス生成部210、イネーブル信号生成部212及び多重情報生成部214を有する。読み出しアドレス生成部210は、後述するイネーブル信号EN_Bi(i=1,2,3),EN_CGが有効になっている期間について、クロックRCLKに従ってカウントアップし、1フレームのフレーム画像を読み出すための読み出しアドレスRaddを生成する。読み出しアドレスRaddがフレームバッファ150#iの最終アドレスに一致すると、フレームバッファ150#iの先頭から読み出すように読み出しアドレスRaddを生成する。このとき、読み出しクロックRCLKの周波数が書き込みクロックWCLKiの4倍の周波数であることから、フレーム画像が書き込み速度の4倍の速度で読み出される。
イネーブル信号生成部212は、順次、活きているクロックWCLKiに対応するフレームバッファ150#iについて、読み出しクロックRCLKをカウントして、1フレーム画像分の読み出し時間(REC601による1フレームの時間/(n+1))だけ読み出しイネーブル信号EN_Bi(i=1,2,3)を有効にする。その後、1フレーム画像分の読み出し時間だけイネーブル信号EN_CGを有効にする。これにより、REC601による1フレームの時間、即ち、1/30秒に、活きているクロックWCLKiの個数分のフレーム画像データ及び文字フレーム画像データV_Dataが多重化される。このとき、各フレーム画像や文字フレーム画像はイネーブル信号EN_Bi,EN_CGが有効になっている期間に先頭から最後まで順次読み出されることから、多重化データV_Dataに収容されるフレーム画像や文字フレーム画像は同期が取られている。これを繰り返す。多重情報生成部214は、読み出しクロックRCLK、多重化された各フレーム画像の先頭位置及び各フレーム画像について各ラインの最後の位置を示す情報を多重情報MUXINFとして生成する。
図6は図2中のデータ処理部106の構成図である。データ処理部106は複数の入力端子158#i(i=1,2),159#i(i=1,2)に接続される複数の画像処理部、例えば、画像圧縮・伝送部160及び画像認識部162を有する。入力端子158#i(i=1,2)には、多重化データV_Dataを入力するものである。入力端子159#i(i=1,2)は多重情報MUXINFを入力するためのものである。画像処理部は、1つ又は複数のモニタに表示するためのモニタ制御部、圧縮された符号化画像データを蓄積する画像蓄積部等の他のものであっても良い。
画像圧縮・伝送部160は、フレームバッファ250、画像合成部252、画像圧縮部254及び画像伝送部256を有する。フレームバッファ250は、多重化データV_Dataを格納するデュアルポートメモリであり、少なくとも2フレーム分の格納エリアを有する。
画像合成部252は、以下の機能を有する。(1)多重情報MIXINFを元に、多重化データV_Dataに収容される各フレーム画像の各ライン毎に画像データをフレームバッファ250に書き込む。(2)画像認識部162より画像認識結果、例えば、侵入者が検出された旨がその侵入者を含む画像フレームの番号と共に通知された場合には、侵入者を含むフレーム画像と文字画像フレームとを合成する。合成とは、文字画像フレーム中の文字部分のみを侵入者を含むフレーム画像に上書きすることをいう。(3)画像認識部162より、例えば、侵入者検出がされていない場合には、全フレーム画像が1枚のフレームに収まるように合成する。このとき、入力されるフレーム画像の数が可変であることより、多重化データに収容されているフレーム数より、複数のフレーム画像がディスプレイに表示される形態、即ち、何分割された画面に表示されるかを求め、フレームバッアァ250に格納された画像フレームを間引きする割合、例えば、3枚のフレーム画像が多重化されているときは、画面を上下・左右に4分割して、各分割された画面に該当フレーム画像を表示するので、各画像フレームを横及び縦方向に1/2に間引くことにより合成フレーム画像を生成する。
画像圧縮部254は、画像合成部252により合成されたフレーム画像をMPEG方式などにより符号化して、画像圧縮する。画像伝送部256は、画像圧縮部254により圧縮された画像をIPパケット化して、インターネットを介して接続される監視センタなどに伝送する。
画像認識部162は、フレーム画像よりエッジ抽出、フレーム間差分、パターンマッチングなどの処理を行い、意図する画像を認識するものであり、例えば、フレームバッファ300及び侵入者検出部302を有する。フレームバッファ300はフレームバッファ250と実質的に同一である。侵入者検出部302は、監視用画像認識を行うものであり、フレームバッファ300に格納された各画像フレームについて、複数(本例では3台)のカメラ画像を随時監視して、侵入者を検出する。侵入者が検出されると、その旨と共に侵入者を含む多重化データV_Dataに収容されている順番を出力する。
図6は図2の動作説明図である。ビルなどに設置された3台のカメラ100#i(i=1,2,3)はアナログ画像フレームをNTSC信号により出力する。ビデオデコーダ102#i(i=1,2,3)はNTSC信号をREC601に変換して、フレーム画像データVi_Data、クロック信号WCLKi、水平同期信号Vi_HS及び垂直同期信号Vi_VSを出力する。
図7はフレーム画像データの書き込みタイムチャートである。バス制御部154は、各ビデオデコーダ102#i(i=1,2,3)より出力され、入力端子148#i(i=1,2,3)より入力されるフレーム画像データVi_Dataを入力端子149#i(i=1,2,3)より入力されるクロック信号WCLKi、水平同期信号Vi_HS及び垂直同期信号Vi_VSに同期して、書き込みアドレスWaddiを生成して、フレームバッファ150#i(i=1,2,3)に書き込む。
図8はフレーム画像データの読み出しのタイムチャートである。バス制御部154は、ビデオデコーダ152#i(i=1,2,3)に接続される入力端子149#i(i=1,2,3)より入力されるクロックWCLKi(i=1,2,3)などより入力画像の個数を求める。ここでは、3個であることが求められる。入力されるクロックの1つ、例えば、クロックWCLK1から4倍のクロック周波数の読み出しクロックRCLKを生成する。読み出しクロックRCLKに同期して、1フレーム時間(1/30秒)を4分割した各時間において有効となるように読み出しイネーブル信号EN_Bi(i=1,2,3),EN_CG及び読み出しアドレスRaddを順次生成する。
例えば、フレームバッファ150#1,150#2,150#3、文字ジェネレータ152の順に読み出し信号イネーブル信号EN_Bi(i=1,2,3),EN_CGを生成する。読み出しアドレスRaddについては、フレームバッファ150#1,150#2,150#3及び文字ジェネレータ152毎に生成されるが、各読み出しイネーブルブル信号EN_Bi(i=1,2,3)が有効である期間において、読み出しアドレスRaddはフレーム画像の最初から最後までの該当アドレスであり、互いに順次同じアドレスとなる。また、読み出しイネーブル信号EN_CGは有効である期間において、文字画像フレームの最初から最後までの該当アドレスである。
フレームバッファ150#iは、読み出しイネーブル信号EN_Biが有効になると、読み出しアドレスRaddに該当する領域から画像データDataiを読み出す。文字ジェネレータ152は、読み出しイネーブル信号EN_CGが有効になると、読み出しアドレスRaddに該当する文字データCGを生成する。これにより、フレームバッファ150#i(i=1,2,3),文字ジェネレータ152より出力される4個のフレーム画像Datai(i=1,2,3)及びCGが、図8に示すように多重化データV_Dataaに多重化されるとともに、読み出しアドレスRaddが、読み出しイネーブル信号EN_Bi(i=1,2,3),EN_CGの各有効期間において、フレームの先頭アドレスから最終アドレスまでであることから、多重化された画像フレームの同期が取れる。
バス制御部154は、多重化データV_Dataに多重化されている画像フレームDatai(i=1,2,3)及びCGの先頭及び各ラインの終了を示す多重情報MUXINFを読み出しクロックRCLKと共にデータ処理部106に出力する。画像認識部162は、多重化データV_Dataの各フレーム画像Datai(i=1,2,3)を多重情報MUXINFに従って入力し、各フレーム画像について、前後のフレーム画像の差分演算を行うことにより侵入者を検出する。侵入者が検出されると、多重化データV_Dataに収容されている侵入者検出画像の収容番号をその旨と共に出力する。例えば、図6に示すように、カメラ100#2により撮像された画像フレームに侵入者が検出されたとすると、カメラ100#2(収容番号2)に侵入者検出された旨を画像圧縮・伝送部160に出力する。
画像圧縮・伝送部160は、画像認識部162より侵入者検出通知がされていない場合は、各フレーム画像が多重化データV_Dataの画像フレーム数で画面分割された該当画面に表示されることから、多重情報MUXINFに従って多重化データV_Dataに収容された各フレーム画像を間引きして、1フレーム画像としてから、MPEG方式などにより符号化して画像圧縮する。例えば、図6に示すように、3台のカメラ100#1,100#2,100#3により撮像された各フレーム画像は、4分割された該当画面に表示されるので、各画像フレームの横・縦方向に1/2に間引きされる。また、画像認識部162により侵入者検出が通知されると、多重化データV_Dataに収容されている侵入者検出フレーム画像及び文字フレーム画像を1フレーム画像に合成してから、MPEG方式などにより符号化して画像圧縮する。
そして、画像圧縮・伝送部160は、画像圧縮された画像データをIPパケット化して、インターネットなどを介して図示しない監視センタなどに送出する。IPパケットは監視センタなどで受信されて復号化され、図6に示すように、画面に表示される。侵入者が検出されていない場合は、3フレーム画像が画面に表示される。例えば、カメラ100#i(i=1,2,3)より撮像されたフレーム画像は、図6に示すように、(i)(i=1,2,3)に示す画像領域に表示される。侵入者が検出された場合は、図6に示すように、カメラ100#2により撮像された侵入者検出フレーム画像が“侵入者検出”の文字と共に画面に表示される。
以上説明した実施形態によれば、画像バスにより複数フレーム画像の同期を取り多重化するので、一つのデータ処理部のデバイスにて複数の映像を処理可能となり、画像の合成を行うことができ、軽量・低コストが実現できる。データ処理部内にて、画像認識結果を元に同一の画像を加工することにより軽量・低コストな構成により高付加価値な複合型画像伝送装置を提供できる。
また、本実施形態では複数カメラが撮像したフレーム画像を多重化する場合を例に説明したが1台のカメラが撮像した単一のアナログ画像信号に対しても、図2の構成を何ら変更することなく実現できるので、一つのデータ処理部のデバイスにて複数のアプリケーションを処理可能、例えば、複数の画像処理部を複数のモニタへ表示制御を行う画像表示制御部とし、画像表示制御部の出力端子にモニタを接続することにより、複数のモニタに単一の映像を表示することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
以上説明したように、本発明によれば、画像バスにより複数フレーム画像の同期を取り多重化するので、一つのデータ処理部のデバイスにて複数の映像を処理可能となり、画像の合成を行うことができ、軽量・低コストが実現できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像伝送装置であって、
所定時間内に1フレームのデジタルフレーム画像及び当該デジタルフレーム画像に同期した同期信号が入力される複数の入力端子と、
前記複数の入力端子に対応して設けられた複数の第1フレームバッファと、
前記複数の入力端子のそれぞれ入力された前記デジタルフレーム画像を該デジタルフレーム画像に同期した前記同期信号に基づいて対応する前記第1フレームバッファに書き込みをする書き込み制御部と、
読み出しクロックを生成する読み出しクロック生成部と、
前記読み出しクロック生成部が生成した読み出しクロックに基づいて、前記複数の第1フレームバッファを順次イネーブルにして、前記複数の第1フレームバッファに書き込まれた前記複数のデジタルフレーム画像を前記所定時間内に読み出して1フレームに多重化し、多重化データ及び当該多重化データに収容される各デジタルフレーム画像の収容位置を示す多重情報を出力する読み出し制御部と、
前記多重情報が示す前記多重化データに収容されたデジタルフレーム画像を符号化する画像圧縮部と、
前記画像圧縮部が符号化したデジタルフレーム画像を伝送する画像伝送部と、
を具備したことを特徴とする画像伝送装置。
【請求項2】
第2フレームバッファと、前記多重化データに収容される各デジタルフレーム画像を前記多重情報に基づいて前記第2フレームバッファに書き込み、前記多重化データに収容される前記デジタルフレーム画像の個数に基づき、当該第2フレームバッファに書き込まれた前記各デジタルフレーム画像を横及び縦方向に間引きして、複数のデジタルフレーム画像を1フレームの合成画像データに合成する画像合成部とを更に具備し、前記画像圧縮部は前記画像合成部により作成された前記合成画像データを符号化することを特徴とする請求項1記載の画像伝送装置。
【請求項3】
前記読み出し制御部の制御に従って、所定の文字を含む文字画像フレームを生成する文字ジェネレータを更に具備し、前記読み出し制御部は前記多重化データに前記所定時間内に前記文字画像フレームが多重化されるよう前記文字ジェネレータを制御することを特徴とする請求項2記載の画像伝送装置。
【請求項4】
前記読み出しクロック生成部は、前記複数の入力端子の中で前記デジタルフレーム画像が入力されている入力端子の個数に基づき、前記読み出しクロックの周波数を決定してから、前記読み出しクロックを生成し、前記読み出し制御部は前記デジタルフレーム画像が書き込まれる前記第1フレームバッファのみをイネーブルにすることを特徴とする請求項1記載の画像伝送装置。
【請求項5】
前記多重情報に基づき、前記多重化データに含まれる各デジタルフレーム画像から侵入者を検出し、侵入者が検出された場合、前記画像合成部に侵入者が検出された旨及び該侵入者が検出された前記多重化データに収容されるデジタルフレーム画像を示す情報を通知する画像認識部を更に具備したことを特徴とする請求項3記載の画像伝送装置。
【請求項6】
前記画像合成部は、前記画像認識部より侵入者が検出された旨の通知を受けていないとき、前記第2フレームバッファに格納された前記文字画像データを除くフレーム画像データを合成し、前記画像認識部より侵入者が検出された旨の通知を受けたとき、前記第2フレームバッファに格納されている、当該侵入者が検出されたデジタルフレーム画像及び文字フレーム画像を合成することを特徴とする請求項5記載の画像伝送装置。
【請求項7】
前記読み出しクロック生成部は前記入力デジタルフレーム画像とともに入力される一つの書き込みクロックを元に前記読み出しクロックを生成することを特徴とする請求項4記載の画像伝送装置。
【請求項8】
それぞれが前記多重化データ及び前記多重情報が入力される信号線に接続された複数の第2入力端子と、前記各第2入力端子に接続され、該第2入力端子に入力された前記多重情報に基づいて、前記多重化データに収容される各デジタルフレーム画像に対して画像処理を行う複数の画像処理部とを具備したことを特徴とする請求項1記載の画像伝送装置。
【請求項9】
画像伝送システムであって、
アナログフレーム画像を出力する複数のビデオカメラと、
前記アナログフレーム画像を所定時間内に1フレームのデジタルフレーム画像及び当該デジタルフレーム画像に同期した同期信号を出力する複数のビデオデコーダと、
前記複数のビデオデコーダの出力に接続され、前記デジタルフレーム画像及び同期信号が入力される複数の入力端子と、
前記複数の入力端子に対応して設けられた複数の第1フレームバッファと、
所定時間内に前記複数の入力端子のそれぞれ入力された前記デジタルフレーム画像を該デジタルフレーム画像に同期した同期信号に基づいて対応する前記第1フレームバッファに書き込みをする書き込み制御部と、
読み出しクロックを生成する読み出しクロック生成部と、
前記読み出しクロック生成部が生成した読み出しクロックに基づいて、前記複数の第1フレームバッファを順次イネーブルにして、前記複数の第1フレームバッファに書き込まれた前記複数のデジタルフレーム画像を前記所定時間内に読み出し、1フレームに多重化して、多重化データ及び当該多重化データに収容される各デジタルフレーム画像の収容位置を示す多重情報を出力する読み出し制御部と、
前記多重情報が示す前記多重化データに収容されたデジタルフレーム画像を符号化する画像圧縮部と、
前記画像圧縮部が符号化したデジタルフレーム画像を伝送する画像伝送部と、
を具備したことを特徴とする画像伝送システム。

【国際公開番号】WO2005/027518
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【発行日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508922(P2005−508922)
【国際出願番号】PCT/JP2003/011664
【国際出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】