説明

画像入出力装置

【課題】 新聞の記事のような任意の形状の画像をコピーする場合に、その形状に応じて最適なコピーをとることができる画像入出力装置を提供することである。
【解決手段】 入力された画像データの中から所定の濃度範囲の画像領域をを領域指定マークとして検出する領域指定マーク検出手段と、この領域指定マーク検出手段によって検出した領域指定マークに基づいてユーザーが指定した画像領域を検出する画像領域検出手段と、この画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域のみを出力する出力手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像入出力装置に関し、詳しくは、原稿上の画像を読み取る画像入力部や、入力された画像を転写紙に画像形成する画像出力部を有する画像入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を転写紙に画像形成することができる複写機等の画像入出力装置が提供されている。
【0003】また、最近では原稿から読み取った画像をデジタルデータとして記憶し、このデジタルデータの画像データに対して様々な画像処理を施すことを可能としたデジタル複写機が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の画像入出力装置には、以下のような問題点があった。なお、ここでは、画像入出力装置の一例である複写機によって新聞記事をコピーする場合を例にして説明する。
【0005】従来の複写機では、原稿読取台上に原稿を置いて画像を読み取る際に、複写機の所定の位置に正確に置かなければならない。ところが、新聞の記事の段組は不定形(多角形)のものが多く、また、複写機の原稿読取台のどの部分が実際にコピーされるのか、ユーザーには分かりにくい。このため、ユーザーが望むコピー結果が得られにくいという問題があった。
【0006】また、従来の複写機では、原稿読取台の原稿読取範囲に入っている画像をすべて読み取って転写紙にコピーするため、コピーしたい記事以外の余分な画像までコピーされてしまうという問題があった。これは、新聞の記事の段組は不定形(多角形)のものが多いにもかかわらず、コピーされる範囲が転写紙に合わせて長方形に限定されているからである。
【0007】また、従来の複写機では、新聞のように地肌の濃度が濃い原稿の画像をコピーしようとすると、地肌がかぶってしまい、所望のコピー濃度でコピーされないという問題があった。
【0008】また、従来の複写機では、原稿のコピーしたい画像の大きさよりも転写紙の大きさが小さい場合、ユーザーが適当な変倍率を選び縮小してコピーすることになるが、所望の大きさにコピーされるようにするには何度か試しどりをしてみないとなかなかうまくできず、手間がかかってしまうという問題があった。また、逆に、原稿のコピーしたい画像の大きさよりも転写紙の大きさが大きい場合では、不要な情報が多くコピーされ、見にくい画像となってしまうという問題もある。
【0009】さらに、従来の複写機では、複写機の原稿読み取り可能範囲よりも大きい画像をコピーしようとした場合、画像の一部すなわち原稿読み取り可能範囲からはみ出した部分が転写紙にコピーされないという問題もあった。
【0010】本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、新聞の記事のような任意の形状の画像をコピーする場合に、その形状に応じて最適なコピーをとることができる画像入出力装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために、入力された画像データの中から所定の濃度範囲の画像領域をを領域指定マークとして検出する領域指定マーク検出手段と、この領域指定マーク検出手段によって検出した領域指定マークに基づいてユーザーが指定した画像領域を検出する画像領域検出手段と、この画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域のみを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】本実施の形態では画像入出力装置の例として電子写真方式の複写機を挙げて説明する。
【0014】図1は、本発明による複写機の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0015】図1に示すように、本実施の形態の複写機1は、全体の動作を制御するCPU2と、ユーザーの操作を入力する操作部3と、ユーザーに対して情報表示を行う表示部4と、複写機1の動作に必要なプログラムやパラメータ等が格納されたROM5と、原稿の画像を画像データとして読み取るスキャナ部6と、画像データを格納する画像メモリ7と、輝度値の画像データを濃度値の画像データに変換する輝度濃度変換処理部8と、画像データに対してそれぞれの画像処理を施す変倍処理部9、空間フィルタ処理部10およびガンマカーブ処理部11と、画像データに基づいて画像形成する際の露光時間を決定するPWM変換処理部12と、PWM変換処理部12の出力に基づいて転写紙に画像形成を行うプリンタ部13と、画像メモリの画像データから後述の領域指定マークを検出する領域指定マーク検出処理部14と、領域指定マーク検出処理部14で検出した領域指定マークの位置に基づいて、画像メモリの画像データから必要な画像領域を検出する画像領域検出処理部15とを有して構成される。
【0016】図2は、本実施の形態で用いる領域指定マークの一例を示す図である。
【0017】図2に示す領域指定マーク20は、10mm×10mmの正方形のシールであり、中央に矢印のマーク22が描かれている。領域指定マーク20の地肌21の濃度はD=0.05であり、矢印のマーク22の濃度はD=1.5である。
【0018】本実施の形態では、原稿に領域指定マーク20を貼り付けて読み取りたい画像の領域を指定し、複写機1では、領域指定マーク20を貼り付けた原稿の画像をスキャナ部6で読み取る。
【0019】領域指定マーク20の形状、濃度は、極力ユニークな(画像を読み取る原稿である新聞等に類似した画像のある可能性が低い)ものとすることが望ましい。
【0020】たとえば、濃度に関しては、新聞が原稿の場合では、地肌および印字部分を含めて、最低〜最高濃度はおよそD=0.2〜1.1程度である。従って、領域指定マーク20で使用する濃度は、これ以外の領域、たとえば地肌の濃度はD=0.05程度、マークの濃度はD=1.5程度のものを用いるのが望ましい。
【0021】また、原稿が新聞以外の印刷物の場合では、新聞の場合よりも多少広い濃度範囲となり、たとえばD=0.1〜1.7程度の範囲となる。この場合、領域指定マーク20の地肌の濃度をD=0.05程度、マークの濃度をD=1.5程度としたとしても、領域指定マーク20の濃度が原稿中の画像の濃度に含まれてしまい、複写機1が読み取った画像データから領域指定マーク20を検出する際に、濃度の違いのみによって検出するのは困難なことがある。このような場合には、領域指定マーク20のマークの形状によって、パターンマッチングを行って領域指定マーク20を検出するようにしてもよい。また、領域指定マークとして濃度の異なる複数種類のものを用意しておき、原稿に応じて適したものを選択して用いるようにしてもよい。
【0022】図3は、図1に示した複写機1で読み取る画像が描かれた原稿の一例を示す図である。
【0023】原稿30には、ユーザーが読み取りたい画像である画像31と、ユーザーが不要な画像である画像32や画像33とが印刷されている。
【0024】本実施の形態のように原稿30に複数の画像が印刷されており、その中の画像31だけを複写機1でコピーしたい場合、ユーザーは、そのコピーしたい画像31を囲む領域の角に、図2に示した領域指定マーク20を貼り付ける。図3において、20a、20b、20c、20d、20eおよび20fは、図2に示した領域指定マークである。
【0025】領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fの貼り付けが完了したならば、ユーザーは、その原稿31を複写機1のスキャナ部6に設けられた原稿読取台にセットし、操作部3に設けられたコピー開始ボタンを押す。このとき、ユーザは、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fに囲まれた領域が原稿読取台の原稿読取範囲内に収まるよう原稿31をセットする。
【0026】コピー開始ボタンを押された複写機1では、スキャナ部6によって原稿31の画像を読み取る。スキャナ部6によって読み取られた画像データは、画像メモリ7に格納される。
【0027】次に、複写機1の領域指定マーク検出処理部14では、画像メモリ7に格納された画像データの中から領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fの位置検出を行う。
【0028】この検出は読み取った画像データ全体を対象にして行ってもよいが、たとえばA4サイズ、解像度600dpi、256階調の条件で読み取った画像データは約32MByteもの膨大なものとなり、処理時間が非常にかかってしまう。そこで、本実施の形態では、下記のような処理を行い検出にかかる処理時間の短縮を図る。
【0029】まず、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fの地肌の濃度(ここではD=0.05)に近似した濃度の領域、たとえばD=0.0〜0.1の濃度領域に属する画像領域を抽出する(以下、「地肌抽出」という)。
【0030】次に、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fのマークの濃度(ここではD=1.5)に近似した濃度の領域、たとえばD=1.3〜1.7の濃度領域に属する画像領域を、先の地肌抽出によって抽出した画像領域の中から抽出する(以下、「マーク抽出」という)。なお、地肌抽出およびマーク抽出を行う順序は逆であってもよい。
【0031】このように、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fを検出する画像領域を濃度によって絞り込んでおくことによって、画像データ全体から領域指定マークを検出するよりも、はるかに少ない領域を対象として検出することができ、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0032】ところで、原稿31が新聞のように濃度分布が狭い原稿である場合には、上述の地肌抽出およびマーク抽出によって、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fの検出が完了する。この点について図4を参照して以下に説明する。
【0033】図4は、新聞に領域指定マークを貼り付けた画像を読み取って得られた画像データの濃度ヒストグラムを示す図である。図4において、横軸は画像データの各画素の濃度を示し、縦軸は当該濃度の画素の出現頻度を示す。
【0034】図4に示すように、原稿31が新聞のように濃度分布が狭い原稿である場合には、原稿の濃度と領域指定マークの濃度とがはっきりと分離しており、このため、上述の地肌抽出およびマーク抽出によって、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fを検出することができる。
【0035】なお、原稿31が新聞以外の印刷物のように濃度分布が狭い原稿でない場合には、上述の地肌抽出およびマーク抽出によって得られた複数の領域のうち、その領域の大きさが領域指定マークの大きさに近似する領域を選択することによって、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fを検出することができる。たとえば、領域指定マークの大きさが10mm×10mmの場合には、8mm×8mm〜12mm×12mmの大きさの領域が領域指定マークであるとすればよい。
【0036】また、複写機1がカラー画像を扱える装置である場合には、領域指定マークの色域に近似する色域の画像領域のみを選択するようにしてもよい。
【0037】さらに正確性を高めるためには、上述の方法で検出された領域に対して、たとえばROM5に予め保持した領域指定マークのマーク部分の形状に相当するパターンデータと比較(マッチング)して、最終的に領域指定マークの位置を検出、決定するようにしてもよい。ただし、このパターンマッチング処理は比較的処理時間がかかるので、主操作方向、副操作方向のそれぞれの濃度のヒストグラムを作成し、このヒストグラムデータのピークから領域指定マークの位置を検出するようにして、処理の高速化を図ってもよい。
【0038】また、それぞれの抽出工程で領域指定マークの候補の領域の数を計数し、予め定めた指定の数(画像領域を囲むことができる数、たとえば4点)以上である場合にのみ、更なる限定抽出処理(濃度による抽出→大きさによる抽出→パターンマッチングによる抽出→色域による抽出)を行うようにしてもよい。
【0039】なお、以上説明した処理は、画像メモリ7上の画像データをCPU2による制御によって実現してもよいし、別に専用のハードウェア(ゲートアレイ等)を設けて実現してもよい。
【0040】次に、図1に示した画像領域検出処理部15では、領域指定マーク検出処理部14によって検出された領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20fの位置に基づいて、ユーザーが領域指定マークで囲んで指定した画像領域の検出を行う。以下に、この処理について図3を参照して説明する。
【0041】ここでは、領域指定マーク検出処理部14によって、領域指定マーク20aの座標が(X1,Y1)、領域指定マーク20bの座標が(X2,Y2)、領域指定マーク20cの座標が(X3,Y3)、領域指定マーク20dの座標が(X4,Y4)、領域指定マーク20eの座標が(X5,Y5)、領域指定マーク20fの座標が(X6,Y6)と求まったとする。
【0042】画像領域検出処理部15では、まず、検出された領域指定マークの座標位置を互いに比較し、上下左右のそれぞれについて最も外側の2点を選択し、仮想直線を引く(以下「外側選択」という)。ここでは、最も上側の座標はY3とY5であり、この2点を結ぶ仮想直線L1を引き、最も下側の座標はY2とY6であり、この2点を結ぶ仮想直線L2を引き、最も左側の座標はX1とX2であり、この2点を結ぶ仮想直線L3を引き、最も右側の座標はX5とX6であり、この2点を結ぶ仮想直線L4を引く。
【0043】領域指定マーク検出処理部14によって検出された領域指定マークの数が4点である場合には、上記の処理でユーザーが指定した画像領域の検出が完了する。
【0044】領域指定マーク検出処理部14によって検出された領域指定マークの数が4点より多い場合には、上述の外側選択で選択されなかった領域指定マークまたは1本しか仮想直線が引かれていない領域指定マークから、1本しか仮想直線が引かれていない領域指定マークまたは1本も仮想直線が引かれていない領域指定マークのうち座標が近似している領域指定マークに対して仮想直線を引く(以下「内側選択」という)。図3に示した例では、領域指定マーク20dから領域指定マーク20aに対して仮想直線L5を引くとともに、領域指定マーク20dから領域指定マーク20cに対して仮想直線L6を引く。この処理を繰り返し、2本の仮想直線が引かれていない領域指定マークがなくなったならば、処理を完了する。
【0045】画像領域検出処理部15では、上記の外側選択および内側選択によって引かれた仮想直線で囲まれた領域を、ユーザーが領域指定マークで囲んで指定した画像領域であるとする。
【0046】なお、このユーザーが領域指定マークで囲んで指定した画像領域を検出する処理も、画像メモリ7上の画像データをCPU2による制御によって実現してもよいし、別に専用のハードウェア(ゲートアレイ等)を設けて実現してもよい。
【0047】次に、複写機1では、画像領域検出処理部15によって検出した領域に対し、変倍処理部9、空間フィルタ処理部10およびガンマカーブ処理部11において必要な画像処理を施した後、プリンタ部13によって転写紙に画像形成するが、このとき、領域指定マーク20a、20b、20c、20d、20eおよび20f自身が転写紙に画像形成されないようにするため、一定の余白マージン(領域指定マークから内側に一定の距離の領域)を取って画像形成するように制御することが望ましい。
【0048】また、確定した領域内の画像を画像形成する際には、適切な濃度で画像形成するような階調変換処理を加えると、さらに見やすい画像とすることができる。この処理を実現する複写機の一例のブロック図を図5R>5に示す。
【0049】図5は、本発明による複写機の図1とは別の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0050】図5に示す複写機51は、図1に示した構成に加えて、ヒストグラム作成処理部52をさらに有する。このヒストグラム作成処理部52は、画像領域検出処理部15によって検出し確定した領域内の濃度のヒストグラムを作成する。なお、図5において、図1と同じ構成部分に関しては、同じ参照番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0051】すなわち、図5に示す実施の形態では、たとえば、ヒストグラム作成処理部52によって、確定した領域内のヒストグラムを取り、その特徴量から適切なガンマカーブを選択し、ガンマカーブ処理部11においてガンマカーブ処理部を施して階調処理することによって、適切な濃度で画像形成するような階調変換処理を加え、さらに見やすい画像を提供することができる。
【0052】なお、この処理も、画像メモリ7上の画像データをCPU2による制御によって実現してもよいし、別に専用のハードウェア(ゲートアレイ等)を設けて実現してもよい。
【0053】プリンタ部13は、装着された複数の転写紙サイズを検知する。そして、確定した領域の外周の座標情報から、この画像領域よりも大きく、且つ上記複数の転写紙サイズの中から最も小さいサイズを選択し、そのサイズの転写紙に画像を出力(プリント)することによって、指定の領域に対し適切な大きさの転写紙を自動的に選択してコピーを行うことができる。確定した画像領域よりも大きいサイズの転写紙が装着されていない場合には、装着されている中で最も大きいサイズの転写紙を選択し、その転写紙に確定した画像領域全体がコピーされるように、変倍率(縮小率)を計算し、変倍処理部9において変倍後に転写紙に出力すればよい。
【0054】なお、操作部3によってユーザーから転写紙サイズの指定があった場合には、指定されたサイズの転写紙領域に確定した画像領域全体が適切にコピーされるように、変倍率(拡大率または縮小率)を計算し、変倍処理部9において変倍後に転写紙に出力すればよい。
【0055】また、本実施の形態では、複数枚の原稿の画像を合成して出力することができる。操作部3に設けられた、複数枚の原稿の画像を合成して出力することを指示するボタンがユーザーによって押された場合には、複数枚の原稿のそれぞれで確定した複数の領域の画像を所定の方法で合成して出力する。この手段を設けることによって、本実施の形態によれば、スキャナ部6の原稿読取台の原稿読み取り可能範囲よりも大きい画像をコピーしようとした場合にも通常と同様の機能を発揮することができる。この場合、合成する枚数や順序等は予め取り決めておけばよい。
【0056】なお、上述した各処理は、上述のようにスキャナ部6によって読み取った画像の画像データを画像メモリ7に保存して処理してもよいし、本スキャンとは別にプレスキャンを行うようにして、1度目のスキャン(プレスキャン)時に画像領域や変倍率の確定をしてから、2度目のスキャン(本スキャン)時に実際の画像に対して処理、出力を行うようにしてもよい。
【0057】ところで、スキャナ部6で読み取った画像データは、原稿読取台への原稿の置き方等の要因によって傾いた画像となってしまうことがある。本発明では、このような場合の傾き補正を行うこともできる。
【0058】たとえば、特開平11−298682号公報に開示されるように原稿搬送路部分に画像の傾きを求めるためのセンサを設けたり、特開平11−252351号公報に開示されるように原稿領域のエッジを検出することによって、画像の傾きを求めることができる。
【0059】また、上述の実施の形態によれば、ユーザーが原稿30に領域指定マーク20を貼り付けるときに、画像の向きを指定するように領域指定マーク20のマーク22の向きを調整して貼り付けるようにすれば、領域指定マーク検出処理部14によって検出した領域指定マーク20の傾きに基づき、画像の傾きを求めることができる。
【0060】このようにして画像の傾きが求まったならば、特開平11−298682号公報や特開平11−252351号公報に開示されるような従来から知られた傾き補正方法によって、画像を回転させ、ユーザーが望む向きの画像を転写紙に出力し、提供することができる。
【0061】また、本発明では、上記画像が傾いてしまった場合と同様に、画像の位置が原稿読取台上で片寄ってしまった場合などでも、画像のセンタリング処理を行ってその片寄りを修正して転写紙に出力することができる。
【0062】このセンタリング処理は、領域指定マーク検出処理部14によって検出した領域指定マーク20の位置に基づいて、画像領域検出処理部15によって検出した画像領域が転写紙の中央に出力されるようにすればよい。
【0063】なお、上述の画像の回転やセンタリングの処理も、画像メモリ7上の画像データをCPU2による制御によって実現してもよいし、別に専用のハードウェア(ゲートアレイ等)を設けて実現してもよい。
【0064】また、上記の実施の形態では、スキャナ部6とプリンタ部13とを備えた画像入出力装置を例にして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、原稿の読み取りのみを行う原稿読取装置(たとえばスキャナ)や画像の出力のみを行う画像出力装置(たとえばプリンタ)に対して適用することもできる。たとえば、すでに別のスキャナで読み取って得られた画像メモリ上の画像データに対して、同様の処理を行い、指定領域のみを出力するプリンタも、本発明が提供するものである。
【0065】また、上述の実施の形態では、画像データの濃度に基づいて画像データ中の領域指定マークを検出するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、画像データの輝度に基づいて領域指定マークを検出するものであってもよいことはいうまでもない。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、新聞の記事のような任意の形状の画像をコピーする場合に、その形状に応じて最適なコピーをとることができる画像入出力装置を提供することができる。
【0067】すなわち、本発明によれば、原稿の中のコピーしたい部分がコピー機の原稿読取可能範囲に入っていれば、どの部分に原稿をおいても所望のコピー画像が得られる。
【0068】また、本発明によれば、原稿の余分な画像は消去してコピーすることができる。
【0069】また、本発明によれば、原稿に対して適切な濃度でコピーすることができる。
【0070】また、本発明によれば、指定した領域に対して適切な大きさの転写紙を自動的に選択してコピーすることができる。
【0071】また、本発明によれば、読み取った画像を、指定したサイズの転写紙内に自動的に適切な大きさに変倍(拡大または縮小)してコピーすることができる。
【0072】また、本発明によれば、コピー機の原稿読み取り可能範囲よりも大きい画像をコピーしたい場合には、複数回に分けて原稿の画像を読み取り、コピー機内で読み取った複数の画像を合成し、必要に応じて変倍(縮小)して、1枚の転写紙にコピーすることができる。
【0073】また、本発明によれば、上記各処理を高速に実現することができる。
【0074】また、本発明によれば、上記各処理を、特別な装置を用いることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複写機の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態で用いる領域指定マークの一例を示す図である。
【図3】図1に示した複写機で読み取る画像が描かれた原稿の一例を示す図である。
【図4】新聞に領域指定マークを貼り付けた画像を読み取って得られた画像データの濃度ヒストグラムを示す図である。
【図5】本発明による複写機の図1とは別の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 複写機
2 CPU
3 操作部
4 表示部
5 ROM
6 スキャナ部
7 画像メモリ
8 輝度濃度変換処理部
9 変倍処理部
10 空間フィルタ処理部
11 ガンマカーブ処理部
12 PWM変換処理部
13 プリンタ部
14 領域指定マーク検出処理部
15 画像領域検出処理部
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f 領域指定マーク
21 地肌
22 マーク
30 原稿
31、32、33、 画像
51 複写機
52 ヒストグラム作成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力された画像データの中から所定の濃度範囲の画像領域をを領域指定マークとして検出する領域指定マーク検出手段と、該領域指定マーク検出手段によって検出した領域指定マークに基づいてユーザーが指定した画像領域を検出する画像領域検出手段と、該画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域のみを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする画像入出力装置。
【請求項2】 入力された画像データの中から所定の輝度範囲の画像領域をを領域指定マークとして検出する領域指定マーク検出手段と、該領域指定マーク検出手段によって検出した領域指定マークに基づいてユーザーが指定した画像領域を検出する画像領域検出手段と、該画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域のみを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする画像入出力装置。
【請求項3】 前記領域指定マーク検出手段が、予め定めた領域指定マークの大きさに基づいて領域指定マークを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像入出力装置。
【請求項4】 前記領域指定マーク検出手段が、予め定めた領域指定マークのマークの形状に基づきパターンマッチングを行って領域指定マークを検出することを特徴とする請求項1、2または3に記載の画像入出力装置。
【請求項5】 前記領域指定マーク検出手段が、予め定めた領域指定マークの色域に基づいて領域指定マークを検出することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像入出力装置。
【請求項6】 前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域の画像データに対して階調補正を加える階調補正手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像入出力装置。
【請求項7】 前記階調補正手段が、前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域の画像データに基づいて階調補正データを求め、該求めた階調補正データに基づいて階調補正を加えることを特徴とする請求項6に記載の画像入出力装置。
【請求項8】 前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域の大きさと装着されている転写紙のサイズとに基づいて、装着されている転写紙の中から適切な大きさの転写紙を選択して出力することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像入出力装置。
【請求項9】 前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域の大きさと装着されている転写紙のサイズとに基づいて、前記ユーザーが指定した画像領域の画像データに対して適切な変倍処理を施して出力することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像入出力装置。
【請求項10】 前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域が複数あるとき、該複数の画像領域の画像データを合成して出力することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像入出力装置。
【請求項11】 前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域の画像に対して回転処理を施して出力することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像入出力装置。
【請求項12】 前記回転処理が、前記領域指定マーク検出手段によって検出された領域指定マークの傾きに基づいて行われることを特徴とする請求項11に記載の画像入出力装置。
【請求項13】 前記画像領域検出手段によって検出したユーザーが指定した画像領域の画像に対してセンタリング処理を施して出力することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像入出力装置。
【請求項14】 前記センタリング処理が、前記領域指定マーク検出手段によって検出された領域指定マークの位置に基づいて行われることを特徴とする請求項13に記載の画像入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2002−176548(P2002−176548A)
【公開日】平成14年6月21日(2002.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−370475(P2000−370475)
【出願日】平成12年12月5日(2000.12.5)
【出願人】(000001270)コニカ株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】