説明

画像処理システムとその動作方法、画像処理装置とその動作プログラム

【課題】非接触通信により携帯端末から画像処理装置に送信された情報に基づき、ユーザが意図した動作を画像処理装置が実行できる画像処理システム等を提供する。
【解決手段】相互に非接触で通信可能な携帯端末と画像処理装置とを備えた画像処理システムである。携帯端末は、表示手段と、表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を非接触通信により送信する送信手段と、を備え、画像処理装置は、携帯端末から送信されてきた表示情報を非接触通信により受信する受信手段と、表示情報と画像処理装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された表示情報及び実行すべき動作と、前記受信手段により受信された表示情報とに基づいて、受信された表示情報に対応する実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御する制御手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、相互に非接触で通信可能な携帯電話等の携帯端末と、画像形成装置等の画像処理装置とを備えた画像処理システムとその動作方法、画像処理装置とその動作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能FAX機能等の機能を備えた多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripherals)として、非接触通信部を有するものが提供されている。一方、携帯端末としても、非接触通信部を有するものが提供され、またこのような携帯端末によりMFPを操作することにより、MFPの操作性の向上を図る技術が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−236031号公報
【特許文献2】特開2004−364002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1及び2を含め、携帯端末により非接触通信部を介してMFPを操作する従来の技術は、携帯端末側の設定を単に送信したり、単に情報を通知するにすぎないものであった。このため、携帯端末から送信された設定や通知された情報を用いてMFPに意図する動作を行わせるためには、ユーザがMFPを操作しなければならず、手間がかかるという問題があった。
【0005】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、非接触通信により携帯端末から画像処理装置に送信された情報に基づいて、ユーザが意図した動作を画像処理装置が実行することができる画像処理システム及びその動作方法を提供し、さらに前記画像処理システムに好適に用いることができる画像処理装置及び画像処理装置のコンピュータに動作を実行させるための動作プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は以下の手段により解決される。
(1)相互に非接触で通信可能な携帯端末と画像処理装置とを備えた画像処理システムであって、前記携帯端末は、表示手段と、該表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を非接触通信により送信する送信手段と、を備え、前記画像処理装置は、前記携帯端末から送信されてきた表示情報を非接触通信により受信する受信手段と、前記表示情報と画像処理装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された表示情報及び実行すべき動作と、前記受信手段により受信された表示情報とに基づいて、受信された表示情報に対応する実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像処理システム。
(2)前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、前記携帯端末の送信手段は、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を送信し、前記画像処理装置の記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、前記画像処理装置の制御手段は、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信手段で受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行する前項1に記載の画像処理システム。
(3)前記画像処理装置が実行する動作が、前記ドキュメントの印刷である前項1または2に記載の画像処理システム。
(4)前記表示情報がドキュメントの先頭ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記画像処理装置は、前記ドキュメントの先頭ページからの印刷を実行し、ドキュメントの途中ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記ドキュメントの途中ページ以降の印刷を実行する前項3に記載の画像処理システム。
(5)前記画像処理装置は原稿を読み取る読み取り手段を備え、前記表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報である場合は、前記画像処理装置は、前記読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを添付ファイルとする電子メールを、前記電子メールアドレスに送信するための設定画面を、画像処理装置の表示手段に表示する前項1に記載の画像処理システム。
(6)前記表示情報が、所定のウェブページのアドレスを示すブックマークの表示中であることを示す情報である場合は、前記画像処理装置は、前記ウェブページのアドレスにアクセスし、得られたウェブページを画像処理装置の表示手段に表示する前項1に記載の画像処理システム。
(7)前記画像処理装置の記憶手段は、記憶領域である1個又は複数個のボックスを備え、前記表示情報が、携帯端末が有するフォルダを表示中であることを示す情報であり、かつ表示情報に、該フォルダに保存されているファイルのリストが含まれている場合は、前記画像処理装置は、前記携帯端末が有するフォルダの内容と画像処理装置における前記フォルダに対応する前記ボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行する前項1に記載の画像処理システム。
(8)前記表示情報が、地図データを表示中であることを示す情報である場合は、前記画像処理装置は、ウェブサイトから同一地点の詳細な地図データをダウンロードして画像処理装置の表示手段に表示する前項1に記載の画像処理システム。
(9)前記表示情報に、画像処理装置の原稿読み取り手段の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットの設定値が含まれている場合には、前記画像処理装置は、前記設定画面を表示手段に表示することなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行する前項5に記載の画像処理システム。
(10)前記表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、画像処理装置は、前記設定画面を画像処理装置の表示手段に表示させることなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行する前項5に記載の画像処理システム。
(11)前記表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報以外の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、画像処理装置は、前記原稿読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを携帯端末に送信する前項5に記載の画像処理システム。
(12)携帯端末と非接触で通信可能な画像処理装置であって、前記携帯端末から非接触通信により送信されてきた、該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を受信する受信手段と、前記表示情報と自装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された表示情報及び実行すべき動作と、前記受信手段により受信された表示情報とに基づいて、受信された表示情報に対応する実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように自装置を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(13)前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、前記受信手段は、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を受信し、前記記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信手段で受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行するように自装置を制御する前項12に記載の画像処理装置。
(14)前記実行すべき動作が前記ドキュメントの印刷であり、前記制御手段は自装置にそのドキュメントの印刷を実行させる前項12または13に記載の画像処理装置。
(15)前記表示情報がドキュメントの先頭ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記制御手段は、前記ドキュメントの先頭ページからの印刷を実行し、ドキュメントの途中ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記ドキュメントの途中ページ以降の印刷を実行するように、自装置を制御する前項14に記載の画像処理装置。
(16)原稿を読み取る読み取り手段を備え、前記表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報である場合は、前記制御手段は、前記読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを添付ファイルとする電子メールを、前記電子メールアドレスに送信するための設定画面を、自装置の表示手段に表示するように自装置を制御する前項12に記載の画像処理装置。
(17)前記表示情報が、所定のウェブページのアドレスを示すブックマークの表示中であることを示す情報である場合は、前記制御手段は、前記ウェブページのアドレスにアクセスし、得られたウェブページを自装置の表示手段に表示するように自装置を制御する前項12に記載の画像処理装置。
(18)前記記憶手段は、記憶領域である1個又は複数個のボックスを備え、前記表示情報が、携帯端末が有するフォルダを表示中であることを示す情報であり、かつ表示情報に、該フォルダに保存されているファイルのリストが含まれている場合は、前記制御手段は、前記携帯端末が有するフォルダの内容と前記フォルダに対応する前記ボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行するように自装置を制御する前項12に記載の画像処理装置。
(19)前記表示情報が、地図データを表示中であることを示す情報である場合は、前記制御手段は、ウェブサイトから同一地点の詳細な地図データをダウンロードして自装置の表示手段に表示するように自装置を制御する前項12に記載の画像処理装置。
(20)前記表示情報に、前記原稿読み取り手段の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットの設定値が含まれている場合には、前記制御手段、前記設定画面を表示手段に表示させることなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行するように自装置を制御する前項16に記載の画像処理装置。
(21)前記表示情報に、携帯端末の電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、前記制御手段は、前記設定画面を自装置の表示手段に表示させることなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行するように自装置を制御する前項16に記載の画像処理装置。
(22)前記表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報以外の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、前記制御手段は、前記原稿読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを携帯端末に送信するように自装置を制御する前項16に記載の画像処理装置。
(23)相互に非接触で通信可能な携帯端末と画像処理装置を備えた画像処理システムの動作方法であって、前記携帯端末は、該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を非接触通信により送信する送信ステップを実行し、前記画像処理装置は、前記携帯端末から送信されてきた表示情報を非接触通信により受信する受信ステップと、表示情報と画像処理装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段の前記表示情報及び実行すべき動作と、前記受信ステップにおいて受信された表示情報とに基づいて、前記実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御する制御ステップと、を実行する画像処理システムの動作方法。
(24)前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、前記送信ステップでは、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を送信し、前記画像処理装置の記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、前記画像処理装置の制御ステップでは、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信ステップにおいて受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行する前項23に記載の画像処理システムの動作方法。
(25)携帯端末と非接触で通信可能な画像処理装置のコンピュータに実行させるための動作プログラムであって、前記携帯端末から非接触通信により送信されてきた、該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を受信する受信ステップと、前記表示情報と自装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段の前記表示情報及び実行すべき動作と、前記受信ステップにおいて受信された表示情報とに基づいて、前記実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御するステップと、を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理装置の動作プログラム。
(26)前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、前記受信ステップでは、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を受信し、前記記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、前記画像処理装置の制御ステップでは、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信ステップにおいて受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行するように、画像処理装置を制御する処理をコンピュータに実行させる前項25に記載の動作プログラム。
【発明の効果】
【0007】
前項(1)の発明によれば、携帯端末から、表示手段に何が表示されているかを示す表示情報が非接触通信により送信される。画像処理装置は、表示情報と画像処理装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段を有しており、記憶手段に対応付けて記憶された表示情報及び実行すべき動作と、受信された表示情報とに基づいて、実行すべき動作が決定され、決定された動作が画像処理装置により実行される。
【0008】
つまり、画像処理装置は、携帯端末からの表示情報を単に受信するだけでなく、受信した表示情報に対応する動作を実行するから、携帯端末のユーザが画像処理装置に実行させたい動作に対応する情報を携帯端末に表示させて、画像処理装置と通信を行えば、ユーザが意図した動作が画像処理装置により自動的に実行される。このため、携帯端末のユーザが意図した動作を画像処理装置に実行させるために、携帯端末の操作後に画像処理装置を操作する必要はなくなり、ユーザの利便性を向上することができる。
【0009】
前項(2)に記載の発明によれば、携帯端末のユーザを示すユーザ情報及びドキュメントが表示されていることを示す表示情報が、携帯端末から送信されると、画像処理装置は、記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信手段で受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行する。従って、例えばユーザがフォーマットのドキュメントを携帯端末に表示し、表示情報を画像処理装置に送信して所定の動作を実行させた履歴が画像処理装置に記憶されている場合には、その履歴と同じ時刻にドキュメントデータを開いて表示情報を画像処理装置に送信するだけで、自動的に所定の動作が行われるから、ユーザがその動作を実行させるために画像処理装置を操作する手間を省略できる。
【0010】
前項(3)に記載の発明によれば、ユーザが携帯端末にドキュメントを表示させて画像処理装置と通信を行うだけで、そのドキュメントの印刷が自動的に実行される。
【0011】
前項(4)に記載の発明によれば、ユーザが携帯端末にドキュメントの先頭ページを表示させて画像処理装置と通信することにより、画像処理装置にドキュメントの先頭ページからの印刷を実行させることができ、携帯端末にドキュメントの途中ページを表示させて画像処理装置と通信することにより、画像処理装置にドキュメントの途中ページ以降の印刷を実行させることができる。
【0012】
前項(5)に記載の発明によれば、ユーザは、携帯端末の電子メール設定画面を開いて電子メールアドレスを設定し、画像処理装置に表示情報を送信すれば、画像処理装置の読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを添付ファイルとする電子メールを、前記電子メールアドレスに送信するための設定画面が、画像処理装置の表示手段に表示される。
【0013】
前項(6)に記載の発明によれば、ユーザが、携帯端末に所定のウェブページのアドレスを示すブックマークを表示させ、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置の表示手段に、ウェブページのアドレスにアクセスして得られたウェブページが表示される。
【0014】
前項(7)に記載の発明によれば、ユーザが、携帯端末のフォルダに保存されているファイルのリストを表示させ、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置は、携帯端末のフォルダの内容と画像処理装置における前記フォルダに対応するボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行する。
【0015】
前項(8)に記載の発明によれば、ユーザが、携帯端末に地図データを表示させ、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置の表示手段には、ウェブサイトからダウンロードされた同一地点の詳細な地図データが表示される。
【0016】
前項(9)に記載の発明によれば、電子メール設定画面において、原稿読み取り手段の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットが設定され、これらが表示情報に含まれて画像処理装置に送信された場合には、スキャン・電子メール動作の設定画面が画像処理装置の表示手段に表示されることなく、スキャン・電子メール動作が直ちに実行される。
【0017】
前項(10)に記載の発明によれば、ユーザが携帯端末に表示された電子メール設定画面の電メール本文に所定の情報を入力し、画像処理装置と通信を行うと、スキャン・電子メール動作が直ちに実行される。
【0018】
前項(11)に記載の発明によれば、電メール本文に前記決定の情報以外の情報が入力された場合には、画像処理装置の読み取り手段により読み取られた原稿の画像データが携帯端末に送信される。
【0019】
前項(12)に記載の発明によれば、携帯端末からの表示情報に基づいて決定される必要実行動作を実行する画像処理装置となし得、ユーザの利便性を向上することができる。
【0020】
前項(13)に記載の発明によれば、例えばユーザがフォーマットのドキュメントを携帯端末に表示し、表示情報を画像処理装置に送信して所定の動作を実行させた履歴が記憶手段に記憶されている場合には、その履歴と同じ時刻にドキュメントデータを開いて表示情報を画像処理装置に送信するだけで、自動的に所定の動作が行われる。
【0021】
前項(14)に記載の発明によれば、ユーザが携帯端末にドキュメントを表示させて画像処理装置と通信を行うだけで、そのドキュメントの印刷が自動的に実行される。
【0022】
前項(15)に記載の発明によれば、ユーザが携帯端末にドキュメントの先頭ページを表示させて画像処理装置と通信することにより、画像処理装置はドキュメントの先頭ページからの印刷を実行し、携帯端末にドキュメントの途中ページを表示させて画像処理装置と通信することにより、画像処理装置はドキュメントの途中ページ以降の印刷を実行する。
【0023】
前項(16)に記載の発明によれば、ユーザは、携帯端末の電子メール設定画面を開いて電子メールアドレスを設定し、画像処理装置と通信を行うことで、読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを添付ファイルとする電子メールを、前記電子メールアドレスに送信するための設定画面が、画像処理装置の表示手段に表示される。
【0024】
前項(17)に記載の発明によれば、ユーザが、携帯端末に所定のウェブページのアドレスを示すブックマークを表示させ、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置の表示手段に、ウェブページのアドレスにアクセスして得られたウェブページが表示される。
【0025】
前項(18)に記載の発明によれば、ユーザが、携帯端末のフォルダに保存されているファイルのリストを表示させ、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置は、携帯端末のフォルダの内容と画像処理装置における前記フォルダに対応するボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行する。
【0026】
前項(19)に記載の発明によれば、ユーザが、携帯端末に地図データを表示させ、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置は表示手段に、ウェブサイトからダウンロードされた同一地点の詳細な地図データを表示する。
【0027】
前項(20)に記載の発明によれば、電子メール設定画面において、原稿読み取り手段の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットが設定され、これらが表示情報に含まれて画像処理装置に送信された場合には、画像処理装置は、スキャン・電子メール動作の設定画面を表示手段に表示することなく、スキャン・電子メール動作を直ちに実行する。
【0028】
前項(21)に記載の発明によれば、ユーザが携帯端末に表示された電子メール設定画面の電メール本文に所定の情報を入力し、画像処理装置と通信を行うと、画像処理装置はスキャン・電子メール動作を直ちに実行する。
【0029】
前項(22)に記載の発明によれば、電メール本文に前記決定の情報以外の情報が入力されている場合には、画像処理装置は読み取り手段により読み取った原稿の画像データを携帯端末に送信する。
【0030】
前項(23)に記載の発明によれば、携帯端末からの表示情報に基づいて決定される必要実行動作を画像処理装置に実行させることができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0031】
前項(24)に記載の発明によれば、例えばユーザがフォーマットのドキュメントを携帯端末に表示し、表示情報を画像処理装置に送信して所定の動作を実行させた履歴が記憶手段に記憶されている場合には、その履歴と同じ時刻にドキュメントデータを開いて表示情報を画像処理装置に送信するだけで、自動的に所定の動作が行われる。
【0032】
前項(25)に記載の発明によれば、携帯端末から非接触通信により送信された、該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報に基づいて、該表示情報に対応する動作を画像処理装置に実行させる処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【0033】
前項(26)に記載の発明によれば、携帯端末からユーザ情報と、所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す表示情報が送信されると、画像処理装置は、記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ、フォーマット種別、動作実行時刻と、受信したユーザのログイン情報とドキュメントのフォーマット種別と受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行する処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成図である。
【図2】図1のシステムに用いられる携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1のシステムに用いられる画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置の動作履歴の一例を示す図である。
【図5】携帯端末から送信された表示情報に対応して実行すべき動作を決定するための表である。
【図6】画像処理装置の表示部に表示されたスキャン・電子メール動作用画面を示す図である。
【図7】画像処理装置の表示部に表示されたブラウザ画面を示す図である。
【図8】携帯端末で実行される画像処理装置との通信用アプリケーションの起動処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS06のドキュメント検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS07のメールアドレスチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図8のステップS08のブラウザチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図8のステップS09のデータフォルダチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】画像処理装置の受信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、この発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0036】
図1はこの発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。この画像処理システムは、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などからなる携帯端末1と、画像処理装置としての画像形成装置である前述したMFP2を備え、これらの携帯端末1及びMFP2がそれぞれに設けられた非接触通信部16、29を介して、非接触通信(無線通信)によりデータを送受信可能となされている。
【0037】
図2は携帯端末1の概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図2において、携帯端末1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、操作パネル部14と、記憶部15と、非接触通信部16と、メール送受信部17等を備えている。
【0039】
前記CPU11は、携帯端末1の全体の動作を統括制御する他に、この実施形態では、MFP2に対して前記表示部14に何が表示されているかを示す表示情報や、ユーザがMFP2にログインするためのユーザ情報やパスワード等のログイン情報等を、非接触通信部16を介してMFP2に送信する。前記表示情報の具体例については後述する。
【0040】
前記ROM12は、CPU11の動作プログラム等を格納するメモリである。また、前記RAM13は、CPU11が動作プログラムに従って動作する際の作業領域を提供するメモリである。
【0041】
前記操作パネル部14は、表示部141と操作部142とを備えており、表示部141は、起動されたアプリケーションプログラム(単にアプリケーションともいう)に従う表示画面や各種のデータ、メッセージなどを表示する。また、操作部142は、動作選択用のキーなどを有しており、各種の入力に用いられる。
【0042】
前記記憶部15は、各種のアプリケーション、ドキュメントデータ、メールアドレス等の設定情報、その他の各種データを記憶するものである。
【0043】
前記非接触通信部16は、MFP2と非接触通信を行うためのアプリケーションが起動されることにより、MFP2との間でデータや情報の送受信を行うものである。非接触通信方式としては、特に限定されることはなく、公知の方式を採用すればよい。
【0044】
前記メール送受信部17は、電子メール機能を起動して電子メールを送受信するために用いられる。
【0045】
図3は前記MFP2の概略構成を示すブロック図である。
【0046】
MFP2は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、スキャナ部24と、記憶部25と、プリンタ部26と、操作パネル部27と、ネットワークコントローラ(N1C)28と、非接触通信部29等を備えている。
【0047】
前記CPU21は、MFP2の全体を統括制御して、MFP2の基本動作である例えばコピー、プリント、ファクシミリ送信、スキャン送信等の動作を実行する。さらに、この実施形態では、非接触通信部29を介して携帯端末1から表示情報等を受信すると、表示情報と対応付けて記憶部25に記憶された動作決定用の情報に基づいて、前記受信した表示情報に対応してMFP2が実行すべき動作を決定し、その動作を実行するようにMFP2を制御する。
【0048】
前記ROM22は、CPU21の動作プログラム等を格納するメモリである。
【0049】
前記RAM23は、CPU21が動作プログラムに基づいて動作する際の作業領域を提供するメモリである。
【0050】
前記スキャナ部24は、原稿台(図示せず)に置かれた原稿の画像を読み取り、画像データを出力する読み取り手段である。
【0051】
前記記憶部25は、例えばハードディスクドライブ(HDD)などの不揮発性の記憶デバイスにより構成されている。この記憶部25は、動作履歴記憶部251と、動作決定用情報記憶部252と、データを区分けして記憶可能な、ディレクトリに相当する複数のボックス253等を備えている。
【0052】
前記動作履歴記憶部251には、携帯端末1のユーザが過去に、ユーザIDやパスワード等のログイン情報を送信してMFP2へログインするとともに、携帯端末1からドキュメントデータを送信しそのデータに対してMFP2に動作を指示し、MFP2が指示に基づいて動作を実行したときの動作履歴情報が記憶されている。
【0053】
具体的には、動作履歴情報として図4に示すように、動作を指示したユーザの情報と、動作時刻、ドキュメントデータのファイルフォーマット、動作種類が関連付けて記憶されている。例えば図4のNo1の履歴には、ユーザ番号:00001、動作時刻:10時、ファイルフォーマット:PDF、動作種類:ファクシミリ(FAX)送信であることが記憶されている。
【0054】
前記動作決定用情報記憶部252には、図5に示すような動作決定用テーブルが記憶されている。
【0055】
図5に示す動作決定用テーブルは、携帯端末1から送信される表示情報と、MFP2が実行すべき動作とを予め対応付けたものであり、このテーブルと携帯端末1から受信した実際の表示情報とを比較して、MFP2は受信した表示情報に対応する実行すべき動作を決定し、実行するものとなされている。
【0056】
例えば、表示情報がドキュメント表示中であることを示す情報であり、携帯端末のユーザ、表示されているドキュメントのフォーマット、表示情報の受信時刻が、動作履歴記憶部251に記憶されている図4の動作履歴情報のユーザ情報、動作時刻、ファイルフォーマットと合致するものがあれば、その合致する動作履歴情報に記憶された動作が、受信した表示情報に対応して実行すべき動作として決定され、MFP2は決定された動作を実行する。
【0057】
具体的には、動作履歴情報に記憶された動作がボックス転送動作であれば、MFP2は、送信されたドキュメントデータを動作履歴情報で示されるボックスに転送する動作を実行する(図5のNo1)。動作履歴情報に記憶された動作がプリント動作であれば、携帯端末1から送信されたドキュメントデータをプリントする。この実施形態では、携帯端末1の表示部にドキュメントの先頭ページが表示されている場合、換言すれば、表示情報がドキュメントの先頭ページが表示されていることを示す情報である場合は、ドキュメントデータの先頭ページからプリントする(図5のNo2)。また、ドキュメントの途中ページが表示されている場合、換言すれば、表示情報がドキュメントの途中ページが表示されていることを示す情報である場合は、ドキュメントデータの前記途中ページ以降のページをプリントする(図5のNo3)。
【0058】
動作履歴情報に記憶された動作がFAX送信であれば、送信されたドキュメントデータを、動作履歴情報で示される宛先にFAX送信する(図5のNo4)。
【0059】
なお、合致する動作履歴情報が存在しない場合は、MFP2は操作パネル部27の表示部271に機能選択画面を表示する(図5のNo5)。
【0060】
また、表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報である場合は、スキャナ部による原稿の読み取り及び読み取りにより得られた画像データを添付ファイルとする電子メールの前記電子メールアドレスへの送信を行うための、図6に示すようなスキャン・電子メール動作用の設定画面を、操作パネル部27の表示部271に表示する(図5のNo6)。
【0061】
図6に示すスキャン・電子メール動作用の設定画面においては、スキャナ部による原稿の読取解像度と、添付ファイルである読み取られた原稿の画像データのフォーマットを設定でき、設定後に原稿をスキャナ部にセットして図示しないスタートボタンを押すと、スキャナ部による原稿の読み取りが設定された解像度で開始され、読み取られた原稿の画像データが設定されたフォーマットで電子メールに添付され、該電子メールが設定された宛先に送信される。
【0062】
また、表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報であって、表示情報に、スキャナ部の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットの設定値が含まれている場合には、MFP2は、図6のスキャン・電子メール動作用の設定画面を表示部271に表示させることなく、前記設定値にて直ちにスキャナ部による原稿の読み取りと電子メールの送信を実行する(図5のNo7)。
【0063】
また、表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報であって、表示情報に、電子メール設定画面の電メール本文に所定の情報(例えば*等の所定の記号)が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、MFP2は、図6のスキャン・電子メール動作用の設定画面を表示部271に表示させることなく、直ちにスキャナ部による原稿の読み取りと電子メールの送信を実行する(図5のNo8)。この場合、スキャナ部による原稿の読取解像度と添付ファイルのフォーマットはMFP2のデフォルトの設定に従って行われる。
【0064】
また、表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報であって、表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に前記所定の情報以外の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合は、MFP2は、スキャナ部により原稿を読み取って、得られた画像データ(画像ファイル)を携帯端末1に転送する動作を実行する(図5のNo9)。
【0065】
また、表示情報が電子メール設定画面が表示されていることを示す情報であって、図5のNo6〜9以外の場合には、MFP2は、表示部271に電子メール送信画面を表示する(図5のNo10)。
【0066】
また、表示情報が所定のウェブページのアドレスを示すブックマークの表示中であることを示す情報である場合は、MFP2は、前記ウェブページのアドレスにアクセスし、得られたウェブページを表示部271へ表示する(図5のNo11)。
【0067】
また、表示情報が、携帯端末1のフォルダを表示中であることを示す情報である場合は、MFP2は、携帯端末1のフォルダの内容と携帯端末1のユーザが所有するボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行する(図5のNo12)。
【0068】
なお、対応するユーザのボックスがMFP2に存在しないような場合には、MFP2はプリント設定画面を表示部271に表示する(図5のNo13)。
【0069】
また、表示情報が、地図データを表示中であることを示す情報である場合は、MFP2は、ウェブサイトから同一地点のコンピュータ(PC)用の詳細な地図データをダウンロードして表示部271に表示する(図5のNo14)。
【0070】
なお、表示情報が、地図データ以外のウェブページのデータを表示中であることを示す情報である場合は、MFP2はそのウェブページを表示部271に表示する(図5のNo15)。
【0071】
図3に戻り、前記プリンタ部26は、スキャナ部24で読み取られた原稿の画像データや、携帯端末1から送信されたドキュメントデータや、外部のパーソナルコンピュータ等から送信されたプリントデータ等を印刷するものである。
【0072】
前記操作パネル27は、MFP2の操作状態やメッセージ等を表示するための液晶タッチパネルからなる表示部271と、テンキー、スタートキー、ストップキー等を備えたキー入力部272とを備えている。
【0073】
前記ネットワークコントローラ(N1C)28は、LAN等のネットワークを介して外部装置との間でデータの送受信を行うための通信部として機能する。
【0074】
前記非接触通信部29は、携帯端末1との間で非接触通信(無線通信)によるデータの送受信を行うものである。
【0075】
次に、図1に示したシステムの使用方法を一例を挙げて説明する。
【0076】
なお、携帯端末1はマルチタスクで動作可能であり、また携帯端末1には、前述したように、非接触通信部を利用してMFPと通信を行うことができる通信用アプリケーションがあらかじめインストールされている。
【0077】
この実施形態では、あらかじめMFP2に実行させたい動作に対応する操作を携帯端末1で実行しておき、通信用アプリケーションをマルチタスクで起動する。それによって、通信用アプリケーションは、携帯端末1の操作状態を認識し、操作パネル部14の表示部141に現在何が表示されているかを認識する。
【0078】
携帯端末1の前記通信用アプリケーションは、非接触通信部16を介してMFP2との接続が確立された時点で、MFP2へユーザのログイン情報を送信しMFP2へのログインを行う。ログインが成功した場合、通信用アプリケーションは、起動時に認識した、操作パネル部14の表示部141に現在何が表示されているかを示す表示情報をMFP2に送信する。
【0079】
MFP2は携帯端末1から表示情報を受信すると、図5のテーブルから、受信した表示情報に対応する動作を決定し、実行する。
[例1]
ユーザA(ユーザNo:00002)はいつも時刻15:00ごろに、PDFフォーマットのドキュメントデータの印刷を行うが、その日も同じように時刻15:00ごろ携帯端末から印刷を行おうと、PDFドキュメントを開いて、携帯端末1の表示部141に表示させる。
【0080】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、ユーザ情報を含むログイン情報とドキュメントデータを含む表示情報とをMFP2に送信する。
【0081】
ログイン情報と表示情報を受信したMFP2は、表示情報からドキュメントデータが表示中であることを認識し、図5のテーブルに基づいて図4に示したようなユーザについての履歴を参照し、ユーザが過去に同じ時刻に同一フォーマットのファイル(ドキュメントデータ)に対して行った動作を、表示情報に対応する動作として決定する。なお、同じ時刻とは必ずしも完全同一の時刻を意味するものではなく、一定時間の差を予め設定し、その時間差の範囲内であれば同一時刻と判断しても良い。
【0082】
そして、決定したプリント等の動作を、受信したドキュメントデータに対して実行する。
【0083】
なお、この場合、携帯端末1にドキュメントデータの先頭ページが表示されていた場合には、ドキュメントデータの全ページのデータがMFP2に送信され、全ページが印刷等される。一方、ドキュメントデータの途中ページが表示されていた場合には、ドキュメントデータの表示されている途中ページ以降のデータがMFP2に送信され、途中ページ以降のページが印刷等される。
[例2]
MFP2のスキャナ部24で読み取った原稿の画像データを、携帯端末1に記憶されているメールアドレスに送信したいユーザAは、携帯端末1で電子メール用アプリケーション(いわゆるメーラ)を起動して、携帯端末1の表示部141に電子メール設定画面を表示させ、送信したいメールアドレスを設定する。
【0084】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、電子メールアドレスを含む表示情報をMFP2に送信する。
【0085】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、スキャン・電子メール動作用の設定画面を、操作パネル部27の表示部271に表示する。
[例3]
MFP2の表示部271の大きい画面でウェブページを表示させたいユーザAは、携帯端末1でブラウザを起動し、表示したいウェブページのブックマークを表示部141に表示する。
【0086】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、ブックマークに示されたウェブページのアドレスを含む表示情報をMFP2に送信する。
【0087】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、ブラウザを起動して表示情報に含まれるウェブページのアドレスにアクセスし、得られたウェブページを図7に示す表示部271のブラウザ画面に表示する。
[例4]
携帯端末1のフォルダとMFP2の個人ボックスの内容を一致させたいユーザAは、携帯端末1でデータフォルダを起動し、一致させたいフォルダを表示部141に表示する。
【0088】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、前記フォルダに含まれるファイルのリストを含む表示情報をMFP2に送信する。
【0089】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、フォルダ同期処理を実行する。
【0090】
なお、フォルダ同期処理は、携帯端末1からフォルダ内の全ファイルのデータを送信することにより行っても良いし、MFP2がファイルリストから不足ファイルを検出して、不足ファイルのみのデータの取得要求を携帯端末1に送信することにより行っても良い。
[例5]
携帯端末1の表示部141に表示させた地図の詳細が見たいユーザAは、地図を表示させた状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、前記地図データを含む表示情報をMFP2に送信する。
【0091】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、ウェブサイトから同一地点のコンピュータ用の詳細な地図データをダウンロードして表示部271に表示する。
[例6]
MFP2のスキャナ部24で読み取った原稿の画像データを、携帯端末1に記憶されているメールアドレスに直接に送信したいユーザAは、携帯端末1で電子メール用アプリケーションを起動して、携帯端末1の表示部141に電子メール設定画面を表示させ、送信したいメールアドレスを設定する。また、スキャナ部24の読み取り解像度や添付ファイルのフォーマット等の設定を、携帯端末1の設定ファイルに保持する。
【0092】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、電子メールアドレス及び前記読み取り解像度や添付ファイルのフォーマット等の設定を含む表示情報をMFP2に送信する。
【0093】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、スキャン・電子メール動作用の設定画面を表示することなく、設定された読み取り解像度でスキャナ部24による原稿の読み取りを実行し、読み取ったデータを設定されたフォーマットで添付して、前記メールアドレスに電子メールを送信する。
[例7]
MFP2のスキャナ部24で読み取った原稿の画像データを、携帯端末1に記憶されているメールアドレスに直接に送信したいユーザAは、携帯端末1で電子メール用アプリケーションを起動して、携帯端末1の表示部141に電子メール設定画面を表示させ、送信したいメールアドレスを設定するとともに、メール本文に所定の情報である例えば「*」のみを入力する。
【0094】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、電子メールアドレス及び前記所定の情報を含む表示情報をMFP2に送信する。
【0095】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、スキャン・電子メール動作用の設定画面を表示することなく、デフォルトで設定された読み取り解像度でスキャナ部24による原稿の読み取りを実行し、読み取ったデータをデフォルトのフォーマットで添付して、前記メールアドレスに電子メールを送信する。
[例8]
MFP2のスキャナ部24で読み取った原稿の画像データを、携帯端末1に転送してもらいたいユーザAは、携帯端末1で電子メール用アプリケーションを起動して、携帯端末1の表示部141に電子メール設定画面を表示させ、メールアドレスを設定するとともに、メール本文に前記所定の情報である例えば「*」以外の情報を入力する。
【0096】
この状態で、MFP2との通信用アプリケーションを起動させ、MFP2と通信を行い、電子メールアドレス及び前記入力された情報を含む表示情報をMFP2に送信する。
【0097】
表示情報を受信したMFP2は、図5のテーブルを参照して表示情報に対応する動作を決定し、デフォルトで設定された読み取り解像度でスキャナ部24による原稿の読み取りを実行し、読み取ったデータを携帯端末1に転送する。
【0098】
このように、携帯端末1のユーザがMFP2に実行させたい動作に対応する情報を携帯端末1の表示部141に表示させて、MFP2と通信を行えば、表示情報がMFP2に送信され、表示情報に対応する動作、換言すればユーザが意図した動作がMFP2により自動的に実行される。このため、携帯端末1のユーザが意図した動作をMFP2に実行させるために、携帯端末1の操作後にMFP2を操作する必要はなくなり、ユーザの利便性を向上することができる。
【0099】
図8は、携帯端末1におけるMFP2との通信アプリケーション(以下の図面ではアプリケーションをアプリと略記している)の起動処理を説明するためのフローチャートである。この処理は携帯端末1のCPU11がROM12等の記録媒体に記録されている動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0100】
ステップS01において、バックグラウンドで動作しているアプリケーションがあるかどうかを判断する。なければ(ステップS01でNO)、ステップS10に進む。アプリケーションがあれば(ステップS01でYES)、ステップS02に進む。
【0101】
ステップS02では、ドキュメントビューアが起動されているかどうかを判断する。起動されていれば(ステップS02でYES)、ステップS06に進んでドキュメント検出処理を実行した後、ステップS10に進む。ドキュメント検出処理については後述する。
【0102】
ステップS02において、ドキュメントビューアが起動されていなければ(ステップS02でNO)、ステップS03で、電子メール用アプリケーションが起動されているかどうかを判断する。起動されていれば(ステップS03でYES)、ステップS07に進んでメールアドレスチェック処理を実行した後、ステップS10に進む。メールアドレスチェック処理については後述する。
【0103】
ステップS03において、電子メール用アプリケーションが起動されていなければ(ステップS03でNO)、ステップS04で、ブラウザアプリケーションが起動されているかどうかを判断する。起動されていれば(ステップS04でYES)、ステップS08に進んでブラウザチェック処理を実行した後、ステップS10に進む。ブラウザチェック処理については後述する。
【0104】
ステップS04において、ブラウザアプリケーションが起動されていなければ(ステップS04でNO)、ステップS05で、データフォルダアプリケーションが起動されているかどうかを判断する。起動されていれば(ステップS05でYES)、ステップS09に進んでデータフォルダチェック処理を実行した後、ステップS10に進む。データフォルダチェック処理については後述する。
【0105】
ステップS05において、データフォルダアプリケーションが起動されていなければ(ステップS05でNO)、ステップS10に進む。
【0106】
ステップS10では、MFP2へのログイン処理を行い、ステップS11で表示情報等のデータをMFP2に送信するデータ送信処理を実行して、通信アプリケーション起動処理を終了する。
【0107】
図9は、図8におけるステップS06のドキュメント検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0108】
ステップS061において、ビューアで開かれているドキュメントファイル(ドキュメントデータ)があるかどうかを判断し、あれば(ステップS061でYES)、ステップS062で、そのファイルの読み込み処理を行い、ステップS063で読み込んだファイルを保持し、リターンする。ステップS061でドキュメントファイルが開かれていなければ、そのまま終了する。尚、保持されたファイルは、図8のステップS11でMFP2に送信される。
【0109】
図10は、図8におけるステップS07のメールアドレスチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0110】
ステップS071で、メールアドレスが設定されているかどうかを判断し、設定されていれば(ステップS071でYES)、ステップS072でそのメールアドレスを保持したのち、ステップS073に進む。メールアドレスが設定されていなければ(ステップS071でNO)、そのままステップS073に進む。
【0111】
ステップS073では、設定ファイルに添付ファイルについてのファイルフォーマットが設定されているかどうかを判断し、設定されていれば(ステップS073でYES)、ステップS074でそのファイルフォーマットを保持したのち、ステップS075に進む。ファイルフォーマットが設定されていなければ(ステップS073でNO)、そのままステップS075に進む。
【0112】
ステップS075では、設定ファイルにスキャナ部24の読み取り解像度が設定されているかどうかを判断し、設定されていれば(ステップS075でYES)、ステップS076でその解像度を保持したのち、ステップS077に進む。解像度が設定されていなければ(ステップS075でNO)、そのままステップS077に進む。
【0113】
ステップS077では、メール本文に所定の記号等が入力されているかどうかを判断し、入力されていれば(ステップS077でYES)、ステップS078で入力された本文を保持したのち、リターンする。メール本文への入力がなされていなければ(ステップS077でNO)、そのままリターンする。尚、保持されたファイルフォーマットや解像度の設定値は、図8のステップS11でMFP2に送信される。
【0114】
図11は、図8におけるステップS08のブラウザチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0115】
ステップS081で、ブックマークを表示中かどうかを判断し、表示中であれば(ステップS081でYES)、ステップS084でブックマークされたウェブページアドレスを保持した後、リターンする。
【0116】
ステップS081で、ブックマーク表示中でなければ(ステップS081でNO)、ステップS082で、ブラウザ表示中かどうかを判断し、ブラウザ表示中であれば(ステップS082でYES)、ステップS083で、表示中のウェブページのアドレスを保持した後、リターンする。ブラウザ表示中でなければ(ステップS082でNO)、そのままリターンする。尚、保持されたアドレスは、図8のステップS11でMFP2に送信される。
【0117】
図12は、図8におけるステップS09のデータフォルダチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0118】
ステップS091で、フォルダを表示中かどうかを判断し、表示中でなければ(ステップS091でNO)、そのままリターンする。表示中であれば(ステップS091でYES)、ステップS092でフォルダに保存されているファイルリストを取得し、ステップS093で、取得したファイルリストを保持した後リターンする。尚、保持されたファイルリストは、図8のステップS11でMFP2に送信される。
【0119】
図13は、MFP2が実行する受信処理を示すフローチャートである。尚、この処理は、CPU21がROM22等の記録媒体に記録された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0120】
ステップS21で、携帯端末1から送信されたログイン情報に基づいてユーザログイン処理を実施し、ステップS22で、表示情報を受信し、受信した表示情報と図5に示すテーブルと必要に応じて図4に示す動作履歴とを比較し、表示情報に対応するMFPが実行すべき動作を決定する。
【0121】
次に、ステップS23で、ステップS22の決定に基づいて、プリンタ部26によるプリント処理が必要かどうかを判断する。必要であれば(ステップS23でYES)、ステップS24で、表示情報に含まれているドキュメントデータを先頭ページからあるいは途中ページから印刷したのち、本ルーチンを終了する。プリント処理の必要がなければ(ステップS23でNO)、ステップS25で、ボックスへの転送処理が必要かどうかを判断する。必要であれば(ステップS25でYES)、ステップS26で、表示情報に含まれているドキュメントデータを動作履歴で示されるボックスに転送した後、本ルーチンを終了する。
【0122】
ボックスへの転送処理の必要がなければ(ステップS25でNO)、ステップS27で、FAX送信処理が必要かどうかを判断する。必要であれば(ステップS27でYES)、ステップS28で、動作履歴で示される宛先にFAX送信したのち、本ルーチンを終了する。FAX送信処理の必要がなければ(ステップS27でNO)、ステップS29で、スキャナ部による原稿読み取り処理(スキャン処理)が必要であるかどうかを判断する。必要でなければ(ステップS29でNO)、ステップS30に進み、必要であれば(ステップS29でYES)、ステップS37に進む。
【0123】
ステップS30では、フォルダ同期処理が必要かどうかを判断し、必要であれば(ステップS30でYES)、ステップS31で、フォルダ同期処理を実行したのち処理を終了する。フォルダ同期処理が必要でなければ(ステップS30でNO)、ステップS32で、ウェブ表示処理が必要かどうかを判断する。必要がなければ(ステップS32でNO)、ステップS36に進む。必要であれば(ステップS32でYES)、ステップS33で、ウェブページにアクセスして地図データを取得する必要があるかどうかを判断する。必要がなければ(ステップS33でNO)、ステップS34で、表示情報に示されるアドレスにアクセスして、表示部271にウェブページを表示したのち、本ルーチンを終了する。地図データを取得する必要があれば(ステップS33でYES)、ステップS35で、地図データを取得し、表示部271に地図データを表示したのち、本ルーチンを終了する。
【0124】
ステップS36では、機能選択画面の表示処理を実行して機能選択画面を表示部271に表示し、本ルーチンを終了する。
【0125】
一方、ステップS37では、メール送信処理が必要かどうかを判断し、必要であれば(ステップS37でYES)、ステップS38で、メール送信処理を実行する。即ち、スキャナ部24で原稿を読み取って画像データを取得すると共に、取得した画像データを表示情報に含まれている電子メールアドレスに送信し、あるいは携帯端末1に転送する。そして、本ルーチンを終了する。
【0126】
ステップS37において、メール送信処理が必要でなければ(ステップS37でNO)、ステップS39で、スキャン・電子メール動作用画面の表示が必要かどうかを判断する。必要であれば(ステップS39でYES)、ステップS40で、スキャン・電子メール動作用画面を表示部271に表示した後、本ルーチンを終了する。
【0127】
ステップS39において、スキャン・電子メール動作用画面の表示が必要でなければ(ステップS39でNO)、ステップS41で、メール送信設定画面を表示部271に表示して、本ルーチンを終了する。
【符号の説明】
【0128】
1 携帯端末
2 MFP(画像処理装置)
11 CPU
12 ROM
14 操作パネル部
141 表示部
15 記憶部
16 非接触通信部
17 メール送受信部
21 CPU
22 ROM
24 スキャナ部
25 記憶部
251 動作履歴記憶部
252 動作決定用情報記憶部
253 ボックス
26 プリンタ部
29 非接触通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に非接触で通信可能な携帯端末と画像処理装置とを備えた画像処理システムであって、
前記携帯端末は、
表示手段と、
該表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を非接触通信により送信する送信手段と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記携帯端末から送信されてきた表示情報を非接触通信により受信する受信手段と、
前記表示情報と画像処理装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された表示情報及び実行すべき動作と、前記受信手段により受信された表示情報とに基づいて、受信された表示情報に対応する実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、
前記携帯端末の送信手段は、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を送信し、
前記画像処理装置の記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、
前記画像処理装置の制御手段は、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信手段で受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置が実行する動作が、前記ドキュメントの印刷である請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記表示情報がドキュメントの先頭ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記画像処理装置は、前記ドキュメントの先頭ページからの印刷を実行し、ドキュメントの途中ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記ドキュメントの途中ページ以降の印刷を実行する請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は原稿を読み取る読み取り手段を備え、
前記表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報である場合は、前記画像処理装置は、前記読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを添付ファイルとする電子メールを、前記電子メールアドレスに送信するための設定画面を、画像処理装置の表示手段に表示する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記表示情報が、所定のウェブページのアドレスを示すブックマークの表示中であることを示す情報である場合は、前記画像処理装置は、前記ウェブページのアドレスにアクセスし、得られたウェブページを画像処理装置の表示手段に表示する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記画像処理装置の記憶手段は、記憶領域である1個又は複数個のボックスを備え、
前記表示情報が、携帯端末が有するフォルダを表示中であることを示す情報であり、かつ表示情報に、該フォルダに保存されているファイルのリストが含まれている場合は、前記画像処理装置は、前記携帯端末が有するフォルダの内容と画像処理装置における前記フォルダに対応する前記ボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記表示情報が、地図データを表示中であることを示す情報である場合は、前記画像処理装置は、ウェブサイトから同一地点の詳細な地図データをダウンロードして画像処理装置の表示手段に表示する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記表示情報に、画像処理装置の原稿読み取り手段の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットの設定値が含まれている場合には、前記画像処理装置は、前記設定画面を表示手段に表示することなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行する請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、画像処理装置は、前記設定画面を画像処理装置の表示手段に表示させることなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行する請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報以外の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、画像処理装置は、前記原稿読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを携帯端末に送信する請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項12】
携帯端末と非接触で通信可能な画像処理装置であって、
前記携帯端末から非接触通信により送信されてきた、該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を受信する受信手段と、
前記表示情報と自装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された表示情報及び実行すべき動作と、前記受信手段により受信された表示情報とに基づいて、受信された表示情報に対応する実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように自装置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、
前記受信手段は、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を受信し、
前記記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信手段で受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行するように自装置を制御する請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記実行すべき動作が前記ドキュメントの印刷であり、前記制御手段は自装置にそのドキュメントの印刷を実行させる請求項12または13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記表示情報がドキュメントの先頭ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記制御手段は、前記ドキュメントの先頭ページからの印刷を実行し、ドキュメントの途中ページが表示されていることを示す情報である場合には、前記ドキュメントの途中ページ以降の印刷を実行するように、自装置を制御する請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
原稿を読み取る読み取り手段を備え、
前記表示情報が電子メールアドレスの設定された電子メール設定画面が表示されていることを示す情報である場合は、前記制御手段は、前記読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを添付ファイルとする電子メールを、前記電子メールアドレスに送信するための設定画面を、自装置の表示手段に表示するように自装置を制御する請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記表示情報が、所定のウェブページのアドレスを示すブックマークの表示中であることを示す情報である場合は、前記制御手段は、前記ウェブページのアドレスにアクセスし、得られたウェブページを自装置の表示手段に表示するように自装置を制御する請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記記憶手段は、記憶領域である1個又は複数個のボックスを備え、
前記表示情報が、携帯端末が有するフォルダを表示中であることを示す情報であり、かつ表示情報に、該フォルダに保存されているファイルのリストが含まれている場合は、前記制御手段は、前記携帯端末が有するフォルダの内容と前記フォルダに対応する前記ボックスの内容とを一致させるフォルダ同期処理を実行するように自装置を制御する請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記表示情報が、地図データを表示中であることを示す情報である場合は、前記制御手段は、ウェブサイトから同一地点の詳細な地図データをダウンロードして自装置の表示手段に表示するように自装置を制御する請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記表示情報に、前記原稿読み取り手段の読み取り解像度及び添付ファイルのフォーマットの設定値が含まれている場合には、前記制御手段、前記設定画面を表示手段に表示させることなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行するように自装置を制御する請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記表示情報に、携帯端末の電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、前記制御手段は、前記設定画面を自装置の表示手段に表示させることなく、読み取り手段による原稿の読み取り及び電子メールの送信を実行するように自装置を制御する請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記表示情報に、電子メール設定画面の電子メール本文に所定の情報以外の情報が入力されたことを示す情報が含まれている場合には、前記制御手段は、前記原稿読み取り手段により読み取られた原稿の画像データを携帯端末に送信するように自装置を制御する請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項23】
相互に非接触で通信可能な携帯端末と画像処理装置を備えた画像処理システムの動作方法であって、
前記携帯端末は、
該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を非接触通信により送信する送信ステップを実行し、
前記画像処理装置は、
前記携帯端末から送信されてきた表示情報を非接触通信により受信する受信ステップと、
表示情報と画像処理装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段の前記表示情報及び実行すべき動作と、前記受信ステップにおいて受信された表示情報とに基づいて、前記実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御する制御ステップと、
を実行する画像処理システムの動作方法。
【請求項24】
前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、
前記送信ステップでは、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を送信し、
前記画像処理装置の記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、
前記画像処理装置の制御ステップでは、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信ステップにおいて受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行する請求項23に記載の画像処理システムの動作方法。
【請求項25】
携帯端末と非接触で通信可能な画像処理装置のコンピュータに実行させるための動作プログラムであって、
前記携帯端末から非接触通信により送信されてきた、該携帯端末の表示手段に何が表示されているかを示す表示情報を受信する受信ステップと、
前記表示情報と自装置が実行すべき動作とを予め対応付けて記憶する記憶手段の前記表示情報及び実行すべき動作と、前記受信ステップにおいて受信された表示情報とに基づいて、前記実行すべき動作を決定し、該動作を実行するように画像処理装置を制御するステップと、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理装置の動作プログラム。
【請求項26】
前記表示情報が所定フォーマットのドキュメントが表示されていることを示す情報であり、
前記受信ステップでは、携帯端末のユーザを示すユーザ情報を受信し、
前記記憶手段は、自装置が過去に動作を実行したドキュメントのフォーマット種別、実行した動作及び動作実行時刻をユーザ毎の動作履歴として記憶し、
前記画像処理装置の制御ステップでは、前記記憶手段に記憶された動作履歴におけるユーザ情報、フォーマット種別、動作実行時刻と、前記受信ステップにおいて受信したユーザ情報、ドキュメントのフォーマット種別、受信時刻とを比較し、これらが合致する動作履歴における動作を実行するように、画像処理装置を制御する処理をコンピュータに実行させる請求項25に記載の動作プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−199642(P2010−199642A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38679(P2009−38679)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】