説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】 2次色データを生成する画像処理において、処理速度の劣るシステムで処理を実行しても、全体として処理速度の低下を伴わずに2次色のデータを生成することを可能とする。
【解決手段】 プレーン拡大処理(S805)によって、C,M,Y,Kデータに基づいてプリンタで用いるインクC,M,Y,K、Rのデータを生成する。すなわち、MとYのデータを利用して新たにM、Y、Rのデータを生成する。M、Yのデータが両方とも1以上であるとき、それらの値のRデータが生成されるとともに、Rデータに変化した分の残りが新たにそれぞれM、Yのデータとなる。このように、色変換処理など(S803、S804)では、最小限のプレーン数で変換を行い、プレーン拡大を行うことにより、色変換処理などにおけるプレーン数よりも多い色のインクを用いる場合でも、量子化処理の負荷を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、詳しくは、イエロー、マゼンタ、シアンの1次色以外にレッド、ブルー、グリーンの2次色の記録剤を用いる場合のこれら記録剤データの生成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の銀塩カメラに代わりデジタルカメラが急激に普及して来ている。これはパーソナルコンピュータ(以下、PC)が多くの人に浸透したことにより、デジタル化された画像をより気軽に取り扱うことが出来るようになったことが、一つの要因と考えられる。また、デジタルカメラで撮影される画像の高画素、高画質化も要因として考えられる。さらに、携帯電話やPDAといったモバイル機器の高機能化に伴い、それらの機器にデジタルカメラを備えたものも提供され、PCを保有しない人でもデジタル化された写真に接する機会が増えている。
【0003】
これらのデジタルカメラで撮影した画像を、PCを介することなく記録できるよう、これらのデジタルカメラもしくはそれを備えた機器に直接接続し、あるいは撮影した画像を記憶した記憶媒体を装着し、記録を行うプリンタが提供されている。これは、通常ホスト側であるPCで行っていた画像処理の機能をプリンタに持たせることによって実現されるものである。
【0004】
図1は、通常プリンタで行っている画像処理の一例で、上記のようにプリンタに持たせることがある画像処理機能の一例を示す図である。先ず、デコード処理部101が、デジタルカメラの撮影によってJPEG(Joint Photographic coding Experts Group:ISO/IEC、ITU−TT.81またはISO/IEC、IS10918−1)などの圧縮フォーマットにエンコードされた画像データをデコードする。ここでは、JPEG形式にエンコードされた画像データに対し、エントロピー復号化、逆量子化、逆DCT変換を行い、デコード処理を実行する。これらの処理は公知のものであり、ここではその詳細な説明は省略する。このデコード処理により、輝度(Y)、色差(Cb,Cr)形式の画像データが、8ピクセル×8ピクセル単位で生成されて行く。
【0005】
次に、色処理部102では、デコードされたYCbCr形式の画像データに対し、画像補正103や色変換処理104を施し、プリンタの記録剤であるインクの色に変換する。画像補正処理103では、画像のホワイトバランスの補正や露出補正を行うことや、モノクロやセピアなどの補正処理、デジタルカメラで撮像した画像に含まれるCCDノイズの除去、ローパス/ハイパスなどのフィルタリング処理など、様々な処理が実行される。また、色変換処理104では、YCbCr形式で補正が施された画像データを、例えばシアン、マゼンタ、イエローのプリンタのインク色に変換処理する。インク色に変換された画像データは、プリンタにおいて記録動作に必要な階調に変換すべく量子化処理部105へと送られる。量子化処理の方法としては、誤差拡散法やディザ法などが挙げられる。これらの処理により、量子化されたプリンタのインク色データは、プリンタの記録制御部(図示せず)に送られ、それに基づいて記録動作が行われる。
【0006】
プリンタがインクジェット方式の場合、インク色として、従来からシアン、マゼンタ、イエローが、広く利用されてきた。しかし、ここ数年の間に、染料などの色剤濃度が通常よりも低いインク、例えば、濃度の低いシアン(淡シアン)インクやマゼンタ(淡マゼンタ)インクなどを使用することが多くなってきている。このような低濃度のインクを用いることにより、画像の粒状性を低減するなど画質を向上させることが可能となる。
【0007】
この濃度の低いインクデータを作成する一般的な方法としては、色変換処理において、同時に淡インクのデータを生成する方法である。具体的には、上述した色変換処理で、YCbCrデータを、シアン、マゼンタ、イエローのほか、淡シアン、淡マゼンタを発生させる方法である。この場合、色変換処理の負荷が淡インク分増大することや、テーブルを用いて色変換を行う場合には、テーブル数の増加も伴う。
【0008】
他の方法として、色変換処理では淡インクの生成を行わずに、その後の処理において、淡インクを生成する方法がある。特許文献1や特許文献2では、色変換処理実行後に、図2に示すような振り分けテーブルを用い、通常のインクである濃インクのデータを入力信号値とし、その値に応じて濃インクと淡インクの出力信号値を得る。その後、得られた濃インクおよび淡インクのそれぞれの信号値に量子化処理を行う。
【0009】
さらに、量子化処理の段階で淡インクデータを生成する提案もなされている。特許文献3には、誤差拡散による量子化処理において、淡インクデータを発生させることが記載されている。例えば、量子化レベルが3レベルの場合、
0・・・記録しない
0.5・・・淡インクを記録
1・・・濃インクを記録
とすることにより、淡インクデータを生成している。また、特許文献4には、ディザパターンを用いた量子化において併せて淡インクデータを生成する方法が記載されている。
【0010】
インクデータの形態の他の例として、インクの大小ドットのデータを生成するものも知られている。すなわち、最近のインクジェットプリンタでは、記録ヘッドにおける吐出口のサイズを異ならせたり吐出口内の吐出エネルギーを生成するヒータの数を異ならせたりすることにより、記録するドットのサイズが異なる形態が知られている。これにより、濃度が低く記録するドットの数が少ない領域では、視認しづらい小さいドット(小ドット)を用い、逆に濃度の高く個々のドットの視認性の低い領域では、大きいドット(大ドット)を用いることにより、粒状性を低減させ、かつ効率的にインクを用いることが可能となる。
【0011】
この形態においても、濃度の異なるインクを用いた場合と同様に、大小ドットに対応したインクデータの振り分けが必要となる。振り分け方法としては、上述した濃淡インクの場合と同じ方法が考えられる。つまり、色変換処理において、小ドットのデータを発生させる方法、色変換後の量子化処理前に振り分けテーブルなどを利用し、大ドットと小ドットを振り分ける方法、量子化処理でその量子化レベルに応じて、大ドットと小ドットを使い分ける方法である。
【0012】
さらに、インクなど記録剤の色ごとのデータ生成に関するものとして、次のものが知られている。インクジェットプリンタで用いられるインクの色は、主にシアン、マゼンタ、イエローの所謂一次色と呼ばれるものが多い。これらのインクを記録紙面上で記録ドットとして混合することで、減法混色により、所望の色の表現するものである。あるいは上記の3色にブラックを加えて所望の色を表現することが行われる。しかし、ここ数年の入力ソースの高画質化やユーザーニーズの向上により、より広い色再現範囲、より精度の高い色再現が求められるようになってきている。その要望に応じるため、一次色のほか、レッド、グリーン、ブルーと言った二次色と呼ばれる色を用いるものが増しつつある。このようなインク色の増加に伴い、処理するデータ量も増加する。特許文献5や特許文献6は、そのような二次色を用いた場合の処理について述べている。そこでは、上述した淡インクを使用した場合や大小ドットを用いた場合と同様に、色変換後の一次色のデータから二次色を生成している。
【0013】
また、さらなる発展系として、濃度が異なるインクおよび1次色と2次色のインクを用い、さらに異なるドットサイズで記録を行うことができるインクジェットプリンタも提案されている。この場合も、上述した従来技術、色変換処理、量子化前の振り分けテーブル、量子化レベルに応じた使い分けを利用し、必要な記録ドットデータを生成することにより、記録を実行することが可能となっている。
【0014】
【特許文献1】特開平06−3238733号公報
【特許文献2】特開平06−312518号公報
【特許文献3】特開平06−336035号公報
【特許文献4】特開平11−10916号公報
【特許文献5】特開2002−154240号公報
【特許文献6】特開2002−154239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このように、インクジェットプリンタを例にとると、従来からの課題であった粒状感を抑制するなど、さらなる高画質化のため、記録するインクの改良、紙面への吐出を行う記録ヘッドの向上が図られてきている。それに伴い、データ生成処理を実行する画像処理部では負荷が増大する。上記の従来技術で述べたような処理する色数(以下、プレーン数ともいう)が2倍になると、それを記録できる形式のデータを生成する処理も2倍に増加する。
【0016】
特に、デジタルカメラを直接接続するなどして画像データを取り込み、その画像処理をプリンタで実行するシステムは、PCのシステムに比べ、CPUの性能、バス幅、処理速度、搭載メモリ容量などで大きく劣っている。
【0017】
このような限られた画像処理構成によって、二次色の記録剤を用いる場合は、特に、その処理を如何に効率的に行うかが課題となる。すなわち、異なる濃度のインクや、ドットサイズの異なる記録ヘッドを用いる場合は、インク色としては、同系色のものであるため、処理負荷の軽減のためには、例えば、特許文献3に記載されるような、処理順序が後である量子化処理での振り分けを行うことが有効となる。しかし、量子化処理自体は一つのインク色の階調を落とすことを目的としたものであり、異なる色相のインクへの振り分けを行うことは困難である。その結果、二次色記録剤を用いた記録系の場合、必然的に量子化処理前に二次色記録剤への振り分けを行わねばならず、量子化処理は二次色インクについても実行する必要がある。このため、特に、画像処理をPCで実行しない記録では、全体の記録処理で十分な速度が得られないという問題がある。その結果、従来の手法を用いると、ユーザーにとって満足する記録速度が得られなかったり、また、これらの問題を解決するために搭載メモリ容量の増加やアクセススピードの向上、CPUの性能を向上させる等の手法を用いる必要があったりし、結果としてコストアップが生じることとなる。
【0018】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、特に、処理速度の劣るシステムで画像処理を実行しても、全体として処理速度の低下を伴わずに2次色のデータを生成することが可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そのために本発明では、画像データを記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータに変換し、該色成分のデータに変換された画像データに基づいて記録装置の記録用データを生成する画像処理装置において、前記変換された色成分データのうち2つの色成分のデータに基づいて、当該2つの色成分の混合によって生成される色の色成分であって記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータを生成するとともに、該生成に応じて前記変換された色成分のデータを更新し、前記生成した色成分データおよび前記更新した色成分データに基づいて前記記録用データを生成するデータ生成手段を具えたことを特徴とする。
【0020】
また、画像データを記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータに変換し、該色成分のデータに変換された画像データに基づいて記録装置の記録用データを生成するための画像処理方法において、前記変換された色成分データのうち2つの色成分のデータに基づいて、当該2つの色成分の混合によって生成される色の色成分であって記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータを生成するとともに、該生成に応じて前記変換された色成分のデータを更新し、前記生成した色成分データおよび前記更新した色成分データに基づいて前記記録用データを生成するデータ生成工程を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上の構成によれば、色変換された色成分データのうち2つの色成分のデータに基づいて、当該2つの色成分の混合によって生成される色の色成分であって記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータを生成するとともに、該生成に応じて前記変換された色成分のデータを更新するので、上記2つの色成分の混合によって生成される色を含んだ、記録に用いる記録剤の色の記録用データを生成する際、色変換処理において上記混合によって生成される色の分の処理を行わずに、その色を含んだ記録用データを生成することができる。
【0022】
より具体的には、記録する色の成分数よりも少ない数で色変換処理を行い、この色変換後に上記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分生成処理を行うことができる。これにより、負荷の高い色変換処理が、少ない色成分で実行されるため、例えば、四面体補間処理を利用した色変換処理であれば、四面体の4点の頂点からターゲット値を導き出す補間演算の演算回数が削減される。そして、演算回数の少なくなったことが、画像処理の高速化に繋がり、その結果、プリンタの記録時間の短縮が実現される。また、色成分の数が少ないため、各処理後のデータを書き出し、保持しておくメモリ容量も少なくなるため、使用メモリの削減をももたらすことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図3は、本発明の一実施形態に係る記録装置としてのフォトダイレクトプリンタ1000の外観を示す斜視図である。このフォトダイレクトプリンタは、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して印刷する、通常のPCプリンタとしての機能と、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データを直接読取って印刷したり、あるいはデジタルカメラからの画像データを所定のケーブルを介して直接受信し印刷する機能を備えている。
【0024】
図3において、本実施形態のフォトダイレクトプリンタ1000は、外装として、概略、下ケース1001、上ケース1002、アクセスカバー1003および排出トレイ1004を備えている。また、下ケース1001は、プリンタ1000の略下半部を、上ケース1002は略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有し、その上面部及び前面部にはそれぞれ開口部が形成されている。さらに、排出トレイ1004は、その一端部が下ケース1001に回動自在に保持され、その回動によって下ケース1001の前面部に形成される開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイ1004を前面側へと回動させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に、排出された記録シートを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイ1004には、2枚の補助トレイ1004a,1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0025】
アクセスカバー1003は、その一端部が上ケース1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバー1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジ(図示せず)あるいはインクタンク(図示せず)等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバー1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。また、上ケース1002の上面には、電源キー1005が押下可能に設けられている。また、上ケース1002の右側には、液晶表示部1006や各種キースイッチ等を備える操作パネル1010が設けられている。
【0026】
さらに図3において、1007は自動給送部を示し、記録シートを記録部へと自動的に給送する。1008は紙間選択レバーを示し、このレバーを操作することにより、記録ヘッドと記録シートとの間隔を調整することができる。1009はカードスロットを示し、ここにメモリカードを装着可能なアダプタが挿入され、このアダプタを介してメモリカードに記憶されている画像データを取り込むことができる。このメモリカード(PC)としては、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ、スマートメディア、メモリスティック等がある。1011はビューワ(液晶表示部)を示し、本装置に対して着脱可能であり、PCカードに記憶されている画像の中から記録したい画像を検索する場合など、1コマ毎の画像やインデックス画像などを表示するのに使用される。1012は後述するデジタルカメラを接続するための端子、1013は、パーソナルコンピュータ(PC)を接続するためのUSBバスコネクタをそれぞれ示す。
【0027】
以上説明したカバーの内部に配設される記録部の構成は、インクを吐出する記録ヘッドを記録用紙などの記録媒体上を走査させて記録を行う、いわゆるシリアル方式のものである。記録ヘッドは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)およびマゼンタとイエローの2次色であるレッド(R)のインクに対応してそれぞれ用意される。
【0028】
図4は、上述したフォトダイレクトプリンタ1000の制御に係る主要部の構成を示す図である。図において、3000は制御部を示し、具体的には制御基板上に以下の回路などが形成されることによって構成されるものである。3001はASIC(専用カスタムLSI)を示し、その詳細な構成は図5を参照して詳しく後述する。3002はDSP(デジタル信号処理プロセッサ)を示し、内部にCPUを有して後述する画像処理等を実行する。3003はメモリを示し、DSP3002におけるCPUが実行する制御プログラムを記憶するプログラムメモリ3003a、およびその実行時のプログラムを記憶するRAMエリア、画像データなどを記憶するワークメモリとして機能するメモリエリアを有している。3004はプリンタエンジンを示し、本実施形態は、複数色のカラーインクを用いてカラー画像を記録するインクジェットプリンタのプリンタエンジンである。3005はデジタルカメラ3012を接続するためのポートとしてのUSBバスコネクタを示す。3006はビューワ1011を接続するためのコネクタを示す。3008はUSBバスハブ(USB HUB)を示し、本プリンタ1000がPC3010からの画像データに基づいて印刷を行う際には、PC3010からのデータをそのままスルーし、USBバス3021を介してプリンタエンジン3004に出力する。これにより、接続されているPC3010は、プリンタエンジン3004と直接、データや信号のやり取りを行って記録を実行することができる(すなわち、一般的なPCプリンタとして機能する)。3009は電源コネクタを示し、電源3013により、商用ACから変換された直流電圧を入力する。PC3010は一般的なパーソナルコンピュータ、3011は前述したメモリカード(PCカード)、3012はデジタルカメラをそれぞれ示す。なお、この制御部3000とプリンタエンジン3004との間の信号のやり取りは、前述したUSBバス3021またはIEEE1284バス3022を介して行われる。
【0029】
図5は、ASIC3001の詳細な構成を示すブロック図である。図において、4001はPCカードインターフェース部を示し、装着されたPCカード3011に記憶されている画像データを読取ったり、あるいはPCカード3011へのデータの書き込み等を行う。4002はIEEE1284インターフェース部を示し、プリンタエンジン3004との間のデータのやり取りを行う。このIEEE1284インターフェース部は、デジタルカメラ3012あるいはPCカード3011に記憶されている画像データを記録する場合に使用されるバスである。4003はUSBインターフェース部を示し、PC3010との間でのデータのやり取りを行う。4004はUSBホストインターフェース部を示し、デジタルカメラ3012との間でのデータのやり取りを行う。4005は操作パネル・インターフェース部を示し、操作パネル1010からの各種操作信号を入力したり、表示部1006への表示データの出力などを行う。4006はビューワ・インターフェース部を示し、ビューワ1011への画像データの表示を制御している。4007は各種スイッチやLED4009等との間のインターフェースを制御するインターフェース部を示す。4008はCPUインターフェース部を示し、DSP3002との間でのデータのやり取りの制御を行う。4010はこれら各部を接続する内部バス(ASICバス)を示す。
【0030】
以上説明した構成において動作する制御プログラムは、機能モジュールごとにタスク化したマルチタスク形式で構成されている。図6は、そのタスク構成の主なものを示すブロック図である。
【0031】
図6において、8000はシステムコントロールタスクを示し、各タスク間でのイベント発行、イベントの終了に伴うシーケンス制御や排他処理等、システム全体の調停を行う。8001はキーイベントタスクを示し、操作パネル1010のキー操作に基づいて、押下されたキーの解析等を行う。8002はLCD表示部1006への表示タスクを示し、表示部1006におけるUI制御或はメッセージ表示要求等が発生した時点で起動され、表示部1006への表示制御を実行する。8003はPCカード3011への読み書き、あるいはIEEE1394、あるいはブルーツゥースなどによるデータの入出力により起動されるタスクを示す。8004はUSBバスを介して接続されるPC3010からのデータ転送により起動されるUSBプリンタタスクを示し、USBのプリンタ割り込みにより起動され、PCプリンタとしての機能を実行する。8005は、システムコントロールタスク8000により起動され、ファームウェアの初期化を行う。また、システムコントロールタスク8000からのメッセージに応じて、下位タスクであるUSBコントロールタスク、USBバスタスクの起動、終了を行う。8006はUSBタスクにより起動されるタスクを示し、USBを介して接続されるデジタルカメラ3012からのデータの読込みや各種通信制御等を実行する。8007はファイルタスクを示し、ファイルのオープン、クローズ、リード、ライト等の入出力制御を行う。8008はプリンタエンジン3004と接続されるセントロニクス・インターフェースから起動されるタスクを示し、印刷データのDMA送信、ステータス応答等を実行する。8009は画像処理タスクを示し、後述する画像処理を実行し、プリンタエンジン3004に出力するラスタデータを作成する。8010はページ・クリエイトタスクを示し、JPEGデータを伸長して画像データに変換する。8011はビューワタスクを示し、ビューワ1011が接続されている状態で、ビューワ1011への表示制御を実行する。
【0032】
図7は、以上説明したプリンタの画像処理タスクによって実行される、本発明の第一の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【0033】
図において、ページクリエイトタスクによってデコード処理されたYCbCr形式の画像データは、最初に、ステップS801で、画像補正処理が施される。この画像補正処理としては、例えば、彩度強調処理を行う。この彩度強調処理では、色差成分について、定数k(k≧1)を乗じることにより、画像全体の彩度を上げる処理を行う。処理後の色差成分をCb’、Cr’とすると、
Cb’=k×Cb
Cr’=k×Cr
となる。定数kについては、彩度強調指定のある場合は、一律向上させても良いし、画像のヒストグラムからその値を算出しても良い。この例では、輝度については、補正は行わない。よって、処理後の輝度Y’は
Y’=Y
である。画像補正処理が施されたY’Cb’Cr’のデータは、次に、ステップS802で、YCbCrからRGBへの変換処理が行われる。YCbCrからRGBへの変換は、ITU−R BT.601に準拠した下記式により変換される。
R=Y+1.402(Cr−128)
G=Y−0.34414(Cb−128)−0.71414(Cr−128)
B=Y+1.772(Cb−128)
但し、YCbCrは、8ビットで0〜255とする。
【0034】
RGB形式に変換された画像データは、順次、色変換処理(ステップS803)、量子化処理(ステップS804)、プレーン拡大処理(ステップS805)を行い、最終的にインデックス展開処理(ステップS806)を行ってインク色であるC,M,Y,K,Rの5成分の出力階調データを生成する。
【0035】
ステップS803の色変換処理では、RGBデータをインク色のデータに変換する。その方法は、算術演算で導き出す方法やテーブル参照方法など、従来さまざまな方法が知られている。このうち、テーブル参照方法は、補間処理を利用することにより、柔軟性のある変換処理が、少ないテーブル容量で実現できるものであり、本実施形態はこの方式を用いている。
【0036】
図8(a)および(b)は、テーブル参照型の色変換処理で用いられる補間処理の一例として、四面体補間処理を示す図である。本実施形態では、入力信号がRGBの3成分データなので、3次元の補間処理となる。各入力信号に対し、ある間隔毎に参照点が設置され、3成分の入力となっているので、その組み合わせ数の参照点が存在する。各色256階調のRGB値をそれぞれ16レベルずつに16分割した場合は4913点となる。そして、各参照点に対応する値がテーブル値、本実施例の場合、C、M、Y、K値、が予め割当てられている。図9は、そのテーブルの一例を示す図である。
【0037】
補間処理では、まず入力信号がどの直方体(もしくは立方体)に存在するのかを検索する。そして、検索された直方体(もしくは立方体)の中で、どの四面体囲まれているかの検索を行う。図8(a)に示される6通りの四面体の中から選択されることになる。四面体が決定された後、囲まれる4点を利用し、ターゲット値を算出する。図8(b)は、図8(a)において、下側の右端の四面体が選択された後の算出方法を示す図である。
【0038】
四面体の4頂点をp0、p1、p2、p3とし、ターゲットとなる点pとするとき、図8(b)に示すように、さらに細かい小四面体に分割する。各参照点に対応する変換値をそれぞれf(p0)、f(p1)、f(p2)、f(p3)とすると、下記式により算出される。
【0039】
【数1】

【0040】
ここで、w0、w1、w2、w3は、各頂点piと反対向位置の小四面体の体積比、iは色成分の数である。
【0041】
このような補間処理を用いることにより、メモリ容量に制限のあるプリンタでの画像処理においても、少ないメモリ容量で精度の高い色変換を行うことが可能となり、好適な画像が実現出来る。
【0042】
図7を再び参照すると、ステップS803によってインク色に変換されたデータは、次に、ステップS804で量子化処理が施される。これは、多ビットのデータを記録装置で記録出来るより少ないビット数に変換するものである。本実施形態は、記録(1)/非記録(0)の1ビット2値のインクジェットプリンターであるが、インデックスパターンによる展開処理(ステップS806)を用いることから、この量子化処理では、C、M、Y、K各8ビット256値のデータをそれぞれ3ビット5値データに量子化する。量子化方法は、写真画像の量子化に好適な誤差拡散法を用いる。
【0043】
図10は、誤差拡散法における誤差分配方法を説明する図である。本実施形態では、5値に量子化するため、下記のような4つのしきい値TH0、TH1、TH2、TH3を用いる。
L≦TH0・・・・・・0
TH0≦L<TH1・・・・・・1
TH1≦L<TH2・・・・・・2
TH2≦L<TH3・・・・・・3
TH3≦L・・・・・・4
5値化された、C,M,Y,Kのデータは、その後、ステップS805でプレーン拡大処理が施される。
【0044】
ステップS805では、本発明の第1の実施形態に係るプレーン拡大処理によって、5値のC,M,Y,Kデータに基づいて、本プリンタで用いるインクの色であるC,M,Y,K、Rの5値データを生成する。すなわち、色(プレーン)を拡張する処理を行う。
【0045】
図11は、この拡張処理に用いられるテーブルを示す図である。
同図に示すように、本実施形態では、MとYのデータを利用して新たにM、Y、Rのデータを生成する。従って、C、Kのデータはこの処理によって変化せずそのまま出力される。
このテーブルを利用した変換例としては、次のようになる。
【0046】
(例1)
(C、M、Y、K)=(2、2、1、0)→(C、M、Y、K、R)=(2、1、0、0、1)
(例2)
(C、M、Y、K)=(4、1、1、0)→(C、M、Y、K、R)=(4、0、0、0、1)
(例3)
(C、M、Y、K)=(0、2、4、1)→(C、M、Y、K、R)=(0、0、2、1、2)
【0047】
これらの例および図11から分るように、5値に量子化されたM、Yのデータが両方とも1以上であるとき、それらの値のRデータが生成されるとともに、Rデータに変化した分の残りが新たにそれぞれM、Yのデータとなる。
【0048】
以上のプレーン拡大処理の後、ステップS806で、インデックス展開処理が行われる。ここでは、5値データをインデックスパターンを参照し、記録画素におけるドット配置を決定する。すなわち、2値化を行う。図12はインデックスパターンの一例を示す図である。このパターンテーブルは、インク濃度の高いCとMで、逆パターンになるよう設計されている。この処理が実行され、ドット単位で決定された後、対応する記録ヘッドのノズルごとにデータが転送され、インクの吐出、非吐出が決められ、記録が行われる。
【0049】
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、色変換処理において、最小限のプレーン数で変換を行い、そのプレーン数に対し、量子化処理を実行した後、予め設定してある拡張テーブルを用いてプレーン拡大を行う。これにより、色変換処理などにおけるプレーン数よりも多い色のインクを用いる場合でも、量子化処理の負荷を軽減することが可能となる。この結果、量子化処理に要する時間が短縮され、従来技術ではなし得ない高速化が実現可能となる。また、色変換などは少ないプレーン数で処理が実行されるので、必要なRAM容量も少なくて済み、高コスト化を伴わずに高速化を実現することが可能となる。さらに、色変換処理に用いる変換テーブルについても、容量を削減することができ、データを格納するROM容量を減らすことで、コストダウンが可能となる。そして、これらの効果は、印刷機器とカメラの接続による記録や、付属するメモリカードからの記録と言った、使用可能RAM容量、テーブル格納するROM容量が少なく、かつ処理データ量が多く、高画質の求められる組込み系の画像処理において、特に有効なものとなる。
【0050】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、プレーン拡大処理においてテーブルを参照して拡大処理を行った。本実施系形態では、テーブルを参照することなく、計算によって新たなM、Y、Rデータを求めるものである。
【0051】
図7に示した色変換処理(ステップS803)で、C、M、Y、Kの4プレーンに分解され、量子化処理(ステップS804)が施された後、色プレーンの拡大処理(ステップS805)において、
R=f(M、Y)
M=M−g(M、Y)
Y=Y−h(M、Y)
の式に従い演算を行い、新たにM、YおよびRデータが生成される。ここで、f、g、hは、それぞれR、M、Yの振り分け後を導き出す関数である。一例として、
f(A、B)=g(A、B)=h(A、B)=Min(A、B)
を挙げることができる。
ここで、Min(A、B)は、変数A、Bのうち小さい方の値を意味し、
Min(A、B)=(A>B)?B:A
と記述される。
これを用いることで、R、M、Yはそれぞれ、
R=Min(M、Y)
M=M−Min(M、Y)
Y=Y−Min(M、Y)
と記述される。この例は、第1実施形態で示したテーブルを用いる振り分けと同じ振り分けとなるものである。
【0052】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、量子化後の振り分け処理において、演算により2次色Rのデータを導き出すことを実現している。これにより、第1実施形態のように振り分けテーブルが格納されるRAMまたはROMへのアクセススピードが遅い場合やそれらの容量を削減したい場合において、効果を発揮する。また、本実施形態では、振り分けを行う関数として、Min(A、B)を例に挙げたが、任意の関数を設定することが可能であり、振り分けに適切な高次元の関数を利用することも含まれることは言うまでもない。この結果、第1実施形態と同様の効果が得られ、乏しいリソースの組込み系画像処理にいて、コストアップが伴わず、少ないRAM、ROM容量で高画質処理、高速な処理が実現可能となる。
【0053】
(第3実施形態)
上述の第1および第2の実施形態では、C、M、Y、K、Rの5種類のインクを用いるインクジェットプリンタに本発明を適用した形態について説明した。具体的には振り分け処理により、MとYからRを導き出す形態について説明したが、インク色がこれ以上になった場合にも、同様の処理が適用されることは言うまでもない。
【0054】
本発明の第3の実施形態では、C、M、Y、K、R、G、Bの7色のインクを用いる記録装置に関するものである。インクの数が異なる以外についての記録装置やそのシステム構成は、第1の実施形態で説明した構成と同様であるので割愛し、C、M、Y、Kで量子化された後の処理から説明を行う。
【0055】
図13は、この場合の振り分け処理を示すフローチャートである。
5値に量子化されたC、M、Yのデータは、ステップS1401のR生成処理を行い、R信号値を生成する。この処理は、上述の第1実施形態で説明したようなテーブル参照、または第2実施形態で説明した演算によるもののいずれでもよい。この処理では、M、Yの信号値から、新たなR信号値およびM’、Y’信号値を生成する。
【0056】
次に、ステップS1402で、G生成処理を行い、G信号値を生成する。これは、R信号値と同様の処理であるが、C、Y’を利用する。これにより、新たなG信号値を発生させ、C’およびY”信号値を生成する。
【0057】
同様に、ステップS1403で、B生成処理を行い、C’とM’信号値から新たなB信号値とC”およびM”を求める。
【0058】
以上の処理によって、最終的には、C、M、Y、K、R、G、Bの量子化後のデータを得ることができ、その後、インデックス展開処理1404によって記録ドットの配置が決定され、記録処理が実行される。
【0059】
以上述べたように、本発明の第3の実施形態によれば、複数回プレーン拡大処理を繰り返すことにより、繰り返した回数分のインクを生成することができる。また、本実施形態では、R、G、Bの順序でデータを生成したが、この順番は特に入れ替わっても構わない。さらに本実施例においては、R、G、Bへの振り分けを例に挙げたが、インクを振り分けるテーブルや関数を変えることでこれ以外のインク色、例えばオレンジインクやバイオレットインクなどへの拡大も可能なことは言うまでもない。
【0060】
これにより、将来インクの色数が増えて行った場合においても、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られ、処理時間の低下を最小限に抑えた高速化と、使用するRAM、ROM容量の抑制を両立することが実現でき、ユーザーにとっても満足の記録速度、コストが実現する。
【0061】
(他の実施形態)
本発明は、プリンタで画像処理を行う場合に、画像処理負荷やメモリ容量のなどの点で特に顕著な効果を得ることができるが、本発明の適用は、画像処理がパーソナルコンピュータなどのホスト装置で行われる形態にも適用できる。すなわち、この形態のホスト装置が比較的処理速度の劣るシステムであるような場合、全体として処理速度の低下を伴わずに2次色のデータを生成することが可能となる。
【0062】
(さらに他の実施形態)
本発明は上述のように、複数の機器(たとえばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0063】
また、図7、図13にて前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
【0064】
またこの場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0065】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0066】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0067】
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】通常プリンタで行っている画像処理の一例で、プリンタに持たせることがある画像処理機能の一例を示す図である。
【図2】濃淡振り分けテーブルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る記録装置としてのフォトダイレクトプリンタの外観を示す斜視図である。
【図4】上記フォトダイレクトプリンタの制御に係る主要部の構成を示す図である。
【図5】図4に示すASIC3001の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】図4、図5にて説明した制御プログラムにおける機能モジュールのタスク構成の主なものを示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【図8】(a)および(b)は、テーブル参照型の色変換処理で用いられる補間処理の一例として、四面体補間処理を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る色変換処理に用いられるルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図10】本実施の形態に係る誤差拡散法における分配方法を表す図である。
【図11】図7に示すプレーン拡大処理で用いる参照テーブルの一例を示す図である。
【図12】本実施の形態に係るインデックスパターンの一例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
3000 制御部
3001 ASIC
3002 CPU
3003 メモリ
3004 プリンタエンジン
3005 SUB PCB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータに変換し、該色成分のデータに変換された画像データに基づいて記録装置の記録用データを生成する画像処理装置において、
前記変換された色成分データのうち2つの色成分のデータに基づいて、当該2つの色成分の混合によって生成される色の色成分であって記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータを生成するとともに、該生成に応じて前記変換された色成分のデータを更新し、前記生成した色成分データおよび前記更新した色成分データに基づいて前記記録用データを生成するデータ生成手段
を具えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記データ生成手段は、前記変換された色成分データを量子化し、該量子化した色成分データに基づいて、前記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分データの生成、および前記変換された色成分のデータの前記更新を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変換された色成分データの色は、シアン、マゼンタ、イエローを含み、前記生成される色成分データの色は、レッド、グリーン、ブルーの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分データの生成、および前記変換された色成分のデータの前記更新は、テーブルを参照することにより行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分データの生成、および前記変換された色成分のデータの前記更新は、所定の式に従った演算によって行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像データを記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータに変換し、該色成分のデータに変換された画像データに基づいて記録装置の記録用データを生成するための画像処理方法において、
前記変換された色成分データのうち2つの色成分のデータに基づいて、当該2つの色成分の混合によって生成される色の色成分であって記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータを生成するとともに、該生成に応じて前記変換された色成分のデータを更新し、前記生成した色成分データおよび前記更新した色成分データに基づいて前記記録用データを生成するデータ生成工程
を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記データ生成工程は、前記変換された色成分データを量子化し、該量子化した色成分データに基づいて、前記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分データの生成、および前記変換された色成分のデータの前記更新を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記変換された色成分データの色は、シアン、マゼンタ、イエローを含み、前記生成される色成分データの色は、レッド、グリーン、ブルーの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分データの生成、および前記変換された色成分のデータの前記更新は、テーブルを参照することにより行うことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記2つの色成分の混合によって生成される色の色成分データの生成、および前記変換された色成分のデータの前記更新は、所定の式に従った演算によって行うことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項11】
画像処理装置に、画像データを記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータに変換し、該色成分のデータに変換された画像データに基づいて記録装置の記録用データを生成するための画像処理を実行させるプログラムであって、前記画像処理は、
前記変換された色成分データのうち2つの色成分のデータに基づいて、当該2つの色成分の混合によって生成される色の色成分であって記録に用いる記録剤の色に対応した色成分のデータを生成するとともに、該生成に応じて前記変換された色成分のデータを更新し、前記生成した色成分データおよび前記更新した色成分データに基づいて前記記録用データを生成するデータ生成工程
を有したことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−21412(P2006−21412A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201110(P2004−201110)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】