説明

画像処理装置及び画像処理システム及び画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】能動的に電波を放射するRFIDタグなどを利用して、合成開口レーダの再生画像から特定の位置を容易に検出し、その位置に合わせて再生画像を補正する装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像処理装置510は、合成開口レーダ200からのパルス波に応じてRFIDタグ300aから送信された電波と地表からの当該パルス波の反射波とを反射波データとして反射波データベース501から取得する。そして、RFIDタグ300aから電波により送信された識別子データを反射波データから取得する。また、RFIDタグ300aの識別子データに対応する設置データを位置データベース502から取得し、その設置データにより示された電子基準点400aから位置データを取得する。画像処理装置510は、反射波データに基づいて地表の画像を生成し、位置データに基づいて当該画像を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理システム及び画像処理方法及び画像処理プログラムに関するものである。本発明は、特に、能動型RFID(Radio・Frequency・Identification)タグによる合成開口レーダ画像の位置検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合成開口レーダ(SAR:Synthetic・Aperture・Radar)の再生画像から地表における特定の位置を検出する方法として、合成開口レーダからのパルス波を反射するコーナリフレクタ(反射板)を予め地表に設置し、その地点の位置を測量により特定しておくものがあった(例えば、特許文献1、2参照)。また、別の方法として、再生画像から反射強度の強い地点を特定し、地図からその地点の位置情報を読み取って照合するものがあった(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−91650号公報
【特許文献2】特開2004−157397号公報
【特許文献3】特開2003−173449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前者の方法では、コーナリフレクタの設置のために現地調整(設置する場所を管理する行政機関、法人、個人などから許可を得る手続きなど)を行ったり、GPS(全地球測位システム)などによる現地測量を行ったり、コーナリフレクタの向きに合わせて合成開口レーダからのパルス波の発射方向を決めたりする必要があるため、合成開口レーダ画像を得る前の準備に手間がかかるという課題があった。また、後者の方法では、位置情報の読み取り精度が十分でないため、合成開口レーダ画像から正確な位置を検出することが容易でないという課題があった。
【0004】
本発明は、例えば、能動的に電波を放射するRFID(Radio・Frequency・Identification)タグなどを利用して、合成開口レーダの再生画像から特定の位置を容易に検出し、その位置に合わせて再生画像を補正する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の態様に係る画像処理装置は、
上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置からの当該電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースから、当該反射波データを取得する反射波データ取得部と、
前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する識別子データ取得部と、
前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する位置データを取得する位置データ取得部と、
前記反射波データ取得部が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得部が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理部とを備えることを特徴とする。
【0006】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記位置データベースは、位置データに代えて、前記無線通信装置が付設された電子基準点を示す設置データを記憶し、
前記位置データ取得部は、前記位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する設置データを取得し、当該設置データにより示された電子基準点から位置の観測結果を位置データとして取得することを特徴とする。
【0007】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記反射波データベースは、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を反射波データの一部として記憶し、
前記位置データベースは、前記無線通信装置が付設された電子基準点による位置の観測結果の履歴を位置データとして記憶し、
前記位置データ取得部は、前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を取得し、前記位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する位置データのうち、当該受信時刻における位置の観測結果を示す位置データを取得することを特徴とする。
【0008】
前記無線通信装置は、周囲の環境を観測する環境センサを具備し、
前記画像処理装置は、さらに、
前記環境センサから環境の観測結果を環境データとして取得する環境データ取得部を備え、
前記画像処理部は、前記環境データ取得部が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を加工することを特徴とする。
【0009】
前記環境センサは、周囲の環境として、気象を観測し、
前記画像処理部は、前記環境データ取得部が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像に天気図を重ねた画像を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明の一の態様に係る画像処理システムは、
上空からのパルス波を受信し、当該パルス波に応じて電波を生成し、当該電波により識別子データを送信する無線通信装置と、
飛行体に搭載される合成開口レーダであって、飛行体の飛行中にパルス波を送信し、前記無線通信装置からの電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを受信する合成開口レーダと、
前記合成開口レーダで受信された電波と反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースと、
前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースと、
前記反射波データベースから反射波データを取得する反射波データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する識別子データ取得部と、前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する位置データを取得する位置データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得部が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理部とを備える画像処理装置とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様に係る画像処理システムは、
上空からのパルス波を受信し、当該パルス波に応じて電波を生成し、当該電波により位置データを送信する無線通信装置と、
飛行体に搭載される合成開口レーダであって、飛行体の飛行中にパルス波を送信し、前記無線通信装置からの電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを受信する合成開口レーダと、
前記合成開口レーダで受信された電波と反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースと、
前記反射波データベースから反射波データを取得する反射波データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された位置データを取得する位置データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得部が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理部とを備える画像処理装置とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の一の態様に係る画像処理方法は、
画像処理装置の反射波データ取得部が、上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置からの当該電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースから、当該反射波データを取得する第1ステップと、
前記画像処理装置の識別子データ取得部が、前記第1ステップで取得された反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する第2ステップと、
前記画像処理装置の位置データ取得部が、前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記第2ステップで取得された識別データに対応する位置データを取得する第3ステップと、
前記画像処理装置の画像処理部が、前記第1ステップで取得された反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記第3ステップで取得された位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する第4ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の一の態様に係る画像処理プログラムは、
上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置からの当該電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースから、当該反射波データを取得する反射波データ取得手順と、
前記反射波データ取得手順が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する識別子データ取得手順と、
前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記識別子データ取得手順が取得した識別データに対応する位置データを取得する位置データ取得手順と、
前記反射波データ取得手順が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得手順が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記位置データベースは、位置データに代えて、前記無線通信装置が付設された電子基準点を示す設置データを記憶し、
前記位置データ取得手順は、前記位置データベースから、前記識別子データ取得手順が取得した識別データに対応する設置データを取得し、当該設置データにより示された電子基準点から位置の観測結果を位置データとして取得することを特徴とする。
【0015】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記反射波データベースは、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を反射波データの一部として記憶し、
前記位置データベースは、前記無線通信装置が付設された電子基準点による位置の観測結果の履歴を位置データとして記憶し、
前記位置データ取得手順は、前記反射波データ取得手順が取得した反射波データから、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を取得し、前記位置データベースから、前記識別子データ取得手順が取得した識別データに対応する位置データのうち、当該受信時刻における位置の観測結果を示す位置データを取得することを特徴とする。
【0016】
前記無線通信装置は、周囲の環境を観測する環境センサを具備し、
前記画像処理プログラムは、さらに、
前記環境センサから環境の観測結果を環境データとして取得する環境データ取得手順をコンピュータに実行させ、
前記画像処理手順は、前記環境データ取得手順が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を加工することを特徴とする。
【0017】
前記環境センサは、周囲の環境として、気象を観測し、
前記画像処理手順は、前記環境データ取得手順が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像に天気図を重ねた画像を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一の態様によれば、上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置を利用して、当該電波と前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とから生成される地表の画像から、前記無線通信装置が設置された地点の位置を容易に検出し、その位置に合わせて当該地表の画像を補正する画像処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る画像処理システム100の全体構成図である。
【0021】
図1において、画像処理システム100は、合成開口レーダ200、RFID(Radio・Frequency・Identification)タグ300a,b,c、電子基準点400a,b,c、合成開口レーダ画像処理設備500を備える。この図では、3つのRFIDタグ300a,b,c、3つの電子基準点400a,b,cを示しているが、それぞれ1つ又は2つ、あるいは、4つ以上あってもよい。
【0022】
まず、合成開口レーダ200について説明する。
【0023】
合成開口レーダ200は、航空機や人工衛星などの飛行体に搭載される。合成開口レーダ200は、飛行体の進行方向(アジマス方向)に直角(レンジ方向)にマイクロ波(波長が約1mm〜1mの電磁波)を地表面に向かって照射し、観測対象物から戻ってくる電磁波のはね返りを受信する。その受信信号からは地表面の画像を得ることができるため、合成開口レーダ200は、画像レーダ、あるいは、イメージングレーダとも呼ばれる。合成開口レーダ200は、光学センサでは困難な夜間、雨天・曇天時、火山の噴煙に地表が覆われた状況下などにおける情報収集に有効である。
【0024】
通常、合成開口レーダ200は、航空機に搭載されるものでは約10km、人工衛星に搭載されるものでは約60kmのビーム幅(観測幅)で地表面にパルス波を照射し、その反射波を受信することで、帯状に地表面のデータを取得する。アジマス方向の分解能はビーム幅で決まり、ビーム幅はアンテナ長に反比例するため、従前のレーダでは、アンテナの実開口長を長くして高分解能化を図っていた。しかし、プラットフォームに限界があるため、合成開口レーダ200では、信号処理により等価的にアンテナ長を増大して高分解能化を図っている。つまり、合成開口レーダ200では、信号処理によって受信信号を合成し、あたかも大きなアンテナでデータを取得したようにすることで、アジマス方向の分解能を向上させている。したがって、本実施の形態では、合成開口レーダ200を利用することが望ましいが、これを他の画像レーダに置き換えても構わない。
【0025】
本実施の形態において、合成開口レーダ200は、飛行体の飛行中に、合成開口レーダアンテナ201から地表に対してパルス波(放射パルス)を送信し、地表からの当該パルス波の反射波を合成開口レーダアンテナ201で受信する。地表において、合成開口レーダアンテナ201からパルス波が送信された領域に、RFIDタグ300a,b,cが設置された地点のうち、少なくとも1つが含まれている場合(以下では、RFIDタグ300aが設置された地点のみが含まれているものとして説明する)、合成開口レーダ200は、RFIDタグ300aからの電波(送信パルス)を反射波と同様に合成開口レーダアンテナ201で受信する。合成開口レーダ200は、RFIDタグ300aからの電波と、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表からの反射波とを、反射波データ(合成開口レーダ生データ)として出力する。
【0026】
反射波データは、例えば、RFIDタグ300aからの電波及び地表からの反射波の振幅や位相などの信号情報を時系列で記録したデータである。図2は、この信号情報の一例を示す信号図である。
【0027】
図2において、送信パルス信号S1〜13は合成開口レーダ200がパルス波として送信する信号である。受信信号R1〜13は合成開口レーダ200がRFIDタグ300aからの電波として受信する信号である。受信信号A1〜13、受信信号B1〜13は合成開口レーダ200が地表に存在するビルや山などの地物A、地物Bからの反射波として受信する信号である。この例では、合成開口レーダ200は、地表に対して送信パルス信号S1を送信したとき、これに対して、RFIDタグ300aから受信信号R1を、地物Aから受信信号A1を、地物Bから受信信号B1を受信する。地表に対して送信パルス信号S2〜13を送信したときについても同様である。
【0028】
受信信号R1〜R13のうち、最初の受信信号R1は、RFIDタグ300aの位置を知らせるためにRFIDタグ300aから送信されるものであり、他の受信信号R2〜13(ID信号)よりも信号強度が高く設定されている。一方、受信信号R2〜13は、RFIDタグ300aのID(識別子)情報のビット値を知らせるためにRFIDタグ300aから送信されるものであり、ビット値に応じて信号強度が設定されている(例えば、信号強度を、ビット値が0ならば弱又は強とし、ビット値が1ならば逆とする)。ここでは、ID情報が12ビットからなり、RFIDタグ300aが1つの送信パルス信号につき1ビットを表す信号を送信するものとしているが、1つの送信パルス信号につき複数ビットを表す信号を送信するようにしてもよいし、位置とID情報を同時に表す信号を送信するようにしてもよい。また、信号強度の高低以外によってビット値を表すようにしてもよい。
【0029】
次に、RFIDタグ300aについて説明する。RFIDタグ300b,cについては、RFIDタグ300aと同様であるので説明を省略する。
【0030】
RFIDタグ300aは、ID情報などが埋め込まれたタグであり、通常、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって異なるが、数cm〜数m)の無線通信によりRFIDリーダ/ライタと情報のやり取りをするものである。タグには、パッシブタグと呼ばれる受動型のタグとアクティブタグと呼ばれる能動型のタグとの2種類がある。
【0031】
本実施の形態において、無線通信装置の一例であるRFIDタグ300aは、能動型のタグである。RFIDタグ300aは、無線局の免許を受ける必要のない特定小電力無線局であることが望ましい。図3は、このRFIDタグ300aの構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、自ら電波を生成して当該電波によりデータを送信できるものであれば、RFIDタグ300a以外の無線通信装置を利用しても構わない。
【0032】
図3において、RFIDタグ300aは、送受信アンテナ301、RFフィルタ部302、送受信切替部303、受信部304、タイマ部305、信号処理部306、給電制御部307、送信部308、増幅部309、電源部310、ID設定部311、ネットワークインタフェース部312を備える。
【0033】
ID設定部311は、RFIDタグ300aのID情報を設定する。図2に示した例では、ID設定部311は、例えば図4に示すようなディップスイッチで構成することができる。ここでは、1つのディップスイッチにつきID情報の1ビットが設定できるようにID設定部311を構成している。信号処理部306はCPU(Central・Processing・Unit)やメモリなどから構成される。CPUは、ID設定部311で設定されたID情報を読み取り、識別子データとしてメモリに記憶する。また、CPUは、上空からのパルス波、即ち、合成開口レーダ200からのパルス波が送受信アンテナ301で受信され、RFフィルタ部302、送受信切替部303、受信部304、タイマ部305を介して入力されると、当該パルス波に応じて、メモリから識別子データを読み出すとともに、給電制御部307、送信部308、増幅部309、送受信切替部303、RFフィルタ部302を利用して電波を生成し、当該電波により識別子データを送受信アンテナ301から送信する。CPUは、ネットワークインタフェース部312を介して、次に説明する電子基準点400aのルータ402経由で電子基準点400aへ任意のデータを送信したり、電子基準点400aから任意のデータを受信したりすることもできる。
【0034】
次に、電子基準点400aについて説明する。電子基準点400b,cについては、電子基準点400aと同様であるので説明を省略する。
【0035】
電子基準点400aは、測位衛星の一例である複数のGPS(全地球測位システム)衛星からなるGPS衛星群101からのGPS信号(測位信号)に基づいて、位置を観測する。電子基準点400aとしては、例えば、国土地理院が管理する日本全国約1200ヵ所に設置されたGPS連続観測点の1つを利用することができる。
【0036】
本実施の形態において、電子基準点400aには、RFIDタグ300aが付設されている。電子基準点400aは、GPS受信機401、ルータ402を具備する。電子基準点400aは、GPS受信機401でGPS衛星群101からのGPS信号を受信し、当該GPS信号に基づいて位置を観測する。そして、電子基準点400aは、位置の観測結果を示す位置データ(電子基準点位置情報)を、ルータ402により電子基準点網102を介して合成開口レーダ画像処理設備500へ送信する。また、電子基準点400aは、任意のデータを、ルータ402によりRFIDタグ300aとの間で送受信することもできる。
【0037】
次に、合成開口レーダ画像処理設備500について説明する。
【0038】
合成開口レーダ画像処理設備500は、地上に設置され、反射波データベース501、位置データベース502、画像処理装置510を具備している。なお、合成開口レーダ画像処理設備500の全体あるいは一部を、合成開口レーダ200が搭載された飛行体に設置することも可能である。
【0039】
反射波データベース501には、合成開口レーダ200から出力された反射波データが所定の通信手段あるいは記録媒体を介して入力され、記憶される。つまり、反射波データベース501は、合成開口レーダ200で受信されたRFIDタグ300aからの電波と、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表からの反射波とを、反射波データとして記憶する。
【0040】
位置データベース502は、RFIDタグ300a,b,cの識別子データとRFIDタグ300a,b,cが付設された電子基準点400a,b,c(のIDなど)を示す設置データとを対応付けて記憶する。例えば、位置データベース502は、RFIDタグ300aの識別子データに対応する設置データとして、電子基準点400aを示す設置データを記憶する。
【0041】
図5は、画像処理装置510の構成を示すブロック図である。
【0042】
図5において、画像処理装置510は、反射波データ取得部511、識別子データ取得部512、位置データ取得部513、画像処理部514を備える。また、画像処理装置510は、記憶装置521、処理装置522、入力装置523、出力装置524などのハードウェアを備える。ハードウェアは画像処理装置510の各部によって利用される。合成開口レーダ画像処理設備500が具備する反射波データベース501、位置データベース502は、記憶装置521により画像処理装置510の内部に実装されていてもよい。
【0043】
図6は、画像処理装置510の動作(本実施の形態に係る画像処理方法)を示すフローチャートである。なお、画像処理装置510の動作は、オフラインのバッチ処理として実行されてもよいし、リアルタイム処理として実行されてもよい。
【0044】
図6において、反射波データ取得部511は、反射波データベース501から反射波データを取得する(ステップS101:反射波データ取得手順)。
【0045】
識別子データ取得部512は、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aから電波により送信された識別子データ、即ち、RFIDタグ300aの識別子データを取得する(ステップS102:識別子データ取得手順)。図2に示した例では、識別子データ取得部512は、受信信号R2〜13からRFIDタグ300aの12ビットのID情報を処理装置522により抽出する。このとき、識別子データ取得部512は、例えば図7に示すように、受信信号R2〜13とともに、RFIDタグ300aの位置を示す受信信号R1を表示する画像を生成し、出力装置524により画面に表示してもよい。この画像は、画像処理部514が後述する地表の画像を生成する処理と同様の処理により生成することができる。
【0046】
位置データ取得部513は、位置データベース502から、識別子データ取得部512が取得したRFIDタグ300aの識別子データに対応する設置データを取得する。そして、位置データ取得部513は、その設置データにより示された電子基準点400aから、電子基準点網102を介して位置データ(例えば、電子基準点400aで観測されたXYZ座標値)を取得する(ステップS103:位置データ取得手順)。
【0047】
画像処理部514は、反射波データ取得部511が取得した反射波データに基づいて、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表の画像を生成する(ステップS104:画像処理手順の一部)。図2に示した例では、画像処理部514は、例えば図8に示すような画像を処理装置522により生成する。この画像では、受信信号R1に基づいてRFIDタグ300aの位置が示されるとともに、受信信号A1、受信信号B1に基づいて地物A、地物Bの位置が示されている。地表の画像の生成時あるいは生成後、画像処理部514は、位置データ取得部513が取得した位置データに基づいて、その地表の画像を補正する(ステップS105:画像処理手順の一部)。例えば、地表の画像に地図を重ねた画像を生成する場合、位置データによりRFIDタグ300aが設置された地点のXYZ座標値や緯度経度が示されていれば、画像処理部514は、そのXYZ座標値や緯度経度を基準に、地表の画像の座標系と地図座標系とを処理装置522により正確に対応させることができる。画像処理部514は、RFIDタグ300aが設置された地点以外にも、RFIDタグ300b,cが設置された地点など、3つあるいは4つの地点を基準にすることで、地表の画像のずれや歪みをよりよく補正することができる。また、画像処理部514は、合成開口レーダ200が搭載された飛行体から、飛行中の慣性データなどを所定の通信手段あるいは記録媒体を介して取得しておき、これを利用して、さらに、地表の画像の歪み補正をしてもよい。
【0048】
図9は、画像処理装置510のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0049】
図9において、画像処理装置510は、コンピュータであり、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶ディスプレイ)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、CDD905(Compact・Disc・Drive)、プリンタ装置906などのハードウェアを備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
【0050】
画像処理装置510は、プログラムを実行するCPU911を備えている。CPU911は、処理装置522の一例である。CPU911は、バス912を介してROM913(Read・Only・Memory)、RAM914(Random・Access・Memory)、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカードリーダライタなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0051】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置521の一例である。通信ボード915、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905などは、入力装置523の一例である。また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置524の一例である。
【0052】
通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)などに接続されている。通信ボード915は、LANに限らず、インターネット、あるいは、IP−VPN(Internet・Protocol・Virtual・Private・Network)、広域LAN、ATM(Asynchronous・Transfer・Mode)ネットワークなどのWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。LAN、インターネット、WANは、ネットワークの一例である。
【0053】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。また、ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜データ」、「〜情報」、「〜ID(識別子)」、「〜フラグ」、「〜結果」として説明するデータや情報や信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」は、ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶されたデータや情報や信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理(動作)に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理中、データや情報や信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0054】
また、本実施の形態の説明において用いるブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号は、RAM914などのメモリ、FDD904のフレキシブルディスク(FD)、CDD905のコンパクトディスク(CD)、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク(MD)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体により伝送される。
【0055】
また、本実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。即ち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどの記録媒体に記憶される。このプログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0056】
以上のように、本実施の形態によれば、能動型のRFIDタグ300aを利用して、合成開口レーダ200の再生画像から地上の基準点の位置を容易に特定することができる。また、本実施の形態によれば、能動型のRFIDタグ300aの位置情報により、合成開口レーダ200の画像解析結果を容易に補正することができる。そのために、本実施の形態では、電波を放射する能動型のRFIDタグ300aをGPS受信機401aが設置された電子基準点400aに恒久的に設置しておく。そして、合成開口レーダ200の合成開口レーダアンテナ201でRFIDタグ300aからの電波を受信し、合成開口レーダ画像処理設備500の画像処理装置510でRFIDタグ300aの識別情報を読み取り、電子基準点400aで計測された測位情報と照合し、RFIDタグ300aの位置を特定する。合成開口レーダ画像処理設備500の画像処理装置510では、この位置を基準にして、合成開口レーダ200の再生画像の位置補正を行う。
【0057】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0058】
実施の形態1では、位置データベース502は、RFIDタグ300a,b,cの識別子データとRFIDタグ300a,b,cが付設された電子基準点400a,b,cを示す設置データとを対応付けて記憶していた。一方、本実施の形態では、位置データベース502は、設置データに代えて、RFIDタグ300a,b,cが設置された地点の位置を示す位置データを、RFIDタグ300a,b,cの識別子データと対応付けて記憶する。例えば、位置データベース502は、RFIDタグ300aの識別子データに対応する位置データとして、RFIDタグ300aが設置された地点のXYZ座標値や緯度経度を示す位置データを記憶する。
【0059】
図10は、画像処理装置510の動作(本実施の形態に係る画像処理方法)を示すフローチャートである。
【0060】
図10において、反射波データ取得部511は、図6のステップS101と同様に、反射波データベース501から反射波データを取得する(ステップS201:反射波データ取得手順)。
【0061】
識別子データ取得部512は、図6のステップS102と同様に、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aの識別子データを取得する(ステップS202:識別子データ取得手順)。
【0062】
位置データ取得部513は、位置データベース502から、識別子データ取得部512が取得したRFIDタグ300aの識別子データに対応する位置データを取得する(ステップS203:位置データ取得手順)。
【0063】
画像処理部514は、図6のステップS104と同様に、反射波データ取得部511が取得した反射波データに基づいて、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表の画像を生成する(ステップS204:画像処理手順の一部)。地表の画像の生成時あるいは生成後、画像処理部514は、図6のステップS105と同様に、位置データ取得部513が取得した位置データに基づいて、その地表の画像を補正する(ステップS205:画像処理手順の一部)。
【0064】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、能動型のRFIDタグ300aを利用して、合成開口レーダ200の再生画像から地上の基準点の位置を容易に特定することができる。また、本実施の形態によれば、能動型のRFIDタグ300aの位置情報により、合成開口レーダ200の画像解析結果を容易に補正することができる。本実施の形態では、実施の形態1と同様に、能動型のRFIDタグ300aを利用するため、従来のように、コーナリフレクタの設置のために現地調整を行ったり、GPSなどによる現地測量を行ったり、コーナリフレクタの向きに合わせて合成開口レーダ200からのパルス波の発射方向を決めたりする必要がないため、コストや手間を削減することにもつながる。
【0065】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0066】
実施の形態1では、位置データベース502は、RFIDタグ300a,b,cの識別子データとRFIDタグ300a,b,cが付設された電子基準点400a,b,cを示す設置データとを対応付けて記憶していた。一方、本実施の形態では、位置データベース502は、設置データに代えて、あるいは、設置データとともに、RFIDタグ300a,b,cが付設された電子基準点400a,b,cによる位置の観測結果の履歴を位置データとして記憶する。例えば、位置データベース502は、RFIDタグ300aの識別子データに対応する位置データとして、電子基準点400aによる位置の観測結果の履歴を記憶する。
【0067】
電子基準点400a,b,cによる位置の観測結果の履歴を位置データベース502に記憶させるため、画像処理装置510の位置データ取得部513にその収集処理を行わせてもよい。例えば、位置データ取得部513は、国土地理院の電子基準点データ提供サービスを利用することができる。この場合、位置データ取得部513は、国土地理院のデータベースから、電子基準点400a,b,cによる位置の観測結果の履歴を、インターネットを介して収集し、位置データとして位置データベース502に記憶する。また、例えば、位置データ取得部513は、実施の形態1と同様に、電子基準点400a,b,cから位置の観測結果を直接収集することができる。この場合、位置データ取得部513は、位置データベース502から、RFIDタグ300a,b,cの識別子データに対応する設置データを取得する。そして、位置データ取得部513は、それぞれの設置データにより示された電子基準点400a,b,cから、電子基準点網102を介して一定の時間間隔で位置の観測結果を取得し、随時、位置データとして位置データベース502に記憶する。また、例えば、電子基準点400a,b,cに位置の観測結果の履歴を記録するためのメモリなどを備えたコンピュータシステムを付設しておけば、位置データ取得部513は、そのコンピュータシステムから、電子基準点400a,b,cによる位置の観測結果の履歴を収集することができる。この場合、位置データ取得部513は、位置データベース502から、RFIDタグ300a,b,cの識別子データに対応する設置データを取得する。そして、位置データ取得部513は、それぞれの設置データにより示された電子基準点400a,b,cに付設されたコンピュータシステムから、電子基準点網102を介して位置の観測結果の履歴を取得し、位置データとして位置データベース502に記憶する。
【0068】
本実施の形態において、合成開口レーダ200から出力される反射波データには、RFIDタグ300aからの電波の受信時刻が含まれる。よって、反射波データベース501は、合成開口レーダ200で受信されたRFIDタグ300aからの電波と、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表からの反射波と、さらに、当該受信時刻を、反射波データとして記憶する。
【0069】
図11は、画像処理装置510の動作(本実施の形態に係る画像処理方法)を示すフローチャートである。
【0070】
図11において、反射波データ取得部511は、図6のステップS101と同様に、反射波データベース501から反射波データを取得する(ステップS301:反射波データ取得手順)。
【0071】
識別子データ取得部512は、図6のステップS102と同様に、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aの識別子データを取得する(ステップS302:識別子データ取得手順)。
【0072】
位置データ取得部513は、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aからの電波の受信時刻を取得し、位置データベース502から、識別子データ取得部512が取得したRFIDタグ300aの識別子データに対応する位置データのうち、当該受信時刻における位置の観測結果を示す位置データを取得する(ステップS303:位置データ取得手順)。
【0073】
画像処理部514は、図6のステップS104と同様に、反射波データ取得部511が取得した反射波データに基づいて、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表の画像を生成する(ステップS304:画像処理手順の一部)。地表の画像の生成時あるいは生成後、画像処理部514は、図6のステップS105と同様に、位置データ取得部513が取得した位置データに基づいて、その地表の画像を補正する(ステップS305:画像処理手順の一部)。
【0074】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、能動型のRFIDタグ300aを利用して、合成開口レーダ200の再生画像から地上の基準点の位置を容易に特定することができる。また、本実施の形態によれば、能動型のRFIDタグ300aの位置情報により、合成開口レーダ200の画像解析結果を容易に補正することができる。本実施の形態に係る画像処理システム100は、例えば災害監視のために利用できる。この場合、画像処理システム100は、災害状況を把握するために必要な精度の高い情報を提供することが可能である。例えば、RFIDタグ300aを緊急車両などの移動体に設置すれば、その移動体の動態監視(トラッキング)もできる。また、本実施の形態に係る画像処理システム100は、例えば地殻変動の解析のために利用できる。この場合、画像処理システム100は、合成開口レーダ200の再生画像からRFIDタグ300aの位置を特定し、RFIDタグ300aを付設した電子基準点400aからの測位情報などを利用することにより、解析した地殻変動量を補正できるため、解析結果の信頼性が向上する。
【0075】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0076】
図12は、本実施の形態における無線通信装置の一例であるRFIDタグ300aの構成を示すブロック図である。
【0077】
本実施の形態では、RFIDタグ300aは、図3に示した構成要素のほか、センサインタフェース部313を備える。また、RFIDタグ300aは、周囲の環境を観測する環境センサ314を具備する。環境センサ314は、周囲の環境として、例えば、気温、気圧、湿度、気象を観測するものである。気象を観測するものとしては、例えば、気象庁地域観測システム(AMeDAS:Automated・Meteorological・Data・Acquisition・System)の観測点を利用することができる。
【0078】
信号処理部306のCPUは、センサインタフェース部313を介して、環境センサ314から環境の観測結果を環境データとして読み取る。そして、CPUは、ネットワークインタフェース部312を介して、電子基準点400aへ環境データを送信する。
【0079】
本実施の形態において、電子基準点400aは、ルータ402により環境データをRFIDタグ300aから受信する。そして、電子基準点400aは、その環境データを、ルータ402により電子基準点網102を介して合成開口レーダ画像処理設備500へ送信する。
【0080】
図13は、画像処理装置510の構成を示すブロック図である。
【0081】
本実施の形態では、画像処理装置510は、図5に示した構成要素のほか、環境データ取得部515を備える。
【0082】
図14は、画像処理装置510の動作(本実施の形態に係る画像処理方法)を示すフローチャートである。
【0083】
図14において、反射波データ取得部511は、図6のステップS101と同様に、反射波データベース501から反射波データを取得する(ステップS401:反射波データ取得手順)。
【0084】
識別子データ取得部512は、図6のステップS102と同様に、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aの識別子データを取得する(ステップS402:識別子データ取得手順)。
【0085】
位置データ取得部513は、図6のステップS103と同様に、位置データベース502から、識別子データ取得部512が取得したRFIDタグ300aの識別子データに対応する設置データを取得する。そして、位置データ取得部513は、その設置データにより示された電子基準点400aから、電子基準点網102を介して位置データを取得する(ステップS403:位置データ取得手順)。
【0086】
環境データ取得部515は、位置データ取得部513が取得した設置データにより示された電子基準点400aから、電子基準点網102を介して環境データを取得する(ステップS404:環境データ取得手順)。つまり、環境データ取得部515は、環境センサから、RFIDタグ300a、電子基準点400aなどを介して環境の観測結果を環境データとして取得する。
【0087】
画像処理部514は、反射波データ取得部511が取得した反射波データに基づいて、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表の画像を生成する(ステップS405:画像処理手順の一部)。地表の画像の生成時あるいは生成後、画像処理部514は、位置データ取得部513が取得した位置データに基づいて、その地表の画像を補正するとともに(ステップS406:画像処理手順の一部)、環境データ取得部515が取得した環境データに基づいて、その地表の画像を加工する(ステップS407:画像処理手順の一部)。例えば、環境センサが気象を観測する場合、画像処理部514は、環境データ取得部515が取得した環境データに基づいて、その地表の画像に、RFIDタグ300aが設置された地点周辺の天気図を重ねた画像を生成する。
【0088】
以上のように、本実施の形態によれば、合成開口レーダ200の再生画像に環境情報を付加情報としてマッピングすることができる。
【0089】
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0090】
実施の形態1では、RFIDタグ300aは、合成開口レーダ200からのパルス波を受信すると、当該パルス波に応じて電波を生成し、当該電波により識別子データを送信していた。一方、本実施の形態では、RFIDタグ300aは、識別子データに代えて、位置データを送信する。つまり、RFIDタグ300aは、合成開口レーダ200からのパルス波を受信すると、当該パルス波に応じて電波を生成し、当該電波により位置データを送信する。例えば、RFIDタグ300aは、RFIDタグ300aが設置された地点のXYZ座標値や緯度経度を位置データとして予めメモリに記憶しておき、合成開口レーダ200からのパルス波を受信する度に、位置データをメモリから読み取って送信する。あるいは、RFIDタグ300aは、電子基準点400aから位置の観測結果を定期的に、又は、合成開口レーダ200からのパルス波を受信する度に位置データとして取得し、最新の位置データを送信してもよい。
【0091】
図15は、画像処理装置510の動作(本実施の形態に係る画像処理方法)を示すフローチャートである。
【0092】
図15において、反射波データ取得部511は、図6のステップS101と同様に、反射波データベース501から反射波データを取得する(ステップS501:反射波データ取得手順)。
【0093】
位置データ取得部513は、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aから電波により送信された位置データを取得する(ステップS502:位置データ取得手順)。
【0094】
画像処理部514は、反射波データ取得部511が取得した反射波データに基づいて、RFIDタグ300aが設置された地点を含む地表の画像を生成する(ステップS503:画像処理手順の一部)。地表の画像の生成時あるいは生成後、画像処理部514は、位置データ取得部513が取得した位置データに基づいて、その地表の画像を補正する(ステップS504:画像処理手順の一部)。
【0095】
本実施の形態では、合成開口レーダ画像処理設備500から位置データベース502を省略することができる。また、画像処理装置510から識別子データ取得部512を省略することができる。
【0096】
本実施の形態の変形例として、RFIDタグ300aが、実施の形態4と同様に、環境センサ314を具備するものとし、合成開口レーダ200からのパルス波を受信すると、位置データとともに環境データを送信するようにしてもよい。この変形例では、実施の形態4と同様に、画像処理装置510は、環境データ取得部515を備えることになる。環境データ取得部515は、反射波データ取得部511が取得した反射波データから、RFIDタグ300aから電波により送信された環境データを取得する。地表の画像の生成時あるいは生成後、画像処理部514は、この環境データに基づいて、その地表の画像を加工することになる。
【0097】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施の形態1に係る画像処理システムの全体構成図である。
【図2】実施の形態1に係るRFIDタグからの電波及び地表からの反射波の信号情報の一例を示す信号図である。
【図3】実施の形態1に係るRFIDタグの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るRFIDタグのID設定部の構成例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態1に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係るRFIDタグの位置及びID情報の表示例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係るRFIDタグが設置された地点を含む地表の画像の一例を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図10】実施の形態2に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態4に係るRFIDタグの構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態4に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態4に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態5に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
100 画像処理システム、101 GPS衛星群、102 電子基準点網、200 合成開口レーダ、201 合成開口レーダアンテナ、300a,b,c RFIDタグ、301 送受信アンテナ、302 RFフィルタ部、303 送受信切替部、304 受信部、305 タイマ部、306 信号処理部、307 給電制御部、308 送信部、309 増幅部、310 電源部、311 ID設定部、312 ネットワークインタフェース部、313 センサインタフェース部、314 環境センサ、400a,b,c 電子基準点、401 GPS受信機、402 ルータ、500 合成開口レーダ画像処理設備、501 反射波データベース、502 位置データベース、510 画像処理装置、511 反射波データ取得部、512 識別子データ取得部、513 位置データ取得部、514 画像処理部、515 環境データ取得部、521 記憶装置、522 処理装置、523 入力装置、524 出力装置、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 オペレーティングシステム、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置からの当該電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースから、当該反射波データを取得する反射波データ取得部と、
前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する識別子データ取得部と、
前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する位置データを取得する位置データ取得部と、
前記反射波データ取得部が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得部が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記位置データベースは、位置データに代えて、前記無線通信装置が付設された電子基準点を示す設置データを記憶し、
前記位置データ取得部は、前記位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する設置データを取得し、当該設置データにより示された電子基準点から位置の観測結果を位置データとして取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記反射波データベースは、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を反射波データの一部として記憶し、
前記位置データベースは、前記無線通信装置が付設された電子基準点による位置の観測結果の履歴を位置データとして記憶し、
前記位置データ取得部は、前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を取得し、前記位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する位置データのうち、当該受信時刻における位置の観測結果を示す位置データを取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記無線通信装置は、周囲の環境を観測する環境センサを具備し、
前記画像処理装置は、さらに、
前記環境センサから環境の観測結果を環境データとして取得する環境データ取得部を備え、
前記画像処理部は、前記環境データ取得部が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を加工することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記環境センサは、周囲の環境として、気象を観測し、
前記画像処理部は、前記環境データ取得部が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像に天気図を重ねた画像を生成することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上空からのパルス波を受信し、当該パルス波に応じて電波を生成し、当該電波により識別子データを送信する無線通信装置と、
飛行体に搭載される合成開口レーダであって、飛行体の飛行中にパルス波を送信し、前記無線通信装置からの電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを受信する合成開口レーダと、
前記合成開口レーダで受信された電波と反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースと、
前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースと、
前記反射波データベースから反射波データを取得する反射波データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する識別子データ取得部と、前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記識別子データ取得部が取得した識別データに対応する位置データを取得する位置データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得部が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理部とを備える画像処理装置とを有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項7】
上空からのパルス波を受信し、当該パルス波に応じて電波を生成し、当該電波により位置データを送信する無線通信装置と、
飛行体に搭載される合成開口レーダであって、飛行体の飛行中にパルス波を送信し、前記無線通信装置からの電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを受信する合成開口レーダと、
前記合成開口レーダで受信された電波と反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースと、
前記反射波データベースから反射波データを取得する反射波データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された位置データを取得する位置データ取得部と、前記反射波データ取得部が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得部が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理部とを備える画像処理装置とを有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
画像処理装置の反射波データ取得部が、上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置からの当該電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースから、当該反射波データを取得する第1ステップと、
前記画像処理装置の識別子データ取得部が、前記第1ステップで取得された反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する第2ステップと、
前記画像処理装置の位置データ取得部が、前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記第2ステップで取得された識別データに対応する位置データを取得する第3ステップと、
前記画像処理装置の画像処理部が、前記第1ステップで取得された反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記第3ステップで取得された位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する第4ステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
上空からのパルス波に応じて電波を生成し当該電波により識別子データを送信する無線通信装置からの当該電波と、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表からの当該パルス波の反射波とを、反射波データとして記憶する反射波データベースから、当該反射波データを取得する反射波データ取得手順と、
前記反射波データ取得手順が取得した反射波データから、前記無線通信装置から電波により送信された識別子データを取得する識別子データ取得手順と、
前記無線通信装置の識別子データと前記無線通信装置が設置された地点の位置を示す位置データとを対応付けて記憶する位置データベースから、前記識別子データ取得手順が取得した識別データに対応する位置データを取得する位置データ取得手順と、
前記反射波データ取得手順が取得した反射波データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を生成し、前記位置データ取得手順が取得した位置データに基づいて、当該地表の画像を補正する画像処理手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記位置データベースは、位置データに代えて、前記無線通信装置が付設された電子基準点を示す設置データを記憶し、
前記位置データ取得手順は、前記位置データベースから、前記識別子データ取得手順が取得した識別データに対応する設置データを取得し、当該設置データにより示された電子基準点から位置の観測結果を位置データとして取得することを特徴とする請求項9に記載の画像処理プログラム。
【請求項11】
前記無線通信装置は、測位衛星からの測位信号に基づいて位置を観測する複数の電子基準点の各々に付設され、
前記反射波データベースは、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を反射波データの一部として記憶し、
前記位置データベースは、前記無線通信装置が付設された電子基準点による位置の観測結果の履歴を位置データとして記憶し、
前記位置データ取得手順は、前記反射波データ取得手順が取得した反射波データから、前記無線通信装置からの電波の受信時刻を取得し、前記位置データベースから、前記識別子データ取得手順が取得した識別データに対応する位置データのうち、当該受信時刻における位置の観測結果を示す位置データを取得することを特徴とする請求項9に記載の画像処理プログラム。
【請求項12】
前記無線通信装置は、周囲の環境を観測する環境センサを具備し、
前記画像処理プログラムは、さらに、
前記環境センサから環境の観測結果を環境データとして取得する環境データ取得手順をコンピュータに実行させ、
前記画像処理手順は、前記環境データ取得手順が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像を加工することを特徴とする請求項9から11までのいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項13】
前記環境センサは、周囲の環境として、気象を観測し、
前記画像処理手順は、前記環境データ取得手順が取得した環境データに基づいて、前記無線通信装置が設置された地点を含む地表の画像に天気図を重ねた画像を生成することを特徴とする請求項12までのいずれかに記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−236545(P2009−236545A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80194(P2008−80194)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】