画像処理装置及び画像処理方法
【課題】煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示する。
【解決手段】医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する手段と、表示する骨部位を選択する手段と、前記選択された骨部位に対応する前記骨部品を決定する手段と、前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する手段と、前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する手段と、前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置を提供することにより前記課題を解決する。
【解決手段】医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する手段と、表示する骨部位を選択する手段と、前記選択された骨部位に対応する前記骨部品を決定する手段と、前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する手段と、前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する手段と、前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置を提供することにより前記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に係り、特に、医用画像中でもX線CT画像から抽出された骨領域から、指定された骨部位に対応する骨部品単位を用いて最適な視点及び視線方向で表示する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CT、MRI、PET等の人体内の断層画像を用いて医療診断を行うことが広く行われており、コンピュータを用いた画像診断支援システムが知られている。
【0003】
このとき、画像診断支援システムにおける、MIP(最大値投影)画像表示や骨番号認識あるいは骨表示の前処理として、X線CT画像から自動的に骨領域を抽出することが行われている。
【0004】
この自動骨抽出の結果が正しいかどうかを確認する際、一般的に知られているボリュームレンダリング手法が良く用いられている。しかし、骨格のような複雑な構造を持つ対象物の場合、その画像を表示する際の視点の位置によっては複数の構造物が重なって部分的な隠蔽が生じることがある。このような場合に、関心部位の骨抽出結果を確認するために、なるべく隠蔽が生じないように視点の位置を決める必要がある。
【0005】
このため、従来例えば、対象領域の断層像からマウスにより視点位置を指定するとともに、キーボードにより視線方向を示す角度を入力すると、中心投影法を使用して上で指定された視点位置から視線方向に器官内部を見た場合の疑似三次元画像が構成されてCRTに表示され、さらにこの疑似三次元画像の視点位置及び視線方向をマウスやキーボードによって変更することができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開平10−11614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献に記載されたものでは、初期の視点位置及び視線方向から視点位置及び視線方向を変更して、所望の視点位置及び視線方向を再配置するまでに多くの操作回数が必要であり、非常に煩雑であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する手段と、表示する骨部位を選択する手段と、前記選択された骨部位に対応する前記骨部品を決定する手段と、前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する手段と、前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する手段と、前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0009】
これにより、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【0010】
また、請求項2に示すように、前記視点及び視線方向を決定する手段は、前記選択された骨部位を観察する視線方向、前記表示されるボリュームレンダリング画像を回転する回転軸及び視点の初期値が定義されたテーブルを保持していることを特徴とする。
【0011】
これにより、ユーザが観察したい骨部位を選択するだけで、簡単に最適な視点及び視線方向で表示することができる。
【0012】
また、請求項3に示すように、前記視点の初期値は、前記選択された骨部位の重心から前記視線方向の反対方向への距離Dで定義されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に示すように、前記距離Dは、前記視点の位置から前記選択された骨部位全体を見たときの視野角が45度〜60度の範囲となるように設定されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に示すように、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、さらに、前記視線方向、前記回転軸及び前記視点が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする。
【0015】
これにより、視点の設定及び変更が容易となるとともに、ユーザが見たい視点及び視線方向での画像を表示することが可能となる。
【0016】
また、請求項6に示すように、前記骨部位に対応する骨部品を決定する手段は、骨部位と骨部品との対応関係が予め定義されたテーブルを有していることを特徴とする。
【0017】
これにより、ユーザは予め定義された骨部位を選択するだけで表示したい部位を部品単位で表示することができる。
【0018】
また、請求項7に示すように、請求項6に記載の画像処理装置であって、さらに、前記骨部位と骨部品の対応関係が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする。
【0019】
これにより、ユーザは表示したい骨部位を任意に定義することができる。
【0020】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する工程と、表示する骨部位を選択する工程と、前記選択された骨部位に対して前記認識された骨部品の対応を決定する工程と、前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する工程と、前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する工程と、前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0021】
これにより、ユーザは表示したい骨部位を選択するだけで、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法について詳細に説明する。本発明は、ユーザが観察したい部位を指定するだけで、その部位の観察に最適な視点及び視線方向を自動的に決定し、その視点からその視線方向に見た三次元画像を生成して表示するようにするものである。
【0024】
本発明の一実施形態として、ユーザが骨格領域のある骨部位を観察する場合を例にとって説明することとする。なお、以下の実施形態においては、医用画像として特にCT画像を例にとって説明するが、本発明はCT画像に限定されるものではなく、複数の画像を重ねたスライス画像にも適用可能である。また、本実施形態においてスライス画像と呼んでいるものは断層画像とも呼ばれる。
【0025】
図1は、本実施形態における、CT画像から骨領域を抽出し骨を部品単位で認識して、指定された骨部位を最適な視点及び視線方向から見た画像を構成する画像処理を行うX線CT装置の概略を示す構成図である。
【0026】
図1に示すように、X線CT装置1は、主に、CTスライス画像を撮影するスキャナガントリ部10、取得したCTスライス画像に対して各種の画像処理を行う画像処理部20及び処理されたCT画像を表示する画像表示部30とから構成される。
【0027】
スキャナガントリ部10は、開口部12を有し、開口部12に対して設けられた寝台14上に寝かせられた被検者(図示省略)に対してX線の照射及び検出を行い、CTスライス画像を撮影するものである。
【0028】
また、細かい図示は省略するが、スキャナガントリ部10の開口部12の周囲には、回転円板が配置され、この回転円板にはX線を放射するX線管と、X線管に対向した位置にX線検出器とが搭載され、寝台14上に寝かせられた被検者の周りを回転円板を回転させながら被検者の一断面にX線が照射されCT画像が撮影される。そして、被検者に対する回転円板の相対位置を変えながら、このような被検者の各断面毎のCT画像(スライス画像)の撮影を繰り返すことにより、複数の画像データを得ることができる。
【0029】
画像処理部20は、スキャナガントリ部10で撮影したCTスライス画像を受け取り、本発明に係る画像処理を実行する部分である。
【0030】
画像表示部30は、LCD(液晶ディスプレイ)やCRT(Cathode Ray Tube)等の、画像を表示する表示画面32を有し、CTスライス画像やユーザが指示を入力する際の参照画面を表示したりあるいは、詳しくは後述するがユーザが選択した骨を部品単位で表示するものである。
【0031】
図2に、画像処理部20の詳細な構成を示す。
【0032】
図2に示すように、本実施形態の画像処理部20は、主に、骨抽出手段21、骨領域部品単位認識手段22、表示部位選択手段23、対応部品決定手段24、視点/視線方向決定手段25、ボリュームレンダリング画像生成手段26及び画像表示制御手段27を有して構成される。
【0033】
骨抽出手段21は、スキャナガントリ部10が撮影したCTスライス画像から骨領域を抽出するものである。なお、その抽出手法は特に限定されるものではなく、一般に公知の骨抽出方法を用いることができる。
【0034】
骨領域部品単位認識手段22は、抽出された骨領域から、椎骨、肋骨、骨盤など、骨を部品単位で認識するものである。
【0035】
表示部位選択手段23は、表示画面32を参照しながらキーボードやマウス等の入力手段15を介して、ユーザが表示させたい骨の部位を選択する手段である。ユーザは、このとき表示させたい部位を複数選択することも可能である。
【0036】
なお、ここで部位とはいくつかの部品から構成されるものであり、部品の上位概念である。すなわち、ユーザが、表示させたいある骨の部位を選択するとその部位を構成する骨の部品が表示されることになる。例えば、部位を肋骨とした場合、それに対する部品は、第1肋骨から第12肋骨であり、また部位を椎骨とした場合には、その部品としては、第1から第7までの頸椎と第1から第12までの胸椎と第1から第5までの腰椎の24の骨部品が対応する。なお、詳しくは後述するが、このように解剖学的に決められている部位及び部品の対応関係の他に、ユーザが自分で部品を指定してそれに対して部位の名前を付けることにより部位及び部品の対応関係を定義するようにしてもよい。さらに、いくつかの部位をまとめてこれを新たな部位として定義してもよい。
【0037】
対応部品決定手段24は、上でユーザが選択した骨の部位に対応する骨の部品を決定するものである。部位に対する部品の決定方法は特に限定されるものではなく、例えば、各部位に対する部品の対応関係を予め定義したテーブルをシステム内部に設定しておき、このテーブルを参照して、選択された部位に対応する部品を決定するようにすればよい。
【0038】
視点/視線方向決定手段25は、上記対応部品決定手段24で決定した部位に対応する部品領域に対し、最適な視点及び視線方向を決定するものである。
【0039】
ボリュームレンダリング画像生成手段26は、CT画像からの骨認識結果に基づいて、上記決定された視点及び視線方向のボリュームレンダリング画像を生成する。
【0040】
画像表示制御手段27は、生成されたボリュームレンダリング画像を画像表示部30に表示するように制御するものである。これにより、画像表示部30は、ユーザによって選択された骨部位に対応する骨部品をそれを観察するのに最適な視点及び視線方向で見た画像として表示する。
【0041】
以下、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
まず、骨抽出手段21は、入力されたCT画像から骨領域を抽出する。上述したように、骨抽出手段21における骨の抽出方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いて行うことができる。
【0043】
例えば、CT画像上で骨の画素値プロファイルを所定の閾値と比較して、骨領域を抽出する方法が知られている。またあるいは、肋骨を抽出する場合、被写体の胸部撮影画像から、エッジ抽出フィルタを用いてエッジ画像を生成して、このエッジ画像から放物線検出するハフ変換などを用いて肋骨らしい放物線を見つけて肋骨形状を検出する方法が知られている。
【0044】
骨抽出手段21における骨抽出結果は、骨領域部品単位認識手段22に送られる。
【0045】
骨領域部品単位認識手段22では、まず各CTスライス画像毎に部位認識を行う。すなわち、CTスライス画像データ毎に、骨領域を頚部、肩部、胸腹部、骨盤、足などに分類する。
【0046】
次に、骨領域を部品単位で認識する。それぞれの骨部品は予め決められた唯一のラベルが付与される。
【0047】
例えば、椎骨を認識する方法について図を用いて説明する。
【0048】
図3に、椎骨部分のCTスライス画像を示す。まず、椎骨の中心線と椎骨の横幅を求める。そのために、図3中の骨領域のうち、体表縦方向の中心線A(すなわち、頭と足を結ぶ体軸の方向に垂直な断面における体の前後方向の中央において体の前後方向に垂直な体の左右方向の線)より下側の領域を横軸に投影し、濃度ヒストグラムを生成する。
【0049】
図4に、このようにして生成した骨領域の濃度ヒストグラムを示す。図4に示すヒストグラムでは、中央に大きなピークがあり、左右に小さなピークが形成されている。図3に示す骨領域の場合には、肋骨の部分が小さいピークを形成し、椎骨が一番骨の多く存在するところであり一番大きいピークが形成されると考えられる。そこで、図4のヒストグラムから、中央にある最大のピークを検出し、それに対応する部分として椎骨領域を検出する。
【0050】
そして、図5に示すように、検出した椎骨領域40の上部に対して円Sを当てはめて、椎骨の中心C及び幅dを求める。椎骨中心Cと椎骨幅dを用いて椎骨領域、左右肋骨領域及び胸骨領域を認識する。
【0051】
図6に示すように、上で求めた椎骨中心Cから上方に60°の角度をなす2本の半直線を引くとともに、椎骨中心Cをその中心に含むようにして体表縦方向の中心線Aに直交する平行2直線を引く。この2直線間の距離は、椎骨領域の幅であり、これは上記幅dの1.5倍となるようにする。
【0052】
このように、2本の半直線と体表縦方向の中心線Aに直交する平行2直線により、図6のCTスライス画像の骨領域を4つの領域に分割し、それぞれ椎骨領域40、右肋骨領域44、胸骨領域46及び左肋骨領域48とする。
【0053】
骨領域部品単位認識手段22は、このように椎骨、右の肋骨、胸骨、左の肋骨のように骨をその部品単位で認識する。そして、認識した骨の部品に対してそれぞれ異なるラベル(番号)を付与する。骨領域部品単位認識手段22は、認識結果を格納する3次元テーブルを用意し、対応する骨領域の各ボクセルにそのラベルを与える。また、骨抽出結果の3次元データに認識結果を置き換えても良い。
【0054】
なお、上の例では骨領域を椎骨、右の肋骨、胸骨、左の肋骨のような骨部品として認識したが、右の第1肋骨、右の第2肋骨、・・・、第1頸椎、第2頸椎、第1胸椎、第2胸椎、・・・のようにさらに細かく分けても良い。すなわち、同様にして、各CTスライス画像の骨領域を認識して行き、骨は結構高い濃度値を示すので、濃度値の高いところの隙間を見つけて椎骨を1本1本細かい部品単位で認識することができる。
【0055】
また、表示部位選択手段23では、ユーザが入力手段15を介して入力した表示すべき部位が選択される。このユーザによる選択は、予め定義されている複数の部品で構成される部位を選択することによって行われる。
【0056】
図7に部位の選択の仕方を示す。図7に示すように、画像表示部30の表示画面32にボリュームレンダリング表示画像50が表示されている。この表示画像50の右上隅に部位を選択するための表示(部位選択用表示)52が表示されている。図7の右側にこの部位選択用表示52を拡大して示す。
【0057】
部位選択用表示52には、選択可能な部位の一覧が表示されており、ユーザがこの中から表示したい部位をチェックする。また後述するが、その画像を回転する際の回転方向を指定する回転軸は予め解剖学的な構造から観察に最適なものが設定されているが、部位選択用表示52を用いてユーザが指定し変更することも可能である。
【0058】
部位を指定すると表示画面32には選択された部位のみが最適な視点及び視線方向により部品単位で表示される。部位選択用表示52の下側の表示は、表示されている画像の回転を示すものであり、ユーザがI字状のカーソル54を移動させると、それに伴って表示されている画像が予め設定されている最適な回転軸の周りに回転する。
【0059】
また、三角のマーク56をクリックすると自動的に画像が回転し、四角のマーク58をクリックすると回転が停止するようになっている。このように解剖学的に観察に最適なように設定された回転軸の周りに回転することによって、互いに重なったり、他の部分に隠れて見えなかった部分も全部見えるようになる。
【0060】
なお、部位とそれに対応する部品との対応関係は、予め定義されているが、ユーザが新たに部品を指定してそれに対して部位の名称を指定して定義することもできる。また、二つ以上の部位を合わせてさらに大きな部位を作ることもできる。
【0061】
ユーザがこのように部品を選択してそれに対して部位名称を指定することにより、部品選択メニューを編集する場合には、例えば、図8に示すような画面表示において、解剖学的に分類された骨部品の一覧表からいくつかの骨部品を選択し、それに対してその部位名称を入力し、メニュー追加を指定すれば、ユーザが新しく定義した部位は、図7に示した部位選択用表示52の部位選択メニューに追加表示される。
【0062】
また、ユーザが指定して登録した部位を削除する場合には、メニュー削除キーをクリックすれば良い。
【0063】
また、対応部品決定手段24においては、部位と部品の対応テーブルが備えられており、それによりユーザによってある部位が選択された場合に、どの部品を表示するかが決定される。例えば、ユーザが肋骨を指定したときには、肋骨が表示され、肋骨以外の骨は表示しないようする。
【0064】
図9に、部位と部品の対応テーブルを示す。
【0065】
図9に示すテーブルの一番左側に部位が部位1、部位2、・・・と表示され、一番上側に部品が、部品1、部品2、・・・と、それぞれ一覧が表示されている。そしてテーブルにおいて、各部位に対して、それに対応する部品、すなわち表示すべき部品は1が表示され、非表示の部品は0が表示されている。
【0066】
例えば、図9において、部位1が選択されると部品1と部品nが表示され、部品1と部品n以外の部品は表示されず、また部位2が選択されると部品2と部品nが表示され、部品2と部品n以外の部品は表示されない。
【0067】
また、上述したように、ユーザがいくつかの骨部品を選択し、それに対してその部位名称を入力し、メニュー追加を指定した場合には、図9の骨部位と骨部品の対応関係を示すテーブルにその新しい対応関係が追加される。このように、骨部位と骨部品の対応関係を示すテーブルは、図8に示す画面表示を見ながらユーザが入力手段15を介して変更することができる。
【0068】
次に、視点及び視線方向の決定について説明する。
【0069】
視点/視線方向決定手段25は、部位毎に初期視線方向、初期回転軸及び初期視点を予め定義したテーブルを備えている。
【0070】
図10に、初期視線方向、初期回転軸及び初期視点を定義したテーブルの一例を示す。
【0071】
図10に示すテーブルにおいて、回転軸は、表示された画像を表示画面内で回転する際の回転軸を示すものであり、それぞれの部位に応じて解剖学的な構造から最も見易い回転軸が設定される。視線方向及び回転軸(の方向)は、XYZ空間における方向ベクトル(X,Y,Z)で示されている。
【0072】
ここで、XYZ軸の取り方は、図11に示すように、直立した人体において体軸方向で足から頭に向かう向きがZ軸の正の方向であり、Z軸に垂直な平面内で体の前方に向かう向きがY軸の正の方向であり、またZ軸及びY軸に垂直で右手方向に向かう向きがX軸の正の方向である。
【0073】
従って、図10において、部位が全データのとき、視線方向は(0,−1,0)と定義されているが、これは図11にベクトルV1(0,−1,0)で示したように、体の前側から後方に向かう向きで、この場合の視線方向は患者(被険者)を体の正面から見る方向である。
【0074】
また図10において、例えば、右肋骨の視線方向は(1,0,0)であり、これはX成分のみが1のベクトルであって、視線方向はX軸に平行でX軸の正の方向に向かう向きである。すなわち、右肋骨の初期視線方向では、体の左側から右肋骨を見ることとなる。
【0075】
また、骨盤の視線方向は(0,0,−1)であり、これはZ軸に平行でZ軸の負の方向に向かう向きである。すなわち、これは図11にベクトルV2(0,0,−1)で示したように、骨盤を頭の方から見ることになる。
【0076】
また、回転軸は、骨盤の場合のみX軸が回転軸で、その他の部位はすべてZ軸が回転軸となっている。
【0077】
また、図10中の初期視点は、各領域の重心から初期視線方向の反対方向での距離Dで示されている。例えば、骨盤を観察する場合は、上述したように初期視線方向はZ軸と同じ方向で、初期回転方向はX軸と同じであり、また初期視点は骨盤領域の重心から初期視線の反対方向(すなわち、Z軸の正の方向)に沿って距離Dだけ離れた場所にある。
【0078】
このように、本実施形態では、それぞれの部位の初期視線方向、初期回転軸及び初期視点(重心から視線方向と反対方向への距離D)は、解剖学的な知識によって予め定義されたテーブルをシステム内に備えている。
【0079】
この重心から視点までの距離(視点距離)Dの値は、例えば、視点から選択された部位領域全体を見た場合のview角度(視野角)が45度〜60度となるように設定されている。なお、正射影の場合には、平行光線で投影することとなり、view角度は0度である。正射影の場合のDの値は、視点が体の外に出るような値であればよく、結局視点の位置を定義する距離Dは、その領域の重心から体表までの距離よりも大きな値であれば良い。
【0080】
視点/視線方向決定手段25は、図10に示したようなデータを内部データとして保持し、表示部位が選択されたとき、次のように初期視点と回転中心を計算する。
【0081】
すなわち、まず視点/視線方向決定手段25は、選択された部位が対応する全ての部品領域からその重心(Xw,Yw,Zw)を計算する。また、選択された部位に対応する視線方向を図10のテーブルから読み取り、重心(Xw,Yw,Zw)から視線方向の反対方向に距離Dだけ離れた点を算出し、これを視点(Xo,Yo,Zo)とする。
【0082】
視線方向の単位ベクトルをeとすると、視点(Xo,Yo,Zo)は、次のように求めることができる。
【0083】
(Xo,Yo,Zo)=(Xw,Yw,Zw)−De
ここで、De=(Xd,Yd,Zd)とすると、視点(Xo,Yo,Zo)は次のようになる。
【0084】
(Xo,Yo,Zo)=(Xw,Yw,Zw)−(Xd,Yd,Zd)
= (Xw−Xd,Yw−Yd,Zw−Zd)
また、領域の重心(Xw,Yw,Zw)を回転中心とする。すなわち、重心(Xw,Yw,Zw)を通り、図10で選択された部位に対応する回転軸に平行な直線が実際の回転軸となる。
【0085】
このように、本実施形態においては、ユーザが入力手段15を介して表示したい部位を入力すると、表示部位選択手段23によりその部位が選択され、対応部品決定手段24において選択された部位に対応する部品が決定される。すると視点/視線方向決定手段25において、選択された部位に対応する視線方向が予め保持されているテーブルから決定されるとともに、部品領域からその重心が計算され、回転中心及び視点が計算によって決定される。
【0086】
ボリュームレンダリング画像生成手段26は、CT画像からの骨認識結果及び決定された視点及び視線方向を用いてボリュームレンダリング画像を生成する。
【0087】
生成されたボリュームレンダリング画像は、画像表示制御手段27を介して画像表示部30に送られて、画像表示部30の表示画面32に表示される。
【0088】
このように、本実施形態によれば、骨領域を部品単位で認識しておき、ユーザが観察したい骨部位を選択すると、その部位に対応する骨部品を用いて、最適な視点と視線方向により、選択した部位を表示することができる。
【0089】
これにより、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【0090】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0091】
図12に、他の実施形態に係る画像処理部120の詳細な構成を示す。
【0092】
他の実施形態の画像処理部120の構成は、前述した実施形態の図2に示す画像処理部20の構成と略同様である。この実施形態が前の実施形態と異なる点は、ユーザが入力手段15を介して、視点/視線方向を入力し変更することができるようにしたことである。
【0093】
これにより、ユーザは、観察したい領域を自分で表示させたいように、予め視点や視線方向を決めることができる。
【0094】
このとき画面に視点/視線方向の入力用の表示を出しておいて、その画面を見ながらユーザがマウスやキーボード等の入力手段15を用いて、視点(距離D)や視線方向を入力することにより、例えば図10に示すようなテーブルを変更し、あるいは追加することができる。
【0095】
入力された視点/視線方向は、視点/視線方向決定手段25に送られ、図10に示されるような、予め設定された視点/視線方向を決定するテーブルが変更される。
【0096】
このように本実施形態においては、ユーザが入力することにより視点/視線方向決定手段25において、各部位の初期視線方向、初期回転軸及び初期視点が指定されるが、この指定方法は特に限定されるものではない。例えば、初期視線方向と初期回転軸をX軸、Y軸、Z軸から選択してもよいし、直接方向ベクトルの成分を入力するようにしてもよい。視点を指定するには、例えば「体の内部から観察」と「外部から観察」を選択するようにしてもよいし、あるいは直接重心からの距離Dを入力するようにしてもよい。
【0097】
以上説明した実施形態では骨部位の表示を例にとって説明したが、本発明を骨領域以外の他の器官の表示に適用することも可能である。
【0098】
以上、本発明の画像処理装置及び画像処理方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る画像処理を行うX線CT装置の一実施形態の概略を示す構成図である。
【図2】本実施形態の画像処理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】椎骨部分のCTスライス画像を示す説明図である。
【図4】骨領域の濃度ヒストグラムを示す線図である。
【図5】図3のCTスライス画像において椎骨領域の検出を示す説明図である。
【図6】図3のCTスライス画像において骨領域を各骨部位に分けた説明図である。
【図7】部位の選択方法を示す説明図である。
【図8】部品選択メニューを編集する方法を示す説明図である。
【図9】骨部位と骨部品との対応関係を示すテーブルの一例を示す説明図である。
【図10】初期視線方向、初期回転軸及び初期視点を定義したテーブルの一例を示す説明図である。
【図11】視線方向と人体との対応を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0100】
1…X線CT装置、10…スキャナガントリ部、12…開口部、14…寝台、20…画像処理部、21…骨抽出手段、22…骨領域部品単位認識手段、23…表示部位選択手段、24…対応部品決定手段、25…視点/視線方向決定手段、26…ボリュームレンダリング画像生成手段、27…画像表示制御手段、30…画像表示部、32…表示画面、40…椎骨領域、44…右肋骨領域、46…胸骨領域、48…左肋骨領域、50…ボリュームレンダリング表示画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に係り、特に、医用画像中でもX線CT画像から抽出された骨領域から、指定された骨部位に対応する骨部品単位を用いて最適な視点及び視線方向で表示する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CT、MRI、PET等の人体内の断層画像を用いて医療診断を行うことが広く行われており、コンピュータを用いた画像診断支援システムが知られている。
【0003】
このとき、画像診断支援システムにおける、MIP(最大値投影)画像表示や骨番号認識あるいは骨表示の前処理として、X線CT画像から自動的に骨領域を抽出することが行われている。
【0004】
この自動骨抽出の結果が正しいかどうかを確認する際、一般的に知られているボリュームレンダリング手法が良く用いられている。しかし、骨格のような複雑な構造を持つ対象物の場合、その画像を表示する際の視点の位置によっては複数の構造物が重なって部分的な隠蔽が生じることがある。このような場合に、関心部位の骨抽出結果を確認するために、なるべく隠蔽が生じないように視点の位置を決める必要がある。
【0005】
このため、従来例えば、対象領域の断層像からマウスにより視点位置を指定するとともに、キーボードにより視線方向を示す角度を入力すると、中心投影法を使用して上で指定された視点位置から視線方向に器官内部を見た場合の疑似三次元画像が構成されてCRTに表示され、さらにこの疑似三次元画像の視点位置及び視線方向をマウスやキーボードによって変更することができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開平10−11614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献に記載されたものでは、初期の視点位置及び視線方向から視点位置及び視線方向を変更して、所望の視点位置及び視線方向を再配置するまでに多くの操作回数が必要であり、非常に煩雑であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する手段と、表示する骨部位を選択する手段と、前記選択された骨部位に対応する前記骨部品を決定する手段と、前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する手段と、前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する手段と、前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0009】
これにより、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【0010】
また、請求項2に示すように、前記視点及び視線方向を決定する手段は、前記選択された骨部位を観察する視線方向、前記表示されるボリュームレンダリング画像を回転する回転軸及び視点の初期値が定義されたテーブルを保持していることを特徴とする。
【0011】
これにより、ユーザが観察したい骨部位を選択するだけで、簡単に最適な視点及び視線方向で表示することができる。
【0012】
また、請求項3に示すように、前記視点の初期値は、前記選択された骨部位の重心から前記視線方向の反対方向への距離Dで定義されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に示すように、前記距離Dは、前記視点の位置から前記選択された骨部位全体を見たときの視野角が45度〜60度の範囲となるように設定されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に示すように、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、さらに、前記視線方向、前記回転軸及び前記視点が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする。
【0015】
これにより、視点の設定及び変更が容易となるとともに、ユーザが見たい視点及び視線方向での画像を表示することが可能となる。
【0016】
また、請求項6に示すように、前記骨部位に対応する骨部品を決定する手段は、骨部位と骨部品との対応関係が予め定義されたテーブルを有していることを特徴とする。
【0017】
これにより、ユーザは予め定義された骨部位を選択するだけで表示したい部位を部品単位で表示することができる。
【0018】
また、請求項7に示すように、請求項6に記載の画像処理装置であって、さらに、前記骨部位と骨部品の対応関係が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする。
【0019】
これにより、ユーザは表示したい骨部位を任意に定義することができる。
【0020】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する工程と、表示する骨部位を選択する工程と、前記選択された骨部位に対して前記認識された骨部品の対応を決定する工程と、前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する工程と、前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する工程と、前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0021】
これにより、ユーザは表示したい骨部位を選択するだけで、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法について詳細に説明する。本発明は、ユーザが観察したい部位を指定するだけで、その部位の観察に最適な視点及び視線方向を自動的に決定し、その視点からその視線方向に見た三次元画像を生成して表示するようにするものである。
【0024】
本発明の一実施形態として、ユーザが骨格領域のある骨部位を観察する場合を例にとって説明することとする。なお、以下の実施形態においては、医用画像として特にCT画像を例にとって説明するが、本発明はCT画像に限定されるものではなく、複数の画像を重ねたスライス画像にも適用可能である。また、本実施形態においてスライス画像と呼んでいるものは断層画像とも呼ばれる。
【0025】
図1は、本実施形態における、CT画像から骨領域を抽出し骨を部品単位で認識して、指定された骨部位を最適な視点及び視線方向から見た画像を構成する画像処理を行うX線CT装置の概略を示す構成図である。
【0026】
図1に示すように、X線CT装置1は、主に、CTスライス画像を撮影するスキャナガントリ部10、取得したCTスライス画像に対して各種の画像処理を行う画像処理部20及び処理されたCT画像を表示する画像表示部30とから構成される。
【0027】
スキャナガントリ部10は、開口部12を有し、開口部12に対して設けられた寝台14上に寝かせられた被検者(図示省略)に対してX線の照射及び検出を行い、CTスライス画像を撮影するものである。
【0028】
また、細かい図示は省略するが、スキャナガントリ部10の開口部12の周囲には、回転円板が配置され、この回転円板にはX線を放射するX線管と、X線管に対向した位置にX線検出器とが搭載され、寝台14上に寝かせられた被検者の周りを回転円板を回転させながら被検者の一断面にX線が照射されCT画像が撮影される。そして、被検者に対する回転円板の相対位置を変えながら、このような被検者の各断面毎のCT画像(スライス画像)の撮影を繰り返すことにより、複数の画像データを得ることができる。
【0029】
画像処理部20は、スキャナガントリ部10で撮影したCTスライス画像を受け取り、本発明に係る画像処理を実行する部分である。
【0030】
画像表示部30は、LCD(液晶ディスプレイ)やCRT(Cathode Ray Tube)等の、画像を表示する表示画面32を有し、CTスライス画像やユーザが指示を入力する際の参照画面を表示したりあるいは、詳しくは後述するがユーザが選択した骨を部品単位で表示するものである。
【0031】
図2に、画像処理部20の詳細な構成を示す。
【0032】
図2に示すように、本実施形態の画像処理部20は、主に、骨抽出手段21、骨領域部品単位認識手段22、表示部位選択手段23、対応部品決定手段24、視点/視線方向決定手段25、ボリュームレンダリング画像生成手段26及び画像表示制御手段27を有して構成される。
【0033】
骨抽出手段21は、スキャナガントリ部10が撮影したCTスライス画像から骨領域を抽出するものである。なお、その抽出手法は特に限定されるものではなく、一般に公知の骨抽出方法を用いることができる。
【0034】
骨領域部品単位認識手段22は、抽出された骨領域から、椎骨、肋骨、骨盤など、骨を部品単位で認識するものである。
【0035】
表示部位選択手段23は、表示画面32を参照しながらキーボードやマウス等の入力手段15を介して、ユーザが表示させたい骨の部位を選択する手段である。ユーザは、このとき表示させたい部位を複数選択することも可能である。
【0036】
なお、ここで部位とはいくつかの部品から構成されるものであり、部品の上位概念である。すなわち、ユーザが、表示させたいある骨の部位を選択するとその部位を構成する骨の部品が表示されることになる。例えば、部位を肋骨とした場合、それに対する部品は、第1肋骨から第12肋骨であり、また部位を椎骨とした場合には、その部品としては、第1から第7までの頸椎と第1から第12までの胸椎と第1から第5までの腰椎の24の骨部品が対応する。なお、詳しくは後述するが、このように解剖学的に決められている部位及び部品の対応関係の他に、ユーザが自分で部品を指定してそれに対して部位の名前を付けることにより部位及び部品の対応関係を定義するようにしてもよい。さらに、いくつかの部位をまとめてこれを新たな部位として定義してもよい。
【0037】
対応部品決定手段24は、上でユーザが選択した骨の部位に対応する骨の部品を決定するものである。部位に対する部品の決定方法は特に限定されるものではなく、例えば、各部位に対する部品の対応関係を予め定義したテーブルをシステム内部に設定しておき、このテーブルを参照して、選択された部位に対応する部品を決定するようにすればよい。
【0038】
視点/視線方向決定手段25は、上記対応部品決定手段24で決定した部位に対応する部品領域に対し、最適な視点及び視線方向を決定するものである。
【0039】
ボリュームレンダリング画像生成手段26は、CT画像からの骨認識結果に基づいて、上記決定された視点及び視線方向のボリュームレンダリング画像を生成する。
【0040】
画像表示制御手段27は、生成されたボリュームレンダリング画像を画像表示部30に表示するように制御するものである。これにより、画像表示部30は、ユーザによって選択された骨部位に対応する骨部品をそれを観察するのに最適な視点及び視線方向で見た画像として表示する。
【0041】
以下、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
まず、骨抽出手段21は、入力されたCT画像から骨領域を抽出する。上述したように、骨抽出手段21における骨の抽出方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いて行うことができる。
【0043】
例えば、CT画像上で骨の画素値プロファイルを所定の閾値と比較して、骨領域を抽出する方法が知られている。またあるいは、肋骨を抽出する場合、被写体の胸部撮影画像から、エッジ抽出フィルタを用いてエッジ画像を生成して、このエッジ画像から放物線検出するハフ変換などを用いて肋骨らしい放物線を見つけて肋骨形状を検出する方法が知られている。
【0044】
骨抽出手段21における骨抽出結果は、骨領域部品単位認識手段22に送られる。
【0045】
骨領域部品単位認識手段22では、まず各CTスライス画像毎に部位認識を行う。すなわち、CTスライス画像データ毎に、骨領域を頚部、肩部、胸腹部、骨盤、足などに分類する。
【0046】
次に、骨領域を部品単位で認識する。それぞれの骨部品は予め決められた唯一のラベルが付与される。
【0047】
例えば、椎骨を認識する方法について図を用いて説明する。
【0048】
図3に、椎骨部分のCTスライス画像を示す。まず、椎骨の中心線と椎骨の横幅を求める。そのために、図3中の骨領域のうち、体表縦方向の中心線A(すなわち、頭と足を結ぶ体軸の方向に垂直な断面における体の前後方向の中央において体の前後方向に垂直な体の左右方向の線)より下側の領域を横軸に投影し、濃度ヒストグラムを生成する。
【0049】
図4に、このようにして生成した骨領域の濃度ヒストグラムを示す。図4に示すヒストグラムでは、中央に大きなピークがあり、左右に小さなピークが形成されている。図3に示す骨領域の場合には、肋骨の部分が小さいピークを形成し、椎骨が一番骨の多く存在するところであり一番大きいピークが形成されると考えられる。そこで、図4のヒストグラムから、中央にある最大のピークを検出し、それに対応する部分として椎骨領域を検出する。
【0050】
そして、図5に示すように、検出した椎骨領域40の上部に対して円Sを当てはめて、椎骨の中心C及び幅dを求める。椎骨中心Cと椎骨幅dを用いて椎骨領域、左右肋骨領域及び胸骨領域を認識する。
【0051】
図6に示すように、上で求めた椎骨中心Cから上方に60°の角度をなす2本の半直線を引くとともに、椎骨中心Cをその中心に含むようにして体表縦方向の中心線Aに直交する平行2直線を引く。この2直線間の距離は、椎骨領域の幅であり、これは上記幅dの1.5倍となるようにする。
【0052】
このように、2本の半直線と体表縦方向の中心線Aに直交する平行2直線により、図6のCTスライス画像の骨領域を4つの領域に分割し、それぞれ椎骨領域40、右肋骨領域44、胸骨領域46及び左肋骨領域48とする。
【0053】
骨領域部品単位認識手段22は、このように椎骨、右の肋骨、胸骨、左の肋骨のように骨をその部品単位で認識する。そして、認識した骨の部品に対してそれぞれ異なるラベル(番号)を付与する。骨領域部品単位認識手段22は、認識結果を格納する3次元テーブルを用意し、対応する骨領域の各ボクセルにそのラベルを与える。また、骨抽出結果の3次元データに認識結果を置き換えても良い。
【0054】
なお、上の例では骨領域を椎骨、右の肋骨、胸骨、左の肋骨のような骨部品として認識したが、右の第1肋骨、右の第2肋骨、・・・、第1頸椎、第2頸椎、第1胸椎、第2胸椎、・・・のようにさらに細かく分けても良い。すなわち、同様にして、各CTスライス画像の骨領域を認識して行き、骨は結構高い濃度値を示すので、濃度値の高いところの隙間を見つけて椎骨を1本1本細かい部品単位で認識することができる。
【0055】
また、表示部位選択手段23では、ユーザが入力手段15を介して入力した表示すべき部位が選択される。このユーザによる選択は、予め定義されている複数の部品で構成される部位を選択することによって行われる。
【0056】
図7に部位の選択の仕方を示す。図7に示すように、画像表示部30の表示画面32にボリュームレンダリング表示画像50が表示されている。この表示画像50の右上隅に部位を選択するための表示(部位選択用表示)52が表示されている。図7の右側にこの部位選択用表示52を拡大して示す。
【0057】
部位選択用表示52には、選択可能な部位の一覧が表示されており、ユーザがこの中から表示したい部位をチェックする。また後述するが、その画像を回転する際の回転方向を指定する回転軸は予め解剖学的な構造から観察に最適なものが設定されているが、部位選択用表示52を用いてユーザが指定し変更することも可能である。
【0058】
部位を指定すると表示画面32には選択された部位のみが最適な視点及び視線方向により部品単位で表示される。部位選択用表示52の下側の表示は、表示されている画像の回転を示すものであり、ユーザがI字状のカーソル54を移動させると、それに伴って表示されている画像が予め設定されている最適な回転軸の周りに回転する。
【0059】
また、三角のマーク56をクリックすると自動的に画像が回転し、四角のマーク58をクリックすると回転が停止するようになっている。このように解剖学的に観察に最適なように設定された回転軸の周りに回転することによって、互いに重なったり、他の部分に隠れて見えなかった部分も全部見えるようになる。
【0060】
なお、部位とそれに対応する部品との対応関係は、予め定義されているが、ユーザが新たに部品を指定してそれに対して部位の名称を指定して定義することもできる。また、二つ以上の部位を合わせてさらに大きな部位を作ることもできる。
【0061】
ユーザがこのように部品を選択してそれに対して部位名称を指定することにより、部品選択メニューを編集する場合には、例えば、図8に示すような画面表示において、解剖学的に分類された骨部品の一覧表からいくつかの骨部品を選択し、それに対してその部位名称を入力し、メニュー追加を指定すれば、ユーザが新しく定義した部位は、図7に示した部位選択用表示52の部位選択メニューに追加表示される。
【0062】
また、ユーザが指定して登録した部位を削除する場合には、メニュー削除キーをクリックすれば良い。
【0063】
また、対応部品決定手段24においては、部位と部品の対応テーブルが備えられており、それによりユーザによってある部位が選択された場合に、どの部品を表示するかが決定される。例えば、ユーザが肋骨を指定したときには、肋骨が表示され、肋骨以外の骨は表示しないようする。
【0064】
図9に、部位と部品の対応テーブルを示す。
【0065】
図9に示すテーブルの一番左側に部位が部位1、部位2、・・・と表示され、一番上側に部品が、部品1、部品2、・・・と、それぞれ一覧が表示されている。そしてテーブルにおいて、各部位に対して、それに対応する部品、すなわち表示すべき部品は1が表示され、非表示の部品は0が表示されている。
【0066】
例えば、図9において、部位1が選択されると部品1と部品nが表示され、部品1と部品n以外の部品は表示されず、また部位2が選択されると部品2と部品nが表示され、部品2と部品n以外の部品は表示されない。
【0067】
また、上述したように、ユーザがいくつかの骨部品を選択し、それに対してその部位名称を入力し、メニュー追加を指定した場合には、図9の骨部位と骨部品の対応関係を示すテーブルにその新しい対応関係が追加される。このように、骨部位と骨部品の対応関係を示すテーブルは、図8に示す画面表示を見ながらユーザが入力手段15を介して変更することができる。
【0068】
次に、視点及び視線方向の決定について説明する。
【0069】
視点/視線方向決定手段25は、部位毎に初期視線方向、初期回転軸及び初期視点を予め定義したテーブルを備えている。
【0070】
図10に、初期視線方向、初期回転軸及び初期視点を定義したテーブルの一例を示す。
【0071】
図10に示すテーブルにおいて、回転軸は、表示された画像を表示画面内で回転する際の回転軸を示すものであり、それぞれの部位に応じて解剖学的な構造から最も見易い回転軸が設定される。視線方向及び回転軸(の方向)は、XYZ空間における方向ベクトル(X,Y,Z)で示されている。
【0072】
ここで、XYZ軸の取り方は、図11に示すように、直立した人体において体軸方向で足から頭に向かう向きがZ軸の正の方向であり、Z軸に垂直な平面内で体の前方に向かう向きがY軸の正の方向であり、またZ軸及びY軸に垂直で右手方向に向かう向きがX軸の正の方向である。
【0073】
従って、図10において、部位が全データのとき、視線方向は(0,−1,0)と定義されているが、これは図11にベクトルV1(0,−1,0)で示したように、体の前側から後方に向かう向きで、この場合の視線方向は患者(被険者)を体の正面から見る方向である。
【0074】
また図10において、例えば、右肋骨の視線方向は(1,0,0)であり、これはX成分のみが1のベクトルであって、視線方向はX軸に平行でX軸の正の方向に向かう向きである。すなわち、右肋骨の初期視線方向では、体の左側から右肋骨を見ることとなる。
【0075】
また、骨盤の視線方向は(0,0,−1)であり、これはZ軸に平行でZ軸の負の方向に向かう向きである。すなわち、これは図11にベクトルV2(0,0,−1)で示したように、骨盤を頭の方から見ることになる。
【0076】
また、回転軸は、骨盤の場合のみX軸が回転軸で、その他の部位はすべてZ軸が回転軸となっている。
【0077】
また、図10中の初期視点は、各領域の重心から初期視線方向の反対方向での距離Dで示されている。例えば、骨盤を観察する場合は、上述したように初期視線方向はZ軸と同じ方向で、初期回転方向はX軸と同じであり、また初期視点は骨盤領域の重心から初期視線の反対方向(すなわち、Z軸の正の方向)に沿って距離Dだけ離れた場所にある。
【0078】
このように、本実施形態では、それぞれの部位の初期視線方向、初期回転軸及び初期視点(重心から視線方向と反対方向への距離D)は、解剖学的な知識によって予め定義されたテーブルをシステム内に備えている。
【0079】
この重心から視点までの距離(視点距離)Dの値は、例えば、視点から選択された部位領域全体を見た場合のview角度(視野角)が45度〜60度となるように設定されている。なお、正射影の場合には、平行光線で投影することとなり、view角度は0度である。正射影の場合のDの値は、視点が体の外に出るような値であればよく、結局視点の位置を定義する距離Dは、その領域の重心から体表までの距離よりも大きな値であれば良い。
【0080】
視点/視線方向決定手段25は、図10に示したようなデータを内部データとして保持し、表示部位が選択されたとき、次のように初期視点と回転中心を計算する。
【0081】
すなわち、まず視点/視線方向決定手段25は、選択された部位が対応する全ての部品領域からその重心(Xw,Yw,Zw)を計算する。また、選択された部位に対応する視線方向を図10のテーブルから読み取り、重心(Xw,Yw,Zw)から視線方向の反対方向に距離Dだけ離れた点を算出し、これを視点(Xo,Yo,Zo)とする。
【0082】
視線方向の単位ベクトルをeとすると、視点(Xo,Yo,Zo)は、次のように求めることができる。
【0083】
(Xo,Yo,Zo)=(Xw,Yw,Zw)−De
ここで、De=(Xd,Yd,Zd)とすると、視点(Xo,Yo,Zo)は次のようになる。
【0084】
(Xo,Yo,Zo)=(Xw,Yw,Zw)−(Xd,Yd,Zd)
= (Xw−Xd,Yw−Yd,Zw−Zd)
また、領域の重心(Xw,Yw,Zw)を回転中心とする。すなわち、重心(Xw,Yw,Zw)を通り、図10で選択された部位に対応する回転軸に平行な直線が実際の回転軸となる。
【0085】
このように、本実施形態においては、ユーザが入力手段15を介して表示したい部位を入力すると、表示部位選択手段23によりその部位が選択され、対応部品決定手段24において選択された部位に対応する部品が決定される。すると視点/視線方向決定手段25において、選択された部位に対応する視線方向が予め保持されているテーブルから決定されるとともに、部品領域からその重心が計算され、回転中心及び視点が計算によって決定される。
【0086】
ボリュームレンダリング画像生成手段26は、CT画像からの骨認識結果及び決定された視点及び視線方向を用いてボリュームレンダリング画像を生成する。
【0087】
生成されたボリュームレンダリング画像は、画像表示制御手段27を介して画像表示部30に送られて、画像表示部30の表示画面32に表示される。
【0088】
このように、本実施形態によれば、骨領域を部品単位で認識しておき、ユーザが観察したい骨部位を選択すると、その部位に対応する骨部品を用いて、最適な視点と視線方向により、選択した部位を表示することができる。
【0089】
これにより、煩雑な操作をすることなく、観察したい部位を最適な視点及び視線方向で簡単に表示することができる。
【0090】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0091】
図12に、他の実施形態に係る画像処理部120の詳細な構成を示す。
【0092】
他の実施形態の画像処理部120の構成は、前述した実施形態の図2に示す画像処理部20の構成と略同様である。この実施形態が前の実施形態と異なる点は、ユーザが入力手段15を介して、視点/視線方向を入力し変更することができるようにしたことである。
【0093】
これにより、ユーザは、観察したい領域を自分で表示させたいように、予め視点や視線方向を決めることができる。
【0094】
このとき画面に視点/視線方向の入力用の表示を出しておいて、その画面を見ながらユーザがマウスやキーボード等の入力手段15を用いて、視点(距離D)や視線方向を入力することにより、例えば図10に示すようなテーブルを変更し、あるいは追加することができる。
【0095】
入力された視点/視線方向は、視点/視線方向決定手段25に送られ、図10に示されるような、予め設定された視点/視線方向を決定するテーブルが変更される。
【0096】
このように本実施形態においては、ユーザが入力することにより視点/視線方向決定手段25において、各部位の初期視線方向、初期回転軸及び初期視点が指定されるが、この指定方法は特に限定されるものではない。例えば、初期視線方向と初期回転軸をX軸、Y軸、Z軸から選択してもよいし、直接方向ベクトルの成分を入力するようにしてもよい。視点を指定するには、例えば「体の内部から観察」と「外部から観察」を選択するようにしてもよいし、あるいは直接重心からの距離Dを入力するようにしてもよい。
【0097】
以上説明した実施形態では骨部位の表示を例にとって説明したが、本発明を骨領域以外の他の器官の表示に適用することも可能である。
【0098】
以上、本発明の画像処理装置及び画像処理方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る画像処理を行うX線CT装置の一実施形態の概略を示す構成図である。
【図2】本実施形態の画像処理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】椎骨部分のCTスライス画像を示す説明図である。
【図4】骨領域の濃度ヒストグラムを示す線図である。
【図5】図3のCTスライス画像において椎骨領域の検出を示す説明図である。
【図6】図3のCTスライス画像において骨領域を各骨部位に分けた説明図である。
【図7】部位の選択方法を示す説明図である。
【図8】部品選択メニューを編集する方法を示す説明図である。
【図9】骨部位と骨部品との対応関係を示すテーブルの一例を示す説明図である。
【図10】初期視線方向、初期回転軸及び初期視点を定義したテーブルの一例を示す説明図である。
【図11】視線方向と人体との対応を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0100】
1…X線CT装置、10…スキャナガントリ部、12…開口部、14…寝台、20…画像処理部、21…骨抽出手段、22…骨領域部品単位認識手段、23…表示部位選択手段、24…対応部品決定手段、25…視点/視線方向決定手段、26…ボリュームレンダリング画像生成手段、27…画像表示制御手段、30…画像表示部、32…表示画面、40…椎骨領域、44…右肋骨領域、46…胸骨領域、48…左肋骨領域、50…ボリュームレンダリング表示画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する手段と、
表示する骨部位を選択する手段と、
前記選択された骨部位に対応する前記骨部品を決定する手段と、
前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する手段と、
前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する手段と、
前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記視点及び視線方向を決定する手段は、前記選択された骨部位を観察する視線方向、前記表示されるボリュームレンダリング画像を回転する回転軸及び視点の初期値が定義されたテーブルを保持していることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記視点の初期値は、前記選択された骨部位の重心から前記視線方向の反対方向への距離Dで定義されていることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記距離Dは、前記視点の位置から前記選択された骨部位全体を見たときの視野角が45度〜60度の範囲となるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、さらに、前記視線方向、前記回転軸及び前記視点が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記骨部位に対応する骨部品を決定する手段は、骨部位と骨部品との対応関係が予め定義されたテーブルを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置であって、さらに、前記骨部位と骨部品の対応関係が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する工程と、
表示する骨部位を選択する工程と、
前記選択された骨部位に対して前記認識された骨部品の対応を決定する工程と、
前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する工程と、
前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する工程と、
前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する手段と、
表示する骨部位を選択する手段と、
前記選択された骨部位に対応する前記骨部品を決定する手段と、
前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する手段と、
前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する手段と、
前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記視点及び視線方向を決定する手段は、前記選択された骨部位を観察する視線方向、前記表示されるボリュームレンダリング画像を回転する回転軸及び視点の初期値が定義されたテーブルを保持していることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記視点の初期値は、前記選択された骨部位の重心から前記視線方向の反対方向への距離Dで定義されていることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記距離Dは、前記視点の位置から前記選択された骨部位全体を見たときの視野角が45度〜60度の範囲となるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、さらに、前記視線方向、前記回転軸及び前記視点が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記骨部位に対応する骨部品を決定する手段は、骨部位と骨部品との対応関係が予め定義されたテーブルを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置であって、さらに、前記骨部位と骨部品の対応関係が定義されたテーブルを変更する手段を有していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
医用画像から抽出された、いくつかの骨部品で構成される骨部位を含む骨領域を、骨部品単位で認識する工程と、
表示する骨部位を選択する工程と、
前記選択された骨部位に対して前記認識された骨部品の対応を決定する工程と、
前記選択された骨部位を観察する視点及び視線方向を決定する工程と、
前記骨部品単位で認識された医用画像の骨領域と、前記決定された視点及び視線方向に基づいて、前記骨領域を前記視点及び視線方向で表示するボリュームレンダリング画像を生成する工程と、
前記生成されたボリュームレンダリング画像を表示するよう制御する工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−11564(P2009−11564A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176587(P2007−176587)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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