説明

画像形成システム及びその制御方法

【課題】後処理装置を備える画像形成装置の画像調整を最適に行うことができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像を形成する画像形成処理が実行され、画像調整の必要があるか否かを判断する。画像調整が必要であると判断した場合は、後処理装置102の動作状況を確認し、後処理装置102が動作中の場合、必要と判断された画像調整処理の実行を禁止する。後処理装置102の動作が終了したら、画像調整処理の禁止を解除し、必要と判断された画像調整処理を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用して記録媒体に画像形成を行う画像形成装置と画像形成装置から排紙された記録媒体の後処理を施す後処理装置から構成される画像形成システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成システムとして、ステープル処理やパンチ処理等の後処理を行う後処理装置を備える画像形成装置がある。このような画像形成システムにおいては、画像形成装置の制御と、後処理装置におけるステープル処理やパンチ処理等の制御とは、独立して実行されている。
【0003】
また、上記従来の画像形成装置には、形成する画像を安定化される画像調整機能を有するものがある。画像調整機能としては、中間転写ベルト等の像担持体にトナーパターンを形成し、このトナーパターンの形成位置又は濃度を検出し、この検出結果に基づいて画像の位置ずれ(レジストレーションずれ)や画像の濃度ずれを検出してこれらを調整するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来、スキャナ等の画像読み取り機能を持たないプリント機能のみを有する比較的小型な画像形成装置には、後処理装置が接続可能なものが少なかった。しかし、小型の画像形成装置でも、必要に応じて記録媒体に対して後処理が行えると、出力可能な記録媒体の形態が広がり、ユーザビリティが向上する。このため、後処理装置が接続可能な小型の画像形成装置に関しては、今後様々な用途が増えると考えられる。
【0005】
しかしながら、上述のような従来の後処理装置を有する画像形成装置においては、後処理部、例えばステープルユニットのステープル動作時の振動が画像読取部に伝わり、画像読取部が振動で揺れることにより読み取り画像が劣化するという問題があった。この読み取り画像の劣化を防止するために、従来、後処理装置が後処理を実行中は、原稿画像の読み取りを中断させる画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これにより、後処理装置による後処理中は、画像読取部の読み取りを中断するので、ステープル動作時の振動が画像読取部に伝わり、画像読取部が振動で揺れることによる読み取り画像の劣化を防止することができる。
【特許文献1】特開平2002−72574号公報
【特許文献2】特開平2005‐79613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、後処理装置の後処理動作中に画像調整用のトナーパターン(パッチ)を像担持体に形成するとパッチの形成ムラ(位置ずれ)や濃度ムラが発生してしまう。このような形成ムラや濃度ムラが発生したパッチを検出して画像調整を行った場合、精度よく画像調整を行うことができない。また、特にパッチ検出部が画像形成装置において記録媒体の排出側に設けられている場合、後処理動作中に検出部がパッチを検出すると、後処理動作による振動の影響のため、検出部は正確にパッチを検出することができない。このため、最適な画像調整値を得ることができず、不安定な画像を形成することになる。
【0007】
上述のような現象は、後処理装置が搭載された小型の画像形成装置においてより顕著に現れる。
【0008】
このように、従来の画像形成装置においては、最適な画像調整を行うことができず、安定した最適な画像を形成することができない場合があった。
【0009】
本発明の目的は、画像調整を最適に行うことができる画像形成装置と後処理装置とから構成される画像形成システム及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成システムは、画像情報に基づき像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成手段を有する画像形成装置と、前記画像形成装置から排紙された前記記録媒体の後処理を施す後処理装置とから構成される画像形成システムにおいて、前記像担持体上に測定トナーパターンを形成するトナーパターン形成手段と、前記像担持体上に形成された前記測定トナーパターンを読み取る読み取り手段と、前記画像形成手段の画像形成条件を調整するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記画像形成条件を調整すると判断し、且つ前記後処理装置が前記後処理を実行している場合は、前記測定トナーパターンの形成、又は、前記測定トナーパターンの読み取りを禁止する禁止手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の画像形成システムの制御方法は、画像情報に基づき像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成手段を有する画像形成装置と、前記画像形成装置から排紙された前記記録媒体の後処理を施す後処理装置とを有する画像形成システムの制御方法において、前記像担持体上に測定トナーパターンを形成するトナーパターン形成ステップと、前記像担持体上に形成された前記測定トナーパターンを読み取る読み取りステップと、前記画像形成部の画像形成条件を調整するか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記画像形成条件を調整すると判断し、且つ前記後処理装置が前記後処理を実行している場合は、前記測定トナーパターンの形成ステップ、又は、前記測定トナーパターンの読み取りステップを禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成部の画像形成条件を調整すると判断し、且つ後処理部が後処理を実行している場合は、像担持体上に測定トナーパターンを形成することを禁止するので、後処理実行中に測定トナーパターンが形成されることがない。このため、測定トナーパターンに形成ムラや濃度ムラが発生することを防止することができ、また、後処理実行中に形成された測定トナーパターンに基づいて画像形成部の画像形成条件が調整されることを防止することができる。従って、形成ムラや濃度ムラが発生した測定トナーパターンを検出して画像調整を行うことを防止することができ、画像形成部の画像調整を最適に行うことができる。これにより、所望の最適な画像を安定して形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面に参照しながら説明する。
【0014】
まず、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム100について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム100の概略構成を示す断面図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置101と、後処理装置102とを備える。
【0017】
まず、画像形成装置101について説明する。図2は、画像形成装置101の概略構成を示す断面図である。
【0018】
画像形成装置101は、画像読み取り部を備えない小型のフルカラープリンタであり、図1に示すように、画像形成部1Y,1M,1C,1Bkの4つの画像形成部を有する画像形成ユニット1を備えている。画像形成部1Yはイエロー色の画像を形成する画像形成部であり、画像形成部1Mはマゼンタ色の画像を形成する画像形成部である。また、画像形成部1Cはシアン色の画像を形成する画像形成部であり、画像形成部1Bkはブラック色の画像を形成する画像形成部である。これら4つの画像形成部1Y,1M,1C,1Bkは、後方斜め下方に傾斜する直線上に一定の間隔をおいて一列に配置されている。
【0019】
各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkには、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)2a,2b,2c,2dが夫々設置されている。各感光ドラム2a,2b,2c,2dの周囲には、一次帯電器3a,3b,3c,3d、現像器4a,4b,4c,4d、転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5d、及びドラムクリーナ6a,6b,6c,6dが夫々配置されている。一次帯電器3a,3b,3c,3dと現像器4a,4b,4c,4dとの間の下方には、レーザー露光部7が設置されている。
【0020】
各現像器4a,4b,4c,4dには、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが夫々収納されている。
【0021】
各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、負帯電のOPC感光体であり、アルミニウム製のドラム基体の表面上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(図2における時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0022】
一次帯電手段としての一次帯電器3a,3b,3c,3dは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0023】
現像器4a,4b,4c,4dは、トナーを内蔵し、感光ドラム2a,2b,2c,2d上に形成される静電潜像に夫々対応する色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0024】
一次転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5dは、一次転写部32a,32b,32c,32dにおいて中間転写ベルト8を介して感光ドラム2a,2b,2c,2dに夫々当接可能に配置されている。
【0025】
ドラムクリーナ6a,6b,6c,6dは、感光ドラム2a,2b,2c,2d上の一次転写時に残留した転写残トナーを、感光ドラム2a,2b,2c,2dから夫々除去するためのクリーニングブレード等を有している。
【0026】
中間転写ベルト8は、感光ドラム2a,2b,2c,2dの上方に配置されており、二次転写対向ローラ10とテンションローラ11の間に張架されている。二次転写対向ローラ10は、二次転写部34において、中間転写ベルト8を介して二次転写ローラ12と当接可能に配置されている。中間転写ベルト8は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等の誘電体樹脂によって構成されている。
【0027】
また、中間転写ベルト8は、感光ドラム2a,2b,2c,2dとの対向面側に形成された一次転写面8bが二次転写ローラ12側を下方にして傾斜するように傾斜配置されている。
【0028】
上述のように、中間転写ベルト8は、感光ドラム2a,2b,2c,2dの上面に接する平面上を移動可能に感光ドラム2a,2b,2c,2dに対向配置されている。このため、中間転写ベルト8は、感光ドラム2a,2b,2c,2dに対向する面である一次転写面8bが、二次転写部34側が下方となるように傾斜配置されている。具体的には、一次転写面8bの傾斜角度は約15°に設定されている。また、中間転写ベルト8は、二次転写部34側に配置されて該中間転写ベルト8に駆動力を付与する二次転写対向ローラ10と、この二次転写対向ローラ10と一次転写部32a〜32dを挟んで対向側に配置され中間転写ベルト8に張力を付与するテンションローラ11との2本で張架されている。
【0029】
二次転写対向ローラ10は、二次転写部34にて中間転写ベルト8を介して二次転写ローラ12と当接可能に配置されている。また、無端状の中間転写ベルト8の外側で、テンションローラ11の近傍には、中間転写ベルト8の表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング部(不図示)が設置されている。また、二次転写部34よりも転写材(記録媒体)Pの搬送方向の下流側(図2において上方)には、定着ローラ16aと加圧ローラ16bとを有する定着器16が縦パス構成で設置されている。
【0030】
露光部7は、入力された画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンレンズ、及び反射ミラー等で構成されている。露光装置7は、各感光ドラム2a,2b,2c,2dに露光をすることによって、一次帯電器3a,3b,3c,3dによって夫々帯電された感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面に画像情報に応じた各色の静電潜像を形成する。
【0031】
また、画像形成装置101は、図2に示すように、給紙カセット17又は手差しトレイ20から転写材Pを搬送する搬送部50を備える。
【0032】
次に、上述した画像形成装置101による画像形成動作について説明する。
【0033】
画像形成開始信号が発せられると、各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkにおいて、各感光ドラム2a,2b,2c,2dは所定のプロセススピードで回転駆動され、一次帯電器3a,3b,3c,3dによって夫々一様に負極性に帯電される。そして、露光部7は、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザー発光素子から照射し、ポリゴンレンズ、反射ミラー等を経由し各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に各色の静電潜像を形成する。
【0034】
そして、まず感光ドラム2a上に形成された静電潜像は、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像器4aにより、イエローのトナーが付着されトナー像として可視像化される。このイエローのトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の一次転写部32aにおいて、一次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、駆動されている中間転写ベルト8上に一次転写される。
【0035】
イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト8は、画像形成部1M方向に移動される。そして、画像形成部1Mにおいても、上述の画像形成部1Yにおける動作と同様にして、感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、一次転写部32bにて転写され、中間転写ベルト8上のイエローのトナー像上に重ね合わされる。
【0036】
マゼンタのトナー像が転写された中間転写ベルト8は、画像形成部1C方向に移動される。以降、同様にして、中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー及びマゼンタのトナー像上には、画像形成部1C,1Bkにおいて感光ドラム2c,2dに形成されたシアン及びブラックのトナー像が一次転写部32c,32dにおいて夫々順次重ね合わされる。これにより、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト8上に形成される。
【0037】
また、上述のように各画像形成部においてトナー像が中間転写ベルト8に転写されると、感光体ドラム2a,2b,2c,2d上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ6a,6b,6c,6dに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
【0038】
そして、給紙カセット17又は手差しトレイ20から搬送パス18を通して給紙される転写材Pは、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像の先端が、二次転写対向ローラ10と二次転写ローラ12の間の二次転写部34に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ19により二次転写部34に搬送される。そして、フルカラーのトナー像は、二次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された二次転写ローラ12により、二次転写部34に搬送された転写材Pに一括して二次転写される。
【0039】
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着器16に搬送されて、定着ローラ16aと加圧ローラ16bとの間の定着ニップ部に搬送され、定着ニップ部において加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着される。そして、フルカラーのトナー像が定着された転写材Pは、排紙ローラ21によって画像形成装置101の上面に形成された排紙トレイ22上に排出される。画像形成装置101における一連の画像形成動作は終了する。尚、中間転写ベルト8上に残った二次転写残トナー等は、ベルトクリーニング部(不図示)によって除去されて回収される。
【0040】
以上が画像形成装置101における片面画像形成時の画像形成動作である。両面画像形成時においては、上述のようにトナー像が片面に形成された転写材Pが排紙トレイ22上に排出されず、給紙部50においてこの転写材Pが反転され、二次転写部34に搬送され、上記片面画像形成時の場合と同様にトナー像が転写されて排紙トレイ22上に排出される。
【0041】
次いで、後処理装置102について説明する。
【0042】
図1に示すように、後処理装置102は、画像形成装置101から排出された記録紙(転写材P)に対して後処理を実行する後処理部103と、後処理部103から排紙された記録紙が載置される排紙トレイ104とを備える。排紙トレイ104には、後処理部103において後処理が施されたか否かに拘らず記録紙が排紙される。
【0043】
後処理部103は、後処理として、例えば、ステープル処理やパンチ処理、折り処理を行う。後処理部103は、ステープル処理において、画像形成装置101から排出された記録紙を束ねて整合し、整合した記録紙の所定位置を止めるステープル動作を行う。具体的には、後処理部103は、正確な位置へステープルするために記録紙束を整合し、整合された記録紙束の予め決められたステープル位置、例えば上下の角のいずれか1箇所又は主走査方向の2箇所に、ステープルユニットを移動させて、綴じる。
【0044】
また、後処理部103は、パンチ処理において、画像形成装置101から排出された記録紙を束ねて整合し、整合された記録紙束の予め決められたパンチ位置、例えば主走査方向に2箇所或いは3箇所に穴を空けるパンチ動作を行う。
【0045】
後処理装置103は、折り制御において、ステープル処理が実行された記録紙束を所定の形態、例えば半分に折り込む折り動作を行う。
【0046】
また、後処理部103は、ノンソート処理及び束排出毎の位置シフト処理を実行する。ノンソート処理においては、画像形成装置101から出力された記録紙をそのまま排紙トレイ104に排出し、束排出毎の位置シフト処理においては、記録紙束毎に排紙トレイ104の異なる位置に記録紙束を排出する。
【0047】
次いで、画像形成装置101の電気的構成を説明する。
【0048】
図3は、画像形成装置101の電気的構成を示すブロック図である。
【0049】
図3に示すように、画像形成装置101は、画像形成装置101の基本制御を行うCPU171と、制御プログラムが書き込まれたROM174と、CPU171の作業領域としてのワークRAM175と、入出力ポート173とを備える。CPU171、入出力ポート173、ROM174、及びRAM175は、アドレスバスやデータバスにより接続されている。入出力ポート173には、画像形成装置101を制御する、モータやクラッチ等の各種負荷(不図示)や、転写材Pの位置を検知するためのセンサ等(不図示)が接続されている。
【0050】
CPU171は、ROM174の制御プログラムの内容に従って入出力ポート173を介して順次入出力の制御を行い、上述のように画像形成動作を実行する。また、CPU171には、操作部172が接続され、操作部172の表示手段やキー入力手段を制御する。操作者は、キー入力手段を介して画像形成動作モードや操作部の表示の切り替えをCPU171に指示することができる。CPU171は、画像形成装置101の状態や、キー入力による動作モード設定の表示を行う。
【0051】
また、図3に示すように、CPU171には、外部I/F処理部400、画像メモリ部300、画像形成部200、画像調整部700、及び画像調整処理制御部800が接続されている。外部I/F処理部400は、PC等の外部機器からの画像データや処理データを送受信する。画像メモリ部300は、画像の伸張処理や、画像を一時的に蓄積する蓄積処理などを行う。画像形成部200は、露光部7が感光ドラムを露光するために、画像メモリ部300から転送されたライン画像データに対して所定の処理を行う。
【0052】
次に、図4を参照して画像メモリ部300について詳細に説明する。図4は、画像メモリ部300の概略構成を示すブロック図である。
【0053】
図4に示すように、画像メモリ部300は、ページメモリ301と、メモリコントローラ302と、圧縮データ伸長部303とを備える。ページメモリ301は、DRAM等のメモリで構成されている。メモリコントローラ302は、外部I/F処理部400から受け取った画像データのページメモリ301への書き込みや、ページメモリ301から画像形成部200への画像読み出しなどの画像の入出力を行う。即ち、メモリコントローラ302は、ページメモリ301及び画像形成部200との間でアクセスを行う。
【0054】
また、メモリコントローラ302は、外部I/F処理部400から受け取った外部機器からの画像データが圧縮データであるか否かの判断を行い、圧縮データであると判断された場合、圧縮データ伸張処理部303を用いて伸張処理を行った後、ページメモリ301へ書き込む処理を行う。
【0055】
メモリコントローラ302は、さらに、ページメモリ301のDRAMリフレッシュ信号の発生や、外部I/F処理部400からの書き込み及び画像形成部200への読み出しに対するページメモリ301へのアクセスの調整を行う。また、メモリコントローラ302は、CPU171の指示に従い、ページメモリ301への書き込みアドレス、ページメモリ301からの読み出しアドレス、読み出し方向などの制御をする。
【0056】
次いで、図5を参照して外部I/F処理部400の構成について説明する。図5は、外部I/F処理部400の概略構成を示すブロック図である。
【0057】
図5に示すように、外部I/F処理部400は、USB I/F部401、セントロI/F部402、及びネットワークI/F部403を備える。外部I/F処理部400は、外部機器としての外部装置500から送信される画像データ及びプリントコマンドデータをUSB I/F部401、セントロI/F部402、又はネットワークI/F部403のいずれかを介して受信する。また、外部I/F処理部400は、CPU171で判断された画像形成装置101の状態情報等を外部装置500に対し送信する。ここで外部装置500は、コンピュータやワークステーションなどである。
【0058】
外部装置500からUSB I/F部401、セントロI/F部402、又はネットワークI/F部403のいずれかを介して受信したプリントコマンドデータは、CPU171にて処理される。CPU171は、画像形成部200や図3の入出力ポート173などを用いて、実行するプリント動作の設定や、プリント動作の実行タイミングの設定を行う。
【0059】
外部I/F処理部400において、外部装置500からUSB I/F部401、セントロI/F部402、又はネットワークI/F部403のいずれかを介して受信した画像データは、プリントコマンドデータに基づくタイミングに応じて画像メモリ部300に送信される。そして、画像メモリ部300は、画像形成部200において画像形成が行われるように、受信した画像データを処理する。
【0060】
次に、図6を参照して後処理装置102の構成について説明する。図6は、後処理装置102の電気的構成を示すブロック図である。
【0061】
図6に示すように、後処理装置102は、CPU601、RAM602、及びROM603を有し、CPU601は、ROM603に格納された所定の制御プログラムに基づいて後処理装置102全体を総括制御する。RAM603はCPU602の作業領域である。また、後処理装置102は、後処理装置102の動作状況を検知するステータス検知部604を備える。ステータス検知部604は、後処理装置102において後処理動作が実行中であるか否かを検知可能である。
【0062】
また、画像形成装置101は、図2に示すように、例えば、画像形成ユニット1と二次転写対向ローラ10との間であって、中間転写ベルト8の下面に対向する位置に配設された光センサ60と濃度センサ70とを備える画像調整機能を有する。画像調整機能は図7に示す画像調整部700によって実現される。本実施の形態においては、画像調整機能として、色ずれ調整機能(レジストレーション調整機能)及びトナー濃度調整機能を有する。以下、画像調整機能について説明する。
【0063】
まず、色ずれ調整機能について説明する。色ずれ調整機能は色ずれ調整処理を行うことによって実現される。
【0064】
色ずれ調整処理においては、画像形成ユニット1を用いて図8に示すように、中間転写ベルト8上に主走査方向に延びる所定の幅の各色の測定用トナーパターン(以下、「横棒」パターンという)と、くの字形状の各色の測定用トナーパターン(以下、「くの字」パターンという)とを一対形成する。測定用トナーパターンは、中間転写ベルト8の手前側(図1において紙面手前側)及び奥側(図1において紙面奥側)に1対形成する。次いで、中間転写ベルト8上に形成した各色の「横棒」パターン間の幅(8‐a参照)、及び各色の「くの字」パターンの開側幅(8−b参照)は、光センサ60を用いて検出される。この検出信号は受光回路701で電気信号に変換され、パターン幅格納部(レジスタ)702に格納される。次いで、パターン幅格納部702に格納された上記検出信号は解析部703で解析され、この解析結果に基づいて、画像形成装置101のCPU171が画像形成部200を制御して画像の書き出し位置を調整する。
【0065】
解析部703においては、例えば、イエロー色の「横棒」パターンとマゼンタ色の「横棒」パターンとの副走査方向の幅8‐aの値と、ROM704に予め格納されている所定の副走査閾値とを比較する。この比較の結果、光センサ60の検出値が副走査閾値より大きい場合は、出力画像の副走査方向の画像形成部1Mの書き出しタイミングが遅いことになる。この場合、CPU171は検出値と副走査閾値の差分に対応する値だけ副走査方向の画像形成部1Mの書き出しタイミングを早くするように調整する。このようにして副走査方向のレジストレーションずれを補正する。
【0066】
また、解析部703は「くの字」パターンの幅も所定値と比較し、CPU171は差分に対応する値だけ主走査方向の書き出しタイミングを調整する。例えば、図8において左方向から画像を書き出している場合、「くの字」パターンの開側幅8−bの値がROM704に予め格納されている所定の主走査閾値より大きいときは、出力画像の主走査方向の書き出しタイミングが遅いことになる。この場合、CPU171は検出値と主走査閾値の差分に対応する値だけ主走査方向の書き出しタイミングが遅くなるように調整する。このようにして主走査方向のレジストレーションずれを補正する。
【0067】
上述のように、主走査方向の書き出しタイミングと、副走査方向の書き出しタイミングは補正され、補正値がバックアップRAM(不図示)に格納される。補正値を反映した「横棒」パターン及び「くの字」パターンはレジストレーション補正をする際に形成される。これにより、レジストレーションずれを収束させることができる。
【0068】
次いで、トナー濃度調整機能について説明する。トナー濃度調整機能はトナー濃度調整処理を行うことによって実現される。
【0069】
本実施の形態においては、現像器4a,4b,4c,4dは、現像材としてトナーとキャリアを混合した2成分現像剤を内蔵しているものとし、画像形成装置101はこの2成分現像材を使用する現像方式を採用しているものとする。このような2成分現像剤を使用する場合には、現像装置内のトナーとキャリアの比率(T/C比)を常に一定に保つことが高画質を維持するために必要である。そのために、トナー濃度調整処理を行っている。
【0070】
トナー濃度調整処理においては、中間転写ベルト8の表面上に、所定の目標濃度の測定用トナーパターン(パッチ)を形成し、パッチの濃度を濃度センサ70で検出し、検出した濃度とそのときの目標濃度とを解析部703において比較する。目標濃度は設定されたトナー補給量やトナーとキャリアの比により決定されるものであり、ROM704に予め格納されている。上記比較の結果、検出されたパッチの濃度が目標濃度より高いと判断された場合は、トナー濃度を低くするために該当する色のトナー補給量を減らす等のトナー補給量調整を実施する。また、検出されたパッチの濃度が目標濃度より低いと判断された場合は、トナー濃度を高くするために該当するトナー補給量を増やす等のトナー補給量調整を実施する。トナー補給量調整では、検出されたパッチ濃度と目標濃度との差分からどのくらい目標濃度から離れているかを算出し、トナー補給量を調整する。尚、トナー濃度調整処理においても、色ずれ調整処理と同様に、受光回路701で濃度センサ70の検出信号を電気信号に変換し、CPU171により画像形成部200を制御してトナー補給量調整を行う。
【0071】
また、画像形成装置101は、図9に示すように、上記画像調整処理の実行を制御するための画像調整処理制御部800を備える。画像調整処理制御部800は、後述する画像調整制御処理において作動する。図9は画像調整処理制御部800の概略構成を示すブロック図である。
【0072】
図9に示すように、画像調整処理制御部800は、画像調整処理実施判断部801と、出力カウンタ802と、ビデオカウンタ803と、閾値設定部804と、後処理動作状況判別部805と、画像調整処理禁止部806とを備える。
【0073】
画像調整処理実施判断部801は、後述する画像調整制御処理において、画像調整(色ずれ調整又はトナー濃度調整)の必要があるか否かを判別する。
【0074】
出力カウンタ802は、画像形成装置101において画像を形成した転写材の枚数をカウントして画像形成枚数を算出する。出力カウンタ802は、画像調整処理の種類毎に独立して画像を形成した転写材の枚数をカウントする。即ち、出力カウンタ802は、色ずれ調整処理用に、画像を形成した転写材の枚数をカウントして色ずれ調整用カウント値を算出し、また、トナー濃度調整処理用に、画像を形成した転写材の枚数をカウントしてトナー濃度調整用カウント値を算出する。
【0075】
ビデオカウンタ803は、画像形成部200に出力される画像データ信号を各色毎にカウントしてビデオカウント数を算出する。ビデオカウンタ803は、現像するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック色毎に独立して画像データ信号をカウントする。即ち、ビデオカウンタ803は、色ずれ調整処理用に、画像データ信号をカウントして色ずれ調整用カウント値を算出し、また、トナー濃度調整処理用に、画像データ信号をカウントしてトナー濃度調整用カウント値を算出する。
【0076】
閾値設定部804は、画像調整処理実施判断部801が画像調整の必要があるか否かを判別するための所定の閾値を格納する。即ち、閾値設定部804には、色ずれ調整の実行が必要であると判断することができる画像形成枚数又は色毎のビデオカウント数が設定された色ずれ調整閾値が格納される。又、閾値設定部804には、トナー濃度調整の実行が必要であると判断することができる画像形成枚数又は色毎のビデオカウント数が設定されたトナー調整閾値が格納される。色ずれ調整閾値及びトナー調整閾値は、例えば予め実験等によって求められた値である。
【0077】
画像調整処理実施判断部801は、後述するように、出力カウンタ802又はビデオカウンタ803のカウント値である色ずれ調整用カウント値と、閾値設定部804の色ずれ調整閾値とを比較して、色ずれ調整を実行する必要があるか否かを判断する。また、画像調整処理実施判断部801は、出力カウンタ802又はビデオカウンタ803のカウント値であるトナー濃度調整用カウント値と、閾値設定部804のトナー濃度調整閾値とを比較して、トナー濃度調整を実行する必要があるか否かを判断する。
【0078】
後処理動作状況判別部805は、後処理装置102のステータス検知部604に接続しており、ステータス検知部604の検知結果に基づいて後処理装置102が後処理動作を実行中であるか否かを判別する。
【0079】
画像調整処理禁止部806は、後述するように、CPU171を介して画像形成部200における画像調整処理の実行を禁止又は開始させる。
【0080】
尚、前述の画像調整部700と画像調整処理制御部800の機能はCPU171で行っても構わない。
【0081】
次いで、画像形成装置101において実行される画像調整制御処理について図10を参照して説明する。
【0082】
図10は、画像調整制御処理のフローチャートである。本画像調整処理制御処理は、上記画像調整処理の実行を制御する処理である。
【0083】
本処理は、画像形成開始信号が発せられると開始され、まず、画像形成動作を開始して画像形成部200において転写材P上に画像を形成する画像形成処理が実行される(ステップS1001)。次いで、画像調整の必要があるか否かを判断する(ステップS1002)。ステップS1002においては、画像調整処理実施判断部801が出力カウンタ802の画像形成枚数又はビデオカウンタ803のビデオカウント数が閾値設定部804の閾値になったか否かを判別することにより行う。また、ステップS1002においては、画像調整処理の種類毎にその実行が必要であるか否かを判別している。即ち、色ずれ調整用カウント値は色ずれ調整閾値と比較され、トナー濃度調整用カウント値はトナー濃度調整閾値と比較される。色ずれ調整用カウント値が色ずれ調整閾値に達している場合は色ずれ調整処理が必要であると判断し、トナー濃度調整用カウント値がトナー濃度調整閾値に達している場合はトナー濃度調整処理が必要であると判断する。
【0084】
ステップS1002において、画像調整が必要であると判断した場合は、後処理装置102の動作状況を確認する(ステップS1003)。ステップS1003における判別は、後処理動作状況判別部805によって行う。後処理装置102が動作中の場合、例えばステープル動作中の場合は、後処理動作が画像調整するために形成する測定用トナーパターンに悪影響を及ぼす可能性があるため、上記ステップS1002において必要と判断された画像調整処理の実行を禁止し(ステップS1004)、後処理装置102の動作が終了するまで待つ(ステップS1005)。ステップS1004においては、画像形成ユニット1における測定用トナーパターン(「横棒」パターン、「くの字」パターン、又はパッチ)(図8参照)の形成、及び光センサ60による「横棒」パターン又は「くの字」パターンの検出、又は濃度センサ70よるパッチ濃度の検出を禁止する。また、ステップS1004における画像調整処理の禁止は、画像調整処理禁止部806がCPU171を介して画像形成部200の画像調整処理の実行を禁止することにより行う。
【0085】
次いで、後処理装置102の動作が終了したら、画像調整処理禁止部806が画像調整処理の禁止を解除し、画像形成部200がステップS1002において必要と判断された画像調整処理を開始する(ステップS1006)。ステップS1006においては、上述のように画像調整処理を実行し、測定用トナーパターンの形成、測定用トナーパターンの検出、及び画像調整(色ずれ調整又はトナー濃度調整)を行う。
【0086】
一方、上記ステップS1003において、後処理装置102が動作中でない場合は、直ちに上記ステップS1006の処理に移行する。
【0087】
次いで、ステップS1006において画像調整処理が終了したら、画像形成すべき次頁の画像データが存在するか否かを確認し(ステップS1007)、次頁の画像データがある場合は、ステップS1001の処理に戻り、画像形成処理を継続して記録媒体上に次頁の画像を形成する。一方、次頁がない場合は、本処理を終了する。
【0088】
また、上記ステップS1002において、画像調整が必要ないと判断した場合は、ステップS1007の処理に直ちに移行する。
【0089】
尚、ステップS1006において、ステップS1002で必要と判断された画像調整処理を実行した場合は、対応するカウント値(色ずれ調整用カウント値又はトナー濃度調整用カウント値)をクリアする。
【0090】
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム100によれば、画像形成ユニット1の画像形成条件(画像書き出しタイミング又はトナー濃度)を調整する必要があると判断し、且つ後処理装置102が後処理動作を実行している場合は、画像調整処理の実行を禁止する。即ち、中間転写ベルト8への測定用トナーパターンの形成、及び測定用トナーパターンの検出を禁止する。このため、後処理装置102が後処理動作を実行中に測定用トナーパターンが中間転写ベルト8に形成されることがない。従って、後処理装置102の後処理動作による振動により測定用トナーパターンに形成ムラや濃度ムラが発生することを防止することができる。また、後処理装置102の後処理動作による振動により測定用トナーパターンの検出の精度が低下することを防止できる。これにより、後処理動作実行中に形成された測定用トナーパターンに基づいて、又は後処理動作実行中に検出された測定用トナーパターンの検出結果に基づいて画像形成条件が調整されることを防止することができる。従って、形成ムラや濃度ムラが発生した測定用トナーパターンを検出して画像調整を行うこと、精度悪く検出された測定用トナーパターンに基づいて画像調整を行うことを防止することができ、画像形成ユニット1の画像調整を最適に行うことができる。これにより、所望の最適な画像を安定して形成することができる。
【0091】
尚、上記効果は、後処理装置が画像形成装置本体の上部等の画像形成部に比較的近接した場所に設置されており、後処理動作の振動が画像形成に影響を及ぼす可能性の高い画像形成装置において得に有効である。
【0092】
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システム100について説明する。
【0093】
本実施の形態に係る画像形成装置は、上記本発明の第1の形態に係る画像形成システム100に対して、画像調整制御処理の内容が異なる。以下、上記本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム100に対して、同じ構成には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0094】
図11は、本実施の形態に係る画像形成装置101において実行される画像調整制御処理のフローチャートである。
【0095】
本処理においては、画像形成ユニット1の画像調整を行う際に、後処理装置102が後処理動作中であった場合に、画像調整処理を実施するタイミングを変更する。
【0096】
本処理は、上記第1の実施の形態と同様に、画像形成開始信号が発せられると開始され、まず、画像形成動作を開始して画像形成部200において転写材P上に画像を形成する画像形成処理が実行される(ステップS1101)。次いで、画像調整の必要があるか否かを判断する(ステップS1102)。ステップS1102の処理は、図10のステップS1002の処理と同様に行われる。
【0097】
ステップS1102において画像調整が必要であると判別した場合は、図10のステップS1003と同様に、後処理装置102の動作状況を確認する(ステップS1103)。後処理装置102が動作中の場合、例えばステープル動作中の場合は、後処理動作が画像調整するために形成する測定用トナーパターンに影響を及ぼす可能性があるため、上記画像調整処理の実行タイミングを変更する(ステップS1104)。
【0098】
ステップS1104においては、例えば、今回の処理において外部機器から画像出力の指示があった全画像データに対してステップS1101における画像形成処理を実行した後に画像調整処理を実行するように画像調整処理の実行タイミングを変更する。尚、ステップS1104においては、画像調整タイミングを変更したことを示すフラグ(Flag=1)をたてる。ステップS1104の処理が終了したら、ステップS1106の処理に移行する。
【0099】
一方、ステップS1103において、後処理装置102が動作中でない場合は、画像調整処理を開始する(ステップS1105)。ステップS1105においては、上述の図10のステップS1006のように画像調整処理を実行し、測定用トナーパターンの形成、測定用トナーパターンの検出、及び画像調整(色ずれ調整又はトナー濃度調整)を行う。次いで、ステップS1105において画像調整処理が終了すると、ステップS1106の処理に移行する。
【0100】
ステップS1106においては、画像形成すべき次頁の画像データが存在するか否かを確認し、次頁がある場合は、ステップS1101の処理に戻り、画像形成処理を継続して記録媒体上に次頁の画像を形成する。一方、次頁がない場合は、Flag=1であるか否かを判別する(ステップS1107)。
【0101】
Flag=1である場合は、上記ステップS1104において、画像調整実行タイミングが変更されているので、ステップS1105と同様にして画像調整処理を開始して実行し(ステップS1108)、本処理を終了する。一方、Flag=1でない場合は、直ちに本処理を終了する。
【0102】
また、ステップS1102において、画像調整が必要ないと判断した場合は、ステップS1106の処理に直ちに移行する。
【0103】
尚、ステップS1106で次頁がある場合は、ステップS1101に続いて実行するステップS1102において、ステップS1104で既に画像調整タイミングの変更がなされているか否かを考慮する。即ち、ステップS1104で既に画像調整タイミングの変更がなされている場合は、つまり、Flag=1の場合、画像調整が必要ないと判断し、ステップS1106に移行する。
【0104】
また、ステップS1102で必要と判断された画像調整処理をステップS1105、S1108で実行した場合は、対応するカウント値(色ずれ調整用カウント値又はトナー濃度調整用カウント値)をクリアする。
【0105】
上述のように、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムによれば、画像形成ユニット1の画像形成条件(画像書き出しタイミング又はトナー濃度)を調整すると判断し、且つ後処理装置102が後処理動作を実行している場合は、画像調整処理の実行タイミングを変更し、全ての画像データの出力が終了し後処理装置102の動作が終了した後に画像調整処理を実行する。このため、上記本発明の第1の実施の形態と同様の効果を奏することができ、画像形成ユニット1の画像調整を最適に行うことができる。これにより、所望の最適な画像を安定して形成することができる。
【0106】
次いで、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成システムについて説明する。
【0107】
本実施の形態に係る画像形成装置は、上記本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム100に対して、画像調整制御処理の内容が異なる。以下、上記本発明の第1の形態に係る画像形成システム100に対して、同じ構成には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0108】
図12は、本実施の形態に係る画像形成装置において実行される画像調整制御処理のフローチャートである。
【0109】
図12に示すように、本実施の形態における画像調整制御処理は、図10の画像調整制御処理のステップS1002とステップS1003の間において、後処理装置102で実行する後処理として設定されている後処理の種類を確認するステップS1201を行う点が異なる。
【0110】
ステップS1201においては、後処理動作状況判別部805が、後処理装置102のステータス検知604にアクセスして、後処理装置102において実行すると選択されている後処理の種類を判別する。後処理装置102において、ノンソート処理又は束排出毎の位置シフト処理が実行する後処理として選択されている場合は、ステップS1006の処理に移行し、画像調整処理を開始する。ノンソート処理又は束排出毎の位置シフト処理は動作中に発生する振動が少なく、画像形成ユニット1等に伝わる振動が少ない。このため、ノンソート処理又は束排出毎の位置シフト処理中に画像調整処理を行っても、画像調整が適切に行われなくなることがない。従って、ステップS1201においては、ノンソート処理又は束排出毎の位置シフト処理が実行する後処理として選択されている場合は、画像調整処理を開始する。
【0111】
一方、後処理装置102において、ステープル処理、パンチ処理、又は折り処理が実行する後処理として選択されている場合は、ステップS1003の処理に移行し、後処理動作中か否かを判別する。ステープル処理、パンチ処理、又は折り処理を実行中に画像調整処理を行った場合は、上述のように最適に画像調整処理を行うことができないため、この場合は第1の実施の形態と同様に、選択されている後処理を実行中か否かを確認し、実行中でない場合に画像調整処理を開始する。
【0112】
上記本発明の第3の実施の形態においても、上記本発明の第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0113】
尚、上記本発明の第2の実施の形態における画像調整制御処理において、ステップS1102とステップS1103との間に上記ステップS1201の処理を行ってもよい。この場合、ステップS1201において、後処理装置102でノンソート処理又は束排出毎の位置シフト処理が実行する後処理として選択されている場合は、ステップS1105の処理に移行し、画像調整処理を開始する。一方、ステップS1201において、後処理装置102でステープル処理、パンチ処理、又は折り処理が実行する後処理として選択されている場合は、ステップS1103の処理に移行し、後処理動作中か否かを判別する。
【0114】
尚、上記本発明の第1〜第3の実施の形態においては、画像調整処理として、色ずれ調整処理又はトナー濃度調整処理を実行するものとしたが、画像調整処理はこれに限るものではない。また、色ずれ調整処理は図8に示す測定用トナーパターンを形成して行うものとしたが、図8は測定用トナーパターンを例示するものであり、他の形態の測定用トナーパターンを読み取り、その結果を形成画像に反映させるものであってもよい。
【0115】
また、上記各実施の形態においては、画像形成装置はスキャナ等の読み取り部を備えていない小型の画像形成装置として説明したが、読み取り部を備える画像形成装置であってもよい。
【0116】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0117】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0118】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0119】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0120】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの概略構成を示す断面図である。
【図2】図1における画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3における画像メモリ部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図3における外部I/F処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図1における後処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図3における画像調整部の概略構成を示すブロック図である。
【図8】画像調整処理において形成する測定用トナーパターンの一例を示する図である。
【図9】図1の画像形成装置が備える画像調整処理制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図10】図1の画像形成装置において実行される画像調整制御処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態において実行される画像調整制御処理のフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態において実行される画像調整制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
1 画像形成ユニット
1Y,1M,1C,1Bk 画像形成部
2a,2b,2c,2d 感光ドラム(像担持体)
3a,3b,3c,3d 一次帯電器
4a,4b,4c,4d 現像器
5a,5b,5c,5d 転写ローラ
6a,6b,6c,6d ドラムクリーナ
7 露光部
8 中間転写ベルト(像担持体)
12 二次転写ローラ
16 定着器
60 光センサ
70 濃度センサ
100 画像形成システム
101 画像形成装置
102 後処理装置
604 ステータス検知部
700 画像調整部
800 画像調整処理制御部
801 画像調整処理実施判断部
802 出力カウンタ
803 ビデオカウンタ
804 閾値設定部
805 後処理動作状況判別部
806 画像調整処理禁止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に基づき像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成手段を有する画像形成装置と、前記画像形成装置から排紙された前記記録媒体の後処理を施す後処理装置とから構成される画像形成システムにおいて、
前記像担持体上に測定トナーパターンを形成するトナーパターン形成手段と、
前記像担持体上に形成された前記測定トナーパターンを読み取る読み取り手段と、
前記画像形成手段の画像形成条件を調整するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記画像形成条件を調整すると判断し、且つ前記後処理装置が前記後処理を実行している場合は、前記測定トナーパターンの形成、又は、前記測定トナーパターンの読み取りを禁止する禁止手段とを有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記禁止手段は、前記後処理が終了したときに、前記測定トナーパターンの形成、又は、前記測定トナーパターンの読み取りの禁止を解除することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成手段が前記記録媒体上に画像を形成する画像形成期間において、前記禁止手段が前記測定トナーパターンの形成、又は、前記測定トナーパターンの読み取りを禁止した場合に、前記画像形成期間後に前記測定トナーパターンの形成、又は、前記測定トナーパターンの読み取りの禁止を解除することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記後処理装置の後処理は、前記記録媒体を綴じる第1処理と、前記記録媒体の後処理せずにそのまま排紙する第2処理とを含み、
前記禁止手段は、前記第1処理に応じて動作し、第2処理に応じて動作を禁止することを請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記トナーパターン形成手段は前記測定トナーパターンとしてレジストレーションずれを検知するためのレジストレーションずれ測定パターンを形成し、前記読み取り手段によって読み取られた前記レジストレーションずれ測定パターンの読み取り情報に基づいて前記画像形成条件を調整する画像調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記トナーパターン形成手段は前記測定トナーパターンとして濃度ずれを検出するための濃度測定パターンを形成し、前記読み取り手段によって読み取られた前記濃度測定パターンの読み取り情報に基づいて前記画像形成条件を調整する画像調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
画像情報に基づき像担持体上に現像されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成手段を有する画像形成装置と、前記画像形成装置から排紙された前記記録媒体の後処理を施す後処理装置とを有する画像形成システムの制御方法において、
前記像担持体上に測定トナーパターンを形成するトナーパターン形成ステップと、
前記像担持体上に形成された前記測定トナーパターンを読み取る読み取りステップと、
前記画像形成部の画像形成条件を調整するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記画像形成条件を調整すると判断し、且つ前記後処理装置が前記後処理を実行している場合は、前記測定トナーパターンの形成ステップ、又は、前記測定トナーパターンの読み取りステップを禁止することを特徴とする画像形成システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−32926(P2008−32926A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205136(P2006−205136)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】