画像形成システム
【課題】 カラーページと白黒ページを含むジョブを画像形成させる際に、簡単な操作でカラー画像形成装置と白黒画像形成装置の両方を使い分けて画像形成させ、別々に画像形成されたページを本来のページ順の状態で得ることができるシステムを構築する。
【解決手段】 コンピュータ103から出力されたジョブのうちカラーページはカラーMFP104でプリントし、白黒ページは白黒MFP105でプリントする。各MFPはページ情報やジョブ情報を示すバーコードもプリントアウトする。ユーザは各MFPがプリントしたシート束をコレータ106にセットする。コレータ106はバーコードを読み取りカラーページと白黒ページを混交する。
【解決手段】 コンピュータ103から出力されたジョブのうちカラーページはカラーMFP104でプリントし、白黒ページは白黒MFP105でプリントする。各MFPはページ情報やジョブ情報を示すバーコードもプリントアウトする。ユーザは各MFPがプリントしたシート束をコレータ106にセットする。コレータ106はバーコードを読み取りカラーページと白黒ページを混交する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークに複数の画像形成装置が接続された画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ネットワークにカラープリンタや白黒プリンタが接続されたシステムにおいて、クライアントコンピュータのユーザがネットワークプリントを行わせる場合に、コンピュータ上でユーザがカラープリンタ及び白黒プリンタを含む複数のプリンタのうちの1つを選択してプリントさせることは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1つのジョブ内にカラー/白黒の原稿が混在しているにもかかわらず、カラープリンタ及び白黒プリンタのいずれかでしかプリントすることができなかった。カラープリンタはフルカラーでプリントできるが、スピード、コストなどの面では白黒プリンタのほうが優れている。従って、白黒画像のみのページは白黒プリンタにプリントさせるのが望ましいが、従来のシステムではユーザが各ページをカラープリンタにプリントさせるか白黒プリンタにプリントさせるか判断して、さらにユーザがページ毎にページ印刷指定を行って、この時にプリンタをその都度選択する作業をしなければならず、わずらわしいものであった。またカラープリンタ及び白黒プリンタでそれぞれプリントされたシートをページ順に並べ替える作業もユーザが行わなければならず、わずらしいものであった。
【0004】特に大量のプリントを行わせる場合には、処理時間やコストが顕著に現れるが、ユーザの手作業に要する時間も相当なものとなり、この点の省力化が望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため、本発明は、ネットワークに接続された複数の画像形成装置から成る画像形成システムにおいて、前記ネットワークに接続されたコンピュータから出力されるジョブを予め決められた分割規則に従ってページ単位でジョブを分割して、分割されたそれぞれのジョブの各ページを前記複数の画像形成装置により画像形成させる分割手段と、前記分割手段により分割されて画像形成されるシートのそれぞれに所定の情報を付加する情報付加手段と、前記情報付加手段により付加された情報に応じて、前記分割手段により分割されたシートを混交する混交手段と、を有することを特徴とする画像形成システムを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】〔システムの概要説明〕図1に、本発明の実施の形態のシステムの概観図を示す。ネットワーク101に接続されたコンピュータ102はサーバ、コンピュータ103a及び103bはクライアントである。図示されていないがクライアントはこれらのほかにも多数接続されている。以下クライアントを代表して103と表記する。
【0007】更にネットワーク101にはMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)104、105が接続されている。104はフルカラーでスキャン、プリントなどが可能なカラーMFPであり、105はモノクロでスキャン、プリントなどを行う白黒MFPである。また、図示していないがネットワーク101上には上記以外のMFPを初め、スキャナ、プリンタあるいは、FAXなどその他の機器も接続されている。
【0008】ここでコンピュータ103上では、いわゆるDTP(Desk Top Publishing:デスクトップパブリッシング)を実行するアプリケーションソフトウェアを動作させ、各種文書/図形が作成/編集される。コンピュータ103は作成された文書/図形をPDL言語(Page Description Language:ページ記述言語)に変換し、ネットワーク101を経由してMFP104,105に送られてプリントアウトされる。
【0009】MFP104,105はそれぞれ、コンピュータ102、103とネットワーク101を介して情報交換できる通信手段を有しており、MFP104,105の情報や状態をコンピュータ102、103側に逐次知らせる仕組みとなっている。更に、コンピュータ102、103は、その情報を受けて動作するユーティリティソフトウェアを持っており、MFP104,105はコンピュータ102、103により管理できる。
【0010】更に、コレータ106がネットワーク101に接続されており、コレータ106はネットワーク101を介して制御される。ユーザはカラーMFP104,白黒MFP105からプリントされたシートを取出し、コレータ106にセットすると、コレータ106はカラーページ及び白黒ページの丁合処理を行い、ユーザはジョブのページ順に並べた状態のものを得ることができる。
【0011】〔MFP104,105の構成〕次に、図2〜図12を用いてMFP104,105の構成について説明する。但し、MFP104とMFP105の差はフルカラーとモノクロの差であり、色処理以外の部分ではフルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多いため、ここではフルカラー機器に絞って説明し、必要に応じて、随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
【0012】MFP104,105は、画像読み取りを行うスキャナ部201とその画像データを画像処理するIP部202、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部203、更に、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card:ネットワークインターフェイスカード)部分204、コンピュータ103から送られてきたページ記述言語(PDL)を画像信号に展開するPDL部205を有する。そして、MFP104,105の使い方に応じてコア部206で画像信号を一時保存したり、経路を決定する。
【0013】次に、コア部206から出力された画像データは、画像形成を行うプリンタ部208に送られる。プリンタ部208でプリントアウトされたシートはソータ部211へ送り込まれ、シートの仕分け処理が行われる。
【0014】また、ディスプレイ部210は、画像をプリントせずに画像の内容を確認したり、プリントする前に画像の様子を確認する(プレビュー)ために用いられる。
【0015】〔スキャナ部201の構成〕図3を用いてスキャナ部201の構成を説明する。301は原稿台ガラスであり、読み取られるべき原稿302が置かれる。原稿302は照明ランプ303により照射され、その反射光はミラー304、305、306を経て、レンズ307によりCCD308上に結像される。ミラー304、照明ランプ303を含む第1ミラーユニット310は速度vで移動し、ミラー305、306を含む第2ミラーユニット311は速度1/2vで移動することにより、原稿302の全面を走査する。第1ミラーユニット310及び第2ミラーユニット311はモータ309により駆動する。
【0016】〔画像処理部202の構成〕図4を用いてIP部(画像処理部)202について説明する。入力された光学的信号は、CCDセンサ308により電気信号に変換される。このCCDセンサ308はRGB3ラインのカラーセンサであり、RGBそれぞれの画像信号としてA/D変換部401に入力される。ここでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータで、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R0,G0,B0に変換される。その後、402のシェーディング補正で色ごとに、基準白色板の読み取り信号を用いた、公知のシェーディング補正が施される。更に、CCDセンサ308の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)403において、副走査方向の空間的ずれが補正される。
【0017】次に、入力マスキング部404は、CCDセンサ308のR,G,Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、CCDセンサ308の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0,G0,B0)信号を標準的な(R,G,B)信号に変換する。
【0018】更に、輝度/濃度変換部(LOG変換部)405はルックアップテーブル(LUT)RAMにより、構成され、RGBの輝度信号がC1,M1,Y1の濃度信号になるように変換される。
【0019】406は出力マスキング/UCR回路部であり、M1,C1,Y1信号を画像形成装置のトナー色であるY,M,C,K信号にマトリクス演算を用いて変換する部分であり、CCDセンサ308で読み込まれたRGB信号に基づいたC1,M1,Y1,K1信号をトナーの分光分布特性に基づいたC,M,Y,K信号に補正して出力する。
【0020】次に、ガンマ補正部407にて、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのC,M,Y,Kデータに変換されて、空間フィルタ408では、シャープネスまたは、スムージングが施された後、画像信号はコア部206へと送られる。
【0021】MFP105によりモノクロの画像処理を行う場合には、単色の1ラインCCDセンサを用いて、単色でA/D変換、シェーディングを行ったのち、入出力マスキング、ガンマ変換、空間フィルタの順で処理しても構わない。
【0022】〔FAX部203の構成〕図5を用いてFAX部203について説明する。まず、受信時には、電話回線から来たデータをNCU部501で受け取り電圧の変換を行い、モデム部502の中の復調部504でA/D変換及び復調操作を行った後、伸張部506でラスタデータに展開する。一般にFAXでの圧縮伸張にはランレングス法などが用いられる。ラスタデータに変換された画像は、メモリ部507に一時保管され、画像データに転送エラーがないことを確認後、コア部206へ送られる。
【0023】次に、送信時には、コア部よりやってきたラスタイメージの画像信号に対して、圧縮部505でランレングス法などの圧縮を施し、モデム部502内の変調部503にてD/A変換及び変調操作を行った後、NCU部501を介して電話回線へと送られる。
【0024】〔NIC部204の構成〕図6を用いてNIC部204について説明する。ネットワーク101に対してのインターフェイスの機能を持つのが、このNIC部204であり、例えば10Base-T/100Base-TXなどのEthernetケーブルなどを利用して外部からの情報を入手したり、外部へ情報を流す役割を果たす。
【0025】外部より情報を入手する場合は、まず、トランス部601で電圧変換され、602のLANコントローラ部に送られる。LANコントローラ部602は、その内部に第1バッファメモリ(不図示)を持っており、その情報が必要な情報か否かを判断した上で、第2バッファメモリ(不図示)に送った後、PDL部205に信号を流す。
【0026】次に、外部に情報を提供する場合には、PDL部205より送られてきたデータは、LANコントローラ部602で必要な情報を付加して、トランス部601を経由してネットワーク101に接続される。
【0027】〔PDL部205の構成〕次に、同図6を用いてPDL部205の説明をする。コンピュータ103上で動作するアプリケーションソフトウェアによって作成された画像データは、文書、図形、写真などから構成されており、それぞれは、文字コード、図形コード及び、ラスタ画像データなどによる画像記述の要素の組み合わせから成っている。これが、いわゆるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるものである。
【0028】PDL部205では、上記PDLデータからラスタ画像データへの変換処理を行う。まずNIC部204から送られてきたPDLデータは、CPU部603を経由して一度ハードディスク(HDD)のような大容量メモリ604に格納され、ここで各ジョブ毎に管理、保存される。次に、必要に応じて、CPU部603は、RIP(Raster Image Processing )と呼ばれるラスタ化画像処理を行って、PDLデータをラスタイメージに展開する。展開されたラスタイメージデータは、CMYKの色成分毎にDRAMなどの高速アクセス可能なメモリ605にジョブ毎にページ単位で格納され、プリンタ部208の状況に合わせて、再びCPU部603を介して、コア部206へ送られる。
【0029】〔コア部206の構成〕図7を用いてコア部206について説明する。コア部206のバスセレクタ部701は、MFP104,105の利用における、いわば交通整理の役割を担っている。すなわち、複写機能、ネットワークスキャン、ネットワークプリント、ファクシミリ送信/受信、あるいは、ディスプレイ表示などMFP104,105における各種機能に応じてバスの切り替えを行うところである。
【0030】以下に各機能を実行するためのパスの切り替えのパターンを示す。
・複写機能:スキャナ201→コア206→プリンタ208・ネットワークスキャン:スキャナ201→コア206→NIC部204・ネットワークプリント:NIC部204→コア206→プリンタ208・ファクシミリ送信機能:スキャナ201→コア206→FAX部203・ファクシミリ受信機能:FAX部203→コア206→プリンタ208・ディスプレイ表示機能:スキャナ201又はFAX部203又はNIC部204→コア206→ディスプレイ210
【0031】次に、バスセレクタ部701を出た画像データは、圧縮部702、ハードディスク(HDD)などの大容量メモリからなるメモリ部703及び、伸張部704を介してプリンタ部208(PWM部207)又はディスプレイ部210へ送られる。圧縮部702で用いられる圧縮方式は、JPEG,JBIG,ZIPなど一般的なものを用いればよい。圧縮された画像データは、ジョブ毎に管理され、ファイル名、作成者、作成日時、ファイルサイズなどの付加データと一緒に格納される。
【0032】更に、ジョブの番号とパスワードを設けて、それらも一緒に格納すれば、パーソナルボックス機能をサポートすることができる。これは、データの一時保存や特定の人にしかプリントアウト(HDDからの読み出し)ができない様にするための機能である。記憶されているジョブのプリントアウトの指示が行われた場合には、パスワードによる認証を行った後にメモリ部703より呼び出し、画像伸張を行ってラスターイメージに戻してプリンタ部207に送られる。
【0033】〔PWM部207の構成〕図8によりPWM部207を説明する。コア部206を出たイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に色分解された画像データ(MFP105の場合は、単色となる)はそれぞれのPWM部207を通ってそれぞれ画像形成される。801は三角波発生部、802は入力されるディジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(D/A変換部)である。三角波発生部801からの信号(図8(2)のa)及びD/Aコンバータ802からの信号(図8(2)のb)は、コンパレータ803で大小比較されて、図8(2)のcのような信号となってレーザ駆動部804に送られ、CMYKそれぞれが、CMYKそれぞれのレーザ805でレーザビームに変換される。
【0034】そして、ポリゴンスキャナ913で、それぞれのレーザビームを走査して、それぞれの感光ドラム917,921,925,929に照射される。
【0035】〔プリンタ部208の構成(カラーMFP104の場合)〕図9に、カラープリンタ部の概観図を示す。913は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805より発光された4本のレーザー光を受ける。その内の1本はミラー914、915、916をへて感光ドラム917を走査し、次の1本はミラー918、919、920をへて感光ドラム921を走査し、次の1本はミラー922、923、924をへて感光ドラム925を走査し、次の1本はミラー926、927、928をへて感光ドラム929を走査する。
【0036】一方、930はイエロー(Y)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム917上にイエローのトナー像を形成し、931はマゼンタ(M)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム921上にマゼンタのトナー像を形成し、932はシアン(C)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム925上にシアンのトナー像を形成し、933はブラック(K)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム929上にマゼンタのトナー像を形成する。以上4色(Y,M,C,K)のトナー像がシートに転写され、フルカラーの出力画像を得ることができる。
【0037】シートカセット934、935および、手差しトレイ936のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ937を経て、転写ベルト938上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム917、921、925、929には各色のトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。各色のトナーが転写されたシートは、分離され、搬送ベルト939により搬送され、定着器940によって、トナーがシートに定着される。定着器940を抜けたシートは排出される。このようにフェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。
【0038】なお、4つの感光ドラム917、921、925、929は、距離dをおいて、等間隔に配置されており、搬送ベルト939により、シートは一定速度vで搬送されており、このタイミング同期がなされて、4つの半導体レーザ805は駆動される。
【0039】〔プリンタ部208の構成(モノクロMFP105の場合)〕図10に、モノクロプリンタ部の概観図を示す。1013は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805より発光されたレーザー光を受ける。レーザー光はミラー1014、1015、1016をへて感光ドラム1017を走査する。一方、1030は黒色のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム1017上にトナー像を形成し、トナー像がシートに転写され、出力画像を得ることができる。
【0040】シートカセット1034、1035および、手差しトレイ1036のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ1037を経て、転写ベルト1038上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム1017にはトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。トナーが転写されたシートは、分離され、定着器1040によって、トナーがシートに定着される。定着器1040を抜けたシートは排出される。このようにフェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。
【0041】〔ディスプレイ部210の構成〕図11に、ディスプレイ部210を示す。コア部206より出された画像データは、CMYKデータであるため、逆LOG変換部1101でRGBデータに変換する必要がある。次に、出力されるCRTなどのディスプレイ装置1104,105の色の特性に合わせるためにガンマ変換部1102でルックアップテーブルを使用して出力変換を行う。変換された画像データは、一度メモリ部1103に格納されて、CRTなどのディスプレイ装置1104,105によって表示される。
【0042】ここで、ディスプレイ部210を使用するのは、出力画像を予め確認するプレビュー機能や、出力する画像が意図したものと間違いないか検証するプルーフ機能、あるいは、プリントの必要がない画像を確認する場合にプリントシートの無駄を省くためである。
【0043】〔ソータ部211の構成〕図12にソータ211の概観図を示す。プリンタ部208によりプリントされたシートはソータ211に送り込まれ、ジョブの種類に応じてノンソートビン1202あるいはソートビン1201のいずれかのビンに排出される。
【0044】このとき、ソートビンの何れに排出させるかは、ジョブ内のページ、部数、カラー/白黒出力、あるいは、ジョブのフォーマットやクライアントコンピュータ102のOSの種類などに応じて分けたり、不図示の各ソートビン毎の紙有り無しセンサや紙量センサの出力に応じて、混みいったビンを避けて排出したりする。
【0045】〔コレータ106の構成〕図13にコレータ106の概観図を示す。コレータ106は、カラーMFP104及び白黒MFP105から排出されたシート束をセットする入力ビン部1301,1302と、入力ビン部1301,1302から給送したシートにフィニッシング処理を加えるフィニッシング部1303と、丁合したシート束をジョブ毎に仕分けするソートビン部1305からなる。
【0046】フィニッシング部1303を説明する図を図14に示す。フィニッシング部1303では、ソートビン部1305へシートを排出する前にシートをジョブ毎に蓄えておき、排出する直前にステープラ1405にてバインドすることが可能である。
【0047】そのほか、紙をZ字状に折るためのZ折り機1404、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャー1406があり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。
【0048】そのほか、図には記載されていないが、製本のためのグルー(糊付け)によるバインドや、あるいはバインド後にバインド側と反対側の端面を揃えるためのカッティングなどを加えることも可能である。
【0049】〔ジョブの分割〕次にカラー画像と白黒画像のジョブ分割について説明する。コンピュータ103、102から1つのジョブ内にカラーページと白黒ページが混在しているジョブをプリントする場合、まず図15のようなコンピュータ102、103上で動作するソフトウエアであるドライバを用いてカラーMFP104にジョブを転送する。ここで1501はコンピュータ102、103の画面上に表示されるドライバウィンドウであり、その中の設定項目として、1502はカラープリンタ(カラーMFP104)の選択を行うカラープリンタ選択カラム、1503は白黒プリンタ(白黒MFP105)の選択を行う白黒プリンタ選択カラム、1504はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラム、1505は部数を指定する部数設定カラム、1506はカラー/白黒混在ジョブに対してカラー/白黒画像の分割を指示するジョブカラーモードカラム、1507は印刷を開始するOKキー、1508は印刷を取りやめるキャンセルキー、1509は更なる詳細設定を行うプロパティキーである。
【0050】ここで、ジョブカラーモードカラム1506は、自動分割、手動分割、全ページカラー、全ページ白黒の中から1つのモードを選択することが可能であり、手動分割の場合にはユーザがそれぞれのページに対して、どちらのMFPから出力するかを選択可能となる。
【0051】〔ジョブの自動分割とカラー/白黒判定〕次にジョブの自動分割に関して図16を用いて説明する。ドライバウインドウ1501においてOKキー1507が押されると、コンピュータ103上のドライバはコンピュータ(サーバ)102を介して、カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報とプリントジョブをカラーMFP104及び白黒MFP105に送る。自動分割の場合には、この時点ではどのページが白黒ページであるか判定できていないので、全ページのジョブ内容をカラーMFP104及び白黒MFP105へそれぞれ送る。カラーページと白黒ページの送る順序はカラーMFP、白黒MFPの順で時間をずらして送ってもよいし、2つのMFPに同時に送られても構わない。
【0052】尚、カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報を受けた白黒MFPは即座にプリントを開始せずに、カラーMFP104からの白黒ページ番号通知を待機する。
【0053】そして、ジョブが自動分割(Auto Separation)に設定されていれば(ステップ1601)、サンプリング周期の設定内容をカラーMFP104へ送る(ステップ1602)。但し、サンプリング周期の設定はプロパティキー1509により表示される詳細設定のためのウインドウで事前に行われている。サンプリング周期に関し、100画素×100ラインに1ポイントの割合でサンプリングすれば、サンプリング時間は1/10000で済むし、400dpiの画像ならば0.25inch(=6.35mm)周期の格子単位でサンプリングすると、レターサイズ(11"x8.5")のシートで1500ポイント近くならば、カラー/白黒の何れであるかはある程度判定できる。それでも判定が困難な画像の場合には、更にサンプリング周期を細かく設定するか、ジョブカラーモードカラム1306を手動分割(Manual Separation)に設定し、詳細設定ウインドウにて各ページがカラーであるか白黒であるかを予め手動設定しておく。
【0054】次に、ジョブ及びサンプリング周期を受け取ったカラーMFP104のPDL部205は、ジョブ内のページを最終頁から順に順次ラスタライズ展開処理(RIP)し、RIP後の画像をページ単位、色成分(CMYK)毎に半導体メモリ605に格納する。格納された画像は、そこでCPU603によりカラー/白黒判定が行われる(ステップ1603)。判定には半導体メモリ605内の各サンプルポイントに黒(K)以外の成分(CMY成分)があるか否かで行われる(ステップ1604、1605)。このとき、スピードを速めるためにページ内のサンプリングポイントの中に1ポイントでもカラー(CMY)成分があれば、そのページはカラー画像であるため、その時点でそのページにおけるカラー/白黒判定を中止し、そのページはカラーページとしてカラーMFP104内部で処理される。このとき、このジョブに対して再プリントをすることが考えられるため、そのページのページ番号情報はカラーページであることを示す情報とともにネットワーク101を経由してサーバ102へ通知する(ステップ1609)。そして、そのページはカラーMFP104にてカラープリントする(ステップ1610)。
【0055】また、後述するバーコードプリントのためにジョブ中のカラーページのページ番号を記憶しておく。
【0056】ステップ1605において、ページ内のサンプリングポイントに1ポイントもカラー(CMY)成分が存在しない場合には、そのページは白黒ページとして白黒処理するため、そのページのページ番号情報は白黒ページであることを示す情報とともにネットワーク101を経由して、サーバ102及び白黒MFP105に通知する(ステップ1611)。
【0057】ステップ1611の通知を受けた白黒MFP105は、通知されたページのみRIP展開してプリントする。白黒MFP105も後述のバーコードプリントのために白黒ページのページ番号を記憶しておく。
【0058】ステップ1603〜1606、1609〜1612はジョブキャンセルの割り込みが入らない限り、先頭ページまで繰り返され(ステップ1613)、MFP104におけるジョブを終了する。
【0059】ステップ1601で自動分割の設定がなされていない、すなわち手動分割が設定されている場合には、コンピュータ(サーバ)102が、ドライバから各ページがカラーであるか白黒であるかの情報を受け取り、それに応じてカラーページはカラーMFP104へプリント指示し、白黒ページは白黒MFP105へプリント指示する(ステップ1607)。そして、カラーMFP104はカラーページを、白黒MFP105は白黒ページをプリントする。
【0060】また、上記説明でラスタライズはページ毎順次行う説明をしたが、ジョブ全部を一旦大容量メモリ(HDD)604にてRIP展開し、順次半導体メモリ605にページ毎あるいは、複数ページ分を読み出して判定処理しても構わない。
【0061】このようにして、カラーページ及び白黒ページが混在したジョブを、カラーページはカラーMFP104でプリントさせ、白黒ページは白黒MFP105でプリントさせることができる。
【0062】なお上述のジョブの自動分割は、カラーページと白黒ページとで分割するものであったが、所定の部数単位で分割してもよいし、写真ページと文字ページとで分割してもよい。
【0063】〔バーコードのアドオン〕カラーMFP104及び白黒MFP105がジョブをプリントするとき、図17に示すようにバーコードをアドオンしたカバーページをジョブ束の最上部に1ページ付加して出力する。このバーコードは、ジョブの番号、カラー/白黒の判定結果によるページ番号、ページ順情報(コレート/グループなど)、コレータ106に対するフィニッシング処理の情報を示すものである。
【0064】このバーコードアドオンのカバーページを分割出力する全てのジョブ束に付加して、カラーMFP104及び白黒MFP105より出力する。このとき、いくつかのジョブを蓄えておけるように、ソータ部211を利用して、ジョブ毎にソータビン1201を切り替えたり(ジョブセパレートモード)、ユーザやジョブ毎に予め決められたビンに仕分けして入れたり(メールビンモード)、ビンが満載になったら次のビンに順次入れる(スタックモード)などすれば、仕分けがわかりやすくなる。
【0065】また、このバーコードデータの発生は、PDL部205にて行われ、フェイスダウン排紙の場合、ジョブのプリントの前に一種のバナーページのように出力される。フェイスアップ排紙の場合はジョブのプリントの後にバーコードのプリントを行う。ジョブの番号などの情報は、バーコードの先幅や間隔などを変更して一意に決まる値にしておく。
【0066】〔ジョブの自動混交〕ジョブの混交について説明する。カラーMFP104及び白黒MFP105によりプリントされソータ部211の各ビン1201に排出されたシート束のそれぞれを、ユーザがコレータ106の入力ビン1301,1302の空いているビンにそれぞれセットする。そして、サーバ102又はクライアント103より起動をかけると、コレータ106は入力ビン1301,1302にセットされた各ジョブ束のカバーページのバーコードを一斉に読み込み、どの入力ビンのシート束とどの入力ビンのシート束を混交し、どのページ位置に配置し、どのようなフィニッシング処理が施されるかを認識する。
【0067】コレータ106は、その認識結果に従って入力ビンのジョブ束を順次給紙し、混交させたジョブ束を作り上げ、ソータビン1305のいずれかに排出する。
【0068】また、上記方法にて複数部の出力を生成する場合には、カラー及び白黒MFPより、例えば、1,1,1,2,2,2,3,3,3の順で出力したり、1,2,3,1,2,3,1,2,3の順で出しても構わないが、それらの順序や部数の情報もバーコードにより表わすようにし、コレータ106もこれに応じて混交や仕分けをするようにすればよい。
【0069】〔ネットワークユーティリティソフトウェアの説明〕コンピュータ103、102上にて動作するユーティリティソフトウェアについて説明する。MFP104,105内のネットワークインターフェース部分(NIC部204+PDL部205)にはMIB(Management Information Base)と呼ばれる標準化されたデータベースが構築されており、SNMP(Simple Network Management Protocol)というネットワーク管理プロトコルを介してネットワーク上のコンピュータと通信し、MFP104,105をはじめとして、ネットワーク上につながれたスキャナ、プリンタあるいは、FAXなどの管理が可能になっている。
【0070】一方、コンピュータ103、102上ではユーティリティと呼ばれるソフトウェアプログラムが動作しており、ネットワークを介して上記SNMPの利用によりMIBを使って必要な情報交換が可能となる。
【0071】例えば、MFP104,105の装備情報としてソータ211が接続されているか否かを検知したり、ステータス情報として現在プリントが出来るか否かを検知したり、あるいは、MFP104,105の名前や設置場所などを記入したり変更したり確認したりといった具合に、MIBを使うことによりユーザはネットワークに接続されたMFP104、105の情報をコンピュータ103、102上で確認することができる。また、これらの情報はサーバ102とクライアント103を区別してリードライトに制限を持たせることも可能である。
【0072】従って、この機能を使うことにより、MFP104,105の装備情報、装置の状態、ネットワークの設定、ジョブの経緯、使用状況の管理、制御などあらゆる情報をユーザはコンピュータ103、102の前で入手することが可能となる。
【0073】〔GUIの説明〕次に、GUI(Graphic User Interface)と呼ばれるコンピュータ103、102上で動作するユーティリティソフトウェアの画面について図18を使って説明する。コンピュータ103、102上でユーティリティソフトウェアを起動させると、図18のような画面が表示される。ここで1801はウィンドウ、1820がカーソルで、マウスを使ってクリックすると別のウィンドウが開いたり、次の状態に遷移する。
【0074】1802はタイトルバーと呼ばれ、現在のウィンドウの階層やタイトルを表示するのに用いられる。1803〜1807はそれぞれタブと呼ばれ、それぞれの分類ごと整理されており、必要な情報を見たり、必要な情報を選択したりすることができる。
【0075】ここでは、1803がデバイスタブと呼ばれデバイスの存在とその概要を知ることができる。デバイスタブには、1808,1809のようなMFP104と105を示すビットマップ画像があり、1810,1811のメッセージによりこれらMFPがどんな状態かが表示される。装置状態の詳細はステータスタブ1804を見ればわかる仕組みになっている。次に1805はキュータブで、それぞれの装置内にキューイングされているジョブの様子やデバイスの混み具合を伺い知ることができる。
【0076】次に、コンフィグタブ1806は、どんな機能を持つフィニッシャが装着されているかなど装備情報を知ることができる。例えば、MFP105にはフィニッシャが装着されており、そのフィニッシャが有する機能は、ステープラ、サドルスティッチャ、折り機、パンチ機、インサータがあるとか、5000枚まで収納可能なレターサイズのペーパーデッキが装着されているとか、そのシート残量がどのくらいであるとか、あるいは両面処理を行うユニットが装着されているといった具合である。
【0077】セットアップタブ1807は、装置のネットワーク設定情報を知ることができる。
【0078】〔バーコードプリントの別の形態〕コレータ106にてシートの重送やジャムが発生すると、ページ順が狂ったり、ステープルなどのバインド処理を一気に行ってしまう設定であれば、大量の損失を伴うケースが考えられる。
【0079】そこで、図19のように各ページ毎にバーコードをプリントするようにし、コレータもこれを認識して混交を行うようにする。プリントは前述同様にPDL部205にて各画像データにアドオンする形で行われる。
【0080】〔ネットワーククラスタリング〕更に、この方法ならばカラー/白黒の混交だけでなく、同一ネットワーク上に接続された複数台の白黒MFP105同士や、複数台のカラーMFP104同士でも容易に混交を実現できる。
【0081】即ち、図20のような同一ネットワーク101に接続された複数台のカラーMFP104(104a,104b, 04p)及び、複数台の白黒MFP105(105a,105b,05q)、更には、複数台接続されたコレータ106(106a,106b, 06r)がつながれたシステムであっても、全ての分割ジョブにバーコードアドオンされたカバーページ(または、各ページにバーコード印字)がなされていれば、どのMFPのどのビンに排出されたジョブであっても、いずれか1つのコレータの入力ビンにそれぞれのジョブ束を乗せて起動すれば、一気に混交、フィニッシング、スタック(またはソート)を行うことが可能となる。
【0082】これを利用すると、ページ分割や部数分割も可能となり、大量印刷の際にスピードアップの面で大きな威力を発揮する。
【0083】〔多種OS、多種フォーマット〕また、図20に示されるシステムにおいて、クライアント103(103a,103b,03n)が、仮に異なる種類のOS(Operating System)であった場合でも、それぞれのジョブにバーコードアドオンされたカバーページ(または、各ページにバーコード印字)がなされていれば、どのMFPのどのビンに出力されたジョブであっても、ページ混交が可能となる。
【0084】更に、それぞれのジョブがpdf(portable document format), tiff(tag image file format), gif(graphics interchange format)といった画像ファイルフォーマットの形式であっても可能であり、PS(Post Script), PCLと言った異なる種類のPDL(Page Description Language)り、たとえMFP104,105がいずれかずつのPDLインタプリタしか持っていなくとも、ページ混交が可能となる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ネットワークに接続された複数の画像形成装置から成る画像形成システムにおいて、ネットワークに接続されたコンピュータから出力されるジョブを予め決められた分割規則に従ってページ単位でジョブを分割して、分割されたそれぞれのジョブの各ページを前記複数の画像形成装置により画像形成させ、分割されて画像形成されるシートのそれぞれに所定の情報を付加し、付加された情報に応じてシートを混交するので、画像形成ジョブを1つの画像形成装置で行うよりも早く画像形成することができ、かつ複数の画像形成装置で画像形成しても本来のジョブのシートを一束にして得ることができる。従って、簡単な操作で画像形成の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシステム全体を示す図である。
【図2】画像形成装置全体のブロック図である。
【図3】画像形成装置のスキャナ部を示す図である。
【図4】画像形成装置のIP部のブロック図である。
【図5】画像形成装置のFAX部のブロック図である。
【図6】画像形成装置のNIC/PDL部のブロック図である。
【図7】画像形成装置のコア部のブロック図である。
【図8】画像形成装置のPWM部のブロック図である。
【図9】カラー画像形成装置のプリンタ部を示す図である。
【図10】白黒画像形成装置のプリンタ部を示す図である。
【図11】画像形成装置のディスプレイ部のブロック図である。
【図12】画像形成装置のソータ部を示す図である。
【図13】コレータを示す図である。
【図14】コレータのフィニッシング部を示す図である。
【図15】プリンタドライバの画面例である。
【図16】カラー/白黒ページ分割のフローチャートである。
【図17】バーコードをアドオンしたカバーページを示す図である。
【図18】ユーティリティソフトの画面例である。
【図19】バーコードを各ページにアドオンした様子を示す図である。
【図20】別の形態のシステムを示す図である。
【符号の説明】
101 ネットワーク
102 サーバコンピュータ
103 クライアントコンピュータ
104 カラーMFP
105 白黒MFP
106 コレータ
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークに複数の画像形成装置が接続された画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ネットワークにカラープリンタや白黒プリンタが接続されたシステムにおいて、クライアントコンピュータのユーザがネットワークプリントを行わせる場合に、コンピュータ上でユーザがカラープリンタ及び白黒プリンタを含む複数のプリンタのうちの1つを選択してプリントさせることは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1つのジョブ内にカラー/白黒の原稿が混在しているにもかかわらず、カラープリンタ及び白黒プリンタのいずれかでしかプリントすることができなかった。カラープリンタはフルカラーでプリントできるが、スピード、コストなどの面では白黒プリンタのほうが優れている。従って、白黒画像のみのページは白黒プリンタにプリントさせるのが望ましいが、従来のシステムではユーザが各ページをカラープリンタにプリントさせるか白黒プリンタにプリントさせるか判断して、さらにユーザがページ毎にページ印刷指定を行って、この時にプリンタをその都度選択する作業をしなければならず、わずらわしいものであった。またカラープリンタ及び白黒プリンタでそれぞれプリントされたシートをページ順に並べ替える作業もユーザが行わなければならず、わずらしいものであった。
【0004】特に大量のプリントを行わせる場合には、処理時間やコストが顕著に現れるが、ユーザの手作業に要する時間も相当なものとなり、この点の省力化が望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため、本発明は、ネットワークに接続された複数の画像形成装置から成る画像形成システムにおいて、前記ネットワークに接続されたコンピュータから出力されるジョブを予め決められた分割規則に従ってページ単位でジョブを分割して、分割されたそれぞれのジョブの各ページを前記複数の画像形成装置により画像形成させる分割手段と、前記分割手段により分割されて画像形成されるシートのそれぞれに所定の情報を付加する情報付加手段と、前記情報付加手段により付加された情報に応じて、前記分割手段により分割されたシートを混交する混交手段と、を有することを特徴とする画像形成システムを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】〔システムの概要説明〕図1に、本発明の実施の形態のシステムの概観図を示す。ネットワーク101に接続されたコンピュータ102はサーバ、コンピュータ103a及び103bはクライアントである。図示されていないがクライアントはこれらのほかにも多数接続されている。以下クライアントを代表して103と表記する。
【0007】更にネットワーク101にはMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)104、105が接続されている。104はフルカラーでスキャン、プリントなどが可能なカラーMFPであり、105はモノクロでスキャン、プリントなどを行う白黒MFPである。また、図示していないがネットワーク101上には上記以外のMFPを初め、スキャナ、プリンタあるいは、FAXなどその他の機器も接続されている。
【0008】ここでコンピュータ103上では、いわゆるDTP(Desk Top Publishing:デスクトップパブリッシング)を実行するアプリケーションソフトウェアを動作させ、各種文書/図形が作成/編集される。コンピュータ103は作成された文書/図形をPDL言語(Page Description Language:ページ記述言語)に変換し、ネットワーク101を経由してMFP104,105に送られてプリントアウトされる。
【0009】MFP104,105はそれぞれ、コンピュータ102、103とネットワーク101を介して情報交換できる通信手段を有しており、MFP104,105の情報や状態をコンピュータ102、103側に逐次知らせる仕組みとなっている。更に、コンピュータ102、103は、その情報を受けて動作するユーティリティソフトウェアを持っており、MFP104,105はコンピュータ102、103により管理できる。
【0010】更に、コレータ106がネットワーク101に接続されており、コレータ106はネットワーク101を介して制御される。ユーザはカラーMFP104,白黒MFP105からプリントされたシートを取出し、コレータ106にセットすると、コレータ106はカラーページ及び白黒ページの丁合処理を行い、ユーザはジョブのページ順に並べた状態のものを得ることができる。
【0011】〔MFP104,105の構成〕次に、図2〜図12を用いてMFP104,105の構成について説明する。但し、MFP104とMFP105の差はフルカラーとモノクロの差であり、色処理以外の部分ではフルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多いため、ここではフルカラー機器に絞って説明し、必要に応じて、随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
【0012】MFP104,105は、画像読み取りを行うスキャナ部201とその画像データを画像処理するIP部202、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部203、更に、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card:ネットワークインターフェイスカード)部分204、コンピュータ103から送られてきたページ記述言語(PDL)を画像信号に展開するPDL部205を有する。そして、MFP104,105の使い方に応じてコア部206で画像信号を一時保存したり、経路を決定する。
【0013】次に、コア部206から出力された画像データは、画像形成を行うプリンタ部208に送られる。プリンタ部208でプリントアウトされたシートはソータ部211へ送り込まれ、シートの仕分け処理が行われる。
【0014】また、ディスプレイ部210は、画像をプリントせずに画像の内容を確認したり、プリントする前に画像の様子を確認する(プレビュー)ために用いられる。
【0015】〔スキャナ部201の構成〕図3を用いてスキャナ部201の構成を説明する。301は原稿台ガラスであり、読み取られるべき原稿302が置かれる。原稿302は照明ランプ303により照射され、その反射光はミラー304、305、306を経て、レンズ307によりCCD308上に結像される。ミラー304、照明ランプ303を含む第1ミラーユニット310は速度vで移動し、ミラー305、306を含む第2ミラーユニット311は速度1/2vで移動することにより、原稿302の全面を走査する。第1ミラーユニット310及び第2ミラーユニット311はモータ309により駆動する。
【0016】〔画像処理部202の構成〕図4を用いてIP部(画像処理部)202について説明する。入力された光学的信号は、CCDセンサ308により電気信号に変換される。このCCDセンサ308はRGB3ラインのカラーセンサであり、RGBそれぞれの画像信号としてA/D変換部401に入力される。ここでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータで、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R0,G0,B0に変換される。その後、402のシェーディング補正で色ごとに、基準白色板の読み取り信号を用いた、公知のシェーディング補正が施される。更に、CCDセンサ308の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)403において、副走査方向の空間的ずれが補正される。
【0017】次に、入力マスキング部404は、CCDセンサ308のR,G,Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSCの標準色空間に変換する部分であり、CCDセンサ308の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0,G0,B0)信号を標準的な(R,G,B)信号に変換する。
【0018】更に、輝度/濃度変換部(LOG変換部)405はルックアップテーブル(LUT)RAMにより、構成され、RGBの輝度信号がC1,M1,Y1の濃度信号になるように変換される。
【0019】406は出力マスキング/UCR回路部であり、M1,C1,Y1信号を画像形成装置のトナー色であるY,M,C,K信号にマトリクス演算を用いて変換する部分であり、CCDセンサ308で読み込まれたRGB信号に基づいたC1,M1,Y1,K1信号をトナーの分光分布特性に基づいたC,M,Y,K信号に補正して出力する。
【0020】次に、ガンマ補正部407にて、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのC,M,Y,Kデータに変換されて、空間フィルタ408では、シャープネスまたは、スムージングが施された後、画像信号はコア部206へと送られる。
【0021】MFP105によりモノクロの画像処理を行う場合には、単色の1ラインCCDセンサを用いて、単色でA/D変換、シェーディングを行ったのち、入出力マスキング、ガンマ変換、空間フィルタの順で処理しても構わない。
【0022】〔FAX部203の構成〕図5を用いてFAX部203について説明する。まず、受信時には、電話回線から来たデータをNCU部501で受け取り電圧の変換を行い、モデム部502の中の復調部504でA/D変換及び復調操作を行った後、伸張部506でラスタデータに展開する。一般にFAXでの圧縮伸張にはランレングス法などが用いられる。ラスタデータに変換された画像は、メモリ部507に一時保管され、画像データに転送エラーがないことを確認後、コア部206へ送られる。
【0023】次に、送信時には、コア部よりやってきたラスタイメージの画像信号に対して、圧縮部505でランレングス法などの圧縮を施し、モデム部502内の変調部503にてD/A変換及び変調操作を行った後、NCU部501を介して電話回線へと送られる。
【0024】〔NIC部204の構成〕図6を用いてNIC部204について説明する。ネットワーク101に対してのインターフェイスの機能を持つのが、このNIC部204であり、例えば10Base-T/100Base-TXなどのEthernetケーブルなどを利用して外部からの情報を入手したり、外部へ情報を流す役割を果たす。
【0025】外部より情報を入手する場合は、まず、トランス部601で電圧変換され、602のLANコントローラ部に送られる。LANコントローラ部602は、その内部に第1バッファメモリ(不図示)を持っており、その情報が必要な情報か否かを判断した上で、第2バッファメモリ(不図示)に送った後、PDL部205に信号を流す。
【0026】次に、外部に情報を提供する場合には、PDL部205より送られてきたデータは、LANコントローラ部602で必要な情報を付加して、トランス部601を経由してネットワーク101に接続される。
【0027】〔PDL部205の構成〕次に、同図6を用いてPDL部205の説明をする。コンピュータ103上で動作するアプリケーションソフトウェアによって作成された画像データは、文書、図形、写真などから構成されており、それぞれは、文字コード、図形コード及び、ラスタ画像データなどによる画像記述の要素の組み合わせから成っている。これが、いわゆるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるものである。
【0028】PDL部205では、上記PDLデータからラスタ画像データへの変換処理を行う。まずNIC部204から送られてきたPDLデータは、CPU部603を経由して一度ハードディスク(HDD)のような大容量メモリ604に格納され、ここで各ジョブ毎に管理、保存される。次に、必要に応じて、CPU部603は、RIP(Raster Image Processing )と呼ばれるラスタ化画像処理を行って、PDLデータをラスタイメージに展開する。展開されたラスタイメージデータは、CMYKの色成分毎にDRAMなどの高速アクセス可能なメモリ605にジョブ毎にページ単位で格納され、プリンタ部208の状況に合わせて、再びCPU部603を介して、コア部206へ送られる。
【0029】〔コア部206の構成〕図7を用いてコア部206について説明する。コア部206のバスセレクタ部701は、MFP104,105の利用における、いわば交通整理の役割を担っている。すなわち、複写機能、ネットワークスキャン、ネットワークプリント、ファクシミリ送信/受信、あるいは、ディスプレイ表示などMFP104,105における各種機能に応じてバスの切り替えを行うところである。
【0030】以下に各機能を実行するためのパスの切り替えのパターンを示す。
・複写機能:スキャナ201→コア206→プリンタ208・ネットワークスキャン:スキャナ201→コア206→NIC部204・ネットワークプリント:NIC部204→コア206→プリンタ208・ファクシミリ送信機能:スキャナ201→コア206→FAX部203・ファクシミリ受信機能:FAX部203→コア206→プリンタ208・ディスプレイ表示機能:スキャナ201又はFAX部203又はNIC部204→コア206→ディスプレイ210
【0031】次に、バスセレクタ部701を出た画像データは、圧縮部702、ハードディスク(HDD)などの大容量メモリからなるメモリ部703及び、伸張部704を介してプリンタ部208(PWM部207)又はディスプレイ部210へ送られる。圧縮部702で用いられる圧縮方式は、JPEG,JBIG,ZIPなど一般的なものを用いればよい。圧縮された画像データは、ジョブ毎に管理され、ファイル名、作成者、作成日時、ファイルサイズなどの付加データと一緒に格納される。
【0032】更に、ジョブの番号とパスワードを設けて、それらも一緒に格納すれば、パーソナルボックス機能をサポートすることができる。これは、データの一時保存や特定の人にしかプリントアウト(HDDからの読み出し)ができない様にするための機能である。記憶されているジョブのプリントアウトの指示が行われた場合には、パスワードによる認証を行った後にメモリ部703より呼び出し、画像伸張を行ってラスターイメージに戻してプリンタ部207に送られる。
【0033】〔PWM部207の構成〕図8によりPWM部207を説明する。コア部206を出たイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に色分解された画像データ(MFP105の場合は、単色となる)はそれぞれのPWM部207を通ってそれぞれ画像形成される。801は三角波発生部、802は入力されるディジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(D/A変換部)である。三角波発生部801からの信号(図8(2)のa)及びD/Aコンバータ802からの信号(図8(2)のb)は、コンパレータ803で大小比較されて、図8(2)のcのような信号となってレーザ駆動部804に送られ、CMYKそれぞれが、CMYKそれぞれのレーザ805でレーザビームに変換される。
【0034】そして、ポリゴンスキャナ913で、それぞれのレーザビームを走査して、それぞれの感光ドラム917,921,925,929に照射される。
【0035】〔プリンタ部208の構成(カラーMFP104の場合)〕図9に、カラープリンタ部の概観図を示す。913は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805より発光された4本のレーザー光を受ける。その内の1本はミラー914、915、916をへて感光ドラム917を走査し、次の1本はミラー918、919、920をへて感光ドラム921を走査し、次の1本はミラー922、923、924をへて感光ドラム925を走査し、次の1本はミラー926、927、928をへて感光ドラム929を走査する。
【0036】一方、930はイエロー(Y)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム917上にイエローのトナー像を形成し、931はマゼンタ(M)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム921上にマゼンタのトナー像を形成し、932はシアン(C)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム925上にシアンのトナー像を形成し、933はブラック(K)のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム929上にマゼンタのトナー像を形成する。以上4色(Y,M,C,K)のトナー像がシートに転写され、フルカラーの出力画像を得ることができる。
【0037】シートカセット934、935および、手差しトレイ936のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ937を経て、転写ベルト938上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム917、921、925、929には各色のトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。各色のトナーが転写されたシートは、分離され、搬送ベルト939により搬送され、定着器940によって、トナーがシートに定着される。定着器940を抜けたシートは排出される。このようにフェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。
【0038】なお、4つの感光ドラム917、921、925、929は、距離dをおいて、等間隔に配置されており、搬送ベルト939により、シートは一定速度vで搬送されており、このタイミング同期がなされて、4つの半導体レーザ805は駆動される。
【0039】〔プリンタ部208の構成(モノクロMFP105の場合)〕図10に、モノクロプリンタ部の概観図を示す。1013は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805より発光されたレーザー光を受ける。レーザー光はミラー1014、1015、1016をへて感光ドラム1017を走査する。一方、1030は黒色のトナーを供給する現像器であり、レーザー光に従い、感光ドラム1017上にトナー像を形成し、トナー像がシートに転写され、出力画像を得ることができる。
【0040】シートカセット1034、1035および、手差しトレイ1036のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ1037を経て、転写ベルト1038上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム1017にはトナーが現像されており、シートの搬送とともに、トナーがシートに転写される。トナーが転写されたシートは、分離され、定着器1040によって、トナーがシートに定着される。定着器1040を抜けたシートは排出される。このようにフェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。
【0041】〔ディスプレイ部210の構成〕図11に、ディスプレイ部210を示す。コア部206より出された画像データは、CMYKデータであるため、逆LOG変換部1101でRGBデータに変換する必要がある。次に、出力されるCRTなどのディスプレイ装置1104,105の色の特性に合わせるためにガンマ変換部1102でルックアップテーブルを使用して出力変換を行う。変換された画像データは、一度メモリ部1103に格納されて、CRTなどのディスプレイ装置1104,105によって表示される。
【0042】ここで、ディスプレイ部210を使用するのは、出力画像を予め確認するプレビュー機能や、出力する画像が意図したものと間違いないか検証するプルーフ機能、あるいは、プリントの必要がない画像を確認する場合にプリントシートの無駄を省くためである。
【0043】〔ソータ部211の構成〕図12にソータ211の概観図を示す。プリンタ部208によりプリントされたシートはソータ211に送り込まれ、ジョブの種類に応じてノンソートビン1202あるいはソートビン1201のいずれかのビンに排出される。
【0044】このとき、ソートビンの何れに排出させるかは、ジョブ内のページ、部数、カラー/白黒出力、あるいは、ジョブのフォーマットやクライアントコンピュータ102のOSの種類などに応じて分けたり、不図示の各ソートビン毎の紙有り無しセンサや紙量センサの出力に応じて、混みいったビンを避けて排出したりする。
【0045】〔コレータ106の構成〕図13にコレータ106の概観図を示す。コレータ106は、カラーMFP104及び白黒MFP105から排出されたシート束をセットする入力ビン部1301,1302と、入力ビン部1301,1302から給送したシートにフィニッシング処理を加えるフィニッシング部1303と、丁合したシート束をジョブ毎に仕分けするソートビン部1305からなる。
【0046】フィニッシング部1303を説明する図を図14に示す。フィニッシング部1303では、ソートビン部1305へシートを排出する前にシートをジョブ毎に蓄えておき、排出する直前にステープラ1405にてバインドすることが可能である。
【0047】そのほか、紙をZ字状に折るためのZ折り機1404、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャー1406があり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。
【0048】そのほか、図には記載されていないが、製本のためのグルー(糊付け)によるバインドや、あるいはバインド後にバインド側と反対側の端面を揃えるためのカッティングなどを加えることも可能である。
【0049】〔ジョブの分割〕次にカラー画像と白黒画像のジョブ分割について説明する。コンピュータ103、102から1つのジョブ内にカラーページと白黒ページが混在しているジョブをプリントする場合、まず図15のようなコンピュータ102、103上で動作するソフトウエアであるドライバを用いてカラーMFP104にジョブを転送する。ここで1501はコンピュータ102、103の画面上に表示されるドライバウィンドウであり、その中の設定項目として、1502はカラープリンタ(カラーMFP104)の選択を行うカラープリンタ選択カラム、1503は白黒プリンタ(白黒MFP105)の選択を行う白黒プリンタ選択カラム、1504はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラム、1505は部数を指定する部数設定カラム、1506はカラー/白黒混在ジョブに対してカラー/白黒画像の分割を指示するジョブカラーモードカラム、1507は印刷を開始するOKキー、1508は印刷を取りやめるキャンセルキー、1509は更なる詳細設定を行うプロパティキーである。
【0050】ここで、ジョブカラーモードカラム1506は、自動分割、手動分割、全ページカラー、全ページ白黒の中から1つのモードを選択することが可能であり、手動分割の場合にはユーザがそれぞれのページに対して、どちらのMFPから出力するかを選択可能となる。
【0051】〔ジョブの自動分割とカラー/白黒判定〕次にジョブの自動分割に関して図16を用いて説明する。ドライバウインドウ1501においてOKキー1507が押されると、コンピュータ103上のドライバはコンピュータ(サーバ)102を介して、カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報とプリントジョブをカラーMFP104及び白黒MFP105に送る。自動分割の場合には、この時点ではどのページが白黒ページであるか判定できていないので、全ページのジョブ内容をカラーMFP104及び白黒MFP105へそれぞれ送る。カラーページと白黒ページの送る順序はカラーMFP、白黒MFPの順で時間をずらして送ってもよいし、2つのMFPに同時に送られても構わない。
【0052】尚、カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報を受けた白黒MFPは即座にプリントを開始せずに、カラーMFP104からの白黒ページ番号通知を待機する。
【0053】そして、ジョブが自動分割(Auto Separation)に設定されていれば(ステップ1601)、サンプリング周期の設定内容をカラーMFP104へ送る(ステップ1602)。但し、サンプリング周期の設定はプロパティキー1509により表示される詳細設定のためのウインドウで事前に行われている。サンプリング周期に関し、100画素×100ラインに1ポイントの割合でサンプリングすれば、サンプリング時間は1/10000で済むし、400dpiの画像ならば0.25inch(=6.35mm)周期の格子単位でサンプリングすると、レターサイズ(11"x8.5")のシートで1500ポイント近くならば、カラー/白黒の何れであるかはある程度判定できる。それでも判定が困難な画像の場合には、更にサンプリング周期を細かく設定するか、ジョブカラーモードカラム1306を手動分割(Manual Separation)に設定し、詳細設定ウインドウにて各ページがカラーであるか白黒であるかを予め手動設定しておく。
【0054】次に、ジョブ及びサンプリング周期を受け取ったカラーMFP104のPDL部205は、ジョブ内のページを最終頁から順に順次ラスタライズ展開処理(RIP)し、RIP後の画像をページ単位、色成分(CMYK)毎に半導体メモリ605に格納する。格納された画像は、そこでCPU603によりカラー/白黒判定が行われる(ステップ1603)。判定には半導体メモリ605内の各サンプルポイントに黒(K)以外の成分(CMY成分)があるか否かで行われる(ステップ1604、1605)。このとき、スピードを速めるためにページ内のサンプリングポイントの中に1ポイントでもカラー(CMY)成分があれば、そのページはカラー画像であるため、その時点でそのページにおけるカラー/白黒判定を中止し、そのページはカラーページとしてカラーMFP104内部で処理される。このとき、このジョブに対して再プリントをすることが考えられるため、そのページのページ番号情報はカラーページであることを示す情報とともにネットワーク101を経由してサーバ102へ通知する(ステップ1609)。そして、そのページはカラーMFP104にてカラープリントする(ステップ1610)。
【0055】また、後述するバーコードプリントのためにジョブ中のカラーページのページ番号を記憶しておく。
【0056】ステップ1605において、ページ内のサンプリングポイントに1ポイントもカラー(CMY)成分が存在しない場合には、そのページは白黒ページとして白黒処理するため、そのページのページ番号情報は白黒ページであることを示す情報とともにネットワーク101を経由して、サーバ102及び白黒MFP105に通知する(ステップ1611)。
【0057】ステップ1611の通知を受けた白黒MFP105は、通知されたページのみRIP展開してプリントする。白黒MFP105も後述のバーコードプリントのために白黒ページのページ番号を記憶しておく。
【0058】ステップ1603〜1606、1609〜1612はジョブキャンセルの割り込みが入らない限り、先頭ページまで繰り返され(ステップ1613)、MFP104におけるジョブを終了する。
【0059】ステップ1601で自動分割の設定がなされていない、すなわち手動分割が設定されている場合には、コンピュータ(サーバ)102が、ドライバから各ページがカラーであるか白黒であるかの情報を受け取り、それに応じてカラーページはカラーMFP104へプリント指示し、白黒ページは白黒MFP105へプリント指示する(ステップ1607)。そして、カラーMFP104はカラーページを、白黒MFP105は白黒ページをプリントする。
【0060】また、上記説明でラスタライズはページ毎順次行う説明をしたが、ジョブ全部を一旦大容量メモリ(HDD)604にてRIP展開し、順次半導体メモリ605にページ毎あるいは、複数ページ分を読み出して判定処理しても構わない。
【0061】このようにして、カラーページ及び白黒ページが混在したジョブを、カラーページはカラーMFP104でプリントさせ、白黒ページは白黒MFP105でプリントさせることができる。
【0062】なお上述のジョブの自動分割は、カラーページと白黒ページとで分割するものであったが、所定の部数単位で分割してもよいし、写真ページと文字ページとで分割してもよい。
【0063】〔バーコードのアドオン〕カラーMFP104及び白黒MFP105がジョブをプリントするとき、図17に示すようにバーコードをアドオンしたカバーページをジョブ束の最上部に1ページ付加して出力する。このバーコードは、ジョブの番号、カラー/白黒の判定結果によるページ番号、ページ順情報(コレート/グループなど)、コレータ106に対するフィニッシング処理の情報を示すものである。
【0064】このバーコードアドオンのカバーページを分割出力する全てのジョブ束に付加して、カラーMFP104及び白黒MFP105より出力する。このとき、いくつかのジョブを蓄えておけるように、ソータ部211を利用して、ジョブ毎にソータビン1201を切り替えたり(ジョブセパレートモード)、ユーザやジョブ毎に予め決められたビンに仕分けして入れたり(メールビンモード)、ビンが満載になったら次のビンに順次入れる(スタックモード)などすれば、仕分けがわかりやすくなる。
【0065】また、このバーコードデータの発生は、PDL部205にて行われ、フェイスダウン排紙の場合、ジョブのプリントの前に一種のバナーページのように出力される。フェイスアップ排紙の場合はジョブのプリントの後にバーコードのプリントを行う。ジョブの番号などの情報は、バーコードの先幅や間隔などを変更して一意に決まる値にしておく。
【0066】〔ジョブの自動混交〕ジョブの混交について説明する。カラーMFP104及び白黒MFP105によりプリントされソータ部211の各ビン1201に排出されたシート束のそれぞれを、ユーザがコレータ106の入力ビン1301,1302の空いているビンにそれぞれセットする。そして、サーバ102又はクライアント103より起動をかけると、コレータ106は入力ビン1301,1302にセットされた各ジョブ束のカバーページのバーコードを一斉に読み込み、どの入力ビンのシート束とどの入力ビンのシート束を混交し、どのページ位置に配置し、どのようなフィニッシング処理が施されるかを認識する。
【0067】コレータ106は、その認識結果に従って入力ビンのジョブ束を順次給紙し、混交させたジョブ束を作り上げ、ソータビン1305のいずれかに排出する。
【0068】また、上記方法にて複数部の出力を生成する場合には、カラー及び白黒MFPより、例えば、1,1,1,2,2,2,3,3,3の順で出力したり、1,2,3,1,2,3,1,2,3の順で出しても構わないが、それらの順序や部数の情報もバーコードにより表わすようにし、コレータ106もこれに応じて混交や仕分けをするようにすればよい。
【0069】〔ネットワークユーティリティソフトウェアの説明〕コンピュータ103、102上にて動作するユーティリティソフトウェアについて説明する。MFP104,105内のネットワークインターフェース部分(NIC部204+PDL部205)にはMIB(Management Information Base)と呼ばれる標準化されたデータベースが構築されており、SNMP(Simple Network Management Protocol)というネットワーク管理プロトコルを介してネットワーク上のコンピュータと通信し、MFP104,105をはじめとして、ネットワーク上につながれたスキャナ、プリンタあるいは、FAXなどの管理が可能になっている。
【0070】一方、コンピュータ103、102上ではユーティリティと呼ばれるソフトウェアプログラムが動作しており、ネットワークを介して上記SNMPの利用によりMIBを使って必要な情報交換が可能となる。
【0071】例えば、MFP104,105の装備情報としてソータ211が接続されているか否かを検知したり、ステータス情報として現在プリントが出来るか否かを検知したり、あるいは、MFP104,105の名前や設置場所などを記入したり変更したり確認したりといった具合に、MIBを使うことによりユーザはネットワークに接続されたMFP104、105の情報をコンピュータ103、102上で確認することができる。また、これらの情報はサーバ102とクライアント103を区別してリードライトに制限を持たせることも可能である。
【0072】従って、この機能を使うことにより、MFP104,105の装備情報、装置の状態、ネットワークの設定、ジョブの経緯、使用状況の管理、制御などあらゆる情報をユーザはコンピュータ103、102の前で入手することが可能となる。
【0073】〔GUIの説明〕次に、GUI(Graphic User Interface)と呼ばれるコンピュータ103、102上で動作するユーティリティソフトウェアの画面について図18を使って説明する。コンピュータ103、102上でユーティリティソフトウェアを起動させると、図18のような画面が表示される。ここで1801はウィンドウ、1820がカーソルで、マウスを使ってクリックすると別のウィンドウが開いたり、次の状態に遷移する。
【0074】1802はタイトルバーと呼ばれ、現在のウィンドウの階層やタイトルを表示するのに用いられる。1803〜1807はそれぞれタブと呼ばれ、それぞれの分類ごと整理されており、必要な情報を見たり、必要な情報を選択したりすることができる。
【0075】ここでは、1803がデバイスタブと呼ばれデバイスの存在とその概要を知ることができる。デバイスタブには、1808,1809のようなMFP104と105を示すビットマップ画像があり、1810,1811のメッセージによりこれらMFPがどんな状態かが表示される。装置状態の詳細はステータスタブ1804を見ればわかる仕組みになっている。次に1805はキュータブで、それぞれの装置内にキューイングされているジョブの様子やデバイスの混み具合を伺い知ることができる。
【0076】次に、コンフィグタブ1806は、どんな機能を持つフィニッシャが装着されているかなど装備情報を知ることができる。例えば、MFP105にはフィニッシャが装着されており、そのフィニッシャが有する機能は、ステープラ、サドルスティッチャ、折り機、パンチ機、インサータがあるとか、5000枚まで収納可能なレターサイズのペーパーデッキが装着されているとか、そのシート残量がどのくらいであるとか、あるいは両面処理を行うユニットが装着されているといった具合である。
【0077】セットアップタブ1807は、装置のネットワーク設定情報を知ることができる。
【0078】〔バーコードプリントの別の形態〕コレータ106にてシートの重送やジャムが発生すると、ページ順が狂ったり、ステープルなどのバインド処理を一気に行ってしまう設定であれば、大量の損失を伴うケースが考えられる。
【0079】そこで、図19のように各ページ毎にバーコードをプリントするようにし、コレータもこれを認識して混交を行うようにする。プリントは前述同様にPDL部205にて各画像データにアドオンする形で行われる。
【0080】〔ネットワーククラスタリング〕更に、この方法ならばカラー/白黒の混交だけでなく、同一ネットワーク上に接続された複数台の白黒MFP105同士や、複数台のカラーMFP104同士でも容易に混交を実現できる。
【0081】即ち、図20のような同一ネットワーク101に接続された複数台のカラーMFP104(104a,104b, 04p)及び、複数台の白黒MFP105(105a,105b,05q)、更には、複数台接続されたコレータ106(106a,106b, 06r)がつながれたシステムであっても、全ての分割ジョブにバーコードアドオンされたカバーページ(または、各ページにバーコード印字)がなされていれば、どのMFPのどのビンに排出されたジョブであっても、いずれか1つのコレータの入力ビンにそれぞれのジョブ束を乗せて起動すれば、一気に混交、フィニッシング、スタック(またはソート)を行うことが可能となる。
【0082】これを利用すると、ページ分割や部数分割も可能となり、大量印刷の際にスピードアップの面で大きな威力を発揮する。
【0083】〔多種OS、多種フォーマット〕また、図20に示されるシステムにおいて、クライアント103(103a,103b,03n)が、仮に異なる種類のOS(Operating System)であった場合でも、それぞれのジョブにバーコードアドオンされたカバーページ(または、各ページにバーコード印字)がなされていれば、どのMFPのどのビンに出力されたジョブであっても、ページ混交が可能となる。
【0084】更に、それぞれのジョブがpdf(portable document format), tiff(tag image file format), gif(graphics interchange format)といった画像ファイルフォーマットの形式であっても可能であり、PS(Post Script), PCLと言った異なる種類のPDL(Page Description Language)り、たとえMFP104,105がいずれかずつのPDLインタプリタしか持っていなくとも、ページ混交が可能となる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ネットワークに接続された複数の画像形成装置から成る画像形成システムにおいて、ネットワークに接続されたコンピュータから出力されるジョブを予め決められた分割規則に従ってページ単位でジョブを分割して、分割されたそれぞれのジョブの各ページを前記複数の画像形成装置により画像形成させ、分割されて画像形成されるシートのそれぞれに所定の情報を付加し、付加された情報に応じてシートを混交するので、画像形成ジョブを1つの画像形成装置で行うよりも早く画像形成することができ、かつ複数の画像形成装置で画像形成しても本来のジョブのシートを一束にして得ることができる。従って、簡単な操作で画像形成の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシステム全体を示す図である。
【図2】画像形成装置全体のブロック図である。
【図3】画像形成装置のスキャナ部を示す図である。
【図4】画像形成装置のIP部のブロック図である。
【図5】画像形成装置のFAX部のブロック図である。
【図6】画像形成装置のNIC/PDL部のブロック図である。
【図7】画像形成装置のコア部のブロック図である。
【図8】画像形成装置のPWM部のブロック図である。
【図9】カラー画像形成装置のプリンタ部を示す図である。
【図10】白黒画像形成装置のプリンタ部を示す図である。
【図11】画像形成装置のディスプレイ部のブロック図である。
【図12】画像形成装置のソータ部を示す図である。
【図13】コレータを示す図である。
【図14】コレータのフィニッシング部を示す図である。
【図15】プリンタドライバの画面例である。
【図16】カラー/白黒ページ分割のフローチャートである。
【図17】バーコードをアドオンしたカバーページを示す図である。
【図18】ユーティリティソフトの画面例である。
【図19】バーコードを各ページにアドオンした様子を示す図である。
【図20】別の形態のシステムを示す図である。
【符号の説明】
101 ネットワーク
102 サーバコンピュータ
103 クライアントコンピュータ
104 カラーMFP
105 白黒MFP
106 コレータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークに接続された複数の画像形成装置から成る画像形成システムにおいて、前記ネットワークに接続されたコンピュータから出力されるジョブを予め決められた分割規則に従ってページ単位でジョブを分割して、分割されたそれぞれのジョブの各ページを前記複数の画像形成装置により画像形成させる分割手段と、前記分割手段により分割されて画像形成されるシートのそれぞれに所定の情報を付加する情報付加手段と、前記情報付加手段により付加された情報に応じて、前記分割手段により分割されたシートを混交する混交手段と、を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】 前記情報付加手段は、それぞれの分割されて画像形成されたシートに前記所定の情報が記録されたシートを付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】 前記情報付加手段は、画像形成される各ページに前記所定の情報を付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項4】 前記情報付加手段は、前記所定の情報を表わすバーコードを付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項5】 前記分割規則は部数単位で分割する規則であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項6】 前記分割規則はカラーページと白黒ページで分割する規則であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項7】 前記分割規則は写真ページと文字ページで分割する規則であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項1】 ネットワークに接続された複数の画像形成装置から成る画像形成システムにおいて、前記ネットワークに接続されたコンピュータから出力されるジョブを予め決められた分割規則に従ってページ単位でジョブを分割して、分割されたそれぞれのジョブの各ページを前記複数の画像形成装置により画像形成させる分割手段と、前記分割手段により分割されて画像形成されるシートのそれぞれに所定の情報を付加する情報付加手段と、前記情報付加手段により付加された情報に応じて、前記分割手段により分割されたシートを混交する混交手段と、を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】 前記情報付加手段は、それぞれの分割されて画像形成されたシートに前記所定の情報が記録されたシートを付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】 前記情報付加手段は、画像形成される各ページに前記所定の情報を付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項4】 前記情報付加手段は、前記所定の情報を表わすバーコードを付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項5】 前記分割規則は部数単位で分割する規則であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項6】 前記分割規則はカラーページと白黒ページで分割する規則であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項7】 前記分割規則は写真ページと文字ページで分割する規則であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【図12】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図14】
【図13】
【図15】
【図17】
【図19】
【図16】
【図18】
【図20】
【図2】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【図12】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図14】
【図13】
【図15】
【図17】
【図19】
【図16】
【図18】
【図20】
【公開番号】特開2000−112689(P2000−112689A)
【公開日】平成12年4月21日(2000.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−285339
【出願日】平成10年10月7日(1998.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年4月21日(2000.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年10月7日(1998.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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