説明

画像形成装置、画像形成システム、及び中継装置

【課題】 画像形成に対する対価を算出する機能を備えた画像形成装置、画像形成システム、及び中継装置の提供。
【解決手段】 画像形成装置にてプリントジョブを受信した場合(S11:YES)、プリントジョブをHDDにホールドするとともに、そのプリントジョブに基づいてプリント料金を算出する(S12,S13)。算出したプリント料金、ホールドしたプリントジョブに付したホールド番号をプリントジョブの送信元に通知する(S14)。そして、画像形成装置の操作パネルを通じてプリント要求を受付けた場合(S15:YES)、プリント処理を実行する(S16)。プリント処理では、ホールド番号の入力要求、ホールド番号が割当てられているプリントジョブの読出し、読出したプリントジョブに基づく画像形成、画像形成に対する課金処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成に要する料金の算出機能を備えた画像形成装置、画像形成システム、及び中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
街角のコンビニエンスストアにおいてコピー機等の画像形成装置が設置され、コピーサービスとして提供されている光景が一般的となっており、不特定多数の利用者がブック原稿や、シート原稿などを持ち込んで気軽に利用している。このような画像形成装置には、コピーサービスに対する対価を得るためにコインベンダが接続されており、利用者がコピー処理を実行した際に課金処理及び精算処理を実施できるようにしている。
【0003】
コインベンダが接続された画像形成装置を利用してコピーサービスを受ける場合、利用者は、まず、コインベンダに適当な額の貨幣を投入する。そして、画像形成装置にて1枚の用紙上に画像形成が完了した場合、その旨の情報を画像形成装置からコインベンダに通知し、コピー処理に対して要求する対価を投入金額から減算することによって精算処理を実行している(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開昭57−48745号公報
【特許文献2】特開平10−26910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年では、単機能のコピー機の他に、ファクシミリデータの送受信機能、外部コンピュータから送信されたプリントジョブに基づいてプリント処理を行うプリンタ機能、原稿を読取った際に取得した画像データ、外部から受信したプリントジョブ等をハードディスク装置のような記憶手段に記憶させておくファイリング機能等を搭載したデジタル複合機が商品化されている。
【0005】
このようなデジタル複合機をコンビニエンスストア、ホテル等に設置することによって、不特定の利用者に対してコピーサービス及びファクシミリ送信サービスを有償にて提供する環境を構築することが可能であるが、外部コンピュータから送信されたプリントジョブに基づいてプリント処理を行うプリントサービスを、従来のコインベンダを利用したシステムにて提供することは困難であるというのが現状である。すなわち、プリントサービスを実現するシステムを構築する場合には、外部コンピュータはコインベンダの近傍に設置する必然性はなく、特に通信ネットワークを利用して複数台の外部コンピュータを接続する場合にはコインベンダから離れた場所に設置される外部コンピュータが存在することとなる。したがって、従来のコインベンダを用いたプリペイド方式により課金処理を行う場合には、利用者はプリントジョブを送信する前に、一旦、コンピュータの前から席を離れて適当な額の貨幣をコインベンダに投入し、再度、コンピュータの前まで戻ってプリントジョブを送信しなければならないという問題点を有してる。また、コインベンダに貨幣を投入してから利用者が席に戻る前に、他の利用者がコピー処理又はプリント処理を実行した場合には適切な課金が行われないという問題点を有している。
【0006】
また、このようなデジタル複合機は、コンビニエンスストア、ホテル等の公共の施設に設置され、不特定多数の者にサービスを提供することとなるため、個人的な情報が流出することを防止するために処理済みのデータを無効化できることが望ましい。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、画像形成を行う際に要求する料金を受信したジョブに基づいて算出し、算出した料金を報知する構成とすることにより、従来のコインベンダ等を用いた課金処理を行うシステムであっても、ジョブを受信した後に課金処理を実行することができる画像形成装置、画像形成システム、及び中継装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、画像形成に対する精算処理が完了していない状態で所定時間が経過した場合、受信したジョブを無効化する構成とすることにより、不特定多数の者が利用する環境に設置される場合であっても利用者の個人情報が流出することを防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、受信したジョブに基づく画像形成が完了したか否かを判断し、画像形成が完了したと判断した場合、そのジョブを無効化する構成とすることにより、不特定多数の者が利用する環境に設置される場合であっても利用者の個人情報が流出することを防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成を指示するジョブを外部から受信し、受信したジョブに基づいて画像形成を行う画像形成装置において、前記画像形成を行う際に要求する料金を前記ジョブに基づいて算出する算出手段と、算出した料金を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、画像形成を行う際に要求する料金を受信したジョブに基づいて算出し、算出した料金を報知するようにしているため、画像形成が完了した時点で支払うべき料金が速やかに利用者に知らされる。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、前記算出手段が算出した料金に基づいて前記画像形成に対する精算処理を行う手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、算出した料金に基づいて精算処理を行うようにしているため、利用者は外部コンピュータからプリントジョブを送信する前に画像形成に要する料金を支払う必要がなくなる。
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、前記精算処理が完了したか否かを判断する手段と、前記精算処理が完了していないと判断した場合、その旨を報知する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、精算処理が完了していないと判断した場合、その旨を報知するようにしているため、確実な精算処理が行われる。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、前記精算処理が完了したか否かを判断する手段と、前記精算処理が完了していないと判断した場合、計時を開始する手段と、前記精算処理が完了しない状態で所定時間が経過した場合、前記ジョブを無効化する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、精算処理が完了しない状態で所定時間が経過した場合、受信したジョブを無効化するようにしているため、利用者が放置したジョブは精算する前に無効化されることとなる。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、前記ジョブに基づく画像形成が完了したか否かを判断する手段と、前記画像形成が完了したと判断した場合、前記ジョブを無効化する手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、受信したジョブに基づく画像形成が完了したか否かを判断し、画像形成が完了したと判断した場合、そのジョブを無効化するようにしているため、装置内部で長期間に亘りジョブが放置されることがなくなり、個人的な情報の流出が防止される。
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、前記ジョブを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されたジョブを読出す際に利用者の認証を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、受信したジョブを記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されたジョブを読出す際に利用者の認証を行う手段とを備えるため、ジョブを送信した本人のみが画像形成を指示できるようになる。
【0022】
本発明に係る画像形成システムは、画像形成を指示するジョブを送信する送信装置と、該送信装置から送信されたジョブを受信し、受信したジョブを実行することにより画像形成を行う画像形成装置とを中継装置を介して接続してある画像形成システムにおいて、前記中継装置は、前記送信装置から送信されたジョブを受信する手段と、前記ジョブに基づいて前記画像形成装置が画像形成を行う際に要求する料金を、前記ジョブに基づいて算出する手段と、算出した料金の情報を外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、画像形成を行う際に要求する料金を受信したジョブに基づいて算出し、算出した料金を報知するようにしているため、画像形成が完了した時点で支払うべき料金が速やかに利用者に知らされる。
【0024】
本発明に係る中継装置は、画像形成装置に対する接続手段と、画像形成を指示するジョブを外部から受信する手段とを備え、受信したジョブを前記接続手段に接続された画像形成装置へ送信することにより前記ジョブに基づく画像形成を実行させる中継装置において、前記ジョブに基づいて前記画像形成装置が画像形成を行う際に要求する料金を、前記ジョブに基づいて算出する手段と、算出した料金の情報を外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、画像形成を行う際に要求する料金を受信したジョブに基づいて算出し、算出した料金を報知するようにしているため、画像形成が完了した時点で支払うべき料金が速やかに利用者に知らされる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による場合は、画像形成を行う際に要求する料金を受信したジョブに基づいて算出し、算出した料金を報知するようにしている。したがって、画像形成が完了した時点で支払うべき料金が速やかに利用者に知らされることとなり、利用者は、その情報を元に画像形成の実行に対する対価を支払うことができる。
【0027】
本発明による場合は、算出した料金に基づいて精算処理を行うようにしている。したがって、利用者は外部コンピュータからプリントジョブを送信する前に画像形成に要する料金を支払う必要がなくなる。すなわち、利用者は、画像形成が完了した時点で一括して料金を支払うことが可能となり、利便性の良い環境を提供することができる。
【0028】
本発明による場合は、精算処理が完了していないと判断した場合、その旨を報知するようにしている。したがって、ジョブが放置されている場合、支払った料金が不足している場合等において利用者に支払いを促すことができ、確実な精算処理を行うことができる。
【0029】
本発明による場合は、精算処理が完了しない状態で所定時間が経過した場合、受信したジョブを無効化するようにしている。したがって、利用者が放置したジョブは精算する前に無効化されることとなり、個人的な情報の流出を防止することができる。
【0030】
本発明による場合は、受信したジョブに基づく画像形成が完了したか否かを判断し、画像形成が完了したと判断した場合、そのジョブを無効化するようにしている。したがって、装置内部で長期間に亘りジョブが放置されることがなくなり、個人的な情報の流出を防止することができる。
【0031】
本発明による場合は、受信したジョブを記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されたジョブを読出す際に利用者の認証を行う手段とを備える。したがって、ジョブを送信した本人のみが画像形成を指示できるようになり、第三者による不正なデータの出力を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明に係る画像形成装置を用いて構築される画像形成システムを示す模式的構成図である。本画像形成システムは、例えば、コンビニエンスストア、ネットカフェ、DTPショップ(DTP : desktop publishing)、貸しオフィス、大学、ホテル等の施設において構築されるシステムであり、当該システムによって不特定の利用者に対しプリント環境を有料で提供する。図中100Aは本発明に係る画像形成装置であり、この画像形成装置100Aには通信ネットワークNを介して情報処理装置300,300,300が接続されている。なお、情報処理装置300の接続台数は3台に限定されず、1台以上の情報処理装置300が接続されていればよい。
【0033】
情報処理装置300は、具体的には、パーソナルコンピュータであり、利用者が持ち込んだデータ、又は情報処理装置300にて作成されたデータに基づいてプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを画像形成装置100Aに送信することによってプリント処理を実行させる構成となっている。そのため、情報処理装置300には、文書、グラフィックス等を作成するためのアプリケーションプログラム、及び通信ネットワークNを介して画像形成装置100Aを利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)等が予めインストールされている。任意のアプリケーションプログラムからプリンタドライバを呼び出し、当該プリンタドライバにより生成されたプリントジョブを画像形成装置100Aへ送信することにより、文書、グラフィックス等の出力を行う。
【0034】
情報処理装置300から送信されたプリントジョブを画像形成装置100Aが受信した場合、そのプリントジョブはすぐに実行されることなく、一旦、画像形成装置100Aの内部にて保持(ホールド)される。保持されたプリントジョブには、識別子であるホールド番号が付与される。そして、当該プリントジョブに基づいてプリント処理を行う際に要求する金額(プリント料金)を算出し、プリントジョブの送信元にホールド番号とプリント料金とを通知する。画像形成装置100Aにホールド番号が入力され、かつ、画像形成装置100Aに接続されたコインベンダ200にプリント料金が投入された時点で初めてプリント処理が開始される。
【0035】
図2はプリンタドライバが生成する印刷設定画面の一例を示す模式図である。情報処理装置300にて起動された任意のアプリケーションプログラムからプリンタドライバが呼び出された場合、プリンタドライバは、図2に示したような印刷設定画面30を生成して情報処理装置300の表示部(不図示)に表示する。印刷設定画面30には、プリントジョブの送信先であるプリンタ(本実施の形態では画像形成装置100A)の指定を受付けるプリンタ指定欄31、印刷範囲の指定を受付ける印刷範囲指定欄32、印刷部数の指定を受付ける印刷部数指定欄33、画像形成装置100Aにホールドされたプリントジョブを読出す際のパスワード(例えば、6桁の数値)を設定するパスワード設定欄34、白黒プリント又はカラープリントの選択を受付けるプリントモード設定欄35が配置されている。利用者は、図に示していないキーボード、マウスを操作することにより、プリント処理に必要な情報を設定することができる。
【0036】
この印刷設定画面30において、キャンセルボタン36が押下操作された場合、プリントジョブが生成されることなく、印刷設定画面30を呼び出したアプリケーションに処理が戻される。また、実行ボタン37が押下操作された場合、印刷設定画面30にて設定された内容のプリントジョブが生成され、指定されたプリンタ(画像形成装置100A)に送信される。
【0037】
画像形成装置100Aはプリントジョブを受信した場合、プリント料金の算出を行い、プリントジョブの送信元である情報処理装置300に通知する。図3は情報処理装置300に表示される通知画面の一例を示す模式図である。通知画面40には、画像形成装置100Aにてプリントジョブを受信した旨、算出したプリント料金、プリントジョブに付与したホールド番号が表示される。利用者はこの通知画面40にて通知される料金及びホールド番号に基づいて精算を行い、画像形成装置100Aにプリント処理を実行させる。
【0038】
図4は画像形成装置100A及びコインベンダ200の内部構成を説明するブロック図である。画像形成装置100Aは、CPU101を備えており、このCPU101がROM103に予め格納された制御プログラムをRAM104上にロードして実行することにより、バス102を介して接続されたハードウェアを制御し、全体として本発明に係る画像形成装置100Aとして動作させる。
【0039】
以下、バス102に接続されている各種ハードウェアの構成について説明する。管理部105は、不揮発性の半導体メモリにより構成されており、その記憶領域の一部は、受信したプリントジョブの情報を管理するジョブ管理テーブル105a、プリント料金の設定情報を記憶する料金テーブル105bとして利用されている。図5はジョブ管理テーブル105a及び料金テーブル105bの一例を示す概念図である。ジョブ管理テーブル105aでは、プリントジョブを受信した際に付与したホールド番号、受信した日時、前述した印刷設定画面30での設定値、及び通信アドレスが互いに関連付けられて登録されている。印刷設定画面30での設定値には、白黒プリントとカラープリントとの区別、印刷枚数、用紙サイズ、パスワードが含まれる。なお、印刷枚数は、印刷範囲指定欄32で指定されたページ数に、印刷部数指定欄33で指定された部数を乗じた値として算出されている。
【0040】
図5(a)に示した例では、「2004年7月2日、10時5分」に受信したプリントジョブには「0001」のホールド番号が付されており、プリントモードが「白黒プリント」であること、印刷枚数が「24枚」であること、用紙サイズが「A4」であること、設定されたパスワードが「123456」であることが登録されている。また、このプリントジョブを送信した情報処理装置300の通信アドレスが「190.×.×.01」であることが登録されている。「0002」、「0003」のホールド番号が付されたプリントジョブについても同様であるが、ホールド番号「0002」のプリントジョブにはパスワードが設定されておらず、ホールド番号「0003」のプリントジョブには先のものとは異なるパスワードが設定されている。
【0041】
料金テーブルでは、図5(b)に示したように、コピー処理とプリント処理との区別、白黒プリントとカラープリントとの区別、用紙サイズの違いに応じてプリント料金を規定している。図5(a)に示したプリントジョブに適用した場合、ホールド番号「0001」のプリントジョブに基づいてプリント処理を行うときにはプリント料金として240円(=10円×24枚)を要求する。同様に、ホールド番号「0002」のプリントジョブに基づいてプリント処理を行うときにはプリント料金として80円(=80円×1枚)を要求し、ホールド番号「0003」のプリントジョブに基づいてプリント処理を行うときにはプリント料金として100円(=10円×10枚)を要求する。
【0042】
以下、図4に説明を戻して、残りのハードウェア構成について説明する。操作パネル106は、利用者に対して報知すべき情報を表示する表示部106aと、利用者による操作を受付ける各種操作キー(106b〜106f)とにより構成されている(図6参照)。表示部106aは、液晶ディスプレイ装置を備えており、画像形成装置100Aの動作状況、操作キー(106b〜106f)を通じて入力された設定値等を表示する。また、表示部106aには、利用者の押下操作により各種の選択操作を受付けるようにしたタッチパネル方式のソフトウェアキーが必要に応じて配置される。操作キー(106b〜106f)では、白黒コピー、カラーコピーの開始指示、各コピー処理における変倍、濃度調整の設定、及び設定の解除等を受付ける。
【0043】
画像読取部107は、読取り用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ、AD変換器等を備えており(不図示)、所定の読取り位置にセットされた原稿の画像を当該イメージセンサに結像させてアナログ電気信号に変換し、得られたアナログ電気信号をAD変換器によりデジタル信号に変換する。そして、AD変換して得られたデジタル信号に対して、原稿読取時の光源の配光特性、イメージセンサの感度ムラ等の補正を施すことによりデジタル形式の画像データを生成する。
【0044】
通信IF108は、通信ネットワークNの通信規格に準拠した通信インタフェースを備えており、情報処理装置300を接続できるようにしている。通信IF108では、接続された情報処理装置300からのプリントジョブを受信し、逆に、通知すべき情報を情報処理装置300へ送信する。通信IF108ではこのような各種データの送受信を制御している。
【0045】
HDD109bは、ディスク状の磁気記録媒体を有する記憶手段であり、HDDコントローラ109aを介してバス102に接続されている。CPU101がこのHDDコントローラ109aに指示を与えることにより、HDD109bに対するデータの書込処理及び読出処理が行われる。HDD109bはプリントジョブを一時的に保持するためのデータエリアとして利用されている。なお、保持するデータは、プリントジョブそのものであってもよく、プリントジョブから展開されるページ単位の画像データであってもよい。以下では、これらを総称してプリントデータと呼ぶ。
【0046】
画像メモリ110は、揮発性の半導体メモリであり、プリントジョブから展開されるページ単位の画像データを一時的に記憶する。画像メモリ110に記憶された画像データはCPU101からの指示により画像形成部111へ転送される。
【0047】
画像形成部111は、画像メモリ110から転送されてきた画像データに基づいて用紙上に画像形成を行う。そのため、画像形成部111は、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
【0048】
接続ポート112は、コインベンダ200を接続するためのインタフェースを備えており、接続されたコインベンダ200との間にて金額データの送受信を行う。画像形成装置100A側からコインベンダ200側へ送信する金額データはプリント処理の対価に相当するデータであり、1枚の用紙上に画像形成が完了する度に要求する金額のデータを送信する。一方、コインベンダ200から送信される金額データは、利用者がプリント処理の対価として投入した金額のうち残金に相当するデータである。画像形成装置100Aはコインベンダ200から送信されてくる金額データに基づいて残金が不足しているか否かを判断することができる。
【0049】
コインベンダ200は、制御部201、接続ポート202、及び貨幣投入部203を備えている。接続ポート202は、画像形成装置100Aに接続するためのインタフェースを備えており、画像形成装置100Aとの間にて金額データの送受信を行う。接続ポート202にて受信した金額データは制御部201へ出力される。貨幣投入部203にはプリント処理の対価として貨幣が投入される。貨幣投入部203は、投入された貨幣に応じて金額データを生成し、生成した金額データを制御部201へ出力する。
【0050】
制御部201は、接続ポート202による通信処理を制御する制御回路、接続ポート202及び貨幣投入部203から入力される金額データを一時的に保持するレジスタ、保持した金額データに基づいて演算処理を行う演算回路、演算結果を記憶するRAM等を備えている。接続ポート202から出力された金額データを制御部201が受付けた場合、演算回路はRAMに記憶した金額データから減算する処理を行い、貨幣投入部203から出力された金額データを制御部201が受付けた場合、演算回路はRAMに記憶した金額データに加算する処理を行う。コインベンダ200では、このようにして利用者がプリント処理の対価として投入した金額のうち残金に相当する金額を算出し、算出した金額データを画像形成装置100Aに送信する。
【0051】
なお、上記ではプリント処理時の残金を算出する例について説明したが、コピー処理時の残金についても同様であることは勿論である。
【0052】
画像形成装置100Aにホールドされたプリントジョブに基づいてプリント処理を行う場合には、利用者は操作パネル106を操作して、モードの選択、ホールド番号の入力、パスワードの入力等を行う。図6は操作パネル106の一例を示す模式図である。操作パネル106には、利用者に対して報知すべき情報を表示する表示部106aと、利用者による操作を受付ける各種操作キー(106b〜106f)とが配置されている。操作キー(106b〜106f)としては、コピー処理時の出力部数等を指定する数値キー106b、入力された設定値をクリアするクリアキー106c、設定を全解除する終了キー106d、白黒コピーの開始指示を与える白黒コピーキー106e、カラーコピーの開始指示を与えるカラーコピーキー106fが配置されている。
【0053】
図6に示した表示部106aに描かれている画面は、利用者による操作を待受ける待機状態での画面(以下、初期画面という)を示している。この初期画面には、コピー機能又はプリント機能の何れかを選択できるようにコピーキー11とプリントキー12とが配置されている。これらのキー11,12はタッチパネル方式のソフトウェアキーにより構成されており、利用者(お客様)による押下操作により選択を受付けるようにしている。コピーキー11が押下操作された場合、コピー処理時に必要な情報を設定する画面(不図示)が表示され、プリントキー12が押下操作された場合、出力用のプリントジョブを指定するホールド番号入力画面(図10参照)が表示される。
【0054】
なお、本実施の形態では、この画像形成装置100Aに処理依頼できる機能としてコピー機能、プリント機能を搭載する構成としたが、これらの機能の他に、画像データを外部機器へ送信するイメージ送信機能、画像データを電子メールに添付して外部通信装置へ送信する電子メール送信機能、ファクシミリデータに変換して外部ファクシミリ装置へ送信するファクシミリ送信機能等を搭載するものであってもよい。
【0055】
以下、画像形成装置100Aによる処理の手順を、フローチャートと操作パネル106の表示部106aに表示される画面例とを用いて説明する。図7はプリントジョブの受信時の手順を説明するフローチャートである。画像形成装置100AのCPU101は、定期的に通信IF108を監視することにより、通信IF108を通じてプリントジョブを受信したか否かを判断する(ステップS11)。プリントジョブを受信したと判断した場合(S11:YES)、CPU101は、受信したプリントジョブをHDD109bにホールドする(ステップS12)。このとき、CPU101は、受信したプリントジョブに対して一のホールド番号を付与し、プリントジョブの情報をジョブ管理テーブル105aに登録する。なお、プリントジョブのホールドは、前述したようにプリントジョブそのものをHDD109bに記憶させて実現する構成であってもよく、プリントジョブから展開されるページ単位の画像データを記憶させて実現する構成であってもよい。
【0056】
次いで、CPU101は、プリントジョブに含まれる情報、及び料金テーブル105bにて規定されている情報に基づいてプリント料金を算出する(ステップS13)。すなわち、プリントジョブには、印刷設定画面30にて設定された印刷範囲の情報、印刷部数の情報、白黒プリント又はカラープリントの区別に関する情報が含まれており、この情報を元に料金テーブル105bを参照することによってプリント料金を算出することができる。そして、CPU101は、プリント料金、ホールド番号をプリントジョブの送信元に通知する(ステップS14)。
【0057】
プリント料金、ホールド番号を情報処理装置300に通知した後、又はステップS11においてプリントジョブを受信していないと判断した場合(S11:NO)、CPU101は、前述した初期画面にてプリントキー12が押下操作されたか否かを判断し、プリント要求を受付けたか否かを判断する(ステップS15)。プリント要求を受付けていないと判断した場合(S15:NO)、CPU101は、処理をステップS11へ戻し、プリント要求を受付けたと判断した場合(S15:YES)、後述するプリント処理を実行する(ステップS16)。
【0058】
図8及び図9はプリント処理の手順を説明するフローチャートであり、図10〜図12はプリント処理時に表示部106aに表示される画面例を示す模式図である。図6に示した初期画面を通じてプリント要求を受付けた場合、図10(a)に示したホールド番号入力画面を表示部106aに表示し、ホールド番号の入力を要求する(ステップS21)。利用者は操作パネル106の数値キー106bを利用してホールド番号を入力することができる。図10(b)はホールド番号として「0001」が入力された状態を示しており、同じ画面内に配置されているソフトウェアキー(OKキー)が押下操作された場合に入力が確定する。CPU101は、このホールド番号入力画面を通じてホールド番号が入力されたか否かを判断する(ステップS22)。
【0059】
ホールド番号が入力されていないと判断した場合(S22:NO)、CPU101は、処理をステップS21へ戻す。また、ホールド番号が入力されたと判断した場合(S22:YES)、ジョブ管理テーブル105aに登録されているホールド番号を検索することにより、対応するプリントジョブがあるか否かを判断する(ステップS23)。対応するプリントジョブがないと判断した場合(S23:NO)、CPU101は、対応するプリントジョブがない旨を表示部106aに表示したうえで(ステップS24)、処理をステップS21へ戻す。
【0060】
対応するジョブがあると判断した場合(S23:YES)、ジョブ管理テーブル105aのパスワードの項目を参照することによってパスワードが設定されているか否かを判断する(ステップS25)。パスワードが設定されていると判断した場合(S25:YES)、図11(a)に示した暗証番号入力画面を表示部106aに表示することによってパスワード(暗証番号)の入力を要求する(ステップS26)。利用者は操作パネル106の数値キー106bを利用してパスワードを入力することができる。図11(b)はパスワードとして「123456」が入力された状態を示しており、同じ画面内に配置されているソフトウェアキー(OKキー)が押下操作された場合に入力が確定する。CPU101は、この暗証番号入力画面を通じてパスワードが入力されたか否かを判断する(ステップS27)。
【0061】
パスワードが入力されていないと判断した場合(S27:NO)、CPU101は、処理をステップS26へ戻す。また、パスワードが入力されたと判断した場合(S27:YES)、CPU101はジョブ管理テーブル105aを参照し、入力されたパスワードとジョブ管理テーブル105aに登録されているパスワードとが一致するか否かを判断する(ステップS28)。パスワードが一致しないと判断した場合(S28:NO)、CPU101は、図11(c)に示したようなパスワード確認画面を表示部106aに表示した上で(ステップS29)、処理をステップS26へ戻す。
【0062】
ステップS25においてパスワードが設定されていないと判断した場合(S25:NO)、又はステップS28においてパスワードが一致すると判断した場合(S28:YES)、前述したステップS13で算出したプリント料金を表示部106aに表示する(ステップS30)。図12(a)はプリント料金の表示画面例を示している。この表示画面例では、プリント料金として240円が必要である旨、投入金額が不足した場合にはプリント処理を中断して残りのデータを消去する旨が表示されている。
【0063】
コインベンダ200の貨幣投入部203に貨幣が投入された場合、貨幣投入部203はその投入金額に応じた金額データを制御部201へ出力する。貨幣投入部203から出力された金額データは、制御部201内のRAMに保持されるとともに、残金の金額データとして接続ポート202を通じて画像形成装置100Aに送信される。画像形成装置100AのCPU101は、コインベンダ200から送出された金額データを接続ポート112を通じて受信した場合、その金額データとプリント料金とを比較することにより残金が不足しているか否かを判断する(ステップS31)。
【0064】
残金が不足していないと判断した場合(S31:NO)、プリントジョブから展開されるページ単位の画像データのうち、1ページ分の画像データを画像メモリ110経由で画像形成部111に転送してプリント処理を実行する(ステップS32)。プリント処理の実行中は図12(b)に示したような画面を表示部106aに表示し、プリント中である旨を利用者に報知する。次いで、CPU101は、プリント処理を続行するか否かを判断する(ステップS33)。続行すると判断した場合(S33:YES)、すなわち、プリントジョブが指定している全ページのうちプリント処理が完了していないページがあると判断した場合、CPU101は処理をステップS31へ戻す。
【0065】
ステップS31において、残金が不足していると判断した場合(S31:YES)、図12(c)に示したようなメッセージ画面を表示することによってプリント料金が不足している旨を利用者に報知する(ステップS34)。このメッセージ画面を表示した後、CPU101は、図に示していないタイマを作動させることにより計時を開始する。そして、CPU101は、そのタイマの出力に基づいて所定時間(例えば、15秒)が経過したか否かを判断する(ステップS35)。所定時間が経過していないと判断した場合(S35:NO)、CPU101は、処理をステップS31へ戻す。
【0066】
ステップS33において全ページのプリント処理が完了したためにプリント処理を続行しないと判断した場合(S33:NO)、又はステップS35において所定時間が経過したと判断した場合(S35:YES)、データの消去を行う(ステップS36)。データの消去は、画像メモリ110に一時的に記憶された画像データ、HDD109bに記憶されているプリントデータ、及びジョブ管理テーブル105aに登録されているレコードを消去することによって行う。なお、画像メモリ110に記憶された画像データ、HDD109bに記憶されているプリントデータの消去は、ゼロ又はランダムデータを画像データ及びプリントデータに上書きして再現困難なように無効化することによって行う。
【0067】
なお、本実施の形態では、プリント処理が完了した場合、及び料金が不足した状態で所定時間が経過した場合、HDD109b及び画像メモリ110に記憶されたデータを消去する構成としたが、プリント処理が完了した場合に双方のデータを消去し、料金が不足した状態で所定時間が経過した場合には画像メモリ110に記憶された画像データのみを消去する構成としてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、コインベンダ200により投入された貨幣の金額データを取得し、プリント料金に対する精算処理を行う構成としたが、プリペイドカードのような磁気カード又はICカードに記録された金額データを読み取る読取装置を搭載し、この読取装置により読み取った金額データに基づいて精算処理を行う構成であってもよい。
【0069】
実施の形態2.
実施の形態1では、画像形成装置100Aにてプリントデータをホールドする構成としたが、通信ネットワークNにプリントサーバが接続されている場合には、このプリントサーバにてプリントデータをホールドし、利用者からのプリント要求がある場合にプリントデータを読出して、課金処理及びプリント処理を実行するようにしてもよい。
【0070】
図13は本発明に係る画像形成システムを示す模式的構成図である。図中500は、本発明に係る中継装置として動作するプリントサーバである。このプリントサーバ500には、利用者が利用する情報処理装置300,300,300が接続されているとともに、プリント処理を実行する画像形成装置100Bが接続されている。また、画像形成装置100Bには課金処理を行うコインベンダ200が接続されている。
【0071】
情報処理装置300には画像形成装置100Bを利用するためのプリンタドライバがインストールされており、このプリンタドライバにより生成されたプリントジョブがプリントサーバ500に送信される。プリントサーバ500では、受信したプリントジョブをプリントデータとしてホールドし、画像形成装置100Bからの要求がある場合に当該プリントデータを読出して画像形成装置100Bに送信するように構成されている。
【0072】
図14は画像形成装置100B、コインベンダ200、及びプリントサーバ500の内部構成を説明するブロック図である。画像形成装置100Bは、CPU101を備えており、このCPU101がROM103に予め格納された制御プログラムをRAM104上にロードして実行することにより、バス102を介して管理部105、操作パネル106、画像読取部107、通信IF108、画像メモリ110、画像形成部111、接続ポート112等のハードウェアを制御し、全体として本発明に係る画像形成装置100Bとして動作させる。
【0073】
バス102に接続されている各ハードウェアの構成は、実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明を省略することとする。また、本実施の形態では、画像形成装置100Bにてプリントデータをホールドする必要がないため、HDDコントローラ109a、HDD109b、管理部105内のジョブ管理テーブル105aを必ずしも搭載している必要がなくなる。
【0074】
コインベンダ200は、制御部201、接続ポート202、及び貨幣投入部203を備えており、プリント処理に対する課金処理及び精算処理を行う。各ハードウェアの構成は実施の形態1で説明したものと同様である。
【0075】
プリントサーバ500は、CPU501を備えており、このCPU501がROM503に予め格納された制御プログラムをRAM504上にロードして実行することにより、バス502を介して接続された管理部505、通信IF506、HDDコントローラ507aを制御し、全体として本発明に係る中継装置として動作させる。
【0076】
管理部505は、不揮発性の半導体メモリにより構成されており、その記憶領域の一部は、受信したプリントジョブの情報を管理するジョブ管理テーブル505a、プリント料金の設定情報を記憶する料金テーブル505bとして利用されている。これらのテーブル505a,505bは、実施の形態1で説明した画像形成装置100Aの管理部105に記憶されているものと同様である。
【0077】
通信IF506は、通信ネットワークNの通信規格に準拠した通信インタフェースを備えており、画像形成装置100B及び情報処理装置300を接続できるようにしている。通信IF506では、接続された情報処理装置300からのプリントジョブ、画像形成装置100Bからの情報を受信するとともに、これらに対して通知すべき情報を送信する。通信IF506では、このような各種データの送受信を制御している。
【0078】
HDD507bは、ディスク状の磁気記録媒体を有する記憶手段であり、HDDコントローラ507aを介してバス502に接続されている。CPU501がこのHDDコントローラ507aに指示を与えることにより、HDD507bに対するデータの書込処理及び読出処理が行われる。HDD507bはプリントジョブを一時的に保持するためのデータエリアとして利用されている。なお、保持するデータは、プリントジョブそのものであってもよく、プリントジョブから展開されるページ単位の画像データであってもよい。
【0079】
以下、本実施の形態に係る画像形成システムが実行する処理について説明する。図15はプリントサーバ500がプリントジョブを受信する際の処理手順を説明するフローチャートである。プリントサーバ500のCPU501は、通信IF506を監視することにより、情報処理装置300から送信されたプリントジョブを受信したか否かを判断する(ステップS41)。プリントジョブを受信していないと判断した場合(S41:NO)、プリントジョブを受信するまで待機する。
【0080】
プリントジョブを受信したと判断した場合(S41:YES)、CPU501は、受信したプリントジョブをHDD507bにホールドする(ステップS42)。このとき、CPU501は、受信したプリントジョブに対して一のホールド番号を付与し、プリントジョブの情報をジョブ管理テーブル505aに登録する。
【0081】
次いで、CPU501は、プリントジョブに含まれる情報、及び料金テーブル505bにて規定されている情報に基づいてプリント料金を算出し(ステップS43)、プリント料金、ホールド番号をプリントジョブの送信元に通知する(ステップS44)。この通知を行った後、CPU501は、画像形成装置100Bからのプリント要求を待受ける待機状態に移行させる(ステップS45)。
【0082】
図16及び図17はプリント処理時の画像形成装置100B及びプリントサーバ500の動作手順を説明するフローチャートである。画像形成装置100BのCPU101は、図6に示したような初期画面を通じてプリント要求を受付けたか否かを判断する(ステップS51)。プリント要求を受付けていないと判断した場合(S51:NO)、プリント要求を受付けるまで待機する。
【0083】
プリント要求を受付けたと判断した場合(S51:YES)、図10(a)に示したようなホールド番号入力画面を操作パネル106に表示し、ホールド番号の入力を要求する(ステップS52)。CPU101は、操作パネル106を通じてホールド番号が入力されたか否かを判断する(ステップS53)。ホールド番号が入力されていないと判断した場合(S53:NO)、処理をステップS52へ戻す。また、ホールド番号が入力されたと判断した場合(S53:YES)、そのホールド番号を基にプリントサーバ500に対してジョブの確認要求を送信する(ステップS54)。
【0084】
プリントサーバ500では、待機状態となった後、適宜のタイミングにて画像形成装置100Bから送信されたジョブの確認要求を受信したか否かを判断している(ステップS55)。CPU501がジョブの確認要求を受信していないと判断した場合(S55:NO)、ジョブの確認要求を受信するまで待機する。
【0085】
また、CPU501が、ジョブの確認要求を受信したと判断した場合(S55:YES)、ジョブ管理テーブル505aに登録されているホールド番号を検索することにより、対応するプリントジョブがあるか否かを判断する(ステップS56)。対応するプリントジョブがあると判断した場合(S56:YES)、プリントデータを画像形成装置100Bに対して送信し(ステップS57)、対応するプリントジョブがないと判断した場合(S56:NO)、CPU501は、対応するプリントジョブがない旨の情報を画像形成装置100Bに対して送信する(ステップS58)。
【0086】
画像形成装置100Bでは、ステップS54においてジョブの確認要求を送信した後、ホールド番号に対応付けられているプリントジョブをプリントサーバ500から受信したか否かを判断する(ステップS59)。プリントデータを受信していないと判断した場合(S59:NO)、処理をステップS52へ戻す。
【0087】
また、プリントデータを受信したと判断した場合(S59:YES)、そのプリントデータの設定情報を参照して、パスワードが設定されているか否かを判断する(ステップS60)。パスワードが設定されていると判断した場合(S60:YES)、図11(a)に示した暗証番号入力画面を操作パネル106に表示することによってパスワードの入力を要求する(ステップS61)。利用者は操作パネル106を利用してパスワードを入力することができる。CPU101は、暗証番号入力画面を通じてパスワードが入力されたか否かを判断する(ステップS62)。
【0088】
パスワードが入力されていないと判断した場合(S62:NO)、CPU101は、処理をステップS61へ戻す。パスワードが入力されたと判断した場合(S62:YES)、CPU101は入力されているパスワードと、プリントデータに設定されているパスワードとが一致するか否かを判断する(ステップS63)。パスワードが一致しないと判断した場合(S63:NO)、CPU101は、図11(c)に示したようなパスワード確認画面を操作パネル106に表示した上で(ステップS64)、処理をステップS61へ戻す。ステップS60にてパスワードが設定されていないと判断した場合(S60:NO)、又はステップS63にてパスワードが一致すると判断した場合(S63:YES)、プリントサーバ500から通知されたプリント料金を操作パネル106に表示する(ステップS65)。
【0089】
次いで、CPU101は、コインベンダ200から送信されてくる金額データとプリント料金とを比較することにより残金が不足しているか否かを判断する(ステップS66)。残金が不足していないと判断した場合(S66:NO)、プリントジョブから展開されるページ単位の画像データのうち、1ページ分の画像データを画像メモリ110経由で画像形成部111に転送してプリント処理を実行する(ステップS67)。
【0090】
次いで、CPU101は、プリント処理を続行するか否かを判断する(ステップS68)。続行すると判断した場合(S68:YES)、すなわち、プリントジョブが指定している全ページのうちプリント処理が完了していないページがあると判断した場合、CPU101は処理をステップS66へ戻す。一方、全ページのプリント処理が完了したためにプリント処理を続行しないと判断した場合(S68:NO)、プリント処理が完了した旨をプリントサーバ500へ通知するとともに(ステップS69)、画像メモリ110に一時的に保持したデータの消去を行う(ステップS70)。
【0091】
また、ステップS66において、残金が不足していると判断した場合(S66:YES)、図12(c)に示したようなメッセージ画面を表示することによってプリント料金が不足している旨を利用者に報知する(ステップS73)。このメッセージ画面を表示した後、CPU101は、図に示していないタイマを作動させることにより計時を開始する。そして、CPU101は、そのタイマの出力に基づいて所定時間(例えば、15秒)が経過したか否かを判断する(ステップS74)。所定時間が経過していないと判断した場合(S74:NO)、CPU101は、処理をステップS66へ戻す。また、所定時間が経過したと判断した場合(S74:YES)、画像メモリ110に一時的に保持されたデータの消去を行う(S70)。
【0092】
プリントサーバ500は、ステップS57でプリントデータを送信した後、プリント処理が完了した否かを判断しており(ステップS71)、プリント処理が完了していないと判断した場合(S71:NO)、プリント処理が完了するまで待機する。また、画像形成装置100Bからプリント処理が完了した旨の通知を受け、プリント処理が完了したと判断した場合(S71:YES)、該当するプリントジョブの削除を行う(ステップS72)。プリントジョブの削除は、HDD507bに記憶されているプリントデータの消去、及びジョブ管理テーブル505aに記憶されているレコードを削除することによって行う。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る画像形成装置を用いて構築される画像形成システムを示す模式的構成図である。
【図2】プリンタドライバが生成する印刷設定画面の一例を示す模式図である。
【図3】情報処理装置に表示される通知画面の一例を示す模式図である。
【図4】画像形成装置及びコインベンダの内部構成を説明するブロック図である。
【図5】ジョブ管理テーブル及び料金テーブルの一例を示す概念図である。
【図6】操作パネルの一例を示す模式図である。
【図7】プリントジョブの受信時の手順を説明するフローチャートである。
【図8】プリント処理の手順を説明するフローチャートである。
【図9】プリント処理の手順を説明するフローチャートである。
【図10】プリント処理時に表示部に表示される画面例を示す模式図である。
【図11】プリント処理時に表示部に表示される画面例を示す模式図である。
【図12】プリント処理時に表示部に表示される画面例を示す模式図である。
【図13】本発明に係る画像形成システムを示す模式的構成図である。
【図14】画像形成装置、コインベンダ、及びプリントサーバの内部構成を説明するブロック図である。
【図15】プリントサーバがプリントジョブを受信する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【図16】プリント処理時の画像形成装置及びプリントサーバの動作手順を説明するフローチャートである。
【図17】プリント処理時の画像形成装置及びプリントサーバの動作手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
100A,100B 画像形成装置
101 CPU
102 バス
103 ROM
104 RAM
105 管理部
105a ジョブ管理テーブル
105b 料金テーブル
106 操作パネル
107 画像読取部
108 通信IF
109a HDDコントローラ
109b HDD
110 画像メモリ
111 画像形成部
112 接続ポート
200 コインベンダ
201 制御部
202 接続ポート
203 貨幣投入部
300 情報処理装置
500 プリントサーバ
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成を指示するジョブを外部から受信し、受信したジョブに基づいて画像形成を行う画像形成装置において、
前記画像形成を行う際に要求する料金を前記ジョブに基づいて算出する算出手段と、算出した料金を報知する報知手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記算出手段が算出した料金に基づいて前記画像形成に対する精算処理を行う手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記精算処理が完了したか否かを判断する手段と、前記精算処理が完了していないと判断した場合、その旨を報知する手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記精算処理が完了したか否かを判断する手段と、前記精算処理が完了していないと判断した場合、計時を開始する手段と、前記精算処理が完了しない状態で所定時間が経過した場合、前記ジョブを無効化する手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブに基づく画像形成が完了したか否かを判断する手段と、前記画像形成が完了したと判断した場合、前記ジョブを無効化する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されたジョブを読出す際に利用者の認証を行う手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成を指示するジョブを送信する送信装置と、該送信装置から送信されたジョブを受信し、受信したジョブを実行することにより画像形成を行う画像形成装置とを中継装置を介して接続してある画像形成システムにおいて、
前記中継装置は、前記送信装置から送信されたジョブを受信する手段と、前記ジョブに基づいて前記画像形成装置が画像形成を行う際に要求する料金を、前記ジョブに基づいて算出する手段と、算出した料金の情報を外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
画像形成装置に対する接続手段と、画像形成を指示するジョブを外部から受信する手段とを備え、受信したジョブを前記接続手段に接続された画像形成装置へ送信することにより前記ジョブに基づく画像形成を実行させる中継装置において、
前記ジョブに基づいて前記画像形成装置が画像形成を行う際に要求する料金を、前記ジョブに基づいて算出する手段と、算出した料金の情報を外部へ送信する手段とを備えることを特徴とする中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−85633(P2006−85633A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272369(P2004−272369)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】