説明

画像形成装置、画像形成方法、及びコンピュータプログラム

【課題】同じ画像を複数部印刷する際の効率化を図り、消費電力も削減する。
【解決手段】画像データを受信し、受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知し、画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送するスキップ制御部を含むCDIC4と、受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する作像ユニット9と、スキップ制御部から画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、作像ユニット9に対して前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させるプロセスコントローラ22と、を備え、プロセスコントローラ22は画像データを複数部印刷する際に、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用して印刷させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル画像信号を記録媒体上に可視画像として再生し、出力するプリンタ、ディジタル複写機、ファクシミリ、ディジタル複合機などの画像形成装置、画像形成方法、及びこの画像形成方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から垂れ幕や横断幕等を作成するために、大きなサイズの紙や布に対して高速でかつ高品質に印刷できる印刷装置が望まれている。この種の印刷装置としては、インクジェット方式の記録ヘッドを走査しながら、ロール紙を搬送することにより印刷を行うものが一般的である。このような構成を有する印刷装置によれば、ロール紙が続く限り、継ぎ目なく長尺サイズの印刷が可能である。
【0003】
しかし、印刷サイズがかなり大きくなると、印刷データはそれに応じて大きなサイズになるため、印刷データを処理する時間が長くなってしまう。また、印刷用紙を印刷するイメージデータのパターンに関係なく常に一定の速度で送り出すため、イメージデータのパターンのない空白な部分に対しても用紙送り速度は常に一定であり、無駄な時間を消費し、印字効率が悪いという問題点があった。
【0004】
そこで、このような問題点に対処する技術として特許文献1及び2に記載された発明が公知である。このうち、特許文献1記載の発明は、印刷完了までの時間を短縮できるイメージデータ印刷の用紙送り制御方式を提供することを目的とし、印刷用紙上にイメージデータを印刷するプリンタにおいて、印刷用紙上でのイメージデータの位置を制御命令(空白部分長、イメージ領域長、用紙サイズ等を含む)により受け、この制御命令からスキップ距離及び排出距離を演算して求め、印刷開始の際、スキップ距離だけ印刷用紙を高速で送り出し、調整距離で用紙送り速度を印刷用速度に調整して制御命令によるイメージデータの頭出し位置の空白部分長まで印刷用紙を送り出したのち、イメージ領域長を有するイメージデータの印刷を終了するようにしている。印刷用紙の残り部分の排出距離に対しては、再度、印刷用紙が高速で送り出されている。
【0005】
また、特許文献2記載の発明は、空白ドットラインが続くようなデータの場合であっても、不必要なシャトルの駆動を行わず、紙送りのみを行うことで、スループットの向上を図ることを目的とし、印刷ドットデータを1ドットライン分転送する毎にCPUがデータ内容のチェックを行い、それが空白ドットラインのデータであった場合は、CPUは紙送り量カウンタの値を1つ加え、一方、空白以外のドットラインのデータであった場合は、CPUが印刷制御回路を介して、紙送り量カウンタ値のドットライン数を一度にまとめて紙送りし、その後、CPUが印刷制御回路を介して、1ストローク分の印刷を従来通りに行うようにするものである。
【特許文献1】特開平8−142422号公報
【特許文献2】特開2000−127510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1記載の発明は、イメージデータの位置を制御命令で通知することによりイメージがない領域については高速紙送りしようとするものであるが、印刷用紙上でのイメージデータの位置を制御命令(空白部分長、イメージ領域長、用紙サイズ等を含む)として受け、この制御命令からスキップ距離及び排出距離を演算するようになっている。また、引用文献2記載の発明は、印刷ドットデータを1ドットライン分転送する毎にCPUが空白ラインをチェックして印刷制御回路(エンジン側)に紙送りを指示している。
【0007】
しかし、同じ画像を複数部印刷する際に、いずれの発明においても画像データを受信したときに空白ドットラインかどうかのチェックを毎部実施しなければならない。そのため、同一の画像であり、同じ個所に空白ドットがあったとしても、同一の処理を繰り返す必要あり、印刷効率の向上に改善の余地があった。また、空白ドットがあっても同一の処理を繰り返すことから、その分、無駄な電力を消費する結果となっていた。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、同じ画像を複数部印刷する際に、より効率化を図ることができるとともに、消費電力も削減することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、第1の手段は、画像データを受信する受信手段と、受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知する検知手段と、前記検知手段により画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送する転送手段と、受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する印刷手段と、前記転送手段から画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、前記印刷手段に対して前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記画像データを複数部印刷する際に、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用することを特徴とする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、電子ソートされた画像データを複数部印刷する際に、前記制御手段は複数のパターンにおける画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に連続して使用することを特徴とする。
【0011】
第3の手段は、第1の手段において、コピー時の画像データ受信時に紙詰まりが発生した場合、再度画像データを受信する際に、前記制御手段は前記紙詰まりまでに認識できた画像印字の必要性がないライン数情報を使用し、前記検知手段の紙詰まりまでの検知処理を省略することを特徴とする。
【0012】
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、1部目の画像データ受信時で得た画像印字の必要性がないライン数情報を書き込む不揮発性のメモリを備えていることを特徴とする。
【0013】
第5の手段は、第4の手段において、HDDに内蔵された画像を印刷する際に、前記制御手段は画像データのヘッダ情報から、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を前記不揮発性メモリから読み出して使用し、前記検知手段の1部目のライン毎の検知処理を省略することを特徴とする。
【0014】
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、一度コピーしたことのある原稿をコピーする際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を不揮発性メモリから読み出し使用するための入力手段を備えていることを特徴とする。
【0015】
第7の手段は、第6の手段において、前記入力手段が操作部の操作パネルに設定されていることを特徴とする。
【0016】
第8の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、一度印刷したことのある画像を変倍印刷する際に、前記制御手段は該当する画像印字の必要性がないライン数情報も同様に変倍させることを特徴とする。
【0017】
第9の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、一度印刷したことのある画像を編集し印刷する際に、前記制御手段は該当する画像印字の必要性がないライン数情報を再利用させないことを特徴とする。
【0018】
第10の手段は、第1ないし第9のいずれかの手段において、前記画像データはコントローラ側から送信され、エンジン側の前記受信手段によって受信されることを特徴とする。
【0019】
第11の手段は、画像データを受信する工程と、受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知する工程と、前記検知する工程で画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送する工程と、受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する工程と、前記画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させる工程と、を備え、前記画像データを複数部印刷する際には、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用することを特徴とする。
【0020】
第12の手段は、印字媒体に対して画像を形成する画像形成制御をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムであって、画像データを受信する手順と、受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知する手順と、前記検知する手順で画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送する手順と、受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する手順と、前記画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させる手順と、を備え、前記紙送りのみを実施させる手順では、画像データを複数部印刷する際、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用することを特徴とする。
【0021】
なお、後述の実施形態では、受信手段はCDIC4に、検知手段はスキップ制御部400に、転送手段はプロセスコントローラ22に、印刷手段は作像ユニット9あるいはインクジェットヘッド31に、紙送り駆動装置は紙送りモータに、制御手段はプロセスコントローラ22に、入力手段は操作パネル17に、コントローラはコントローラ部CTRに、エンジンはエンジン部EGNに、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像データを複数部印刷する際に、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用するので、同じ画像を複数部印刷する際に、より効率化を図ることができるとともに、消費電力も削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1はディジタル画像信号を記録媒体上に可視画像として再生し、出力する画像形成装置の一例を示す図である。この画像形成装置は、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を備えたディジタル複合機である。このようなディジタル複合機は、一般にMFP(Multi Function Peripheral)と称されている。この画像出力装置は、広幅用インクジェット方式のMFPであり、原稿送り装置DF、操作パネルOPB、スキャナSCR、及びプリンタPTRから構成されている。広幅MFPでは、定型サイズとしては、A0用紙までのコピー、スキャナアプリ、プリンタアプリが実行可能である。また、特殊サイズとして長尺に対応しており、A0幅の841[mm]で長さは15[m]までのコピー、スキャナアプリ、プリンタアプリが実行可能である。
【0025】
図2は、図1のMFPの作像ユニットであるインクジェットのプリントヘッド部の概略構成を示す要部斜視図である。同図において、ロール紙33として供給される記録紙にインクジェットヘッド31から吐出されるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクにより画像を形成する。インクジェットヘッド31は、ヘッド搬送ベルト32により左右に搬送され(主走査方向に移動)、記録紙に画像が形成されたのち記録紙送りローラ34と押さえローラ35により紙送りされる(副走査方向に搬送)。このような主走査方向の移動と副走査方向の搬送を繰り返すことにより画像が形成される。
【0026】
図3は、前述のCMYKインクジェットヘッド31のノズル配置を示したものである。ここでは、CMYKの各ノズル311,312,313,314は2列に配置され、ノズル間距離は、0.042[mm]となっている。これは、画像の解像度600[dpi]時、すなわち1インチあたり600ドットを形成するときのドット間距離になる。ここでは、CMYKの各色は、BLINEのライン数で示されるノズルを配置している。従って、前述の図2において、インクジェットヘッド31が左から右、あるいは右から左に搬送される毎にBLINEで示されるライン数分の画像を転写できることになる。画像が、フルカラーの場合、CMYKの各ノズル311,312,313,314からインクが吐出される。また、転写画像がモノクロの場合は、K色のノズル314からK色のインクのみが吐出されることになる。
【0027】
図4はMFPのシステム構成を示すブロック図である。図4において、MFPは、コントローラ部CTRとエンジン部EGNとから基本的に構成されている。エンジン部EGNは、読み取りユニット1、センサボードユニット(SBU−以下、SBUと称す。)2、画像処理プロセッサ(IPP−以下、IPPと称す。)3、画像データ制御部(圧縮/伸張及びデータインターフェース制御部:CDIC−以下、CDICと称す。)4、メモリ(MEM−以下、MEMと称する)7、ビデオデータ制御部(VDC−以下、VDCと称す。)8、作像ユニット9、プロセスコントローラ22、RAM23及びROM24を備えている。プロセスコントローラ22、RAM23及びROM24はシリアルバス21を介して前述の各部と接続されている。
【0028】
コントローラ部CTRは、画像メモリアクセス制御部(IMAC−以下、IMACと称す。)12、システムコントローラ(CPU)13、ハードディスク(以下、HDDと称す。)14、メモリモジュール(以下、MEMと称す。)15、操作パネル17、及びROM18を備え、さらにネットワークI/Fを介してネットワーク16と接続されている。
【0029】
コントローラ部CTRとエンジン部EGNは、パラレルバス11を介してIMAC12とCDIC4が接続されることにより、両者間でデータ及びコマンドの送受が可能となっている。なお、プロセスコントローラ22はCDIC4とシリアルバス21を介してシステムコントローラ13と協働してMFPの制御を実行する。
【0030】
図5は、図4のシステム構成における画像データの流れを示す図である。各機能モジュールの動作について画像データの流れとともに説明する。
【0031】
原稿を光学的に読み取る読み取りユニット1は、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子としてのCCDに集光する。CCDは、SBU2に搭載され、CCDにおいて電気信号に変換された画像信号はディジタル信号に変換された後、SBU2から出力される。SBU2から出力される画像信号はIPP3に転送され、光学系及びディジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正し、CDIC4に入力される。機能デバイス及びデータバス間における画像データの伝送はCDIC4が全て制御する。CDIC4は画像データに関し、SBU2、パラレルバス11、IPP3間のデータ転送、全体制御を司るシステムコントローラ13と画像データに対するプロセスを制御するコントローラ、言い換えれば画像出力を制御するプロセスコントローラ22間の通信を行う。システムコントローラ13とプロセスコントローラ22はそれぞれCPUを備え、それぞれの制御を実行する。
【0032】
IPP3からCDIC4へ転送されたデータは、CDIC4からパラレルバス11を経由してIMAC12に送られる。IMAC12ではシステムコントローラ13の制御に基づき画像データとMEM15のアクセス制御、ネットワーク16に接続された外部PC(パソコン)のプリント用データの展開、及びメモリ有効活用のための画像データの圧縮/伸張が行われる。IMAC12へ送られたデータは、データ圧縮後MEM15へ蓄積され、蓄積データを必要に応じて読み出す。この画像データを流れ(パス)を矢印Aで示す。
【0033】
読み出しデータは伸張し、本来の画像データに戻し、IMAC12からパラレルバス11経由でCDIC4へ戻される。CDIC4からIPP3への転送後は、IPP3による画質処理及びレンダリング処理、VDC8でのプリントヘッド制御を行い、作像ユニット9において記録紙上に再生画像を形成する。その間、IPP3ではMEM7を使用して前記画質処理及びレンダリング処理を実行する。この画像データの流れ(パス)を矢印Bで示す。
【0034】
パスA及びBで示す画像データの流れでは、パラレルバス11及びCDIC4でのバス制御により、MFPの機能を実現する。すなわち、複数ジョブ、例えばコピー機能、スキャナ機能、プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読み取りユニット1、作像ユニット9及びパラレルバス11の使用権のジョブへの割り振りをシステムコントローラ13及びプロセスコントローラ22で制御する。プロセスコントローラ22は画像データの流れを制御し、システムコントローラ12はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。
【0035】
MFPの機能選択は操作パネル17から選択入力し、コピー機能、スキャナ機能等の処理内容を設定する。システムコントローラ13とプロセスコントローラ22はパラレルバス11、CDIC4及びシリアルバス21を介して相互に通信を行う。CDIC4内においてパラレルバス11とシリアルバス12とのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。また、スキャナアプリでは、読み取りユニット1及びSBU2で読み取られた原稿画像データをIPP3で画質処理し、CDIC4からパラレルバス11、IMAC12を介してMEM15あるいはHDD14に格納し、そこから必要に応じてネットワーク16を介してパソコン(PC)に原稿画像データを送る。
【0036】
図6はIPPの構成の概略を示すブロック図である。IPP3は、スキャナ画像処理部301、コマンド制御部302、画質処理部303、及びレンダリング処理部304を備えている。スキャナ画像処理部301へは、入力I/F311からデータが入力され、出力インターフェース312から出力される。また、画質処理部303へは入力I/F313からデータが入力され、レンダリング処理部304に出力される。レンダリング処理部304は出力I/F314とMEMI/F315に接続され、出力I/F314から外部にレンダリング処理されたデータを出力し、MEMI/F315を介してMEM7にデータを格納し、また、格納されたデータを読み出す。
【0037】
読み取り画像はSBU2を介してIPP3の入力I/F311からスキャナ画像処理部301へ伝達される。読み取り画像信号の劣化補正が目的で、シェーディング補正、スキャナγ補正、MTF補正等を行う。読み取り画像データの補正処理終了後、出力I/F312を介してCDIC4へ画像データを転送する。
【0038】
記録紙への出力は、CDIC4からの画像データを入力I/F313より受け、画質処理部302において面積階調処理を行う。画質処理後のデータは、その後、レンダリング処理部304でプリントヘッドの並びに応じたレンダリング処理を外付けのMEM7を介しながら実施し、出力I/F314を介してVDC8へ出力される。面積階調処理は濃度変換、ディザ処理、誤差拡散処理等があり、階調情報の面積近似を主な処理とする。一旦スキャナ画像処理された画像データをMEM7に蓄積しておけば、画質処理を変えることによって種々の再生画像を確認することができる。例えば再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりすることにより、再生画像の雰囲気を変更できる。このとき、処理を変更する度に画像を読み取りユニットから読み込み直す必要はなく、MEM7から格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。また、単体スキャナの場合、スキャナ画像処理と階調処理を合わせて実施し、CDIC4へ出力する。処理の切り替え、処理手順の変更等はコマンド制御部302で管理する。
【0039】
図7はCDICの構成を示すブロック図である。CDIC4は画像データ入力部401、データ圧縮部402、データ変換部403、スキップ制御部400、データ伸張部404、画像データ出力制御部405、及びコマンド制御部406を備え、データ変換部403はシリアルデータインターフェース411及びパラレルデータインターフェース412を介して外部と接続されている。
【0040】
画像データ入力制御部401では、IPP3でスキャナ画像補正されたデータが入力される。入力データはパラレルバスでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部402においてデータ圧縮され、パラレルデータI/F412を介してパラレルバス11へ送出される。パラレルデータバス11からパラレルデータI/F412を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部404で伸張される。伸張された画像データはスキップ制御部400を経て画像データ出力制御部405からIPP3へ転送される。さらにCDIC4はパラレルデータとシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ12はパラレルバスにデータ11を転送し、プロセスコントローラ22はシリアルバス21にデータを転送する。2つのコントローラの通信のためにデータ変換を行う。
【0041】
図8はVDCの構成を示すブロック図である。VDC8は、エッジ平滑処理部801、インク出力制御部802、及びデータ変換部803を備え、データ変換部803はシリアルデータインターフェース811及びパラレルデータインターフェース812を介して外部と接続されている。VDC8では、入力される画像データに対し作像ユニットの特性に応じて、追加の処理が行われる。すなわち、入力された画像データはエッジ平滑処理部801でドットの再配置処理が行われ、さらに、インク出力制御部802においてドット形成のための画像信号のインク出力制御が行われ、画像データは作像ユニット9を対象として出力される。また、データ変換部803は、画像データの変換とは別に、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換機能を併せ持ち、VDC8単体でもシステムコントローラ13とプロセスコントローラ22の通信に対応することができる。なお、パラレルデータはパラレルデータI/F812を介して、また、シリアルデータはシリアルデータI/F811を介してデータ変換部803に入出力される。
【0042】
図9はIMACの構成を示すブロック図である。同図において、IMAC12は、メモリアクセス制御部1201、データ伸張部1202、データ変換部1203、データ圧縮部1204、ビデオ制御部1205、及びラインバッファ1206を備え、データ変換部1203はパラレルデータI/F1212を介して、また、ビデオ制御部1205はシステムコントローラI/F1211を介して外部と相互に通信が可能であり、また、ラインバッファ1206を介して外部からデータを受信する。
【0043】
パラレルデータI/F1212は、パラレルバス11との画像データのインターフェースを管理する。構成的にはMEM15への画像データの格納/読み出しと、主に外部のPCから入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。入力されたコードデータはラインバッファ1206において、ローカル領域でのデータの格納を行う。ラインバッファ1206に格納されたコードデータは、システムコントローラI/F1211を介して入力されたシステムコントローラ13からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御部1205において画像データに展開される。展開された画像データもしくは パラレルデータI/F1212を介してパラレルバス11から入力された画像データは、MEM15に格納される。この場合、データ変換部1203に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部204においてメモリ使用効率を上げるためにデータの2次圧縮を行い、メモリアクセス制御部1201でMEM15のアドレスを管理しながらMEM15に画像データを格納する。MEM15に格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部1201にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部1202にて伸張する。伸張された画像データをパラレルバス11へ転送する場合、パラレルデータI/F1212を介してデータ転送が行われる。
【0044】
図10は図6に示したCDIC4のスキップ制御部400の機能を説明するための図である。図10は、印字画像に対してインクジェットのプリントヘッド部が一度に印字するバンド(ライン数−図3におけるBLINEに対応)を割り付けるバンド割り付けを行った例である。この例では、1つの印字画像(1枚の記録紙上に印字する画像)を10のバンドに割り付けしている。従って、スキップ制御を行わない場合には、インクジェットヘッドは主走査方向に10回移動して全画像を印字することになる。これに対し、スキップ制御部400は、それぞれコントローラ部CTR側のIMAC12から画像データを高速に受信し、バンド毎に印字画像があるかないかを検知し、印字画像がない場合は、プロセスコントローラ22にその旨を通知する。図10の例では、バンド1,8,9は印字画像がないので、その旨、通知することになる。プロセスコントローラ22は、印字画像がないバンドであるバンド1,8,9については印字のためのインクジェットヘッド31の走査は行わず、紙送りだけを実施するようにする。これにより、印字画像がないバンドはスキップすることができ、その分、印字動作の高速化を図ることができる。なお、この場合、コントローラ部CTRはエンジン部ENGの作像ユニットの相違、例えば作像ユニットがレーザプリンタである場合でも、インクジェットプリンタであっても共通であり、各作像ユニット特有の制御はそれぞれのプロセスコントローラが司る。
【0045】
さらに詳しくは、一旦記録紙全領域の画像データをコントローラメモリMEM15に全て受信する。インクジェットのプリントヘッド部31が一度に印字するライン数(バンド)毎の画像データを、スキップ制御部400はIMAC12を介してメモリMEM15から印字する画像データを先読みし、1バンドのデータが全て空白データの場合、印字の必要性がないラインとして認識し、その旨をプロセスコントローラ(CPU)22に割り込みで通知する。プロセスコントローラ22は用紙送りモータを空白バンド分、高速歩進させ、スキップ動作が行われる。
【0046】
図11はこのスキップ動作の処理手順を示すフローチャートである。同図において、プリント動作が開始されると、プロセスコントローラ(CPU)22からプリントするバンド番号がセットされ(ステップS101)、セットされたバンドが、印字画像があるバンドか否かのチェックが行われる(ステップS102)。このチェックで印字画像がないバンドについては(ステップS102−No)、スキップ制御部400がプロセスコントローラ22に印字画像がない旨の通知、ここでは、割り込みにより通知する(ステップS103)。そして、用紙送りモータを空白バンド分高速歩進させる(ステップS104)。これがスキップ動作となる。一方、ステップS102で印字画像があるバンドであれば、CDIC4の画像データ出力制御部405が1バンド分の画像データを出力し(ステップS105)、印字が実行される。前記スキップ動作あるいは印字動作が記録紙の最終バンドまで実行された時点で(ステップS106)、当該記録紙に対する処理が終了する。
【0047】
従来は、前記ライン毎の転写画像の有無検知処理を印刷部数毎に行っていた。そのため、同じ画像データを印字する場合に、同じ動作を繰り返すという無駄が生じていた。そこで、本実施形態では、画像データを複数部印刷する際、1部目を印刷するときには、図11のフローチャートに示したように、CDIC4の画像データ出力制御部405が、IMAC12のMEM15からディジタル画像データを受信しながら、ライン毎に転写画像の有無検知作業を行い、図10において「スキップ不可」として示した画像印字の必要性がないバンド1,8,9のライン情報を図示しない不揮発性メモリに書き込むようにした。なお、IPP3のMEM7としえ不揮発性メモリに使用した場合には、このMEM7に書き込むようにしてもよい。
【0048】
また、コピー時の画像データ受信している際に、紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりが解消され、再度画像データを受信する際に、紙詰まりまでに認識できた画像印字の必要性がないライン数情報を使用する。このライン数情報はMEM7に書き込まれているので、MEM7から読み出して使用する。これによりライン毎の転写画像有無検知作業を一部省略することが可能となり、その分の高速印刷を行うことができる。
【0049】
図12は2部目以降の処理手順を示すフローチャートである。同図において、まず、プロセスコントローラ22が不揮発性メモリに書き込まれた画像印字の必要性がないライン数情報を読み出す(ステップS111)。プロセスコントローラ22は画像印字の必要性がないラインについては印字させず、用紙送りモータを空白バンド分、高速歩進させつつ、空白でない印字データをダイレクトアクセスで読み出し(ステップS112)、印字する(ステップS113)。
【0050】
このように制御すると、IMAC12のMEM15に蓄えられた全受信データを先読みする作業が省略できるので印刷部数が多ければ多いほど高速印刷が可能となり、消費電力の削減を図ることができる。また、1部目のデータ受信時に取得した画像印字の必要性がないライン数情報を不揮発性メモリに書き込むので、万が一、装置の電源がOFFされても前記ライン情報は失われずに保持される。なお、前記不揮発性メモリはフラッシュメモリ、FRAM、HDD等、いずれの種類のメモリも使用することが可能であり、種類は問わない。
【0051】
このように2部目以降の処理を不揮発性メモリに書き込まれた画像印字の必要性がないライン数情報を使用すると、例えば電子ソートされた画像の2部目以降の印刷時に連続して使用すれば、電子ソートを高速で効率よく実行することができる。
【0052】
外部から転送され、あるいは読み取りユニット1によって読み取られた画像データは、通常、一旦IMAC12によってMEM15に記憶され、必要に応じ、圧縮されてHDD14に格納される。そこで、HDD14に内蔵された画像を印刷する際に、画像データのヘッダ情報から、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を前記不揮発性メモリから読み出して使用すれば、1部目のライン毎の転写画像有無検知作業を省略することができる。
【0053】
図13はHDD14内の画像データのヘッダ情報と、不揮発性メモリに蓄えられている画像印字の必要性がないライン情報の関係を示す図である。同図に示すようにHDD14に画像データを内蔵する際に、画像特有のヘッダ情報141,142,143をデータD1,D2,D3の先頭に添付する。内蔵する際に得た画像印字の必要性がないライン情報L1,L2,L3も同様のヘッダ情報141a,142a,143aと共に不揮発性メモリM1に蓄える。このようなHDD14内の画像データを印刷する際、データD1,D2,D3の先頭に書かれているヘッダ情報141,142,143から関係する画像印字(形成)の必要性がないライン情報L1,L2,L3を不揮発性メモリM1から読み出し、画像印字(形成)の必要性がないライン情報L1,L2,L3を再利用する。これにより、1部目からのライン毎の転写画像有無検知作業を省略することが可能となる。
【0054】
また、一度コピーしたことのある原稿を再度コピーする際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を不揮発性メモリM1から読み出して使用することもできる。この場合、ライン数情報を使用するために、例えば、ユーザに操作部で該当ライン情報を選択させるようにする。図14は操作部の操作パネル17に表示されているライン数情報選択の選択画面を示す図である。図示しない操作パネル17の初期画面からライン数情報選択を選択すると、図14に示すようなライン数情報選択の選択画面が表示される。そこで、この選択画面からユーザが関係する画像印字の必要性がないライン情報L1,L2,L3を示すヘッダ情報141a,142a,143aにタッチし、選択することによって1部目からのライン毎の転写画像有無検知作業を省略することが可能となる。
【0055】
ユーザによるライン数情報を選択する手段は、図14に示すような操作パネル17だけでなく、スイッチ、その他のハードキーを使用することも可能であり、その種類は問わない。
【0056】
また、一度印刷したことのある画像を変倍印刷する際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報も同様に変倍すれば、そのまま前述のように画像印字の必要性がないライン情報として使用することができる。図15は、画像印字の必要性がないライン数情報を変倍して画像印字の必要性がないライン情報として使用する例を示す説明図である。図15(a)において、HDD14に内蔵された画像を変倍して印刷する際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報も印刷画像と同様に変倍する。図15(b)では、空白クライン情報を画像データの変倍率にあわせて200%変倍させる状態を示している。
【0057】
このように画像データを変倍する際に、空白ライン情報も画像データと同じ変倍率で変倍することにより、1部目からのライン毎の転写画像有無検知作業を省略することが可能となる。編集内容は、変倍以外にも回転、集約等でも同様であり、これらの場合においても画像印字の必要性がないライン数情報を画像情報に合わせて同じ修正を施すことによって対応することができる。
【0058】
なお、このように空白ライン情報を変倍する機能を備えていない場合、HDD14に内蔵された画像を編集して印刷させる際、該当する画像印字の必要性がないライン数情報は修正できないため、そのまま使用すると必ずアンマッチしてしまう。すなわち整合性に欠けてしまう。この状態を図16に示す。図16はアンマッチの状態を示す説明図である。すなわち、空白ライン情報を変倍する機能を備えている場合には、図16(a)に示すように画像データと空白ライン情報の両者が変倍され、画像データと空白ライン情報はマッチングするが、空白ライン情報を変倍できない場合には、図16(b)に示すように両者がマッチングすることはない。そこで、本実施形態では、HDD14に内蔵された画像を編集して印刷する際は、画像印字の必要性がないライン数情報の再利用を禁止するようにした。再利用の禁止は、ユーザが操作パネル17から編集して印刷させる場合には、操作パネル17のライン情報については触れても反応しないように制御することによって対応することができる。
【0059】
なお、図11では、バンドのスキップ制御の制御手順について示しているが、バンド内の画像の有無を検知するためには、ライン毎に画像の有無を判断する必要がある。図17はライン毎に画像の有無を検知し、バンド毎にスキップ制御を行うスキップ制御部の回路構成を示すブロック図、図18はこの回路による制御手順を示すフローチャートである。
【0060】
図17において、閾値レジスタ(THRESH)60は印字画像あり、あるいはなしを判定するための閾値を格納するレジスタで、スキップラインカウンタ(SLCNT)65は、バンドの先頭からの印字画像なしライン数をカウントするカウンタ、バンドライン数レジスタ(BLINE)51は、バンドを構成するライン数を格納するレジスタである。
【0061】
この回路の制御手順について入出力信号とともに図18を参照して説明する。
図18において、プリント動作が開始されると、閾値レジスタ(THRESH)60のロード信号(LD_THRESH)をアサートすることによってプロセスコントローラ(CPU)22から閾値をセットする。また、バンドライン数レジスタ(BLINE)51のロード信号(LD_BLINE)をアサートすることにより、バンドのライン数をバンドライン数レジスタ(BLINE)51にセットする。そして、スキップラインカウンタ(SLCNT)65のリセット信号であるRES_SLCNTをアサートすることによってスキップラインカウンタ(SLCNT)65をリセットする(ステップS201)。
【0062】
次いで、ラインデータを1画素ずつDINとして、コンパレータ(CMP)61に入力する。閾値レジスタ(THRESH)60によって設定される閾値よりもデータが小さければ、すなわち印字画像なしとなれば、コンパレータ出力(A≦B)は「0」、OR62の出力も「0」となり、この値がレジスタ63に格納される(ステップS202)。この値は、再びOR62の入力となる。もし、データが閾値より大きければ、すなわち印字画像ありとなればコンパレータ出力(A≦B)は「1」、OR62の出力も「1」となり、この値がレジスタ63に格納される。この値も、再びOR62の入力となる。
【0063】
印字データを多階調で表現する場合、その画像データの値によっては、印字なしと判断しても転写画像に影響を与えない場合がある。この場合に、閾値を用いて印字画像なしと判断させることによってスキップの可能性を増し、プリント速度を向上させることができる。例えば、1画素を8ビットで表す場合、その画素の値は0〜255の値をとり得る。この場合、閾値として「6」を設定すると、画素値「5」以下の場合は印字画像なしとすることができる。画素値を0〜255で表す場合、「5」以下を印字なしとしても画像形成に影響はなく、かつ、スキップの可能性が増すのでプリント速度を向上させることができる。
【0064】
またここで、閾値レジスタ(THRESH)60に「0」を設定すると、データDINは0以上であることからコンパレータ(CMP)61の出力は「1」となり、常に印字画像ありとなる。従って、このようにすることにより、スキップ動作を行わないようにすることも可能となる。これにより、バンドを構成するラインが全て、印字画像なしと判断された場合でも、後段の印字データを転送するための押し出し用の画像データ出力を強制的に行い、あるいは障害発生時にスキップ制御をONあるいはOFFにすることにより障害の原因の追求が容易に行える。また、スキップ制御の効果を測定する場合に、スキップ制御ONとスキップ制御OFFを選択できるようになり、両者のプリント速度を計測することによってスキップ制御の効果を顧客にデモできるようになる。
【0065】
ステップS202の動作を、ラインを構成する各画素全部に対して実行する(ステップS203)。例えば、記録紙サイズがA0であれば、主走査長は841[mm]となり、これを600[dpi]の解像度で出力するとなると1ラインは19866画素からなり、この19866画素全てに対して印字画像あり、あるいはなしを検知することになる。
【0066】
このようにして1ラインのデータについての処理が完了すると、1ラインの各画素について、次々に印字画像の有無を検知し(ステップS204)、印字画像がなければレジスタ63の出力(EXIST_IMG)は「0」、1画素でも印字画像があれば「1」となり、印字画像があればステップS209の処理を実行する。
【0067】
印字画像がなければ、ステップS205で1ラインの全ての画素についてステップS202からS204の処理を実行する。1ラインの各画素全てについて印字画像有無の検知が終了すると、インバータ64からのINC_SLCNT信号をアサートし、スキップラインカウンタ(SLCNT)65をインクリメントする(ステップS206)。そして、バンドの全てのラインに対して、ステップS202からステップS206の処理を実行したかどうかをチェックし(ステップS207)、途中で印字画像があれば、ステップS204からステップS209に移行する。バンドの全てのラインに対して、印字画像有無の検知が終了し、かつ印字画像がないバンドであれば、処理中のバンドはスキップ可能(SKIP_BAND=1)と判断する(ステップS208)。一方、ステップS204でライン中に印字画像があれば、処理中のバンドはスキップ不可(SKIP_BAND=0)と判断する(ステップS209)。なお、バンド先頭にスキップラインカウンタ(SLCNT)65で示されるライン数分は印字画像なしとなる。
【0068】
次いで、プロセスコントローラ22のCPUに割り込み信号を出力し、処理中のバンドのスキップ可否を通知し(ステップS210)、プロセスコントローラ22は、インク出力制御部802において、バンドスキップ可のときのみバンド領域分の紙送りを実施させる(ステップS211)。
【0069】
前記ステップS202からステップS211の制御を全てのバンドについて実行し、全てのバンドについての処理が終わった時点で、記録紙へのプリント完了となる(ステップS212)。
【0070】
以上のように本実施形態によれば、
1)1部目のデータ受信時で得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用し、2部目以降のライン毎の転写画像有無検知作業を省略するので、高速印刷が可能となるとともに、消費電力を削減することができる。
2)複数のパターンにおける画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に連続して使用し、2部目以降のライン毎の転写画像有無検知作業を省略するので、高速印刷が可能となるとともに、消費電力を削減することができる。
3)紙詰まり後に再度画像データを受信する際に、紙詰まりまでに認識できた画像印字の必要性がないライン数情報を使用し、ライン毎の転写画像有無検知作業を一部省略するので、その一部省略した分の高速印刷と消費電力削減が可能となる。
4)1部目のデータ受信時で得た画像印字の必要性がないライン数情報を不揮発性のメモリに書き込むので、万が一装置の電源がOFFされても前記ライン情報を保持することができる。
5)一度印刷したことのある画像を印刷する際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を不揮発性メモリから読み出して使用し、1部目のライン毎の印字画像の有無検知処理を省略するので、高速印刷と消費電力削減が可能となる。
6)一度コピーしたことのある画像をコピーする際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報をユーザに操作部で該当ライン情報を選択させ、1部目のライン毎の印字画像の有無検知処理を省略するので、高速印刷と消費電力削減が可能となる。
7)一度印刷したことのある画像を変倍印刷する際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報も同様に変倍させるので、該当ライン情報を再利用させることができる。
8)一度印刷したことのある画像を編集し印刷する際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を再利用させないようにしたので、画像データと該当ライン情報の齟齬を防ぐことができる。
等の効果がある。
【0071】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】ディジタル画像信号を記録媒体上に可視画像として再生し、出力する画像形成装置の一例を示す図である。
【図2】図1のMFPの作像ユニットであるインクジェットのプリントヘッド部の概略構成を示す要部斜視図である。
【図3】CMYKインクジェットヘッド31のノズル配置を示す図である。
【図4】MFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図5】図4のシステム構成における画像データの流れを示す図である。
【図6】IPPの構成の概略を示すブロック図である。
【図7】CDICの構成を示すブロック図である。
【図8】VDCの構成を示すブロック図である。
【図9】IMACの構成を示すブロック図である。
【図10】図6に示したCDICのスキップ制御部の機能を説明するための図である。
【図11】スキップ制御におけるスキップ動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】2部目以降の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】HDD内の画像データのヘッダ情報と、不揮発性メモリに蓄えられている画像印字の必要性がないライン情報の関係を示す図である。
【図14】操作部の操作パネルに表示されているライン数情報選択の選択画面を示す図である。
【図15】一度印刷したことのある画像を変倍印刷する際、画像印字の必要性がないライン数情報を変倍させて画像印字の必要性がないライン情報として使用する例を示す説明図である。
【図16】一度印刷したことのある画像を編集して印刷させる際の画像データとライン情報とのアンマッチの状態を示す説明図である。
【図17】ライン毎に画像の有無を検知し、バンド毎にスキップ制御を行うスキップ制御部の回路構成を示すブロック図である。
【図18】図17の回路によるライン毎に印字画像の有無を検知する処理を含む制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
3 IPP
4 CDIC
7,15 MEM
8 VDC
9 作像ユニット
12 IMAC
13 システムコントローラ(CPU)
17 操作パネル
22 プロセスコントローラ(CPU)
31 インクジェットヘッド
400 スキップ制御部
CTR コントローラ
EGN エンジン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを受信する受信手段と、
受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段により画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送する転送手段と、
受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する印刷手段と、
前記転送手段から画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、前記印刷手段に対して前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記画像データを複数部印刷する際に、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
電子ソートされた画像データを複数部印刷する際に、前記制御手段は複数のパターンにおける画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に連続して使用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
コピー時の画像データ受信時に紙詰まりが発生した場合、再度画像データを受信する際に、前記制御手段は前記紙詰まりまでに認識できた画像印字の必要性がないライン数情報を使用し、前記検知手段の紙詰まりまでの検知処理を省略することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
1部目の画像データ受信時で得た画像印字の必要性がないライン数情報を書き込む不揮発性のメモリを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
HDDに内蔵された画像を印刷する際に、前記制御手段は画像データのヘッダ情報から、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を前記不揮発性メモリから読み出して使用し、前記検知手段の1部目のライン毎の検知処理を省略することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
一度コピーしたことのある原稿をコピーする際に、該当する画像印字の必要性がないライン数情報を不揮発性メモリから読み出し使用するための入力手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、
前記入力手段が、操作部の操作パネルに設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
一度印刷したことのある画像を変倍印刷する際に、前記制御手段は該当する画像印字の必要性がないライン数情報も同様に変倍させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
一度印刷したことのある画像を編集し印刷する際に、前記制御手段は該当する画像印字の必要性がないライン数情報を再利用させないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像データはコントローラ側から送信され、エンジン側の前記受信手段によって受信されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
画像データを受信する工程と、
受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知する工程と、
前記検知する工程で画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送する工程と、
受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する工程と、
前記画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させる工程と、
を備え、
前記画像データを複数部印刷する際には、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用することを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
印字媒体に対して画像を形成する画像形成制御をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムにおいて、
画像データを受信する手順と、
受信した画像データからライン毎に印字画像の有無を検知する手順と、
前記検知する手順で画像印字の必要性がないラインを検知した場合には、そのライン数を紙送り駆動装置に転送する手順と、
受信した画像データに基づいて記録媒体に印刷する手順と、
前記画像印字の必要性のないライン数の転送があったとき、前記ライン数分は画像形成を行わせず、前記紙送り駆動装置に対して前記ライン数分の紙送りのみを実施させる手順と、
を備え、
前記紙送りのみを実施させる手順では、画像データを複数部印刷する際、1部目のデータ受信時に得た画像印字の必要性がないライン数情報を2部目以降の印刷時に使用することを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図17】
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【図18】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−23315(P2010−23315A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186117(P2008−186117)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】