説明

画像形成装置、管理サーバ及び画像出力システム

【課題】画像形成装置のメンテナンス作業を行うための所定のモードを実行する際に、所定のアクセス制限を設けて一定のセキュリティを確保しつつ、サービスパーソンの利便性を確保する技術を提供する。
【解決手段】複合機50のメンテナンス処理部60は、従来からあるメンテナンス機能を実現するとともに、メンテナンスの為のサービスパーソンのアクセス認証を実行する。そのために、メンテナンス処理部60は、認証処理部61と、認証データ取得部62と、メンテナンス実行部63とを備える。認証処理部61は、認証データ取得部62が取得したQRコードを復号して、復号された認証情報に含まれるディバイスIDが自身のディバイスIDと一致するかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、管理サーバ及び画像出力システムに係り、複写機やプリンタ、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、これらの画像形成装置のメンテナンスを管理するための管理サーバ、及びそのような画像形成装置及び管理サーバを備える画像出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のプリンタや複写機、複合機などの画像形成装置では、その機能を適切に維持するには適切なメンテナンスが必要であり、特に業務用として使用頻度が高い装置の場合には、ユーザはメンテナンス契約を結び、画像形成装置のメンテナンスを定期的に行っている。
【0003】
そのようなメンテナンスを行うサービスパーソンは、画像形成装置の操作パネルを操作し、メンテナンス専用のメニューを操作パネルに表示させて、使用状況を確認したり、発生したエラーを確認したりしている。
【0004】
ところで、上述のメンテナンス専用のメニューは、通常状態では隠されており、サービスパーソンが「特定のキー操作」を行った場合のみメニューに入る事ができる。しかし、セキュリティの観点から、近年の画像形成装置は、その「特定のキー操作」が複雑になったり、また、画像形成装置のモデルが異なると「特定のキー操作」が違う場合もあり、サービスパーソンによっては、様々な「特定のキー操作」を覚える必要があり、改善の要望があった。また、サービスパーソン以外の者が本来権限がないのにもかかわらずこのモードを勝手に使用することも想定されるため、メンテナンスのメニューの表示に関して、適切なアクセス制限を行う技術が必要となる。
【0005】
そのような中で、セキュリティを考慮しメンテナンス作業を効率化した技術がいくつか提案されている。例えば、画像形成装置にネットワーク接続機能を搭載させて外部の所定のサーバと接続し、そのサーバとの間で暗号コードを送受信してサービスモードに切り替えるための認証作業を行っている従来技術がある(特許文献1参照)。
【0006】
また、メンテナンスモードによって所定のメンテナンスが可能に設定され、画像形成装置に組み込まれたメンテナンスモード認証装置によってユーザの認証を行い、認証結果に応じてメンテナンスモードの使用を許可する従来技術がある(特許文献2参照)。この技術では、メンテナンスモードを使用可能とするためのユーザ認証を、複写すると原画通りに複写できない認証パターンが印刷された認証用紙が使用されている。そして、この認証用紙の認証パターンを画像形成装置によってスキャンして読み込むことで、メンテナンスモード認証装置がその読み込んだ認証パターンに基づいて認証を行い、認証が成功した場合に、メンテナンスモードに入ることが許可されるようになっている。
【特許文献1】特許第3542479号
【特許文献2】特開2006−41906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示の技術にあっては、画像形成装置がネットワーク経由で外部サーバに接続する必要がある。近年の画像形成装置はネットワーク機能を備えているので、そのような技術を使用することで、認証作業は従来より簡単に行うことができるようになった。しかし、ネットワーク接続が前提であり、外部のサーバとの接続作業が大変であり、導入が簡単ではないという課題がある。また、セキュリティの観点から、多くのユーザは極力、外部のネットワークへの接続を避けるようになってきた。したがって、ネットワーク接続を前提としない別の技術が求められている。
【0008】
また、特許文献2に開示の技術では、特殊インクを使用する場合、認証キー印刷済みのシート自身はコピーできないが、サービスパーソンにシートを配布するか、サービスパーソンが自分で印刷するための原稿として認証キーを配布する必要がある。特殊インクを使用しない場合は、認証キー印刷済みのシートをコピーできるため、不特定多数が利用可能になってしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、以上の様な状況に鑑みなされたものであって、その目的は、画像形成装置のメンテナンス作業を行うための所定のモードを実行する際に、所定のアクセス制限を設けて一定のセキュリティを確保しつつ、サービスパーソンの利便性を確保する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある態様は、画像形成装置に関する。この画像形成装置は、メンテナンスモードを実行可能な期間が記録され、暗号化処理が施された認証情報を取得する認証情報取得手段と、取得した前記認証情報に対して復号処理を施して、復号した前記認証情報をもとに、メンテナンスモードの実行を許可する認証処理部と、を備える。
また、前記認証情報取得手段は、画像データを前記認証情報として取得してもよい。
また、画像を読み取るスキャナ手段を備え、前記認証情報取得手段は、前記スキャナ手段によって、印刷された画像データまたは所定の表示手段に表示された画像データを前記認証情報として取得してもよい。
また、前記所定の表示手段は、携帯型の通信装置の表示手段であってもよい。
また、所定の記録媒体を読み取り可能な入力インタフェイスを備え、前記認証情報取得手段は、前記記録媒体の読み取り手段を介して前記記録媒体に記録されている画像データを認証情報として取得してもよい。
また、前記所定の記録媒体はUSBメモリであってもよい。
また、前記認証情報は、認証の対象となる機器の識別番号を含んでもよい。
本発明の別の態様は、管理サーバに関する。この管理サーバは、所定の画像形成装置をメンテナンスするために、前記画像形成装置において認証のために使用される情報として、メンテナンス可能期間の情報を含んだ認証情報を、暗号化処理を施して画像データとして出力する。
本発明の更に別の態様は、画像出力システムに関する。この画像出力システムは、画像形成装置と、当該画像形成装置のメンテナンスの認証情報を出力する管理サーバとを備えた画像出力システムであって、前記管理サーバは、前記画像形成装置をメンテナンスするために、前記画像形成装置において認証のために使用される情報として、メンテナンス可能期間の情報を含んだ認証情報を、暗号化処理を施して画像データとして出力し、前記画像形成装置は、前記管理サーバによって出力された、暗号化されてかつ前記画像データからなる認証情報を取得する認証情報取得手段と、取得した前記画像データを解析して所定の復号処理を施して前記認証情報を抽出し、抽出した前記認証情報をもとに、メンテナンスモードの実行を許可する認証処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置のメンテナンス作業を行うための所定のモードを実行する際に、所定のアクセス制限を設けて一定のセキュリティを確保しつつ、サービスパーソンの利便性を確保する技術を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態は、スキャナ機能を備えた複写機や複合機等の画像形成装置を想定しており、以下では、複合機について例示する。
【0013】
まず本実施形態の概要を説明する。サービスパーソンが複合機をメンテナンスするときに、例えばQRコードのような二次元コードにより暗号化され認証情報が記載された画像をあらかじめ用意しておき、その画像を複合機に読み取らせる。その画像は、画像データの状態で利用されてもよいし、紙に印刷された状態で利用されてもよい。上記の二次元コードには、対象とする複合機のIDとメンテナンス可能期間が含まれている。複合機は、読み取った二次元コードを復号して認証処理を行い、IDとメンテナンス可能期間が適切と判断したときに初めて、メンテナンス用のサービスメニューを操作パネルに表示する。また、二次元コードは所定の管理サーバによって管理されており、サービスパーソンが管理サーバにアクセスして、メンテナンスを向かう前に印刷する。以下、具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る画像出力システム10の構成を示す図であり、画像出力システム10は認証管理サーバ20と複合機50を備えて構成されている。そして、認証管理サーバ20が許可証(認証情報)を画像として発行し、複合機50で読み込みとり認証を行い、認証がされるとサービスパーソンは複合機50のメンテナンスを行うことができる。
【0015】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である認証管理サーバ20の概略構成を示す機能ブロック図である。認証管理サーバ20の各構成要素は、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリで構成され、メモリに記憶されたプログラムが実行されることで、各機能が実現される。認証管理サーバ20は、主制御部21と、操作取得部22と、入出力インタフェイス23と通信部24とを備えている。主制御部21は、認証管理サーバ20の構成要素を統括的に制御する。操作取得部22は、サービスパーソンや認証管理サーバ20の管理者等からの操作を受け付ける。入出力インタフェイス23は、USBインタフェイスなどでありプリンタ11などの印刷装置が接続されたり、USBメモリ14等が接続される。通信部24は、ネットワークインタフェイスであり、外部のクライアント端末12と通信を行う。また、通信部24は、登録されている携帯電話15に対して電子メールを送信する機能を有する。サービスパーソンは、操作取得部22又はクライアント端末12を操作して、認証管理サーバ20にアクセスする。
【0016】
認証管理サーバ20は更に、本実施形態で特徴的な機能として、認証処理部30と、管理用データベース40とを備えている。
【0017】
認証処理部30は、対象ディバイス登録部31と認証データ要求取得部32と、認証データ出力部33と、サービスパーソン登録部34とを備える。また、管理用データベース40は、対象ディバイスデータ記録部41と、認証データ記録部42と、サービスパーソン情報記録部43とを備えている。
【0018】
対象ディバイス登録部31は、メンテナンスの対象となる機器を登録する。この登録としては、例えば、後述の複合機50が販売されたりリースされたりして、メンテナンス契約がなされたときに、複合機50のID(以下、「ディバイスID」ともいう)、使用者等が管理用データベース40の対象ディバイスデータ記録部41に登録され、適宜変更される。
【0019】
認証データ要求取得部32は、サービスパーソンからクライアント端末12又は操作取得部22の操作を介して、アクセスしてきたサービスパーソンを認証するための情報を要求して取得する。具体的には、サービスパーソンは、サービスパーソンのID、パスワード等の所定のアクセスコードを入力して認証管理サーバ20にアクセスする。入力されたアクセスコードが適正であれば、認証管理サーバ20の認証データ要求取得部32は、サービスパーソンにアクセスを許可する。そして、認証データ要求取得部32は、サービスパーソンが入力するメンテナンスの対象機器(複合機50)のディバイスID、メンテナンスを行う期間(メンテナンス期間)等をメンテナンス要件として取得する。
【0020】
認証データ出力部33は、認証データ要求取得部32が取得したメンテナンス要件を暗号化して二次元コードとしてプリンタ11又はクライアント端末12に出力する。クライアント端末12に出力された場合、クライアント端末12に接続されるプリンタで印刷出力される。また、出力先として、電子メールが選択された場合には、サービスパーソン情報記録部43に記録されている電子メールアドレスに、画像データとして送信される。なお、出力された認証情報の内容は、認証情報の出力を要求したサービスパーソンの情報とともに認証データ記録部42に出力履歴として記録される。
【0021】
サービスパーソン登録部34は、認証管理サーバ20にアクセスしてメンテナンスして情報の要求を行うことができるサービスパーソンを登録する。より具体的には上述のサービスパーソンのID、パスワード、電子メールアドレス等の所定のアクセスコードが、管理用データベース40のサービスパーソン情報記録部43に登録され、上述した認証データ要求取得部32におけるサービスパーソンの認証管理サーバ20へのアクセス認証に使用される。
【0022】
つぎに、複合機50について説明する。図3は、本実施形態に係る複合機50の概略構成を示す機能ブロック図である。複合機50の各構成要素は、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリで構成され、メモリに記憶されたプログラムが実行されることで、各機能が実現される。
【0023】
複合機50は、一般的な複合機の機能を実行するための構成要素として、主制御部51と、操作取得部52と、入出力インタフェイス53と、印刷処理部55と、スキャナ処理部56と、計時部57とを備えている。主制御部51は、複合機50の構成要素を統括的に制御する。操作取得部52は、液晶パネルやタッチパネル等の表示手段及び操作ディバイスからなる操作パネルであって、ユーザの操作を受け付ける。操作取得部52は、一般的な複合機50の操作を受け付けるとともに、サービスパーソンによるサービスメニューを表示させてメンテナンスのための操作を受け付ける。入出力インタフェイス53は、USBインタフェイス等で他の機器または記録媒体等との間で相互に通信する。印刷処理部55は、一般的な複合機に機能として印刷を実行する。また、スキャナ処理部56は、同様にして一般的な複合機に機能として所定の場所にセットされた紙の印字や画像を読み取る。計時部57は、いわゆる時計として機能する。
【0024】
更に、複合機50は、メンテナンス処理部60を備えている。このメンテナンス処理部60は、従来からあるメンテナンス機能を実現するとともに、本実施形態に特徴的な機能である、メンテナンスの為のサービスパーソンのアクセス認証を実行する。
【0025】
そのアクセス認証及びメンテナンス実行のために、メンテナンス処理部60は、認証処理部61と、認証データ取得部62と、メンテナンス実行部63とを備えている。
【0026】
認証処理部61は、サービスパーソンよりメンテナンスのためのメニュー表示の要求があると、後述の認証データ取得部62に対して認証情報を取得するように指示する。そして、認証データ取得部62が取得した認証情報が適切なものか否かを判断する。具体的には、後述の認証データ取得部62が取得したQRコードを復号して、復号された認証情報に含まれるディバイスIDが自身のディバイスIDと一致するかを判断する。この自身のディバイスIDは、主制御部51に記憶されている。更に、主制御部51は、計時部57から現在の時刻を取得し、認証情報に含まれるメンテナンス期間に現在の時刻が含まれるか否かを判断する。ディバイスIDとメンテナンス期間の認証がいずれも適切であれば、その旨を後述のメンテナンス実行部63に通知する。また、認証処理部61は、認証管理サーバ20によって暗号化された情報を復号できる機能を備えている。
【0027】
認証データ取得部62は、サービスパーソンからメンテナンスモードへのアクセス要求があると、操作取得部52の表示手段に認証情報である二次元コードを入力するように表示する。このとき、まず、認証データ取得部62は、二次元コードの入力装置の指定をサービスパーソンから受け付ける。認証情報が印刷されたものや、サービスパーソンが所有する携帯電話15の画面に表示された状態のものであれば、スキャナ処理部56が入力装置として選択され、また、USBメモリ14等に画像として保存された状態のデータであれば、入出力インタフェイス53が選択される。そして、選択された入力装置から二次元コードを取得し、認証処理部61に取得した二次元コードを通知する。
【0028】
メンテナンス実行部63は、認証処理部61において認証された旨の通知を受けると、サービスパーソンによるメンテナンスを可能として、操作取得部52の表示手段にメンテナンスの為のメニュー表示及び操作を可能にする。
【0029】
以上の構成による認証管理サーバ20及び複合機50の動作について以下にフローチャートをもとに説明する。
【0030】
図4は、認証管理サーバ20における認証情報の出力処理を示したフローチャートである。
【0031】
まず、サービスパーソンが操作取得部22又はクライアント端末12を介して認証管理サーバ20にアクセスすると、認証データ要求取得部32は、アクセスしたサービスパーソンの認証を行う(S10)。具体的には、認証データ要求取得部32は、サービスパーソンに対して、サービスパーソンのID及びパスワードの入力を要求する。サービスパーソンのID及びパスワードが入力されると、認証データ要求取得部32は、サービスパーソン情報記録部43を参照して、サービスパーソン情報記録部43に記録されているID及びパスワードに一致しているか否かを判断し、一致していると認証されたときに、以降の処理を許可する。
【0032】
つぎに、S10のステップで認証がされると、認証データ要求取得部32は、メンテナンスの要件を取得する(S12)。具体的には、サービスパーソンは、メンテナンスの対象となる複合機50のディバイスID、メンテナンス期間、認証情報の種類を指定し、認証データ要求取得部32は指定されたメンテナンス要件を取得する。メンテナンス期間は、例えば、「2008年10月1日12:00〜15:00」とする。この指定されたメンテナンス期間にのみ対象となる複合機50におけるメンテナンスが可能となり、このメンテナンス期間以外では、サービスパーソンはメンテナンスを行うことができない。なお、このとき、サービスパーソンは、認証情報の出力先として、プリンタ11(印刷した紙)、USBメモリ14(画像データ)、携帯電話15(画像データ)を指定することが出来る。
【0033】
つぎに、S12のステップにおいてメンテナンスの要件が取得されると、認証データ出力部33は、認証データ要求取得部32が取得したメンテナンス要件を暗号化して二次元コードを作成する(S14)。
【0034】
更に、認証データ出力部33は、S12のステップで指定された出力先に作成された二次元コードを出力する(S16)。また、認証データ出力部33は、出力された認証情報の内容を出力履歴として認証データ記録部42に記録する。
【0035】
つづいて、複合機50の認証処理についてフローチャートをもとに説明する。図5は複合機50の認証処理を示すフローチャートである。
【0036】
まず、メンテナンスの対象となる複合機50の認証処理部61は、サービスパーソンからメンテナンスモードを要求する操作を取得すると(S20)、認証データ形式の指定をするように操作取得部52に対して選択可能に表示して、サービスパーソンから指定を受け付ける(S22)。つまり、紙に印刷された画像をスキャンするのか、入出力インタフェイス53を介してUSBメモリ14に記録されている画像データを取得するのか、それとも、携帯電話15の表示手段に表示される画像をスキャンするのかがサービスパーソンより指定される。
【0037】
そして、認証データ取得部62は、指定された認証データ形式で認証情報を読み取る(S24)。例えば、紙に印刷された画像をスキャンすることが選択された場合、認証データ取得部62は、スキャナ処理部56を駆動させて二次元コードを取得する。
【0038】
つぎに、認証処理部61は、取得した二次元コードを復号して、認証情報の照合処理として、ディバイスIDやメンテナンス期間の照合を行う(S26)。
【0039】
認証情報が適切と照合された場合(S28のY)、認証処理部61はその旨をメンテナンス実行部63に通知し、メンテナンス実行部63はその通知を受けてメンテナンスモードを開始する(S30)。
【0040】
認証情報が不適切である場合(S28のN)、認証処理部61はその旨を操作取得部52の表示手段に警告表示してメンテナンスモードを開始せず終了する(S32)。
【0041】
以上、本実施形態によれば、サービスパーソンが複合機50のメンテナンスのメニューを表示させることに関して、適切なアクセス制限を行うことが出来る。より具体的には、例えば退職したサービスパーソン、担当地域外のサービスパーソンや、開発者など、本来実運用中の複合機50にアクセスすべきでない人間からのアクセスを抑止する事ができる。また、複合機50がインターネットや電話回線などネットワーク回線から孤立している場合でも、運用することができる。また、予定の日時(メンテナンス可能期間)を経過した許可証(認証情報)は、複合機50が認証しないため、許可証は1度のみの使いきりになり、再利用はできない。これによって、より効果的なアクセス制限が可能となる。また、サービスパーソンはメンテナンスモードに入るために『特定のキー操作』を覚える必要がなくなり、許可証となる画像データをスキャンさせるだけの簡単な操作で、メンテナンスを実施できるようになる。
【0042】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0043】
実施形態では、画像データに変換された認証情報として、複合機50のディバイスID及びメンテナンス可能期間が含まれたが、それに限らず、例えば、メンテナンスの時にアクセス可能なメンテナンス項目が含まれても良い。例えば、リース契約で使用されている複合機50の場合、使用状況に応じて課金されることがある。そのような課金に関するメンテナンス項目を制限するという使用も可能となる。また、画像形成装置の中には、スキャナ機能を有していないものがあるが、そのような場合は、簡単な専用のスキャナ装置を内蔵または外付けで接続可能とすることで実現でき、また、USBメモリ14などの記録媒体からの画像取得のみの構成としてもシンプルな構成で実現できる。
【0044】
また、複合機50と認証管理サーバ20とがネットワークで接続されている場合は更にセキュリティを向上させることができる。例えば、サービスパーソンが複合機50に画像データを読み込ませたときに、複合機50は認証管理サーバ20に対して、認証情報を発行したか否かを問い合わせても良い。問い合わせをすることで、例えば、認証情報が不正に発行された物である場合、認証管理サーバ20は、不正発行された認証情報を取り消し、更に複合機50に対して認証を許可しないように通知することもできる。また、認証情報中のメンテナンス可能期間の変更を適用可能とするなど柔軟な運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】発明の実施形態に係る、画像出力システムの概略構成を示す図である。
【図2】発明の実施形態に係る、認証管理サーバの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】発明の実施形態に係る、複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図4】発明の実施形態に係る、認証管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図5】発明の実施形態に係る、複合機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
11 プリンタ
12 クライアント端末
14 USBメモリ
15 携帯電話
20 認証管理サーバ
21 主制御部
22 操作取得部
23 入出力インタフェイス
24 通信部
30 認証処理部
31 対象ディバイス登録部
32 認証データ要求取得部
33 認証データ出力部
34 サービスパーソン登録部
40 管理用データベース
41 対象ディバイスデータ記録部
42 認証データ記録部
43 サービスパーソン情報記録部
50 複合機
51 主制御部
52 操作取得部
53 入出力インタフェイス
55 印刷処理部
56 スキャナ処理部
57 計時部
60 メンテナンス処理部
61 認証処理部
62 認証データ取得部
63 メンテナンス実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メンテナンスモードを実行可能な期間が記録され、暗号化処理が施された認証情報を得する認証情報取得手段と、
取得した前記認証情報に対して復号処理を施して、復号した前記認証情報をもとに、メンテナンスモードの実行を許可する認証処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記認証情報取得手段は、画像データを前記認証情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像を読み取るスキャナ手段を備え、
前記認証情報取得手段は、前記スキャナ手段によって、印刷された画像データまたは所定の表示手段に表示された画像データを前記認証情報として取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の表示手段は、携帯型の通信装置の表示手段であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
所定の記録媒体を読み取り可能な入力インタフェイスを備え、
前記認証情報取得手段は、前記記録媒体の読み取り手段を介して前記記録媒体に記録されている画像データを認証情報として取得することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定の記録媒体はUSBメモリであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記認証情報は、認証の対象となる機器の識別番号を含んでいることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
所定の画像形成装置をメンテナンスするために、前記画像形成装置において認証のために使用される情報として、メンテナンス可能期間の情報を含んだ認証情報を、暗号化処理を施して画像データとして出力することを特徴とする管理サーバ。
【請求項9】
画像形成装置と、当該画像形成装置のメンテナンスの認証情報を出力する管理サーバとを備えた画像出力システムであって、
前記管理サーバは、
前記画像形成装置をメンテナンスするために、前記画像形成装置において認証のために使用される情報として、メンテナンス可能期間の情報を含んだ認証情報を、暗号化処理を施して画像データとして出力し、
前記画像形成装置は、
前記管理サーバによって出力された、暗号化されてかつ前記画像データからなる認証情報を取得する認証情報取得手段と、
取得した前記画像データを解析して所定の復号処理を施して前記認証情報を抽出し、抽出した前記認証情報をもとに、メンテナンスモードの実行を許可する認証処理部と、
を備えることを特徴とする画像出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−98585(P2010−98585A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268695(P2008−268695)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】