説明

画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【課題】 ネガ残像による画像不良のない画像品質を維持しつつ、消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 転写装置の転写電圧制御部は、潜像形成部で潜像が形成された感光体表面上の潜像形成領域Aiの前端である潜像領域前端Isが転写ニップの入口に到達する以前に一次転写ローラ11への転写電圧の印加を開始し、潜像形成領域Aiの後端である潜像領域後端Ieが転写ニップの出口を通過した後に一次転写ローラへの転写電圧の印加を停止するように転写電源を制御し、除電装置は、転写電源が一次転写ローラ11に転写電圧を印加している間に転写ニップを通過した感光体表面上の転写電圧印加領域Avの前端である電圧印加時出口部V1が除電ニップに到達する以前に除電動作を開始し、転写電圧印加領域Avの後端である電圧停止時入口部Veが除電ニップを通過した後に除電動作を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置及び、これに採用されるプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、表面移動する潜像担持体表面をマイナス極性に帯電させた後、露光して静電潜像を形成し、現像装置で静電潜像にマイナス極性のトナーを供給することで潜像担持体表面上にトナー像を形成するものが知られている。そして、潜像担持体表面上に形成されたトナー像を、中間転写体や記録体などの転写体を挟んで転写部材と潜像担持体とが対向する転写部で転写体の表面に転写する。トナー像を転写体に転写した後の潜像担持体表面はクリーニング装置で転写残トナーを除去し、除電装置によって除電する。この除電によって潜像担持体表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
【0003】
転写部を形成する転写部材を備える転写装置は、プラス極性の転写電圧を転写部材に印加する転写電圧印加電源を備える。そして、転写部材にプラス極性の転写電圧を印加することにより、転写部では潜像担持体と転写部材との間に転写電界が形成され、マイナス極性のトナーが潜像担持体表面から転写体に移動し、転写が成される。
【0004】
除電装置としては、特許文献1に記載のもののように、除電ランプ光によって除電するものがある。また、特許文献2に記載のものように、潜像担持体に対向する対抗部材に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加し、対抗部材と対向する位置の潜像担持体表面の電位を均して、除電する除電チャージャを備えたものがある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−302451号公報
【特許文献2】特開平7−5734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者ら鋭意研究を行った結果、転写部材にプラス極性の転写電圧を印加すると、潜像担持体の材料などの構成によっては、転写部材に印加されるプラス極性の電圧によって、潜像担持体が転写部でプラス極性に帯電するあることがわかった。このとき、潜像担持体表面上のトナーの供給を受けた画像部よりも、トナーの供給を受けなかった非画像部の方がプラス極性に大きな値の電位に帯電する。これは、画像部では、転写体表面と潜像担持体表面との間にトナー粒子があり、トナー粒子が抵抗層となって転写部材からの電流が流れにくく、一方、非画像部ではトナー粒子がなく転写体と直接接触して電流が流れやすいためである。本発明者らが使用した画像形成装置では、潜像担持体表面の画像部だった箇所は転写部を通過した後もマイナス極性に帯電していたが、非画像部だった箇所は転写部を通過した後はプラス極性に帯電していた。
【0007】
このような現象に対して、特許文献1に記載の画像形成装置が備える除電装置のように、除電ランプを用いた除電装置では次のような問題が生じる。すなわち、除電ランプを用いた除電では潜像担持体表面上のマイナス極性の箇所を除電することは可能であるが、潜像担持体表面上のプラス極性の箇所を除電することはできない。よって、潜像担持体表面にプラス極性に帯電している箇所があると、他の部分と電位差が残ったままとなる。
【0008】
図5は、非画像部がプラス極性に帯電した潜像担持体表面上を除電ランプによって除電した場合の潜像担持体表面の電位の変化の説明図である。図5(a)に示すように、転写後の潜像担持体の表面は画像部がマイナス極性に帯電しており、非画像部がプラス極性に帯電している。この潜像担持体表面を、除電ランプによる除電を行うと、図5(b)に示すように、マイナス極性に帯電していた画像部は除電されるが、非画像部はプラス極性に帯電したままとなる。そして、プラス極性に帯電した箇所と電位のない箇所といった潜像担持体表面上で電位差が残ったまま帯電部に移動する。図5(b)に示す状態の潜像担持体表面をマイナス極性に一様に帯電すると、図5(c)に示すように帯電部を通過した後の潜像担持体表面上にも電位差が残ることがある。このような電位差があると、ネガ残像となり、画像に影響が出て、画像不良となるおそれがある。
【0009】
本発明者ら鋭意研究を重ねたところ、特許文献2の記載の画像形成装置が備える除電装置のように、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を対抗部材に印加する除電チャージャを用いると、プラスの電位も除電することができることが分かった。
【0010】
図6は、非画像部がプラス極性に帯電した潜像担持体表面上を、除電チャージャを用いて除電した場合の潜像担持体表面の電位の変化の説明図である。図6(a)は、転写後の潜像担持体表面の電位であり、図5(a)と同様に、画像部がマイナス極性に帯電しており、非画像部がプラス極性に帯電している。この潜像担持体表面を、除電チャージャによる除電を行うと、図6(b)に示すように、マイナス極性に帯電していた画像部も、プラス極性に帯電していた非画像部も一様に除電が成される。そして、一様に除電が成された潜像担持体表面をマイナス極性に一様に帯電すると、図6(c)に示すように、潜像担持体表面をマイナス極性の所定の値で、一様に帯電することができる。これにより、ネガ残像の発生を防止することができ、画像品質を維持することができる。
【0011】
しかしながら、除電チャージャのように直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する除電装置は、除電ランプを用いた除電装置に比べて消費電力が多いため、常に除電装置を作動させていると、画像形成装置全体の消費電力の増大につながる。このような問題は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する除電装置に限るものではなく、潜像担持体表面上のプラス極性の電位を除電可能で、除電ランプを用いた除電装置に比べて消費電力が大きい除電手段であれば生じ得る問題である。
【0012】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ネガ残像による画像不良のない画像品質を維持しつつ、消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動する潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該潜像担持体表面上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体表面上の該静電潜像に所定の極性のトナーを供給してトナー像とする現像手段と、該潜像担持体表面上に形成された該トナー像を転写体に転写する転写手段と、該潜像担持体表面上を除電部で除電し、該転写体に該トナー像を転写した後の該潜像担持体表面上のプラスの電位を除電可能な除電手段とを有し、該転写手段は、該潜像担持体と該転写体を挟んで対向して転写部を形成する転写部材と、該潜像担持体表面上の該所定の極性のトナーを該転写部材に引き付ける転写電圧を該転写部材に印加する転写電圧印加電源と、該転写電圧印加電源の該転写部材に対する該転写電圧の印加を制御する転写電圧制御手段を備える画像形成装置において、該転写電圧制御手段は、該潜像形成手段によって潜像が形成された該潜像担持体表面上の潜像形成領域の前端が該転写部に到達する以前に該転写部材への該転写電圧の印加を開始し、該潜像形成領域の後端が該転写部を通過した後に該転写部材への該転写電圧の印加を停止するように該転写電圧印加電源を制御し、該除電手段は、該転写電圧印加電源が該転写部材に該転写電圧を印加している間に該転写部を通過した該潜像担持体表面上の転写電圧印加領域の前端が該除電部に到達する以前に除電動作を開始し、該転写電圧印加領域の後端が該除電部を通過した後に該除電動作を停止することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記帯電手段は上記潜像担持体表面をマイナス極性に帯電させ、上記現像手段が該潜像担持体表面上の上記静電潜像に供給する上記トナーの上記所定の極性はマイナス極性であり、上記転写電圧印加電源は上記転写部材にプラス極性の転写電圧を印加することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、上記潜像担持体は、電荷発生層上に電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構成を有し、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記帯電手段は、スコロトロン方式の帯電装置であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記潜像担持体表面の転写残トナーを除去するクリーニング手段を上記転写部と上記帯電手段との間の該潜像担持体表面と対向する位置に有し、上記除電部が、該クリーニング手段と該帯電手段との間の該潜像担持体表面となるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記除電手段は、上記潜像担持体表面と対向する除電部材と、該除電部材に対して直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加する除電電圧印加電源と、該除電電圧印加電源の該除電部材に対する除電電圧の印加を制御する除電電圧制御手段とを備え、上記除電部は該潜像担持体表面の該除電部材と対向する位置であり、該除電電圧制御手段は、上記除電動作を開始するときには該除電部材に該除電電圧を印加し、該除電動作を停止するときには該除電部材への該除電電圧の印加を停止するように該除電電圧印加電源を制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記除電部材が上記潜像担持体表面に接触または近接するローラ部材であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記除電部材が上記潜像担持体表面に対して非接触で対向するスコロトロン部材であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記除電手段は、上記潜像担持体表面と接触する除電部材と、該除電部材に対して直流電圧の除電電圧を印加する除電電圧印加電源と、該除電電圧印加電源の該除電部材に対する除電電圧の印加を制御する除電電圧制御手段とを備え、上記除電部は該潜像担持体表面の該除電部材と接触する位置であり、該除電電圧制御手段は、上記除電動作を開始するときには該除電部材に該除電電圧を印加し、該除電動作を停止するときには該除電部材への該除電電圧の印加を停止するように該除電電圧印加電源を制御することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6または9の画像形成装置において、上記除電部材が上記潜像担持体表面に接触するブラシ部材であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項6または9の画像形成装置において、上記除電部材が上記潜像担持体表面にトレーリング方向に接触するブレード部材であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項6または9の画像形成装置において、上記除電部材が磁性粒子から形成される磁気ブラシを上記潜像担持体表面に接触させる磁気ブラシローラであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記現像手段はトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式の現像手段であり、上記磁気ブラシを形成する磁性粒子が該二成分現像剤の該磁性キャリアと同一のものであることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、上記潜像形成手段は入力された画像情報に基づいて該潜像担持体上に潜像形成部で上記静電潜像を形成するものであり、該潜像形成手段に用いられる前の該画像情報を識別する画像情報識別手段を備え、上記除電部を通過する潜像担持体表面が、該除電部を通過後に該潜像形成部を通過するときに形成される該静電潜像の基となる該画像情報がハーフトーン画像であることを該画像情報識別手段が識別した場合のみに、上記除電手段が該除電部での除電動作を行うことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、帯電手段、潜像形成手段、現像手段、または除電手段のうちの少なくとも一つと、潜像担持体とを一体的に支持して形成し、画像形成装置に脱着可能なプロセスカートリッジであって、上記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14の画像形成装置に採用されることを特徴とするものである。
【0014】
上記請求項1乃至15の画像形成装置においては、潜像形成領域が転写部を通過している間は、転写電圧を印加するため、他のタイミングで転写電圧の印加を停止していても、潜像担持体表面上に形成されたトナー像は転写体に転写が成される。そして、転写電圧印加領域が除電部を通過している間は除電動作を行うため、他のタイミングで除電動作を停止しても転写部で潜像担持体表面がプラス極性に帯電したことに起因するネガ残像の発生を防止することができる。また、転写電圧印加領域の後端が除電部を通過した後は除電動作を停止するため、除電動作を停止するタイミングを設定することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至15の発明によれば、ネガ残像の発生を防止することによって画像品質を維持することができ、除電動作を停止するタイミングがあるため、常に除電動作を行うものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を、画像形成装置であるカラーレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ100」という)に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態のプリンタ100の概略構成図である。このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の4つの画像形成手段としてのプロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kを横に並べて配置してタンデム画像形成部を構成する。タンデム画像形成部においては、プロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kが、図2中の左側から順に配置されている。ここで、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒用の部材であることを示す。また、タンデム画像形成部において、個々プロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体21Y,21C,21M,21Kのまわりに、帯電装置、現像装置10Y,10C,10M,10K、感光体クリーニング装置等を備えている。プリンタ100の上部には、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色トナーが充填されたトナーボトル2Y,2C,2M,2Kが配置されている。そして、このトナーボトル2Y,2C,2M,2Kから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ各色現像装置10Y,10C,10M,10K、に各色トナーが補給される。
【0017】
また、タンデム画像形成部の下部に潜像形成手段としての光書込ユニット9を設ける。この光書込ユニット9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体21Y,21C,21M,21Kの表面にレーザ光を走査しながら照射するように構成されている。
【0018】
また、タンデム画像形成部の直ぐ上には、中間転写体として無端ベルト状の中間転写ベルト1を設けている。この中間転写ベルト1は、支持ローラ1a、1bに掛け回され、この支持ローラのうち駆動ローラ1aの回転軸には駆動源としての図示しない駆動モータが連結されている。この駆動モータを駆動させると、中間転写ベルト1が図中反時計回りに回転移動するとともに、従動可能な支持ローラ1bが回転する。中間転写ベルト1の内側には、感光体21Y,21C,21M,21K上に形成されたトナー像を中間転写ベルト1上に転写するための一次転写ローラ11Y,11C,11M,11Kを設ける。
【0019】
また、一次転写ローラ11Y,C,M,Kより中間転写ベルト1の駆動方向下流に二次転写装置としての二次転写ローラ5を設ける。この二次転写ローラ5と中間転写ベルト1を挟んで反対の側には、支持ローラ1bが配置されており、押部材としての機能を果たしている。
また、光書込ユニット9の下方には、給紙カセット8、給紙コロ7を備えており、給紙コロ7の搬送方向下流側には、レジストローラ6等を備えている。さらに、二次転写ローラ5によりトナー像を転写された転写紙Pの進行方向について二次転写ローラ5の下流側には、転写紙P上のトナー像を定着する定着装置4と、トナー象を定着された転写紙Pを排紙する排紙ローラ3を備えている。
【0020】
つぎに、プリンタ100の動作を説明する。個々のプロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kでその感光体21Y,21C,21M,21Kを回転し、この回転とともに、まず帯電装置の帯電チャージャ17Y,17C,17M,17Kで感光体21Y,21C,21M,21Kの表面を一様に帯電する。次いで画像データを光書込ユニット9からのレーザによる書込み光を照射して感光体21Y,21C,21M,21K上に静電潜像を形成する。その後、現像装置10Y,10C,10M,10Kによりトナーが付着され静電潜像を可視像化することで各感光体21Y,21C,21M,21K上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。
また、不図示の駆動モータで駆動ローラ1aを回転駆動して他の従動ローラ1b、二次転写ローラ5を従動回転し、中間転写ベルト1を回転搬送して、その可視像を一次転写ローラ11Y,11C,11M,11Kで中間転写ベルト1上に順次転写する。これによって中間転写ベルト1上にフルカラーのトナー像を形成する。画像転写後の感光体21Y,21C,21M,21Kの表面は感光体クリーニング装置で残留トナーを除去して清掃して次の画像形成に備える。
【0021】
また、画像形成のタイミングにあわせて、第一給紙カセット8aまたは第二給紙カセット8bからは転写紙Pの先端が第一給紙コロ7aまたは第二給紙コロ7bにより繰り出され、レジストローラ6まで搬送され、一旦停止する。そして、中間転写ベルト1上に画像形成動作とタイミングを取りながら、二次転写ローラ5と中間転写ベルト1との間に搬送される。ここで、中間転写ベルト1と二次転写ローラ5とは転写紙Pを挟んでいわゆる二次転写ニップを形成し、二次転写ローラ5にて中間転写ベルト1上のトナー像を転写紙P上に二次転写する。
【0022】
画像転写後の転写紙Pは定着装置4へと送り込まれ、定着装置4で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して機外へ排出される。一方、画像転写後の中間転写ベルト1は、中間転写体クリーニング装置12で、画像転写後に中間転写ベルト1上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部による再度の画像形成に備える。
【0023】
なお、各色のプロセスカートリッジ101Y、101C、101M、101Kは、感光体21Y、21C、21M、21K、帯電装置、感光体クリーニング装置、現像装置10Y、10C、10M、10Kなどを一体的に形成し、プリンタ100本体に着脱可能となっている。
【0024】
ここで、各プロセスカートリッジ101Y、101C、101M、101Kは、それぞれ同じ構成、動作をおこなうものとなっている。そこで、以下各符号の添字Y、C、M、Kを省略し、プロセスカートリッジ101の説明を詳細におこなう。
図3は、プロセスカートリッジ101周辺の概略説明図である。図3に示すように、プロセスカートリッジ101を図中時計方向に回転する感光体21を備える。そして、感光体21のまわりに、帯電チャージャ17、現像装置10、感光体クリーニング装置30のクリーニングブレード33等が順に配置されている。また、感光体21の表面移動方向について、クリーニングブレード33と帯電チャージャ17との間には、除電部材としての除電ローラ41を備えている。このように、プロセスカートリッジ101は、各色の画像形成部を形成している。
【0025】
次に、プロセスカートリッジ101が備える各部材の画像形成時の動作について説明する。
帯電手段である帯電チャージャ17によって潜像担持体としての感光体21の表面がマイナス極性に一様に帯電される。一様に帯電された感光体21の表面は、潜像形成部Lpで潜像形成手段としての光書込ユニット9のレーザ光Lによって画像情報に基づいて静電潜像が形成される。そして、感光体21上に形成された静電潜像に現像手段である現像装置10の現像ローラ13から所定の極性としてマイナス極性のトナーが供給され、感光体21表面上にトナー像が形成される。感光体21上に形成されたトナー像は、転写手段である転写装置110が備える転写部材としての一次転写ローラ11と対向する転写部である転写ニップN1で転写体である中間転写ベルト1上に転写が成される。転写ニップN1でトナー像を転写した後の感光体21の表面はクリーニング手段としての感光体クリーニング装置30のクリーニングブレードによって転写残トナーが除去される。そして、除電手段である除電装置40が備える除電部材としての除電ローラ41との対向部を通過することで感光体21の表面が除電され、この除電にとって感光体21の表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
【0026】
転写装置110は、感光体21と中間転写ベルト1を挟んで転写ニップN1を形成する一次転写ローラ11と、感光体21上のマイナス極性のトナーを一次転写ローラ11に引き付けるプラス極性の転写電圧を一次転写ローラ11に印加する転写電圧印加電源としての転写電源111を備える。さらに、転写電源111の一次転写ローラ11に対する転写電圧の印加を制御する転写電圧制御手段としての転写電圧制御部112を備える。
除電装置40、感光体21の表面と対向する除電ローラ41と、除電ローラ41に直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加する除電電圧印加電源としての除電電源42を備える。さらに、除電電源42の除電ローラ41に対する除電電圧の印加を制御する除電電圧制御手段としての除電電圧制御部43とを備える。本実施形態では除電ローラ41は感光体21の表面に接触し除電ニップN2を形成している。そして、除電ニップN2が感光体21の除電部となる。除電装置40は、除電ローラ41に除電電圧を印加し始めることにより除電動作を開始し、除電ローラ41への除電電圧の印加を停止することにより除電動作を停止する。
なお、除電ローラ41としては、感光体21の表面に接触するものに限らず、近接して配置するものであっても良い。
【0027】
感光体21は、電荷発生層上に電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構成を有する。そして、架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される。この感光体21としては、特許文献1に記載のものを用いることができる。
このような感光体21を用いることにより、クラックや膜剥がれが発生せず、且つ耐摩耗性、耐傷性が高く、合わせて良好な電気特性を有する、高耐久、高性能な感光体が得られる。そのため、この感光体21を用いることにより良好な画像を長期にわたって提供することができる。
【0028】
このような感光体21を備えた画像形成装置で、除電装置として除電ランプを用いて、画像形成を行ったところ、帯電後の画像部と非画像とで電位差が生じてしまい、この電位差がハーフトーンでは画像に出てしまい、ネガ残像となった。
これは以下の理由による。
すなわち、感光体21が、転写ニップN1を通過するときに、一次転写ローラ11に印加されるプラスの電圧によって帯電される。また、画像部は感光体21表面と中間転写ベルト1との間にトナー粒子が存在し、トナー粒子が抵抗層となるため、画像部は電流が長にくく帯電されにくい。一方、非画像部は、感光体21と中間転写ベルト1とが直接接触し、容易に電流が流れて帯電されやすい。これにより、転写ニップN1を通過した後の感光体21の表面では画像部と非画像とで電位差が生じる。また、感光体21は、多層構造であるため、その表面上で電荷の移動を妨げるようなトラップサイトが生じやすく、感光体21上で電位が均一に成りにくいため、帯電後も画像部だった箇所と非画像だった箇所とで電位差が生じてしまう(図5参照)。また、本実施形態の感光体21と同様の構成に限らず、使用している感光体或いは帯電部材の帯電能力が低い場合、帯電後も画像部だった箇所と非画像だった箇所とで電位差が生じてしまう。
ネガ残像が生じる感光体としては上述したものに限るものではなく、転写部の転写電圧によって帯電する感光体であれば、本発明は有用である。他の感光体としてはフタロシアニン系のCGL層を持つ感光体はネガ残像が発生する傾向にある。このようのな感光体としては特開2005−290365号公報に記載のものを挙げることができる。
【0029】
このように、感光体21が一次転写ローラ11に印加されるプラスの電圧によって帯電されることにより、生じる感光体21表面上の電位差は、本実施形態のように直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を除電ローラ41に印加することにより防止することができることが分かった(図6参照)。
しかし、除電ローラ41に直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加する除電装置40は、除電ランプを用いた除電装置に比べて消費電力が多いため、常に除電装置40を作動させていると、プリンタ100全体の消費電力の増大につながる。
【0030】
次に、本実施形態の特徴部について説明する。
図1は、本実施形態の感光体21表面上の潜像形成部Lpでの画像信号の有無に対する、転写電圧と除電電圧とのON/OFF切り替えのタイミングチャートである。
図1中の、Is,Ie,Vs,Ve,Rs及びReは、感光体21表面上の位置を示し、図1では感光体21表面上の各位置が転写ニップN1の入口、または除電ニップN2の入口に到達するタイミングを示している。
図1のタイミングチャートでは、潜像形成部Lpで画像形成が有となる潜像形成領域Aiの前端を潜像領域前端Is、潜像形成領域Aiの後端を潜像領域後端Ieで示す。
【0031】
転写電圧制御部112は、潜像形成部Lpで潜像が形成された感光体21表面上の潜像形成領域Aiの潜像領域前端Isが転写ニップNに到達する以前に一次転写ローラ11への転写電圧の印加を開始する。そして、潜像領域後端Ieが転写ニップNを通過した後に一次転写ローラ11への転写電圧の印加を停止するように転写電源111を制御する。
図1では、一次転写ローラ11への転写電圧の印加を開始するタイミングで転写ニップN1の入口に位置する感光体21表面上の位置を電圧印加時入口部Vsと示す。また、転写電圧の印加を停止するタイミングで転写ニップN1の入口に位置する感光体21表面上の位置を電圧停止時入口部Veと示す。さらに、転写電圧の印加を開始するタイミングで転写ニップN1の出口に位置する感光体21表面上の位置を電圧印加時出口部V1で示す。このとき、感光体21表面上で転写電圧の影響を受ける領域は電圧印加時出口部V1から電圧停止時入口部Veまでの間となり、転写電源111が一次転写ローラ11に転写電圧を印加している間に転写ニップN1を通過する感光体21表面上の転写電圧印加領域Avは、電圧印加時出口部V1から電圧停止時入口部Veまでの領域となる。
【0032】
電圧印加時入口部Vsが転写ニップN1の入口に到達してから潜像領域前端Isが転写ニップN1の入口に到達するまでの時間T1は、転写電圧の立ち上げ時間によって決定する。本実施形態のプリンタ100ではパワーパックの実力上100[ms]以上必要であった。そこで、プリンタ100では、転写電圧をONにしてから潜像領域前端Isが転写ニップN1の入口に到達するまでの時間T1が、100[ms]となるように制御する。
また、潜像領域後端Ieが転写ニップN1の入口に到達してから、電圧停止時入口部Veが転写ニップN1の入口に到達するまでの時間T2は、少なくとも潜像領域後端Ieが転写ニップN1の出口に到達するまでの時間を要する。本実施形態のプリンタ100では、一次転写ローラ径:φ13[mm]、中間転写ベルトの表面抵抗:1.0×10−11[Ω]であり、転写ニップN1で転写に寄与する感光体21表面の長さは3[mm]であった。すなわち、転写ニップN1の入口から出口までの長さは3[mm]である。また、感光体21の線速は182[mm/s]であった。この構成では、感光体21上のある点が転写ニップN1の入口に到達してから転写ニップN1の出口に到達するまで17[ms]かかる。よって、潜像領域後Ieが転写ニップN1の入口に到達してから転写電圧をOFFにするまでの時間T2は、17[ms]以上に設定する必要があるが、プリンタ100では17[ms]とする。
【0033】
このように、潜像形成領域Aiが転写ニップN1を通過している間は、所定の転写電圧が印加された状態となり、良好な一次転写を行うことができ、他のタイミングで転写電圧の印加を停止しても画像形成に問題は生じない。すなわち、転写ニップNを通過する感光体21表面上にトナー像がない場合は、転写電圧を印加する必要がないため、非画像部が転写ニップNを通過する間は、ネガ残像の原因となる転写電圧の印加を停止しても、画像品質上の問題は発生しない。
また、転写ニップN1の入口から転写ニップN1の出口までの時間は17[ms]であるため、電圧印加時出口部V1が転写ニップN1の入口に到達してから、電圧印加時入口部Vsが転写ニップNに到達するまでの時間tは、17[ms]である。
【0034】
除電電圧制御部43は、次のように除電電源42を制御する。すなわち、転写電源111が一次転写ローラ11に転写電圧を印加している間に転写ニップN1を通過した感光体21表面上の転写電圧印加領域Avの前端である電圧印加時出口部V1が除電ニップN2に到達する以前に除電ローラ41への除電電圧の印加を開始する。そして、転写電圧印加領域Avの後端である電圧停止時入口部Veが除電ニップN2を通過した後に除電ローラ41への除電電圧の印加を停止する。
【0035】
図1では、除電ローラ41への除電電圧を印加するときに、除電ニップN2の入口に位置する感光体21表面上の位置を除電開始時入口部Rsと示す。また、除電電圧の印加を停止するタイミングで除電ニップN2の入口に位置する感光体21表面上の位置を除電停止時入口部Reと示す。
除電開始時入口部Rsが除電ニップN2の入口に到達してから電圧印加時入口部Vsが除電ニップN2の入口に到達するまでの時間T3は、除電電圧の立ち上げ時間と転写電圧の立ち上げ時間との関係とによって決定する。プリンタ100では、パワーパックの実力上、転写電圧と同様に100[ms]必要であった。
【0036】
除電電圧の立ち上がり始めは除電ニップN2で感光体21表面を除電する能力は低いが、転写電圧の立ち上がり始めも転写ニップN1で感光体を帯電させる能力が低い弱い。そして、プリンタ100では、除電電圧の立ち上がり始めであっても、転写電圧の立ち上がり始めに転写ニップN1を通過した領域であれば、除電ニップN2を通過した感光体21表面に電位差は生じなかった。そこでプリンタ100では、転写電圧の立ち上がり始めに転写ニップN1を通過した領域の前端、すなわち、電圧印加時出口部V1が除電ニップN2の入口に到達したタイミングで除電電圧の印加を開始する。すなわち、感光体21表面上の除電開始時入口部Rsと電圧印加時出口部V1とは同じ位置となる。よって、除電開始時入口部Rsが除電ニップN2の入口に到達してから電圧印加時入口部Vsが除電ニップN2の入口に到達するまでの時間T3は、17[ms]となる。さらに、除電開始時入口部Rsが除電ニップN2の入口に到達してから潜像領域前端Isが除電ニップN2の入口に到達するまでの時間T5は、117[ms]となる。
これにより、感光体21表面上の転写電圧印加領域Avの前端が除電ニップN2に到達する以前に除電ローラ41への除電電圧の印加を開始することができる。
なお、転写電圧の立ち上げ時間に比べて、除電電圧の立ち上げ時間が遅れる構成の場合は、除電開始時入口部Rsが除電ニップN2の入口に到達してから電圧印加時入口部Vsが除電ニップN2の入口に到達するまでの時間T3を長く確保するように設定する。
【0037】
また、電圧停止時入口部Veが除電ニップN2の入口に到達してから、除電停止時入口部Reが除電ニップN2の入口に到達するまでの時間T4は、少なくとも電圧停止時入口部Veが除電ニップN2の出口に到達するまでの時間を要する。プリンタ100では、除電ローラ径:φ12[mm]であり、除電ニップN2で除電が成される感光体21表面の長さは2[mm]であった。すなわち、除電ニップN2の入口から出口までの長さは2[mm]である。また、感光体21の線速は182[mm/s]であるので、この構成では、感光体21上のある点が除電ニップN2の入口に到達してから除電ニップN2の出口に到達するまで11[ms]かかる。よって、電圧停止時入口部Veが除電ニップN2の入口に到達してから、除電電圧をOFFにするまでの時間T4は、11[ms]以上に設定する必要があるが、プリンタ100では、11[ms]とする。このとき、潜像領域後端Ieが除電ニップN2の入口に到達してから、除電電圧をOFFにするまでの時間T6は28[ms]となるように制御する。
これにより、感光体21表面上の転写電圧印加領域Avの後端が除電ニップN2の出口を通過した後に除電ローラ41への除電電圧の印加を停止することができる。
【0038】
このように、転写電圧印加領域Avが除電ニップN2を通過している間は、転写ニップN1で感光体21の表面がプラスに帯電しても除電できる状態となり、他のタイミングで除電電圧の印加を停止しても除電ニップN2を通過した感光体21表面にネガ残像が残ることを防止することができる。これにより、転写画像品質を維持することができる。また、転写電圧印加領域Avの後端である電圧停止時入口部Veが除電ニップN2を通過した後は除電電圧の印加を停止するため、常に除電電圧を印加するものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる。
また、直流電圧に交流電圧を重畳する除電電圧を印加する除電装置40では、除電電圧を印加している間にオゾンが発生することがある。プリンタ100では、除電電圧の印加を停止するタイミングを設けているため、常に除電電圧を印加するものに比べてオゾンの発生を抑制することができる。
なお、除電電圧の印加を停止する時間が長いほど、消費電力を抑制することができるため、可能な限り除電電圧の印加を停止することが望ましい。プリンタ100では、前の潜像形成領域Aiの潜像領域後端Ieがある位置を通過してから次の潜像形成領域Aiの潜像領域前端Isが、ある位置を通過するまでの時間が、145[ms](T5+T6)よりも長くなる場合は、転写電圧の印加を停止し、除電電圧の電圧を停止する制御を実行する。
【0039】
プリンタ100では、図3に示すように、除電装置40が備える除電部材は感光体21表面に接触するローラ部材である除電ローラ41である。直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加する除電部材で感光体21表面を帯電させるようにして、感光体21表面の除電を行う除電装置40で、除電部材としてローラ部材を用いることにより、非接触のチャージャを用いる構成に比べて、全体の構成をコンパクトに設計することができ、オゾン発生量を抑制することができる。
また、プリンタ100では、図3に示すように、クリーニング装置30に対して感光体21の表面移動方向下流側で帯電ニップN2が形成するように構成する。この構成により、転写残トナーの除去が成され感光体21表面を除電装置40で除電するため転写残トナーにより除電が妨げられることがなく、効率良く除電を行うことができる。
また、プリンタ100では、図3に示すように、帯電手段としてスコロトロン方式の帯電チャージャ17を用いている。本発明者らが、帯電手段としてスコロトロン方式の帯電チャージャ17を用いたところ、帯電前に感光体21表面にマイナス極性に帯電した箇所があり電位差が生じていても、均一に帯電できることが確認された。
【0040】
スコロトロン方式の帯電方法は帯電ローラ方式の帯電方法に比べて帯電能力が高い。これは、両帯電方式の構成が異なる為であり、スコロトロン方式はスコロトロン内でプラズマ(イオンや電子)を生成しグリッド電圧と感光体表面電位との差によって帯電をする為、プラズマ(イオンや電子)の生成量が十分あり帯電効率が良い。一方、帯電ローラ方式は帯電ローラ表面と感光体との電位差で放電を起こして帯電しており、帯電ニップ突入前の感光体表面電位に差が有る場合は帯電後にもその影響を起こしやすく(帯電能力が低い)なっている。その為、大きい電位差を持った時は、帯電ローラは均一帯電しにくくなる。
【0041】
〔変形例1〕
実施形態では、除電装置40の除電部材としてローラ部材を用いる構成について説明したが、除電部材としてはローラ部材に限るものではない。以下、変形例1として、除電部材として非接触のチャージャを用いた構成について説明する。
図4は、変形例1におけるプロセスカートリッジ101周辺の概略説明図である。図3を用いて説明した構成と比較して、除電部材が除電部材が除電チャージャ44である点でのみ異なり、他の点は上述した実施形態と共通する。すなわち、図1を用いて説明した実施形態1と同様のタイミングで転写電圧及び除電電圧を印加するように制御する。これにより、実施形態1と同様に、転写画像品質を維持しつつ、常に除電電圧を印加するものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる。
変形例1の除電チャージャ44は、グリッド部分に直流電圧に交流電圧も重畳することにより、感光体21表面上のプラス極性の電位も除電することができる。
【0042】
〔変形例2〕
次に、二つ目の変形例(以下、変形例2と呼ぶ)として、除電部材として感光体21に接触するブラシ部材を用いた構成について説明する。
図7は、変形例2におけるプロセスカートリッジ101周辺の概略説明図である。図3を用いて説明した構成と比較して、除電部材がブラシ部材としての除電ブラシ45である点でのみ異なり、他の点は上述した実施形態と共通する。すなわち、図1を用いて説明した実施形態1と同様のタイミングで転写電圧及び除電電圧を印加するように制御する。これにより、実施形態1と同様に、転写画像品質を維持しつつ、常に除電電圧を印加するものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる。
変形例2の除電ブラシ45は、回転軸に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより、感光体21表面上のプラス極性の電位も除電することができる。
このように、除電装置40に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加された除電ブラシ45を用いることにより、スコロトロン方式の除電チャージャを用いる構成に比べて全体の構成をよりコンパクトに設計することが可能とある。スコロトロン方式ではケースとワイヤー間でのリークを抑制するためにワイヤーに印加するバイアスに応じたギャップが必要となる。さらに、スコロトロン方式ではワイヤークリーニングの機構も必要となり、スコロトロンを採用することにより、全体としてある程度の大きさが必要になる。一方、スコロトロン方式の代わりに除電ブラシを用いたブラシ方式の除電部材とすることによって全体の構成をコンパクトに設計することが可能となる。
また、除電ブラシ45の抵抗を10×10〜10×1010[Ω]に設定することにより、除電ブラシ45を安定して帯電させることが出来る。
【0043】
〔変形例3〕
次に、三つ目の変形例(以下、変形例3と呼ぶ)として、除電部材として感光体21にトレーリング方向に接触するブレード部材を用いた構成について説明する。
図8は、変形例3におけるプロセスカートリッジ101周辺の概略説明図である。図3を用いて説明した構成と比較して、除電部材がブレード部材としての除電ブレード46である点でのみ異なり、他の点は上述した実施形態と共通する。すなわち、図1を用いて説明した実施形態1と同様のタイミングで転写電圧及び除電電圧を印加するように制御する。これにより、実施形態1と同様に、転写画像品質を維持しつつ、常に除電電圧を印加するものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる。
変形例3の除電ブレード46は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより、感光体21表面上のプラス極性の電位も除電することができる。
このように、除電装置40に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加された除電ブレード46を用いることにより、全体の構成をよりコンパクトに設計することが可能とある。また、除電ブレード46の抵抗を10×10〜10×1010[Ω]に設定することにより除電ブレード46を安定して帯電させることが出来る。
【0044】
〔変形例4〕
次に、四つ目の変形例(以下、変形例4と呼ぶ)として、除電部材として感光体21に接触する磁性粒子から形成される磁気ブラシを用いた構成について説明する。
図9は、変形例4におけるプロセスカートリッジ101周辺の概略説明図である。図3を用いて説明した構成と比較して、除電部材が磁気ブラシローラとしての除電磁気ブラシローラ47である点でのみ異なり、他の点は上述した実施形態と共通する。すなわち、図1を用いて説明した実施形態1と同様のタイミングで転写電圧及び除電電圧を印加するように制御する。これにより、実施形態1と同様に、転写画像品質を維持しつつ、常に除電電圧を印加するものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる。
除電磁気ブラシローラ47は、図7に示すように、導電性の電極スリーブ47aの内部に固定のマグネット部材47bを配置している。そして、マグネット部材47bの磁気拘束力によって磁性粒子47cを電極スリーブ47aの表面に保持し、磁気ブラシを形成している。除電磁気ブラシローラ47では、除電電源42からの電圧を電極スリーブ47aに印加することにより、その表面に保持される磁性粒子47cによって形成される磁気ブラシに除電電圧を印加することが出来る。また、磁性粒子47cと感光体21との接触幅を適正にするため、電極スリーブ47aと感光体21とのギャップは適正に設定されており、例えば、0.4[mm]程度のギャップ幅で使用すると良い。
変形例4の除電磁気ブラシローラ47は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより、感光体21表面上のプラス極性の電位も除電することができる。
このように、除電装置40に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加された除電磁気ブラシローラ47を用いることにより、全体の構成をよりコンパクトに設計することが可能とある。
なお、変形例4の現像装置10はトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式の現像装置である。変形例4では、電極スリーブ47aに磁気拘束力で保持されている磁性粒子47cは、感光体21との摺擦力及び遠心力が磁気拘束力に勝った場合に感光体21上に付着してしまう。感光体21上に付着した磁性粒子47cは主に感光体21に現像ローラ13が対向する現像領域で現像装置10回収される。このとき、現像に使用している磁性キャリアと磁性粒子47cとが異なる場合、部分的な現像能力の変動やキャリア付着による白抜けといった画像不良が発生する。そこで、除電磁気ブラシローラ47に使用する磁性粒子47cを現像装置10で使用する二成分現像剤に含まれる磁性キャリアと同一のものを使用する事で上述した画像不良の発生を防止することが出来る。
【0045】
変形例2、3及び4の除電部材は接触型の除電部材であり、放電を利用しない注入帯電方式であるため帯電効率が良い。このため、変形例2、3及び4のように、除電部材として接触型の除電部材を用いるものであれば、除電電圧として直流電圧のみを印加する構成であってもネガ残像の発生を抑制することが可能となる。
このように、接触型の除電部材であれば除電電圧として直流電圧を用いることが出来るが、直流電圧に交流電圧を重畳した除電電圧を用いることにより、その振動電界で繰り返し帯電を受ける状態となるため、より均一な帯電が可能となり、除電効率を向上させることが出来る。
【0046】
上述した実施形態、変形例1、2、3、及び4の何れの場合でも、ネガ残像はハーフトーン画像のときに発生する。これは、ハーフトーン画像を作像する場合、感光体21上に残っている前回画像の履歴から生じる微小の電位差でも濃度の差として見えやすくなる為である。よって、ハーフトーン画像を書き込む部分以外の感光体21上の領域が除電ニップN2を通過するタイミングでは除電装置40を作動させなくても画像上の不具合は発生しない。
【0047】
プリンタ100の潜像形成手段である光書込ユニット9は入力された画像情報に基づいて潜像担持体である感光体21上に潜像形成部Lpで静電潜像を形成するものである。除電電圧制御部43としては、光書込ユニット9に用いられる前の画像情報を識別する画像情報識別手段を備えていても良い。そして、除電部である除電ニップN2を通過する感光体21表面が、除電ニップ21を通過後に潜像形成部Lpを通過するときに形成される静電潜像の基となる画像情報がハーフトーン画像であることを画像情報識別手段が識別した場合のみに、除電ニップN2での除電動作を行うように制御する。すなわち、除電ニップN2を通過している感光体21の表面が感光体21の表面移動によって潜像形成部Lpに到達したときに形成される潜像がハーフトーン画像以外の場合は、除電装置40は除電ニップN2での除電動作を停止する。このように、ハーフトーン画像を書き込む部分が除電ニップN2を通過するタイミング以外では除電装置を作動させない事により、除電装置40の稼動時間をさらに短縮することが出来る。このため、除電装置40での消費電力を抑制することが出来、また、オゾンの発生量も抑制することが出来る。
【0048】
以上、本実施形態によれば、転写手段である転写装置110の転写電圧制御手段である転写電圧制御部112は、潜像形成部Lpで潜像が形成された潜像担持体である感光体21表面上の潜像形成領域Aiの前端である潜像領域前端Isが転写部である転写ニップN1の入口に到達する以前に転写部材である一次転写ローラ11への転写電圧の印加を開始し、潜像形成領域Aiの後端である潜像領域後端Ieが転写ニップN1の出口を通過した後に一次転写ローラ11への転写電圧の印加を停止するように転写電圧印加電源としての転写電源111を制御しているので、潜像形成領域Aiが転写ニップN1を通過している間は、転写電圧を印加するため、他のタイミングで転写電圧の印加を停止していても、感光体21上に形成されたトナー像は転写体である中間転写ベルト1に転写が成される。そして、除電手段である除電装置40は、転写電源111が一次転写ローラ11に転写電圧を印加している間に転写ニップN1を通過した感光体21表面上の転写電圧印加領域Avの前端である電圧印加時出口部V1が除電部である除電ニップN2に到達する以前に除電動作を開始し、転写電圧印加領域Avの後端である電圧停止時入口部Veが除電ニップN2を通過した後に除電動作を停止する。このため、他のタイミングで除電動作を停止しても転写ニップN1で感光体21がプラス極性に帯電したことに起因するネガ残像の発生を防止することができる。また、転写電圧印加領域Avの後端である電圧停止時入口部Veが除電ニップN2を通過した後は除電動作を停止するため、除電動作を停止するタイミングを設定することができる。これにより、ネガ残像の発生を防止することによって画像品質を維持することができ、除電動作を停止するタイミングがあるため、常に除電動作を行うものに比べて消費電力を抑制し、省エネルギー化を実現することができる。
また、帯電手段である帯電チャージャ17は感光体21表面をマイナス極性に帯電させ、現像手段である現像装置10が感光体21上の静電潜像に供給するトナーの所定の極性はマイナス極性であり、転写電源111は一次転写ローラ11にプラス極性の転写電圧を印加する構成で、感光体21表面のプラス極性の電位も除電できる除電装置40を備えることにより、感光体21表面上の帯電チャージャ17によるマイナス極性の電位のみでなく、転写ニップN1でプラス極性の転写電圧によるプラス極性の電位を除電可能となる。
また、感光体21として、電荷発生層上に電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構成をし、架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されるものを用いることにより、クラックや膜剥がれが発生せず、且つ耐摩耗性、耐傷性が高く、合わせて良好な電気特性を有する、高耐久、高性能な感光体21となり、良好な画像を長期にわたって提供することができる。
また、帯電手段として、スコロトロン方式の帯電チャージャ17を備える帯電装置を用いることにより、感光体21の表面をより均一に帯電することができた。
また、感光体21表面の転写残トナーを除去するクリーニング手段である感光体クリーニング装置30を転写ニップN1と帯電チャージャ17との間の感光体21表面と対向する位置に設け、除電ニップN2が、感光体クリーニング装置30と帯電チャージャ17との間の感光体21表面上となるように構成することにより、転写残トナーの除去が成され感光体21表面を除電装置40で除電するため転写残トナーにより除電が妨げられることがなく、効率良く除電を行うことができる。
また、除電装置40は、感光体21表面と対向する除電部材としての除電ローラ41と、除電ローラ41に対して直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加する除電電圧印加電源としての除電電源42と、除電電源42の除電ローラ41に対する除電電圧の印加を制御する除電電圧制御手段としての除電電圧制御部43とを備え、感光体21表面の除電ローラ41と対向する除電ニップN2が除電部であり、除電電圧制御部43は、除電動作を開始するときには除電ローラ41に除電電圧を印加し、除電動作を停止するときには除電ローラ41への除電電圧の印加を停止するように除電電源42を制御することにより、除電装置40による感光体21表面に対する除電動作を制御することができる。
また、除電部材としてローラ部材からなる除電ローラ41を用いることにより、非接触のチャージャを用いる構成に比べて、全体の構成をコンパクトに設計することができ、オゾン発生量を抑制することができる。
また、除電部材として、感光体21表面に対し、非接触で対向するスコロトロン部材からなる除電チャージャ44に直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加させる構成であっても、プラス極性に帯電した感光体21表面の除電を行うことができ、ネガ残像を防止することによって、画像品質を維持することができる。
また、感光体21と、現像装置10と、感光体クリーニング装置30と、帯電チャージャ17などを一体的に支持して形成し、画像形成装置であるプリンタ100に対して脱着可能なプロセスカートリッジ101とする。このようなプロセスカートリッジの形態をとることで、ユーザー交換が簡易的に行う事が可能になる。また、プロセスカートリッジを交換する事により劣化(感光体の磨耗,現像剤の劣化,クリーニングブレードの磨耗等による画像劣化)した画像が初期と同等の状態に戻す事が可能になる。
また、変形例2のように、除電部材として潜像担持体である感光体21表面に接触するブラシ部材である除電ブラシ45を用いることにより、全体の構成をよりコンパクトに設計することが可能とある。
また、変形例3のように、除電部材として潜像担持体である感光体21表面にトレーリング方向に接触するブレード部材である除電ブレード46を用いることにより、全体の構成をよりコンパクトに設計することが可能とある。
また、変形例4のように、除電部材として磁性粒子47cから形成される磁気ブラシを潜像担持体である感光体21表面に接触させる磁気ブラシローラである除電磁気ブラシローラ47を用いることにより、全体の構成をよりコンパクトに設計することが可能とある。
また、変形例4の現像手段である現像装置10はトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式の現像装置であり、磁気ブラシを形成する磁性粒子47cが二成分現像剤の磁性キャリアと同一のものであることにより、磁性粒子47cが現像装置10内に混入することで画像不良が発生することを防止できる。
また、変形例2のように、除電手段として、潜像担持体である感光体21表面と接触する除電部材である除電ブラシ45を用いることにより、放電を利用しない注入帯電方式であるため帯電効率が良いため、除電電源42が印加する除電電圧として直流電圧を用いることが出来る。
また、潜像形成手段である光書込ユニット9は入力された画像情報に基づいて潜像担持体である感光体21上に潜像形成部Lpで静電潜像を形成するものであり、光書込ユニット9に用いられる前の画像情報を識別する画像情報識別手段を除電電圧制御部43が備え、除電ニップN2を通過する感光体21表面が、除電ニップN2を通過後に潜像形成部Lpを通過するときに形成される静電潜像の基となる画像情報が、ハーフトーン画像であることを画像情報識別手段が識別した場合のみに、除電手段である除電装置40が除電ニップN2での除電動作を行う。すなわち、除電ニップN2を通過する感光体21表面がその後潜像形成部Lpを通過するときに形成される静電潜像の基となる画像上方がハーフトーン画像以外の場合は、除電装置40が除電ニップN2での除電動作を停止させる。このため、除電装置40の稼働時間短縮させることができ、除電装置40での消費電力を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】潜像形成部での画像信号の有無に対する、転写電圧と除電電圧とのON/OFF切り替えのタイミングチャート。
【図2】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】実施形態に係るプロセスカートリッジ周辺の概略説明図。
【図4】変形例1に係るプロセスカートリッジ周辺の概略説明図。
【図5】非画像部がプラス極性に帯電した潜像担持体表面上を除電ランプによって除電した場合の潜像担持体表面の電位の変化の説明図、(a)は転写後、(b)は除電後、(c)は帯電後。
【図6】非画像部がプラス極性に帯電した潜像担持体表面上を、除電チャージャを用いて除電した場合の潜像担持体表面の電位の変化の説明図、(a)は転写後、(b)は除電後、(c)は帯電後。
【図7】変形例2に係るプロセスカートリッジ周辺の概略説明図。
【図8】変形例3に係るプロセスカートリッジ周辺の概略説明図。
【図9】変形例4に係るプロセスカートリッジ周辺の概略説明図。
【符号の説明】
【0050】
1 中間転写ベルト
2 トナーボトル
3 排紙ローラ
4 定着装置
5 二次転写ローラ
6 レジストローラ
7 給紙コロ
8 給紙カセット
9 光書込ユニット
10 現像装置
11 一次転写ローラ
12 中間転写体クリーニング装置
17 帯電チャージャ
21 感光体
30 感光体クリーニング装置
33 クリーニングブレード
40 除電装置
41 除電ローラ
42 除電電源
43 除電電圧制御部
100 プリンタ
101 プロセスカートリッジ
110 転写装置
111 転写電源
112 転写電圧制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面移動する潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、
該帯電手段によって帯電された該潜像担持体表面上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
該潜像担持体表面上の該静電潜像に所定の極性のトナーを供給してトナー像とする現像手段と、
該潜像担持体表面上に形成された該トナー像を転写体に転写する転写手段と、
該潜像担持体表面上を除電部で除電し、該転写体に該トナー像を転写した後の該潜像担持体表面上のプラスの電位を除電可能な除電手段とを有し、
該転写手段は、該潜像担持体と該転写体を挟んで対向して転写部を形成する転写部材と、該潜像担持体表面上の該所定の極性のトナーを該転写部材に引き付ける転写電圧を該転写部材に印加する転写電圧印加電源と、該転写電圧印加電源の該転写部材に対する該転写電圧の印加を制御する転写電圧制御手段を備える画像形成装置において、
該転写電圧制御手段は、該潜像形成手段によって潜像が形成された該潜像担持体表面上の潜像形成領域の前端が該転写部に到達する以前に該転写部材への該転写電圧の印加を開始し、該潜像形成領域の後端が該転写部を通過した後に該転写部材への該転写電圧の印加を停止するように該転写電圧印加電源を制御し、
該除電手段は、該転写電圧印加電源が該転写部材に該転写電圧を印加している間に該転写部を通過した該潜像担持体表面上の転写電圧印加領域の前端が該除電部に到達する以前に除電動作を開始し、該転写電圧印加領域の後端が該除電部を通過した後に該除電動作を停止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記帯電手段は上記潜像担持体表面をマイナス極性に帯電させ、
上記現像手段が該潜像担持体表面上の上記静電潜像に供給する上記トナーの上記所定の極性はマイナス極性であり、
上記転写電圧印加電源は上記転写部材にプラス極性の転写電圧を印加することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
上記潜像担持体は、電荷発生層上に電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構成を有し、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記帯電手段は、スコロトロン方式の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記潜像担持体表面の転写残トナーを除去するクリーニング手段を上記転写部と上記帯電手段との間の該潜像担持体表面と対向する位置に有し、
上記除電部が、該クリーニング手段と該帯電手段との間の該潜像担持体表面となるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
上記除電手段は、上記潜像担持体表面と対向する除電部材と、該除電部材に対して直流電圧に交流電圧を重畳させた除電電圧を印加する除電電圧印加電源と、該除電電圧印加電源の該除電部材に対する除電電圧の印加を制御する除電電圧制御手段とを備え、上記除電部は該潜像担持体表面の該除電部材と対向する位置であり、
該除電電圧制御手段は、上記除電動作を開始するときには該除電部材に該除電電圧を印加し、該除電動作を停止するときには該除電部材への該除電電圧の印加を停止するように該除電電圧印加電源を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
上記除電部材が上記潜像担持体表面に接触または近接するローラ部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6の画像形成装置において、
上記除電部材が上記潜像担持体表面に対して非接触で対向するスコロトロン部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
上記除電手段は、上記潜像担持体表面と接触する除電部材と、該除電部材に対して直流電圧の除電電圧を印加する除電電圧印加電源と、該除電電圧印加電源の該除電部材に対する除電電圧の印加を制御する除電電圧制御手段とを備え、上記除電部は該潜像担持体表面の該除電部材と接触する位置であり、
該除電電圧制御手段は、上記除電動作を開始するときには該除電部材に該除電電圧を印加し、該除電動作を停止するときには該除電部材への該除電電圧の印加を停止するように該除電電圧印加電源を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項6または9の画像形成装置において、
上記除電部材が上記潜像担持体表面に接触するブラシ部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項6または9の画像形成装置において、
上記除電部材が上記潜像担持体表面にトレーリング方向に接触するブレード部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項6または9の画像形成装置において、
上記除電部材が磁性粒子から形成される磁気ブラシを上記潜像担持体表面に接触させる磁気ブラシローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12の画像形成装置において、
上記現像手段はトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式の現像手段であり、
上記磁気ブラシを形成する磁性粒子が該二成分現像剤の該磁性キャリアと同一のものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、
上記潜像形成手段は入力された画像情報に基づいて該潜像担持体上に潜像形成部で上記静電潜像を形成するものであり、
該潜像形成手段に用いられる前の該画像情報を識別する画像情報識別手段を備え、
上記除電部を通過する潜像担持体表面が、該除電部を通過後に該潜像形成部を通過するときに形成される該静電潜像の基となる該画像情報がハーフトーン画像であることを該画像情報識別手段が識別した場合のみに、上記除電手段が該除電部での除電動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
帯電手段、潜像形成手段、現像手段、または除電手段のうちの少なくとも一つと、潜像担持体とを一体的に支持して形成し、画像形成装置に脱着可能なプロセスカートリッジであって、
上記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14の画像形成装置に採用されることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−146013(P2008−146013A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151570(P2007−151570)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】