説明

画像形成装置および廃現像剤回収装置

【課題】 廃現像剤容器の交換について誤検知を防ぐことができる画像形成装置および廃現像剤回収装置を提供する。
【解決手段】 ニア満杯が検出されると、印刷可能枚数を設定し、カウントダウンを開始する。印刷可能枚数が0となっていれば、交換を促すメッセージを表示する。廃現像剤容器2の着脱が検出されると、監視枚数を設定し、カウントダウンを開始する。監視枚数が0となるまでにニア満杯が検出されたかどうかを判断し、ニア満杯が検出されると廃現像剤容器2が交換されていないと判断し、ニア満杯が検出されなければ交換されたものと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングによって廃現像剤を回収する画像形成装置および廃現像剤回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置は、モノクロからフルカラー化へのシフトが一般的になりつつあり、画像形成装置の開発が進むのに伴って、カラー画像形成装置が汎用化されるに至っている。カラー画像形成装置の中でも電子写真方式を用いる画像形成装置では、装置のコンパクト化およびカラー画像形成の高速化に対応するために、中間転写体を用いて、各色相に色分解された画像情報を複数の画像形成ユニット(プロセス印刷ユニットとも言う)に備わるそれぞれの静電潜像担持体(以後、感光体と呼ぶことがある)から、中間転写体上に積層することによって現像剤像を形成し(1次転写)、1次転写された現像剤像を、搬送される被転写媒体である記録用紙に一括転写(2次転写)することによって記録用紙上にカラー画像を形成するように構成される間接転写方式が多く提案されている。
【0003】
一般的に、画像形成における転写工程では、感光体から中間転写体へ1次転写するとき、感光体上で現像剤像を形成する現像剤のうち100%が中間転写体に転写される訳ではなく、感光体上に現像剤が少し残留することがよく知られており、感光体上の現像剤のうち中間転写体へと転写された現像剤の割合を示す転写効率は、概ね90%前後であるとされている。同様に中間転写体上の現像剤像を記録用紙に転写する2次転写工程においても上記と同様に残留現像剤が発生する。
【0004】
したがって、通常、画像形成装置には、1次、2次の各転写工程において感光体上および中間転写体上に残留する残留現像剤を回収するクリーニング装置が設けられるとともに、クリーニング装置でクリーニングされる残留現像剤を廃現像剤として回収する現像剤回収装置が設けられる。
【0005】
特許文献1記載の現像剤回収装置は、廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材のロック現象の発生を防止して満杯まで廃現像剤を確実に収容し、満杯に近い状態の予測を可能にする現像剤回収装置が開示されている。
【0006】
具体的には、廃現像剤容器2に回転自在に設けられる撹拌部材3の駆動手段5は、駆動源26と、駆動源26に連結されて撹拌部材3に回転駆動力を伝達する第1駆動力伝達経路27と第2駆動力伝達経路28とを有し、第1駆動力伝達経路27の回転負荷が予め定める値以上になるとき、伝達経路を第1駆動力伝達経路27から第2駆動力伝達経路28に切換える。
【0007】
【特許文献1】特開2006−337546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載の現像剤回収装置は、廃現像剤容器2内に回収された廃現像剤を攪拌する攪拌部材の回転負荷により、廃現像剤の満杯を検出するトルク検知方式を採用しており、重量検知式や、廃現像剤容器に透明な窓を設け窓の光透過により検知する光検知方式と比べて、コスト的に有利であったり、トナー飛散による窓の汚れで検知精度が低下することながなく信頼度においても優れたメリットがある半面、ユニットの抜き差しや、時間経過で回転負荷が変動してしまうという問題がある。
【0009】
そのため、廃現像剤容器が満杯に近い状態(ニアエンド状態)を検知した後、出力枚数が所定枚数カウントされると廃現像剤容器の交換を促すメッセージを表示している。攪拌部材の回転負荷のトルクにより廃トナーの満杯、及び交換の検出を行なっている場合、ニアエンド状態の判断に用いられる肝心のトルクが、廃現像剤容器の着脱だけで一時的に変動して回復してしまい、交換されていないにもかかわらず廃現像剤容器が交換されたと判断してしまう。
【0010】
このような誤った判断によりその後、直ぐにニアエンド状態を検出しても、再度、一からカウントをやり直してしまうため、カウントの途中で廃現像剤容器が満杯になってしまい容器から廃現像剤が溢れてしまうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、廃現像剤容器の交換について誤検知を防ぐことができる画像形成装置および廃現像剤回収装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、廃現像剤容器と、前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出する検出手段とを有する廃現像剤回収装置を備えた画像形成装置において、
前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の着脱が検出されると、着脱後の印刷枚数が予め定める監視枚数に達したかどうかを判断し、
予め定める監視枚数に達する前に前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されると、前記廃現像剤容器が交換されていないものと判断し、予め定める監視枚数に達するまでに前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されなければ、前記廃現像剤容器が交換されたものと判断する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また本発明は、前記検出手段は、前記廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材の回転負荷に基づいて前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の交換を促すメッセージを通知する通知手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、廃現像剤容器と、前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出する検出手段とを有する廃現像剤回収装置において、
前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の着脱が検出されると、着脱後の印刷枚数が予め定める監視枚数に達したかどうかを判断し、
予め定める監視枚数に達する前に前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されると、前記廃現像剤容器が交換されていないものと判断し、予め定める監視枚数に達するまでに前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されなければ、前記廃現像剤容器が交換されたものと判断する制御手段を備えることを特徴とする廃現像剤回収装置である。
【0016】
また本発明は、前記検出手段は、前記廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材の回転負荷に基づいて前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の交換を促すメッセージを通知する通知手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によれば、検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の着脱が検出されると、着脱後の印刷枚数が予め定める監視枚数に達したかどうかを判断する。
【0019】
予め定める監視枚数に達する前に前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されると、前記廃現像剤容器が交換されていないものと判断し、予め定める監視枚数に達するまでに前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されなければ、前記廃現像剤容器が交換されたものと判断する。
【0020】
これにより、廃現像剤容器が交換されずに単に着脱されたときには、監視枚数に達する前に検出されるので、廃現像剤容器の交換について誤検知を防ぐことができる。さらに誤検知を防ぐことで、廃現像剤容器から廃現像剤が溢れしてしまうことを防ぐことができる。
【0021】
また本発明の画像形成装置によれば、前記検出手段は、前記廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材の回転負荷に基づいて前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出するので、容易に検出を行うことができる。
【0022】
また本発明の画像形成装置によれば、前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の交換を促すメッセージを通知する。
【0023】
これにより、ユーザは、廃現像剤容器の交換時期を判断することができる。
また本発明の廃現像剤回収装置によれば、検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の着脱が検出されると、着脱後の印刷枚数が予め定める監視枚数に達したかどうかを判断する。
【0024】
予め定める監視枚数に達する前に前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されると、前記廃現像剤容器が交換されていないものと判断し、予め定める監視枚数に達するまでに前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されなければ、前記廃現像剤容器が交換されたものと判断する。
【0025】
これにより、廃現像剤容器が交換されずに単に着脱されたときには、監視枚数に達する前に検出されるので、廃現像剤容器の交換について誤検知を防ぐことができる。さらに誤検知を防ぐことで、廃現像剤容器から廃現像剤が溢れしてしまうことを防ぐことができる。
【0026】
また本発明の廃現像剤回収装置によれば、前記検出手段は、前記廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材の回転負荷に基づいて前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出するので、容易に検出を行うことができる。
【0027】
また本発明の廃現像剤回収装置によれば、前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の交換を促すメッセージを通知する。
これにより、ユーザは、廃現像剤容器の交換時期を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置50の構成を示す図である。
画像形成装置50は、大略、色分解された画像情報に応じた光で露光されることによって静電潜像が形成される感光体61と感光体61上の静電潜像を現像して現像剤像を形成する現像部64とを備える複数の画像形成ユニット51と、中間転写体52と、転写部53と、画像形成ユニット51と中間転写体52と転写部53とを含んで構成される印字処理手段41(印字処理部41と呼ぶこともある)と、感光体クリーニング装置65と、転写体クリーニング装置54と、本発明の現像剤回収装置1と、記録紙を供給する給紙部55と、定着部56と、排紙部57と、装置本体内で記録用紙を搬送する搬送系とを含んで構成される。
【0029】
中間転写体52には、画像形成ユニット51の感光体61上に形成される複数の現像剤像が積層して転写され、転写部53は、中間転写体52に転写された現像剤像を被転写媒体である記録紙に一括転写する。
【0030】
感光体クリーニング装置65は、感光体61から中間転写体52に転写されずに感光体61上に残る残留現像剤をクリーニングする。転写体クリーニング装置54は、中間転写体52から記録紙に転写されずに中間転写体52上に残る残留現像剤をクリーニングする。本発明の現像剤回収装置1は、感光体クリーニング装置65および転写体クリーニング装置54によってクリーニングされた現像剤(廃現像剤)を回収する。定着部56は、記録用紙上に転写された現像剤像を定着する。排紙部57には、現像剤像が定着された記録紙が排出される。
【0031】
この画像形成装置50は、たとえばデジタルカラープリンタであり、外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置からの印刷ジョブに基づいてフルカラー画像またはモノクロ画像を記録用紙上に形成するものである。画像形成装置50では、図1の紙面の奥側で操作者が装置の操作を行うように配置されている。したがって、操作者が画像形成装置50に向って操作する場合の左右方向と、図1に示す画像形成装置50の正面視の左右方向とは、逆になっている。
【0032】
以下、画像形成装置50の各部について説明する。
本実施形態の画像形成装置50は、フルカラー画像形成装置であり、画像情報を色分解して色毎に画像を形成する画像形成ユニット51は、ブラック(k)、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)の4つの色相に対応して設けられる。4つの画像形成ユニット51は、色相を異とするのみであり、その構成が同一であるので、ブラック(k)の画像形成ユニット51kで代表して構成を説明し、他の色相の画像形成ユニット51については説明を省略する。なお、本明細書では、各色毎に設けられる画像形成ユニット51、感光体クリーニング装置65等の構成について、個々については参照符号の後に色を表すアルファベットを付与し、総称する場合には参照符号のみで表す。
【0033】
図2は、画像形成ユニット51k部分の拡大図である。図1および図2を参照して画像形成ユニット51の構成を説明する。画像形成ユニット51kは、ドラム形状を有してその表面に静電潜像が形成される感光体61kと、矢符A方向に回転駆動する感光体61kの外周に沿い回転方向上流側から下流側に向って配置される帯電器62k、露光ユニット70から出射される光を感光体61kに照射する露光部63k、現像部64k、およびクリーニング手段である感光体クリーニング装置65kを含んで構成される。
【0034】
帯電器62kは、感光体61kの表面を一様に帯電させるものであり、本実施の形態ではローラ型帯電器が用いられ、感光体61kの外周面に接触するように配置される。なお、帯電器は、ローラ型帯電器に限定されるものではなく、たとえばブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器などが用いられても良い。
【0035】
露光部63kは、一様に帯電された感光体61kの表面を、黒色の色相の画像情報に応じた光で露光し、黒色の静電潜像を形成する。露光部63kは、他の色相に係る露光部63とともに、露光ユニット70の一部を成すものである。
【0036】
露光ユニット70は、画像形成に用いる画像情報に基づいて各色相毎に、各感光体61上にレーザ光を照射して静電潜像を生成させるものである。露光ユニット70は、レーザ照射部71を備えるレーザスキャニングユニット(略称LSU)72、ポリゴンミラー73、各色相毎にレーザ光を反射する第1および第2反射ミラー74,63を含んで構成される。各画像形成ユニット51における露光部63は、正確には露光ユニット70全体で表されるべきものであるけれども、感光体61の外周に対する配置を表す上で、便宜上第2反射ミラー63を露光部63として表記した。レーザ照射部71から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラー73によって色分解された後、第1反射ミラー74および第2反射ミラー63である露光部で反射して、各色相毎にそれぞれの感光体61上に照射される。なお、LSU72は、レーザ照射部71の代わりにEL(Electro Luminescence)、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子をアレイ状に並べた書込ヘッドを用いる構成であっても良い。
【0037】
現像部64kは、感光体61kの表面に形成された静電潜像に黒色の現像剤であるブラックトナーを供給して顕像化する。感光体クリーニング装置65kは、感光体61kの矢符Aで示す回転方向に関して帯電器62kよりも上流側に配置される。感光体クリーニング装置65kは、クリーニングブレード66kと、感光体廃現像剤搬送装置67kとを含む。クリーニングブレード66kは、感光体61kの外周面に当接配置され、中間転写体52に転写されずに残留する現像剤を感光体61kの表面から掻取る。感光体廃現像剤搬送装置67kは、クリーニングブレード66kが掻取った現像剤を現像剤回収装置1の廃現像剤回収口13まで搬送する。
【0038】
なお、感光体61上に供給されるのは、基本的に現像剤のうちトナーであることから、感光体61へ移行後の現像剤については、現像剤とトナーとを同じ意味に用いる。
【0039】
このように構成される画像形成ユニット51は、本実施形態では、後述する転写部53に含まれる転写ローラ91から最も遠い位置に黒色用の画像形成ユニット51kが配置され、転写ローラ91へ近づく方向にイエロー用の画像形成ユニット51y、マゼンタ用の画像形成ユニット51m、シアン用の画像形成ユニット51cの順に並設される。
【0040】
中間転写体52は、画像形成ユニット51の上方であって、感光体61に接するようにして配置される。中間転写体52は、転写ベルト81と、転写ベルト駆動ローラ82と、転写ベルト従動ローラ83と、転写ベルトテンション機構84と、中間転写ローラ85とを含んで構成される。なお、中間転写ローラ85は、各色相の画像形成ユニット51に対応して4つ(85k,85y,85m,85c)が設けられる。中間転写体52は、感光体61に形成された各色のトナー像を転写ベルト81に順次重ねて転写することによって、転写ベルト81上にフルカラーのトナー像を形成する。
【0041】
転写ベルト81は、厚さ75μm〜120μm程度のフィルムを用いて無端状に形成される。転写ベルト81の材質は、たとえばポリイミド、ポリカーボネートなどが好適に用いられる。また、転写ベルト81は、その外表面が感光体61の外周面と接触するように、転写ベルト駆動ローラ82と転写ベルト従動ローラ83とに張架され、転写ベルトテンション機構84によって張力を付与されながら、転写ベルト駆動ローラ82の回転駆動力によって副走査方向(図1中の矢符B方向)へ回転駆動するように構成される。
【0042】
転写ベルト駆動ローラ82は、画像形成装置50の筐体58の内部であって一方の端部寄りに配置され、張架される転写ベルト81を矢符B方向に回転駆動させるとともに、転写ベルト81と記録紙とを重ね合わせた状態で、転写部53の転写ローラ91とで挟み込んで圧接しながら記録紙を搬送することができるように設けられる。
【0043】
転写ベルト従動ローラ83は、筐体58の内部であって他方の端部寄りに配置され、転写ベルト駆動ローラ82とともに、転写ベルト81が張架される。
【0044】
各中間転写ローラ85は、転写ベルト81の内周面に接し、転写ベルト81を介して感光体61に当接するように設けられる。中間転写ローラ85は、直径8〜10mmの金属(たとえば、ステンレス鋼)製の軸を備え、その金属軸の外周面にエチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡ウレタン等の導電性を有する弾性材が被覆するようにして形成される。このように構成される中間転写ローラ85は、感光体61に形成されたトナー像を、中間転写体52の転写ベルト81に転写するために高電圧の転写バイアス、すなわちトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加され、弾性材によって転写ベルト81に対して均一に高電圧を印加するように構成される。各感光体61上で各色相に応じて顕像化されトナー像は、中間転写ローラ85によって転写ベルト81上に順次転写されて積層され、形成されるべき所望の画像となる。
【0045】
転写部53は、転写ローラ91を含む。転写ローラ91は、転写ベルト駆動ローラ82に対して略水平で平行に対向し、転写ベルト駆動ローラ82に巻きまわされる転写ベルト
81に対して所定のニップを有して圧接するように配設される。転写ローラ91は、転写ベルト81上に形成されたフルカラーのトナー像を記録用紙上に転写させるための電圧、すなわちトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加されるように構成される。また、転写ベルト81と転写ローラ91との間のニップを定常的に得るために、転写ベルト駆動ローラ82または転写ローラ91のいずれか一方を、金属等の硬質材料で構成し、他方を弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料で構成することが好ましい。転写ベルト駆動ローラ82と転写ローラ91との下方にはレジストローラ92が設けられ、レジストローラ92が、後述する給紙部55から供給される記録用紙の先端と転写ベルト81上のトナー像の先端とを同期させて転写ローラ91へ搬送する。転写ベルト81上に形成されたトナー像は、転写ローラ91に印加される高電圧によって、転写ベルト81と転写ローラ91とのニップを通過する記録用紙に転写される。
【0046】
また中間転写体52の他方の側、すなわち転写ベルト従動ローラ83が配置される側に、転写体クリーニング装置54である転写ベルトクリーニングユニット(以後、転写BCU54と呼ぶ)が設けられる。転写BCU54は、転写ベルト81に当接して設けられる転写体クリーニングブレード93と、転写体クリーニングブレード93が転写ベルト81から掻取った(廃)トナーを一旦収納するボックス状のトナー収納部94と、トナー収納部94内に設けられて収納された廃トナーを搬送する装置である転写体廃トナー搬送装置95とを含む。転写BCU54は、転写ベルト81の回転方向(矢符B方向)に関して画像形成ユニット51よりも上流側であり、かつ転写部53よりも下流側に配置され、また、転写体クリーニングブレード93が転写ベルト81の外表面に接触する部分は、その転写ベルト81の内側面が転写ベルト従動ローラ83によって支持される。
【0047】
前述のように、感光体61との接触により転写ベルト81に付着したトナーおよび/または転写部53において記録用紙上に転写しきれずに残留したトナーは、次工程におけるトナーの混色の発生を防止するために、転写BCU54によって除去・回収される。
転写部53においてトナー像が一括転写された記録用紙は、定着部56で定着処理される。定着部56は、転写部53の上方に設けられる。定着部56は、加熱ローラ105と、加圧ローラ106とにより構成される一対の定着ローラと、定着ローラの上方に配置される搬送ローラ107を備える。トナー像が転写された記録用紙は、定着ローラの下方から上方に向けて搬送される。定着部56におけるトナー像の記録用紙に対する定着は、加熱ローラ105の内部もしくは近接して設けられるヒータランプ等の不図示の加熱手段を温度検出器の検出値に基づいて制御することによって所定の定着温度に保つとともに、トナー像が転写された記録用紙を加熱ローラ105と加圧ローラ106とで挟み、回転搬送しながら加熱・加圧することによって行われる。
【0048】
定着部56の上方には排紙ローラ108が設けられ、搬送ローラ107で搬送された記録用紙を、排紙ローラ108によって排紙部57である排紙トレイ上に記録用紙を排出する。
【0049】
また、定着部56に隣接して、両面印刷用の両面原稿搬送路S3が設けられる。両面原稿搬送路S3は、定着部56の後方から下方に向かい給紙部55付近まで形成される。両面原稿搬送路S3は、搬送路上に並設される各一対の第1および第2搬送ローラ109,110によって、記録用紙を反転させた状態で、再び転写ローラ91に向かって搬送するように構成される。より詳細には、第1搬送ローラ109は定着部56の後方に配置され、第2搬送ローラ110は第1搬送ローラ109の下方に位置するとともに、レジストローラ92と略同水平位置に配置される。
【0050】
次に、転写部53へ記録用紙を供給する給紙部55について説明する。給紙部55は、画像形成ユニット51の下方に設けられる。給紙部55は、画像形成に使用する記録用紙を収容する手差トレイ111および給紙カセット112を備え、手差トレイ111または給紙カセット112から記録用紙を一枚ずつ転写部53に供給する。
【0051】
手差トレイ111は、画像形成装置50の筐体58の一側部に、使用時には外方に拡開され、未使用時には一側部に収納可能に設けられ、操作者が所望する種類の記録用紙を少数枚(必要とする枚数)だけ載置して画像形成装置50の筐体58内部に1枚ずつ取込むものである。手差トレイ111による記録用紙の給紙方向(図1中の矢符C方向)下流側であって、露光ユニット70の下方にピックアップローラ113が設けられ、給紙方向(C)のさらに下流側には第3〜第5搬送ローラ114,115,116が設けられる。
【0052】
ピックアップローラ113は、手差トレイ111から給紙される記録用紙の一端部の表面と接触し、ローラの摩擦抵抗によって一枚ずつ確実に搬送する。給紙方向の最下流側の第5搬送ローラ116は、第3および第4搬送ローラ114,115よりも上方に設けられ、このことによって記録用紙を上方に向かって搬送することができるように構成される。ピックアップローラ113および第3〜第5搬送ローラ114,115,116によって記録用紙搬送路S1が構成される。
【0053】
一方、給紙カセット112は、筐体58内の画像形成ユニット51および露光ユニット70の下方に設けられ、装置の仕様により規定されるサイズまたは操作者が予め定めるサイズの記録用紙を大量に収容することができる。給紙カセット112の一端部の上方には、もう一つのピックアップローラ117が設けられ、もう一つのピックアップローラ117の記録用紙搬送方向(図1中の矢符D方向)下流側であって、もう一つのピックアップローラ117の斜め上方には第6搬送ローラ118が設けられる。もう一つのピックアップローラ117は、給紙カセット112にセットされた記録用紙の最上部にある記録用紙の一端部の表面と接触して、ローラの摩擦抵抗で一枚ずつ確実に繰出して搬送する。第6搬送ローラ118は、もう一つのピックアップローラ117から繰り出された記録用紙を、筐体58内の一端部側に形成された記録用紙搬送路S2に沿って上方に向かって転写部53へ搬送する。
【0054】
以下、本実施形態の画像形成装置50による画像形成動作について簡単に説明する。
まず、帯電器62によって感光体61の外周面が所定の電位に均一に帯電される。帯電された感光体61に露光ユニット70から画像情報に応じたレーザ光を照射することによって、各感光体61に各色毎の静電潜像が生成される。次に、現像部64から感光体61の外周面に現像剤のトナーが供給され、感光体61の外周面に形成された静電潜像がトナーによって顕像化されトナー像が形成される。
【0055】
感光体61に形成される各色毎のトナー像は、中間転写体52の転写ベルト81上に中間転写ローラ85によって順次積層転写され、フルカラーのトナー像となる。転写ベルト81上に転写されたフルカラーのトナー像は、転写ベルト81が移動し、転写部53まで達したとき、給紙部55の手差トレイ111または給紙カセット112から供給される記録用紙に対して転写ローラ91で転写バイアスが印加されることによって、記録用紙上に一括転写される。
【0056】
トナー像が転写された記録用紙は、定着部56へ搬送され、定着部56においてトナー像が記録用紙に熱定着される。トナー像が定着された記録用紙は、片面印刷要求の場合、排紙ローラ108によって排紙部57上にフェイスダウンで排出される。
【0057】
一方、両面印刷要求の場合、排紙ローラ108によって記録用紙をチャックした後、排紙ローラ108を逆回転させて記録用紙を両面原稿搬送路S3へ導き、第1および第2搬送ローラ109,110によって再度レジストローラ92へ搬送する。このとき、記録用紙は、転写される面が反転するとともに搬送される前後方向が変わる。すなわち、最初の転写時にスタート側となる端部が裏面転写時にはエンド側となり、最初の転写時にエンド側となる端部が裏面転写時にはスタート側となる。この記録用紙の裏面にトナー像を転写し、熱定着させた後、排紙ローラ108によって排紙部57上に排出される。以上のようにして、一連の記録用紙への画像形成動作が行われる。
【0058】
この画像形成の過程において、感光体61表面の残留トナーおよび転写ベルト81表面の残留トナーが、感光体クリーニング装置65および転写体クリーニング装置(転写BCU)54によって、除去される。感光体61表面および転写ベルト81表面から除去され
た残留トナーは、感光体廃トナー搬送装置67および転写体廃トナー搬送装置95によって現像剤回収装置1まで搬送され、現像剤回収装置1の廃現像剤容器2内に回収される。
【0059】
このような一連の画像形成(印字)処理を行う本発明の画像形成装置50は、現像剤回収装置1の廃現像剤容器2に収容される廃現像剤量がニア満杯に達したことの検知結果に応じて、印字処理動作を制御できるように構成される。
【0060】
図3は、現像剤回収装置1の構成を示す断面図であり、図4は、廃現像剤容器2の外観を示す斜視図である。
【0061】
廃現像剤容器2は、たとえば硬質合成樹脂などから成り、直方体形状を有し、内部が中空に形成される。廃現像剤容器2の内部空間16には、左右幅方向に延びて、内部空間16に収容される廃現像剤を撹拌する撹拌部材3が設けられ、撹拌部材3は廃現像剤容器2に回転自在に支持される。図3,4に示す廃現像剤容器2は、廃現像剤を内部空間16に取り込むための取り込み口2aを1箇所設けており、感光体61表面および転写ベルト81表面から除去された残留トナーは、同じ取り込み口2aから回収される。この取り込み口2aは1箇所である必要はなく、複数設けられていてもよい。感光体61表面から除去された残留トナーと、転写ベルト81表面から除去された残留トナーを別々の取り込み口から回収するようにしてもよいし、感光体61ごとに別々の取り込み口から回収するようにしてもよい。
【0062】
撹拌部材3は、駆動手段5によって回転駆動力を与えられて、その軸線まわりに回転する。撹拌部材3は、回転することによって、廃現像剤通路14k,14y,14m,14c,14eを通って廃現像剤容器2へと回収される廃現像剤を撹拌し、廃現像剤容器2に収容される廃現像剤の収容高さを均一にする。このことによって、撹拌部材3は、廃現像剤の収容高さが局所的に回収限界値を超えることがないようにして、廃現像剤容器2の設計収容量分を確実に収容可能にしている。
【0063】
駆動手段5は、駆動源26で発生する回転駆動力を受ける歯車6と、歯車6の一方面に設けられ、歯車6と同軸に回転する2重回転ギヤ7と、2重回転ギヤ7の歯車6とは反対側に突出し、撹拌部材3に連結した駆動用カム4に係合する係合突起8とを備える。
【0064】
2重回転ギヤ7は、同軸上に2つの回転ギヤが重なるように設けられ、これら2つのギヤ7a、7bは、回転軸方向に離接可能に構成される。また、ギヤ7aおよび7bは、その接合面が、一方のギヤ7bは凸上に形成され、他方のギヤ7aは、ギヤ7bの凸形状に嵌合するように凹状に形成される。
【0065】
駆動源26の回転駆動力は、歯車6、2重回転ギヤ7および係合突起8を通じて駆動用カム4に伝達され、駆動用カム4が回転することで撹拌部材3が回転する。
【0066】
このとき撹拌部材3の回転負荷が増加すると、係合突起8が設けられたギヤ7aの回転負荷が増加し、予め定める負荷を越えるとギヤ7aとギヤ7bとの間で滑りが発生する。この滑りと、ギヤ7aとギヤ7bの嵌合形状とで2重回転ギヤ7の2つのギヤ7aおよび7bが軸方向に離反する。
【0067】
係合突起8が設けられたギヤ7aの位置は変わらないので、ギヤ7bが回転軸に沿って動くことになる。ギヤ7bの移動は歯車6を同じ軸方向に移動させる。
【0068】
歯車6の移動は、メカニカルスイッチ9を設けて検出することができる。撹拌部材の回転負荷の増加により歯車6が移動するとメカニカルスイッチ9がONになり、歯車6の移動、すなわち撹拌部材3の回転負荷が予め定める負荷を越えたことが検出される。
【0069】
撹拌部材3の回転負荷は、廃現像剤容器2に収容される廃現像剤の量に相関する。廃現像剤量が増加すれば撹拌部材の回転負荷も増加する。したがって、検出したい廃現像剤の量を決めると、そのときの負荷に応じて2重回転ギヤ7に滑りが発生するように駆動手段5を調整すればよい。
【0070】
検出したい廃現像剤の量は、特に限定されることなく、装置の設計思想として任意に定めることができる。本実施の形態における一例を示すと、撹拌部材3の軸線に垂直な方向の寸法の2/3までが廃現像剤に埋もれる量に設定する。ここでは、廃現像剤容器2に収容される廃現像剤の量が、撹拌部材3の軸線に垂直な方向の寸法の2/3高さまで達した状態を、満杯ではないけれども満杯に近く収容されているので、ニア(near)満杯と呼ぶことにする。
【0071】
メカニカルスイッチ9がONになった時点で、ニア満杯であるので、ニア満杯が検出されてから予め定められる枚数の出力を行ったときに満杯になるものとして、廃現像剤容器2の交換を促すメッセージなどを表示する。
【0072】
廃現像剤容器2を一旦取り外したのち、空の容器に交換するか、容器内を空にして再度取り付けを行うのが本来の手順であるが、一旦取り外したのち交換せずに、容器内の廃現像剤量が変わらないまま再度取り付けを行った場合、取り外し、取り付け動作により廃現像剤容器2内で廃現像剤が移動し、廃現像剤量は変わっていないにもかかわらず、撹拌部材3の回転負荷が取り外し前よりも小さくなることがある。
【0073】
このとき、メカニカルスイッチ9がOFFとなるので、廃現像剤容器2が交換されたものと判断する。しかしながら、実際には廃現像剤量は変わっていないにもかかわらず廃現像剤は、廃現像剤容器2に回収され続けるので、溢れることになる。
【0074】
なお、このような問題は、撹拌部材3の回転負荷による検出のみならず、他の検出手段を用いた場合にも発生しうる。
【0075】
たとえば、発光素子と受光素子からなる光検知手段を用いた場合、発光素子と受光素子との間の光路を、廃現像剤が遮ると、その高さまで廃現像剤が溜まったことが検出される。この光検出手段の設置高さを、ニア満杯の検出高さに設定しておけば、回転負荷と同様にニア満杯を検出できる。
【0076】
一旦取り外したのち交換せずに、容器内の廃現像剤量が変わらないまま再度取り付けを行った場合、取り外し、取り付け動作により廃現像剤容器2内で廃現像剤が移動し、廃現像剤面に傾きが生じ、廃現像剤量は変わっていないにもかかわらず、受光素子により、発光素子から光を受光できることがある。このとき、廃現像剤容器2が交換されたものと判断されるが、実際には廃現像剤量は変わっていないので、廃現像剤容器2に回収された廃現像剤が溢れることになる。
【0077】
図5は、現像剤回収装置1に設けられる制御部36の制御動作に係る電気的構成を示すブロック図である。現像剤回収装置1には、さらに情報を表示することができる表示部37と、表示部37に対して情報表示の動作指令を出力する制御部36とが含まれる。
【0078】
制御部36は、中央演算処理装置(CPU)などの処理回路によって実現され、記憶部であるメモリ38が併設される。なお、現像剤回収装置1が図1に示すような画像形成装置50に搭載されるとき、画像形成装置50の制御部が現像剤回収装置1の制御部36として用いられてもよい。本実施形態では、メモリ38には予め、廃現像剤容器の交換を促す旨の情報がストアされている。表示部37は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)などで実現される。
【0079】
制御部36は、撹拌部材3の回転負荷が増大し、メカニカルスイッチ9をonにした出力、すなわちニア満杯の検知出力に応じて、メモリ38に予めストアされる廃現像剤容器2の交換指示情報を読出し、表示部37に廃現像剤容器の時期を通知するメッセージを表示させる。
【0080】
その後、出力枚数のカウントを開始し、予め定める枚数に達した時点で表示部37に廃現像剤容器の交換を促すメッセージを表示させる。
【0081】
このように、廃現像剤容器2がニア満杯になった時点において、交換時期を知らせるとともにその後所定枚数出力した時点で交換を促すメッセージが表示部37に明示されることによって、現像剤回収装置1が画像形成装置に搭載されるとき、操作者は、画像形成に支障のない任意のタイミングを選択して廃現像剤容器2を交換することができる。
【0082】
図6は、本発明の画像形成装置50に設けられる制御部36の制御動作に係る構成を示すブロック図である。画像形成装置50の制御部36は、画像形成に係る全体動作を制御するけれども、図6では、以下に説明する本発明の制御の特徴に係る部分のみを示す。
【0083】
画像形成装置50は、装置の画像形成に係る全体動作を制御する制御部36を備え、制御部36としては前述の現像剤回収装置1の制御部36が画像形成装置50と共用される。より正確には、現像剤回収装置1が、画像形成装置50における画像形成の全体動作の一環として画像形成装置50の制御部36によって動作制御される。また表示部37についても、画像形成装置50の操作部に設けられる表示部37が、現像剤回収装置1の表示部37として共用される。したがって、制御部36には、現像剤回収装置1の制御系について説明したように、入力側にメカニカルスイッチ9が接続され、出力側に表示部37が接続される。
【0084】
制御部36には、入力側に印字処理部41によって印字処理された記録紙の枚数を検出する印字処理枚数検出手段42が接続される。また制御部36の出力側には、プロセス制御部43、給紙部55、排紙部57などが接続される。プロセス制御部43は、給紙部55から供給される記録紙に印字処理(画像形成)するとともに印字処理に伴って発生する廃現像剤のクリーニング等を実行する各部を統括的に動作制御する処理回路であり、このプロセス制御部43に、さらに印字処理部41、クリーニング部(感光体クリーニング装置および転写体クリーニング装置)65,54等が接続されて動作制御される。クリーニング部54,65には、廃トナー搬送装置67,95、廃現像剤容器2に設けられる撹拌部材3などが接続されて動作制御される。
【0085】
制御部36の入力側と出力側とには、画像形成を可能にするその他の各部が接続されるけれども、煩瑣を避けるために図示を省略する。
【0086】
印字処理枚数検出手段42は、たとえば印字処理部41で印字処理された記録紙を検出することができる部分に設けられて、印字処理されて搬送される記録紙をたとえば光学的に検出して通過枚数をカウントする計数器などで実現される。なお、印字処理枚数検出手段42は、上記の方式に限定されるものではなく、画像形成装置50の操作部から印字条件として入力される印字枚数データをカウントする方式であってもよく、また外部装置であるパーソナルコンピュータなどから印字指令として入力される印字枚数データをカウントする方式であってもよく、さらにこれらを複合して利用する方式であってもよい。
【0087】
図7は、廃現像剤容器2の交換判断処理を示すフローチャートである。
攪拌部材3の回転負荷の増大をメカニカルスイッチ9によりニア満杯を検出したのち、残りの印刷可能枚数(例100〜200枚程度)を設定し、印刷可能枚数のカウントの終了後、交換促進のメッセージを表示する。しかし、上記のように回転負荷が廃現像剤容器2の着脱だけで一時的に減少してしまう場合があるため、交換されたものと判断し、カウントの値をクリアしてしまうと、その後、直ぐに再度ニア満杯を検出したとしても、カウント値はすでにクリアされているため、カウントの途中で廃現像剤容器2が満杯になってしまい廃現像剤が溢れてしまう。
【0088】
ステップS1では、ニア満杯が検出されると、ステップS2で交換時期についてユーザに通知する。たとえば、廃現像剤容器2が満杯になるまでの出力可能枚数が100枚であることを通知する。
【0089】
ステップS3では、印刷可能枚数を設定し、印字処理枚数検出手段42によるカウント値をもとにカウントダウンを開始する。ステップS4では、印刷可能枚数が0となったかどうかを判断し、0となってなければステップS7で印刷を継続してステップS4に戻る。0となっていれば、ステップS5に進んで、交換を促すメッセージを表示する。
【0090】
ステップS6では、印刷動作を停止して、廃現像剤容器2の廃現像剤が溢れないようにする。ステップS8では、廃現像剤容器2の着脱を検出する。
【0091】
このとき、ステップS9では、監視枚数(たとえば1000枚)を設定し、印字処理枚数検出手段42によるカウント値をもとにカウントダウンを開始する。
【0092】
ステップS10では、監視枚数が0となるまでにニア満杯が検出されたかどうかを判断し、ニア満杯が検出されるとステップS11に進み、ニア満杯が検出されなければステップS12に進む。
【0093】
監視枚数が0となるまでにニア満杯が検出された場合は、廃現像剤容器2が交換されなかったものと判断する。ニア満杯が検出されなかった場合は、廃現像剤容器2が交換されたものと判断する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の一形態である画像形成装置50の構成を示す図である。
【図2】画像形成ユニット51k部分の拡大図である。
【図3】現像剤回収装置1の構成を示す断面図である。
【図4】廃現像剤容器2の外観を示す斜視図である。
【図5】現像剤回収装置1に設けられる制御部36の制御動作に係る電気的構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の画像形成装置50に設けられる制御部36の制御動作に係る構成を示すブロック図である。
【図7】廃現像剤容器2の交換判断処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1 現像剤回収装置
2 廃現像剤容器
3 撹拌部材
4 駆動用カム
5 駆動手段
6 歯車
7 2重回転ギヤ
8 係合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃現像剤容器と、前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出する検出手段とを有する廃現像剤回収装置を備えた画像形成装置において、
前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の着脱が検出されると、着脱後の印刷枚数が予め定める監視枚数に達したかどうかを判断し、
予め定める監視枚数に達する前に前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されると、前記廃現像剤容器が交換されていないものと判断し、予め定める監視枚数に達するまでに前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されなければ、前記廃現像剤容器が交換されたものと判断する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材の回転負荷に基づいて前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の交換を促すメッセージを通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
廃現像剤容器と、前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出する検出手段とを有する廃現像剤回収装置において、
前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の着脱が検出されると、着脱後の印刷枚数が予め定める監視枚数に達したかどうかを判断し、
予め定める監視枚数に達する前に前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されると、前記廃現像剤容器が交換されていないものと判断し、予め定める監視枚数に達するまでに前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出されなければ、前記廃現像剤容器が交換されたものと判断する制御手段を備えることを特徴とする廃現像剤回収装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記廃現像剤容器内の廃現像剤を撹拌する撹拌部材の回転負荷に基づいて前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことを検出することを特徴とする請求項4記載の廃現像剤回収装置。
【請求項6】
前記検出手段によって前記廃現像剤容器に所定量の廃現像剤が溜まったことが検出された後、前記廃現像剤容器の交換を促すメッセージを通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の廃現像剤回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−265281(P2009−265281A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113247(P2008−113247)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】