説明

画像形成装置および画像形成システム

【課題】ネットワークに接続された複数の画像形成装置において、ユーザの所望する出力項目を備えた画像形成装置を簡便かつ容易に検索することが可能な複合機を提供する。
【解決手段】出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段と、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する検索手段と、上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付ける新出力条件受付手段とを備えることを特徴とする複合機100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成システムに関し、詳しくは、ネットワークに接続された複数の画像形成装置において、ユーザの所望する出力項目を備えた画像形成装置を簡便かつ容易に検索することが可能な画像形成装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術の発達に伴い、ネットワークを介して接続されたサーバと複数の画像形成装置との連携による画像形成方法の技術改良が盛んに行われている。ネットワークを利用する画像形成方法の技術改良が促進されると、接続された複数の画像形成装置の能力を効率よく発揮することができる可能性があり、画像形成装置に対して重要な問題である省電力化、省スペース化、環境負荷低減等を解決できる可能性がある。
【0003】
ネットワークを介して接続される画像処理装置又は画像入出力装置へ画像データに関する処理を行う従来技術として、例えば、ネットワークを介して情報出力装置に接続可能な画像処理装置において、ネットワーク上の全ての機器で出力した際には出力画像品質を損なわないようにすることができる画像処理装置を提供することを目的とし、画像処理の補正データを、ネットワークを介して取得し、出力に最適な画像補正を行ってデータをネットワークに接続された装置に出力するようにしている。
【0004】
しかしながら、ネットワークを介して画像入出力装置に接続可能な画像処理装置または画像入力装置では、当該ネットワーク上の任意の機器で出力する際に、出力装置の機器毎によってそれぞれ機能が異なっていたり、独特の特徴を備えていることから、ユーザの操作および画像の処理等が異なってしまうという問題があった。
【0005】
上記問題を解決するために、特開平3−216373号公報(特許文献1)には、複数のワークステーションを持つローカルエリアネットワークのリモートプリンタとして使用されるページプリンタを改良した技術が開示されている。当該ページプリンタは、各ワークステーション用の各種プリントモードを記憶するモード記憶手段と、サーバを介していずれかのワークステーションからデータを受信した時に、そのデータ中の識別情報によってどのワークステーションからのデータかを判別するワークステーション判別手段と、該手段によって判別したワークステーション用プリントモードを前記モード記憶手段から読み出して設定するプリントモード自動設定手段とを設けている。
【0006】
当該構成により、いずれかのワークステーションからデータを受信した時に、プリントアウトに先立って送信元のワークステーションに応じたプリンタモードを自動設定するので、ワークステーションからプリンタへデータを送信する度にそのプリントモードの確認やモード設定作業を行なう必要がなくなるとしている。
【0007】
また、特開2007−230244号公報(特許文献2)には、ネットワークを介して接続される装置及び内部処理手段とのリクエスト及びレスポンスを制御するWebサーバ手段と、ユーザによる入力によって上記リクエストを発行し、上記Webサーバ手段から受信した上記レスポンスを表示ユニットに表示させるWebブラウザ手段とを備える画像形成装置が開示されている。当該画像形成装置では、さらに、上記Webサーバ手段からの上記リクエストを所定メッセージ交換プロトコルに従って上記装置へ送信し、該装置からの該リクエストに対する上記レスポンスを所定メッセージ交換プロトコルに従って受信するWebサービスクライアント手段を有している。
【0008】
当該構成により、ユーザがネットワーク上のいずれの画像形成装置から操作する場合でも、画像形成装置がユーザインターフェイスを統一することができ、入力処理、画像処理及び出力処理を行わせるための各ユーザインターフェイスと各処理で実行可能な機能を示すオプション情報とをネットワークを介して他の画像処理装置へ提供することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−216373号公報
【特許文献2】特開2007−230244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ワークステーションからデータを受信した時に、送信元のワークステーションに応じたプリンタモードを自動設定するものの、接続されたプリンタの能力を十分に発揮させる機能はないため、ユーザに対する利便性という点では不十分であるという問題がある。
【0011】
また、特許文献2に記載の技術では、複数の画像形成装置のユーザインターフェイスを統一することが出来るからといって、そのままユーザに対する利便性が著しく向上するとは限らない。例えば、統一されたユーザインターフェイスを利用して所定の画像形成装置のオプション情報をユーザが閲覧できたとしても、当該閲覧が、ユーザの所望する出力条件に直接結びつく訳ではない。そのため、ネットワークに接続された複数の画像形成装置のうち、ユーザが入力した出力条件に最適な画像形成装置を選択するためには、ユーザが複数の画像形成装置のオプション情報を全て確認する必要があり、非常に手間が掛かる。従って、ユーザインターフェイスが統一されたからといって、ユーザが円滑に画像形成装置に出力指示を与えることができるようになる訳ではなく、ユーザが予め使い慣れている画像形成装置に出力処理の指示が集中するという問題がある。
【0012】
特に、ネットワーク上に接続された画像形成装置の数が増加すればするほど、各画像形成装置のオプション情報は膨大となるため、複数の画像形成装置の能力を十分に活用できないという問題は顕著となる。
【0013】
また、特許文献1または特許文献2に記載の技術の前提は、ユーザが認識している画像形成装置のオプション情報等に基づいてユーザが出力指示を所定の画像形成装置に与える構成となっており、出力指示を要求される画像形成装置の選択の幅がユーザの知識に大きく依存しているという問題がある。
【0014】
言い換えると、接続された複数の画像形成装置のうち、ユーザが意図する出力条件を満たす画像形成装置をユーザが予め熟知していなければ、ユーザが適切に出力指示を与えることができないという問題がある。そのため、ユーザが出力処理を希望する画像形成装置の能力と同等の能力を有する他の画像形成装置があり、他の画像形成装置で出力処理を実行する方が適切である場合等では、ユーザが他の画像形成装置を知らないと、他の画像形成装置が適切に活用されない。従って、出力処理の遅延を起こす可能性もあり、作業効率の観点、ユーザに対する利便性の観点から好ましくない。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ネットワークに接続された複数の画像形成装置において、ユーザの所望する出力項目を備えた画像形成装置を簡便かつ容易に検索することが可能な画像形成装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置の出力を示す出力項目の内容を記憶する複数の画像形成装置とネットワークを介して接続されていることを前提とする。更に、当該画像形成装置は、当該画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置の出力項目の内容とを関連付けて記憶するサーバと通信可能に接続された画像形成装置を前提とする。
【0017】
画像形成装置の出力を示す出力項目とは、当該画像形成装置が実行する出力処理に対応する。例えば、コピーサービスに関する出力処理であれば、所定の用紙サイズの種類のうち、画像形成処理を施すシートの用紙サイズを示す「用紙サイズ」、シートに対し片面のみに画像形成処理を施すか、シートの両面に画像形成処理を施すかを示す「両面印刷」、シートに対し画像形成させる画像をモノクロ(白黒またはグレースケール)にするか、カラーにするかを示す「モノクロ/カラー」、画像形成されたシートにステープルを施すか否かを示す「ステープル」、画像形成されたシートにパンチを施すか否かを示す「パンチ」、画像形成されたシートを小冊子として製本するか否かを示す「製本処理」等が該当する。出力項目の名称等はユーザにより適宜設計変更される。
【0018】
なお、出力項目は、他のサービス、例えば、読み取った画像データを所定の送信先へ送信する処理または所定の送信先から受信する処理に該当するファクシミリ送受信サービス、読み取った画像データをシートに画像形成する処理に該当するプリントサービス、原稿の画像を画像データとして読み取る処理に該当するスキャンサービス、読み取った画像データを所定のメモリに蓄積する処理に該当するメモリサービス等に応じて適宜決定される。
【0019】
画像形成装置の出力を示す出力項目の内容とは、出力項目のうち、具体的な指示内容または処理内容に対応する。例えば、コピーサービスに対応する「用紙サイズ」であれば、「A3(普通紙)」、「A4(普通紙)」、「A5(普通紙)」、「B3(普通紙)」、「B4(普通紙)」、「B5(普通紙)」等が該当する。また、「両面印刷」であれば、「両面」(または両面印刷モード)、「片面」(または片面印刷モード)等が該当する。また、「モノクロ/カラー」であれば、「モノクロ」(またはモノクロモード)、「カラー」(またはカラーモード)等が該当する。また、「ステープル」であれば、「ステープルなし」、シートの左上に1点ステープルを施す「ステープル1点左上」等が該当する。また、「パンチ」であれば、「パンチなし」、シートの左端に2点パンチを施す「パンチ2点左端」等が該当する。また、「製本処理」であれば、「小冊子なし」、シートを小冊子として製本する「製本小冊子」等が該当する。「用紙の向き」であれば、横向きに載置された原稿の画像データを読み取る「横向き」、縦向きに載置された原稿の画像データを読み取る「縦向き」等が該当する。「シートの向き」であれば、画像形成されたシートを横向きに排出する「シート横向き」、画像形成されたシートを縦向きに排出する「縦向き」等が該当する。
【0020】
なお、出力項目と、その内容は、ネットワークに接続された複数の画像形成装置の全てに対して共通する情報である。
【0021】
また、ネットワークに接続された複数の画像形成装置は、出力処理をすることが可能な装置であればよく、例えば、複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ等が該当する。
【0022】
画像形成装置の識別情報は、ネットワーク上の複数の画像形成装置のうち、所定の画像形成装置を一意に特定可能な識別情報であればよく、例えば、文字、記号、番号からなる情報、IPアドレス等であっても構わない。
【0023】
当該画像形成装置は、サーバと通信可能に接続されていればどのような態様でも構わない。例えば、有線通信でも無線通信でも構わない。
【0024】
当該画像形成装置において、出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段を備える。また、当該画像形成装置は、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する検索手段を備える。また、当該画像形成装置は、上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付ける新出力条件受付手段を備える。
【0025】
検索項目は、出力項目と同等であっても構わないし、検索項目であることがユーザに認識可能となるような文字、記号、番号等を出力項目に付したものを検索項目としても構わない。
【0026】
出力項目の内容に重複しない出力項目の内容は、ユーザが検索項目として選択した出力項目と、複数の画像形成装置に記憶された出力項目とは同等であるが、それぞれの出力項目の内容は相互に同等でないことに対応する。例えば、ユーザが選択した出力項目が「モノクロ/カラー」で、その内容が「モノクロ」であり、所定の画像形成装置に記憶された出力項目が「モノクロ/カラー」で、その内容が「モノクロ」及び「カラー」であれば、出力項目の内容に重複しない出力項目の内容は、所定の画像形成装置に記憶された出力項目「モノクロ/カラー」の「カラー」となる。
【0027】
出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を特定する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、ユーザが選択した出力項目と、複数の画像形成装置に記憶された出力項目とを比較して一致するか否かを判定し、一致する出力項目を特定する。更に、ユーザが選択した出力項目の内容と、特定した出力項目の内容とを比較し、ユーザが選択した出力項目の内容と一致しない特定した出力項目の内容を取得する方法が挙げられる。なお、一致するか否かは、出力項目の種類に応じて、一部一致するか否か、包含するか否かに適宜設計変更される。
【0028】
さらに、当該画像形成装置は、上記新出力項目受付手段が新出力条件を受け付けると、新出力条件における新出力項目の内容を記憶する画像形成装置に、新出力条件に基づいて出力処理を実行させるように指示する出力指示手段を備えるよう構成しても構わない。
【0029】
新出力条件における新出力項目の内容を記憶する画像形成装置に、新出力条件に基づいて出力処理を実行させるように指示する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、読み取った画像データと、新出力条件とを、当該新出力項目の内容を記憶する画像形成装置に送信して出力処理を実行させる方法が挙げられる。画像データは容量が大きくなる場合もあるため、例えば、画像データをサーバの記憶手段に一次記憶させて、出力条件を送信した送信先の画像形成装置が、一次記憶された画像データを取得して出力処理を実行するよう構成しても構わない。
【0030】
さらに、当該画像形成装置は、検索項目と、検索に関する優先順位を示す優先度とを関連付けて記憶する優先度記憶手段を備える。また、当該画像形成装置は、上記検索項目受付手段がユーザから複数の検索項目を受け付けると、上記検索手段が、受け付けた検索項目と、上記優先度記憶手段のデータとに基づいて、優先順位の高い検索項目を決定し、決定した検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索するよう構成することができる。
【0031】
また、複数の画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置の出力を示す出力項目の内容とを関連付けて記憶するサーバと、複数の画像形成装置とをネットワークを介して接続した画像形成システムに上述した各手段を採用することもできる。
【0032】
すなわち、当該画像形成システムにおいて、上記画像形成装置は、出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段を備える。また、当該画像形成システムにおいて、 上記サーバは、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、当該検索項目を受け付けた画像形成装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を検索する検索手段を備える。さらに、当該画像形成システムにおいて、上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示させ、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付けさせる新出力条件受付手段を備える。
【発明の効果】
【0033】
本発明の画像形成装置によれば、出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段と、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する検索手段と、上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付ける新出力条件受付手段とを備えるよう構成している。
【0034】
これにより、画像形成装置に出力処理を実行させる前に、ユーザが検索項目を選択すると、当該検索項目の内容以外の内容を記憶した画像形成装置を検索させ、表示させることが可能となる。また、ユーザが、検索された画像形成装置の出力項目の内容を自由に選択して新出力条件として入力することが可能となる。そのため、ユーザは、検索項目を入力した画像形成装置以外の画像形成装置の出力項目の内容を容易に認識することが可能となる。また、ユーザが操作している画像形成装置の出力項目の内容以外の内容を表示するため、ユーザは、自己の知らない画像形成装置の出力項目の内容を容易に把握することが可能となり、ユーザに対して出力項目の内容の選択幅を拡大させることが可能となる。その結果、ユーザによる他の画像形成装置の検索の手間を解消させるとともに、ユーザへの利便性を向上させ、ネットワークに接続された画像形成装置の能力を十分に発揮させることが可能となる。
【0035】
さらに、上記新出力項目受付手段が新出力条件を受け付けると、新出力条件における新出力項目の内容を記憶する画像形成装置に、新出力条件に基づいて出力処理を実行させるように指示する出力指示手段を備えるよう構成することができる。
【0036】
これにより、ユーザは、自己の操作している画像形成装置が出力処理を実行することが出来ない出力条件でも、ネットワークに接続された他の画像形成装置に当該出力条件に基づいて出力処理を実行させることが可能となる。そのため、ユーザは、今まで知らなかった出力項目の内容をその場で認識して設定し、他の画像形成装置に今まで知らなかった出力項目の内容で出力処理を実行させることが可能となる。その結果、他の画像形成装置への検索に要する時間を削除し、ユーザに対して他の画像形成装置の機能を十分に活用させる機会を与えることが可能となり、ユーザへの利便性を向上させ、ネットワークに接続された画像形成装置の能力を十分に発揮させることが可能となる。
【0037】
さらに、検索項目と、検索に関する優先順位を示す優先度とを関連付けて記憶する優先度記憶手段を備え、上記検索項目受付手段がユーザから複数の検索項目を受け付けると、上記検索手段が、受け付けた検索項目と、上記優先度記憶手段のデータとに基づいて、優先順位の高い検索項目を決定し、決定した検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索するよう構成することができる。
【0038】
これにより、ユーザが複数の検索項目を入力して、複数の画像形成装置が検索対象となる場合であっても、優先順位の高い検索項目に対応した出力項目を有する画像形成装置に検索対象を絞って検索することが可能となるとともに、検索対象が繁雑とならずに、簡便かつ容易に他の画像形成装置を検索することが可能となる。その結果、ユーザが他の画像形成装置を検索する手間を解消させるとともに、ネットワークに接続された画像形成装置の能力を十分に発揮させることが可能となる。
【0039】
なお、複数の画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置の出力を示す出力項目の内容とを関連付けて記憶するサーバと、複数の画像形成装置とをネットワークを介して接続した画像形成システムにおいて、当該画像形成システムが、上記各手段を備えても、同一の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】複合機に備えられた操作部の外観の一例を示す図である。
【図3】複合機における制御系ハードウェアの概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複合機および画像形成システムの機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る出力項目テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された初期設定画面と検索画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るネットワーク情報テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された新出力条件受付画面と優先度テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0042】
<画像形成装置>
以下に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
【0043】
図1は、折り装置と製本装置とが接続された画像形成装置の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えばコピーサービスを利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0044】
まず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピーサービスの設定を操作部102から入力する。操作部102のタッチパネルを触れると、コピーサービスを提供する複合機100は省電力状態(待機時の電力を抑えた状態)から通常の状態(機能を即時に提供可能な状態)へ移行し、操作部102から入力可能な状態となる。この操作部102には、複合機100が提供するコピーサービスに関連する複数の出力項目(例えば、「用紙サイズ」等)と、その内容(例えば、「A3」、「A4」等)とが画面に表示されており、ユーザの選択によって出力項目の内容の選択・入力、すなわち、コピーサービスに関する出力条件(設定条件)の入力が行なわれる。
【0045】
出力条件の入力が終了後、ユーザは操作部102に設けられたスタートキーを押下して、複合機100にコピーサービスの処理を開始させる。
【0046】
複合機100がコピーサービスの処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、上記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は上記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、上記原稿に対応する画像データが生成される。
【0047】
なお、上記画像データは、複合機100に接続された通信ケーブル109を介して、ネットワーク110から出力(画像形成)の指示とともに送信されても構わない。ネットワーク110から画像データが送信される場合は、画像読取部103の処理は省略される。
【0048】
さて、上記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部111である。上記画像形成部111には感光体ドラム112が備えられている。上記感光体ドラム112は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器113、露光ユニット114、現像器115、転写器116、クリーニングユニット117などが配置されている。
【0049】
上記帯電器113は、上記感光体ドラム112の表面を一様に帯電させる。上記露光ユニット114は、帯電された上記感光体ドラム112の表面に、上記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。上記現像器115は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、上記転写器116により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。上記クリーニングユニット117は、上記感光体ドラム112の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、上記感光体ドラム112が回転することにより実行される。
【0050】
上記シートは、上記複合機100に備えられた複数の給紙カセット118から搬送される。搬送される時は、上記シートはピックアップローラ119により何れか1つの上記給紙カセット118から搬送路へ引き出される。上記各給紙カセット118には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、上記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0051】
搬送路に引き出された上記シートは、搬送ローラ120やレジストローラ121により感光体ドラム112と転写器116の間に送り込まれる。送り込まれると、上記シートは上記転写器116により上記トナー像が転写され、定着装置122に搬送される。尚、搬送ローラ120に搬送されるシートは、複合機100に備えられた手差しトレイ123から搬送される場合もある。
【0052】
上記トナー像が転写されたシートが上記定着装置122に備えられた加熱ローラ124と加圧ローラ125の間を通過すると、上記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。上記加熱ローラ124の熱量は紙種に応じて最適に設定され、上記定着が適切に行われる。上記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置122を経て折り装置126へ搬送される。
【0053】
上記搬送されたシートは、ユーザが入力した出力条件の設定に従って、折り装置126で折り処理が施される。折り処理が入力されていない場合は、上記シートは折り装置126を通過するのみである。また、ユーザが後処理(例えば、ステープル、パンチ、製本等)を出力条件に設定した場合、通過したシートは製本装置127に搬送されて後処理を施され、排紙トレイ128に積載、収容される。
【0054】
尚、上記折り装置126、製本装置127は複合機100から取り外し可能であるため、折り装置126、製本装置127が取り外された場合、定着装置122にて可視像が定着されたシートは、印刷物として複合機100の側面に設けられた排紙トレイ128に積載され、収容されることになる。
【0055】
上記手順により、複合機100はコピーサービスをユーザに提供する。なお、他のサービスについては、上述した画像読取部103、画像形成部111等が駆動して提供することになる。本発明の複合機100は、ネットワーク110から送信された画像データを画像形成するプリントサービス、原稿の画像を読み取るスキャンサービス、ネットワーク110に画像データを送受信するファクシミリ送受信サービス、一度読み取った画像データを保存するメモリサービスを提供しても構わない。
【0056】
また、上述した折り装置126、製本装置127が複合機100に接続されることにより、複合機100は所定の後処理サービスを備えても構わない。後処理として、出力されたシートの束を小冊子(例えば、糊付けされた小冊子)にする製本の出力処理(例えば、製本小冊子)、シートの束の所定の箇所にステープルを施して綴じるステープルの出力処理(例えば、ステープル1点左上)、シートの束の所定の箇所に穴を開けるパンチの出力処理(例えば、パンチ2点左端)等が挙げられるがこれらに限られるものではない。
【0057】
また、所定の反転搬送路と反転ローラとを新たに複合機100に設けることにより、両面印刷の出力処理を備えても構わない。両面印刷の出力処理とは、コピーの出力対象となるシートの両面に出力を行う処理である。具体的には、両面印刷が可能な複合機100では、搬送されたシートの表裏が反転するための反転搬送路と反転ローラとが上述した搬送路に備えられる。反転ローラが、最初に可視像が定着されたシート面(表面)の表裏を反転するために、反転搬送路にシートを搬送し、搬送されたシート面の表裏が反転し、反転したシートが、再度感光体ドラム112と転写器116との間に送り込まれる。これにより、シート面の表裏が反転することとなる。尚、感光体ドラム112には、シートが送り込まれる際に、裏面に対応するトナー像が形成されていることになる。詳細は割愛する。
【0058】
また、フルカラーに対応する現像器と中間転写ベルトとを新たに複合機100に設けることにより、モノクロモード/カラーモード(出力項目「モノクロ/カラー」に対応する、モノクロ/カラーの出力処理ともいう)を備えても構わない。具体的には、フルカラー画像に対応した複合機100は、フルカラーに対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニットを有する現像器が備えられる。その現像器が、新たに設けられた中間転写ベルトへの転写を上記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト上にフルカラー画像が形成され、そのフルカラー画像が、上述したトナー像としてシートに転写されることになる。詳細は割愛する。
【0059】
その他の出力処理として、Xin1の出力処理、余白設定の出力処理、複数枚印刷の出力処理、スタンプの出力処理、ページ番号付与の出力処理等が挙げられる。Xin1の出力処理とは、紙の片面に複数ページ(Xページ)分の出力を行う処理であり、余白設定の出力処理とは、ユーザにより予め設定または入力された余白をシートに確保して、画像形成の出力を行う処理である。さらに、複数枚印刷の出力処理とは、同一の出力を複数枚の紙に対して行う処理であり、スタンプの出力処理とは、例えば紙全体に原稿の出力とは独立した「機密」といった情報を出力する処理であり、ページ番号付与の出力処理とは、出力する紙に順次ページ番号に相当する番号を印刷する処理である。その他、コピーサービスには様々な出力処理があるが、本発明と直接には関係しないため省略する。なお、複数の出力処理の組み合わせにより提供される出力処理、すなわち複合出力処理も複合機100は提供可能である。
【0060】
図2は、複合機100に備えられた操作部101の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部102を用いて、上述のようなコピーサービスの提供(または、出力処理)についての出力条件等を入力する。出力条件の入力等が行なわれる際に、上記操作部102に備えられたタッチパネル201、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0061】
上記タッチパネル201には、上述した出力条件を入力する機能と、入力された出力条件等を表示する機能とが兼ね備えられている。すなわち、タッチパネル201上に表示された画面内の出力項目の内容等を押下することによって、出力項目の内容等に関連付けられた出力条件(設定条件)の入力が行われる。また、入力された出力項目の内容等は、その背景色を白色からグレー色へ変更してタッチパネル201上に表示されるため、ユーザによって随時視認可能である。
【0062】
タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下方に設けられたセンサーが接触先を検知する。そのため、タッチペン202の接触により、出力項目の内容やキーボード画面のキー等の選択・入力が可能である。
【0063】
さらに、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。なお、上記テンキー204は、部数や倍率を設定する際に具体的な数字の入力に用いられる。
【0064】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、複合機における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0065】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、通信インターフェイス306を内部バス307によって接続している。
【0066】
上記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM302、上記HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ305、通信インターフェイス306とデータや指示を授受し、上記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、上記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、上記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。上記ROM302や上記HDD304には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0067】
さらに、通信インターフェイス306は、通信ケーブル109から形成されるネットワーク110と接続されている。ネットワーク110は、例えば、他の通信ケーブルを介して、後処理装置が接続された複合機308、後処理装置が接続されていない複合機309、プリンタ310、パーソナルコンピュータ(PC)311と接続されているため、上記CPU301は、通信インターフェイス306を介してネットワーク110に接続された複合機308等とデータの授受を行う。
【0068】
なお、上述した複合機308等を接続しているネットワーク110は、例えば、同一構内に複数設置された複合機から構成されるネットワークや、複数の階層を有する同一建物(オフィスビル、オフィスタワー等)において、それぞれの階層に設置された複数の複合機から構成されるネットワークが該当する。
【0069】
また、ネットワーク110に接続されたPC311は、当該ネットワーク110を管理するサーバとして機能する。PCには、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD等が備えられており、ネットワーク110に接続された複合機308の所定の記憶手段(ROM等)を参照したり、所定の情報を記憶手段に記憶させたりする。
【0070】
ネットワーク110に接続された複合機100、後処理装置が接続された複合機308、後処理装置が接続されていない複合機309、プリンタ310等に備えられた記憶手段(ROM等)には、ネットワーク110に接続されている画像形成装置に共通した情報である出力項目の内容が記憶されている。
【0071】
<本発明の実施形態>
次に図4乃至図5を参照しながら、本発明の複合機100が、ユーザの所望する出力項目を備えた画像形成装置を簡便かつ容易に検索することが可能な手順について説明する。図4は、本発明の複合機100の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0072】
まず、ユーザがコピーサービスを複合機100に実行させるために、原稿Pを原稿台101に載置し、操作部102のタッチパネル201のうち、いずれかの箇所を押下すると、受付手段401が、複合機記憶手段402に記憶されているコピーサービスに対応する出力項目テーブルから、出力項目と、その内容とを取得する。
【0073】
出力項目テーブル600には、図6に示すように、複合機100のコピーサービスの出力を示す出力項目601と、その内容602とが関連付けられて記憶されている。出力項目601には、複合機100が出力処理可能な複数の出力処理のうち、一の出力処理に対して一の出力項目が割り当てられる。例えば、上記出力項目テーブル600の出力項目601には、「用紙サイズ」、「両面印刷」、「モノクロ/カラー」、「ステープル」、「パンチ」、「製本処理」等が記憶される。
【0074】
また、出力項目の内容602には、当該出力項目601に対応する複数の具体的な指示内容または具体的な処理内容のうち、一の指示内容または処理内容に対して一の内容が割り当てられる。例えば、上記出力項目テーブル600に記憶された内容602のうち、「用紙サイズ」には、「A3(普通紙)」、「A4(普通紙)」、「B3(普通紙)」、「B4(普通紙)」が記憶され、「両面印刷」には、「両面」、「片面」が記憶され、「モノクロ/カラー」には、「モノクロ」が記憶され、「ステープル」には、「ステープルなし」が記憶され、「パンチ」には、「パンチなし」が記憶され、「製本処理」には、「小冊子なし」が記憶される。
【0075】
受付手段401が、コピーサービスに関する出力項目601と、出力項目601の内容602とを取得すると、取得した出力項目601と、当該出力項目の内容602とを表示したコピーサービスの初期設定画面をタッチパネル201上に表示させる(図5:S101、図7A)。尚、表示された出力項目601の内容は、ユーザに選択可能に表示される。
【0076】
コピーサービスの初期設定画面700には、図7Aに示すように、コピーサービスに関する出力項目701と、当該出力項目の内容702と、ネットワークに接続された複数の画像形成装置のうち、特定の画像形成装置を検索するためのボタンである「検索」703とが選択可能に表示される。出力項目の内容702は、「A3(普通紙)」、「A4(普通紙)」、「B3(普通紙)」、「B4(普通紙)」、「両面」、「片面」、「モノクロ」、「ステープルなし」、「パンチなし」、「小冊子なし」が表示される。
【0077】
ユーザは、表示された出力項目の内容を押下・選択し、複数の選択項目の内容を組み合せることによって、自己の希望する出力条件(設定条件)を複合機100に設定することになる。
【0078】
なお、コピーサービスの初期設定画面700に表示される出力項目の内容702は、必ずしも出力項目テーブル600に記憶された内容のみが表示される訳ではない。例えば、画像の印字濃度を調整するための出力項目の内容(所定の範囲内で印字濃度を増加させる「→」、所定の範囲内で印字濃度を減少させる「←」等)、原稿に対して画像の出力倍率を示す出力項目の内容(「自動倍率」、「100%」、「拡大/縮小」等)も選択可能に表示される。本発明の実施形態では、直接的に関係しないため、当該出力項目の内容を出力項目テーブルに記憶させていないが、画像形成装置の品種、性能、備えられた部材のスペック等を考慮してユーザ(製造者、管理者等)が適宜設計し追加削除して記憶するよう構成しても構わない。
【0079】
さて、ユーザは、自己の希望する出力条件を入力する前、言い換えると、出力処理が開始される前に、コピーサービスの初期設定画面700に表示された「検索」703を押下すると、受付手段401が当該「検索」703を受け付ける(図5:S102)。
【0080】
受付手段401が「検索」703を受け付けると、検索項目受付手段403に、出力項目701を検索項目としてユーザに選択可能に表示させる旨の命令Aを送信する。当該命令Aを受信した検索項目受付手段403は、複合機記憶手段401に記憶されたコピーサービスに関する出力項目テーブル600から出力項目601を取得し、コピーサービスの初期設定画面700に代えて、当該出力項目601を表示した検索画面をタッチパネル201上に表示させる(図5:S103、図7B)。
【0081】
検索画面704には、図7Bに示すように、検索項目の選択を促すメッセージ705「検索項目を選択してください。」と、検索対象の説明を示すメッセージ706「ネットワークに接続された複数の画像形成装置のうち、この複合機に備えられた出力項目の内容(出力処理)以外の出力項目の内容(出力処理)を有する画像形成装置が検索されます。」と、検索項目707(601)(「用紙サイズ」、「両面印刷」、「モノクロ/カラー」、「ステープル」、「パンチ」、「製本処理」等)と、検索指示を実行するためのボタンである「検索開始」ボタン708と、「キャンセル」ボタン709とが表示される。なお、表示された検索項目は、複数、押下・選択することが可能である。
【0082】
ユーザは、上記検索画面704を見ながら、例えば、検索項目「モノクロ/カラー」710を選択・押下すると、検索項目受付手段403が、押下・選択された検索項目「モノクロ/カラー」の背景色をグレー色に変更する。
【0083】
ここで、ユーザが、検索項目「モノクロ/カラー」710のみを押下・選択した状態で、「検索開始」ボタン708を押下すると、検索項目受付手段403が当該検索項目「モノクロ/カラー」708を受け付ける(図5:S104)。言い換えると、検索項目受付手段403が一の検索項目を受け付けた場合に該当する。
【0084】
検索項目受付手段403が一の検索項目「モノクロ/カラー」710を受け付けると、検索手段404に、検索する旨の命令Bを送信する。
【0085】
当該命令Bを受信した検索手段404は、上記検索項目受付手段403が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する(図5:S105)。
【0086】
当該検索する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の検索方法が挙げられる。検索手段404が、受け付けた検索項目と、出力項目テーブル600のデータとを参照して、出力項目テーブル600に記憶された検索項目の内容を取得する。
【0087】
本実施形態では、図6に示すように、検索手段404が、検索項目「モノクロ/カラー」603(710)の内容である「モノクロ」604を取得することになる。
【0088】
検索手段404が、検索項目の内容を取得すると、通信手段405を介して、サーバ311のサーバ記憶手段406に記憶されたネットワーク情報テーブルを参照する。さらに、検索手段404が、上記検索項目受付手段403が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置(複合機記憶手段401)が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を検索する。なお、上記通信手段405は、ネットワーク110に接続された装置(複数の画像形成装置またはサーバ)を一意に特定し、特定した装置と複合機100とを通信可能とする。また、上記検索項目は、上述したように、受付手段401により複合機記憶手段402のコピーサービスに対応する出力項目テーブルから取得された出力項目であるから、複合機が記憶する出力項目に対応する。
【0089】
ネットワーク情報テーブル800には、図8に示すように、ネットワーク110に接続された画像形成装置の識別情報801と、その画像形成装置に記憶された出力項目及び当該出力項目の内容802とが関連付けて記憶されている。図8の画像形成装置の識別情報801には、理解を容易にするために、例えば、画像形成装置の名称が記憶されている。複合機100の名称は、「複合機A」と表示し、その欄の出力項目とその内容には、複合機記憶手段402が記憶している出力項目及び当該出力項目の内容803を示している。
【0090】
図8に示すように、検索手段404が、最初に、ネットワーク情報テーブル800に記憶された画像形成装置の識別情報801のうち、一の識別情報804(例えば、「複合機B」)を選定する。次に、検索手段404が、選定した識別情報804に関連付けられた出力項目805を一出力項目毎に参照し、参照した出力項目と、先ほど検索項目受付手段403から受け付けた検索項目(「モノクロ/カラー」603)とを比較して、両者が一致するか否かを判定し、一致すれば、その出力項目を取得する。
【0091】
本実施形態では、図8に示すように、検索手段404が、一の識別情報「複合機B」804において検索項目と一致する出力項目である「モノクロ/カラー」806を取得することになる。
【0092】
一方、判定の結果、検索項目と一致する出力項目がなければ、検索手段404は、選定した識別情報804は取得対象(検索対象)でないと判定し、ネットワーク情報テーブル800の識別情報801のうち、新たな識別情報を選定する。検索手段404は、上述したように、新たに選定した識別情報に関連付けられた出力項目を一出力項目毎に参照し、参照した出力項目と検索項目とを比較して、両者が一致するか否かを判定し、一致すれば、その出力項目を取得することになる。
【0093】
さて、判定の結果、検索項目と一致する出力項目があれば、検索手段404は、一の識別情報「複合機B」804において一致する出力項目の内容807(「モノクロ」、「カラー」)を取得して、検索項目の内容(「モノクロ」604)と比較し、両者が一致するか否かを判定し、一致しなければ、出力項目の内容を取得する。
【0094】
本実施形態では、図8に示すように、検索手段404が、一の識別情報「複合機B」804において一致する出力項目の内容807(「モノクロ」、「カラー」)のうち、検索項目の内容(「モノクロ」604)と一致しない出力項目の内容である「カラー」808を取得することになる。
【0095】
一方、判定の結果、検索項目の内容と一致する出力項目の内容のみ存在すれば、検索手段404は、選定した識別情報804は取得対象(検索対象)でないと判定し、ネットワーク情報テーブル800の識別情報801のうち、新たな識別情報を選定する。検索手段404は、上述したように、新たに選定した識別情報に関連付けられた出力項目を一出力項目毎に参照し、参照した出力項目と検索項目とを比較して、両者が一致するか否かの判定を繰り返すことになる。
【0096】
上述した検索方法を、ネットワーク情報テーブル800に記憶された識別情報の全てについて実行する。当該検索方法により、検索手段404は、検索項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を検索することが可能となる。
【0097】
本実施形態では、検索手段404が、画像形成装置の識別情報(「複合機B」、「複合機C」、「プリンタA」)と、その識別情報に関連付けられた、検索項目の内容に重複しない出力項目の内容(「カラー」等)とを取得することになる。
【0098】
当該検索が完了すると、検索手段403は、取得した画像形成装置の識別情報と、その識別情報に関連付けられた、検索項目の内容に重複しない出力項目の内容と(以下、検索情報とする)を新出力条件受付手段407に送信する。新出力条件受付手段407が、検索情報を受信すると、その検索情報を用いて検索画面から新出力条件受付画面に切り替えて表示する(図5:S106、図9C)。
【0099】
新出力条件受付画面900には、図9Cに示すように、検索した出力項目の選択を促すメッセージ901「検索結果の出力項目を表示します。出力条件を入力して下さい。」と、ユーザが選択した検索項目「モノクロ/カラー」902(603)と、上述した検索情報のうち、画像形成装置の識別情報に対応する画像形成装置の名称903(「複合機B(1階)」、「複合機C(2階)」、「プリンタA(1階)」)と、当該識別情報に関連付けられた出力項目の内容904(「カラー」等)と、出力指示を実行するためのボタンである「出力開始」ボタン905と、「キャンセル」ボタン906とが表示される。
【0100】
なお、画像形成装置の名称713には、例えば、画像形成装置の名称とともに、その画像形成装置が設置されている場所の情報も表示させても構わない。また、検索項目「モノクロ/カラー」を受け付けた画像形成装置の名称(「複合機A(1階)」)と、その画像形成装置に記憶された出力項目の内容(「モノクロ」604)とを合わせて表示させても構わない。さらに、表示された画像形成装置の名称に対応する出力項目とその内容とを表示させるためのボタンである「詳細情報」ボタンを表示させても構わない。
【0101】
ユーザが新出力条件受付画面900を見ながら、一の画像形成装置の名称(例えば、「複合機B(1階)」907)に関連付けられた出力項目の内容(「カラー」908)を押下・選択すると、新出力条件受付手段407が、押下・選択された出力項目の内容(「カラー」908)の背景色と画像形成装置の名称(「複合機B(1階)」907)の背景色とをグレー色に変更する。
【0102】
上記出力項目の内容の押下・選択は、言い換えると、ユーザによる新たな出力条件の入力に対応する。そのため、上述した出力項目の内容以外の項目(出力項目又は出力項目の内容)が新出力条件受付画面に選択可能に表示されるよう構成されても構わない。
【0103】
ここで、ユーザが新出力条件受付画面900の「出力開始」ボタン905を押下すると、新出力条件受付手段407が、選択された出力項目の内容(「カラー」908)を新出力条件として受け付ける。新出力条件受付手段407が出力項目の内容(「カラー」908)を受け付けると、出力指示手段408は、受け付けた出力項目の内容(「カラー」)に対応する画像形成装置(「複合機B(1階)」)に、新出力条件に基づいて出力処理を実行させるよう指示する(図5:S107)。
【0104】
出力指示手段408が所定の画像形成装置に出力処理を実行させるよう指示する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
【0105】
本実施形態では、所定の画像形成装置はユーザにより操作・入力を受けた画像形成装置でないため、出力指示手段408が、新出力条件を受け付けた複合機100の画像読取手段409に、原稿の画像データを読み取る旨の命令Cを送信する。当該命令Cを受信した画像読取手段409が画像データの読み取りを完了すると、次に、出力指示手段408が、読み取った画像データを画像読取手段409から取得し、通信手段404を介して、ネットワーク110を管理するサーバの所定のメモリ(画像データを記憶可能な容量を有する記憶手段、サーバ記憶手段406であっても構わない)に、画像データを送信し、一次記憶させる。
【0106】
さらに、出力指示手段408が、ユーザにより選択された出力項目の内容(「カラー」908)を記憶する画像形成装置の識別情報を利用して、ネットワーク110の他の画像形成装置「複合機B」を特定する。そして、出力指示手段408が、その特定された他の画像形成装置「複合機B」に備えられた他の出力手段410に、受け付けた新出力条件と、所定のメモリに一次記憶された画像データとに基づいて出力処理を実行する旨の命令Dを送信する。
【0107】
特定された他の出力手段410は、出力処理を実行する旨の命令Dを受信すると、他の通信手段411を介して、ネットワーク110のサーバの所定のメモリから画像データを取得し、当該新出力条件に基づいて出力処理を実行する(図5:S108)。
【0108】
本実施形態では、ユーザにより操作・入力を受けた画像形成装置が提供することが出来ない出力項目の内容である「カラー」で出力処理が実行されることになる。
【0109】
なお、他の出力手段410が、シートに関する出力処理を実行する際に、その出力手段410に、他のユーザがシートに関する出力処理の指示を行っている或いはシートを出力している場合や従前に実行した出力処理のシートが残存している場合は、他の出力手段410に、新たに出力されるシートの位置を出力方向に対して左右に聊か移動させて出力させるよう構成しても構わない。
【0110】
また、原稿の画像データを読み取った画像読取手段409を有する複合機100と、出力指示された他の画像形成装置「複合機B」との間の距離が、物理的に離れている場合、出力指示手段408が、出力指示された他の画像形成装置「複合機B」に備えられた他の出力手段410に予め出力指示(例えば、新出力条件等)を送信しておき、他の画像形成装置「複合機B」に備えられた他の受付手段412がユーザから所定のボタンの選択・押下を検知した時点で、他の出力手段410が新出力処理を実行するよう構成しても構わない。
【0111】
上記手順により、ユーザが入力した新出力条件に基づいて他の出力手段410が出力処理を完了する。
【0112】
なお、複合機100が通常のコピーサービスを提供する場合は、受付手段と、画像読取手段と、図示しない出力手段とに基づいてコピーサービスを実行することになるが、その説明は、割愛する。
【0113】
ところで、上述では、ユーザにより検索項目として「モノクロ/カラー」が選択されたため、新出力条件受付手段407が、画像形成装置の識別情報(「複合機B」、「複合機C」、「プリンタA」)と、その識別情報に関連付けられた、検索項目の内容に重複しない出力項目の内容(「カラー」)とを表示した。
【0114】
他の実施形態として、例えば、ユーザにより検索項目として「用紙サイズ」が選択されると、検索項目の内容が「A3(普通紙)」、「A4(普通紙)」、「B3(普通紙)」、「B4(普通紙)」となるため、新出力条件受付手段407が、画像形成装置の識別情報「複合機C」と、その識別情報に関連付けられた、検索項目の内容に重複しない出力項目の内容「A5(普通紙)」、「B5(普通紙)」とを表示することになる。
【0115】
また、例えば、ユーザにより検索項目として「製本処理」が選択されると、検索項目の内容が「小冊子なし」となるため、新出力条件受付手段407が、画像形成装置の識別情報「複合機B」、「複合機C」と、その識別情報に関連付けられた、検索項目の内容に重複しない出力項目の内容「製本小冊子」とを表示することになる。
【0116】
このように、出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段と、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する検索手段と、上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付ける新出力条件受付手段とを備えるよう構成している。
【0117】
これにより、画像形成装置に出力処理を実行させる前に、ユーザが検索項目を選択すると、当該検索項目の内容以外の内容を記憶した画像形成装置を検索させ、表示させることが可能となる。また、ユーザが、検索された画像形成装置の出力項目の内容を自由に選択して新出力条件として入力することが可能となる。そのため、ユーザは、検索項目を入力した画像形成装置以外の画像形成装置の出力項目の内容を容易に認識することが可能となる。また、ユーザが操作している画像形成装置の出力項目の内容以外の内容を表示するため、ユーザは、自己の知らない画像形成装置の出力項目の内容を容易に把握することが可能となり、ユーザに対して出力項目の内容の選択幅を拡大させることが可能となる。その結果、ユーザによる他の画像形成装置の検索の手間を解消させるとともに、ユーザへの利便性を向上させ、ネットワークに接続された画像形成装置の能力を十分に発揮させることが可能となる。
【0118】
さらに、上記新出力項目受付手段が新出力条件を受け付けると、新出力条件における新出力項目の内容を記憶する画像形成装置に、新出力条件に基づいて出力処理を実行させるように指示する出力指示手段を備えるよう構成することができる。
【0119】
これにより、ユーザは、自己の操作している画像形成装置が出力処理を実行することが出来ない出力条件でも、ネットワークに接続された他の画像形成装置に当該出力条件に基づいて出力処理を実行させることが可能となる。そのため、ユーザは、今まで知らなかった出力項目の内容をその場で認識して設定し、他の画像形成装置に今まで知らなかった出力項目の内容で出力処理を実行させることが可能となる。その結果、他の画像形成装置への検索に要する時間を削除し、ユーザに対して他の画像形成装置の機能を十分に活用させる機会を与えることが可能となり、ユーザへの利便性を向上させ、ネットワークに接続された画像形成装置の能力を十分に発揮させることが可能となる。
【0120】
なお、本実施形態では、上記検索項目受付手段が検索項目を受け付けると、検索手段が、検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報をサーバから検索するよう構成したが、例えば、検索手段が当該検索する前に、ネットワークに接続された複数の画像形成装置と通信し、現時点で接続されている画像形成装置の識別情報と、その画像形成装置が記憶する全ての出力項目と、当該出力項目の内容とを取得する取得手段をサーバに備えるよう構成しても構わない。当該取得手段が、新たに画像形成装置の識別情報と出力項目とその内容とを取得した場合は、それらの情報に基づいてネットワーク情報テーブルを更新するよう構成する。
【0121】
当該構成とすると、ネットワークに接続される画像形成装置が頻繁に脱離されたり、新たな画像形成装置がネットワークに頻繁に接続されたりしても、検索手段がネットワークに接続された画像形成装置を適切に検索対象の範囲に含めることが可能となる。
【0122】
また、本実施形態の画像形成装置の出力項目テーブル又はネットワーク情報テーブルに記憶される出力項目は、当該画像形成装置に取り付けられたオプション(例えば、後処理装置)に応じて適宜、追加・削除されるよう構成しても構わない。例えば、複合機に製本装置が連結されると、複合機は、製本装置の製本出力処理を示す出力項目「製本処理」と、その内容「小冊子なし」と「製本小冊子」とが出力項目テーブル又はネットワーク情報テーブルに追加して記憶される。また、製本装置が複合機から脱離されると、出力能力情報「製本処理」と内容「小冊子なし」と「製本小冊子」とが出力項目テーブル又はネットワーク情報テーブルから削除される。
【0123】
また、本実施形態では、新出力条件受付画面により、出力項目に関する出力条件を受け付けるよう構成したが、新出力条件受付画面とともに、又は別個の画像読取条件画面を設けて、画像読取に対応する読取項目に関する読取条件を受け付けるよう構成しても構わない。
【0124】
また、本実施形態では、検索画面により、出力項目に関する検索を受け付けるよう構成したが、当該検索画面に、読取項目に関する検索を受け付けるよう構成しても構わない。当該構成により、ネットワーク上の画像形成装置に関する知識(出力項目と読取項目とに関する知識)をユーザに対して知らしめることが可能となる。
【0125】
また、本実施形態では、上記検索項目受付手段が検索項目を受け付けると、検索手段が、検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報をサーバから検索するよう構成したが、他の構成をさらに追加しても構わない。
【0126】
例えば、さらに、画像形成装置に、検索項目と、検索に関する優先順位を示す優先度とを関連付けて記憶する優先度記憶手段を備える。また、上記検索項目受付手段がユーザから複数の検索項目を受け付けると、上記検索手段が、受け付けた検索項目と、上記優先度記憶手段のデータとに基づいて、優先順位の高い検索項目を決定し、決定した検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索するよう構成しても構わない。
【0127】
図7Bに示した検索画面704がタッチパネル201上に表示されている状態で、例えば、ユーザが、当該検索画面704を見ながら、検索項目「モノクロ/カラー」710と検索項目「製本処理」711とを選択・押下すると、検索項目受付手段403が、押下・選択された検索項目「モノクロ/カラー」710の背景色と「製本処理」711の背景色とをグレー色に変更する。
【0128】
さらに、ユーザが、検索項目「モノクロ/カラー」710と検索項目「製本処理」711とを押下・選択した状態で、「検索開始」ボタン708を押下すると、検索項目受付手段403が当該検索項目「モノクロ/カラー」710と「製本処理」711とを受け付ける。言い換えると、検索項目受付手段403が複数の検索項目を受け付けたことに該当する。
【0129】
検索項目受付手段403が複数の検索項目「モノクロ/カラー」710と検索項目「製本処理」711とを受け付けると、検索手段404に、受け付けた複数の検索項目のうち、優先順位の高い検索項目を決定する旨の命令Eを送信する。
【0130】
当該命令Eを受信した検索手段404は、複数の検索項目(「モノクロ/カラー」、「製本処理」)のうち、優先順位の高い検索項目を決定する。
【0131】
当該決定する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の決定方法が挙げられる。
【0132】
まず、検索手段404は、優先度記憶手段に記憶された優先度テーブルのデータを参照し、受け付けた検索項目毎に関連付けられた優先度を取得する。
【0133】
優先度記憶手段は、ユーザにより予め追加された記憶手段であり、優先度テーブル909には、図9Dに示すように、検索項目910と、検索に関する優先順位を示す優先度911とが関連付けられて記憶されている。なお、検索項目910は、言い換えると、複合機記憶手段402に記憶された出力項目テーブル600の出力項目601に対応する。また、優先度911は、優先順位を示す情報であれば、どのような情報でもよく、例えば、数字、アルファベット、文字、記号等が挙げられるが、図9Dに示す優先度テーブル909では、優先度911に数字を採用し、低い値の数字を最も優先度の高い情報として記憶している。
【0134】
当該優先度テーブル909では、検索項目「モノクロ/カラー」912に優先度「3」913が記憶され、検索項目「製本処理」914に優先度「1」915が記憶されているため、検索手段404は、検索項目「モノクロ/カラー」に対応する優先度「3」913と、検索項目「製本処理」に対応する優先度「1」915とを取得する。
【0135】
検索手段404が、複数の優先度を取得すると、複数の優先度を相互に比較し、最も優先度の高い一の優先度を決定する。上述では、検索手段404が、優先度「3」913と優先度「1」915とを比較し、優先度「1」915を最も優先度の高い一の優先度に決定する。
【0136】
なお、上述では、優先度が複数に渡る場合であっても、最も優先度の高い一の優先度を決定することになるが、優先度が2以上に渡る場合、最も優先度の高い一の優先度と、次に優先度の高い一の優先度とを決定するよう適宜設計変更しても構わない。また、例えば、比較した二つの優先度が同等の優先度であり、かつ、最も優先度の高い優先度であれば、その二つの優先度を最も優先度の高い優先度としても構わない。
【0137】
検索手段404が最も優先度の高い一の優先度を決定すると、その優先度に関連付けられた検索項目を決定する。この決定された検索項目が、優先順位の高い検索項目となる。
【0138】
上述では、優先順位の高い検索項目は、優先度「1」915に関連付けられた検索項目「製本処理」914となる。
【0139】
検索手段404が優先順位の高い検索項目を決定すると、決定した検索項目の内容のうち、複合機記憶手段402が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する。検索方法は、上述した方法と同様であるため、その説明は、割愛する。
【0140】
このように、検索項目と、検索に関する優先順位を示す優先度とを関連付けて記憶する優先度記憶手段を備え、上記検索項目受付手段がユーザから複数の検索項目を受け付けると、上記検索手段が、受け付けた検索項目と、上記優先度記憶手段のデータとに基づいて、優先順位の高い検索項目を決定し、決定した検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索するよう構成することができる。
【0141】
これにより、ユーザが複数の検索項目を入力して、複数の画像形成装置が検索対象となる場合であっても、優先順位の高い検索項目に対応した出力項目を有する画像形成装置に検索対象を絞って検索することが可能となるとともに、検索対象が繁雑とならずに、簡便かつ容易に他の画像形成装置を検索することが可能となる。その結果、ユーザが他の画像形成装置を検索する手間を解消させるとともに、ネットワークに接続された画像形成装置の能力を十分に発揮させることが可能となる。
【0142】
また、本発明の実施形態では、画像形成装置が、上記検索項目受付手段と、上記検索手段と、上記新出力条件受付手段とを備えるよう構成したが、各手段を備える画像形成装置とサーバとから構成される画像形成システムであっても、本実施形態と同一の作用効果を奏する。
【0143】
すなわち、複数の画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置の出力を示す出力項目の内容とを関連付けて記憶するサーバと、複数の画像形成装置とをネットワークを介して接続した画像形成システムにおいて、上記画像形成装置は、出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段を備える。さらに、上記サーバは、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、当該検索項目を受け付けた画像形成装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を検索する検索手段と、上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示させ、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付けさせる新出力条件受付手段とを備える。当該構成であっても、本実施形態と同一の作用効果を奏する。
【0144】
また、本発明の実施形態では、複合機が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、上記プログラムを複合機に読み出させ、その複合機が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
【0145】
また、本発明の実施形態では、コピーサービスとの処理に関して採用したが、例えば、ファクシミリ送受信サービス、プリントサービス等に対しても採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0146】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、ネットワークに接続された複数の画像形成装置において、ユーザの所望する出力項目を備えた画像形成装置を簡便かつ容易に検索することが可能な画像形成装置および画像形成システムとして有効である。
【符号の説明】
【0147】
100 複合機
110 ネットワーク
311 サーバ
401 受付手段
402 複合機記憶手段
403 検索項目受付手段
404 検索手段
405 通信手段
406 サーバ記憶手段
407 新出力条件受付手段
408 出力指示手段
409 画像読取手段
410 他の出力手段
411 他の通信手段
412 他の受付手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の出力を示す出力項目の内容を記憶する複数の画像形成装置とネットワークを介して接続され、当該画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置の出力項目の内容とを関連付けて記憶するサーバと通信可能に接続された画像形成装置において、
出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段と、
上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索する検索手段と、
上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付ける新出力条件受付手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
さらに、上記新出力項目受付手段が新出力条件を受け付けると、新出力条件における新出力項目の内容を記憶する画像形成装置に、新出力条件に基づいて出力処理を実行させるように指示する出力指示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
さらに、検索項目と、検索に関する優先順位を示す優先度とを関連付けて記憶する優先度記憶手段を備え、
上記検索項目受付手段がユーザから複数の検索項目を受け付けると、上記検索手段が、受け付けた検索項目と、上記優先度記憶手段のデータとに基づいて、優先順位の高い検索項目を決定し、決定した検索項目の内容のうち、自装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を、サーバから検索することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数の画像形成装置の識別情報と、当該画像形成装置の出力を示す出力項目の内容とを関連付けて記憶するサーバと、複数の画像形成装置とをネットワークを介して接続した画像形成システムにおいて、
上記画像形成装置は、出力処理が開始される前に、出力項目を検索項目としてユーザに選択可能に表示し、選択された検索項目をユーザから受け付ける検索項目受付手段を備え、
上記サーバは、上記検索項目受付手段が受け付けた検索項目の内容のうち、当該検索項目を受け付けた画像形成装置が記憶する出力項目の内容に重複しない出力項目の内容を記憶する画像形成装置の識別情報を検索する検索手段と、
上記検索手段が検索した画像形成装置の識別情報に関連付けられた出力項目の内容を新出力項目としてユーザに選択可能に表示させ、選択された新出力項目からなる新出力条件をユーザから受け付けさせる新出力条件受付手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−171767(P2010−171767A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12739(P2009−12739)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】