説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】再現された画像のうちガマット外となる画像データと実際に印刷された画像における該外れた画像データとの色差を抑えることができる画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数色の現像剤を用いて画像を印刷する第1の印刷手段と、前記第1の印刷手段が用いる現像剤の色とは異なる色を含む複数色の現像剤を用いて、画像を印刷する第2の印刷手段と、印刷すべき画像の少なくとも一部の画像データが、前記第1の印刷手段によって再現可能な第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素と前記第1の色域との隔たりを評価する第1の評価手段と、前記第1の評価手段による評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第1の判定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の色要素群それぞれにおいて、読み取った画像を再現し、複数の色要素群それぞれについて、再現された画像のうちガマット外となる色の部分が占める面積に応じて精度を算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−22149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、再現された画像のうちガマット外となる画像データの画像に占める面積が小さい場合であっても、該外れた画像データと実際に印刷された画像における該外れた画像データとの色差を抑えることができる画像形成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に記載の発明は、複数色の現像剤を用いて画像を印刷する第1の印刷手段と、前記第1の印刷手段が用いる現像剤の色とは異なる色を含む複数色の現像剤を用いて、画像を印刷する第2の印刷手段と、印刷すべき画像の少なくとも一部の画像データが、前記第1の印刷手段によって再現可能な第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素それぞれと前記第1の色域との隔たりを評価する第1の評価手段と、前記第1の評価手段による評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第1の判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の印刷手段が、前記第1の印刷手段が用いる現像剤に少なくとも一色を加えた現像剤を用いて、画像を印刷することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
本願請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1の印刷手段が、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの少なくとも二色の現像剤を用いて、画像を印刷し、前記第2の印刷手段は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの少なくとも一色並びにオレンジ、グリーン及びバイオレットの少なくとも一色の現像剤を用いて、画像を印刷することを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
本願請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記第1の判定手段による判定に基づいて、印刷すべき画像のうち前記第1の色域から外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第2の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素それぞれと前記第2の色域との隔たりを評価する第2の評価手段と、前記第2の評価手段による評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第2の判定手段とをさらに有することを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
本願請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1の評価手段は、印刷すべき画像のうち前記第1の色域から外れた画像データの画素それぞれと前記第1の色域との隔たりを表す第1の評価値として、該外れた画像データの画素から前記第1の色域の外郭面への距離に該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求め、前記第1の判定手段は、前記第1の評価値が予め設定された閾値以下である場合、前記第1の印刷手段によって印刷すると判定し、前記第2の評価手段は、前記第1の評価値が前記閾値より大きい場合、該外れた画像データの画素それぞれと前記第2の色域との隔たりを表す第2の評価値として、該外れた画像データの画素から前記第2の色域の外郭への距離に該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求め、前記第2の判定手段は、前記第2の評価値が前記閾値より大きい場合、前記第1の印刷手段によって印刷すると判定し、前記第2の評価値が前記閾値以下である場合、前記第2の印刷手段によって印刷すると判定することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
本願請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、入力された画像データを、入力元に依存しない色空間で表現される画像データに変換する第1の色変換手段と、前記第1の色変換手段によって変換された画像データを、前記第1の印刷手段が用いる現像剤の色からなる色空間で表現される画像データに変換する第2の色変換手段とをさらに有し、前記第1の評価手段は、前記第2の色変換手段によって変換された画像データの少なくとも一部が前記第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素と前記第1の色域との隔たりを評価することを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
本願請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1の評価手段は、前記第1の評価値として、印刷すべき画像のうち前記第1の色域から外れた画像データから前記第1の色域の外郭面上に垂線を下ろしたときの垂線の長さに該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求め、前記第2の評価手段は、前記第2の評価値として、該外れた画像データから前記第2の色域の外郭面上に垂線を下ろしたときの垂線の長さに該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求めることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
本願請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前記第1の評価手段は、前記第1の評価値に予め設定された重み付け値を乗じた値を最終的な第1の評価値とし、前記第2の評価手段は、前記第2の評価値に前記重み付け値を乗じた値を最終的な第2の評価値とすることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
本願請求項9に記載の発明は、請求項4乃至8に記載のいずれかの発明において、前記第1の印刷手段が画像を印刷するために用いる複数の現像剤にかかる費用を算出する第1の算出手段と、前記第2の印刷手段が画像を印刷するために用いる複数の現像剤にかかる費用を算出する第2の算出手段と、前記第1の判定手段による判定結果、前記第2の判定手段の判定結果、前記第1の算出手段の算出結果及び前記第2の算出手段による算出結果を用いて、前記第1の印刷手段により印刷するか、前記第2の印刷手段によって印刷するかの選択を促す選択手段とをさらに有することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
本願請求項10に記載の発明は、コンピュータを備える画像形成装置において、複数色の現像剤を用いて画像を印刷する第1の印刷ステップと、前記第1の印刷ステップにおいて用いられる現像剤の色とは異なる色を含む複数色の現像剤を用いて、画像を印刷する第2の印刷ステップと、印刷すべき画像の少なくとも一部の画像データが、前記第1の印刷ステップによって再現可能な第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素と前記第1の色域との隔たりを評価する第1の評価ステップと、前記第1の評価ステップによる評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第1の判定ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、色域から外れた画像データがある場合であっても適切に印刷することができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、第1の印刷手段より色域を拡大して印刷することができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、第1の印刷手段より色域を拡大して印刷することができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、再現された画像のうちガマット外にある特色を再現するのに適した色域を選択することができる。
【0019】
請求項5に係る本発明によれば、特色を再現するにあたって現像剤の消費を抑えて印刷することができる。
【0020】
請求項6に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、入力された画像データを、入力元に依存しない色空間で表現される画像データ、プロセス色からなる色空間で表現される画像データ並びにプロセス色及び特色からなる色空間で表現される画像データに変換することができる。
【0021】
請求項7に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、色域から外れた画像データの画像に占める面積が小さい場合であっても、該外れた画像データと実際に印刷された画像における該外れた画像データとの色差を抑えることができる。
【0022】
請求項8に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、色域から外れた画像データの画像に占める面積が小さい場合であっても、該外れた画像データと実際に印刷された画像における該外れた画像データとの色差を抑えることができる。
【0023】
請求項9に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、色域から外れた画像データの画像に占める面積が小さい場合であっても、該外れた画像データと実際に印刷された画像における該外れた画像データとの色差を抑えることができる。
【0024】
請求項10に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、色域から外れた画像データがある場合であっても適切に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】図1の制御部で動作する制御プログラムの構成を示す図である。
【図3】YMCKガマットの一例を示す図である。
【図4】YMCKOGVガマットの一例を示す図である。
【図5】図2の制御プログラムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は本発明を実施するのにあたっての一例に過ぎず、本発明が以下に説明される事項に限定されるわけではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
例えば、以下、制御プログラム及びプリント対象の画像データは、制御部内の記憶媒体に記憶されるものとして説明しているが、画像形成装置内のハードディスクや、画像形成装置とネットワークを介して接続されるデータベース等に記憶されてもかまわない。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1を示す図である。
図1において、画像形成装置1は、装置本体10と、これに装着される操作パネル20、スキャナ30及び給紙装置40とを有する。
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置がプリンタであるとして説明するが、これ以外の装置(例えば、ファクシミリ及び複合機)であってもかまわない。
【0028】
以下の各図において、nが常に同じ数を示すとは限らず、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付される。
以下、「トナー像形成部102Y,102M,102C,102K,102O,102G,102V」など、複数存在しうる構成部分のいずれかが特定されずに示される場合には、単に「トナー像形成部102」などと略記されることがある。
【0029】
装置本体10は、制御部100、トナー像形成部102、中間転写ベルト104、転写ロール106、定着部108、用紙搬送路110、搬送ローラ112及び排出トレイ114を有する。
制御部100は、例えば、メモリなどの記憶媒体及びプロセッサを備える制御基板である。メモリなどの記憶媒体には、制御プログラム12が記憶される。制御部100において、プロセッサがメモリなどの記憶媒体から制御プログラム12を読み出して実行することにより、装置本体10が制御される。制御プログラム12の詳細は後述する。
【0030】
トナー像形成部102は、カラー画像を構成する色ごとに設けられる。
ここでは、カラー画像が、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)というプロセス色、及び、オレンジ(O),グリーン(G),バイオレット(V)という特色によって構成され、トナー像形成部102Y,102M,102C,102K,102O,102G,102Vが設けられるものとしているが、カラー画像を構成する色はこれらの色に限らない。
例えば、上記プロセス色のうち二色(又は三色)によってカラー画像が構成されてもよいし、上記プロセス色のうち少なくとも一色及び上記特色のうち一色(又は二色)などによってカラー画像が構成されてもよい。上記プロセス色のうちY,C,B及び上記特色のうちO,Gによってカラー画像が構成される場合、トナー像形成部102Y,102C,102B,102O,102Gが設けられる。
また、例えば、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)を特色としてもよい。上記プロセス色及びこれらの特色によってカラー画像が構成される場合、トナー像形成部102Y,102M,102C,102K,102R,102G,102Bが設けられる。
例えば、プロセス色とは、印刷において基本となるトナーの色であり、特色とは、プロセス色では再現できない色を表現するために調合されたトナーの色である。
【0031】
トナー像形成部102によって形成されたトナー像は、中間転写ベルト104に転写された後、転写ロール106によってトナー像形成部102との対向位置において用紙に転写される。転写ロール106によってトナー像が転写された用紙は、複数組の搬送ローラ112が配列された用紙搬送路110を経て、定着部108に搬送される。定着部108は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。このように印刷処理が施された用紙は、印字面を下にして、排出トレイ114に排出される。
【0032】
操作パネル20は、スキャナ30によって読み取られた画像データに基づき印刷処理を実行する指示(印刷指示)をユーザから受け付け、受け付けた指示を制御部100に送信する。
ここでは、印刷指示は、スキャナ30によって読み取られた画像データに基づき印刷処理を実行するものとしているが、これに限らない。例えば、スキャナ30によって読み取られた後、いったんメモリなどに記憶された画像データに基づき印刷処理を実行するもの、ネットワークを介して接続されるクライアントPCなどから送信された画像データに基づき印刷処理を実行するもの、及び、クライアントPCなどから送信された後、いったんメモリなどに記憶された画像データに基づき印刷処理を実行するものであってもよい。
【0033】
また、操作パネル20は、画像の印刷に用いる色の組合せに関する情報を表示するとともに、色の組合せのいずれかを選択する指示(選択指示)をユーザから受け付け、受け付けた指示を制御部100に送信する。
画像の印刷に用いる色の組合せとは、例えば、プロセス色の組合せ並びにプロセス色及び特色の組合せであり、ここでは、Y,M,C,K及びY,M,C,K,O,G,Vである。これらの色の組合せに関する情報とは、後述するように、例えば、これらの色の組合せを用いた場合に画像の印刷にかかる費用の算出結果や、プロセス色及び特色のいずれを使って画像の少なくとも一部を印刷するかという判定結果である。
なお、図示しないが、操作パネル20は、ケーブル及びコネクタなどを介して、制御部100と通信可能に接続されている。
【0034】
スキャナ30は、セットされた原稿を読み取り、読み取った内容を画像データとして制御部100に送信する。制御部100に送信される画像データは、スキャナ30に依存する色空間で表現され、ここでは、RGB色空間で表現されているものとする。
なお、図示しないが、スキャナ30は、ケーブル及びコネクタなどを介して、制御部100と通信可能に接続されている。
【0035】
給紙装置40は、給紙トレイ400、給紙ヘッド402及び給紙通路404を有する。
給紙トレイ400の用紙は、給紙ヘッド402の作動に応じて、複数組の搬送ローラ112が配列された給紙通路404を介して、装置本体10に供給される。ここでは、給紙トレイ400及び給紙ヘッド402は、それぞれ1つしか設けられていないが、それぞれ複数設けられてもよい。
なお、図示しないが、給紙装置40の装置本体10側の側面の一部は、給紙通路404を用紙搬送路110に連通させるためのガイド面として利用されている。
【0036】
図2は、図1の制御部100で動作する制御プログラム12の構成を示す図である。
図2に示すように、制御プログラム12は、受付部120、記憶部122、第1の色変換部124、第2の色変換部126、第1の算出部128、第3の色変換部130、第2の算出部132、第1の判定部134、第2の判定部136及び第3の判定部138、第1の制御部140、第2の制御部142によって構成され、図1の操作パネル20から印刷指示が送信されたことをトリガにして処理を開始する。
【0037】
[受付部120]
受付部120は、操作パネル20から送信された印刷指示に基づいて、図1のスキャナ30から送信された画像データを受け付け、第1の色変換部124に出力する。上述したように、この画像データは、RGB色空間で表現されている。
なお、受付部120によって受け付けられる画像データは、メモリなどに記憶された画像データや、クライアントPCなどから送信された画像データであってもよい。
【0038】
[記憶部122]
記憶部122は、デバイスプロファイル、ガマット、重み付け値、閾値及びトナー単価を記憶する。
以下、これらのデータそれぞれについて、詳細を説明する。
【0039】
デバイスプロファイルには、入力デバイスプロファイル及び出力デバイスプロファイルがある。ここでは、入力デバイスプロファイルは、スキャナ30などの入力デバイスに依存するRGB色空間で表現される画像データから、デバイスに依存しないL色空間の画像データを生成するためのルックアップテーブル(LUT:LookUpTable)である。以下、このLUTを「L色空間LUT」と記載する。
ここでは、出力デバイスプロファイルは、L色空間の画像データから、出力デバイス用の色空間の画像データを生成するためのLUTである。上述したように、ここでは、出力デバイスとして、トナー像形成部102Y,102M,102C,102K,102O,102G,102Vが設けられるので、出力デバイスプロファイルは、CMYK色空間の画像データを生成するためのLUT(つまり、プロセス色の色空間の画像データを生成するためのLUT)及びCMYKOGV色空間の画像データを生成するためのLUT(つまり、プロセス色及び特色の色空間の画像データを生成するためのLUT)である。以下、これらのLUTを「CMYK色空間LUT」及び「CMYKOGV色空間LUT」と記載する。
【0040】
ガマットは、出力デバイスによって再現可能な色の領域(色域)である。ここでは、出力デバイスとして、トナー像形成部102Y,102M,102C,102K,102O,102G,102Vが設けられ、Y,M,C,Kというプロセス色及びO,G,Vという特色が再現可能であるので、ガマットは、Y,M,C,Kのガマット(つまり、プロセス色のガマット)及びY,M,C,K,O,G,Vのガマット(つまり、プロセス色及び特色のガマット)である。以下、これらのガマットを「YMCKガマット」及び「YMCKOGVガマット」と記載する。
図3は、YMCKガマットの一例を示す図である。図4は、YMCKOGVガマットの一例を示す図である。図4の網掛け部分は、図3のYMCKガマットから拡大した領域であることを示す。図4のガマットは、図3のガマットを包含し、図3のガマットから拡大している。
【0041】
重み付け値及び閾値は、ユーザによって予め設定される。例えば、企業のロゴマークに用いられるコーポレートカラーなどの重要性の高い色には、他の色よりも大きい重み付け値を設定する。
トナー単価は、図1のトナー像形成部102によって用いられるトナーの単価であり、ユーザによって予め設定される。ここでは、トナー像形成部102Y,102M,102C,102K,102O,102G,102Vが設けられるので、イエロートナーの単価、マゼンタトナーの単価、シアントナーの単価、ブラックトナーの単価、オレンジトナーの単価、グリーントナーの単価及びバイオレットトナーの単価が設定される。
なお、重み付け値、閾値及びトナー単価は、印刷時にユーザによって指定されてもよく、例えば、印刷指示の一部として、操作パネル20を介してユーザから受け付けられてもよい。
【0042】
[第1の色変換部124]
第1の色変換部124は、記憶部122から読み出したL色空間LUTを用いて、受付部120から出力された画像データからL色空間の画像データを生成し、第2の色変換部126及び第3の色変換部130に出力する。
【0043】
[第2の色変換部126]
第2の色変換部126は、記憶部122から読み出したCMYK色空間LUTを用いて、第1の色変換部124から出力された画像データからCMYK色空間の画像データを生成し、第1の算出部128、第1の判定部134及び第2の制御部142に出力する。
【0044】
[第1の算出部128]
第1の算出部128は、第2の色変換部126から出力された画像データに基づき印刷処理を実行するために使われるトナーにかかる費用を算出し、第1の制御部140に出力する。
具体的には、第1の算出部128は、図1の装置本体10が第2の色変換部126から出力された画像データに基づき印刷処理を実行するために使うトナーの使用量に、記憶部122から読み出したトナーの単価を乗じることによって、トナーにかかる費用を算出する。
上述したように、第2の色変換部126から出力される画像データはCMYK色空間の画像データであるから、第1の算出部128は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーごとに費用を算出し、この費用の合計値を最終的な費用として算出する。
【0045】
[第3の色変換部130]
第3の色変換部130は、記憶部122から読み出したCMYKOGV色空間LUTを用いて、第1の色変換部124から出力された画像データからCMYKOGV色空間の画像データを生成し、第2の算出部132及び第2の制御部142に出力する。
【0046】
[第2の算出部132]
第2の算出部132は、第3の色変換部130から出力された画像データに基づき印刷処理を実行するために使われるトナーにかかる費用を算出し、第1の制御部140に出力する。
具体的には、第2の算出部132は、図1の装置本体10が第3の色変換部130から出力された画像データに基づき印刷処理を実行するために使うトナーの使用量に、記憶部122から読み出したトナーの単価を乗じることによって、トナーにかかる費用を算出する。
上述したように、第3の色変換部130から出力される画像データはCMYKOGV色空間の画像データであるから、第2の算出部132は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー、オレンジトナー、グリーントナー及びバイオレットトナーごとに費用を算出し、この費用の合計値を最終的な費用として算出する。
【0047】
[第1の判定部134]
第1の判定部134は、第2の色変換部126から出力された画像データが、記憶部122から読み出したYMCKガマット内にあるか否かを判定する。処理にかかる負荷を軽減するため、画像データを構成する全ての画素について判定するのではなく、一部の画素について判定してもよい。例えば、画像データを構成する行や、行を構成する画素をスキップすることにより、一部の画素について判定することができる。
第1の判定部134は、YMCKガマット内にある画素は、プロセス色を用いて印刷されるべきと判定する。なお、YMCKガマット外にある画素には、さらなる判定(第2の判定部136による判定)がなされる。
【0048】
[第2の判定部136]
第2の判定部136は、第1の判定部134によってYMCKガマット外にあると判定された画素それぞれについて、YMCKガマットの外郭との隔たりを評価(数値化)し、この数値化した値が記憶部122から読み出した閾値よりも大きいか否かを判定する。なお、閾値は、予め設定された固定値であるものとして説明したが、必ずしも固定値である必要はなく、変動値であってもよい。
以下、第1の判定部134によってYMCKガマット外にあると判定された画素それぞれとYMCKガマットの外郭との隔たりを数値化した値を「第1の評価値」と記載する。
【0049】
第1の評価値として、例えば、YMCKガマット外にあると判定された画素からYMCKガマットの外郭面上に垂線を下ろしたときの垂線の長さ(YMCKガマット外にあると判定された画像データの画素及びYMCKガマットの外郭面の最小距離)を算出する。
同一の画素値の画素がある場合や、画素値の差が記憶部122から読み出した閾値内にあるなど、画素値が互いに近似する画素がある場合には、画素値の合計値(又は、画素値のいずれかに画素の個数を乗じた値)を、画素値が同一又は近似する複数の画素からなる画素群の第1の評価値として算出する。
なお、このように算出した第1の評価値に記憶部122から読み出した重み付け値を乗じ、最終的な第1の評価値としてもよい。
【0050】
例えば、YMCKガマット外にあると判定された画像データの画素がP、P、・・・、Pである場合、P及びYMCKガマットの外郭面の最小距離△(デルタ)E、P及びYMCKガマットの外郭面の最小距離△(デルタ)E、・・・、P及びYMCKガマットの外郭面の最小距離△(デルタ)Eが第1の評価値として算出される。
の画素値及びPの画素値が同一又は近似するときには、Pの第1の評価値△(デルタ)EにPの第1の評価値△(デルタ)Eを加えた△(デルタ)E+△(デルタ)E(又は△(デルタ)E・2)を、P,Pからなる画素群の第1の評価値として算出する。
なお、△(デルタ)EにPの重み付け値Wを乗じた△(デルタ)E・W、△(デルタ)EにPの重み付け値Wを乗じた△(デルタ)E・W、・・・、△(デルタ)EにPの重み付け値Wを乗じた△(デルタ)E・Wを最終的な第1の評価値として算出してもよい。
【0051】
第2の判定部136は、第1の評価値が閾値以下である画素及び画素群は、プロセス色を用いて印刷されるべきと判定する。なお、第1の評価値が閾値より大きい画素及び画素群には、さらなる判定(第3の判定部138による判定)がなされる。
【0052】
[第3の判定部138]
第3の判定部138は、第2の判定部136によって第1の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素及び画素群それぞれについて、記憶部122から読み出したYMCKOGVガマットの外郭との隔たりを評価(数値化)し、この数値化した値が記憶部122から読み出した閾値よりも大きいか否かを判定する。
以下、第2の判定部136によって第1の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素及び画素群それぞれと記憶部122から読み出したYMCKOGVガマットの外郭との隔たりを数値化した値を「第2の評価値」と記載する。
【0053】
第2の評価値として、例えば、第1の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素及び画素群からYMCKOGVガマットの外郭面上に垂線を下ろしたときの垂線の長さ(YMCKガマット外にあると判定された画像データの画素及びYMCKOGVガマットの外郭面の最小距離)を算出する。
さらに、このように算出した第2の評価値に記憶部122から読み出した重み付け値を乗じ、最終的な第2の評価値としてもよい。
【0054】
例えば、第1の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素がP、P、・・・、Pである場合、P及びYMCKOGVガマットの外郭面の最小距離△(デルタ)e、P及びYMCKOGVガマットの外郭面の最小距離△(デルタ)e、・・・、P及びYMCKOGVガマットの外郭面の最小距離△(デルタ)eが第2の評価値として算出される。
さらに、△(デルタ)eにPの重み付け値Wを乗じた△(デルタ)e・W、△(デルタ)eにPの重み付け値Wを乗じた△(デルタ)e・W、・・・、△(デルタ)eにPの重み付け値Wを乗じた△(デルタ)e・Wを最終的な第2の評価値として算出してもよい。
ここでは、第3の判定部138が第2の評価値の算出に用いる閾値は、第2の判定部136が表値の算出に用いる閾値とは同じものとしたが、異なっていてもよい。また、第3の判定部138が第2の評価値の算出に用いる重み付け値は、第2の判定部136が評価値の算出に用いる重み付け値と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0055】
第3の判定部138は、第2の評価値が閾値以上である画素及び画素群は、プロセス色を用いて印刷されるべきと判定し、第2の評価値が閾値より小さい画素及び画素群は、特色を用いて印刷されるべきと判定する。ここでは、第3の判定部138は、第2の評価値が閾値以上である画素及び画素群は、Y,M,C,Kを用いて印刷されるべきと判定し、第2の評価値が閾値より小さい画素及び画素群は、Y,M,C,K,O,G,Vを用いて印刷されるべきと判定する。
第2の評価値を用いて印刷に用いる色を判定するものとして説明したが、第1の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素及び画素群それぞれについて、YMCKガマットとの色差及びYMCKOGVガマットとの色差を算出し、最も小さい色差が算出されたガマットに基づいて印刷に用いる色を判定してもよい。例えば、最も小さい色差が算出されたガマットがYMCKガマットである場合には、Y,M,C,Kを用いて印刷すべきと判定する。
【0056】
[第1の制御部140]
第1の制御部140は、第1の算出部128及び第2の算出部132による算出結果並びに第1の判定部134、第2の判定部136及び第3の判定部138による判定結果を操作パネル20に表示させるとともに、操作パネル20から送信された選択指示を受け付け、第2の制御部142に出力する。
【0057】
[第2の制御部142]
第2の制御部142は、第1の制御部140から出力された選択指示に基づいて、プロセス色を用いて第2の色変換部126から出力された画像データに基づき印刷処理を実行するよう装置本体10を制御するか、プロセス色及び特色を用いて第3の色変換部130から出力された画像データに基づき印刷処理を実行するよう装置本体10を制御する。
【0058】
図5は、図2の制御プログラム12の処理を示すフローチャートである。上述したように、図1の操作パネル20から印刷指示が送信されたことをトリガにして、図5のフローチャートが開始される。
なお、以下のステップはシーケンシャルに実行されるものとしているが、あるステップが別のステップとパラレルに実行されてもよい。例えば、ステップ104,106がステップ108,110とパラレルに実行されてもよい。
【0059】
図5に示すように、ステップ100(S100)において、図2の受付部120は、操作パネル20から送信された印刷指示に基づいて、図1のスキャナ30から送信された画像データを受け付ける。
ステップ102(S102)において、図2の第1の色変換部124は、L色空間LUTを用いて、ステップ100において受け付けられた画像データからL色空間の画像データを生成する。
【0060】
ステップ104(S104)において、図2の第2の色変換部126は、CMYK色空間LUTを用いて、ステップ102において生成された画像データからCMYK色空間の画像データを生成する。
ステップ106(S106)において、図2の第1の算出部128は、ステップ104において生成された画像データに基づき印刷処理を実行するために使われるトナーにかかる費用を算出する。
【0061】
ステップ108(S108)において、図2の第3の色変換部130は、CMYKOGV色空間LUTを用いて、ステップ102において生成された画像データからCMYKOGV色空間の画像データを生成する。
ステップ110(S110)において、図2の第2の算出部132は、ステップ108において生成された画像データに基づき印刷処理を実行するために使われるトナーにかかる費用を算出する。
【0062】
ステップ112(S112)において、図2の第1の判定部134は、ステップ104において生成された画像データがYMCKガマット内にあるか否かを判定する。
第1の判定部134は、ステップ104において生成された画像データを構成する画素ごとに、YMCKガマット内にあるか否かの判定を繰り返す。ただし、上述したように、画像データを構成する全ての画素について判定を繰り返すのではなく、一部の画素について判定を繰り返してもよい。
第1の判定部134は、YMCKガマット内にある画素については、プロセス色を用いて印刷されるべきと判定し、ステップ118の処理に進む。YMCKガマット外にある画素については、ステップ114の処理に進む。
【0063】
ステップ114(S114)において、図2の第2の判定部136は、ステップ112においてYMCKガマット外にあると判定された画素それぞれについて、YMCKガマットの外郭との隔たりを表す第1の評価値を算出し、第1の評価値が閾値よりも大きいか否かを判定する。
第2の判定部136は、YMCKガマット外にあると判定された画素ごとに、第1の評価値を算出し、第1の評価値が閾値よりも大きいか否かを判定することを繰り返す。
上述したように、画素値が同一又は近似する場合には、画素値が同一又は近似する複数の画素からなる画素群ごとに、第1の評価値を算出し、第1の評価値が閾値よりも大きいか否かの判定を繰り返す。
第2の判定部136は、第1の評価値が閾値以下である画素及び画素群については、プロセス色を用いて印刷されるべきと判定し、ステップ118の処理に進む。第1の評価値が閾値より大きい画素及び画素群については、ステップ116の処理に進む。
【0064】
ステップ116(S116)において、図2の第3の判定部138は、ステップ114において第1の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素及び画素群と、YMCKOGVガマットの外郭との隔たりを表す第2の評価値を算出し、第2の評価値が閾値よりも小さいか否かを判定する。
第3の判定部138は、第2の評価値が閾値よりも大きいと判定された画素及び画素群ごとに、YMCKOGVガマットの外郭との隔たりを表す第2の評価値を算出し、第2の評価値が閾値よりも小さいか否かを判定することを繰り返す。
第3の判定部138は、第2の評価値が閾値以上である画素及び画素群は、プロセス色を用いて印刷されるべきと判定し、第2の評価値が閾値より小さい画素及び画素群は、特色を用いて印刷されるべきと判定し、ステップ118の処理に進む。
【0065】
ステップ118(S118)において、第1の制御部140は、ステップ106,110における算出結果及びステップ112,114,116における判定結果を操作パネル20に表示させるとともに、操作パネル20から送信された選択指示を受け付ける。
ステップ120(S120)において、第2の制御部142は、ステップ118において受け付けられた選択指示に基づいて、プロセス色を用いてステップ104において生成された画像データに基づき印刷処理を実行するよう装置本体10を制御するか、プロセス色及び特色を用いてステップ108において生成された画像データに基づき印刷処理を実行するよう装置本体10を制御する。
【0066】
以上説明したように、印刷すべき画像の少なくとも一部の画像データがプロセス色のガマットから外れた場合には、該外れた画像データとプロセス色のガマットの外郭との隔たりを表す第1の評価値、及び、該外れた画像データとプロセス色及び特色のガマットの外郭との隔たりを表す第2の評価値に応じて、プロセス色及び特色のいずれを使って画像を印刷するかが判定される。
このことにより、該外れた画像データの画像に占める面積が小さく、一般的にはプロセス色のみを使って画像を印刷すると判定されやすい場合であっても、特色を用いて画像を印刷すると判定されやすくなるので、該外れた画像データと実際に印刷された画像における該外れた画像データとの色差が小さくなる。特に、企業のロゴマークに用いられるコーポレートカラーなど、画像全体に占める面積は小さいものの重要性の大きい色にとって有効である。
【符号の説明】
【0067】
1 画像形成装置
10 装置本体
100 制御部
12 制御プログラム
120 受付部
122 記憶部
124 第1の色変換部
126 第2の色変換部
128 第1の算出部
130 第3の色変換部
132 第2の算出部
134 第1の判定部
136 第2の判定部
138 第3の判定部
140 第1の制御部
142 第2の制御部
20 操作パネル
30 スキャナ
40 給紙装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の現像剤を用いて画像を印刷する第1の印刷手段と、
前記第1の印刷手段が用いる現像剤の色とは異なる色を含む複数色の現像剤を用いて、画像を印刷する第2の印刷手段と、
印刷すべき画像の少なくとも一部の画像データが、前記第1の印刷手段によって再現可能な第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素それぞれと前記第1の色域との隔たりを評価する第1の評価手段と、
前記第1の評価手段による評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第1の判定手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の印刷手段は、前記第1の印刷手段が用いる現像剤に少なくとも一色を加えた現像剤を用いて、画像を印刷する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の印刷手段は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの少なくとも二色の現像剤を用いて、画像を印刷し、
前記第2の印刷手段は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの少なくとも一色並びにオレンジ、グリーン及びバイオレットの少なくとも一色の現像剤を用いて、画像を印刷する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の判定手段による判定に基づいて、印刷すべき画像のうち前記第1の色域から外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第2の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素それぞれと前記第2の色域との隔たりを評価する第2の評価手段と、
前記第2の評価手段による評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第2の判定手段と
をさらに有する
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の評価手段は、印刷すべき画像のうち前記第1の色域から外れた画像データの画素それぞれと前記第1の色域との隔たりを表す第1の評価値として、該外れた画像データの画素から前記第1の色域の外郭面への距離に該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求め、
前記第1の判定手段は、前記第1の評価値が予め設定された閾値以下である場合、前記第1の印刷手段によって印刷すると判定し、
前記第2の評価手段は、前記第1の評価値が前記閾値より大きい場合、該外れた画像データの画素それぞれと前記第2の色域との隔たりを表す第2の評価値として、該外れた画像データの画素から前記第2の色域の外郭への距離に該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求め、
前記第2の判定手段は、前記第2の評価値が前記閾値より大きい場合、前記第1の印刷手段によって印刷すると判定し、前記第2の評価値が前記閾値以下である場合、前記第2の印刷手段によって印刷すると判定する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
入力された画像データを、入力元に依存しない色空間で表現される画像データに変換する第1の色変換手段と、
前記第1の色変換手段によって変換された画像データを、前記第1の印刷手段が用いる現像剤の色からなる色空間で表現される画像データに変換する第2の色変換手段と
をさらに有し、
前記第1の評価手段は、前記第2の色変換手段によって変換された画像データの少なくとも一部が前記第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素と前記第1の色域との隔たりを評価する
請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の評価手段は、前記第1の評価値として、印刷すべき画像のうち前記第1の色域から外れた画像データから前記第1の色域の外郭面上に垂線を下ろしたときの垂線の長さに該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求め、
前記第2の評価手段は、前記第2の評価値として、該外れた画像データから前記第2の色域の外郭面上に垂線を下ろしたときの垂線の長さに該外れた画像データの画素の個数を乗じた値を求める
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の評価手段は、前記第1の評価値に予め設定された重み付け値を乗じた値を最終的な第1の評価値とし、
前記第2の評価手段は、前記第2の評価値に前記重み付け値を乗じた値を最終的な第2の評価値とする
請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の印刷手段が画像を印刷するために用いる複数の現像剤にかかる費用を算出する第1の算出手段と、
前記第2の印刷手段が画像を印刷するために用いる複数の現像剤にかかる費用を算出する第2の算出手段と、
前記第1の判定手段による判定結果、前記第2の判定手段の判定結果、前記第1の算出手段の算出結果及び前記第2の算出手段による算出結果を用いて、前記第1の印刷手段により印刷するか、前記第2の印刷手段によって印刷するかの選択を促す選択手段と
をさらに有する請求項4乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータを備える画像形成装置において、
複数色の現像剤を用いて画像を印刷する第1の印刷ステップと、
前記第1の印刷ステップにおいて用いられる現像剤の色とは異なる色を含む複数色の現像剤を用いて、画像を印刷する第2の印刷ステップと、
印刷すべき画像の少なくとも一部の画像データが、前記第1の印刷ステップによって再現可能な第1の色域から外れた場合、該外れた画像データの画素の数及び該外れた画像データの画素それぞれから前記第1の色域の外郭への距離に基づいて、該外れた画像データの画素と前記第1の色域との隔たりを評価する第1の評価ステップと、
前記第1の評価ステップによる評価に基づいて、前記第1の印刷手段及び前記第2の印刷手段のいずれによって印刷するかを判定する第1の判定ステップと
を前記コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90182(P2013−90182A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229569(P2011−229569)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】