説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】 記録速度の低下が少なく、また簡単な構成でスパイラル露光による画像の歪みを抑えることのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】 この画像形成方法は、円筒状のドラムの外面に保持されたシート状の記録材料に対しドラムを回転させながらドラムの回転軸方向に副走査して複数チャンネルを有するマルチ光源により露光を行うことで記録材料に画像を形成するものであり、各チャンネルを副走査方向の光源間隔が画素ピッチの整数倍であるn画素相当になるように配置し、ドラムをn回転させることでマルチ光源によりスパイラル露光を行い、ドラムn回転に続いてドラム1回転の間にマルチ光源を次の露光位置ヘ移動させ、スパイラル露光と次の露光位置ヘの移動とを繰り返すことで記録材料に画像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒外面走査型かつマルチ光源の画像形成装置における画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒状のドラム外面にシート状の感光材料を巻き付けて、ドラムを回転させながら感光材料に画像記録を行う画像形成装置が公知であるが、かかる画像形成装置において記録ヘッドを副走査方向に一定速度で動かしながら露光する場合、ドラムが1回転する間に副走査により移動した量だけ走査位置がずれることになる。このため、記録速度を大きくするために光源を複数チャンネルとした場合、光源のチャンネル数を増やす程、画像の歪みが大きくなるという問題がある。
【0003】
かかる画像の歪みを防ぐための従来の対策方法として、次のものが知られている。
(1)印刷版などの記録材料をドラム上に傾けて巻き付けて歪みを補正する方法(下記特許文献1参照)。
(2)3回転分の画像データメモリを持ち、R/Wアドレスをずらす(画像データを傾ける)ことで歪みを補正する方法(下記特許文献2参照)。
(3)露光中は副走査が止まるように、記録ヘッドを副走査方向に間欠的に駆動させて歪みをなくす方法(下記特許文献3参照)。
【0004】
しかし、上記(1)乃至(3)の各方法には、次の問題がある。上記(1)の方式の場合、出力解像度に応じて傾き量を調整する必要がある。(2)の方式の場合、構成が複雑になる。画素単位の補正となるため画像に段差が生ずる。出力解像度に応じて補正量を変える必要がある。また、(3)の方式は、ドラム1回転おきの露光となるため記録速度が低下する。
【特許文献1】特開2003−337429号公報
【特許文献2】特開平09−23320号公報
【特許文献3】特開2002−l54238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、記録速度の低下が少なく、また簡単な構成でスパイラル露光による画像の歪みを抑えることのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による画像形成装置は、シート状の記録材料を外面に保持しながら回転することで主走査が行われる円筒状のドラムと、複数チャンネルを副走査方向の光源間隔が画素ピッチの整数倍であるn画素相当になるように配置するとともに前記ドラムの回転軸方向に副走査されるマルチ光源と、前記ドラムによるn回転のスパイラル露光動作と、前記ドラム1回転の間に次の露光位置ヘ移動する動作と、を繰り返すように副走査速度を周期的に変える手段と、を備え、前記マルチ光源による露光で前記記録材料に画像を形成することを特徴とする。
【0007】
この画像形成装置によれば、1ライン/ドラム1回転の速度で副走査しながら、ドラムn回転分の露光を行うことで、n画素分の各光源間隔により生ずる隙間を埋めてnライン×チャンネル数分の画像データを露光でき、次にドラム1回転の間にマルチ光源を次の露光位置まで移動させた後、再びnライン×チャンネル数分の画像データをを露光することを繰り返すことでドラム上の記録材料に画像を形成するので、露光位置を移動させるためにドラムn回転に1回の割合で露光を休止することになるが、従来のように1回転おきの露光に比ベると記録速度の低下が少なくて済むとともに、スパイラル露光による画像の歪みは1ライン以下に抑えることができる。
【0008】
上記画像形成装置において前記マルチ光源のチャンネル数をmとした場合に、n×mライン分の画像データを前記マルチ光源の光源間隔nに合わせて読み出すメモリ手段を備えることが好ましい。n×mライン分の画像データに基づいてドラムn回転中にスパイラル露光を行うので、n画素分の光源間隔に合わせて画像データを読み出す必要があるが、従来の画像データを傾ける方法に比ベると、単純な構成で実現可能であり、また出力解像度によって補正量を変更する必要がない。
【0009】
本発明による画像形成方法は、円筒状のドラムの外面に保持されたシート状の記録材料に対し前記ドラムを回転させながら前記ドラムの回転軸方向に副走査して複数チャンネルを有するマルチ光源により露光を行うことで前記記録材料に画像を形成する画像形成方法において、前記各チャンネルを副走査方向の光源間隔が画素ピッチの整数倍であるn画素相当になるように配置し、前記ドラムをn回転させることで前記マルチ光源によりスパイラル露光を行い、前記ドラムn回転に続いて前記ドラム1回転の間に前記マルチ光源を次の露光位置ヘ移動させ、前記スパイラル露光と前記次の露光位置ヘの移動とを繰り返すことで前記記録材料に画像を形成することを特徴とする。
【0010】
この画像形成方法によれば、1ライン/ドラム1回転の速度で副走査しながら、ドラムn回転分の露光を行うことで、n画素分の各光源間隔により生ずる隙間を埋めてnライン×チャンネル数分の画像データを露光でき、次にドラム1回転の間にマルチ光源を次の露光位置まで移動させた後、再びnライン×チャンネル数分の画像データをを露光することを繰り返すことでドラム上の記録材料に画像を形成するので、露光位置を移動させるためにドラムn回転に1回の割合で露光を休止することになるが、従来のように1回転おきの露光に比ベると記録速度の低下が少なくて済むとともに、スパイラル露光による画像の歪みは1ライン以下に抑えることができる。
【0011】
上記画像形成方法において前記マルチ光源のチャンネル数をmとした場合に、前記マルチ光源の光源間隔nに合わせてn×mライン分の画像データを読み出すことが好ましい。n×mライン分の画像データに基づいてドラムn回転中にスパイラル露光を行うので、n画素分の光源間隔に合わせて画像データを読み出す必要があるが、従来の画像データを傾ける方法に比ベると、単純な構成で実現可能であり、また出力解像度によって補正量を変更する必要がない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、記録速度の低下が少なく、また簡単な構成でスパイラル露光による画像の歪みを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による画像形成装置全体の外観を示す斜視図である。図2は図1の画像形成装置の内部を正面側から見た図である。図3は図2の画像形成装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【0014】
図1、図2に示すように、本実施の形態による画像形成装置1は、印刷出力対象の絵柄、色調、文章、文字等の確認を行うためのカラープルーフ(校正用サンプル)を作成するものであって、シート状の記録材料である銀塩カラー感光材料(以下、単に「感光紙」ともいう。)に露光し画像を形成する露光ユニット11と、露光された感光紙を現像する現像ユニット21と、を備える。
【0015】
露光ユニット11は、前面からメンテナンスできるように開閉可能な前面パネル5と、各種情報の表示とタッチパネルからなり装置全体の操作のために入力可能な表示部2と、内部にロール状の銀塩カラー感光材料である感光紙を収容したカートリッジ13を給紙カバー3,4の開放後に装填可能な装填部12,12’と、を備える。図1では装填部12,12’にカートリッジ13を装填する前、装填した後の状態を示している。
【0016】
現像ユニット21は、メンテナンスのために開閉可能な上面パネル6と、前面には、現像処理液等の補充等のために開閉可能に設けられた補給パネル7と、を備える。
【0017】
図2に示すように、画像形成装置1の露光ユニット11は、内部にロール状に巻かれたシート状記録材料である感光紙を収納した専用のカートリッジ13を装填し収容する装填部12,12’と、装填部12,12’に装填されたカートリッジ13から感光紙を給送する搬送ローラ対40,41,42等からなる給送部14と、給送部14から給送された感光紙Sを外周面に真空吸引し保持しながら主走査のために回転方向Rに回転するドラム10と、ドラム10上の感光紙に対しLED光やレーザ光等の光ビームを露光する光学ユニット16と、光学ユニット16を副走査のために副走査方向(図1の紙面垂直方向)H(図3)に搬送する副走査部17と、画像記録後のドラム10上の感光紙を剥離する剥離部材15と、を備える。露光後の感光紙は出口19及び接続部19aを通して現像ユニット21へと搬送される。
【0018】
図2の画像形成装置1は、更に、搬送ローラ対42の下流側に配置されドラム10に向けて送られる感光紙の搬送に従い従動回転する従動ローラ31と、感光紙をドラム10との間で搬送する従動ローラ31と、ドラム10上から剥離部材15で剥離された感光紙をドラム10と従動ローラ31とで搬送するときに感光紙をガイドするアキュームガイド部材18と、アキュームガイド部材18で送られてきた感光紙を出口19へと更に搬送する搬送ローラ対32と、搬送ローラ対32に達した感光紙をアキュームするためにアキュームガイド部材18の一部が開放されることで形成されるアキュームレート部30と、搬送ローラ対32の下流側近傍に配置された感光紙の先端を検出する検出センサ33と、を備える。
【0019】
また、搬送ローラ対42の下流側近傍に配置された比較的幅狭の従動ローラ43は記録紙の移動とともに従動回転し、この従動ローラ43と同軸にロータリエンコーダ(図示省略)が連結されている。このロータリエンコーダが従動ローラ43とともに回転し回転量を測定することで搬送ローラ対42を通過してドラム10に巻き付けられた感光紙の長さを求めることができる。また、下流側の搬送ローラ対32は、ワンウェイクラッチ構造を有し、感光紙の下流側への送り出し方向への回転が自在となっている。
【0020】
図2の搬送ローラ対40,41の下流側近傍には感光紙を切断するカット部10aがそれぞれ配置されており、各カット部10aはモータ(図示省略)により回転駆動されるロータリカッタを有し、上述の感光紙の長さ測定に基づいて感光紙を所定長さに切断する。
【0021】
図2の現像ユニット21は、露光ユニット11から送られた露光後の感光紙について湿式現像を行うもので、感光紙の現像処理を行う現像部23と、定着処理を行う定着部24と、安定処理を行う安定部25と、乾燥処理を行う乾燥部26と、乾燥された感光紙を搬送ローラ対27a等で外部に排出する排出部27と、排出された感光紙を集積する集積部28と、を備える。
【0022】
図3のように、画像形成装置1のドラム10は、回転軸部14’の回転軸14a及び回転軸部18aの回転軸15aが軸受33a、33bを介して支持台34a、34bに回転可能に軸支されている。ドラム10の一方の回転軸15aには、駆動プーリ35aが設けられ、この駆動プーリ35aはドラム駆動用パルスモータM6の出力プーリ35bとベルト36により連結され、ドラム駆動用パルスモータM6の駆動によりドラム10が回転する。また、ドラム10の回転軸15aには、ロータリーエンコーダ37が設けられ、回転のためのパルス信号を出力してドラムの回転に同期した画素クロック制御に用いる。
【0023】
ドラム10の他方の回転軸14aは吸引ブロアP1に連結されている。ドラム10の表面には吸着孔31cが回転軸方向に直線状に延びて多数形成されており、吸引ブロアP1の駆動によりドラム10の内部が減圧されて感光紙がドラム10の表面に吸着されて保持される。
【0024】
光学ユニット16は、副走査部17によりドラム軸と平行に移動可能に構成され、ドラム10に吸着された感光紙に光ビームで露光して画像の書き込みを行う。図3に示すように、光学ユニット16には、異なる3波長のマルチ光源としてLEDユニット320、LEDユニット321、LEDユニット322が配置されている。
【0025】
各LEDユニット320,321,322はそれぞれ32チャンネル分の基板上に配置された発光ダイオード(LED)を備え、各LEDユニット320,321,322からの光ビームは、ミラー325、326、327を介して、集光レンズユニット331からドラム10上の感光紙に画像を露光する。露光シャッタ332は露光ソレノイド333により開閉することで、露光開始/終了時に光路の開閉を行なう。
【0026】
また、複数のLEDユニット320,321,322は、例えば、それぞれ波長450nm程度のB(ブルー)、波長540nm程度のG(グリーン)、波長650nm程度のR(レッド)の各色を発光するように構成でき、各LEDユニットにより銀塩カラー感光材料を露光したとき、BによりY(イエロー)、RによりM(マゼンダ)、GによりC(シアン)がそれぞれ発色するようになる。
【0027】
光学ユニット16は、移動ベルト340に固定され、一対のガイドレール341、342に案内されてドラム軸と平行方向の副走査方向H及びその反対の方向H’に移動可能に設けられている。移動ベルト340は一対のプーリ343、344に掛け渡され、一方のプーリ344は副走査モータM7の出力軸345に連結され、副走査モータM7の駆動により光学ユニット16がドラム軸と平行に副走査方向H、その反対の方向H’に移動する。
【0028】
また、図3のように、ドラム10の外周面のドラム軸と平行の延長上位置にはフォトダイオード等の受光素子からなる測光部57が配置されており、図3のホームポジションの位置の光学ユニット16が方向H’に若干移動し各LEDユニット320〜322からの光ビームが測光部57に入射することで、各チャンネルの各LEDの光ビームの光量を測定できるようになっている。
【0029】
図3に示すように、吸引ブロアP1は空気吸引ポンプにより吸引連結管51を通してドラム10内を吸引し、露光ユニット11による露光開始前にドラム10内を負圧にし感光紙を外周面に吸着する。
【0030】
次に、図3のLEDユニット320〜322から構成される32チャンネルのマルチ光源について更に図4、図5を参照して説明する。図4は図3のLEDユニット320〜322から構成される32チャンネルのマルチ光源における各光源の配列を模式的に示す部分平面図である。図5は図3のドラムに対する集光レンズユニット331の露光位置を模式的に示す図である。
【0031】
複数のLEDユニット320〜322は各32(m)チャンネル分のLED(光源)から光ビームが図3の集光レンズユニット331を通してドラム10上の感光紙に対し出射するように構成されており、32チャンネル分の光ビームがドラム10上の感光紙を同時に照射し、このとき、各チャンネルから波長の異なるB、G、Rの複数の光ビームが出射することができる。
【0032】
複数のLEDユニット320〜322から構成されるマルチ光源は、図4のように各光源59a,59b,59c,59d,・・・が配置されている。これらの32チャンネル分のLED(光源)は、図4のように、ドラム10に保持された感光紙上において画素ピッチの整数(n)倍になるように配置されている。従って、図4の32チャンネル分のLED(光源)の間隔はn画素に対応する。即ち、光源59aとその隣の光源59bとの間隔はn画素相当分であり、同様に、光源59bとその隣の光源59cとの間隔、光源59cとその隣の光源59dとの間隔、・・・は、いずれもn画素相当分となっており、例えば、図4では、n=5である。
【0033】
複数のLEDユニット320〜322から構成されるマルチ光源の各光源59a,59b,59c,59d,・・・から集光レンズユニット331を通して感光紙に光照射されるが、このとき、ドラム10がn回転する間に各チャンネルでnライン分の画像が形成されるように(例えば、5回転する間に5ライン分の画像が形成されるように)光学ユニット16の集光レンズユニット331が副走査方向Hに移動することでスパイラル状に露光(スパイラル露光)が行われ、32チャンネル分の画像が形成される。そして、図5のように、ドラム10のn回転に続く1回転の間に光学ユニット16の集光レンズユニット331は、次の32チャンネル分の画像を形成する図の破線で示す露光位置に副走査方向Hに移動することを繰り返すように構成されている。
【0034】
図6は、図1〜図5の画像形成装置1の露光ユニット11における画像データの流れ及び画像形成装置1の制御系のブロック図である。
【0035】
図5に示すように、図1〜図3の画像形成装置1は、カラープルーフを作成するために外部の画像処理装置であるRIP(Raster Image Processor)49でラスターデータから網点画像データを作成し、この網点画像データがRIP49から露光ユニット11に転送されるようになっている。
【0036】
露光ユニット11は、図6のように、外部のRIP49からのYMCKの2値網点画像データが入力する画像データI/F部52と、画像データI/F部52からの網点画像データをいったん記憶し随時出力するハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ53と、データバッファ53からのYMCKの2値網点画像データに対する光源駆動値を対応づけて感光紙に対する露光のための露光データとするルックアップテーブル(LUT)54と、ルックアップテーブル54からの露光データのデジタル信号をアナログ信号に変換するB、G、Rの各LEDユニット320〜322に対応した複数のD/A変換部55a,55b,55cと、D/A変換部55a〜55cからの各アナログ信号により各LEDユニット320〜322の各LEDを直接にアナログ変調しドライブする複数のドライバ56a,56b,56cと、を備える。
【0037】
図6の制御部50は、中央演算処理装置(CPU)等から構成され、ロータリーエンコーダ37や測光部57の測光回路等からの信号が入力し、画像データI/F部52、データバッファ53、ルックアップテーブル54、表示部2、副走査モータM7及び他の装置部分を制御する。
【0038】
制御部50は、図3,図6のロータリーエンコーダ37が検出したドラム10の回転数に基づいて副走査モータM7による図3の光学ユニット16の副走査方向Hへの移動及びデータバッファ53からの画像データの読み出しを制御する。例えば、図4,図5のように、ドラム10の1回転で集光レンズユニット331が1画素分だけ副走査方向Hに移動するように制御され、ドラム10が5回転する間にn×m(m:チャンネル数、例えば32)ライン分の画像データに基づいてスパイラル露光を行い、その後の1回転中に集光レンズユニット331が図5の破線のように次の露光位置に移動し、この1回転中に次のn×mライン分の画像データをデータバッファ53から読み出して次のスパイラル露光を行うように制御される。
【0039】
次に、図1乃至図6の画像形成装置1における動作について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、図6のRIP49から画像形成装置1に画像データが入力すると(S01)、図2の給送部14を駆動し装填部12または12’内のカートリッジ13から感光紙を搬送し(S02)、ドラム10に巻き付けて吸着することで保持する(S03)。そして、図6のデータバッファ53からn×mライン分の画像データを読み出しながら(S04)、この画像データに基づいてドラム10の外周面に巻き付けられて保持された感光紙に対しドラム10の1回転中に1ライン分の露光を行うようにしてドラム10のn回転中にnラインをmチャンネル分スパイラル露光を行う(S05)。
【0041】
次に、全画像データに基づく露光が終了していない場合には(S06)、図5のようにして光学ユニット16の集光レンズユニット331を次の露光位置に移動してから(S07)、上述のステップS04,S05によるスパイラル露光を繰り返す。
【0042】
次に、全画像データに基づいて露光が終了すると(S06)、露光により感光した感光紙をドラム10から剥離位置にある剥離部材15で剥離し、アキュームガイド部材18でガイドしながら搬送ローラ対32等で出口19へと搬送し(S08)、接続部19aから現像ユニット21へと送る。そして、露光後の感光紙について現像部23、定着部24及び安定部25で現像処理を行い、乾燥部26で乾燥処理を行ってから(S09)、画像の形成された感光紙を排出部27から集積部28へと出力する(S10)。
【0043】
以上の図7のように、本実施の形態の画像形成装置では、1ライン/ドラム1回転の速度で副走査しながら、ドラムn回転分の露光を行うことで、n画素分の各光源間隔により生ずる隙間を埋めてnライン×mチャンネル数分の画像データを露光でき、次にドラム1回転の間にマルチ光源を次の露光位置まで移動させた後、再びnライン×mチャンネル数分の次の画像データを露光することを繰り返すことでドラム上の感光紙に画像を形成するので、露光位置を移動させるために、ドラムn回転に1回の割合で露光を休止することになるが、従来のように1回転おきの露光に比ベると記録速度の低下が少なくて済むとともに、スパイラル露光による画像の歪みは1ライン以下に抑えることができる。また、n×mライン分の画像データに基づいてドラムn回転中にスパイラル露光を行うので、n画素分の光源間隔に合わせて画像データを読み出す必要があるが、従来の画像データを傾ける方法に比ベると、単純な構成で実現可能であり、また出力解像度によって補正量を変更する必要がない。
【0044】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本発明による画像形成装置・画像形成方法はカラープルーフの作成以外にも適用できることは勿論である。また、光源としては、LED以外であってもよく、レーザダイオード(LD)等であってもよい。
【0045】
また、図4では、マルチ光源の光源59aとその隣の光源59bとの光源間隔を5画素相当分として説明したが、5画素以上であっても、5画素以下であってもよいことは勿論であるが、記録速度の低下を防ぐために3画素以上が好ましい。また、マルチ光源のチャンネル数も32としたが、これに限定されず、16チャンネルでも、64,128,・・・チャンネルであってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施の形態による画像形成装置全体の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の画像形成装置の内部を正面側から見た図である。
【図3】図2の画像形成装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【図4】図3のLEDユニット320〜322から構成される32チャンネルのマルチ光源における各光源の配列を模式的に示す部分平面図である。
【図5】図3のドラムに対する集光レンズユニット331の露光位置を模式的に示す図である。
【図6】図1〜図5の画像形成装置1の露光ユニット11における画像データの流れ及び画像形成装置1の制御系を示す図である。
【図7】図1乃至図6の画像形成装置1における動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
10 ドラム
11 露光ユニット
16 光学ユニット
21 現像ユニット
37 ロータリーエンコーダ
50 制御部
53 データバッファ
59a,59b, 59c,59d 光源
320,321,322 LEDユニット(マルチ光源)
331 集光レンズユニット
H 副走査方向
R 回転方向(主走査方向)
S 感光紙(シート状の記録材料)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の記録材料を外面に保持しながら回転することで主走査が行われる円筒状のドラムと、
複数チャンネルを副走査方向の光源間隔が画素ピッチの整数倍であるn画素相当になるように配置するとともに前記ドラムの回転軸方向に副走査されるマルチ光源と、
前記ドラムによるn回転のスパイラル露光動作と、前記ドラム1回転の間に次の露光位置ヘ移動する動作と、を繰り返すように副走査速度を周期的に変える手段と、を備え、前記マルチ光源による露光で前記記録材料に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記マルチ光源のチャンネル数をmとした場合に、n×mライン分の画像データを前記マルチ光源の光源間隔nに合わせて読み出すメモリ手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
円筒状のドラムの外面に保持されたシート状の記録材料に対し前記ドラムを回転させながら前記ドラムの回転軸方向に副走査して複数チャンネルを有するマルチ光源により露光を行うことで前記記録材料に画像を形成する画像形成方法において、
前記各チャンネルを副走査方向の光源間隔が画素ピッチの整数倍であるn画素相当になるように配置し、
前記ドラムをn回転させることで前記マルチ光源によりスパイラル露光を行い、
前記ドラムn回転に続いて前記ドラム1回転の間に前記マルチ光源を次の露光位置ヘ移動させ、
前記スパイラル露光と前記次の露光位置ヘの移動とを繰り返すことで前記記録材料に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
前記マルチ光源のチャンネル数をmとした場合に、前記マルチ光源の光源間隔nに合わせてn×mライン分の画像データを読み出すことを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−7591(P2006−7591A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187986(P2004−187986)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】