説明

画像形成装置

【課題】装置本体内からユニットを容易に取り出すことができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】中間転写ユニット10における正規位置と離脱位置と間の移動をガイドするガイドレール45を有し、ガイドレール45は中間転写ユニット10の引き出し方向にて、中間転写ユニット10を上方へシフトさせる傾斜部45aと、シフト後の中間転写ユニット10を水平状態にしてガイドする水平部45bとが順次設けられており、中間転写ユニット10にはユニットが水平部45bにガイドされる位置まで引き出されたとき、装置本体の前面板41に突き当たって引き出し方向の移動を阻止する阻止部材50が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体内に着脱可能に装着されるユニットを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの少なくとも2つの機能を有する画像形成装置において、ジャム紙の処理、メンテナンス及び部材交換のため、画像形成を行う部材の1つまたは複数個をユニット化して装置本体に対し着脱可能に装着しているものが多い。ユニット化して着脱される部材は種々あるが、カラー画像形成装置の中間転写ベルト等の像担持体ベルトユニットもその1つである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−134096号公報
【特許文献2】特開2000−275987号公報
【0004】
一般に、ベルトユニットを着脱する場合、ガイドレールに案内されて装置本体の前後方向から操作するものが多く、例えば、特許文献1に開示されている。さらに、引き出すベルトユニットが中間転写ベルトの場合、各色の作像ユニットから離れる方向へ移動させつつ引き出すようにした画像形成装置も特許文献2に開示されている。
【0005】
このように、ベルトユニットを手前に引き出して取り出すことができる画像形成装置では、引き出し時に誤って大きな力で引いてしまい、ベルトユニットがガイド部から落下してしまうことを防止しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、ユニットの落下を防止し、装置本体内からユニットを容易に取り出すことができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、装置本体内の正規位置から離脱位置へ移動することにより装置本体から取り出し可能なユニットを有する画像形成装置において、前記ユニットにおける正規位置と離脱位置と間の移動をガイドするガイド部材を有し、該ガイド部材は前記ユニットの引き出し方向にて、前記ユニットを上方へシフトさせる傾斜部と、シフト後のユニットを水平状態にしてガイドする水平部とが順次設けられており、前記ユニットには該ユニットが前記水平部にガイドされる位置まで引き出されたとき、装置本体の枠体の内側に突き当たって引き出し方向の移動を阻止する阻止部材が設けられていることを特徴としている。
【0008】
なお、本発明は、前記阻止部材が起立して前記装置本体の枠体に突き当たる阻止位置と伏せて枠体に突き当たらない阻止解除位置と間を移動可能であると、効果的である。
【0009】
さらに、本発明は、前記ユニットには引き出し方向において前記阻止部材より下流側に、起立して前記装置本体の枠体に突き当たる阻止位置と伏せて枠体に突き当たらない阻止解除位置と間を移動可能第2阻止部材が設けられ、該第2阻止部材は前記ユニットを正規位置に向けて移動させたとき、装置本体の枠体の外側に突き当たって収納方向の移動を阻止するとともに、前記阻止部材が阻止位置のとき阻止解除位置に、前記阻止部材が阻止解除位置のとき阻止位置にそれぞれ保持されると、効果的である。
【0010】
さらにまた、本発明は、前記阻止部材は支軸が固定され、該支軸を中心に回転することにより阻止位置と阻止解除位置と間を移動するとともに、該支軸に前記第2阻止部材が固定されていると、効果的である。
【0011】
さらにまた、本発明は、前記阻止部材及び第2阻止部材は、前記ユニットの移動方向と直交する方向に複数対配置されていると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記第2阻止部材が取っ手を有すると、効果的である。
【0012】
さらにまた、本発明は、前記ユニットが、複数のローラに張架されたベルトを有すると、効果的である。
さらにまた、本発明は、前記ユニットが、トナー像を担持する像担持体を有すると、効果的である。
【0013】
さらにまた、本発明は、前記ユニットが、下部側に上流側像担持体が配置された中間転写ベルトを有し、前記第2阻止部材がユニット上面に設けられていると、効果的である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、ユニットにおける正規位置と離脱位置と間の移動をガイドするガイド部材を有し、該ガイド部材は前記ユニットの引き出し方向にて、前記ユニットを上方へシフトさせる傾斜部と、シフト後のユニットを水平状態にしてガイドする水平部とが順次設けられており、前記ユニットには該ユニットが前記水平部にガイドされる位置まで引き出されたとき、装置本体の枠体の内側に突き当たって引き出し方向の移動を阻止する阻止部材が設けられているので、移動させ過ぎによるユニットの落下を防止できる。また、阻止部材に移動を阻止されたときに、ユニットは水平状態なので、傾斜部に沿ってユニットが逆戻りすることを防止できる。
【0015】
請求項2の構成によれば、阻止部材が起立して装置本体の枠体に突き当たる阻止位置と伏せて枠体に突き当たらない阻止解除位置と間を移動可能であるので、阻止部材の阻止位置と阻止解除位置と間の移動を容易に行い得る。
【0016】
請求項3の構成によれば、ユニットには引き出し方向において前記阻止部材より下流側に、起立して前記装置本体の枠体に突き当たる阻止位置と伏せて枠体に突き当たらない阻止解除位置と間を移動可能第2阻止部材が設けられ、該第2阻止部材は前記ユニットを正規位置に向けて移動させたとき、装置本体の枠体の外側に突き当たって収納方向の移動を阻止するとともに、前記阻止部材が阻止位置のとき阻止解除位置に、前記阻止部材が阻止解除位置のとき阻止位置にそれぞれ保持されるので、阻止部材と第2阻止部材が連動して阻止位置と阻止解除位置との間を移動するので、阻止部材の阻止位置と阻止解除位置への移動を的確に行うことができる。
【0017】
請求項4の構成によれば、阻止部材と第2阻止部材が連動移動を簡単な構成でしかも確実に行うことができる。
請求項5の構成によれば、阻止部材及び第2阻止部材は、前記ユニットの移動方向と直交する方向に複数対配置されているので、ユニットの移動阻止を確実に行い得る。
【0018】
請求項6の構成によれば、第2阻止部材が取っ手を有するので、ユニット取り出し操作が簡便になる。
請求項7ないし9の構成によれば、ユニットが、下部側に上流側像担持体が配置された中間転写ベルトを有し、前記第2阻止部材がユニット上面に設けられているので、第2阻止部材が上流側像担持体から中間転写ベルトへの転写の邪魔にならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるカラーレーザプリンタを示す概略図である。
【0020】
図1において、装置本体のほぼ中央に支持ローラ12,13に張架された中間転写ベルト11を横方向に配設している。この中間転写ベルト11の下部走行辺に沿って、4つの作像ユニットSUが並設されている。作像ユニットSUは、感光体ドラム1を中心としてその周囲にクリーニング手段2,除電手段3,帯電手段4,現像器5等の電子写真プロセスに必要な機器を配置したものである。各作像ユニットSU(a,b,c,d)の構成は同じであるが、現像器5で扱うトナーの色がそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックである点が異なっている。
【0021】
作像ユニットSUの下方には露光装置6が配設されている。本例の露光装置6は公知のレーザ方式で、各色画像情報に対応した書き込み光を感光体表面に照射して潜像を形成する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
【0022】
中間転写ベルト11は厚みが50〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、感光体1からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。該中間転写ベルト11は、図示しない駆動手段と連結された駆動ローラ11により図中反時計回りに回転走行される。中間転写ベルト11の感光体1と接触する面の裏側には、一次転写手段である転写ローラ14が感光体1に対向して配置されている。これらの中間転写ベルト11、支持ローラ12,13及び転写ローラ14はまとめて中間転写ユニット10として画像形成装置本体から着脱可能である。
【0023】
ベルトループの外側で支持ローラ13に対向する位置には、クリーニング部材であるクリーニングブレード16を有するクリーニング装置15が配備されており、中間転写ベルト11の表面に残留する不要のトナーや紙粉を拭い去る。このクリーング装置25は、中間転写ユニット10と一体で画像形成装置本体から着脱可能に構成することもできる。なお、中間転写ユニット10の着脱の機構、着脱方法については後に詳述する。
【0024】
図1において中間転写ベルト11の右側には搬送ベルト30が縦方向に張設されている。搬送ベルト30は支持ローラ31,32に巻き掛けられており、支持ローラ31が図示しない駆動手段によって駆動されて図中時計回りに回転駆動される。この搬送ベルト30の裏側(ループの内側)には、中間転写ベルト11に担持したトナー像を記録媒体に転写させる二次転写手段としての転写ローラ33が中間転写ベルト11を支持するローラ12に対向して配備されている。また、搬送ベルト30のループ外側には、当該搬送ベルト30用のクリーニング装置35が配備されている。このクリーニング装置35は回収部34を備えており、用紙にトナーを転写した後の転写搬送ベルト装置100に残留する不要のトナーを除去し、除去したトナー等を回収部34に送られる。搬送ベルト30が中間転写ベルト11と接触する箇所では、前記二次転写ローラ333、支持ローラ12により、あらかじめ定められた転写ニップを形成している。
【0025】
給紙部に配備された2段の給紙カセット26-1,26-2には、記録媒体としての用紙Pが収納されており、最上位の用紙が給紙ローラ27を含む給送手段によって給紙され、給紙された用紙は複数のガイド部材29及び25に案内されてレジストローラ対28へ搬送される。
【0026】
搬送ベルト30の上方には、ヒータ等の熱源を内蔵した定着装置36が設けられ、定着装置36に続いて排紙ガイド37、排紙ローラ対38が配備されている。搬送ベルト30を配設している本体の一部のフレーム40は、開閉支軸24を中心として回動・開放が可能な構造にしてあり、用紙Pがジャムした場合は用紙搬送路を大きく開き、ジャム紙の処理を容易にしている。
【0027】
画像形成装置本体の上面は排紙スタック部39として構成されている。その排紙スタック部39の下方で中間転写ベルト11の上方には、補給用のトナーを収納した4個のトナーカートリッジTCをセットできる収納部TSが設けられている。トナーカートリッジTCのトナーの色は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色であり、不図示の粉体ポンプによって対応する色の現像装置5に補給される。
【0028】
上記のように構成された画像形成装置における画像形成動作について説明する。
本例の画像形成装置はいわゆるプリンタであり、書き込みのための信号はホストマシーン、例えばコンピュータから送られてくる。受信した画像信号に基づいて露光装置6が駆動され、露光装置のレーザ光源(図示せず)からの光は、モータにより回転駆動されるポリゴンミラーによって走査され、ミラー等を経て、帯電装置4により一様に帯電された感光体ドラム1に照射され、感光体1上に書き込み情報(色分解された各色画像情報)に対応した潜像を形成する。
【0029】
感光体ドラム1上に形成された潜像は、現像装置5で現像され、トナー像となって該感光体ドラム1の表面に形成・保持される。このトナー像は、一次転写ローラ14により、感光体ドラム1と同期して移動する中間転写ベルト11の表面に転写される。トナー像転写後の感光体ドラム1の表面に残留するトナーは、クリーニング手段2によってクリーニングされ、その後感光体ドラム1は除電装置3で除電され次の作像サイクルに備える。
【0030】
中間転写ベルト11は、作像ユニットaの感光体ドラム5から転写されたトナー像を表面に担持して矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体ドラム1に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像されトナー像となる。この像は、すでに中間転写ベルト11に乗っている前の色のトナー像に重ねられ、最終的に作像部a,b,c,dで形成された4色のトナー像が重ねられてフルカラー画像が形成される。なお、搬送ベルト30も中間転写ベルト11と同期するようにして矢印方向に移動している。
【0031】
中間転写ベルト11上のトナー像が所定のところまで移動すると給紙が開始される。すなわち、給紙ローラ27が矢印の方向に回転し、給紙カセット26−1または26−2内の最上位の用紙Pが引き出され、レジストローラ対28に搬送される。そして、画像の位置が正規のものとなるようにタイミングが取られて、レジストローラ対28から用紙が送出される。中間転写ベルト11と搬送ベルト30の間に送られた用紙Pの片側の面に、中間転写ベルト11上の4色重ねられたトナー像が、二次転写ローラ34により一度に転写される。
【0032】
本例では、感光体ドラム1の表面に形成される静電潜像の極性はプラスであり、感光体上に作像されるトナーの極性はマイナスである。一次転写ローラ14に感光体1の潜像の電荷よりも大きなプラスの電荷を与えることで、感光体1上に保持されたトナーは中間転写ベルト11に転写される。また、二次転写ローラ34にプラスの電荷を与えることで、中間転写ベルト11に担持されたトナーが用紙Pに転写される。
【0033】
上記のようにして表面にトナー像が転写された用紙Pは、定着手段36に送られ、用紙P上のトナー像が定着され、ガイド37を経て排紙ローラ対38により排紙スタック部39に排出される。
図1のように排紙部39を構成した場合、画像面が下面となって排紙部39に載置されるため、1頁目から順次作像すると頁揃えが可能である。中間転写ベルト11から用紙Pに画像を転写した後、内部にクリーニングブレード16を備えたクリーニング装置15によりベルト面から不要のトナーや紙粉は拭い取られ回収がなされる。
【0034】
ここでは用紙の片面のみに画像を形成する動作について述べたが、搬送ベルト30を第2の中間転写ベルトとして用いることにより、用紙の両面に画像を形成する構成にしても良い。用紙Pの両面に画像を形成する場合は、中間転写ベルト11の表面に担持された第1画像としての4色重ねのトナー像が二次転写ローラ34により第2の中間転写ベルト30に転写される。その後、第2画像としての4色重ねのトナー象が中間転写ベルト11上に作像されている間に第1の画像は第2の中間転写ベルト30に担持されて転写位置まで搬送される。中間転写ベルト11、第2の中間転写ベルト30及びレジストローラ対28によりタイミングが計られ、用紙の両面に第1画像と第2画像とが同時に転写が行われる。
【0035】
両面にトナー像が転写された用紙Pは、定着手段36に送られ、両面の画像が同時に用紙上に定着され、ガイド37を経て排紙ローラ対38により排紙部39に排出されスタックされる。ここでは複数色のトナーを使った、カラー画像の作像に関して述べたが、モノクロ画像にも適用することができる。
【0036】
本実施形態の中間転写ユニット10は装置本体からの着脱可能であり、次のその詳しい説明をする。
図2は、装置本体のフレーム構成を示す斜視図である。この図に示すように、枠体としての本体フレームは、前後面板41,42、その前後面板間を連結する側面板43及び底面板等により構成されている。前面板41には上下2つの開口41a,41bが設けられている。上部開口41aは、ベルトユニットUを装置本体に着脱するための開口であり、この上部開口41aを開閉するように、感光体面板47が前面板41に回動可能に装着支持されている。下部開口41bは、上記した給紙カセット26-1,26-2を挿脱するための開口である。
【0037】
後面板42には、駆動部48が装着されている。この駆動部48は、各作像ユニットSUにおける感光体ドラム1や現像装置5、あるいは中間転写ベルト11の駆動ローラ等を駆動するためのモータやギヤ列等の駆動機構を含むものである。
【0038】
図3は、中間転写ユニット10の取り出し時の一態様を示す説明図である。中間転写ユニット10はガイド部材としてのガイドレール45に支持され、装置本体に着脱可能となっている。ガイドレール45は、図示していないが中間転写ユニット10の左右にそれぞれ設けられている。ガイドレール45は、後端が後面板42に接触または近接し、前端は前面板41よりも前方へ飛び出した位置に達しており、後面板42と前面板41の間は水平である。中間転写ユニット10は、後面板42と前面板41との間であるときが正規位置であり、画像形成が可能な位置である。ガイドレール45は、引き出し方向においてほぼ前面板41の位置かユニットを上方へシフトする傾斜部45aが設けれ、さらに傾斜部45aに続いて水平部45bが設けられている。本発明では、ガイドレール45に中間転写ユニット10を上方へシフトさせる傾斜部45aを設けていることにより、引き出すユニットが作像ユニットSUの感光体から離れる方向にシフトできるので、ユニットの着脱時に感光体が傷つく等のおそれがないものである。
【0039】
ところで、このようにガイドレール45に案内される中間転写ユニット10は、先に説明したように、誤って大きな力で引き出されると、ユニットがガイドレール45から外れて落下してしまうおそれがある。
【0040】
そこで、中間転写ユニット10の上面には当該ユニットがある程度引き出されると、前面板41の内面側に突き当たってそれ以上の引き出しを阻止する阻止部材50が設けられている。そして、阻止部材50は前面板41に突き当たるとき、図4に示すように、引き出された中間転写ユニット10が上記水平部45b上に位置するように設置位置が設定されている。したがって、中間転写ユニット10は引き出されて阻止部材50は前面板41に突き当たったとき傾斜部45a上で停止することがないので、停止した中間転写ユニット10が傾斜部45aに沿って自重で後方へ戻ってしまうことがない。
【0041】
阻止部材50が前面板41に当たる位置もしくはその近くまで引き出した中間転写ユニット10は、装置本体から完全に取り出すとき、ユニット上で起立している阻止部材50が邪魔になる。そこで、本実施形態の阻止部材50は起立してユニットの引き出しを阻止する移動阻止位置と伏せてユニットの上面に沿う阻止解除位置との間を、支軸51を中心として揺動可能に支軸51に固定されている。この支軸51は、図6に示すように、角に丸みを付けた断面正四角形の角軸であり、この支軸51の引き出し方向側には第2阻止部材としての取っ手52が固定されている。この取っ手52は、阻止部材50が起立しているときユニット上面に沿って伏しており、阻止部材50を倒すと取っ手52が起立する関係が得られるように支軸51に固定されている。したがって、図5に示すように、阻止部材50が前面板41に突き当たった後、取っ手52を起立させれば、それに連動して阻止部材50が倒れ、作業者は取っ手52を持って中間転写ユニット10を簡単に取り出すことができる。なお、阻止部材50は一点よりも二点で前面板41に当たった方がユニットバランスよく止められ、また取っ手52も2つの方が持ち易いので、阻止部材50及び取っ手52は図7に示すように、対にして設けることが好ましい。また、支軸51に角軸を用いるのは、阻止部材50及び取っ手52のそれぞれの起立位置において、面で支持することができるため、起立状態を安定して支持するのに好都合であり、さらに図6に示すように押え部材53で支軸51を押えることで、ある程度以上の力を加えない限り取っ手52が回転してしまうことがない。
【0042】
中間転写ユニット10を装置本体にセットするとき、起立した取っ手52を持って操作するが、この起立した取っ手52は移動阻止位置にあるため、ユニットを正規の位置に装着しようとしても前面板41の外側に当たってそれ以上奥へ移動させることができない。このとき、突き当たった取っ手52を倒して移動阻止解除位置に回転させればユニットを正規位置にセットすることができるとともに、この回転に連動して阻止部材50が立ち上がる。したがって、次回のユニット取り出し時に阻止部材50が阻止解除位置の状態のままセットしてしまうことが確実に防止でき、取り出し時に阻止部材50が阻止位置になかったため移動を阻止できなくなるという問題を確実に回避することができる。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず各種改変することができるものである。例えば、着脱するユニットは中間転写ユニットに限らず、作像ユニット、露光装置ユニット、さらには複数の画像形成部材を備えたプロセスカートリッジ等であってもよい。また、阻止部材と第2阻止部材の連動は回転軸に両部材を固定する上記実施形態のものが低コストで、しかも確実な連動が得られる点で最も好ましいものであるが、設置場所の状態や条件からこのような構成のものが採用しにくい場合には歯車等の伝達部材を介在させて連動させたり、駆動源とセンサを用いたりしたもので構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】本体フレームを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す中間転写ユニットの取り出し時の説明図である。
【図4】中間転写ユニットの取り出し時の説明図である。
【図5】中間転写ユニットの装着時の説明図である。
【図6】中間転写ユニットの取っ手部を拡大して示す斜視図である。
【図7】取り出し時の中間転写ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
10 中間転写ユニット
11 中間転写ベルト
41 前面板
45 ガイドレール
45a 傾斜部
45b 水平部
50 阻止部材
51 支軸
52 取っ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内の正規位置から離脱位置へ移動することにより装置本体から取り出し可能なユニットを有する画像形成装置において、
前記ユニットにおける正規位置と離脱位置と間の移動をガイドするガイド部材を有し、該ガイド部材は前記ユニットの引き出し方向にて、前記ユニットを上方へシフトさせる傾斜部と、シフト後のユニットを水平状態にしてガイドする水平部とが順次設けられており、前記ユニットには該ユニットが前記水平部にガイドされる位置まで引き出されたとき、装置本体の枠体の内側に突き当たって引き出し方向の移動を阻止する阻止部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記阻止部材が起立して前記装置本体の枠体に突き当たる阻止位置と伏せて枠体に突き当たらない阻止解除位置と間を移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユニットには引き出し方向において前記阻止部材より下流側に、起立して前記装置本体の枠体に突き当たる阻止位置と伏せて枠体に突き当たらない阻止解除位置と間を移動可能第2阻止部材が設けられ、該第2阻止部材は前記ユニットを正規位置に向けて移動させたとき、装置本体の枠体の外側に突き当たって収納方向の移動を阻止するとともに、前記阻止部材が阻止位置のとき阻止解除位置に、前記阻止部材が阻止解除位置のとき阻止位置にそれぞれ保持されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記阻止部材は支軸が固定され、該支軸を中心に回転することにより阻止位置と阻止解除位置と間を移動するとともに、該支軸に前記第2阻止部材が固定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記阻止部材及び第2阻止部材は、前記ユニットの移動方向と直交する方向に複数対配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2阻止部材が取っ手を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ユニットが、複数のローラに張架されたベルトを有することを特徴とする請求項1、3または5の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ユニットが、トナー像を担持する像担持体を有することを特徴とする請求項1,3,5または7の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ユニットが、下部側に上流側像担持体が配置された中間転写ベルトを有し、前記第2阻止部材がユニット上面に設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−84958(P2006−84958A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271482(P2004−271482)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】