説明

画像形成装置

【課題】入力された画像データから画像を形成する画像形成装置において、少なくとも2つの異なる操作画面を時刻(時間帯)に応じて切り替えて表示できるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、少なくとも2つの異なる操作画面を切り替え可能に表示する表示部4b、時刻を計測する計時手段17、その時刻に応じて前記少なくとも2つの異なる操作画面のいずれかに切り替え制御する機器制御部3、一方の操作画面を表示するための第1のプログラムと他方の操作画面を表示するための第2のプログラムを蓄積する管理部8を備える。機器制御部3は、計時手段17からの時刻に応じて前記第1のプログラムあるいは前記第2のプログラムのいずれかを読み出して実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、より詳細には、時刻(時間帯)に応じて操作画面を切り替え可能に表示する機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等においてデジタル複合機(MFP:Multi Function Peripherals)などの画像形成装置を設置して、一般向けにプリントサービスなどの各種サービスが提供されている。この画像形成装置を業務用としても利用しようとした場合、プリントサービス用の画面と業務用の画面とでは表示内容が異なるため、操作画面をその都度変更する必要がある。
【0003】
また、画像形成装置を店舗等に設置して利用する場合、昼間の時間帯はセルフコピー機として一般向けに利用し、店舗が閉まった後の夜間の時間帯は業務用として利用する、といったように時間帯によって利用形態を変更することが考えられる。このようなときも、ユーザが使いやすいように、時間帯で操作画面を切り替えておく必要がある。上記例では、昼間はプリントサービス用の画面、夜間は業務用の画面というように、その都度システム担当者等が設定変更を行うため、その作業に手間がかかっていた。
【0004】
これに対して、画像形成装置の中には、操作画面をカスタマイズする機能を備えたものも存在する。例えば、特許文献1には、ユーザ毎に、特定の操作画面や、特定のボタン・特定の文字の表示色を変更できるようにした画像形成装置が開示されている。これによれば、ユーザに応じて操作画面の構成(ボタン・文字の表示色の変更など)を変更(カスタマイズ)できるため、操作性の向上を図ることができる。
【特許文献1】特開平9−114627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の画像形成装置によれば、時刻(時間帯)に応じて操作画面を変更するようになっていないため、1つの画像形成装置を異なる形態(プリントサービス用モード、業務用モードなど)で利用しようとすると、その都度設定変更を行う必要があり、画像形成装置を管理するユーザにとっては負担が大きかった。
【0006】
このように、従来のデジタル複合機などの画像形成装置では、基本となる操作画面から別の操作画面へ切り替えるために、設定変更を行う必要があり、その作業に手間がかかっていた。また、操作画面をカスタマイズする機能を備えるものも存在するが、一般のユーザにとって、このようなカスタマイズ機能を使いこなすには負担が大きいという問題があった。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、入力された画像データから画像を形成する画像形成装置において、少なくとも2つの異なる操作画面を時刻(時間帯)に応じて切り替えて表示できるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、入力された画像データから画像を形成する画像形成装置において、少なくとも2つの異なる操作画面を切り替え可能に表示する表示手段と、時刻を計測する計時手段と、該時刻に応じて前記少なくとも2つの異なる操作画面のいずれかに切り替え制御する制御手段とを備えていることを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記少なくとも2つの異なる操作画面は、前記画像形成装置の利用形態に応じたモード毎に設定され、各モードに応じた機能が割り当てられていることを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、一方の操作画面を表示するための第1のプログラムと、他方の操作画面を表示するための第2のプログラムを蓄積する手段を備え、前記制御手段は、前記時刻に応じて前記第1のプログラムあるいは前記第2のプログラムのいずれかを選択して実行することを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記機能は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能のいずれか1つ以上であることを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記モードは、プリントサービスを提供して課金を行うためのプリントサービス用モード、一般業務に利用するための業務用モードを含むことを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記操作画面は、該操作画面上の入力領域の座標位置を入力可能なタッチパネルで構成されていることを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第1乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記少なくとも2つの異なる操作画面と該操作画面を表示させる時間帯を関連付けて設定する手段を備え、前記制御手段は、前記設定に従って、前記少なくとも2つの異なる操作画面のいずれかに切り替えることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力された画像データから画像を形成する画像形成装置において、少なくとも2つの異なる操作画面を時刻(時間帯)に応じて切り替えて表示できるため、ユーザは利用形態に応じてその都度操作画面を切り替える必要がなくなり、さらに、操作画面をカスタマイズするといった手間がかからない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成例を示すブロック図で、図中、1は画像形成装置、20は電話回線網、30はLAN等で構成された通信ネットワーク、21は電話回線網20に接続されたファクシミリ装置、31,32は通信ネットワーク30に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等の端末装置、40は広域通信ネットワークであるインターネット、41はインターネット40に接続されたファクシミリ装置、42はインターネット40に接続されたPC等の端末装置を示す。画像形成装置1は、ファクシミリ装置21,41との間でFAXによる画像データ又は文書データの送受信を可能とし、端末装置31,32,42との間で電子メール等を利用した画像データ又は文書データの送受信を可能とする。
【0017】
尚、本実施形態の画像形成装置1としては、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及びプリンタ機能のいずれか複数の機能を備えたデジタル複合機を適用した場合を代表例とし、以下、デジタル複合機1として説明する。
【0018】
図1において、デジタル複合機1は、原稿を読み取って画像データを入力する画像読取部2(ICU:イメージコントロールユニット)と、デジタル複合機1が備える各機能を制御する機器制御部3と、ユーザ入力を受け付ける操作部(OCU:オペレーションコントロールユニット)4と、LAN等の通信ネットワーク30を介して端末装置31,32と通信し、インターネット40を介してファクシミリ装置41,端末装置42と通信する通信部5と、画像データの印刷処理を行う画像形成部(PCU:プロセスコントロールユニット)6と、画像データ等を記憶するためのハードディスク(HD)7と、デジタル複合機1の制御情報や設定情報などを記憶するメモリである管理部8と、HD7内の画像データを消去する消去手段9と、電話回線網20を介してファクシミリ装置21と通信するためのFAXモデム10と、を備えている。
【0019】
また、デジタル複合機1は、第1給紙トレイ11、第2給紙トレイ12、及び排紙トレイ13を備えている。第1給紙トレイ11、第2給紙トレイ12は、デジタル複合機1に対して着脱可能に装着され、画像形成するための用紙を画像形成部6に供給する。排紙トレイ13には、第1給紙トレイ11あるいは第2給紙トレイ12から給紙され画像形成部6で画像形成された用紙が排紙される。
【0020】
また、デジタル複合機1は、課金処理部14、画像処理部15、課金装置インタフェース(課金装置I/F)16、及びカウンタ17を備えている。課金装置I/F16は、デジタル複合機1でのプリントサービスに対して課金するための課金装置(後述の図2に示す)と接続するインタフェースである。
【0021】
課金処理部14は、機器制御部3と接続され、上記課金処理に対して料金設定等を行う手段である。機器制御部3は、例えば、課金処理部14によりコピー1枚あたり10円で設定された場合、コピー枚数に応じて課金するように課金装置を制御する。この課金装置には、例えば、コイン式やカード(プリペイドカードなど)式のものを用いることができる。画像処理部15は、画像形成部6に入力された画像データに対して各種の画像処理を行う手段である。計時手段17は、機器制御部3と接続され、時刻(日時等を含む)を計測する時計などの手段である。
【0022】
以下、図1に示すデジタル複合機1の各部について詳細に説明する。
デジタル複合機1は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる機器制御部3を備えている。機器制御部3には、デジタル複合機1を制御するための制御プログラムを記憶しているROMが含まれる。また、機器制御部3には、デジタル複合機1が行う処理を管理するための管理情報(各種の制御情報)を記憶するメモリである管理部8が接続されている。
【0023】
また、機器制御部3には、原稿に記録された画像を読み取って画像データを生成する画像読取部2が接続される。この画像読取部2には、原稿画像を画像データとして取り込むためのCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)2aと、原稿台や自動原稿送り装置(ADF)などにセットされた原稿の有無を検知する原稿検知センサ2bとが設けられる。
【0024】
また、機器制御部3には、記録用紙上に画像データを形成する画像形成部として機能する画像形成部6が接続される。この画像形成部6には、画像データを一時的に記憶するメモリ6aと、メモリ6aが記憶した画像データから画像を形成して記録用紙に記録する印字部(LSU(Laser Scanning Unit):レーザ走査ユニット)6bと、印字部6bで画像形成するための給紙用トレイである第1給紙トレイ11,第2給紙トレイ12と、排紙用トレイである排紙トレイ13とが設けられる。
【0025】
また、機器制御部3には、ファクシミリ通信を行うFAXモデム10が接続されており、FAXモデム10は公衆回線網20に接続されている。デジタル複合機1は、画像読取部2が生成した画像データを、FAXモデム10に接続された公衆回線網20を介して他のファクシミリ装置21へファクシミリ通信にて送信することができる。また、デジタル複合機1は、公衆回線網20を介して他のファクシミリ装置21から送信された画像データをFAXモデム10で受信し、受信した画像データから画像形成部6で画像を形成することができる。
【0026】
また、機器制御部3には、デジタル複合機1が外部と情報を送受信するための通信部5が接続されている。通信部5は、社内LAN等の通信ネットワーク30に接続可能であり、通信ネットワーク30には1または複数のパーソナルコンピュータ(PC)などの端末装置31,32が接続可能である。デジタル複合機1が単独で動作している通常の状態では、通信部5は通信ネットワーク30に接続されており、通信ネットワーク30を介して端末装置31,32との間で情報を交換する。
【0027】
デジタル複合機1は、画像読取部2が生成した画像データを通信部5から端末装置31,32へ送信することができる。また、デジタル複合機1は、端末装置31,32から送信された画像データを通信部5で受信し、受信した画像データから画像形成部6で画像を形成することができる。
【0028】
通信ネットワーク30は、更に広域通信ネットワークであるインターネット40に接続されている。通信部5は、電子メールに画像データを添付して送信するなどの方法により、インターネット40に接続されたファクシミリ装置41や外部の端末装置42との間で、通信ネットワーク30及びインターネット40を介して画像データを受信することができる。
【0029】
また、機器制御部3には、使用者からの操作を受け付ける操作部4が接続されている。操作部4は、使用者の操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力部4aと、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示部4bとからなっている。操作部4には、本画像形成装置の利用者や操作者を認証するための認証コードが入力される。また、認証コードは、FAXモデム10や通信部5を介して外部機器から入力する場合もある。
【0030】
また、機器制御部3には、ハードディスク(HD)7が接続されている。HD7は、画像読取部2が生成した画像データ等の画像処理に係る画像データを記憶する。また、機器制御部3には消去手段9が接続される。消去手段9は、機器制御部3による制御に従って、HD7に記録保持されているデータを消去する。
【0031】
以下、デジタル複合機1が搭載している画像処理モードに関する動作例について簡単に説明する。
(コピーモード)
本実施形態に係るデジタル複合機1を複写機として利用する場合には、画像読取部2で読み取られた原稿の画像データが、画像形成部6から複写物として出力される。
【0032】
画像読取部2には、CCD2aが備えられており、読み取り位置にセットされた原稿の画像を電子的に読み取ることができる。そして、読み取られた原稿の画像データは、メモリ6a上に出力データとして完成され、一旦HD7へ記憶される。原稿が複数ある場合は、この読み取り、記憶の動作が繰り返される。その後、操作部4から指示された処理モードに基づいて、HD7に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読み出されてメモリ6aに送られる。そして、印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて画像データがメモリ6aから印字部6bへと転送される。
【0033】
また、読み取った画像データを複数枚印字する場合も、同様に出力データとしてページ単位でHD7へ記憶され、出力するモードに合わせてHD7からメモリ6aに送られ、出力枚数の分だけ繰り返し、印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて印字部6bへ転送される。
【0034】
(プリンタモード)
次に、本実施形態に係るデジタル複合機1をプリンタとして利用する場合には、通信部5から受信した画像データがメモリ6aなどを介して画像形成部6から出力される。
【0035】
通信部5は、有線あるいは無線を利用して通信ネットワーク30と接続されており、通信ネットワーク30上に接続された外部機器である端末装置31,32から画像データを受信する。このように受信された画像データは、出力する画像データとしてページ単位にメモリ6aに送られ、一旦HD7へ記憶される。そして、画像データは、再びHD7からメモリ6aに送られ、前述した複写機として利用する場合と同様にして印字部6bへと転送される。
【0036】
(スキャナモード)
また、本実施形態に係るデジタル複合機1をネットワークスキャナとして利用する場合には、画像読取部2において読み取られた原稿の画像データを、通信部5から通信ネットワーク30を介して端末装置31,32へ送信することができる。ここでも、画像読取部2に備えられたCCD2aにより原稿を電子的に読み取る。そして、読み取られた原稿の画像データは、メモリ6a上に出力データとして完成され、一旦HD7へ記憶される。そして、再びHD7からメモリ6aに送られ、操作部4を介して指示された送信先との通信を確立させた上で通信部5から目的の送信先へと送信される。
【0037】
(ファクシミリモード)
さらに、通信部5は、通信ネットワーク30,インターネット40を介してファクシミリ装置41と接続されている。また、FAXモデム10は、電話回線網20を介してファクシミリ装置21と接続するようにしてもよい。本実施形態に係るデジタル複合機1をファクシミリ装置として利用する場合にも同様の動作が行われ、外部機器との間で画像データの送信及び受信が可能となる。
【0038】
デジタル複合機1を構成する各部は、機器制御部3により制御され、操作部4に設けられたタブレット,キー群などの入力部4aからの操作指示を監視すると共に、表示部4bを介してデジタル複合機1の状態に関する情報などのユーザに通知すべき情報を的確に案内表示する。また、管理部8には、機器制御部3により制御されている各構成部に関する情報が管理されており、これら情報をもとに、機器制御部3がデジタル複合機1全体の動作を制御する。
【0039】
本発明に係るデジタル複合機1は、少なくとも2つの異なる操作画面を時刻(時間帯)に応じて切り替えて表示することを主たる目的とし、そのために、2つの操作画面を切り替え可能に表示する表示部4bと、時刻を計測する計時手段17と、その時刻に応じて上記2つの操作画面のいずれかに切り替え制御する機器制御部3とを備えて構成される。なお、上記2つの操作画面は、デジタル複合機1の利用形態に応じたモード毎に設定され、各モードに応じた機能が割り当てられている。
【0040】
切り替え表示する操作画面は、2つに限定されず、モード数に応じて3つ以上設定するようにしてもよい。また、ここでいう機能とは、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能のいずれか1つ以上の機能であり、さらに、例えばコピー機能に含まれる個別の機能(両面コピー機能、仕上げ機能など)を対象としてもよい。また、モードとは、例えば、プリントサービスを提供して課金を行うためのプリントサービス用モード、一般業務に利用するための業務用モードを含むものとする。なお、上記プリントサービス用モードには、コピーサービスを提供するコピーサービス用モードを含むものとする。
【0041】
管理部8は、プリントサービス用の機能が割り当てられた操作画面を表示するためのプリントサービス用プログラムと、業務用の機能が割り当てられた操作画面を表示するための業務用プログラムとを蓄積して有し、機器制御部3は、計時手段17による時刻に応じて、プリントサービス用プログラムあるいは業務用プログラムのいずれかを管理部8から読み出して実行する。
【0042】
例えば、デジタル複合機1を店舗等に設置して利用する場合、昼間の時間帯(例えば、9時〜18時)は、プリントサービス用プログラムを実行してセルフコピー機として一般向けに機能し、店舗が閉まった後の夜間の時間帯(例えば、18時〜翌日の9時)は、業務用プログラムを実行して業務用コピー機として機能する、といったように時間帯によって操作画面を切り替えるように制御する。機器制御部3は、業務用プログラムを実行して業務用の操作画面を表示中に、例えば9時になると、プリントサービス用プログラムを自動的に実行して、表示部4bの画面をプリントサービス用の操作画面に切り替える。なお、デジタル複合機1の電源がオフ状態からオンされた場合、そのときの時刻を計時手段17が計時し、その結果に基づいて、いずれかのプログラムを読み出して実行する。
【0043】
図2は、デジタル複合機1と課金装置とが接続されたシステムの構成例を示す図である。デジタル複合機1は、デジタル複合機1での複写処理に対して課金するための課金装置50と接続されている。課金装置50は、課金情報を表示するための表示部51と、ユーザ操作を入力するための操作パネル52と、コインあるいはプリペイドカードを投入する投入部53と、制御プログラム等を格納するROM54と、課金装置50全体を制御するCPU55と、制御プログラムの実行領域であるメモリ56と、デジタル複合機1と接続するためのI/F57と、を備えている。
【0044】
デジタル複合機1のI/F16は、課金装置50のI/F57と接続され、デジタル複合機1の機器制御部3によって課金装置50における課金処理を制御する。ここで、課金処理部14により、A4白黒コピー1枚あたり10円として設定されているとする。ユーザは、例えば、課金装置50の投入部53から200円を予め投入しておく。デジタル複合機1は、ユーザ操作に従って、原稿から記録紙へのコピーを実行し、A4白黒コピー10枚が作成される。このときのコピー代金は、課金処理部14によりコピー枚数10枚×10円/枚=100円と算出され、機器制御部3は、この100円分を差し引くように課金装置50に指示する。課金装置50は、機器制御部3からの指示に従って、投入金額である“200円”から“100円”を差し引き、残りを返金する処理を行う。
【0045】
また、課金処理部14は、コピーされた枚数や、コピーの種類(カラー、白黒など)、用紙サイズ(A4、B4など)などに応じてコピー代金を設定するようにしてもよい。このようにして、本発明のデジタル複合機1は、一般ユーザに対して有料プリントサービスを提供することができる。
【0046】
以下、図3乃至図9に基づいて、時間帯と操作画面を関連付けて設定する処理について説明する。この処理は機器制御部3、操作部4(入力部4a,表示部4b)により実行される。
【0047】
図3は、デジタル複合機1が備える操作部4の構成例を示す図である。図中、操作部4は、タッチパネルPと、ユーザ設定ボタン4cを備えている。図3に示すタッチパネルPには、業務用の操作画面が表示されている。この業務用の操作画面には、「特別機能」,「両面コピー」,「仕上げ」,「ファイリング」,「自動一時保存」などの各種機能が割り当てられている。システム管理者等の操作者は、業務用の操作画面とプリントサービス用の操作画面それぞれを、表示させる時間帯に関連付けて設定するために、ユーザ設定ボタン4cを押下する。以下、図4乃至図9に示すように設定画面が遷移する。
【0048】
図4は、デジタル複合機1のタッチパネルP上に表示されるユーザ設定の画面例を示す図である。ユーザ設定の画面は、例えば、「総使用枚数表示」,「画面コントラスト」,「データリストプリント」,「日付・時刻設定」,「給紙トレイ設定」,「相手先登録」,「キーオペレータプログラム」などの項目を含み、本例では「キーオペレータプログラム」の項目が選択された状態を示している。
【0049】
図5は、デジタル複合機1のタッチパネルP上にキーオペレータプログラムの設定画面を表示させるための認証情報入力画面の一例を示す図である。また、図6は、認証情報入力画面の他の例を示す図で、図5に示す画面に認識情報を入力している状態の画面を示す。この図5に示す認証情報入力画面に対して、操作者は、デジタル複合機1が備えるテンキーなどを用いて認証情報であるキーオペレータコードを入力する。キーオペレータコードが入力されている状態を図6に示す。これにより認証された場合、デジタル複合機1は、下記の図7に示すキーオペレータプログラムの設定画面を表示する。
【0050】
図7は、デジタル複合機1のタッチパネルP上に表示されるキーオペレータプログラムの画面例を示す図である。キーオペレータプログラムの画面は、例えば、「部門管理」,「省エネルギー設定」,「操作設定」,「デバイス設定」,「システム管理設定」,「コピー設定」,「ファックス/イメージ送信設定」,「リスト/レポートプリント」,「キーオペレータコード変更」,「プロダクトキー入力」、「時間管理」などの設定項目を含み、本例では「時間管理」の項目が選択された状態を示している。このように、図5及び図6に示した認証情報入力画面で認証された操作者は、図7に示すキーオペレータプログラムに対して各種設定を行うことができる。
【0051】
図8は、デジタル複合機1のタッチパネルP上に表示される時間管理の画面例を示す図である。時間管理の画面は、日時,時刻を設定するための画面であって、この日時,時間が正確である場合には、「OK」ボタンを押下することにより、図9に示すスケジュール設定画面に移行する。また、日時,時間が正確でない場合、「▼」を押下して、正しい日時,時間に調整した後、「OK」ボタンを押下し、スケジュール設定画面に移行する。
【0052】
図9は、デジタル複合機1のタッチパネルP上に表示されるスケジュール設定の画面例を示す図である。スケジュール設定画面は、2つの操作画面(本例ではプリントサービス用と業務用)とその操作画面を表示させる時間帯を関連付けて設定するための画面である。本例では、9時〜18時の時間帯をプリントサービス用の操作画面を表示し、18時〜翌9時の時間帯を業務用の操作画面を表示するように設定されている。この設定内容でよければ、「OK」ボタンを押下して、設定処理を完了する。これにより、機器制御部3は、上記設定に従って、9時になった時点で、プリントサービス用プログラムを実行して、プリントサービス用の操作画面を表示し、さらに、18時になった時点で、業務用プログラムを実行し、業務用の操作画面に切り替える処理を行う。
【0053】
図10は、デジタル複合機1のタッチパネルP上に表示される時刻設定及びプログラム設定の画面例を示す図である。図10(A)に示す時刻設定画面は、各プログラム(プリントサービス用プログラム、業務用プログラムなど)を実行する日時を設定するための画面で、実行日(例えば、2005年10月1日),実行期間(例えば、10月1日〜10月10日),実行曜日(例えば、月曜日〜金曜日)あるいは毎日,実行時間帯(例えば、9時〜18時)などを、チェックボックス(□)をチェックすることで設定することができる。
【0054】
図10(B)に示すプログラム設定画面は、図10(A)で設定した内容に基づいて実行するプログラムを設定するための画面である。例えば、デジタル複合機1の電源をオフするための電源オフ,デジタル複合機1を業務に利用するための業務用モード(さらに、コピー,プリント,FAX,スキャナが設定可能),各機能に各種制限をかけて利用するための制限モード(さらに、コピー,プリント,FAX,スキャナが設定可能),コピー機能を利用するためのコピープログラム,プリント機能を利用するためのプリントプログラム,FAX機能を利用するためのFAXプログラム,スキャナ機能を利用するためのスキャナプログラムなどを、チェックボックス(□)をチェックすることで設定することができる。
【0055】
図11は、デジタル複合機1のタッチパネルP上に表示される操作画面の一例を示す図である。図11(A)に示す操作画面は、昼間の時間帯(例えば、9時〜18時)に表示されるプリントサービス用の操作画面で、コピーの料金情報などを表示する。また、図11(B)に示す操作画面は、夜間の時間帯(例えば、18時〜22時)に表示される業務用の操作画面で、前述の図3に示した操作画面と同じ画面を表示する。機器制御部3は、上記設定内容に従って、9時になった時点で、プリントサービス用プログラムを実行して、図11(A)に示すプリントサービス用の操作画面を表示させ、さらに、18時になった時点で、業務用プログラムを実行し、図11(B)に示す業務用の操作画面に切り替える処理を行う。
【0056】
図12は、本発明のデジタル複合機1による操作画面の切り替え表示処理の流れを説明するためのフロー図である。まず、デジタル複合機1は、システムチェックを行い(ステップS1)、システムに異常がないかどうかを判定し(ステップS2)、異常があれば(NOの場合)、システムエラー処理へ移行する。また、上記ステップS2において、異常がなければ(YESの場合)、ウォームアップを開始し(ステップS3)、準備完了したかどうかを判定し(ステップS4)、準備完了した場合(YESの場合)、現在時間をチェックする(ステップS5)。また、上記ステップS4において、準備完了していない場合(NOの場合)、ステップS4の処理を繰り返す。
【0057】
次に、デジタル複合機1は、ステップS5でチェックした時間に基づいて、表示する操作画面(本例ではプリントサービス用あるいは業務用)を決定し(ステップS6)、コピー等のデータ処理の入力待ち(レディ)状態に移行する(ステップS7)。デジタル複合機1は、データ処理を受け付けたかどうかを判断し(ステップS8)、データ処理を受け付けた場合(YESの場合)、データ処理を実行し(ステップS9)、データ処理を完了したかどうかを判断し(ステップS10)、データ処理を完了していない場合(NOの場合)、ステップS9に戻り処理を繰り返す。また、上記ステップS10において、データ処理を完了した場合(YESの場合)、そのまま終了するか、あるいは、ステップS8に戻り、データ処理の受け付け待機状態に移行する。
【0058】
また、デジタル複合機1は、ステップS8において、データ処理を受け付けない場合(NOの場合)、時間チェックを行い(ステップS11)、その結果に基づいて操作画面を切り替える必要があるかどうかを判断する(ステップS12)。操作画面を切り替える必要有りと判断した場合(YESの場合)、操作画面を切り替えて(ステップS13)、ステップS8に戻り、データ処理の受け付け待機状態に移行する。また、上記ステップS12において、操作画面を切り替える必要なしと判断した場合(NOの場合)、ステップS8に戻り、データ処理の受け付け待機状態に移行する。
【0059】
なお、ステップS11において、デジタル複合機1の計時手段17は常に動作しているため、機器制御部3が常時又は所定時間毎に計時手段17を参照して時間をチェックするようにしてもよい。あるいは、計時手段17が切り替え時刻になった旨を機器制御部3に通知するようにしてもよい。
【0060】
また、データ処理の途中で、操作画面の切り替え時刻になったときは、一連のデータ処理を完了した後に、操作画面を切り替えるようにして、データ処理が途中で中断することがないようにする。また、操作画面の切り替え処理は、時刻(時間帯)に応じて自動的に行うようにしているが、必要に応じて、システム管理者等が手動で切り替えるようにしてもよい。
【0061】
以上説明したように、本発明によれば、入力された画像データから画像を形成する画像形成装置において、少なくとも2つの異なる操作画面を時刻(時間帯)に応じて切り替えて表示できるため、ユーザは利用形態に応じてその都度操作画面を切り替える必要がなくなり、さらに、操作画面をカスタマイズするといった手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図2】デジタル複合機と課金装置とが接続されたシステムの構成例を示す図である。
【図3】デジタル複合機が備える操作部の構成例を示す図である。
【図4】デジタル複合機のタッチパネル上に表示されるユーザ設定の画面例を示す図である。
【図5】デジタル複合機のタッチパネル上にキーオペレータプログラムの設定画面を表示させるための認証情報入力画面の一例を示す図である。
【図6】認証情報入力画面の他の例を示す図である。
【図7】デジタル複合機のタッチパネル上に表示されるキーオペレータプログラムの画面例を示す図である。
【図8】デジタル複合機のタッチパネル上に表示される時間管理の画面例を示す図である。
【図9】デジタル複合機のタッチパネル上に表示されるスケジュール設定の画面例を示す図である。
【図10】デジタル複合機のタッチパネル上に表示される時刻設定及びプログラム設定の画面例を示す図である。
【図11】デジタル複合機のタッチパネル上に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図12】本発明のデジタル複合機による操作画面の切り替え表示処理の流れを説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0063】
1…画像形成装置(デジタル複合機)、2…画像読取部、2a…CCD、2b…原稿検知センサ、3…機器制御部、4…操作部、4a…入力部、4b…表示部、4c…ユーザ設定ボタン、5…通信部、6…画像形成部、6a…メモリ、6b…印字部(LSU)、7…ハードディスク(HD)、8…管理部、9…消去手段、10…FAXモデム、11…第1給紙トレイ、12…第2給紙トレイ、13…排紙トレイ、14…課金処理部、15…画像処理部、16…課金装置I/F、17…計時手段、20…電話回線網、21,41…ファクシミリ装置、30…通信ネットワーク、31,32,42…端末装置、40…インターネット、50…課金装置、51…表示部、52…操作パネル、53…投入部、54…ROM、55…CPU、56…メモリ、57…I/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データから画像を形成する画像形成装置において、少なくとも2つの異なる操作画面を切り替え可能に表示する表示手段と、時刻を計測する計時手段と、該時刻に応じて前記少なくとも2つの異なる操作画面のいずれかに切り替え制御する制御手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記少なくとも2つの異なる操作画面は、前記画像形成装置の利用形態に応じたモード毎に設定され、各モードに応じた機能が割り当てられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、一方の操作画面を表示するための第1のプログラムと、他方の操作画面を表示するための第2のプログラムを蓄積する手段を備え、前記制御手段は、前記時刻に応じて前記第1のプログラムあるいは前記第2のプログラムのいずれかを読み出して実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記機能は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能のいずれか1つ以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記モードは、プリントサービスを提供して課金を行うためのプリントサービス用モード、一般業務に利用するための業務用モードを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記操作画面は、該操作画面上の入力領域の座標位置を入力可能なタッチパネルで構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記少なくとも2つの異なる操作画面と該操作画面を表示させる時間帯を関連付けて設定する手段を備え、前記制御手段は、前記設定に従って、前記少なくとも2つの異なる操作画面のいずれかに切り替えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−108583(P2007−108583A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301767(P2005−301767)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】