説明

画像形成装置

【課題】現像ユニットからトナーを完全に除去することによって、画像確認後における現像ユニットの着脱動作を省略すると共にトナーの長寿命化を図ることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】プリンタが、回転現像ユニット13を所定のタイミングで回転させ、この回転によりブラック現像器20dの内部に収容されたトナーに加わる重力及び遠心力や回転が停止したときにブラック現像器20dに与えられる振動を利用して、ブラック現像器20dに収容されたトナーをこの現像器20dから完全に除去するためのトナー吐出しモードを備える。そして、このトナー吐出しモードでは、回転現像ユニット13のブラック現像器20dからトナーが吐出され、記録紙1枚分の画像が感光体ドラム10の表面に形成された後、感光体ドラム10より中間転写ベルト37の表面に転写された画像を構成するトナーがベルトクリーニングユニット42によって回収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、カラー画像を出力可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機やプリンタ等の画像形成装置が知られている。この画像形成装置には、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させることで現像を行う現像ユニットが設置されている。そして、現像ユニットの内部にはトナーが収容されると共に、この現像ユニットはトナーを攪拌する攪拌ローラや感光体ドラムの表面にトナーを供給するための現像ローラなどを備えている。
【0003】
このような構成の画像形成装置が工場にて製造された後、この画像形成装置を出荷する段階において、この画像形成装置に対し、主に以下の3つの形態がとられる。即ち、これらの3つの形態は、現像ユニットにトナーを収容せず画像の確認を省略する、或いは、現像ユニットにトナーを収容して画像の確認を行った後に画像形成装置より現像ユニットを取り外し、この現像ユニットの内部に空気を注入するなどして現像ユニットのクリーニングを行った後に現像ユニットを画像形成装置に装着する、或いは、現像ユニットにトナーを収容して画像の確認を行うものの、現像ユニットのクリーニングは省略する、といったものである。
【0004】
また、この現像ユニットに非磁性1成分のトナーが収容されるとき、特定の粒径のトナーとして粒径の小さいトナーが優先的に消費される選択現像が生じ、記録紙の印刷枚数が増加するにつれて現像ユニットの内部に粒径の大きいトナーが少しずつ堆積してゆく。よって、新しいトナーを補給するごとに現像ユニットの内部に収容されるトナーの粒径分布が変化する。また、この現像ユニットにおいて、攪拌ローラによってトナーが攪拌されるとき、トナーどうしが接触しトナーにストレスが作用することにより、トナーの外添剤がトナーの表面から剥がれ落ちたりトナーの中に入り込んだりする。
【0005】
そして、現像ユニットに収容されたトナーの粒径分布の変化やトナーどうしの接触によるトナーの劣化により、記録紙に印刷される画像濃度の低下や地肌かぶりなどを生じ、記録紙に印刷される画像の品質が低下するといった問題が生じる。特に、現像ユニット内部のトナーを収容する部分の容積が小さい程、トナーの粒径分布の変化やトナーの劣化によりこのような問題が発生するまでの時間が短くなる。これに対し、記録紙に印刷される画像の品質を保持するために、所定のタイミングに達するごとに、現像ユニットに収容された古いトナーを新しいトナーと入れ換えるリフレッシュ動作が行われる。
【0006】
また、現像ユニットのリフレッシュを行うものとして、一定枚数ごとの平均印字密度が所定密度値を下回った場合に、感光体ドラムとこの感光体ドラムの現像領域にトナーを搬送する現像スリーブとの間に交番電界を印加し、現像スリーブの表面に残留するトナーを感光体ドラムに飛翔させて現像スリーブをリフレッシュすることにより、帯電的に均一なトナーの薄層を形成すると共に現像スリーブ表面のトナーの粒度分布を長期間の使用に対して一定に保ち、画像濃度低下や地肌かぶりとった画像不良を防止する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−330379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、工場にて製造された画像形成装置を出荷する段階において、現像ユニットにトナーを収容せず画像の確認を省略する形態をとる場合、画像の確認を行うことができないという問題がある。また、現像ユニットにトナーを収容して画像の確認を行った後に画像形成装置より現像ユニットを取り外し、この現像ユニットの内部に空気を注入するなどして現像ユニットのクリーニングを行った後に現像ユニットを画像形成装置に装着する形態をとる場合、現像ユニットの着脱に時間がかかるだけでなく、現像ユニットの着脱動作による組立ミスが発生するおそれがある。特に、画像形成装置の小型化が進むにつれて装置の構成が複雑化するため、組立ミスの発生する頻度が高くなる。
【0008】
更に、現像ユニットにトナーを収容して画像の確認を行うものの、現像ユニットのクリーニングは省略する形態をとる場合には、外気温の変化により現像ユニットの内部に残ったトナーに結露が付着したり、画像形成装置の輸送中に振動等が加わることにより現像ユニットの内部に残ったトナーが現像ユニットの外部に飛散したりするおそれがある。よって、現像ユニットにトナーを収容して画像の確認を行い、画像形成装置に現像ユニットを装着したままの状態で現像ユニットからトナーを完全に除去した後、この画像形成装置を出荷することが望ましい。
【0009】
ここで、記録紙の印刷動作時において、現像ユニットのトナーが収容される部分では、攪拌ローラの位置に近いトナーが周方向に攪拌される一方で攪拌ローラの位置から遠いトナーが現像ユニットの内壁に押し付けられる。即ち、攪拌ローラの位置から遠いトナーが現像ユニットの内壁に押し付けられることによって形成されたトンネルの内部を、攪拌ローラの位置に近いトナーが流動する現象が生じる。また、現像ローラの軸方向にトナーを搬送することで現像ローラの表面に均一にトナーを付着させるための搬送スパイラルが現像ユニットに設置される場合には、搬送スパイラルの回転によって一定方向に搬送されたトナーがこの現像ユニットの内壁に押し付けられる。
【0010】
そして、このようにトナーが現像ユニットの内壁に押し付けられることによって、現像ユニットのトナーが収容される部分のデッドスペースにトナーが入り込み、このデッドスペースにトナーが溜まることとなる。尚、このデッドスペースとは、現像ユニット内部のトナーが収容される部分のうち感光体ドラムにトナーが供給されない場所を表す。よって、工場にて製造された画像形成装置を出荷する段階において、現像ユニットにトナーを収容して画像の確認を行った後に現像ユニットからトナーを除去する動作を行っても、この現像ユニットから古いトナーを完全に除去することができない。
【0011】
また、上述のような所定のタイミングに達するごとに現像ユニットに収容された古いトナーを新しいトナーと入れ換えるリフレッシュ動作を行っても、この現像ユニットから古いトナーを完全に除去することができない。このため、リフレッシュ動作後には、現像ユニットの内部に古いトナーと新しいトナーとが混在することとなり、現像ユニットの内部に新しいトナーが収容される場合と比べて、トナーの粒径分布の変化やトナーどうしの接触によるトナーの劣化に伴う画像品質の低下が早い段階で現れる。よって、印刷動作を行うにつれ、画像品質の低下を防止すべくリフレッシュ動作を行う間隔が狭まってゆくため、現像ユニットの内部に収容されたトナーの寿命が短くなるという問題がある。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現像ユニットからトナーを完全に除去することによって、画像確認後における現像ユニットの着脱動作を省略すると共にトナーの長寿命化を図ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、周方向に沿って配置されたトナーの色に対応する複数の現像器から成る回転現像ユニットを備え、前記回転現像ユニットが回転することにより感光体ドラムと対向する位置に移動された前記各現像器から前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像にトナーを供給することで現像を行う画像形成装置において、前記複数の現像器のうちブラックのトナーを収容するブラック現像器の内部に収容された磁性1成分のトナーを当該ブラック現像器から除去するためのトナー吐出しモードを備え、前記トナー吐出しモードが実行されるときに、前記ブラック現像器を前記感光体ドラムと対向する位置に移動させて前記感光体ドラムの表面にブラックのトナーを供給すると共に、所定のタイミングで前記回転現像ユニットを回転させることを特徴とする。
【0014】
このように構成された画像形成装置において、前記感光体ドラムの表面に付着したトナーを除去するドラムクリーニング部材が設置されたドラムクリーニングユニットを備え、
前記トナー吐出しモードが実行されるときに、前記感光体ドラムの表面に付着したトナーが前記ドラムクリーニングユニットに回収される。
【0015】
尚、感光体ドラムの表面は、例えばアモルファスシリコンによって形成されている。そして、トナー吐出しモードにおいて、ブラック現像器から吐出されたブラックのトナーが感光ドラムの表面の一部と共にドラムクリーニングユニットに回収される。
【0016】
また、このように構成された画像形成装置において、前記感光体ドラムの表面に形成された画像が転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの表面に付着したトナーを除去するベルトクリーニング部材が設置されたベルトクリーニングユニットと、を備え、
前記トナー吐出しモードが実行されるときに、前記感光体ドラムの表面に形成された画像が前記中間転写ベルトの表面に転写されると共に、前記中間転写ベルトの表面に付着したトナーが前記ベルトクリーニングユニットに回収される。
【0017】
このように、トナー吐出しモードにおいて、感光体ドラムの表面に形成された画像が中間転写ベルトの表面に転写されることによってこの中間転写ベルトの表面に付着したトナーがベルトクリーニングユニットに回収される。
【0018】
また、上述のそれぞれの画像形成装置では、製造された前記画像形成装置の出荷時において、前記感光体ドラムの表面に形成された画像を記録紙に印刷することによって記録紙に印刷される画像の確認を行うと共に、前記トナー吐出しモードは、記録紙に印刷される画像の確認を行った後に実行される。
【0019】
ここで、画像形成装置が工場にて製造された後、この画像形成装置を出荷する前に動作確認として試し刷りが行われる。このとき、試し刷りを行うために、回転現像ユニットのブラック現像器にトナーが収容される。そして、試し刷りが終了した後、この画像形成装置を出荷する段階においてトナー吐出しモードが実行され、ブラック現像器からトナーが除去される。これにより、画像形成装置の輸送中における振動等によるブラック現像器の外部へのトナーの飛散等を防止することができ、また、画像確認後の回転現像ユニットの着脱動作を省略することができる。
【0020】
また、上述のそれぞれの画像形成装置において、前記トナー吐出しモードは、出荷された前記画像形成装置の使用を開始してから所定のタイミングに達したときに実行される。
【0021】
このように、出荷された画像形成装置の使用を開始してから所定のタイミングに達したときにトナー吐出しモードが実行されることによって、ブラック現像器の内部に収容されたトナーの粒径分布の変化やトナーの劣化による画像品質の低下を確実に防止することができる。また、トナー吐出しモードによりブラック現像器の内部に収容されたトナーが確実に除去されるため、その後にブラック現像器の内部に収容されるトナーの長寿命化を図ることができ、トナー吐出しモードが実行される間隔を長くすることができる。
【0022】
このように構成された画像形成装置において、各種データが記憶されるメモリを備え、前記メモリには、記録紙に画像を印刷するために使用されるブラックのトナーのドット数より求められるトナーの使用量が記録紙が1枚印刷されるごとに加算して記憶されると共に、前記トナー吐出しモードが実行されるまでのトナーの使用量が予め記憶されており、前記所定のタイミングは、前記メモリに加算して記憶されるトナーの使用量が前記メモリに予め記憶される前記トナー吐出しモードが実行されるまでのトナーの使用量と等しくなったときである。
【0023】
尚、所定のタイミングは、上述したものの他に、ブラックのトナーを用いてモノクロ画像を出力する際の記録紙の印刷枚数、或いは、画像形成装置に装着された各現像器にトナーを供給するための複数のトナーカートリッジのうちブラックのトナーに対応するトナーカートリッジの交換回数に基づき決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、トナー吐出しモードにおいて、回転現像ユニットを回転させることにより、ブラック現像器の内部に収容されたブラックのトナーに加わる重力及び遠心力や回転現像ユニットの回転が停止したときにブラック現像器に与えられる振動を利用してブラック現像器のデッドスペースに溜まったトナーをこの現像器から完全に除去することができる。よって、製造された画像形成装置を出荷する段階において画像確認後の回転現像ユニットの着脱動作を省略することができると共に、ブラック現像器の内部に収容されたブラックのトナーの長寿命化を図ることができる。
【0025】
また、ブラック現像器内部のトナーを収容する部分の容積が小さい程トナーの粒径分布の変化やトナーの劣化により画像の品質が低下するまでの時間が短くなる一方、本発明では、ブラック現像器の内部に収容されたブラックのトナーの長寿命化が図られる。このため、従来と同じ寿命を持たせる場合にブラック現像器内部のトナーを収容する部分の容積を小さくすることができ、回転現像ユニットを小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
《発明の実施形態》
本実施形態の画像形成装置は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワークを介して1台または複数台の端末装置(不図示)と接続されている。そして、この画像形成装置は、端末装置より送られてくる画像データに基づきカラー画像またはモノクロ画像を出力するプリンタ機能を有しており、図1に示すプリンタAとして利用される。また、このプリンタAは、記録紙の片面に画像を印刷する片面印刷モードと記録紙の両面に画像を印刷する両面印刷モードとを備えている。尚、図1に示すプリンタAにおいて、紙面の右側をプリンタAの手前側、紙面の左側をプリンタAの奥側とする。
【0028】
そして、このプリンタAは、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム10と、感光体ドラム10の表面全体を一様に帯電させる帯電ローラ11と、感光体ドラム10の表面にレーザ光を照射する露光ユニット12と、感光体ドラム10の表面に形成される静電潜像にトナーを付着させることで現像を行う回転現像ユニット13と、回転現像ユニット13に供給するためのトナーが収容されるトナー収容部14と、トナー収容部14に収容されたトナーを回転現像ユニット13に供給するためのトナー供給ユニット15と、記録紙に転写されたトナーを記録紙に定着させる定着ユニット16と、感光体ドラム10の表面に残留するトナー等の付着物を除去するドラムクリーニングユニット17と、を備えている。
【0029】
このように構成されたプリンタAにおいて、感光体ドラム10は、図1に示すように、プリンタA内部の中央付近に回転自在に設置されており、その回転軸がプリンタAの手前側から見てプリンタAの設置面と水平な方向に、即ち、紙面に対して垂直な方向に延びている。この感光体ドラム10の表面は、アモルファスシリコン(a−Si)によって形成されている。
【0030】
また、帯電ローラ11は、図1に示すように、感光体ドラム10の上方であって、この感光体ドラム10と近接する位置に設置されている。そして、帯電ローラ11に所定の大きさの電圧を印加すると、帯電ローラ11の放電により感光体ドラム10の表面が一様に帯電する。
【0031】
また、露光ユニット12は、プリンタAに接続される端末装置より送られてきた画像データに基づき、半導体レーザ(不図示)より感光体ドラム10へ向けてレーザ光を照射するものである。図1に示すように、この露光ユニット12は、感光体ドラム10の上方であって、回転現像ユニット13の回転軸よりも奥側に設置されている。また、図1に示すように、露光ユニット12から感光体ドラム10へ至るレーザ光の光路に反射ミラー18が設置されている。そして、図1に一点鎖線で示すように、露光ユニット12より出射されたレーザ光が、反射ミラー18で所定の角度に反射した後に感光体ドラム10へ向けて照射されることで、感光体ドラム10のうちレーザ光が当たった部分に静電潜像が形成される。
【0032】
尚、この露光ユニット12としては、上述のような半導体レーザより出射されるレーザ光を感光体ドラム10の表面に照射するものに代えて、LEDヘッド(不図示)にライン状に配列された多数のLED(不図示)より出射される光を感光体ドラム10の表面に照射するものとしても構わない。
【0033】
また、回転現像ユニット13は、円筒状に形成されており、図1に示すように、感光体ドラム10に隣接すると共にこの感光体ドラム10の奥側に設置されている。図2にも示すように、この回転現像ユニット13は、周方向に90°間隔で回転軸より放射状に延びる回転枠19と、回転枠19に支持されると共にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の各トナーが収容される4つの現像器20と、を備えている。そして、この回転枠19は、感光体ドラム10の回転軸と平行な軸の回りに回転自在に形成されており、モータやギアから成る駆動機構(不図示)によって駆動される。また、各現像器20は、回転枠19によって回転現像ユニット13の周方向に4等分された4つの区画のそれぞれに配置されている。
【0034】
そして、図2に示すように、各現像器20に収容されるトナーの色に応じて4つの現像器20のそれぞれをシアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、イエロー現像器20c、及びブラック現像器20dとするとき、シアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、及びイエロー現像器20cには非磁性1成分のトナーが収容される。また、ブラック現像器20dには、磁性1成分のトナーが収容される。よって、シアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、及びイエロー現像器20cとブラック現像器20dとは、その内部構成が異なっている。
【0035】
具体的には、図2に示すように、シアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、及びイエロー現像器20cのそれぞれは、トナーを感光体ドラム10へ供給するための現像ローラ21と、現像ローラ21に当接すると共に現像ローラ21の表面にトナーを付着させるスポンジローラ22と、各現像器20a,20b,20cの内部に収容されたトナーを攪拌する攪拌ローラ23と、を備えている。そして、これらの現像器20a,20b,20cは、スポンジローラ22から現像ローラ21にトナーを供給する構成であり、各現像器20a,20b,20c内部のトナーが収容される部分から現像ローラ21に直接トナーが供給されることが阻止される。
【0036】
一方、ブラック現像器20dは、上述した現像ローラ21及び攪拌ローラ23の他に、現像ローラ21の軸方向にトナーを搬送することで現像ローラ21の表面に均一にトナーを付着させるための搬送スパイラル24を備えている。そして、ブラック現像器20dは、搬送スパイラル24を介して現像ローラ21にトナーを供給する構成であり、この現像器20d内部のトナーが収容される部分から現像ローラ21に直接トナーが供給されることもあり得る。
【0037】
このようにシアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、イエロー現像器20c、及びブラック現像器20dが構成されるとき、回転現像ユニット13が回転し、各現像器20に収容されたトナーが感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像に付着することによって現像が行われる。
【0038】
また、トナー収容部14は、回転現像ユニット13の各現像器20に供給する4色のトナーのそれぞれを収容する部分であり、図1に示すように、プリンタA内部の最も手前側に設置されている。このトナー収容部14には、プリンタAの手前側から見てプリンタAの設置面と水平な方向に、即ち、紙面に対して垂直な方向に並べて配置された各色のトナーに対応する4つのトナーカートリッジ(不図示)が装着されており、4つのトナーカートリッジのそれぞれがプリンタAの手前側に取り出し可能となっている。
【0039】
また、トナー供給ユニット15は、トナー収容部14の各トナーカートリッジに収容された4色のトナーのそれぞれをトナーの色に対応する各現像器20に供給するためのものである。図1に示すように、このトナー供給ユニット15は、回転現像ユニット13の上方であって、露光ユニット12とトナー収容部14の間のスペースに設置されている。そして、図3に示すように、このトナー供給ユニット15は、4色のトナーのそれぞれに対応する上下方向に移動可能な4つのトナー供給パイプ25と、トナー収容部14に装着される4つのトナーカートリッジのそれぞれと各トナーカートリッジに収容されたトナーの色に対応するトナー供給パイプ25とを連結する4つの搬送パイプ26と、各トナー供給パイプ25を上下方向に移動させるための駆動機構27と、を備えている。
【0040】
このような構成のトナー供給ユニット15において、トナー供給パイプ25は、図3に示すように、上下方向に延びると共にその下端部分が先細形状となっている。また、トナー供給パイプ25の内部には、このトナー供給パイプ25の下端部分へ向けてトナーを搬送するスパイラル部材28が回転自在に取り付けられている。そして、このトナー供給パイプ25が図1に破線で示す供給位置に移動したとき、トナー供給パイプ25の下端部分が各現像器20に形成されたスリット(不図示)を通って各現像器20の内部に進入し、トナー供給パイプ25より各現像器20にトナーが供給される。
【0041】
また、搬送パイプ26は、図3に示すように、左右方向、即ち、プリンタAの手前側と奥側とを結ぶ方向に延びており、トナー供給パイプ25の上下動に追従して移動可能なように可撓性を有している。この搬送パイプ26の内部には、コイルスプリング29が回転自在に取り付けられている。そして、このコイルスプリング29が回転すると、トナーが搬送パイプ26の内部を通ってトナー供給パイプ25へ向けて搬送される。
【0042】
また、駆動機構27は、図3に示すように、トナー供給パイプ25の軸方向と平行に延びると共にトナー供給パイプ25の外周に取り付けられたラック30と、このラック30に噛み合うピニオンギア31と、を備えている。このピニオンギア31は、プリンタAのフレーム(不図示)に回転自在に支持されており、モータ(不図示)等によって駆動される。そして、モータを駆動すると、ピニオンギア31が回転し、このピニオンギア31に噛み合うラック30が取り付けられたトナー供給パイプ25が、図1に実線で示す退避位置と図1に破線で示す供給位置との間で上下方向に移動する。
【0043】
尚、トナー供給パイプ25が図1に破線で示す供給位置にあるとき、即ち、回転現像ユニット13の各現像器20に対してトナーの供給を行っているとき、露光ユニット12から出射されて感光体ドラム10へと向かう図1に一点鎖線で示すレーザ光の光路が遮断される。これに対し、このプリンタAでは、トナー供給パイプ25が図1に実線で示す退避位置にあるとき、即ち、各現像器20に対してトナーの供給を行っていないときに、露光ユニット12からレーザ光が出射される。
【0044】
また、定着ユニット16は、図1に示すように、円筒状に形成される定着ローラ32と、定着ローラ32の内部に設置されると共に当該定着ローラ32を加熱するための定着ヒータ33と、定着ローラ32と圧接する加圧ローラ34と、を備えており、この定着ローラ32と加圧ローラ34の間に記録紙を挟むニップ部が形成されている。そして、定着ローラ32と加圧ローラ34の間のニップ部を記録紙が通過する際に、定着ローラ32の熱によって記録紙に付着したトナーを溶解させると共に加圧ローラ34によって記録紙に圧力を加えることで、トナーが記録紙に定着する。
【0045】
また、ドラムクリーニングユニット17は、図1及び図2に示すように、感光体ドラム10の手前側であって感光体ドラム10に隣接すると共に、後述する中間転写ベルト37の上方に設置されている。このドラムクリーニングユニット17は、感光体ドラム10に当接するドラムクリーニング部材としての研磨ローラ35と、研磨ローラ35によって研磨された感光体ドラム10の表面の一部とこの感光体ドラム10の表面に残留するトナー等の付着物を搬送する回収スパイラル36と、を備えている。また、図1の紙面と垂直な方向における回収スパイラル36の奥側には、この回収スパイラル36によって図1の紙面と垂直な方向に搬送された付着物を回収する回収部(不図示)が設置されている。
【0046】
そして、印刷動作時において、感光体ドラム10の表面に付着したトナーが中間転写ベルト37に転写された後、感光体ドラム10の表面が研磨ローラ35によって研磨されることにより、感光体ドラム10の付着物が削り取られる。研磨ローラ35によって削り取られた感光体ドラム10の付着物は、回収スパイラル36によって図1の紙面と垂直な方向に搬送され、回収部に回収される。
【0047】
また、このプリンタAは、図1に示すように、感光体ドラム10の表面に形成された各トナーに対応する画像が重ねて転写される中間転写ベルト37と、中間転写ベルト37の裏面(即ち、画像が転写される面と反対側の面)に当接すると共に中間転写ベルト37を図1に矢印で示す方向に移動させる従動ローラ38及び駆動ローラ39と、中間転写ベルト37を介して感光体ドラム10に圧接すると共に感光体ドラム10の表面に形成された画像を中間転写ベルト37の表面に転写するための1次転写ローラ40と、中間転写ベルト37を介して駆動ローラ39に圧接すると共に中間転写ベルト37の表面に形成された画像を記録紙に転写するための2次転写ローラ41と、中間転写ベルト37の表面に残留するトナー等の付着物を除去するベルトクリーニングユニット42と、を備えている。
【0048】
このように構成されたプリンタAにおいて、中間転写ベルト37は、図1に示すように、感光体ドラム10及びトナー収容部14の下方に設置されており、この中間転写ベルト37の裏面に当接する従動ローラ38と駆動ローラ39との間に掛け渡されている。また、図1に示すように、感光体ドラム10の下方であって中間転写ベルト37を介して感光体ドラム10と対向する部分には1次転写ローラ40が設置されており、この1次転写ローラ40は感光体ドラム10と圧接している。また、従動ローラ38は、図1に示すバネ43によって駆動ローラ39から離れる方向に付勢されており、バネ43の押圧力によって中間転写ベルト37に所定の張力が与えられている。
【0049】
また、2次転写ローラ41は、図1に示すように、駆動ローラ39の下方であって中間転写ベルト37を介して駆動ローラ39と対向する位置に設置されており、この中間転写ベルト37と圧接している。そして、印刷動作時において、駆動ローラ39と2次転写ローラ41の間に形成されるニップ部を記録紙が通過する際に、中間転写ベルト37の表面に形成された画像が記録紙に転写される。
【0050】
また、ベルトクリーニングユニット42は、図1及び図2に示すように、駆動ローラ39の奥側であって駆動ローラ39に隣接すると共に、回転現像ユニット13の下方に設置されている。そして、このベルトクリーニングユニット42は、中間転写ベルト37を介して駆動ローラ39と対向する位置に設置されると共にこの中間転写ベルト37に当接するベルトクリーニング部材としてのブラシローラ44と、ブラシローラ44の上方にブラシローラ44と接触するように設置されたクリーニングローラ45と、上端部分がクリーニングローラ45の表面に当接するように設置されたブレード46と、ブレード46の下方であってベルトクリーニングユニット42内部の左端に設置される回収スパイラル47と、を備えている。また、図1の紙面と垂直な方向における回収スパイラル47の奥側には、この回収スパイラル47によって図1の紙面と垂直な方向に搬送された付着物を回収する回収部(不図示)が設置されている。
【0051】
そして、印刷動作時において、記録紙が駆動ローラ39と2次転写ローラ41の間のニップ部を通過することによって中間転写ベルト37の表面に形成された画像が記録紙に転写された後、中間転写ベルト37の表面に残留するトナー等の付着物が、ベルトクリーニングユニット42のブラシローラ44によって掻き取られ、クリーニングローラ45の表面に付着する。クリーニングローラ45の表面に付着した中間転写ベルト37の付着物は、ブレード46によってクリーニングローラ45の表面から掻き落とされた後、回収スパイラル47によって図1の紙面と垂直な方向に搬送され、回収部に回収される。
【0052】
また、このプリンタAは、図1に示すように、多数の記録紙が収容可能に構成されると共に記録紙を1枚ずつ給紙する給紙部48と、給紙部48より給紙された記録紙をプリンタAの内部を搬送する搬送部49と、搬送部49を搬送される間に画像が印刷された記録紙が排出される排紙部50と、を備えている。
【0053】
このように構成されたプリンタAにおいて、給紙部48は、図1に示すように、多数の記録紙が載置されるリフト板51が取り付けられた給紙カセット52と、リフト板51に載置された記録紙に当接すると共に給紙カセット52より記録紙を送り出す給紙コロ53と、を備えている。そして、この給紙カセット52は、プリンタAの手前側に取り出し可能となっている。
【0054】
また、搬送部49は、図1に示すように、給紙部48と排紙部50の間に設置されている。この搬送部49は、給紙部48から2次転写ローラ41へ至る第1搬送路54と、2次転写ローラ41から定着ユニット16へ至る第2搬送路55と、定着ユニット16から排紙部50へ至る第3搬送路56と、から構成されている。また、図1に示すように、第3搬送路56における定着ユニット16の下流側に分岐爪57が設置されると共に、第2搬送路55の下方には、両面印刷モードにおいて定着ユニット16を通過した記録紙をこの分岐爪57によって第1搬送路54へ戻すための戻し搬送路58が設置されている。
【0055】
このような構成の搬送部49において、第1〜第3搬送路54,55,56のそれぞれには、記録紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対(何れも不図示)が設置されている。また、第1搬送路54には、図1に示すように、給紙カセット52より給紙された記録紙を後述する一対のレジストローラ60へ向けて搬送する搬送ローラ59と、搬送ローラ59を通過した記録紙の向きを矯正すると共に記録紙が搬送されるタイミングを調整する一対のレジストローラ60と、が設置されている。そして、この第1搬送路54は、搬送ローラ59に沿って形成される湾曲路61と、湾曲路61から2次転写ローラ41へ至る直線路62と、から構成されている。
【0056】
また、第2搬送路55は、図1に示すように、概ね直線状に形成されており、プリンタAの手前側から奥側へ向かってプリンタAの設置面と水平な方向に延びている。また、第3搬送路56は、図1に示すように、定着ユニット16から分岐爪57へと至る部分が概ね直線状に形成され、プリンタAの手前側から奥側へ向かってプリンタAの設置面と水平な方向に延びると共に、分岐爪57から排紙部50へと至る部分がプリンタAの上方へ向かってプリンタAの設置面と垂直な方向に延びている。
【0057】
更に、戻し搬送路58は、図1に示すように、第3搬送路56における分岐爪57が設置される部分から下方に分岐すると共に、定着ユニット16、第2搬送路55、2次転写ローラ41、及びレジストローラ60の下方をプリンタAの奥側から手前側へ向かってプリンタAの設置面と水平な方向に延びている。そして、この戻し搬送路58は、第1搬送路54の直線路62におけるレジストローラ60の直ぐ上流側に接続している。尚、戻し搬送路58にも、第1〜第3搬送路54,55,56と同様、記録紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対(何れも不図示)が設置されている。
【0058】
また、排紙部50は、図1に示すように、プリンタAの外側面における上面に形成されている。そして、定着ユニット16を通過した記録紙は、第3搬送路56を通ってプリンタAの外部へ送り出され、排紙部50に排出される。
【0059】
更に、このプリンタAには、図4に示すように、露光ユニット12、トナー供給ユニット15、定着ユニット16、ドラムクリーニングユニット17、及びベルトクリーニングユニット42等の各ユニットと、帯電ローラ11、駆動ローラ39、1次転写ローラ40、2次転写ローラ41、及びレジストローラ60等の各種ローラや感光体ドラム10及び回転現像ユニット13を回転させるモータ(不図示)と、に電力を供給する電源ユニット70、この電源ユニット70とこの電源ユニット70より電力を供給される上述の各ユニット及びモータとを制御する制御ユニット71、及び各種データや制御ユニット71が実行する制御プログラムを記憶するメモリ72が設置されている。
【0060】
そして、制御ユニット71は、後述するトナー吐出しモードにおいて記録紙の印刷枚数Xを計数するカウンタ及び回転現像ユニット13の回転回数Yを計数するカウンタ(何れも不図示)を備えている。
【0061】
また、制御ユニット71は、プリンタAに接続される端末装置より送られてきた画像データを解析することで求められるブラックのトナーのドット数を記録紙1枚ごとに計数し、このドット数をトナー量に換算する。このようにして得られたトナー使用量のデータが、記録紙が1枚印刷されるごとに図4に示すメモリ72に加算されて記憶される。よって、例えば、10枚の記録紙に画像が印刷されるとき、記録紙10枚分のトナー使用量のデータがメモリ72に加算されて記憶される。
【0062】
ここで、このような構成のプリンタAが工場にて製造された後、このプリンタAを出荷する前に動作確認として試し刷りが行われる。このとき、試し刷りを行うために、回転現像ユニット13の各現像器20にトナーが収容される。そして、試し刷りが終了した後、このプリンタAを出荷する段階において、プリンタAの輸送中における振動等によるブラック現像器20dの外部へのトナーの飛散等を防止するために、この現像器20dからトナーが除去される。
【0063】
また、プリンタAの使用開始後に記録紙の印刷枚数が増加するにつれて、選択現像が生じることによりブラック現像器20dの内部に粒径の大きいトナーが少しずつ堆積してゆき、新しいトナーを補給するごとにこの現像器20dの内部に収容されたトナーの粒径分布が変化する。更に、ブラック現像器20dにおいて、攪拌ローラ23によってトナーが攪拌されると共に搬送スパイラル24によってトナーが搬送されるとき、トナーどうしが接触することによりトナーの外添剤がトナーの表面から剥がれ落ちたりトナーの中に入り込んだりする。
【0064】
このようなブラック現像器20dの内部に収容されたトナーの粒径分布の変化やトナーの劣化による画像品質の低下(画像濃度の低下や地肌かぶり等)を防止するため、このプリンタAでは、所定のタイミングに達するごとにブラック現像器20dに収容された古いトナーを新しいトナーと入れ換える動作が行われる。
【0065】
尚、ブラック現像器20dを除くシアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、及びイエロー現像器20cについては、その内部構成がブラック現像器20dと異なり、現像ローラ21の表面がゴム等の弾性体で覆われると共に現像ローラ21の表面に付着するトナーの厚さを規制するブレード(不図示)が現像ローラ21に当接する構成である。このため、現像ローラ21とブレードの接触によるトナーの摩擦帯電が発生しやすい。よって、
これらの現像器20a,20b,20cでは、トナーが保持する帯電量が高くなり、現像ローラ21の表面のトナー層厚が小さいため、現像器の外部へトナーが飛散する可能性が低い。
【0066】
また、シアン現像器20a、マゼンタ現像器20b、及びイエロー現像器20cについては、製造されたプリンタAを工場より出荷する段階において、現像ローラ21の表面に少量のトナーを付着させておく必要がある。というのも、上述のように、非磁性1成分のトナーが収容されるこれらの現像器20a,20b,20cは、現像ローラ21にブレード(不図示)が当接する構成である。このため、現像ローラ21の表面から完全にトナーを除去すると、ブレードがトナーを介さず現像ローラ21に直接当たることとなり、現像ローラ21の回転時にブレードとの摩擦によって現像ローラ21の表面に傷が付くおそれがある。
【0067】
よって、このプリンタAでは、ブラック現像器20dを対象として、この現像器20dに収容された古いトナーを新しいトナーと入れ換える動作が行われる。ところが、印刷動作時において、ブラック現像器20dでは、搬送スパイラル24の回転によって一定方向に搬送されたトナーがこの現像器20dの内壁に押し付けられる。また、攪拌ローラ23や搬送スパイラル24が回転することによってこれらの部材の周方向にトナーが搬送されるとき、攪拌ローラ23や搬送スパイラル24の位置に近いトナーが周方向に移動する一方で攪拌ローラ23や搬送スパイラル24の位置から遠いトナーがブラック現像器20dの内壁に押し付けられる。このため、ブラック現像器20dに収容された古いトナーを新しいトナーと入れ換える動作を行っても、これらのトナーがブラック現像器20dのデッドスペースに残ったままとなり、この現像器20dに収容された古いトナーを完全に除去することができない。
【0068】
そこで、このプリンタAは、上述した片面印刷モード及び両面印刷モードの他に、回転現像ユニット13を所定のタイミングで回転させ、この回転によりブラック現像器20dの内部に収容されたトナーに加わる重力及び遠心力や回転が停止したときにブラック現像器20dに与えられる振動を利用して、ブラック現像器20dに収容されたトナーをこの現像器20dから完全に除去するためのトナー吐出しモードを備えている。
【0069】
そして、このトナー吐出しモードは、プリンタAに設置されると共にこのプリンタAが備える各機能を設定するためのボタンや表示画面(何れも不図示)等を操作することにより設定可能である。よって、製造されたプリンタAの試し刷りが終了した後、このプリンタAを工場から出荷する段階において、このプリンタAに設置されたボタンや表示画面等を操作することによりトナー吐出しモードが実行される。
【0070】
ここで、図4に示すメモリ72には、トナー吐出しモードが実行されるまでのトナー使用量のデータが予め記憶されている。また、このメモリ72には、上述のように、記録紙が1枚印刷されるごとにブラックのトナーの使用量が加算されて記憶される。そして、このプリンタAでは、記録紙が1枚印刷されるごとにメモリ72に加算されて記憶されるトナー使用量がメモリ72に予め記憶されるトナー吐出しモードが実行されるまでのトナー使用量と等しくなったときに、トナー吐出しモードが実行される。
【0071】
尚、プリンタAに接続される端末装置より送られてきた画像データの処理中に、即ち、この画像データの印刷が終了する前にトナー吐出しモードが実行されると、トナー吐出しモードが終了するまで残りの画像データの印刷を行うことができなくなる。よって、このプリンタAでは、トナー吐出しモードを実行するための条件が成立したときに制御ユニット71が画像データの処理中であることを確認すると、画像データの処理がすべて終了した後にトナー吐出しモードが実行される。
【0072】
このように構成されたプリンタAにおいて、このプリンタAに接続された端末装置より通信ネットワークを介して画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、電源ユニット70よりプリンタA内部の各ユニットに電力が供給されると共に、制御ユニット71より出力される制御信号に基づきプリンタA内部の各ユニットの動作が制御される。よって、図1に示すプリンタAにおいて、帯電工程、露光工程、現像工程、1次転写工程、2次転写工程、及び定着工程の各工程が順に行われる。尚、以下では、片面印刷モード、両面印刷モード、トナー吐出しモードの順に説明を行う。
【0073】
まず、片面印刷モードによる印刷動作が行われるとき、給紙コロ53の回転によって給紙カセット52から送り出された記録紙が搬送ローラ59へ向けて搬送され、第1搬送路54の湾曲路61を通過する。第1搬送路54の湾曲路61を通過した記録紙は、第1搬送路54の直線路62を通って一対のレジストローラ60へと搬送され、このレジストローラ60において記録紙の向きが矯正されると共に搬送タイミングが調整された後、駆動ローラ39と2次転写ローラ41の間のニップ部へ向けて搬送される。
【0074】
このように駆動ローラ39と2次転写ローラ41の間のニップ部へ向けて記録紙が搬送されるとき、まず、帯電工程において、帯電ローラ11の放電により感光体ドラム10の表面がプラスに帯電する。また、次に、露光工程において、露光ユニット12の半導体レーザ(不図示)より感光体ドラム10へ向けてレーザ光が照射され、反射ミラー18で所定の角度に反射したレーザ光が感光体ドラム10上を走査することにより、感光体ドラム10の表面のうちレーザ光が当たった部分の電圧が低下してこの部分に静電潜像が形成される。
【0075】
そして、現像工程において、回転現像ユニット13における各現像器20の現像ローラ21にプラスの電圧を印加すると、現像ローラ21の表面に付着するプラスに帯電したトナーと感光体ドラム10の表面における静電潜像が形成される部分との電位差に応じて静電気力が生じ、現像ローラ21より感光体ドラム10の表面における静電潜像が形成された部分にトナーが供給されることで現像が行われる。
【0076】
続いて、1次転写工程において、感光体ドラム10の表面に形成された画像が、所定の速度で駆動される中間転写ベルト37の表面に転写される。このとき、感光体ドラム10の表面に形成された画像が、トナーの色ごとに所定のタイミングで中間転写ベルト37の表面に重ねて転写され、中間転写ベルト37の表面に複数の色から成る画像が形成される。
【0077】
尚、1次転写工程が終了した後、感光体ドラム10の表面に付着したトナー等の付着物は、ドラムクリーニングユニット17の研磨ローラ35が感光体ドラム10の表面を研磨することによって感光体ドラム10の表面より削り取られ、回収スパイラル36によって回収部(不図示)に回収される。
【0078】
その後、2次転写工程において、2次転写ローラ41にマイナスの電圧を印加すると、中間転写ベルト37の表面に付着したプラスに帯電したトナーと2次転写ローラ41との電位差に応じて静電気力が生じ、駆動ローラ39と2次転写ローラ41の間のニップ部を通過する記録紙に中間転写ベルト37の表面に形成された画像が転写される。そして、2次転写工程において画像が転写された記録紙は、第2搬送路55を通り、定着ユニット16における定着ローラ32と加圧ローラ34の間のニップ部へ向けて搬送される。
【0079】
尚、2次転写工程が終了した後、中間転写ベルト37の表面に付着したトナー等の付着物は、ベルトクリーニングユニット42のブラシローラ44によって掻き取られ、クリーニングローラ45の表面に付着する。そして、クリーニングローラ45の表面に付着した中間転写ベルト37の付着物は、ブレード46によってクリーニングローラ45の表面から掻き落とされ、回収スパイラル47によって回収部(不図示)に回収される。
【0080】
また、制御ユニット71より電源ユニット70に定着ヒータ33の電源をONとする制御信号を送信することで、電源ユニット70から定着ヒータ33への電力の供給が開始されて定着ヒータ33が加熱され、この定着ヒータ33によって記録紙にトナーを安定して定着させることが可能な温度まで定着ローラ32が加熱される。そして、定着工程において、定着ユニット16における定着ローラ32と加圧ローラ34の間のニップ部を通過する記録紙のトナーが定着ローラ32の熱によって溶解すると共に加圧ローラ34によって記録紙に圧力が加えられることで、トナーが記録紙に定着する。定着工程においてトナーが定着した記録紙は、第3搬送路56を通り、分岐爪57の位置を通過した後、プリンタAの外部へ送り出されて排紙部50に排出される。
【0081】
また、次に、両面印刷モードによる印刷動作が行われるとき、定着工程においてトナーが定着した片面印刷後の記録紙は、分岐爪57の位置を通過する際に、この分岐爪57によって戻し搬送路58へと搬送される。戻し搬送路58へ搬送された片面印刷後の記録紙は、この戻し搬送路58を通って第1搬送路54の直線路62へと搬送され、一対のレジストローラ60においてその向きが矯正されると共に搬送タイミングが調整された後、駆動ローラ39と2次転写ローラ41の間のニップ部へ向けて搬送される。
【0082】
そして、片面印刷モードによる印刷動作と同様の印刷動作が行われることによって、片面が印刷された記録紙のもう一方の面に画像が印刷される。このようにして両面に画像が印刷された記録紙は、分岐爪57の位置を通過した後、プリンタAの外部へ送り出されて排紙部50に排出される。
【0083】
また、回転現像ユニット13の各現像器20にトナーを供給する場合には、片面印刷モードまたは両面印刷モードによる印刷動作を停止した後、回転現像ユニット13を回転させて、トナーを供給すべき現像器20を所定の位置に移動させる。この状態において、モータを駆動すると、図3に示すように、ピニオンギア31が回転し、このピニオンギア31に噛み合うラック30が取り付けられたトナー供給パイプ25が図1に実線で示す退避位置から図1に破線で示す供給位置に移動する。そして、トナー供給パイプ25の下端部分が、トナーを供給すべき現像器20に形成されたスリットを通ってこの現像器20の内部に進入する。
【0084】
そして、搬送パイプ26の内部に取り付けられたコイルスプリング29が回転することで、トナー収容部14のトナーカートリッジに収容されたトナーが搬送パイプ26の内部をトナー供給パイプ25へ向けて搬送される。また、トナー供給パイプ25の内部に取り付けられたスパイラル部材28が回転することで、トナー供給パイプ25へ搬送されたトナーがトナー供給パイプ25への下方へ移動し、このトナー供給パイプ25の下端部分からトナーを供給すべき現像器20に供給される。
【0085】
更に、このプリンタAでは、片面印刷モード及び両面印刷モードの他に、トナー吐出しモードが実行される。このトナー吐出しモードについて、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0086】
具体的に、上述のようなタイミングでトナー吐出しモードが実行されると、電源ユニット70より駆動ローラ39、1次転写ローラ40、及び2次転写ローラ41等の各ローラと感光体ドラム10及び回転現像ユニット13等を回転させるモータ(不図示)に電力が供給される(ステップS11)。また、電源ユニット70よりベルトクリーニングユニット42に電力が供給される。
【0087】
すると、回転現像ユニット13が回転し、片面印刷モードまたは両面印刷モードにおいて感光体ドラム10の表面にブラックのトナーを付着させるときと同じ位置で回転現像ユニット13が停止する。即ち、回転現像ユニット13におけるブラック現像器20dの現像ローラ21が感光体ドラム10と対向する位置に来たところで、回転現像ユニット13が停止する。
【0088】
そして、制御ユニット71の指示により、電源ユニット70からブラック現像器20dの現像ローラ21にプラスの電圧が印加されることによって、現像ローラ21の表面にプラスに帯電したトナーが付着する(ステップS12)。ここで、トナー吐出しモードにおいては、帯電ローラ11への電力供給が停止されるため、帯電ローラ11の放電が行われず、感光体ドラム10の表面が帯電しない。よって、現像ローラ21の表面に付着するプラスに帯電したトナーと感光体ドラム10の表面全体との電位差に応じて静電気力が生じ、現像ローラ21より感光体ドラム10の表面全体にトナーが供給されることで、感光体ドラム10の表面全体にトナーが付着する。
【0089】
続いて、感光体ドラム10の表面に形成された記録紙1枚分の画像が、所定の速度で駆動される中間転写ベルト37の表面に転写される。ここで、トナー吐出しモードにおいては、片面印刷モード及び両面印刷モードによる印刷動作時と逆の極性であるプラスの電圧が2次転写ローラ41に印加される。よって、中間転写ベルト37の表面のうち画像が転写された部分が2次転写ローラ41を通過する際に、中間転写ベルト37の表面に付着したトナーが2次転写ローラ41に転写されることが阻止される。
【0090】
その後、中間転写ベルト37の表面のうち画像が転写された部分がベルトクリーニングユニット42の位置に到達したときに、中間転写ベルト37の表面に形成される画像を構成するトナーが、ブラシローラ44によって掻き取られ、クリーニングローラ45の表面に付着する。クリーニングローラ45の表面に付着した中間転写ベルト37の付着物は、ブレード46によってクリーニングローラ45の表面から掻き落とされ、回収スパイラル47によって回収部(不図示)に回収される。
【0091】
このように、回転現像ユニット13のブラック現像器20dからトナーが吐出され、感光体ドラム10の表面に記録紙1枚分の画像が形成される。そして、感光体ドラム10の表面に形成された画像が中間転写ベルト37の表面に転写されると共に、この中間転写ベルト37の表面に付着したトナーがベルトクリーニングユニット42によって回収される。
【0092】
続いて、制御ユニット71において、カウンタの計数する記録紙の印刷枚数Xが所定値に達したか否かの判断が行われる(ステップS13)。即ち、制御ユニット71において、所定枚数分の画像が感光体ドラム10より中間転写ベルト37の表面に転写されたか否かの判断が行われる。このとき、制御ユニット71が、カウンタによる記録紙の印刷枚数Xの計数値が所定値に達していないことを確認すると(ステップS13でNo)、カウンタの値を1だけ足した後(ステップS14)、ステップS12に戻り、ブラック現像器20dの内部に収容されたトナーを感光体ドラム10の表面に付着させる動作が行われる。
【0093】
このようにしてブラック現像器20dの内部に収容されたトナーを感光体ドラム10の表面に付着させる動作が繰り返し行われた後、制御ユニット71が、カウンタによる記録紙の印刷枚数Xの計数値が所定値に達したことを確認すると(ステップS13でYes)、次に、制御ユニット71において、カウンタの計数する回転現像ユニット13の回転回数Yが所定値に達したか否かの判断が行われる(ステップS15)。尚、ステップS15に進んだとき、カウンタによる記録紙の印刷枚数Xの計数値がゼロに戻される。
【0094】
そして、ステップS15において、制御ユニット71が、カウンタによる回転現像ユニット13の回転回数Yの計数値が所定値に達していないことを確認すると(ステップS15でNo)、回転現像ユニット13を1回転させ(ステップS16)、片面印刷モードまたは両面印刷モードにおいて感光体ドラム10の表面にブラックのトナーを付着させるときと同じ位置で回転現像ユニット13が停止した後、カウンタの値を1だけ足す(ステップS17)。その後、ステップS12に戻り、ブラック現像器20dの内部に収容されたトナーを感光体ドラム10の表面に付着させる動作が行われる。
【0095】
このように回転現像ユニット13を回転させることにより、ブラック現像器20dの内部に収容されたトナーに重力や遠心力が加わると共に、回転現像ユニット13の回転が停止したときにブラック現像器20dに振動が与えられる。よって、印刷動作時にブラック現像器20dの内壁に押し付けられることによりこの現像器20dのデッドスペースに溜まったトナーが、この現像器20dから除去される。そして、ステップS16において回転現像ユニット13を回転させる回数を2回以上に設定すれば、より確実にブラック現像器20dからトナーを除去することができる。
【0096】
このようにして回転現像ユニット13を1回転させるごとに所定枚数分だけブラック現像器20dの内部に収容されたトナーを感光体ドラム10の表面に付着させる動作が繰り返し行われた後、制御ユニット71が、カウンタによる回転現像ユニット13の回転回数Yの計数値が所定値に達したことを確認すると(ステップS15でYes)、トナー吐出しモードを終了する。
【0097】
本実施形態によれば、トナー吐出しモードにおいて、回転現像ユニット13を回転させることにより、ブラック現像器20dの内部に収容されたブラックのトナーに加わる重力及び遠心力や回転現像ユニット13の回転が停止したときにブラック現像器20dに与えられる振動を利用してブラック現像器20dのデッドスペースに溜まったトナーをこの現像器20dから完全に除去することができる。よって、製造されたプリンタAを出荷する段階において画像確認後の回転現像ユニット13の着脱動作を省略することができると共に、ブラック現像器20dの内部に収容されたブラックのトナーの長寿命化を図ることができる。
【0098】
また、ブラック現像器20d内部のトナーを収容する部分の容積が小さい程トナーの粒径分布の変化やトナーの劣化により画像の品質が低下するまでの時間が短くなる一方、本実施形態では、ブラック現像器20dの内部に収容されたブラックのトナーの長寿命化が図られる。このため、従来と同じ寿命を持たせる場合にブラック現像器20d内部のトナーを収容する部分の容積を小さくすることができ、回転現像ユニット13を小型化することができる。
【0099】
尚、上記プリンタAでは、図3に示すフローチャートのステップS13において、記録紙の印刷枚数Xが所定値に達したか否かの判断を行うようにしたが、これに限るものではない。即ち、記録紙1枚分ずつ感光体ドラム10の表面に画像を形成するのに代えて、感光体ドラム10の表面に連続して画像を形成するとき、回転現像ユニット13の駆動が開始されてからの経過時間、或いはブラック現像器20dの現像ローラ21に電圧が印加されてから経過時間を計測し、ステップS13において、これらの経過時間が所定値に達したか否かの判断を行うようにしてもよい。
【0100】
また、上記プリンタAでは、図3に示すフローチャートのステップS15において、制御ユニット71がカウンタの計数する回転現像ユニット13の回転回数Yが所定値に達したか否かの判断を行うようにしたが、これに限るものではない。即ち、このプリンタAに中間転写ベルト37の表面の画像濃度を計測する濃度センサ(不図示)が設置されるとき、感光体ドラム10より中間転写ベルト37の表面に転写された画像の濃度を濃度センサで計測する。そして、図4に示す制御ユニット71が、濃度センサによる計測値が所定値以下に達したことを確認したときに、ブラック現像器20dの内部に収容されたトナーの除去が完了したと判断し、トナー吐出しモードを終了するようにしてもよい。
【0101】
また、上記プリンタAでは、トナー吐出しモードにおいて、帯電ローラ11への電力供給を行わないこととしたが、帯電ローラ11への電力供給を行うようにしてもよい。このとき、露光ユニット12より帯電した感光体ドラム10へ向けてレーザ光が照射され、感光体ドラム10の表面にブラック現像器20dの内部に収容されたトナーを付着させることで、ブラック現像器20dからのトナーの吐出しが行われる。
【0102】
また、上記プリンタAでは、トナー吐出しモードにおいて、感光体ドラム10の表面に形成された画像を中間転写ベルト37の表面に転写し、この中間転写ベルト37の表面に形成された画像を構成するトナーをベルトクリーニングユニット42で回収するようにしたが、これに限るものではない。即ち、トナー吐出しモードにおいて、感光体ドラム10の表面に形成された画像を構成するトナーをドラムクリーニングユニット17で回収するようにしてもよい。
【0103】
また、上記プリンタAでは、トナー吐出しモードが実行されるタイミングを、プリンタAに接続される端末装置より送られてきた画像データを解析することで求められるブラックのトナーのドット数に基づいて決定したが、これに限るものではない。即ち、上記プリンタAにおいて、トナー吐出しモードが実行されるタイミングを、ブラックのトナーを用いてモノクロ画像を出力する際の記録紙の印刷枚数、或いは、トナー収容部14に装着されたブラックのトナーに対応するトナーカートリッジの交換回数に基づき決定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
以上説明したように、本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、カラー画像を出力可能なものについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施形態に係るプリンタの構造を示す図である。
【図2】実施形態に係るプリンタにおける回転現像ユニット及び感光体ドラムの周辺の構造を示す図である。
【図3】実施形態に係るプリンタにおけるトナー供給ユニットの周辺の構造を示す図である。
【図4】実施形態に係るプリンタの一部の構成を示すブロック図である。
【図5】トナー吐出しモードにおける制御ユニットの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
10 感光体ドラム
11 帯電ローラ
12 露光ユニット
13 回転現像ユニット
14 トナー収容部
15 トナー供給ユニット
16 定着ユニット
17 ドラムクリーニングユニット
37 中間転写ベルト
40 一次転写ローラ
41 二次転写ローラ
42 ベルトクリーニングユニット
48 給紙部
49 搬送部
50 排紙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に沿って配置されたトナーの色に対応する複数の現像器から成る回転現像ユニットを備え、前記回転現像ユニットが回転することにより感光体ドラムと対向する位置に移動された前記各現像器から前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像にトナーを供給することで現像を行う画像形成装置において、
前記複数の現像器のうちブラックのトナーを収容するブラック現像器の内部に収容された磁性1成分のトナーを当該ブラック現像器から除去するためのトナー吐出しモードを備え、
前記トナー吐出しモードが実行されるときに、前記ブラック現像器を前記感光体ドラムと対向する位置に移動させて前記感光体ドラムの表面にブラックのトナーを供給すると共に、所定のタイミングで前記回転現像ユニットを回転させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ドラムの表面に付着したトナーを除去するドラムクリーニング部材が設置されたドラムクリーニングユニットを備え、
前記トナー吐出しモードが実行されるときに、前記感光体ドラムの表面に付着したトナーが前記ドラムクリーニングユニットに回収されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体ドラムの表面に形成された画像が転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの表面に付着したトナーを除去するベルトクリーニング部材が設置されたベルトクリーニングユニットと、を備え、
前記トナー吐出しモードが実行されるときに、前記感光体ドラムの表面に形成された画像が前記中間転写ベルトの表面に転写されると共に、前記中間転写ベルトの表面に付着したトナーが前記ベルトクリーニングユニットに回収されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
製造された前記画像形成装置の出荷時において、前記感光体ドラムの表面に形成された画像を記録紙に印刷することによって記録紙に印刷される画像の確認を行うと共に、
前記トナー吐出しモードは、記録紙に印刷される画像の確認を行った後に実行されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー吐出しモードは、出荷された前記画像形成装置の使用を開始してから所定のタイミングに達したときに実行されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
各種データが記憶されるメモリを備え、
前記メモリには、記録紙に画像を印刷するために使用されるブラックのトナーのドット数より求められるトナーの使用量が記録紙が1枚印刷されるごとに加算して記憶されると共に、前記トナー吐出しモードが実行されるまでのトナーの使用量が予め記憶されており、
前記所定のタイミングは、前記メモリに加算して記憶されるトナーの使用量が前記メモリに予め記憶される前記トナー吐出しモードが実行されるまでのトナーの使用量と等しくなったときであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−148122(P2007−148122A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344120(P2005−344120)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】