説明

画像形成装置

【課題】記録紙の厚さ等の違いの影響を受けることなく、記録紙に転写された現像剤の飛散を防止した画像形成装置を得る。
【解決手段】転写ニップ部47により記録紙を挟持して感光体ドラム37上の現像剤像を記録紙に転写するドラムユニット35と、定着ニップ部121により記録紙を挟持して現像剤像を記録紙に定着させる定着ユニット100とを備える。転写ユニット140と定着ユニット100との間に、記録紙を定着ユニット100に案内するガイド部材130を設ける。ガイド部材130は、接地された導電性部材131と、記録紙の非画像形成面に向かって突出され、記録紙が導電性部材131に接触するのを規制するリブ139とを有し、導電性部材131及びリブ139は、転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lと平行に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタ等の、感光体ドラム上の現像剤像を記録紙に転写し、現像剤像を記録紙に定着させて、記録紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザプリンタ等の静電写真式の画像形成装置においては、転写ユニットの感光体ドラムを一様に帯電し、レーザダイオード等を含む発光部から射出される光ビームにより、感光体ドラム表面を露光して静電潜像を形成して、静電潜像を現像剤により可視化する。その後、この現像剤像を転写ユニットの感光体ドラムと転写ローラとの間を通過する記録紙に転写し、この記録紙を定着ユニットの加熱ローラと加圧ローラとの間を通過させて、現像剤像を記録紙に定着している。
【0003】
転写ユニットと定着ユニットとの間には、特許文献1にあるように、記録紙をガイドするガイド部材が設けられている。このガイド部材は、転写後の記録紙を非画像形成面側からガイド部材側に静電吸着力により引き付けて安定した搬送を行うためのものである。ガイド部材は、記録紙の幅方向全幅にわたって金属板等により形成され接地された導電性部材と、導電性部材から記録紙の非画像形成面側に向かって突出された樹脂製のリブとを備え、リブは記録紙が導電性部材に接触して異常画像が発生するのを防止している。
【特許文献1】特開平6−314005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした従来のものでは、転写ユニットと定着ユニットとの間の搬送路に設けられるガイド部材は、記録紙の搬送方向に沿って上下方向に湾曲して形成されている。
【0005】
そうすると、転写ユニットと定着ユニットとの間の搬送路を通過する記録紙と、導電性部材との間の距離が一定とならず、記録紙と導電性部材との間の電位差が変動し、リーク等によって、現像剤が飛散し、異常画像が発生する場合があるという問題があった。例えば、記録紙と導電性部材との間の距離の変動は、記録紙の厚さの違いによる硬さ等による、いわゆる腰の強さの違いによる影響を受け、また、記録紙の搬送速度の差によっても影響を受ける。
【0006】
本発明の課題は、記録紙の厚さ等の違いの影響を受けることなく、記録紙に転写された現像剤の飛散を防止した画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、感光体ドラムに転写ローラを当接させた転写ニップ部により記録紙を挟持して前記感光体ドラム上の現像剤像を前記記録紙に転写する転写ユニットと、加熱ローラに加圧ローラを当接させた定着ニップ部により前記記録紙を挟持して前記現像剤像を前記記録紙に定着させる定着ユニットと、前記転写ユニットと前記定着ユニットとの間で、前記記録紙の非画像形成面側に設けられ、前記転写ユニットにより前記現像剤像が転写された前記記録紙を前記定着ユニットに案内するガイド部材とを備え、前記記録紙に画像を形成する画像形成装置において、前記ガイド部材は、接地された導電性部材と、前記記録紙の前記非画像形成面に向かって突出され、前記記録紙が前記導電性部材に接触するのを規制するリブとを有し、前記導電性部材及び前記リブは、前記転写ニップ部の出口側と前記定着ニップ部の入口側とを結ぶ直線と平行に形成されていることを特徴とする画像形成装置がそれである。
【0008】
前記ガイド部材と前記定着ユニットとの間に設けられ、前記記録紙の先端を前記定着ユニットの定着ニップ部に案内する補助ガイド部材を備え、該補助ガイド部材は絶縁性を有する構成としてもよい。また、前記補助ガイド部材の前記ガイド部材側端は、前記ガイド部材の前記補助ガイド部材側端よりも、前記記録紙から離れた位置に設けるとよい。更に、前記補助ガイド部材は、前記記録紙の搬送方向に対して、前記ガイド部材よりも傾いて設けられている構成としてもよい。
【0009】
前記転写ユニットにおける前記記録紙の搬送速度と、前記定着ユニットにおける前記記録紙の搬送速度とが等しくてもよい。また、前記転写ユニットからの前記記録紙の搬送方向が、前記ガイド部材に交差する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置(請求項1に記載の発明)は、記録紙の厚さ等の違いの影響を受けることなく、記録紙と導電性部材との間の電位差を一定にすることができ、記録紙上の現像剤の飛散を防止できるという効果を奏する。また、請求項2に記載の発明は、絶縁性を有する補助ガイド部材を設けることにより、補助ガイド部材への記録紙が引き付けられるのを防止して、記録紙を定着ニップ部にスムースに案内することができる。請求項3に記載の発明は、記録紙の先端がガイド部材から補助ガイド部材に移動する際に、端の段差に引っ掛かるのを防止することができる。請求項4に記載の発明は、補助ガイド部材をガイド部材よりも傾けて設けたので、記録紙の先端を確実に定着ニップ部に案内することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、転写ユニットと定着ユニットとの記録紙の搬送速度を等しくしたので、記録紙のスリップやたわみを防ぎ、記録紙を安定して送給できる。請求項6に記載の発明は、転写ユニットからの記録紙の搬送方向を、ガイド部材に交差させたので、記録紙の先端をガイド部材に接触させた後、定着ニップ部に導くようにして、記録紙先端の挙動を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略側断面図である。同図のレーザプリンタ1は、上面となるトップカバー18、及び正面側側面2aや背面側側面2b等の四つの側面(一部のみ図示する)を有する筐体2を備えており、トップカバー18が筐体2の内方に凹んで排紙トレイ52が形成されている。筐体2の下部には、記録紙を複数枚収納可能な給紙カセット6が、筐体2の正面側側面2aから挿抜自在に設けられている。なお正面側側面2aには、記録紙を個別にセットする手差しトレイ部11が設けられているとともに、開閉可能なフロントカバー16が設けられている。
【0013】
レーザプリンタ1は、トップカバー18、フロントカバー16、及び背面側側面2bに設けられるリアカバー60等が備えられる筐体2内に、記録紙(図中記録紙の搬送路が仮想線Pで表されている。)を給紙するための給紙部3や、給紙された記録紙上に可視像である現像剤像を形成する像形成部としてのプロセスユニット4、記録紙上に形成された現像剤像を記録紙上に定着させる定着ユニット100、定着ユニット100を通過した記録紙を排紙する排紙部200などを備えている。なお、本実施形態では、定着ユニット100に備えられる定着ローラ(後述)の回転軸に直交する方向の前後の側面のうち、定着ユニット100に近い側の側面(図1の左側側面)を背面側側面2b、逆側を正面側側面2aとする。
【0014】
給紙部3は、給紙カセット6と、給紙カセット6内に積層された記録紙の搬送方向先端側(正面側)端部の上方に設けられた給紙ローラ7,8及び給紙パット9とを含む。給紙部3には、給紙カセット6から給紙された記録紙を反転させてプロセスユニット4の下部へと搬送する記録紙搬送路である給紙パス10が形成されており、給紙部3には、給紙パス10に臨むレジストローラ対12を備えている。なお、給紙パス10には、給紙カセット6内の記録紙の他、手差しトレイ部11に手差しにてセットされた記録紙も給紙されるが、いずれの場合も一旦レジストローラ対12にて停止した後、プロセスユニット4における画像形成タイミングに合わせてプロセスユニット4へと供給される。
【0015】
給紙カセット6は、プロセスユニット4及び定着ユニット100の下部に配され、筐体2の正面側側面2aから挿抜可能に装着されている。この給紙カセット6内には、用紙押圧板13及びばね14が設けられている。用紙押圧板13は、記録紙を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ7等から遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能とされている。また、ばね14は、用紙押圧板13における給紙ローラ7等に近い方の端部の裏面を、上方向に付勢するように設けられている。そのため、用紙押圧板13は、記録紙の積層量が増えるに従って、給紙ローラ7等に対して遠い方の端部を支点として、ばね14の付勢力に抗して下向きに揺動される。
【0016】
給紙ローラ8及び給紙パット9は、互いに対向して配設され、給紙パット9の裏側に設けられるばね15によって、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。用紙押圧板13上に積層された中で最上位にある記録紙は、用紙押圧板13の裏側からばね14によって給紙ローラ7に当接して押圧されており、最上位の記録紙が給紙ローラ7により給紙され、給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、給紙ローラ8が回転することにより、給紙ローラ8及び給紙パット9とで1枚毎に分離されながら、給紙パス10に向かって給紙される。
【0017】
給紙カセット6、あるいは手差しトレイ部11から給紙された記録紙は、給紙ローラ7等の上方部に配置されたレジストローラ対12に送られる。レジストローラ対12は、給紙された記録紙をレジスト後に、プロセスユニット4へと搬送する。
【0018】
プロセスユニット4の上部に設けられる走査ユニット26は、不図示のレーザ発光部、高速回転駆動されるポリゴンミラー29、第1走査レンズ(fθレンズ)30、第2走査レンズ(シリンドリカルレンズ)31、折り返しミラー32及び33などを備えており、レーザ発光部から射出される画像情報に基づいて変調された光ビームを、二点鎖線で示すように、ポリゴンミラー29、第1走査レンズ30、折り返しミラー32、第2走査レンズ31、折り返しミラー33の順に通過あるいは反射させて、プロセスユニット4内の感光体ドラム37の表面上を露光走査させている。
【0019】
プロセスユニット4は、ドラムユニット35及び現像ユニット36を含んでいる。ドラムユニット35内には、感光体ドラム37、帯電器38及び転写ローラ39などを備えている。現像ユニット36は、ドラムユニット35に対して着脱自在に装着されており、現像ローラ40、層厚規制ブレード41、供給ローラ42、ホッパー43などを備えている。
【0020】
ホッパー43内の現像剤は、回転軸44により支持されるアジテータ45の矢印方向への回転により攪拌され、ホッパー43の側部に開口された供給口46から放出される。供給口46の側方位置に供給ローラ42が回転可能に配設されており、また、この供給ローラ42に対向して、現像ローラ40が回転可能に配されている。なお、供給ローラ42と現像ローラ40とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
【0021】
現像ローラ40は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。なお、現像ローラ40には、現像バイアスが印加されるように構成されている。また、現像ローラ40の近傍には、層厚規制ブレード41が配されている。この層厚規制ブレード41は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部を備えており、現像ローラ40の近くにおいて現像ユニット36に支持されて、押圧部がブレード本体の弾性力によって現像ローラ40上に圧接されるように構成されている。
【0022】
供給口46から放出される現像剤は、供給ローラ42の回転により、現像ローラ40に供給され、この時、供給ローラ42と現像ローラ40との間で正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ40上に供給された現像剤は、現像ローラ40の回転に伴って、層厚規制ブレード41の押圧部と現像ローラ40との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ40上に担持される。
【0023】
感光体ドラム37は、現像ローラ40の側方位置において、その現像ローラ40と対向するような状態で、ドラムユニット35において、矢印方向(時計方向)に回転可能に支持されている。この感光体ドラム37は、ドラム本体が接地され、その表面がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0024】
帯電器38は、感光体ドラム37の左斜め方向上方に、所定間隔を隔てて対向配置されている。この帯電器38は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム37の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0025】
転写ローラ39は、感光体ドラム37の下方において、感光体ドラム37に対向配置され、ドラムユニット35に矢印方向(反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ39は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアスが印加されるように構成されている。尚、感光体ドラム37と転写ローラ39とから、転写ユニット140が構成されている。
【0026】
図2は、転写ユニット140と定着ユニット100との要部拡大図である。図2に示すように、感光体ドラム37に転写ローラ39を当接させた際に、転写ローラ39のゴム材料が弾性変形して、感光体ドラム37と転写ローラ39との接触箇所に転写ニップ部47が形成される。また、本実施形態では、感光体ドラム37の回転中心と転写ローラ39の回転中心とは鉛直線上に配置されている。
【0027】
感光体ドラム37の表面は、感光体ドラム37の回転に伴ない、まず、帯電器38によって一様に正極性に帯電される。次いで、走査ユニット26からのレーザビームにより露光されて静電潜像が形成される。その後、現像ローラ40と対向し、現像ローラ40上に担持されかつ正帯電されている現像剤が感光体ドラム37に対向して接触する時に、現像ローラ40に印加される現像バイアスにより、感光体ドラム37の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム37の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって現像剤像が形成される(反転現像)。
【0028】
その後、感光体ドラム37の表面上に担持された現像剤像は、記録紙が転写ニップ部47に挟持されて、即ち、感光体ドラム37と転写ローラ39とにより挟持されて、記録紙が転写ニップ部47を通る間に、転写ローラ39に印加される転写バイアスによって、記録紙に転写される。
【0029】
定着ユニット100は、給紙カセット6の上部、プロセスユニット4の側方であって、プロセスユニット4よりも記録紙搬送方向下流側に配設される。定着ユニット100は、ヒータ111を備える加熱ローラ110と、加熱ローラ110に対向して設けられ、加熱ローラ110表面を押圧する加圧ローラ120とを備えている。加熱ローラ110は金属筒状をなし、その両端は開口され、例えばハロゲンランプからなるヒータ111を内装しており、そのヒータ111によって加熱されるように構成されている。
【0030】
加圧ローラ120は、シリコーンゴム等の弾性体表面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルムが巻着されたものであり、加圧ローラ120は、加熱ローラ110を押圧した状態で、加熱ローラ110に従動して回転される。図2に示すように、加熱ローラ110に加圧ローラ120を当接させた際に、加圧ローラ120の弾性体が弾性変形して、加熱ローラ110と加圧ローラ120との接触箇所に定着ニップ部121が形成される。記録紙の搬送速度が速い場合には、定着ニップ部121が長い方が好ましい。即ち、加熱ローラ110と加圧ローラ120との接触長さが長い方が、より確実に加熱して定着させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、加熱ローラ110の回転中心と加圧ローラ120の回転中心とを結ぶ線が、感光体ドラム37の回転中心と転写ローラ39の回転中心とを結ぶ鉛直線に対して傾斜して設けられており、加圧ローラ120が加熱ローラ110よりも記録紙搬送方向下流側に配置されて、定着ユニット100からの記録紙搬送方向が斜め上方を向くように配置されている。
【0032】
定着ユニット100においては、プロセスユニット4において記録紙上に転写された可視像である現像剤像を、記録紙が定着ニップ部121に挟持されて、即ち、加熱ローラ110と加圧ローラ120とにより挟持されて、記録紙が定着ニップ部121を通過する間に熱定着させ、その後、記録紙を排紙部200に形成される記録紙搬送路である排紙パス50へと送出するようにしている。
【0033】
排紙部200は、排紙パス50を構成する内側ガイド部材51と外側ガイド部材62、記録紙をトップカバー18に設けられた排紙トレイ52上へと排出する排出口に設けられる排紙ローラ対のうち、下側の排紙ローラ53、上側の排紙ローラ55を含んでいる。
【0034】
排紙トレイ52は、平面視略矩形板状をなし、背面側端部が筐体2内部へと凹んで凹部が形成されるとともに、背面側端部から正面側へ向けて徐々に上方に傾斜する構成となっている。定着ユニット100を通過し、排紙パス50へと送られた記録紙は、内側ガイド部材51及び外側ガイド部材62により用紙進行方向が上方逆向きに反転されて、排紙ローラ対53,55へと送られ、排紙ローラ対53,55を介して、排紙トレイ52上に正面側に向かって排紙される。
【0035】
転写ユニット140と定着ユニット100との間には、ガイド部材130が設けられている。ガイド部材130は、図3のガイド部材130の分解斜視図に示すように、金属板からプレス成形された導電性部材131と、合成樹脂製のガイドフレーム132とを備えている。ガイドフレーム132は絶縁性を有し、ガイドフレーム132には、転写ユニット140と定着ユニット100との間に入り込むテーブル部134が形成されると共に、テーブル部134から加圧ローラ120の下側に延びる傾斜部135が形成されている。
【0036】
導電性部材131は接地されており、導電性部材131とガイドフレーム132とは記録紙の幅に応じた幅に形成されている。導電性部材131には、平坦部136が形成されており、平坦部136はガイドフレーム132のテーブル部134を覆うように載置されている。導電性部材131には、平坦部136に複数のスリット138が記録紙の搬送方向に沿って形成されている。スリット138には、ガイドフレーム132のテーブル部134に突設されたリブ139が挿通されて、リブ139が平坦部136から飛び出るように形成されている。
【0037】
リブ139は、図2に示すように、感光体ドラム37と転写ローラ39との転写ニップ部47の出口側と、加熱ローラ110と加圧ローラ120との定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lと平行に形成されている。即ち、記録紙の非画像形成面と対向するリブ139の上面139aが転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lと平行に形成されている。また、テーブル部134も転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lと平行に形成されて、導電性部材131の平坦部136も転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lと平行となるように構成されている。リブ139の上面139aと平坦部136とも平行である。
【0038】
リブ139は記録紙の幅方向に複数平行に並べられて設けられており、リブ139の上面139aは、転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lよりも低い位置となるように、即ち、記録紙の非画像形成面側となるように形成されている。また、リブ139の上面139aの導電性部材131からの高さは、記録紙がリブ139の上面139aに接触した状態で、各リブ139の間の記録紙が導電性部材131側に垂れ下がった際に、記録紙が導電性部材131に接触しない程度に形成されている。
【0039】
転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lは傾斜しており、定着ニップ部121の入口側が転写ニップ部47の出口側よりも高い位置に配置されている。これにより、リブ139の上面139aと導電性部材131の平坦部136も傾斜している。
【0040】
転写ニップ部47からの記録紙の搬送方向は、本実施形態では、ほぼ水平方向となるように構成されており、記録紙の搬送方向がガイド部材130のリブ139の上面139aと交差するように構成されている。よって、転写ニップ部47を通った記録紙の先端は、リブ139の上面139aに接触する。
【0041】
転写ユニット140とガイド部材130との間には、除電ブラシ141が設けられると共に、ガイド部材130と定着ユニット100との間には、補助ガイド部材142が設けられている。補助ガイド部材142は加圧ローラ120とガイドフレーム132のテーブル部134との間に配置され、補助ガイド部材142には、記録紙の非画像形成面に対向するガイド面142aが形成されている。
【0042】
補助ガイド部材142は合成樹脂等で形成されて、絶縁性を有し、ガイド面142aは、リブ139の上面139aの下流側端の近傍から、定着ニップ部121の入口側近傍とにわたって形成されている。ガイド面142aのガイド部材130側端は、リブ139の上面139aよりも記録紙から離れた位置に、本実施形態では、下側となるように配置されている。ガイド面142aの延長上に、定着ニップ部121の入口側が位置するように、ガイド面142aは、記録紙の搬送方向に対して、リブ139の上面139aよりも傾いて設けられている。
【0043】
次に、本実施形態のレーザプリンタ1の作動について説明する。
まず、給紙カセット6の最上位の記録紙が給紙ローラ7により給紙され、給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、記録紙は、給紙パス10に向かって給紙される。記録紙は給紙パス10を通り、一旦レジストローラ対12にて停止した後、画像形成タイミングに合わせてプロセスユニット4の画像形成部に供給される。
【0044】
感光体ドラム37の表面は、帯電器38により一様に正極性に帯電され、走査ユニット26からのレーザビームにより露光されて静電潜像が形成される。その後、現像剤が感光体ドラム37の表面に接触することにより現像剤像が形成され、記録紙が感光体ドラム37と転写ローラ39との間の転写ニップ部47を通る間に、記録紙に転写され、記録紙が定着ユニット100の加熱ローラ110と加圧ローラ120との間の定着ニップ部121を通過する間に熱定着される。その後、記録紙は、排紙パス50を通り、排紙トレイ52上へと排出される。
【0045】
記録紙が転写ユニット140を通り、ガイド部材130により案内されて、定着ユニット100に至る際、転写ニップ部47の出口側を通過した記録紙は、転写ユニット140による記録紙の搬送方向に送り出される。本実施形態では、ほぼ水平状態で送り出され、記録紙の先端は、ガイド部材130のリブ139の上面139aに接触し、記録紙の先端は上面139aに沿って送り出される。
【0046】
送り出される記録紙の先端は、上面139aから補助ガイド部材142のガイド面142aに移り、ガイド面142aに沿って送り出されて、ガイド面142aにより案内されて、定着ニップ部121の入口側に達する。その際、ガイド面142aのガイド部材130側端は、上面139aよりも記録紙から離れた位置にあるので、記録紙がガイド面142aの端に引っかかることなく、滑らかにガイドされる。
【0047】
そして、記録紙の先端は、加熱ローラ110と加圧ローラ120とにより挟持されるようにして、定着ニップ部121を通過する。記録紙が転写ニップ部47と定着ニップ部121とにより挟持されると、記録紙は転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lとほぼ同じ状態となる。転写ユニット140と定着ユニット100との記録紙の搬送速度が等しいと、記録紙は転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lとほぼ同じ状態を保って送給される。
【0048】
その際、記録紙と導電性部材131との距離が、各箇所でほぼ一定となり、記録紙と導電性部材131との間の電位差が各箇所で一定となり、電位差の変動によるリーク等の発生を防止でき、異常画像の発生を防止できる。また、転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線L及びリブ139が平行であるので、記録紙の先端が定着ニップ部121に達する前でも、記録紙と導電性部材131との距離をほぼ一定にすることができ、記録紙と導電性部材131との間の電位差がほぼ一定に保たれ、搬送が安定する。
【0049】
記録紙が厚紙である場合でも、同様に、記録紙の先端が上面139aに接触し、上面139aに沿って送り出され、補助ガイド部材142のガイド面142aにより案内されて、定着ニップ部121に導かれ、定着ニップ部121を通って送給される。その際でも、記録紙は転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lとほぼ同じ状態を保って送給される。記録紙と導電性部材131との距離が、各箇所でほぼ一定となり、記録紙と導電性部材131との間の電位差が各箇所で一定となる。
【0050】
搬送速度が遅い場合には、記録紙の先端は、リブ139の上面139aに接触する際、転写ユニット140に近い側の上面139aに接触し、搬送速度が速い場合には、記録紙の先端は、リブ139の上面139aに接触する際、定着ユニット100に近い側の上面139aに接触する場合がある。搬送速度が遅い場合でも、搬送速度が速い場合でも、上面139aに沿って送り出され、補助ガイド部材142のガイド面142aにより案内されて、定着ニップ部121に導かれ、定着ニップ部121を通って送給される。その際でも、記録紙は転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lとほぼ同じ状態を保って送給される。記録紙と導電性部材131との距離が、各箇所でほぼ一定となり、記録紙と導電性部材131との間の電位差が各箇所で一定となる。
【0051】
定着ユニット100を通った記録紙は、定着ユニット100により斜め上方に送給され、排紙パス50へと送られた記録紙は、内側ガイド部材51及び外側ガイド部材62により用紙進行方向が逆向きに反転されて、排紙ローラ対53,55を介して、排紙トレイ52上に排紙される。
【0052】
記録紙が反転されるように、排紙パス50が湾曲していても、転写ニップ部47の出口側と定着ニップ部121の入口側とを結ぶ直線Lは、定着ニップ部121側が高くなっているので、排紙パス50の湾曲の曲率を大きく形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態としてのレーザプリンタの概略側断面図である。
【図2】本実施形態の転写ユニットと定着ユニットとの要部拡大図である。
【図3】本実施形態のガイド部材の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1…レーザプリンタ 2…筐体
3…給紙部 4…プロセスユニット
6…給紙カセット 7,8…給紙ローラ
10…給紙パス 13…用紙押圧板
26…走査ユニット 35…ドラムユニット
36…現像ユニット 37…感光体ドラム
39…転写ローラ 40…現像ローラ
47…転写ニップ部 50…排紙パス
52…排紙トレイ 100…定着ユニット
110…加熱ローラ 120…加圧ローラ
121…定着ニップ部 130…ガイド部材
131…導電性部材 132…ガイドフレーム
134…テーブル部 135…傾斜部
136…平坦部 138…スリット
139…リブ 139a…上面
140…転写ユニット 142…補助ガイド部材
142a…ガイド面 200…排紙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムに転写ローラを当接させた転写ニップ部により記録紙を挟持して前記感光体ドラム上の現像剤像を前記記録紙に転写する転写ユニットと、
加熱ローラに加圧ローラを当接させた定着ニップ部により前記記録紙を挟持して前記現像剤像を前記記録紙に定着させる定着ユニットと、
前記転写ユニットと前記定着ユニットとの間で、前記記録紙の非画像形成面側に設けられ、前記転写ユニットにより前記現像剤像が転写された前記記録紙を前記定着ユニットに案内するガイド部材とを備え、
前記記録紙に画像を形成する画像形成装置において、
前記ガイド部材は、接地された導電性部材と、前記記録紙の前記非画像形成面に向かって突出され、前記記録紙が前記導電性部材に接触するのを規制するリブとを有し、
前記導電性部材及び前記リブは、前記転写ニップ部の出口側と前記定着ニップ部の入口側とを結ぶ直線と平行に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材と前記定着ユニットとの間に設けられ、前記記録紙の先端を前記定着ユニットの定着ニップ部に案内する補助ガイド部材を備え、該補助ガイド部材は絶縁性を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補助ガイド部材の前記ガイド部材側端は、前記ガイド部材の前記補助ガイド部材側端よりも、前記記録紙から離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記補助ガイド部材は、前記記録紙の搬送方向に対して、前記ガイド部材よりも傾いて設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記転写ユニットにおける前記記録紙の搬送速度と、前記定着ユニットにおける前記記録紙の搬送速度とが等しいことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写ユニットからの前記記録紙の搬送方向が、前記ガイド部材に交差することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−17888(P2007−17888A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202040(P2005−202040)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】