画像形成装置
【課題】装置が大型化することなく、効率よく複数の像担持体を冷却させる。
【解決手段】吸気ファン100を搬送ユニット18の側面部18Aに設けることで、駆動機構や電源ユニット等を避けて配置することができる。そして、矢印S1〜S4で示すように、吸気ファン100によって取り込まれた外気を搬送ユニット18の側面部18Aに当てた後に整流し、各感光体ドラム20と各現像ユニット25の近傍を、回転軸21の軸方方向に外気を流す。また、冷却箇所である感光体ドラム20と現像ユニット25の近傍と、吸気ファン100とが大きく離れていない。したがって、装置が大型化することなく、効果的に冷却される。
【解決手段】吸気ファン100を搬送ユニット18の側面部18Aに設けることで、駆動機構や電源ユニット等を避けて配置することができる。そして、矢印S1〜S4で示すように、吸気ファン100によって取り込まれた外気を搬送ユニット18の側面部18Aに当てた後に整流し、各感光体ドラム20と各現像ユニット25の近傍を、回転軸21の軸方方向に外気を流す。また、冷却箇所である感光体ドラム20と現像ユニット25の近傍と、吸気ファン100とが大きく離れていない。したがって、装置が大型化することなく、効果的に冷却される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式によるカラー画像形成装置の普及に伴い、カラー画像の印字品質に対する要求に加え、カラー出力の高速化に対する要求が高まっており、この要求に応えるために、いくつかの画像形成方式が提案されている。その中でタンデム型と呼ばれる構成が知られている。このタンデム型の中には、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色トナー画像を、それぞれ各色の感光体ドラム上に形成し、転写ベルトによって搬送される記録用紙に順次転写して重ね合わせ、記録媒体上にフルカラートナー像を形成する構成がある。
【0003】
このような構成のタンデム型のカラー画像形成装置内には、複数の感光体ドラムがそれぞれ温度上昇しそれらが相乗するので、特に、感光体ドラムの間隔を狭く配置して小型化を図った装置では、機内が温度上昇しやすい。また、両面印字を連続して行った場合においては、一度、片面印字を行い温度の高い定着装置を通過した記録用紙が、高熱を持った状態で再度画像形成部を通過することにより、更に機内の温度上昇を招いてしてしまう。
【0004】
このようなことから、タンデム型のカラー画像形成装置は、装置本体内の温度上昇を十分配慮して設計する必要があった。特に、感光体ドラムや現像部の冷却が重要であった。
【0005】
そこで、感光体ドラムの移動方向と直交する方向に送風又は吸引する冷却手段を備える構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−283733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の特開2005−283733号公報の構成は、この公報の図3に示されているように、装置後部に冷却ファンを設け、装置の側面に設けた送風ダクトを通風させ、感光体ドラムの端部に吹き付ける構成となっている。
【0007】
さて、装置の側面には、各感光体ドラムの駆動機構(ギア等)や電源ユニットなどが配置されている。よって、装置側面の送風ダクトは、これらを避けるように構成する必要があり、送風ダクトの構成が複雑になったり、装置が大型化したりする。また、冷却ファンから感光体ドラムまでの距離も長いので冷却効率もあまり良くない。
【0008】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、装置が大型化することなく、効率よく複数の像担持体を冷却させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の画像形成装置は、トナー像を担持する複数の像担持体と、複数の前記像担持体に対向して配置されたベルト部材を有するベルトユニットと、前記ベルトユニットの前記像担持体の回転軸の軸方向の外側に配置された装置側部と、前記装置側部と前記ベルトユニットとの間に配置され、該ベルトユニットの前記回転軸の軸方向の端部を通風する送風手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の画像形成装置では、ベルトユニットの像担持体の回転軸の軸方向の外側に配置された装置側部とベルトユニットとの間に送風手段を配置し、例えば、ベルトユニットの回転軸の軸方向の端部に向かって送風している。
【0011】
そして、ベルトユニットの端部に当った空気を整流し、対向して配置されている像担持体の近傍に、回転軸の軸方向に通風して、像担持体を冷却している。なお、送風手段と通風箇所(像担持体の近傍)とは離れていないので、冷却効果が良い。
【0012】
さて、ベルト部材は、ベルト部材を張架しているローラの一つを駆動ローラとすれば良く、この駆動ローラの端部の近傍にのみしか駆動機構(ギア等)は配置されない。よって、ベルトユニットと装置側部との間には、送風手段を配置する空間を備えている。したがって、装置側部とベルトユニットとの間に送風手段を配置しても装置全体が大型化することはない。
【0013】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記ベルト部材は、前記トナー像が転写される記録媒体を搬送する搬送ベルトであることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の画像形成装置では、ベルト部材はトナー像が転写される記録媒体を搬送する搬送ベルトである。
【0015】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1、又は請求項2に記載の構成において、前記ベルトユニットは、前記装置側部を有する装置本体に回動可能に支持された開閉部と連動して移動し、前記送風手段は、前記ベルトユニットと一体となって移動することを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の画像形成装置では、ベルトユニットが装置側部を有する装置本体に回動可能に支持された開閉部と連動して移動する。そして、送風手段は、ベルトユニットと一体となって移動する。
【0017】
したがって、開閉部の開閉に伴いベルトユニットが移動しても送風手段との位置関係は変化しない。よって、開閉部を閉じた状態においては、ベルトユニットの端部に当たった空気の整流が正確に行なわれる。つまり、像担持体が効果的に冷却される。
【0018】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の構成において、前記装置側部には、前記送風手段に対応した位置に通気孔が形成され、前記送風手段に設けられ、前記装置側部と摺接可能であると共に、該装置側部と前記送風手段との間を、前記通気孔から通風可能にシールするシール部材を備えることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の画像形成装置では、装置側部と摺接可能であると共に、装置側部と送風手段との間を、装置側部の通気孔から通風可能にシールするシール部材を送風手段が備えている。
【0020】
したがって、開閉部の開閉に伴いベルトユニットが移動しても、開閉部を閉じた状態においては、装置側部の外側の空気が通気孔を通りベルトユニットの端部に当たって整流され、像担持体の近傍に回転軸の軸方向に通風されるので、像担持体がより効果的に冷却される。
【0021】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記シール部材は、前記装置側部との摺接開始箇所に、該装置側部と摺接する摺接面を、該装置側部に導く呼込部を備えることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の画像形成装置は、シール部材は装置側部との摺接開始箇所に、装置側部と摺接する摺接面を、装置側部に導く呼込部を備えているので、例えば、摺接開始箇所からシール部材が剥がれたり、ダメージを受けたりすることが防止される。
【0023】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項5に記載の構成において、前記呼込部は、前記摺接面から摺接方向に延出し、前記送風手段側に傾いた傾斜面を備えることを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の画像形成装置では、シール部材の呼込部の傾斜面が最初に装置側部に面接触したのち、シール部材と装置側部とが摺接するので、例えば、摺接開始箇所からシール部材が剥がれたり、ダメージを受けたりすることが防止される。
【0025】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の構成において、前記ベルトユニットには、前記ベルト部材に沿って両面印字用の搬送路が設けられた両面印字ユニットが着脱自在に設けられ、前記送風手段は、前記両面印字ユニットと一体となって着脱することを特徴としている。
【0026】
請求項7に記載の画像形成装置では、ベルト部材に沿って両面印字用の搬送路が設けられた両面印字ユニットが、ベルトユニットに着脱自在に設けられている。
【0027】
さて、記録媒体の一方の面に印字した後の記録媒体は温度が高くなっている。よって、他方の面にトナー像を転写する際、記録媒体が像担持体の温度を大きく上昇させる要因となる。よって、送風手段を両面印字ユニットと一体となって着脱する構成とし、温度上昇の条件が厳しい両面印字機能を有する場合にのみ送風手段を備えることで、装置本体のコストを抑えることができる。
【0028】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の構成において、前記装置側部は、前記像担持体の前記回転軸の軸方向の端部より外側に位置することを特徴としている。
【0029】
請求項8に記載の画像形成装置では、装置側部は像担持体の回転軸の軸方向の端部より外側に位置している。よって、送風手段とベルトユニットとの間の距離を広くできる。このため、像担持体に導くための整流を行ないやすい。
【0030】
また、装置側部とベルトユニットとの間に配置する送風手段の配置空間が十分に確保できる。
【0031】
更に、装置本体の開閉部材にベルトユニットを設けた構成の場合、開閉部材を開閉すると、像担持体の端部より装置側部の方が外側にあるので、例えば、各種作業(像担持体の交換など)の作業性が良い。
【0032】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の構成において、前記装置側部を備える部材は、前記像担持体を支持する支持部とは別の部材であることを特徴としている。
【0033】
請求項9に記載の画像形成装置では、装置側部を備える部材は、像担持体を支持する支持部とは別の部材である。よって、例えば、像担持体は装置筐体に支持され、この装置筐体の外側にある外装カバーが装置側部を備える構成とすることができる。
【0034】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の構成において、前記ベルトユニットは、前記送風手段が配置された前記回転軸の軸方向の一方の端部側の開口部分の開口面積より、他方の端部側の開口部分の開口面積を狭くしたことを特徴としている。
【0035】
請求項10に記載の画像形成装置では、ベルトユニットの送風手段が配置された回転軸の軸方向の一方の端部側の開口部分から他方の端部側の開口部分へと通風する。よって、ベルトユニット内部も冷却される。しかし、一方の端部側の開口面積より、他方の端部側の開口部分の開口面積を狭くしたので、ベルトルトユニットの端部に当たり像担持体の近傍に回転軸の軸方向に通風される空気量は十分に確保されている。
【0036】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の構成において、前記ベルトユニットは、前記送風手段によって送風された空気を所定の部位に導く通風路を備えていることを特徴としている。
【0037】
請求項11に記載の画像形成装置では、ベルトユニットは送風手段によって送風された空気を所定の部位に導く通風路を備えている。よって、所定の部位を効率よくピンポイントで冷却できる。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように本発明によれば、装置が大型化することなく、効率よく複数の像担持体を冷却させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎に配設されているものについては、符号の後に「Y」、「M」、「C」、「K」の英字を付している。しかし、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略している。
【0040】
まず、画像形成装置10の概要について説明する。
【0041】
図1に示すように、画像形成装置10は、プロセスユニット16Y〜16Kが鉛直方向に並んで配設されている。各色のプロセスユニット16Y〜16Kには、それぞれ像担持体としての感光体ドラム20Y〜20Kを備えている。感光体ドラム20Y〜20Kも鉛直方向に並んで配設されている。なお、以降、単に「外側」「内側」と記載する場合は、感光体ドラム20の回転軸21の軸方向に対する内外を意味する。また、この感光体ドラム20の回転軸21の軸方向が装置の幅方向である。更に、図1の右側が装置前面であり、左側が装置奥側(後側)である。
【0042】
また、図2、図3に示すように、画像形成装置10は、装置本体5と開閉カバー14とから構成している。この開閉カバー14には、記録用紙Pを吸着搬送可能な搬送ベルト34を備えた搬送ユニット18(図12も参照)が取り付けられている。そして、開閉カバー14を開閉することで、プロセスユニット16(感光体ドラム20)を開放・閉塞し、
JAM処理やメンテナンスなどの各種作業を行なう。
【0043】
また、装置本体5は、プロセスユニット16を収容する本体フレーム12(図4も参照)を備え、この本体フレーム12の外側を筐体カバー13(図2、図7を参照)が覆っている。
【0044】
さて、図1に示すように、プロセスユニット16には、感光体ドラム20の表面を一様に帯電する帯電ローラ22を備えている。また、光走査装置24から照射されたレーザ光よって感光体ドラム20上に形成された潜像にトナーを選択的に転移して可視化する現像ユニット25を備えている。更に、トナー像が記録用紙Pに転写された後に感光体ドラム20上に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング部材28を有するクリーニングユニット17が備えられている。
【0045】
現像ユニット25は、内部にトナーを収容すると共に、現像ローラ26を備えている。現像ローラ26は、感光体ドラム20と近接して対向するように配置され、現像バイアス電圧が印加されるようになっている。これにより、現像ローラ26と感光体ドラム20との間には現像バイアス電界が形成され、現像ローラ26に担持されたトナーが感光体ドラム20上の露光された静電潜像に転移してトナー像を形成する。
【0046】
搬送ユニット18(図2、図12も参照)は、駆動ローラ30と従動ローラ32に張架された搬送ベルト34を備えており、その搬送ベルト34の内面側で、駆動ローラ30と従動ローラ32の間の所定位置には、各色に対応して4個の転写ローラ36Y〜36Kが配設されている。
【0047】
転写ローラ36は、開閉カバー14が閉じられたとき(開閉カバー14を本体フレーム12側に回動して感光体ドラム20等を閉塞したとき)、搬送ベルト34を挟んで感光体ドラム20と対向するようになっており、感光体ドラム20との間に転写電界を形成することによって、搬送ベルト34に吸着搬送されて通過する記録用紙P上に、各色の感光体ドラム20Y〜20K上の各色トナー像を順次転写して重ね合わせ、記録用紙Pにフルカラートナー像(未定着のフルカラートナー像)を形成させるようになっている。
【0048】
プロセスユニット16Y〜16Kよりも記録用紙Pの搬送方向下流側(画像形成装置10の上部)には、定着装置38が配設されている。そして、搬送ユニット18から送られた記録用紙Pは排紙経路K2を搬送され定着装置38に送られる。
【0049】
定着装置38は、互いの周面が対向して所定の圧力で圧接(ニップ)される加熱ローラ40と加圧ローラ42とを備えており、これら加熱ローラ40及び加圧ローラ42で記録用紙P上に転写された未定着のフルカラートナー像を加熱・加圧することにより、その記録用紙Pにフルカラートナー像を定着するようになっている。定着装置38によってフルカラートナー像が定着した記録用紙Pは、排紙トレイ44上へ排出される。
【0050】
画像形成装置10の下部には、記録用紙Pが収容される給紙カセット46が備えられている。給紙カセット46の先端部近傍には、給紙カセット46内から記録用紙Pを1枚ずつ送り出す給紙ローラ対48が設けられており、給紙ローラ対48から送り出された記録用紙Pは、搬送路K1を搬送され、レジストローラー対49によって、所定のタイミングで搬送ベルト34の吸着搬送面へ送り出され、各色のトナー像の転写位置へ搬送される。
【0051】
開閉カバー14に設けられたれた搬送ユニット18には、記録用紙Pを静電吸着可能な搬送ベルト34や転写ローラ36Yから36Kが設けられている。なお、各転写ローラ36Y〜36Kは、開閉カバー14が閉じられたときに、搬送ベルト34を挟んで、各像担持体20Y〜20Kに所定の圧力で圧接するようになっており、搬送ベルト34の走行に追従して回転するようになっている。
【0052】
さて、画像形成装置10は、記録用紙Pの両面に印字する両面印字機能を有している。具体的には、記録用紙Pの一方の面にトナー像を転写して定着装置38で定着した後、スイッチバック搬送して両面搬送路K3に搬送して記録用紙Pを表裏反転し、今度は、他方の面にトナー像を転写して定着し、排出することで、記録用紙Pの両面に印字する機能を有している。
【0053】
そして、搬送ユニット18には、両面搬送路K3を有する両面印字ユニット150(図9参照)が設けられている。また、図9、図11に示すように、両面印字ユニット150は、搬送ユニット18から着脱自在となっている。なお、着脱方法は、図8、図10に示すように開閉カバー14を開けた状態で、図9、図11に示すように、搬送ユニット18の搬送ベルト34を有する搬送部152のみを装置側に回動させることで、両面印字ユニット150を着脱できる。
【0054】
更に、両面印字機能は、標準の装備ではなく、別途オプションとして追加装備されるものであり、両面印字ユニット150は両面印字機能をオプションとして追加装備する際にのみ、搬送ユニット18に装着される。
【0055】
また、図13に示すように、各プロセスユニット16Y〜16Kは一体となって、作像ユニット116を構成している。そして、開閉カバー14を開くことで、作像ユニット116が着脱(交換)可能となる。
【0056】
さて、感光体ドラム20(プロセスユニット16)は、回転軸21の軸方向の端部が、図4に示す本体フレーム12の第一側部6に支持されている。更に、本体フレーム12の正面の開口部分には、幅広となった拡幅部7が形成されている。なお、拡幅部7にある第二側部8は、前述した第一側部6より外側(感光体ドラム20の回転軸21の軸方向に対する外側)に位置している。また、この拡幅部7に吸気ファン100(つぎに説明する)が収まる。
【0057】
さて、図2、図3、図8、図12等に示すように、搬送ユニット18の外側の側面部18Aに、吸気ファン100が設けられている。よって、吸気ファン100は、開閉カバー14の開閉に伴い、搬送ユニット18と一体となって移動する。更に、図9、図11に示すように、吸気ファン100は、両面印字ユニット150に設けられており、両面印字ユニット150と一体となって着脱される。
【0058】
そして、図7に示すように、開閉カバー14が閉じられたときには、搬送ユニット18と本体フレーム12の拡幅部7にある第二側部8との間に吸気ファン100が配置される構成となっている(図4も参考)。
【0059】
なお、図2、図3に示すように、本体フレーム12の拡幅部7の第二側部8には、開閉カバー14が閉じられた際、吸気ファン100に対応した位置に通気孔112が形成されている。
【0060】
また、図5、図12に示すように、吸気ファン100の側面部の外周部分にはシール部材120が貼り付けられている。シール部材120は、スポンジなどの弾性部材122と、弾性部材122の外側には貼り付けられたPETシート124と、で構成されている。
【0061】
そして、図7に示すように、開閉カバー14が閉じられたときには、シール部材120は本体フレーム12の第二側部8に密着し、第二側部8の通気孔112と吸気ファン100との間を、通風可能にシールする。また、開閉カバー14が開閉する際には、シール部材120が本体フレーム12の第二側部8と摺接する。
【0062】
シール部材120は、開閉カバー14が閉じる方向側の端部側の下隅部に、呼込部125が設けられている。呼込部125は、PETシート124の一部が摺接方向(開閉カバー14を閉じる際の方向)に延出して内側に曲げられている(シール部材120の摺接開始する側の弾性部材122の端面122Bに被るように曲げられている)。なお、この延出している部分を傾斜面125Aとする。
【0063】
さて、開閉カバー14が開いているときは、弾性部材122が縮んでいないので、シール部材120の側面120A(PETシート124)は、第二側部8の内壁面8A(図2、図4、図7を参照)より、外側に位置する。よって、呼込部125が無いと開閉カバー14を閉じるとシール部材120の弾性部材122の端面122Bが、本体フレーム12の第二側部8に当たる。しかし、本シール部材120は、呼込部125の傾斜面125Aが、第二側部8に面接触してシール部材120(弾性部材122)を圧縮させたのち、シール部材120の側面120が摺接する。
【0064】
つぎに、吸気ファン100による空気の流れを説明する。
【0065】
図7の矢印S1〜S5は、吸気ファン100による空気の流れを示している。
【0066】
吸気ファン100は感光体ドラム20の回転軸21の軸方向に空気を送る。よって、矢印S1で示すように、外気が筐体カバー13の通風口13Aから入り、更に本体フレーム12の通気孔112から吸気ファン100が吸い込む。吸い込まれた外気は、矢印S2で示すように、搬送ユニット18の側面部18Aに当る。当った外気は、矢印S3で示すように、装置奥側に内部に向かって導かれる。その後、矢印S4で示すように、搬送ベルト34と各プロセスユニット16との間に流れる。つまり、各感光体ドラム20と現像ユニット25の近傍を回転軸21の軸方方向(図では左から右方向)に流れる(図1の斜線部Aを、回転軸21の軸方向に外気が流れる)。
【0067】
また、外気の一部は、矢印S5で示すように、搬送ユニット18の搬送部152の一方の端部側(吸気ファン100が配置された側の側面部18A)に形成された開口部152Aから搬送ユニット18の中に入り、他方の端部の開口部152Bから出て行く。搬送部152の中を通る際、搬送ベルト34(図1参照)の外面に当る。なお、搬送ベルト34の内面(転写ローラ36が当接している面)には、外気が流れないようにされている。なお、吸気ファン100が配置されている一方の端部側の開口部152Aの開口面積より、他方の端部の開口部152Bの開口面積の方が狭い。
【0068】
さて、図6に示すように、搬送ユニット18の搬送部152には、搬送ベルト34をクリーニングするクリーニングブレード154が設けられ、このクリーニングブレード154によって除去されたトナーやゴミなどを収容するクリーニングボックス156を備えている。クリーニングボックス156は、ボックス本体159と背面板部158とを超音波溶着することで構成されている。そして、背面板部158の側壁158Aが、ボックス本体159の周囲と間隔を持って配置されている。よって、この背面板部158の側壁158Aとボックス本体159との間に溝160が形成さている。
【0069】
更に、吸気ファン100が配置されている一方の端部側の下部をL字状の蓋部材162が覆っている。よって、図中の矢印S6で示すように、吸気ファン100から送られた外気の一部は、この溝160を通って他方側の端部の隅部156Aに向かって流れる。この溝160(通風路)に沿って流れた外気は、最も下に配置されている感光体ドラム20Yと現像ユニット25Yの他方側の端部に吹き付ける。
【0070】
つぎに本実施形態の作用について説明する。
【0071】
各プロセスユニット16の各感光体ドラム20と各現像ユニット25の各現像ローラ26の近傍は温度上昇が大きい。感光体ドラム20や現像ユニット25の付近の温度が上昇すると、画像品質の低下等の原因となる。よって、このような箇所に外気を流して冷却したい。
【0072】
さて、各プロセスユニット16の各感光体ドラム20の各回転軸21の軸方向の外側は、各感光体ドラム20や各現像ローラ26を駆動するためのギア等からなる駆動機構(図示略)や電源ユニット(図示略)等が配置されている。よって、プロセスユニット16の外側に吸気ファンを設置すると幅方向に大型化してしまう。また、駆動機構や電源ユニットが邪魔になり、回転軸21の軸方向に通風させることは困難である。
【0073】
また、本実施形態では装置全体を小型化するために、各プロセスユニット16を高密度に配置している。よって、装置後部に吸気ファンを配置して、回転軸21の軸方向と直交する方向、つまり、後から前に外気を送っても、プロセスユニット16間に外気を流れさせることは困難である。
【0074】
そこで、本実施形態では、吸気ファン100を搬送ユニット18の側面部18Aに設けることで、駆動機構や電源ユニット等を避けて配置することができた。なお、搬送ユニット18のベルト部材34の駆動は駆動ローラ30のみであるので、この付近の外側にのみギア等からなる駆動機構があるが、この付近以外は、吸気ファン100を配置する空間が十分ある。つまり、吸気ファン100を搬送ユニット18の側面部18Aに設けても、装置全体は大型化しない。
【0075】
そして、図7の矢印S1〜S4で示すように、吸気ファン100によって取り込まれた外気を搬送ユニット18の側面部18Aに当てた後に整流し、各感光体ドラム20と各現像ユニット25の現像ローラ26の近傍(図1の斜線部A)を、回転軸21の軸方方向に外気を流す。なお、冷却箇所である感光体ドラム20と現像ユニット25の現像ローラ26の近傍と、吸気ファン100とが大きく離れていないので、冷却効率が良い。
【0076】
また、最も下に配置されている感光体ドラム20Yと現像ユニット25が最も温度上昇が大きい。この理由は、この近傍位置にレジストローラー対49のためのクラッチ(図示略)等があるためと考える。よって、図6の矢印S6で示すように、搬送ユニット18の搬送部152のクリーニングボックス156の溝160(通風路)に沿って流した外気を、最も下に配置されている感光体ドラム20Yと現像ユニット25Yの他方側の端部に吹き付けることで、特に温度上昇が大きい箇所をピンポイントで効果的に冷却している。
【0077】
また、図7の矢印S5で示すように、外気の一部は、搬送部152の一方の端部の開口部152Aから搬送部152に入り、他方の端部の開口部152Bから出て行く。このように外気が搬送部152の中を通る際、搬送ベルト34の外側に外気が当り、搬送ベルト34が冷却される。そして、搬送ベルト34が冷却されることで、当接する各感光体ドラム20が冷却される。
【0078】
なお、吸気ファン100が配置されている一方の端部側の開口部152Aの開口面積より、他方の端部の開口部152Bの開口面積の方が狭い。よって、必要以上に搬送部152の中に通風させないで、矢印S4で示す感光体ドラム20と現像ユニット25の現像ローラ26の近傍に多くの外気が流れるようにしている。
【0079】
また、図3、図8などに示すように、吸気ファン100は、開閉カバー14の開閉に伴い、搬送ユニット18と一体となって移動する。よって、開閉カバー14の開閉(搬送ユニット18の移動)により、吸気ファン100と搬送ユニット18との位置関係がズレることはない。したがって、図7の矢印S1〜S5、及び図6の矢印S6で示すような、吸気ファン100から送風された外気の整流が正確に行なわれる。つまり、開閉カバー14の開閉(搬送ユニット18の移動)にかかわらず、冷却効率が良い状態が常に維持される。
【0080】
また、図7に示すように、開閉カバー14が閉じられたときには、シール部材120は本体フレーム12の第二側部8に密着し、第二側部8の通気孔112と吸気ファン100との間を、通風可能にシールする。よって、通気孔112から外気を効率よく吸気できる。
【0081】
なお、開閉カバー14が開閉する際、シール部材120の呼込部125の傾斜面125Aが、本体フレーム12の第二側部8に面接触したのち、シール部材120の側面120Aが摺接するので、開閉の際にシール部材120の弾性部材122の端面122Bが当って剥がれたりすることがない。
【0082】
さて、本実施形態の画像形成装置10は、記録用紙Pの両面に印字する両面印字機能をオプションとして有している。両面印字の際は、記録用紙Pの一方の面が一旦、定着装置38で定着したのち、両面搬送路K3に搬送される。一方の面にトナー像が定着済みの記録用紙Pは温度が高い。このため、記録用紙Pの他方の面にトナー像を転写する際、記録用紙Pが感光体ドラム20から熱を奪うのでなく、逆に温度上昇させる要因となってしまう。このため両面印字の際が、最も温度上昇が大きい。
【0083】
そして、本実施形態の画像形成装置10では、感光体ドラム20と現像ユニット25の現像ローラ26の近傍の温度上昇は、両面印字の際が問題となり、それ以外の場合は、それほど問題とならない。つまり、オプションとして両面印字機能を装備した際にのみ、吸気ファン100が必要であると言える。したがって、図9、図11に示すように、吸気ファン100は両面印字ユニット150と一体となって着脱されるようになっている。つまり、温度上昇が問題となるときにのみ、吸気ファン100が装着されるようになっている。よって、装置本体のコストが抑えられている。
【0084】
また、図4に示すように、本体フレーム12は拡幅部7を備えている(本体フレーム12の開口が大きくなっている)。よって、作像ユニット116を着脱する際などの作業性が非常に良い(図13を参考)。更に、吸気ファン100と搬送ユニット18の側面部18Aとの間の距離が広くなる。よって、吸気ファン100から送風された外気の整流を行ないやすい。
【0085】
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0086】
例えば、プロセスユニット16(感光体ドラム20)を支持する第一側部6と第二側部8とは同じ本体フレーム12に設けられていたが、これに限定されない。例えば、本体フレーム12が拡幅部7を備えていない場合、図7の筐体カバー13に直接、吸気ファン100のシール部材120が密着する構成としても良い。
【0087】
また、例えば、吸気ファン100は両面印字ユニット150と一体となって着脱される構成であったが、これに限定されない。搬送ユニット18の搬送部152が吸気ファン100を備える構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態の側面図である。
【図4】本体フレームを示す斜視図である。
【図5】シール部材を備える吸気ファンの斜視図である。
【図6】搬送ユニットのクリーニングボックスを示す斜視図である。
【図7】画像形成装置の前方部分の横断面を示し、外気の流れを説明する説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態の側面図である。
【図9】図8の状態から搬送部を移動し、両面印字ユニットを取り外した状態の図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態を、装置後方から見た斜視図である。
【図11】図10の状態から搬送部を移動し、両面印字ユニットを取り外した状態の図である。
【図12】搬送ユニットを示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開き、作像ユニットを着脱する様子を示す側面図である。
【符号の説明】
【0089】
5 装置本体
8 第二側部(装置側部)
10 画像形成装置
14 開閉カバー(開閉部)
16 像担持体(感光体ドラム)
18 搬送ユニット(ベルトユニット)
21 回転軸
34 搬送ベルト(ベルト部材)
100 吸気ファン(送風手段)
112 通気孔
120 シール部材
120A 側面(摺接面)
125 呼込部
125A 傾斜面
150 両面印字ユニット
160 通風路
P 記録用紙(記録媒体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式によるカラー画像形成装置の普及に伴い、カラー画像の印字品質に対する要求に加え、カラー出力の高速化に対する要求が高まっており、この要求に応えるために、いくつかの画像形成方式が提案されている。その中でタンデム型と呼ばれる構成が知られている。このタンデム型の中には、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色トナー画像を、それぞれ各色の感光体ドラム上に形成し、転写ベルトによって搬送される記録用紙に順次転写して重ね合わせ、記録媒体上にフルカラートナー像を形成する構成がある。
【0003】
このような構成のタンデム型のカラー画像形成装置内には、複数の感光体ドラムがそれぞれ温度上昇しそれらが相乗するので、特に、感光体ドラムの間隔を狭く配置して小型化を図った装置では、機内が温度上昇しやすい。また、両面印字を連続して行った場合においては、一度、片面印字を行い温度の高い定着装置を通過した記録用紙が、高熱を持った状態で再度画像形成部を通過することにより、更に機内の温度上昇を招いてしてしまう。
【0004】
このようなことから、タンデム型のカラー画像形成装置は、装置本体内の温度上昇を十分配慮して設計する必要があった。特に、感光体ドラムや現像部の冷却が重要であった。
【0005】
そこで、感光体ドラムの移動方向と直交する方向に送風又は吸引する冷却手段を備える構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−283733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の特開2005−283733号公報の構成は、この公報の図3に示されているように、装置後部に冷却ファンを設け、装置の側面に設けた送風ダクトを通風させ、感光体ドラムの端部に吹き付ける構成となっている。
【0007】
さて、装置の側面には、各感光体ドラムの駆動機構(ギア等)や電源ユニットなどが配置されている。よって、装置側面の送風ダクトは、これらを避けるように構成する必要があり、送風ダクトの構成が複雑になったり、装置が大型化したりする。また、冷却ファンから感光体ドラムまでの距離も長いので冷却効率もあまり良くない。
【0008】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、装置が大型化することなく、効率よく複数の像担持体を冷却させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の画像形成装置は、トナー像を担持する複数の像担持体と、複数の前記像担持体に対向して配置されたベルト部材を有するベルトユニットと、前記ベルトユニットの前記像担持体の回転軸の軸方向の外側に配置された装置側部と、前記装置側部と前記ベルトユニットとの間に配置され、該ベルトユニットの前記回転軸の軸方向の端部を通風する送風手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の画像形成装置では、ベルトユニットの像担持体の回転軸の軸方向の外側に配置された装置側部とベルトユニットとの間に送風手段を配置し、例えば、ベルトユニットの回転軸の軸方向の端部に向かって送風している。
【0011】
そして、ベルトユニットの端部に当った空気を整流し、対向して配置されている像担持体の近傍に、回転軸の軸方向に通風して、像担持体を冷却している。なお、送風手段と通風箇所(像担持体の近傍)とは離れていないので、冷却効果が良い。
【0012】
さて、ベルト部材は、ベルト部材を張架しているローラの一つを駆動ローラとすれば良く、この駆動ローラの端部の近傍にのみしか駆動機構(ギア等)は配置されない。よって、ベルトユニットと装置側部との間には、送風手段を配置する空間を備えている。したがって、装置側部とベルトユニットとの間に送風手段を配置しても装置全体が大型化することはない。
【0013】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記ベルト部材は、前記トナー像が転写される記録媒体を搬送する搬送ベルトであることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の画像形成装置では、ベルト部材はトナー像が転写される記録媒体を搬送する搬送ベルトである。
【0015】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1、又は請求項2に記載の構成において、前記ベルトユニットは、前記装置側部を有する装置本体に回動可能に支持された開閉部と連動して移動し、前記送風手段は、前記ベルトユニットと一体となって移動することを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の画像形成装置では、ベルトユニットが装置側部を有する装置本体に回動可能に支持された開閉部と連動して移動する。そして、送風手段は、ベルトユニットと一体となって移動する。
【0017】
したがって、開閉部の開閉に伴いベルトユニットが移動しても送風手段との位置関係は変化しない。よって、開閉部を閉じた状態においては、ベルトユニットの端部に当たった空気の整流が正確に行なわれる。つまり、像担持体が効果的に冷却される。
【0018】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の構成において、前記装置側部には、前記送風手段に対応した位置に通気孔が形成され、前記送風手段に設けられ、前記装置側部と摺接可能であると共に、該装置側部と前記送風手段との間を、前記通気孔から通風可能にシールするシール部材を備えることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の画像形成装置では、装置側部と摺接可能であると共に、装置側部と送風手段との間を、装置側部の通気孔から通風可能にシールするシール部材を送風手段が備えている。
【0020】
したがって、開閉部の開閉に伴いベルトユニットが移動しても、開閉部を閉じた状態においては、装置側部の外側の空気が通気孔を通りベルトユニットの端部に当たって整流され、像担持体の近傍に回転軸の軸方向に通風されるので、像担持体がより効果的に冷却される。
【0021】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記シール部材は、前記装置側部との摺接開始箇所に、該装置側部と摺接する摺接面を、該装置側部に導く呼込部を備えることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の画像形成装置は、シール部材は装置側部との摺接開始箇所に、装置側部と摺接する摺接面を、装置側部に導く呼込部を備えているので、例えば、摺接開始箇所からシール部材が剥がれたり、ダメージを受けたりすることが防止される。
【0023】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項5に記載の構成において、前記呼込部は、前記摺接面から摺接方向に延出し、前記送風手段側に傾いた傾斜面を備えることを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の画像形成装置では、シール部材の呼込部の傾斜面が最初に装置側部に面接触したのち、シール部材と装置側部とが摺接するので、例えば、摺接開始箇所からシール部材が剥がれたり、ダメージを受けたりすることが防止される。
【0025】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の構成において、前記ベルトユニットには、前記ベルト部材に沿って両面印字用の搬送路が設けられた両面印字ユニットが着脱自在に設けられ、前記送風手段は、前記両面印字ユニットと一体となって着脱することを特徴としている。
【0026】
請求項7に記載の画像形成装置では、ベルト部材に沿って両面印字用の搬送路が設けられた両面印字ユニットが、ベルトユニットに着脱自在に設けられている。
【0027】
さて、記録媒体の一方の面に印字した後の記録媒体は温度が高くなっている。よって、他方の面にトナー像を転写する際、記録媒体が像担持体の温度を大きく上昇させる要因となる。よって、送風手段を両面印字ユニットと一体となって着脱する構成とし、温度上昇の条件が厳しい両面印字機能を有する場合にのみ送風手段を備えることで、装置本体のコストを抑えることができる。
【0028】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の構成において、前記装置側部は、前記像担持体の前記回転軸の軸方向の端部より外側に位置することを特徴としている。
【0029】
請求項8に記載の画像形成装置では、装置側部は像担持体の回転軸の軸方向の端部より外側に位置している。よって、送風手段とベルトユニットとの間の距離を広くできる。このため、像担持体に導くための整流を行ないやすい。
【0030】
また、装置側部とベルトユニットとの間に配置する送風手段の配置空間が十分に確保できる。
【0031】
更に、装置本体の開閉部材にベルトユニットを設けた構成の場合、開閉部材を開閉すると、像担持体の端部より装置側部の方が外側にあるので、例えば、各種作業(像担持体の交換など)の作業性が良い。
【0032】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の構成において、前記装置側部を備える部材は、前記像担持体を支持する支持部とは別の部材であることを特徴としている。
【0033】
請求項9に記載の画像形成装置では、装置側部を備える部材は、像担持体を支持する支持部とは別の部材である。よって、例えば、像担持体は装置筐体に支持され、この装置筐体の外側にある外装カバーが装置側部を備える構成とすることができる。
【0034】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の構成において、前記ベルトユニットは、前記送風手段が配置された前記回転軸の軸方向の一方の端部側の開口部分の開口面積より、他方の端部側の開口部分の開口面積を狭くしたことを特徴としている。
【0035】
請求項10に記載の画像形成装置では、ベルトユニットの送風手段が配置された回転軸の軸方向の一方の端部側の開口部分から他方の端部側の開口部分へと通風する。よって、ベルトユニット内部も冷却される。しかし、一方の端部側の開口面積より、他方の端部側の開口部分の開口面積を狭くしたので、ベルトルトユニットの端部に当たり像担持体の近傍に回転軸の軸方向に通風される空気量は十分に確保されている。
【0036】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の構成において、前記ベルトユニットは、前記送風手段によって送風された空気を所定の部位に導く通風路を備えていることを特徴としている。
【0037】
請求項11に記載の画像形成装置では、ベルトユニットは送風手段によって送風された空気を所定の部位に導く通風路を備えている。よって、所定の部位を効率よくピンポイントで冷却できる。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように本発明によれば、装置が大型化することなく、効率よく複数の像担持体を冷却させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎に配設されているものについては、符号の後に「Y」、「M」、「C」、「K」の英字を付している。しかし、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略している。
【0040】
まず、画像形成装置10の概要について説明する。
【0041】
図1に示すように、画像形成装置10は、プロセスユニット16Y〜16Kが鉛直方向に並んで配設されている。各色のプロセスユニット16Y〜16Kには、それぞれ像担持体としての感光体ドラム20Y〜20Kを備えている。感光体ドラム20Y〜20Kも鉛直方向に並んで配設されている。なお、以降、単に「外側」「内側」と記載する場合は、感光体ドラム20の回転軸21の軸方向に対する内外を意味する。また、この感光体ドラム20の回転軸21の軸方向が装置の幅方向である。更に、図1の右側が装置前面であり、左側が装置奥側(後側)である。
【0042】
また、図2、図3に示すように、画像形成装置10は、装置本体5と開閉カバー14とから構成している。この開閉カバー14には、記録用紙Pを吸着搬送可能な搬送ベルト34を備えた搬送ユニット18(図12も参照)が取り付けられている。そして、開閉カバー14を開閉することで、プロセスユニット16(感光体ドラム20)を開放・閉塞し、
JAM処理やメンテナンスなどの各種作業を行なう。
【0043】
また、装置本体5は、プロセスユニット16を収容する本体フレーム12(図4も参照)を備え、この本体フレーム12の外側を筐体カバー13(図2、図7を参照)が覆っている。
【0044】
さて、図1に示すように、プロセスユニット16には、感光体ドラム20の表面を一様に帯電する帯電ローラ22を備えている。また、光走査装置24から照射されたレーザ光よって感光体ドラム20上に形成された潜像にトナーを選択的に転移して可視化する現像ユニット25を備えている。更に、トナー像が記録用紙Pに転写された後に感光体ドラム20上に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング部材28を有するクリーニングユニット17が備えられている。
【0045】
現像ユニット25は、内部にトナーを収容すると共に、現像ローラ26を備えている。現像ローラ26は、感光体ドラム20と近接して対向するように配置され、現像バイアス電圧が印加されるようになっている。これにより、現像ローラ26と感光体ドラム20との間には現像バイアス電界が形成され、現像ローラ26に担持されたトナーが感光体ドラム20上の露光された静電潜像に転移してトナー像を形成する。
【0046】
搬送ユニット18(図2、図12も参照)は、駆動ローラ30と従動ローラ32に張架された搬送ベルト34を備えており、その搬送ベルト34の内面側で、駆動ローラ30と従動ローラ32の間の所定位置には、各色に対応して4個の転写ローラ36Y〜36Kが配設されている。
【0047】
転写ローラ36は、開閉カバー14が閉じられたとき(開閉カバー14を本体フレーム12側に回動して感光体ドラム20等を閉塞したとき)、搬送ベルト34を挟んで感光体ドラム20と対向するようになっており、感光体ドラム20との間に転写電界を形成することによって、搬送ベルト34に吸着搬送されて通過する記録用紙P上に、各色の感光体ドラム20Y〜20K上の各色トナー像を順次転写して重ね合わせ、記録用紙Pにフルカラートナー像(未定着のフルカラートナー像)を形成させるようになっている。
【0048】
プロセスユニット16Y〜16Kよりも記録用紙Pの搬送方向下流側(画像形成装置10の上部)には、定着装置38が配設されている。そして、搬送ユニット18から送られた記録用紙Pは排紙経路K2を搬送され定着装置38に送られる。
【0049】
定着装置38は、互いの周面が対向して所定の圧力で圧接(ニップ)される加熱ローラ40と加圧ローラ42とを備えており、これら加熱ローラ40及び加圧ローラ42で記録用紙P上に転写された未定着のフルカラートナー像を加熱・加圧することにより、その記録用紙Pにフルカラートナー像を定着するようになっている。定着装置38によってフルカラートナー像が定着した記録用紙Pは、排紙トレイ44上へ排出される。
【0050】
画像形成装置10の下部には、記録用紙Pが収容される給紙カセット46が備えられている。給紙カセット46の先端部近傍には、給紙カセット46内から記録用紙Pを1枚ずつ送り出す給紙ローラ対48が設けられており、給紙ローラ対48から送り出された記録用紙Pは、搬送路K1を搬送され、レジストローラー対49によって、所定のタイミングで搬送ベルト34の吸着搬送面へ送り出され、各色のトナー像の転写位置へ搬送される。
【0051】
開閉カバー14に設けられたれた搬送ユニット18には、記録用紙Pを静電吸着可能な搬送ベルト34や転写ローラ36Yから36Kが設けられている。なお、各転写ローラ36Y〜36Kは、開閉カバー14が閉じられたときに、搬送ベルト34を挟んで、各像担持体20Y〜20Kに所定の圧力で圧接するようになっており、搬送ベルト34の走行に追従して回転するようになっている。
【0052】
さて、画像形成装置10は、記録用紙Pの両面に印字する両面印字機能を有している。具体的には、記録用紙Pの一方の面にトナー像を転写して定着装置38で定着した後、スイッチバック搬送して両面搬送路K3に搬送して記録用紙Pを表裏反転し、今度は、他方の面にトナー像を転写して定着し、排出することで、記録用紙Pの両面に印字する機能を有している。
【0053】
そして、搬送ユニット18には、両面搬送路K3を有する両面印字ユニット150(図9参照)が設けられている。また、図9、図11に示すように、両面印字ユニット150は、搬送ユニット18から着脱自在となっている。なお、着脱方法は、図8、図10に示すように開閉カバー14を開けた状態で、図9、図11に示すように、搬送ユニット18の搬送ベルト34を有する搬送部152のみを装置側に回動させることで、両面印字ユニット150を着脱できる。
【0054】
更に、両面印字機能は、標準の装備ではなく、別途オプションとして追加装備されるものであり、両面印字ユニット150は両面印字機能をオプションとして追加装備する際にのみ、搬送ユニット18に装着される。
【0055】
また、図13に示すように、各プロセスユニット16Y〜16Kは一体となって、作像ユニット116を構成している。そして、開閉カバー14を開くことで、作像ユニット116が着脱(交換)可能となる。
【0056】
さて、感光体ドラム20(プロセスユニット16)は、回転軸21の軸方向の端部が、図4に示す本体フレーム12の第一側部6に支持されている。更に、本体フレーム12の正面の開口部分には、幅広となった拡幅部7が形成されている。なお、拡幅部7にある第二側部8は、前述した第一側部6より外側(感光体ドラム20の回転軸21の軸方向に対する外側)に位置している。また、この拡幅部7に吸気ファン100(つぎに説明する)が収まる。
【0057】
さて、図2、図3、図8、図12等に示すように、搬送ユニット18の外側の側面部18Aに、吸気ファン100が設けられている。よって、吸気ファン100は、開閉カバー14の開閉に伴い、搬送ユニット18と一体となって移動する。更に、図9、図11に示すように、吸気ファン100は、両面印字ユニット150に設けられており、両面印字ユニット150と一体となって着脱される。
【0058】
そして、図7に示すように、開閉カバー14が閉じられたときには、搬送ユニット18と本体フレーム12の拡幅部7にある第二側部8との間に吸気ファン100が配置される構成となっている(図4も参考)。
【0059】
なお、図2、図3に示すように、本体フレーム12の拡幅部7の第二側部8には、開閉カバー14が閉じられた際、吸気ファン100に対応した位置に通気孔112が形成されている。
【0060】
また、図5、図12に示すように、吸気ファン100の側面部の外周部分にはシール部材120が貼り付けられている。シール部材120は、スポンジなどの弾性部材122と、弾性部材122の外側には貼り付けられたPETシート124と、で構成されている。
【0061】
そして、図7に示すように、開閉カバー14が閉じられたときには、シール部材120は本体フレーム12の第二側部8に密着し、第二側部8の通気孔112と吸気ファン100との間を、通風可能にシールする。また、開閉カバー14が開閉する際には、シール部材120が本体フレーム12の第二側部8と摺接する。
【0062】
シール部材120は、開閉カバー14が閉じる方向側の端部側の下隅部に、呼込部125が設けられている。呼込部125は、PETシート124の一部が摺接方向(開閉カバー14を閉じる際の方向)に延出して内側に曲げられている(シール部材120の摺接開始する側の弾性部材122の端面122Bに被るように曲げられている)。なお、この延出している部分を傾斜面125Aとする。
【0063】
さて、開閉カバー14が開いているときは、弾性部材122が縮んでいないので、シール部材120の側面120A(PETシート124)は、第二側部8の内壁面8A(図2、図4、図7を参照)より、外側に位置する。よって、呼込部125が無いと開閉カバー14を閉じるとシール部材120の弾性部材122の端面122Bが、本体フレーム12の第二側部8に当たる。しかし、本シール部材120は、呼込部125の傾斜面125Aが、第二側部8に面接触してシール部材120(弾性部材122)を圧縮させたのち、シール部材120の側面120が摺接する。
【0064】
つぎに、吸気ファン100による空気の流れを説明する。
【0065】
図7の矢印S1〜S5は、吸気ファン100による空気の流れを示している。
【0066】
吸気ファン100は感光体ドラム20の回転軸21の軸方向に空気を送る。よって、矢印S1で示すように、外気が筐体カバー13の通風口13Aから入り、更に本体フレーム12の通気孔112から吸気ファン100が吸い込む。吸い込まれた外気は、矢印S2で示すように、搬送ユニット18の側面部18Aに当る。当った外気は、矢印S3で示すように、装置奥側に内部に向かって導かれる。その後、矢印S4で示すように、搬送ベルト34と各プロセスユニット16との間に流れる。つまり、各感光体ドラム20と現像ユニット25の近傍を回転軸21の軸方方向(図では左から右方向)に流れる(図1の斜線部Aを、回転軸21の軸方向に外気が流れる)。
【0067】
また、外気の一部は、矢印S5で示すように、搬送ユニット18の搬送部152の一方の端部側(吸気ファン100が配置された側の側面部18A)に形成された開口部152Aから搬送ユニット18の中に入り、他方の端部の開口部152Bから出て行く。搬送部152の中を通る際、搬送ベルト34(図1参照)の外面に当る。なお、搬送ベルト34の内面(転写ローラ36が当接している面)には、外気が流れないようにされている。なお、吸気ファン100が配置されている一方の端部側の開口部152Aの開口面積より、他方の端部の開口部152Bの開口面積の方が狭い。
【0068】
さて、図6に示すように、搬送ユニット18の搬送部152には、搬送ベルト34をクリーニングするクリーニングブレード154が設けられ、このクリーニングブレード154によって除去されたトナーやゴミなどを収容するクリーニングボックス156を備えている。クリーニングボックス156は、ボックス本体159と背面板部158とを超音波溶着することで構成されている。そして、背面板部158の側壁158Aが、ボックス本体159の周囲と間隔を持って配置されている。よって、この背面板部158の側壁158Aとボックス本体159との間に溝160が形成さている。
【0069】
更に、吸気ファン100が配置されている一方の端部側の下部をL字状の蓋部材162が覆っている。よって、図中の矢印S6で示すように、吸気ファン100から送られた外気の一部は、この溝160を通って他方側の端部の隅部156Aに向かって流れる。この溝160(通風路)に沿って流れた外気は、最も下に配置されている感光体ドラム20Yと現像ユニット25Yの他方側の端部に吹き付ける。
【0070】
つぎに本実施形態の作用について説明する。
【0071】
各プロセスユニット16の各感光体ドラム20と各現像ユニット25の各現像ローラ26の近傍は温度上昇が大きい。感光体ドラム20や現像ユニット25の付近の温度が上昇すると、画像品質の低下等の原因となる。よって、このような箇所に外気を流して冷却したい。
【0072】
さて、各プロセスユニット16の各感光体ドラム20の各回転軸21の軸方向の外側は、各感光体ドラム20や各現像ローラ26を駆動するためのギア等からなる駆動機構(図示略)や電源ユニット(図示略)等が配置されている。よって、プロセスユニット16の外側に吸気ファンを設置すると幅方向に大型化してしまう。また、駆動機構や電源ユニットが邪魔になり、回転軸21の軸方向に通風させることは困難である。
【0073】
また、本実施形態では装置全体を小型化するために、各プロセスユニット16を高密度に配置している。よって、装置後部に吸気ファンを配置して、回転軸21の軸方向と直交する方向、つまり、後から前に外気を送っても、プロセスユニット16間に外気を流れさせることは困難である。
【0074】
そこで、本実施形態では、吸気ファン100を搬送ユニット18の側面部18Aに設けることで、駆動機構や電源ユニット等を避けて配置することができた。なお、搬送ユニット18のベルト部材34の駆動は駆動ローラ30のみであるので、この付近の外側にのみギア等からなる駆動機構があるが、この付近以外は、吸気ファン100を配置する空間が十分ある。つまり、吸気ファン100を搬送ユニット18の側面部18Aに設けても、装置全体は大型化しない。
【0075】
そして、図7の矢印S1〜S4で示すように、吸気ファン100によって取り込まれた外気を搬送ユニット18の側面部18Aに当てた後に整流し、各感光体ドラム20と各現像ユニット25の現像ローラ26の近傍(図1の斜線部A)を、回転軸21の軸方方向に外気を流す。なお、冷却箇所である感光体ドラム20と現像ユニット25の現像ローラ26の近傍と、吸気ファン100とが大きく離れていないので、冷却効率が良い。
【0076】
また、最も下に配置されている感光体ドラム20Yと現像ユニット25が最も温度上昇が大きい。この理由は、この近傍位置にレジストローラー対49のためのクラッチ(図示略)等があるためと考える。よって、図6の矢印S6で示すように、搬送ユニット18の搬送部152のクリーニングボックス156の溝160(通風路)に沿って流した外気を、最も下に配置されている感光体ドラム20Yと現像ユニット25Yの他方側の端部に吹き付けることで、特に温度上昇が大きい箇所をピンポイントで効果的に冷却している。
【0077】
また、図7の矢印S5で示すように、外気の一部は、搬送部152の一方の端部の開口部152Aから搬送部152に入り、他方の端部の開口部152Bから出て行く。このように外気が搬送部152の中を通る際、搬送ベルト34の外側に外気が当り、搬送ベルト34が冷却される。そして、搬送ベルト34が冷却されることで、当接する各感光体ドラム20が冷却される。
【0078】
なお、吸気ファン100が配置されている一方の端部側の開口部152Aの開口面積より、他方の端部の開口部152Bの開口面積の方が狭い。よって、必要以上に搬送部152の中に通風させないで、矢印S4で示す感光体ドラム20と現像ユニット25の現像ローラ26の近傍に多くの外気が流れるようにしている。
【0079】
また、図3、図8などに示すように、吸気ファン100は、開閉カバー14の開閉に伴い、搬送ユニット18と一体となって移動する。よって、開閉カバー14の開閉(搬送ユニット18の移動)により、吸気ファン100と搬送ユニット18との位置関係がズレることはない。したがって、図7の矢印S1〜S5、及び図6の矢印S6で示すような、吸気ファン100から送風された外気の整流が正確に行なわれる。つまり、開閉カバー14の開閉(搬送ユニット18の移動)にかかわらず、冷却効率が良い状態が常に維持される。
【0080】
また、図7に示すように、開閉カバー14が閉じられたときには、シール部材120は本体フレーム12の第二側部8に密着し、第二側部8の通気孔112と吸気ファン100との間を、通風可能にシールする。よって、通気孔112から外気を効率よく吸気できる。
【0081】
なお、開閉カバー14が開閉する際、シール部材120の呼込部125の傾斜面125Aが、本体フレーム12の第二側部8に面接触したのち、シール部材120の側面120Aが摺接するので、開閉の際にシール部材120の弾性部材122の端面122Bが当って剥がれたりすることがない。
【0082】
さて、本実施形態の画像形成装置10は、記録用紙Pの両面に印字する両面印字機能をオプションとして有している。両面印字の際は、記録用紙Pの一方の面が一旦、定着装置38で定着したのち、両面搬送路K3に搬送される。一方の面にトナー像が定着済みの記録用紙Pは温度が高い。このため、記録用紙Pの他方の面にトナー像を転写する際、記録用紙Pが感光体ドラム20から熱を奪うのでなく、逆に温度上昇させる要因となってしまう。このため両面印字の際が、最も温度上昇が大きい。
【0083】
そして、本実施形態の画像形成装置10では、感光体ドラム20と現像ユニット25の現像ローラ26の近傍の温度上昇は、両面印字の際が問題となり、それ以外の場合は、それほど問題とならない。つまり、オプションとして両面印字機能を装備した際にのみ、吸気ファン100が必要であると言える。したがって、図9、図11に示すように、吸気ファン100は両面印字ユニット150と一体となって着脱されるようになっている。つまり、温度上昇が問題となるときにのみ、吸気ファン100が装着されるようになっている。よって、装置本体のコストが抑えられている。
【0084】
また、図4に示すように、本体フレーム12は拡幅部7を備えている(本体フレーム12の開口が大きくなっている)。よって、作像ユニット116を着脱する際などの作業性が非常に良い(図13を参考)。更に、吸気ファン100と搬送ユニット18の側面部18Aとの間の距離が広くなる。よって、吸気ファン100から送風された外気の整流を行ないやすい。
【0085】
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0086】
例えば、プロセスユニット16(感光体ドラム20)を支持する第一側部6と第二側部8とは同じ本体フレーム12に設けられていたが、これに限定されない。例えば、本体フレーム12が拡幅部7を備えていない場合、図7の筐体カバー13に直接、吸気ファン100のシール部材120が密着する構成としても良い。
【0087】
また、例えば、吸気ファン100は両面印字ユニット150と一体となって着脱される構成であったが、これに限定されない。搬送ユニット18の搬送部152が吸気ファン100を備える構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態の側面図である。
【図4】本体フレームを示す斜視図である。
【図5】シール部材を備える吸気ファンの斜視図である。
【図6】搬送ユニットのクリーニングボックスを示す斜視図である。
【図7】画像形成装置の前方部分の横断面を示し、外気の流れを説明する説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態の側面図である。
【図9】図8の状態から搬送部を移動し、両面印字ユニットを取り外した状態の図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開いた状態を、装置後方から見た斜視図である。
【図11】図10の状態から搬送部を移動し、両面印字ユニットを取り外した状態の図である。
【図12】搬送ユニットを示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置の開閉カバーを開き、作像ユニットを着脱する様子を示す側面図である。
【符号の説明】
【0089】
5 装置本体
8 第二側部(装置側部)
10 画像形成装置
14 開閉カバー(開閉部)
16 像担持体(感光体ドラム)
18 搬送ユニット(ベルトユニット)
21 回転軸
34 搬送ベルト(ベルト部材)
100 吸気ファン(送風手段)
112 通気孔
120 シール部材
120A 側面(摺接面)
125 呼込部
125A 傾斜面
150 両面印字ユニット
160 通風路
P 記録用紙(記録媒体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する複数の像担持体と、
複数の前記像担持体に対向して配置されたベルト部材を有するベルトユニットと、
前記ベルトユニットの前記像担持体の回転軸の軸方向の外側に配置された装置側部と、
前記装置側部と前記ベルトユニットとの間に配置され、該ベルトユニットの前記回転軸の軸方向の端部を通風する送風手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ベルト部材は、前記トナー像が転写される記録媒体を搬送する搬送ベルトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルトユニットは、前記装置側部を有する装置本体に回動可能に支持された開閉部と連動して移動し、
前記送風手段は、前記ベルトユニットと一体となって移動することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置側部には、前記送風手段に対応した位置に通気孔が形成され、
前記送風手段に設けられ、前記装置側部と摺接可能であると共に、該装置側部と前記送風手段との間を、前記通気孔から通風可能にシールするシール部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シール部材は、前記装置側部との摺接開始箇所に、該装置側部と摺接する摺接面を、該装置側部に導く呼込部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記呼込部は、前記摺接面から摺接方向に延出し、前記送風手段側に傾いた傾斜面を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルトユニットには、前記ベルト部材に沿って両面印字用の搬送路が設けられた両面印字ユニットが着脱自在に設けられ、
前記送風手段は、前記両面印字ユニットと一体となって着脱することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記装置側部は、前記像担持体の前記回転軸の軸方向の端部より外側に位置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記装置側部を備える部材は、前記像担持体を支持する支持部とは別の部材であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ベルトユニットは、前記送風手段が配置された前記回転軸の軸方向の一方の端部側の開口部分の開口面積より、他方の端部側の開口部分の開口面積を狭くしたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ベルトユニットは、前記送風手段によって送風された空気を所定の部位に導く通風路を備えていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を担持する複数の像担持体と、
複数の前記像担持体に対向して配置されたベルト部材を有するベルトユニットと、
前記ベルトユニットの前記像担持体の回転軸の軸方向の外側に配置された装置側部と、
前記装置側部と前記ベルトユニットとの間に配置され、該ベルトユニットの前記回転軸の軸方向の端部を通風する送風手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ベルト部材は、前記トナー像が転写される記録媒体を搬送する搬送ベルトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルトユニットは、前記装置側部を有する装置本体に回動可能に支持された開閉部と連動して移動し、
前記送風手段は、前記ベルトユニットと一体となって移動することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置側部には、前記送風手段に対応した位置に通気孔が形成され、
前記送風手段に設けられ、前記装置側部と摺接可能であると共に、該装置側部と前記送風手段との間を、前記通気孔から通風可能にシールするシール部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シール部材は、前記装置側部との摺接開始箇所に、該装置側部と摺接する摺接面を、該装置側部に導く呼込部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記呼込部は、前記摺接面から摺接方向に延出し、前記送風手段側に傾いた傾斜面を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルトユニットには、前記ベルト部材に沿って両面印字用の搬送路が設けられた両面印字ユニットが着脱自在に設けられ、
前記送風手段は、前記両面印字ユニットと一体となって着脱することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記装置側部は、前記像担持体の前記回転軸の軸方向の端部より外側に位置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記装置側部を備える部材は、前記像担持体を支持する支持部とは別の部材であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ベルトユニットは、前記送風手段が配置された前記回転軸の軸方向の一方の端部側の開口部分の開口面積より、他方の端部側の開口部分の開口面積を狭くしたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ベルトユニットは、前記送風手段によって送風された空気を所定の部位に導く通風路を備えていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−310226(P2007−310226A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140464(P2006−140464)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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