説明

画像形成装置

【課題】操作情報を記載するための部材を設けずとも、広い面積で操作情報を提示することができ、ユーザの誤操作を防止することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ドラムユニット15に、複数の感光ドラム17を保護するための感光ドラムカバー33を着脱自在に備える。その感光ドラムカバー33は、複数の感光ドラム17を被覆する被覆板34と、被覆板34に設けられ、カラーレーザプリンタ1の操作情報が記載される操作情報記載部36と、複数の感光ドラム17が被覆板34と間隔を隔てて対向配置されるように、ドラムユニット15のレール46を狭持する上側支持部42および下側支持部43とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して、感光ドラムおよび現像ローラが複数(4つ)設けられる、タンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
タンデム型カラーレーザプリンタでは、各現像ローラによって各色のトナー像が各感光ドラムにほぼ同時に形成され、その後、各トナー像が用紙や中間転写ベルトに転写されるので、モノクロレーザプリンタとほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。
【0003】
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、例えば、感光体ドラムや現像カートリッジを複数備える画像形成ユニットが、本体ケーシングに対して引き出し可能でかつ着脱可能とされているものが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−98772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、感光体ドラムまたは現像カートリッジを交換する場合など、ユーザが画像形成ユニットを取り扱う場合には、誤操作を防止するために、画像形成ユニットの操作情報を提示する必要がある。
このような操作情報は、本体ケーシングの内部や画像形成ユニットに記載することが望ましい。
【0005】
しかし、本体ケーシングの内部や画像形成ユニットには各種部材がレイアウトよく搭載されているため、操作情報を記載するための十分な面積を確保することが困難である。
一方、操作情報を記載するための部材を別途設けると、部品点数の増大、コストの上昇および装置の大型化を生じる。
そこで、本発明の目的は、操作情報を記載するための部材を設けずとも、広い面積で操作情報を提示することができ、ユーザの誤操作を防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ケーシングと、前記ケーシングに着脱自在に設けられ、複数の感光体を備える感光体ユニットとを備える画像形成装置であって、前記感光体ユニットに着脱自在に構成され、複数の前記感光体を保護するための保護部材を備え、前記保護部材は、前記感光体を保護するときには、複数の前記感光体を被覆するように、複数の前記感光体と対向配置される被覆板と、前記被覆板に設けられ、前記画像形成装置の操作情報が記載される操作情報記載部と、前記感光体を保護するときには、前記感光体と前記被覆板とが間隔を隔てて配置されるように、前記感光体ユニットを支持する支持部とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ケーシングには、前記保護部材を収納するための収納部が設けられていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ケーシングには、前記感光体ユニットの上方に、前記感光体を露光するための露光ユニットが設けられており、前記収納部は、前記露光ユニットと前記感光体ユニットとの間に配置されていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記被覆板には、前記被覆板を厚み方向に貫通し、前記露光ユニットから前記感光体に向けて射出される光を通過させるための開口部が形成されていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記ケーシングには、前記保護部材の前記収納部に対する収納を検知する収納検知部材が設けられており、前記収納検知部材の検知または非検知に基づいて、画像形成動作が可能となることを特徴としている。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記ケーシングには、前記感光体ユニットの仕向けを検知する仕向け検知部材が設けられており、前記仕向け検知部材の検知または非検知に基づいて、画像形成動作が可能となることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記ケーシングには、前記保護部材が下方に装着されている前記感光体ユニットを前記ケーシングに装着するための装着準備位置において、前記保護部材の装着方向下流側端部と当接する第1当接部と、前記感光体ユニットを前記ケーシングに画像形成動作可能に装着するための装着位置において、前記感光体ユニットの装着方向下流側端部と当接する第2当接部とが設けられており、前記装着準備位置において前記保護部材を取り外すことで、前記装着準備位置から前記装着位置への前記感光体ユニットの移動が可能となり、前記装着位置における感光体ユニットの下端部が、前記保護部材の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて、前記装着準備位置における感光体ユニットの下端部よりも下方に配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、感光体ユニットに備えられる複数の感光体を保護するための保護部材が、複数の感光体を被覆するように複数の感光体と対向配置される被覆板を備えており、被覆板に操作情報記載部が設けられている。
すなわち、複数の感光体と対向する面積が確保される被覆板の操作情報記載部に、画像形成装置の操作情報を記載することができる。そのため、画像形成装置の操作情報を広い面積で提示することができる。その結果、画像形成装置の誤操作を防止することができる。
【0011】
また、操作情報記載部が感光体ドラムを保護するための被覆板に設けられているので、操作情報を記載する部材を別途設けることを不要とすることができる。そのため、部品点数の低減、コストの削減および装置の小型化を図ることができる。
しかも、感光体ユニットの操作情報が保護部材に記載されているため、画像形成装置のユーザが保護部材を廃棄することを防止することができる。そのため、修理等により再梱包が必要なときには、保護部材により感光体ユニットの感光体を再度保護することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、ケーシングには保護部材を収納するための収納部が設けられている。そのため、保護部材を収納部に収納すれば、保護部材の管理が容易になり、かつ、いつでも操作情報を見ることができる。
その結果、画像形成装置の誤操作をより防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、収納部は、露光ユニットと感光体ユニットとの間に配置されている。そのため、感光体ユニットと露光ユニットとの間の空間を収納部として有効利用することができる。
【0013】
その結果、効率よく、保護部材を画像形成装置に収納することができる。
請求項4に記載の発明によれば、被覆板には、露光ユニットから感光体に向けて射出される光を通過させるための開口部が形成されている。そのため、露光ユニットから射出される光が被覆板の開口部を通過するため、感光体を確実に露光することができる。
その結果、感光体を確実に露光することができるとともに、効率よく、保護部材を画像形成装置に収納することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、保護部材の収納部に対する収納を検知する収納検知部材を備え、収納検知部材の検知または非検知に基づいて、画像形成動作が可能となる。そのため、保護部材を感光体ユニットから取り外した後、保護部材を収納部に収納しないと、画像形成装置が動作しないので、ユーザが保護部材を収納部に必ず収納するように促すことができ、ユーザが保護部材を廃棄することをより一層防止することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、感光体ユニットの仕向けを検知する仕向け検知部材を備え、仕向け検知部材に基づいて、画像形成動作が可能となる。そのため、感光体ユニットの仕向けを検知することができる。その結果、仕向けの異なる感光体ユニットが画像形成装置に装着されることを防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、感光体ユニットをケーシングに装着するには、まず、感光体ユニットの下に装着されている保護部材の装着方向下流側端部を第1当接部と当接させる。すると、感光体ユニットが装着準備位置にセットされる。
【0016】
次いで、装着準備位置において、感光体ユニットから保護部材を取り外すと、感光体ユニットを装着準備位置から装着位置へ移動させることができるようになる。すなわち、装着位置における感光体ユニットの下端部が、保護部材の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて、装着準備位置における感光体ユニットの下端部よりも下方に配置されるので、感光体ユニットは、装着されていた保護部材の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて下方へ移動することができるようになる。
【0017】
そして、感光体ユニットを、装着準備位置から下方へ移動させて、感光体ユニットの装着方向下流側端部を第2当接部に当接させる。これにより、感光体ユニットをケーシングに画像形成動作可能に装着することができる。
その結果、感光体ユニットをケーシングに確実に装着することができるとともに、感光体ユニットをケーシングに装着するときに、装着準備位置まで感光体が保護されており、装着位置の直前まで、保護部材により感光体を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、ケーシングの一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その内部に、後述するプロセスカートリッジ12を収容するプロセスカートリッジ収容空間5が形成されている。
【0019】
本体ケーシング2の一方側面には、プロセスカートリッジ収容空間5に連通する着脱口6が形成されている(図6参照)。また、その着脱口6が形成されている側面には、着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている(図6参照)。このフロントカバー7を本体ケーシング2の側方に傾倒して、着脱口6を開放した状態で、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ12をプロセスカートリッジ収容空間5に対して着脱させることができる(図6参照)。
【0020】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、このカラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。なお、左右方向を幅方向と呼ぶことがある。さらに、ドラムユニット15(後述)および現像カートリッジ16(後述)に関しては、特に言及がない限り、本体ケーシング2に対する装着状態において前後左右上下を規定する。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ8を備えている。給紙トレイ8は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ8の前端部上方には、給紙ローラ(図示せず)が配置され、その給紙ローラ(図示せず)の後側にレジストローラ9が配置されている。
【0021】
給紙ローラ(図示せず)の回転により、給紙トレイ8に収容されている用紙Pがレジストローラ9に向けて1枚ずつ送り出される。その後、用紙Pは、レジストローラ9により、画像形成部4(感光ドラム17と搬送ベルト25との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、露光ユニットの一例としてのスキャナユニット11、プロセスカートリッジ12、転写部13、および定着ユニット14を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット11は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット11は、4つの感光ドラム17(後述)と前後方向および左右方向において対向するように形成されており、前後方向および左右方向に沿って配置されている。また、スキャナユニット11は、前後方向に沿って間隔を隔てて並列配置され、4つの感光ドラム17(後述)に対してレーザビームを出射する4つの窓(図示せず)を備えており、鎖線で示すように、各感光ドラム17に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光ドラムを露光する。
(3−2)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ12は、スキャナユニット11の下方であって、給紙部3の上方に配置されており、感光体ユニットの一例としての1つのドラムユニット15と、各色に対応する4つの現像カートリッジ16とを備えている。また、プロセスカートリッジ12は、前後方向に沿って挿入または引き出すことにより、本体ケーシング2に対して着脱自在に設けられている。
(3−2−1)ドラムユニット
ドラムユニット15は、各色に対応して、感光体の一例としての4つの感光ドラム17と、各感光ドラム17に対応する4つのスコロトロン型帯電器18および4つのクリーニングブラシ19を備えている。
【0022】
各感光ドラム17は、左右方向において間隔を隔てて対向配置される2枚の側板20(後述)の間に左右方向に沿って配置され、側板20(後述)に対して回転自在に支持されている。
各感光ドラム17は、互いに前後方向に間隔を隔てて並列的に配置されており、具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム17K、イエロー感光ドラム17Y、マゼンタ感光ドラム17Mおよびシアン感光ドラム17Cが、順次配置されている。
【0023】
スコロトロン型帯電器18は、各感光ドラム17の斜め後側上方に、感光ドラム17と間隔を隔ててそれぞれ対向配置されている。
クリーニングブラシ19は、各感光ドラム17の後方において、感光ドラム17と対向して接触するようにそれぞれ配置されている。
また、各スコロトロン型帯電器18および各クリーニングブラシ19は、2枚の側板20の間に架設されるセンタフレーム(図示せず)に支持されている。
(3−2−2)現像カートリッジ
4つの現像カートリッジ16は、4つの感光ドラム17に対応するように、ドラムユニット15に、それぞれ着脱自在に設けられている。すなわち、現像カートリッジ16は、ブラック感光ドラム17Kに対応して装着されるブラック現像カートリッジ16K、イエロー感光ドラム17Yに対応して装着されるイエロー現像カートリッジ16Y、マゼンタ感光ドラム17Mに対応して装着されるマゼンタ現像カートリッジ16M、および、シアン感光ドラム17Cに対応して装着されるシアン現像カートリッジ16Cの4つからなる。
【0024】
各現像カートリッジ16は、供給ローラ21、現像ローラ22および層厚規制ブレード(図示せず)を備えており、各色に対応するトナーを収容している。
供給ローラ21および現像ローラ22は、現像カートリッジ16内において、トナー収容室(図示せず)の下方に設けられており、互いに圧接するように配置されている。
(3−2−3)プロセスカートリッジでの現像動作
現像カートリッジ16内のトナーは、供給ローラ21に供給され、供給ローラ21の回転により、現像ローラ22に供給される。このとき、供給ローラ21と現像ローラ22との間で正極性に摩擦帯電される。
【0025】
現像ローラ22に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード(図示せず)によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ22の表面に担持される。
一方、各現像カートリッジ16に対応する感光ドラム17の表面は、感光ドラム17の回転に伴って、スコロトロン型帯電器18により一様に正帯電された後、スキャナユニット11からのレーザビーム(図示破線参照)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム17の表面に形成される。
【0026】
感光ドラム17がさらに回転すると、現像ローラ22の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム17の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム17の静電潜像は可視像化され、感光ドラム17の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写部
転写部13は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、プロセスカートリッジ12の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部13は、駆動ローラ23、従動ローラ24、搬送ベルト25、転写ローラ26およびクリーニング部27を備えている。
【0027】
駆動ローラ23および従動ローラ24は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、それらの周りにエンドレスベルトからなる搬送ベルト25が巻回されている。
転写ローラ26は、各感光ドラム17と、搬送ベルト25を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。
クリーニング部27は、駆動ローラ23および従動ローラ24の間に巻回されている搬送ベルト25の下方に配置されている。
【0028】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト25によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム17に対応する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム17に担持されている各色のトナー像が、順次転写され、用紙Pにカラー像が形成される。
一方、上記の転写動作において、搬送ベルト25の表面に付着したトナーは、クリーニング部27にて除去される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット14は、転写部13の後方に配置され、加熱ローラ28、および加熱ローラ28に対向する加圧ローラ29を備えている。転写部13において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ28と加圧ローラ29との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、排紙ローラ31に向けて搬送され、排紙ローラ31によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ32上に排紙される。
2.感光ドラムカバーおよびそれに関連する構成
図2は、図1に示される感光ドラムカバーを右後側から見た斜視図である。
【0029】
図3は、図1に示される感光ドラムカバーの平面図である。
図4(a)は、図1に示される感光ドラムカバーの正面図であり、図4(b)は、図1に示される感光ドラムカバーの右側面図であり、図4(c)は、図1に示される感光ドラムカバーの背面図である。
(1)感光ドラムカバー
上記したカラーレーザプリンタ1では、工場出荷時には、図6に示すように、プロセスカートリッジ12が本体ケーシング2とは別体として、梱包されている。このとき、プロセスカートリッジ12には、感光ドラム17を保護するための感光ドラムカバー33が装着されている(図6参照)。
【0030】
感光ドラムカバー33は、図2に示すように、平面視略矩形状の厚板形状に形成されており、被覆板34と周壁部35とを備えている。
被覆板34は、図3に示すように、前後方向に沿って延び、4つの感光ドラム17を被覆できる大きさの平面視略矩形状の平板形状に形成されている。被覆板34には、カラーレーザプリンタ1の操作情報が記載される4つの操作情報記載部36が設けられている。また、被覆板34には、被覆板34を厚み方向に貫通し、スキャナユニット11から感光ドラム17に向けて射出される光を通過させるための開口部の一例としての4つの露光穴37が形成されている。
【0031】
各操作情報記載部36と各露光穴37とは、被覆板34において、前後方向に沿って、交互に配置されている。すなわち、各操作情報記載部36は前後方向に沿って互いに間隔を隔てて配置され、また、各露光穴37も前後方向に間隔を隔てて配置されている。そして、隣接する各操作情報記載部36の間に露光穴37が配置されるとともに、隣接する各露光穴37の間に操作情報記載部36が配置されている。また、各操作情報記載部36は、各露光穴37に対して前方に配置されており、最前の操作情報記載部36は、前側壁35F(後述)と前後方向に間隔を隔てて配置されている。また、最後の露光穴37は、後側壁35B(後述)と間隔を隔てて配置されている。
【0032】
各操作情報記載部36は、被覆板34において、左右方向に延びる平面視略矩形状の領域として区画されている。また、その左右方向長さは、被覆板34の左右方向長さよりもやや幅狭に区画されている。
各操作情報記載部には、例えば、本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ12の着脱に関する操作情報や、その他、カラーレーザプリンタ1の取扱注意事項などが記載されている。
【0033】
各露光穴37は、被覆板34において、左右方向に延びる平面視略矩形状に開口されている。また、各露光穴37は、スキャナユニット11のレーザビームを出射する各窓(図示せず)と、上下方向においてそれぞれ対向するように配置されている。また、その左右方向長さは、操作情報記載部36の左右方向長さと略同一に形成されており、その前後方向長さは、操作情報記載部36の前後方向長さの1/2〜1/4程度の長さである。
【0034】
周壁部35は、図2に示すように、被覆板34の周縁部から連続して形成され、平面視において被覆板34を囲むように、上方に向かって立設されている。また、周壁部35は、前側壁35F、後側壁35B、右側壁35Rおよび左側壁35Lを一体的に備えている。
前側壁35Fは、被覆板34の前端縁に配置され、図3および図4(a)に示すように、後側壁35B、右側壁35Rおよび左側壁35Lよりも、その前後方向長さおよび上下方向長さともに長く形成されている。具体的には、前側壁35Fは、その前後方向長さが後側壁35Bの前後方向長さの2〜5倍程度に形成され、その上下方向長さは、後側壁35Bの1.5〜3倍程度に形成されている。また、前側壁35Fは、その左右方向中央部が、その左右方向長さの1/5程度に渡って切り欠かれている。そして、その左右方向中央部には、前側壁35Fと左右方向において間隔を隔てて、把手38が形成されている。
【0035】
把手38は、図2に示すように、被覆板34から連続して、後側が開放される断面略コ字形状の薄肉形状に形成されている。そして、把手38の遊端部(上側の後端部)には、係止部39が設けられている。
係止部39は、図4(b)に示すように、係止部39は、上側が開放される断面略コ字形状に形成されている。
【0036】
後側壁35Bは、被覆板34の後端縁に配置され、図4(c)に示すように、被検知部41を備えている。
被検知部41は、後側壁35Bの左端部に配置され、背面視略矩形状に形成され、図3に示すように、後側壁35Bの壁面から後方に膨出するように形成されている。被検知部41は、プロセスカートリッジ12の仕向け(設置地域(輸出国など))の情報を記憶したICチップを備えている。
【0037】
右側壁35Rおよび左側壁35Lは、被覆板34の右端縁および左端縁にそれぞれ配置され、図4(b)に示すように、右側壁35Rおよび左側壁35Lの上下方向長さは、後側壁35Bの上下方向長さと略同一に形成されている。また、右側壁35Rおよび左側壁35Lは、感光ドラムカバー33が感光ドラム17を保護するときに、プロセスカートリッジ12を支持する支持部の一例としての上側支持部42と下側支持部43とを備えている。
【0038】
上側支持部42は、左右方向に対向する右側壁35Rおよび左側壁35Lに1対として設けられ、それが4つの感光ドラム17に対応するように前後方向に間隔を隔てて4対形成されている。1対の上側支持部42は、図4(c)に示すように、右側壁35Rおよび左側壁35Lの上端面から上方に延び、その後、左右方向外側に向かって突出する断面視L字形状に形成されている。
【0039】
下側支持部43は、上側支持部42と同様に、左右方向に対向する右側壁35Rおよび左側壁35Lに1対として設けられ、それが4つの感光ドラム17に対応するように前後方向に間隔を隔てて4対形成されている。1対の下側支持部43は、1対の上側支持部42の前側に隣接配置されている。また、1対の下側支持部43は、右側壁35Rおよび左側壁35Lの上端面から左右方向外側に向かって突出するように形成されている。下側支持部43の前後方向長さは、上側支持部42の前後方向長さと略同一に形成されており、その突出長さが上側支持部42の突出長さよりやや長く形成されている。
【0040】
上側支持部42と各下側支持部43とは、図4(b)の仮想線で示すように、上下方向において、レール46(後述)をスライド自在に保持できる間隔が隔てられている。
(2)プロセスカートリッジの詳細
図5(a)は、感光ドラムカバーのドラムユニットに対する装着状態を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)において、感光ドラムを取り除いた場合の斜視図である。
【0041】
なお、図5(a)では、ドラムユニット15については、感光ドラム17および側板20のみ、図5(b)では、側板20のみを示している。
ドラムユニット15は、図5(a)に示すように、各感光ドラム17を回転自在に支持する2枚の側板20を備えている。
各側板20は、左右方向に間隔を隔てて対向配置され、図1に示すように、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。各側板20の前端部は、各側板20の下端部に向かって後方に傾斜している。各側板20の後端部は、各側板20の下端部に向かって前方に傾斜している。
【0042】
各側板20の後端部には、その後端縁の上下方向途中から前側に向かって側面視略U字状に切り欠かれる切欠部44が形成されている。
また、各側板20の下端部には、断面L字形状となるように、左右方向内側に屈曲され、前後方向に沿って一直線状に延びるレール46が形成されている。
また、各側板20の前端部の下方には、2枚の側板20の間において、左右方向に沿って架設される係止軸45が設けられている。
(3)本体ケーシング
本体ケーシング2には、プロセスカートリッジ収容空間5において、図1に示すように、第1当接部の一例としてのストッパ48、第2当接部の一例としての基準軸49、およびプロセスカートリッジ12の着脱を案内するための2本のガイドレール(図示せず)が設けられている。
【0043】
ストッパ48は、転写部13と定着ユニット14との間に配置されている。また、ストッパ48は、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に装着するときに、感光ドラムカバー33の後端部と当接するように配置されている(図7参照)。また、ストッパ48は、本体ケーシング2において幅方向に対向配置される側壁の左右方向内側面から左右方向内側に突出するリブとして形成されている。
【0044】
基準軸49は、ストッパ48の上方において、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に位置決めするときに、プロセスカートリッジ12の切欠部44と当接するように配置されている(図10参照)。また、基準軸49は、本体ケーシング2の各側壁の左右方向内側面の間に、左右方向に沿って架設されている。
各ガイドレールは、本体ケーシング2の各側壁の内側面から左右方向内方に向けて突出するように形成されている。また、各ガイドレールは、プロセスカートリッジ12をプロセスカートリッジ収容空間5の装着準備位置(後述)まで案内できるように、本体ケーシング2の前端部から、感光ドラムカバー33の後端部とストッパ48とが当接したとき(図7参照)に側板20の後端部が配置される位置まで、前後方向に沿って一直線状に形成されている。
【0045】
本体ケーシング2には、プロセスカートリッジ収容空間5の上方かつスキャナユニット11の下方において、感光ドラムカバー33を収納するための収納部の一例としてのカバー収納部50が区画されている。
カバー収納部50は、その上下方向長さが、スキャナユニット11の下端から装着位置(後述)におけるプロセスカートリッジ12の上端(現像カートリッジ16の上端)までの長さと略同一となり、前後方向および左右方向の長さが、感光ドラムカバー33の前後方向および左右方向の長さよりやや長くなるように区画されている。
【0046】
また、カバー収納部50には、センサ51と支持レール52とが設けられている。
センサ51は、スキャナユニット11より後方であって、カバー収納部50の後端部に設けられている。具体的には、センサ51は、本体ケーシング2内において左右方向に沿って架設されるプレートなどに設けられており、感光ドラムカバー33をカバー収納部50に収納したときに、感光ドラムカバー33の被検知部41が当接するように、左端部に配置されている。
【0047】
また、センサ51は、感光ドラムカバー33のカバー収納部50に対する収納を検知する収納検知部材、および、プロセスカートリッジ12の仕向けを検知する仕向け検知部材を兼ねており、被検知部41のICチップの情報を読み取る接点として設けられている。
また、センサ51は、図示しないが、本体ケーシング2内のCPUと電気的に接続されており、センサ51による検知を条件として、CPUがカラーレーザプリンタ1の画像形成動作の禁止を解除する。
【0048】
支持レール52は、スキャナユニット11とプロセスカートリッジ12との間であって、カバー収納部50において前後方向に沿って延びるように設けられている。また、支持レール52は、本体ケーシング2の各側壁の内側面から内方に突出するように形成され、前後方向に沿って一直線状に延びている。
支持レール52は、感光ドラムカバー33をカバー収納部50に収納したときに、被覆板34の左右方向両端縁を下方から支持するとともに各露光穴37を被覆しないような長さで、本体ケーシング2の各側壁の内側面から内方に突出している。また、支持レール52は、その前後方向長さが、スキャナユニット11の前後方向長さよりもやや長くなるように形成されている。
3.プロセスカートリッジ装着操作
図6〜10は、本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着を示す工程図であり、図6は、プロセスカートリッジをプロセスカートリッジ収容空間に挿入する工程、図7は、プロセスカートリッジを装着準備位置にセットする工程、図8は、プロセスカートリッジから感光ドラムカバーを取り外す工程、図9は、プロセスカートリッジを装着準備位置から装着位置に移動させる工程、図10は、プロセスカートリッジを装着位置にセットする工程を示す。
(1)プロセスカートリッジに対する感光ドラムカバーの装着
上記したように、工場出荷時には、図6に示すように、プロセスカートリッジ12に感光ドラムカバー33が装着され、本体ケーシング2と別体として梱包される。
【0049】
感光ドラムカバー33は、感光ドラム17を保護するときには、図5(a)に示すように、ドラムユニット15の下方に装着される。このとき、被覆板34の各操作情報記載部36は、各感光ドラム17を被覆するように、各感光ドラム17と対向配置される。
感光ドラムカバー33をドラムユニット15に装着するには、まず、プロセスカートリッジ12のレール46の前端部を、感光ドラムカバー33の最後部の上側支持部42および下側支持部43の間に挿入する。
【0050】
そして、感光ドラムカバー33を後方にスライドさせると、レール46が各上側支持部42および各下側支持部43の間を通過して、ドラムユニット15の前側に設けられている係止軸45と感光ドラムカバー33の係止部39とが当接する。
そこで、係止部39の遊端部を上方から押圧して撓ませて、係止部39を係止軸45の下方に配置し、その後、押圧を解除すれば、遊端部が弾性力によって上方に復元して、係止部39が係止軸45に嵌合する。これによって、感光ドラムカバー33がドラムユニット15に装着される。
【0051】
このとき、レール46が上側支持部42および下側支持部43の間で支持されることにより、感光ドラム17と被覆板34とが間隔を隔てて配置される。
(2)本体ケーシングへのプロセスカートリッジの装着
プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に装着するには、まず、図6に示すように、フロントカバー7を傾倒させて、着脱口6を開放し、この着脱口6からプロセスカートリッジ収容空間5に向けて、プロセスカートリッジ12(感光ドラムカバー33が下方に装着されているドラムユニット15)を、ガイドレール(図示せず)に沿って、スライドさせながら挿入する。
【0052】
そして、図7に示すように、感光ドラムカバー33の後端部(装着方向下流側端部)をストッパ48に当接させて、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に装着するための装着準備位置にセットする。
このとき、カバー収納部50内には、現像カートリッジ16の上端が配置されている。
次いで、図8に示すように、装着準備位置において、感光ドラムカバー33をプロセスカートリッジ12から取り外す。感光ドラムカバー33をプロセスカートリッジ12から取り外すには、まず、把手38を上方から押圧して、把手38の遊端部を弾性的に撓ませる。すると、係止部39が下方に移動し、係止軸45から離脱する。そして、ドラムユニット15を押さえながら感光ドラムカバー33を前方に引くと、プロセスカートリッジ12から感光ドラムカバー33が離脱する。
【0053】
これによって、それまで感光ドラムカバー33が配置されていたドラムユニット15と転写部13との間に空間が形成される。そのため、プロセスカートリッジ12の装着準備位置から装着位置への移動が許容される。
次いで、プロセスカートリッジ12をさらに後方にスライドさせ、プロセスカートリッジ12をガイドレールから脱落させて、図9に示すように、プロセスカートリッジ12を、下方に移動させる。
【0054】
そして、図10に示すように、プロセスカートリッジ12の側板20の後端部(装着方向下流側端部)に設けられている切欠部44に、本体ケーシング2に設けられている基準軸49を嵌合させ、プロセスカートリッジ12を画像形成動作可能に装着するための装着位置に位置決めする。
このとき、装着位置におけるプロセスカートリッジ12の下端部は、感光ドラムカバー33の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて、装着準備位置におけるプロセスカートリッジ12の下端部よりも下方に配置される。
【0055】
これにより、プロセスカートリッジ12が装着準備位置から下方に移動するため、現像カートリッジ16の上端がカバー収納部50内から下方へ退避する。そのため、カバー収納部50の内部に、感光ドラムカバー33を収納できる大きさの空間が形成される。
そして、感光ドラムカバー33をカバー収納部50に収納する。感光ドラムカバー33をカバー収納部50に収納するには、感光ドラムカバー33の左右方向両端部の下端面を支持レール52の上端面に載せ、後方に向かってスライドさせる。その後、感光ドラムカバー33の被検知部41をカバー収納部50のセンサ51に当接させる。すると、センサ51が、感光ドラムカバー33のカバー収納部50に対する収納、および、プロセスカートリッジ12の仕向けを検知し、CPU(図示せず)によって、それまで禁止されていた画像形成動作が可能となる。これにより、プロセスカートリッジ12の本体ケーシング2に対する装着が完了する。
【0056】
なお、センサ51は、仕向け毎に左右方向において異なる位置に配置されており、プロセスカートリッジ12の仕向けを検知する。
すなわち、センサ51は、本体ケーシング2内において、左端部に配置されているので、被検知部41が感光ドラムカバー33の左端部に配置されている場合には、センサ51の接点と被検知部41のICチップとが当接して仕向けが検知される。一方、仕向けが異なり、図3の仮想線で示すように、被検知部41が感光ドラムカバー33の右端部に配置されている場合には、センサ51の接点と被検知部41のICチップとが当接せず、仕向けが検知されない。そのため、仕向けが異なるプロセスカートリッジ12を本体ケーシング2にセットした場合には、CPUが画像形成動作の禁止を解除しないので、カラーレーザプリンタ1に画像形成動作をさせることができず、よって仕向けの異なるプロセスカートリッジ12の本体ケーシング2に対する装着を防止できる。
【0057】
その後、ユーザは、必要なときに感光ドラムカバー33をカバー収納部50から引き出して、操作情報記載部36に記載されている情報を確認することができる。
4.作用効果
(1) カラーレーザプリンタ1では、図5(a)に示すように、プロセスカートリッジ12に備えられる4つの感光ドラム17を保護するための感光ドラムカバー33が、4つの感光ドラム17を被覆するように4つの感光ドラム17と対向配置される被覆板34を備えており、被覆板34に操作情報記載部36が設けられている。
【0058】
すなわち、4つの感光ドラム17と対向する面積が確保される被覆板34の操作情報記載部36に、カラーレーザプリンタ1の操作情報を記載することができる。そのため、カラーレーザプリンタ1の操作情報を広い面積で提示することができる。その結果、カラーレーザプリンタ1の誤操作を防止することができる。
また、操作情報記載部36が感光ドラム17を保護するための被覆板34に設けられているので、操作情報を記載する部材を別途設けることを不要とすることができる。そのため、部品点数の低減、コストの削減および装置の小型化を図ることができる。
【0059】
しかも、カラーレーザプリンタ1の操作情報が感光ドラムカバー33に記載されているため、カラーレーザプリンタ1のユーザが感光ドラムカバー33を廃棄することを防止することができる。そのため、修理等により再梱包が必要なときには、感光ドラムカバー33により感光ドラム17を再度保護することができる。
(2) また、このカラーレーザプリンタ1では、図1に示すように、本体ケーシング2には感光ドラムカバー33を収納するためのカバー収納部50が設けられている。そのため、感光ドラムカバー33をカバー収納部50に収納すれば、保護部材の管理が容易になり、かつ、いつでも操作情報を見ることができる。
【0060】
その結果、カラーレーザプリンタ1の誤操作をより防止することができる。
(3) また、このカラーレーザプリンタ1では、図1に示すように、カバー収納部50は、スキャナユニット11とドラムユニット15との間に配置されている。そのため、スキャナユニット11とドラムユニット15との間の空間をカバー収納部50として有効利用することができる。
【0061】
その結果、効率よく、感光ドラムカバー33をカラーレーザプリンタ1に収納することができる。
(4) また、このカラーレーザプリンタ1では、図3に示すように、被覆板34には、スキャナユニット11から感光ドラム17に向けて射出される光を通過させるための露光穴37が形成されている。また露光穴37は、スキャナユニット11のレーザビームを出射する窓(図示せず)と、それぞれ上下方向において対向するように配置されている。そのため、スキャナユニット11から射出される光が被覆板34の露光穴37を通過するため、感光ドラム17を確実に露光することができる。
【0062】
その結果、感光ドラム17を確実に露光することができるとともに、効率よく、感光ドラムカバー33をカラーレーザプリンタ1に収納することができる。
(5) また、このカラーレーザプリンタ1では、図1に示すように、感光ドラムカバー33のカバー収納部50に対する収納を検知するセンサ51を備え、センサ51の検知を条件として、画像形成動作が可能となる。そのため、感光ドラムカバー33をドラムユニット15から取り外した後、感光ドラムカバー33をカバー収納部50に収納しないと、カラーレーザプリンタ1が動作しないので、ユーザが感光ドラムカバー33をカバー収納部50に必ず収納するように促すことができ、ユーザが感光ドラムカバー33を廃棄することをより一層防止することができる。
(6) また、このカラーレーザプリンタ1では、感光ドラムカバー33のカバー収納部50に対する収納を検知するセンサ51が、プロセスカートリッジ12の仕向けをも検知し、センサ51の検知を条件として、画像形成動作が可能となる。
【0063】
そのため、部品点数を増加させることなく、プロセスカートリッジ12の仕向けを検知することができる。その結果、仕向けの異なるドラムユニット15がカラーレーザプリンタ1に装着されることを防止することができる。
(7) また、このカラーレーザプリンタ1では、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に装着するために、まず、図7に示すように、ドラムユニット15の下に装着されている感光ドラムカバー33の後端部をストッパ48と当接させる。すると、プロセスカートリッジ12が装着準備位置にセットされる。
【0064】
次いで、図8に示すように、装着準備位置において、ドラムユニット15から感光ドラムカバー33を取り外すと、プロセスカートリッジ12を装着準備位置から装着位置へ移動させることができるようになる。すなわち、装着位置におけるプロセスカートリッジ12の下端部が、感光ドラムカバー33の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて、装着準備位置におけるプロセスカートリッジ12の下端部よりも下方に配置されるので、装着されていた感光ドラムカバー33の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて下方へ移動することができるようになる。
【0065】
そして、図9に示すように、プロセスカートリッジ12を、装着準備位置から下方へ移動させて、図10に示すように、プロセスカートリッジ12の切欠部44を基準軸49に嵌合させる。これにより、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に画像形成動作可能に装着することができる。
その結果、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に確実に位置決めして装着することができるとともに、プロセスカートリッジ12を本体ケーシング2に装着するときに、装着準備位置まで感光ドラム17が保護されており、装着位置の直前まで、感光ドラム17を保護することができる。
5.変形例
上記した実施形態では、被検知部41がICチップを備え、センサ51を被検知部41のICチップの情報を読み取る接点として設けたが、被検知部41がICチップを備えず、センサ51をリミットスイッチなどのメカスイッチ(圧力スイッチ)として設けてもよい。この場合、センサ51と被検知部41とが当接して仕向けが検知される。
【0066】
また、センサ51がリミットスイッチなどのメカスイッチ(圧力スイッチ)である場合、被検知部41とセンサ51とを当接させず、センサ51の非検知に基づいて画像形成動作を可能としてもよい。
たとえば、被検知部41を、感光ドラムカバー33の後端部がセンサ51と当接しないように、感光ドラムカバー33の後端部のセンサ51に対応する部分を切り欠く凹部として形成する。そうすれば、感光ドラムカバー33をカバー収納部50に装着しても、被検知部41はセンサ51と当接せず、よってセンサ51は、被検知部41の非検知を条件として、画像形成動作の禁止を解除することができる。
【0067】
また、上記した実施形態では、カバー収納部50は、スキャナユニット11とプロセスカートリッジ12との間に配置されたが、特に限定されず、例えば、給紙トレイ8の下に配置することができる。これにより、感光ドラムカバー33に露光穴37を設ける必要がなくなり、さらに、操作情報を記載するための面積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示される感光ドラムカバーを右後側から見た斜視図である。
【図3】図1に示される感光ドラムカバーの平面図である。
【図4】(a)は、図1に示される感光ドラムカバーの正面図であり、 (b)は、図1に示される感光ドラムカバーの右側面図であり、 (c)は、図1に示される感光ドラムカバーの背面図である。
【図5】(a)は、図1に示される感光ドラムカバーを、図1に示されるプロセスカートリッジに装着した状態を示す斜視図であり、 (b)は、(a)において、感光ドラムを取り除いた場合の斜視図である。
【図6】本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着を示す工程図であって、プロセスカートリッジをプロセスカートリッジ収容空間に挿入する工程を示す。
【図7】図6に続く本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着を示す工程図であって、プロセスカートリッジを装着準備位置にセットする工程を示す。
【図8】図7に続く本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着を示す工程図であって、プロセスカートリッジから感光ドラムカバーを取り外す工程を示す。
【図9】図8に続く本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着を示す工程図であって、プロセスカートリッジを装着準備位置から装着位置に移動させる工程を示す。
【図10】図9に続く本体ケーシングに対するドラムユニットの装着を示す工程図であって、プロセスカートリッジを装着位置にセットする工程を示す。
【符号の説明】
【0069】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
11 スキャナユニット
15 ドラムユニット
17 感光ドラム
33 感光ドラムカバー
34 被覆板
36 操作情報記載部
37 露光穴
42 上側支持部
43 下側支持部
48 ストッパ
49 基準軸
50 カバー収納部
51 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシングに着脱自在に設けられ、複数の感光体を備える感光体ユニットとを備える画像形成装置であって、
前記感光体ユニットに着脱自在に構成され、複数の前記感光体を保護するための保護部材を備え、
前記保護部材は、
前記感光体を保護するときには、複数の前記感光体を被覆するように、複数の前記感光体と対向配置される被覆板と、
前記被覆板に設けられ、前記画像形成装置の操作情報が記載される操作情報記載部と、
前記感光体を保護するときには、前記感光体と前記被覆板とが間隔を隔てて配置されるように、前記感光体ユニットを支持する支持部と
を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記ケーシングには、前記保護部材を収納するための収納部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ケーシングには、前記感光体ユニットの上方に、前記感光体を露光するための露光ユニットが設けられており、
前記収納部は、前記露光ユニットと前記感光体ユニットとの間に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被覆板には、前記被覆板を厚み方向に貫通し、前記露光ユニットから前記感光体に向けて射出される光を通過させるための開口部が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ケーシングには、前記保護部材の前記収納部に対する収納を検知する収納検知部材が設けられており、
前記収納検知部材の検知または非検知に基づいて、画像形成動作が可能となることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ケーシングには、前記感光体ユニットの仕向けを検知する仕向け検知部材が設けられており、
前記仕向け検知部材の検知または非検知に基づいて、画像形成動作が可能となることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ケーシングには、
前記保護部材が下方に装着されている前記感光体ユニットを前記ケーシングに装着するための装着準備位置において、前記保護部材の装着方向下流側端部と当接する第1当接部と、
前記感光体ユニットを前記ケーシングに画像形成動作可能に装着するための装着位置において、前記感光体ユニットの装着方向下流側端部と当接する第2当接部とが設けられており、
前記装着準備位置において前記保護部材を取り外すことで、前記装着準備位置から前記装着位置への前記感光体ユニットの移動が可能となり、
前記装着位置における前記感光体ユニットの下端部が、前記保護部材の上下方向長さよりも広い間隔を隔てて、前記装着準備位置における前記感光体ユニットの下端部よりも下方に配置されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−265390(P2009−265390A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115403(P2008−115403)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】