説明

画像形成装置

【課題】簡易な構成により、少なくとも4個の感光ドラムの色ずれを低減することができる、画像形成装置を提供すること。
【解決手段】1個のモータ41、少なくとも4個の感光ドラム17、各感光ドラム17に対応してそれぞれ設けられるドラム駆動ギヤ42、および、モータ41のピニオンギヤ45と各ドラム駆動ギヤ42との間にそれぞれ同数の中間ギヤ44、43を備える。4個のドラム駆動ギヤ42のほぼ中間に配置されたピニオンギヤ45を中心に2群の第1中間ギヤ44および第2中間ギヤ43を対称に配置し、かつ前後2個ずつのドラム駆動ギヤ42にそれぞれ共通の第1中間ギヤ44および第2中間ギヤ43を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラーレーザプリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーに対応して、4個の感光ドラムを備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
【0003】
タンデム型カラーレーザプリンタでは、各色のトナー像が対応する各感光ドラムにほぼ同時に形成されるので、モノクロレーザプリンタとほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。
【0004】
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、たとえば、2個のモータで、それぞれ1対の伝達ギヤを介して、各伝達ギヤに対応する4個のドラムギヤを駆動させ、さらに、1対の伝達ギヤの位相を所定の回転角度ずらすとともに、各モータの駆動を制御することにより、各伝達ギヤ間の位相を同期させ、色ずれを防止する画像形成装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、各感光ドラムに対応して4個のドラム駆動ギヤを設け、隣接する1対のドラム駆動ギヤに噛み合うように各ドラム駆動ギヤ間に3個のアイドルギヤを配置し、1個のドラム駆動ギヤに駆動モータのギヤを噛み合せた画像形成装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。この構成では、駆動モータの駆動力を、1個のドラム駆動ギヤに伝達した後、アイドルギヤやドラム駆動ギヤを介して残り3個のドラム駆動ギヤに伝達することで、各感光ドラムを回転させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−219317号公報
【特許文献2】特開2004−109766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、タンデム型カラーレーザプリンタでは、4色のトナー像を重ね合わせるので、これらの色ずれを低減するには、各色の印刷誤差を同じように重ね合わせることが重要である。そのためには、各色の感光ドラムを同一条件で駆動することが望まれる。
【0008】
一方、特許文献1に記載の構成では、2個のモータを備えており、各伝達ギヤ間の位相を同期させるために、各モータの駆動を制御しているが、2個のモータと、各モータの駆動を制御するための2個のセンサが必要となり、画像形成装置の構成が複雑化する。また、画像形成装置のコストの上昇を生じる。
また、特許文献2に記載の構成では、駆動モータと各感光ドラム間のギヤの数が異なるため、各ギヤの製造誤差の影響が各感光ドラムによって異なり、各感光ドラムを同期させて回転させることができず、色ずれが生じるおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成により、少なくとも4個の感光ドラムの色ずれを低減することができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、1個の駆動源、少なくとも4個の感光ドラム、各前記感光ドラムに対応してそれぞれ設けられるドラム駆動ギヤ、および、前記駆動源と各前記ドラム駆動ギヤとの間にそれぞれ介在される中間ギヤを備え、各前記感光ドラムに対応する前記中間ギヤは、それぞれ同数備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、4個の前記感光ドラムは、中心軸線を互いに平行でかつその中心軸線とほぼ直交する方向に間隔をおいてほぼ直線状に配列され、4個の前記ドラム駆動ギヤを隣接する2個ずつの2群に分けたときのその両群に対してそれぞれ同数の前記中間ギヤを、前記両群間の、前記配列方向におけるほぼ中間位置に対してほぼ対称に配置し、前記駆動源は、ほぼ対称の前記中間ギヤのうち前記中間位置に近い部分にそれぞれ駆動力を供給することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記中間ギヤは、各前記群の2個の前記ドラム駆動ギヤに対して共通に駆動力を供給する複数のギヤからなることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、画像形成装置において、4個の感光ドラムの中心軸線方向の一端にそれぞれ連結され、中心軸線を互いに平行でかつその中心軸線とほぼ直交する方向に間隔をおいてほぼ直線状に配列されたドラム駆動ギヤ、各前記感光ドラムを前記中心軸線のまわりに回転駆動させる1個の駆動源、および、前記駆動源と各前記ドラム駆動ギヤとの間にそれぞれ介在される中間ギヤを備え、前記駆動源によって駆動されるギヤは、4個の前記ドラム駆動ギヤを隣接する2個ずつの2群に分けたときのその両群間の、前記配列方向においてほぼ中間に位置し、前記中間ギヤは、各前記群の2個の前記ドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う第1中間ギヤ、および、その第1中間ギヤと前記駆動源によって駆動されるギヤとを連結する第2中間ギヤを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、画像形成装置において、4個の感光ドラムの中心軸線方向の一端にそれぞれ連結され、中心軸線を互いに平行でかつその中心軸線とほぼ直交する方向に間隔をおいてほぼ直線状に配列されたドラム駆動ギヤ、各前記感光ドラムを前記中心軸線のまわりに回転駆動させる1個の駆動源、および、前記駆動源と各前記ドラム駆動ギヤとの間にそれぞれ介在される中間ギヤを備え、前記中間ギヤは、4個の前記ドラム駆動ギヤを隣接する2個ずつの2群に分けたときのその各群の2個の前記ドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う第1中間ギヤ、その第1中間ギヤに連結された第2中間ギヤ、および、前記2
群間の、前記配列方向においてほぼ中間に位置し、前記第2中間ギヤと前記駆動源によっ
て駆動されるギヤとを連結する第3中間ギヤを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像形成装置において、前記第2
中間ギヤは、前記第1中間ギヤよりも前記配列方向のほぼ中間寄りに位置することを特徴
とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記第2中間ギヤ
は、各前記群の2個のドラム駆動ギヤのうち前記配列方向のほぼ中間寄りのドラム駆動ギ
ヤと同軸上で、そのドラム駆動ギヤと相対回転可能に位置することを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の画像形成装置において、前記第1
中間ギヤには、その第1中間ギヤと同軸上に一体で、前記第2中間ギヤとかみ合うギヤ部
が連結されていることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像形成装置において、前記第2
中間ギヤは、前記第1中間ギヤと同軸上に位置することを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項4ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1中間ギヤは、各前記群の2個のドラム駆動ギヤ間の前記配列方向のほぼ中間
に位置し、その2個のドラム駆動ギヤに共通にかみ合う1個のギヤからなることを特徴と
する。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像形成装置において、前記第1中間ギヤは、各前記群の2個のドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う2個のギヤを介して
その2個のドラム駆動ギヤにかみ合う1個のギヤからなることを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項4ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、一方の前記群のための第1中間ギヤおよび第2中間ギヤと、他方の前記群のための第1中間ギヤおよび第2中間ギヤとは、前記配列方向のほぼ中間に対してほぼ対称に位置す
ることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ドラム駆動ギヤおよび前記中間ギヤは、1個の支持板に支持されていることを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源からの順番が同一である前記中間ギヤは、同一の成形金型により成形されていることを特徴とする。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記感光ドラムは、その表面が一様に帯電された後、露光され前記表面に静電潜像が形成される露光位置と、前記静電潜像に基づいて、前記表面に現像剤像が形成された後、前記現像剤像を被転写部材に転写する転写位置とを通過するように回転され、各前記中間ギヤの回転周期の整数倍が、各前記感光ドラムが露光位置から転写位置に移動する時間に対応することを特徴とする。
【0025】
請求項16に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像形成装置において、前記ドラム駆動ギヤの歯数が、そのドラム駆動ギヤとかみあう前記第1中間ギヤの歯数の整数倍であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、駆動力が、1個の駆動源から同数の中間ギヤを介して、各ドラム駆動ギヤに伝達されるので、各感光ドラムへの駆動力の伝達誤差を低減することができる。その結果、簡易な構成により、各感光ドラムの印刷ずれを低減することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の構成において、2個ずつのドラム駆動ギヤの群に対してそれぞれ同数の中間ギヤをほぼ対称に配置し、ほぼ対称の中間ギヤのうち、2群の中間位置に近い部分にそれぞれ駆動力を駆動源から供給する。これにより、2群のドラム駆動ギヤに対して駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の構成において、中間ギヤの複数のギヤが、各群の2個のドラム駆動ギヤに共通に駆動力を供給するから、各群の2個のドラム
駆動ギヤに対して駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、駆動源によって駆動されるギヤは、2個ずつのドラム駆動ギヤの群のほぼ中間の位置から、その各群それぞれの第2中間ギヤを介して、各群の
2個のドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う第1中間ギヤに、駆動力を伝達する。これによ
り、駆動源と4個の感光ドラムとの間に同数の中間ギヤが介在することになり、しかも2個ずつの感光ドラムの群に対してそれぞれ第2中間ギヤ、第1中間ギヤが位置し、各群の2個のドラム駆動ギヤに共通に駆動力を供給するから、4個のドラム駆動ギヤに対して駆動力の伝達誤差を低減することができる。その結果、少ないギヤ数により、4個の感光ドラムの印刷ずれを低減することができる。
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、駆動源によって駆動されるギヤは、2個ずつのドラム駆動ギヤの群のほぼ中間に位置する第3中間ギヤ、および各群それぞれの第2中間ギヤを
介して、各群の2個のドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う第1中間ギヤに、駆動力を伝達
する。これにより、駆動源と4個の感光ドラムとの間に同数の中間ギヤが介在することになり、しかも2個ずつの感光ドラムの群に対してそれぞれ第2中間ギヤ、第1中間ギヤが位置し、各群の2個のドラム駆動ギヤに共通に駆動力を供給するから、4個のドラム駆動ギヤに対して駆動力の伝達誤差を低減することができる。その結果、少ないギヤ数により、4個の感光ドラムの印刷ずれを低減することができる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の構成において、第2中間ギ
ヤを、第1中間ギヤよりも前記配列方向のほぼ中間寄りに位置させているから、駆動力を
前記配列方向のほぼ中間位置からドラム駆動ギヤへ伝達するギヤ数を少なくし、かつギヤ配置を小型にすることができる。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の構成において、第2中間ギヤを、各
群の2個のドラム駆動ギヤのうち前記配列方向のほぼ中間寄りのドラム駆動ギヤと同軸上
で、そのドラム駆動ギヤと相対回転可能に位置させることで、ギヤ配列をさらに小型にすることができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6または7に記載の構成において、第1中間ギ
ヤには、その第1中間ギヤと同軸上に一体で、第2中間ギヤとかみ合うギヤ部が連結され
ていることで、第2中間ギヤを、ドラム駆動ギヤと干渉することなく、前記配列方向のほぼ中間寄りに位置させることができ、それにより、駆動力を前記配列方向のほぼ中間位置からドラム駆動ギヤへ伝達するギヤ数を少なくし、かつギヤ配置を小型にすることができる。
【0034】
請求項9に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の構成において、第2中間ギ
ヤを、第1中間ギヤと同軸上に位置させることでも、駆動力を前記配列方向のほぼ中間位置からドラム駆動ギヤへ伝達するためのギヤ数を少なくすることができる。
【0035】
請求項10に記載の発明によれば、請求項4ないし9のいずれかに記載の構成において、第1中間ギヤを、各群の2個のドラム駆動ギヤ間の前記配列方向のほぼ中間に位置し、
その2個のドラム駆動ギヤに共通にかみ合う1個のギヤとすることで、駆動力を前記配列
方向のほぼ中間位置からドラム駆動ギヤへ伝達するためのギヤ数をさらに少なくすることができる。
【0036】
請求項11に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の構成において、第1中間ギヤを、各群の2個のドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う2個のギヤを介してその2個の
ドラム駆動ギヤにかみ合う1個のギヤから構成することでも、請求項4または5に記載の
効果を実現することができる。
【0037】
請求項12に記載の発明によれば、請求項4ないし11のいずれかに記載の構成において、一方の群のための第1中間ギヤおよび第2中間ギヤと、他方の群のための第1中間ギヤおよび第2中間ギヤとを、前記配列方向のほぼ中間に対してほぼ対称に位置させることで
、両群のためのギヤ配列を共通の部品で構成することができる。
【0038】
請求項13に記載の発明によれば、請求項1ないし12のいずれかに記載の構成において、ドラム駆動ギヤおよび中間ギヤを、1個の支持板に支持していることで、4個の感光ドラムのためのギヤ配置を容易に組み立てることができる。
【0039】
請求項14に記載の発明によれば、請求項1ないし13のいずれかに記載の構成において、駆動源からの順番が同一である中間ギヤは、同一の成形金型により成形されているので、駆動源から各感光ドラムへの駆動力の伝達誤差を、より一層低減することができる。
【0040】
請求項15に記載の発明によれば、請求項1に記載の構成において、各中間ギヤの回転周期の整数倍を、各感光ドラムが露光位置から転写位置に移動する時間に対応させているので、中間ギヤの回転周期と、各感光ドラムが露光位置から転写位置に移動する時間とを実質的に同期させることができる。すなわち、中間ギヤの速度変動の周期を、感光ドラムの露光位置から転写位置間での速度変動の周期と、実質的に同期させることができる。そのため、各感光ドラム間において、露光位置から転写位置に移動する時間が異なることを防止し、各感光ドラムの印刷ずれを低減することができる。
【0041】
請求項16に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の構成において、ドラム駆動ギヤの歯数を、そのドラム駆動ギヤとかみあう第1中間ギヤの歯数の整数倍としているので、第1中間ギヤの回転周期と、各感光ドラムの回転周期とを同期させることができ、各感光ドラムの印刷ずれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を適用できるカラーレーザプリンタの側断面図である。
【図2】モータから、図1に示す感光ドラムへ駆動力を伝達するための第1実施形態のギヤ列の概略左側面図である。
【図3】図2のギヤ列および感光ドラムの要部底面図である。
【図4】各感光ドラムの位相を説明するための説明図である。
【図5】第2実施形態におけるギヤ列の概略左側面図である。
【図6】第3実施形態におけるギヤ列の概略左側面図である。
【図7】第4実施形態におけるギヤ列の概略左側面図である。
【図8】第5実施形態におけるギヤ列の概略左側面図である。
【図9】第6実施形態におけるギヤ列の概略右側面図である。
【図10】第6実施形態におけるギヤ列の斜視図である。
【図11】第10図のA−A線断面図である。
【図12】図11の変形例を示す断面図である。
【図13】第7実施形態におけるギヤ列の概略右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置をカラーレーザプリンタに適用した側断面図である。
【0044】
このカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに
画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスユニット12を着脱させるためのフロントカバー7が設けられている。
【0045】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における右側)をカラーレーザプリンタの前側、その反対側(図1における左側)を後側とし、図1における上側、下側をカラーレーザプリンタの上側、下側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。なお、左右方向を幅方向と呼ぶことがある。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ8を備えている。給紙トレイ8は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ8の前端部上方には、給紙ローラ(図示せず)が配置され、その給紙ローラ(図示せず)の上方にレジストローラ9が配置されている。
【0046】
給紙ローラ(図示せず)の回転により、給紙トレイ8に収容されている用紙Pがレジストローラ9に向けて1枚ずつ給紙される。その後、用紙Pは、レジストローラ9により、画像形成部4(感光ドラム17と搬送ベルト25との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット11、プロセスユニット12、転写部13、および定着ユニット14を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット11は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット11は、破線で示すように、4個の感光ドラム17に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光ドラム17を露光する。
(3−2)プロセスユニット
プロセスユニット12は、スキャナユニット11の下方であって、給紙部3の上方に配置されており、1個のドラムユニット15と、各色に対応する4個の現像カートリッジ16とを備えている。また、プロセスユニット12は、前後方向に沿って挿入または引き出すことにより、本体ケーシング2に対して着脱自在に設けられている。
(3−2−1)ドラムユニット
ドラムユニット15は、ドラムフレーム20と、各色に対応する4個の感光ドラム17と、各感光ドラム17に対応する4個のスコロトロン型帯電器18と、4個のクリーニングローラ19とを備えている。
【0047】
ドラムフレーム20は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される一対の側板を備えている。
【0048】
各感光ドラム17は、ドラムフレーム20の側板間に、左右方向にほぼ水平に延びる中心軸線のまわりに回転自在に支持され、互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック色用感光ドラム17K、イエロー色用感光ドラム17Y、マゼンタ色用感光ドラム17Mおよびシアン色用感光ドラム17Cが、順次配置されている。各感光ドラム17は互いに同一径に形成されている。
【0049】
スコロトロン型帯電器18は、各感光ドラム17の斜め後側上方に、感光ドラム17と間隔を隔ててそれぞれ対向配置されている。
【0050】
クリーニングローラ19は、各感光ドラム17の後方において、感光ドラム17と対向
して接触するようにそれぞれ配置されている。
【0051】
また、各スコロトロン型帯電器18および各クリーニングローラ19は、ドラムフレーム20の側板間に架設されるセンタフレーム(図示せず)に支持されている。
(3−2−2)現像カートリッジ
4個の現像カートリッジ16は、4個の感光ドラム17に対応するように、ドラムユニット15に、それぞれ着脱自在に設けられている。
【0052】
各現像カートリッジ16は、供給ローラ21、現像ローラ22および層厚規制ブレード(図示せず)を備えており、各色に対応する現像剤としてのトナーを収容している。
(3−2−3)プロセスユニットでの現像動作
現像カートリッジ16内のトナーは、供給ローラ21に供給され、さらに、現像ローラ22に供給され、供給ローラ21と現像ローラ22との間で正極性に摩擦帯電される。
【0053】
現像ローラ22に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード(図示せず)によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ22の表面に担持される。
【0054】
一方、各現像カートリッジ16に対応する感光ドラム17の表面は、感光ドラム17の回転に伴って、スコロトロン型帯電器18により一様に正帯電された後、露光位置Eにおいて、スキャナユニット11からのレーザビーム(図示破線参照)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム17の表面に形成される。
【0055】
感光ドラム17がさらに回転すると、現像ローラ22の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム17の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム17の静電潜像は可視像化され、感光ドラム17の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写部
転写部13は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、プロセスユニット12の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部13は、駆動ローラ23、従動ローラ24、搬送ベルト25、転写ローラ26およびクリーニング部27を備えている。
【0056】
駆動ローラ23および従動ローラ24は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、それらの周りにエンドレスベルトからなる搬送ベルト25が巻回されている。
【0057】
転写ローラ26は、各感光ドラム17と、搬送ベルト25を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。
【0058】
クリーニング部27は、駆動ローラ23および従動ローラ24の間に巻回されている搬送ベルト25の下方に配置されている。
【0059】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト25によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム17に対応する転写位置Tを順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム17に担持されている各色のトナー像が、順次転写され、用紙Pにカラー画像が形成される。
【0060】
一方、上記の転写動作において、搬送ベルト25の表面に付着したトナーは、クリーニング部27にて除去される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット14は、転写部13の後方に配置され、加熱ローラ28、および加熱ローラ28に対向する加圧ローラ29を備えている。転写部13において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ28と加圧ローラ29との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、排紙ローラ31に向けて搬送され、排紙ローラ31によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ32上に排紙される。
【0061】
2.感光ドラムの駆動系統
(2−1)駆動系統の詳細
図2および図3は、モータから、図1に示す感光ドラムへ、駆動力を伝達するためのギヤ列の第1の実施形態を示す。
【0062】
このカラーレーザプリンタ1は、図1に仮想線(二点鎖線)で示すように、駆動源の一例としての1個のモータ41と、各感光ドラム17に対応してそれぞれ設けられる4個のドラム駆動ギヤ42とを備えている。各ドラム駆動ギヤ42は、対応する感光ドラム17の中心軸線と平行またはそれのほぼ延長線上に位置する中心軸線のまわりに回転可能に設けられている。4個のドラム駆動ギヤ42は、詳しくは、ブラック色用感光ドラム17Kに対応するドラム駆動ギヤ42(以下、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kとする。)、イエロー色用感光ドラム17Yに対応するドラム駆動ギヤ42(以下、イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yとする。)、マゼンタ色用感光ドラム17Mに対応するドラム駆動ギヤ42(以下、マゼンタ色用ドラム駆動ギヤ42Mとする。)、およびシアン色用感光ドラム17Cに対応するドラム駆動ギヤ42(以下、シアン色用ドラム駆動ギヤ42Cとする。)からなる。また、4個のドラム駆動ギヤ42は、互いに同一径でかつ同一歯型を有し、4個の感光ドラム17の配列方向と平行な、垂直面に沿って配列されている。
【0063】
また、このカラーレーザプリンタ1は、図2に示すように、モータ41と各ドラム駆動ギヤ42との間に、それぞれ介在される伝達要素の一例としてのギヤ列として、中間ギヤの一例としての第1中間ギヤ44および第2中間ギヤ43を備えている。
【0064】
モータ41は、図3に示すように、ドラムユニット15の左側に設けられており、モータ本体48と、そのモータ本体48から右側へ、ドラム駆動ギヤ42の中心軸線と平行に突出するドライブシャフト49とを備え、ドライブシャフト49にピニオンギヤ45を相対回転不能に連結している。ピニオンギヤ45は、図2に示すように、4個のドラム駆動ギヤ42を配列方向において隣接する2個ずつの2群に分けたときのその両群間の、平面視において配列方向のほぼ中間に位置している。
【0065】
第1中間ギヤ44は、前後に2個設けられ(以下、第1中間ギヤ44の前後関係に言及するときには、前側の第1中間ギヤを前側第2中間ギヤ44F、後側の第1中間ギヤを後側第2中間ギヤ44Rとする)、それぞれドラム駆動ギヤ42の中心軸線と平行な中心軸線のまわりに回転可能に設けられている。詳しくは、前側第1中間ギヤ44Fの中心軸線は、配列方向において前方のブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kと、それに隣接するイエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yとの間に配置され、前側第1中間ギヤ44Fはその両ギヤ42K、42Yとかみ合っている。また、後側第1中間ギヤ44Rの中心軸線は、配列方向において後方のマゼンタ色用ドラム駆動ギヤ42Mと、それに隣接するシアン色用ドラム駆動ギヤ42Cとの間に配置され、後側第1中間ギヤ44Rはその両ギヤ42M、42Yとかみ合っている。
【0066】
各第1中間ギヤ44には、その第1中間ギヤと同軸上に一体にギヤ部46が連結されて
いる。
【0067】
第2中間ギヤ43は、各第1中間ギヤ44よりもドラム駆動ギヤ42の配列方向中間寄り(すなわちピニオンギヤ45寄り)に2個設けられ(以下、第2中間ギヤ43の前後関係に言及するときには、前側の第2中間ギヤを前側第2中間ギヤ43F、後側の第2中間ギヤを後側第2中間ギヤ43Rとする)、それぞれドラム駆動ギヤ42の中心軸線と平行な中心軸線のまわりに回転可能に設けられている。詳しくは、前側第2中間ギヤ43Fの中心軸線は、前側第1中間ギヤ44Fと同軸のギヤ部46と、モータ41のピニオンギヤ45との間に配置され、前側第2中間ギヤ43Fはそのギヤ部46とピニオンギヤ45とにかみ合っている。後側第1中間ギヤ43Rの中心軸線は、後側第1中間ギヤ44Rと同軸のギヤ部46と、モータ41のピニオンギヤ45との間に配置され、後側第1中間ギヤ43Rはそのギヤ部46とピニオンギヤ45とにかみ合っている。
【0068】
すなわち、上記したギヤ列は、4個のドラム駆動ギヤ42に対して、それぞれモータ41のピニオンギヤ45から、第2中間ギヤ43、ギヤ部46、第1中間ギヤ44からなる同数のギヤを介して駆動力を供給する。さらに、前方の群のブラックおよびイエロー色用のドラム駆動ギヤ42Kと42Yには、第1中間ギヤ44Fが共通にかみ合い、共通のギヤ部46および第2中間ギヤ43Fを介するので、ブラックおよびイエロー色用の感光ドラム17K、17Yに対して駆動力の供給を同条件にすることができる。また、後方の群のマゼンタおよびシアン色用のドラム駆動ギヤ42Mと42Cにも同様に、第1中間ギヤ44Rが共通にかみ合い、共通のギヤ部46および第2中間ギヤ43Rを介するので、マゼンタおよびシアン色用の感光ドラム17M、17Cに対して駆動力の供給を同条件にすることができる。つまり、前後の2個ずつの感光ドラム17への駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
【0069】
さらに、前後の群のドラム駆動ギヤ42K、42Yとドラム駆動ギヤ42M、42Cに対して、ピニオンギヤ45を中心に、第2中間ギヤ43F、ギヤ部46、第1中間ギヤ44Fと、第2中間ギヤ43R、ギヤ部46、第1中間ギヤ44Rとをピニオンギヤ45を中心に対称に配置している。これにより、4個のドラム駆動ギヤ42、前側の第2中間ギヤ43Fと後側の第2中間ギヤ43R、前側のギヤ部46および第1中間ギヤ44Fと後側のギヤ部46および第1中間ギヤ44Rを、それぞれ共通部品にすることができ、前後の群のドラム駆動ギヤ42K、42Yとドラム駆動ギヤ42M、42Cへの駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
また、ピニオンギヤ45からの順番が同一であるギヤは、同一の成形金型により成形することができる。つまり、4個のドラム駆動ギヤ42は同一の成形金型によって成形され、2個の第1中間ギヤ44とギヤ部46とは一体に同一の成形金型によって成形され、2個の第2中間ギヤ43は同一の成形金型によって成形される。
【0070】
各第1中間ギヤ43および各第2中間ギヤ43は、その回転周期の整数倍が、各感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動するまでの時間に対応するように形成されている。つまり、各ギヤ45、43、46、44が偏心などにより、周期的に回転速度を変動させることがあっても、第1中間ギヤ43および第2中間ギヤ44の回転周期と、各感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動する時間とを実質的に同期させ、各感光ドラム17間において、露光位置Eから転写位置Tに移動する時間が異なることを、防止することができる。また、各感光ドラム17において、露光位置Eと転写位置Tでの周速度をほぼ一致させることができる。その結果、4個の感光ドラム17での印刷誤差を、より低減することができる。
【0071】
(2−2)ギヤと感光ドラムとの連結機構
4個のドラム駆動ギヤ42は、それぞれその中心軸線と平行に、対応する感光ドラム1
7に向け突出する連結部51を備えている。連結部51は、円柱形状に形成されており、その感光ドラム17側の端面に、径方向両側において、右側(感光ドラム17側)に向かって突出する2個の突出部52を備えている。各突出部52は、公知の進退機構により、左右方向(ドラム駆動ギヤ42の中心軸線方向と平行な方向)に進退する。
【0072】
また、感光ドラム17には、その中心軸線と平行に突出し感光ドラム17を相対回転不能に支持するドラム軸53と、ドラム軸53のドラム駆動ギヤ42側の端部に円板状のカップリング板54が一体回転可能に連結されている。カップリング板54には、その径方向両側において、2個の突出部52に対応して、2個の貫通穴が厚み方向を貫通するように形成されている。
【0073】
そして、ドラムユニット15が本体ケーシング2に装着されているときには、2個の突出部52が右側に向かって進出し、カップリング板54の2個の貫通穴に嵌合して、ドラム駆動ギヤ42が、感光ドラム17に対して相対回転不能に連結されている。
【0074】
なお、ドラムユニット15が本体ケーシング2から離脱するときには、突出部52がドラム駆動ギヤ42側に向かって退避し、カップリング板54の貫通穴から脱離して、ドラム駆動ギヤ42と感光ドラム17との連結が解除される。
【0075】
(2−3)各感光ドラムの位相合わせ
このカラーレーザプリンタ1では、図4(a)に示されるように、用紙搬送方向最上流側のドラム駆動ギヤ42(すなわち、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42K)の位相を基準位相とした場合に、そのドラム駆動ギヤ42の用紙搬送方向下流側に最隣接しているドラム駆動ギヤ42(すなわち、イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Y)は、その位相が、基準位相に対して、下記式に示す回転角度α°ずれるように設けられている。
【0076】
α°=(I−πD)/πD×360°
I:互いに最隣接する各感光ドラムの回転中心間の距離
D:感光ドラムの直径
すなわち、互いに最隣接する各感光ドラム17の回転中心間の距離Iから、感光ドラム17の円周πDを引算すると、感光ドラム17が1回転する距離の残余の距離が求められる。そして、その残余の距離を、感光ドラム17の円周πDで割算した後、360°で掛算すれば、その残余の距離に対応する感光ドラム17のずれ角度(回転角度)α°が求められる。
【0077】
そして、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kの位相を基準位相として、イエロー感光ドラム駆動ギヤ42Yの位相を、その基準位相に対して、上記したずれ角度(回転角度)α°ずらせば、用紙Pに対して、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kとイエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yとの位相を揃えることができる。
【0078】
より具体的には、まず、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kを配置し、搬送されてくる用紙Pと最初に接触するブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1に対応して、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kの基準位相点S1’(図示せず)を設定する。なお、各感光ドラム17の接触点Sと、対応する各感光ドラム駆動ギヤ42の基準位相点S’(図示せず)とは、各感光ドラム17の軸線方向に投影したときに、完全に重なるように設定される。
【0079】
そして、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kとイエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yとは、上記したように同一の成形金型から成形されていることから、たとえば成型金型内の特定位置に対応するギヤ上の位置を、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kの基準位相点S1
’(図示せず)、イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yの基準位相点S2’(図示せず)にそれぞれ設定する。次いで、その基準位相点S2’(図示せず)が、基準位相点S1’(図示せず)を基準(0°)として、α°ずれるように、イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yを配置する。
【0080】
なお、イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Kをα°ずれるように配置すると、イエロー色用ドラム17Yの位相も、ブラック色用感光ドラム17Kの位相に対してα°ずれるように配置される。
【0081】
イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Kを、ブラック色用ドラム駆動ギヤ42Kに対して、上記のように配置すれば、図4(b)に示すように、用紙Pが、ブラック色用感光ドラム17Yを通過してイエロー色用感光ドラム17Yに搬送されてきたときには、イエロー色用感光ドラム17Yの接触点S2の位相が、図4(a)に示すブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1(0°)の位相に到達しており、ブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1に対応するイエロー色用感光ドラム17Yの接触点S2が、その用紙Pと最初に接触する。
【0082】
同様に、マゼンタ色用ドラム駆動ギヤ42Mは、図4(a)に示すように、その位相が、イエロー色用ドラム駆動ギヤ42Yの位相に対して、α°ずれるように、すなわち、基準位相に対して、2α°ずれるように設けられている。また、同様に、シアン色用ドラム駆動ギヤ42Cは、その位相が、マゼンタ色用ドラム駆動ギヤ42Mの位相に対して、α°ずれるように、すなわち、基準位相に対して、3α°ずれるように設けられている。
【0083】
これにより、図4(c)に示すように、用紙Pが、マゼンタ色用感光ドラム17Mに搬送されてきたときには、マゼンタ色用感光ドラム17Mの接触点S3の位相が、図4(a)に示すブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1(0°)の位相に到達しており、ブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1に対応するマゼンタ色用感光ドラム17Mの接触点S3が、その用紙Pと最初に接触する。また、図4(d)に示すように、用紙Pが、シアン色用感光ドラム17Cに搬送されてきたときには、シアン色用感光ドラム17Cの接触点S4の位相が、図4(a)に示すブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1(0°)の位相に到達しており、ブラック色用感光ドラム17Kの接触点S1に対応するシアン色用感光ドラム17Cの接触点S4が、その用紙Pと最初に接触する。
【0084】
各接触点S1、S2、S3、S4に対する各ドラム駆動ギヤ42K、42Y、42M、42Cの基準位相点S1’、S2’、S3’、S4’の位置は一致しているので、各接触点において各ドラム駆動ギヤ42K、42Y、42M、42Cの同じギヤ歯が対応している。これによって、ドラム駆動ギヤに偏心や一周内にギヤ歯の誤差などがあっても、用紙Pに対するブラック色用感光ドラム17K、イエロー色用感光ドラム17Y、マゼンタ色用感光ドラム17Mおよびシアン色用感光ドラム17Cの位相を同期させ、かつ各接触点での周速を一致させることができる。その結果、前述の、第1中間ギヤ43および各第2中間ギヤ43の回転周期の整数倍が、感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動するまでの時間に対応するように形成されていることと相乗して、4個の感光ドラム17での印刷誤差を、より低減することができる。
【0085】
3.変形例
(第2実施形態)
図5は、ギヤ列の第2実施形態を示す。なお、図5において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態において、第1中間ギヤ63と第2中間ギヤ62とは、同軸上に一体に連結され、前後2群のドラム駆動ギヤ42に対してそれぞれ設けられている(以下、両中間
ギヤの前後関係に言及するときには、前側の第1中間ギヤを前側第1中間ギヤ63F、前側の第2中間ギヤを前側第2中間ギヤ62F、後側の第1中間ギヤを後側第1中間ギヤ63R、後側の第2中間ギヤを後側第2中間ギヤ62Rとする。)。
【0086】
前側第1中間ギヤ63Fの中心軸線は、ブラックおよびイエロー色用のドラム駆動ギヤ42K、42Yの平面視中間に位置し、前側第1中間ギヤ63Fは、ブラックおよびイエロー色用のドラム駆動ギヤ42K、42Yにかみ合う。後側第1中間ギヤ63Rの中心軸線は、マゼンタおよびシアン色用のドラム駆動ギヤ42M、42Cの平面視中間に位置し、後側第1中間ギヤ63Rは、マゼンタおよびシアン色用のドラム駆動ギヤ42M、42Cにかみ合う。前後の第2中間ギヤ62F、62Rは、前後2群のドラム駆動ギヤ42の中間に配置されたピニオンギヤ45にかみ合う。
【0087】
すなわち、第2実施形態におけるギヤ列は、第1中間ギヤ63と第2中間ギヤ62とをモータ41のピニオンギヤ45を中心に対称に備え、かつブラックおよびイエロー色用のドラム駆動ギヤ42K、42Yに対して前側の第1中間ギヤ63Fと第2中間ギヤ62Fとで共通に駆動力を供給し、マゼンタおよびシアン色用のドラム駆動ギヤ42M、42Cに対して後側の第1中間ギヤ63Rと第2中間ギヤ62Rとで共通に駆動力を供給する。
【0088】
これにより、前記実施形態と同様に、4個のドラム駆動ギヤ42は同一の成形金型によって成形することができ、2個の第1中間ギヤ63と第2中間ギヤ62とは一体に同一の成形金型によって成形することができる。また、4個のドラム駆動ギヤ42K、42Y、42M、42Cへの駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
【0089】
なお、第1中間ギヤ63および第2中間ギヤ62は、前記実施形態と同様に、その回転周期の整数倍が、各感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動するまでの時間に対応するように形成されている。
【0090】
(第3実施形態)
図6は、ギヤ列の第3実施形態を示す。なお、図6において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1および第2実施形態では、モータ41のピニオンギヤ45を2個の第2中間ギヤ43、62に直接かみ合わせていたが、この実施形態では、第3中間ギヤ71を介してピニオンギヤ45を2個の第2中間ギヤに連結している。
【0091】
第3中間ギヤ71の中心軸線は、4個のドラム駆動ギヤ42を配列方向において隣接する2個ずつの2群に分けたときのその両群間の、平面視において配列方向のほぼ中間に位置し、ドラム駆動ギヤ42の中心軸線と平行に延びている。第3中間ギヤ71は、前後の第2中間ギヤ72にそれぞれかみ合っている。ピニオンギヤ45は、第2中間ギヤ72に干渉しない位置で第3中間ギヤ71に対し任意の位置でかみ合う。
【0092】
第1中間ギヤ74と第2中間ギヤ72は、第2実施形態と同様に、同軸上に一体に形成され、第1中間ギヤ74は、第2実施形態と同様に、2個のドラム駆動ギヤ42にかみ合っている(以下、第1および第2中間ギヤの前後関係に言及するときには、前側の第1中間ギヤを前側第1中間ギヤ74F、前側の第2中間ギヤを前側第2中間ギヤ72F、後側の第1中間ギヤを後側第1中間ギヤ74R、後側の第2中間ギヤを後側第2中間ギヤ72Rとする。)。
【0093】
つまり、第1中間ギヤ74と第2中間ギヤ72とは、第3中間ギヤ71を中心に対称に配置されている。ブラックおよびイエロー色用のドラム駆動ギヤ42K、42Yに対して前側の第1中間ギヤ74Fと第2中間ギヤ72Fとで共通に駆動力を供給し、マゼンタおよ
びシアン色用のドラム駆動ギヤ42M、42Cに対して後側の第1中間ギヤ74Rと第2中間ギヤ72Rとで共通に駆動力を供給する。
【0094】
これにより、第2実施形態と同様に、4個のドラム駆動ギヤ42は同一の成形金型によって成形することができ、2個の第1中間ギヤ74と第2中間ギヤ72とは一体に同一の成形金型によって成形することができる。また、4個のドラム駆動ギヤ42K、42Y、42M、42Cへの駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
【0095】
なお、第1中間ギヤ74、第2中間ギヤ72および第3中間ギヤ71は、前記各実施形態と同様に、その回転周期の整数倍が、各感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動するまでの時間に対応するように形成されている。
【0096】
(第4実施形態)
図7は、ギヤ列の第4実施形態を示す。なお、図7において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、第1中間ギヤ44に同軸で一体に設けたギヤ部46を介して、第1中間ギヤ44と第2中間ギヤ43とを連結したが、この実施形態では、第1中間ギヤに第2中間ギヤを直接かみ合わせている。また、第3実施形態と同様に、第3中間ギヤ81を介してピニオンギヤ45を第2中間ギヤに連結している。
【0097】
ドラム駆動ギヤ42の列に対する第3中間ギヤ81の位置は、第3実施形態の第3中間ギヤと同様である。第1中間ギヤ83は、前記各実施形態と同様に、前後各群のドラム駆動ギヤ42Kと42Yの間、42Mと42Cの間に位置し、対応する各群の2個のドラム駆動ギヤにかみ合っている。第2中間ギヤ82は、第1中間ギヤ83よりもドラム駆動ギヤ42の配列方向中間寄り(すなわち第3中間ギヤ81寄り)に位置し、第1中間ギヤ83と第3中間ギヤ81にかみ合っている。なお、第1および第2中間ギヤの前後関係に言及するときには、前側の第1中間ギヤを前側第1中間ギヤ83F、前側の第2中間ギヤを前側第2中間ギヤ82F、後側の第1中間ギヤを後側第1中間ギヤ83R、後側の第2中間ギヤを後側第2中間ギヤ82Rとする。)
【0098】
つまり、前方の群のドラム駆動ギヤ42K、42Yのための第1および第2中間ギヤ83F、82Fと、後方の群のドラム駆動ギヤ42M、42Cのための第1および第2中間ギヤ83R、82Rとは、第3中間ギヤ81を中心に対称に位置している。また、前後の群のドラム駆動ギヤ42Kと42Y、ドラム駆動ギヤ42Mと42Cへそれぞれ共通の第1および第2中間ギヤ83、82を介して駆動力を供給している。これにより、4個のドラム駆動ギヤ42K、42Yとドラム駆動ギヤ42M、42Cへの駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。さらに、4個のドラム駆動ギヤ42、前側の第1中間ギヤ83Fと後側の第1中間ギヤ83R、第2中間ギヤ82Fと後側の第2中間ギヤ82Rを、それぞれ共通部品にし、同一の成形金型によって成形することができる。
【0099】
なお、第1中間ギヤ83、第2中間ギヤ82および第3中間ギヤ81は、前記各実施形態と同様に、その回転周期の整数倍が、各感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動するまでの時間に対応するように形成されている。
【0100】
(第5実施形態)
図8は、ギヤ列の第5実施形態を示す。図8において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、第1中間ギヤ92は、前後各群のドラム駆動ギヤに対してそれぞれ1個設けられている(以下、第1中間ギヤの前後関係に言及するときには、前側の第1中間ギヤを前側第1中間ギヤ92F、後側の第1中間ギヤを後側第1中間ギヤ92Rとする。
)。前側第1中間ギヤ92Fは、前群のドラム駆動ギヤ42K、42Yにそれぞれかみ合う2個のギヤ93K、93Yを介してその2個のドラム駆動ギヤ42K、42Yにかみ合う。後側第1中間ギヤ92Rは、前群のドラム駆動ギヤ42M、42Cにそれぞれかみ合う2個のギヤ93M、93Cを介してその2個のドラム駆動ギヤ42M、42Cにかみ合う。
【0101】
第2中間ギヤ91は、第4実施形態と同様に、第1中間ギヤ92よりもドラム駆動ギヤ42の配列方向中間寄り(すなわちピニオンギヤ45寄り)に位置し、ピニオンギヤ45はドラム駆動ギヤ42の配列方向中間に位置している。第2中間ギヤ91は、第1中間ギヤ92とピニオンギヤ45にかみ合っている。なお、第2中間ギヤ91の前後関係に言及するときには、前側の第2中間ギヤを前側第2中間ギヤ91F、後側の第2中間ギヤを後側第2中間ギヤ91Rとする。
【0102】
前方の群のドラム駆動ギヤ42K、42Yのためのギヤ93K、93Y、第1および第2中間ギヤ92F、91Fと、後方の群のドラム駆動ギヤ42M、42Cのためのギヤ93M、93C、第1および第2中間ギヤ92R、91Rとは、ピニオンギヤ45を中心に対称に位置している。また、前後の群のドラム駆動ギヤ42Kと42Y、ドラム駆動ギヤ42Mと42Cへそれぞれ共通の第1および第2中間ギヤ83、82を介して駆動力を供給している。これにより、4個のドラム駆動ギヤ42K、42Yとドラム駆動ギヤ42M、42Cへの駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。さらに、4個のドラム駆動ギヤ42、4個のギヤ93K、93Y、93M、93C、前側の第1中間ギヤ92Fと後側の第1中間ギヤ92R、第2中間ギヤ91Fと後側の第2中間ギヤ91Rを、それぞれ共通部品にし、同一の成形金型によって成形することができる。
【0103】
なお、4個のギヤ93K、93Y、93M、93C、第1中間ギヤ92、および第2中間ギヤ91は、前記各実施形態と同様に、その回転周期の整数倍が、各感光ドラム17が露光位置Eから転写位置Tに移動するまでの時間に対応するように形成されている。
【0104】
(第6実施形態)
図9は、ギヤ列の第6実施形態を示す。図9において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。前記図2、図5〜図8はギヤ配列を感光ドラム側とは反対側から見たものであるが、図9は、感光ドラム側から見たものであるので、前者の各図とは紙面において前後方向が逆に表されている。
この実施形態では、第1実施形態と同様に、第1中間ギヤ44と同軸上に一体のギヤ部140、そのギヤ部140にかみ合う第2中間ギヤ130を備え、また、第3実施形態図6と同様に、ドラム駆動ギヤ42の配列方向中間に第3中間ギヤ120を備えている。
【0105】
第1中間ギヤ44は、第1実施形態と同様に、前後各群のドラム駆動ギヤ42Kと42Yの間、42Mと42Cの間に位置し、対応する各群の2個のドラム駆動ギヤにかみ合っている。第2中間ギヤ130は、1個の第1中間ギヤ44がかみ合う2個のドラム駆動ギヤ42のうち配列方向中間寄りのドラム駆動ギヤ42と同軸上にそのドラム駆動ギヤ42と相対回転自在に設けられている。具体的には、イエロー色用のドラム駆動ギヤ42Yと同軸上に前側の第2中間ギヤ130Fが回転自在に設けられ、マゼンタ色用のドラム駆動ギヤ42Mと同軸上に後側の第2中間ギヤ130Rが回転自在に設けられる。
第3中間ギヤ120は、前後の第2中間ギヤ130F、130Rとかみ合い、その第3中間ギヤ120にモータのピニオンギヤ45がかみ合っている。
【0106】
つまり、前方の群のドラム駆動ギヤ42K、42Yのための第1中間ギヤ44F、ギヤ部140および第2中間ギヤ130Fと、後方の群のドラム駆動ギヤ42M、42Cのための第1中間ギヤ44R、ギヤ部140および第2中間ギヤ130Rとは、第3中間ギヤ
120を中心に対称に位置している。また、前後の群のドラム駆動ギヤ42Kと42Y、ドラム駆動ギヤ42Mと42Cへそれぞれ共通の第1中間ギヤ44、ギヤ部140および第2中間ギヤ130を介して駆動力を供給している。これにより、4個のドラム駆動ギヤ42K、42Yとドラム駆動ギヤ42M、42Cへの駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。さらに、4個のドラム駆動ギヤ42、前後の第1中間ギヤ44およびギヤ部140、前後の第2中間ギヤ130を、それぞれ共通部品にし、同一の成形金型によって成形することができる。
【0107】
第1中間ギヤ44の歯数は、第2中間ギヤ130および第3中間ギヤ120の歯数と同じ数になるように設定され、各ギヤ歯が常に同じギヤ歯と噛み合うよう(各ギヤ歯が噛み合う組み合わせが常に同一)になっている。また、第1中間ギヤ44の歯数は、整数倍するとドラム駆動ギヤ42の歯数と同じ数になるように設定され、ドラム駆動ギヤ42の各ギヤ歯が常に第1中間ギヤ44の同じギヤ歯と噛み合うようになっている。これにより、各ギヤに偏心や一周内でのギヤ歯の誤差があっても、駆動力の伝達誤差を低減して、印刷誤差を低減することができる。
【0108】
この実施形態では、上記各ギヤ42、44、120、130、140およびピニオンギヤ45を有するモータは、1個の支持板160に支持されている。詳細には、図10、図11に示すように、支持板160には、複数の支持軸170がその一端においてカシメにより固定され、その支持軸170に、上記のギヤ配列で各ギヤ42、44、120、130、140が回転自在に支持されている。
このうち、イエローおよびマゼンタ色用のドラム駆動ギヤ42Y、42Mと第2中間ギヤ130F、130Rとを支持する1個の支持軸170は、図11に示すように、支持板160側から順次径が小さくなる大径部171、中径部172、小径部173を有し、中径部172に第2中間ギヤ130F、130Rを回転自在に支持し、小径部173にイエローおよびマゼンタ色用のドラム駆動ギヤ42Y、42Mを回転自在に支持している。
【0109】
好ましくは、イエローおよびマゼンタ色用のドラム駆動ギヤ42Y、42Mと第2中間ギヤ130F、130Rは、支持板160側に向けスラスト力が生じる傾斜したギヤ歯を有するはす歯ギヤとすることで、スラスト力によってそれぞれ隣接する中径部172または大径部171の端面に当接して位置決めされる。また、これにより、支持板160とギヤ間、2個のギヤ間の間隔が保持される。
【0110】
ドラム駆動ギヤ42Y、42Mと第2中間ギヤ130F、130Rとを支持する支持軸は、図12に示すように構成することができる。図12の支持軸170aは、2個のギヤを支持する部分を同径としている。第2中間ギヤ130F、130Rとドラム駆動ギヤ42Y、42Mとの間には、間隔規制部材280を配置している。この場合、ドラム駆動ギヤ42Y、42Mと第2中間ギヤ130F、130Rとは、両ギヤ間の間隔規制部材280に向けスラスト力が生じるように互いに逆向きに傾斜したギヤ歯を有するはす歯ギヤとすることで、そのスラスト力によって両ギヤは位置決めされる。また、第2中間ギヤ130F、130Rの組み立て性を良くするために、支持板160と第2中間ギヤとの間にも、間隔規制部材280を配置してもよい。
【0111】
さらに、4個のドラム駆動ギヤ42は、それぞれその中心軸線と平行に、対応する感光ドラム17に向け突出する円柱形状の連結部151を備えている。連結部51には、連結部材152が、連結部51と回転方向には一体回転可能でかつ中心軸線方向と平行な方向に摺動可能に嵌合されている。その連結部材152は、感光ドラム17側の端面に、径方向両側において、感光ドラム17側に向かって突出する2個の突出部152aを備えている。連結部材152は、突出部52を図3の感光ドラム17のカップリング板54の貫通穴に嵌合させる方向にバネ153により付勢され、公知の進退機構により、突出部52を
カップリング板54との嵌合から離脱される。
なお、上記実施形態においては、4個のドラム駆動ギア42のそれぞれは、各感光ドラム17に対して軸方向に同じ位置に配されている。これにより、感光ドラム17の配列位置に応じてドラム駆動ギア42を軸方向にずらす必要がなくそのための特別の構成が不要となる。よって、共通の感光ドラム17や共通の支持軸170を用いることができ、組み付け時の分別などが不要となると共に部品共用によりコスト的にも優れた構成を得ることができる。
【0112】
(第7実施形態)
図13は、ギヤ列の第7実施形態を示す。図13において、第6実施形態と同様の部材には、第6実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態は、第6実施形態において、後側第2中間ギヤ132をマゼンタ色用のドラム駆動ギヤ42Mと同軸上には設けず、そのドラム駆動ギヤ42Mの下方に配置している。
【0113】
(さらに他の変形例)
上記各実施形態において、第3中間ギヤを用いる、あるいは第3中間ギヤを用いることなくピニオンギヤを第2中間ギヤにかみ合わせることは、任意に選択することができる。また、ドラム駆動ギヤの歯数と、各中間ギヤの歯数は、任意に設定しても差し支えないが、上記のように、感光ドラム17の露光位置Eから転写位置Tまでを中間ギヤの回転の整数倍としたり、ドラム駆動ギヤの歯数を中間ギヤの歯数の整数倍とすることが好ましい。上記各実施形態において、いずれの整数倍とするかは任意に選択できる。
上記図3および図11には、感光ドラムとドラム駆動ギヤとを同軸上で着脱可能に連結する例を示したが、感光ドラムに一体に連結したギヤを、ドラム駆動ギヤの外周に着脱可能にかみ合わせる、あるいは、感光ドラムにドラム駆動ギヤを一体に連結しておきドラム駆動ギヤと中間ギヤを着脱可能にかみ合わせるように構成することもできる。
なお、上記各実施形態における各構成要素は、それぞれ組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0114】
1 カラーレーザプリンタ
17 感光ドラム
41 モータ
42 ドラム駆動ギヤ
45 ピニオンギヤ
44、63、74、83、92 第1中間ギヤ
43、62、72、82、91、130、132 第2中間ギヤ
71、81、120 第3中間ギヤ
E 露光位置
T 転写位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の駆動源、
少なくとも4個の感光ドラム、
各前記感光ドラムに対応してそれぞれ設けられるドラム駆動ギヤ、および、
前記駆動源と各前記ドラム駆動ギヤとの間にそれぞれ介在される中間ギヤを備え、
各前記感光ドラムに対応する前記中間ギヤは、それぞれ同数備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
4個の前記感光ドラムは、中心軸線を互いに平行でかつその中心軸線とほぼ直交する方向に間隔をおいてほぼ直線状に配列され、
4個の前記ドラム駆動ギヤを隣接する2個ずつの2群に分けたときのその両群に対してそれぞれ同数の前記中間ギヤを、前記両群間の、前記配列方向におけるほぼ中間位置に対してほぼ対称に配置し、
前記駆動源は、ほぼ対称の前記中間ギヤのうち前記中間位置に近い部分にそれぞれ駆動力を供給することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間ギヤは、各前記群の2個の前記ドラム駆動ギヤに対して共通に駆動力を供給する複数のギヤからなることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
4個の感光ドラムの中心軸線方向の一端にそれぞれ連結され、中心軸線を互いに平行でかつその中心軸線とほぼ直交する方向に間隔をおいてほぼ直線状に配列されたドラム駆動ギヤ、
各前記感光ドラムを前記中心軸線のまわりに回転駆動させる1個の駆動源、および、
前記駆動源と各前記ドラム駆動ギヤとの間にそれぞれ介在される中間ギヤを備え、
前記駆動源によって駆動されるギヤは、4個の前記ドラム駆動ギヤを隣接する2個ずつの2群に分けたときのその両群間の、前記配列方向においてほぼ中間に位置し、
前記中間ギヤは、各前記群の2個の前記ドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う第1中間ギ
ヤ、および、その第1中間ギヤと前記駆動源によって駆動されるギヤとを連結する第2中間ギヤを備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項5】
4個の感光ドラムの中心軸線方向の一端にそれぞれ連結され、中心軸線を互いに平行でかつその中心軸線とほぼ直交する方向に間隔をおいてほぼ直線状に配列されたドラム駆動ギヤ、
各前記感光ドラムを前記中心軸線のまわりに回転駆動させる1個の駆動源、および、
前記駆動源と各前記ドラム駆動ギヤとの間にそれぞれ介在される中間ギヤを備え、
前記中間ギヤは、
4個の前記ドラム駆動ギヤを隣接する2個ずつの2群に分けたときのその各群の2個の前記ドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う第1中間ギヤ、
その第1中間ギヤに連結された第2中間ギヤ、および、
前記2群間の、前記配列方向においてほぼ中間に位置し、前記第2中間ギヤと前記駆動
源によって駆動されるギヤとを連結する第3中間ギヤ
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項6】
前記第2中間ギヤは、前記第1中間ギヤよりも前記配列方向のほぼ中間寄りに位置することを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2中間ギヤは、各前記群の2個のドラム駆動ギヤのうち前記配列方向のほぼ中間寄りのドラム駆動ギヤと同軸上で、そのドラム駆動ギヤと相対回転可能に位置することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1中間ギヤには、その第1中間ギヤと同軸上に一体で、前記第2中間ギヤとかみ合うギヤ部が連結されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2中間ギヤは、前記第1中間ギヤと同軸上に位置することを特徴とする、請求項
4または5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1中間ギヤは、各前記群の2個のドラム駆動ギヤ間の前記配列方向のほぼ中間に
位置し、その2個のドラム駆動ギヤに共通にかみ合う1個のギヤからなることを特徴とす
る、請求項4ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1中間ギヤは、各前記群の2個のドラム駆動ギヤにそれぞれかみ合う2個のギヤ
を介してその2個のドラム駆動ギヤにかみ合う1個のギヤからなることを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項12】
一方の前記群のための第1中間ギヤおよび第2中間ギヤと、他方の前記群のための第1中間ギヤおよび第2中間ギヤとは、前記配列方向のほぼ中間に対してほぼ対称に位置するこ
とを特徴とする、請求項4ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記ドラム駆動ギヤおよび前記中間ギヤは、1個の支持板に支持されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記駆動源からの順番が同一である前記中間ギヤは、同一の成形金型により成形されていることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記感光ドラムは、
その表面が一様に帯電された後、露光され前記表面に静電潜像が形成される露光位置と、
前記静電潜像に基づいて、前記表面に現像剤像が形成された後、前記現像剤像を被転写部材に転写する転写位置とを通過するように回転され、
各前記中間ギヤの回転周期の整数倍が、各前記感光ドラムが露光位置から転写位置に移動する時間に対応することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記ドラム駆動ギヤの歯数が、そのドラム駆動ギヤとかみあう前記第1中間ギヤの歯数の整数倍であることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記各ドラム駆動ギアは、前記感光ドラムの駆動方向において同じ位置に配されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−186155(P2010−186155A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169805(P2009−169805)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】