画像形成装置
【課題】補助電源装置と定着装置とを近接して配置し、かつ、補助電源装置の温度上昇を抑えられる画像形成装置を提供する。
【解決手段】補助電源装置7は、画像形成装置1の内部であって、定着装置より下方の反転装置8と外装部12の側面の一部である背面壁との間に存在する空間に配置される。または、給紙トレイ101を画像形成装置1から取り外して形成される空間に、補助電源装置7を配置してもよい。さらにまた、画像形成装置1の外部の背面に、補助電源装置7を設置してもよい。
【解決手段】補助電源装置7は、画像形成装置1の内部であって、定着装置より下方の反転装置8と外装部12の側面の一部である背面壁との間に存在する空間に配置される。または、給紙トレイ101を画像形成装置1から取り外して形成される空間に、補助電源装置7を配置してもよい。さらにまた、画像形成装置1の外部の背面に、補助電源装置7を設置してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、特に電子写真方式の複写機、プリンター、FAX等に用いられるトナーの定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置により普通紙やOHP用紙等の記録媒体上に画像を形成する方式が、種々実現されている。なかでも電子写真方式は、高速で画像品質が高く、さらに低コストである等の理由により、画像形成装置に幅広く採用されている。
【0003】
一般に、電子写真方式では、まず記録媒体上に未定着のトナー像が形成される。次に定着装置において熱および圧力が加えられて、このトナー像が記録媒体上に定着される。この定着を行う方式としては、高速かつ安全である等の理由により、ヒートローラ方式が幅広く採用されている。このヒートローラ方式では、加熱された定着ローラと、定着ローラに圧力を加えるよう対向して配置された加圧ローラとを接触させて形成されたニップ部と称に記録媒体を通過させて、記録媒体に熱および圧力を加える。
【0004】
定着ローラは、ハロゲンヒータ等の発熱部材により加熱され、使用可能な温度である180℃前後に昇温される。定着ローラには、鉄やアルミ等を材料とする金属ローラが主に使用される。金属ローラは、熱容量が大きいため、使用可能な温度まで昇温される時間(以下、立上時間と称する)は、数分から十数分と長い。そこで、立上時間を短くするため、画像形成装置が使用されない時間(以下、待機時と称する)においても定着ローラを加熱し、使用可能温度よりやや低い予熱温度に保つようにしている。
【0005】
しかし、予熱温度に保つ動作により、待機時にも画像形成に直接必要のない、いわば余分な電力が消費される。そして、この待機時に消費されるエネルギーは、画像形成装置が消費するエネルギーの約7〜8割を占めるという調査結果もある。
【0006】
近年、環境保護意識の高まりから、世界各国で省エネに関する規制が制定されている。国内では省エネ法の改正により規制が強化されている。また、米国ではエナジースターやZESM(Zero Energy Star Mode)等の省エネプログラムが制定されている。これらの規制やプログラムに対応するため、画像形成装置の省電力化を図るには、待機時における電力の供給をゼロに近づけることが望ましい。
【0007】
しかし、従来の定着装置において待機時の電力をゼロにすると、待機後の再度の立上時間として数分を必要とする。このため、待ち時間が長く使用者の使い勝手が悪い。使い勝手を良くするためには、定着ローラの温度を速やかに上昇させる構成が必要とされる。例えば、前述のZESMは、再度の立上時間として10秒以下を要求している。
【0008】
定着ローラの温度を速やかに上昇させる方法として、単位時間の投入エネルギーを上げる方法がある。1つの方法として、定格電力を大きくする方法が提案されている。しかし、一般に国内のオフィスでは、電源は100V−15Aであるため、定格電力は1500Wが上限である。実際に、プリント速度の速い高速機には、電源電圧を200Vとしたものもあるが、200Vに対応させるには設置場所の電源関連に特別な工事を施す必要があり、一般的な解決法とはいえない。また、100V−15Aの電源を2系統用いて全投入電力を上げる製品も実用化されているが、2系統のコンセントが近くになければ設置できない問題がある。
【0009】
また、他の方法として、補助電源装置を用いて立上時における最大供給電力を増やす方法が提案されている。補助電源装置として、充電可能な二次電池である鉛蓄電池やカドニカ電池が代表的に用いられる。しかし、二次電池は、充放電を繰り返すと電池が劣化して容量が徐々に低下し、また、大電流で放電するほど寿命が短くなる性質がある。一般的に、大電流でも比較的長寿命なカドニカ電池でも、充放電の繰返し回数の限度は約500〜1000回程度であり、1日に20回の充放電を繰り返すと1ヶ月程度で電池の寿命がくる。このため、電池交換の手間がかかり、また電池等のランニングコストも非常に高くなる。さらに、大容量の充電に数時間を要するため、一日に何度も充放電を繰り返す用途には使用できない問題がある。すなわち、二次電池では実用的な補助電源装置を実現できない。
【0010】
そこで、特許文献1では、補助電源装置として、電気二重層キャパシタ等の大容量キャパシタを用いる方法が提案されている。大容量キャパシタは、大きく2つの利点を有する。第1の利点は、充放電の繰り返し回数の限度が、数万回以上である点である。これはほぼ無制限に近く、充電特性の劣化がほとんどないため定期的なメンテナンスが不要となる。第2の利点は、充電時間が、数秒〜数十秒程度と短い点である。なお、電気二重層キャパシタは、数十〜数百Aの大電流を流すことができ、短時間での電力供給が可能である。
【0011】
すなわち、大容量キャパシタを用いた補助電源装置は、定着装置が立ち上がる数秒〜数十秒の短時間に、商用電源の電力の限界を超える電力を供給できる。このため、立上時間が短く、信頼性および耐久性が高い定着装置を実現できる。
【0012】
ここで、大容量キャパシタの保持する電力を、数秒〜数十秒の立上時間で使いきるには、大電力を取り出す構成が必要である。大電力を取り出すためには、電力=電圧×電流であるため、電圧および電流のいずれかの値を大きくする方法がある。
【0013】
定着ローラの加熱に通常用いられるハロゲンヒータの最大電流は、10〜12A程度である。大電流を供給するとハロゲンヒータの寿命は短くなるため、最大電流を大きくすることは困難である。従って、ハロゲンヒータに大電力を供給するには、電力供給源として大電圧の電源を用いる必要がある。
【0014】
しかし、もともと大容量キャパシタは、1セル当たりに供給できる電圧は、水系で1V強、有機系でも数V程度と低い。これは、セル内部の溶液が電気分解することを防ぐためである。このため、ハロゲンヒータに大電圧を供給するためには、十数個〜数十個のセルを直列に接続する必要がある。しかし、この構成では、すでにいくつかのセルによってハロゲンヒータに供給する十分なエネルギーを有していても、高電圧を得るためにさらにエネルギー的に余分なセルを備える必要がある。これにより、電源のコストが高くなり、体積が大きくなる問題がある。
【0015】
その問題を解決すべく、特許文献2では、大容量キャパシタにハロゲンヒータを並列に接続し、低電圧で大電力を得る方法が提案されている。この方法においては、大容量キャパシタには大電流を流すことができる特徴を利用し、ハロゲンヒータの抵抗を低く設定することで、短時間に低電圧で大電力を取り出せる。これにより、キャパシタ電源のコストダウン及び電源の小型化が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、大容量キャパシタにハロゲンヒータを並列に接続して大電流を流す構成にすると、配線におけるジュール熱により大きな損失が発生する。導線には大電流が流れるため、ジュール熱による損失を削減するために導線を太くして配線の抵抗を小さくすると、非常に太い導線が必要となり装置内の這い回しが非常に難しいため省スペース化が図れず組み付けが悪い。一方、導線を短くして抵抗を小さくすると、導線を比較的細くできるため装置内の這い回しが容易であり、省スペース化が図れるとともに組み付け性が向上する。
【0017】
ここで、電子写真方式の画像形成装置では、定着装置で発生した熱や近年の電気回路の消費電力の増加に伴う発熱により、画像形成装置の内部の温度が70℃〜80℃以上になることも多い。配線を短くすると、大容量キャパシタと定着装置とが比較的近い位置に配置されるため、定着装置の発熱により大容量キャパシタの環境温度が高くなる。
【0018】
一般に、電気化学キャパシタと呼ばれる電気二重層キャパシタやシュードキャパシタ等の大容量キャパシタは、利用に適した温度範囲がある。例えば、株式会社松下電器産業製のゴールドキャパシタの利用温度範囲は、−25℃〜+60℃程度である。また、同社製リチウムイオンやニッケル水素電池等の利用温度範囲は、充電時では0℃〜+45℃、放電時では−10℃〜+60℃程度である。また、一般に、大容量キャパシタは、温度が過度に高くなると耐久性が低下する性質を有する。これは、内部の電解液が劣化することが主因と考えられている。温度上昇による電気二重層キャパシタの耐久性の低下は、副次的な化学反応によるものであることから、アレニウスの式より、環境温度が10℃上がると劣化速度は2倍になると考えられている。
【0019】
すなわち、大電流構成による配線の発熱および電力損失を低減するために配線距離を短くすると、大容量キャパシタと定着器とが比較的近い位置に配置されることとなるため、定着器が発生する熱等により、大容量キャパシタの劣化が生じ、結果として画像形成装置全体の耐久性が劣化する問題がある。
【0020】
また、大容量キャパシタを用いた補助電源装置により、定着装置は10秒程度で急速に加熱される。立上直後に画像形成を行っている場合、定着装置の外層カバーや定着近傍の周辺部品へはほとんど伝熱しておらず、ほぼ同じ温度である。このとき、定着部を通過した紙から発生する水蒸気は、室温と同等である周辺部品に結露し、その水分が水滴となって、水分が補助電源の回路部に浸入すると短絡や漏電を生じる恐れがある。また、電解液に有機溶媒を使用した非水系電気二重層キャパシタを蓄電素子に使用した場合、キャパシタセルへの安全弁や接合部などからの水分の侵入は著しい性能の劣化につながる。また、二次電池においても有機溶媒を使用しているため、電池内への水分の浸入は著しい性能の劣化につながる。
【0021】
本発明は、補助電源装置と定着装置とを近接して配置し、かつ、補助電源装置の温度上昇及び結露を抑えられる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明の第1の画像形成装置は、複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、並列的に接続された発熱部の他の一部に主電源部により充電された電力を供給する補助電源部とを備える画像形成装置において、補助電源部は、定着部より下方かつ定着部の近傍に配置し、この発明の第2の画像形成装置は、補助電源部を、画像形成装置の筐体の一つの側面と定着部との間、または、画像形成装置の筐体の側面に接した外部に設置する。
【0023】
また、この発明の第3の画像形成装置は、複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、並列的に接続された発熱部の他の一部に主電源部により充電された電力を供給する補助電源部と、記録紙を収容する複数の給紙トレーを着脱して収容する給紙ユニットとを備える画像形成装置において、補助電源部は、給紙ユニットの一部に設置される。
【0024】
さらに、定着部と補助電源部との間に配置された断熱性部材、あるいは、補助電源部を覆うように配置された断熱性部材、あるいは、補助電源回路とキャパシタとを備える補助電源部のキャパシタを覆う断熱性部材を備えるとよい。また、画像形成装置の筐体に備えられた第1の接続端子と、第1の接続端子に接続可能であって補助電源部と電気的に接続された第2の接続端子とを備えるとよく、第1の接続端子と第2の接続端子とを着脱自在に形成するとよい。さらにまた、補助電源部は、大容量キャパシタを備え、補助電源部と補助電源部周辺に気体の流れを作る送風手段との電気的な接続および接続の遮断を切り替える切替手段を備えるとよい。また、補助電源部と発熱部とを接続する導線にAWGサイズで14以上の太さの導線を用いるとよい。また、補助電源部は、キャパシタを備え、補助電源部のメンテナンス時または交換時に該キャパシタに蓄えられた電荷を放電させる放電手段を備えるとよい。補助電源部は、該補助電源部の内部を冷却する冷却手段を備えるとよい。
【発明の効果】
【0025】
この発明の画像形成装置は、補助電源部を定着部の熱の影響が少ない位置に配置することにより、定着部の熱により補助電源部を構成するキャパシタの温度が過度に上昇することを防止できる。また、定着部の近くに補助電源部を配置することにより、配線を短くして這い回しを容易にしながら配線で発生する電力の損失を低減できる。従って、耐久性と定着効率を向上させることができる。また、補助電源装置の配置場所を新たに設けず、画像形成装置を肥大化させることなく、立上時間の非常に短い定着装置を提供できる。従って、耐久性と定着効率を向上させることができるとともに装置の小型化が図れる。
【0026】
また、遮蔽部材の利用により定着部が発生する熱によりキャパシタの温度が過度に上昇することを防止するとともに結露を防止できるのに加え、画像形成装置から発生する粉塵から補助電源部を保護でき、さらに、ユーザの補助電源部への接触を防止できる。またさらに、補助電源部の着脱が可能にすることで、収容部の設置、回収およびメンテナンスが容易であり、補助電源部をあらかじめ装備していない画像形成装置に、あとから収容部を接続し、補助電源部を利用した立上時間の短い画像形成装置を構成できる。また、放電手段を備えることで、キャパシタに蓄電された電荷を安全に放電でき、補助電源部の設置、回収およびメンテナンスを安全に行える。また、補助電源部と冷却部との接続および接続の遮断を切り替える切替手段を備えることで、キャパシタに蓄電された電荷を安全に放電でき、補助電源部の設置、回収およびメンテナンスを安全に行える。また、該補助電源部に冷却手段を備えることにより定着部が発生する熱によりキャパシタの温度が過度に上昇することを防止するとともに結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】画像形成装置の構成図である。
【図2】補助電源装置の構成図である。
【図3】画面形成装置における補助電源装置の配置位置を示す図である。
【図4】他の補助電源装置の構成図である。
【図5】他の補助電源装置の配置位置を示す画像形成装置の斜視図である。
【図6】他の補助電源装置の配置位置を示す画像形成装置の側面断面図である。
【図7】加熱装置および補助電源装置を含む概略の回路図である。
【図8】加熱部材の温度と時間との関係を示す図である。
【図9】補助発熱切替手段を供える場合の概略の回路図である。
【図10】給紙ユニットにおける補助電源装置の配置を示す図である。
【図11】トレー状の補助電源装置の斜視図および平面断面図である。
【図12】給紙ユニット内の補助電源装置の他の配置を示す側面断面図である。
【図13】給紙ユニット内の補助電源装置の他の配置を示す平面断面図である。
【図14】背面の外部における補助電源装置の配置を示す図である。
【図15】平板状に配置したキャパシタの構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成図を図1に示す。この画像形成装置1は、床面に置いて使用できるように全高が高く設定されている。この画像形成装置1は、原稿を搬送する原稿搬送装置2と、原稿搬送装置2で搬送された原稿に光を照射して画像を読み取る光学系3と、光学系3で読み取られた画像を紙等の記録部材に転写する作像装置4と、転写された像を記録部材に定着させる定着装置5と、装置全体に電力を供給する主電源装置6と、主電源装置6から電力の供給を受けて充電され、定着装置5に電力を供給する補助電源装置7と、記録部材の両面に像を転写および定着させる場合に、記録部材の表裏を反転させる反転装置8と、像が定着された記録部材を外部に排出する排出部9と、記録部材を収納し、作像装置4に送り出す給紙ユニット10と、内部の空間を仕切る仕切板11と、以上の構成要素全体を覆う筐体(外装部)12と、給紙ユニット10または反転装置8から送り出された記録部材を作像装置に搬送する搬送路13とを備える。仕切板11の上部の空間には原稿搬送装置2、光学系3、作像装置4、定着装置5、主電源装置6、補助電源装置7、反転装置8および排出部9が存在し、下部の空間には給紙ユニット10が存在する。仕切板11は、筐体12の底面に並行であり、合成樹脂等で筐体12と一体的に形成される。
【0029】
作像装置4は、ドラム形状の回転体である感光体401を備え、感光体401の外周に沿って、帯電ローラ402、ミラー403、現像装置404、転写装置405、クリーニング装置406が順に配置されている。帯電ローラ402は、暗中で感光体401の表面を均一に帯電させる。ミラー403は、帯電した感光体401を露光光407で走査し、感光体401の表面に作成すべき画像に対応した静電潜像を形成する。現像装置404は、現像ローラ408を用いて、感光体401に作られた静電潜像をトナーにより可視化してトナー像を形成する。転写装置405は、電界によりトナー像を記録部材としての転写紙に転写する。クリーニング装置406は、転写装置405で転写されずに感光体401表面に残った残留トナーを除去する。さらに、作像装置4は、レジストローラ409を備える。レジストローラ409は、感光体401表面に形成されたトナー像の位置と、記録部材との位置が、転写装置405において合致するように送り出しのタイミングを調整する。転写装置405によりトナー像が転写された記録部材は、定着装置5に送られる。
【0030】
定着装置5は、トナー像が転写された記録部材を作像装置4から受け取り、トナー像を記録部材に定着させて、記録部材を排紙部9に排出する。定着装置5は、記録部材を加熱する定着ローラ501と、記録部材に圧力を加える加圧ローラ502とを備える。定着ローラ501は、例えば、厚さ0.7mmのアルミの芯金と芯金の外側に離型層として厚さ0.02mmのフッ素樹脂層とを持ち、直径は40mmであり、その熱容量が非常に小さく、短時間に昇温できる。この定着ローラ501はその内部に、図7に示すように、1つの主発熱部材504と2つの補助発熱部材505とを有している。補助発熱部材505は、例えばハロゲンヒータやカーボンヒータである。
【0031】
補助電源装置7の構成図を図2に示す。補助電源装置7は、主電源装置6から電力の供給を受けて充電され、補助発熱部材505に電力を供給する装置であり、内部にキャパシタ701と、充電器702とを備え、立方体形状の遮蔽部材703で覆われている。
【0032】
キャパシタ701は、例えば電気二重層キャパシタであり、キャパシタセルを複数個まとめたキャパシタモジュールの形態で、補助電源装置7に格納される。例えば、500F、2.5Vのキャパシタセルを36個まとめた90Vのキャパシタモジュールの形態で格納される。充電器702は、主電源装置6の電力をキャパシタ701に供給して充電を行う。遮蔽部材703は、例えばウレタンフォーム系の発泡性樹脂等の断熱材により形成され、補助電源装置7の内部と外部とを断熱する。また、遮蔽部材703は、感電を防止するため、断熱材であるとともに絶縁性の部材であるのが好ましい。
【0033】
また、遮蔽部材703は、コストの観点から、モールド樹脂を使用してもよい。また、断熱材のさらに外装としてアルミや板金などの金属板を設置することで補助電源装置7の機械強度を補強してもよい。
【0034】
また、遮蔽部材703の一部に備えられた接続端子A704は、キャパシタモジュールの正極および負極に接続された電極端子705と電気的に接続されている。接続端子B706は、画像形成装置1の背面の筐体12の一部に取り付けられ、補助発熱部材504および主電源装置6に電気的に接続されている。接続端子A704と接続端子B706とは、補助電源装置7が画像形成装置1に対し着脱可能であるよう、互いに接続可能な形状を有する。
【0035】
遮蔽部材703に開けられた空気取入開口707は、補助電源装置7の内部と外部との間で空気を通過させる。また、遮蔽部材703に備えられたファン装置708は、送風手段を構成しており、補助電源装置7の内部から外部に空気を排出し、空気取入開口707から補助電源装置7の内部に空気を流入させる。あるいは、逆に、補助電源装置7の外部から内部に空気を流入させ、空気取入開口707から補助電源装置7の外部に空気を排出する。空気の流れは、キャパシタ701に沿うように調整されている。補助電源装置7の内部に備えられた回転制御手段709は、画像形成装置1の稼動状況に応じ、ファン装置708の回転を制御し、キャパシタ701の温度が過度に冷却されることを防止する。
【0036】
さらに補助電源装置7は、切替手段を構成するスイッチ710を備えている。スイッチ710は、キャパシタ701の電力を、補助発熱部材505に供給する場合と、ファン装置708に供給する場合と、主電源装置6により電力を供給される場合とを切り替える。画像形成装置1を通常に使用する際には、キャパシタ701の電力を補助発熱部材505に供給する。一方、キャパシタ701のメンテナンスまたは交換を行う際には、キャパシタ701の電力を、ファン装置708に供給することにより、キャパシタ701に蓄えられた電荷を放電する。このため、スイッチ710とファン装置708は放電手段として機能する。また、充電時には、主電源装置6の電力を、キャパシタ701に供給することにより、電力を蓄える。
【0037】
画面形成装置1における補助電源装置7の配置位置を図3に示す。補助電源装置7は、画像形成装置1の内部であって、定着装置より下方の反転装置8と筐体12の側面の一部である背面壁との間に存在する空間に配置される。補助電源装置7の遮蔽部材703の一部を、画像形成装置1の筐体の一部により置き換えて構成してもよい。例えば、補助電源装置7の下面の遮蔽部材を、仕切板11の一部により置き換えて構成してもよい。また、補助電源装置7の側面の遮蔽部材を、画像形成装置1の背面の筐体12の一部により置き換えて構成してもよい。なお、遮蔽部材703の一部を、仕切板11や筐体12の一部により置き換えて構成する場合等の、製造当初から補助電源装置7を備える場合には、接続端子A704および接続端子B706を介さずに直接電気的に接続した構成としてもよい。また、必ずしも補助電源装置7の全てが断熱部材703で覆われることにはならない。
【0038】
空気取入開口707は、記録紙が搬送される方向に関して定着装置5よりも上流側に位置させ、より低温の空気を取り入れられるようにするのが好ましい。冷却効果が増すため、空気取入開口707およびファン装置708は、画像形成装置1の外部とつなげられることが好ましい。
【0039】
また、空気取入開口707を定着装置5に面する位置以外に設けることで、定着装置からの熱流が補助電源装置7内部に流入することを防止し、定着時に用紙の水分を含んだ空気が遮蔽部材に触れて結露し、結露した水分が補助電源装置7内部に浸入することを確実に防止できる。
【0040】
例えば実験によると、従来の画像形成装置1が連続して動作する場合、定着装置5の近傍における環境温度は約70℃である。一方、この画像形成装置1が連続して動作する場合、補助電源装置7の内部における環境温度は、ファン装置708を使用しない場合で約50℃まで下がり、ファン装置708を使用する場合で約35〜40℃まで下がる。なお、さらに冷却効果を増すため、キャパシタ701に放熱板を取り付けてもよい。また、補助電源装置7の内部の冷却には、冷却手段としてファン装置708の代わりにペルチェ素子や冷却液体をポンプで循環する装置方法等を用いてもよい。
【0041】
なお、補助電源装置7は、図4に示すように、キャパシタモジュール711と補助電源回路712とに分けて構成してもよい。キャパシタモジュール711は遮蔽部材703の内部に電気二重層キャパシタで構成されたキャパシタ701のみを収容しており、補助電源回路712には充電器702とスイッチ710とを収容している。電気二重層キャパシタは、二次電池等と異なり物理的吸着・離脱により電気の充放電を行うため内部抵抗が低く、キャパシタ701自体からほとんど発熱せず、補助電源装置7の発熱は主に充電器702等から生じるため、キャパシタ701だけを遮蔽部材703により覆うことにより、遮蔽部材703に空気取入開口707及びファン装置708を設けなくとも、充電器702等の回路部材や定着装置5からの熱を遮蔽することができる。遮蔽部材703に真空断熱材等の高い断熱効果を持つ断熱材を用いることにより、キャパシタ701の温度上昇を一層抑制できる。
【0042】
補助電源装置7をキャパシタモジュール711と補助電源回路712とに分けて構成する場合、図5の概略の斜視断面図に示すように、画像形成装置1の内部であって定着装置5と遮蔽部材713を介して遮蔽され、遮蔽部材713と背面壁714との間に設けられた空間に配置するとよい。キャパシタモジュール711を補助電源回路712より下方に配置することにより、補助電源回路712で発生する熱は上方に伝達されるためキャパシタモジュール711の温度上昇用を防止できる。定着装置5と補助電源装置7との間に遮蔽部材713を設けることにより、電源ON直後において定着装置5が急速加熱した場合でも、熱流がキャパシタモジュール711に流れることによる結露を防止できる。
【0043】
遮蔽部材713と背面壁714との間の空間には主電源装置6及び画像形成装置1を制御するためのCPUを含むコントローラや制御基板等を搭載した本体電装基板715が設けられており、上方にはCPUを冷却するファン716が背面壁714を貫通して設けられている。図6の側面断面図に示すように補助電源回路712の下方付近の背面壁714に空気取入開口717を設けることにより、空気取入開口717から流入した空気を矢印に示すように、遮蔽部材713に沿って上昇させてファン716から流出させて補助電源回路712を冷却することができる。CPUを冷却するファン716を利用することにより、補助電源装置7にファンを設ける必要が無くなる。さらに、キャパシタモジュール711の遮蔽部材713に空気取入開口718を設けることによりキャパシタ701を冷却できる。
【0044】
加熱部材503、主電源装置6および補助電源装置7を含む概略の回路図を図7に示す。主発熱部材504は、主電源装置6から電力供給を受け、2つの補助発熱部材505は、補助電源装置7に設けられたキャパシタ701から電力供給を受ける。補助電源装置7と補助発熱部材505とを接続する導線の太さは、補助電源装置7の組み付け性やジュール熱による損失を考慮して適宜選択でき、AWG(アメリカン・ワイヤ・ゲージ)サイズでAWG14(直径約1.628mm)より太いことが好ましく、さらに好ましい範囲は、AWG12(直径約2.053mm)以上の太さでAWG8(直径約3.264mm)以下の太さである。なお、補助電源装置7を定着装置5の近くに配置するほど太いサイズの導線を用いるのが好ましい。
【0045】
主電源装置6とキャパシタ701との両方から同時に加熱部材503に電力を供給することにより、主電源装置6のみで供給できる電力を上回る大量の電力を加熱部材503に供給できる。従って、主電源装置6のみを用いるより、さらにキャパシタ701を同時に用いた方が昇温時間を短くできる。加熱部材503の温度と時間との関係を図8に示す。また、キャパシタ701の電圧は低電圧であるが、キャパシタ701に2つの補助発熱部材505を並列に接続することで、各補助発熱部材505に供給される電力は小さくても、全体に供給される電力は大きくなる。
【0046】
例えば、主電源装置6の電圧が約100V、キャパシタ701の電圧が90V、主発熱部材504の抵抗が約8Ω、補助発熱部材505であるハロゲンヒータの抵抗がそれぞれ約9.5Ωである場合、2つの補助発熱部材505からそれぞれ850Wずつの電力を取り出し、主電源装置6に接続されている商用電源から1200Wを取り出せる。これにより商用電源の供給電力の上限である約1500Wを上回る、約2900Wの電力を加熱部材503の昇温に使用できる。この例で、定着ローラ501の表面温度を、20℃から定着に要する温度である180℃まで昇温させる場合の立上時間は、10秒と非常に短い。
【0047】
また、図9(a)の回路図に示すように、主電源装置6から主発熱部材504に電力を供給し、補助電源装置7から2つの補助発熱部材505に設けたキャパシタ701から電力を供給し、補助発熱切替手段506によりキャパシタ701から1つの補助発熱部材505に電力を供給するか、2つの補助発熱部材505に電力を供給するか選択するようにしてもよい。定着ローラ501は熱容量の小さい薄肉ローラであるため、立上直後の連続通紙により熱を奪われて、定着ローラ501の表面温度が定着に必要とされる定着必要温度以下に落ち込むことを防止する必要がある。連続通紙時に必要な電力量は立上時より比較的小さいため、立上時には図9(a)の回路図に示すように2つの補助発熱部材505に電力を供給し、連続通紙時には図9(b)の回路図に示すように1つの補助発熱部材505に電力を供給する。補助発熱切替手段506で電力を供給する補助発熱部材505の数を切り替えることにより、非常に簡易な機構及び制御により、立上時や連続通紙時に電力量の調整を行うことができる。
【0048】
補助発熱部材505としてハロゲンヒータを用いると、各ハロゲンヒータに供給される電流は約9.5Aで、合計19Aの電流構成になる。一方、並列に接続するハロゲンヒータの本数を増やしたり、補助発熱部材505としてカーボンヒータを使用することにより、より大電流の構成とすることができ、さらに大きな電力を取り出すことができる。また、キャパシタ701に用いられる電気二重層キャパシタは放電するに従って電圧が低下する。そのため、補助発熱部材505は、供給される電圧が低下しても確実に発熱する抵抗発熱体を使用してもよい。
【0049】
反転装置8は、記録部材の両面に画像を形成する場合、定着装置5から排出されて分岐爪により選択された記録部材を受け取り、スイッチバック反転により記録部材の面を反転させて、レジストローラ409につながる搬送路13に送り出す。
【0050】
給紙ユニット10は、給紙トレイ101と、給紙コロ102とを備える。給紙トレイ101は、複数のサイズの記録部材を各サイズごとに収納する。給紙コロ102は、給紙トレイ101に収納された記録部材を取り出し、搬送路13に送り出す。搬送路13は、記録部材を作像装置4のレジストローラ409に送る。
【0051】
定着装置5により発生した大部分の熱は、自然対流により定着装置5の上方へ伝達されるため、補助電源装置7の内部に伝わらない。また、定着装置5の下方に伝達および放射される熱は、補助電源装置7の上面の断熱部材により遮蔽されるため、補助電源装置7の内部に伝わらない。さらに、図示しない画像形成装置1の背面壁付近に配置される各種電子回路基盤等から発生する熱も遮蔽部材703により遮蔽され、補助電源装置7の内部に伝わらない。すなわち、補助電源装置7の内部に格納されたキャパシタ701は、各種熱源から隔離されるため、温度上昇による劣化を免れる。また、補助電源装置7は、画像形成装置1内で発生する浮遊物が補助電源装置7の内部に侵入することを防ぐ。例えば、トナー供給時の誤操作等によりトナーが飛散する場合に、補助電源装置7のトナーによる汚染を防止することができ、信頼性が向上する。
【0052】
空気取入開口707およびファン装置708を備えることにより、補助電源装置7の内部に格納された補助電源装置7を構成する電気回路が発生させる熱により、キャパシタ701の温度が上昇することを防止できる。また、キャパシタ701に放熱板を設けると、さらに冷却効果が増す。回転制御装置706により、キャパシタ701がファン装置708により過度に冷却されるのを防ぐとともに、冷却が不要な場合のファン装置708による電力の消費を低減できる。
【0053】
なお、図10の側面断面図に示されるように、給紙トレー101を画像形成装置1から取り外して形成される空間に、補助電源装置720を配置してもよい。図11(a)の斜視図に示すように、補助電源装置720の外装は、モールド成形樹脂の遮蔽部材723によりトレー状に形成され、内部に設けられた収容スペース721を覆っている、遮蔽部材723の側面に一体形成された収容凸部722により、給紙ユニット10の給紙トレー用ガイドレール724に沿って給紙トレー101と入れ替えて収容される。図11(b)の平面断面図に示すように、遮蔽部材723の収容スペース721には、キャパシタ701と充電器702とスイッチ710とが収容され、遮蔽部材723の奥側から接続端子A704が突出している。補助電源装置720が給紙ユニット10に収容されると、給紙ユニット10の奥側の本体電装部725に設けられた接続端子B706に接続端子A704が接続されることにより、補助電源装置720と定着装置5とが電気的に接続される。補助電源装置720をベース部12にネジ止めその他の手段により締結し、ユーザが補助電源装置720の内部に手を触れないようにする。なお、アルミや板金等の金属部材により外装の機械的強度を強化してもよく、キャパシタ701だけを遮蔽部材723で覆ってもよく、遮蔽部材723に空気取入開口707やファン装置708を設けてもよい。
【0054】
定着装置5の下方のスペースで、かつ仕切板11の下に配置することで、定着装置5から発生した熱の影響が抑えられるとともに、電源ON直後に定着装置が急速に加熱される際に補助電源装置720に結露を生じることを防止できる。また、キャパシタ701を備える空間を新たに設ける必要が無く、画像形成装置1の小型化が図れる。さらに、補助電源装置720をあらかじめ搭載していない画像形成装置にも、筐体部品を共通化したまま、補助電源装置720を追加して設置できる。
【0055】
また、図12の側面断面図に示すように、給紙ユニット10の仕切板11の下方部分であって給紙トレー101と背面壁714との間の空間を仕切板726で覆い、補助電源装置7を内部に配置してもよい。A3サイズの普通紙を収容するスペースをもつ大型の画像形成装置に、例えば頻繁に使用されるA4サイズ以下の普通紙を収容している場合、給紙ユニット10にスペースの余裕があるため、空いたスペースに補助電源装置7を配置することによりスペースの有効利用を図って装置を小型化できるとともに、定着装置5から発生した熱の影響を抑えて電源ON直後の定着装置5の急速加熱による結露を防止できる。図13の平面断面図に示すように、仕切板726に給紙トレー用ガイドレールを設けて給紙トレー101を隣接して収容できるようにする。また、補助電源装置7は、キャパシタモジュール711と補助電源回路712とに分離し、キャパシタモジュール711を補助電源回路712の熱から遮断することが望ましい。
【0056】
また、図14に示されるように、画像形成装置1の外部の背面に、補助電源装置7を設置してもよい。図15に示されるように、キャパシタ701を平板状に積層することで、画像形成装置1の奥行きの増加を抑えられる。例えば、この平板の大きさは、縦30cm×横30cm×奥行5cm程度にできる。画像形成装置1の外部に補助電源装置7を配置することにより、キャパシタは、画像形成装置1の内部の温度および定着装置5から発生した熱の影響を受けないため、耐久性が確保されるとともに、電源ON直後の定着装置の急速加熱による結露を防止できる。
【0057】
電子写真方式の画像形成装置に利用でき、さらに、電気を主エネルギー源とする加熱装置に関する他の装置にも応用できる。
【符号の説明】
【0058】
1;画像形成装置、2;原稿搬送装置、3;光学系、4;作像装置、5;定着装置、
6;主電源装置、7;補助電源装置、8;反転装置、9;排出部、
10;給紙ユニット、11;仕切板、12;筐体(外装部)、13;搬送路、
101;給紙トレー、102;給紙コロ、401;感光体、402;帯電ローラ、
403;ミラー、404;現像装置、405;転写装置、
406;クリーニング装置、407;露光光、408;現像ローラ、
409;レジストローラ、501;定着ローラ、502;加圧ローラ、
503;加熱部材、504;主発熱部材、505;補助発熱部材、
506;補助発熱切替手段、701;キャパシタ、702;充電器、
703;遮蔽部材、704;接続端子A、705;電極端子、706;接続端子B、
707;空気取入開口、708;ファン装置、709;回転制御手段、
710;スイッチ、711;キャパシタモジュール、712;補助電源回路、
713;遮蔽部材、714;背面壁、715;本体電装基板、716;ファン、
717;空気取入開口、718;空気取入開口、720;補助電源装置、
721;収容スペース、722;収容凸部、723;遮蔽部材、
724;給紙トレー用ガイドレール、725;本体電装部、726;仕切板。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2000−315567号公報
【特許文献2】特開2000−184554号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、特に電子写真方式の複写機、プリンター、FAX等に用いられるトナーの定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置により普通紙やOHP用紙等の記録媒体上に画像を形成する方式が、種々実現されている。なかでも電子写真方式は、高速で画像品質が高く、さらに低コストである等の理由により、画像形成装置に幅広く採用されている。
【0003】
一般に、電子写真方式では、まず記録媒体上に未定着のトナー像が形成される。次に定着装置において熱および圧力が加えられて、このトナー像が記録媒体上に定着される。この定着を行う方式としては、高速かつ安全である等の理由により、ヒートローラ方式が幅広く採用されている。このヒートローラ方式では、加熱された定着ローラと、定着ローラに圧力を加えるよう対向して配置された加圧ローラとを接触させて形成されたニップ部と称に記録媒体を通過させて、記録媒体に熱および圧力を加える。
【0004】
定着ローラは、ハロゲンヒータ等の発熱部材により加熱され、使用可能な温度である180℃前後に昇温される。定着ローラには、鉄やアルミ等を材料とする金属ローラが主に使用される。金属ローラは、熱容量が大きいため、使用可能な温度まで昇温される時間(以下、立上時間と称する)は、数分から十数分と長い。そこで、立上時間を短くするため、画像形成装置が使用されない時間(以下、待機時と称する)においても定着ローラを加熱し、使用可能温度よりやや低い予熱温度に保つようにしている。
【0005】
しかし、予熱温度に保つ動作により、待機時にも画像形成に直接必要のない、いわば余分な電力が消費される。そして、この待機時に消費されるエネルギーは、画像形成装置が消費するエネルギーの約7〜8割を占めるという調査結果もある。
【0006】
近年、環境保護意識の高まりから、世界各国で省エネに関する規制が制定されている。国内では省エネ法の改正により規制が強化されている。また、米国ではエナジースターやZESM(Zero Energy Star Mode)等の省エネプログラムが制定されている。これらの規制やプログラムに対応するため、画像形成装置の省電力化を図るには、待機時における電力の供給をゼロに近づけることが望ましい。
【0007】
しかし、従来の定着装置において待機時の電力をゼロにすると、待機後の再度の立上時間として数分を必要とする。このため、待ち時間が長く使用者の使い勝手が悪い。使い勝手を良くするためには、定着ローラの温度を速やかに上昇させる構成が必要とされる。例えば、前述のZESMは、再度の立上時間として10秒以下を要求している。
【0008】
定着ローラの温度を速やかに上昇させる方法として、単位時間の投入エネルギーを上げる方法がある。1つの方法として、定格電力を大きくする方法が提案されている。しかし、一般に国内のオフィスでは、電源は100V−15Aであるため、定格電力は1500Wが上限である。実際に、プリント速度の速い高速機には、電源電圧を200Vとしたものもあるが、200Vに対応させるには設置場所の電源関連に特別な工事を施す必要があり、一般的な解決法とはいえない。また、100V−15Aの電源を2系統用いて全投入電力を上げる製品も実用化されているが、2系統のコンセントが近くになければ設置できない問題がある。
【0009】
また、他の方法として、補助電源装置を用いて立上時における最大供給電力を増やす方法が提案されている。補助電源装置として、充電可能な二次電池である鉛蓄電池やカドニカ電池が代表的に用いられる。しかし、二次電池は、充放電を繰り返すと電池が劣化して容量が徐々に低下し、また、大電流で放電するほど寿命が短くなる性質がある。一般的に、大電流でも比較的長寿命なカドニカ電池でも、充放電の繰返し回数の限度は約500〜1000回程度であり、1日に20回の充放電を繰り返すと1ヶ月程度で電池の寿命がくる。このため、電池交換の手間がかかり、また電池等のランニングコストも非常に高くなる。さらに、大容量の充電に数時間を要するため、一日に何度も充放電を繰り返す用途には使用できない問題がある。すなわち、二次電池では実用的な補助電源装置を実現できない。
【0010】
そこで、特許文献1では、補助電源装置として、電気二重層キャパシタ等の大容量キャパシタを用いる方法が提案されている。大容量キャパシタは、大きく2つの利点を有する。第1の利点は、充放電の繰り返し回数の限度が、数万回以上である点である。これはほぼ無制限に近く、充電特性の劣化がほとんどないため定期的なメンテナンスが不要となる。第2の利点は、充電時間が、数秒〜数十秒程度と短い点である。なお、電気二重層キャパシタは、数十〜数百Aの大電流を流すことができ、短時間での電力供給が可能である。
【0011】
すなわち、大容量キャパシタを用いた補助電源装置は、定着装置が立ち上がる数秒〜数十秒の短時間に、商用電源の電力の限界を超える電力を供給できる。このため、立上時間が短く、信頼性および耐久性が高い定着装置を実現できる。
【0012】
ここで、大容量キャパシタの保持する電力を、数秒〜数十秒の立上時間で使いきるには、大電力を取り出す構成が必要である。大電力を取り出すためには、電力=電圧×電流であるため、電圧および電流のいずれかの値を大きくする方法がある。
【0013】
定着ローラの加熱に通常用いられるハロゲンヒータの最大電流は、10〜12A程度である。大電流を供給するとハロゲンヒータの寿命は短くなるため、最大電流を大きくすることは困難である。従って、ハロゲンヒータに大電力を供給するには、電力供給源として大電圧の電源を用いる必要がある。
【0014】
しかし、もともと大容量キャパシタは、1セル当たりに供給できる電圧は、水系で1V強、有機系でも数V程度と低い。これは、セル内部の溶液が電気分解することを防ぐためである。このため、ハロゲンヒータに大電圧を供給するためには、十数個〜数十個のセルを直列に接続する必要がある。しかし、この構成では、すでにいくつかのセルによってハロゲンヒータに供給する十分なエネルギーを有していても、高電圧を得るためにさらにエネルギー的に余分なセルを備える必要がある。これにより、電源のコストが高くなり、体積が大きくなる問題がある。
【0015】
その問題を解決すべく、特許文献2では、大容量キャパシタにハロゲンヒータを並列に接続し、低電圧で大電力を得る方法が提案されている。この方法においては、大容量キャパシタには大電流を流すことができる特徴を利用し、ハロゲンヒータの抵抗を低く設定することで、短時間に低電圧で大電力を取り出せる。これにより、キャパシタ電源のコストダウン及び電源の小型化が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、大容量キャパシタにハロゲンヒータを並列に接続して大電流を流す構成にすると、配線におけるジュール熱により大きな損失が発生する。導線には大電流が流れるため、ジュール熱による損失を削減するために導線を太くして配線の抵抗を小さくすると、非常に太い導線が必要となり装置内の這い回しが非常に難しいため省スペース化が図れず組み付けが悪い。一方、導線を短くして抵抗を小さくすると、導線を比較的細くできるため装置内の這い回しが容易であり、省スペース化が図れるとともに組み付け性が向上する。
【0017】
ここで、電子写真方式の画像形成装置では、定着装置で発生した熱や近年の電気回路の消費電力の増加に伴う発熱により、画像形成装置の内部の温度が70℃〜80℃以上になることも多い。配線を短くすると、大容量キャパシタと定着装置とが比較的近い位置に配置されるため、定着装置の発熱により大容量キャパシタの環境温度が高くなる。
【0018】
一般に、電気化学キャパシタと呼ばれる電気二重層キャパシタやシュードキャパシタ等の大容量キャパシタは、利用に適した温度範囲がある。例えば、株式会社松下電器産業製のゴールドキャパシタの利用温度範囲は、−25℃〜+60℃程度である。また、同社製リチウムイオンやニッケル水素電池等の利用温度範囲は、充電時では0℃〜+45℃、放電時では−10℃〜+60℃程度である。また、一般に、大容量キャパシタは、温度が過度に高くなると耐久性が低下する性質を有する。これは、内部の電解液が劣化することが主因と考えられている。温度上昇による電気二重層キャパシタの耐久性の低下は、副次的な化学反応によるものであることから、アレニウスの式より、環境温度が10℃上がると劣化速度は2倍になると考えられている。
【0019】
すなわち、大電流構成による配線の発熱および電力損失を低減するために配線距離を短くすると、大容量キャパシタと定着器とが比較的近い位置に配置されることとなるため、定着器が発生する熱等により、大容量キャパシタの劣化が生じ、結果として画像形成装置全体の耐久性が劣化する問題がある。
【0020】
また、大容量キャパシタを用いた補助電源装置により、定着装置は10秒程度で急速に加熱される。立上直後に画像形成を行っている場合、定着装置の外層カバーや定着近傍の周辺部品へはほとんど伝熱しておらず、ほぼ同じ温度である。このとき、定着部を通過した紙から発生する水蒸気は、室温と同等である周辺部品に結露し、その水分が水滴となって、水分が補助電源の回路部に浸入すると短絡や漏電を生じる恐れがある。また、電解液に有機溶媒を使用した非水系電気二重層キャパシタを蓄電素子に使用した場合、キャパシタセルへの安全弁や接合部などからの水分の侵入は著しい性能の劣化につながる。また、二次電池においても有機溶媒を使用しているため、電池内への水分の浸入は著しい性能の劣化につながる。
【0021】
本発明は、補助電源装置と定着装置とを近接して配置し、かつ、補助電源装置の温度上昇及び結露を抑えられる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明の第1の画像形成装置は、複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、並列的に接続された発熱部の他の一部に主電源部により充電された電力を供給する補助電源部とを備える画像形成装置において、補助電源部は、定着部より下方かつ定着部の近傍に配置し、この発明の第2の画像形成装置は、補助電源部を、画像形成装置の筐体の一つの側面と定着部との間、または、画像形成装置の筐体の側面に接した外部に設置する。
【0023】
また、この発明の第3の画像形成装置は、複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、並列的に接続された発熱部の他の一部に主電源部により充電された電力を供給する補助電源部と、記録紙を収容する複数の給紙トレーを着脱して収容する給紙ユニットとを備える画像形成装置において、補助電源部は、給紙ユニットの一部に設置される。
【0024】
さらに、定着部と補助電源部との間に配置された断熱性部材、あるいは、補助電源部を覆うように配置された断熱性部材、あるいは、補助電源回路とキャパシタとを備える補助電源部のキャパシタを覆う断熱性部材を備えるとよい。また、画像形成装置の筐体に備えられた第1の接続端子と、第1の接続端子に接続可能であって補助電源部と電気的に接続された第2の接続端子とを備えるとよく、第1の接続端子と第2の接続端子とを着脱自在に形成するとよい。さらにまた、補助電源部は、大容量キャパシタを備え、補助電源部と補助電源部周辺に気体の流れを作る送風手段との電気的な接続および接続の遮断を切り替える切替手段を備えるとよい。また、補助電源部と発熱部とを接続する導線にAWGサイズで14以上の太さの導線を用いるとよい。また、補助電源部は、キャパシタを備え、補助電源部のメンテナンス時または交換時に該キャパシタに蓄えられた電荷を放電させる放電手段を備えるとよい。補助電源部は、該補助電源部の内部を冷却する冷却手段を備えるとよい。
【発明の効果】
【0025】
この発明の画像形成装置は、補助電源部を定着部の熱の影響が少ない位置に配置することにより、定着部の熱により補助電源部を構成するキャパシタの温度が過度に上昇することを防止できる。また、定着部の近くに補助電源部を配置することにより、配線を短くして這い回しを容易にしながら配線で発生する電力の損失を低減できる。従って、耐久性と定着効率を向上させることができる。また、補助電源装置の配置場所を新たに設けず、画像形成装置を肥大化させることなく、立上時間の非常に短い定着装置を提供できる。従って、耐久性と定着効率を向上させることができるとともに装置の小型化が図れる。
【0026】
また、遮蔽部材の利用により定着部が発生する熱によりキャパシタの温度が過度に上昇することを防止するとともに結露を防止できるのに加え、画像形成装置から発生する粉塵から補助電源部を保護でき、さらに、ユーザの補助電源部への接触を防止できる。またさらに、補助電源部の着脱が可能にすることで、収容部の設置、回収およびメンテナンスが容易であり、補助電源部をあらかじめ装備していない画像形成装置に、あとから収容部を接続し、補助電源部を利用した立上時間の短い画像形成装置を構成できる。また、放電手段を備えることで、キャパシタに蓄電された電荷を安全に放電でき、補助電源部の設置、回収およびメンテナンスを安全に行える。また、補助電源部と冷却部との接続および接続の遮断を切り替える切替手段を備えることで、キャパシタに蓄電された電荷を安全に放電でき、補助電源部の設置、回収およびメンテナンスを安全に行える。また、該補助電源部に冷却手段を備えることにより定着部が発生する熱によりキャパシタの温度が過度に上昇することを防止するとともに結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】画像形成装置の構成図である。
【図2】補助電源装置の構成図である。
【図3】画面形成装置における補助電源装置の配置位置を示す図である。
【図4】他の補助電源装置の構成図である。
【図5】他の補助電源装置の配置位置を示す画像形成装置の斜視図である。
【図6】他の補助電源装置の配置位置を示す画像形成装置の側面断面図である。
【図7】加熱装置および補助電源装置を含む概略の回路図である。
【図8】加熱部材の温度と時間との関係を示す図である。
【図9】補助発熱切替手段を供える場合の概略の回路図である。
【図10】給紙ユニットにおける補助電源装置の配置を示す図である。
【図11】トレー状の補助電源装置の斜視図および平面断面図である。
【図12】給紙ユニット内の補助電源装置の他の配置を示す側面断面図である。
【図13】給紙ユニット内の補助電源装置の他の配置を示す平面断面図である。
【図14】背面の外部における補助電源装置の配置を示す図である。
【図15】平板状に配置したキャパシタの構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成図を図1に示す。この画像形成装置1は、床面に置いて使用できるように全高が高く設定されている。この画像形成装置1は、原稿を搬送する原稿搬送装置2と、原稿搬送装置2で搬送された原稿に光を照射して画像を読み取る光学系3と、光学系3で読み取られた画像を紙等の記録部材に転写する作像装置4と、転写された像を記録部材に定着させる定着装置5と、装置全体に電力を供給する主電源装置6と、主電源装置6から電力の供給を受けて充電され、定着装置5に電力を供給する補助電源装置7と、記録部材の両面に像を転写および定着させる場合に、記録部材の表裏を反転させる反転装置8と、像が定着された記録部材を外部に排出する排出部9と、記録部材を収納し、作像装置4に送り出す給紙ユニット10と、内部の空間を仕切る仕切板11と、以上の構成要素全体を覆う筐体(外装部)12と、給紙ユニット10または反転装置8から送り出された記録部材を作像装置に搬送する搬送路13とを備える。仕切板11の上部の空間には原稿搬送装置2、光学系3、作像装置4、定着装置5、主電源装置6、補助電源装置7、反転装置8および排出部9が存在し、下部の空間には給紙ユニット10が存在する。仕切板11は、筐体12の底面に並行であり、合成樹脂等で筐体12と一体的に形成される。
【0029】
作像装置4は、ドラム形状の回転体である感光体401を備え、感光体401の外周に沿って、帯電ローラ402、ミラー403、現像装置404、転写装置405、クリーニング装置406が順に配置されている。帯電ローラ402は、暗中で感光体401の表面を均一に帯電させる。ミラー403は、帯電した感光体401を露光光407で走査し、感光体401の表面に作成すべき画像に対応した静電潜像を形成する。現像装置404は、現像ローラ408を用いて、感光体401に作られた静電潜像をトナーにより可視化してトナー像を形成する。転写装置405は、電界によりトナー像を記録部材としての転写紙に転写する。クリーニング装置406は、転写装置405で転写されずに感光体401表面に残った残留トナーを除去する。さらに、作像装置4は、レジストローラ409を備える。レジストローラ409は、感光体401表面に形成されたトナー像の位置と、記録部材との位置が、転写装置405において合致するように送り出しのタイミングを調整する。転写装置405によりトナー像が転写された記録部材は、定着装置5に送られる。
【0030】
定着装置5は、トナー像が転写された記録部材を作像装置4から受け取り、トナー像を記録部材に定着させて、記録部材を排紙部9に排出する。定着装置5は、記録部材を加熱する定着ローラ501と、記録部材に圧力を加える加圧ローラ502とを備える。定着ローラ501は、例えば、厚さ0.7mmのアルミの芯金と芯金の外側に離型層として厚さ0.02mmのフッ素樹脂層とを持ち、直径は40mmであり、その熱容量が非常に小さく、短時間に昇温できる。この定着ローラ501はその内部に、図7に示すように、1つの主発熱部材504と2つの補助発熱部材505とを有している。補助発熱部材505は、例えばハロゲンヒータやカーボンヒータである。
【0031】
補助電源装置7の構成図を図2に示す。補助電源装置7は、主電源装置6から電力の供給を受けて充電され、補助発熱部材505に電力を供給する装置であり、内部にキャパシタ701と、充電器702とを備え、立方体形状の遮蔽部材703で覆われている。
【0032】
キャパシタ701は、例えば電気二重層キャパシタであり、キャパシタセルを複数個まとめたキャパシタモジュールの形態で、補助電源装置7に格納される。例えば、500F、2.5Vのキャパシタセルを36個まとめた90Vのキャパシタモジュールの形態で格納される。充電器702は、主電源装置6の電力をキャパシタ701に供給して充電を行う。遮蔽部材703は、例えばウレタンフォーム系の発泡性樹脂等の断熱材により形成され、補助電源装置7の内部と外部とを断熱する。また、遮蔽部材703は、感電を防止するため、断熱材であるとともに絶縁性の部材であるのが好ましい。
【0033】
また、遮蔽部材703は、コストの観点から、モールド樹脂を使用してもよい。また、断熱材のさらに外装としてアルミや板金などの金属板を設置することで補助電源装置7の機械強度を補強してもよい。
【0034】
また、遮蔽部材703の一部に備えられた接続端子A704は、キャパシタモジュールの正極および負極に接続された電極端子705と電気的に接続されている。接続端子B706は、画像形成装置1の背面の筐体12の一部に取り付けられ、補助発熱部材504および主電源装置6に電気的に接続されている。接続端子A704と接続端子B706とは、補助電源装置7が画像形成装置1に対し着脱可能であるよう、互いに接続可能な形状を有する。
【0035】
遮蔽部材703に開けられた空気取入開口707は、補助電源装置7の内部と外部との間で空気を通過させる。また、遮蔽部材703に備えられたファン装置708は、送風手段を構成しており、補助電源装置7の内部から外部に空気を排出し、空気取入開口707から補助電源装置7の内部に空気を流入させる。あるいは、逆に、補助電源装置7の外部から内部に空気を流入させ、空気取入開口707から補助電源装置7の外部に空気を排出する。空気の流れは、キャパシタ701に沿うように調整されている。補助電源装置7の内部に備えられた回転制御手段709は、画像形成装置1の稼動状況に応じ、ファン装置708の回転を制御し、キャパシタ701の温度が過度に冷却されることを防止する。
【0036】
さらに補助電源装置7は、切替手段を構成するスイッチ710を備えている。スイッチ710は、キャパシタ701の電力を、補助発熱部材505に供給する場合と、ファン装置708に供給する場合と、主電源装置6により電力を供給される場合とを切り替える。画像形成装置1を通常に使用する際には、キャパシタ701の電力を補助発熱部材505に供給する。一方、キャパシタ701のメンテナンスまたは交換を行う際には、キャパシタ701の電力を、ファン装置708に供給することにより、キャパシタ701に蓄えられた電荷を放電する。このため、スイッチ710とファン装置708は放電手段として機能する。また、充電時には、主電源装置6の電力を、キャパシタ701に供給することにより、電力を蓄える。
【0037】
画面形成装置1における補助電源装置7の配置位置を図3に示す。補助電源装置7は、画像形成装置1の内部であって、定着装置より下方の反転装置8と筐体12の側面の一部である背面壁との間に存在する空間に配置される。補助電源装置7の遮蔽部材703の一部を、画像形成装置1の筐体の一部により置き換えて構成してもよい。例えば、補助電源装置7の下面の遮蔽部材を、仕切板11の一部により置き換えて構成してもよい。また、補助電源装置7の側面の遮蔽部材を、画像形成装置1の背面の筐体12の一部により置き換えて構成してもよい。なお、遮蔽部材703の一部を、仕切板11や筐体12の一部により置き換えて構成する場合等の、製造当初から補助電源装置7を備える場合には、接続端子A704および接続端子B706を介さずに直接電気的に接続した構成としてもよい。また、必ずしも補助電源装置7の全てが断熱部材703で覆われることにはならない。
【0038】
空気取入開口707は、記録紙が搬送される方向に関して定着装置5よりも上流側に位置させ、より低温の空気を取り入れられるようにするのが好ましい。冷却効果が増すため、空気取入開口707およびファン装置708は、画像形成装置1の外部とつなげられることが好ましい。
【0039】
また、空気取入開口707を定着装置5に面する位置以外に設けることで、定着装置からの熱流が補助電源装置7内部に流入することを防止し、定着時に用紙の水分を含んだ空気が遮蔽部材に触れて結露し、結露した水分が補助電源装置7内部に浸入することを確実に防止できる。
【0040】
例えば実験によると、従来の画像形成装置1が連続して動作する場合、定着装置5の近傍における環境温度は約70℃である。一方、この画像形成装置1が連続して動作する場合、補助電源装置7の内部における環境温度は、ファン装置708を使用しない場合で約50℃まで下がり、ファン装置708を使用する場合で約35〜40℃まで下がる。なお、さらに冷却効果を増すため、キャパシタ701に放熱板を取り付けてもよい。また、補助電源装置7の内部の冷却には、冷却手段としてファン装置708の代わりにペルチェ素子や冷却液体をポンプで循環する装置方法等を用いてもよい。
【0041】
なお、補助電源装置7は、図4に示すように、キャパシタモジュール711と補助電源回路712とに分けて構成してもよい。キャパシタモジュール711は遮蔽部材703の内部に電気二重層キャパシタで構成されたキャパシタ701のみを収容しており、補助電源回路712には充電器702とスイッチ710とを収容している。電気二重層キャパシタは、二次電池等と異なり物理的吸着・離脱により電気の充放電を行うため内部抵抗が低く、キャパシタ701自体からほとんど発熱せず、補助電源装置7の発熱は主に充電器702等から生じるため、キャパシタ701だけを遮蔽部材703により覆うことにより、遮蔽部材703に空気取入開口707及びファン装置708を設けなくとも、充電器702等の回路部材や定着装置5からの熱を遮蔽することができる。遮蔽部材703に真空断熱材等の高い断熱効果を持つ断熱材を用いることにより、キャパシタ701の温度上昇を一層抑制できる。
【0042】
補助電源装置7をキャパシタモジュール711と補助電源回路712とに分けて構成する場合、図5の概略の斜視断面図に示すように、画像形成装置1の内部であって定着装置5と遮蔽部材713を介して遮蔽され、遮蔽部材713と背面壁714との間に設けられた空間に配置するとよい。キャパシタモジュール711を補助電源回路712より下方に配置することにより、補助電源回路712で発生する熱は上方に伝達されるためキャパシタモジュール711の温度上昇用を防止できる。定着装置5と補助電源装置7との間に遮蔽部材713を設けることにより、電源ON直後において定着装置5が急速加熱した場合でも、熱流がキャパシタモジュール711に流れることによる結露を防止できる。
【0043】
遮蔽部材713と背面壁714との間の空間には主電源装置6及び画像形成装置1を制御するためのCPUを含むコントローラや制御基板等を搭載した本体電装基板715が設けられており、上方にはCPUを冷却するファン716が背面壁714を貫通して設けられている。図6の側面断面図に示すように補助電源回路712の下方付近の背面壁714に空気取入開口717を設けることにより、空気取入開口717から流入した空気を矢印に示すように、遮蔽部材713に沿って上昇させてファン716から流出させて補助電源回路712を冷却することができる。CPUを冷却するファン716を利用することにより、補助電源装置7にファンを設ける必要が無くなる。さらに、キャパシタモジュール711の遮蔽部材713に空気取入開口718を設けることによりキャパシタ701を冷却できる。
【0044】
加熱部材503、主電源装置6および補助電源装置7を含む概略の回路図を図7に示す。主発熱部材504は、主電源装置6から電力供給を受け、2つの補助発熱部材505は、補助電源装置7に設けられたキャパシタ701から電力供給を受ける。補助電源装置7と補助発熱部材505とを接続する導線の太さは、補助電源装置7の組み付け性やジュール熱による損失を考慮して適宜選択でき、AWG(アメリカン・ワイヤ・ゲージ)サイズでAWG14(直径約1.628mm)より太いことが好ましく、さらに好ましい範囲は、AWG12(直径約2.053mm)以上の太さでAWG8(直径約3.264mm)以下の太さである。なお、補助電源装置7を定着装置5の近くに配置するほど太いサイズの導線を用いるのが好ましい。
【0045】
主電源装置6とキャパシタ701との両方から同時に加熱部材503に電力を供給することにより、主電源装置6のみで供給できる電力を上回る大量の電力を加熱部材503に供給できる。従って、主電源装置6のみを用いるより、さらにキャパシタ701を同時に用いた方が昇温時間を短くできる。加熱部材503の温度と時間との関係を図8に示す。また、キャパシタ701の電圧は低電圧であるが、キャパシタ701に2つの補助発熱部材505を並列に接続することで、各補助発熱部材505に供給される電力は小さくても、全体に供給される電力は大きくなる。
【0046】
例えば、主電源装置6の電圧が約100V、キャパシタ701の電圧が90V、主発熱部材504の抵抗が約8Ω、補助発熱部材505であるハロゲンヒータの抵抗がそれぞれ約9.5Ωである場合、2つの補助発熱部材505からそれぞれ850Wずつの電力を取り出し、主電源装置6に接続されている商用電源から1200Wを取り出せる。これにより商用電源の供給電力の上限である約1500Wを上回る、約2900Wの電力を加熱部材503の昇温に使用できる。この例で、定着ローラ501の表面温度を、20℃から定着に要する温度である180℃まで昇温させる場合の立上時間は、10秒と非常に短い。
【0047】
また、図9(a)の回路図に示すように、主電源装置6から主発熱部材504に電力を供給し、補助電源装置7から2つの補助発熱部材505に設けたキャパシタ701から電力を供給し、補助発熱切替手段506によりキャパシタ701から1つの補助発熱部材505に電力を供給するか、2つの補助発熱部材505に電力を供給するか選択するようにしてもよい。定着ローラ501は熱容量の小さい薄肉ローラであるため、立上直後の連続通紙により熱を奪われて、定着ローラ501の表面温度が定着に必要とされる定着必要温度以下に落ち込むことを防止する必要がある。連続通紙時に必要な電力量は立上時より比較的小さいため、立上時には図9(a)の回路図に示すように2つの補助発熱部材505に電力を供給し、連続通紙時には図9(b)の回路図に示すように1つの補助発熱部材505に電力を供給する。補助発熱切替手段506で電力を供給する補助発熱部材505の数を切り替えることにより、非常に簡易な機構及び制御により、立上時や連続通紙時に電力量の調整を行うことができる。
【0048】
補助発熱部材505としてハロゲンヒータを用いると、各ハロゲンヒータに供給される電流は約9.5Aで、合計19Aの電流構成になる。一方、並列に接続するハロゲンヒータの本数を増やしたり、補助発熱部材505としてカーボンヒータを使用することにより、より大電流の構成とすることができ、さらに大きな電力を取り出すことができる。また、キャパシタ701に用いられる電気二重層キャパシタは放電するに従って電圧が低下する。そのため、補助発熱部材505は、供給される電圧が低下しても確実に発熱する抵抗発熱体を使用してもよい。
【0049】
反転装置8は、記録部材の両面に画像を形成する場合、定着装置5から排出されて分岐爪により選択された記録部材を受け取り、スイッチバック反転により記録部材の面を反転させて、レジストローラ409につながる搬送路13に送り出す。
【0050】
給紙ユニット10は、給紙トレイ101と、給紙コロ102とを備える。給紙トレイ101は、複数のサイズの記録部材を各サイズごとに収納する。給紙コロ102は、給紙トレイ101に収納された記録部材を取り出し、搬送路13に送り出す。搬送路13は、記録部材を作像装置4のレジストローラ409に送る。
【0051】
定着装置5により発生した大部分の熱は、自然対流により定着装置5の上方へ伝達されるため、補助電源装置7の内部に伝わらない。また、定着装置5の下方に伝達および放射される熱は、補助電源装置7の上面の断熱部材により遮蔽されるため、補助電源装置7の内部に伝わらない。さらに、図示しない画像形成装置1の背面壁付近に配置される各種電子回路基盤等から発生する熱も遮蔽部材703により遮蔽され、補助電源装置7の内部に伝わらない。すなわち、補助電源装置7の内部に格納されたキャパシタ701は、各種熱源から隔離されるため、温度上昇による劣化を免れる。また、補助電源装置7は、画像形成装置1内で発生する浮遊物が補助電源装置7の内部に侵入することを防ぐ。例えば、トナー供給時の誤操作等によりトナーが飛散する場合に、補助電源装置7のトナーによる汚染を防止することができ、信頼性が向上する。
【0052】
空気取入開口707およびファン装置708を備えることにより、補助電源装置7の内部に格納された補助電源装置7を構成する電気回路が発生させる熱により、キャパシタ701の温度が上昇することを防止できる。また、キャパシタ701に放熱板を設けると、さらに冷却効果が増す。回転制御装置706により、キャパシタ701がファン装置708により過度に冷却されるのを防ぐとともに、冷却が不要な場合のファン装置708による電力の消費を低減できる。
【0053】
なお、図10の側面断面図に示されるように、給紙トレー101を画像形成装置1から取り外して形成される空間に、補助電源装置720を配置してもよい。図11(a)の斜視図に示すように、補助電源装置720の外装は、モールド成形樹脂の遮蔽部材723によりトレー状に形成され、内部に設けられた収容スペース721を覆っている、遮蔽部材723の側面に一体形成された収容凸部722により、給紙ユニット10の給紙トレー用ガイドレール724に沿って給紙トレー101と入れ替えて収容される。図11(b)の平面断面図に示すように、遮蔽部材723の収容スペース721には、キャパシタ701と充電器702とスイッチ710とが収容され、遮蔽部材723の奥側から接続端子A704が突出している。補助電源装置720が給紙ユニット10に収容されると、給紙ユニット10の奥側の本体電装部725に設けられた接続端子B706に接続端子A704が接続されることにより、補助電源装置720と定着装置5とが電気的に接続される。補助電源装置720をベース部12にネジ止めその他の手段により締結し、ユーザが補助電源装置720の内部に手を触れないようにする。なお、アルミや板金等の金属部材により外装の機械的強度を強化してもよく、キャパシタ701だけを遮蔽部材723で覆ってもよく、遮蔽部材723に空気取入開口707やファン装置708を設けてもよい。
【0054】
定着装置5の下方のスペースで、かつ仕切板11の下に配置することで、定着装置5から発生した熱の影響が抑えられるとともに、電源ON直後に定着装置が急速に加熱される際に補助電源装置720に結露を生じることを防止できる。また、キャパシタ701を備える空間を新たに設ける必要が無く、画像形成装置1の小型化が図れる。さらに、補助電源装置720をあらかじめ搭載していない画像形成装置にも、筐体部品を共通化したまま、補助電源装置720を追加して設置できる。
【0055】
また、図12の側面断面図に示すように、給紙ユニット10の仕切板11の下方部分であって給紙トレー101と背面壁714との間の空間を仕切板726で覆い、補助電源装置7を内部に配置してもよい。A3サイズの普通紙を収容するスペースをもつ大型の画像形成装置に、例えば頻繁に使用されるA4サイズ以下の普通紙を収容している場合、給紙ユニット10にスペースの余裕があるため、空いたスペースに補助電源装置7を配置することによりスペースの有効利用を図って装置を小型化できるとともに、定着装置5から発生した熱の影響を抑えて電源ON直後の定着装置5の急速加熱による結露を防止できる。図13の平面断面図に示すように、仕切板726に給紙トレー用ガイドレールを設けて給紙トレー101を隣接して収容できるようにする。また、補助電源装置7は、キャパシタモジュール711と補助電源回路712とに分離し、キャパシタモジュール711を補助電源回路712の熱から遮断することが望ましい。
【0056】
また、図14に示されるように、画像形成装置1の外部の背面に、補助電源装置7を設置してもよい。図15に示されるように、キャパシタ701を平板状に積層することで、画像形成装置1の奥行きの増加を抑えられる。例えば、この平板の大きさは、縦30cm×横30cm×奥行5cm程度にできる。画像形成装置1の外部に補助電源装置7を配置することにより、キャパシタは、画像形成装置1の内部の温度および定着装置5から発生した熱の影響を受けないため、耐久性が確保されるとともに、電源ON直後の定着装置の急速加熱による結露を防止できる。
【0057】
電子写真方式の画像形成装置に利用でき、さらに、電気を主エネルギー源とする加熱装置に関する他の装置にも応用できる。
【符号の説明】
【0058】
1;画像形成装置、2;原稿搬送装置、3;光学系、4;作像装置、5;定着装置、
6;主電源装置、7;補助電源装置、8;反転装置、9;排出部、
10;給紙ユニット、11;仕切板、12;筐体(外装部)、13;搬送路、
101;給紙トレー、102;給紙コロ、401;感光体、402;帯電ローラ、
403;ミラー、404;現像装置、405;転写装置、
406;クリーニング装置、407;露光光、408;現像ローラ、
409;レジストローラ、501;定着ローラ、502;加圧ローラ、
503;加熱部材、504;主発熱部材、505;補助発熱部材、
506;補助発熱切替手段、701;キャパシタ、702;充電器、
703;遮蔽部材、704;接続端子A、705;電極端子、706;接続端子B、
707;空気取入開口、708;ファン装置、709;回転制御手段、
710;スイッチ、711;キャパシタモジュール、712;補助電源回路、
713;遮蔽部材、714;背面壁、715;本体電装基板、716;ファン、
717;空気取入開口、718;空気取入開口、720;補助電源装置、
721;収容スペース、722;収容凸部、723;遮蔽部材、
724;給紙トレー用ガイドレール、725;本体電装部、726;仕切板。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2000−315567号公報
【特許文献2】特開2000−184554号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
前記発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、
並列的に接続された前記発熱部の他の一部に前記主電源部により充電された電力を供給する補助電源部とを備える画像形成装置において、
前記補助電源部は、前記定着部より下方かつ前記定着部の近傍に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
前記発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、
並列的に接続された前記発熱部の他の一部に前記主電源部により充電された電力を供給する補助電源部とを備える画像形成装置において、
前記補助電源部は、画像形成装置の筐体の一つの側面と前記定着部との間、または、画像形成装置の筐体の側面に接した外部に設置される画像形成装置。
【請求項3】
複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
前記発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、
並列的に接続された前記発熱部の他の一部に前記主電源部により充電された電力を供給する補助電源部と、
前記記録紙を収容する複数の給紙トレーを着脱して収容する給紙ユニットとを備える画像形成装置において、
前記補助電源部は、前記給紙ユニットの一部に設置される画像形成装置。
【請求項4】
前記定着部と前記補助電源部との間に配置された断熱性部材を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
補助電源部を覆うように配置された断熱性部材を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補助電源部は補助電源回路とキャパシタとを備え、前記キャパシタは前記断熱性部材に覆われている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置の筐体に備えられた第1の接続端子と、
前記第1の接続端子に接続可能であって前記補助電源部と電気的に接続された第2の接続端子とを備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の接続端子と前記第2の接続端子とを着脱自在に形成した、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補助電源部は、キャパシタを備え、前記補助電源部のメンテナンス時または交換時に該キャパシタに蓄えられた電荷を放電させる放電手段を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記補助電源部は、大容量キャパシタを備え、
前記補助電源部と前記補助電源部周辺に気体の流れを作る送風手段との電気的な接続および接続の遮断を切り替える切替手段を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補助電源部と前記発熱部とを接続する導線にAWGサイズで14以上の太さの導線を用いる、請求項1から請求項3のいずれかに画像形成装置。
【請求項12】
前記補助電源部は、該補助電源部の内部を冷却する冷却手段を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
前記発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、
並列的に接続された前記発熱部の他の一部に前記主電源部により充電された電力を供給する補助電源部とを備える画像形成装置において、
前記補助電源部は、前記定着部より下方かつ前記定着部の近傍に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
前記発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、
並列的に接続された前記発熱部の他の一部に前記主電源部により充電された電力を供給する補助電源部とを備える画像形成装置において、
前記補助電源部は、画像形成装置の筐体の一つの側面と前記定着部との間、または、画像形成装置の筐体の側面に接した外部に設置される画像形成装置。
【請求項3】
複数の発熱部を有し記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、
前記発熱部の一部に電圧を供給する主電源部と、
並列的に接続された前記発熱部の他の一部に前記主電源部により充電された電力を供給する補助電源部と、
前記記録紙を収容する複数の給紙トレーを着脱して収容する給紙ユニットとを備える画像形成装置において、
前記補助電源部は、前記給紙ユニットの一部に設置される画像形成装置。
【請求項4】
前記定着部と前記補助電源部との間に配置された断熱性部材を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
補助電源部を覆うように配置された断熱性部材を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補助電源部は補助電源回路とキャパシタとを備え、前記キャパシタは前記断熱性部材に覆われている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置の筐体に備えられた第1の接続端子と、
前記第1の接続端子に接続可能であって前記補助電源部と電気的に接続された第2の接続端子とを備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の接続端子と前記第2の接続端子とを着脱自在に形成した、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補助電源部は、キャパシタを備え、前記補助電源部のメンテナンス時または交換時に該キャパシタに蓄えられた電荷を放電させる放電手段を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記補助電源部は、大容量キャパシタを備え、
前記補助電源部と前記補助電源部周辺に気体の流れを作る送風手段との電気的な接続および接続の遮断を切り替える切替手段を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補助電源部と前記発熱部とを接続する導線にAWGサイズで14以上の太さの導線を用いる、請求項1から請求項3のいずれかに画像形成装置。
【請求項12】
前記補助電源部は、該補助電源部の内部を冷却する冷却手段を備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−262308(P2010−262308A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160414(P2010−160414)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【分割の表示】特願2009−255617(P2009−255617)の分割
【原出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【分割の表示】特願2009−255617(P2009−255617)の分割
【原出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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