説明

画像形成装置

【課題】自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置を得る。
【解決手段】アクセス権限判定部77は、文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定する。この判定の結果、前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、表示制御部81は、ボックスパスワード(認証情報)編集画面中にボックスパスワード(認証情報)を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理機能を有する画像形成装置に係り、特に、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー、ファクシミリ、スキャナ、並びにプリンタ等の諸機能を併せ持つ、いわゆるMFP(Multi Function Peripheral)とも呼ばれる画像形成装置が提供されている。
【0003】
かかるMFPでは、文書管理機能を有するものが知られており、ファクシミリ受信画像、又はスキャナを介して読み取った画像に係る文書を、例えば文書ボックスなどと呼ばれる所定の場所に蓄積管理しておく。ユーザは、操作パネル又はネットワークを介して、自身の管理下にある文書ボックスにアクセスし、同文書ボックス内に蓄積管理されている文書の内容を閲覧したり、同内容を記録紙上に印刷出力させることができる。
【0004】
こうした文書管理機能を有する画像形成装置の一例として、本願出願人は、暗号鍵を設定する暗号鍵設定手段と、暗号鍵を使って画像データを暗号化する画像暗号化手段と、暗号化された画像データを、装置本体から着脱可能な記録媒体内部に設けられた親展ボックスに書き込むデータ書込手段と、を備えた画像形成装置を提案している(例えば特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に係る技術によれば、親展扱いの画像データを受信した場合に、同画像データを暗号化して汎用のメモリカードに格納することができる。
【0006】
ところで、文書管理機能を有する画像形成装置では、文書の機密性を担保する目的から、自身の管理下にある文書ボックスに対し、パスワードを設定することができる。この場合、ユーザは、自身の管理下にある文書ボックスにアクセスするに際し、パスワードの入力を求められる。このとき、所定のパスワードを入力すれば、同文書ボックス内に蓄積管理されている所要の文書の内容を閲覧等することができる。
【0007】
さて、我々が通常の社会生活を営むなかで、金融機関や、インターネットを介した通信販売サイトでの買い物など、パスワードの入力を求められる場面は多い。そうした状況下において、各使用場面毎に異なるパスワードを設定する運用を行うと、パスワードの混同を生じるおそれがある。
【0008】
ここで、自身の管理下にある文書ボックスに設定したパスワードを忘れてしまった場合について考えてみる。この場合、従来の文書ボックスでは、パスワードの編集を行うための編集画面において、これまでに設定されていたパスワードを表示しない構成となっているので、現在設定されているパスワードを知る術はない。このため、自身の管理下にある文書ボックスに設定したパスワードを忘れてしまった場合、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−130261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、従来技術では、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じるおそれがあった点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置を提供することを目的として、管理対象となる文書が蓄積される文書ボックスと、前記文書ボックスへのアクセスのための認証情報が記憶される認証情報記憶部と、前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定するアクセス権限判定部と、各種情報を表示するための表示部と、前記認証情報の編集を行うための認証情報編集画面を、前記表示部の表示画面上に表示させる制御を行う表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記アクセス権限判定部において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、前記認証情報編集画面中に前記認証情報を表示させる、ことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像形成装置では、アクセス権限判定部は、文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定する。この判定の結果、前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、表示制御部は、認証情報編集画面中に認証情報を表示させる。これにより、当該文書ボックスの管理者は、認証情報編集画面中に表示された認証情報を視ることによって、当該文書ボックスに設定されている認証情報を確認することができる。
【0013】
従って、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る画像形成装置(デジタルカラー複写機)周辺の概略構成図である。
【図2】本画像形成装置に搭載された操作パネル部の外観図である。
【図3】本画像形成装置の動作フローチャート図である。
【図4】管理者ユーザが文書ボックスを選択した際の、ボックスパスワードの編集画面例を示す説明図である。
【図5】図5は、共有者ユーザが文書ボックスを選択した際の、ボックスパスワードの編集画面例を示す説明図であり、図5(1)は、ボックスパスワードの表示のみを許す態様の編集画面例を示す説明図、図5(2)は、管理者の承諾を得た上でボックスパスワードの編集を許可する態様の編集画面例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置を得るといった目的を、文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定するアクセス権限判定部と、アクセス権限判定部において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、認証情報編集画面中に認証情報を表示させる制御を行う表示制御部と、の連携に係る構成によって実現した。
【実施例】
【0016】
以下、本発明に係る画像形成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下において、本発明に係る画像形成装置として、文書管理機能を有するデジタルカラー複写機を例示して説明する。
【0017】
[デジタルカラー複写機周辺の概略構成]
図1は、デジタルカラー複写機周辺の概略構成図、図2は、本機に搭載された操作パネル部の外観図である。
【0018】
本デジタルカラー複写機は、印刷出力、スキャナ、ファックス送信、メール送信、及びデータ送信を含む各種機能を利用可能であり、マイクロコンピュータ及び専用のハードウェア回路等から構成される主制御部11によって制御される。この主制御部11に接続され諸機能を担う入出力機器として、本機は、スキャナ部21、画像処理部31、エンジン部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、HDD(ハードディスクドライブ)63、ネットワークI/F(インタフェース)部65、並びに、ICカード通信部67を備える。
【0019】
主制御部11は、スキャナ機能を実現するための動作制御を行うスキャナコントローラ13と、ファクシミリ機能を実現するための動作制御を行うファクシミリコントローラ15、プリンタ機能を実現するための動作制御を行うプリンタコントローラ17、並びに、コピー機能を実現するための動作制御を行うコピーコントローラ19を内蔵し、本機全体の動作を統括制御する。
【0020】
スキャナ部21は、図示しないスキャナを構成する画像照射ランプ23及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー25を含む。スキャナ部21は、画像照射ランプ23により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー25で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部31へ出力する。
【0021】
画像処理部31は、補正部33、画像加工部35及び画像メモリ37を含む。画像処理部31は、スキャナ部21で読み取られた画像データを必要に応じて補正部33及び画像加工部35により処理し、処理された画像データを画像メモリ37に記憶したり、エンジン部41、ファクシミリ通信部61等へ出力する。補正部33は、スキャナ部21で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部35は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0022】
エンジン部41は、図示しない給紙カセットや給紙ローラ等から構成される用紙搬送部43、図示しない感光体ドラム、露光装置、現像装置等から構成される画像形成部45、図示しない転写ローラ等から構成される転写部47、及び図示しない定着ローラ等から構成される定着部49を含む。エンジン部41は、スキャナ部21で読み取られた画像データ、ネットワークI/F部65を介してLAN(Local Area Network)によりクライアントPC(パーソナルコンピュータ)等から送信された画像データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部43は用紙を画像形成部45へ搬送し、画像形成部45は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部47はトナー像を用紙に転写し、定着部49はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0023】
操作パネル部51は、図2に示すように、タッチパネル部53及び操作キー部55を含む。操作パネル部51は、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を主制御部11に与える。
【0024】
本発明で表示部として機能するタッチパネル部53は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、複写部数等に関する情報を表示するとともに、ユーザが該当部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン類を表示する。
【0025】
操作キー部55は、ユーザの操作入力を受付けるための複数の操作キーを備えており、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能など諸機能のなかから、所要機能のキー入力操作をユーザが選択的に実行する際に、又は、ユーザが複写部数やコピー実行指令などを操作入力する際に用いられる。また、操作キー部53は、管理者ユーザ又は共有者ユーザが、文書ボックスへのアクセスのためのボックスパスワード(認証情報)に係る入力操作を行う際などに用いられる。
【0026】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、スキャナ部21によって読み取られた原稿の画像データを電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0027】
本発明で文書ボックスとしての機能を担うHDD(ハードディスクドライブ)63は、複数の文書ボックスのための記憶領域(例えば50GB程度の記憶容量をもつ。)を有しており、スキャナ部21によって読み取られた画像データ及び同画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDDに記憶されている画像データは、画像形成装置、プログラム及び記録媒体内部で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部65を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPCやFTPサーバ等の所定のフォルダへ転送される。
【0028】
ネットワークI/F部65は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LANを介して接続されたクライアントPC等に対する種々のデータの送受信を制御する。
【0029】
ICカード通信部67は、ユーザが所持している非接触型ICタグ等のカードキー69のアクセスを検知し、カードキー69に記憶されているユーザ識別情報等の認証情報を読み出して、主制御部11に転送する機能を備えている。
【0030】
ところで、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置を得ることを目的として、主制御部11は、管理対象となる複数の文書の情報が蓄積される文書ボックス63と、画像形成装置の元にやってきたユーザが所持する非接触型ICカード69から、ICカード通信部67を介して取得したユーザ毎に固有のユーザ識別情報、又は、ユーザによって操作入力されたパスワード(認証情報)を取得する認証情報取得部71と、文書ボックス63へのアクセスのための認証情報、及び、画像形成装置の元にやってきたユーザの正当性に係る認証を行うための認証情報が記憶される認証情報記憶部73と、認証情報取得部71で取得された認証情報と、認証情報記憶部73に予め登録されている認証情報とを照合することで、ユーザの正当性に係る認証を行うユーザ認証部75と、文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定するアクセス権限判定部77と、アクセス権限判定部77において文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、認証情報編集画面中に表示された認証情報の編集を許可する管理を行う認証情報編集管理部79と、ボックスパスワード(認証情報)の編集を行うためのボックスパスワード編集画面を、タッチパネル部53の表示画面上に表示させる制御を行う表示制御部81と、を備えて構成されている。なお、表示制御部81は、アクセス権限判定部77において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、認証情報編集画面中にボックスパスワード(認証情報)を表示させるように動作する。
【0031】
[本発明実施例に係る画像形成装置の動作]
次に、本発明実施例に係る画像形成装置の動作について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、本画像形成装置の動作フローチャート図、図4は、管理者ユーザが文書ボックスを選択した際の、ボックスパスワードの編集画面例を示す説明図、図5は、共有者ユーザが文書ボックスを選択した際の、ボックスパスワードの編集画面例を示す説明図であり、図5(1)は、ボックスパスワードの表示のみを許す態様の編集画面例を示す説明図、図5(2)は、管理者の承諾を得た上でボックスパスワードの編集を許可する態様の編集画面例を示す説明図である。
【0032】
本動作説明に先立って、前提となる画像形成装置の構成に言及する。本画像形成装置は、本装置の元にやってきたユーザが所持するカードキー69との間で認証情報に係るデータ交換を通じてジョブ利用を許可するカードキー認証モードと、ユーザ識別情報及び暗証番号(認証情報)のキー入力操作をユーザに要求することを通じてジョブ利用を許可するパネル認証モードとを二通り備えており、原則として、カードキー認証モードで動作している。以下の実施例では、原則通りの処理であるカードキー認証モードでの、画像形成装置の動作について説明してゆく。
【0033】
図3に示すように、ICカード通信部67は、ICカードキー69のアクセスを常時監視している。このとき、例えば、自身の管理下にある文書ボックスへのアクセスを試みるために装置の元にやってきたユーザが、ICカードキー69を画像形成装置におけるICカードリーダライタ(不図示)にセットすると、ICカード通信部67は、ICカードキー69のアクセスを検知する(ステップS11)とともに、ICカードキー69に記憶されているユーザ識別情報を読み取り、読み取ったICカードキー69のユーザ識別情報を、主制御部11宛に転送する。これを受けて、認証情報取得部71は、前記ユーザに係る認証情報を取得する(ステップS12)。
【0034】
ユーザ認証部75は、認証情報取得部71で取得された認証情報と、認証情報記憶部73に予め登録されている認証情報とを照合することで、カードキー認証に係るユーザの正当性に係る認証を行う(ステップS13)。なお、ユーザ認証に際して、暗証番号によるログイン管理機能を追加しても良い。
【0035】
ステップS13におけるユーザ認証の結果、ユーザが正当ユーザである旨の承認がなされると(ステップS14の”Yes”)、表示制御部79は、当該承認ユーザに対して文書ボックスの選択操作を促す画面を表示させる制御を実行する(ステップS15)。
【0036】
この催促表示画面を視た前記承認ユーザは、自身の管理下にある所要の文書ボックスを選択操作することになる(ステップS16)。
【0037】
この文書ボックスに係る選択操作を受けて、アクセス権限判定部77は、文書ボックスへのアクセスを試みる前記承認ユーザが、当該文書ボックスの管理者又は共有者であるか否かを判定する(ステップS17)。ここで、アクセス権限判定部77は、複数の各文書ボックスに対し、管理者又は共有者としての権限を有するユーザを関連付けてなる文書ボックス管理テーブルを記憶保持している。従って、アクセス権限判定部77は、前記承認ユーザに係るユーザ識別情報をキーとして、前記文書ボックス管理テーブルの内容を参照することで、前記承認ユーザが選択操作した文書ボックスと、当該承認ユーザとの関係を調べることを通じて、文書ボックスに対するアクセス権限の有無を判定することができる。
【0038】
ステップS17におけるアクセス権限判定の結果、前記文書ボックスへのアクセスを試みる前記承認ユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき(ステップS17の”管理者”参照)、表示制御部81は、ボックスパスワード(認証情報)の編集を行うためのボックスパスワード編集画面を、タッチパネル部53の表示画面上に表示させる制御を行う(ステップS18)。これにより、タッチパネル部53の表示画面上には、図4に示すように、ボックスパスワード編集画面中に、ボックスパスワードが表示されることになる。
【0039】
次いで、認証情報編集管理部79は、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワード(認証情報)の編集を許可する管理を行う(ステップS19)。これにより、管理者権限を有する前記承認ユーザは、必要に応じてボックスパスワード(認証情報)の編集を行うことができる。
【0040】
一方、ステップS17におけるアクセス権限判定の結果、前記文書ボックスへのアクセスを試みる前記承認ユーザが、当該文書ボックスの共有者であるとの判定が下されたとき(ステップS17の”共有者”参照)、表示制御部81は、ボックスパスワード(認証情報)の編集を行うためのボックスパスワード編集画面を、タッチパネル部53の表示画面上に表示させる制御を行う(ステップS20)。これにより、タッチパネル部53の表示画面上には、図5(1)に示すように、ボックスパスワード編集画面中に、ボックスパスワードが表示されることになる。
【0041】
次いで、認証情報編集管理部79は、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワード(認証情報)の編集を禁止(図5(1)参照)する管理を行う(ステップS21)。従って、共有者権限を有する前記承認ユーザは、ボックスパスワード(認証情報)の編集を行うことができない。
【0042】
さて、ステップS14において装置の元にやってきたユーザが正当ユーザではない旨の判定が下されるか、ステップS17において前記承認ユーザが当該文書ボックスへのアクセス権限を有していない旨の判定が下されるか、又は、ステップS19,S21の処理が終了後に、主制御部11は、一連の処理の流れを終了させる。
【0043】
[実施例の効果]
以上述べたように、本発明実施例に係る画像形成装置では、アクセス権限判定部77は、文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定する。この判定の結果、前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、表示制御部81は、ボックスパスワード(認証情報)編集画面中にボックスパスワード(認証情報)を表示させる。これにより、当該文書ボックスの管理者は、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワードを視ることによって、当該文書ボックスに設定されているボックスパスワードを確認することができる。
【0044】
従って、自身が正当なユーザであるにもかかわらず、その文書ボックスにアクセスできなくなる、といった不都合を生じることのない、ユーザに優しい画像形成装置を得ることができる。
【0045】
また、本発明実施例において、アクセス権限判定部77において文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワードの編集を許可する認証情報編集管理部79を備える、構成を採用することもできる。このように構成すれば、管理者権限を有するユーザに限定してボックスパスワードの編集を許可することができるといった意味で、ボックスパスワード本来の管理機能強化に寄与することができる。
【0046】
さらに、本発明実施例において、表示制御部81は、アクセス権限判定部77において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの共有者であるとの判定が下されたとき、ボックスパスワード編集画面中にボックスパスワードを表示させ、この場合、認証情報編集管理部79は、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワードの編集を許可しない、構成を採用してもよい。このように構成すれば、管理者権限を有しないが、共有者権限を有するユーザに対してボックスパスワードの編集を禁止することができるといった意味で、ボックスパスワード本来の管理機能強化に寄与することができる。
【0047】
しかも、本発明実施例において、認証情報編集管理部79は、前記文書ボックスの管理者によってボックスパスワード編集の承諾を得た場合に限り、当該文書ボックスの共有者に対し、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワードの編集を許可する、構成を採用してもよい。具体的には、例えば図5(2)に示すように、ボックスパスワード編集画面中に、管理者の承諾を得る際に操作される「管理者連絡」ボタンを設けておき、同「管理者連絡」ボタン操作による電子メール等の通信手段を介して管理者の承諾を得た場合に限って、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワードの編集を許可するように構成すればよい。このように構成すれば、管理者権限を有しないが、共有者権限を有するユーザに対しても、管理者の承諾を得た場合に限って、ボックスパスワードの編集を許可することができるといった意味で、ボックスパスワード本来の管理機能強化に寄与することができる。
【0048】
そして、本発明実施例において、認証情報編集管理部79は、前記文書ボックスの共有者に対し、ボックスパスワード編集画面中に表示されたボックスパスワードの編集を許可するか否かを設定可能である、構成を採用することもできる。このように構成すれば、管理者権限を有しないが、共有者権限を有するユーザに対して、ボックスパスワードの編集を許可するか否かを設定可能であるといった意味で、ボックスパスワードの柔軟な管理に寄与するところ大である。
【0049】
[その他]
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像形成装置もまた、本発明における技術的範囲の射程に包含されるものである。
【0050】
すなわち、本発明実施例において、カードキー認証モードで動作中の画像形成装置を例示して説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、例えば、ユーザ識別情報及び暗証番号のキー入力操作をユーザに要求することを通じて装置の使用を許可するパネル認証モードで動作中の画像形成装置にも、本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0051】
11 主制御部
53 タッチパネル部(表示部)
71 認証情報取得部
73 認証情報記憶部
75 ユーザ認証部
77 アクセス権限判定部
79 認証情報編集管理部
81 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象となる文書が蓄積される文書ボックスと、
前記文書ボックスへのアクセスのための認証情報が記憶される認証情報記憶部と、
前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスへのアクセス権限を有する者であるか否かを判定するアクセス権限判定部と、
各種情報を表示するための表示部と、
前記認証情報の編集を行うための認証情報編集画面を、前記表示部の表示画面上に表示させる制御を行う表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記アクセス権限判定部において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、前記認証情報編集画面中に前記認証情報を表示させる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記アクセス権限判定部において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの管理者であるとの判定が下されたとき、前記認証情報編集画面中に表示された認証情報の編集を許可する認証情報編集管理部を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
前記表示制御部は、前記アクセス権限判定部において前記文書ボックスへのアクセスを試みるユーザが、当該文書ボックスの共有者であるとの判定が下されたとき、前記認証情報編集画面中に前記認証情報を表示させ、
この場合、前記認証情報編集管理部は、前記認証情報編集画面中に表示された認証情報の編集を許可しない、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記認証情報編集管理部は、前記文書ボックスの管理者によって認証情報編集の承諾を得た場合に限り、当該文書ボックスの共有者に対し、前記認証情報編集画面中に表示された認証情報の編集を許可する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記認証情報編集管理部は、前記文書ボックスの共有者に対し、前記認証情報編集画面中に表示された認証情報の編集を許可するか否かを設定可能である、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−273236(P2010−273236A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124947(P2009−124947)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】