説明

画像形成装置

【課題】定着部を通過した記録シート上のトナーを、空気流の吹き付けによって効果的に冷却するとともに、記録シートを排紙トレイ上に安定的に排出する画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着部50によってトナー像が定着されてシート排出経路31a内を搬送される記録シートが、排紙ローラ33の上方に設けられた排気口72aから吹き出される空気流によって冷却される。排気口72aの上方には、フィン73が設けられており、フィン73は、排紙ローラ33よりも記録シート搬送方向上流側に向って高流速で吹き出すように案内する第1状態と、排気口72aに向う空気流を排気口72aのほぼ全面から低流速で吹き出すように案内する第2状態とに切り替え可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、FAX、これらの複合機等の画像形成装置に関するものであり、具体的には、そのような装置において、定着部によってトナー画像が定着された記録シートが排紙トレイ上に積載性よく排出することができるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置には、記録用紙、OHPシート等の記録シートに転写された未定着のトナー画像を記録シートに熱定着させるための定着部が設けられている。定着部におけるトナー画像を定着させる方法としては、一対のローラ間に定着ニップ部を形成するローラ定着方式、ローラとベルトとの間または一対のベルトの間に定着ニップ部を形成するベルト定着方式が知られている。いずれの場合にも、未定着のトナー画像が転写された記録シートが定着ニップ部を通過する間に、トナー画像が加熱および加圧されて記録シート上に熱定着される。定着部によってトナー画像が熱定着された記録シートは、通常、装置本体の外部に設けられた排紙トレイ上に排出される。
【0003】
定着部では、記録シートは170℃程度に加熱されており、定着部を通過すると100℃程度にまで低下する。しかし、100℃程度の温度では、記録シート上のトナーは完全に固化した状態ではなく粘着性を有している。このために、連続的に画像形成動作が繰り返されて、複数の記録シートが排紙トレイ上に連続して排出される場合には、排紙トレイ上に積み重ねられた記録シート同士が、粘着性を有するトナーによって相互に貼り付くタッキングが生じるおそれがある。
【0004】
特許文献1には、定着部において発生する余分な熱を、感光体と定着部との間に設けられた吸引口からダクトを介して装置本体の外部へ排出するファンを設けた構成において、転写紙(記録シート)の種類に応じて冷却ファンの風量を制御する画像形成装置が開示されている。この構成の画像形成装置では、転写紙が薄紙の場合に冷却ファンの風量を低下させることによって、薄紙の転写紙が装置内を搬送中に空気流によって吹き飛ばされることなく円滑に搬送することができる。しかし、この特許文献1では、定着部から排出される転写紙に空気を吹き付けて冷却するものではないので、転写紙が効果的に冷却されず、排紙トレイ上に連続的に排出される記録シート同士がトナーによって相互に貼り付くことを防止することはできない。
【0005】
特許文献2には、定着部を通過した記録シートを、冷却ファンから吹き出される空気流によって冷却する構成の画像形成装置が開示されている。この特許文献2に開示された画像形成装置では、記録シートが排紙トレイ上に排出される場合に、冷却ファンから吹き出される空気流を記録シートの搬送方向である排紙トレイに向って案内し、両面プリント時において裏面に画像を形成するために記録シートが排紙トレイではなく、装置内部の循環路に向って搬送される場合には、記録シートの搬送方向である循環路の方向に向かって空気流を案内する構成になっている。このような構成によって、記録シートが排紙トレイ上に排出される場合のみならず、循環路に搬送される場合にも、記録シート上のトナーを効率よく冷却することができる。
【特許文献1】特開平7−319370号公報
【特許文献2】特開2001−255807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示されているように、排紙トレイ上に排出される記録シートに対して、排紙トレイに向って空気流を案内する構成では、排紙トレイ上に案内された空気流によって排紙トレイ上に排出された記録シートが移動し、排紙トレイ上での記録シートの姿勢が変化するおそれがある。記録シートが連続して排紙トレイ上に排出される場合には、排紙トレイ上における記録シートの積載状態が乱れてしまう。冷却効率を向上させるために、冷却ファンによって大量の空気流を記録シートに吹き付けると、記録シートが排紙トレイ上を大きく移動して排紙トレイ上から吹き飛ばされるおそれがある。記録シートが再生紙等のように秤量が小さく、繊維収縮によってカールするおそれがある場合には、排紙トレイ上から吹き飛ばされる可能性が大きくなる。
【0007】
また、画像形成装置では、画像形成のためのプロセス速度(システム速度)を高速化することが要望されており、このために、定着部におけるトナーの定着温度を低化させることによってウォーミングアップ時間を短縮することが行われている。低い温度でトナーを溶融させるためには、ワックス(WAX)成分を含有した重合トナーが使用される。しかし、低温で溶融する重合トナーを使用すると、トナー付着量が多い画像の場合には、トナーが効果的に冷却されないことにより、記録シートは、トナーが固化することなく溶融状態を維持して排紙トレイ上に排出されるおそれがある。このような状態で、排紙トレイ上に複数枚の記録シートが積載されると、記録シート同士が溶融したトナーによって貼り付くおそれがある。特に、記録シートの両面に対して連続してトナー画像を定着させる場合には、記録シート同士が溶融したトナーによって貼り付く可能性が高くなる。
【0008】
記録シートが排出される排紙トレイは、通常、定着部に近接して配置されており、記録シートは、その後端が定着部に近接するように排紙トレイ上に排出される。この場合、排紙トレイ上に載置された記録シートは、定着部に近接した後端部分が定着部の熱の影響を受け、その部分のトナーが溶融状態になっていると、排紙トレイ上においてトナーが固化するために長時間を要し、記録シート同士が溶融したトナーによって貼り付く可能性が大きくなる。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、記録シート上のトナーを効率よく冷却して、排紙トレイ上に排出された記録シートの積載性を向上させるとともに、たとえ重合トナーを用いていても、また、定着部に近接して排紙トレイが設けられていても、積載された記録シート同士が貼り付くことを抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、画像形成部によって形成されたトナー画像を転写部によって記録シート上に転写した後に定着部によって記録シートに熱定着し、トナー画像が熱定着された記録シートを排紙ローラによってシート排出経路から排紙トレイ上に排出する画像形成装置であって、前記シート排出経路内を搬送される記録シートを冷却するために排気口から空気流を吹き出す冷却手段と、前記排気口から吹き出される空気流を前記シート排出経路内における前記排紙ローラよりも記録シート搬送方向上流側に向って集中的に吹き出されるように案内する第1状態と、前記空気流を前記シート排出経路および前記排紙トレイに向って前記排気口の全体に分散して該排気口から吹き出されるように案内する第2状態とに切り替え可能になった風向変更手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置では、風向変更手段が第1状態に切り替えられることによって、空気流が、排紙ローラよりも記録シート搬送方向上流側に向って集中的に吹き出されるために、シート排出経路内を搬送される記録シートの所望の部分に空気流を集中的に吹き付けることができ、その部分を効果的に冷却することができる。第1状態の風向変更手段によって案内される空気流は、記録シート搬送方向の上流側に向って吹き出されるために、空気流が集中的に吹き付けられる記録シートが排紙ローラによって排紙トレイ上に排出される際に姿勢が乱されるおそれもない。特に、排紙トレイ上での冷却効率が悪い記録シートの後側部分に、第1状態に切り替えられた風向変更手段によって案内される空気流を集中的に吹き付けることによって、記録シートの後側部分を効果的に冷却することができる。風向変更手段が第2状態に切り替えられると、空気流の一部が排紙トレイに向って吹き出されるために、排紙トレイ上に積載された記録シートも冷却することができる。この場合、空気流が排気口の全体に分散した状態で吹き出されるために第1状態よりも低流速状態になり、排紙トレイ上に積載された記録シートが乱れることが防止される。以上のことから、排紙トレイ上に排出される記録シートは乱れることなく積載され、さらには、記録シートを効果的に冷却することができるために、たとえ、重合トナーを用いていても、また、定着部に近接して排紙トレイが設けられていても、記録シート同士が相互に貼り付くことを防止することができる。
【0012】
好ましくは、前記冷却手段は、冷却ファンから吐出される空気を案内する排気ダクトを備え、該排気ダクトの底面の一部が前記シート排出経路を搬送される記録シートの案内面を兼ねており、該排気ダクトの底面には、前記シート排出経路の下流側部分に対向して前記排気口が設けられていることを特徴とする。
好ましくは、前記排気口は、前記シート排出経路を搬送される記録シートの幅方向に沿って延びており、前記風向変更手段は、前記排気口に沿って延びる長板状のフィンを備え、該フィンは、その長手方向に沿った揺動軸を中心として揺動自在に支持されており、該フィンの揺動によって前記排気口に向って空気流が通過する開口面積が変更されることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記フィンは、前記第1状態では前記開口面積を小さくし、前記第2状態では前記開口面積を大きくすることを特徴とする。
好ましくは、前記フィンは、ソレノイドによって回動されることを特徴とする。
好ましくは、前記風向変更手段は、前記シート排出経路内に前記記録シートが進入する際に前記第2状態とされ、前記記録シートが前記シート排出経路内を通過中であって該シート排出経路内に進入してから所定時間経過後に前記第1状態に切り替えられることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記シート排出経路内に進入する前記記録シートを検出する排紙センサをさらに備え、前記風向変更手段は、前記排紙センサによって記録シートが検出されてから所定時間経過後に、前記第2状態から前記第1状態に切り替えられることを特徴とする。
好ましくは、前記所定時間は、前記記録シートが前記転写部を通過する時間の50%に設定されていることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記定着部から前記シート排出経路内に複数の記録シートが連続的に搬送される場合に、先行する記録シートが前記排紙センサを通過してから前記排紙トレイ上に積載されるまでに要する時間が経過することにより、前記風向変更手段が、前記第1状態から前記第2状態に切り替えられることを特徴とする。
好ましくは、前記シート排出経路内に搬送される記録シートを、表裏が反転された状態で前記画像形成部に循環させるシート循環路をさらに備え、前記排紙ローラは、前記記録シートを前記シート循環路に搬送するために逆回転され、前記風向変更手段が、前記排紙ローラの逆回転に同期して前記第1状態から前記第2状態に切り替えられることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記排紙ローラは、前記記録シートを前記排紙トレイ上に排出する場合の2倍の回転速度で前記記録シートが前記転写部を通過する時間の50%の時間にわたって逆回転されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態であるタンデム型カラーデジタル複写機の構成を示す概略図である。この複写機は、プリント(印刷)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいて、周知の電子写真方式によりフルカラーの画像を記録用紙、OHPシート等の記録シートに形成する。プリントジョブには、記録シートの片面に画像を形成する片面プリント、両面に画像を形成する両面プリント等がある。
【0018】
本実施形態の複写機は、原稿の画像を読み取るスキャナ部10と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによるトナー画像を形成する画像形成部20と、トナー画像が転写される記録シートSを搬送する記録シート搬送部30と、記録シート搬送部30に記録シートSを供給する記録シート供給部60と、記録シート搬送部30にて搬送される記録シートSにトナー画像を転写する転写部40と、記録シートSに転写されたトナー画像を記録シートSに定着させる定着部50と、前記各部分をそれぞれ制御する制御部80と、を備えている。
【0019】
スキャナ部10は、画像形成部20等が設けられた装置本体1の上方に設けられており、自動原稿搬送部(ADF)によって搬送される原稿の画像面、または、プラテンガラス上に載置された原稿の画像面に、線状光源である蛍光灯からの光を照射し、原稿の画像面からの反射光を縮小光学系によってラインセンサに縮小して照射する。これにより、ラインセンサは、原稿画像に対応した画像データを生成する。なお、スキャナ部10には、片面プリント、両面プリント等のジョブ実行の指示、各種データ入力等のためにユーザによって操作される操作パネル11が設けられている。
【0020】
スキャナ部10の下方である装置本体1の上面には、トナー画像が形成された記録シートSが排出される排紙トレイ20aが、上方のスキャナ部10とは適当な間隔をあけて設けられている。
画像形成部20には、装置本体1の略中央部にて、一対のローラ21aおよび21bに水平状態に張架された中間転写ベルト21が設けられている。中間転写ベルト21は、図示しないメインモータによって矢印Xで示す方向に周回移動する。中間転写ベルト21の下方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによって中間転写ベルト21上にトナー画像を順次形成するための作像部22Y、22M、22C、22Kが、中間転写ベルト21の周回移動方向の上流側から下流側に沿ってその順番で配置されている。
【0021】
Y色のトナー画像を形成する作像部22Yには、中間転写ベルト21に対向して配置された感光体ドラム23Yと、この感光体ドラム23Yの表面を帯電させる帯電装置24Yと、帯電装置24Yにて帯電された後に感光体ドラム23Yの表面に形成された静電潜像をY色のトナーによって現像する現像器25Yとが設けられている。感光体ドラム23Yの表面の静電潜像は、露光装置27から照射されるレーザ光によって形成されるようになっている。現像器25Yにて現像された感光体ドラム23Yの表面上のY色のトナー画像は、1次転写ローラ26Yの静電作用によって中間転写ベルト21上に転写される。
【0022】
M、C、Kの各色トナー用のそれぞれの作像部22M、22C、22Kも、Y色トナー用の作像部22Yと同様の構成になっており、露光装置27からそれぞれの感光体ドラムの表面に照射されるレーザ光によって形成された静電潜像が、M、C、Kの各色のトナーによって現像され、各感光体ドラム上に形成されたM、C、Kの各色のトナー像が、1次転写ローラによって、中間転写ベルト21上におけるY色のトナー画像が転写された領域と同一の領域上に、順次、重ねて転写される。
【0023】
中間転写ベルト21の上方には、Y、M、C、Kの各色のトナーが収容されたトナーボトル28Y、28M、28C、28Kが設けられており、各トナーボトル28Y、28M、28C、28K内に収容されたY、M、C、Kの各色のトナーが、対応する作像部22Y、22M、22C、22Kの各現像器(25Y等)にそれぞれ供給される。
中間転写ベルト21の側方には、記録シート搬送部30が設けられており、また、画像形成部20および記録シート搬送部30の下方に記録シート供給部60が設けられている。記録シート搬送部30は、それぞれが上下方向に沿って延びるシート搬送経路31およびシート循環経路35を備えており、シート搬送経路31とシート循環経路35の上端部同士および下端部同士がそれぞれ相互に接続されている。シート搬送経路31には、下方の記録シート供給部60から記録シートSが供給されてシート搬送経路31内を上方に向って搬送される。
【0024】
画像形成部20の下方に設けられた記録シート供給部60は、それぞれが水平状態であって、上下方向に並んで配置された4つの記録シート収納部61を備えている。各記録シート収納部61内には、例えば、秤量90g/m以下の普通紙、91g/m以上の厚紙、OHPシート等の記録シートSがそれぞれ収容されている。各記録シート収納部61内に収容された記録シートSは、記録シート収納部61毎にそれぞれ設けられた繰り出しローラ62によって1枚ずつ繰り出されて、上下方向に沿って延びるシート供給経路63内に供給される。シート供給経路63は、上方に設けられた記録シート搬送部30のシート搬送経路31に接続されており、各記録シート収納部61から繰り出された記録シートSが、シート供給経路63内に設けられたそれぞれの搬送ローラ対64によって、上方のシート搬送経路31に向って搬送される。
【0025】
なお、記録シート供給部60には、記録シートSを手差しによって供給する手差し給紙台65がシート供給経路63の上部に設けられており、この手差し給紙台65上に載置された記録シートSが、繰り出しローラ66によって1枚ずつ繰り出されて、搬送ローラ対67によって、シート供給経路63の上部に供給される。
シート搬送経路31の下端部には、シート供給経路63から搬送されてシート搬送経路31内に進入する記録シートSを、上方に向って所定のタイミングで搬送するタイミングローラ対32が設けられている。このタイミングローラ対32よりも下方のシート搬送経路31の下端部には、シート循環経路35の下端部が接続されている。
【0026】
シート搬送経路31の上下方向の中程には、転写部40が設けられている。転写部40は、中間転写ベルト21を張架する一方のローラ21aに中間転写ベルト21を介して圧接された2次転写ローラ41を備えている。2次転写ローラ41と中間転写ベルト21との間には転写ニップ部が形成されており、シート搬送経路31の下端部に設けられたタイミングローラ対32によって、中間転写ベルト21と2次転写ローラ41との間の転写ニップ部に、記録シートSが搬送される。記録シートSは、中間転写ベルト21上に形成されたトナー画像が転写ニップ部に搬送されるタイミングに同期するように転写ニップ部に搬送される。中間転写ベルト21上に形成されたトナー画像は、転写ニップ部を通過する際に2次転写ローラ41の静電作用によって記録シートS上に転写される。
【0027】
トナー画像の転写後に中間転写ベルト21上に残ったトナーは、転写部40とは反対側の側方に設けられた中間転写ベルトクリーナー29によって除去される。中間転写ベルトクリーナー29は、中間転写ベルト21を張架する他方のローラ21bに中間転写ベルト21を介して対向配置されている。
転写部40の上方には、定着部50が設けられている。定着部50は、シート搬送経路31を挟んで相互に対向配置された加圧ローラ51と加熱ベルト52とを備えている。加圧ローラ51および加熱ベルト52は、相互に圧接されることによって両者の間に定着ニップ部を形成しており、加圧ローラ51が図示しないモータによって回転駆動され、加圧ローラ51に圧接された加熱ベルト52が、加圧ローラ51の回転に追従して周回移動する。シート搬送経路31を定着ニップに向って上方に搬送される記録シートS上のトナー画像は、定着ニップ部を通過することにより加熱および加圧されて記録シートS上に熱定着される。
【0028】
シート搬送経路31の上端部には、定着部50を通過した記録シートSを、装置本体1の上面に設けられた排紙トレイ20aに案内するシート排出経路31aが設けられている。シート排出経路31aの終端部(排紙トレイ20a側の端部)には、シート排出経路31aを搬送される記録シートSを排紙トレイ20a上に排出する排紙ローラ対33が設けられている。
【0029】
シート排出経路31aの上端部には、定着部50を通過した記録シートSをシート搬送経路31の下端部に戻すシート循環経路35の上端部が接続されている。片面プリントジョブの場合には、表面にトナー像が定着された記録シートSは、排紙ローラ33により排出されて排紙トレイ20a上に載置されるが、両面プリントジョブの場合には、表面にトナー画像が定着されてシート搬送経路31内を搬送される記録シートSは、その後端が排紙ローラ対33を通過する直前のタイミングで、排紙ローラ対33が逆回転駆動されることによって進行方向を反転(スイッチバック)されて、シート循環経路35内に進入する。シート循環経路35の上端部には、記録シートSをシート循環経路35内へ搬送する供給ローラ対36が設けられており、また、シート循環経路35内には、記録シートSをシート搬送経路31の下端部のタイミングローラ対32の下側(記録シートSの搬送方向上流側)にまで搬送する2組の搬送ローラ対37が設けられている。
【0030】
シート排出経路31aからシート循環経路35内に進入してシート循環経路35内を下方に向って搬送される記録シートSは、シート搬送経路31に表裏を反転された状態で再度進入し、タイミングローラ対32によって転写部30に向って搬送される。そして、転写部30によって記録シートSの裏面にトナー画像が転写された後に、定着部50によって記録シートSの裏面上に転写されたトナー画像が定着され、排紙ローラ対33によって排紙トレイ20a上に載置される。
【0031】
図2は、シート排出経路31aおよび定着部50と、その周辺部の概略構成を示す模式図である。シート排出経路31aは、定着部50を通過して上方に向って搬送される記録シートSを、定着部50の側方に配置された排紙トレイ20aに案内するように、水平状態に対して若干傾斜した状態になっている。
シート排出経路31aとシート循環経路35との分岐部には、分岐爪34が設けられている。分岐爪34は、定着部50を通過した記録シートSをシート排出経路31aに向けて案内する位置(実線)と、両面プリント時にスイッチバックされた記録シートSをシート循環経路35に向けて案内する位置(破線)とにソレノイド(図3参照)等の駆動によって切り替えられる。また、定着部50と分岐爪34との間には、定着部50を通過した記録シートSを検出するための排紙センサ38が設けられている。排紙センサ38は、定着部50を通過した記録シートSが接触することによってオンし、記録シートSが非接触状態になることによってオフして、そのオンオフを示す信号を制御部80へ送る。
【0032】
シート排出経路31aの上方には、シート排出経路31a内を搬送される記録シートSに空気流を吹き付けて冷却する冷却ユニット70が設けられている。冷却ユニット70は、複数の冷却ファン71(同図ではその内の1つを示している)と、各冷却ファン71から吹き出される空気流を排紙トレイ20a側に向って案内する排気ダクト72とを備えている。各冷却ファン71は、装置本体1の上方に配置されたスキャナ10との間の空間から空気を吸引して吹き出すプロペラファンによって構成されており、排気ダクト72の上部内に、シート排出経路31aを搬送される記録シートSの幅方向(記録シートSの搬送方向とは直交する方向)に沿って配置されている。
【0033】
排気ダクト72には、各冷却ファン71から下方に向って吐出される空気流を案内するダクト部が設けられている。ダクト部の底面は、シート排出経路31aの上面を兼用するガイド面72bになっている。このガイド面72bにおけるシート排出経路31aの下流側(排紙トレイ20a側)の側部に、排気口72aが設けられている。ガイド面72bは、定着部50を通過した記録シートSを排紙ローラ対33に向って案内するとともに、各冷却ファン71から吹き出される空気流を排気口72aに向って案内する。
【0034】
排気口72aは、シート排出経路31aを搬送される記録シートSの幅方向に沿って延びる長方形状に開口しており、シート排出経路31aにおける記録シートSの搬送方向上流側に位置する側縁(以下、上流側縁とする)72cと、搬送方向下流側に位置する側縁(以下、下流側縁とする)72dと、を有している。排気口72a内には、排紙ローラ対33における上側に設けられたローラの上部が嵌り込んでおり、排気口72aにおける下流側縁72dと排紙ローラ対33との間隙が、排気口72aにおける上流側縁72cと排紙ローラ対33との間隙よりも狭くなっている。
【0035】
排気ダクト72の内部には、各冷却ファン71から吹き出される空気流の方向を変更する風向変更手段としてのフィン73が設けられている。フィン73は、シート排出経路31aを搬送される記録シートSの幅方向に沿って延びる長板状をしており、長手方向に沿った一方の側縁部に沿って揺動支持軸73aが設けられている。揺動支持軸73aは、排気口72aの上流側縁72cのほぼ上方位置に,水平状態で揺動可能に架設されている。フィン73は、揺動支持軸73aを中心として揺動し、揺動側の先端部である長手方向に沿った他方の側縁が、排気口72a上を、記録シートSの搬送方向に沿って揺動する。フィン73は、その揺動により、揺動側の先端部が排気口72aの上流側縁72cに近接した第1状態と、回動側の先端部が排気口72aの下流側縁72dに近接した第2状態とに切り替えられる。フィン73は、第1状態では、垂直状態に対して回動側の先端部が排紙トレイ20a側に位置するように若干傾斜した状態(実線で示す姿勢)になり、第2状態では、排紙ローラ対33の上方において垂直状態に対して45°以上の大きな傾斜角度で傾斜した状態(破線で示す姿勢)になる。
【0036】
フィン73が第1状態の姿勢(第1姿勢)になると、フィン73の回動側の先端部と、排気口72aの上流側縁72cとによって、記録シートSの幅方向に沿って延びる狭小な開口幅のスリットが形成される。この場合、フィン73は、冷却ファン71から吹き出される空気流をそのスリットに向かって案内し、案内された空気流が、開口面積の小さなスリットを通過して下方のシート排出経路31a内に高流速で吹き出される。これに対して、フィン73が第2状態の姿勢(第2姿勢)になると、フィン73の回動側の先端部と排気口72aの上流側縁72cとによって形成される開口面積が広くなり、冷却ファン71から吹き出される空気流は、フィン73に沿って流動して、排気口72aの全体にわたってほぼ均等に分散した状態で流入する。これにより、排気口72aの全体から低流速状態で空気流が吹き出す。この場合、排気口72aから吹き出される空気流の一部が排紙トレイ20a上に案内される。
【0037】
図3(a)は、フィン73を回動させる駆動機構の構成を示す模式図、図3(b)はその動作説明図である。フィン73の回動支持軸73aにおける一方の端部は、排気ダクト72の外部に突出しており、その一方の端部に、回動レバー74が連結されている。回動レバー74は、下端部が回動支持軸73aの端部に連結されるように屈曲されている。回動レバー74の上端部には、ソレノイド75のプランジャー75aが連結されており、プランジャー75aがソレノイド本体75bに対して突出および退入することによって回動レバー74が回動されて、フィン73が回動される。回動レバー74の上端部には、連結体79を介して引っ張りバネ76が連結されている。引っ張りバネ76は、連結体79を介して、図3(a)において矢印Tで示す方向、すなわち、ソレノイド75のプランジャー75aがソレノイド本体75bに対して突出する方向に回動レバー74を牽引している。なお、排気口72aにおける上流側縁72cの近傍の排気ダクト72内には、フィン73の矢印B方向への回動を規制する第1ストッパー77が設けられている。
【0038】
ソレノイド75のプランジャー75aは、通電されていないオフ状態では引っ張りバネ76によって牽引されてソレノイド本体75bから突出した状態になり、回動レバー74は、フィン73における回動支持軸73aを図3(a)において矢印Bで示す方向に回動される。これに対して、ソレノイド75が通電されてオン状態になると、図3(b)に示すように、ソレノイド75のプランジャー75aは、引っ張りバネ76による引っ張り力に抗してソレノイド本体75b内に退入した状態になる。これにより、回動レバー74は、回動支持軸73aを中心として回動して、フィン73を、図3(b)において矢印Aで示す方向に回動させる。なお、排気口72aにおける下流側縁72cの近傍の排気ダクト72の内部には、フィン73の矢印A方向への回動を規制する第2ストッパー78が設けられている。
【0039】
フィン73が、排気口72aにおける上流側縁72cに近接して配置された第1ストッパー77に当接した第1姿勢になると、図2に示すように、フィン73は、排気ダクト72内の空気流を、フィン73の先端部と排気口72aにおける上流側縁72cとの狭小な開口幅のスリット内に案内する。これにより、空気流は、排紙ローラ対33における記録シート搬送方向上流側のシート排出経路31a内に高流速で吹き出される。この場合、フィン73の先端部と排気口72aの上流側縁72cとの間の開口面積の小さなスリットを通過する空気流は、排紙トレイ20a上に向ってほとんど排出されない。
【0040】
フィン73の下側の側縁部が、排気口72aにおける下流側縁72dに近接して配置された第2ストッパー78に当接した第2姿勢になると、図4に示すように、フィン73は、排気ダクト72内の空気流を、排気口72aの全面にわたって均等に分散した状態で空気流が通過するように案内する。排気口72aの全面から吹き出される空気流は、下方のシート排出経路31aおよび定着部50に向って吹き出され、その一部が、排紙ローラ対33と排気口72aの上流側縁72cとの間隙および排紙ローラ対33と排気口72aの下流側縁72dとの間隙を通って、排紙トレイ20a上に排出される。
【0041】
図5は、画像形成装置の制御系の主要部のブロック図である。制御部80は、CPU81、入出力インターフェース(I/F)部82、RAM83、ROM84等を有しており、ネットワークを介して接続された図示しない端末装置から入出力インターフェース部82に入力されるプリントジョブの指示、または、スキャナ部10に設けられた操作パネル11のユーザ操作によるプリントジョブの指示によって画像形成動作が実行される。CPU81には、排紙センサ38の出力が与えられている。
【0042】
CPU81の出力は、シート搬送経路31の下端部に設けられたタイミングローラ対34の回転を制御するタイミングローラクラッチ85、冷却ユニット70におけるフィン73を回動させるソレノイド75、シート排出経路31aにおける排紙トレイ20a側の端部に設けられた排紙ローラ対33を正回転(正転)および逆回転(逆転)する排紙モータ86に、それぞれ与えられている。
【0043】
CPU81は、入出力インターフェース82から入力されるプリントジョブの指示、または、操作パネル11から入力されるプリントジョブの指示に基づいて、記録シートSのサイズおよび種類を判別する。記録シートSの種類については、秤量90g/m以下の普通紙、91g/m以上の厚紙のいずれであるかを、プリントジョブの指示によって選択された記録シート収納部61に基づいて判別する。記録シートSのサイズおよび種類が判別されると、判別された記録シートSの種類に基づいて、画像形成プロセスの速度を決定する。そして、決定された画像形成プロセスの速度と、選択された記録シート収納部61内の記録シートSのサイズから得られる搬送方向(副走査方向)長さとに基づいて、その記録シートSがタイミングローラ対33を通過する時間(通紙時間)X(sec)を演算する。通紙時間Xが演算されると、演算された通紙時間Xに基づいて、タイミングローラ対33の回転を制御するタイミングローラクラッチ85およびフィン73の回動を制御するソレノイド75がそれぞれ制御される。
【0044】
<単数枚片面プリント時の動作説明>
このような構成の画像形成装置において、まず、1枚の記録シートSの片面に対してトナー画像を形成する単数枚片面プリント時の動作について、図6に示すタイムチャートに基づいて説明する。制御部80のCPU81は、入出力インターフェース部82に入力されるプリントジョブの指示、または、スキャナ部10に設けられた操作パネル11のユーザ操作によるプリントジョブの指示により、前述したように、記録シートSのサイズおよび種類を判別し、タイミングローラ対32における通紙時間X(sec)を演算する。また、CPU81は、冷却ファン71を回転駆動して、記録シート供給部60における当該ジョブに対して指示されたサイズおよび種類の記録シートSの給送、画像形成部20による画像形成動作、排紙ローラ対33を回転駆動する排紙モータ86の正転駆動を開始する。
【0045】
その後、シート搬送経路31の下端部に設けられたタイミングローラ対32に記録シートSが搬送されると、中間転写ベルト21の周回移動のタイミングに同期してタイミングローラ対32が回転するように、タイミングローラクラッチ85を動力伝達(オン)状態とする(図6における時間T1参照、以下同様)。同時に、冷却ユニット70に設けられたソレノイド75に対する通電を開始する。これにより、冷却ユニット70におけるフィン73は、図4に示すように、第2姿勢に切り替えられ、排気口72aの全面を通って空気流が低流速で吹き出される。この場合、排気口72aから吹き出される空気流の一部は、定着部50の側方に配置された排紙トレイ20aに向って吹き出されるために、定着部50が排気口72aから吹き出される空気流によって冷却されることが抑制される。
【0046】
タイミングローラクラッチ85がオン状態とされることによりタイミングローラ対34が回転され、記録シートSは、回転するタイミングローラ対34によって、中間転写ベルト21の周回移動に同期して転写部40に搬送される。これにより、中間転写ベルト21上に形成されたトナー画像が記録シートS上に転写される。その後、トナー画像が転写された記録シートSは定着部50に搬送され、定着部50にて記録シートS上のトナー画像が記録シートS上に定着された後にシート排出経路31a内に搬送される。
【0047】
タイミングローラクラッチ85は、所定の通紙時間X(sec)が経過する時間T2において、動力遮断(オフ)状態とされる。
記録シートSが定着部50からシート排出経路31a内に進入する際には、排紙センサ38が記録シートSに接触することによってオン状態になる(時間T3)。その後、シート排出経路31a内に進入した記録シートSは、排気口72aの全面から吹き出される低流速の空気流によって冷却されつつ、正転されている排紙ローラ対33のローラ間に進入し、排紙ローラ対33によって、排紙トレイ20aの上方へと排出される。
【0048】
排紙センサ38のオン状態が、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)にわたって継続すると(時間T4)、CPU81は、冷却ユニット70におけるソレノイド75をオフ状態とする。これにより、図3(a)に示すように、ソレノイド75のプランジャー75aが、引っ張りバネ76の牽引力によって牽引されて、フィン73は、図2に示す第1姿勢に戻される。この第1姿勢では、フィン73の先端部と排気口72aの上流側縁72cとによって狭小な開口幅のスリットが形成され、排気ダクト72内の空気流は、そのスリットから集中的に高流速で吹き出される。
【0049】
この場合、シート排出経路31a内を搬送される記録シートSの先端部は、排紙ローラ対33の間に進入した状態になっているが、シート排出経路31a内には、排紙ローラ対33に進入した部分に連続した当該記録シートSの後側部分が位置しており、その部分に、排気口72aからの空気流が高流速で吹き付けられる。これにより、シート排出経路31a内を通過する記録シートSの後側部分上のトナーが効果的に冷却される。
【0050】
その後、記録シートSの後端が排紙センサ38を通過して排紙センサ38がオフ状態(時間T5)になってから、記録シートSの後端が排紙ローラ対33を通過して排紙トレイ20a上に排出されるまでに要する時間として予め求められている所定時間が経過すると、排紙モータ85の駆動が停止されて排紙ローラ対33の回転が停止する。この場合、フィン73は、図2に示すように、第1姿勢を維持しているために、排気ダクト72内の空気流が排紙トレイ20a上にほとんど排出されず、排紙トレイ20a上に排出される記録シートSは、冷却用の空気流により排紙トレイ20a上を浮き上がったり移動したりするおそれがなく、排紙トレイ20a上において所定の姿勢で積載される。
【0051】
記録シートSは、搬送(排出)方向の後端が定着部50に近い位置になるように排紙トレイ20a上に積載されるために定着部50の熱の影響を受けやすいが、排出時に高流速の空気流によって効果的に冷却されて固化状態とされるために、その後にトナーが定着された別の記録シートSが排紙トレイ20a上に排出されても、記録シートS同士が相互に貼り付くタッキングが生じるおそれがない。
【0052】
以上のように、1枚の記録シートS上の片面に画像を形成する単数枚通紙時において、記録シートSの搬送方向下流側部分におけるトナーを効果的に冷却することができる。しかも、排紙トレイ20a上に排出された記録シートSが移動することも抑制され、排紙トレイ20a上における記録シートSの積載性が向上する。
<複数枚片面プリント時の動作説明>
次に、本発明の画像形成装置において、複数枚の記録シートSのそれぞれの片面に連続して画像を形成する複数枚片面プリント時の動作を図7のタイムチャートに基づいて説明する。1枚目の記録シートSについては、前述した単数枚片面プリント時の場合と同様であり、タイミングローラ対32に1枚目の記録シートSが搬送されると、中間転写ベルト21の周回移動のタイミングに同期してタイミングローラ対32が回転するように、タイミングローラクラッチ85がオン状態とされ、これと同時に、冷却ユニット70に設けられたソレノイド75に対する通電が開始される(図7における時間T11参照、以下同様)。これにより、冷却ユニット70におけるフィン73は、図4に示す第2姿勢とされる。
【0053】
タイミングローラクラッチ85が、予め決定された通紙時間X(sec)にわたってオン状態とされると(時間T12)、記録シートSは、タイミングローラ対34によって転写部40および定着部50を順次通過してシート排出経路31a内に搬送される。1枚目の記録シートSが転写部40から定着部50に搬送されている間には、2枚目の記録シートSに対する画像形成動作が開始され、2枚目の記録シートSが記録シート供給部60から記録シート搬送部30のタイミングローラ対34にまで搬送される。
【0054】
トナー画像が定着された1枚目の記録シートSが定着部50からシート排出経路31a内に進入して排紙センサ38がオン状態になると(時間T13)、シート排出経路31a内を搬送される1枚目の記録シートSは、排気口72aの全面を通過する低流速の空気流によって冷却される。1枚目の記録シートSによって排紙センサ38がオン状態にされると同時に(時間T13)、タイミングローラクラッチ85がオン状態とされ、タイミングローラ対34が通紙時間X(sec)にわたって回転駆動される。これにより、2枚目の記録シートSが転写部40および定着部50に順次搬送され、中間転写ベルト21上のトナー画像が2枚目の記録シートSに転写されて定着される。
【0055】
1枚目の記録シートSによって排紙センサ38がオンされてから、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過すると(時間T14)、冷却ユニット70におけるソレノイド75がオフ状態とされる。これにより、フィン73は、図2に示す第1姿勢になり、フィン73の先端部と排気口72aの上流側縁72cとの狭小な開口幅のスリットから吹き出される高流速状態の空気流が1枚目の記録シートSにおける後側部分に吹き付けられ、1枚目の記録シートSの後側部分におけるトナーが効果的に冷却される。
【0056】
その後、1枚目の記録シートSの全体がシート排出経路31a内に進入することによって排紙センサ38がオフ状態になり(時間T15)、次いで、記録シートSが排紙ローラ対33を通過して排紙トレイ20a上に排出されるまでの所定時間が経過すると、排紙モータ85の駆動が停止され、排紙ローラ対33の回転が停止される。この場合、フィン73は第1姿勢になっているために、排気口72aから排紙トレイ20a上に空気流が吹き出されることが抑制されており、排紙トレイ20a上に排出される記録シートSは、排紙トレイ20a上を移動することが抑制され、排紙トレイ20a上に安定的に積載される。
【0057】
その後、1枚目の記録シートSが排紙トレイ20a上において積載された状態になった後の所定のタイミング(時間T16)でソレノイド75をオン状態とする。これにより、フィン73は、図4に示す第2姿勢となり、排気口72aの全面から低流速の空気流が吹き出される。このように、1枚目の記録シートSが排紙トレイ20a上に積載された状態になった後に、空気流の一部が排紙トレイ20aに向って吹き出されるが、吹き出される空気流が低流速状態になっていることから、排紙トレイ20a上に積載された状態の記録シートSが排紙トレイ20a上を移動するおそれがない。また、排紙トレイ20a上に積載された記録シートSにおける定着部50に近接した後端部分が低流速状態の空気流によって冷却され、定着部50によって加熱されることが抑制される。
【0058】
なお、この場合のソレノイド75に対する通電の開始タイミングは、1枚目の記録シートSが排紙トレイ20a上に積載された後であって、2枚目の記録シートSによって排紙センサ38がオンするまでの間であれば特に限定されない。
このような状態で、2枚目の記録シートSが定着部50を通過して、排紙センサ38がオン状態になると(時間T17)、1枚目の記録シートSの場合と同様に、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過した時点で(時間T18)、ソレノイド75をオフ状態とする。これにより、フィン73は、図2に示す第1姿勢となり、シート排出経路31a内を搬送される2枚目の記録シートSの後側部分が、高流速の空気流が吹き付けられることによって効率よく冷却される。
【0059】
次いで、2枚目の記録シートSによって排紙センサ38がオフ状態になり(時間T19)、その後、2枚目の記録シートSが排紙ローラ対33を通過して排紙トレイ20a上に積載される所定時間が経過すると、排紙ローラ対33の回転が停止するように排紙モータ85の駆動が停止される。
2枚目の記録シートSは排紙トレイ20a上に排出される場合には、フィン73が第1姿勢になっているために、排紙トレイ20a上に向って空気流が吹き出されるおそれがなく、2枚目の記録シートSは排紙トレイ20a上において、1枚目の記録シートSに対して乱れることなく所定の姿勢で安定的に積載される。また、2枚目の記録シートSの後側部分が高流速の空気流によって効果的に冷却されているために、2枚目の記録シートSの後側部分のトナーは固化した状態になっており、2枚目の記録シートSが1枚目の記録シートSに積載されることによって、2枚の記録シートS同士が貼り付くおそれもない。
【0060】
なお、3枚以上の記録シートSのそれぞれの片面に対し連続して画像形成動作を行う場合には、連続して搬送される記録シートSに対して、図7に示すタイミングチャートに基づく制御が実行される。
以上のように、複数枚の記録シートS上のそれぞれの片面に画像を連続して形成する複数枚片面プリント時においても、排紙トレイ20a上に連続して排出される記録シートSを、乱れることなく、また、相互に貼り付くことなく、排紙トレイ20a上に積載することができる。
【0061】
<単数枚両面プリント時の動作説明>
次に、1枚の記録シートSの両面に画像を形成する単数枚両面プリント時の画像形成装置の動作を、図8のタイムチャートに基づいて説明する。この場合も、最初の画像形成動作時における制御タイミングは、前記単数枚片面プリント時の場合と同様であり、タイミングローラ対32を所定のタイミングで回転するようにタイミングローラクラッチ85がオン状態とされるとともに、冷却ユニット70に設けられたソレノイド75に対する通電が開始される(図8における時間T21参照、以下同様)。これにより、冷却ユニット70におけるフィン73は、図4に示す第2姿勢とされる。
【0062】
このような状態で、記録シートSは、転写部40および定着部50を通過した後にシート排出経路31a内に搬送される。タイミングローラクラッチ85は、予め演算された通紙時間X(sec)が経過すると、オフ状態とされる(時間T22)。
定着部50を通過した記録シートSがシート排出経路31a内に進入することによって排紙センサ38がオン状態になり(時間T23)、その後、排紙センサ38のオン状態が通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)にわたって継続すると(時間T24)、冷却ユニット70におけるソレノイド75がオフ状態とされる。これにより、フィン73は第1姿勢に回動される。従って、シート排出経路31a内を搬送されている記録シートSは、排気口72aの全面をほぼ均等に分散した状態で通過する低流速の空気流によって冷却された後に、後側部分が高流速で吹きつけられる空気流によって冷却される。
【0063】
その後、排紙センサ38がオフ状態になり(時間T25)、記録シートSの後端が排紙ローラ対33を通過する直前のタイミング(時間T26)で排紙モータ86が逆転駆動されて、排紙ローラ対33が逆転される。この場合、排紙モータ86は、正転駆動時における2倍の回転速度になるように制御され、通紙時間X(sec)の50%の時間にわたって逆転駆動される。これにより、記録シートSの搬送方向が反転されて、記録シートSはシート排出経路31aからシート循環路35内へ搬送される。そして、通紙時間X(sec)の50%の時間が経過して(時間T27)、記録シートSが排紙ローラ対33から離れると、排紙ローラ対33が正転されるように排紙モータ86が制御される。これと同時(時間T27)に、ソレノイド75に対して通電が開始され、フィン73は、図4に示す第2姿勢とされ、排気口72aから低流速で空気流が吹き出される。このように、記録シートSがシート排出経路31aからシート循環路35内へ高速で搬送されるために、高流速の空気流によって過度に冷却されることが抑制され、記録シートSがカールすることが防止される。なお、記録シートSがカールすることを確実に防止するためには、排紙ローラ対33が逆転駆動されると同時にソレノイド75に通電して、フィン73を第2姿勢とすることにより、高流速の空気流がシート循環路35内へ搬送される記録シートSに吹き付けられないようにすることが好ましいが、必ずしも、排紙ローラ対33の逆転駆動とソレノイド75への通電開始とを同時にする必要はない。
【0064】
その後、シート循環経路35内を記録シートSが搬送され、シート搬送経路31内のタイミングローラ対33にまで搬送されて表裏を反転された状態になると(時間T28)、記録シートSの表面に対する画像形成動作時と同様に、タイミングローラ対32を所定のタイミングで回転するようにタイミングローラクラッチ85がオン状態とされる。そして、予め演算された通紙時間X(sec)が経過するまでタイミングローラクラッチ85のオン状態を継続することによって(時間T29)、記録シートSは、転写部40、定着部50、シート排出経路31aに順次搬送され、排紙センサ38がオン状態になる(時間T30)。さらにその後に、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過することにより(時間T31)、ソレノイド75に対する通電を遮断してフィン73を第1姿勢とする。これにより、シート排出経路31a内を搬送される記録シートSは、低流速の空気流によって冷却された後に、後側部分が高流速の空気流によって冷却される。その後、排気口72aから排紙トレイ20aに対してほとんど空気流が吹き付けられることがない状態で、記録シートSが排紙トレイ20a上に排出される。従って、両面に画像が形成された記録シートSは排紙トレイ20a上において乱れることなく積載される。
【0065】
以上のように、1枚の記録シートSの両面に画像を形成する単数枚両面プリント時においても、記録シートSの両面におけるトナーを確実に冷却することができ、また、排紙トレイ20a上に乱れることなく積載することができる。
<複数枚両面プリント時の動作説明>
次に、複数枚の記録シートSの両面のそれぞれに画像を連続して形成する複数枚両面プリント時における画像形成装置の動作を、図9のタイムチャートに基づいて説明する。1枚目の記録シートSの表面に画像を形成する場合は、前記複数枚両面プリント時の場合と同様に、タイミングローラクラッチ85を所定のタイミングでオン状態にするとともに、冷却ユニット70に設けられたソレノイド75に対する通電を開始する(図9における時間T41参照、以下同様)。これにより、冷却ユニット70におけるフィン73は、図4に示す第2姿勢になる。
【0066】
タイミングローラクラッチ85は、予め演算された通紙時間X(sec)にわたってオン状態とされて(時間T42)、記録シートSが、転写部40、定着部50、シート排出経路31a内に順次搬送される。また、この間に、2枚目の記録シートSの表面に対する画像形成動作が開始され、2枚目の記録シートSが記録シート供給部60から記録シート搬送部30のタイミングローラ対34にまで搬送される。
【0067】
トナー画像が表面に定着された1枚目の記録シートSが定着部50からシート排出経路31a内に進入して、排紙センサ38がオン状態になると(時間T43)、シート排出経路31a内を搬送される1枚目の記録シートSは、排気口72aの全面を通過する低流速の空気流によって冷却されつつ搬送される。その後、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過することにより(時間T44)、ソレノイド75がオフされ、フィン73が第1姿勢に戻る。これと同時に時間T44)に、タイミングローラ対34が通紙時間X(sec)にわたって回転駆動されるようにタイミングローラクラッチ85がオン状態とされ、2枚目の記録シートSが転写部40および定着部50に順次搬送される。
【0068】
その後、1枚目の記録シートSの後端がシート排出経路31a内に搬送されることによって排紙センサ38がオフ状態になり(時間T45)、さらには、1枚目の記録シートSの後端が排紙ローラ対33を通過する直前のタイミング(時間T46)で排紙モータ86が逆転駆動される。これにより、排紙ローラ対33が逆転されて、1枚目の記録シートSは、搬送方向を反転してシート排出経路31aからシート循環路35内へ搬送される。この場合、排紙ローラ対33は正転駆動時における2倍の回転速度になるように排紙モータ86が制御され、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)にわたって逆転駆動される。これにより、記録シートSはシート排出経路31aからシート循環路35内へと高速で搬送される。これと同時(時間T46)に、ソレノイド75に対して通電され、フィン73は、図4に示す第1姿勢とされる。この場合、1枚目の記録シートSは、高速でシート循環路35内へ搬送されるために、過度に冷却されることが抑制されてカールすることが防止される。
【0069】
排紙モータ85が逆転駆動される間に2枚目の記録シートSの搬送のためのタイミングローラクラッチ85のオン状態が終了する(時間T47)。その後、排紙モータ85の逆転駆動から通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過することによって、1枚目の記録シートSをシート循環路35内へ搬送するための排紙モータ85の逆転駆動が停止されて、排紙モータ85が正転駆動される(時間T48)。このような状態で、表面にトナー像が定着された2枚目の記録シートSがシート排出経路31a内に進入することによって排紙センサ38がオンし(時間T49)、排紙センサ38がオンしてから通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過することにより、ソレノイド75に対する通電を遮断する(時間T50)。これにより、フィン73が第1姿勢に戻り、シート排出経路31a内を搬送される2枚目の記録シートSが1枚目の記録シートSと同様に、最初は低流速状態の空気流によって冷却され、その後に高流速状態の空気流によって冷却される。
【0070】
このとき、シート循環路35内を搬送された1枚目の記録シートSは、シート搬送経路31の下端部におけるタイミングローラ対33にまで搬送されて表裏を反転された状態になっており、ソレノイド75に対する通電が遮断されるタイミングと同時(時間T50)に、タイミングローラクラッチ85がオン状態とされてタイミングローラ対33が回転される。これにより、1枚目の記録シートSは、転写部40および定着部50に搬送されて、1枚目の記録シートSの裏面にトナー画像が転写されて定着される。
【0071】
1枚目の記録シートSの裏面にトナー画像を転写および定着するためにタイミングローラクラッチ85がオン状態とされている間に、2枚目の記録シートSは、全体がシート排出経路31a内に進入し、排紙センサ38はオフ状態になる(時間T51)。その後、2枚目の記録シートSの後端が排紙ローラ対33を通過する直前のタイミング(時間T52)で排紙モータ86が、正転駆動時における2倍の回転速度であって通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)にわたって逆転駆動される。これにより、排紙ローラ対33が逆転され、2枚目の記録シートSは搬送方向を反転されて、シート排出経路31aからシート循環路35内へと高速で搬送される。これと同時(時間T52)に、ソレノイド75に通電され、フィン73は、図4に示す第2姿勢とされる。この場合、2枚目の記録シートSも、高速でシート循環路35内へ搬送されるために、高流速で排気口72aから吹き出される空気流によって過度に冷却されることが抑制されてカールすることが防止される。
【0072】
排紙モータ85の逆転駆動が開始された後に、タイミングローラクラッチ85のオン状態が通紙時間X(sec)になることにより、タイミングローラクラッチ85はオフされる(時間T53)。そして、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)にわたって排紙モータ85が逆転駆動されると、排紙モータ85が正転駆動される(時間T54)。このような状態で、1枚目の記録シートSが定着部50を通過してシート排出経路31a内に進入することによって排紙センサ38がオンし(時間T55)、排紙センサ38がオンしてから通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過することにより、ソレノイド75に対する通電を遮断する(時間T56)。これにより、フィン73は第1姿勢に戻る。このとき、シート循環路35内を搬送された2枚目の記録シートSは、シート搬送経路31の下端部におけるタイミングローラ対33にまで搬送されて表裏を反転された状態とされており、ソレノイド75に対する通電を遮断するタイミングと同時(時間T56)に、タイミングローラクラッチ85がオン状態とされてタイミングローラ対33が回転される。これにより、2枚目の記録シートSは、転写部40および定着部50に搬送されて、2枚目の記録シートSの裏面にトナー画像が転写されて定着される。
【0073】
2枚目の記録シートSの裏面にトナー画像を転写および定着のためにタイミングローラクラッチ85がオン状態とされている間に、1枚目の記録シートSは、定着部50を通過して、排紙センサ38はオフ状態になる(時間T57)。その後、1枚目の記録シートSが排紙ローラ対33を通過して排紙トレイ20a上に積載された後の所定のタイミングでソレノイド75に通電され(時間T58)、フィン73は、図4に示す第2姿勢とされる。従って、シート排出経路31a内を搬送される1枚目の記録シートSの裏面は、後側部分が高流速の空気流によって効果的に冷却されて排紙トレイ20a上に積載され、その後にフィン73が切り替えられて空気流の一部が排紙トレイ20a上に向って吹き出されるが、記録シートSが排紙トレイ20a上に載置された状態であり、しかも、空気流が低流速であるために、排紙トレイ20a上において姿勢が変化するおそれがない。
【0074】
その後、タイミングローラクラッチ85のオン状態が通紙時間X(sec)にわたって継続することによりタイミングローラクラッチ85はオフ状態とされ(時間T59)、そのオフ後に、2枚目の記録シートSが、シート排出経路31a内に進入することによって排紙センサ38がオン状態になる(時間T60)。さらにその後に、通紙時間X(sec)の50%の時間であるX/2(sec)が経過すると(時間T61)、ソレノイド75に対する通電が遮断され、フィン73は第1姿勢に戻される。これにより、シート排出経路31a内を搬送される2枚目の記録シートSは、低流速の空気流によって冷却された後に、高流速の空気流によって冷却される。
【0075】
その後、2枚目の記録シートSの全体がシート排出経路31a内に進入することによって排紙センサ38がオフ状態になり(時間T62)、正転駆動されているローラ対33によって2枚目の記録シートSが排紙トレイ20a上に排出される。この間は、フィン73が第1姿勢になっているために、排紙トレイ20aには空気流がほとんど吹き出されていないために、2枚目の記録シートSは、排紙トレイ20a上に積載されている1枚目の記録シートS上に安定的に積載される。しかも、1枚目の記録シートSおよび2枚目の記録シートSのいずれにおいても、表面および裏面のトナーが確実に固化された状態になっており、両者が相互に貼り付くおそれもない。
【0076】
なお、3枚以上の記録シートSのそれぞれの両面に対し連続して画像形成動作を行う場合には、先行の記録シートSおよび後続の記録シートSに対して、それぞれ、図9に示すタイミングチャートに示された1枚目および2枚目の記録シートSと同様の制御が繰り返し実行される。
以上のように、複数枚の記録シートS上のそれぞれの両面に画像を連続して形成する複数枚両面プリント時においても、排紙トレイ20a上に連続して排出される記録シートSを、乱れることなく、また、相互に貼り付くことなく、排紙トレイ20a上に積載することができる。
【0077】
なお、本発明に係る画像形成装置は、タンデム型カラーデジタルプリンタに限るものではなく、例えば、回転軸の周囲に4つの現像装置を配置し、これら4つの現像装置を、順次、静電潜像担持体に対向させてフルカラー画像を形成する、いわゆる4サイクル方式の画像形成装置、1つの現像装置しか備えていないモノクロ画像形成装置であってもよい。また、複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、定着部によってトナー画像を定着させる画像形成装置に適用することができる。本発明によって、定着部を通過した記録シート上のトナーを、空気流の吹き付けによって全体にわたって効果的に冷却することができ、しかも、排紙トレイ上に排出される記録シートの姿勢が乱れるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態であるタンデム型カラーデジタルプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示すタンデム型カラーデジタルプリンタに設けられた定着部の周辺の概略構成を示す模式図である。
【図3】(a)は、フィンを回動させる駆動機構の構成を示す模式図、(b)はその動作説明図である。
【図4】フィンの動作を説明するための定着部の周辺の構成を示す模式図である。
【図5】本発明の画像形成装置の制御系の主要部のブロック図である。
【図6】本発明の画像形成装置における単数枚片面プリント時の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】本発明の画像形成装置における複数枚片面プリント時の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の画像形成装置における単数枚両面プリント時の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】本発明の画像形成装置における複数枚両面プリント時の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0080】
10 スキャナ部
20 画像形成部
20a 排紙トレイ
21 中間転写ベルト
22Y、22M、22C、22K 作像部
30 記録シート搬送部
31 シート搬送経路
31a シート排出経路
33 排紙ローラ対
35 シート循環経路
38 排紙センサ
40 転写部
50 定着部
60 記録シート供給部
71 冷却ファン
72 排気ダクト
72a 排気口
72c 上流側縁
72d 下流側縁
73 フィン
74 ソレノイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部によって形成されたトナー画像を転写部によって記録シート上に転写した後に定着部によって記録シートに熱定着し、トナー画像が熱定着された記録シートを排紙ローラによってシート排出経路から排紙トレイ上に排出する画像形成装置であって、
前記シート排出経路内を搬送される記録シートを冷却するために排気口から空気流を吹き出す冷却手段と、
前記排気口から吹き出される空気流を前記シート排出経路内における前記排紙ローラよりも記録シート搬送方向上流側に向って集中的に吹き出されるように案内する第1状態と、前記空気流を前記シート排出経路および前記排紙トレイに向って前記排気口の全体に分散して該排気口から吹き出されるように案内する第2状態とに切り替え可能になった風向変更手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却手段は、冷却ファンから吐出される空気を案内する排気ダクトを備え、
該排気ダクトの底面の一部が前記シート排出経路を搬送される記録シートの案内面を兼ねており、
該排気ダクトの底面には、前記シート排出経路の下流側部分に対向して前記排気口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排気口は、前記シート排出経路を搬送される記録シートの幅方向に沿って延びており、
前記風向変更手段は、前記排気口に沿って延びる長板状のフィンを備え、
該フィンは、その長手方向に沿った揺動軸を中心として揺動自在に支持されており、該フィンの揺動によって前記排気口に向って空気流が通過する開口面積が変更されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記フィンは、前記第1状態では前記開口面積を小さくし、前記第2状態では前記開口面積を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フィンは、ソレノイドによって回動されることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記風向変更手段は、前記シート排出経路内に前記記録シートが進入する際に前記第2状態とされ、前記記録シートが前記シート排出経路内を通過中であって該シート排出経路内に進入してから所定時間経過後に前記第1状態に切り替えられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記シート排出経路内に進入する前記記録シートを検出する排紙センサをさらに備え、
前記風向変更手段は、前記排紙センサによって記録シートが検出されてから所定時間経過後に、前記第2状態から前記第1状態に切り替えられることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記所定時間は、前記記録シートが前記転写部を通過する時間の50%に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記定着部から前記シート排出経路内に複数の記録シートが連続的に搬送される場合に、先行する記録シートが前記排紙センサを通過してから前記排紙トレイ上に積載されるまでに要する時間が経過することにより、前記風向変更手段が、前記第1状態から前記第2状態に切り替えられることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記シート排出経路内に搬送される記録シートを、表裏が反転された状態で前記画像形成部に循環させるシート循環路をさらに備え、
前記排紙ローラは、前記記録シートを前記シート循環路に搬送するために逆回転され、
前記風向変更手段が、前記排紙ローラの逆回転に同期して前記第1状態から前記第2状態に切り替えられることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記排紙ローラは、前記記録シートを前記排紙トレイ上に排出する場合の2倍の回転速度で前記記録シートが前記転写部を通過する時間の50%の時間にわたって逆回転されることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−54834(P2010−54834A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220065(P2008−220065)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】