説明

画像形成装置

【課題】淡色トナーと濃色トナーとを併用する現像においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、静電潜像が形成される第1及び第2の感光体3a〜3fと、この第1及び第2の感光体3a〜3fに形成された静電潜像をそれぞれ現像する第1及び第2の現像ローラを備え、第1の現像ローラが用いる第1のトナーと第2の現像ローラが用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、第1のトナーは第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、第1のトナーと第2のトナーとを用いて画像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、現像剤として同一色相で濃度の異なるトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ等電子写真方式の画像形成装置は、像担持体である感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによりトナー像として現像する。そして、このトナー像は用紙上に転写され、その後、用紙上のトナー像は定着装置にて加えられる熱と圧力により用紙上に溶融定着される。
【0003】
また、一般に、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の各色成分の画像を重ね合わせて画像を形成するようにしたカラー画像形成装置では、トナーと磁性キャリアとが混合された二成分現像剤が広く用いられている。このようなカラー画像形成装置において、更なる高画質化のために、淡色トナーと濃色トナーとを併用する画像形成装置の開発が進められている。例えば、C、M、Y、Bkといった濃色トナーのみでなく、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、LBk(ライトブラック)等の濃色トナーと同一分光成分を持つ淡色トナーを現像器に充填し、濃色トナーと淡色トナーを併用している。
【0004】
例えば、特許文献1では、画像の低濃度部においては淡色トナーを積極的に使用し、高濃度部においては淡色トナーと濃色トナーとを併用する。これにより、低濃度部における粒状感を低減し、高濃度部でのトナー使用量を抑え、再現色範囲を広げることが可能となり、画質の向上を達成している。
【0005】
しかしながら、淡色トナーと濃色トナーとを併用する方式では、上述のようなメリットがある一方で、大粒径のトナーから選択的に現像され小粒径のトナーが現像ローラ上に残留するという選択現像や、現像ローラと感光体間における電圧リークという問題が発生し易い。
【0006】
そこで、選択現像に対して、特許文献2では、現像終了後における現像ローラ上に残留付着するトナーを掻き取る掻き取りブレードと、掻き取りブレードにより掻き取られたトナーを静電気的に吸着させるとともに、その吸着したトナーを磁気ローラ上の磁気ブラシに接触させる電極ローラとを設けている。この構成により、現像後の現像ローラ上に残留付着するトナーはすべて掻き取られるため、現像ローラ上に担持されているトナーの粒径が小粒径化することを防止している。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、掻き取りブレードと、電極ローラと、電極ローラの回転駆動手段、及び電極ローラの吸着用のバイアス電源が必要であり、装置構成が複雑になり、装置が大型化してしまうことや、制御が複雑になるという問題があった。
【0008】
また、感光体と現像ローラ間の電圧リークに対して、特許文献3では、現像ローラに現像バイアスを印加して、トナーを現像ローラから分離させ、分離されたトナーで光導電ベルト上の潜像を現像する現像装置において、現像ローラ表面にはフェノール樹脂が形成されている。現像ローラ表面の導電率を低くすることによって、現像ローラのリークを防止している。
【0009】
しかしながら、上述した従来技術では、現像ローラ表面にフェノール樹脂を施すのは、コスト高にあり、また繰り返し現像が行われると、現像ローラ表面の磨耗によって、樹脂層が剥がれていき、樹脂層の抵抗が徐々に低くなるため、現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制することが難しくなるというという問題があった。
【特許文献1】特開2000−231279号公報(段落[0049]〜[0058]、図3)
【特許文献2】特開平11−231652号公報(段落[0029]〜[0031]、図1)
【特許文献3】特開平6−130806号公報(段落[0019]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、淡色トナーと濃色トナーとを併用する現像においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記第1の現像部材に印加する直流成分の電位と前記第1の像担持体の露光部電位との電位差は、前記第2の現像部材に印加する直流成分の電位と前記第2の像担持体の露光部電位との電位差より大きいことを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材と像担持体間の電位差が相対的に大きいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材と像担持体間の電位差が大きくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材と像担持体間の電位差が相対的に小さいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材と像担持体間の電位差が相対的に小さくても、小粒径のトナーも現像に供される。
【0013】
また、請求項2に記載の発明では、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記第1の現像部材に印加する交流バイアス電圧は、前記第2の現像部材に印加する交流バイアス電圧より大きいことを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材に印加する交流バイアス電圧が相対的に大きいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材に印加する交流バイアス電圧が大きくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材に印加する交流バイアス電圧が相対的に小さいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材に印加する交流バイアス電圧が相対的に小さくても、小粒径のトナーも現像に供される。
【0015】
また、請求項3に記載の発明では、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記第1の現像部材に印加する交流バイアスのデューティは、前記第2の現像部材に印加する交流バイアスのデューティより大きいことを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが相対的に大きいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが大きくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが相対的に小さいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが相対的に小さくても、小粒径のトナーも現像に供される。
【0017】
また、請求項4に記載の発明では、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記第1の現像部材に印加する交流バイアスの周波数は、前記第2の現像部材に印加する交流成バイアスの周波数より小さいことを特徴としている。
【0018】
この構成によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が相対的に小さいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が小さくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が相対的に大きいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が相対的に大きくても、小粒径のトナーも現像に供される。
【0019】
また、請求項5に記載の発明では、前記像担持体は静電潜像が形成される第1及び第2の像担持体を備え、前記第1及び第2の像担持体に形成された静電潜像をそれぞれ前記第1及び第2の現像部材が現像し、前記第1及び第2の現像部材に対向して配置され各現像剤を担持して各トナーを前記第1及び第2の現像部材に供給する第1及び第2の磁気ローラとを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材と像担持体間の電位差が相対的に大きいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材と像担持体間の電位差が大きくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材と像担持体間の電位差が相対的に小さいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材と像担持体間の電位差が相対的に小さくても、小粒径のトナーも現像に供される。従って、淡色トナーと濃色トナーとを併用する現像においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制することができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材に印加する交流バイアス電圧が相対的に大きいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材に印加する交流バイアス電圧が大きくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材に印加する交流バイアス電圧が相対的に小さいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材に印加する交流バイアス電圧が相対的に小さくても、小粒径のトナーも現像に供される。従って、淡色トナーと濃色トナーとを併用する現像においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制することができる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが相対的に大きいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが大きくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが相対的に小さいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材に印加する交流バイアスのデューティが相対的に小さくても、小粒径のトナーも現像に供される。従って、淡色トナーと濃色トナーとを併用する現像においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制することができる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明によれば、第1の現像部材は第1のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第1の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が相対的に小さいので、大粒径のトナーとともに小粒径のトナーも現像に供される。第1のトナーは相対的に濃度が薄いため、トナーの抵抗が大きくなり、第1の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が小さくても、電圧リークが抑制される。一方、第2の現像部材は第2のトナーによって像担持体の静電潜像を現像する。このとき、第2の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が相対的に大きいので、電圧リークが抑制される。第2のトナーは相対的に濃度が濃いため、トナーの抵抗が小さくなり、第2の現像部材に印加する交流バイアスの周波数が相対的に大きくても、小粒径のトナーも現像に供される。従って、淡色トナーと濃色トナーとを併用する現像においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制することができる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明によれば、像担持体は静電潜像が形成される第1及び第2の像担持体を備え、第1及び第2の像担持体に形成された静電潜像をそれぞれ第1及び第2の現像部材が現像し、第1及び第2現像部材に対向してそれぞれ配置され第1及び第2現像剤を担持して第1及び第2トナーを現像部材に供給する第1及び第2磁気ローラとを備え、第1及び第2トナーを用いて画像形成する画像形成装置においても、選択現像による画像濃度低下やトナー飛散を抑制し、また現像ローラと感光体間における電圧リークを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。本発明の実施形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すタンデム型カラープリンタの概略構成図である。図1において、画像形成装置100は、直方体形状のハウジングを有し、その内部に、用紙を収容する給紙部10と、給紙部10の上方に配される6個の画像形成部30a〜30fと、画像形成部30a〜30fの左方に配される定着部40と、給紙部10の右方に配される用紙搬送路20と、装置の上部に用紙を排出する排出部50とを備えている。
【0027】
給紙部10は、各給紙カセット13内に積層載置された用紙を1枚ずつ給紙カセット13の出口側(図1の右側)に繰り出す各フィードローラ21を備え、繰り出した用紙を用紙搬送路20に給紙する。用紙搬送路20は搬送ローラ対及び搬送ガイド等を備えてなり、繰り出された用紙を画像形成部30a〜30fに向けて搬送するものである。
【0028】
画像形成部30a〜30fは、上流側(図1の右側)から搬送方向に沿って、装置の水平方向に直列に配置されている。各画像形成部30a〜30fは、像担持体としての円筒状の感光体3a〜3fを有するとともに、その回転方向の周囲に上流側から順に、帯電器32a〜32fと、現像器34a〜34fと、転写ローラ35a〜35fと、クリーナー36a〜36fが配設されている。
【0029】
回転自在である感光体3a〜3fは、感光層を形成する感光材料として、アモルファスシリコン感光体が用いられる。感光層は有機感光体(OPC感光体)でもよい。現像器34a〜34fは、感光体3a〜3fの右方に配され、現像ローラとトナーの収容部とを有し、感光体3a〜3fにトナーを供給する。帯電器32a〜32fは感光体3a〜3f表面を一様に帯電させる。
【0030】
画像形成部30aは淡い濃度のマゼンタ(LM)トナーを用い、画像形成部30bは淡い濃度のシアン(LC)トナーを用いて画像を形成する。画像形成部30c、30d、30e、30fは、それぞれ濃い濃度のマゼンタ(DM)、濃い濃度のシアン(DC)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色のトナーを用いて画像を形成する。本実施形態では、LMトナー、LCトナーを「淡色トナー」という。またDMトナー、DCトナー、Yトナー、Bkトナーを「濃色トナー」という。
【0031】
露光器33a〜33fは、パーソナルコンピュータ等から画像入力部(図略)に入力された原稿画像データに基づいて、各感光体3a〜3f表面にレーザ光を照射する。照射されたレーザ光により、各感光体3a〜3f表面には静電潜像が形成され、この静電潜像が各現像器34a〜34fにより現像される。
【0032】
用紙搬送ベルト38は、駆動ローラ62及び従動ローラ61間に張架されるとともに、感光体3a〜3fと転写ローラ35a〜35fとの間に、用紙を搬送するベルト走行路が形成されている。各転写ローラ35a〜35fは、用紙搬送ベルト38を挟んで各感光体3a〜3fと対向して用紙搬送転写ベルト38に圧接し、転写ニップ部を形成する。この各転写ニップ部において、用紙搬送ベルト38の回転とともに所定のタイミングで、用紙搬送路20から搬送される用紙に、各感光体3a〜3fのトナー像が順次転写されることにより、用紙には各トナー像が重ね合わされ、カラートナー像が形成される。
【0033】
トナータンク39a〜39fは、画像形成部30a〜30fの上方に配され、それぞれ各色のトナーを収容する。各色のトナーが対応する現像器34a〜34fに供給される。
【0034】
定着部40は、画像形成部30aの下流側に配され、画像形成部30a〜30fにおいてトナー像が転写された用紙11を加熱及び加圧して用紙にトナー像を溶融定着させる。定着部40を通過した用紙は、用紙搬送路15を介して排出部50へ排出される。
【0035】
次に、現像器34a〜34fについて図2に基づいて説明する。図2は、上述の画像形成装置1に用いられる現像器の構成を示す断面図である。なお、以下の説明では、図1の感光体3aと相対する現像器34aの構成及び動作について説明するが、現像器34b〜34fの構成及び動作については現像器34aと同様であり説明を省略し、また各色の現像器及び感光体を示すa〜fの符号を省略し、必要な場合には、a〜fの符号を付与して説明する。
【0036】
図2に示すように、現像器34は、現像部材としての現像ローラ2と、磁気ローラ1と、パドルミキサー22と、撹拌スクリュー23、及び規制ブレード9等により構成されている。
【0037】
撹拌スクリュー23は、磁性体のキャリアとトナーからなる現像剤を撹拌して、現像剤中のトナーを所定のレベルに帯電させる。これによりトナーは、キャリアに保持される。また、撹拌スクリュー23が回転すると、現像剤がパドルミキサー22に搬送され、撹拌スクリュー23とパドルミキサー22とを循環する。パドルミキサー22が回転して、現像剤を磁気ローラ1に搬送する。
【0038】
磁気ローラ1は、非磁性金属材料で回転可能な円筒状に形成され、内部に複数の固定磁石が配設されて、その磁石によって現像剤に含まれるキャリアによる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシの層厚が規制ブレード9により規制される。そして磁気ローラ1には、バイアス電源8によって、バイアス電圧が印加される。また、現像ローラ2には、直流電源7aと交流電源7bによって、交流電圧に直流電圧を重畳したバイアス電圧が印加される。現像ローラ2と磁気ローラ1間には、これらのバイアスによる電界が形成される。この磁気ローラ1と現像ローラ2間の電界によって、磁気ローラ1上の磁気ブラシが現像ローラ2に接触すると、帯電したトナーのみが現像ローラ2上に所定の層厚で付着する。
【0039】
現像ローラ2は磁気ローラ1から供給されたトナー薄層を担持する。また、現像ローラ2には、直流電源7aと交流電源7bによるバイアスが印加され、一方、感光体3上には、露光器33(図1参照)からレーザ光11を照射された露光部に静電電位が形成されている。現像ローラ2のバイアス電位と露光部の電位との電位差により、帯電したトナー薄層が現像ローラ2から感光体3に飛翔する。飛翔したトナーが感光体3上の露光部に付着し、静電潜像が現像される。
【0040】
次に、淡色トナーと濃色トナーとを用いた画像形成について説明する。例えばシアンの淡色トナー(LCトナー)は、用紙上の載り量が0.5mg/cm2である時の光学濃度が1未満であるように顔料を調合される。本実施形態では、光学濃度が0.7である。シアン濃色トナー(DCトナー)は、用紙上の載り量が0.5mg/cm2である時の光学濃度が1以上であるように顔料を調合される。本実施形態では、光学濃度が1.2である。
【0041】
LCトナーとDCトナーとを用いた画像形成においては、図3(a)、(b)に示すLC用ルックアップテーブルと、DC用ルックアップテーブルに基づいて画像形成が行われる。図3(a)は、LCトナー用ルックアップテーブルを示す図であり、図3(b)は、DCトナー用ルックアップテーブルを示す図である。尚、図3(a)、(b)の横軸は、それぞれDCトナーとLCトナーとの2つの画像データに分割する前の画像入力信号の階調値(0〜255レベル)であり、縦軸は、それぞれDCトナーとLCトナーに画像データに分割したときの画像出力信号の階調値(0〜255レベル)である。
【0042】
図3に示すように、画像入力信号の低濃度部から中濃度部(0〜128レベル)においてLCトナーを用いて、画像入力信号の中濃度部から高濃度部(128〜255レベル)において、LCトナーとDCトナーとを重ね合わせて、濃度階調再現を行っている。
【0043】
つまり、図1に示す露光器33bでは、LC用ルックアップテーブル(図3(a))の画像出力信号に基づいて、感光体3b表面にレーザ光が照射され、感光体3b表面に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像ローラ2bにより現像される。次に、感光体3bのLCトナー像が用紙に転写される。また、露光器33dでは、DC用ルックアップテーブル(図3(b))の画像出力信号に基づいて、感光体3d表面にレーザ光が照射され、感光体3d表面に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像ローラ2dにより現像される。次に、感光体3dのDCトナー像が用紙上のLCトナー像に重ね合わされることにより、用紙にシアン色の濃度階調が形成されることになる。
【0044】
ここで、LCトナーを用いる現像においては、直流電源7a(図2参照)によって現像ローラ2に印加する直流成分の電位Vdcと、感光体3の露光部電位Vmとの電位差ΔV
を相対的に大きくしている。
【0045】
この電位差ΔVが大きいと、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きいトナー、つ
まり小粒径トナーも、電位差ΔVによって形成される電界中を飛翔しやすくなり、静電潜
像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着する。LCトナーは、光学濃度が1未満で、顔料の充填量が相対的に小さいため、トナーの抵抗が大きくなり、現像ローラ2と感光体3間の電位差ΔVが大きくても、電圧リークが抑制される。
【0046】
一方、DCトナーを用いる現像においては、直流電源7aによって現像ローラ2に印加する直流成分の電位Vdcと感光体の露光部電位Vmとの電位差ΔVを相対的に小さくし
ている。
【0047】
この電位差ΔVが小さいと、現像ローラ2と感光体3間の電圧リークが抑制される。D
Cトナーは、光学濃度が1以上で、顔料の充填量が相対的に大きいため、トナーの抵抗が小さくなり、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、電位差ΔV
が小さくとも、飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着することになる。
【0048】
選択現像と電圧リークを抑制するのに、上述以外の方法として、淡色トナー用現像ローラと濃色トナー用現像ローラとの交流バイアス電圧を異ならせて設定するようにしてもよい。
【0049】
つまり、LCトナーを用いる現像においては、交流電源7bによって現像ローラ2に印加する交流バイアス電圧Vppを相対的に大きくする。
【0050】
この交流バイアス電圧Vppが大きいと、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、現像ローラ2から飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着する。LCトナーは、光学濃度が1未満で、顔料の充填量が相対的に小さいため、トナーの抵抗が大きくなり、現像ローラ2と感光体3間の交流バイアス電圧Vppが大きくても、電圧リークが抑制される。
【0051】
一方、DCトナーを用いる現像においては、交流電源7bによって現像ローラ2に印加する交流バイアス電圧Vppを相対的に小さくする。
【0052】
この交流バイアス電圧Vppが小さいと、現像ローラ2と感光体3間の電圧リークが抑制される。DCトナーは、光学濃度が1以上で、顔料の充填量が相対的に大きいため、トナーの抵抗が小さくなり、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、交流バイアス電圧Vppが小さくとも、飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着することになる。
【0053】
また、選択現像と電圧リークを抑制する方法として、淡色トナー用現像ローラと濃色トナー用現像ローラとの交流バイアスのデューティを異ならせて設定するようにしてもよい。
【0054】
つまり、LCトナーを用いる現像においては、交流電源7bによって現像ローラ2に印加する交流バイアスのデューティを相対的に大きくする。
【0055】
この交流バイアスのデューティが大きいと、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、現像ローラ2から飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着する。LCトナーは、光学濃度が1未満で、顔料の充填量が相対的に小さいため、トナーの抵抗が大きくなり、現像ローラ2と感光体3間の交流バイアスのデューティが大きくても、電圧リークが抑制される。
【0056】
一方、DCトナーを用いる現像においては、交流電源7bによって現像ローラ2に印加する交流バイアスのデューティを相対的に小さくする。
【0057】
この交流バイアスのデューティが小さいと、現像ローラ2と感光体3間の電圧リークが抑制される。DCトナーは、光学濃度が1以上で、顔料の充填量が相対的に大きいため、トナーの抵抗が小さくなり、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、交流バイアスのデューティが小さくとも、飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着することになる。
【0058】
また、選択現像と電圧リークを抑制する方法として、淡色トナー用現像ローラと濃色トナー用現像ローラとの交流バイアスの周波数fを異ならせて設定するようにしてもよい。
【0059】
つまり、LCトナーを用いる現像においては、交流電源7bによって現像ローラ2に印加する交流バイアスのデューティを相対的に小さくする。
【0060】
この交流バイアスの周波数fが小さいと、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、現像ローラ2から飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着する。LCトナーは、光学濃度が1未満で、顔料の充填量が相対的に小さいため、トナーの抵抗が大きくなり、現像ローラ2と感光体3間の交流バイアスの周波数fが小さくても、電圧リークが抑制される。
【0061】
一方、DCトナーを用いる現像においては、交流電源7bによって現像ローラ2に印加する交流バイアスの周波数fを相対的に大きくする。
【0062】
この交流バイアスの周波数fが大きいと、現像ローラ2と感光体3間の電圧リークが抑制される。DCトナーは、光学濃度が1以上で、顔料の充填量が相対的に大きいため、トナーの抵抗が小さくなり、現像ローラ2上に付着している帯電量の大きい小粒径トナーも、交流バイアスの周波数fが大きくとも、飛翔しやすくなり、静電潜像に対応して、帯電量の小さい大粒径トナーとともに感光体3上に付着することになる。
【0063】
ここまで、LCトナーとDCトナーとを用いた画像形成について説明したが、LMトナーとDMトナーとを用いた画像形成についても、上記LCトナーとDCトナーとを用いる画像形成と同様の方法が用いられる。また、シアン色やマゼンタ色に限らず、その他の色のトナーに関しても、濃色トナーと淡色トナーとを用いた画像形成の際には同様の方法が用いられる。
【0064】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。第1実施形態と異なるロータリー式現像ユニットについて説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0065】
ロータリー式現像ユニットは、感光体3に形成された静電潜像を各色のトナーによって現像するためのものであり、図4における感光体3の左方に隣接して設けられる。また、ロータリー式現像ユニットは、ロータリーラックに回転自在に支持された6つの現像器34a〜34fを有する。現像器34aは淡い濃度のマゼンタ(LM)トナーを収容し、現像器34bは淡い濃度のシアン(LC)トナーを収容し、トナー像を感光体3に形成する。現像器34c、34d、34e、34fは、それぞれ濃い濃度のマゼンタ(DM)、濃い濃度のシアン(DC)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を感光体3に形成する。
【0066】
現像器34は、現像ローラにトナーを供給する供給ローラと、規制ブレードによって帯電されたトナー薄層を担持する現像ローラとを備える。
【0067】
現像ローラ上に担持されたトナーは、現像ローラにバイアスが印加されると、このバイアス電位と感光体3上の露光部の静電電位との電位差により、帯電したトナーが現像ローラから感光体3に供給され、トナーが露光部に付着して、静電潜像が現像される。現像されたトナー像は、中間転写ベルト61に転写される。この動作を各色で順次繰り返し、中間転写ベルト25上にはカラーのトナー像が形成される。
【0068】
第1実施形態と同様に、淡色トナー用ルックアップテーブルと濃色トナー用ルックアップテーブルとに基づいて画像形成が行われる。現像においては、淡色トナー用の現像ローラに印加する直流成分の電位Vdcと、感光体3の露光部電位Vmとの電位差ΔVは、濃
色トナー用の現像ローラに印加する直流成分の電位Vdcと、感光体3の露光部電位Vmとの電位差ΔVより大きく設定されている。これによって、選択現像と、現像ローラと感
光体間の電圧リークとを抑制している。
【0069】
上記実施形態に替えて、淡色トナー用の現像ローラに印加する交流バイアス電圧Vppは、濃色トナー用の現像ローラに印加する交流バイアス電圧Vppより大きくなるように設定し、選択現像と、現像ローラと感光体間の電圧リークとを抑制してもよい。
【0070】
また、上記実施形態に替えて、淡色トナー用の現像ローラに印加する交流バイアスのデューティは、濃色トナー用の現像ローラに印加する交流バイアス電圧のデューティより大きくなるように設定し、選択現像と、現像ローラと感光体間の電圧リークとを抑制してもよい。
【0071】
また、上記実施形態に替えて、淡色トナー用の現像ローラに印加する交流バイアスの周波数fは、濃色トナー用の現像ローラに印加する交流バイアス電圧の周波数fより小さくなるように設定し、選択現像と、現像ローラと感光体間の電圧リークとを抑制してもよい。
【実施例】
【0072】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例は、タンデム型カラープリンタに淡色トナー(LMトナー、LCトナー)と濃色トナー(DMトナー、DCトナー、Yトナー、Bkトナー)を用いて画像形成した。各淡色トナーの用紙上の載り量が0.5mg/cm2である時の光学濃度が0.7、各濃色トナーの用紙上の載り量が0.5mg/cm2である時の光学濃度が1.2である。
【0073】
(実施例1)
[淡色トナー用画像形成部30a、30b]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.4kV、周波数f:4kHz、デューティ:40%、直流成分の電位Vdc:350V
感光体;帯電電位V0:350V、露光部電位Vm:50V
VdcとVmの電位差ΔV:300V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
[濃色トナー用画像形成部30c、30d、30e、30f]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.4kV、周波数f:4kHz、デューティ:40%、直流成分の電位Vdc:220V
感光体;帯電電位V0:400V、露光部電位Vm:20V
VdcとVmの電位差ΔV:200V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
【0074】
上記現像条件で10000枚の画像形成を行ったときに、選択現像による画像濃度低下、トナー飛散が発生せず、また現像ローラの電圧リークによるトナー層乱れもなく良好な画像が得られた。
【0075】
(実施例2)
[淡色トナー用画像形成部30a、30b]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.6kV、周波数f:4kHz、デューティ:40%、直流成分の電位Vdc:350V
感光体;帯電電位V0:350V、露光部電位Vm:70V
VdcとVmの電位差ΔV:280V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
[濃色トナー用画像形成部30c、30d、30e、30f]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.2kV、周波数f:4kHz、デューティ:40%、直流成分の電位Vdc:300V
感光体;帯電電位V0:400V、露光部電位Vm:50V
VdcとVmの電位差ΔV:250V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
【0076】
上記現像条件で10000枚の画像形成を行ったときに、選択現像による画像濃度低下、トナー飛散が発生せず、また現像ローラの電圧リークによるトナー層乱れもなく良好な画像が得られた。
【0077】
(実施例3)
[淡色トナー用画像形成部30a、30b]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.4kV、周波数f:4kHz、デューティ:50%、直流成分の電位Vdc:350V
感光体;帯電電位V0:350V、露光部電位Vm:70V
VdcとVmの電位差ΔV:280V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
[濃色トナー用画像形成部30c、30d、30e、30f]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.4kV、周波数f:4kHz、デューティ:30%、直流成分の電位Vdc:300V
感光体;帯電電位V0:400V、露光部電位Vm:50V
VdcとVmの電位差ΔV:250V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
【0078】
上記現像条件で10000枚の画像形成を行ったときに、選択現像による画像濃度低下、トナー飛散が発生せず、また現像ローラの電圧リークによるトナー層乱れもなく良好な画像が得られた。
【0079】
(実施例4)
[淡色トナー用画像形成部30a、30b]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.4kV、周波数f:2kHz、デューティ:40%、直流成分の電位Vdc:350V
感光体;帯電電位V0:350V、露光部電位Vm:70V
VdcとVmの電位差ΔV:280V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
[濃色トナー用画像形成部30c、30d、30e、30f]:
現像ローラ;交流バイアス電圧(ピーク電圧)Vpp:1.4kV、周波数f:6kHz、デューティ:40%、直流成分の電位Vdc:300V
感光体;帯電電位V0:400V、露光部電位Vm:50V
VdcとVmの電位差ΔV:250V
感光体周速:150mm/sec
磁気ローラ/現像ローラ周速比:1.5
現像ローラ/感光体周速比:1.5
磁気ローラと現像ローラ間距離:0.3mm
感光体と現像ローラ間距離:0.2mm
【0080】
上記現像条件で10000枚の画像形成を行ったときに、選択現像による画像濃度低下、トナー飛散が発生せず、また現像ローラの電圧リークによるトナー層乱れもなく良好な画像が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に利用することができ、特に、現像剤として同一色相で濃度の異なるトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の現像器の概略構成図である。
【図3】は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の(a)LCトナー用ルックアップテーブルを示す図であり、(b)DCトナー用ルックアップテーブルを示す図である。
【図4】は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0083】
1 磁気ローラ
2 現像ローラ(現像部材)
2b、2d 第1の現像ローラ(第1の現像部材)
2a、2c、2e、2f 第2の現像ローラ(第1の現像部材)
3a〜3f 感光体(像担持体)
3b、3d 第1の感光体(第1の像担持体)
3a、3c、3e、3f 第2の感光体(第1の像担持体)
7a 直流電源
7b 交流電源
8 バイアス電源
9 規制ブレード
22 パドルミキサー
23 撹拌スクリュー
30a〜30f 画像形成部
34a〜34f 現像器
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記第1の現像部材に印加する直流成分の電位と前記第1の像担持体の露光部電位との電位差は、前記第2の現像部材に印加する直流成分の電位と前記第2の像担持体の露光部電位との電位差より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記第1の現像部材に印加する交流バイアス電圧は、前記第2の現像部材に印加する交流バイアス電圧より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記第1の現像部材に印加する交流バイアスのデューティは、前記第2の現像部材に印加する交流バイアスのデューティより大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する第1及び第2の現像部材を備え、前記第1の現像部材が用いる第1のトナーと前記第2の現像部材が用いる第2のトナーとは互いに同一色相であり、且つ、前記第1のトナーは前記第2のトナーよりも相対的に濃度が薄く、前記第1のトナーと前記第2のトナーとを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記第1の現像部材に印加する交流バイアスの周波数は、前記第2の現像部材に印加する交流成バイアスの周波数より小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体は静電潜像が形成される第1及び第2の像担持体を備え、前記第1及び第2の像担持体に形成された静電潜像をそれぞれ前記第1及び第2の現像部材が現像し、前記第1及び第2の現像部材に対向して配置され各現像剤を担持して各トナーを前記第1及び第2の現像部材に供給する第1及び第2の磁気ローラとを備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−54898(P2010−54898A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220991(P2008−220991)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】